(QCBS -ランプサム型)
公示
独立行政法人国際協力機構契約事務取扱細則(平成15年細則(調)第8号)(以下「細則」という。)に基づき下記のとおり公示します。
2024 年 7 月 24 日
独立行政法人国際協力機構
契約担当役 理事
記
1. 公示件名:セルビア国ビストリッツァ揚水発電所建設事業準備調 査【有償勘定技術支援】(QCBS-ランプサム型)
2. 競争に付する事項:企画競争説明書第1章1.のとおり
3. 競争参加資格:企画競争説明書第1章3.のとおり
4. 契約条項:
5. プロポーザル及び見積書の提出:
企画競争説明書第1章2.及び6.のとおり
6. その他:企画競争説明書のとおり
企画競争説明書
(QCBS -ランプサム型)
業 務 名 称:セルビア国ビストリッツァ揚水発電所建設事業準備調 査【有償勘定技術支援】(QCBS-ランプサム型)
調達管理番号:24a00358
【内容構成】
第1章 企画競争の手続き第2章 特記仕様書案
第3章 プロポーザル作成に係る留意事項
本説明書は、「独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)」が、民間コンサルタント等に実施を委託しようとする業務について、当該業務の内容及び委託先を選定する方法について説明したものです。
本件業務の発注においては、競争参加者が提出するプロポーザルに基づき、その企画、技術の提案、競争参加者の能力等を総合的に評価した技術評価点と、同じく競争参加者が提出する見積書の見積額に基づいた価格評価点の総合点により評価・選定を行うことにより、XXXXにとって最も有利な契約相手方を選定します。競争参加者には、この説明書及び貸与された資料に基づき、本件業務に係るプロポーザル及び見積書の提出を求めます。
なお、本説明書の第2章「特記仕様書案」、第3章2.「業務実施上の条件」は、プロポーザルを作成するにあたっての基本的な内容を示したものですので、競争参加者がその一部を補足、改善又は修補し、プロポーザルを提出することを妨げるものではありません。プロポーザルの提案内容については、契約交渉権者と行う契約交渉において協議し、最終的に契約書の付属として合意される「特記仕様書」を作成するものとします。
2024年7月版となりますので、変更点にご注意ください。
2024 年 7 月 24 日
独立行政法人国際協力機構調達・派遣業務部
第1章 企画競争の手続き
1.競争に付する事項
(1)業務名称:セルビア国ビストリッツァ揚水発電所建設事業準備調査【有償勘定技術支援】(QCBS-ランプサム型)
(2)業務内容:「第2章 特記仕様書案」のとおり
(3)適用される契約約款:
「調査業務用」契約約款を適用します。これに伴い、消費税課税取引と整理しますので、最終見積書において、消費税を加算して積算してください1。(全費目課税)
(4)契約履行期間(予定):2024 年 10 月 ~ 2025 年 12 月
上記の契約履行期間を分割する想定はありませんが、競争参加者は、業務実施のスケジュールを検討のうえ、契約履行期間の分割を提案することを認めます。ただし、分割提案においても、原則、次期契約時に単価の見直しは致しません。
(5)ランプサム(一括確定額請負)型
本件について、業務従事実績に基づく報酬確定方式ではなく、当該業務に対する成果品完成に対して確定額の支払を行うランプサム(一括確定額請負)型にて行います。
(6)前金払の制限
本契約については、契約履行期間が 12 ヵ月を超えますので、前金払の上限額を制限します。
具体的には、前金払については 1 年毎に分割して請求を認めることとし、それぞれの上限を以下のとおりとする予定です。なお、これは、上記(4)の契約履行期間を想定したものであり、契約履行期間が異なる場合等の限度額等につきまして は、契約交渉の場で確認させていただきます。
1)第1回(契約締結後):契約金額の34%を限度とする。
2)第2回(契約締結後 13 ヵ月以降):契約金額の6%を限度とする。
1 電子入札対象案件では、電子入札システムに入力する金額は税抜きとなりますが、消費税課税取引ですので、最終見積書及び契約書は消費税を加算して作成してください。
(6)部分払いの設定2
本契約については、1会計年度に1回部分払いを設定します。具体的な部分払いの時期は契約交渉時に確認しますが、以下を想定します。
1)2024 年度(2025 年 2 月頃)
2.担当部署・日程等
(1)選定手続き窓口
調達・派遣業務部 契約第一課
(2)事業実施担当部 中東・欧州部欧州課
(3)日程
本案件の日程は以下の通りです。
№ | 項目 | 期限日時 |
1 | 配付依頼受付期限 | 2024 年 7 月 30 日 12 時 |
2 | 企画競争説明書に対する質問 | 2024 年 7 月 31 日 12 時 |
3 | 質問への回答 | 2024 年 8 月 5 日 |
4 | プロポーザル等の提出用フォルダ作成依頼 | プロポーザル等の提出期限日の 4 営業日前から 1 営業日前の正午まで |
5 | 本見積額(電子入札システムへ 送信)、本見積書及び別見積書、プロポーザル等の提出日 | 2024 年 8 月 19 日 12 時 |
6 | プロポーザル審査結果の連絡 | 見積書開封日時の 2 営業日前まで |
7 | 見積書の開封 | 2024 年 8 月 30 日 10 時 |
8 | 評価結果の通知日 | 見積書開封日時から 1 営業日以内 |
9 | 技術評価説明の申込日(順位が第 1 位の者を除く) | 評価結果の通知メールの送付日の翌日から起算して 7 営業日以内 (申込先: xxxxx://xxxxx.xxxxxx.xxx/x/0XXxX00XXX) ※2023 年 7 月公示から変更となりました。 |
2 各年度の進捗に伴う経費計上処理のため、実施済事業分に相当した支払を年度ごとに行う必要があります。
3.競争参加資格
(1)各種資格の確認
以下については「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン
(2024 年 4 月)」を参照してください。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/00000000.xxxx)
1) 消極的資格制限
2) 積極的資格要件
3) 競争参加資格要件の確認
(2)利益相反の排除
以下に掲げる者については、競争への参加を認めません。特定の排除者はありません。
(3)共同企業体の結成の可否
共同企業体の結成を認めます。ただし、業務xx者は、共同企業体の代表者の者とします。
なお、共同企業体の構成員(代表者を除く。)については、上記(1)の2) に規定する競争参加資格要件のうち、1)全省庁統一資格、及び2)日本登記法人は求めません(契約交渉に際して、法人登記等を確認することがあります)。共同企業体を結成する場合は、共同企業体結成届(様式はありません。)を作成し、プロポーザルに添付してください。結成届には、代表者及び構成員の全ての社の代表者印又は社印は省略可とします。また、共同企業体構成員との再委託
契約は認めません。
4.資料の配付依頼
資料の配付について希望される方は、下記 JICA ウェブサイト「業務実施契約の公示にかかる説明書等の受領方法及び競争参加資格確認申請書・プロポーザル・見積書等の電子提出方法(2023 年 3 月 24 日版)」に示される手順に則り依頼ください(依頼期限は「第1章 企画競争の手続き」の「2.(3)日程」参照)。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0)提供資料:
・第3章 技術提案書作成要領に記載の配付資料
・「独立行政法人国際協力機構 サイバーセキュリティ対策に関する規程」及び「サイバーセキュリティ対策実施細則」
「独立行政法人国際協力機構 サイバーセキュリティ対策に関する規程」及び
「サイバーセキュリティ対策実施細則については、プロポーザル提出辞退後もしくは失注後、受注した場合は履行期間終了時に速やかに廃棄することを求めま す。
5.企画競争説明書に対する質問・回答及び説明書の変更
(1)質問提出期限
1)提出期限:上記2.(3)参照
2)提出先 :xxxxx://xxxxx.xxxxxx.xxx/x/XxxxXxxX0x
注1) xx性・xx性確保の観点から、電話及び口頭でのご質問は、お断りしています。
(2)回答方法
上記2.(3)日程に記載の期日までに分けて以下の JICA ウェブサイトに掲載します。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0)
6.プロポーザル等の提出
(1)提出期限:上記2.(3)参照
(2)提出方法
具体的な提出方法は、JICA ウェブサイト「業務実施契約の公示にかかる説明書等の受領方法及び競争参加資格確認申請書・プロポーザル・見積書等の電子提出方法
(2023 年 3 月 24 日版)」をご参照ください。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0 )
1)プロポーザル
① 電子データ(PDF)での提出とします。
② 上記2.(3)にある期限日時までに、xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx-xxxx@xxxx.xx.xx へ送付願います。
③ 依頼メール件名:「提出用フォルダ作成依頼_(調達管理番号)_(法人名)」)
④ 依頼メールが1営業日前の正午までに送付されない場合はプロポーザルの提出ができなくなりますので、ご注意ください。
⑤ プロポーザル等はパスワードを付けずに GIGAPOD 内のフォルダに格納ください。
2)本見積額
① 電子入札システムを使用して、別見積指示の経費の金額を除く金額(消費税は除きます。)を、上記2.(3)日程の提出期限までに電子入札システムにより送信してください。
② 上記①による競争参加者の本見積額により価格点を算出し、総合点を算出して得られた交渉順位の結果を別途、全ての競争参加者に通知します。この通知は電子入札システムの機能によらず、契約担当者等から電子メールにより行います。この際に、交渉順位 1 位となった競争参加者には上記の本見積額に係る見積書(含む内訳書)にかかるパスワードを求めます。
3)本見積書及び別見積書、別提案書
本見積書、別見積書、及び別提案書(第3章4.(2)に示す上限額を超える提案がある場合のみ)は GIGAPOD 内のフォルダに格納せず、パスワードを設定した PDF ファイルとし、上記2.(3)の提出期限までに、別途メールでe- xxxx@xxxx.xx.xx へ送付ください。なお、xxxxxは、JICA 調達・派遣業務部からの連絡を受けてから送付願います。
なお、別見積については、「第3章4.(3)別見積について」のうち、1)の経費と2)~3)の上限額や定額を超える別見積りが区別できるようにしてください(ファイルを分ける、もしくは、同じファイルでも区別がつくようにしていただくようお願いします)。
(3)提出先
1)プロポーザル
「JICA 調達・派遣業務部より送付された格納先 URL」
2)見積書 (本見積書及び別見積書)及び別提案書
② 件名:(調達管理番号)_(法人名)_見積書
〔例:2〇a00123_○○株式会社_見積書〕
③ 本文:特段の指定なし
④ 添付ファイル:「2〇a00123_○○株式会社_見積書」
⑤ 見積書及び別提案書のPDFにパスワードを設定してください。なお、xxxxxは、JICA調達・派遣業務部からの連絡を受けてから送付願います。
(4)提出書類
1)プロポーザル・見積書
2)別提案書(第3章4.(2)に示す上限額を超える提案がある場合のみ)
(5)電子入札システム導入にかかる留意事項
1)作業の詳細については電子入札システムポータルサイトをご確認ください。
(URL:xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxx.xxxx)
2)電子入札システムを利用しない入札は受け付けません。
7.契約交渉権者の決定方法
(1)評価方式と配点
プロポーザルに対する技術評価点と見積書に対する価格評価点を合算して評価します。技術評価点と価格評価点を合算した総合評価点を100点満点とし、配 点を技術評価点 80 点、価格評価点 20 点とします。
(2)評価方法
1)技術評価
「第2章 プロポーザル作成に係る留意事項」の別紙「プロポーザル評価配点表」の項目ごとに、各項目に記載された配点を満点として、以下の基準により評価し、合計点を技術評価点とします。評価の具体的な基準や評価に当たっての視点については「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン」より以下を参照してください。
① 別添資料1「プロポーザル評価の基準」
② 別添資料2「コンサルタント等契約におけるプロポーザル評価の視点」
③ 別添資料3「業務管理グループ制度と若手育成加点」
また、第3章4.(2)に示す上限額を超える提案については、プロポーザルには含めず(プロポーザルに記載されている提案は上限額内とみなします)、別提案・別見積としてプロポーザル提出日に併せて提出してください。この別提 案・別見積は評価に含めません。契約交渉順位 1 位になった場合に、契約交渉時に別提案・別見積を開封し、契約交渉にて契約に含めるか否かを協議します。
技術評価点が基準点(100 点満点中 60 点を下回る場合には不合格となります。なお、合否の結果をプロポーザルに記載のメールアドレス宛にお知らせします。不 合格の場合、電子入札システムに送信いただいた見積額の開札は行いません。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/00000000.xxxx)
2)評価配点表以外の加点について
評価で 60 点以上の評価を得たプロポーザルを対象に以下について加点されます。
① 業務管理グループ制度及び若手育成加点
本案件においては、業務管理グループ(副業務xx者 1 名の配置)としてシニア(46 歳以上)と若手(35~45 歳)が組んで応募する場合(どちらが業務xx者でも可)、一律2点の加点(若手育成加点)を行います。
3)価格評価
価格評価点は、①最低見積価格の者を 100 点とします。②それ以外の者の価格
は、最低見積価格をそれ以外の者の価格で割り 100 を乗じます(小数点第三位以下を四捨五入し小数点第二位まで算出)。具体的には以下の算定式により、計算します。
① (価格評価点)=最低見積価格=100 点
② (価格評価点)=最低見積価格/(それ以外の者の価格)×100 点
ただし、ダンピング対策として、競争参加者が第3章4.(2)に示す上限額の 80%未満の見積額を提案した場合は、上限額の 80%を見積額とみなして価格点を算出します。
上限額の 80%を下回る見積額が最も安価な見積額だった場合、具体的には以下の算定式により価格点を算出します。
最も安価な見積額:価格評価点=100 点
それ以外の見積額(N):価格評価点=(上限額×0.8)/N×100 点
*最も安価ではない見積額でも上限額の 80%未満の場合は、上限額の 80%をNとして計算します。
4)総合評価
技術評価点と価格評価点を 80:20 の割合で合算し、総合評価点とします。総合評価点は、技術評価点分及び価格評価点分をそれぞれ小数点第二位まで計算し、合算します。
(総合評価点)=(技術評価点)×0.8+(価格評価点)×0.2
(3)見積書の開封
価格評価点の透明性確保のため、電子入札システムを介して提供された本見積額
(消費税抜き)は上記2.(3)日程に記載の日時にて開封します。また、電子入札システムへの送信額は消費税抜き価格としてください。電子入札システムにて自動的に消費税 10%が加算されますが、評価は消費税抜きの価格で行います。
なお、技術評価の確定に時間を要し、見積額の開封の日時が延期されることもあります。その場合、競争参加者に対し、再設定された日時を連絡します。
※不合格の場合、電子入札システムへ送信いただいた見積額は開札しません。
(4)契約交渉権者の決定方法
1)総合評価点が最も高い競争参加者を契約交渉権者として決定します。
2)総合評価点が同点であった場合は、技術評価点の高い競争参加者を優先します。
3)最も高い総合評価点が複数あり、更にその内複数の技術評価点が同点であった場合は、くじ引きにより契約交渉権者を決定します。
8.評価結果の通知・公表と契約交渉
評価結果(順位)及び契約交渉権者を上記2.(3)日程の期日までにプロポーザルに記載されている電子メールアドレス宛にて各競争参加者に通知します。
9.フィードバックのお願いについて
JICA では、公示内容の更なる質の向上を目的として、競争参加いただいたコンサルタントの皆様からフィードバックをいただきたいと考えています。つきまして は、お手数ですが、ご意見、コメント等をいただけますと幸いです。具体的には、選定結果通知時に、入力用 Forms をご連絡させていただきますので、そちらへの入力をお願いします。
第2章 特記仕様書案
本特記仕様書案に記述されている「脚注」、別紙「プロポーザルにて特に具体的な提案を求める事項」については、競争参加者がプロポーザルを作成する際に提案いただきたい箇所や参考情報を注意書きしたものであり、契約に当たって、契約書附属書Ⅱとして添付される特記仕様書からは削除されます。
また、契約締結に際しては、契約交渉相手方のプロポーザルの内容を適切に反映するため、契約交渉に基づき、必要な修正等が施された上で、最終的な「特記仕様
書」となります。
【1】 本業務に係るプロポーザル作成上の留意点
1.企画・提案に関する留意点
⮚ プロポーザルに一般的に記載されるべき事項、実施上の条件は「第3章 プロポーザル作成に係る留意事項」を参照してください。
⮚ 応募者は、本特記仕様書(案)に基づく業務を行うに当たっての、効果的かつ効率的な実施方法及び作業工程を考案し、プロポーザルにて提案してください。
⮚ プロポーザルにおいては、本特記仕様書(案)の記載内容と異なる内容の提案も認めます。プロポーザルにおいて代替案として提案することを明記し、併せてその優位性・メリットについての説明を必ず記述してください。
⮚ 現地リソースの活用が現地業務の効率的、合理的な実施に資すると判断される場合には、業務従事者との役割分担を踏まえた必要性と配置計画を含む業務計画を、プロポーザルにて記載してください。現行のコンサルタント等契約制度において、現地リソースの活用としては以下の方法が採用可能です。
① 特殊傭人費(一般業務費)での傭上
② 直接人件費を用いた、業務従事者としての配置(第3章「2.業務実施上の条件」参照)
③ 共同企業体構成員としての構成(法人)(第1章「3.競争参加資格」参照)
⮚ 再委託することにより業務の効率・精度・質等が向上すると考えられる場合は、当該業務について経験・知見を豊富に有する機関・コンサルタント・NGO に再委託して実施することを認める場合があります。本特記仕様書(案)記載の項目・規模を超えて再委託にて実施することが望ましいと考える業務がある場合は、理由を付してプロポーザルにて提案してください。
☒プロポーザル作成に当たっては、本特記仕様書(案)に加えて、第3章に示す関連資
料を参照してください。
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2.プロポーザルで特に具体的な提案を求める内容・背景
⮚ 本業務において、特に以下の事項について、応募者の知見と経験に基づき、プロポーザルの第3章1.(2)「2)業務実施の方法」にて、指定された記載分量の範囲で、次のリストの項目について、具体的な提案を行ってください。詳細については本特記仕様書(案)を参照してください。
№ | 提案を求める事項 | 特記仕様書(案)での該当条項 |
1 | 既存調査・既存事業から得られる情報と本調査で必要な項目 | 第 3 条(5) |
2 | 本邦企業が有する技術、製品、アイディアの活用可能性(特に、可変速発電機の導入検討をどのように進めるか、本邦の 優れた技術の活用の可能性の検討等) | 第 3 条(7)、第 4 条(11) |
3 | JICA 環境社会配慮ガイドラインに則り重点的に調査が必要な事項と調査方法 | 第 3 条(8)、第 4 条(5) |
4 | 協力準備調査を効率的に進める方法及び 本体事業の短縮化策 | 第 3 条(1)、 第 3 条(10)、第 4 条(10) |
【2】 特記仕様書(案)
(契約交渉相手方のプロポーザル内容を踏まえて、契約交渉に基づき、最終的な「特記仕様書」を作成します。)
第1条 業務の目的
本業務は、「第3条 実施方針及び留意事項」を踏まえつつ、「第4条 業務の内容」に示す事項の業務を実施し、もって我が国の円借款事業として本事業を実施するに当たっての審査に必要な調査を行うことを目的とし、「第5条 成果品」に示す報告書等を作成するものである。
第2条 業務の背景別紙1のとおり。
第3条 実施方針及び留意事項
(1)円借款事業検討資料としての位置づけ
⮚ 本業務の成果は、本事業に対する円借款事業の審査を発注者が実施する際の検討資料及び相手国の事業了承の基礎資料として用いられることとなる。
⮚ 本業務で取りまとめる事業内容は、円借款事業の原案として取り扱われることから、事業内容の計画策定については、業務の過程で随時十分発注者と協議し、その承諾を得ること。
⮚ 本業務で検討・策定した事項が相手国政府・実施機関への一方的な提案とならないよう、相手国政府・実施機関と十分な合意形成を行い、実現可能かつ具体的な内容とすること。
⮚ 当該審査の過程において、対象事業の内容が本業務の結果とは一部異なる結論となることがある可能性があるため、相手国関係者に本業務の調査結果がそのまま円借款事業として承諾されるとの誤解を与えないよう留意すること。
⮚ 本業務では、事業費に関する相手国政府・実施機関との認識の一致に特に留意すること。当初想定されていた技術仕様や当該技術仕様に基づく事業費について相手国政府・実施機関との説明・調整状況について発注者に随時情報共有を行うこと。
⮚ 本事業の総事業費は、セルビアの経済規模に比して巨額となることが見込まれる。現時点で、セルビア政府は日本の単独融資を希望しており、本調査でもその可能性について検討を行うが、協調融資の可能性についても併せて検討を行うこと。また、単独・協調融資の可否は、日本政府との協議を経て決定されるため、相手国関係者との協議において、単独融資を予断させることのないように留意すること。また、発注者と日本政府との協議に際しては、資料作成や情報提供等に協力すること。
⮚ 本調査の成果を踏まえ、発注者は、本事業に対するファクトファインディングミッション(以下、F/F という)及び審査等を実施する。現時点では、F/F は 2025年 5 月から 9 月にかけて、審査は 2025 年 11 月に実施することを想定している。 F/F 等の前には、本調査の進捗報告を行うと共に、ミッションの日程に一部同行し、情報共有や本事業内容の検討に向けた支援を行うことを依頼することがある。また、F/F、審査前に、発注者から調査結果に関する情報提供依頼が有れば速やかに回答する。尚、F/F、審査等の調査ミッションの日程は変更の可能性が有るため、時期を発注者に確認すること。
⮚ 相手国政府・実施機関への調査説明(事業費を含む)に係る議事録は、5 営業日以内に発注者に提出するとともに、ファイナル・レポートに添付すること。
⮚ 本調査では、先方政府が作成した F/S 等を活かしつつ、事業計画等の検討を行う。本調査の実施過程で、仮に先方政府が作成した設計等の実現可能性が見込まれないと判断された場合には、発注者や先方政府等と協議の上で、本調査の中で代替案を策定することを検討する。その場合、発注者と受注者が協議した上で、本調査の内容を変更する可能性が有る。また、先方政府が、技術的及び経済的妥当性
が低い設計等に拘る場合は、発注者が関係者と協議した上で、本調査を中止する可能性が有る点に留意する。
(2)参考資料
⮚ 共通仕様書第9条に示す以外で、本業務で参考とする資料を以下に示す。
① 公開資料
☒円借款事業の調達およびコンサルタント雇用ガイドライン(2023 年 10 月)(以下「調達ガイドライン」という。)
☒円借款事業に係る標準入札書類(以下「標準入札書類」という。)
☒ コンサルタント等契約における現地再委託契約ガイドライン(2022 年 10 月)
☒コンサルタント等契約における物品・機材の調達・管理ガイドライン(2022 年 10 月)
☒国際協力機構環境社会配慮ガイドライン(2022 年1 月) (以下「JICA 環境
社会ガイドライン」という。)
☒気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT:緩和策 Mitigation)
☒気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT:適応策 Adaptation)
☒JICA 安全標準仕様書(JICA Standard Safety Specification: JSSS)
(2021 年 2 月版)(以下「JSSS」という。)
☒ 資金協力事業 開発課題別の指標例(以下「開発課題別の指標例」という。)
② 配布資料 (契約締結後に配付)
⮚ 円借款事業の審査の検討資料としての基本的な基準・様式は以下のとおり。
(ア) IRR(内部収益率)算出マニュアル(2017 年 9 月)及び算出の手引き(2019年 12 月)(以下「IRR マニュアル」という。)
(ウ) 事業費の積算関連資料3コスト縮減検討関連資料
(エ) 環境社会配慮カテゴリ B 報告書執筆要領(2023 年 5 月)(以下「カテゴリ
B 執筆要領」という。)
(オ)環境プロファイル(作成されている場合)
(カ)参照すべき類似案件の協力準備調査報告書
(3)審査の重点項目
3 Excel ファイルの様式。同様式の動作環境は、64bit 版Windows OS(Windows 10 以上)を推奨している(macOS は推奨しない)
⮚ 本業務の成果が円借款事業の審査の検討資料となるため、以下の項目について、発注者から別途指示する基本的な基準、様式に従って整理すること。
① 適用される技術基準
② 施工計画
③ 調達計画
④ 事業費
⑤ 事業実施スケジュール
⑥ 事業実施体制
⑦ 運営・維持管理体制
⑧ 運用・効果指標
➈ 内部収益率(IRR)
⑩ 環境社会配慮
➃ 協調融資にかかる他ドナーとの役割分担(協調融資となる場合)また、審査に当たり必要な項目の追加を依頼する可能性がある。
(4)発注者への事前説明
⮚ 説明資料等の中間的な成果を含む本業務の成果について相手国政府・実施機関に提示する場合には、発注者に事前に説明し、その内容についてすり合わせる。
⮚ 相手国政府・実施機関との間で調査方針等について意見の相違があり、その克服が困難と思われる場合には速やかに発注者に報告し、対応方針について指示を受けること。
⮚ 発注者と打合せ後、受注者は対応方針等を取りまとめ、発注者の確認を取ること
(必要に応じて打合簿を作成すること)。
(5)関連調査等から得られる情報のレビュー及び活用
⮚ 既存のデータを最大限活用することとし、既存データが存在しない、及び既存データでは十分な情報が得られない際に、該当する業務を行うこと。
⮚ 本業務に先立って以下に列挙する先行調査・既存事業が実施されているところ、これら調査・事業から得られる情報を最大限に活用し、重複がないよう効率的 な業務を行うこと。なお、各資料、特に先方政府が作成している F/S、環境社 会配慮調査報告書をレビューの上、データ量や信頼性が不十分なものについて は本調査内で改めて確認する。
⮚ 自然条件調査、現地条件調査等については、現地再委託にて実施することを可とするが、先方政府が実施した既存調査を活用しつつ、効率的に実施する。具体的には、水文調査については既存調査のレビューを行う他、本調査の中で検
討する最適なレイアウトに伴い確認が必要とされた事項に関連し、発注者と相談の上、必要に応じ追加調査を行う。地質調査に関しては、現地踏査及び文献調査等による広域的な地質状況の把握(下部調整池、上部調整池及びその上流の既設貯水池周辺)、レイアウト検討と地質性状の確認が必要とされるエリアの抽出を行うと共に、既存のボーリング調査結果を踏まえ、本調査内でのボーリング調査の実施要否や実施箇所等につき、発注者と相談の上決定する。
⮚ 先行調査・既存事業一覧は以下のとおり。
① 「F/S(先方政府作成)」(2024 年)
② 「環境社会配慮調査報告書(先方政府作成)」(2024 年)
③ 「Low Carbon Development Strategy of the Republic of Serbia, for the period 2023-2030 with Projections until 2050 」(2023 年)
④ 「Integrated National Energy and Climate Plan of the Republic of Serbia, for the period up to 2030 with a vision to 2050」(2023 年)
⑤ 「Energy Sector Development Strategy of the Republic of Serbia up to 2040 with projections up to 2050」(2023 年)
⑥ 「 Baseline for the Energy Infrastructure and Energy Efficiency Measures Development Plan until 2028 with projections until 2030」(2023 年)
⑦ 「セルビア国脱炭素社会の実現に向けたエネルギーセクター情報収集・確認調査」(2020 年)
⮚ 本事業は先方政府がF/S 等を作成しているが、特に以下の観点から既存資料を十分に確認した上で、本調査で追加的に必要な情報収集及び検討を行う。
⚫ セルビアの今後の電力需給や日負荷曲線の推移予測等を踏まえ、本事業の電力需給における位置づけ、揚水発電計画の策定にあたって重要となる上部調整池容量の決定に必要な等価ピーク継続時間に関する設定根拠等を明確にする。
⚫ 先方政府が作成した計画レイアウトや発電諸元の決定根拠について確認する。特に、先方政府が作成したF/S によれば、上部調整池の有効貯水容量は 70 百万 m3 と発電機の規模に比較して大きいため、発電所の運用時間や上部調整池を整備する上での地形的・地質的制約や Radojinja ダムへの影響等も確認の上、その妥当性を十分に確認し、必要に応じて見直しを行う。
⚫ 先方政府の F/S によれば、本事業で整備する Klak 上部調整池は、既設の Radojinja 調整池に隣接する形で計画されており、Radojinja 調整池の水位は常に Klak 上部調整池より高くなるよう運用されることが計画されているが、各調整池の安定的な運用が見込まれるか、十分な確認を行う。また、
Klak 上部調整池の湛水域には、水質不良の水が湧く泉が有るとの情報も有るため、現況及び必要な対策について確認を行う。加えて、Radojinja 調整池からの環境放流や洪水時の対応等については、先方政府で一定の検討がなされているが、本調査の中でも改めて確認を行う。
⚫ 本事業では、既設の Potpec 下部調整池を活用する計画であるが、放水位の決定等に際しては、同下部調整池の運用ルールも考慮する必要が有り、十分な確認を行う。また、本事業の放xxは掘り込み式になっていると見られ、本事業の実施に伴う同下部調整池の低水位が現在よりも上昇する可能性に配慮した計画になっていると考えられるが、その妥当性について十分な確認を行う。
⚫ 土捨場のxx緑化や工事用地予定箇所における土地規制等も含め、環境社会配慮の観点からの必要な対策が、設計、施工計画等に反映されているか、十分な確認を行う。
(6)本業務における地理的な対象範囲
☒本業務における自然条件調査・社会条件調査・事業実施スケジュール・環境社会
配慮等の検討においては、事業対象となる構造物等を建設・設置する場所のみならず、本事業を実施するに当たって必要かつ実施機関等相手国側により提供されるべき用地についても考慮に含まれることに留意すること。環境社会配慮については、建設用地・相手国側から提供される用地のみならず、事業による環境社会影響が及ぶ地域も調査対象となることに留意すること。
⮚ また、本事業で建設された発電所は、西バルカン基金( Western Balkans Investment Framework)及び KfW の支援で整備中の地域連系送電線(400kV、 2028 年完工予定)に接続される予定であるが、同事業の詳細についても確認を行う(本事業で整備する揚水発電所で裨益する対象や人口等を含む系統への効果も含む)。
(7)本邦技術の適用/本邦企業の参入促進
☒本業務では以下の点に留意する。
⮚ 本事業に関連する機材、設備、工法等で本邦企業に優位性がある技術の検討に当たっては、自然条件、施工時の制約条件等を勘案し、施工も見据えた概略設計を作成するとともに、相手国政府・実施機関のニーズ及び意向を十分に把握したうえで、本邦技術の適用を検討すること。
⮚ 本邦技術を適用することによる経済性、工期短縮、事業費軽減、環境負荷軽減や工事中及び供用後の安全性向上などの可能性を幅広く検討し、その結果を発
注者へ報告すること。
⮚ 適用を提案する本邦技術について相手国政府・実施機関に十分な説明をし、調整を行うこと。
⮚ 本邦企業の事業参入促進に当たっては、関連本邦企業の参入意志に留意しつつ、競争性確保ができるように検討すること。
⮚ 発注者が実施した中小企業・SDGs ビジネス支援事業については、過去の採択事業等の情報も参照しつつ、中小企業を含めた本邦企業が有する技術・製品・アイディアの活用の可能性を検討すること。
⮚ 本邦企業に技術的強みのある可変速揚水発電機は、揚水運転時の入力調整を通 じて他発電所の効率的な運用や電力系統の安定化に寄与することから、本事業 への導入を検討する。セルビア側は可変速揚水発電機を導入する意向であるも のの、先方政府のF/S の積算等には反映されていない可能性が有るため、可変 速揚水発電機導入の観点からも先方政府のF/S の事業計画、仕様・設計、総事 業費のレビュー等を行う。また、近年は欧米企業も可変発電機の導入実績を積 み増していることも踏まえつつ、本邦の優れた技術の活用の可能性を検討する。
⮚ 適用を想定する本邦技術の施工上及び契約監理上の留意事項等を整理すること。なお、上述の技術以外の提案を妨げるものではない。
⮚ また、発注者が実施した中小企業・SDGs ビジネス支援事業については、過去の採択事業等の情報も参照しつつ、中小企業を含めた本邦企業が有する技術・製品・アイディアの活用の可能性を検討すること。
(8)環境社会配慮
⮚ 本業務においては、相手国政府・実施機関の定める環境社会配慮に係る法令・許認可手続きや基準等について、JICA 環境社会ガイドライン上遵守が求められるものと大きな乖離がないことを検証する。
⮚ 本事業は、JICA 環境社会ガイドラインに掲げる水力発電セクターに該当するため、カテゴリA に分類されている。
⮚ 本調査では、季節データの効率的な収集の観点から、2025 年 1 月に助言委員会スコーピング・ワーキンググループの実施を目指しており、これに向けて効率的、迅速、かつ必要な資料作成を行う。
⮚ 本事業における環境社会配慮において特に留意すべき点は以下のとおり。
① 汚染対策や自然環境面について、環境や社会への望ましくない影響とその回付・緩和策等について詳細を確認する。
② 本事業により、12 世帯 19 人の非自発的住民移転が想定される。用地取得・住民移転の規模、影響を可能な限り緩和するための方策。被影響住民への補
償方針等について詳細を確認する。
(9)Information and Communication Technology(ICT)技術・デジタル技術の活用
☒本業務では以下の点に留意する。
⮚ セルビア側関係機関のニーズ及び経済合理性に留意しつつも、以下の点を中心に、従来の手法にとらわれない柔軟な思考に基づいて、積極的に ICT 技術・デジタル技術の活用を検討する。
⮚ 設備等の遠隔監視の可能性:水力発電は、一般的に山間でアクセスが悪くサイトに多くの現地作業員を貼り付けてモニタリングするにはコストが高い。そのため、発電設備の維持管理に必要なデータを収集・蓄積するためのデバイスやデータベースを構築し、それらのデータを遠隔監視することによる維持管理
(日常巡視など)の効率化を検討する。また、監視制御用に導入が想定されるシステムの仕様や既存システムとの結合要否および結合時の課題・対処方法の確認を行う。
⮚ サイバーセキュリティ:実施機関が 2023 年にサイバー攻撃を受けたとの報道も有るため、サイバーセキュリティ対策にかかる資機材、研修等を検討する。
⮚ 上述の通り、Radojinja 調整池の水位は常に Klak 上部調整池より高くなるよう運用されることが計画されているため、これを監視するシステム及び発電所の起動・停止への対応方法について検討する。
(10)迅速化に向けた検討
☒相手国側の迅速化への要望に応えるため、本業務及び事業本体の工期短縮化策
を検討・提案すること。
(11)発注者の既存事業等との連携可能性の検討
☒本業務では以下の点に留意する。
⮚ 本事業の効果的な実施のため、相手国内における発注者の実施する既存事業
(円借款事業を含む有償資金協力事業、無償資金協力事業、技術協力事業、民間連携事業等)との具体的な連携の可能性(共同での研修やセミナーの実施、共同研究等)を追求すること。
⮚ 国別研修「再生可能エネルギーの大量導入に備えた電力系統安定化」(2022 年
~2024 年)を通じ、本事業の実施機関に対し、電力系統の計画・運用や広域連系に係る日本の技術・知見・経験を共有しているため、これも踏まえつつ、本事業の検討を行う。
(12)相手国関係機関との調整
☒本業務では以下の点に留意する。
⮚ セルビアの現行の所得水準では、総事業費の 70%が円借款供与額の上限とな
る。日本の単独融資となる場合は、総事業費の 30%が先方政府の自己負担となるが、同予算が適切に確保されるか、十分な情報収集・確認を行う。
⮚ 本事業はセルビア政府(財務省)が借入人となり、セルビア電力会社が実施機関となる予定(尚、完工済の円借款「二コラ・テスラ火力発電所排煙脱硫装置建設事業」では、セルビア電力会社が借入人兼実施機関、セルビア政府が保証人であった)。このため、予算配布や債務返済等に関するセルビア政府とセルビア電力会社の関係について詳細を確認し、事業費の検討等において必要な確認を行う。
第4条 業務の内容
(1)業務計画書の作成・提出
① 要請関連資料及び先行調査・既存事業等の内容を調査した上で、業務全体の方針・方法及び作業計画を検討し、共通仕様書第 6 条に従い、業務計画書を作成する。特に先行調査等における課題点や更新が必要な箇所を整理し、相手国政府・実施機関で検討・調整が必要な事項、現地でさらに収集する必要がある資料や情報/データをリストアップし、業務計画書に反映する。
② 業務計画書を発注者に提出して承諾を得る。
(2)インセプション・レポートの説明・協議
① 業務計画書の内容を踏まえて、インセプション・レポートを作成する。
② 現地調査開始時に、インセプション・レポートに基づき、相手国政府・実施機関に対し、調査方針・調査計画・便宜供与依頼事項等の内容を説明する。
(3)事業の背景・経緯・目的・内容等の整理
① 本事業の背景や必要性を整理するために必要な情報収集・分析を行う4。
• 相手国の開発計画・当該セクターの上位計画等における事業の位置づけ(上述の既存資料も活用しつつ、セルビア政府の脱炭素化に向けた政策、電源構成の見直しに向けた計画、その中での本事業の位置づけ、電力セクターにおける法律・規制等について整理する。)
1)セルビアの脱炭素及び電力セクター政策の概観
✓ セルビアの国家開発計画における脱炭素及び電力セクターの位置づけを整理する。
✓ 電力セクターにおける施設建設等にかかる政策、計画を整理する。
4 一般的に必要となる事項。対象セクターや事業の特性に応じて適宜項目を追加・修正する。
✓ 政策及び計画における揚水発電所の位置づけを確認する。
✓ 電力セクターに関連するセルビア国内の法律・規則等の情報収集を行う。
2)電力需給の実績及び見込、電力設備計画のレビュー
✓ 電力需要及び電力供給の現状・中長期的予測を調査する。
✓ 電力セクターにおける既存プロジェクトの進捗状況をレビューする。
✓ 電力セクターにおける、再生可能エネルギーを含む各種エネルギーの位置づけの現状及び将来的予測のレビューを行う。
✓ 揚水時に利用される余剰エネルギー源を確認する。
3)電力セクター改革の進捗状況
✓ IMF、世界銀行等からの支援を活用しつつ進められている電力セクター改革に関し、その進捗をレビューする。
4)電力市場の概観
✓ セルビアの電力市場の全体像を整理する。
• 事業対象地域及びその周辺の経済・社会・環境の状況
• 事業と関連する需給や関連する建造物の整備・維持管理の現状と今後の動向(セルビアの需給ギャップに対する本事業の貢献に関しても以下の情報等を収集し整理する。)
✓ 電力需給予測(周辺国への輸出入含む)
✓ 将来の電源構成比
✓ 発電にかかる系統全体のコスト
✓ 再エネ停止時の影響
✓ 本事業で整備する揚水発電所の運営/運用計画
② 上記①を踏まえて、本事業の意義と必要性を検討する。
(4)自然条件調査、現地条件調査等
☒概略設計、事業実施計画、事業費の積算について必要な精度を確保し、また本
事業により新設・拡張・附帯される施設・設備が自然・社会・生活環境に及ぼす影響を適切に予測し、その影響を回避/最小化しうる設計・施工を検討するため、先方作成のF/S も踏まえつつ、以下に示す自然条件調査、現地条件調査等を行う。特に、上部調整池の建設予定地が適切な地質・地形となっているか、十分な確認を行う。尚、本調査については現地再委託にて実施することを可とする。
① 水文・気象調査
② 地質・地形調査
⮚ 上記の調査結果を踏まえ、下記項目について見直しを行う。
• 地形評価、地質評価
• 土地周辺の浸透率の分析
• 水路、導水路、サージタンク、発電所周辺の軟弱地盤の分析
• 設計洪水量、水回し水路設計流量、設計堆砂量
(5)環境社会配慮に係る調査
☒本業務では以下の対応を行う。
⮚ 本事業では、先方政府が整備した既設の下部調整池を活用する計画となっている。このため、同下部調整池も含めた事業全体の環境社会配慮を本調査の対象とする。
⮚ 実施機関により環境社会配慮調査報告書の作成が進められており(現時点で 2024 年 9 月完成予定)、これら報告書を含む既存データを精査し、JICA 環境社会ガイドラインに基づき確認、検討すべき内容との乖離を確認し、必要な追加調査を行う。このため、JICA 環境社会ガイドラインに基づく対応との乖離及び解消策を検討した上、追加で調査が必要な事項と調査工程をインセプション・レポートにまとめて報告すること。尚、インセプション・レポートにはその時点で確認できる情報を基に作成した、JICA 環境社会ガイドライン<参考資料>の環境チェックリスト案を含めること。
1) 環境アセスメント
1.JICA 環境社会ガイドラインに基づき、環境アセスメント報告書案(英語
)の作成を行う。環境アセスメント報告書案には、世界銀行 Environmental and Social Standard (ESS)1 Annex 1 に記載ある内容を含めることとし、環境社会配慮面も含めた代替案の比較検討を行い、重要な環境影響項目の予測・評価、緩和策、モニタリング計画案の作成を行う。また、作成に際し、「カテゴリB 案件報告書執筆要領(2023 年 5 月)」及び世界銀行の環境社会ポリシーを参考にする。相手国等(関係省庁・機関)がスコーピング案と報告書案の段階で、それぞれ事前に十分な情報を公開した上で、ステークホルダー分析を踏まえて現地ステークホルダー協議を行うことを支援し、協議の結果を調査結果に反映させる。また影響評価の検討にあたっては、周辺事業・施設等に伴う派生的・二次的な影響、累積的影響並びに不可分一体事業、その他 Rights of Way に含まれないものの負の影響が想定される施工関連施設(採石場、土取り場、土捨て場、仮設ヤード、アクセス道路等)に留意すると共に緩和策の実施
が新たな用地取得を伴う場合(例:住民移転の代替地や代替植樹地等)はその実現性も考慮すること。環境社会配慮助言委員会にスコーピング案とドラフ ト・ファイナルレポートの段階で助言を求めるため、その資料作成や質疑応答等の業務支援を行う。また、相手国等(関係省庁・機関)と協議の上、JICA環境社会ガイドライン<参考資料>の環境チェックリスト案を作成する。
2.環境アセスメント報告書に関する主な調査項目は、以下のとおり。本業務については、現地の事情に精通していることが必須であるため、現地再委託や現地傭人にて実施することを認める。
(1)相手国の環境社会配慮制度・組織の確認
1)環境社会配慮(環境アセスメント、情報公開等)に関連する法令や基準等
2)JICA 環境社会ガイドラインとの乖離及びその解消方法
3)関係機関の役割
(2)代替案(事業を実施しない案を含む)の初期的な比較検討
(3)スコーピング(検討すべき代替案と重要な及び重要と思われる評価項目の範囲並びに調査方法について決定すること)の実施
(4)ベースラインとなる環境社会の状況の確認(汚染対策項目(乾季・雨季等の主な季節毎に対して調査すること)、自然環境、自然保護・文化遺産保護の指定地域、土地利用、先住民族の生活区域及び非自発的住民移転・用地取得等を含む社会経済状況等に関する情報収集。特に汚染対策等に関しては、現地での測定に基づくデータの収集を含む。)
(5)影響の予測(定量的な予測を含むのが望ましい。)
(6)影響の評価及び代替案の比較検討(比較にあたっては環境社会関連の費用・便益のできるだけ定量的な評価に努めるとともに、定性的な評価も加えた形で、プロジェクトの経済的、財政的、制度的、社会的及び技術的分析を含めること。)
(7)緩和策(回避・最小化・軽減・緩和・代償)の検討
(8)環境管理計画・モニタリング計画(実施体制、方法、費用、モニタリングフォームなど)(案)の作成
(9)予算、財源、実施体制の明確化
(10)ステークホルダー分析の実施とステークホルダー協議の開催支援(実施目的、参加者、協議方法・内容等の検討。JICA 環境社会ガイドライン別紙 5 を参照のこと。)例えば、フォーカスグループディスカッションを行う等、女性、子ども、高齢者、貧困層、先住民族、障害者、難民・国内避難
民、マイノリティなど社会的に脆弱なグループに配慮したステークホルダー協議が行われるよう支援すること。
(11)プロジェクトから直接排出される温室効果ガス排出量が年間 25,000CO2
換算トン以上の場合、供用段階における排出推計
注:上記、(3)~(8)は一連の検討に沿って作成する必要があるため、各評価項目(例:大気質、水質)はスコーピング、ベースライン調査、影響評価、環境管理計画、モニタリング計画等を通じて整合する必要があることに留意すること。
3.環境アセスメント報告書案に基づき、協力準備調査報告書内の環境社会配慮該当箇所を作成する。
2) 住民移転計画
1.JICA 環境社会ガイドライン、世界銀行ESS5 及び相手国政府の住民移転計画に関するガイドラインに基づき、住民移転計画案(英語)の作成を行う。住民移転計画案には、世界銀行ESS5Annex1 に記載のある内容及び以下(1)~
(11)を含めることとする。具体的な作成手順・調査内容・方法については、世界銀行ESS5 のGuidance Note for Borrowers や世界銀行Involuntary
Resettlement Source Book Planning and Implementation in Development Projects も参照する。また、作成に際し、「カテゴリB 案件報告書執筆要領
(2023 年 5 月)」を参考にする。なお、環境社会配慮助言委員会に「住民移
転計画案作成方針」及び「住民移転計画案」を作成した段階で助言を求めるため、その資料作成や質疑対応等の業務支援を行う。また、住民移転計画案を策定するために実施した、社会経済調査(人口センサス調査、財産・用地調査、家計・生活調査)、再取得価格調査、生活再建対策ニーズ調査等の関連調査結果も発注者へ提出する。
本事業のためにすでに用地取得あるいは住民移転が行われた土地が有る場合、その過程での住民協議方法や補償水準について確認の上、「JICA 環境社会ガイドライン」と乖離がある場合、その解消策を提案する。
尚、本業務については、現地の事情に精通していることが必須であるため、現地再委託や現地傭人にて実施することを認める。
(1)住民移転に係る法的枠組みの分析 1)用地取得や住民移転に係る相手国等の法制度と「JICA 環境社会ガイドライン」の乖離を分析し、その乖離を埋めるために必要な対応策を提案する。特に、補償や生活再建対策の受給権者要件、補償基準の公開、補償金の算定方法、合意される個別補償内容の文書化や対象者への説
明・閲覧要件、補償金の支払い時期、生活再建対策、苦情処理手続きに関する乖離については必ず確認する。
(2)住民移転の必要性の記載 1)事業概要、事業対象地、用地取得・住民移転(所有する土地や構造物への影響により主たる生計手段を失う経済的移転を含む)・樹木や作物の伐採等が生じる事業コンポーネントを記載する。また、用地取得及び住民移転を回避・最小化させるために検討された初期設計の代替案を記載する。住民移転について、地籍図を基に正規・非正規別の移転規模、移転完了時期、実施機関の責任・役割を整理する。
(3)社会経済調査(人口センサス調査、地籍・財産・用地調査、家計・生活調査)の実施 1)人口センサス調査は、事業による用地取得・住民移転等の対象者を対象に実施し、補償・生活再建対策の受給権者(地主、賃借人、商売人、店舗従業員、非正規占有者を含む)数を確認する。なお、調査開始日にカットオフデートが宣言され、カットオフデート後に流入した住民に対しては補償・生活再建対策の受給権は付与されないものとする。移転先地を提供する場合には、移転住民の移転先地に対する意向調査も併せて行う。 2)地籍・財産・用地調査は、事業対象地の全占有者が所有する資産を対象に実施し、物理的、経済的に影響を受ける資産項目及びその数量、正規・非正規の別を確認する。人口センサス調査と同時に実施することが望ましい。
3)家計・生活調査は、事業対象地の占有者の最低 20%を対象に実施し、
受給権者世帯の標準的特徴、生計・生活水準に関する基礎データ、社会的弱者(特に貧困ライン以下の住民、土地を所有していない住民、老人、女性、子ども、先住民族、少数民族、障害者、マイノリティ、その他当該国の土地収用法でカバーされていない人々を指す)に係る情報を整理する。
(4)損失資産の補償、生活再建対策の立案 1)損失資産の補償、生活再建対策の受給権者要件(地主、小作人、賃借 人、商売人、店舗従業員、非正規占有者を含む)を特定する。 2)土地ベースで生計を立てている受給権者の場合は、金銭補償ではなく、同立地、同生産性を有する代替地の提供を優先し、提供できない場合はその理由を記載する。 3)損失のタイプ、損失の程度、補償・支援の受給権資格者、受給補償内 容、責任機関等その他を記載した補償の枠組みを整理したエンタイトルメント・マトリックスを作成する。
4)ESS 5 で定義される再取得費用に基づく損失資産の補償手続き及びその手続きに責任を有する機関について記載する。補償手続きの検討にあたっては、受給権者が所有する代表的な土地、資産の価格査定を目的とした再取得価格調査を必ず実施し、再取得費用と相手国等の法制度に基づく補償水準に乖離があるかを確認する。仮に乖離が確認された場合は、乖離を埋めるために必要な補償金の補填手続き及び責任機関を検討する。なお、物理的な移転を伴う受給権者に対しては、転居費用も併せて提供する。 5)生活・生計への影響については、移転前と比べ、受給権者の生計及び生活水準が改善、少なくとも回復させるための生活再建対策を策定する。生活再建対策は、損失資産補償補填、雇用提供、給与補填、信用供与、職業訓練等の形態をとりえる。ただし、技術的、経済的に実行可能で有ることに加え、受給権者と協議の上で作成される必要がある。
(5)移転先地整備計画の作成 1)必要に応じて取得される土地に比べ潜在的に生産性や立地に優位性がある移転先地を地籍図・土地利用計画図等を基に選定し、住宅や社会基盤
(上下水道、区画道路等)の整備計画、社会サービス(学校、医療等)提供計画を作成する。移転先地の選定にあたっては同立地の災害リスクを勘案する。また、移転先地整備に伴う環境アセスメント、緩和策、環境管理計画を作成する。
(6)苦情処理メカニズムの検討 1)事業対象地にある既存の苦情処理メカニズムを活用すべきか、新たに苦情処理メカニズムを構築すべきかについて、容易さ、利便性、信頼性等の観点から比較検討する。選定された苦情処理メカニズムに関し、手続きを担う組織の権限、組織の構成メンバー、苦情の申立方法、処理手順、処理期限、周知方法等を記載する。
(7)実施体制の検討
1)住民移転に責任を有する機関(実施機関、地方自治体、コンサルタン ト、NGO 等)を特定し、各機関の責務(機関の役割、組織図、部署の役 割、スタッフの役割、採用基準、人件費を含む経費等)を記載する。 2)住民移転に責任を有する各機関の組織能力評価を行い、不十分な場合は能力強化策を提案する。原則として整備した移転地の引き渡し後、地方自治体が移転地のインフラや電気・ガス・水道・通信等のメンテナンスの責任を持って行うことについて、実施機関、自治体から承諾を得る。
(8)実施スケジュールの検討
1)補償金や転居に必要な支援(引越手当等)を提供し終え、移転先地のイ
ンフラ整備や社会サービス(医療や教育等)の提供準備が整った段階で、物理的な移転を開始するスケジュールとする。
(9)費用と財源の検討
1)補償費、移転先整備費、生活再建対策費、事務費等の住民移転に必要な費用を項目別に概算し、全体の支出スケジュールを作成する。補償費は、再取得価格調査を実施した上で、受給権者が所有する代表的な土地、資産の価格査定結果に基づき概算する。相手国等の用地取得、住民移転に係る法制度に基づかない費用を確保する必要がある場合は、その財源の確保方法についても検討する。
(10)モニタリング・事業終了評価方法の検討 1)実施機関による内部モニタリング体制を検討し、住民移転の進捗監理のために必要なモニタリングフォームを作成する。なお、モニタリングフォームには、住民移転に係るインプット、アウトプット、アウトカム指標を含める。 2)独立機関による外部モニタリング体制を検討し、外部委託する際に必要な公示資料案を作成する。 3)住民移転が計画どおり実施されたか確認するために必要な事業終了評価方法を検討し、外部委託する際に必要な公示資料案を作成する。
(11)住民参加の確保 1)社会的弱者(女性、子ども、高齢者、貧困層、先住民族、障害者、難民・国内避難民、マイノリティなど社会的に脆弱なグループを含む)や移転先住民にも十分配慮した形で、住民移転の計画立案から実施を通じて住民参加を確保するための戦略を作成する。当該戦略には、ステークホルダー分析、初期設計代替案に関する住民協議、社会経済調査を通じた個別世帯への事業説明、鍵となる人物へのインタビュー、社会的弱者等とのフォーカスグループディスカッション、補償方針を含めた住民移転計画案に関する住民協議、移転情報冊子の配布、移転住民の参加を確保した実施・モニタリング体制が含まれることが望ましい。なお、案件形成段階の住民参加を確保するための戦略については、実際に、住民説明・協議の開催支援を行う。また、住民説明・協議を開催した場合は議事録を作成し、得られた意見については住民移転計画へ如何に反映したかも記載する。なお、住民協議等に必要な費用は再委託費等に含むこととする。
2.必要に応じて、住民移転計画案に基づき、協力準備調査報告書内の環境社会
配慮該当箇所を作成する。
(6)ジェンダー視点に立った調査・計画
☒本業務では以下の対応を行う。
① 調査の実施に際しては、支援対象国・地域の社会(や世帯内)における、ジェンダー別による労働や力関係、役割分業の状況、ジェンダーに関連した制度・社会規範・慣習等を調べた上で、ジェンダーで異なるニーズや課題等を調査・分析し、抽出されたジェンダー課題やニーズに対する取り組みを事業内容に反映させる。
また、実施機関におけるジェンダー主流化の状況や取り組みの可能性について調査し、実施機関におけるジェンダー平等と女性のエンパワメントを推進する取り組みを反映させる。
② 具体的な検討に際してのステップは以下のとおり。事業内容に反映するためのステップ
(ア)社会・ジェンダー分析を行う。
(イ)事業の枠組みの中でジェンダー課題を解消するための活動を特定・設定する。
(ウ)ジェンダー視点に立ったアウトプット(成果)設定の必要性を検討する。
(エ)ジェンダー視点に立った取り組みを担保し測定するための指標を設定する
③ 調査項目として、職員のジェンダー比、特に女性職員の労働状況・進出への課題、実施機関におけるジェンダー平等推進の取組状況、更衣室やトイレといった施設構造面における改善可能性等を含める。
(7)気候変動対策事業としての案件形成に係る情報収集・分析5
☒事業計画に当たって、気候変動対策(緩和・適応)に資する活動を事業計画に
組み込むことを検討する。
☒本事業は事業実施により気候変動対策事業(緩和)に資する可能性があること
✎ら、「気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT)(緩和策)」等を参考に、
本事業を通じた緩和効果(温室効果ガス排出削減・吸収量)の推計を行う。
具体的には、 JICA 気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT 緩和版「15. 再生可能エネルギー/太陽光・風力等」等を参照の上、本事業の実施による GHG 排出削減量を推計し、推計に使用したバックデータも合わせて提出する。
☒「気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT)(適応策)」の該当箇所等
を参考に、本事業における気候変動リスク評価(気候変動により発生する影
5 パリ協定に基づき、対象国は「国が決定する貢献」(NDC: Nationally Determined Contribution)を策定している。開発と気候変動対策の統合的実施を推進する観点から、気候変動対策に資する活動を事業計画に組み込むことが重要である。
響・リスクの評価)を実施し、適応策(気候リスクの回避・低減策等)の特定、事業計画に当たっての適応策の事業への組み込みの検討・提案及び裨益人口(適応案件の受益者数)の推定を行う。
具体的には、JICA 気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT 適応策版)「7.水力発電所」等を参照の上、気候リスク(ハザード、曝露、脆弱性)を評価し、本事業が適応策に資する✎確認し、適応オプションに関する検討結果を提出する(洪水や渇水対応に寄与する設備導入等)。
(8)代替案の検討
☒上記各種調査等のレビュー✎ら得られた情報に基づき、経済性・施工性・維持
管理・環境社会面の影響の回避/最小化等の観点✎ら、「事業を実施しない」案も含め、必要な代替案の検討を行う。
⮚ 代替案検討が求められる項目6は以下のとおり。第 4 条(4)自然条件調査、現地条件調査等も踏まえつつ、検討を行う。
① 出力が安定しない太陽光・風力発電の大量導入を可能にするための、揚水発電所以外の調整電源(ガスコンバインドサイクル発電、蓄電システム等)
② 建設予定地
③ 施設の構造形式
④ 施工方式
⮚ 上記の過程で、上部調整池の建設予定地に関しては、現行の予定地の妥当性及び Uvac 川流域とLim 川流域の分水嶺付近に掘込式貯水池を設ける代替案についても検討する。
(9)概略設計
⮚ 上記各種調査や既存事業等のレビュー、代替案の検討を踏まえ、以下の概略設計を行う。なお、概略設計の実施に当たっては、本事業に係る設計方針(設計基準等の設計条件を含む)を提案し、発注者と協議し承諾を得たうえで、相手国政府・実施機関に説明を行う。
① 発電所概略設計
• 地下発電所(168MW×4 基)
② 調整池概略設計
• 上部調整池(貯水容量 108,000,000m3、うち有効貯水容量 70,000,000m3)
• 下部調整池(※)
6 上記で指定のある事項については必ず代替案の検討を行うものとするが、それ以外でも検討すべき事項があれば、それらについても代替案の検討を行う。
(※)既存の下部調整池を活用する計画が問題無い✎確認する
③ その他施設に✎✎る概略設計(導水路、送電線等)
• 導水路 8.6km
• 基幹送電網接続用の変電設備(400kV)及び送電設備(14km)
• その他施設(アクセス道路等)
④ 完成予想図(CIM/BIM を活用した CG 等)
• 最適代替案を選定する際の意思決定を補助する目的でのビジュアル作成
• 概略設計後の完成予想図の作成
⮚ 本事業で建設する発電所は大型であるため、送電系統における潮流や短絡容量、動的安定度をチェックし、発電所が安定的に運転できる✎確認することが必要 となる。再生可能エネルギー開発に向けたセルビア政府の計画に基づく系統を 想定した上で、系統解析を行い、本事業が安定度等の電力品質向上に資するこ との確認を行う。尚、本事業で建設する発電所は、西バルカン基金(Western Balkans Investment Framework)及び KfW の支援で整備中の地域連系送電線
(400kV、2028 年完工予定)に接続される予定。尚、本解析作業については、現地再委託にて実施することを可とする。
(10)事業実施計画の策定
⮚ 上述の業務を踏まえ、以下の事業実施計画を策定し、発注者の承諾を得る。
① 施工計画
• 建設工法、施工手順、排水等の仮設備計画、及び資機材等の調達方法・輸送ルート・手段及び施工に必要な工事用道路、ストックヤード等の用地取得計画を施工計画にて提案する。
• 施工計画の策定にあたっては、可能性のある施工ヤード、資機材の搬出入方法、掘削土の搬出・処分方法などの調査結果も踏まえること。
• 想定される事業地の周辺の既存道の状況を踏まえ、工事用道路としての使用可能性に配慮して、必要に応じて周辺既存道路の改修計画も考慮すること。
② 建設期間中の交通管理計画及び安全管理計画
• 安全対策に係る相手国の法令及び JSSS を参照の上、工事安全対策並びに事業地周辺の交通への負荷を考慮した交通管理計画を策定する。
• 相手国側の対応が求められるような、用地確保や交通規制等の事項については、対応をとるべき当事者、調整が必要な相手国関係機関を整理すること。
③ 資機材調達計画
• 本事業で調達する主な資機材について、最も合理的な調達先を整理し、資機材調達計画を策定する。
• 施工段階での陸上・海上輸送計画、維持管理段階で必要となる部材・パーツ・機材の調達計画を含めること。
④ 事業実施スケジュールの策定
• 施工計画、資機材調達計画、相手国政府・実施機関が行う手続きや用地取得等を踏まえて、月単位のバーチャート形式のスケジュールを策定する。
• バーチャート上には、施工・調達に当たって重要な項目及び環境社会配慮や森林・休耕地を含む耕作地・使用許可・用地取得等の外部条件を整理して明記すること。その際には、施工に当たって必要となる資機材の仮置き場及び工事用地の確保並びに施工に必要な工事用道路構築等に要する期間を適切に反映すること。
(11)本邦技術の活用可能性の検討
☒本業務では以下の対応を行う。
① 事業における技術的ニーズ
• 本事業に期待される技術的なニーズ(施工性、維持管理性、必要に応じて耐震性など)を整理する。
② 活用可能な本邦技術・工法
• 本邦技術・工法について、効果・機能・本邦の優位性・取扱い本邦企業・海外での活用実績・類似技術を整理する。
• 競合国企業の技術レベル・施工実績等も整理する。
③ 相手国が活用を希望する本邦技術・工法
• 相手国が活用を希望する本邦技術・工法について、効果・機能・本邦の優位性・取扱い本邦企業・海外での活用実績・類似技術を整理する。
④ 本事業で適用されるべき本邦技術・工法
• 上記検討及び相手国政府・実施機関の意向を踏まえ、本事業で適用されるべき本邦技術・工法について、整理する。
⑤ 本邦調達比率の算定
• 本邦調達比率(全体・各パッケージ)を算定のうえ、パッケージごとの本邦企業の参入可能性を整理する。
(12)事業費の積算
⮚ 事業費について、以下に従って積算する。なお、報告書には事業費の総表(積算総括表)のみを記載し、個別具体的な詳細は、別途発注者に提出し承諾を得
る。
① 事業費項目
• 基本的に以下の項目に分けて積算を行う。このうち、下線部についてはその算出方法等を発注者✎ら指示することがある。
(ア)本体事業費
(イ)本体事業費に関するプライスエスカレーション (ウ)本体事業費に関する予備費
(エ)建中金利
(オ)フロントエンドフィー
(カ)コンサルタント費(プライスエスカレーションと予備費を含む) (キ)その他 1(融資非適格項目)
ア) 用地補償等イ) 関税・税金
ウ) 事業実施者の一般管理費
(ク)その他 2(融資非適格項目※)ア) 完成後の委託保守費
イ) 初期運転資金
ウ) 研修・トレーニング費用、広報・啓蒙活動等に要する費用エ) 他機関建中金利
※案件の性質によっては融資適格項目とすることが可能。
② 事業費の算出
• 事業費について、発注者✎ら別途提供するコスト積算支援ツール(Excel ファイル)の様式にて作成し、提出する。なお、同様式の動作環境は、64bit版 Windows OS(Windows 10 以上)を推奨している(macOS は推奨しない)。
③ 積算総括表の作成
• 上記②を参照して積算総括表を作成し、その内容を発注者に説明し、承諾を得る。
④ 直接工事費・諸経費の内訳の整理
• 直接工事費の内訳(Bill of Quantity: BQ)7、諸経費8(共通仮設費、現場管理費、一般管理費等)の内訳について、積算根拠(バックデータ、適用した積算基準等)とともに整理し、 発注者に提出する。
7 直接工事費の内訳(Bill of Quantity: BQ)については、予備設計レベル(百番台)と 同等以上に細分化すること。
8 諸経費については、率計上分に加えて、積上げ計上分も含むものとする(積上げ計上については、具体的に計上した費目が分かるように明記すること。)
⑤ 事業費に✎✎るコスト縮減の検討
• 事業目的の達成を前提としてコスト縮減の可能性がある事項を整理し、コスト縮減策をとることができる場合の制約条件とその効果に✎✎る検討結果を発注者が別途指示する様式に整理し、提出する。
⑥ 類似事業との事業費等の比較
• 事業費については、その妥当性を検証するため、他ドナーや相手国政府・実施機関等が実施した類似事業について以下を含む情報を入手し、比較表及び参考となる写真を添付して「事業費等の比較資料」(様式の指定なし)を簡便に作成し、概略事業費の妥当性を示す資料として提出する。
⮚ 実施時期
⮚ 事業費(総事業費(当初見積額・実績額)及び内訳)
⮚ 設計条件・仕様
⮚ 入札方法(Pre-Qualification:PQ 基準、国際入札/国内入札等)
⮚ 契約条件(総価方式/BQ 方式、支払条件(履行保証の有無等)等)
⮚ 施工監理方法(品質管理、工程管理、安全管理・保安対策等)
(13)調達計画の策定
☒本業務では以下の対応を行う。
⮚ 概略設計・施工計画に基づき、調達すべき資機材の数量を算出し、発注者の承諾を得る。
⮚ 調達ガイドライン及び標準入札書類の内容を踏まえ、将来のコントラクター応札の観点✎ら契約形態に相応しいパッケージ分けを検討し、パッケージごとに外貨・内貨の内訳を設定根拠とともに明ら✎にする。
⮚ 調達計画について、以下の情報整理と検討を行う。なお、下記②~④の内容については報告書には記載せず、別途発注者に提出する。
① 相手国における当該類似事業の調達事情
• 本事業で実施される類似工事/設備導入に✎✎る入札と契約に✎✎る一般事情
• 現地コントラクターの一般事情(施工実績、保有する建設機械等)
• 現地コンサルタントの一般事情(詳細設計、入札補助、施工監理における経験・能力)
② 入札方法、契約条件の設定
• 調達方式
• 契約約款
• 契約条件書等の設定の基本方針
• 適用する標準入札書類等
③ コンサルタントの選定方法案
• International Consultants の採否
• ショートリストの策定方法
• コンサルタントのプロポーザル選定方法(QCBS/QBS)等
④ コントラクターの選定方針案
• PQ 条件の設定
• 入札パッケージ(発注規模、工種別の発注等)の考え方
• Local Competitive Bidding(LCB)の採否 等
(14)事業実施体制の検討
☒本業務では以下の対応を行う。
① 実施機関の体制(組織面)
• 実施機関の法的位置づけ、業務分掌・組織構造・人員体制などを整理する。
② 実施機関の体制(財務・予算面)
• 実施機関の財務状況、予算の実績・見通しを整理する。特に、日本の単独融資となる場合は、総事業費の 30%が先方政府の自己負担となるが、同予算が適切に確保される✎、十分な情報収集・確認を行う
③ 実施機関の体制(技術面)
• 実施機関が保有する技術者・技術基準・研修・機材などを整理する。
④ 実施機関の類似事業の実績
• 実施機関が事業主体となった同規模の事業の実績(実施中を含む)を整理する。
⑤ 実施段階における技術支援の必要性
• 事業実施体制について、必要となる制度、手続きなどについて整理し、留意すべき事項・ボトルネックの解消に当たっては、技術的な支援の必要性について検討する。
(15)運営・維持管理体制の検討
☒本業務では以下の対応を行う。
① 運営・維持管理機関の体制(組織面)
• 運営・維持管理機関の法的位置づけ・業務分掌・組織構造・人員体制等を整理する。
② 運営・維持管理機関の体制(財務・予算面)
• 運営・維持管理機関の財務状況を(公社等の場合は)財務諸表の分析、(省
庁等の場合は)予算実績や開発計画における見通し等を通じて整理し、運営・維持管理体制の財務的持続性を検討する。
• 本事業の実施機関及び運営維持管理機関となる予定のセルビア電力会社は、
2021 年及び 2022 年の損益が赤字となっている(2021 年については、コロナ禍での経済活動再開に伴う需要の急拡大が世界的に生じ、資材・燃料価格の高騰等が生じ、2022 年については、ウクライナ情勢の影響も加わり、上記 2 年で損失が生じているものと考えられる)。これに対し、セルビア政府は同電力会社に対する流動性支援を行った他、IMF のスタンドバイ・アレンジメントや世界銀行等の開発政策借款も活用しつつ、電力料金の引き上げ等の改革が進められ、財務体質の強化が図られている。最新の IMF報告書では、同電力会社の中期的なコストリカバリーは達成された旨の評価がなされているものの、本調査においても、財務的持続性を十分に確認する。
• 揚水発電所で発電された電力は、地域連系送電線に接続され、エンドユー
ザーのみならず、電力卸売市場及び電力調整市場での販売が想定されているが、具体的な収益メカニズムについて確認を行う。
③ 運営・維持管理機関の体制(技術面)
• 運営・維持管理機関が保有する技術者・技術基準・研修・機材などを整理する。
④ 運営・維持管理機関の運営・維持の実績
• 運営・維持管理機関が運営・維持している施設の名称・規模・立地地域等を整理する。
⑤ 運営・維持管理段階における技術支援の必要性
• 運営・維持管理体制について、上記①~④における課題及び必要となる制度・手続きなどについて整理し、留意すべき事項・ボトルネックの解消に当たり、技術的な支援の必要性について検討する。
(16)実施機関負担事項の整理
① 用地の取得・確保(作業用地・土取り場・土捨て場等を含む)
• 事業実施に必要となる用地について、所有者・規模・位置・アクセス方法・取得完了予定時期・実施機関の責任/役割を整理する。作業用地・土取り場・土捨て場については、位置・規模の概略を確定する。
② 住民移転(住民移転が生じることが判明した場合)
• 既存の地籍図等を基に合法/非合法別の移転規模・移転完了時期・実施機関の責任/役割を整理する。
③ 支障物移設
• 支障物移設について、支障物の種類ごとに移設完了時期(移設に必要な期間)・占有物件管理者・実施機関の責任/役割を整理する。
④ 事業実施に必要な許認可
• 事業実施に必要な許認可について、許認可権者・許認可取得に要する期間・実施機関の責任/役割を整理する。
⑤ 事業実施上の規制(工事安全・環境等を含む)
• 事業実施上の規制について、規制権者・実施機関との関係を整理する。
(17)免税措置の調査
☒相手国での先行する有償資金協力事業における免税対応も参考に、本事業にお
ける免税措置について、相手国の法制度を参照しつつ、整理する。
(18)事業実施段階における施工上の安全対策の検討9(土木工事、感電対策等)
☒本業務では以下の対応を行う。
⮚ 本事業実施に伴う工事安全上の留意点を整理し(例:安全に配慮した設計、工事安全確保のために必要な作業用地の確保、安全管理体制、事故発生時の報告、仮設、交通規制等)、(コンサルティング・サービスを含む)事業費や工期、施工方法の検討に反映する。✎✎る検討に際しては相手国の建設分野に適用される労働安全衛生法制及び関連の各種基準を調査するとともに、JSSS の最新版10を参照する。
⮚ 相手国側の対応が求められるような事項(用地確保や交通規制等)について、対応をとるべき当事者・調整が必要な関係機関を明ら✎にして整理・記述する。
⮚ 特に本事業では、ダムの整備に必要な工事や高所作業を要する工事が想定される他、感電のリスクも有ること✎ら、通常の土木工事以上の注意喚起や防止策が講じられるように留意する。
(19)リスク管理シート(Risk Management Framework)の作成
☒審査段階および実施段階で発生し得る問題の潜在的なリスク要因の特定および
対応策を検討し、発注者が別途指定する様式に従いリスク管理シート(案)を作成する。
9概略設計や事業費の積算等に当たっては、業務主任者は安全対策計画についても責任を負う。
10 JSSS は、仏語圏/西語圏、FIDIC 契約約款を用いない契約など、一部の円借款事業においては適用することを想定していないが、その内容に鑑み、本事業の実施段階での適用如何に依らず、内容を十分に理解した上で調査を実施する。
(20)本事業実施に当たっての留意事項の整理
☒本業務では以下のとおり対応を行う。
⮚ 本事業を円借款事業として実施する場合、その円滑な実施に直接的な影響を与えると考えられる留意事項を整理し、「調査関連資料」として、発注者に別途提出する。
⮚ 特に留意する観点は以下のとおり。
• 調達計画に基づく円滑な実施に影響を与えうる要素
• 過去事例を踏まえた課題
• 電力セクター改革の動向、民間事業者との関係
• HIV 対策
• 軍事利用の回避 等
(21)コンサルティング・サービスの提案
☒本業務では以下のとおり対応を行う。
⮚ 上記一連の調査内容を踏まえ、事業実施に際して必要となるコンサルティング・サービスの内容とその規模11について検討し、その内容について、報告書には記載せず、発注者へ別途提出する。
⮚ コンサルティング・サービスの内容は、詳細設計、入札補助、施工監理、技術移転等を想定している。発注者が提供する最新の TOR サンプルを参照してコンサルティング・サービスのTOR(案)を作成する。
⮚ 本事業で可変速揚水発電機を導入した場合、セルビアで初めての事例となるため、適切な運営・維持管理に必要な技術支援のニーズを確認し、コンサルティング・サービスの中に研修等の支援を含めることを検討する。
⮚ 実施機関及び運営維持管理機関の経営・財務の改善に必要な支援のニーズを確認し、必要に応じ、コンサルティング・サービスの中に同支援を含めることを検討する。
(22)事業効果の検討
⮚ 本事業によって得られる効果を定量的効果・定性的効果に分けて評価し、発注者の承諾を得る。
① 定量的効果
• 内部収益率(IRR)
⮚ 本事業の資金計画等に基づき、経済的内部収益率(EIRR)を算出する。
⮚ 事業が将来的に料金収入を伴う場合、財務的内部収益率(FIRR)も併
11 規模は「業務人月」とする。
せて算出する。
⮚ IRR の算出は、発注者✎ら別途提供される IRR 算出マニュアルを参考とすること。
⮚ IRR 算出に✎✎る以下の詳細について、報告書には記載せず、発注者に別途提出する。
• 計算根拠(算出に当たっての仮定・前提、単価の設定根拠等を含む)
• 算出に使用した計算シート(Microsoft Excel の電子データ)
• 運用・効果指標
⮚ 開発課題別の指標例を参照しつつ、運用・効果指標を設定し、基準値とともに、事業完成の 2 年後を目途とした目標値の設定、データ入手手段の提案、評価に当たっての留意事項を整理する。
⮚ 本事業における運用・効果指標の想定は以下のとおり。一部の指標については、先方政府✎ら暫定的な数値が提供されているが、本調査で改めて確認を行う。また、その他にも有益な指標があれば提案する。
指標名 | 基準値 (2024 年実績値) | 目標値(203X 年) 【事業完成 2 年後】 |
稼働時間 ・揚水(時間/年) ・発電(時間/年) | N/A | ・揚水(3,001 時間/年) ・発電(4,111 時間/年) |
出力変化速度(%/分) | N/A | 20%/分 |
総合循環効率(%) | N/A | 70% |
最大出力(MW) | N/A | 672MW |
送電端電力量(GWh/年) | N/A | 1,050 GWh/年 |
セルビア国内の再生可能エネルギーによる発電容量の割合(%) | N/A | N/A |
温室効果ガス排出削減量 (t/年) | N/A | N/A |
• 上記に加え、本事業が有する系統安定化等の機能は、民間資金による太陽光・風力発電の導入を下支えするものであること✎ら、本事業を通じた太陽光・風力発電への民間資金動員効果についても確認する。
• また、本事業の実施により、既設の水力発電所が利用する水量及び発電量への影響も踏まえつつ、本事業の定量的効果を検討する。
• 周辺国✎らの電力輸入や、気候変動による旱魃等が本事業の発電量に与え
る影響も考慮した上で、本事業の経済効果や経済性を評価する。
② 定性的効果
• 本事業によって得られる定性的効果を明確な根拠とともに、可能な限り具体に提案する。その際、本事業の実施によって得られる本邦企業への裨益効果についても検討する。特に、セルビアでは、Toyo Tire、ニデック、JFE商事等の本邦企業が進出していること✎ら、本事業を通じて安定的✎つクリーンな電力を供給することにより、これら企業の活動の後押しや、次なる投資に裨益することが考えられる✎確認する。
(23)本邦企業説明会の実施
☒本業務では以下の対応を行う。
⮚ 本事業に関する事業概要の説明と企業の参画意向の調査を目的として、本邦企業説明会を開催する。
⮚ 同説明会開催にあたって、資料案を事前に作成し、発注者とすり合わせる。
⮚ 発注者の指示のもとで、必要に応じて同説明会実施に✎✎る運営事務(案内、説明会記録作成、企業等への連絡・調整等)や同説明会場における質疑対応等を行う。
(24)プルーフエンジニアリング実施のための資料作成
☒本業務では以下にも留意する。
⮚ 本業務の成果については、発注者が別途契約するコンサルタント及び国内支援委員会による照査(プルーフエンジニアリング:PE)を行うため、以下の時期において発注者が指示する内容を簡潔に整理し、その内容について発注者の承諾を得る。
⮚ 各時期において主に整理する内容は、以下を予定。
① 業務計画書案の提出時
• 業務の基本方針
• 事業費積算に当たっての留意事項(事業内容、施工サイトの特性等を踏まえた留意点)
• 照査の対象資料は、業務計画書及びインセプション・レポートを予定している。
② 事業費積算の作業開始直前
• 事業費積算の基本方針(適用予定の積算基準、直接工事費・諸経費の積算方法)
• 適用予定の本邦工法・技術
• 照査の対象資料は、インテリム・レポート(1)を予定している。
③ 事業費積算(案)の提出直後
• 事業費積算(案)
• 工期 ※ 雨季・冬季・出水期における休工期間を考慮すること
• 主要工種の工法(仮設・架設を含む)
• 照査の対象資料は、インテリム・レポート(2)及びドラフト・ファイナル・レポートを予定している。
⮚ 施設設計や操作・運用規則等の技術上の品質確保及び PE に対する助言を目的として、国内支援委員会を設置する予定。受注者は国内支援委員会において、業務実施過程についての報告を行い、技術的な助言を得ることとする。
• 国内支援委員会の開催時期:開催時期については、調査期間中、技術面に
関し国内支援委員会✎らの助言・意見を受けた方が良いと委員会の委員長、受注者、発注者にて判断した場合に開催する。
• 国内支援委員会の運営事務等:受注者は同委員会の開催にあたり、日時調
整、議事録作成等、運営事務を行うものとする。また、同委員会において、受注者✎ら技術面や調査方針等について説明を行い、委員✎らの助言・意見を受け、発注者と協議の上、必要に応じて調査・事業計画に反映する。尚、委員の出席に係る謝金の支払い等は発注者にて行う。
• 現地視察支援:委員会において現地視察が必要だと判断された場合は、現地での視察スケジュールの作成や面談・視察等のアレンジを行うものとする(ホテル予約、車の手配、通訳の手配も含む)。
⮚ 尚、照査の対象は本事業全体ではなく、上部調整池の整備等に必要な土木工事に限定される予定。
⮚ 受注者は、この PE の結果を踏まえて各レポート等に必要な修正を行う。なお、 PE には約 4 週間(業務計画書案の提出時においては約 3 週間)を要するため、 PE 結果を踏まえた修正作業期間を考慮して説明資料提出時期を設定すること。
(25)報告書等の作成・説明
⮚ 上記の作業を踏まえて、「第5条 成果品」に記載の報告書等12を作成の上、発注者の承諾を得る。
⮚ 報告書等の内容について相手国政府・実施機関等に対し内容を説明する。相手 国に発注者の現地事務所がある場合は、同事務所に対しても内容の説明を行う。
12 相手国政府・実施機関の事業承認に必要な情報を提供するために、発注者が別途指定する様式で情報提供を求める可能性がある。
⮚ 相手国政府・実施機関の事業承認に必要な情報を提供するために、発注者が別途指定する様式で情報提供を求められた場合には、適時対応する。
(26)調査データの提出
⮚ 業務のな✎で収集・作成された一次データ、数値データ等について、発注者の要望に応じて、発注者が指定する方法で、適時提出する。
第5条 成果品
業務各段階において作成・提出する報告書等及び数量(部数)は次表のとおり。提出の際は、Word 又はPDF データも併せて提出する。最終成果品の提出期限は履行期間の末日とする。なお、数量(部数)は、発注者へ提出する部数であり、実施機関との面談等に必要な部数は別途受注者が用意する。
⮚ 本業務を通じて収集した資料およびデータは項目毎に整理し、収集資料リストを添付して、発注者に提出する。
⮚ 受注者もしくは相手国実施機関等第三者が従来✎ら著作権を有する等、著作権が発注者に譲渡されない著作物は、利用許諾の範囲を明確にする。
⮚ 調査データの取得に当たっては、対象国の法令におけるデータの所有権及び利用権について、実施機関への照会等を通じて調査する。調査の結果、発注者が当該データを所有あるいは利用することができるものについてのみ提出する。
本業務で作成・提出する報告書等及び数量
報告書名 | 提出時期 | 言語 | 形態 | 部数 |
業務計画書 | 契約締結後 10 営業日以内 | 日本語 | 電子データ | |
インセプション・レポート | 契約締結後 1 ヶ月以内 初回現地調査前 | 日本語 | 電子データ | |
英語 | ||||
環境社会配慮スコーピング・レポート | 契約締結後 2 ヶ月以内 | 日本語 | 電子データ | |
英語 | 電子データ | |||
助言委員会スコー | ||||
ピング・ワーキンググループ 2 ✎月 前 | ||||
インテリム・レポート(1) | 契約締結後 6 ヶ月 | 日本語 | 電子データ |
以内 | 英語 | 電子データ | ||
インテリム・レポート(2) | 契約締結後 8 ヶ月 以内 | 日本語 | 電子データ | |
英語 | 電子データ | |||
ドラフト・ファイナル・レポート | 契約締結後 10 ヶ月 以内 | 日本語 | 電子データ | |
英語 | 電子データ | |||
デジタル画像集 | 契約履行期限末日 | 日本語 | CD-ROM | 3 部 |
ファイナル・レポート(F/R) (先行公開版) | 契約履行期限末日 | 日本語 | CD-ROM | 3 部 |
英語 | CD-ROM | 3 部 | ||
ファイナル・レポート(F/R) (最終成果品) | 契約履行期限末日 | 日本語 | 製本 | 10 部 |
CD-ROM | 3 部 | |||
英語 | 製本 | 10 部 | ||
CD-ROM | 3 部 | |||
調査データ | 契約履行期限末日 | - | 別途指定 |
記載内容は以下のとおり。
(1)業務計画書
⮚ 共通仕様書第6条に記された内容
(2)インセプション・レポート
① 業務の基本方針、方法、作業工程、要員計画、便宜供与依頼内容
② 環境社会配慮部分:第4条(5)「環境社会配慮」1)「環境アセスメント」、
2)「住民移転計画」に係る調査方針を記載し、環境チェックリスト(案)の様式を用いて要約すること。
(3)環境社会配慮スコーピング・レポート
① 環境社会配慮部分:第4条(5)「環境社会配慮」1)「環境アセスメント」
2.(1)「相手国の環境社会配慮制度・組織の確認」~ (4)「ベースラインとなる環境社会の状況の確認」の机上調査部分、2)「住民移転計画」1.
(1)「住民移転に係る法的枠組みの分析」、(2)「住民移転の必要性の記載」の机上調査部分。今後の調査スケジュール。、調査の中間報告を助言委員会スコーピング・ワーキンググループ向け資料として取りまとめた上で環境チェックリスト(案)の様式を用いて要約すること。
(4)インテリム・レポート(1)
① 事業の背景・経緯、事業実施の必要性・妥当性、最適案、概略設計結果、環境社会配慮、自然条件調査、本邦技術の活用可能性等
(5)インテリム・レポート(2)
① 事業費の積算、調達パッケージ、コンサルティング・サービスの人月・積算、経済・財務分析に含まれる積算関連情報等
(6)ドラフト・ファイナル・レポート
⮚ 調査結果の全体成果13、(要約を含む)
(※)ドラフト・ファイナル・レポート提出後に発注者の内部手続き(環境社会配慮助言委員会等)の関係で内容に大きく変更が入る可能性を考慮し、ファイナル・レポートについては提出までに一定期間を設けている。
(7)デジタル画像集
⮚ 各画像にキャプションを付した事業対象サイト等のデジタル画像集
(8)ファイナル・レポート
⮚ 調査結果の全体成果、要約
⮚ 分析の過程が分✎る、経済分析に用いたキャッシュ・フロー表等の Excel ファイルを含める。レポートの冒頭に、10 ページ程度の調査結果の要約を含める。
(9)ファイナル・レポート(先行公開版14)
⮚ ファイナル・レポートのうち、一定期間非公開となる情報を除いた内容
⮚ 原則以下の部分を除外するが、具体的な対象箇所については、発注者と事前に充分調整の上で決定する。
• 事業費積算、調達パッケージ、コンサルティング・サービスの人月・積算、
経済・財務分析に含まれる積算関連情報
• 実施機関の経営・財務情報のうち、公開されていない情報
• 民間企業の事業や財務に関わる情報
⮚ JICA 環境社会ガイドラインでは、最終報告書完成後速や✎にウェブサイトで情報公開することが求められている。そのため、本調査終了後速や✎に調査内
13 分析の過程が分かる、経済分析に用いたキャッシュ・フロー表等のExcel ファイルを含める。
14 JICA 環境社会配慮ガイドラインでは、最終報告書完成後速やかにウェブサイトで情報公開することが求められている。このため、本調査完了後直ちに調査内容を公開するために事業費等を記載しない報告書として協力準備調査最終報告書(和文:簡易製本版)を作成する。
容を公開するために事業費等を記載しない報告書として協力準備調査最終報告書を作成する。
(10)調査データ
⮚ 事業費算や内部収益率(EIRR/FIRR)の算出根拠が含まれるデータは、Excel 形式。位置情報15の含まれるデータは、KML もしくはGeoJSON 形式。ラスターデータに関してはGeoTIFF 形式とする。Google Earth Engine を用いて解析を行った場合は、そのコードを最終成果品に合わせて提出する。
第6条 再委託
☒本業務では、以下の業務については、業務相手国・地域の現地法人(ローカル
コンサルタント等)への再委託を認める。
再委託契約の仕様・想定規模は以下のとおり。
項目 | 仕様 | 数量 | 見積の取扱 | |
1 | 系統解析調査 | 第 4 条(9)の通り | 一式 | 定額計上 |
2 | 水文・気象調査 | 水源の流量調査、水質調査、水利用の状況、気温、降水、風等 | 一式 | 定額計上 |
3 | 地質・地形調査 | ボーリング調査、弾性波探査、音波探査、室内試験の実施等 | 一式 | 定額計上 |
4 | 環境社会配慮 | 第4条(5)環境社会配慮に✎✎る調査の通り | 一式 | 定額計上 |
第7条 機材の調達
☒本業務の遂行上必要な機材については、「コンサルタント等契約における物
品・機材の調達・管理ガイドライン」に則り適切な調達及び管理等を行う。本邦✎ら携行する受注者の所有機材のうち、受注者が本邦に持ち帰らない機材であって、✎つ輸出許可の取得を要するものについては、受注者が必要な手続きを行うものとする。
第8条 「相談窓口」の設置
発注者、受注者との間で本特記仕様書に記載された業務内容や経費負担の範囲等について理解の相違があり発注者と受注者との協議では結論を得ることができない場合、発注者✎受注者のいずれ✎一方、もしくは両者✎ら、定められた方法に
15 位置情報の取得は可能な限り行うが、本業務においては、追加的に位置情報を取得する必要はなく、必然的に位置情報が付されるデータを対象とする。
より「相談窓口」に事態を通知し、助言を求めることができる。
別紙1
1.基本情報
(1)国名:セルビア共和国
(2)プロジェクトサイト/対象地域名:ズラティボル郡(人口約 25 万人)
(3)案件名:ビストリッツァ揚水発電所建設事業(Bistrica Pumped Storage Power Plant Construction Project)
(4)事業の要約:ズラティボル郡において、揚水発電所を建設するもの。
2.事業の背景と必要性
(1)当該国における電力セクターの開発の現状・課題及び本事業の位置付け
セルビア政府は、パリ協定に基づき国連への提出が求められている「国が決定する貢献(NDC)」を 2022 年 8 月に改訂し、2030 年までに温室効果ガス(GHG)排出
を 1990 年比 33.3%削減することを目指している。経済成長に伴い直近 5 年間では平均 3.9%程度で電力消費量が増加しており、GHG 排出の内訳はエネルギーセクターが 8 割以上を占めている。特に石炭火力発電が約 5 割を占める電源構成の見直しが急務となっている。同国政府は上述の NDC や EU が掲げる 2050 年までのネットゼロ目標を踏まえつつ、鉱業・エネルギー省は、国家エネルギー・気候計画(Integrated National Energy and Climate Plan)の策定を進めており、2030 年の発電設備容量 11,659MW のうち、風力及び太陽光発電を現在の 441MW(2022 年)✎ら 3,983MW
(2030 年)まで増やし、電源構成に占める割合を現在の 5.0%(2022 年)✎ら 32.9%
(2030 年)まで増やす計画である。他方、風力及び太陽光発電の出力は、天候などの影響で大きく変動するため、短期的な需給バランスが崩れると周波数が適正値を超え、電気の安定供給に問題が生じ得る。このため、短期的な発電量の調整能力に優れた揚水発電のような電源の整備が喫緊の課題となっている。
揚水発電所建設に際しては、上部調整池と下部調整池の大きさやその位置関係を考慮する必要があり、一般的にその適地は限定される。このため、セルビア国内の既存の揚水発電所は、1982 年に運転開始したバイナ・バシュタ揚水発電所(614MW)の 1 ✎所し✎ない。その他ではジェルダップ 3 揚水発電所建設事業及びビストリッツァ
揚水発電所建設事業(以下、「本事業」という)の 2 件のみが候補事業となっている
が、ジェルダップ 3 揚水発電所建設事業は、ルーマニアとの国境河川であるドナウ川に位置し、事業実施に✎✎るルーマニアとの調整がなされていない等、事業実施に向けた検討が進んでいない。上記を踏まえ、本事業は国内で唯一の新規揚水発電所の候補として、セルビア政府の最重要インフラ事業の 1 つとされており、ズラティボル郡において 672MW の揚水発電所を建設することにより、セルビアの電力需給変動への対応力が強化され、電力系統の安定化に寄与することが期待されている。
(2)電力セクターに対する我が国及びJICA の協力方針等と本事業の位置付け
対セルビア共和国国別開発協力方針(2019 年 9 月)において「環境保全」を重点分野とし、再生可能エネルギー等の分野で支援を行っていくとしており、本事業はこれに合致する。また、JICA グローバル・アジェンダ(課題別事業戦略)3.「資源・エネルギー」では、エネルギー利用の低・脱炭素化を目標として、民間資金で導入される変動性再生可能エネルギーに対応するための系統安定化を含む環境整備に取り組むとして
おり、本事業は同方針に合致する。尚、セルビアで唯一の円借款「二コラ・テスラ火力発電所排煙脱硫装置建設事業」(2011 年 11 月LA 調印)の実施機関は本事業も所管しており、同事業を通じ、円借款実施に必要な知見を有している。
(3)他の援助機関の対応
世界銀行は 2023 年 5 月に 149.9 百万ユーロの政策借款「The First Green Transition Programmatic Development Policy Loan」の借款契約に調印し、クリーンエネルギーへの移行に向けたエネルギー市場改革や、セルビア電力会社の財務能力強化等の改革を支援している。また、 フランス開発庁(AFD)及びドイツ復興開発金融公庫(KfW)は上記の世銀の政策借款への協調融資を通じ、エネルギー・環境等の分野での改革を支援している。
(4)本事業を実施する意義
3.事業概要
脱炭素化の推進のため、石炭火力に依存した電源構成の見直しが急務となっており、且つ、出力調整が困難な太陽光・風力等の変動性再生可能エネルギーの大規模導入を計画しているセルビアにおいて、本事業は揚水発電所の建設を通じ安定的な電力供給に資するものであり、セルビアの開発政策及び我が国の対セルビア国別開発協力方針にも合致している。また、SDGs ゴール 7「すべての人々の、安価✎つ信頼できる持続可能な現代的エネルギーのアクセスの確保」に貢献すると考えられること✎ら、事業の実施を支援する必要性は高い。
(1)事業概要
①事業の目的:本事業は、ズラティボル郡において、揚水発電所を建設することにより、電力需給変動への対応力強化及び電力系統の安定化を図り、もって同国における脱炭素化の推進に寄与するもの。
②事業内容
ア)揚水発電所(出力 168MW×4 基、上部調整池、導水路、送電線等を含む)(国際競争入札)
イ)コンサルティング・サービス(基本設計、詳細設計、入札補助、施工監理等)
(ショートリスト方式)
③本事業の受益者(ターゲットグループ):セルビア国民
④他の JICA 事業との関係:国別研修「再生可能エネルギーの大量導入に備えた電力系統安定化」(2022 年~2024 年)を通じ、本事業の実施機関に対し、電力系統の計画・運用や広域連系に係る日本の技術・知見・経験を共有している。
(2)総事業費/概算協力額 【記載を除く】
(3)事業実施スケジュール(協力期間)【記載を除く】
(4)事業実施体制
⮚ 借入人:セルビア共和国(Republic of Serbia)
⮚ 保証人:なし
⮚ 事業実施機関/実施体制: セルビア電力会社(Elektroprivreda Srbije、以下
「 EPS」という)
⮚ 他機関との連携・役割分担:本事業に対する他ドナーとの協調融資の可能性について、協力準備調査にて確認予定。また、本事業で建設された発電所は、西バルカン基金(Western Balkans Investment Framework)及び KfW の支援で整備中の地域連系送電線に接続される予定。
⮚ 運営/維持管理体制:EPS は自己資金等で建設した水力発電所(揚水発電所 1 基を含む)を運営・維持管理しており、運営・維持管理能力に特段の問題は無いと考えられる。本事業に関係する組織体制、職員数や予算等の詳細については協力準備調査で確認する。
以 上
第3章 プロポーザル作成に係る留意事項
1.プロポーザルに記載されるべき事項
プロポーザルの作成に当たっては、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン」の内容を十分確認の上、指定された様式を用いて作成してください。
(URL: https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/20220330.html)
(1)コンサルタント等の法人としての経験、能力
1)類似業務の経験
評価対象とする類似業務:水力発電(特に揚水発電)に✎✎る各種業務
2)業務実施上のバックアップ体制等
(2)業務の実施方針等
1)業務実施の基本方針
2)業務実施の方法
1)及び2)を併せた記載分量は、20 ページ以下としてください。
3)作業計画
上記1)、2)での提案内容に基づき、本業務は成果管理であること✎ ら、作業計画に作業ごとの投入量(人月)及び担当業務従事者の分野(個人名の記載は不要)を記述して下さい(様式4-3の「要員計画)は不要です)。
4)業務従事予定者ごとの分担業務内容(様式4-4)
5)現地業務に必要な資機材
6)実施設計・施工監理体制(無償資金協力を想定した協力準備調査の場合)
7)その他
(3)業務従事予定者の経験、能力
1)評価対象業務従事者の経歴
プロポーザル評価配点表の「3.業務従事予定者の経験・能力」において評価対象となる業務従事者は以下のとおりです。評価対象業務従事者に✎✎る履歴書と担当専門分野に関連する業務の経験を記載願います。
・評価対象とする業務従事者の担当専門分野
⮚ 業務主任者/○○
※ 業務主任者が担う担当専門分野を提案してください。
47
2)業務経験分野等
評価対象業務従事者を評価するに当たっての格付の目安、業務経験地域、及び語学の種類等は以下のとおりです。
【業務主任者(業務主任者/○○)格付の目安(2 号)】
① 対象国及び類似地域:セルビア国及び全世界
② 語学能力:英語
※ なお、類似業務経験は、業務の分野(内容)との関連性・類似性のある業務経験を評価します。
2.業務実施上の条件
(1)業務工程
2024 年 10 月初旬より業務を開始し、特記仕様書案「第 5 条 成果品」で記載された期日までにそれぞれの報告書を提出する。
(2)業務量目途
1)業務量の目途約 47.5 人月
2)渡航回数の目途 全 45 回
なお、上記回数は目途であり、回数を超える提案を妨げるものではありません。
(3)現地再委託
以下の業務については、業務対象国・地域の現地法人(ローカルコンサルタント等)への再委託を認めます。
⮚ 系統解析調査
⮚ 水文・気象調査
⮚ 地質・地形調査
⮚ 環境社会配慮調査
(4)配付資料/公開資料等
1)配付資料
⮚ 「F/S(先方政府作成)」(2024 年)
⮚ 「環境社会配慮調査報告書(先方政府作成)」(2024 年)
⮚ 「Low Carbon Development Strategy of the Republic of Serbia, for the period 2023-2030 with Projections until 2050 」(2023 年)
⮚ 「Integrated National Energy and Climate Plan of the Republic of Serbia, for the period up to 2030 with a vision to 2050」(2023 年)
⮚ 「Energy Sector Development Strategy of the Republic of Serbia up to 2040 with projections up to 2050」(2023 年)
⮚ 「Baseline for the Energy Infrastructure and Energy Efficiency Measures Development Plan until 2028 with projections until 2030」(2023 年)
⮚ 「セルビア国脱炭素社会の実現に向けたエネルギーセクター情報収集・確認調査」(2020 年)
配布資料の受領に当たっては、JICA 中東・欧州部欧州課(7rtm3@jica.go.jp)に連絡して入手してください。その際、別途誓約書をご提出頂く予定です。
2)公開資料
⮚ 無し
(5)対象国の便宜供与
概要は、以下のとおりです。
便宜供与内容 | ||
1 | カウンターパートの配置 | 有 |
2 | 通訳の配置(英語⇔セルビア語) | 無 |
3 | 執務スペース | 有 |
4 | 家具(机・椅子・棚等) | 有 |
5 | 事務機器(コピー機等) | 有 |
6 | Wi-Fi | 有 |
※ 相手側機関との間に発生するコミュニケーション(協議時の言語、資料の言語、メールの言語等)含め、渡航国・地域で使用する言語はセルビア語です。
(6)安全管理
現地業務期間中は安全管理に十分留意してください。現地の治安状況については、JICA バルカン事務所事務所などにおいて十分な情報収集を行うとともに、現地業務の安全確保のための関係諸機関に対する協力依頼及び調整作業を十分に行う
こととします。また、同事務所と常時連絡が取れる体制とし、特に地方にて活動を行う場合は、現地の治安状況、移動手段等について同事務所と緊密に連絡を取る様に留意することとします。また現地業務中における安全管理体制をプロポーザルに記載してください。また、契約締結後は海外渡航管理システムに渡航予定情報の入力をお願いします。詳細はこちらを参照ください。 https://www.jica.go.jp/about/announce/information/common/2023/20240308.htm l
3.プレゼンテーションの実施
本案件については、プレゼンテーションを実施しません。
4.見積書作成に✎✎る留意事項
見積書の作成に当たっては、「コンサルタント等契約における経理処理ガイドライン(2023 年 10 月(2024 年 7 月追記版))」を参照してください。
(URL:https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/quotation.html)
(1)契約期間の分割について
第1章「3.競争に付する事項」において、契約全体が複数の契約期間に分割されることが想定されている場合(又は競争参加者が分割を提案する場合)は、各期間分及び全体分の見積をそれぞれ作成してください。
(2)上限額について
本案件における上限額は以下のとおりです。上限額を超えた見積が提出された場合、同提案・見積は企画競争説明書記載の条件を満たさないものとして選考対象外としますので、この金額を超える提案の内容については、プロポーザルには記載せず、別提案・別見積としてプロポーザル提出時に別途提出してください。
別提案・別見積は技術評価・価格競争の対象外とし、契約交渉時に契約に含める
✎否✎を協議します。また、業務の一部が上限額を超過する場合は、以下の通りとします。
① 超過分が切り出し可能な場合:超過分のみを別提案・別見積として提案します。
② 超過分が切り出し可能ではない場合:当該業務を上限額の範囲内の提案内容とし、別提案として当該業務の代替案も併せて提出します。
(例)セミナー実施について、オンライン開催(上限額内)のA案と対面開催(上限超過)のB案がある場合、プロポーザルでは上限額内のA案を記載、本見積にはA案の経費を計上します。B案については、A案の代替案として別途提案することをプロポーザルに記載の上、別見積となる経費(B案の経費)とともに別途提出します。
【上限額】
287,177,000円(税抜)
なお、定額計上分 65,500,000 円(税抜)については上記上限額には含んでいません。定額計上分は契約締結時に契約金額に加算して契約しますので、プロポーザル提出時の見積には含めないでください。プロポーザルの提案には指示された定額金額の範囲内での提案を記載ください。この提案はプロポーザル評価に含めます。
また、上記の金額は、下記(3)別見積としている項目を含みません。
なお、本見積が上限額を超えた場合は失格となります。
(3)別見積について(評価対象外)
以下の費目については、見積書とは別に見積金額を提示してください。下記のどれに該当する経費積算✎明確にわ✎るように記載ください。下記に該当しない経費や下記のどれに該当するの✎の説明がない経費については、別見積として認めず、自社負担とします。
1)直接経費のうち障害のある業務従事者に係る経費に分類されるもの
2)上限額を超える別提案に関する経費
3)定額計上指示された業務につき、定額を超える別提案をする場合の当該提案に関する経費
(4)定額計上について
定額計上した各経費について、上述(3)のとおり定額計上指示された経費につき、定額を超える別提案をする場合は別見積としてください。その場合、定額の金額のまま計上して契約をする✎、プロポーザルで提案のあった業務の内容と方法に照らして過不足を協議し、受注者✎らの見積による積算をする✎を契約交渉において決定します。
定額計上した経費については、証拠書類に基づきその金額の範囲内で精算金額を確定します。
対象とする経費 | 該当箇所 | 金額 (税抜き) | 金額に含 まれる範囲 | 費用項目 | |
1 | 系統解析調査 | 第 2 章特記仕様書案 第 4 条.業務の内容(9) 概略設計 | 15,000,000 円 | 系統解析調査費一式 | 現地再委託 |
2 | 水文・気象調査 | 第 2 章特記仕様書案 第 4 条.業務の内容(4)自然条件調査、現地条件調査 等 | 15,000,000 円 | 水文・気象調査費一式 | 現地再委託 |
3 | 地質・地形調査 | 第 2 章特記仕様書案 第 4 条.業務の内容(4)自然条件調査、現地条件調査 等 | 15,000,000 円 | 地質・地形調査費一式 | 現地再委託 |
4 | 環境社会配慮調査 | 第 2 章特記仕様書案 第 4 条.業務の内容(5)環境社会 配慮に係る調査 | 20,000,000 円 | 環境社会配慮調査費一式 | 現地再委託 |
5 | 資料等翻訳費 | 500,000 円 | 一般業務費 (資料等翻訳費) |
(5)見積価格について
各費目にて合計額(税抜き)で計上してください。
(千円未満切捨て不要)
(6)旅費(航空賃)について
効率的✎つ経済的な経路、航空会社を選択いただき、航空賃を計上してくださ
い。
払戻不可・日程変更不可等の条件が厳しい正規割引運賃を含め最も経済的と考えられる航空賃、及びやむを得ない理由によりキャンセルする場合の買替対応や変更手数料の費用(買替対応費用)として航空賃の総額の 10%を加算して航空賃を見積もってください(首都が紛争影響地域に指定されている紛争影響国を除 く)。
(7)機材について
業務実施上必要な機材がある場合、原則として、機材費に計上してください。競争参加者が所有する機材を使用する場合は、機材損料・借料に計上してください。
(8)外貨交換レートについて
JICA ウェブサイトより公示月の各国レートを使用して見積もってください。
(URL:https://www.jica.go.jp/announce/manual/form/consul_g/rate.html)
(9)ランプサム(一括確定額請負)型の対象業務
本業務においては、「第2章 特記仕様書」で指示したすべての業務を対象としてランプサム(一括確定額請負)型の対象業務とします。
別紙:プロポーザル評価配点表
別紙
プロポーザル評価配点表
評 価 項 目 | 配 点 | |
1.コンサルタント等の法人としての経験・能力 | (10) | |
(1)類似業務の経験 | (6) | |
(2)業務実施上のバックアップ体制等 | (4) | |
ア)各種支援体制(本邦/現地) | 3 | |
イ)ワークライフバランス認定 | 1 | |
2.業務の実施方針等 | (65) | |
(1)業務実施の基本方針、業務実施の方法 | 35 | |
(2)作業計画等 | 30 | |
3.業務従事予定者の経験・能力 | (25) | |
(1)業務主任者の経験・能力/業務管理グループの評価 | 業務主任者のみ | 業務管理 グループ/体制 |
1)業務主任者の経験・能力:業務主任者/○○ | (25) | (10) |
ア)類似業務等の経験 | 12 | 5 |
イ)業務主任者等としての経験 | 5 | 2 |
ウ)語学力 | 5 | 2 |
エ)その他学位、資格等 | 3 | 1 |
2)副業務主任者の経験・能力:副業務主任者/○○ | (-) | (10) |
ア)類似業務の経験 | - | 5 |
イ)業務主任者等としての経験 | - | 2 |
ウ)語学力 | - | 2 |
エ)その他学位、資格等 | - | 1 |
3)業務管理体制 | (-) | (5) |