第1条 本協定は、甲乙丙が別途合意したフィールド場所(以下「本フィールド場所」という。)において甲が実施する LPWA(NB-IoT という IoT 向け無線 通信技術を用いたネットワーク)の通信技術(以下「本通信技術」という。)を用いた水道スマートメーターの導入検討の実証実験(以下「本実験」という。)について、本通 信技術や新たな付加価値の効果等の検証のため、甲、乙及び丙が協力して取り組む際の諸条件について定めることを目的(以下「本件目的」という。)とする。
xx市水道部(以下「甲」という。)、パナソニック株式会社 アプライアンス社(以下
「乙」という。)とxx計器工業株式会社(以下「丙」という。)は、第1条(目的)に定義する本実験について、次のとおり水道スマートメーター実証実験実施に関する三者協定
(以下「本協定」という。)を締結する。
(目的)
第1条 本協定は、甲乙丙が別途合意したフィールド場所(以下「本フィールド場所」という。)において甲が実施する LPWA(NB-IoT という IoT 向け無線通信技術を用いたネットワーク)の通信技術(以下「本通信技術」という。)を用いた水道スマートメーターの導入検討の実証実験(以下「本実験」という。)について、本通信技術や新たな付加価値の効果等の検証のため、甲、乙及び丙が協力して取り組む際の諸条件について定めることを目的(以下「本件目的」という。)とする。
2 本協定において「水道スマートメーター」とは、甲が丙に対して支給する乾式水道メーターに丙がアタッチメント部及び無線機部を組み合わせた特定の世帯における上下水道の使用量を計測するためのメーターであって、無線通信の方式で使用量等の情報を特定のサーバーに送信する機能を有するものをいう。
(実施内容)
第2条 本実験の内容は以下のとおりとする。
(1)実験の目的
本通信技術を用いた継続的な安定通信、水道メーターの検針からxx(検針値に基づき請求額を決定することをいう。)に至る業務における不具合や新たな付加価値の効果等の検証
(2)本実験の内容
本実験に関する業務の分担は、別紙1(本実験の諸条件)のとおりとし、その詳細については第3条(実施計画)に定義する計画書の中で規定するものとする。
(3)本実験の報告書
乙及び丙は、水道スマートメーターから本通信技術を活用して収集された当該メーターを識別する番号、無線機 ID、当該メーターが計測した水の使用量、当該メーターのアラーム情報(以下「計測データ」という。)及び本実験の結果について、相互に協力して報告書(以下「報告書」という。)をとりまとめ、甲に提出しなければならない。なお、報告書の部数及び様式は、甲の担当職員の指示によるものとする。
(実施計画)
第3条 甲、乙及び丙は、別紙2(本実験の実施計画)(以下「計画書」という。)に定める計画に従い、本実験に関する業務を遂行するものとする。
2 計画書に記載された事項を変更する必要が生じた場合は、乙及び丙は甲と協議の上、変更の是非、詳細内容等を決定し、その内容を書面化し、これを変更することができるものとする。
(実施期間)
第4条 本実験の実施期間は、令和4年(2022年)4月1日から令和7年(202
5年)3月31日までとする。なお、甲の提供する施設において実施される事項については、原則甲が指定する時間帯に限るものとし、具体的な実施時間は別途甲、乙及び丙協議の上、決定する。
2 実施期間を延長する必要があるときは、前項の規定にかかわらず、甲、乙及び丙協議の上、書面により合意し、実施期間を延長できるものとする。
(費用負担)
第5条 甲、乙及び丙は、計画書に定める自己の役割分担を遂行する上で自己に生じる費用について、甲、乙及び丙それぞれが自ら負担する。
(実験の中止)
第6条 甲は、次の各号に定めるときには、乙及び丙と別途協議の上、本実験を中止することができるものとする。
(1)本実験を継続することにより自己の水道事業の業務に支障を生じるおそれがあるとき
(2)天災地変(自然災害、地震等)、火災その他自己の責に帰し得ない事由等の不可抗力(以下「不可抗力」という。)により、本実験に関する業務の全部又は一部を遂行することが困難になったとき
2 乙又は丙は、不可抗力により、本実験に関する業務の全部又は一部を遂行することが困難になったときには、本実験の中止を申し入れることができるものとし、他の当事者と協議の上、本実験を中止することができる。
(本協定に伴う発明等)
第7条 本実験の実施の過程で得られた第2条(実施内容)第3号にて定義する計測デー タを用いて、甲から乙及び丙に対して行ったアドバイス又はノウハウの提供に起因して、発明、考案及び意匠の創作(以下、これらを「発明等」という。)、ノウハウその他の技 術的成果(特許権、実用新案権、意匠権及び商標権及びこれらを受ける権利を含む)が 新たに発生した場合は、それらの成果は甲、乙及び丙の共有とし、それらの持ち分及び 取扱いについては、甲、乙及び丙の間で別途協定を締結して定めるものとする。なお、甲、乙及び丙は、発明等が相手方の情報によらないで単独でなされた場合には、当該発 明等に係る権利を、当該発明等をなした発明者が帰属する甲、乙又は丙の単独所有とす るものとする。
2 本実験の実施に伴い乙及び丙が作成した第2条(実施内容)第3号にて定義する報告書に関する著作権は、乙及び丙の共有とし、その持ち分は均等とし、乙及び丙は、相手方の事前の書面による承諾なく、報告書を使用、複製、譲渡、翻案(以下、併せて「利用」という。)することができる。
3 乙及び丙は、甲が報告書を利用することを許諾するものとし、かかる利用について著作者人格権を行使しないものとする。ただし、xは報告書を公表する場合には、乙及び丙の事前の書面による承諾を得るものとする。
(秘密の保持)
第8条 甲、乙及び丙は、相手方の書面による事前の承諾を得ることがなく、他の当事者から開示された技術上又は営業上の情報であって、かつ、次の各号のいずれかに該当する情報(以下「秘密情報」という。)を、本協定の履行以外の目的に使用せず、また第三者に開示又は漏えいしてはならないものとする。なお、本条において、秘密情報を開示した者を「開示者」といい、秘密情報の提供を受ける者を「被開示者」という。
(1) 紙、電子媒体、サンプル等の交付、郵送、電子メールの送信等、提供の媒体及び手段を問わず、秘密である旨を表示して提供されたもの。
(2) 口頭、デモンストレーション等、無形にて開示されたもののうち、開示者より開示の際に秘密である旨の表明があり、開示から30日以内にその内容を簡明に表す文書とともに秘密情報である旨が被開示者に通知されたもの。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号いずれかに該当することを、被開示者が証明する情報については、秘密情報として取り扱わないものとする。
(1) 開示の際に、既に公知であった情報又は既に被開示者が保有していた情報
(2) 開示後、被開示者の責によらず公知となった情報
(3) 被開示者が、秘密保持義務を負うことなく、正当な権限を有する第三者から適法に入手した情報
(4) 開示者の秘密情報に依拠せず被開示者が独自に開発した情報
3 第1項の規定にかかわらず、裁判所、行政機関等より法令、判決、決定、命令等に基づき、開示を強制された場合、被開示者は、当該裁判所、行政機関等に対して秘密情報を開示できるものとする。
4 被開示者は、本協定の履行に関連する必要最低限の自己の役員及び従業員(派遣社員を含む。以下同じ。)に対してのみ秘密情報を開示できるが、これらの役員及び従業員に本契約に定める秘密保持義務の内容を知らしめ、遵守させるものとする。
5 被開示者は、開示者の書面による事前の承諾を得ることなく、秘密情報のリバースエンジニアリングその他の解析を行わないものとする。
6 被開示者は、秘密情報の漏えいを防止するため、秘密情報管理責任者を選任し、当該責任者をして、秘密情報を自己の情報と明確に区分の上、厳重に保管・管理し、個人のパソコンに秘密情報を保管させない等、適切な措置を講じさせるものとする。
7 被開示者は、本協定を履行する上で、必要最小限な範囲に限り、秘密情報の複製及び複写(以下、総称して「複製等」という。)を行うことができるものとする。また、複製等によって作成された物(以下、「複製物」という。)は秘密情報とみなし、当該複製物には秘密である旨を表示しなければならない。
8 被開示者は、本協定終了後又は開示者より書面による要請があった場合、遅滞なく開示者より開示された秘密情報及びその複製物を開示者の指示に従い返却するか又は廃棄するものとする。なお、この場合、被開示者は開示者に対して秘密情報を返却又は廃棄した旨の証明書を提出するものとする。
9 被開示者が、本条の条項のいずれかに違反した場合、開示者は、被開示者に対し、当該違反行為の差止等を請求することができるものとする。
(連絡調整)
第9条 甲、乙及び丙は、本実験を円滑に実施するため、随時連絡及び調整を行うものとする。
(有効期間)
第10条 本協定の有効期間は、令和3年(2021年)4月27日に発効し、令和7年(2025年)3月31日まで有効とする。ただし、本協定第12条(原状復
帰)、第14条(損害賠償)、第15条(免責)、第16条(個人情報の保護)及び第18条(権利・義務の譲渡等の禁止)の規定は、本協定有効期間中に加え、当該有効期間経過、解約・解除等により終了した後もなお対象事項が全て消滅するまで有効に存続するものとし、本協定第7条(本協定に伴う発明等)及び第8条(秘密の保 持)の規定は、本協定の有効期間終了後なお5年間有効に存続する。
(協定の解除)
第11条 甲、乙及び丙は次の各号に該当する事態が生じた場合は、相手方に対し事態の是正を要求し、当該要求した日から20日以内に是正されない場合には、本協定を解除することができるものとする。
(1) 相手方が本協定の締結又は履行に関し、不正又は不当な行為をしたとき
(2) 相手方が本協定に違反したとき
2 甲、乙及び丙は、それぞれの責に帰さない事由により、本協定に定める条件における本実験が困難になった場合は、甲、乙及び丙協議の上、本協定を解除することができるものとする。
(原状復帰)
第12x xは、本実験が終了した場合、又は第6条による本実験の中止及び第11条による協定の解除の場合には、甲と別段の合意がある場合を除き、乾式水道メーターよりアタッチメント部及び無線機部を取り外すものとする。なお、アタッチメント部及び無線機部の取外作業開始時の状態については甲、乙及び丙が別途確認の上、丙が取外作業を開始するものとし、取外作業の終了、中止又は協定の解除後合意した期間内に、原状復帰完了の有無について甲、乙及び丙の間にて確認するものとする。
(不可抗力)
第13条 甲、乙及び丙は、第6条(実験の中止)に定義する不可抗力により、本協定の履行が困難となった場合、甲、乙及び丙は、第6条(実験の中止)に基づく中止による解除・解約又は変更により他の当事者に生じた損害を賠償する義務を負わないものとする。
(損害賠償)
第14条 甲、乙及び丙は、本実験の実施に当たり、本協定に違反したことにより他の当事者に損害を与えた場合は、その損害について現実に生じた通常かつ直接の範囲に限り賠償するものとする。ただし、甲、乙及び丙の当該契約違反が当該当事者の責めに帰することのできない事由によるものであるときは、当該当事者は他の当事者に生じた損害を賠償する義務を負わない。
2 甲、乙及び丙は、本実験に当たり自己の責めに帰すべき事由により第三者に損害を与えた場合は、損害を自らの責任において賠償する。
(免責)
第15条 乙及び丙は、本協定の成果、その他乙及び丙が甲に対して本協定に基づいて提供するいかなる物品、情報やサービスについても、甲の具体的な目的に適合することを含めて何らの保証をもするものではなく、本協定に定められた場合を除き、本協定に関して何らの責任も負わないものとする。
(個人情報の保護)
第16条 甲は、本実験の実施の過程で個人情報を取り扱う場合は、市民等の個人情報保護の重要性に鑑み、xx市個人情報保護条例の趣旨を踏まえ、本協定の各条項を遵守し、個人情報等の保護に必要な体制の整備及び措置を講じなければならない。
(法令遵守)
第17条 甲、乙及び丙は、本協定書に関する業務の遂行に当たり、労働者の使用及び安全等に関連する諸法令、私的独占の禁止及びxx取引の確保に関する法律、その他本件業務の実施に必要な諸法令に定める全ての必要な手続き及び義務を履行するものとする。
(権利・義務の譲渡等の禁止)
第18条 甲、乙及び丙は、事前に他の本協定当事者の書面による承諾を得ることなく、本協定上の地位の全部若しくは一部を第三者に譲渡すること、本協定から生じる権利の全部若しくは一部を第三者に譲渡すること若しくは担保に供すること、又は本協定に基づく義務を第三者に引受けさせることはできない。ただし、パナソニック株式会社が令和2年11月1
3日付で公表した会社分割の手法による持株会社化及びパナソニック株式会社の商号変更については、本条に基づく承諾の取得又は通知は不要とする。
(その他の事項)
第19条 本協定に定めがない事項及び本協定条項中疑義が生じた事項については、その都度、甲、乙及び丙の協議により、これを解決するものとする。
甲、乙及び丙は、本協定締結の証として本書3通を作成し、記名押印の上、各自1通を保有するものとする。
別紙1
本実験の諸条件
1 総則
(1)本実験を実施するにあたっての諸条件及び業務の分担については、この別紙1にその概要を示し、詳細は別紙2に定める。
(2)本実験に関連して、乙及び丙の役員及び従業員の行為により、これらの者や乙及び丙の他の役員及び従業員が損害を被り、または他の作業担当者等、乙及び丙の役員及び従業員以外の第三者に損害が生じた場合は、直ちに必要な措置を講じるとともに、当該事故の原因、経過、被害内容等について、速やかに甲の担当職員に報告しなければならない。
(3)本実験の実施にあたり、労働安全衛生法第14条に伴う作業xx者の選任が必要な場合は、甲、乙及び丙それぞれが選任する。甲の作業xx者は甲の従事者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行い、乙及び丙の作業xx者はそれぞれの従事者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行う。
2 業務の分担(概要)
(1) 甲の業務
① 甲が用意した市内の施設等をフィールド場所の一部として提供する。
② 丙に対して本実験に用いる乾式水道メーターを引き渡す。
③ 本実験に参加する水道の利用者(以下「利用者」という)から、水道スマートメーターから計測データを収集することについて事前に書面による同意を取得する。
④ 利用者の個人情報を管理する。
(2) 乙の業務
① 計測データを管理する。
② 別途丙との間に締結する契約に基づき、丙に対して水道スマートメーターの無線機部に組み込まれる無線基板を販売する。
③ 別途甲との間に締結する契約に基づき、甲に対して計測データに関するクラウドサービスを提供する。
(3) 丙の業務
① 甲より受領した乾式水道メーターにアタッチメント部及び無線機部を組み合わせ、甲が指定する水道メーター設置業者に引き渡す。
別紙2
本実験の実施計画