E/N
オロミア州教育局
エチオピア国連邦財務省
政府間協議
E/N
在エチオピア日本国大使館
3-2-4-1 調達代理機関による施工/調達計画
日本国政府
ソフコン契約
家具調達契約
設計監理契約
法的契約内容確認
弁護士事務所
調達代理契約
実施促進
JICA
エチオピア事務所
JICA本部
本邦ソフコン管理者
常駐統括者資金・入札管理
調達代理機関
検査
工事契約
契約アドバイス
調達アドヴァイザー
本邦技術管理者
契約関係を示す
協議・検査・確認報告等を示す
監理 監理
ソフコン実施機関
家具調達業者
詳細設計施工監理コンサルタント
施工会社
報告 報告
図3-2 事業実施体制
(1)調達代理方式による事業実施
本計画の実施は、本報告書に基づいて日本国関係機関の検討を経た後に日本国政府の閣議決定を必要とする。閣議決定の後、両国政府間の事業実施に関する交換xx(E/N)が締結された後に実施に移行する。オロミア州教育局は事業の施主として、E/N に添付される合意議事録(A/M)に基づき、日本の調達代理機関と調達代理契約を結び、事業実施を委託する。調達代理機関はオロミア州教育局の代理人として現地事業実施者(弁護士、調達アドヴァイザー、詳細設計・施工監理コンサルタント、施工業者、家具専門業者、ソフトコンポーネント実施機関)の調達を行う。
(2)政府間協議会(コミッティ) E/N締結後、政府間協議会を発足する。協議会は日本国及びエチオピア国政府関係者か
ら構成され、議長はオロミア州教育局代表とする。本計画においては、日本大使館、オロミア州教育局を主体に、必要に応じて連邦財務省、連邦教育省、オロミア州財務局で構成される。さらに JICA エチオピア事務所と調達代理機関の代表がオブザーバーとして参加する。政府間協議会は、事業実施中に生じる諸問題について協議・調整を行う。
(3)調達代理機関
調達代理契約に基づき本計画を実行するために、調達代理機関の内部は以下のような体制となる。
<日本人>
① 常駐統括者
調達代理機関の現地における責任者として、事業全体の統括と資金管理を行う。各ローカルリソースとの入札・契約、および支払い、コミッティへの報告等の業務を担当する。またソフコン管理者の不在時に、ソフコン実施機関への指導・管理を行う。
② 技術管理者 2(入札・施工段階)
施工業者入札段階には質疑応答、入札評価等についてローカルコンサルタントに指導・助言を行う。施工段階においては、施工品質を向上させるためにローカルコンサルタントの施工監理に対して指導・助言を行う。また完了検査、瑕疵検査を実施する。
③ 統括補佐(短期)
案件の開始時期の業務が集中する時期に統括者を補佐するために一時的に派遣される。
④ ソフトコンポーネント管理者(短期)
ソフトコンポーネント実施機関の選定、活動開始支援を行う。
<ローカル>
① 入札補佐
統括者を補佐し、入札および資金管理の実務を行う。
② その他(事務員、雑役、運転手)
(4)技術管理者1(詳細設計段階)
ローカルコンサルト入札・評価、計画対象校とコンポーネントの決定、ローカルコンサルタントの詳細設計・入札図書作成の指導・確認を行う。
(5)調達アドヴァイザー
入札から建設に至る一連の業務の透明性確保を強化するために第三者的立場で技術管理者への技術的サポートを行う。入札に関する現地事情の紹介、入札図書や契約書のチェック、入札評価、抜き打ちサイト検査等を行う。
(6)弁護士
各種契約書の内容の確認、訴訟・紛争等の対処を目的とし顧問弁護士を採用する。他ド
ナー等による援助案件の経験のある現地弁護士事務所から選定する。
(7)詳細設計・施工監理コンサルタント
本概略設計で策定される発注仕様書を活用して選定され、本邦技術管理者の指導・助言の下以下の業務を行う。
サイト調査、最終計画対象校の決定、業者選定入札図書一式の作成(入札情報、詳細設計図、BOQ、仕様書)、入札補助、入札評価、施工監理、各種検査(製品検査、中間検査、竣工検査、瑕疵検査等)、施主への報告書作成、出来高報告等作成
(8)施工業者
(9)家具業者
調達代理機関との契約図書に従って家具を調達・納入する。
(10)ソフトコンポーネント実施補佐機関
概略設計にて策定されるソフトコンポーネント計画に従い、NGO またはコンサルタントが OEB を補佐する。
3-2-4-2 施工上/調達上の留意事項
(1)実施段階において想定される問題
コミュニティ開発支援無償では、現地業者主体で事業が実施されるため、実施段階において様々な問題が発生することが想定される。現段階で想定される問題点と対処方法を下表に記す。
表3-14 実施段階で想定される問題点および対処方法
項目 | 内容 | 対処方法等 |
金銭上のトラブル | 前払金の流用、持ち逃げおよび不正使 用 | 前払金保証の徴求 |
契約業者の倒産 | 調達アドヴァイザーの活用 財務体質・工事実績の確認徹底履行保証の確保 | |
契約上のトラブル | 契約に関する紛争 | 現地弁護士事務所の活用 |
書類偽造、情報漏洩、虚偽の申告に伴 う不適格業者の選定 | 調達アドヴァイザーの活用 財務体質・工事実績の確認徹底 | |
工事上のトラブル | 工事遅延/品質不良 | 出来高査定の徹底 サイト確認、報告の徹底、頻繁な現場学校関係者による監視体制の確立 |
業者と監理者の癒着 | 学校関係者による監視体制の確立 |
(2)免税処置
本計画にかかる税金の取扱については、付加価値税(VAT)等をエチオピア国側が負担するために以下の 2 つの方法が提案された。OEB 及び BoFED は方法 A に必要な措置を実施するが、方法 A が円滑に運用されない場合には方法 B を採ることが確認された。(資料4討議議事録-2参照)
方法 A:OEB が連邦国税局より VAT 免税にかかる証明書の発行を受け、各契約相手先に提供することにより、各契約相手先は物品購入等の際に VAT を含まない額で購入する。VAT の免税相当額を OEB が予算措置し連邦国税局に納めるが、現金は動かず全て書類上の手続きで済む。
方法 B:OEB は VAT 相当額をあらかじめ予算措置し BoFED から現金の支給を受ける。各契約の VAT 相当額を OEB が支払い、日本側の税抜き額と合わせて VAT 込み
で各契約を締結する。各契約相手先は物品を VAT 込みで購入する。
3-2-4-3 工程計画/入札計画
(1)計画対象校のグルーピングと工事ロット分け
建設工事は準備期間と検査期間を含めて 7 ヵ月程度と考えられる。プロジェクトの規模やサイトの分布状況を考えた場合、県別に 3 つのグループに分けて工期をずらした施工計画とすることが最も効率的である。3 グループの順番は先方の優先順位に従い北ショワ県、西ハレルゲ県、アルシ県の順になり、暫定的な優先計画対象校を 57 校とした場合それぞれ 25 校、18 校、14 校という内訳になる。
コンサルタントは 1 県 1 ロット計 3 ロットに分けるが、同一コンサルタントが複数のロット(県)を担当することは可能とする。各ロットで共通な詳細図、仕様書等については、第 1 グループのコンサルタントが作成し、第 2、第 3 グループのコンサルタントもこれを活用する。
施工業者は、地理的近接性と全体規模を考慮しながら 1 ロットが 4 サイト程度になるようにロット分けを行う。建設サイト数が 57 の場合、ロット数は 14~15 程度になる。施工監理の効率を向上させるためには、同一グループ内の全てのロットの入札時期をある程度集中して短期間で実施することが望まれる。
表3-15 優先計画対象校のロット分け
県名 | ロット | タイプ | 学校No. | 郡x | x名 | 学校名 |
北ショワ | LNS-1 | 1 | NS1-2 | Giraar Jaarso | Selmii | Silmi |
1 | NS1-3 | Darraa | Iluu Godaa Chafee | Daallee Tigil Firee | ||
2 | NS2-2 | Fiichee Town | Fichee | Abiyoot Firee | ||
2 | NS2-5 | Fiichee Town | Fichee | Fiichee Lakk.tokkoffaa | ||
3 | NS3-5 | Hidhabuu Abotee | Nya'aa Machaaraa | |||
LNS-2 | 1 | NS1-1 | Wara Jaarsoo | Bobie Liban | Qacammee Liban | |
2 | NS2-3 | Wara Jaarsoo | Tulu Milky | Tullu Milki | ||
2 | NS2-7 | Xxxxxx | Xxxx Xxxxxx | Xxxxxx Xxxxxxxx | ||
3 | NS3-6 | Warra Jaarsoo | Fajjii Ejersaa | |||
LNS-3 | 1 | NS1-4 | Kuyyuu | Bondee Gidaabo | Laaftoo Gulantaa | |
1 | NS1-6 | Kuyyuu | Wuye Gose | Gosee | ||
3 | NS3-2 | Kuyyuu | Goraa | |||
3 | NS3-3 | Kuyyuu | Qiltuu Xxxxx | |||
3 | NS3-4 | Kuyyuu | Cilaaloo | |||
LNS-4 | 1 | NS1-8 | Wuchale | Adaree Gordema | Xxxxxx Xxxxxxx | |
1 | NS1-10 | Wuchale | Hirkiso | Aarcoo | ||
2 | NS2-4 | Wuchale | Muketury | Mukaxurrii Sad.1ffaa | ||
2 | NS2-8 | Debre Libanos | Innaagotam Aanqii | Dahanaa | ||
LNS-5 | 1 | NS1-9 | Mulo | Mulo-Xxxxx | Xxxxxx Xxxxxx | |
2 | NS2-6 | Mulo | Xxxxx Gebeya | Sanyoo Gabaayaa | ||
3 | NS3-1 | Mulo | Muloo Fallee | |||
LNS-6 | 1 | NS1-5 | Aleltuu | Warra | Warra Cholle | |
1 | NS1-7 | Aleltuu | Goraa | Xxxxxx Xxxxxxxx | ||
1 | NS1-11 | Sulultaa | Wale-Lube Akaken | Xxxxx Xxxxx Xxxxxx | ||
2 | NS2-1 | Sulultaa | Sululta | Sulultaa | ||
西ハレルゲ | LWH-1 | 1 | WH1-1 | Gammmachis | Hula Kuni | Hulaa Qunnii |
1 | WH1-7 | Chiro Town | Araddaa 02 | Ifaa Islaamaa | ||
2 | WH2-5 | Chiro | Wachu Xxxx | Waaccuu Giilleeyi | ||
3 | WH3-1 | Chiro Town | Ganda 01 | |||
LWH-2 | 1 | WH1-2 | Chiro | Ligo Baches | Luugoo Bacceessaa | |
1 | WH1-5 | Chiro | Medicho No2 | Xxxxx Xxxx | ||
2 | WH2-2 | Kuni | Sebaalee | Saabaallee | ||
2 | WH2-3 | Chiro | Negabas | Gannoo | ||
LWH-3 | 1 | WH1-4 | Gammmachis | Ela Oda | Hijjaa Kukuriftuu | |
2 | WH2-1 | Gammmachis | Kunnii Sagarii | Qunnii | ||
2 | WH2-6 | Kuni | Gabiibaa | Gabiibaa | ||
LWH-4 | 1 | WH1-3 | Habro | Malkaa Bal'oo | Malkaa Bal'oo | |
1 | WH1-6 | Kuni | Goda Hora | Deenfoo | ||
1 | WH1-8 | Kuni | Gooroo Meetti | Gubbaa Guutuu | ||
2 | WH2-4 | Baddeessaa | Baddeessaa 02 | Baddeessaa Primary School | ||
LWH-5 | 1 | WH1-9 | Habro | Saxaan | Odaa Ananii | |
2 | WH2-7 | Daroo Labuu | Michataa No.1 | Michataa No.1 | ||
3 | WH3-2 | Xxxxxx | Xxxxxxx | |||
アルシ | LEA-1 | 1 | EA1-2 | Guna | Ree Amba | Naannoo Heechaa |
1 | EA1-3 | Gololcha | Tibbii Sabbataa | Waraaguu Sabbataa | ||
1 | EA1-4 | Martii | Mollame Kersa | Mollamee Kersa | ||
1 | EA1-6 | Gololcha | Daro Bonjaa | Daaroo Bonjaa | ||
1 | EA1-7 | Gololcha | Chululie Ejersa | Culul Cirriqsaa | ||
2 | EA2-6 | Guna | Andele Abajema | Andalee Baaduu | ||
LEA-2 | 2 | EA2-1 | Lode Hitosa | Huruta | Hurrutaa | |
2 | EA2-5 | Zuway Dugda | Ubbo Barichaa | Ubboo Weennii | ||
3 | EA3-1 | Tena | Koroptaa | |||
LEA-3 | 1 | EA1-1 | Digalu Tiijo | Sagure Molie | Moollee | |
1 | EA1-5 | Digalu Tiijo | Tullu Kite | Tulluu Qixxee | ||
2 | EA2-2 | Muneessaa | Diddibee Yaadolaa | Eegoo Lagadana (J/G) | ||
2 | EA2-3 | Digalu Tiijo | Mankula Nega | Xijjoo Sad.1ffaa | ||
2 | EA2-4 | Digalu Tiijo | Saaguree Town | Alaltuu Saguree |
図3-3 ロット分け分布図
(北ショワ県)
(西ハレルゲ県)
アルシ県
(2)コンサルタントの選定
コンサルタントは 3 県毎に別々の時期に選定する。現地では小学校の建設にはコンサルタントを雇用しないことが一般的であるが、高等教育施設の建設にはコンサルタントを活用しているため、これを参考にして選定方式を決定する。選定方式は 2 封筒式(技術提案及びコスト提案)の国際プロポーザルとする。以下にそのプロセスを述べる。
① 英字新聞への案件公示と関心表明の提出。(現地の習慣に則り 1 週間後に再公示を行う)
② 業務指示書(TOR、書式)の配布
③ 公示 30 日後にプロポーザルを提出
④ 審査・評価(技術提案 80%、コスト提案 20%)
⑤ 契約交渉、契約
(3)ソフトコンポーネント実施機関の選定
建設工期の近い第 1 グループおよび第 2 グループを第 1 期とし、第 3 グループを第 2 期として 2 期に分けて実施する。国内プロポーザル方式とする。
第 1 期における活動経験を第 2 期に有効に活かすため、第 1 期および第 2 期の活動 は同一の NGO/コンサルタントを活用する方針であるが、契約は期毎に別契約とする。第 1 期活動の結果、特に問題がなければ第 2 期は随意契約とするが、第 2 期活動に対 しても技術プロポーザルおよび価格プロポーザルを提出させ、内容の審査を行い、契 約を行う。
① 英字新聞への案件公示と関心表明の提出(現地の習慣に則り 1 週間後に再公示
を行う)
② 業務指示書(TOR、書式)の配布
③ 公示 30 日後にプロポーザルを提出
④ 審査・評価(技術提案 80%、コスト提案 20%)
⑤ 契約交渉、契約
(4)施工業者の選定
施工業者は、ロット毎に入札参加制限付の国際一般競争入札を行う。
① 英字新聞への案件公示と関心表明の提出。(現地の習慣に則り 1 週間後に再公示を行う)
② 入札図書(参加資格条件、図面、仕様書、BQ xx)の配布
③ 60 日後に開札
④ 審査・評価
⑤ 契約交渉、契約
(5)家具業者の選定
3 県毎に別々の時期にそれぞれ国内一般競争入札を行い、家具専門業者を選定する。
複数のロットを同一業者が受注することも可能とする。
① 英字またはアムハラ語新聞への案件公示と関心表明の提出。(現地の習慣に則り 1 週間後に再公示を行う)
② 入札図書(図面、仕様書、BQ 表)の配布
③ 30 日後に開札
④ 審査・評価
⑤ 契約交渉、契約
3-2-4-4 詳細設計/施工監理計画
(1)詳細設計
詳細設計現地コンサルタントは、本邦技術管理者の指導・助言を受け以下の業務を行う。
1)サイト調査
概略設計では暫定的に 57 校を優先計画対象校として設定するが、現地調査の結果学校の入れ替えが生じる可能性を考慮して、各県数校ずつの補欠校も含めたサイト調査を行う。調査の内容はコンサルタントの発注仕様書(TOR)に示される。
表3-16 調査対象校数
北ショワ県 | 西ハレルゲ県 | アルシ県 | 合計 | |
優先計画対象校数 | 25 校 | 18 校 | 14 校 | 57 校 |
補欠校数 | 4 校 | 1 校 | 4 校 | 9 校 |
合計 | 29 校 | 19 校 | 18 校 | 66 校 |
表3-17 補欠校リスト
県名 | タイプ | 学校No. | 郡x | x名 | 学校名 |
北ショワ | 1 | NS1-12 | Debre Libanos | Debre Sige Town | Shararo |
NS1-13 | Hidhabuu Abotee | Ejere Town | Ejere | ||
2 | NS2-9 | Debre Libanos | Dirree Jibboo | Dirree Jibboo | |
NS2-10 | Hidhabuu Abotee | Gidaaboo Giorgese | Xxxxxxxx Xxxx | ||
西ハレルゲ | 2 | WH2-8 | Anchar | Saka | |
アルシ | 1 | EA1-8 | Digalu Tiijo | Mankula Nega | Xxxxx Yaguugaa |
EA1-9 | Zuway Dugda | Boka | Booka | ||
2 | EA2-7 | Tiyyoo | Haro Bilaalloo | Waajii Baaduu | |
EA2-8 | Martii | Mollame Arjao | Mollamee Arjaoo |
サイト調査における主な調査項目を以下に示す。
① アクセス状況の確認
② 敷地図の作成
③ 既存施設状況の確認
④ 建設可能敷地の確認
⑤ 地盤状況確認
⑥ 基礎の確定:地盤状況から当該サイトにおける基礎タイプ(2 種類)を設定する。
2 種類の基礎で対応できない軟弱地盤のサイトについては、最終的に計画対象から
除外する。
⑦ インフラ整備状況の確認(電気、水道、下水、電話の有無)
⑧ 基本学校情報の収集(生徒数(学年別)、セクション数、授業シフト、教職員数)
2)入札図書の作成
《共通設計図》
第 1 グループの北ショワ県を担当するコンサルタントが、3 県共通となる詳細設計図、
BOQ、技術仕様書、家具仕様書等を作成する。
《県別設計図》
各県を担当するコンサルタントはサイト調査結果をもとに、施主の技術管理者とともに計画対象サイトの選定を行う。選定されたサイトについて、全サイトの配置図を作成する。さらに施工業者入札ロットの設定を行い、各ロット毎に①入札要項、②技術仕様書、③BOQ、
④詳細設計図から構成される入札図書の原稿を作成する。
3)入札補助
調達代理機関が実施する建設業者および家具業者の入札において、業者から提出された応札書類に対し、①技術審査及び②価格審査を行い、内容の適正を調達代理機関に伝える。
(2)施工監理
現地コンサルタントは、本邦技術管理者の指導・助言を受け以下の業務を行う。
1)主な業務内容
設計図書に則った施工内容確認、品質管理、出来高検査、設計変更時の対応、一般技術指導、本邦技術管理者への随時報告、中間検査、竣工検査、瑕疵検査の実施、監理報告書の作成等。
2)監理体制
コンサルタントは、各県庁所在地に監理事務所本部を設置し、xx監理技術者を派遣する。また、地方部に監理基地を設置し常駐監理者を派遣する。監理本部は各監理基地を統括管理する。各県において想定される監理技術者数、および監理基地数は下表のとおり(1ロットを 1 名の技術者が担当する)。なお、各県の監理本部には積算技術者 QS(1 名)を配置し、工事金額の支払い査定を実施する。
北ショワ県 | 西ハレルゲ県 | アルシ県 | |
監理本部 | フィッチェ市 | チロ市 | アセラ市 |
監理基地 | 3 カ所 | 2 カ所 | 1 カ所 |
xx監理技術 者 | 1 人 | 1 人 | 1 人 |
監理技術者 | 5 人 | 4 人 | 2 人 |
QS | 1 人 | 1 人 | 1 人 |
3-2-4-5 品質管理計画
コミュニティ開発支援無償資金協力案件としてふさわしい施工品質確保のためには、本邦技術者の存在は欠かせない。しかし計画地域の分布を考慮すると本邦技術者が全てのサイトを巡回監理するのは物理的に不可能である。したがってどのように効率的に現地コンサルタントを指導・助言するかによって、達成される施工品質が左右されることになる。工種別の品質管理チェックシートの導入による、個人差の出ない監理体制の確立等の手段が有効と考える。
また品質の向上のためには、現地コンサルタント監理者の品質に対する意識を高める必要がある。本邦技術者は、着工前あるいは施工中に重点的に現地コンサルタント監理担当者を集めて品質管理講習会を開催することが望ましい。配筋、型枠、コンクリート打設等は、全ての監理者が共通のチェックシートを使用して品質レベルの均質化を図る。以下に講習会の講習内容の例を示す。
表3-19 品質管理講習会の内容例
講習の時期 | 講習内容の例 |
着工前 | ・検査・監理項目(表3-20を説明) ・検査・監理に必要なサイト巡回頻度 ・鉄筋、コンクリート打設、型枠の各チェックシートを利用した品質の均質化 ・安全対策 ・鉄筋の品質確認 ・試験練りの方法 ・テストピースによる圧縮試験について ・以上の検査に必要な現地コンサルタントの巡回回数 |
仕上げ工事前 ( 先行している現場で 講習を行うことも可) | ・左官工事の精度確保方法 ・モルタルひび防止のための養生方法 ・塗装剥離防止のための養生方法 ・家具工場検査の要領 ・各種設備検査の要領 |
さらに品質管理項目の中で、鉄筋コンクリートの圧縮強度試験は最も重要な検査項目の一つと考える。しかし、エチオピア国に存在する公的試験機関がアジスアベバにしかなく、本件の対象地域が首都から近いものの交通アクセス事情が悪いことを考えると、従来方式
通りの圧縮強度試験を義務づけるのは現実的ではない。したがって、供試体による圧縮試験を試験練り時に 1 回のみとすれば、首都まで運搬するのもそれほど負担にはならないと考えられる。その一方で現場における配合割合、打設のチェックを確実に行えるような監理体制を確立する。表3-20に躯体工事段階における主な品質管理項目を示す。
表3-20 躯体工事段階における主な品質管理項目例
工事 | 品質管理項目 | 検査方法 | 検査頻度 |
土工事 | 床付面確認 | 目視 | 根切完了時 |
鉄筋・型枠工事 | 鉄筋材料 | ミルシートの照合又は 引張り強度試験 | サイズ毎 |
配筋 | 配筋検査 | コンクリート打設前 | |
型枠 | 型枠検査 | コンクリート打設前 | |
コンクリート工 事 | 強度 | 圧縮強度試験 | 試験練り時に 1 回 |
コンクリートブ ロック | 強度 | 圧縮強度試験 | 試作品製作時に 1 回 |
3-2-4-6 資機材等調達計画
本計画で採用される資材は全てエチオピア国内で調達可能である。ほとんどの資材は国内で生産されているが、鉄筋は自国生産しているものの不足しており、イタリア、トルコ、エジプト等から輸入しており、それらの現地調達が可能である。またセメントについては基本的には現地生産品が調達可能であるが、建設ラッシュで供給が需要に追いつかずエジプト産のものも流通しているのが現状である。
骨材、コンクリートブロック、ユーカリ木材は各県でも調達可能であるが、その他のほとんどの資材はアジスアベバで調達してサイトまで運搬することになるため、遠隔地ほど輸送コストが計上される。
家具はアジスアベバの他、アルシ県と西ハレルゲ県の県庁所在地にも工場があり、比較的良質でまとまった数量の家具が生産可能である。ただし家具業者の入札は県ではなく首都で行われることが通例となっている。
3-2-4-7 ソフトコンポーネント計画
(1) ソフトコンポーネントを計画する背景
本プロジェクトは、エチオピア国オロミア州 3 県(北ショワ、西ハレルゲ、アルシ)における教育施設の整備を通じ、同地域の初等教育のアクセス向上を目指すものである。
整備された施設が適切に維持管理されるか否かを判断するため、既存校の維持管理に対する意識および状況について調査した結果、以下の課題が見られた。
1)学校の維持管理に対する意識について
各学校には、教育省が 2002 年 8 月に発行した「教育管理組織、住民参加、教育財政の運営ガイドライン(Guideline for Organization of Education Management, Community Participation and Education Finance:通称ブルーブック)」に基づき PTA が設置されており、村教育運営委員会( Kebele Education Training and Management Board: KETMB)とともに定期的に会合を開き、学校の運営・維持管理にかかる諸問題に取り組んでいる。このように、運営・維持管理体制は既に構築されており、機能しているが、学校では壊れた家具が修理されずに放置されたり、壁が剥離したまま放置されている。
エチオピアでは、政府の教育予算が逼迫する中、地域住民が学校建設や運営のために収入向上活動や寄付によって貢献することが一般的となっているため、建設や運営に加えて修理にかかる費用を負担するのが困難であることも、修理されずに放置される理由の一つであると考えられる。
しかし資金不足だけがこの原因ではない。学校関係者に修理について尋ねても、「買い換える、塗り替える」との回答が得られるのみであり、維持管理についてのノウハウ不足または意識の低さが窺えた。
【解決方法】
この課題を解決するためには、施設維持管理についてのノウハウを伝えるとともに、その重要性にかかる啓発が必要である。加えて、施設の予防的維持管理(プリベンティブ・メンテナンス)にかかる啓発を行うことで、施設の不要な破損を未然に予防し、修理費用を抑えることが必要である。
2)施設清掃状況について
農村部の学校では生徒が当番制で清掃していることもあるが、郡中心部の学校では清掃人を雇っていることが多い。定期的に清掃する学校もあれば、必要時にしか清掃しない学校もある。しかし、教室内には紙ゴミが散乱し、コンクリート床は泥だらけの状態でトイレは足の踏み場もないほど紙や汚物が散乱していることがあり、総じて清掃は行き届いていない。
【解決方法】
この課題を解決するためには、清掃にかかる啓発を行う必要がある。
3)トイレの使用について
農村部では家庭にトイレがない場合が多く、トイレの使い方を知らない生徒がおり、トイレがきれいに使われなかったり、外で用を足すこともある。そのため、多くの学校ではトイレの衛生状態が悪い。また、トイレ使用後に手洗いを行うなど基本的な衛生にかかる知識が子どもたちに欠如している。
【解決方法】
この課題を解決するためには、トイレの使い方および基本的な衛生にかかる啓発を行う必要がある。
このように、整備された施設が適切に維持管理され正しく使用されるためには、①維持管理の重要性の理解、②適切な清掃を行うこと、③トイレの使い方および基本的な衛生にかかる啓発を行う必要があり、本プロジェクトではソフトコンポーネントによりこれらの啓発を実施することが望ましい。
多くの小学校では、校舎外壁に教育や啓発のための教育的絵やスローガンが壁画として描かれている1。壁画は目に付きやすく、生徒や関係者に対して容易にスローガンを伝えることができること、さらにポスターと比べ耐久性も高いことなどから、本ソフトコンポーネントの活動の啓発の手法として壁画を活用する。
(2)ソフトコンポーネントの目標
本計画では、以下のとおり目標を設定する
上位目標 | 建設された学校施設が良好な状態に保たれる。 |
目標 | 建設された学校施設の維持管理が行われる。 |
(3)ソフトコンポーネントの成果
上記の目標に対し、成果を以下のとおり設定する。
成果1 関係者によって維持管理・衛生の重要性が理解される。
成果2 関係者によって維持管理・衛生にかかる基本的知識が習得される。成果3 維持管理や衛生にかかる壁画、スローガンが描かれる。
(4)成果達成度の確認方法
各成果に対する活動および達成度の確認方法は以下のとおり。
成果と活動 | 達成度確認方法 |
成果1:関係者によって維持管理・衛生の重要性が理解される。 ・ 現状分析、問題分析の実施 ・ 問題点に対する解決方法の立案 ・ 計画立案 | 学校ワークショップ実施結果 学校ワークショップ出席 者リスト 講習後の問答式テスト結 果 |
成果2:関係者によって維持管理・衛生にかかる基本的知識が習得される。 ・ 維持管理、基本的な衛生にかかる講習の実施 | |
成果3:維持管理や衛生にかかる壁画、スローガンが描かれる。 ・ 壁画、スローガンの考案 ・ 壁画、スローガンの描画 | 各学校で描かれた壁画、スローガン |
1 例えば、アフリカの地図、心臓の構造図、ハエの一生、元素の周期律表、HIV 予防スローガン等
(5)ソフトコンポーネントの活動
1)対象者
計画対象校全校の学校関係者を対象とする。すなわち、北ショワ県 25 校、西ハレ
ルゲ県 18 校、アルシ県 14 校の校長、教員、PTA、KETMB 関係者である。
2)期分け
建設工期の近い第1グループおよび第 2 グループを第 1 期とし、第 3 グループを第 2 期として 2 期に分けて実施する。すなわち、第 1 期は北ショワ県および西ハレルゲ県の合計 43 校、第 2 期はアルシ県の 14 校が対象となる。
3)実施時期
各期のプロポーザル選定から活動終了までの期間は以下のとおり。
第 1 期 2009 年 3 月中旬~7 月中旬
第 2 期 2010 年 4 月上旬~5 月下旬
4)実施体制
実施主体はオロミア州教育局(OEB)。OEB は活動に応じて県教育局(ZEO)および郡教育局(WEO)に指示を与え活動を実施する。業務を円滑に進めるために NGO またはコンサルタントを活用する。NGO/コンサルタントは OEB の活動を補佐し、ロジスティックスアレンジ補佐、資料作成、各活動の補佐、報告書作成、業務調整等を実施する。調達代理機関内のソフコン管理者は活動が円滑に開始されるよう初期段階を支援し、常駐統括者が全般をモニターする。
なお、本プロジェクトは、JICA がオロミア州で実施が予定されている他の教育プロジェクトとともにプログラムアプローチによってオロミア州における初等教育のアクセス改善を目指していることから、それらのプロジェクトと適宜情報共有を行う。
実施組織
報告
モニター
契約
実施補佐
NGO/コンサルタント
実施主体 (OEB, ZEO, WEO)
次の図に実施体制を示す。
OEB | 調達代理機関(JICS)常駐統括者 ソフコン管理者 | |
JICA プロジェクト
情報共有
ターゲット
県オリエンテーション、学校ワークショップ
KETMB, PTA, 教員
・壁画
・スローガン
生徒
図3-4 ソフトコンポーネント実施体制
5)活動内容
活動は次の 4 段階で行う。
【準備段階】
OEB、NGO/コンサルタントとソフコン管理者が本ソフトコンポーネントの活動目的・内容、役割分担を確認し、今後の活動で必要となる資料を作成する。具体的な資料作成は NGO/コンサルタントが担当する。
【スローガン・壁画選定段階】
OEB、ZEO、NGO/コンサルタントとソフコン管理者が①維持管理、②清掃、③トイレの使い方および衛生に関するスローガンを考案し、NGO/コンサルタントに配置されたイラストレーターが、そのスローガンを効果的に伝えるための壁画の素案を作成する。その後、素案から各学校に描画する図案を選定する。
【県オリエンテーション段階】
各県でオリエンテーションを実施し、当該県の関係者(WEO、校長、PTA、 KETMB)に対してソフトコンポーネントの活動目的・内容を紹介するとともに、学校ワークショップの日程や実施要領を説明する。オリエンテーションは各県教育局(ZEO)担当者が中心となって実施する。
また、WEO 担当者は学校ワークショップにおいてファシリテーターとなるため、全体会合の後に別途実施要領の説明を行う。
【学校ワークショップ段階】
各対象校において 2 日間の学校ワークショップを実施する。対象校が所属する WEO の担当者がファシリテーターとなる。1 日目には施設の維持管理およびトイレの使い方についての現状分析、問題分析を経て参加者自らが問題点に対する解決方法を立案する。また、NGO/コンサルタントが予防的維持管理や基本的な衛生にかかる講習を実施した後、清掃を含む定期的な維持管理活動の計画を立案する。2 日目にはワークショップ参加者がペイント補助員の補助・指導の下、壁画、スローガンを施設壁面に描く。
各期に県オリエンテーションと学校ワークショップを実施する回数は以下のとおり。
県オリエンテーション | 学校ワークショップ | 備考 | |
第 1 期 | 2 回 | 43 回 | 北ショワ県 25 校 西ハレルゲ県 18 校 |
第 2 期 | 1 回 | 14 回 | アルシ県 14 校 |
6)各ステークホルダーの役割
上記の実施体制を構成する各ステークホルダーの役割は次のとおり。
ステークホルダー名 | 役割 | |
調達代理機関 | 常駐統括者(邦人) | 1.活動モニタリング 1-1 活動進捗確認 1-2 活動報告書精査 1-3 活動へのフィードバック 1-4 活動完了確認 2.契約業務(第 2 期) 2-1 プロポーザル審査 2-2 契約交渉 2-3 契約 2-4 OEB の認証手配 3.報告 |
ソ フ コ ン管 理 者 (邦人) | 1.NGO/コンサルタントの選定(第 1 期) 1-1 技術プロポーザル審査 1-2 契約交渉補助 1-3 契約補助 1-4 OEB の認証手配 2.活動開始支援 2-1 準備段階の会議への立会い 2-2 スローガン・壁画の選定段階での立会い 2-3 北ショワでの県オリエンテーションへの立会い 2-4 北ショワでの学校ワークショップへの立会い 2-5 今後の活動へのフィードバック 3.報告 | |
実施主体 | OEB | 1.NGO/コンサルタントの選定 1-1 契約の認証 2.活動全般の監理 2-1 準備段階での会議の実施 2-2 スローガン・壁画の選定段階での会議の実施 2-3 各活動の事前打ち合わせ実施 2-4 各活動の監理、立会い 2-5 ZEO、WEO に対するソフコン活動への参加指示 2-6 各種報告書の確認 |
ZEO | OEB の指示のもと、以下の役割を担う ・ WEO に対するソフコン活動への参加指示 ・ スローガン・壁画の選定段階の会議への参加 ・ 県オリエンテーション事前打ち合わせ参加 ・ 県オリエンテーションにおける説明の実施 ・ 学校ワークショップへの参加 | |
WEO | OEB、ZEO の指示のもと、以下の役割を担う ・ 学校、PTA、KETMB に対するソフコン活動への参加指示 ・ 県オリエンテーションへの参加 ・ 学校ワークショップ事前打ち合わせ参加 ・ 学校ワークショップにおけるファシリテーション実施 |
N G O /コンサルタント | ・ 総括/ファシリテーター補佐 1名 ・ ファシリテーター補佐 2 名 ・ ペイント補助 3 名 ・ イラストレーター1 名 (注) 学校ワークショップは、ファシリテーター補佐とペイント補助 1 人ずつが1 チームとなり、 3 チームで実施する。 | 1.準備段階 1-1 会議への参加 1-2 各活動に必要な資料素案の作成 2.スローガン・壁画の選定段階 2-1 ロジスティックス補佐、準備 2-2 スローガンの取りまとめ補佐 2-3 スローガンに基づく壁画素案の作成 3.県オリエンテーション段階 3-1 ロジスティックス補佐、準備 3-2 オリエンテーション補佐 3-3 アンケートの実施 4.学校ワークショップ段階 4-1 ロジスティックス補佐、準備 4-2 ファシリテーション補佐 4-3 予防的維持管理、基本的な衛生についての講習の実施 4-4 維持管理計画立案の補佐 4-5 壁画、スローガンの描画補助 4-6 アンケートの実施 5.報告書作成 5-1 各種報告書の作成 |
対 象 者 | KETMB PTA 校長、教員 | ・ 県オリエンテーションへの参加 ・ 学校ワークショップへの参加 ・ 壁画、スローガンの描画 |
7)投入計画
各期における投入(人・日)は以下のとおり。(詳細は下記(6)実施工程表参照)
(単位:人・日)
要員 | 第 1 期 | 第 2 期 | 合計 |
ソフコン管理者(日本人) | 45 | - | 45(1.50M/M) |
NGO/ローカルコンサルタント | 249 | 89 | 338(11.27M/M) |
合計 | 294 | 89 | 383(12.77M/M) |
(6)ソフトコンポーネントの実施工程
2009
1
2
3
4
5
6
7
2010
4
5
6
北ショワ県
アルシ県
西ハレルゲ県
第1期
第2期
入札図書作成
公示
調 入札
達
業 プロポーザル評価務
契約交渉契約
活 県オリエンテーション動
学校ワークショップ
投入人・日
第1期
投入人・日
第2期 合計
ソフコン管理者(邦人)
N 総括/ファシリテーター補助1 G
O ファシリテーター補助2
45
0 45
要 ルま ファシリテーター補助3
員
タ た
ンは ペイント補助員1
ト 開 ペイント補助員2
発
コ ペイント補助員3ン
サ イラストレーター
63
37
37
37
35
35
5
26 89
14 51
12 49
13 50
13 48
11 46
0 5
報告書提出時期
△
△ △
△ △
図3-5 ソフトコンポーネント実施工程
(7)ソフトコンポーネントの成果品
1)資料
・ ソフトコンポーネント活動についての説明資料(県オリエンテーション用)
・ 啓発用壁画図柄
・ 学校ワークショップ実施要領
・ 予防的維持管理、基本的な衛生についての講習資料(学校ワークショップ用)
・ アンケート(県オリエンテーション時、学校ワークショップ時)
2)報告書
各期で提出を求める報告書とその目次(案)は以下のとおり。
報告書 | 目次(案) | |
第 1期 | 北ショワ県活動報告書 西ハレルゲ県活動報告書 | 1.県オリエンテーション 1-1 活動日程 1-2 参加者リスト 1-3 アンケート結果 2.学校ワークショップ 2-1 活動日程 2-2 参加者リスト 2-3 問題分析結果 2-4 問題点に対する解決方法 2-5 立案した計画 2-6 描画した壁画・スローガン写真 2-7 アンケート結果 3.各県での活動総括 3-1 アンケート結果まとめ 3-2 活動における問題点および改善案 |
報告書 | 目次(案) | |
第 1期 | 第 1 期総合報告書 | 1.スローガン・壁画の選定会議結果 2.実施結果 2-1 活動日程まとめ 2-2 2 県でのアンケート結果まとめ 2-3 2 県でのグッドプラクティス 3.第 2 期への提案 3-1 第 1 期での反省点 3-2 第 2 期に向けての改善点 |
第 2期 | アルシ県活動報告書 | 第 1 期の北ショワ県、西ハレルゲ県活動報告書 と同様 |
最終報告書 | 1.実施結果 1-1 活動日程まとめ 1-2 3 県でのアンケート結果まとめ 1-3 3 県でのグッドプラクティス 2.今後の活動に対する提案 2-1 各学校での活動に対する提案 2-2 対象校以外に普及するための提案 |
(8)相手国実施機関の責務
1)ソフトコンポーネント活動実施中の責務
① 各活動への実施と参加
本ソフトコンポーネント実施にあたっては、OEB が実施主体となり県教育事務局
(ZEO)や郡教育事務局(WEO)に指示を行い、ステークホルダーの参加を働きかける必要がある。各段階におけるステークホルダーの役割は以下の表のとおり。
準備段階 | スローガン・壁画の 選定段階 | 県オリエンテーション段階 | 学校ワークショップ段階 | |
OEB | 監理、会議立会い | 監理、ZEO への 連絡、会議立会い | 監理、ZEO への連絡、 立会い | 監理、ZEO への連絡、 立会い |
ZEO | - | 会議への参加 | WEO への連絡、ソフ コン活動説明 | WEO への連絡、参加 |
WEO | - | - | 各学校への連絡、参加 | 各学校への連絡、ファ シリテーション |
学校 KETMB PTA | - | - | 参加 | 参加、描画 |
② 活動にかかる費用の確保
OEB はステークホルダーが各活動に参加するために必要な費用を確保する必要がある。想定される費用は以下のとおり。
(アジスアベバで実施) | スローガン・壁画の選定段階 (アジスアベバで 実施) | 県オリエンテーション段階 (県中心部で実施) | 学校ワークショップ段階 (各学校で実施) | |
OEB | 不要 | 不要 | 県中心部へ出張する 際の日当・宿泊(*) | 各学校へ出張する際 の日当・宿泊(*) |
ZEO | - | アジスアベバへ出張 する際の日当・宿泊・交通費 | 不要 | 各学校へ出張する際の日当・宿泊(*) |
WEO | - | - | 県中心部へ出張する際の日当・宿泊・交通 費 | 不要(*) |
学校 KETMB PTA | - | - | 県中心部へ出張する際の日当・宿泊・交通 費 | 不要 |
(*)NGO/コンサルタントが手配する車両に同乗するため交通費は不要
2)ソフトコンポーネント活動実施後の責務
① モニタリング
本ソフトコンポーネント活動で啓発を受けた関係者が、プロジェクト目標および上位目標発現の方向に向かうように、OEB は適宜アドバイスやモニタリングを行う。
② 活動の普及
OEB は、本プロジェクト対象校以外の学校、郡、県に対して本ソフトコンポーネント活動を紹介し、普及させる。
③ 学校運営費用の確保
現在は政府の教育予算が逼迫していることから、地域住民が学校建設や運営のために収入向上活動や寄付によって貢献しており、維持管理に費用を回すことが困難になっている。したがって、OEB は教育予算の学校運営費を増加させ、地域住民が学校の維持管理に費用を割り当てられるようにする必要がある。
3-2-4-8 実施工程
施工グループの順番を北ショワ県→西ハレルゲ県→アルシ県とする。雨期の明ける 10 月に第 1 グループを着工し、1 ヵ月程度ずらして第 2 グループを着工すれば、翌年の小雨期の始まるまでに躯体工事を終了可能である。しかし第 3 グループの着工は、翌年の雨期明けを待つ必要がある。コンサルタントによるサイト調査はいずれも小雨期中になるが、少し余裕を持った調査工程を設定すれば可能と考える。調達代理契約締結から完工までの工期
(瑕疵期間を含まない)は 30 ヵ月となる。以上を反映した工程を図3-4に示す。
年 2007
FY2007/2008
FY2008/2009
FY2009/2010
2008
2009
2010
月 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5
E N △
調達代理契約 △
コンサルタント選定 第1グループ サイト調査・詳細設計
業者入札北ショワ県 施工監理
ソフトコンポーネントコンサルタント選定
第2グループ サイト調査・詳細設計業者入札
西ハレルゲ県 施工監理
ソフトコンポーネントコンサルタント選定
第3グループ サイト調査・詳細設計業者入札
アルシ県 施工監理建設工事
ソフトコンポーネント
小雨期 大雨期
図3-6 全体工程
3-3 相手国側分担事業の概要
日本国のコミュニティ開発支援無償資金協力は自助努力による開発への支援を目的にしており、この方針に基づき日本国政府は受益国側にも応分の負担を設けている。この原則は世界中の全ての受益国に対し、平等に適用されている。従って、日本国政府が本プロジェクトの実施を決定した場合、エチオピア国側は以下の措置を講じなければならない。
1)本プロジェクトに必要な資料・情報を日本側に提供すること
2)本プロジェクトに必要な土地を用意し、オロミア州教育局が建物を建設する権利を確保すること
3)本プロジェクトの実施に先立ち、盛り土、整地を行うこと
4)完成後施設に必要な造園、塀、その他付属的な外構工事を実施すること
5)完成後の施設に必要な電力供給、水道、その他付随的設備の敷地内への引き込みと接続工事を行うこと
6)本プロジェクトに含まれる基本的な家具を除き、完成後の施設に追加する必要がある家具・備品類の調達を行うこと
7)本プロジェクトによって建設される建物の適正な運営・維持管理のための人員と予算
を確保すること
8)日本にある銀行との銀行取り決めに基づき支払い授権書にかかる通知手数料、および支払手数料を負担すること
9)本プロジェクトの下で購入する資機材の速やかな陸揚げ、税金の免除、陸揚げ港における通関、および速やかな内陸輸送を保証すること
10)調達代理契約及び調達代理機関と交わす各契約に基づいた物品および役務の提供に関し、エチオピア国内で課される関税、国内税、およびその他課税を免除すること
11)調達代理契約及び調達代理機関と交わす各契約に基づいて、本プロジェクトに携わる個人がエチオピア国側の領域内に入国し、滞在する場合に必要な便宜を与えること
12)本プロジェクトの下で建設される施設をオロミア州教育局の管轄の下に適正かつ効果的に使用し維持すること
13)建設期間中必要となる資材置場、現場事務所用地を可能な限り計画敷地に近い場所に確保し、これを工事期間中に渡り無償で施工業者に貸与すること
14)本プロジェクトのために必要なすべての許可、承諾、権限を取得すること
15)本プロジェクトの範囲内で日本のコミュニティ開発支援無償資金協力によって負担される費用以外の全ての費用を負担すること(盛り土・整地、インフラの引き込み・接続工事など)
16)建設工事に先立ち、調達代理機関の協力の下に各種許認可を取得すること、および工事完了や使用開始にあたっての当局の許可が必要な場合はそれを取得すること
17)本プロジェクトの促進のために調達代理機関が便宜的、決定、判断等を要請する場合は速やかに対応すること
18)プロジェクト期間中、調達代理機関に対して十分な広さのオフィスを、電気代、水道代を含めて無償で提供すること
3-4-1 運営計画
本プロジェクトにおいて教室の増設または新設行われることにより、教職員の増員が必要となる。
(1) 教員の増員
学校のタイプ別に増員が必要となる教員数は表3-21のとおり 348 人(G1~
G4:120 人、G5~G8:228 人)と算出される2。
オロミア州では G1~G4 の教員を養成する教員養成専門学校(TTI)の民営化を進めた結果、2003/04 年からは採用教員数よりも多くの卒業生が輩出されているため、資格を保有していても教職に就けない人材が十分存在する。G5~G8 については、G1
~G4 の有資格教員が教えていることが多く、現時点では十分な有資格教員が養成されているとは言えない。しかし、OEB は TTI を TTC に格上げしたり、G1~G4 の有資格教員に対するアップグレード研修を行っており、2007/08 には TTC 卒業生 6,000人、アップグレード研修受講生 1,800 人を見込むなど、有資格教員の確保に努めている。今後もこの方針が続くことが見込まれるため、人材の確保には問題ない。
また、増員に伴う予算措置については OEB が予算確保を確約しており、人材確保の面および予算の面からも教員の増員は問題ない。
表3-21 増員が必要となる教員数
1 校あたり増員が 必要となる教員数 | 計画対象 校数 | 必要教員数 | 備考 | ||
タイプ1 | G5~G8 | 4 | 27 | 108 | アップグレードで 4 教室増設により、G5~G8 教員の増員 が必要 |
タイプ2 | G1~G4 | 4 | 21 | 84 | 8 教室増設により、G1~G4の教員とG5~G8 の教員が同 数ずつ増員されると仮定 |
G5~G8 | 4 | 84 | |||
タイプ3 | G1~G4 G5~G8 | 4 4 | 9 | 36 | 8 教室新設により、G1~G8教員の新規採用が必要 |
36 | |||||
合計 | G1~G4 G5~G8 | 57 | 120 | - | |
228 |
(2) 職員の増員
本プロジェクトの実施によって増員が必要となる職員数は学校のタイプ別に表3-
22のとおりとなり、合計 279 人と想定される。職員になるための資格は特に定められていないが TTI 卒業生が従事していることが多い。上記(1)のとおり TTI を卒業した人材の確保に問題はない。また、増員に伴う予算措置については OEB が予算
2 教員数の算出には、ESDPⅢのターゲットである 1 教室あたり 1 教員を採用した。
確保を確約しており、人材確保の面および予算の面からも職員の増員は問題ない。
表3-22 増員が必要となる職員数
1 校あたり増員が 必要となる職員数 | 計画対 象校数 | 必要 職員数 | 備考3 | |
タイプ1 | 7 | 27 | 189 | 前期校には配置されないが完全校に配置される職員(副校長、管財責任者、実験技師、記録主任、図書室主任、会 計、タイピスト)の新規採用 |
タイプ2 | - | 21 | - | 増員なし |
タイプ3 | 10 | 9 | 90 | 完全校に配置される職員(校長、副校長、管財責任者、実験技師、記録主任、図書室主任、会計、タイピスト、用務 員、守衛)の新規採用 |
合計 | 57 | 279 |
(3) 教職員の採用プロセス
毎年 7 月頃、次年度に必要な教職員の要望が各学校から郡教育局に提出される。その後、郡教育局は各学校からの要望をまとめ計画を作成の上、郡事務所に予算を申請する。郡事務所から予算が配分された後、郡教育事務所は新規に採用する教職員数を決定し募集する。予算が確保されない分についてはボランティア教員を募集する。ボランティア教員として勤務すれば、翌年の教員採用に有利になるため、教員資格を保有しながらも教職に就けない人材がボランティア教員として応募するので、ボランティア教員は比較的確保しやすい。
このように、教職員の配置は第一義的には郡教育局が行うが、ボランティア教員が確保できない場合には、PTA と郡(村)教育運営委員会が対策を協議し、地域住民による収入創出活動や寄付によって給与をまかなうことになる。
3-4-2 維持管理計画
ブルーブックによれば、給料以外の経常経費(教科書以外の書籍、チョーク、文房具、維持管理費、実験室用消耗品、家具、光熱水費、電話代等)は生徒数に応じて定額が郡教育事務所から各学校に配分されることになっているが、オロミア州では現金ではなくチョークや文房具といった現物支給が行われている。しかし、郡教育局の予算不足のため、定額より低い額相当の現物支給に留まっている。そのため不足した資金については地域住民による収入創出活動や寄付が充てられるが、それらの資金は教室の増設やトイレの増設、教員住居の建設等に優先的に充てられるため、学校運営や維持管理に割ける費用は限られている。
したがって、本プロジェクトで建設する施設は、当面修理が不要なものを目指すとともに、
3 2002.8 教育省発行 教育管理組織、住民参加、教育財政の運営ガイドライン(Guideline for Organization of Education Management, Community Participation and Education Finance:通称ブルーブック)より
ソフトコンポーネント活動で維持管理にかかる意識を高め、日常的なメンテナンス(清掃、
予防的維持管理)を行うことによって、大きな不具合や破損が起こらないようにする。
3-5 プロジェクトの概算事業費
3-5-1 協力対象事業の概算事業費
本協力対象事業を実施する場合に必要となる事業費総額は 12.38 億円となり、先に述べた日本とエチオピア国との負担区分に基づく双方の経費内訳は以下(3)に示す積算条件によれば次のとおりと見積もられる。ただし、この額は交換公文上の供与限度額を示すものではない。
(1)日本側負担経費 概算総事業費 1,049 百万円
表3-23 日本側負担経費内訳
費目 | 概算事業費(百万円) | ||
建築建設費 | 建設費 | 714.4 | 797.3 |
家具費(輸送費を含む) | 82.9 | ||
調達代理機関費 | 176.0 | ||
弁護士費 | 2.1 | ||
調達アドヴァイザー費 | 0.3 | ||
設計監理費 | 68.0 | ||
ソフトコンポーネント費 | 6.2 | ||
合計 | 1,049.9 |
(2)エチオピア国側負担経費 14,159.0 千ブル(約 189 百万円)
表3-24 エチオピア国側負担経費内訳
費目 | 金額 (千ブル) | 日本円換算 (百万円) | |
経常経費 | 調達代理機関事務所の光熱水費 | 449.2 | 6.0 |
ソフトコンポーネント実施費 | 40.2 | 0.5 | |
資本経費 | 電気引き込み・接続費 | 1,092.6 | 14.7 |
給水接続費 | 833.1 | 11.2 | |
別途措置 | 契約に課せられる VAT | 11,743.9 | 157.5 |
合計 | 14,159.0 | 189.9 |
(3)積算条件
① | 積算時点 | :平成 19 年 4 月 | |
② | 為替交換レート | :1US$ | = 119.64 円 |
:1 現地通貨(ブル) | = 13.41 円 |
③ 施工・調達期間 :詳細設計、工事の期間は、施工工程に示したとおり。
④ その他 :積算は、日本国政府の無償資金協力の制度を踏まえ
て行うこととする。
3-5-2 運営・維持管理費
3-5-2-1 運営費
(1) 教員給与
上記4-1(1)に示された教員の増員にかかる給与の増額は以下の表3-25のとおり 2,858,400 ブル/年と試算される。
表3-25 教員給与の増額試算
必要教員数 | 1 教員あたりの平均 給与(ブル/年)4 | 給与増額 (ブル/年) | ||
タイプ1 | G5~G8 | 108 | 9,000 | 972,000 |
タイプ2 | G1~G4 | 84 | 6,720 | 564,480 756,000 |
G5~G8 84 | 9,000 | |||
タイプ3 | G1~G4 36 G5~G8 36 | 6,720 | 241,920 324,000 | |
9,000 | ||||
合計 | 348 | - | 2,858,400 |
(約 3,800 万円)
(2) 職員給与
OEB では、職員(Non-teaching staff)給与は生徒 1 人あたり G1~G4 では 10 ブル/年、G5~G8 では 15 ブル/年として計上している。この方法で算出すると、本プロジェクトの実施により増加する職員給与は表3-26のとおり231,000 ブル/年となる。
表3-26 職員給与の増額試算
1 校あたり増加する生徒数5 | 1 生徒あたりの職員給与 (ブル/年) | 1 校あたり増 加する給与 (ブル/年) | 計画対 象校数 | 増加給与 (ブル/年) | ||
タイプ1 | G5~8 | 200 | 15 | 3,000 | 27 | 81,000 |
タイプ2 | G1~4 G5~8 | 200 200 | 10 | 2,000 | 21 | 42,000 63,000 |
15 | 3,000 | |||||
タイプ3 | G1~4 | 200 | 10 | 2,000 | 9 | 18,000 27,000 |
G5~8 200 | 15 | 3,000 | ||||
合計 | 57 | 231,000 |
(約 310 万円)
(3) 経常経費
ブルーブックにより、給与以外の経常経費(教科書以外の書籍、チョーク、文房具、
維持管理費、実験室用消耗品、家具、光熱水費、電話代等)は、生徒 1 人当たり、G1
4 1 教員あたりの平均給与は、2005 年 8 月発行のOromia Regional State Perspective Plan for Universal Primary Education 2005/06-2017/18 より G1~G4 では 6,720 ブル/年、G5~G8 では 9,000 ブル/年を採用した。
5 1 教室あたりの生徒数は、ESDPⅢのターゲットである 50 人とした。
~G4 では 10 ブル/年、G5~G8 では 15 ブル/年と定められている。この方法で算出すると、本プロジェクトの実施により増加する経常経費は表3-27の通り 231,000 ブル/年となる。
表3-27 経常経費の増額試算
1 校あたり増加する生徒数6 | 1 生徒あたりの経常経費 (ブル/年) | 1 校あたり増加する経常経費 (ブル/年) | 計画対 象校数 | 増加 経常経費 (ブル/年) | ||
タイプ1 | G5~8 | 200 | 15 | 3,000 | 27 | 81,000 |
タイプ2 | G1~4 | 200 | 10 | 2,000 | 21 | 42,000 |
G5~8 | 200 | 15 | 3,000 | 63,000 | ||
タイプ3 | G1~4 | 200 | 10 | 2,000 | 9 | 18,000 |
G5~8 | 200 | 15 | 3,000 | 27,000 | ||
合計 | 57 | 231,000 |
(約 310 万円)
(4) 教科書にかかる経費
教科書は上記(3)とは別に、OEB が郡教育局を通して各学校に配布する。
本プロジェクトの実施により必要な経費は、表3-28のとおり 1,012,800 ブルとなる。
なお、教科書は 5 年に 1 度入れ替えることが想定されているため、今後、1 年間に必要な経費は 202,560 ブルとなる。
表3-28 教科書経費の増額試算
必要となる教科書 セット数7 | 1 セットあたりの教科書代 (ブル)8 | 1 校あたり 必要な教科書代 | 計画対 象校数 | 必要な教科書代 (ブル) | |
タイプ1 | G5~8 200 | 72 | 14,400 | 27 | 388,800 |
タイプ2 | G1~4 200 G5~8 200 | 32 | 6,400 | 21 | 134,400 302,400 |
72 | 14,400 | ||||
タイプ3 | G1~4 200 G5~8 200 | 32 | 6,400 | 9 | 57,600 129,600 |
72 | 14,400 | ||||
合計 | 57 | 1,012,800 |
(約 1,360 万円)
6 1 教室あたりの生徒数は、ESDPⅢのターゲットである 50 人とした。
7 必要教科書セット数は、ESDPⅢのターゲットである生徒 1 人あたり 1 セットとして算出した。
8 教科書 1 セットあたりの価格は、2005 年 8 月発行のOromia Regional State Perspective Plan for Universal Primary Education 2005/06-2017/18 よりG1~G4 では 32 ブル、G5~G8 では 72 ブルを採用した。
上記4-2のとおり、本プロジェクトで建設する施設は、当面修理が不要なものを目指していることから、引渡し後数年間は修理を必要としない。予想される修理費は再塗装工事費用およびトイレの沈積物除去費用である。
将来の施設維持管理費として予想される項目、頻度、経費は以下のとおりである。
表3-29 維持管理費試算
項目 | 頻度 | 1 年間に換算した経費(ブル) | |
再塗装 | 内壁及び天井 | 10 年に 1 回 | 96,500 |
鋼製建具 | 5 年に 1 回 | 19,900 | |
黒板 | 5 年に 1 回 | 2,800 | |
トイレ沈積物除去 | 5 年に 1 回 | 800 | |
合計(57 校) | 120,000 |
(約 160 万円)
3-5-2-3 運営・維持管理費の合計
上記により本プロジェクト実施によって増加する運営・維持管理費の合計は 1 年あたり
3,642,960 ブルとなる。
このうち、運営費は OEB または郡教育事務所が負担し、維持管理費は主に地域住民の収入創出活動や寄付によって負担されると考えられる。OEB または郡教育事務所が負担する額 3,522,960 ブルはオロミア州教育局の 2005/06 年度の経常経費予算 1,123.85 百万ブルの 0.3%に過ぎないため、十分確保可能な額であると考えられる。また、主に地域住民が負担する 120,000 ブルは、プロジェクト実施後の計画対象校 57 校における児童数(推定)73,510人一人当たり 1.6 ブルの負担で済むことから、負担可能であると考えられる。
表3-30 運営・維持管理費の合計
項目 | 金額(ブル) | 備考 |
運営費 | 3,522,960 | OEB、郡教育事務所が負担 |
維持管理費 | 120,000 | 主に地域住民が負担 |
合計 | 3,642,960 | - |
本プロジェクトの円滑な実施に直接的な影響を与えられると考えられる事項は以下のとおり。
(1) 免税措置
免税措置については3-2-4-2(3-32 ページ)のとおり、円滑な手続きがとられるようにエチオピア国側から具体的な方法が提示されたが、万が一実施段階で免税証明書の発行や予算執行が遅れた場合には円滑な調達が実施できないことが考えられ、雨季を考慮して作成した工程を遵守できず、プロジェクトの進捗に大きな影響がでる可能性がある。
4-1 プロジェクトの効果
本プロジェクトでは、オロミア州 3 県(北ショワ、西ハレルゲ、アルシ)において暫定的に 57 校を対象としている。その内訳は第1サイクル(1 年~4 年)から完全校(1 年~8年)へアップグレード(タイプ1)27 校、完全校における施設の増設(タイプ2)21 校、完全校の新設(タイプ3)9 校である。さらに、整備された施設が適切に維持管理され、正しく使用されるようにソフトコンポーネントを実施する。これらにより次の効果が期待できる。
(1)直接効果
課題と問題点 | 本プロジェクトでの対策 (協力対象事業) | プロジェクトの効果・ 改善程度 |
1) 第1サイクル小学校しか設置されていない地区では、第 4 学年修了後の進学のために遠くの完全校に通学しなければならない。また、通学できないために進学を断念する児 童がいる。 | 完全校へのアップグレードのため、第 5 学年~第 8学年用に計画対象校 27 校において 108 教室を増設する。 | 本プロジェクトの終了年である 2010 年には今ま でより 5,400 人多くの児童の受入れが可能となる。 |
2) 近隣校に教室が不足しているため、遠くまで通学しなければならない児童や、通学できないために就学を断念する児童がい る。 | 計画対象校 21 校において 168 教室を増設する。 | 本プロジェクトの終了年である 2010 年には今ま でより 8,400 人多くの児童の受入れが可能となる。 |
3) 近隣に小学校がないため、遠くまで通学しなければならない児童や、通学できないために就学を断念する児童がいる。 | 計画対象校 9 校において 72 教室を新設する。 | 本プロジェクトの終了年である 2010 年には新た に 3,600 人の児童の受入れが可能となる。 |
4) 学校関係者に施設維持管理に対する意識が低く、ノウハウが不足している。 | ソフトコンポーネントで維持管理に関する啓発を行い、予防的維持管理に関する講習を実施する。 | 整備された施設が適切に維持管理される。 |
5) 農村部ではトイレの正しい使い方を知らない児童がおり、学校のトイレの衛生状態が悪い。 | ソフトコンポーネントでトイレの使い方に加え基本的な衛生知識の講習を実施する。 | トイレが正しく使用され、衛生知識が広まる。 |
(注)1 部制での授業、1 クラスあたりの児童数を 50 人として算出
課題と問題点 | 本プロジェクトでの対策 (協力対象事業) | プロジェクトの効果 |
1) 既存校舎の多くは住民参加により建てられた基礎のない土壁校舎が殆どであり、耐久性に欠ける。破損箇所が修理されずに放置されていることが多い。 | ソフトコンポーネントで維持管理にかかる意識を高め、日常的なメンテナンス(清掃、予防的維持管理)を行うことによって、大きな不具合や破損が起こらないようにする。 | 本プロジェクトで整備する以外の既存建物における修理費、維持管理費が低減される。 |
2) 児童の多くは、トイレ使用後に手を洗うことの重要性を知らず、腹痛等の疾病が多い。 | ソフトコンポーネントで基本的な衛生に関する啓発を実施する。 | 児童の疾病率の低下に寄与する。 |
3) (特に新設サイトにおいては)コミュニティが集う場所が不足している。 | コミュニティが集うことができる校長室や教員室を建設する。 | コミュニティが集う場ができることにより活動が活発化し、収入創出活動や寄付が増加し、学校の運営・維持管理費用の充実が期待される。 |
4-2 課題・提言
4-2-1 相手国側の取り組むべき課題・提言
本プロジェクトによって整備される施設が継続的かつ有効に使用されるために、オロミア州教育局として取り組む必要があると考えられる課題は以下のとおり。
① 本プロジェクトによって増設・新設される学校に対して、必要な教職員を配置する。
② 本プロジェクトによって増設・新設される教室に対して、適正な人数の生徒を受け入れ適切なクラス編成を行う。
③ 本プロジェクトによって増設・新設される学校に対して、必要な運営・維持管理費を
割り当てる。
4-2-2 技術協力/プログラム化
本プロジェクトの対象地域であるオロミア州では、技術協力プロジェクト「住民参加型基礎教育改善プロジェクト(ManaBU)2003.11~2008.3」、開発調査「オロミア州初等教育アクセス向上計画調査(SMAPP)2005.4~2007.9」が実施されており、本プロジェクトはこれら 2 つの協力とともに「オロミア州における初等教育アクセス向上による教育環境の改善」をプログラム目標とするプログラムアプローチの一環として実施されることで日本側および OEB 側で合意がなされている。
ManaBU では、土壁木軸のロースタンダード仕様の第 1 サイクル学校を農村僻地において住民参加型により建設し運営するモデルの策定を行うとともに、それに関わる地方教育行政官の計画立案・実施能力を向上させることを目標とし、パイロットとして 19 校の建設を行っている。本プロジェクトでは農村都市部に鉄筋コンクリート造コンクリートブロック壁のハイスタンダード仕様の完全校の建設を行うことから、計画対象サイトの分布及び学校レベルは棲み分けがなされている。一方、地方教育行政官の計画立案・実施能力向上に関する面では、本プロジェクトの実施段階において大きく寄与するものと考えられる。
SMAPP ではスクールマッピングによる教育情報の整備及びマイクロプランニングを通 じ、州及び郡レベルの教育行政官が、質の確保された初等教育アクセス向上を実現するた めのデータ収集・管理能力及び教育計画策定能力を向上させることを目標としている。 SMAPP の成果であるマイクロプランニングを基に OEB が本計画の要請校を提出したほか、優先計画対象校選定時にはスクールマッピング情報が大いに活用された。
本プロジェクトの実施段階では上記 2 つの案件は終了するが、今後、本プロジェクトとともに効果的なプログラムを促進するためには、OEB が ManaBU や SMAPP によって培った計画立案・実施、データ収集・管理等のノウハウを活用して ManaBU 方式による学校をオロミア州全域に多数建設していくことが重要である。
なお現在、新たな技術協力プロジェクトの形成が行われているが、本プロジェクトとプログラムアプローチの一環として実施されることが確認されている。
4-3 プロジェクトの妥当性
本プロジェクトは、以下の理由により我が国の無償資金協力による協力対象事業の実施が妥当であると判断される。
① 本プロジェクトの裨益対象は、オロミア州の児童や教職員など一般国民である。
② 本プロジェクトのプロジェクト目標は、オロミア州の小学校施設の増設および新設を通して初等教育のアクセスを向上させることであり、我が国無償資金協力の目的である BHN、教育および人造りに合致する。
③ 本計画対象校は、エチオピア国側独自の資金と人材、技術で運営・維持管理を行うことができ、高度な技術を必要としない。
④ 本プロジェクトの内容は、オロミア州の「教育セクター開発プログラムⅢ」に整合し、その達成に資する計画である。
⑤ 本プロジェクトは、長期的かつマクロ的観点からの経済効果は期待されるものの、プロジェクト実施に伴う直接的な収益性を有さない。
⑥ プロジェクト実施に伴う環境面・社会面に対する負の影響がほとんど無い。
⑦ わが国の無償資金協力(コミュニティ開発支援無償)の制度により、特段の困難なくプロジェクトの実施が可能である。
⑧ 本プロジェクトはわが国による技術協力である ManaBU プロジェクト、および開発調査 SMAPP とともに、「オロミア州における初等教育アクセス向上による教育環境の改善」を目標とするプログラムアプローチの一環として計画されており、今後開始され
る新プロジェクトともプログラムアプローチを取ることが確認されていることから、
他のスキームによる協力とともに相乗効果が期待できる。
4-4 結論
本プロジェクトは、前述のように多大な効果が期待されると同時に、広く住民の BHN 向上に寄与するものであることから、協力対象事業の一部に対してわが国の無償資金協力(コミュニティ開発支援無償)を実施することの妥当性が確認される。さらに、本プロジェクトの運営・維持管理についても、エチオピア国側の体制は人員・資金ともに問題ないと考えられ、前述の課題・提言が実施されれば、本プロジェクトの目標は円滑かつ効果的実施されると考えられる。
(1) 概略設計調査団(平成 19 年 4 月 8 日~5 月 5 日)
氏名 | 担当 | 所属先 | ||
小林 | 秀弥 | 総括/計画管理 | 独立行政法人国際協力機構 無償資金協力部業務第二グループ教育・職業訓練チーム主査 | |
高木 | 徹 | 調達監理計画 | 日本国際協力システム業務部プログラムマネージャー | |
道川 | 久文 | 業務主任/建築計画 | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
粂川 | 伸司 | 建築設計/施工監理 | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
杉浦 | 晃 | 機材計画/調達計画/積算 | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
田中 | 真紀 | 教育計画・技術支援計画 (ソフトコンポーネント) | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
高橋 | 美奈子 | 業務調整・技術支援計画 2 | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
(2) 概略設計調査概要説明調査団(平成 19 年 8 月 20 日~8 月 25 日)
氏名 | 担当 | 所属先 | ||
小林 | 秀弥 | 総括/計画管理 | 独立行政法人国際協力機構 無償資金協力部業務第二グループ教育・職業訓練チーム主査 | |
高木 | 徹 | 調達監理計画 | 日本国際協力システム業務部プログラムマネージャー | |
道川 | 久文 | 業務主任/建築計画 | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
粂川 | 伸司 | 建築設計/施工監理 | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
田中 | 真紀 | 教育計画・技術支援計画 (ソフトコンポーネント) | 株式会社 | 毛利建築設計事務所 |
(1)概略設計調査
日時 | 官団員 (総括) | 官団員 (調達監理) | 業務主任 (建築計画) | 機材計画/調達計画/積算 | 教育計画・技術支援計画(ソフコン) | 業務調整、技術支援計画2(ソフコン):自主補 強 | 建築設計/施工監理 |
小林 秀弥 | 高木 徹 | 道川 久文 | 杉浦 晃 | 田中 真紀 | 高橋 美奈子 | 粂川 伸司 | |
1 | 4月7日 | 土 | 成田→バンコク→ | ||||
2 | 4月8日 | 日 | →アジスアベバ | ||||
3 | 4月9日 | 月 | 事務所打ち合わせ オロミア州政府教育局 西ハレルゲへ移動 | ||||
4 | 4月10日 | 火 | 西ハレルゲ県サイト調査 | ||||
5 | 4月11日 | 水 | 西ハレルゲ県サイト、現地業者調査 | ||||
6 | 4月12日 | 木 | 西ハレルゲ県→アルシ県へ移動、サイト調査 | ||||
7 | 4月13日 | 金 | アルシ県サイト、現地業者調査 | ||||
8 | 4月14日 | 土 | アルシ県サイト視察→アジスアベバへ移動 | ||||
9 | 4月15日 | 日 | 羽田→関空→ | 資料整理 | |||
10 | 4月16日 | 月 | ドバイ→アジスアベバ | JICA打ち合わせ、ManaBUとの打ち合わせ | |||
JICA打ち合わせ | |||||||
大使館 | 追加調査 | ||||||
11 | 4月17日 | 火 | オロミア州教育局 | ||||
オロミア州財務経済開発局 | 追加調査 | ||||||
12 | 4月18日 | 水 | 連邦財務経済開発省 | 追加調査 | |||
ミニッツ協議 | 追加調査 | ||||||
13 | 4月19日 | 木 | 北ショワ県サイト調査 | ||||
14 | 4月20日 | 金 | ミニッツ協議 | 北ショワ県サイト調査 | 調達事情調査 | ||
15 | 4月21日 | 土 | 資料整理 | ||||
16 | 4月22日 | 日 | 資料整理 | ||||
17 | 4月23日 | 月 | ミニッツ署名、JICA報告 大使館報告 | 追加調査 | |||
アジス→ | 追加調査 | ||||||
18 | 4月24日 | 火 | ドバイ→関空→羽田 | オロミア州教育局 | 調達事情調査 | ||
19 | 4月25日 | 水 | オロミア州教育局 | NGO調査 | |||
20 | 4月26日 | 木 | オロミア州教育局 | ||||
21 | 4月27日 | 金 | オロミア州教育局 | ||||
22 | 4月28日 | 土 | 追加調査 | ||||
23 | 4月29日 | 日 | 資料整理 | ||||
24 | 4月30日 | 月 | オロミア州教育局との打ち合わせ | ||||
25 | 5月1日 | 火 | 現地業者関連調査 | 資料整理 | 調達事情調査 | ||
26 | 5月2日 | 水 | NGO調査 | ||||
27 | 5月3日 | 木 | オロミア州教育局との打ち合わせ | ||||
28 | 5月4日 | 金 | オロミア州教育局との打ち合わせ、JICA事務所報告 | ||||
29 | 5月5日 | 土 | アジス→バンコク→ | ||||
30 | 5月6日 | 日 | →成田 |
(2)概略設計概要説明調査
日時 | 官団員 (総括) | 官団員 (調達監理) | 業務主任/建築計画 | 建築設計/施工計画 | 教育計画・技術支援計画 (ソフコン) |
小林 秀弥 | 高木 徹 | 道川 久文 | 粂川 伸司 | 田中 真紀 | |
1 | 8月18日 | 土 | 成田→バンコク→ | ||
2 | 8月19日 | 日 | 羽田→関空→ | →アジスアベバ | |
3 | 8月20日 | 月 | ドバイ→アジスアベバ | オロミア州教育局との協議 | |
JICAエチオピア事務所打ち合わせ、オロミア州教育局との協議 | |||||
4 | 8月21日 | 火 | 連邦財務経済開発省との協議 | 追加調査 | |
オロミア州教育局、オロミア州財務経済開 | |||||
5 | 8月22日 | 水 | オロミア州教育局との協議 | 追加調査 | |
ミニッツ案作成 | |||||
6 | 8月23日 | 木 | ミニッツ案作成 | 追加調査 | |
ミニッツ署名 | |||||
7 | 8月24日 | 金 | 連邦財務経済開発省との協議 | 追加調査 | |
JICA・大使館報告 | |||||
8 | 8月25日 | 土 | アジス→ | アジス→バンコク→ | |
9 | 8月26日 | 日 | →成田 |
連邦教育省 (Ministry of Education)
Mr. Alewdres Kebede Acting Engineering Panel Head
財務経済開発省(Ministry of Finance and Economic Development: MoFED)
Mr. Heilemicheal Kinfu Head of Bilateral Cooperation Department
連邦国税局(Federal Inland Revenue Authority)
Mr. Fukadu Taddesse Acting Head of Taxpay, Education & Registration
オロミア州教育局(OEB)
Mr. Darajjee Asfawuu Jaxuu Head
Mr. Merga Feyissa Deputy Head
Mr. Tasew Bekele Head of Planning, Research and Project
Mr. Gezu Urgesa Planning Expert
Mr. Yali Merga Site Supervisor
Mr. Lessanu Lejissa Planning & EMIS Team Leader
Mr. Yosef Ayele EMIS Expert
Mr. Adugna Wondimu EMIS Expert
Mr. Abraham Nigussie Engineering Panel Head
Mr. Hunduma Lemun Education Materials Organization & Distribution Department Head
Mr. Fikru Meko Expert Educational Material Mr. Befekadu Zaryihun Expert Educational Material Mr. Dagne Belachew Head of Training Department
Mr. Berta Filalie Training Expert (pre-service), Training Department Mr. Abraham Tesema Curriculum Expert, Curriculum Department
Mr. Boro Wolde Financial Head
オロミア州財務・経済開発局(Bureau of Finance and Economic Development: BoFED)
Mr. Berhanu Dirirsa Vice Bureau Head
オロミア地方道路局 (Oromia Rural Road Authority)
Mr. Berhanu Bekele Manager
ESDP に対するイタリアの協力:Italian Contribution to the ESDP, PMU Office
Mr. Assefa Mekonnen Procurement Consultant
Mr. Getachew Solomon Capacity Building and Primary Education (CBPE)
Expert
西ハレルゲ県教育局(West Hararge Zonal Education Office)
Mr. Mulugeta Chala Zonal Education Head
西ハレルゲ県チロタウン郡教育局(Chiro Town Wareda Education Office)
Mr. Totik Mohammed Chiro Town Education Office Head Mr. Legesse Bekansa Chiro Town Education Expert
西ハレルゲ県チロタウン郡 Kampi ノンフォーマル学校
Mr. Tsedeke Bitew Voluntary Teacher
西ハレルゲ県チロ郡教育局(Chiro WEO)
Mr. Balaacho Ballezaa Education Expert
西ハレルゲ県チロ郡Modicho No.3 小学校
Mr. Afework Alamayehu Teacher
西ハレルゲ県クニ郡教育局(Kunni WEO)
Mr. Bedru Munewet WEO Head
Mr. Girma Devele Head of Education Division
西ハレルゲ県クニ郡 Saballe 小学校
Mr. Dndale Ayele Director
西ハレルゲ県バデッサ郡教育局(Bedesa WEO)
Mr. Andualem Bejene Education Expert
西ハレルゲ県バデッサ郡 Beddessa 小学校
Mr. Tefera Tesgera Director
西ハレルゲ県ガマチス郡教育局(Gamachis WEO)
Mr. Shewangizawd Alemayehu WEO Head
西ハレルゲ県ガマチス郡 Kunni 小学校
Mr. Kebede Bahiru Director
アルシ県庁(Arsi Zone Municipality Office)
Mr. Jewal Aliyi Head of Work & Urban Development
Mr. Abraham Gizow Supervisor
Mr. Atsecle G/Giyorgis Drafts Man
アルシ県教育局(Arsi ZEO)
Mr. Aman Wordi Team Leader
Mr. Teshome Megra Planning Expert
Mr. Asegedech Aweke Expert
アルシ県ティヨ郡教育局(Tiyo WEO)
Mr. Tadese Bedada Education Expert
アルシ県ティヨ郡Waji Bilalo 小学校
Mr. Hussien Mamiya Vice Director
アルシ県ティヨ郡 Ciqilfataa 小学校
Mr. Amen Fremedi Teacher
アルシ県ズワイドゥグダ郡教育局(Zuway Dugda WEO)
Mr. Aman Aliyi Education Office Head
アルシ県ズワイドゥグダ郡 Dugdaa Rukeessa 小学校
Mr. Dereje Kassa Vicce Director
アルシ県ズワイドゥグダ郡 Uboo Weennii 小学校
Mr. Jamal Rago Teacher
アルシ県ズワイドゥグダ郡 Biiftuu Korbeeyyii 小学校
Mr. Kumbi Duga Director
アルシ県ロデーヘトーサ郡 Furutaa 小学校
Mr. Tesfaye Jima Director
Mr. Abera Deba Vice Director
北ショワ県フィッチェ郡教育局(Fitche WEO)
Mr. Getachew Abera Head Officer
北ショワ県フィッチェ郡 Abiyoot Firee 小学校
Mr. Girmaa Haimete Vice Director
Mr. Seyoum Abebe Kassa, Director, Board Secretary, Abiyoot Firee Mr. Girmaa Haimete Vice Director, PTA Member, Abiyoot Firee Mr. Gezimu Gadisa Debele Board Chairman, Abiyoot Firee
Mr. Dechasa Mulato Jiru PTA Chairman, Abiyoot Firee Mr. Janber Aseffa G/Kidan Board Member, Abiyoot Firee Ms. Birtukan Dinku W/Medhin PTA Member, Abiyoot Firee
北ショワ県ウチャレ郡教育局(Wuchale WEO)
Mr. Girma Tadele Education Team Leader
北ショワ県ウチャレ郡Adaree Gordomaa 小学校
Mr. Getu Gudisa Miko Director
Mr. Dinku Dabela Ayyaanno PTA Chairman, Adaree Gordomaa Mr. Yilma Yifru Zawude Board Chairman, Adaree Gordomaa Ms. Atsede Gemeda Tullu PTA Member, Adaree Gordomaa Mr. Zanebe Debella Ayano Board Member, Adaree Gordomaa Mr. Derebe Bekele Balcha PTA Menber, Adaree Gordomaa
Mr. Melese Tufa Dadi PTA Member, Adaree Gordomaa
Mr. Getu Gudisa Miko Board Secretary, Director, Adaree Gordomaa
Ethiopian Electric Power Corporation (電力局)
Mr. Shiferaw Telila DGM Universal Electricity Access Program
Ethiopian Consulting Engineers and Architects Association (ECEAA)(コンサルタント 協会)
Mr. Chirma Teklu President
Mr. Jileshi Assefa Member
Mr. Getaneh Retta Secretary
Mr. Balcha Harleyesus Treasurer
Mr. Amslalu Kebede Administrator
Water Action (NGO)
Mr. Girma Hailn Health and Community Development Division, Manager
Mr. Solomon Tekle Health Officer
Menschen fur Menschen Foundation (NGO)
Mr. Yilma Taye Plan & Programme Manager
Oromo Self Help Organization: OSHO (NGO)
Mr. Mulugeta Debebe Gemechu General Manager
Mr. Abebe Kiros Deputy General Manager
Mr. Megersa Negera Hydro geologist
Mr. Takele Migusse Construction Engineer
Save the Children Denmark (NGO)
Mr. Sebsebie Abera Program Officer
Ilu Women and Children Integrated Development Association: IWCIDA (NGO)
Mr. Mulugeta Amena Managing Director
World Vision Ethiopia (NGO)
Mr. Beyene Gelak Operations Director
Ms. Fikrte Yigzaw Assistant Director
International Institute of Rural Reconstruction: IIRR (NGO)
Mr. Isaac Bekalo Regional Director- ARC
Mr. Firew Kefyalew Country Director
Nuri Kedir & Associates (コンサルタント)
Mr. Nuri Kedir General Manager
Ms. Safia Ahmed Sadik Assistant researcher
Ms. Genet Gessese Secretary
WABEKBON Development Consultant PLC (コンサルタント)
Mr. Kejela Gemtessa Managing Director
GAT MeTS International Pvt Ltd. Co. (コンサルタント)
Mr. Marsha Medemdemia Managing Director Mr. Girma Teklu Technical Director
Hager Consult(コンサルタント)
Mr. Balcha Haileyeus Director
OTT Consulting Architects & Engineers PLC(コンサルタント)
Mr. Mesfin Bereded Director
Mr. Girmo Kebede -
National Consultants(コンサルタント)
Mr. Dereje Assefa, PE Director-Engineering
Sileshi Consult(コンサルタント)
Mr. Sileshi Yahualashet General Manager
Mr. Debebe Sileshi Senior Archtect
Construction Design S. Co. (コンサルタント)
Mr. Girma Mekonnen Laboratory Division, Head
Ms. Rahel Kore Foundation Investigation Division, Foundation Engineer
Mr. Eshetu Dadi Water Works Design Studio, Head Ms. Ayenalem Demissie Building Design Studio I, Head Mr. Alem Jesfahinegn Engineer
Amikaza Contractor(施工業者)
Mr. Afendi Ahmed -
Tashoomee Dinbaw(施工業者)
Mr. Tashoomee Dinbaw -
Mugher Cement Ent. (施工業者)
Mr. Samuel Mulaf Senior Accountant
Mr. Getachew Tolcha Accountant
Ethiopian Iron & Steel Factory(鉄筋工場)
Mr. Solomon Girma Sales Division Head
HABTAMU ABEGAZA(施工業者)
Mr. Habtamu Abegaza General Manager
BERHE HAGOS GENERAL CONTRACTOR(施工業者)
Mr. Mogos Fre General Manager
ATEM General Contractor(施工業者)
Mr. Ayelew Meshesha General Manager
Mr. Salomon Kebede -
TITA ENTERPRISE(建設資材サプライヤー)
Mr. Ketema Yilma Manager
Timex Trading(建設資材サプライヤー)
Mr. Tibebeselassio Awethahegn Managing Director
BZ DURRI TRADING PLC(建設資材サプライヤー)
Mr. Restem Abdi Manager
Home Depot(建設資材サプライヤー)
Mr. Bedrin Durri General Manager
Walansa Zegeue Mesereate & Metal Materials(西ハレルゲ県学校家具サプライヤー)
Mr. Sowodros Augicnew -
National General Wood & Metal Workshop(西ハレルゲ県学校家具サプライヤー)
Mr. Abiy Gasnaw -
Asella Unit Production(アルシ県学校家具サプライヤー)
Mr. Oninos Phawloss -
Warka Wood Work(アルシ県学校家具サプライヤー)
Mr. Tadrsse Kebede -
Educational Materials Production & Distribution Enterprise(アジスアベバ学校家具サ プライヤー)
Mr. Yanas Shewaye Sales Division Head
Belka Prluste Limited Company(運送会社)
Mr. Reta Hailemariam -
Ms. Mestawot Demeke -
BEKELCHA TRANSPORT SHARE COMPANY(運送会社)
Mr. Wondimu -
Technostyle Plc(事務所用家具サプライヤー)
Ms. Hylina -
WARYT Quality Furniture Center(事務所用家具サプライヤー)
Ms. Betty -
GLORIOUS PVT LTD. CO(家電製品サプライヤー)
Ms. Genet
Ms. Mujib Muhajir Deputy Store Manager
ECAS TRADING PLC(家電製品サプライヤー)
Mr. Estifanos Zeleke General Manager
Gladdev(事務機器サプライヤー)
Ms. Nebel -
UPITER TRADING DISTRIBUTOR OF OFFICE EQUIPMENT, PARTS AND
SUPPLIES(事務機器サプライヤー)
Mr. Melaku -
OMEDAD(教育機材サプライヤー)
Mr. Gobena Kuma -
Obit Techno Commercial Agents & Import(教育機材サプライヤー)
Mr. Tadasse Gutema -
Mr. Tibebe Tewodroa -
Vision Ethiopia Business Group PLC(教育機材サプライヤー)
Mr. Mohammed Adem -
Ethiopian Telecommunications Corporation(自動車ディーター)
Mr. Birara Service Delivery Deputy Manager
The Motor & Engineering Company of Ethiopia Limited MOENCO SC(自動車販売)
Mr. Teshome Ambelu -
Ethio Nippon Tech Co. LTD (S.C.) Mitsubishi Motor Vehicles in Ethiopia(自動車販売)
Mr. Ambachew Derberw -
Safety Car Rent(レンタカー)
Mr. Seifu Lemma General Manager
Sol Car Rent Service(レンタカー)
Mr. Solomon Ayele General Manager
Galaxy Express Service P.l.Co. (レンタカー)
Ms. Nessiba Yassin Ticket Supervisor
General Marcantlle(バイク販売)
Mr. Grim Kebede -
SACE(バイク販売)
Ms. Tiblets -
Melak Teferrea(弁護士)
Mr. Melak Teferrea -
Bizuneh Beyene(弁護士)
Mr. Bizuneh Beyene -
African Insurance Company (S.C.)(保険会社)
Mr. Mulugeta Bekele -
在エチオピア日本大使館
駒野 欽一 特命全権大使
竹中 一行 二等書記官
石塚 広志 書記官
JICA エチオピア事務所
佐々木 克宏 所長
安藤 直樹 次長
山川 由美子 企画調査員
Mr. Abebawork Abebe Program Officer
ManaBU プロジェクト
野邊 節 ManaBU プロジェクト専門家(チーフアドバイザー/教育行政)東谷 あかね ManaBU プロジェクト専門家(学校運営/参加型手法)
杉山 恭一 ManaBU プロジェクト専門家(学校建築)廣瀬 悠子 ManaBU プロジェクト専門家(業務調整)
SMAPP 調査
Mr. Holie Folie Education Specialist and Local Staff Leader
Mr. Girma Urgeacha GIS-Remote Sensing Expert
Mr. Belay Kebede Statistics and GIS Expert
Ms. Grumeshet Mergia Office Assessment
Ms. Hirut Trahun Secretary
1.案件名 |
エチオピア連邦民主共和国 オロミア州小学校建設計画 |
2.要請の背景(協力の必要性・位置付け) |
エチオピア国は一人当たりのGNP が US$157(2005 年)であり世界で最も低い水準に留まっており、貧困削減が最大の課題となっている。この課題に対し、エチオピア国政府は、教育の果たす役割を重視し、1997 年から 2001 年までの間に「教育セクター開発プログラム(ESDP)」を策定し、初等教育総就学率を大幅に改善した(1997 年の34.7%から 2005 年には 79.2%まで向上)。しかしながら、就学率の増加に伴い、1 クラスあたりの生徒数の増加、農村部における深刻な教室・教科書不足、初等教育第二サイクル(第 5~8 学年)以上での教室・有資格教員の不足など、教育の質の低下を招いている。また、就学率における男女間および地域間格差、留年・中退率の高さが依然として改善されておらず、アクセスの向上とともに、質や効率の面での改善を計るべく、2002 年から 2004 年まで「教育セクター開発計画フェーズ II(ESDP-II)」を策定した。また、2005 年から 2009 年までの「教育セクター開発計画フェーズ III(ESDP-III)」を策定し、教育の質的向上に重点を置くとともに、僻地での就学率の向上、代替的基礎教育の活用と拡大、地方分権化の推進に伴う郡教育事務所の教育計画策定能力およびマネージメント能力向上など、フェーズ II までに改善できなかった問題の解決に取り組んでいる。 こうした状況に鑑み、本プロジェクトは同国の最大の州であるオロミア州における初等教育のアクセス向上をプロジェクト目標に、同州の3 県(北ショワ県、西ハレルゲ県、アルシ県)において、約 57 の小学校施設の増設および新設を実施するものである。最終的に実施される学校数は、詳細設計段階に決定される。 なお、同州では技術協力プロジェクト「住民参加型基礎教育改善計画(ManaBU)」が、農村部において住民参加型による持続的な学校建設・運営モデルの策定を実施しており、農村都市部を対象とする本プロジェクトとともに初等教育のアクセス向上に寄与している。また、開発調査「オロミア州初等教育アクセス向上計画(SMAPP)」が基礎教育情報システム(スクールマッピング)の強化および郡による実施戦略(マイクロプランニング)の策定・能力向上を実施したことにより、本プロジェクトの優先計画対象校選定に大きく貢献した。本プロジェクトは、ManaBU、SMAPP とともに「オロミア州における初等教育アクセス向上による教育環境の改善」を目標とするプログラムアプローチの一環として計画されている。 |
3.プロジェクト全体計画概要 |
(1) プロジェクト全体計画の目標(裨益対象の範囲および規模) プロジェクト目標は、オロミア州における初等教育のアクセス向上であり、直接裨益対象は同州の3 県(北ショワ県、西ハレルゲ県、アルシ県)約 57 校が属する村および近隣の村の児童約 17,400人および教職員約 600 名である。 (2) プロジェクト全体計画の成果 1) 協力対象校において、学校施設・家具が整備される。 2) 計画対象校の運営体制が確立する。 (3) プロジェクト全体計画の主要活動 1) 協力対象校の学校施設を建設する。 2) 協力対象校の家具を調達する。 3) 施設維持管理の啓発にかかるソフトコンポーネントを実施する。 4) 予算確保、教職員の配置および教材等の調達を行う。 (4) 投入(インプット) ア 日本側(=本案件):無償資金協力 10.49 億円イ エチオピア国側 |
(ア) 協力対象事業のエチオピア国側負担事項 (イ) 協力対象校の教職員の配置 (ウ) 協力対象校の運営・維持管理経費 (エ) 免税措置 (5) 実施体制 主管機関:オロミア州教育局実施機関:オロミア州教育局 |
4.無償資金協力案件の内容 |
(1) サイト エチオピア国オロミア州 3 県の暫定 57 サイト(北ショワ県 25、西ハレルゲ県 18、アルシ県 14) (2) 概要 1) 暫定 57 小学校施設の建設(アップグレード 27 校、増設 21 校、新設 9 校) 2) 家具(机椅子、黒板など)の調達 3) 学校関係者(校長、教員、PTA、教育運営委員会)を対象に、施設の維持管理、清掃、トイレの使い方および基本的衛生に関する啓発活動の実施 (3) 相手国側負担事項 1) 建設用地の確保 2) 免税措置 3) 盛土、整地 (4) 概算事業費 概算事業費 12.38 億円(無償資金協力 10.49 億円、エチオピア国側負担 1.89 億円) (5) 工期 詳細設計、入札期間を含め約 30 ヶ月 (6) 貧困、ジェンダー、環境および社会面の配慮 1) 男女のトイレ棟を別棟とし、距離を置いて配置する。 |
5.外部要因リスク(プロジェクト全体計画の目標の達成に関するもの) |
(1) 治安が悪化しない |
6.過去の類似案件からの教訓の活用 |
特になし |
7.プロジェクト全体計画の事後評価に係る提案 |
(1) プロジェクト全体計画の目標達成を示す成果指標 (2) その他の成果指標特になし (3) 評価タイミング 2011 年度以降(協力対象校竣工後) |
項目 | 2007 年度(実施前) | 2011 年度(実施後) |
タイプ 1 計画対象校(27 校)の受入可 能児童数 | 17,938 人 | 23,340 人 |
タイプ 2 計画対象校(21 校)の受入可 能児童数 | 38,171 人 | 46,570 人 |
タイプ 3 計画対象校(9 校)の受入可 能児童数 | 0人 | 3,600 人 |
1.ソフトコンポーネントを計画する背景
本プロジェクトは、エチオピア国オロミア州 3 県(北ショワ、西ハレルゲ、アルシ)における教育施設の整備を通じ、同地域の初等教育のアクセス向上を目指すものである。
整備された施設が適切に維持管理されるか否かを判断するため、既存校の維持管理に対する意識および状況について調査した結果、以下の課題が見られた。
(1) 学校の維持管理に対する意識について
各学校には、教育省が 2002 年 8 月に発行した「教育管理組織、住民参加、教育財政の運営ガイドライン(Guideline for Organization of Education Management, Community Participation and Education Finance:通称ブルーブック)」に基づき PTA が設置されており、村教育運営委員会(Kebele Education Training and Management Board: KETMB)とともに定期的に会合を開き、学校の運営・維持管理にかかる諸問題に取り組んでいる。このように、運営・維持管理体制は既に構築されており、機能しているが、学校では壊れた家具が修理されずに放置されたり、壁が剥離したまま放置されている。
エチオピアでは、政府の教育予算が逼迫する中、地域住民が学校建設や運営のために収入向上活動や寄付によって貢献することが一般的となっているため、建設や運営に加えて修理にかかる費用を負担するのが困難であることも、修理されずに放置される理由の一つであると考えられる。
しかし資金不足だけがこの原因ではない。学校関係者に修理について尋ねても、
「買い換える、塗り替える」との回答が得られるのみであり、維持管理についてのノウハウ不足または意識の低さが窺えた。
【解決方法】
この課題を解決するためには、施設維持管理についてのノウハウを伝えるとともに、その重要性にかかる啓発が必要である。加えて、施設の予防的維持管理(プリベンティブ・メンテナンス)にかかる啓発を行うことで、施設の不要な破損を未然に予防し、修理費用を抑えることが必要である。
(2) 施設清掃状況について
農村部の学校では生徒が当番制で清掃していることもあるが、郡中心部の学校で は清掃人を雇っていることが多い。定期的に清掃する学校もあれば、必要時にしか 清掃しない学校もある。しかし、教室内には紙ゴミが散乱し、コンクリート床は泥 だらけの状態でトイレは足の踏み場もないほど紙や汚物が散乱していることがあり、総じて清掃は行き届いていない。
【解決方法】
この課題を解決するためには、清掃にかかる啓発を行う必要がある。
(3) トイレの使用について
農村部では家庭にトイレがない場合が多く、トイレの使い方を知らない生徒がおり、トイレがきれいに使われなかったり、外で用を足すこともある。そのため、多くの学校ではトイレの衛生状態が悪い。また、トイレ使用後に手洗いを行うなど基本的な衛生にかかる知識が子どもたちに欠如している。
【解決方法】
この課題を解決するためには、トイレの使い方および基本的な衛生にかかる啓発を行う必要がある。
このように、整備された施設が適切に維持管理され正しく使用されるためには、①維持管理の重要性の理解、②適切な清掃を行うこと、③トイレの使い方および基本的な衛生にかかる啓発を行う必要があり、本プロジェクトではソフトコンポーネントによりこれらの啓発を実施することが望ましい。
多くの小学校では、校舎外壁に教育や啓発のための教育的絵やスローガンが壁画として描かれている1。壁画は目に付きやすく、生徒や関係者に対して容易にスローガンを伝えることができること、さらにポスターと比べ耐久性も高いことなどから、本ソフトコンポーネントの活動の啓発の手法として壁画を活用する。
2.ソフトコンポーネントの目標
本計画では、以下のとおり目標を設定する
上位目標 | 建設された学校施設が良好な状態に保たれる。 |
目標 | 建設された学校施設の維持管理が行われる。 |
3.ソフトコンポーネントの成果
上記の目標に対し、成果を以下のとおり設定する。
成果1 関係者によって維持管理・衛生の重要性が理解される。
成果2 関係者によって維持管理・衛生にかかる基本的知識が習得される。
成果3 維持管理や衛生にかかる壁画、スローガンが描かれる。
1 例えば、アフリカの地図、心臓の構造図、ハエの一生、元素の周期律表、HIV 予防スローガン等
4.成果達成度の確認方法
各成果に対する活動および達成度の確認方法は以下表のとおり。
成果と活動 | 達成度確認方法 |
成果1:関係者によって維持管理・衛生の重要性が理解される。 ・ 現状分析、問題分析の実施 ・ 問題点に対する解決方法の立案 ・ 計画立案 | 学校ワークショップ実施結果 学校ワークショップ出席者リスト 講習後の問答式テスト結果 |
成果2:関係者によって維持管理・衛生にかかる基本的知識が習得される。 ・ 維持管理、基本的な衛生にかかる講習の実施 | |
成果3:維持管理や衛生にかかる壁画、スローガンが描かれる。 ・ 壁画、スローガンの考案 ・ 壁画、スローガンの描画 | 各学校で描かれた壁画、スローガン |
5.ソフトコンポーネントの活動
(1) 対象者
計画対象校全校の学校関係者を対象とする。すなわち、北ショワ県 25 校、西ハレルゲ県 18 校、アルシ県 14 校の校長、教員、PTA、KETMB 関係者である。
(2) 期分け
建設工期の近い第1グループおよび第 2 グループを第 1 期とし、第 3 グループを第 2 期として 2 期に分けて実施する。すなわち、第 1 期は北ショワ県および西ハレルゲ県の合計 43 校、第 2 期はアルシ県の 14 校が対象となる。
(3) 実施時期
各期のプロポーザル選定から活動終了までの期間は以下のとおり。
第 1 期 2009 年 3 月中旬~7 月中旬
第 2 期 2010 年 4 月上旬~5 月下旬
(4) 実施体制
実施主体はオロミア州教育局(OEB)。OEB は活動に応じて県教育局(ZEO)および郡教育局(WEO)に指示を与え活動を実施する。業務を円滑に進めるために NGO またはコンサルタントを活用する。NGO/コンサルタントは OEB の活動を補佐し、ロジスティックスアレンジ補佐、資料作成、各活動の補佐、報告書作成、業務調整等を実施する。調達代理機関内のソフコン管理者は活動が円滑に開始されるよう初期段階を支援し、常駐統括者が全般をモニターする。
なお、本プロジェクトは、JICA がオロミア州で実施が予定されている他の教育プロジェクトとともにプログラムアプローチによってオロミア州における初等教育のアクセス改善を目指していることから、それらのプロジェクトと適宜情報共有を行う。
次の図に実施体制を示す。
OEB | 調達代理機関(JICS)常駐統括者 ソフコン管理者 | |
JICA プロジェクト
実施組織
報告
モニター
契約
実施補佐
NGO/コンサルタント
実施主体 (OEB, ZEO, WEO)
情報共有
ターゲット
県オリエンテーション、学校ワークショップ
KETMB, PTA, 教員
・壁画
・スローガン
生徒
(5) 活動内容
活動は次の 4 段階で行う。
【準備段階】
OEB、NGO/コンサルタントとソフコン管理者が本ソフトコンポーネントの活動目的・内容、役割分担を確認し、今後の活動で必要となる資料を作成する。具体的な資料作成は NGO/コンサルタントが担当する。
【スローガン・壁画選定段階】
OEB、ZEO、NGO/コンサルタントとソフコン管理者が①維持管理、②清掃、③トイレの使い方および衛生に関するスローガンを考案し、NGO/コンサルタントに配置されたイラストレーターが、そのスローガンを効果的に伝えるための壁画の素案を作成する。その後、素案から各学校に描画する図案を選定する。
【県オリエンテーション段階】
各県でオリエンテーションを実施し、当該県の関係者(WEO、校長、PTA、 KETMB)に対してソフトコンポーネントの活動目的・内容を紹介するとともに、学校ワークショップの日程や実施要領を説明する。オリエンテーションは各県教育局(ZEO)担当者が中心となって実施する。
また、WEO 担当者は学校ワークショップにおいてファシリテーターとなるため、
全体会合の後に別途実施要領の説明を行う。
【学校ワークショップ段階】
各対象校において 2 日間の学校ワークショップを実施する。対象校が所属する WEO の担当者がファシリテーターとなる。1 日目には施設の維持管理およびトイレの使い方についての現状分析、問題分析を経て参加者自らが問題点に対する解決方法を立案する。また、NGO/コンサルタントが予防的維持管理や基本的な衛生にかかる講習を実施した後、清掃を含む定期的な維持管理活動の計画を立案する。2 日目にはワークショップ参加者がペイント補助員の補助・指導の下、壁画、スローガ
ンを施設壁面に描く。
各段階の活動の概要は以下の表のとおり。
1)準備段階
時期 | 各期の活動開始時 |
期間 | 第 1 期:1 日間(キックオフミーティング)、5 日間(資料作成)、1 日間(会議) 第 2 期:1 日間(キックオフミーティング)、2 日間(資料作成)、1 日間(会議) |
会議実施場所 | アジスアベバ |
目的 | 活動全般に対する確認 |
参加者 | OEB、NGO/コンサルタント、ソフコン管理者 |
活動内容 | 第 1 期 ・ 活動内容、各ステークホルダーの役割の確認 ・ 今後の活動で使用する資料(ソフコン説明用資料、ワークショップでの講習用資料、効果測定アンケート等)の作成 第 2 期 ・ 第 1 期の教訓から第 2 期に反映すべき点の確認 ・ 第 1 期に使用した資料等の改善 |
2)スローガン・壁画選定段階
時期 | 上記(ⅰ)終了後(第 1 期のみ) |
期間 | 1 日間(会議)、3 日間(壁画素案作成)、1 日間(図案選定) |
会議実施場所 | アジスアベバ |
目的 | ソフトコンポーネントで啓発するスローガン・壁画の決定 |
参加者 | OEB、ZEO、NGO/コンサルタント、ソフコン管理者 |
活動内容 | ・ ソフトコンポーネント活動目的・内容の説明 ・ スローガンの考案 ・ 壁画素案の作成、壁画図案の選定 |
3)県オリエンテーション段階
時期 | 建設が終了する約 1 週間前 |
期間 | 事前打ち合わせ:1 日間/県、オリエンテーション:1 日間/県 |
オリエンテーション実施 場所 | 県中心部 |
目的 | 関係者に対するソフトコンポーネント活動の周知 |
参加者 | 当該県の全計画対象校関係者(2 名:校長および KETMB または PTA 関係者) 計画対象校が所属する郡教育局(WEO)担当者 |
活動内容 | ・ ソフトコンポーネント活動目的・内容の説明 ・ 学校ワークショップのスケジュール説明 ・ ソフトコンポーネント開始前のアンケート実施 ・ WEO 担当者への説明会 |
4)学校ワークショップ段階
時期 | 建設終了後 |
ワークショップ実施 場所 | 各学校 |
期間 | 2 日間/学校(事前打ち合わせ、県内での移動を含む) |
目的 | 維持管理、清掃、衛生にかかる啓発 |
参加者 | 当該校の校長、PTA、KETMB、教員 |
活動内容 | 1 日目 ・ 施設の維持管理およびトイレの使用についての現状分析、問題 分析の実施 ・ 問題点に対する解決方法立案 ・ 予防的維持管理、基本的な衛生についての講習 ・ 計画の立案 2 日目 ・ 壁画、スローガンの描画 ・ ソフトコンポーネント終了時のアンケート実施 |
各期に県オリエンテーションと学校ワークショップを実施する回数は以下のとおり。
県オリエンテーション | 学校ワークショップ | 備考 | |
第 1 期 | 2 回 | 43 回 | 北ショワ県 25 校 西ハレルゲ県 18 校 |
第 2 期 | 1 回 | 14 回 | アルシ県 14 校 |
(6) 各ステークホルダーの役割
上記の実施体制を構成する各ステークホルダーの役割は次のとおり。
ステークホルダー名 | 役割 | |
調達代理機関 | 常駐統括者 (邦人) | 1.活動モニタリング 1-1 活動進捗確認 1-2 活動報告書精査 1-3 活動へのフィードバック 1-4 活動完了確認 2.契約業務(第 2 期) 2-1 プロポーザル審査 2-2 契約交渉 2-3 契約 2-4 OEB の認証手配 3.報告 |
ステークホルダー名 | 役割 | |
調達代理機関 | ソフコン管理者 (邦人) | 1.NGO/コンサルタントの選定(第 1 期) 1-1 技術プロポーザル審査 1-2 契約交渉補助 1-3 契約補助 1-4 OEB の認証手配 2.活動開始支援 2-1 準備段階の会議への立会い 2-2 スローガン・壁画の選定段階での立会い 2-3 北ショワでの県オリエンテーションへの立会い 2-4 北ショワでの学校ワークショップへの立会い 2-5 今後の活動へのフィードバック 3.報告 |
実施主体 | OEB | 1.NGO/コンサルタントの選定 1-1 契約の認証 2.活動全般の監理 2-1 準備段階での会議の実施 2-2 スローガン・壁画の選定段階での会議の実施 2-3 各活動の事前打ち合わせ実施 2-4 各活動の監理、立会い 2-5 ZEO、WEO に対するソフコン活動への参加指示 2-6 各種報告書の確認 |
ZEO | OEB の指示のもと、以下の役割を担う ・ WEO に対するソフコン活動への参加指示 ・ スローガン・壁画の選定段階の会議への参加 ・ 県オリエンテーション事前打ち合わせ参加 ・ 県オリエンテーションにおける説明の実施 ・ 学校ワークショップへの参加 | |
WEO | OEB、ZEO の指示のもと、以下の役割を担う ・ 学校、PTA、KETMB に対するソフコン活動への参加指示 ・ 県オリエンテーションへの参加 ・ 学校ワークショップ事前打ち合わせ参加 ・ 学校ワークショップにおけるファシリテーション実施 |
ステークホルダー名 | 役割 | |
N G O /コンサルタント | ・ 総括/ファシリテーター補佐 1名 ・ ファシリテータ ー補佐 2 名 ・ ペイント補助 3 名 ・ イラストレーター1 名 (注) 学校ワークショップは、ファシリテーター補佐とペイント補助 1 人ずつが 1 チームとなり、 3 チームで実施する。 | 1.準備段階 1-1 会議への参加 1-2 各活動に必要な資料素案の作成 2.スローガン・壁画の選定段階 2-1 ロジスティックス補佐、準備 2-2 スローガンの取りまとめ補佐 2-3 スローガンに基づく壁画素案の作成 3.県オリエンテーション段階 3-1 ロジスティックス補佐、準備 3-2 オリエンテーション補佐 3-3 アンケートの実施 4.学校ワークショップ段階 4-1 ロジスティックス補佐、準備 4-2 ファシリテーション補佐 4-3 予防的維持管理、基本的な衛生についての講習の実施 4-4 維持管理計画立案の補佐 4-5 壁画、スローガンの描画補助 4-6 アンケートの実施 5.報告書作成 5-1 各種報告書の作成 |
対 象 者 | KETMB PTA 校長、教員 | ・ 県オリエンテーションへの参加 ・ 学校ワークショップへの参加 ・ 壁画、スローガンの描画 |
(7) 投入計画
各期における投入(人・日)は以下のとおり。(詳細は下記7.工程表参照)
(単位:人・日)
要員 | 第 1 期 | 第 2 期 | 合計 |
ソフコン管理者(日本人) | 45 | - | 45(1.50M/M) |
NGO/ローカルコンサルタント | 249 | 89 | 338(11.27M/M) |
合計 | 294 | 89 | 383(12.77M/M) |
ソフコン管理者(日本人)の配置期間と活動内容は以下のとおり。表中の活動内容番号は上記(6)の表中の番号に対応している。
1)第 1 期 (単位:人・日)
活動内容 | 現地 | ||
現地作業 | 往復(東京↔アジスアベバ) | 4 | |
1. NGO/コンサルタントの選定 | |||
1-1 技術プロポーザル審査 | 9 | ||
審査(5 日) | |||
OEB との協議(3 日) | |||
入札報告書作成(1 日) | |||
1-2 契約交渉補助 | 1 | ||
1-3 契約補助 | 1 | ||
1-4 OEB の認証手配 | 1 | ||
2. 活動開始支援 | |||
2-1 準備段階の会議への立会い | 4 | ||
2-2 スローガン・壁画の選定段階での立会い | 4 | ||
2-3 北ショワ県でのオリエンテーションへの立会い | 2 | ||
2-4 北ショワ県でのワークショップへの立会い | 4 | ||
2-5 活動へのフィードバック | 4 | ||
3. 報告 | |||
3-1 資料整理、報告書作成 | 4 | ||
3-2 OEB への報告 | 1 | ||
3-3 JICA への表敬・打ち合わせ、報告 | 2 | ||
3-4 内部報告 | 4 | ||
現地活動の報告(1 日) | |||
報告書精査、成果確認についての引継ぎ(2 日) | |||
第 2 期のプロポーザル審査事項についての引継ぎ(1 日) | |||
第 1 期合計 | 45 |
2)第 2 期
なし
6.ソフトコンポーネントの実施リソースの調達方法
(1) ローカルリソースについて
エチオピアには、教育分野で活動する NGO が数多く存在する。オロミア州においても同様であり、OEB やドナーと協力して学校建設にかかるソフトコンポーネント、衛生指導等を行っており経験も豊富である。また、コンサルタントも多数存在し、行政組織やドナーの委託を受けて調査や研究を実施していることから、本計画の実施における OEB の補佐として、NGO またはコンサルタントを対象として選定を行う。
(2) 選定方式について
新聞紙上にて一般公募し、プロポーザル方式によって選定する。2 種類(技術および価格)のプロポーザル提出を求め、技術審査を通過した団体のみを対象に技術提案 80%、価格提案 20%で得点をつけ、合計得点が最高であるコンサルタントが第一交渉順位権を獲得する。
(3) 選定基準(案)について
上記(2)の選定プロセスにおける技術プロポーザルの選定基準(案)は以下のとおり。
1.団体の情報
1-1 団体の登録証明書
1-2 納税証明書
1-3 過去の実施プロジェクト
2.業務経験
2-1 類似業務の経験
2-2 政府機関との業務経験の有無(推薦状の添付)
3.実施体制
3-1 評価対象者の経験、資格
3-2 工程および人員配置案(自社要員でない場合は協力同意書の添付)
4.業務実施の方針
4-1 スローガンの提案
4-2 県オリエンテーション実施の方針、手法
4-3 学校ワークショップ実施の方針、手法
4-4 予防的維持管理、基本的な衛生についての講習の方針、手法
4-5 維持管理の計画立案についての方針、手法
4-6 ソフトコンポーネント活動の効果測定方針、手法
(4) 契約形態
第 1 期における活動経験を第 2 期に有効に活かすため、第1期および第 2 期の活動は同一の NGO/コンサルタントを活用する方針であるが、契約は期毎に別契約とする。
第1期活動の結果、特に問題がなければ第 2 期は随意契約とするが、第 2 期活動に対しても技術プロポーザルおよび価格プロポーザルを提出させ、内容の審査を行い、契約を行う。
7.ソフトコンポーネントの実施工程
2009
1
2
3
4
5
6
7
2010
4
5
6
北ショワ県
アルシ県
西ハレルゲ県
第1期
第2期
入札図書作成
公示
調
達 入札
業 プロポーザル評価務
契約交渉契約
活 県オリエンテーション動
学校ワークショップ
投入人・日
第1期
投入人・日
第2期 合計
ソフコン管理者(邦人)
N 総括/ファシリテーター補助1 G
O ファシリテーター補助2
45
0 45
要 ルま ファシリテーター補助3
員
タ た
ンは ペイント補助員1
ト 開 ペイント補助員2
発
コ ペイント補助員3ン
サ イラストレーター
63
37
37
37
35
35
5
26 89
14 51
12 49
13 50
13 48
11 46
0 5
報告書提出時期
△
△ △
△ △
8.ソフトコンポーネントの成果品
(1) 資料
・ ソフトコンポーネント活動についての説明資料(県オリエンテーション用)
・ 啓発用壁画図柄
・ 学校ワークショップ実施要領
・ 予防的維持管理、基本的な衛生についての講習資料(学校ワークショップ用)
・ アンケート(県オリエンテーション時、学校ワークショップ時)
(2) 報告書
各期で提出を求める報告書とその目次(案)は以下のとおり。
報告書 | 目次(案) | |
第 1期 | 北ショワ県活動報告書 西ハレルゲ県活動報告書 | 1.県オリエンテーション 1-1 活動日程 1-2 参加者リスト 1-3 アンケート結果 2.学校ワークショップ 2-1 活動日程 2-2 参加者リスト 2-3 問題分析結果 2-4 問題点に対する解決方法 2-5 立案した計画 2-6 描画した壁画・スローガン写真 2-7 アンケート結果 3.各県での活動総括 3-1 アンケート結果まとめ 3-2 活動における問題点および改善案 |
第 1 期総合報告書 | 1.スローガン・壁画の選定会議結果 2.実施結果 2-1 活動日程まとめ 2-2 2 県でのアンケート結果まとめ 2-3 2 県でのグッドプラクティス 3.第 2 期への提案 3-1 第 1 期での反省点 3-2 第 2 期に向けての改善点 | |
第 2期 | アルシ県活動報告書 | 第 1 期の北ショワ県、西ハレルゲ県活動報告書 と同様 |
最終報告書 | 1.実施結果 1-1 活動日程まとめ 1-2 3 県でのアンケート結果まとめ 1-3 3 県でのグッドプラクティス 2.今後の活動に対する提案 2-1 各学校での活動に対する提案 2-2 対象校以外に普及するための提案 |
9.ソフトコンポーネントの概算事業費
ソフトコンポーネント概算事業費のうち、日本側負担分は以下のとおり。
項目 | 概算事業費 |
ソフコン管理者(日本人) | 3,634,120 円 |
現地再委託 | 460,135 ブル (約 6,170,410 円) |
合計 | 9,804,530 円 |
10. 相手国実施機関の責務
(1) ソフトコンポーネント活動実施中の責務
1)各活動への実施と参加
本ソフトコンポーネント実施にあたっては、OEB が実施主体となり県教育事務局(ZEO)や郡教育事務局(WEO)に指示を行い、ステークホルダーの参加を働きかける必要がある。各段階におけるステークホルダーの役割は以下の表のとおり。
準備段階 | スローガン・壁画の 選定段階 | 県オリエンテーション段階 | 学校ワークショップ段階 | |
OEB | 監理、会議 立会い | 監理、ZEO への 連絡、会議立会い | 監理、ZEO への連絡、 立会い | 監理、ZEO への連絡、 立会い |
ZEO | - | 会議への参加 | WEO への連絡、ソフ コン活動説明 | WEO への連絡、参加 |
WEO | - | - | 各学校への連絡、参加 | 各学校への連絡、ファシリテーション |
学校、PTA KETMB | - | - | 参加 | 参加、描画 |
2)活動にかかる費用の確保
OEB はステークホルダーが各活動に参加するために必要な費用を確保する必要がある。想定される費用は以下のとおり。
準備段階 (アジスアベバで実施) | スローガン・壁画の 選定段階 (アジスアベバで 実施) | 県オリエンテーション段階 (県中心部で実施) | 学校ワークショップ段階 (各学校で実施) | |
OEB | 不要 | 不要 | 県中心部へ出張する際の日当・宿泊(*) | 各学校へ出張する 際の日当・ 宿泊 (*) |
ZEO | - | アジスアベバへ出張 する際の日当・宿泊・交通費 | 不要 | 各学校へ出張する 際の日当・ 宿泊 (*) |
WEO | - | - | 県中心部へ出張する際 の日当・宿泊・交通費 | 不要(*) |
学校、PTA KETMB | - | - | 県中心部へ出張する際 の日当・宿泊・交通費 | 不要 |
(*)NGO/コンサルタントが手配する車両に同乗するため交通費は不要
(2) ソフトコンポーネント活動実施後の責務
1)モニタリング
本ソフトコンポーネント活動で啓発を受けた関係者が、プロジェクト目標および上位目標発現の方向に向かうように、OEB は適宜アドバイスやモニタリングを行う。
2)活動の普及
OEB は、本プロジェクト対象校以外の学校、郡、県に対して本ソフトコンポーネント活動を紹介し、普及させる。
3)学校運営費用の確保
現在は政府の教育予算が逼迫していることから、地域住民が学校建設や運営のために収入向上活動や寄付によって貢献しており、維持管理に費用を回すことが困難になっている。したがって、OEB は教育予算の学校運営費を増加させ、地域住民が学校の維持管理に費用を割り当てられるようにする必要がある。
以上
案件名:エチオピア国オロミア州小学校建設計画
参考資料/入手資料リスト
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