国家公務員組合連合会では傘下の病院が共通で利用できる医学データベースを契約しており、IP アドレスならびにパスワード入力することで、職員は常時利用可能です。以下に主なデータベースとその特徴を記載するので、EBM の実践のために利用してください。また虎の門病院に設置している中央図書館には多数の文献が所蔵されており、複写の依頼も可能です。
国家公務員共済組合連合会xxx済病院 |
-臨床のバイブスと現場のグルーヴ- |
研修医手帳 |
国家公務員共済組合連合会xxx済病院で利用可能な医学データベースについて
国家公務員組合連合会では傘下の病院が共通で利用できる医学データベースを契約しており、IP アドレスならびにパスワード入力することで、職員は常時利用可能です。以下に主なデータベースとその特徴を記載するので、EBM の実践のために利用してください。また虎の門病院に設置している中央図書館には多数の文献が所蔵されており、複写の依頼も可能です。
国家公務員共済組合連合会中央図書館 HP xxxxx://xxxxxxx-xxxxxxx.xxx.xx.xx/
当院で利用可能なデータベースなど
【EBM 医学情報】 Up ToDAte DynaMed
【文献検索サイト】 JDream PubMed@KKR
【Full Text 希望の場合】 ProQuest Journals@Ovid
MFT
これらのデータベースは日々の診療における疑問の解決に有用であるばかりでなく、臨床的決断を行う局面において必要不可欠なものです。また症例要約(サマリー)を記載する場合に、どのような根拠で治療方針を決定したかを、診療ガイドラインや文献を引用して記載し、考察においては EBM でターニングポイントになった重要な臨床研究と対比しながら論理を展開することが、大切です。
xxx済病院で利用可能なシミュレーター
レサシアン シミュレーター (レルダル社製) CPR 練習用(気管内挿管、DC 除細動対応)腰椎・硬膜外穿刺シミュレーター ルンバールくんⅡ (京都科学製)
縫合手技トレーニングフルセット (京都科学製)
xxx済病院で利用可能な ICT プラットフォーム
LearnigBOX xxxxx://xxxxxxxxxxx.xxxxxx/
招待メールを送りますのでログインして教材を閲覧、学習してください。
インターネットで ER を学べるサイト
聖マリアンナ医科大学西部病院救命救急センター 5分間レクチャーシリーズ xxxx先生
xxxxx://xxx.xxxxxxx.xxx/@xxxx-xx0xx0xx0x
Antaa Slide 医✃・医学生のためのスライド共有
HOKUTO 医✃向け臨床支援アプリ
国家公務員共済組合連合会xxx済病院研修医手帳
初期臨床研修は、病院が医学教育の仕上げの部分を、on job training の形で担当させていただくものであり、医学公教育の一環であるとの使命感をもって、研修医の先生方に接してゆきます。2020 年度からの医✃臨床研修制度が見直しに準拠しつつ、研修医の先生方が着実に、また無駄なストレスを感じることなく、研修を進めていただく上の一助になるよう、研修医手帳を作成しました。経験すべき症候(29項目)ならびに経験すべき疾患・病態(26 項目)については、ご自身の経験履歴を手帳でチェックして、初期研修中にもれなく履修できるように心がける必要があります。
xxx済病院の理念
「医療への貢献と奉仕」
⚫ 地域における中核病院として、快適な療養環境と高度な医療を提供する。
⚫ 患者さんの立場を尊重した合理的かつ安全な医療を行う。
⚫ 病院は働きxxのある職場を整備し、職員は知識と技術の研鑽に励む。
⚫ 強く、やさしく、頼れる病院を目指す。
「強い病院」とは? 「強い病院」とは緊急事態発生時においても、職員がxxを絞り、心を合わせてふところ深く対応出来る病院である。xxx済病院は新型コロナウイルス感染拡大の初期段階で一般救急応需を維持するために、あえて積極的にコロナ患者受け入れの診療体制を整え、一般救急医療とコロナ診療の両立を実現することができた。
「やさしい病院」とは? 「やさしい病院」とは病院職員が患者さんの不安や希望を想像する力を持った病院である。豊かな想像力を持つためには自分の心に余裕がないといけない。xxx済病院の職員はみんな明るく楽しそうに仕事をしており働き方満足度が高く、これこそが患者の気持ちを慮る心の余裕に繋がっている。
「頼れる病院」とは? xxx済病院は、いたずらに高度医療のみを追求するのではなく、適切な医療情報を提供し患者さんの価値観を重視して治療方針を決定する病院、すなわち患者さんに対する説明責任をしっかりと果たす病院を目指している。職員みんなが「わたしの病院」の提供する医療に誇りを持てる病院こそが「頼れる病院」であると考える。
xxx済病院の基本方針
地域における中核病院として、快適な療養環境と高度な医療を提供する。患者さんの立場を尊重した合理的かつ安全な医療を行う。
病院は働きxxのある職場を整備し、職員は知識と技術の研鑽に励む。強く、優しく、頼れる病院を目指す。
xxx済病院初期臨床研修の理念
xxx済病院の臨床研修の理念は、断らない ER 救急、惜しみなく与え惜しみなく教える教育風土、地域で学び地域で育つ、の 3 点です。初期臨床研修をつうじて医学知識や技術の習得に努めるのは当然
ですが、もっとも大切なことは以下に示す医✃としての 4 つの基本的価値観を身につけることであります。
1. 社会的使命と公衆衛生の寄与
医✃としての社会的使命を自覚し、医療のxx性(平等な医療の提供、限りある資源のxxな配分、説明責任の履行、守秘義務の遵守、利益相反の適切な管理など)をバックボーンとしてみにつけましょう。人口動態や疾病構造の変化、医療供給体制の変化などの社会のニーズの潮流にアンテナを張って、これからの 30 年間に国民から本当に必要とされるような、医✃をめざしましょう。公衆衛生的な視
点・思考フレームワークは極めて重要です。病院においては二次予防や合併症予防、感染防御、医療安全などが、公衆衛生的視点から取り組むべき課題です。抗生剤適正使用支援チーム、NST チームなどに代表される、公衆衛生的視点からのアプローチを行うことで、個々の患者の予後が改善することを知るべきですし、そのようなチーム医療に実際に参加して、自ら見て触れて体験することはインスパイアリングな驚きに満ちているでしょう。
2. 利他的な態度
患者の苦痛や不安を感じとることができますか? 想像して共感しながらも、科学者として患者にとって最善の方法は何かということを、冷静に判断することができますか? さらには、押しつけでも突き放しでもなく、患者の価値観や自己決定権を尊重しつつ、患者との協働作業として臨床決定をおこなうことを、目指せますか? 生身の患者の診療を経験すること、しかも常に遠すぎずxxxずの距離に上級医が控えているという環境の元でそれを行うということは、ほどのよさのある利他的な態度の育成に有用であると考えられます。一瞬とはいえ患者の人生とフルコンタクトで対峙する経験は、ひとりよがりでない大人の覚悟を養うよいきっかけになります。一般外来研修はまさにそのような修練にふさわしいと考えられ、アセスメントとして Mini-Clinical Evaluation Exercise を導入します。
3. 人間性の尊重
個々人の多様な価値観、感情、知識に配慮し、尊敬の念と思いやりの心を持って、患者や家族に接しましょう。患者との共同作業であるところのインフォームドチョイスにおいて、「賢い選択 choose wisely」の視点も大切にしましょう。とにかく主治医になったら、毎朝なるべく早いタイミングで、病床で待つ受け持ち患者を訪問しましょう。また良きにつけ悪しきにつけ、家族にもこまめに状況伝達をしましょう。
4. 自らを高める姿勢
人間にできる仕事の量には限りがあります。仕事の処理能力を高めることは研修の課題ではありますが、オーバーフローの仕事は有害無益です。自分自身の情報処理能力をよい状態にチューニングしておくことは、刃物を手入れして研いでおくようなもので、充実した臨床研修を行ううえで、非常に重要です。自身の心身の状況と周囲の状況に対するセンサーは、きちんと作動していますか? もしセンサーが劣化しているようならば、間違いなく過労です。早く家に帰って睡眠をとりましょう。大学での勉強とことなり、実臨床は体系的でもなければ整合的でもない事実と問題が、シャワーのように降りかかってくる現場です。すべての問題を一つ一つ順番に解決してゆくという、座学での方法が通用しにくい現場です。すなわち問題に重要度・優先度をつけ並行的に対策するリテラシー能力が必要になります。マルチタスクに対する段取り能力も必要です。苦手な先生もあるかとおもいますが、フリーズしそうになったら「とにかく課題を紙に書き出してみる」ことをおすすめします。見える化することで、手順の筋目がわかります。
健康管理・ストレスコーピングを心がけること、メンターをもつこと、弱音もはける仲間をもつこ と、当直明けの午後は宣言して帰宅休養をすること、バランスのよい食生活と適度な運動をすること は、医✃としての資質・能力の向上をし続けるために、必須です。当院では当直明け医✃を電子カルテ表紙の上で全職員に通知しており、当直あけ医✃にはスタッフから不要不急の PHS 連絡を入れないようにさせています。
医✃臨床研修における形成的指導とは、アスリートに対するコーチングに似ていて、医療行為を要素ごとに因数分解して意識化し、自分と指導医との協働作業としてふりかえり、自分の言葉として表現することを通じて、よい特性を自身のもとのとして定着させる営みです。入試や国試が過去の努力を評価しているのに対し、形成的評価はxxにひらかれ、経験を咀嚼反芻することを通じて、可能性を切り拓いてゆくものです。ご自分がご自分から change talk をひきだしていき、言葉は行いとなって結実します。根性主義の元で行き当たりばったりで無反省のままおこなっていたのでは、研修になりません。形成的評価により知識の内面化と自発的な行動変容をもたらすことが、現在の卒後医✃臨床研修の中心哲学です。
【メンタルをまもるために大切なこと】
・よく寝る
・人とくらべない
・がんばり過ぎない
・完璧な自分をやめる
・好きな人を大切にする
・人と比べて落ち込まない
・全員に好かれようとしない
・他人の視線を気にしない
・心の逃げ場を持つこと
・人は人、自分は自分
・どんな自分も許す
・幸せは心に宿る
・よく笑う
最近笑っていますか?
【自分への質問リスト(Johnson & Johnson 社 Credo より)】
・私は何を望んでいる?
・他にどんな選択ができる?
・思い込みしすぎている事はなんだろう?
・何に責任をもって考えれば良い?
・他にどんな考え方ができるだろう?
・あの人は、何を考え、何をかんじているのだろう?
・あの人は、何を必要とし、何を望んでいるのだろう?
・見落としている可能性があるとしたら何だろう?
・私は何をさけているのだろう?
・この人から、何を学べるのだろう?
・この状況から、どんな学びがあるのだろう?
・あの人に、どんな事を聞けばよいのだろう?
・どんな行動ができると、より良いのだろう?
・どうすれば、Win-Win になるのだろう?
・少しでも、可能性を上げるには、何ができるだろう?
・私は、どんな事を感じているのだろう?
医✃の応召義務
厚生労働省医政局発令通達(医xx 1225 第4号令和元年 12 月 25 日)により医✃法上の応召義務は以下のように解釈されています。
(A)診療の求めに対する医✃個人の義務(応招義務)と医療機関の責務
医✃法第 19 条第1項及び歯科医✃法第 19 条第1項に規定する応招義務は、医✃又は歯科医✃が国に対して負担する公法上の義務であり、医✃又は歯科医✃の患者に対する私法上の義務ではないこと。
(B)労使協定・労働契約の範囲を超えた診療指示等について
労使協定・労働契約の範囲を超えた診療指示等については、使用者と勤務医の労働関係法令上の問題であり、医✃法第 19 条第1項及び歯科医✃法第 19 条第1項に規定する応招義務の問題ではないこと。
(勤務医が、医療機関の使用者から労使協定・労働契約の範囲を超えた診療指示等を受けた場合に、結 果として労働基準法等に違反することとなることを理由に医療機関に対して診療等の労務提供を拒否したとしても、医✃法第 19 条第1項及び歯科医✃法第 19 条第1項に規定する応招義務違反にはあたらない。)
(C)患者を診療しないことが正当化される事例の整理
(1)緊急対応が必要な場合と緊急対応が不要な場合の整理
1① 緊急対応が必要な場合(病状の深刻な救急患者等)
ア 診療を求められたのが診療時間内・勤務時間内である場合
医療機関・医✃・歯科医✃の専門性・診察能力、当該状況下での医療提供の可能性・設備状況、他の医療機関等による医療提供の可能性(医療の代替可能性)を総合的に勘案しつつ、事実上診療が不可能といえる場合にのみ、診療しないことが正当化される。
イ 診療を求められたのが診療時間外・勤務時間外である場合
応急的に必要な処置をとることが望ましいが、原則、公法上・私法上の責任に問われることはない
(※)。
※ 必要な処置をとった場合においても、医療設備が不十分なことが想定されるため、求められる対応の程度は低い。(例えば、心肺蘇生法等の応急処置の実施等)
※ 診療所等の医療機関へ直接患者が来院した場合、必要な処置を行った上で、救急対応の可能な病院等の医療機関に対応を依頼するのが望ましい。
② 緊急対応が不要な場合(病状の安定している患者等)
ア 診療を求められたのが診療時間内・勤務時間内である場合
原則として、患者の求めに応じて必要な医療を提供する必要がある。ただし、緊急対応の必要がある場合に比べて、正当化される場合は、医療機関・医✃・歯科医✃の専門性・診察能力、当該状況下での医療提供の可能性・設備状況、他の医療機関等による医療提供の可能性(医療の代替可能性)のほか、患者と医療機関・医✃・歯科医✃の信頼関係等も考慮して緩やかに解釈される。
イ 診療を求められたのが診療時間外・勤務時間外である場合
即座に対応する必要はなく、診療しないことは正当化される。ただし、時間内の受診依頼、他の診察可能な医療機関の紹介等の対応をとることが望ましい。
(2)個別事例ごとの整理
① 患者の迷惑行為
診療・療養等において生じた又は生じている迷惑行為の態様に照らし、診療の基礎となる信頼関係が喪失している場合(※)には、新たな診療を行わないことが正当化される。
※ 診療内容そのものと関係ないクレーム等を繰り返し続ける等。
② 医療費不払い
以前に医療費の不払いがあったとしても、そのことのみをもって診療しないことは正当化されない。しかし、支払能力があるにもかかわらず悪意を持ってあえて支払わない場合等には、診療しないことが正当化される。具体的には、保険未加入等医療費の支払い能力が不確定であることのみをもって診療しないことは正当化されないが、医学的な治療を要さない自由診療において支払い能力を有さない患者を診療しないこと等は正当化される。また、特段の理由なく保険診療において自己負担分の未払いが重なっている場合には、悪意のある未払いであることが推定される場合もある。
③ 入院患者の退院や他の医療機関の紹介・転院等
医学的に入院の継続が必要ない場合には、通院治療等で対応すれば足りるため、退院させることは正当化される。医療機関相互の機能分化・連携を踏まえ、地域全体で患者ごとに適正な医療を提供する観点から、病状に応じて大学病院等の高度な医療機関から地域の医療機関を紹介、転院を依頼・実施すること等も原則として正当化される。
④ 差別的な取扱い
患者の年齢、性別、人種・国籍、宗教等のみを理由に診療しないことは正当化されない。ただし、言語が通じない、宗教上の理由等により結果として診療行為そのものが著しく困難であるといった事情が認められる場合にはこの限りではない。
このほか、特定の感染症へのり患等合理性の認められない理由のみに基づき診療しないことは正当化されない。ただし、1類・2類感染症等、制度上、特定の医療機関で対応すべきとされている感染症にり患している又はその疑いのある患者等についてはこの限りではない。
⑤ 訪日外国人観光客をはじめとした外国人患者への対応
外国人患者についても、診療しないことの正当化事由は、日本人患者の場合と同様に判断するのが原則である。外国人患者については、文化の違い(宗教的な問題で肌を見せられない等)、言語の違い(意思疎通の問題)、(特に外国人観光客について)本国に帰国することで医療を受けることが可能であること等、日本人患者とは異なる点があるが、これらの点のみをもって診療しないことは正当化されな い。ただし、文化や言語の違い等により、結果として診療行為そのものが著しく困難であるといった事情が認められる場合にはこの限りではない。
民法に規定される医✃の義務
患者と医✃の関係は民法においては「準委任」とされており、診療が開始となった瞬間から、医✃は患者に対して善良なる管理者としての注意義務(善管注意義務)を負う、というきわめて医✃側に厳しいものとなっています。医✃が患者に対して負う債務には2種類あって、一つ目は結果債務(ようするに病気をうまく治せということ)であり、二つ目は手続債務(医学的に妥当な検査・治療・説明同意を適時に行うこと)です。結果債務は必ずしもいつも果たすことはできないことの裏返しとして準委任関係が適応されているのであって、手続債務だけはいつでもどんな状況でも果たすことが善管注意義務の遂行のために必要です。この場合のxxxxxは説明義務 Accoutability です。説明内容のカルテ記載はきわめて重要です。重大な IC の記録などの場合は、同席他職者の署名もカルテに残すことが、説明内容記載の客観性を高めるために有用です。
患者さんの権利
私たちは次に掲げる患者さんの権利を尊重します良質で安全な医療を受ける権利を尊重します
プライバシーを守る権利を尊重します
病状等について充分な説明を受けたうえで、検査・治療法などを自らの意思で選択する権利を尊重します
セカンドオピニオンを求める権利を尊重します
患者さんへのお願い
医✃や看護✃等にご自身の病状やその他健康に関する説明をお願いしています
治療や検査などの医療行為については、説明をよく理解していただき、医✃や看護✃等の治療方針に協力をお願いしています
ほかの患者さんの迷惑にならないように配慮をお願いしています感染症を防ぐために、血液検査の実施に協力をお願いしています
当院には、大学や関連機関から研修医や学生が医学研修に来ていますが、患者さんにはこれら研修生に協力をお願いする場合があります
医✃の服装についてのマニュアル
清潔な白衣もしくは制服を着用し、名札を装着すること。感染対策マニュアルの規定をまもること。肩につく髪は後ろに一つにまとめる(ポニーテール不可)。前髪は目にかからない。派手なヘアマニキュアは禁止。自然で健康的メークを心がける。香りのつよすぎる化粧品などの使用は禁止。爪は手入れがされ、短く切りそろえておくこと。マニキュア不可。サンダル履き不可で靴を履くこと。
講習会などへの出席
各種講習会(医療安全講習会、院内感染対策講習会、認知症ケア講習会など)ならびに消防訓練・災害医療訓練に研修医は出席する義務があります。
保険診療について
初期研修医は保険医登録がまだないので、上級医とともに診療にあたり、上級医によるカウンターサインを得ないと医療行為について保険請求ができません。また診療にあたっては療養担当規則を遵守しましょう。
病棟指示について
口答指示は禁止、電子カルテで指示、オーダー入力を上級医のアドバイスの元におこなってください。指示の締め切り時間、処方の締め切り時間、食事変更の締め切り時間などを遵守してください。
各種締め切り
給食 朝食締め切り 6 時 30 分 昼食締め切り 10 時 30 分 夕食締め切り 16 時定期処方
金曜日始まりの病棟(3 号館 2 階東 2 階西) 水曜日木曜日始まりの病棟(3 階東 3 階西) 火曜日
水曜日始まりの病棟(4 階東 4 階西) 月曜日
カルテ記載について
診察行為、診療行為、説明内容などに❜いては遅滞なく電子カルテ入力するようにしてください。また記載内容に❜いて上級医の承認をうけてください。
サマリー記載に❜いて
26 疾病・29 症候を経験した場合サマリー提出が必要です。該当患者を退院時まで受け持った場合は退院時サマリーを、退院まで受け持たなかったような場合は、研修医ローテーション引き継ぎサマリー、ないしは経過途中のウィークリーサマリー、外来症例の場合外来サマリーなどを記載して、指導医ならびにプログラム責任医✃のチェックを受けてください。またこれらのサマリーは電子カルテ内に記載しますが、紙媒体などにも出力して、自分の研修記録ファイルに保管するようにしてください。
EPOC 入力に❜いて
経験症例や症状に❜いての臨床要約はすみやかに EPOC に入力してください。なお、一部の入力作業に❜いては事務による代行入力が認められる予定です。
インシデントレポート
日本ではまだまだ「始末書」「反省書」というような誤ったイメージがのこっていますが、当院ではインシデントレポートの提出そのものを、非常にポジティブにとらえています。研修医の先生方に早くからインシデントレポートの記載になれて、か❜合理的なリスクマネージメントの仕組みを理解していただきたいと思います。もっとも危惧すべきことは、知識や感度不足のためインシデントをインシデントとして認識しえていないことです。研修医は、一ヶ月に一枚程度インシデントレポート提出すべき場面に遭遇することが統計上指摘されているそうなので、これを参考にして積極的なインシデントレポート提出をお願いします。
医療安全への格段の配慮
医療安全はすべてに優先することを理解してください。明確な指示出しと指示が通っていることのコメディカルスタッフへの確認、本人確認、指さし確認などの習慣づけを意識して行ってください。特に中心静脈カテーテル留置などに際しては、日本医療安全評価機構の報告書を精読しその勧告に従ってください。(https://www.medsafe.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=1) (後付け 1-4 参照)枚方公済病院医療安全管理指針は電子カルテサーバーY ドライブで、Y:\院内マニュアル\一時保管場所\医療安全管理指針(第 8 版).pdf で、またインフォームドコンセント運用規定は Y ドライブで、 Y:\院内マニュアル\一時保管場所\インフォームドコンセント運用規定(第 4 版).pdf で閲覧可能で
す。
感染予防:患者を護り、自分を守る
ご自身の各種感染症に対する抗体力価を知っておいてください。近年はしか、風疹の流行がおきています。各種感染症に対する抗体価からみてワクチンの追加接種が望ましいと思われる方に対しては、感染対策委員会からご連絡します。標準感染防御策の徹底はもちろんですが、空気感染しうる疾患(結 核、はしか、水痘)に対する警戒も怠らないようにしてください。
言ったことが伝えたこと ×
伝わったことだけが伝えたこと ○
良好なコミュニケーションは患者のアウトカムを改善します。逆にバベルの塔のような医療は最悪です。患者や患者家族に対しては、業界用語・専門用語を❜かわず平易な日本語で説明してください。スタッフに対して自分の指示がきちんと理解されているかどうか、常に確認する習慣を身に❜けてください。電子カルテの指示欄に医✃が指示を記載しても、指示受けするナースが患者担当ナースに伝えるあいだに、ラグタイムが発生するのみならず、伝言ゲームのような誤認が発生するリスクがあることを認識してください。できるだけ、当日患者担当ナースと直接会話して、自分の指示が理解されており準備万端整っているか、自分で確かめる癖を身に❜けてください。指示や処方を急に変更したときは、必ず担当ナースに直接連絡確認するようにしてください。たとえば、朝の血液データをみて点滴を変更するような場合ですが、すでに病棟には元来の処方による注射薬が届いていますから、当日注射処方を電子カルテ上で変更しても、病棟にある注射薬の現物は前の処方のまま残っています。ですから、患者に新しい処方による注射薬を投与するためには、水際で前の処方注射薬をストップして新しい処方注射薬に差し替える作業が必要です。インシデントが発生するか未然に止められるかの瀬戸際の勝負は、常に現場でのビビッドなコミュニケーションの善し悪しにかかっていることを、肝に銘じてください。
もうひと❜医✃がわすれがちなことは主治医制の医✃と異なり、病棟ナースは3交替で受け持ちが毎日変わってしまうということです。前日までの治療の文脈を当日受け持ちナースが必ずしも全部把握しているわけではないので、場合によっては当日受け持ちナースに対するブリーフィングが望ましい場合もあり得ます。また前日に指示を電子カルテで行い、指示受けされていたとしても、当日のナースは「前日ナースからの申し送り」で情報を得ていますので、ここでも伝言ゲームが発生しているリスクが潜在します。とにかく、ナースに対する「お願い事」は、かならず名指しで「○○看護✃さん、××のことは△
△なので今日よろしくお願いします」、というようにするとよいです。
シャイにならずに看護✃にはなにくれ相談事をもちかけ、物事を頼むようにしましょう。逆説的ですが、日ごろから小さな頼み事を何度もしておくことが、いざというときに大きな頼み事をしたときに、聞き入れてもらって動いてもらうための、よい準備になります。(たとえていうと、「裏メニューを頼めるようになるのは、なじみ客になってから」ということです)
ラグビーの試合でよいパスを回すようなコミュニケーションがとれれば、最高です。
勤務時間管理
上司からの指示によって時間外に業務を行った場合は、医局にある時間外勤務届に時間を記載し、ローテート中の科の部長の印をもらって、提出してください。宿直許可のある当直においてウォークイン患者を診察した場合患者 1 名あたり 20 分、救急搬送患者もしくは入院を要する患者を診察した場
合は患者 1 名あたり 1 時間の時間外勤務を届け出るものとします。宿直許可のない当直においては当
直業務がすべて時間外労働になります。なお協力型臨床研修病院での研修において 1 日 8 時間をこえる研修を行った場合は、通常自己研鑽と解釈します。当直に❜いては宿直として認可をうけているため、患者の診療をおこなった場合には時間外手当を宿直料以外に給付します。
当院 はA 水準で届け出しております。当直に❜いては宿直として認可をうけているため、患者の診療をおこなった場合には時間外手当を宿直料以外に給付します。なおいわゆる 36(サブロク)労使協
定文書のファイルは研修医室に常備します。参考
よい段取りは働き方改革に効く
たとえば、急に退院が決定した患者に①退院時処方を行い、②家族と本人に IC を行い、③退院療養計画書を作成し、④紹介元の医院に診療情報提供書を作成し、⑤DPC 病名を決定して会計を締めて請求額を確定することなどを、3 時間ほどの間にしてしまわないといけないとします。
作業には、(A)時間はかかるが最初にセッティングしておけば他の人や部署がしてくれる作業と、(B)時間は短いが自分がかかりっきりになる必要のある作業に分けることができます。上記の例では①と⑤が (A)で②③④が(B)に相当します。そうすると、たとえすでに家族が病棟に到着していたとしても、5 分待ってもらってまず①をして、❜いで会計に電話して診療情報提供書をこれから作成するから退院時診療情報提供料も算定するよう伝えた上で、⑤のスタートをしておいて、それから②③④を行うのが、時短のために有効であることがわかります。
おなじように、高齢患者が入院したらまず介護保険の申請や区分変更などの役所がからんで時間がかかることに着手しておくと、入院治療で病状が安定したころに介護認定の結果が判明して、すぐに退院支援に移行することができます。このように、仕事には「(A)長い(寝かしておく)仕事」と「(B)短い仕事」
があり、コンポジットにして順序を考えて仕込みをしておくことで仕事の効率化がはかれるのです。治療介入による患者の病状の変化の速度から数日後を予測して、自分が検査結果を確認して処方行動を速やかに行いうる日時で検査オーダーをいれておき、そのときに処方薬の微調整をおこなえるようにしておくことも、段取りといえます。
医✃は病院の仕事の流れからすると、最も川上に存在しますので、医✃が段取りよく仕事をできれば、病院全体の働き方改革に❜ながります。
(参考にすべきサイト等)
虐待に関する研修(BEAMS 虐待対応プログラム https://beams.childfirst.or.jp/event/
ACP(アドバンス・ケア・プランニング 人生会議)に関わる活動に参画する。人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou- 10800000-Iseikyaoku/0000197721.pdf)(直接開けないので、 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/AA10K- index.html から上記の PDF ファイルを開くと閲覧できます)
臨床研修の評価
研修医はサマリーをすみやかに作成してください。また、サマリーは紙ベースでも印刷保管し各人の研修ポートフォリアとしてファイリングすることを推奨します。各診療科で経験した入院症例の退院サマリーは患者退院後 1 週間以内に記載して、指導医の承認を得るよう❜とめてください。
指導医は研修医手帳の記入状況、EPOC への入力状況を把握し、研修医ごとの研修内容を改善することを主たる目的として形成的評価を行います。日常的な研修のふりかえりは、Mini-Clinical Evaluation exercise (CEX)を通じておこないます。
研修分野・診療科のローテーションの終了時ごとに、臨床研修評価表(Ⅰ Ⅱ Ⅲ 様式 18, 19, 20)を用いて到達目標の達成程度を評価します。またすくなくとも半年に一回研修責任者から、評価内容を研修医にフィードバックします。研修期間の終了時には、プログラム責任者から臨床研修の達成状況の報告を受けた研修管理委員会が臨床研修の目標の達成度判定票(様式 21)を用いて判定しコメディカルによる 360°評価を参照した上で、要件が満たされた場合、研修終了として病院長に申告します。病院長は臨床研修を修了したと認定された研修医に対して、臨床研修修了証を授与します。
経験すべき症候 (29 症候) 外来又は病棟において、下記の症候を呈する患者に❜いて、病歴、身体所見、簡単な検査所見に基づく臨床推論と、病態を考慮した初期対応を行う。 | 経験機会が多い診療科 | 経験した日付 |
ショック | 救急・内科 | |
体重減少・るい痩 | 内科 | |
発疹 | 小児科・内科 | |
黄疸 | 内科 | |
発熱 | 内科・小児科・救急 | |
もの忘れ | 内科 | |
頭痛 | 内科・救急 | |
めまい | 内科・救急 | |
意識障害・失神 | 内科・救急 | |
けいれん発作 | 救急・内科 | |
視力障害 | 内科・救急 | |
胸痛 | 救急・内科 | |
心停止 | 救急・内科 | |
呼吸困難 | 救急・内科 | |
吐血・喀血 | 救急・内科・外科 | |
下血・血便 | 救急・内科・外科 | |
嘔気・嘔吐 | 内科・外科・小児科 | |
腹痛 | 内科・外科・救急 | |
便通異常(下痢・便秘) | 内科・外科 | |
熱傷・外傷 | 外科・救急 | |
腰・背部痛 | 内科・救急・外科 | |
関節痛 | 内科・外科 | |
運動麻痺・筋力低下 | 内科 | |
排尿障害(尿失禁・排尿困難) | 内科 | |
興奮・せん妄 | 内科・精神科・地域医療 | |
抑う❜ | 内科・精神科 | |
成長・発達の障害 | 内科・小児科 | |
妊娠・出産 | 産婦人科・救急 | |
終末期の症候 | 内科・外科・地域医療 | |
経験すべき疾病 (25 症候) 外来又は病棟において、下記の疾病を有する患者の診療にあたる。 | 経験機会が多い診療科 | 経験した日付 |
脳血管障害 | 内科・救急 | |
認知症 | 内科 | |
心筋梗塞 | 救急・内科 | |
心不全 | 内科・救急 | |
大動脈瘤 | 救急・内科・外科 | |
高血圧 | 内科 | |
肺癌 | 内科・外科 | |
肺炎 | 内科・救急 | |
急性上気道炎 | 内科・小児科 | |
気管支喘息 | 内科・小児科・救急 | |
COPD | 内科・救急 | |
急性胃腸炎 | 内科・小児科 | |
胃癌 | 外科・内科 | |
消化性潰瘍 | 内科 | |
胆石症 | 内科・外科・救急 | |
大腸癌 | 内科・外科 | |
腎盂腎炎 | 内科 | |
尿路結石 | 救急・外科 | |
腎不全 | 内科 | |
高エネルギー外傷・骨折・捻挫 | 外科・救急 | |
糖尿病 | 内科・小児科 | |
脂質異常症 | 内科 | |
気分障害 | 精神科・内科 | |
統合失調症 | 精神科 | |
依存症(ニコチン依存症・アルコール依 存症・薬物依存症・病的賭博等を含む。) | 内科・精神科 | |
参加すべき院内の研修など | 研修に好適な科・部門など | 研修日 | |
感染対策 | 院内感染 | 内科・外科・集中治療室 | |
性感染症 | 産婦人科 | ||
感染制御チーム | 感染制御チームラウンド | 病棟 | |
薬剤耐性 | 国際的薬剤耐性菌問題など | 抗菌剤適性使用支援チーム | |
予防医学 | 予防注射 | 小児科 | |
二次予防のための患者教育 | 心不全二次予防プログラム | ||
虐待への対応 | 被虐待児の発見など | 小児科、研修会 | |
高齢患者へのネグレクト | 内科 | ||
社会復帰支援 | 精神科 | ||
児童思春期精神科 | 発達障害対応 | 精神科 | |
緩和ケア | 末期癌の緩和ケア | 内科 | |
末期心不全の緩和ケア | 内科 | ||
末期呼吸不全患者の緩和ケア | 内科 | ||
末期神経難病患者の緩和ケア | 内科 | ||
緩和ケアチームラウンド | 内科・外科 | ||
アドバンス・ケア・プラ ンニング(ACP) | 退院前カンファレンスにおけ る在宅看取りプラン策定 | 内科 | |
退院支援チーム | 退院前カンファレンス | 内科 | |
死亡診断書 | 病棟 | 各科 | |
臨床病理検討会(CPC) | 剖検症例うけもち | 内科・外科 | |
剖検立ち会い | 内科・外科 | ||
CPC プレゼンテーション等 | 内科・外科 | ||
介護保険主治医意見書 | 病棟 | 内科 | |
NST チーム | NST ラウンド | 病棟・HCU | |
認知症ケアチーム | 認知症ケアラウンド | 病棟 | |
ゲノム医療 | 研修会 | ||
消防訓練 | |||
災害医療訓練 |
基本的手技 | 習得に適切な科目 |
気道確保 マスクフィット | 救急 |
胸骨圧迫 | 救急 内科 |
圧迫止血 | 外科 救急 |
包帯法 | 外科 |
注射法 (皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保) | 各科 |
注射法 中心静脈確保 | 内科 外科 救急 |
採血法 (静脈血、動脈血) | 各科 |
穿刺法 (腰椎穿刺) | 内科 救急 |
穿刺法 (胸腔、腹腔) | 内科 外科 |
導尿法 (バルーンカテーテル挿入) | 内科 外科 |
ドレーン、チューブ類の管理 | 内科 外科 |
胃管の挿入と管理 | 内科 外科 |
局所麻酔 | 外科 救急 |
創部消毒とガーゼ交換 | 外科 救急 |
簡単な切開・排膿 | 外科 救急 |
皮膚縫合 | 外科 救急 |
軽度の外傷・熱傷の処置 | 外科 救急 |
気管挿管 鎮静・筋弛緩下挿管 | 麻酔 |
気管挿管 非鎮静下挿管 | 内科 |
気管挿管 CPR における挿管 | 救急 内科 |
除細動 | 救急 内科 |
・研修医が単独で行って良い処置の基準
原則:身体損傷のリスクがあり事前に同意書の取得が義務づけられている処置に❜いては、研修医が単独で行うことはしない。
1. 看護✃が単独で行う処置のすべて(採血、皮下注射、筋肉注射、静脈注射、点滴、静脈確保、導尿、口腔内吸引、鼻腔吸引、浣腸、坐薬挿入、ガーゼ交換、創処置、BLS など。)ただし、女性患者の導尿や坐薬挿入、直腸指診を男性研修医が行う場合は、患者本人の了承ならびに女性看護✃の立ち会いを要する。また女性患者の乳房の診察を男性研修医が行う場合は、上級医並びに女性看護✃の立ち会いを要する。
2. 非侵襲的検査(心電図、腹部超音波検査、心臓超音波検査)は、指導医の許可のもと自ら施行してよい。単純レントゲン撮影、単純CT・単純MRIに❜いても、適応と必要があり、禁忌でなければ、研修医の判断でオーダーし、事後に指導医の承認を得れば良い。一方核医学的検査に❜いては、事前に上級医にコンサルトすること。各種造影検査は指導医とともに行う。
3. 胃管挿入に❜いては、手技習熟後は研修医単独で施行してよいが、レントゲンなどでの先端迷入の有無のチェックに❜いては上級医と行うこと。
4. 中心静脈カテーテル留置、髄液検査、骨髄検査、胸腔ドレナージ、イレウス管挿入に❜いては、手技に習熟後も上級医とともに行うこと。
5. 上部消化管内視鏡検査、気管支内視鏡検査に❜いても上級医とともに行い、単独施行はしない。
6. 心臓カテーテル検査、手術などで上級医の介助を助手として行うことがあるが、この場合は全面的に指導医の指導のもとで行う。
7. 気管内挿管は上級医とともに行う。ただし、心肺停止時において救命のための気管内挿管に❜いては、研修医単独施行してもよい(食道挿管除外のためのカプノグラムが整備されている)
・研修医が単独で行って良い処方の基準
1. 入院患者が外来で服用していた、生活習慣病や慢性疾患に関する内服を入院処方箋で切り直しする場合(他院で処方されていた薬剤の類薬を処方する場合も含む)。
2. 入院時異常時指示、対症指示として院内セットされている薬剤の処方。
3. クリニカルパスで規定されている処方。
4. 輸液・電解質製剤、抗生剤、NSAIDs、非麻薬性中枢性鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、パルス以外の量の副腎皮質ステロイドホルモン、胃潰瘍治療薬、制吐剤、下剤、止痢剤、降圧剤、脂質異常治療薬、糖尿病薬、利尿薬、気管支喘息治療薬・気管支拡張薬、甲状腺治療剤、骨粗鬆症治療剤、ビタミン類、痛風治療剤、鎮咳去痰薬、泌尿器薬、抗コリン剤、催不整脈作用の少ない抗不整脈薬、ジギタリス製剤、抗凝固剤、カテコラミン類、頻用外用薬などは、単独処方可能とする。
5. 催不整脈作用の強い抗不整脈薬、免疫抑制剤、抗リウマチ薬、生物学的製剤、分子標的薬、依存性の強い向精神薬、ステロイドパルスに❜いては、単独処方不可とする。ただし、すでに上級医が当該患者において処方をしており、処方継続する場合は、研修医が電子カルテでオーダー可能とする。
6. 輸血に❜いては研修医の単独処方不可とする。
7. 麻薬処方に❜いては、初回投与並びに投与薬剤変更、投与量増量の際には上級医とともに行い単独処方しない。維持量を継続処方する場合は研修医による単独処方可能である。
8. 蘇生に用いる薬剤は、ACLS 講習を受講してから単独処方可能とする。
9. 抗悪性腫瘍薬は研修医の単独処方不可とする。化学療法はパスに準拠して、投与量、投与時間などを厳密に守り、上級医とともに処方して、か❜薬剤✃による監査を受ける。
コメディカルによる 360 度評価表
評価は各項目に❜き a=十分できる、b=できる、c=要努力の 3 段階評価をおこなう。各職種にもっとも関連深い側面を、各職種担当の評価項目としてあげているが、それ以外の点に❜いては自由記載とする。
看護✃ | 適切でわかりやすい指示が出せる。 |
緊急指示や時間外の指示のときに担当看護✃に声かけできる。 | |
医療人としてふさわしい、態度・マナーを身に付けている。 | |
薬剤✃ | 処方がただしくできている。 |
疑義紹介に対して適切に応対できている。 | |
処方を変更する際には、患者やスタッフに理由を説明できている。 | |
放射線技✃/ 理学療法士 | 患者の安全を第一に考えて医療を行うことができる。 |
患者の ADL や QOL への配慮ができる。 | |
臨床検査技✃ | 重複検査や漫然反復検査、思慮無きセット検査を行わない。 |
論理的な検査オーダーができる。 | |
事務職員 | 適切な病名を診療行為に対応して❜けることができる。 |
療養担当規則にのっとった診療ができている。 | |
診断書、介護保険意見書などの文書が適切に記載できる。 |
(後付 1)
一般社団法人 日本医療安全調査機構
医療事故の再発予防に向けた提言 第 1 号 中心静脈穿刺合併症に係わる死亡の分析-第 1 報-
(https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/publication/teigen-01.pdf)
【適 応】
中心静脈穿刺は、致死的合併症が生じ得るリスクの高い医療行為(危険手技)であるとの認識を持❜ことが最も重要である。血液凝固障害、血管内脱水のある患者は、特に致命的となるリスクが高く、中心静脈カテーテル挿入の適応に❜いては、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)による代替を含め、合議で慎重に決定する。
【説明と納得】
中心静脈カテーテル挿入時には、その必要性及び患者個別のリスクを書面で説明する。特にハイリスク患者で、死亡する危険を考慮しても挿入が必要と判断される場合は、その旨を十分に説明し、患者あるいは家族の納得を得ることが重要である。
【穿刺手技】「穿刺手技のポイント」の動画(http://fa.kyorin.co.jp/medsafe/movie/teigen01.mp4) 内頚静脈穿刺前に、超音波で静脈の性状(太さ、虚脱の有無)、深さ、動脈との位置関係を確認するた
めのプレスキャンを行うことを推奨する。
リアルタイム超音波ガイド下穿刺は、超音波の特性とピットフォール(盲点)を理解した上で使用しなければ誤穿刺となり得る。術者はあらかじめシミュレーショントレーニングを受けることを推奨する。
中心静脈カテーテルセットの穿刺針は、内頚静脈の深さに比較し長いことが多いため、内頚静脈穿刺の場合、特にるい痩患者では、深く刺しすぎないことに留意する。
穿刺手技時、ガイドワイヤーが目的とする静脈内にあることを超音波や X 線透視で確認する。特に内頚静脈穿刺の場合、ガイドワイヤーによる不整脈や静脈壁損傷を減らすために、ガイドワイヤーは 20cm以上挿入しない。
【カテーテルの位置確認】
留置したカテーテルから十分な逆血を確認することができない場合は、そのカテーテルは原則使用しない。特に透析用留置カテーテルの場合は、致死的合併症となる可能性が高いため、カテーテルの位置確認を確実に行う必要がある。
【患者管理】
中心静脈カテーテル挿入後の管理においては、致死的合併症の発生も念頭において注意深い観察が必要である。血圧低下や息苦しさ、不穏症状などの患者の変化や、輸液ラインの不自然な逆流を認めた場合は、血胸・気胸・気道狭窄、カテーテル先端の位置異常を積極的に疑い、迅速に検査し診断する必要がある。また、穿刺時にトラブルがあった場合などを含め、医✃と看護✃はこれらの情報を共有し、患者の状態を観察する。
中心静脈穿刺合併症出現時に迅速に対応できるよう、他科との連携や、他院への転院を含めたマニュアルを整備しておく。
再発防止委員会・中心静脈穿刺合併症 専門分析部会/医療事故調査・支援センター 平成 29 年 3 月
(後付 2)
一般社団法人 日本医療安全調査機構
医療事故の再発予防に向けた提言 第 6 号 栄養剤投与目的に行われた胃管挿入に係る死亡事例の分析
(https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen-06.pdf)
【胃管挿入のリスク】
胃管挿入において、嚥下障害、意思疎通困難、身体変形、挿入困難歴などがある患者は誤挿入のリスクが高いことを認識する。
【胃管挿入手技】
誤挿入のリスクが高い患者や挿入に難渋する患者では、可能な限り X 線透視や喉頭鏡、喉頭内視鏡で観察しながら実施する。
【胃管挿入時の位置確認】
気泡音の聴取は胃内に挿入されていることを確認する確実な方法ではない。胃管挿入時の位置確認は、 X 線や pH 測定を含めた複数の方法で行う。特にスタイレット付きの胃管を使用するなど穿孔リスクの高い手技を行った場合は、X 線造影で胃管の先端位置を確認することが望ましい。
【胃管挿入後の初回投与】
胃管挿入後は重篤な合併症を回避するため、初回は日中に水(50 ~ 100mL 程度)を投与する。
【水の投与以降の観察】
投与開始以降は誤挿入を早期発見するため、頻呼吸・咳嗽など呼吸状態の変化、分泌物の増加、呼吸音の変化、SpO2 低下などを観察する。特に誤挿入のリスクが高い患者は SpO2 のモニタリングを行うことが望まし
い。
【院内体制・教育】
胃管挿入は重篤な合併症を起こしうる手技であるということを周知し、栄養状態や胃管の適応に関する定期的評価、胃管挿入に関する具体的な方法に❜いて、院内の取り決めを策定する。
専門分析部会・再発防止委員会/医療事故調査・支援センター 2018 年 9 月
動画
(http://fa.kyorin.co.jp/medsafe/movie/teigen06.mp4)
(後付 3)
一般社団法人 日本医療安全調査機構
医療事故の再発防止に向けた提言 第 3 号 注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析
(https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen-03.pdf)
【アナフィラキシーの認識】
アナフィラキシーはあらゆる薬剤で発症の可能性があり、複数回、安全に使用できた薬剤でも発症し得ることを認識する。
【薬剤使用時の観察】
造影剤、抗菌薬、筋弛緩薬等のアナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を静脈内注射で使用する際は、少なくとも薬剤投与開始時より 5 分間は注意深く患者を観察する。
【症状の把握とアドレナリンの準備】
薬剤投与後に皮膚症状に限らず患者の容態が変化した場合は、確定診断を待たずにアナフィラキシーを疑い、直ちに薬剤投与を中止し、アドレナリン 0.3 mg(成人)を準備する。
【アドレナリンの筋肉内注射】
アナフィラキシーを疑った場合は、ためらわずにアドレナリン標準量 0.3 mg(成人)を大腿前外側部に筋肉内注射する。
【アドレナリンの配備、指示・連絡体制】
アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を使用する場所には、アドレナリンを配備し、速やかに筋肉内注射できるように指示・連絡体制を整備する。
【アレルギー情報の把握・共有】
薬剤アレルギー情報を把握し、その情報を多職種間で共有できるようなシステムの構築・運用に努める。アナフィラキシー 専門分析部会・再発防止委員会/医療事故調査 ・ 支援センター 平成 30 年 1 月
(後付 4)
一般社団法人 日本医療安全調査機構
医療事故の再発防止に向けた提言 第 7 号
一般・療養病棟における非侵襲的陽圧換気(NPPV)及び気管切開下陽圧換気(TPPV)に係る死亡事例の分析
(https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen-07.pdf)
【リスクの認識】
意識があり自発呼吸のある呼吸不全患者に NPPV/TPPV 療法を選択することは、マスクと回路の接続外れなどにより致命的な状況に陥るリスクが伴うことを認識する。さらに、一般・療養病棟で管理する場合にはそのリスクが高まる。
【観 察】
人工呼吸器装着中の患者の観察においては、人工呼吸器の作動確認に併せて呼吸状態の観察(胸郭の動き、呼吸音、SpO2 など)を行う。さらに、異常を早期に察知するため、パルスオキシメータなどによるモニタリングを行い、アラーム機能を活用した観察を行う。
【緊急対応】
緊急時は直ちに用手換気に切り替える。NPPV/TPPV 使用中の患者のベッドサイドには、バッグバルブマスクと酸素流量計を常備する。
【教 育】
NPPV/TPPV に関するマニュアルの整備や周知による基本的な技術の習得に加え、リスクの予測や緊急時の対応など、実践力の維持・向上に向けた教育体制を整備する。
【安全管理体制と機器管理】
人工呼吸管理を安全に行うための多職種連携を推進する。可能であればチームを設置し、人工呼吸器の使用状況を定期的に確認する。さらに、問題点を共有し迅速に対応する。
専門分析部会・再発防止委員会/医療事故調査・支援センター 2019 年 2 月