Contract
公営企業管理局
公営企業管理局 | 愛媛県立中央病院 | 医事会計・宿日直業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 257,814,974 | |
委託契約:随意契約 | 委託先:民間事業者 |
公営企業管理局 | 愛媛県立今治病院 | 医事会計・宿日直業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 132,745,162 | |
委託契約:随意契約 | 委託先:民間事業者 |
公営企業管理局 | 愛媛県立xx病院 | 医事会計・宿日直業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 53,918,272 | |
委託契約:随意契約 | 委託先:民間事業者 |
公営企業管理局 | 愛媛県立南宇和病院 | 医事会計・宿日直業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 64,498,140 | |
委託契約:随意契約 | 委託先:民間事業者 |
公営企業管理局 | 愛媛県立新居浜病院 | 医事会計・宿日直業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 99,377,825 | |
委託契約:随意契約 | 委託先:民間事業者 |
Ⅰ.委託業務の内容の検討
(1) 委託業務の概要
愛媛県は,県立病院の医事会計・宿日直業務を民間事業者に外部委託している。xx病院では平成 18 年度より電話交換業務の委託が追加されている。
(2) 外部委託先決定方法について
① 随意契約の理由
本件業務委託先は,随意契約により確定している。愛媛県が随意契約によるべきである,とする理由はつぎのとおりである(項目番号・傍点――筆者)。
「(a) 病院の医事会計事務は、年間365日継続的・安定的に処理する必要があること,患
者のプライバシーに関する情報を取り扱うため徹底した情報管理が必要なことなど、その
.....
業務の性質から、頻繁に業者が入れ替わる状況は望ましくない。
(b) また、業務を行いながら、毎年20数名の職員全員の引継ぎをごく短期間で行うこと
は困難である。
上記に示した理由は,いくつかの重要な示唆を与えるものである。まずここでは,随意契約方式を採用する根拠について検討しておきたい。
愛媛県によると,当該業務の性質は「継続・安定的処理の必要性」,「徹底した情報管理の必要性」,「短期引継ぎの困難性」および,「受託業者の少数性」,「他業者比較・良好性」の5つに集約されると思われる。
そこで,この5つの性質が,本件業務委託を随意契約によることを正当化する根拠となるのか,あるいは,随意契約によらねばならない特段の事情に相当するのかについて検討することにしたい。なぜなら,愛媛県は本件業務委託について,上記5つの「性質」があることを根拠に,地方自治法施行令第167条の2第1項第2号「その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するので随意契約によることは正当である,としているからである。
そこで以下,本件業務委託の性質または目的について,社会的視点から検討することにしたい。
② 医事会計業務等の性質と「その他」該当性
本件業務委託の4つの類型を整理したい。(イ)「医事会計業務」とは,文字どおり医療事務に関する会計等の業務であって,受付業務、医事オペレータ業務、料金徴収業務、保険 請求業務、諸法請求業務、医事電算業務、病歴管理業務等の医事業務である。(ロ)「宿日 直業務」とは,宿直業務と日直業務とにわかれる。緊急電話の受理、外来者の対応、盗難 の予防などの業務に従事するもので、夜間にわたり宿泊を要するものを宿直業務といい、 勤務内容は宿直と同一であるが、その時間帯が主として昼間であるものを日直業務という。 (ハ)「外来クラーク業務」とは,患者の呼び出し、電話対応、証明書・診断書などの受付、メッセンジャー(伝票搬送)業務などをいう。(ニ)「電話交換業務」とは,文字どおり電 話交換を担当する業務である。
このように,本件「医事会計業務」や「外来クラーク業務」は,不動産や物品の製造等に関係するものではなく,広く医療事務に関するサービス業である。「宿日直業務」や「電話交換業務」はサービス業務そのものである。いずれにせよ,サービスを提供する側からすれば専門職とはいえ,人材派遣業であるといえよう。
このような人材派遣業務である医事会計業務等は地方自治法施行令第167条の2第1項第 2号にいう,不動産の買入れ・借入れや製造修理業務とは,その性格を大きく異にするものである。さらに,当該人材派遣というサービス業務については,監査人の見解としては、業者の数や民間病院における同様な業務の存在とその実施状況を鑑みて言うならば、ただちに地方自治法施行令167条の2第1項第2号にいう「その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するとは言い難いと思われる。しかも,「宿日直業務」や
「電話交換業務」に至っては,通常の宿直等と違うことを加味してでも、その性質又は目的が競争入札に適しないものということは困難であると思われる。
だからこそ後述のように,医事会計業務等の委託に際して,愛媛県のように随意契約方式によるのではなく,国立病院や他の公的病院では競争入札方式が採用されているのであろう。
③ 県立病院における医事会計業務等とその「性質」
ところで愛媛県は,既述のように,xx病院における当該業務の特徴的な性質をつぎの
5つとしている。すなわち(イ)「継続・安定的処理の必要性」,(ロ)「徹底した情報管理の必要性」,(ハ)「診療報酬請求に関する高度な専門知識」が求められる。(ニ)「短期引継ぎの困難性」および,(ホ)「受託業者の少数性」,(ヘ)「他業者比較・良好性」である。そこで以下,これらの性質が,随意契約方式を選択させうる事情に該当するのか否かについて検討したい。
(イ)「継続・安定的処理の必要性」について
「継続・安定的処理の必要性」について,他事業者に変更した場合,どのように継続性や安定性が阻害されるのか,その原因はなにか等について,実証データがあるのか否かは不明である。同一の事業者が継続して業務処理をなした方が安定的である,とのイメージから生じる理由ではないか,と推認できる。「安定的処理」をすべきことは,委託者である県および受託者である事業者における当然の義務である。競争入札方式による場合であっても,この「安定的処理」の必要性の度合いが低下すべきものではないからである。 しかも今日,当該事業分野への新規参入が増加しており,事業者において,「移行期の特別処理」のノウハウも蓄積されていることであろう。他事業者における「安定的処理」に関するxxxxが著しく不十分であるとの事情があれば格別,そうでなければ,この「継続・安定的処理の必要性」は,随意契約を正当化しうる積極的な理由にはならないと思われる。
(ロ)「徹底した情報管理の必要性」について
「徹底した情報管理の必要性」は,本件医事会計業務等に限定されるものではない。愛媛県が外部に委託するすべての業務について該当する理由である。仮に当該事情が認められるのであれば,多くの委託業務が随意契約方式によることが正当化されてしまう。「徹底した情報管理」をすべきことは,委託者である県および受託者である事業者における当然の義務である。言われているのは業者変更による情報漏えいリスクであるが、もちろん 1
社が辞めて 1 社が新規委託先となるわけであるからリスクが増えることはあるとは思われる。しかしながらこれは、当該業者の社員教育やプライバシーマークに対する理解度等があるかどうかであって、「徹底した情報管理の必要性」は,随意契約を正当化しうる積極的な理由にはならない。
(ハ)「短期引継ぎの困難性」について
「短期引継ぎの困難性」について,どのような実証データがあるのかは不明である。また,競争入札方式を採用するにしても,適切な引継ぎをすること・受けることを契約条件に織り込めば解決しうるであろう。しかも今日,大都市では当該事業分野への新規参入が増加しており,それらの事業者が地方に事業所を有しているのであるから,効率的・確実に引き継ぐノウハウも蓄積されているであろう。そのようなノウハウでは著しく不十分であるとの事情があれば格別,そうでなければ,「短期引継ぎの困難性」は,随意契約を正当化しうる積極的な理由にはならないと思われる。
(ホ)「受託業者の少数性」について
「受託業者の少数性」について,従前は4つないし5つの事業者による寡占状態であった。しかし,だからといって,事業者が少数であることは随意契約方式を採用する理由にはならない。複数社であっても競争すべきであるし,また,潜在的な市場が存在する。そうすると,「受託業者の少数性」ということを理由に,随意契約を正当化しうる積極的な理由にはならないと思われる。
(へ)「他業者比較・良好性」について
病院によっては「他業者比較・良好性」を挙げられる場合もあるのでここで監査人として記載している。「入れ替え前の業者や他の県立病院の業者に比べて少しは良好」というのであれば,その「入れ替え前の業者」や「他の県立病院の業者」による競争入札への参加については,競争入札における「参加資格」によって制限することになろう。このような場合は不良業者として全県的に位置づけるべきであろう。
(ト)受託事業者と独占禁止法違反事件について
本件医事会計業務等について審決事例をみておきたい。
xx取引委員会は,2000(平成 12)年 4 月 24 日,本件受託者である A 社を含む4社(他は B社,C 社,D 社)について,独占禁止法第 2 条第 6 項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第 3 条の規定に違反するとして勧告審決をおこなっている。
事件は,国立病院の指名競争入札等において,「受注価格の低落防止等を図るため…当
...
該医事業務の受託の継続性等の事情を勘案し、指名業者の間の話合いにより当該医事業務
...........
を受注すべき者を決定」し,「受注すべき価格は…受注予定者が定めた価格で受注できる
ように協力する旨の合意の下に、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた」,というものである(傍点――筆者)。
この審決例では,まずなによりも(a)医事会計等の委託業務という「市場」が存在することが前提とされていること,そして(b)事業者間においては,「継続性」が重要視されていること,および,(c)予定価格での受注が重要視されていることである。
まず(a)について,愛媛県としての理解はともかく,社会的・経済市場的には,医事会計等の委託業務をめぐる「市場」が確立されていることが再確認されている点は留意すべきである。この審決事件において,国立病院が指名競争入札をおこなっていることからも明らかであろう。
つぎに(b)の継続的業務受託については,事業者の引継ぎコストやシステム構築コストを削減することに貢献するであろうし,(c)の予定価格での受注は可能な限りでの高額受注となり,この点もまた事業者の収益増に貢献することにつながる。そうすると,「継続・安定的処理の必要性」を理由に継続的委託を標榜して随意契約方式を採用することは,見方を変えれば,受託事業者の収益に大きく貢献していることになるのであって,他方,受託事業者以外の事業者を排斥する行為につながる。
(c)については,本件委託事業は随意契約方式を採用しているからやむを得ないのであろうが,予定価格と概ね同額での業務委託が実施展開されていることもまた,受託事業者の収益への貢献につながるものということができる。
このような事態は,仮に愛媛県下において,事業者間における独占禁止法違反の行為がなされていないにしても,不適切な取引制限によって特定の事業者を利する行為であると同視できるような事態の可能性を残していると思われる。本件審決は指名競争入札方式による場合であるが,随意契約方式の場合,独占禁止法違反の事態が惹起される蓋然性は,競争入札方式の場合に比べていっそう高くなると思われるからである。
しかも,2000(平成 12)年 4 月に上記のような審決がおこなわれているのであるが、県はその直後である 2001(平成 13)年から 6 年間の長期にわたって,随意契約方式を採用し続けているのである。これは地方自治法第2条14項は,「住民の福祉に努めること」および
「最少コストでの最大効果を挙げること」の観点からして改善していかねばならないものと思慮するのである。
(チ) 医事会計業務等をめぐる国立病院・公立病院等の事例
今日,愛媛県が随意契約方式こそがあるべき姿とする「医事会計業務」,「宿日直業務」,
「外来クラーク業務」,「電話交換業務」等について,競争入札方式を採用する国立病院や公立病院は少なくない。
ここではすべてを紹介することはできないが,たとえば,独立行政法人国立病院機構鹿 児島医療センターでは,2007(平成19)年2月16日,「医事部門業務委託」「医事当直業務委託」について一般競争入札をおこなっている。また,同国立病院機構相模原病院では,同年2月 9日,「医事業務委託一式」について一般競争入札をおこなっている。また上記審決事案で は,実態はともかく少なくとも形式的には1996(平成8)年4月1日以降の段階で指名競争入札
方式が採用されているようである。このように,「医事会計業務」,「宿日直業務」,「外来クラーク業務」について一般競争入札が展開されているのである。「電話交換業務」については,診療科目や病院全般案内があっても、これをもって特殊性を帯びるものとはいえないと思われる。
④ 随意契約の期間について
県立病院では,随意契約の見直しは5年ごとにおこなわれるとのことである。この5年という期間の長短について,直ちに指摘することはできない。5年という期間を正当化する理由は,「継続」による「安定」であろうが,これについての問題点はすでに指摘したので,反復を避けることにする。
また,上記国立病院機構ではいずれも1年間を履行期限としていることを考慮すると,少し長すぎるとも思われる。
⑤ 随意契約による場合の規定について
本件業務委託について,随意契約方式を正当化しうる積極的理由にならないことをについてはすでに指摘したが,公立病院の経営においては今後も随意契約によらざるを得ない業務も生じるであろう。そこで,愛媛県は随意契約による場合の基準をより明確にされてはどうか。
ここでは,「独立行政法人国立病院機構契約事務取扱規則」(平成 16年4月1 日細則第 6号)第 17 条の 2 ないし 20 条が参考になると思われる。12
12第5章随意契約
(競争に付することが不利と認めて随意契約による場合)
第17条の2 会計規程第52条第4項の規定により競争に付することが不利と認めて随意契約による場合は、次に掲げる場合とする。
一 現に契約履行中の工事,製造又は物品の買入れに直接関連する契約を現に履行中の契約者以外の者に履行させることが不利であるとき。
二 随意契約によるときは,時価に比べて著しく有利な価格をもつて契約をすることができる見込みがあるとき。
三 買入れを必要とする物品が多量であって、分割して買い入れなければ売惜しみその他の理由により価格を騰貴させるおそれがあるとき。
四 急速に契約をしなければ、契約をする機会を失い、又は著しく不利な価格をもつて契約をしなければならないこととなるおそれがあるとき。
(随意契約によることができる場合)
第17条の3 会計規程第52条第5項の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。一 予定価格が250万円を超えない工事又は製造をさせるとき。
二 予定価格が160万円を超えない財産を買い入れるとき。
三 予定賃借料の年額又は総額が80万円を超えない物件を借り入れるとき。四 予定価格が50万円を超えない財産を売払うとき。
五 予定賃借料の年額又は総額が30万円を超えない物件を貸付けるとき。
六 工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が100万円を超えないものをするとき。(七~十三省略)
(随意契約の特例)
第17条の4 経理責任者は、競争入札に付しても入札者がないとき、再度の入札又は公募競争に付しても交渉権者がないときは、随意契約によることができる。この場合においては、履行期限を除くほか、最初競争に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができない。ただし、工事、測量・建設コンサルタント等の契約及び医療用の器械等の買入れの場合であって、一般競争入札、指名競争入札及び公募型競争見積の競争に複数回付しても交渉権者がないときは、競争で申込まれた最低の価格を上回らない価格を
もって契約価額とすることができる。
2 経理責任者は、前項ただし書きの規定により契約価額を決定する場合には、審査会に諮らなければならない。
なお付言ながら,上記「独立行政法人国立病院機構契約事務取扱規則」によれば,愛媛県が随意契約を継続する「医事会計業務」,「宿日直業務」,「外来クラーク業務」および「電話交換業務」のいずれにおいても,業務委託に際して一般競争入札とすべきでは、という結論にならざるを得ないと思うのである。
(3) 委託金額の決定方法
① 予定価格と契約金額
まずは,予定価格と契約金額,受託業者を示しておこう。つぎのとおりである。
xx病院医事会計 (税込@千円)
平成13年度平 | 成14年度平 | 成15年度平 | 成16年度平 | 成17年度 | 平成18年度 | |
予定価格 | 59,262 | 59,286 | 58,065 | 54,791 | 54,043 | 57,384 |
契約額 | 59,262 | 59,262 | 58,065 | 54,790 | 53,918 | 57,380 |
前年度差額 | 0 | △ 1,197 | △ 3,275 | △ 872 | 3,462 | |
受託業者 | A社 | A社 | A社 | A社 | A社 | A社 |
特殊事情 | 電話交換・日直業務を追加委託,増加額前年度比3,500千円 |
三島病院医事会計
60,000
55,000
50,000
予定価格
45,000
契約額
40,000
35,000
30,000
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度
上記表から既に明らかであるが,若干ではあるが減額傾向にあること,予定価格と実際の契約額がほとんど同額で推移し、業務増加等以外では前年度契約額がベースとなり予定価格が決まっていることがわかる。以下,xx病院のグラフの後、各病院の各予定価格,契約額の推移を表、グラフにするので参照されたい。
千円
3 経理責任者は、会計規程第55条第2項に規定する者が契約を結ばないときは、その契約価額の制限内で随意契約によることができる。この場合においては、履行期限を除くほか、最初競争に付するときに定めた条件を変更することができない。
(第17条の5~第21条 省略)
(予定価格の決定方法)
第22条 予定価格は契約する事項の価格の総額について定めなければならない。ただし、一定期間継続してする製造、修理、加工、売買、供給、使用等の契約の場合においては、単価によることができる。
2 予定価格は契約の目的となる物件又は役務について、病院等の財政状態及び運営状況、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期限の長短、支払条件等を考慮して適正に定めなければならない。
南宇和病院医事会計
66,000
64,000
62,000
60,000
58,000
56,000
予定価格
54,000
契約額
52,000
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
南宇 和病院医 事会計 ( 税込@ 千 円 )
平成 1 3 年 度 | 平成 1 4 年 度 | 平成 1 5 年 度 | 平成 1 6 年 度 | 平成 1 7 年 度 | |
予定 価格 | 58,335 | 58,35 4 | 57,17 3 | 56,56 0 | 64,499 |
契約 額 | 58,330 | 58,35 3 | 57,16 6 | 56,56 0 | 64,498 |
前年 度差額 | 23 | △ 1,18 7 | △ 60 6 | 7 ,938 | |
受託 業者 | C社 | C社 | C社 | C社 | C社 |
特殊 事情 | 平成 17年 度の 予定価 格が 増加し ている のは、予 約業務 の増 加に対 応する べく 新たに 外来 クラー クを3 名増 員した ため。 |
中央病院医事会計
270,000
260,000
250,000
240,000
230,000
220,000
予定価格
210,000
契約額
200,000
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
千円
千円
中央病院医事会計 ( 税込@千円)
平成13 年度 | 平成14 年度 | 平成15 年度 | 平成16 年度 | 平成17 年度 | |
予定価格 | 221 ,873 | 231 ,086 | 226,767 | 258 ,120 | 258,005 |
契約額 | 221 ,784 | 230 ,823 | 226,764 | 258 ,002 | 257,815 |
前年度差額 | 9,039 | △ 4,059 | 31 ,238 | △ | |
受託業者 | B社 | B社 | B社 | B社 | B社 |
特殊事情 | 平成14 年度の予定価格が増加しているのは、 業務量増大との こと、又平成16 年度の増加はカルテのチェックの必要性がで たため診療情報管理士の人数増加のため。 |
今治病院医事会計
135,000
130,000
125,000
120,000
115,000
予定価格
110,000
105,000
契約額
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
(税込@千円)
今 治 病 院 医 事 会 計 ( 税 込 @ 千 円 )
平 成 1 3 年 度 | 平 成 1 4 年 度 | 平 成 1 5 年 度 | 平 成 1 6 年 度 | 平 成 1 7 年 度 | |
予 定 価 格 | 11 5, 3 8 0 | 1 16, 742 | 11 9, 5 5 7 | 1 27, 027 | 13 2, 8 5 9 |
契 約 額 | 11 5, 1 8 0 | 1 16, 543 | 11 9, 3 5 2 | 1 27, 024 | 13 2, 7 4 5 |
前 年 度 差 額 | 1, 36 3 | 2 , 8 09 | 7, 672 | 5, 7 2 1 | |
受 託 業 者 | B 社 | B 社 | B 社 | B 社 | B 社 |
特 殊 事 情 | 平 成 1 7 年 度 の 予 定 価 格 が 増 加 し て い る の は 、 業 務 量 増 大 と の こ と 。 |
新居浜病院医事会計
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
千円
千円
x x 浜 病院医 事会 計 ( 税 込 @ 千 円 )
平 成 1 3 年 度 | 平 成 1 4 年 度 | 平 成 1 5 年 度 | 平 成 1 6 年 度 | 平 成 1 7 年 度 | |
予 定 価 格 | 82 , 0 82 | 8 2 ,0 00 | 81 ,9 6 8 | 97 , 2 1 5 | 9 9 ,4 35 |
契 約 額 | 81 , 9 67 | 8 1 ,9 67 | 81 ,9 6 7 | 96 , 9 1 5 | 9 9 ,3 78 |
前 年 度 差 額 | 0 | 0 | 1 4 , 948 | 2 ,46 3 | |
受 託 業 者 | A社 | A社 | A社 | A社 | A社 |
特 殊 事 情 |
予定価格契約額 | ||
② 委託料の決定過程について
本件委託契約について,各県立病院が主体的に受託業者と委託契約を締結しているように見える。しかしながら,各県立病院に委託業者選択の余地や価格交渉の余地は,事実上与えられていない。以下説明する。
毎年事業年度末の 3 月下旬頃,本庁県立病院課より病院事務局長宛に事務連絡が FAX により発せられる。「医事会計・宿日直業務等の委託料基準額について」という文書によって各病院における委託業務について「基準額」が明示されている。この基準額がそのまま予定価格となっている。
各病院においては,上記文書(FAX)を受けて,当然のことながら,随意契約先である委託業者に見積もり請求をおこなう。約 1 週間後,予定価格とほぼ同額以下の見積書(1枚もの)が各病院に届けられる。これで採用となる。数日後の新年度には委託契約締結となる。xxxxxxなように,各病院において競争入札をおこなう時間や業者選定,価格交渉をする時間は皆無といってよい。
これ以上の指摘は県立病院課における問題であるので,別途検討することにしたい。
(4) 委託業務の執行状況の管理・検証状況
県立病院においては,日々の「業務日誌」(提出は週毎),毎月の「業務完了報告書」によって委託業務の内容を確認しているとのことである。また,現場に医事係職員が2名常駐しているので,常時,現場での作業確認をおこなっているとのことである。
各病院が県立病院課に提出する「医事会計業務等委託業者に関する意見」をみると,それなりに問題点の指摘や改善状況の記載がなされている。
また,本件医事会計業務等は,病院という特定の建物内での,しかも主幹業務の委託であるので,県担当者による管理は,比較的行き届いているように見受けられた。
Ⅱ.監査結果
(1)愛媛県は、各県立病院の医事会計業務等について,随意契約方式を採用している。
確かに委託業者選考審査会により、随意契約の一種であるプロポーザル方式により選考され、結果として、3 業者が 6 病院を 2 箇所ずつ受託している。しかしながら、各病院が採用する「理由」を検討したところ,当該「理由」は,競争入札に適さない場合と認めるだけの「性質」(地方自治法施行令第 167 条の 2)を根拠づけるものではないと判断した。その詳細は I の(2)の③県立病院における医事会計業務等とその「性質」で述べたとおりである。すなわち,本件業務委託について随意契約方式を採用することは,地方自治法第 234 条 2
項および地方自治法施行令第 167 条の 2 の要件を満すとはいえないと思われる。したがって,愛媛県は早急に随意契約方式を取りやめ,一般競争入札方式を採用すべきと考える。 (意見)
(2) 不適切な取引制限の可能性について
現在の状況をみると,仮に愛媛県下において,事業者間における独占禁止法違反の行為がなされていないにしても,不適切な取引制限によって特定の事業者を利する行為であると同視できるような事態が起こっている可能性があると思われる。(意見)
(3) 随意契約の期間について
随意契約の期間は,競争入札方式や他の国立病院・公立病院と比較すると,相対的に長期なものと思慮する。随意契約による現状下を前提に考えた場合,その見直し期間は短縮すべきである。最近の経済取引事象に対する考え方は、長期は癒着や妥協、業務に対する甘えを生み好ましくないとするのが正論である。本件医事会計・宿日直業務においてもこの考え方が当てはまるものと思われる。(意見)
(4) 日常業務の検証について
業務の執行状況の検証に関連して、形式上の業務完了報告は受けているが、例えば患者さんの意見箱の意見・要望・クレームが委託業者の社員に対するものであった場合、委託業者がそのクレーム等に対して具体的にどのように対応したのかについてわかる文書がないものがあった。又、病院として業者に指示した際の文書なり手続きがわかるものがなかった。形式上の業務完了報告をいくら受けていても、これらの日々の業務での検証が不十分であれば、病院としての検証が不十分といわざるを得ない。(指摘)
(5) 医事会計においては、患者からの入金がなされていないものの回収が大きなテーマとなっている。委託業者はあくまで請求書の発送、未収金発生の場合の電話連絡、残高、個人別表の作成といったところまでであり、滞留診療代の回収について平成 18 年度の 5 病院の滞留診療代の集金のための訪問を本庁県立病院課職員と各病院の担当者の2人 1 組で 107件:計 13,372,529 円について行っているが、22,020 円しか集金できていない。抜本的な回収方法を検討される必要がある。(意見)
公営企業管理局 | 今治病院 | 物品管理運営業務委託 |
委託形態:随意契約 | 委託先:民間業者 | |
平成 17 年度年間委託料(円) | 15,805,440 |
Ⅰ.委託業務の内容の検討
(1) 委託業務の概要
県立病院では診療材料(縫合糸、人工骨、カテーテル等、ガーゼ、消毒液、等の薬品の範ちゅうのものも一部含む)の発注業務、入出庫処理、定数管理及び回収、院内搬送業務、在庫管理業務(Supply Processing & Distribution)を委託している。
従来、病院の職員がこの業務を行ってきたが、平成 13 年度に県立中央病院にて外部委託方式を採用し、その後、平成 14 年度に今治、新居浜の両病院にも導入し、現在 3 病院で行っており、他の県立病院については引き続き病院の職員が上記業務を行っている。
当該業務は、病院の診療業務の補助業務として大切な業務であり、今後ますます高度化するとともに在庫管理の面でも民間のノウハウを活用した科学的手法を導入するメリットは大きいとの判断で導入したものである。又委託方式は、受託業者がハードウェア及びソフトウェアを持ち込んで業務を実施する「包括的業務委託」を採用している。
下記の写真のように PC で入出庫の管理をしている
(2) 外部委託先決定方法について
地方公営企業法施行令第 21 条の 14 第 1 項第 2 号にいう「その性質又は目的が競争入札に適しない場合」に随意契約とすることができる規定があり、この業務が病院診療に密接に関連する重要業務であり、競争入札に適しないと判断したためである。
そこで、外部委託先決定方法は、「物品管理システム導入支援業務・物品管理運営業務委託業者選考審査会設置要領」を定め公営企業管理局職員及び病院関係者が受託希望者(3 社)の業務提案書を「会社・導入支援業務の執行体制・システムソフトの内容・物品管理運営業務の執行体制・現場管理体制・研修体制・不測の事態への対応・見積書及び積算根拠・その他」の 9 項目について審査、比較検討し、採点をして最高得点の業者に決定している。随意契約とした根拠を準備はされ、又その決定過程の透明性はあるとはいえる。
(3) 委託金額の決定方法
過去 5 年間の委託実績は以下のようになっている。
平成14年度 | 平成15年度 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
決定価格(税込み) | 16 ,128 ,000 | 16 ,128 ,000 | 00 ,000 ,000 | 00 ,805 ,440 |
前年度差額 | - | 0 | -107,100 | -215,460 |
委託先 | A社 | A社 | A社 | A社 |
決定価格の年度比較
16,200
16,100
16,000
15,900
15,800
15,700
15,600
決定価格(税込み)
平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
金額(千円)
平成 14 年度より委託している。
上記金額は、県内 3 病院全てについて A 社に委託しているため、本庁の県立病院課において人件費、システムレンタル料、リモートメンテナンス料、マスタメンテナンス料、医事連携システム管理料等の物品管理システムの運用に係るコスト、各種消耗品費を積み上げ計算して予定価格を算出している。人件費における単価は人事院勧告をベースに、又工数は病院の規模により配置延人数・工数を決めて単価を定め算出している。
上記で年度別にみて予定価格が減少しているのは、人事院勧告の引き下げや愛媛県の財政事情を反映しての予算削減努力として業者に削減依頼した結果である。
なお、決定価格を決める際、県として算出した予定価格は、業者の予定する工数を聞き取り、これに業者の見積価格を参考に算出した各種コストを積算して求めたものであり、県として現場事情、合理的管理方法のあるべき姿、工数を算出した上でのものではないが、現状下での一方法ではある。
(4) 委託業務の執行状況の管理・検証状況 委託状況の検証は次のようになされている。
「物品管理システム運営業務 業務日誌」が毎日 A 社の担当者から提出され、又病院内において回覧されている。さらに「愛媛県立今治病院物品管理運営業務 業務完了報告書」が毎月末提出され、これに対して病院物品管理業務担当者によって完了証明として押印がなされている。
形式上はこのようになってはいたが、今治病院にては、実際のところ管理において何処に課題があるのか等をお聞きしたが、担当者が平成 18 年度より変わってまだ数ヶ月であり、
まだ十分実態を把握できていないとのことであり、実態把握ができず、日を改めて 2 つの
病院を訪問し、それぞれの病院で委託先である A 社の現場責任者に時間をとっていただき物品の管理状況を質問し、必要に応じて現場を視察した。
Ⅱ.監査結果
委託業務としてサンプリング対象としたのは今治病院であり、まず今治病院現地調査を行ったが、その委託業務の検証状況を把握できなかったため、再度訪問したが、その際今治病院、新居浜病院の二病院の現地調査を行った。
そして監査結果は両病院について共通にいえることであり、両病院についての監査結果としてみていただきたい。
(1) 随意契約を選択することの理由の合理性について
本業務委託は、いわゆる在庫管理である。しかしながら県は、「業務が病院診療に密接に関連する重要業務であり、競争入札に適しないと判断した」ために、地方公営企業法施行令第 21 条の 14 第 1 項第 2 号にいう「その性質又は目的が競争入札に適しない場合」に該当すると判定されているが、はたしてそうであろうか?
民間会社において在庫管理のノウハウをもっているところはたくさんある。業務が病院診療に密接に関連する重要業務であるというのはわかるが、それなら、もっとその業務の執行状況の検証をすべきであるし、これらの事実をもって競争入札に適しないと断を下すのは早計と思われる。少なくとも提案書を提出してくるところが複数あり、その会社が県の業務委託先としての基準を満たす場合は、競争型の契約にすべきではないだろうか?
さらに、前述したⅠの(3)の予定価格の算出方法をとる限り、本当の意味でのコスト削減に
つながらないと思われる。
「コスト意識の徹底、コスト削減」は当然検討されるべき重要な事項であり、そのためにも将来的には競争型の契約に切り替えることを検討すべきと思慮する。(意見)
(2) 委託業務の執行状況の検証について
業務内容を監査人が業者に直接検討した結果、次のような課題があった。
①毎年 3 月末、9 月末に棚卸を行っているとのことであるが、業者に「棚卸のマニュアル」乃至は棚卸が適正に行われることを担保する規則等がない。
②棚卸に病院側で立会い、棚卸が適正になされていることを検証すべきである。
③棚卸の結果、差異がある場合、これを通常の入出庫扱いし、特に原因追及をしているわけではない。棚卸のときの差異は「棚卸差異」としてきちんと把握し、原因究明する必要がある。
④事故(物損)等よる在庫の減は放射線科以外についてはこれを事故処理せず、通常消費と
してしまっているが、これは事故報告等でその原因を明示して減額する必要がある。
⑤長期停滞在庫について、各々の課ごとの在庫の品目別回転率(稼動率)は各課に業者から各部署に直接報告はされているが、個々の在庫ごとの長期停滞在庫の報告はしていない。各部署でアクションを起こすために必要なデータは個々のデータであり、これを病院の SPD 管理部門を経て各部署に報告してもらい各部署でその処理等の判断をしてもらわなくてはならない。
そして病院の SPD 管理部門は各部署の対応状況をフォローして適切に指導しなければならない。
検証とは、「一定の書式に従った文章を作成させ、これに押印する」のでなく、業務の実態を把握し、必要に応じて棚卸に立ちあい、問題点・課題を理解、確認してそのフォローの状況をプッシュすることである。そのために現場にはいって、ある意味では業者以上にその実態を理解把握することが望まれる。(日々業務を行うのは業者であるから日々の業務は業者の方が当然詳しいといわれるかもしれないが、業務をやっている本人でない横からの観点での実態把握であることが重要である。)
現在の状況では検証ができていないと結論づけざるをえない。業務委託の検証が真にできるためには「その業務の内容を熟知し、現場を理解しておかなくてはならない。」是非とも、業務内容を勉強、理解し、実質的な検証をしていただきたい。(指摘)
医療技術大学
医療技術大学 | 総務課 | 学内 LAN サーバシステム運用維持支援業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 2,646,000 | |
委託契約: 随意契約 | 委託先:民間事業者 |
Ⅰ.委託業務の内容の検討
(1) 委託業務の概要
愛媛県は,愛媛県医療技術大学内に設置されている LAN サーバシステムの運用維持支援業務を民間事業者に外部委託している。
具体的な内容としては、①学内 LAN サーバシステムのソフトウェアに起因する障害及びハードウェア障害発生時の復旧作業、②対象システムの性能分析及び稼働状況月次診断、
③対象システムのセキュリティパッチ適応、④その他の技術支援となっている
(2) 外部委託先決定方法について
学内 LAN サーバシステムのハード機器について、平成 16 年 7 月に月次賃借料を基準とした入札が実施され(4 社入札参加)、落札業者との機器賃貸借契約が平成 16 年 9 月に締結されている(平成 21 年 8 月までの 5 年契約)。この契約に基づき、Linuxベースのサーバ環境を構築提供されたため、当該機器提供業者による運用支援保守業務が不可欠との理由からサーバ構築業者との随意契約の方法が選択されている。
(3) 委託金額の決定方法
業者見積により算定している。なお,予定価格の事前公表はなされていない。
(4) 委託業務の執行状況の管理・検証状況
委託業務の執行状況については、月次の報告書の提出によって委託業務の執行状況を管理・確認している。
Ⅱ.監査結果
(1) 入札により決定された機器の月額賃借料314,790円(税込)(年間3,777,
480円)と随意契約による保守管理料年額2,646,000円を比較してみると、およそ 7 割にもなっており、本来入札にハードのみでなくソフト保守料金が含められていなかったことは不適切である。(意見)
(2) 積算および見積り金額の妥当性について、適切に判断できる専門的な能力を有した事務職員はいないため、これらの点に関して責任能力が不十分となっている体制は、県費の抑制という観点からは問題である。県は、専門性のある委託事業に関する積算基準の整備と人材の育成に努めるべきである。(意見)
(3) 委託事業の執行状況についても、高度な精密機械の点検であり、事務職員での検証は不可能との理由でチェックは十分に行なわれていない状態にあり、費用対効果の検証と抑制が不十分な状態にある。これらの検証を十分に行なえる人材を大学が単独で備えることは不効率である。しかし、県全体でみれば、そうした専門知識を持った人材を有することは簡単なことであり、組織の枠組みを超えた検証作業の実施ができるはずである。(指摘)
医療技術大学 | 総務課 | 空調設備保守点検業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 10,920,000 | |
委託契約: 指名競争入札 | 委託先:民間事業者 |
Ⅰ.委託業務の内容の検討
(1) 委託業務の概要
愛媛県は,医療技術大学内に設置されている空調設備の保守点検業務を民間事業者に外部委託している。
具体的な内容としては、吸収式冷温水発生機1基、冷却塔 1 基、パッケージ型冷暖房機
11 台、ファイコイル 256 台、送風機類 149 台、自動制御機器、空調機 19 台、地価オイルタンク等 2 台、グリスフィルター11 枚、ダンパー2 箇所、ポンプ7台、防錆防藻装置、実験室、加湿器等の機器類の年 2 回ないし 3 回の点検業務となっている
(2) 外部委託先決定方法について
委託先は、指名競争入札によって選定されている。指名業者は、県の入札参加登録業者のうち、空調設備保守点検業務の実績があり確実な施行能力のあるとされる業者が選定されている。
(3) 委託金額の決定方法
業者見積および前年実績により算定している。なお,予定価格の事前公表はなされていない。
過去 5 年間の契約金額,受託業者はつぎのとおりである。
(千円)
平成13年度 | 平成14年度 | 平成15年度 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
契約額 | 12,600 | 12,600 | 12,600 | 12,180 | 10,920 |
前年度差額 | 0 | 0 | 0 | △ 420 | △ 1,260 |
受託業者 | X社 | X社 | X社 | X社 | X社 |
契約金額をグラフにしておくので参照されたい。
13,000
12,500
12,000
11,500
11,000
10,500
10,000
契約額
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
グラフからもわかるように、予定価格の算出は業者見積ベースであり主体的な適正金額の算定は十分になされていないものと考えられる。
また、入札の執行状況は以下のとおりである。
医療大学 空調設備保守委託業務入札執行状況
平成13年 | 平成14年 | 平成15年 | 平成16年 | 平成17年 | 平成18年 | |
落札額(税込み) | 12,600,000 | 12,600,000 | 12,600,000 | 12,180,000 | 10,920,000 | 10,920,000 |
落札額(税抜き) | 12,000,000 | 12,000,000 | 12,000,000 | 11,600,000 | 10,400,000 | 10,400,000 |
平成13年 | 平成14年 | 平成15年 | 平成16年 | 平成17年 | 平成18年 | |
X社 | 12,000,000 | 12,000,000 | 12,000,000 | 11,600,000 | 10,400,000 | 10,400,000 |
B社 | 12,200,000 | 12,200,000 | 12,100,000 | 11,800,000 | 11,000,000 | 11,000,000 |
C社 | 12,400,000 | 12,100,000 | 12,400,000 | 11,800,000 | 11,000,000 | 10,500,000 |
D社 | 12,500,000 | 13,000,000 | 12,500,000 | 12,000,000 | 10,700,000 | 10,550,000 |
E社 | 12,500,000 | 12,300,000 | ||||
F社 | 13,100,000 | 12,800,000 | ||||
G社 | 12,700,000 | 12,300,000 | 11,200,000 | 10,700,000 |
14,000,000
12,000,000
10,000,000
8,000,000
6,000,000
4,000,000
2,000,000
0
X社
C社 E社 G社
B社
D社 F社
平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年
円
グラフを見れば、明らかであるが落札業者以外の業者には積極的に落札しようとする意
思がないのではないかというように見受けられる入札状況であり、競争原理が十分に働いていない実態が推察される。
(4) 委託業務の執行状況の管理・検証状況
委託業務の執行状況については、高度な精密機械の点検であり測定数値の適否を判断するには相当の知識が必要なため、事務職員での検証は困難との理由で保守点検報告書の提出をもって委託業務の執行状況の管理・確認とされている。
Ⅱ.監査結果
(1) 予定価格の算定については、専門性を有する業務であるため大学の職員においては限界がある。しかし、県全体で考えるならば、相当数の空調設備の保守点検業務を委託に付しており、予定価格の積算を適切に算定できる人材を備えることは可能であり、組織を横断的に超えた積算指導を行なうことはなんら困難なことではない。また、委託された業務の検証についても県が専門能力を有した職員を派遣して確認する作業を行うことが可能なはずである。(意見)
(2) 入札の状況からは、適切な競争原理が働いていない可能性が推察されるが、これは指名業者が限定されていることがその大きな理由となっている。早急に、一般競争入札制度を導入すべきである。(指摘)
医療技術大学 | 総務課 | 警備業務委託 |
平成 17 年度年間委託料(円) | 9,969,120 | |
委託契約: 随意契約 | 委託先:民間事業者 |
Ⅰ.委託業務の内容の検討
(1) 委託業務の概要
愛媛県は,医療技術大学の警備業務を民間事業者に外部委託している。
具体的な内容としては、警備員と機械警備の併用による警備となっている。警備員は、平日の7:00~8:30及び18:15~24:00、土曜・日曜・祝日の8:00~
20:30まで警備員室を拠点として、①機械警備用監視盤の監視と措置、②施設管理用綜合監視盤の監視と措置、③防火・防犯を主体とした学内巡回点検、④異常事態発生時の措置、⑤警備本部と連携業務の推進、⑥その他協議決定した事項を行なう事となっている。
(2) 外部委託先決定方法について
短期大学xx時より17年間にわたり、A 社と随意契約の方法により委託されている。同社との毎年の委託料には設備設置の初期投資費用が含まれていないのに対して、競争入札
にした場合には、設備費用が予定価格に含める必要があり単年度価格が割高になる点、1
7年間無事故の実績を理由に同社との随意契約が継続されている。
(3) 委託金額の決定方法
業者見積により算定している。平成17年度については夜間警備時間の短縮により見積もり金額が低減されている。なお,予定価格の事前公表はなされていない。
過去 5 年間の契約金額,受託業者はつぎのとおりである。
(千円)
平成 13年度 | 平成 14年度 | 平成 15年度 | 平成 16年度 | 平成 1 7 年度 | |
契約額 | 13 ,411 | 13 ,411 | 13 ,411 | 12 ,879 | 9,969 |
前年度差額 | 0 | 0 | 0 | △ 532 | △ 2,910 |
受託業者 | A社 | A社 | A社 | A社 | A社 |
契約金額をグラフにしておくので参照されたい。
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
契約額
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
(4) 委託業務の執行状況の管理・検証状況
委託業務の執行状況については、業務日誌および月次業務完了報告書の提出をもって委託業務の執行状況を管理・確認している。
Ⅱ.監査結果
(1) 予算の算定は、特定業者の言い値であり、サービスに見合った適切な積算の努力はなされていない。機械警備用の設備について導入した業者が、設備の投資コストを持って他の業者の人的警備についての参入を阻害することとなり、適切な競争が期待できないこととなる。5 年ないし10 年のスパンを設けて一体的な入札を行なうことを検討すべきである。 (指摘)