(平成 27 年 5 月)」及び「同ガイドライン Q&A(案)(平成 27 年 10 月)」を参照 http://www1.mlit.go.jp/common/001107034.pdf
営繕工事請負契約における設計変更ガイドライン
令和 5 年 4 月
各務原市企画総務部契約経理課
目次
1. 本ガイドラインの位置づけ
2. 設計変更ガイドライン
3. 工事一時中止ガイドライン
4. 参考資料
1. 本ガイドラインの位置づけ
平成 26 年 6 月に改正された「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」において、発注者責務が明確化され、「発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)」に、実施すべき事項として「適切な設計変更」が位置づけられた。
これまでの各務原市の建築工事では、設計変更及び工事一時中止の手続き等は、「工事請負契約約款」にて行ってきたが、発注者と受注者双方の責任の明確化、透明性の向上、円滑な事業執行と、発注者と受注者双方が工事の施工に際しての共通認識をさらに図ることを目的として、本ガイドラインを策定する。
(参考)国土交通省官庁営繕部が発出している「営繕工事請負契約におけるガイドライン(案)
(平成 27 年 5 月)」及び「同ガイドライン Q&A(案)(平成 27 年 10 月)」を参照 xxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xxxxxx/000000000.xxx
2. 設計変更ガイドライン
(1)設計変更ガイドライン策定の背景
●工事請負契約の原則
(1)公共工事の品質確保に当たっては、公共工事における請負契約の当事者が各々の対等な立場における合意に基づいてxxな契約を締結し、xxに従って誠実にこれを履行するように配慮されなければならない。【公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)第 3 条 8 項】
(2)発注者及び受注者は、契約書に基づき、設計図書に従い、法令を遵守し、締結した契約を履行しなければならない。【工事請負契約約款(約款)第 1 条】
●営繕工事の特徴
(1)建築物は、不特定多数の利用者や施設管理者等の様々な要望を総合的に勘案し設計された一品受注生産である目的物を、多種多様な自然・社会・環境条件の下において
生産するという特殊性を有している。
(2)工事の進捗と共に、当初発注時に予見できない施工条件や環境の変化などが起こり得る。
(3)市有建築物には施設管理者あるいは管理予定者があり、その整備にあたっては、発注者・受注者のほかに、施設管理者からの意見や要請等を勘案する必要がある。
●設計変更ガイドラインの策定
(1)設計変更に係る業務の円滑化を図るためには、発注者と受注者がともに、設計変更が可能なケース・不可能なケース、手続きの流れ等について十分理解しておく必要があることから、設計変更ガイドラインを策定する。
(2)この設計変更ガイドラインは、一般的な考え方を示すものである。
(2)用語の定義
●設計変更ガイドラインにおいて用いる用語の定義
(1)「設計変更」とは、約款第 18 条又は第 19 条の規定により、図面または仕様書を変更することとなる場合において、契約変更の手続きの前に当該変更の内容をあらかじめ発注者が受注者に指示すること等をいう。
(2)「契約変更」とは、約款第 23 条又は第 24 条の規定により協議し、工期又は請負代金額の変更の契約を締結することをいう。
(3)「軽微な設計変更」とは、設計変更のうち次の全てに該当するものをいう。
ア.設計変更の内容が、当該工事の基本的内容に重大な影響を及ぼさないもので、次のいずれかに該当するもの
1 主たる構造部分を変更することのない仕上げ部分の変更
2 建築及び附属設備との関係から必要となる構造部の部分変更、仕上部の形状、寸法の変更並びに設備施設の形状、寸法延長の変更
3 簡単な構造物の部分的な寸法及び 20%以内の延長、面積の変更
4 工法に変更なく単に施工材料の変更、面積で 20%以内の変更
5 主たる建築物に附随する施設の位置、形状延長の変更
6 精査の結果による現地に即応した簡単な施設の変更
7 その他各号に属さない局部的で、かつ、工費に重大な影響を及ぼさない変更イ.設計変更による累計見込増加額が当初請負額の 20%以内のもの
※1 変更契約後において、更に設計変更する場合も同様に取り扱う(設計変更による累計見込増加額が当初請負額の 30%を超える場合を除く。)。
※2 減額変更の場合は、軽微な設計変更として取り扱う。
※3 (1)及び(2)の適用にあたっては、国の通知等(「工事請負契約書の制定について(平成 7 年 6 月 30 日建設省厚xx第 25 号)」、「工事請負契約書の運用基準につい
て(平成 7 年 6 月 30 日建設省厚xx第 27 号) 」及び「設計変更に伴う契約変
更の取扱いについて(昭和 44 年 3 月 31 日建設省xxx発第 31 号の 2)」)を参照
(3)設計変更に関する留意事項
●受注者の留意事項
(1)受注者は、約款第 18 条第 1 項に該当する事項等を発見したときは、その事実が確認できる資料を書面により監督員に通知し、確認を求める。
(2)受注者は、設計図書等に疑義が生じた際には、監督員との協議を行う。
(3)発注者は、協議内容によっては各種の検討・関係機関との調整が必要となるなど、受注者の意見を聴いたうえで回答までの期間をやむを得ず延長せざるを得ない場合もあるため、その協議すべき事実が判明次第出来るだけ早い段階で協議を行うことが重要である。
(4)受注者は、指示書・協議書等の書面による回答を得てから施工する。
※「監督員と協議」とは、協議事項について、監督員と受注者等とが結論を得るために合議し、その結果を書面に残すことをいう。【公共建築工事標準仕様書より】
●発注者の留意事項
(1)発注者は、約款第 18 条第 2 項に基づく調査を行った場合、第 3 項によりその結果
を取りまとめ、調査の終了後 14 日以内に受注者に通知する。
(2)発注者は、関係部局との調整後、速やかに書面による指示・協議等を行う。 (3)当初設計の考え方や設計条件を再確認して、設計変更の協議にあたる。
(4)当該事業(工事)における設計変更の必要性(規格の妥当性、変更対応の妥当性)を明確にする。
(5)設計変更に伴う契約変更の対象工事は、変更による累計見込増加額が当初請負額の
30%以内で、かつ、500万円以内の増額工事であり、当初の工法と同一又は同程度の効用を有する工事を対象とする。
ただし、現に施工中の工事と分離して施工することが困難な工事については、契約担当者との協議のうえ、この範囲を超えるものについても変更の対象とすることができる。
(6)契約変更は、その必要が生じた都度行うこととする。ただし、次のいずれかの条件を満たす変更は、契約担当者との協議(3 に該当する場合を除く。)並びに受注者との協議のうえ施工を指示し、工事完成時(債務負担行為に基づく工事の場合は、各会計年度末及び工事完成)までに行うものとする。
1 防災及び安全管理等の理由で緊急施工が必要なもの
2 工事施工前に数量が定まらないもの
3 軽微な設計変更に伴うもの
(7)一つの工事現場において、複数の契約に基づく工事が実施される場合で、そのうち
の一の工事の設計変更を行う際には、関連するその他の工事の設計変更についても検討する。
(4)設計変更が不可能なケース
次の場合は、原則として設計変更には該当しない。(ただし、約款第 26 条(臨機の措置)による対応の場合はこの限りではない。)
(1)設計図書に定めのない事項において、発注者と協議を行わない、又は発注者からの指示等の通知がない状況で、受注者が独自に判断して施工を実施した場合
(2)約款第 18 条~24 条、公共建築工事標準仕様書 1.1.8~1.1.10 に定められている所定の手続きを経ていない場合
(3)公共建築工事標準仕様書の各章に規定されている監督員の承諾、指示、協議等(書面によることを原則とする)を踏まえないで施工を実施した場合
(5)設計変更が可能なケース
●約款第18条(条件変更等)に該当
受注者は、以下の事実を発見したときは、監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1)設計図書に誤謬又は脱漏がある場合(第 18 条第 1 項第 2 号)
例 1 工事の施工上必要な材料名について、図面ごとに一致しない場合
例 2 建築、電気設備及び機械設備の各分野の設計内容が互いに整合していない場合
(2)設計図書の表示が明確でない場合(第 18 条第 1 項第 3 号)
例 1 図面の記載内容が読み取れない場合
(3)設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない場合(第 18 条第 1 項第 4 号)
例 1 設計図書に明示された想定支持地盤と実際の工事現場が大きく異なる事実が判明した場合
例 2 施工中に設計図書に示されていないアスベスト含有建材を発見し、調査及び撤去が必要となった場合
例 3 設計図書に明示された配管・配線等と、実際の工事現場における配管・配線等が大きく異なる事実が判明した場合
(4)設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じた場合(第 18 条第 1 項第 5 号)
例 1 施工中に地中障害物を発見し、撤去が必要となった場合
例 2 施工中に埋蔵文化財を発見し、調査が必要となった場合
●約款第19条(設計図書の変更)に該当
(1)発注者が必要があると認め、設計図書を変更しようとする場合
※ 発注者は、予定している追加工事がある場合には、その内容を予め設計図書で示すのが望ましい。
●約款第20条(工事の中止)に該当
(1) 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって、受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
(2)その場合必要があると認められるときは、工期を延長し、受注者が一時中止に伴う増加費用を必要としたときはその費用を負担しなければならない。
※1 詳細については「工事一時中止ガイドライン」を参照。
※2 約款第 20 条にかかわらず、受注者は約款第 21 条(受注者の請求による工期の延長)に基づく工期の延長変更を請求することができる。
※3 天災等の不可抗力により、引渡前に工事目的物や仮設物その他に損害が生じたときの手続は、第 29 条(不可抗力による損害)その他も参照する。
(6)設計変更手続きフロー(全体)
請負契約の契約成立
【19条】
設計図書の変更に伴うもの
調査、協議等
(※P8へ)
(発注者が設計図書の変更を認めた時)
【20条】
工事中止に伴うもの
「工事一時中止ガイドライン」によるもの
必要な場合
【18条】
条件変更等に伴うもの
必要な場合
(発注者が設計図書の変更を認めた時)
設計図書の変更
①
②
発注者が契約用の設計図書を作成
【留意事項】
■設計変更に伴う契約変更の手続きは、その必要が生じた都度、遅滞なく行うものとする。
■軽微な設計変更に伴うものは、工期の末(債務負担行為に基づく工事にあっては、各会計年度の末及び工期の末)に行うものとする。
【23条、24条】
発注者と受注者の協議
①工期の変更
②請負代金額の変更
契約締結
(協議の成立)
6.設計変更手続きフロー(第 18 条関係)
【第 18 条第 1 項】
①図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しない
②設計図書に誤謬、脱漏がある
③設計図書の表示が明確でない
④工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない
⑤設計図書で明示されていない施工条件について、予期することのできない特別な状態が生じた
発 注 者
【第 18 条第2項】
受 注 者
【第 18 条第 1 項】
【第 18 条第3項】
18条第1項の一つに該当する事実を発見
【第 18 条第2項】
発注者:調査受注者:立会い
通知し確認を請求
【第 18 条第 1 項】
調査結果の取りまとめ
※調査結果の通知(とるべき措置の指示含む)原則14日以内
意 見
【第 18 条第3項】
受 理
終 不要
了
【第 18 条第4項】
設計変更の要否判定
四~五号に該当し、工事目的物の変更が伴わないもの
【第 18 条第4項第 3 号】
協 議
一~三号に該当
【第 18 条第4項第1号】
四~五号に該当し、工事目的物の変更が伴うもの
【第 18 条第4項2.3号】
設計図書の訂正
設計図書の変更
設計変更の指示 受 理
工事中止の要否
必要 ①
※P7 へ
終了
不要
不要 【第 18 条第5項】
必要
契約変更の要否 ② ※P7 へ
(7)関連事項
●仮設・施工方法等の「指定」・「任意」について (1)「自主施工の原則」
仮設・施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段については、その責任の所在を明らかにする必要があることから、原則として受注者が定めるものとされている【約款第1条第3項】。これは「自主施工の原則」とも言われている。
(2)「指定」
工事目的物を施工するための施工条件として仮設・施工方法等を発注者が予め決定する必要がある場合に、設計図書に条件として明示した仮設・施工方法等は「指定」と言う。
(3)「任意」
工事目的物を施工するための仮設・施工方法等は、「自主施工の原則」により、受注者の責任で実施しなければならない。「指定」以外は、「任意」と言う。
【「指定」・「任意」の考え方】
設計図書における明示 | 仮設・施工方法等の変更 | 仮設・施工方法等の変更がある場合の 設計変更 | 設計図書に示された 施工条件の変更に伴う 設計変更 | |
「指定」 | 仮設・施工方法等につ いて具体的に明示 | 変更するには発注者の指示 が必要 | 設計変更の 対象となる | 設計変更の 対象となる |
「任意」 | 仮設・施工方法等について明示しない <※補足> | 変更にあたって発注者の指示は必要ない(施工計画書 等の修正は必要) | 設計変更の 対象とならない | 設計変更の対象となる |
※1 応札者に対する参考として、発注者が積算で想定した仮設・施工方法等を「参考図」として示すことがある。
※2 参考図で示した内容は「任意」であり、実際の施工においては、受注者を拘束する
ものではない。ただし、参考図等で示した内容と施工内容が大幅に異なる場合は協議の対象となる場合がある。
●設計図書の訂正又は変更
約款では、設計図書の訂正又は変更は発注者が行うこととしている。約款第18条(条件変更等)
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、次に掲げるところにより、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
一 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当し設計図書を訂正する必要があるもの 発注者が行う。
二 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴うもの 発注者が行う。
三 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴わないもの 発注者と受注者とが協議して発注者が行う。
※発注者と受注者それぞれの詳細な対応方法は、「6.設計変更手続きフロー」を参照
●工事請負契約書における発注者と受注者の関係
約款においては、監督員は発注者権限の一部を行使し(伝達C)、加えて、受注者に対する発注者組織の接点としての役割が与えられている(伝達 B)。
工事請負契約における発注者
伝達A
監督員の権限
伝達 B
・関連工事の調整
・履行報告
・工事材料の品質及び検査等
・立会及び工事記録の整備等
・改造義務及び破壊検査等
指示・承諾・
協議・通知等
報告・提出・
請求・通知等
・条件変更等
等
伝達 C
・設計図書の変更
・工事の中止
・工期の延長、短縮等
・賃金又は物価の変動に 基づく請負代金額の変更
・不可抗力による損害
・検査及び引っ越し 等
・契約関係
・請負代金内訳書及び工程表
・契約不適合責任 等
契約担当
専門的な知識等を要する業務
(工事監理業務等)が発注される場合がある
監督員を経由
工事請負契約における受注者
<補足>
伝達A 受注者と契約担当官等が書面を直接伝達するもの等
伝達B 受注者と契約担当官等が書面を伝達するにあたり監督員が仲介するもの等伝達C 受注者と監督員が書面を直接伝達するもの等
この「伝達」とは、契約に基づく指示・承諾・協議・報告・提出・請求・通知・立会等の発注者と受注者間の意図伝達を総称するものである。
3.工事一時中止ガイドライン
(1)工事一時中止ガイドラインの運用
●工事の現状及び課題
(1)一部の営繕工事では、当初契約締結時に予測できない人為的事象や天災等の発生に伴う工事現場の状態の変化等により、工事の継続が困難な状況に陥る場合がある。
(2)そうした場合、工事現場の維持等に要する費用の適切な計上が必要である。
●工事一時中止xxxxxxの策定
(1)発注者は、約款第 20 条の規定に基づき、受注者の責めに帰することができないものにより工事目的物等に損害が生じ若しくは工事現場の状態が変動したことにより、施工ができなくなった工事については、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
(2)主に発注者事由による工事一時中止について、適正な対応を行うための本ガイドラインを策定する。
(2)工事の一時中止に係る基本フロー
工事発注
発注者 受注者
工事施工不可要因の発生
工事施工不可要因の発見
工事の一時中止を検討
【発注者の中止指示義務】
【工事を中止すべき場合】
中止の必要有り
中止の対象となる工事内容、
工事範囲、中止期間の見通し及び工事現場を適正に維持 管理するために、最小限必要な管理体制等の基本的事項
中止の指示・通知
を指示する。
工事の中止
【工事中止の通知】
基本計画の承諾
【基本計画の作成】
基本計画書の提出
工事再開通知 工事の再開
【工事再開の通知】
【請負代金額又は工期の変更】
【工事再開の通知】
工事請負代金・工期変更の請求
工事請負代金・工期変更の検討 | 変更が必要 | 請負代金・工期の変更 |
積算
変更は不要
発注者と受注者とが協議
契約変更
工事完成
(3)発注者の中止指示義務
●受注者の責めに帰すことができない事由により工事を施工できないと認められる場合には、発注者が工事の全部又は一部の中止を通知しなければならない。
※以降の一時中止に係る事項については、全部又は一部中止とも同様の考えとする。
【約款第20条第1項】
○受注者の帰責事由によらずに工事の施工ができないと認められる場合
↓
○受注者は、工事を施工する意志があっても施工することができず、工事が中止状態となる。
↓
○このような場合に発注者が工事を中止させなければ、中止に伴い必要とされる工期又は請負代金額の変更は行われず、負担を受注者が負うこととなる。
↓
○約款第16条に規定する発注者の工事用地等確保の義務、第18条に規定する施工条件の変化等における手続きと関連する。
○このことから、工事中止の手続きは、発注者及び受注者の十分な理解のもとに適切に運営される必要がある。
↓
○発注者は、工事の中止を受注者に通知し、工期又は請負代金額等を適正に確保する。
※工事の一時中止期間における、xx技術者及び監理技術者の取り扱いについては次のとおり。
・工事を全面的に一時中止している期間は、専任を要しない期間である。
・受注者の責によらない理由により工事中止又は工事内容の変更が発生し、「大幅な工期延期」となった場合は、技術者の途中交代が認められる。【監理技術者制度運用マニュアル:国土交通省総合政策局】
・「大幅な工期延期」とは、約款(受注者の催告によらない解除権)第51条第1項第 2 号に準拠して、「延期期間が当初工期の10分の5(工期の10分の5が6月を超えるときは、6月)を超える場合」を目安とする。
(4)工事の中止〔約款の規定〕
●受注者の責めに帰すことができない事由により工事を施工できないと認められる場合
【約款第20条第1項】
① 工事用地等の確保ができない等のため受注者が工事を施工できないと認められるとき
② 暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象であって、受注者の責めに帰すことができないものにより、工事
目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるとき
※「工事を施工できないと認められる場合」とは、客観的に認められる場合を意味し、発注者又は受注者の主観的判断によって決まるものではない。
●上述の①②以外にも、発注者が必要があると認めるときは、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。【約款第20条第2項】
(5)工事を中止すべき場合
①工事用地等の確保ができない等のため工事を施工できない場合(以下に例示)
○設計図書と実際の施工条件の相違又は設計図書の不備が発見されたため施工を続けることが不可能な場合等【約款第18条】
○設計変更等により建築基準法の計画通知手続きが必要となり、工事の施工を止める必要がある場合
○同一現場内に建築、電気設備、機械設備等複数の工事があり、一部の工事の契約が成立せず、他の契約済みの工事の施工ができない場合
○同一現場内に建築、電気設備、機械設備等複数の工事があり、一部の工事で大幅な施工の遅延が生じ、他の契約済みの工事の施工ができない場合
○同一現場内に建築、電気設備、機械設備等複数の工事があり、一部の受注者に倒産等の施工できない状況が発生し、他の契約済みの工事の施工ができない場合
②自然的又は人為的な事象のため工事を施工できない場合(以下に例示)
○地中障害物・埋設物等の調査及び処理を行う場合
○埋蔵文化財の調査又は発掘を行う場合
○天災等により地形等に物理的な変動があった場合
○妨害活動を行う者による工事現場の占拠及び著しい威嚇行為があった場合
(6)中止の指示・通知
●発注者は、工事を中止するにあたっては、中止対象となる工事の内容、工事範囲、中止期間の見通し等の中止内容を受注者に通知しなければならない。【約款第20条第1、
2項】
●工事現場を適正に維持管理するために、最小限必要な管理体制等の基本事項を指示することとする。
①発注者の中止権
(1)発注者は、「必要があると認める」ときは、任意に工事を中止させることができる。
※「必要があると認める」か否か、中止すべき工事の範囲、中止期間については発注者の判断による。
(2)発注者が工事を中止させることができるのは、工事の完成前に限られる。
②工事の中止期間
(1)受注者は、中止期間が満了したときは、工事を再開することとなるが、通常、中止の通知時点では中止期間が確定的でないことが多い。
(2)このような場合、発注者は、工事中止の原因となっている事案の解決にどのくらい時間を要するか計画を立て、工事を再開できる時期を通知する必要がある。
(3)発注者は、一時中止している工事について、施工可能と認められたときに工事の再開を指示しなければならない。
(4)このことから、中止期間は、一時中止を指示したときから一時中止の事象が終了し、受注者が工事現場に入り作業を開始できると認められる状態になったときまでとなる。
(7)基本計画書の作成
●工事期間中における工事現場の管理は受注者が行うものであり、発注者は、工事を中止する場合において、受注者に中止期間中の工事現場の管理に関する計画の作成を指示する。
(1)受注者は、工事期間中の工事現場の管理を善良な管理者の注意をもって行う。
※「善良な管理者の注意」とは、「職業や専門家としての能力、社会的地位などから、通常期待される注意義務」をいう。
(2)受注者は、基本計画書において管理責任に係る旨を明らかにする。
(3)実際に工事着手する前の事前調査や施工計画作成中であっても、現場の管理は必要であることから、基本計画書の提出を受け、承諾を行うこととする。
①工事一時中止期間中の工事現場の管理に係る内容を「現場説明書」又は「特記仕様書」に明記
(1)約款第20条の規定により工事の一時中止の通知を受けた場合は、中止期間中における工事現場の管理に関する計画(以下「基本計画書」という。)を発注者に提出し、承諾を受けるものとする。
(2)基本計画書には、中止時点における工事の出来形、職員の体制、労務者数、搬入材料及び建設機械器具等の確認に関すること、中止に伴う工事現場の体制の縮小と再開に関すること及び工事現場の維持・管理に関する基本的事項を明らかにする。
(3)工事の施工を一時中止する場合は、工事の続行に備え工事現場を保全すること。
②基本計画書の記載内容
(1)中止時点における工事の出来形、職員の体制、労務者数、搬入材料及び建設機械器具等の確認に関すること
(2)中止に伴う、受注者側の工事現場の体制の縮小と再開に関すること (3)工事現場の維持・管理に関する基本的事項
(8)請負代金額又は工期の変更、増加費用の負担
●発注者は、工事の施工を中止させた場合において、「必要があると認められるとき」は、請負代金額又は工期を変更し、一時中止に伴う増加費用を負担しなければならない。
【約款第20条第3項】
(1)「必要があると認められるとき」とは、客観的に認められる場合をいう。
(2)中止がごく短期間である場合、中止が部分的で全体工事の施工に影響がない等例外的な場合を除き、請負代金額及び工期の変更を行う。
①請負代金額の変更
(1)一時中止に伴い設計図書の変更を行った場合の材料、直接労務費及び直接経費に係る費用は、該当する工種に追加計上し、設計変更により処理する。
②増加費用の負担
□増加費用
(1)暴風雨の場合など、契約の基礎条件の事情変更により生じたもの
□損害の負担
(1)発注者に過失がある場合に生じたもの (2)事情変更により生じたもの
※増加費用と損害は、区別しないものとする。
③工期の変更
(1)工期の変更期間は、原則として、工事を中止した期間が妥当である。
(2)地震、災害等の場合は、後片付け期間や復興期間に長期を要する場合もある。
(3)こうしたことから、後片付け期間や復興に要した期間を含めて工期延期することも可能である。
(9)増加費用の考え方
※(「工事の一時中止に伴う増加費用等の積算方法について」(平成 28 年 3 月 14 日付国官技第346号)より)
※本工事とは、工事目的物及び仮設に係る工事をいう。
1.本工事施工中に中止した場合
(1)増加費用は、発注者が工事の一時中止(部分中止により工期延期となった場合を含む。)を指示し、それに伴う増加費用について受注者から請求があった場合に適用する。
(2)増加費用として積算する範囲は、工事現場の維持に要する費用、工事体制の縮小に要する費用、工事の再開準備に要する費用、中止により工期延期となる場合の費用、工期短縮を行った場合の費用とする。
①工事現場の維持に要する費用
(1)中止期間中において工事現場を維持し又は工事の続行に備えて機械器具、労務者又は
技術職員(専門職種を含む。以下同じ。)を保持するために必要とされる費用等
②工事体制の縮小に要する費用
(1)中止時点における工事体制から中止した工事現場の維持体制にまで体制を縮小するため、不要となった機械器具、労務者又は技術職員の配置転換に要する費用等
③工事の再開準備に要する費用
(1)工事の再開予告後、工事を再開できる体制にするため、工事現場に再投入される機械器具、労務者、技術職員の転入に要する費用等
④中止により工期延期となる場合の費用
(1)工期延期となることにより追加で生じる社員等給与、現場事務所費用、材料の保管費用、仮設諸機材の損料等に要する費用等
⑤中止により工期短縮を行った場合の費用
(1) 工期短縮の要因が発注者に起因する場合,自然条件(災害等含む)に起因する場合の工期短縮に要する費用等
※工期短縮の要因が受注者に起因する場合は増加費用を見込まないものとする。
契約締結
契約締結
当初契約工期
施工計画作成期間 | 準備工期間 | 本工事施工期間 | 後片付け期間 |
変更契約工期
施工計画作成期間 | 準備工期間 | 本工事施工期間 | 中止期間 | 本工事施工期間 | 後片付け期間 |
2.契約後準備着手前に中止した場合
●契約後準備着手前とは、契約締結後で、現場事務所・工事看板が未設置、材料等が未搬入の状態で測量等の準備に着手するまでの期間をいう。
●発注者は、上記の期間中に、準備工又は本工事の施工に着手することが不可能と判断した場合は、工事の中止を受注者に通知する。
●一時中止に伴う増加費用は計上しない。
当初契約工期
契約締結
施工計画作成期間 | 準備期間 | 本工事施工期間 | 後片付け期間 |
変更契約工期
契約締結
施工計画作成期間 | 中止期間 | 準備期間 | 本工事施工期間 | 後片付け期間 |
3.準備工期間に中止した場合
●準備工期間とは、契約締結後で、現場事務所・工事看板を設置し、測量等の本工事施工前の準備期間をいう。
●発注者は、上記の期間中に、本体工事に着手することが不可能と判断した場合は、工事の中止を受注者に通知する。
●増加費用は、安全費、営繕費及び現場管理費等が想定されるので、受注者が「基本計画書」に基づき実施した結果、必要とされた工事現場の維持等の費用の「明細書」に基づき、費用の必要性・数量など発注者と受注者で協議して決定する。
当初契約工期
契約締結
施工計画作成期間 | 準備工期間 | 本工事施工期間 | 後片付け期間 |
契約締結
変更契約工期
施工計画作成期間 | 準備工期間 | 中止期間 | 準備工期間 | 本工事施工期間 | 後片付け期間 |
●中止に伴う増加費用
(1)増加費用の算定は、受注者が基本計画書に従って実施した結果、必要とされた工事現場の維持等の費用の明細書に基づき、費用の必要性・数量など発注者と受注者で協議して
行う。
(2)増加費用の各構成費目は、原則として、中止期間中に要した費目の内容について積算するものとし、再開以降の工事にかかる増加費用については、従来どおり設計変更を行うものとする。
(3) 中止に伴い発注者が新たに受け取り対象とした材料,直接労務費及び直接経費に係る費用は,該当する工種に追加計上し,設計変更を行うものとする。
●増加費用等の構成
工事原価
現場管理費
間接工事費
純工事費
共通仮設費
直接工事費
中止期間中の現場維持等に要する費用は、工事原価内の間接工事費の中で計上し、一般管理費等の対象とする。
消費税等相当額
請負工事費
工事価格
※
一般管理費等
中止期間中の現場維持費等の費用
+
工期短縮により増加する費用
※一時中止に伴う本支店における増加費用を含む
●増加費用の積算
増加費用は、原則として、工事目的物又は仮設に係る工事の施工着手後を対象に算定することとし、算定方法は「工事の一時中止に伴う増加費用等の積算方法について」(平成 28 年 3
月 14 日付国官技第346号)」のとおりとする。ただし,中止期間3ヶ月以内は標準積算により算定し,標準積算によりがたい場合は,受注者から増加費用に係る見積を求め,発注者と受注者で協議を行い増加費用を算定する。
(10)増加費用の内訳書及び事務処理上の扱い
●増加費用の設計書における取扱い
(1)増加費用は,中止した工事の設計書の中に「中止期間中の現場維持等の費用」として,原契約の請負工事費とは別に計上するものとする。ただし,設計書の上では,原契約に係る請負工事費と増加費用の合算額を請負工事費とみなすものとする。
●増加費用の事務処理上の取扱い
(1)増加費用は、原契約と同一の予算費目をもって、設計変更の例にならい、更改契約するものとする。
(2)増加費用は、受注者の請求があった場合に負担する。
(3)増加費用の積算は、工事再開後速やかに発注者と受注者とが協議して行う。
4.参考資料
◆工事請負契約約款(抜粋)最終改正 令和 3 年 4 月 1 日
(総則)
第1条 発注者及び受注者は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書
(別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、この約款及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この約款に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、原則として、書面により行わなければならない。
~以下、略~
(工事用地の確保等)
第 16 条 発注者は、工事用地その他設計図書において定められた工事の施工上必要な用地
(以下「工事用地等」という。)を受注者が工事の施工上必要とする日(設計図書に特別の定めがあるときは、その定められた日)までに確保しなければならない。
2 受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完成、設計図書の変更等によって工事用地等が不用となった場合において、当該工事用地等に受注者が所有又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人の所有又は管理するこれらの物件を含む。以下本条において同じ。)があるときは、受注者は、当該物件を撤去するとともに、当該工事用地等を修復し、取片付けて、発注者に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、又は工事用地等の修復若しくは取片付けを行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、工事用地等の修復若しくは取片付けを行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の処分又は修復若しくは取片付けについて異議を申し出ることができず、また、発注者の処分又は修復若しくは取片付けに要した費用を負担しなければならな
い。
5 第3項に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聴いて定める。
(条件変更等)
第 18 条 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
一 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。
二 設計図書に誤謬又は脱漏があること。三 設計図書の表示が明確でないこと。
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、受注者の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後 14 日以内に、その結果を受注者に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ受注者の意見を聴いた上、当該期間を延長することができる。
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、発注者は、必要があると認められるときは、次の各号に掲げるところにより、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
一 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当し設計図書を訂正する必要があるもの 発注者が行う。
二 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴うもの 発注者が行う。
三 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴わないもの 発注者と受注者とが協議して発注者が行う。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第 19 条 発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められる
ときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工事の中止)
第 20 条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって、受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 発注者は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備え工事現場を維持し若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし若しくは受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第 22 条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工期の変更方法)
第 23 条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が工期の変更事由が生じた日(第 21 条の場合にあっては、発注者が工期変更の請求を受けた日、前条の場合にあっては、受注者が工期変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(請負代金額の変更方法等)
第 24 条 請負代金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、請負代金額の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3 この約款の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に
発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
(臨機の措置)
第 26 条 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、受注者は、あらかじめ監督員の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、受注者は、そのとった措置の内容を監督員に直ちに通知しなければならない。
3 監督員は、災害防止その他工事の施工上特に必要があると認めるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 受注者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、受注者が請負代金額の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。
(受注者の催告による解除権)
第 50 条 受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りではない。
(受注者の催告によらない解除権)
第 51 条 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは直ちにこの契約を解除することができる。
一 第 19 条の規定により設計図書を変更したため請負代金額が3分の2以上減少したとき。
二 第 20 条の規定による工事の施工の中止期間が工期の 10 分の5(工期の 10 分の5が
6月を超えるときは、6月)を超えたとき。ただし、中止が工事の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
◆工事の一時中止に係る手続き様式(参考様式)
(工事中止様式-1)
請負工事の一時中止について(通知)
(工事中止様式-2)
工事一時中止に伴う工事現場の維持、管理等に関する基本計画書について
(工事中止様式-3)
請負工事の一時中止の再開について(通知)
(工事中止様式-4)
請負工事の一時中止に伴う増加費用の請求について
(工事中止様式-5)
請負工事の一時中止に伴う増加費用の見積りについて(依頼)
(工事中止様式-6)
請負工事の一時中止に伴う増加費用の見積りについて
各務原市建設工事変更事務処理要領
(目的)
(昭和57年3月1日決裁)
(平成26年3月5日決裁)
(令和2年4月1日決裁)
(令和3年12月24日決裁)
第1 この要領は、設計変更及びそれに伴う契約変更等の取り扱いに関する必要な事項を定めて事務の適正化、合理化及び簡素化を図るものである。
(通則)
第2 設計書は周到な調査、測量及び適正な規格、基準、綿密な設計、積算によって作成されるものである。したがって、工事の中途においてみだりに設計変更を行わないのが原則である。しかし、建設工事は予知できない自然条件や地質、土質等種々異なる条件を前提に設計を行わざるを得ないので、予測することのできない状態が生ずることは避けられない。したがって、やむを得ず設計変更を行わねばならないことがあるが、設計変更は真にやむを得ないものに限り、必要最小限の範囲で行うべきものとする。
(設計変更の定義)
第3 この要領にいう「設計変更」とは、工事の実施にあたり契約の目的を変更しない限度において設計図書の-部を変更することをいう。
2 設計変更のうち、各務原市工事請負契約約款(以下「約款」という。)第17条、第1
8条及び第26条に規定する条件の変更又は市の意思による内容変更の場合は、契約変更の手続き前にあらかじめ受注者と協議のうえ指示するものとする。
(設計変更の基準)
第4 設計変更の基準は、次の各号に定めるところによる。ただし、設計変更はやむを得ないものに限るものとし、また明らかに別工事と認められるものについては、設計変更により処理してはならない。
(1)設計図書と工事現場の状態が一致しない場合
(2)図面と仕様書が交互符号しない場合(ただし、建築工事は除く。)及び設計図書に誤謬又は脱漏がある場合
(3)設計図書に示された施工条件が実際と異なる場合
(4)施工条件について予期できない特別の状態等設計どおりの施工を制約する事由が生じた場合
(5)新工種の採用により変更の必要が生じた場合
(6)自然現象による災害、その他不可抗力等により工事を設計どおり施工することが不可能となった場合
(7)他事業に起因する事由、関係法令の改正等により設計条件の変更が必要な場合
(8)工事を設計どおり施工することが自然環境の適正な保全と抵触する、または工事施工
区域の要望がある等の事由があり、公益上変更の必要があると認められる場合
(9)予算上の処置により変更が必要とされる場合
(10)用地確保等が予定と異なり変更の必要が生じた場合
(11)前各号に該当しない場合で、特にやむを得ないもので、契約担当者との協議のうえ変更することが妥当であると認められる場合
(設計変更に伴う契約変更の範囲)
第5 設計変更に伴う契約変更は、変更による累計見込増加額が当初請負額の30%以内で、かつ、500万円以内の増額工事であり、当初の工法と同一又は同程度の効用を有する工事を対象とする。ただし、現に施工中の工事と分離して施工することが困難な工事については、契約担当者との協議のうえ、この範囲を超えるものについても変更の対象とすることができる。なお、契約金額に増減がなく、かつ、工法、種別間の大幅な変更がない場合には変更契約をしないものとし、精算設計書及び出来形図をもってこれに代えることができる。
(軽微な変更)
第6 設計変更にはその取り扱い上軽微な変更を設ける。軽微な変更とは、工事の基本的な内容に重大なる影響を及ぼさないもので、設計変更による累計見込増加額が当初請負額の
20%以内で、かつ、別表1又は別表2の各号のいずれかに該当するものをいう。
(設計変更の手続)
第7 設計変更は、その必要が生じた都度行うものとする。監督員は速やかにその変更内容を掌握し、変更内容が第4に規定する設計変更の適用基準に該当すること及び予算の範囲内であることを確認したうえで、監督権者に報告するものとする。監督権者は受注者と協議によりその内容を決定し、指示書(別記様式)により受注者に通知するものとする。
(契約変更の手続)
第8 設計変更に伴う契約変更は、その必要が生じた都度行うものとする。ただし、次の各号のいずれかの条件を満たす変更は、第4及び第5の規定に基づく契約担当者との協議(第
3号に該当する場合を除く。)並びに第7の規定に基づく受注者との協議のうえ施工を指示し、契約変更は工事完成時(債務負担行為に基づく工事にあっては、原則、各会計年度末(工事完成年度を除く。))までに行うものとすることができる。
(1)防災及び安全管理等の理由で緊急施工が必要なもの
(2)工事施工前に数量が定まらないもの
(3)軽微な設計変更に伴うもの
2 第1項の規定にかかわらず、設計変更による累計見込増加額が当初請負額の30%を超える場合(契約当初において指名業者審査委員会にて審議済の案件に限る。)は、指名業者審査委員会に諮り、指名業者審査委員会はその適否を決定するものとする。
3 前項の規定にかかわらず、設計変更による累計見込増加額が当初請負額の30%を超える場合(契約当初において指名業者審査委員会にて審議済の案件に限る。)、かつ、第1項第1号又は第2号の条件を満たす工事は、契約担当者との協議のうえ指名業者審査委員会
へ事後報告するものとする。
(工期の変更及び工事の中止)
第9 工期の変更及び工事の施工の中止にあたっては、約款第20条から第22条までの規定に基づき適切な措置をとるものとする。
(その他)
第10 約款第25条から第30条までについて、設計変更で処理する場合にはこの要領を準用するものとする。
(受注者に対する説明)第11
市は入札者又は契約の相手方に対し、この事務処理要領に定める事項のほか、設計変更に関し必要な事項をあらかじめ了知させておくものとする。
附 則
この要領は、昭和57年4月1日から施行する。附 則
この要領は、平成26年4月1日から施行する。附 則
この要領は、平成31年4月1日から施行する。附 則
この要領は、令和2年4月1日から施行する。附 則
この要領は、令和4年1月1日から施行する。
別表 1
軽微な変更の範囲 (建設工事)
1 主たる構造物を変更することなく、余剰部等の変更
2 精査の結果による現地に即応した簡単な施設の変更
3 工法に変更なく、土質区分の変更及びそれに伴う法長等の変更
4 簡易な構造物の部分的な寸法延長等の変更
5 主たる構造物に附髄する施設の工事長、位置、形状の変更
6 指定仮設の変更で工事に重大な影響を及ぼさないもの
7 採取土、捨土等の指定個所の変更
8 その他各号に属さない事項で局部的な変更
別表2
軽微な変更の範囲 (建築工事)
1 主たる構造部分を変更することのない仕上げ部分の変更
2 建築及び附属設備との関係から必要となる構造部の部分変更、仕上部の形状、寸法の変更並びに設備施設の形状、寸法延長の変更
3 簡単な構造物の部分的な寸法及び20%以内の延長、面積の変更
4 工法に変更なく単に施工材料の変更、面積で20%以内の変更
5 主たる建築物に付随する施設の位置、形状延長の変更
6 精査の結果による現地に即応した簡単な施設の変更
7 その他各号に属さない局部的で,かつ、工費に重大な影響を及ぼさない変更