⮚ 2社では、デフォルトでは、請求情報が掲載された時の通知はされず、電子メールで通知(無料)を受けるためには申 込みが必要である。これに対して1社では、デフォルトでも掲載された時にSMSにより通知がある(※)。
書面等調査の主な結果
平成29年2月
書面等調査の調査方法
• 契約前の説明、書面交付、代理店指導等措置などの消費者保護ルールに関連する業務の運用方法について、総務省から各調査対象事業者に質問を送付し、書面回答を収集。
• 実際に使用されている説明書面や契約書面も収集。
• 全ての調査対象事業者から全ての該当項目について回答があった。
• 全ての調査対象事業者について、書面回答内容に基づき法令遵守状況の確認を実施。
• 本年度の優先調査対象であるMNOサービス及び光ファイバーサービスについては、詳細な対面ヒアリングも実施。
• 調査対象事業者数
MNOサービス・・・・・・・・・・・・・・・3社(※1)光ファイバーサービス・・・・・・・・・18社 MVNOサービス・・・・・・・・・・・・・15社(※1)ケーブルテレビインターネット・・・・27社
分離型ISP・・・・・・・・・・・・・・・・・・7社
合計 53社(※2)
※1:全国展開しているMNO4社のうち最も小規模な1社は、その規模、販売実態等に鑑み、便宜上MVNOに係る結果の中で記載することとした。
※2:サービス種類間で重複があるため単純合計とはならない
• 本資料による主な結果の報告後も、必要な調査を継続していくこととする。
MNOサービス
• 【優】は、優良事例として他の電気通信事業者においても取組が期待される事項
• ⇒太字下線は、既に対応している事業者を除き、各電気通信事業者による改善・検討が求められると考えられる事項
• 文中、「~指摘済み」とある事項については、調査の過程で総務省より指摘し、各社において既に対応済み、又は対応中のものであるが、これらについては第2回モニタリング定期会合(2月3日)後に改めて確認を行うこととしている。
※ 本資料は、現時点で明らかになった範囲での結果を示したものであり、電気通信事業者の業務運用状況について、本資料で指摘していない点が適切である旨を総務省として確認する趣旨ではない。
3
契約前の説明関係
1.説明書面の記載内容
⚫ 説明義務の遵守の観点から各社の説明書面(説明に当たって消費者に交付しなければならない書面)の内容を確認した 結果、料金、解約条件など法定の説明事項は記載されており、法令上の明確な問題は認められなかった。
2.適合性原則に基づく説明の方法(運用の方法)
⚫ 利用者の知識、経験、契約目的に照らし必要な方法及び程度により説明しなければならないとする「適合性原則」の 適正な実施の観点から各社の説明の方針を確認した結果、主に次のとおり、同原則を踏まえた説明を実施しているとの回答を得た。
【全利用者に対して】
・各社とも、契約内容について不明点等はないか再確認する資料を用いて、不明点等があった場合さらに説明。
【高齢者に対して】
・各社とも、65歳以上を高齢者と定義。
・各社とも、契約内容のほか、端末操作を含めて、不明点はないか等の追加確認を専用資料で実施。
・事業者によって、紙での契約書面交付、複数契約の場合の電話での契約意思確認、判断力が著しく低下した利用者への追加端末等の販売勧誘自粛、追加端末・オプション等は必要である旨を確認した上で勧奨等。
【障がい者に対して】
・各社とも、筆談や手話での説明に対応している店舗を紹介する等の応対を実施。障がい者該当性は申告による。
【未xx者に対して】
・各社とも、親権者の同意を求めるとともに、フィルタリングについての説明する等の応対を実施。
・事業者によっては、親権者の同伴や親権者の再度の意思確認も実施。
【リテラシーの高い利用者に対して】
・各社とも、リテラシーの状況に応じた口頭説明省略の可否の基準はないとのことであった。
・各社とも、リテラシーが高い等の利用者の状況について記録することとはしていない。
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性について、事業者・行政ともに、継続的に注視していくことが適切である。
3.料金等の説明
⚫ 本調査では、料金等の電気通信役務の提供条件の概要について消費者の理解を形成するという説明義務の趣 旨に鑑み、説明の分かりやすさ(分かりやすい点とそうでない点)という観点からも、各事業者の通信料金等に関す る説明の運用方針を確認したところ、主に、総支払額と解約時に生じる諸費用に関する説明について次のとおり課題が明らかとなった。
(1)総支払額に関する説明
⮚ 今回の調査において、オプション・端末を含めた総支払額の説明の方法について各社に回答を求めたところ、いずれも、個々の料金プランや個々のオプション・端末契約の料金額は説明し交付しているが、総支払額(初期費用及び毎月等の支払いのそれぞれの合計金額)の見込みについては、説明書面等で必ずしも示さず、又は交付 していないということであった。
※1社では、総額及び内訳を一定程度タブレット端末で示した上で説明しているが、必ずしもその内容を交付することまではなく、またタブレット端末が配備されていない店舗も存在する。1社では、総合カタログや契約書面の様式に記載された各金額をもとに総額の見込みをその場で計算し示すこととしているが必ずしもその内容を交付していない。1社では、総合カタログやタブレット
端末などのツールを利用して総額・内訳の見込みを示すことが一定程度可能であるが、利用者から要望がない場合には必ずしも示すこととなっていない。なお、こうした説明の方法は、法令上明確な問題になるものではない。
⮚ 苦情等傾向分析の中間結果では、MNOサービスの苦情等の最大の発生要因として、「通信料金・割引の説明不足」が示されている。その内訳を苦情相談の項目・観点で見ると、主に、料金が高額過ぎる、料金支払いに当 たって不明点がある等の申告となって顕在化しているものが多く、したがって、説明を受けて相談者が想定した総 支払額と、実際の総支払額の間に乖離が生じている事例が多いのではないかと推測される。
⮚ また、第2の発生要因として「その他誤案内・案内不足一般」が挙げられているが、これは、通信料金と併せて請求されるオプションの料金についての認識不足を要因とすると考えられる事例を一定数含むものである。
⮚ 事業者として個々の料金プラン等については適正に説明を実施したと考えている場合でも、同時に契約したサービス・商品全体の複雑性等により、全体の総額等への利用者の実際の理解形成が不十分に終わり、事業者と利用者の認識の間に不一致が生じているケースが多々あるのではないか。
⇒ 総支払額(合計金額)の見込みも明示し、これを記載した説明書面等を交付する運用を基本とするよう 検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
(2)解約時に生じる諸費用に関する説明
⮚ 違約金等、解約時の費用の説明方法について調査したところ、各社とも、個々の料金プランや端末契約ごとに
解約時の費用額を説明しているため、それらに関する記載が分散しており、説明書面等においてまとめて示すことは通常ないとの回答であった。
⮚ また、解約時の月額基本料金が日割り計算されず解約月の一月分金額が請求されていることが多いが(定額計算)、これについても、解約に関する事項としては、明確には説明していない(※)との回答であった。
※本調査を受け明確に記載することとした2社と、口頭説明はすることとしているが説明時に必ずしも用いない資料において記載している1社がある。
⮚ 苦情等傾向分析の中間結果では、「通信契約の解約条件等の説明不足」が第5位の発生要因となっている。
⇒ 解約時に請求される諸費用の見込みを一括して明示し、
これを記載した説明書面等を交付する運用を基本とするよう検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
(3)料金プラン選択に当たっての説明
⚫ 各社から、料金プランの選択に当たっては、それぞれ次のとおり、適正に説明をしている旨の回答があった。
• 原則として総合カタログやタブレットを使って各種料金プランを紹介
• 特定の料金プランがお得であるかのような勧め方はせず、できる限り利用実態等を踏まえて勧めるよう指導
• 事業者としてお勧めする料金プランを推奨(※)するものの、現場ではその内容を明確に説明し利用実態等に合わない場合は推奨をやめるよう指導
※事例として、大容量のデータ消費が可能な料金プランをタブレット画面により推奨しているとの回答があった。
⮚ また、例えば利用形態に応じたデータ消費量の目安については、各社とも、必要に応じ、カタログ又は口頭で説明がされている。データ消費量の目安を算出できるシミュレーターを用意している事業者もある。
⚫ さらに、『「期間拘束・自動更新付契約」に係る論点とその解決に向けた方向性』(平成27年7月6日利用者視点からのサービス検証タスクフォース)では、期間拘束のないプランについて十分な説明・・・を行うこと等により、利用者のプラン選択が実質的に機能するものとする必要がある、とされている。
⚫ これも踏まえ、①従来型の期間拘束・自動更新付の料金プラン、②当初2年間の期間拘束の後は拘束されない料金プラン、及び③当初から期間拘束のない料金プランの紹介及び推奨の方法について確認した。
⮚ 事業者によって、これら3種類の料金プランを同等の扱いでカタログ等(※)に表示しているケースもあれば、②及び
③よりも①を重点的に表示しているケースもある。 ※カタログや接客用のタブレット端末
(ただしいずれの事業者でも、料金プラン選択に当たりカタログ等が必ず使用されるわけではない)
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性について、事業者・行政ともに、継続的に注視していくことが適切である。
※ なお、本年1月10日に消費者保護ガイドラインが改正され、利用実態等に応じた料金プランを選択できるよう適切に説明すべきであることが明確化されたことに留意(2月1日から適用開始)。
4.端末及びオプションの説明
7
⚫ 説明義務及び代理店指導等措置義務との関連で、通信の料金等と並んで消費者の理解が重要と考えられる端末・オプションの内容に関する説明の方針についても確認した。
(1)端末関係
⮚ 各社とも、契約書面同様の様式を使用して端末の代金や端末の購入方法(割賦か一括か等)などの説明を実施している。
⮚ 加えて、タブレット端末の見積もり画面も用いるとする回答が2社からあったほか、1社から追加の端末契約に伴い通信料金が生じる旨を説明すること及び「無料」等の誤認を与える表現をしないことについてマニュアルに明記しているとの回答、1社から端末がニーズに合ったものか利用者に必ず尋ねることとしているという回答があった。
(2)オプション関係
⮚ 2社では、加入予定のオプション一覧を契約書面の様式で示して説明し確認する運用としている。
1社では、別途のチラシやツール等を用いて説明する運用としている。
⮚ 2社からは、オプション加入が任意である旨を説明していると回答があり、そのうち1社からは、オプションの加入が必要と誤認させる説明が不適切である旨をマニュアルで強調しているとの回答もあった。他1社は、内容・料金を説明した上で加入意思を確認しているとの回答であった。
⮚ 契約後1ヶ月等の当初は無料でその後自動で有料に移行するオプションサービスについては、1社では一部につい て無料期間が終了する直前に改めて通知している(※1)。他2社はそのような通知を実施していない(※2)。
※1 販売時に積極勧奨するコンテンツ系オプションサービスについて課金開始の数日前に通知している。
※2 うち1社では契約後1週間程度で他の事項と併せて無料期間について通知している。
通知を実施していない他1社は、契約書面において無料期間の具体的な終了日を記載している。
⮚ 代理店独自オプションについては、各社とも、代理店において提供元の名称を含め料金等を記載した書面を作成し交付するよう、指導しているとのことであった。
⮚ MNOサービスの苦情等の発生要因で第2位となっている「その他誤案内・案内不足一般」の内訳では、オプションサービスに関する内容も一定数を占めている。
⇒ 当初無料期間が設定されているオプションサービスについて、無料期間の終了を適切なタイミングで知らせるための事前通知を行う運用を基本とするよう検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性について、事業者・行政ともに、継続的に注視していくことが適切である。
5.料金請求に関する情報提供の方法
⚫ 契約前(契約時)だけでなく、契約後(利用中)には、どのように料金等に関する情報提供がされているかという観点等から、毎月の料金支払額及びその内訳(以下「請求情報」という。)について、デフォルトで通知がされるかなど
情報提供方法の実態について確認した。
⮚ 各社とも、デフォルトでは、利用者向けのウェブサイトに請求情報が掲載される。
⮚ 各社とも、紙で請求情報に関する通知を受けるためには、申込みと費用負担(税抜50円~200円)が必要である。
⮚ 2社では、デフォルトでは、請求情報が掲載された時の通知はされず、電子メールで通知(無料)を受けるためには申 込みが必要である。これに対して1社では、デフォルトでも掲載された時にSMSにより通知がある(※)。
※デフォルトでは本文に金額は含まれず、本文に記載されているURLで誘導される利用者個人ページに掲載。
⮚ デフォルトでは通知がない理由として、毎月の電子メール等が煩わしいという消費者の声を挙げる事業者もあった。しかしながら、デフォルトで一切の通知がないこうした2社では、通知がないこと及び申し込めば無料での電子メール通知が受けられることについての説明や確認は、契約前に必ずしも行われていない。そのため、通知がされないことにより、具体的金額を知らない間に毎月の支払いを行う場合も多くなっているのではないかと考えられる。
⇒ 電子メール(SMSを含む)での利用者への連絡が可能な場合は(※1)、デフォルトで(利用者が不要としない限り)、 請求額が確定した時に利用者に電子メールでの通知を行う運用を基本とするよう検討すべき(※2)(※3) 。
※1:電子メールの連絡が不可能である場合には、少なくとも、書面により通知を受けるという選択肢について、契約時の説明その他の機会を捉えて利用者に周知することが適切と考えられる。
※2:検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
※3:デフォルトで書面により通知している場合まで行うべきとする趣旨ではない。
6.自動更新時の事前通知
⚫ いわゆる「2年縛り」等の期間拘束契約が自動更新される際の事前の通知については、各社の通知の文面等を確認した結果、法令上の明確な問題点は認められなかった。
7.説明時間・接客時間
⚫ 説明義務を充実・強化し書面交付義務等を導入した昨年5月施行の法令改正に伴い、携帯電話販売店舗で契約 内容の説明時間を含む契約手続きに要する時間(接客時間)が長くなり、待ち時間も増大しているという指摘がある。これに関し、以下のとおり取組状況等の回答があった。
⮚ この観点から、各事業者に対して、接客時間や説明時間を計測しているかどうかを質問したところ、計測していないとする事業者と、一部店舗で実測し、又は模擬接客を行い計測しているとする事業者の双方があった。
⮚ 計測している事業者からは、法令改正の施行後、平均して10分程度接客時間が増大したとの回答があったほか、交付する書面枚数が増加したため印刷や交付前の確認に時間を多く要するようになったとの回答があった。
⮚ そこで、時間短縮のために取り組んでいる内容を問うたところ、事業者により、次のような回答があった。
① 【優】待ち時間を活用して法定説明事項の一部を含む内容を動画により事前説明(NTTドコモ)
(11月末より全ドコモショップで開始)
② 待ち時間を活用してスタッフにより希望内容の事前ヒアリング
③ ウェブサイトにおいて、来店予約あるいは端末の予約と併せて契約予定の料金プラン等を事前登録
8.その他、顧客対応等
⮚ 上記のほか、消費者の理解や感じ方を改善し、手続きを容易化するという観点から、事業者個々の取組がみられた。
⮚ 例えば、販売員向けの説明動画を作成・利用して販売員の理解促進と説明能力の均一化を図るという取組、
新規の契約申込み後にサンキューレターを送付し契約内容の確認を促す取組、応対ロールプレイング及び説明トークのモニタリングを行う取組、利用者の要望に応じ様々な追加的ツール(Webの故障受付画面等)を用いる取組等の回答があった。
1.契約書面での記載の状況
⚫ 書面交付義務の遵守の観点から各社の契約書面の内容を確認した結果、料金、解約条件、有料オプションサービス、複雑な割引の図示など法定の記載事項は網羅されており、記載事項については法令上の明確な問題は認められな かった。
⚫ しかしながら、法令上の要請である契約内容を明らかにするという観点から消費者保護ガイドラインにより実施が求め
られている「一覧性の確保」(※)等については、次のとおり、1社において、同ガイドラインの記載に必ずしも適合しな い事例がみられた。
(※主要内容について、料金、オプションサービス等、同一・類似の事項を表形式でそれぞれ1カ所にまとめて記載等)
⮚ 全ての有料オプションサービスに関する料金等の記載が単なる文章となっており表形式になっていない。
⇒ 当該事業者においては、速やかに改善に向けた作業を開始するべき。
⮚ 複雑な割引の図示について、縦棒グラフ形式になっていないため、時間の経過に伴い支払総額が上下することがイメージ化されていない。
2.電子交付の運用状況
⚫ 書面交付義務では、紙での交付に代えてウェブサイト、電子メール、URL又は電子記録媒体での交付(電子交付)をしようとするときは、法定の方法に則り利用者の明示的な承諾を得ることとされている。この点について、事業者により、不適切な例と優れていると考えられる例の両方がみられ取組に差があることが明らかとなった。
⮚ 不適切な例は、承諾取得の際に利用者に示すべき内容に不備があったものであり、当該事業者に指摘済みである。
※承諾の取得の際にはあらかじめ電子交付方法の種類及び内容を示す義務があるが、適切に提示する運用方法となっていなかった。
⮚ 【優】他方で、電子交付・紙交付の選択肢に加えて、紙での交付を受けたいが交付枚数が多くなるという懸念も想定 して、電子交付の承諾を取得し詳細な内容は電子交付しつつも、料金等の重要項目に特化した2枚程度の簡易な書面(「簡易帳票」)の交付を受けられるという選択肢を自主的に導入した事業者がある。(ソフトバンク)
⮚ なお、承諾の取得の際の口頭での説明の方針を問うたところ、各社とも、紙による交付と電子交付の両方の手段があることを説明するという回答であり、電子交付を殊更に推奨することはないとのことであった。また、電子交付がされた後であっても紙での再交付の要望がされた場合は、各社とも紙交付を行うとのことであった(ただし一定期間経過した場合は応じられない場合あり)。
確認措置について
⚫ 説明義務又は書面交付義務の遵守が不十分な場合に端末も含めて解約できる確認措置の状況については、
制度が有効に機能し、必要な場合に利用者が活用できるものとなっているかという観点等から運用の方法を確認した。
⮚ 2社では、原則として利用者の主張に沿って解約等に応じているとのことであった。
⮚ 1社では、契約時の受付書類を確認した上で対応するとのことであり、利用者の主張と事業者・代理店の主張が異なり解約に至らなかった事例が存在するとのことであった。
⚫ 引き続き状況の確認・検証を実施していくこととする。
⚫ 代理店指導等措置義務では、電気通信事業者は、代理店に対し、契約の締結等の媒介等を行う代理店業務の
手順等に関する文書(以下「手順等文書」という。)の作成、代理店職員等に対する研修等の実施、監督措置の実施などの措置を講じなければならないことが定められている。これについて、媒介等業務が適切に行われることとなって
いるかという観点等から運用方法を確認したところ、下記のとおり、各社から、一定の措置を講じている旨の回答を得た。
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性については、事業者・行政ともに、継続的に注視することが適切である。
1.手順等文書の状況
⚫ 各社の手順等文書の概要について確認したところ、次のとおりであった。
⮚ 構成としては、改正関係で数十ページの独立した内容を設けている事業者が2社、契約手続き、販売されている端末の機能など他の内容と区別せず数千ページに及ぶ全体マニュアルの中に改正関係の記載を混在させている事業者が
1社あった。
⮚ 更新の頻度としては、9月までで数十回あったとする事業者があった一方で、必ずしも手順等文書に限られないが
代理店向け周知事項について数百回の更新を実施したとする事業者、運用変更・サービスリリース等の都度更新しており具体的頻度は把握していないとする事業者もあった。
2.研修の方法
⮚ 2社では、販売員が最初から全てを読むことは求められず必要に応じて参照することが想定されているが、他1社では、業務に従事し始める前に習熟のため参照することが求められているとのことであった。
⚫ 媒介等業務に従事する代理店職員等に対する研修の方法について確認したところ、次のとおりであった。
⮚ 各社とも、接客業務に従事し始める前の新人研修を必須としている。研修方法は、2社が座学(うち1社は専門の研修センターで実施)、1社がe-ラーニングである。
⮚ 新人研修以外の研修の方法は、各事業者ごとに異なり、年2回e-ラーニングによるコンプライアンス研修を実施、新キャンペーンの開始時など必要に応じe-ラーニングを実施、必要に応じ研修センターで実施との回答があった。
⮚ 2社からは、動画も用意しているとの回答があった。
⮚ 【優】1社では、接客用タブレット端末に販売員がログインする際にテストを受けることを必須としている。
(「毎日テスト」)(ソフトバンク)
⮚ 各社とも、ウェブやe-ラーニングによりいつでも任意に受講できる研修内容を用意しているとのことであった。
⮚ 電気通信事業法改正については、特に研修項目を設けたという回答が2社からあった。うち1社は、上述の動画配信により実施したとのことであった。
3.不実告知等禁止・勧誘継続行為禁止の遵守の方法
⚫ 不実告知等の禁止及び勧誘継続行為禁止の規定の遵守の確保という観点から、電気通信事業者が代理店への指導等を通じてこれらの規定が販売現場で遵守されるよう、具体的にどのような措置を講じているかについて確認したところ、手順等文書での指導のほか、次のとおり回答があった。
(1)不実告知等の禁止
⮚ 代理店との委託契約の中で遵守を明記
⮚ 「間違えやすい・勘違いしやすい事例」について週次で情報提供を実施
⮚ 間違った説明をしてしまった場合の対応(契約取消しを求められた場合を含む)についてマニュアルに記載
⮚ 違反時のペナルティ、違反が確認された事例の指導及び全社共有等
(2)勧誘継続行為の禁止
⮚ 各社とも、電話又はダイレクトメールによる勧誘(行われている場合)について、拒否の申告があった場合はリストに登録し全代理店からのそうした勧誘を停止
⮚ 店頭での勧誘拒否の申告への対応については、各事業者ごとに、マニュアル・研修による教育の実施、各店舗の責任者が取りまとめ必要に応じ他部門と共有、サービス等を提案する際にあらかじめ同意を求める等の取組がされている。
4.監督措置の実施の方法
⚫ 代理店指導等措置義務では、媒介等業務が的確に遂行されているかを検証し、必要に応じ改善させる等の必要かつ適切な監督等が行われるための措置(監督措置)を電気通信事業者が講じなければならないとされている。これについて、各社の実施の方法を確認したところ、次のとおりであった。
⮚ ①営業部門による現場訪問において検証を行う方法、②監査部門による定期監査において検証を行う方法及び③顧客対応を行う部門により検証を行う方法の3種類がみられた。
⮚ 1社は①を採用し、1社は①及び②を採用し、1社は①~③全てを採用しているとのことであった。
⮚ なお、量販店については、少なくとも一部について、電気通信事業者から直接の検証を実施せずに、検証項目を指導の上で代理店に実施させているとする回答が2社からあった。他方、1社では、キャリアショップと検証方法に変わりはない。
苦情・問合せの受付等の方法
⚫ 電気通信事業者は、電気通信役務又はその業務方法についての苦情及び問合せを適切かつ迅速に処理しなければならないとされている(苦情等処理義務)。その遵守状況及びどの程度適正かつ迅速に利用者からの苦情等を受け付けることができるかという観点等から、苦情・問合せの受付等の方法について確認した。
(1)電話による受付
⮚ 電話による苦情等の受付について、応答状況を計測・調査しているかという点を問うたところ、各社ともいわゆる応答率を記録しており、かつ、内容についても集計し把握する仕組みを持つとのことであった。
⮚ また、各社により、必要に応じ録音内容を確認し個別の二次対応を行う、週報として内容をまとめ経営幹部に報告する、オペレーターの専門性を高め効率の高い運営を行うなどの取組が実施されている。
⮚ オペレーターによる肉声対応がされるまでにメニューを選択するボタン操作を複数回行う必要があるという点について現状を確認したところ、オペレーター対応に行き着くまでに、最大4回概ね3回の選択及び最大7種類の選択肢がある事業者、最大2回概ね2回の選択及び最大8種類の選択肢がある事業者、並びに最大2回概ね2回の選択及び最大5種類の選択肢がある事業者という状況であった。ただし、最も回数・種類の多い冒頭の事業者については、FTTHサービスも併せて1つの電話番号で受け付けているため、その分の利便性は高くなっていると考えられる。
(2)苦情等を受けた業務改善
⮚ 電話以外により受け付けた苦情等も含めて、利用者からの苦情等をどのように業務改善に活かしているかという点を確認したところ、各社ごとに、次のとおりであった。
⚫ 苦情を含めた年間約500万件のお客様の声(意見・要望等)をデータベース化し全社員が閲覧可能なように措置。改善事例はウェブサイトでも公表
⚫ 分類し営業担当に共有するとともに週報として内容をまとめ経営幹部に報告。消費生活センター等からの案件は直ちに社内共有するとともに対応完了まで確認した上で報告書作成
⚫ 分析を行い、説明ツールの見直し、eラーニング等研修への反映、代理店への指導等を実施
⮚ なお、コールセンターでの対応が発生元となる苦情等が相当程度存在し、その内訳を発生要因でみると、
(主に事業者に対する)意見・要望が最も多くを占めるため、利用者がコールセンターの説明に納得しない事例 が一定数あるのではないかと考えられる。
⚫ 利用者からの電話等による苦情等の内容を受けて適切に業務改善を行うことの継続が重要と考えられる。
15
MNOサービス(再掲)
1.改善・検討事項
① 総支払額の明示・交付
⇒ (料金プラン・オプション等の金額を個々に説明するだけでなく、)総支払額(合計金額)の見込みも明示し、これを記載した説明書面等を交付する運用を基本とするよう検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
② 解約時の諸費用の一括での明示・交付
⇒ 解約時に請求される諸費用の見込みを一括して明示し、これを記載した説明書面等を交付する運用を基本とするよう検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
③ オプションサービスの無料期間終了前の通知
⇒ 当初無料期間が設定されているオプションサービスについて、無料期間の終了を適切なタイミングで知らせるための事前通知を行う運用を基本とするよう検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
改善・検討事項(続き)
16
④ 料金の請求情報に関する通知
⇒ 電子メール(SMSを含む)での利用者への連絡が可能な場合は(※1)、デフォルトで(利用者が不要としない限り)、請求額が確定した時に利用者に電子メールでの通知を行う運用を基本とするよう検討すべき。
(※2)(※3)
※1:電子メールの連絡が不可能である場合には、少なくとも、書面により通知を受けるという選択肢について、契約時の説明その他の機会を捉えて利用者に周知することが適切と考えられる。
※2:検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
※3:デフォルトで書面により通知している場合まで行うべきとする趣旨ではない。
⑤ 契約書面の記載
⇒ (オプションサービスの一覧性が確保されていないなど)契約書面の記載が必ずしもガイドラインに適合しないとされた事業者においては、速やかに改善に向けた作業を開始するべき。
2.優良事例
① 待ち時間を活用して法定説明事項の一部を含む内容を動画により事前説明(昨年11月より開始)(NTTドコモ)
② 契約書面の電子提供を選択した利用者に、理解を助けるため、簡易な帳票(料金等の重要項目に特化して記入した
2枚程度のもの)を併せて交付 (ソフトバンク)
③ 電気通信事業者による代理店職員等の研修の一環として、販売員が毎日接客用タブレットにログインする際にテストを受けることを必須としている (ソフトバンク)
FTTHサービス
• 【優】は、優良事例として他の電気通信事業者においても取組が期待される事項
⇒太字下線
• は、既に対応している事業者を除き、各電気通信事業者による改善・検討が求められると考えられる事項
• 文中、「~指摘済み」とある事項については、調査の過程で総務省より指摘し、各社において既に対応済み、又は対応中のものであるが、これらについては第2回モニタリング定期会合(2月3日)後に改めて確認を行うこととしている。
※ 本資料は、現時点で明らかになった範囲での結果を示したものであり、電気通信事業者の業務運用状況について、本資料で指摘していない点が適切である旨を総務省として確認する趣旨ではない。
18
契約前の説明関係
1.説明書面の記載内容
⚫ 説明義務の遵守の観点から各社の説明書面(説明に当たって消費者に交付しなければならない書面)の内容を確認した結果、料金、 解約条件など法定の説明事項は記載されており、この点、法令上の明確な問題は認められなかった。
2.適合性原則に基づく説明の方法(運用の方法)
⚫ 利用者の知識、経験、契約目的に照らし必要な方法及び程度により説明しなければならないとする「適合性原則」の適正な 実施の観点から各社の説明の方針を確認した結果、主に次のとおり、同原則を踏まえた説明を実施していると回答。
【利用者一般に対して】
・ 各社とも、属性把握に努め、必要に応じて、繰り返し説明を行う、難しい専門用語の使用を避ける、ゆっくり喋る、質問がないか確認するなど丁寧な対応を実施。
⮚ 【優】1社(NTTコミュニケーションズ)において、利用者との対応における特記事項について履歴を残し、再度の対応においては、当該履歴を基に個々の利用者に合わせた対応を実施。
【高齢者に対して】
・ 調査を実施した18社中、12社においては、65歳から80歳の間で基準を設定、6社については、年齢基準ではなく利用者とのやりとりや所作から判断することとし対応。
・ 年齢基準の有無に関わらず、高齢者と判明した場合は、丁寧な説明や意思確認を重ねるなど慎重な手続を実施。
・ 電話勧誘を行う各社では、電話口での年齢確認のほか、年齢が不詳の場合は応答状況により該当性を判断。なお、高齢者と判明、判断した場合は、意思確認を重ねる、家族への確認を実施。
【障がい者に対して】
・ 店舗販売を行う各社では、障がい者該当性を本人申告や対応状況等により把握し、筆談や手話による説明や丁寧な説明、家族の同席の上で説明といった取組を実施。
・ 電話勧誘を行う各社では、応答状況により該当性を判断し、丁寧な説明や家族への確認を実施。
【未成年者に対して】
・ 未成年からの申込を受け付けている各社とも、親権者の同意を求める対応を実施。
【リテラシーの高い利用者に対して】
・ 多くの事業者が本人申告に基づき、説明の省略、最小限の説明に留める対応を実施。
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性について、事業者・行政ともに、継続的に注視していくことが適切である。
3.料金等の説明
(1) 総支払額に関する説明
⚫ 各社とも、個々の通信料金その他の経費に係る説明は実施していると回答。一方で、初期費用含めた請求開始時の総支払額、オプションサービスの料金等やキャンペーン適用を含めた毎月等の総支払額の見込みについては、説明書面等で 必ずしも示さず、又は交付していないと回答。
・ 店舗や訪問販売においては、パンフレット等を見せつつ、手書きで総額を書き込み手交することもあるが、必ずしもそのような対応が取れられる仕組みとなっているものではない。また、電話販売においては、総額を口頭で伝えるよう代理店を指導等している事業者が5社確認出来たが、その他の事業者は、電話口で個別の料金等を説明しているものの、総支払額については必ずしも説明しておらず、また、説明書面等でも総支払総額の記載は行っていない。なお、工事費については、現地の工事次第で費用が変動する場合がある。
・ 店頭や訪問販売においては、タブレット端末上の、また、パンフレット等に掲載の料金シミュレーターを用いて想定支払額を説明する取組があり、現状、初期費用やオプションの料金、キャンペーン適用までを必ずしも網羅しているものではないものの、総支払額の理解形成を図る取組の一つとしては有効と考えられる。シミュレーターの導入や精緻化、利用の普及、といった更なる取組が期待される。
⮚ FTTHサービスの苦情等を発生要因で見ると、「通信料金・割引の説明不足」は主要な要因の1つ。
⇒ 総支払額(合計金額)の見込みも明示し、これを記載した説明書面等を交付する運用を基本とするよう検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
(2) 契約解除に関する説明等
⚫ 契約解除の連絡や方法、条件等については、基本説明事項として契約の締結などに当たり説明が必要であるほか、説明書面への記載が必要であるが、各事業者とも契約解除の方法や違約金等については説明を行い、また説明書面にはそれ らを記載。
⮚ 苦情等傾向分析の中間報告におけるFTTHサービスの苦情等を発生要因で見ると、「通信契約の解約条件等の説明不足」は一定数を占めている。
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性について、事業者・行政ともに、継続的に注視していくことが適切である。
4.その他の説明事項等
(1) 品質に関する説明
⚫ ベストエフォート型サービスについては、規格上の最高伝送速度(規格値)の説明とともに、規格値にかかわらず伝送速度が低下することがある旨など、その品質に係る制限事項を説明する義務があるが、各社ともその旨を説明。
⮚ 転用の場合、転用元サービスの規格値は、利用者がその変更を希望しない場合、そのまま引き継がれるが、各社とも規格値が引き継がれる旨は説明。
(2) オプションサービス(代理店独自のものを含む)の説明
⮚ 各事業者に確認したところ、
・ FTTHサービスのオプションとしては、光IP電話やテレビサービスの勧誘がなされることが多く、勧誘に関心を示した利用者に対しては、サービス内容や料金等提供条件の概要を説明した上で契約意思を踏まえた対応を実施。
・ また、FTTHサービスを転用により契約する場合であって転用前から光IP電話やテレビサービスを契約している場合は、回線の転用と併せてこれらのサービスも転用することをデフォルトとしているケースがあった。なお、その旨を利用者に説明して手続を実施。
・ FTTHサービスの勧誘に合わせて、代理店が独自のオプションサービスを勧誘する場合もあるが、各事業者は、代理店において当該オプションサービスの提供元の名称や料金等を記載する書面を作成し交付するよう指導を実施。
⮚ オプションサービスに係る苦情の一つとしては、身に覚えのないオプションサービスに契約させられていたというものが寄せられている。
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性について、事業者・行政ともに、継続的に注視していくことが適切である。
5.料金請求に関する情報提供の方法
⮚ 契約後(利用中)の料金等に関する情報提供については、各社は、デフォルトの設定で利用者向けのウェブサイトに請求情報を掲載。請求情報が掲載された時の通知は、電子メール又は書面により8社がデフォルトで実施しているが、残る10社はデフォルトでの通知を実施せず。
⇒ 電子メール(SMSを含む)での利用者への連絡が可能な場合は(※1)、デフォルトで(利用者が不要としない限り)、請 求額が確定した時に利用者に電子メールでの通知を行う運用を基本とするよう検討すべき(※2)(※3)。
※1:電子メールの連絡が不可能である場合には、少なくとも、書面により通知を受けるという選択肢について、契約時の説明その他の機会を捉えて利用者に周知することが適切と考えられる。
※2:検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
※3:デフォルトで書面により通知している場合まで行うべきとする趣旨ではない。
6.自動更新時の事前通知
⚫ FTTHサービスは、昨年11月から、自動更新に該当する更新契約について、自動更新される際の事前通知が義務づけられている。
⮚ 事前通知の実施状況について各社に確認したところ、以下のとおり、一部において、法令又は消費者保護ガイドラインに適合しない運用方法となっていたことが判明。
・ 自動更新時の事前通知は、利用者への説明義務の一環であるので、書面送付又はSMSを含む電子メール等の利用者への
(プッシュ型の)通知により行わなければならないとされているが、 1社は、自社ウェブサイト上の利用者ページに自動更新が 行われる旨を掲載することで通知に足りるとの解釈での運用方法となっていた。(当該事業者に指摘済み)
7.転用に係る不利益の説明
⚫ 消費者保護ガイドラインにおいては、利用者がFTTHサービスの事業者を「転用」により乗り換えた場合、その直後に初期契約解除を行い、乗換え元のサービスに復帰を求めることが想定されるため、乗換え先事業者は、説明義務の履行に当たり、電話番号が変わる可能性があることや復帰に時間がかかる等、予想される不利益の内容を説明することが望ましいとされている。
⮚ その点、
・ 光卸サービスを転用により提供する各社(9社)においては、契約書面等で、各社、「転用前サービスに復帰するには新規の 契約になる」あるいは「復帰出来ない恐れがある」と記載し、また、
・ 6社は「電話番号変更の可能性」を、
・ 4社は「工事(費用)発生の可能性」を、
・ 2社は「復帰の手続は利用者が行う」ことを、
・ 2社は「復帰に時間がかかる可能性がある」ことを記載し、
・ 説明においては、「復帰するには新規の契約となる」、「復帰出来ない」、「資料をご覧下さい」などと案内している。
⮚ 一方、実態面を確認すると、利用者からの復帰を希望する個別の申出に対応し、対応可能なものは復帰が行われケースもあ り、更に、電話番号も変更にならず復帰となることもあると回答が見られた。
⮚ 「転用」によりサービスを乗り換えたが、種々の事情により乗換え元サービスへの復帰を希望したところ、「電話番号が変更に なってしまう」 、「復帰に費用(工事費等)がかかる」といった事態になってしまったという苦情が見られる。苦情・相談の項目・観点における「解約の条件・方法」の割合は高く(第2位)、転用に伴う契約解除の苦情は多く発生していると考えられる。
⇒ 「転用」による事業者の乗換えに係る説明においては、元サービスへの復帰に際して、「電話番号が変更となる」、
「費用がかかる」といった不利益が発生する可能性があることを、利用者に適切に伝えるよう検討すべき。
その際、「転用」が光卸サービスにおける各社共通の仕組みであることから、業界全体として、利用者への説明の 在り方を検討するなどの取組を進めるべき。
⇒ 「NTT東西のFTTHアクセスサービス等の卸電気通信役務に係る電気通信事業法の適用に関するガイドライン」
(平成28年5月改定)で卸元の事業者から卸先の事業者に対し消費者保護の充実等の観点から当該ガイドライン の周知等を行うとされていることや、消費者保護の充実の観点を踏まえ、業界・光卸サービス提供事業者はもちろんのこと、NTT東西においても上記取組に必要な協力・連携をしていくことが重要。
8.電話勧誘における説明
(1) 電話による説明の了解等
⚫ 電話勧誘において、説明事項を電話により告げる場合は、それを了解する旨の意思表示が消費者から明示的になされることが求められる。さらに、利用者が説明を受けた内容を確認できるようにするため、電話口での説明の後、遅滞なく、説明書面を交付する必要がある。
⮚ 了解の取得状況について、電話勧誘を実施する各社に確認したところ、1社は、利用者への説明書面の送付後に電話勧誘 を行うケースにおいて、利用者が当該説明書面を読んでいる場合に、そのことのみをもって電話による説明の了解は取得しないという、法令又は消費者保護ガイドラインの記載に必ずしも適合しない運用方法となっていた。(当該事業者に指摘済み。)
⮚ 説明書面の交付は、料金や契約解除の方法等を記載した専用資料や、また、場合により、それに加えて重要事項説明書面やパンフレット等により実施しているとの回答が見られた。
⮚ 【優】1社(Hi-Bit)は、昨年11月から、その代理店が電話勧誘を行うに当たり、まず電話で利用者の関心度合いを見た上で、 関心を持った利用者に対し説明書面を郵送して(又はダウンロードさせて)、日をおいて、再度、説明書面を手元に置いた状態で電話による説明を行うといった手順を実施している。
(2) 契約事業者に関する説明等
⚫ 電話勧誘を行う光卸サービスを提供する各社に対して、電話勧誘時のサービス提供事業者に関する説明状況を確認したところ、利用者に誤認、誤解が生じないよう、提供事業者名を必ず名乗るなど、利用者の誤解を避ける取組を行っているとの 回答。
※ なお、光卸サービスは、NTT東西のFTTHアクセスサービスの「卸売」を受けて提供するため、事業者によっては、勧誘の際、販売経路を問わず「NTT東西の 回線を利用する」といった形でNTT東西の名称を用いて説明する場合があるが、契約先事業者についての誤解を生んでいる可能性があるため、説明の際の留留意点となる。
・ 利用者の誤認、誤解を避けるため、代理店マニュアルにおいて、「提供事業者名を必ず名乗る」、「(転用の場合)提供事業者が変更となることを説明」、「NTT東西と誤認するような説明を禁止」といった規定を設け、適切な勧誘を行うよう代理店指導を行っているとの回答。
⮚ FTTHサービスの苦情等を発生要因で見た場合、「事業者の信用度への不安」、「契約先事業者についての説明不足」が大きな割合を占める。
⮚ FTTHサービスの苦情等を発生チャネルで見た場合、第1位は「電話勧誘」となっているが、電話でのやりとりだけで契約締結にまで至ることがあることを十分に利用者が認識していないとの指摘がある。
⇒ 光卸サービスについては、NTT東西が契約先事業者となるのではなく、光卸サービス提供事業者が契約先事業者 となる旨、また、NTT東西からの連絡であるとの誤解やNTT東西のサービスメニュー変更等との誤解を招かないよう改めて説明を徹底すべき。
※ なお、訪問販売においても同様に対応することが適当(店頭販売も引き続き留意)。
⇒ また、(電話(口頭)で利用者から契約の申込み又は承諾を受ける際は、そもそも一般的に、契約内容が適切に説 明され、かつ、利用者の申込み又は承諾の意思が明確に表示されていることが前提になると考えられるものであるが、) 利用者に対して、電話(口頭)での申込み又は承諾となる旨の説明を徹底すべき。
※ なお、光卸サービスであるかを問わない。
(3) 説明内容の確認
⚫ 電話による勧誘を行う各社においては、契約事業者や料金等費用、契約解除の方法等について説明を行っているとの回答。
⮚ 利用者が説明内容を適切に理解しているかを確認する手段について、電話勧誘を行う各社に確認したところ、事業者又は代理店からの再度の電話により、契約意思と合わせて申込内容の確認(いわゆる「後確認」)を実施。
⮚ 8社は、代理店の電話勧誘による申込について、電気通信事業者自らの後確認により、最終的な契約意思の確認を行っている。各事業者は契約時トラブルの減少に効果があったと評価しているほか、販売現場の実態を踏まえた代理店に対する指導や、代理店に対する研修時の事例としてフィードバックすることが可能となるとも評価。
⮚ FTTHサービスの苦情等について発生チャネルで見ると、「電話勧誘」、「訪問販売」が大きな割合を占め、その要望内容は
「契約解除」が第1位となっている。また、苦情等のうち発生要因として「不十分な契約意思の確認」、「虚偽の案内・断定的 な判断による案内」の項目に分類されているものでそれぞれ見ると、いずれも「電話勧誘・訪問販売」が「その他店舗、コールセンター等」の約2倍高い割合となっている。
⇒ 代理店による電話勧誘により新規の契約(※1)を結ぶ場合は、契約意思を再確認するため、電気通信事業者自らの 責任による後確認の実施を基本とするよう検討すべき。また既に、自らによる後確認を実施している電気通信事業者も改めてこれを徹底すべき(※2)(※3) 。
※1 契約事業者が変更されない場合は除く。
※2 確認内容については、サービス形態や販売実態を踏まえて検討することが適当である。
※3 なお、代理店が行う訪問販売についても、同様に対応することが適当である。
契約書面での記載及び契約書面の交付
⚫ 書面交付義務の遵守の観点から各社の契約書面の内容を確認した結果、10社の書面において、法令や消費者保護ガイドラ インの記載に適合しない部分があることが判明。(当該事業者に指摘済み。)
・不適合の例
① 初期契約解除に係る記載について、例えば、 「書面による解除が可能との記載がない」、「電話による解約方法のみを書面で案内」、「通常の解約時の請求を超えた対価請求額を設定等、対価請求額の記載が不適切」など、記載の不足、不適切な事例が9社の書面にあった。
② 1社において、電子交付の承諾を取得せずに、書面記載事項の一部(初期契約解除の標準的な手続の記載)をウェブサイトのみに記載し、利用者には当該ウェブサイトを案内することで代えていた。
③ 1社において、サービス提供開始の予定時期に関する説明を記載せず。
⚫ 書面の「一覧性の確保」については、表形式を採用する、類似項目をまとめる、書面のサイズを拡大(A3化)し一様にするなどの回答があった。「一体性の確保」については、契約書面以外の別紙を含め一式で交付、重要事項説明書を入れ込んだ冊子形式とするといった取組を行っているとの回答があった。書面の分かりやすさの観点からは、図表の活用、文字の大きさについて、8ポイント化、利用者の閲覧が多い連絡先等の文字のポイントを上げる、書面を多色刷りとする等の取組が行われていた。なお、各社は、利用者からの意見等を受け見直しを行っているとのことであり、今後も分かりやすい書面作りを目指し改善を実施するとのことである。
⚫ 書面の電子交付は4社において実施。
1.解除方法の運用
⚫ 初期契約解除制度は、契約書面の受領日を初日とする8日間が経過するまでの間に、利用者が契約解除を行う旨の書面を発することにより、事業者の合意なく契約解除を行うことができるものであるが、それに加えて、事業者独自の取組について確認したところ以下のとおり。
・ 【優】書面のほか、電話(NTTドコモ)やファクシミリ(ソネット※)による方法も書面に記載し解除申出を受付。
※ソニーネットワークコミュニケーションズ(以下同じ。)
・ 【優】1社(ソフトバンク)においては、契約書面受領日よりサービス提供開始日が遅い場合、後者を起算日とした8日間を初期
契約解除の期間として運用。
・ なお、「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準及びガイドライン(第2版)」(平成27年1月、電気通信サービス向上推進協議会)を踏まえ、多くの事業者において、初期契約解除期間である8日間を経過した場合でも、工事前(又は工事予定確定前等)であれば無償でのキャンセルを実施。
2.初期契約解除に伴う費用負担
⚫ 初期契約解除に伴い利用者に請求できる額に関し、工事費用及び事務手数料の上限を対価請求告示で規定。
⮚ 一部、書面上で対価請求額の記載が上限額を超えるなどの不適正な記載があることが判明したが、実際の運用を確認したところ、関係各社とも、実際の運用においては、工事費用及び事務手数料を対価請求告示で規定された上限額を超えて請求したことはない、又は無償での対応を実施との回答。
・ 【優】1社(ニフティ「@nifty光サービス」 )においては、改正法施行以前からの取組を継続し、工事費用の対価請求額を上限 額である25,000円(一戸建て住宅)に比し半額以下の9,500円に抑えている。
⮚ また、請求できるサービス利用料は、契約解除までに提供されたサービスの対価に相当する額であり、消費者保護ガイドラインでは、定額制のサービス利用料に関し、原則として日割り計算により精算されることが合理的であるとしている。この点、各社に確認したところ、11社が月額利用料の日割り計算で請求。
・ 【優】7社はFTTHサービスの月額利用料の対価請求を行っていない。
(ソネット、NTTコミュニケーションズ、ニフティ、ケイ・オプティコム、九州通信ネットワーク、つなぐネットコミュニケーションズほか1社)
⚫ 代理店指導等措置義務では、電気通信事業者は、代理店に対し、契約の締結等の媒介等を行う代理店業務の手順等に関する文書(以下「手順等文書」という。)の作成、代理店職員等に対する研修等の実施、監督措置の実施などの措置を講じなければならないことが定められている。これについて、媒介等業務が適切に行われることとなっているかという観点等から運用 方法を確認したところ、下記のとおり、各社から、一定の措置を講じている旨の回答を得た。
⚫ 運用の実態・運用方法の実効性については、事業者・行政ともに、継続的に注視することが適切である。
1.手順等文書(マニュアル)の状況
⚫ 特に改正後の電気通信事業法の遵守の確保との関係で媒介等業務が適切に行われることとなっているかという観点等から、各社の手順等文書の概要について確認したところ、電気通信事業法に基づく消費者保護ガイドラインの解説、業務運営、顧客対応上の留意点などを含む内容としているとの回答を得た。また、転用によるFTTHサービスの勧誘を行う電気通信事業 者については、契約先事業者に係る誤認を防ぐトーク上の注意点を含む勧誘方法等について記載していると回答があった。
⮚ 分量は十数ページから百数十ページ、更新は3ヶ月毎や1年毎の定期更新を実施するとの回答があったほか、サービスの追加・変更、販売業務の見直し等を踏まえた随時更新を実施している。
2.電気通信事業者による研修の実施状況
⮚ 販売現場に対する研修は、消費者保護ガイドラインの解説から、事務処理手順や顧客対応、サービス概要の説明などを内容として実施。
⮚ 形式は、代理店関係者を集めた集合研修や電気通信事業者のスタッフが販売店を訪ね研修実施するもの、また、e-ラーニング形式といったもの、更に、これらを組み合わせて数ヶ月毎に実施。
3.不実告知等の禁止及び勧誘継続禁止の遵守状況
⮚ 不実告知等の禁止については、手順等文書において規定し、また、研修において指導を行っていると回答。また、電気通信事業者の問合せ窓口に入る利用者からの苦情や相談を受けて、代理店における電話勧誘時の録音等を確認し、販売現場における勧誘状況を把握。必要に応じて代理店に対する個別指導を実施。
⮚ 勧誘継続禁止については、各社とも、代理店で受け付けたものも含め、勧誘継続を望まない者をデータベース化して、販売現場にフィードバックさせていると回答。
・ フィードバックは、代理店を含む営業現場に共有する、又は、販売代理店が所持する勧誘先リストを電気通信事業者において確認し該当者を除いている。
・ 不実告知等の不適切な勧誘を未然に防止するため、 1社においては、代理店契約を結ぶ場合は、3ヶ月間を仮契約期間として、その間の販売活動の状況をモニタリングし、問題がないことを確認の上、正式な契約とする運用を実施。
4.監督措置の実施の方法
⮚ 監督措置に関し、各社においては、定期的に、また、勧誘トラブルが発生した際には随時に、販売現場での業務状況等について確認を実施。
・ 電話勧誘を行う電気通信事業者においては、代理店を含め、電話勧誘の録音を実施し、監督措置の実施において活用していると回答。
・ 訪問販売においては、契約のキャンセル率により代理店の営業状況を確認し、必要に応じ指導を実施。
・ 自社において勧誘録音システムをクラウドで構築し、本システムを利用する代理店における通話録音を、当該事業者が直接オンラインで確認できるよう措置。
⇒ 電話勧誘に係る苦情割合が高いことを踏まえ、電気通信事業者は、代理店業務の実施状況を定期的に確認するた め、代理店における電話勧誘通話記録の定期的なサンプル調査を実施し、業務改善に活かす仕組みとするよう検討すべき。
5.苦情・問合せの受付等の方法
⮚ 苦情・問合せの受付等の方法について確認したところ、電話による苦情等の受付を実施している。
・ 各社とも、利用者からの問合せについては対応記録を残し、その内容については、集計し分析することにより、苦情の原因や傾向を把握するよう努めている。
・ 集計・分析の結果は、幹部に報告、定期会議で報告、社内関係部署に共有し、業務改善に役立てる。
・ 顧客対応窓口のオペレーターにフィードバックし、また、研修用資料として活用し、顧客対応の向上に役立てる。
・ 応答率を計測し、顧客対応窓口の体制を適正化する取組も見られる。
⚫ なお、コールセンターでの対応が発生元となる苦情等が一定数存在し、その苦情等を発生要因で見ると、「その他誤案内・案内不足一般」が最も高い割合となっている。
⚫ 利用者からの電話等による苦情等の内容を受けて適切に業務改善を行うことの継続が重要と考えられる。
31
FTTHサービス(再掲)
1.改善・検討事項
① 総支払額の明示・交付
⇒ 総支払額(合計金額)の見込みも明示し、これを記載した説明書面等を交付する運用を基本とするよう検討すべき。
※ なお、検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
② 料金の請求情報に関する通知
⇒ 電子メール(SMSを含む)での利用者への連絡が可能な場合は(※1)、デフォルトで(利用者が不要としない限り)、請求額が確定した時に利用者に電子メールでの通知を行う運用を基本とするよう検討すべき(※2)(※3)。
※1:電子メールの連絡が不可能である場合には、少なくとも、書面により通知を受けるという選択肢について、契約時の説明その他の機会を捉えて利用者に周知することが適切と考えられる。
※2:検討に当たっては、消費者に分かりやすい形で情報提供がされるという観点を踏まえることが必要。
※3:デフォルトで書面により通知している場合まで行うべきとする趣旨ではない。
③ 「転用」に係る不利益の説明
⇒ 「転用」による事業者の乗換えに係る説明においては、元サービスへの復帰に際して、「電話番号が変更となる」、「費用がかかる」といった不利益が発生する可能性があることを、利用者に適切に伝えるよう検討すべき。
その際、「転用」が光卸サービスにおける各社共通の仕組みであることから、業界全体として、利用者への説明の在り方を検討するなどの取組を進めるべき。
⇒ 「NTT東西のFTTHアクセスサービス等の卸電気通信役務に係る電気通信事業法の適用に関するガイドライン」(平成2
8年5月改定)で卸元の事業者から卸先の事業者に対し消費者保護の充実等の観点から当該ガイドラインの周知等を行うとされていることや、消費者保護の充実の観点を踏まえ、業界・光卸サービス提供事業者はもちろんのこと、NTT東西においても上記取組に必要な協力・連携をしていくことが重要。
32
④ 電話勧誘における説明
ア 契約先事業者に関する説明等
⇒ 光卸サービスについては、NTT東西が契約先事業者となるのではなく、光卸サービス提供事業者が契約先事業者となる旨、また、NTT東西からの連絡であるとの誤解やNTT東西のサービスメニュー変更等との誤解を招かないよう改めて説明を徹底すべき。
※ なお、訪問販売においても同様に対応することが適当(店頭販売も引き続き留意)。
⇒ また、(電話(口頭)で利用者から契約の申込み又は承諾を受ける際は、そもそも一般的に、契約内容が適切に説明され、かつ、利用者の申込み又は承諾の意思が明確に表示されていることが前提になると考えられるものであるが、) 利用者に対して、電話(口頭)での申込み又は承諾となる旨の説明を徹底すべき。
※ なお、光卸サービスであるかを問わない。
イ 説明内容の後確認
⇒ 代理店による電話勧誘により新規の契約(※1)を結ぶ場合は、契約意思を再確認するため、電気通信事業者自らの責任による後確認の実施を基本とするよう検討すべき。また既に、自らによる後確認を実施している電気通信事業者も改めてこれを徹底すべき(※2)(※3) 。
※1 契約事業者が変更されない場合は除く。
※2 確認内容については、サービス形態や販売実態を踏まえて検討することが適当である。
※3 なお、代理店が行う訪問販売についても、同様に対応することが適当である。
⇒ 電話勧誘に係る苦情割合が高いことを踏まえ、電気通信事業者は、代理店業務の実施状況を定期的に確認するため、代理店における電話勧誘通話記録の定期的なサンプル調査を実施し、業務改善に活かす仕組みとするよう検討すべき。
⑤ 代理店に対する監督措置の実施の方法
2.優良事例
① 利用者との対応における特記事項について履歴を残し、再度の対応においては、当該履歴を基に個々の利用者に合わせた対応を実施。(NTTコミュニケーションズ)
② 代理店が電話勧誘を行うにあたり、まず電話で利用者の関心度合いを見た上で、関心を持った利用者に対し説明書面を
郵送して(又はダウンロードさせて)、日をおいて、再度、説明書面を手元に置いた状態で電話説明を行う。(昨年11月より開始)(Hi-Bit)
③ 初期契約解除に関し、書面のほか、電話(NTTドコモ)やファクシミリ(ソネット)による方法も書面に記載し解除申出を受付。
④ 契約書面受領日よりサービス提供開始日が遅い場合、後者を起算日とした8日間を初期契約解除の期間として設定。(ソフトバンク)
⑤ 初期契約解除に伴う工事費用の対価請求額を告示で定める上限額の比し半額以下に抑制。(ニフティ「@nifty光サービス」 )
ソネット、NTTコミュニケーションズ、ニフティ、ケイ・オプティコム、九州通信ネットワーク、つなぐネットコミュニケーションズほか1社
⑥ 初期契約解除に伴うFTTHサービスの月額利用料の対価請求を行っていない。
MVNOサービス、分離型ISP、CATVインターネットサービス
(書面に基づく法令遵守状況の確認結果)
• 文中、「~指摘済み」とある事項については、調査の過程で総務省より指摘し、各社において既に対応済み、又は対応中のものであるが、これらについては改めて確認を行うこととしている。
• 本資料は、現時点で明らかになった範囲での結果を示したものであり、電気通信事業者の業務運用状況について、本資料で指摘していない点が適切である旨を総務省として確認する趣旨ではない。
1.契約前の説明書面関係
○ 説明義務の遵守の観点から各社の説明書面の内容を確認した結果、次のとおり法令又はガイドラインに必ずしも適合しない記載不備があることが判明した(速やかに改善するよう各事業者に指摘済み)。
・1社:事業者連絡先、役務の種類、通信の利用制限及び初期契約解除の記載漏れ
・4社:青少年フィルタリングサービスに関する記載の欠如(ガイドライン不適合)
2.契約書面の記載関係
○ 書面交付義務の遵守の観点から各社の契約書面の内容を確認した結果、初期契約解除に関する記載について、法令又は消費者保護ガイドラインに必ずしも適合しない事例が6社9件判明した(速やかに改善するよう各事業者に指摘済み)。
○ 具体的な事例は次のとおり
・ 3社:対価請求の事務手数料の算定に関する記載の誤り又は不備
・ 2社:初期契約解除に係る不実告知がされた場合の取扱いに関する記載漏れ
・ 2社:契約解除を求める書面を発した時に解除の効力が生じる旨の記載漏れ
・ 2社:既に金銭等を受領している場合には返還する旨の記載漏れ
3.電子交付の承諾取得関係
○ 書面交付義務の遵守の観点から各社について電子交付の際の承諾取得義務(契約書面の電子交付をするときは、あらかじめ電子交付方法を示して署名・クリック等により利用者から明示的な承諾を取得する必要)の履行方法を確認した結果、次のとおり法令又は消費者保護ガイドラインに必ずしも適合しない事例が判明した(速やかに改善するよう各事業者に指摘済み)。
・1社:承諾取得の不実施(承諾を全く取得せずに紙交付を省略)
・4社:承諾取得の際に利用者に提示すべき事項の記載不備(電子交付の方法に関する記載が不十分)
分離型ISP
※ 今回の調査対象となった分離型ISP各社の全体の傾向として、特定の回線提供事業者にて特定のISPサービスを受けたいという利用者からの申込みに対応してサービスを提供する形態が主とのことであった。
1.契約前の説明義務関係
○ 説明義務の遵守の観点から各社の説明書面の内容を確認した結果、次のとおり法令又はガイドラインに必ずしも適合しない記載不備があることが判明した(速やかに改善するよう各事業者に指摘済み)。
・2社:電気通信役務の種類※の記載不備 ※分離型ISPのみの提供にも関わらず「FTTHインターネットサービス」等と記載
2.契約書面交付義務関係
○ 書面交付義務の遵守の観点から各社の契約書面の内容を確認した結果、次のとおり法令又はガイドラインに必ずしも適合しない事例が判明した(速やかに改善するよう各事業者に指摘済み)。
◆初期契約解除に関する記載について
・1社:初期契約に伴い利用者が支払うべき額※の記載に不備 ※具体的な算出方法が記載されていない
・1社:既に金銭等を受領している場合には返還する旨の記載漏れ
・1社:書面によって契約解除を申し出る旨の記載に不備
◆料金・オプションに関する記載について
・1社:基本料にオプションの料金を合算して記載
CATVインターネットサービス
契約書面の記載関係
(説明書面の記載については、法令上の明確な問題は認められなかった)
○ 書面交付義務の遵守の観点から各社の契約書面の内容を確認した結果、次のとおり法令又は消費者保護ガイドラインに必ずしも適合しない事例が判明した(速やかに改善するよう各事業者に指摘済み)。
◆基本説明事項に関する記載について
・27社:電気通信役務の内容(種類)の記載漏れ
・26社:その他の経費(サービスを利用するために必要な機器についての料金・条件、工事費)の記載に不備
◆初期契約解除に関する記載について
・1社:初期契約解除に伴い利用者が支払うべき額※の記載に不備 ※対価請求が法定上限額以下になることが記載されていない