●9月12日 「9月10日」付で娘Bを新借地人とする土地賃貸借契約書作成・郵送
希望されるも実は相続開始後だった事例
CASE 13 借地人の娘から生前贈与による名義変更を
●9月12日 「9月10日」付で娘Bを新借地人とする土地賃貸借契約書作成・郵送
●9月16日 xxの元に土地賃貸借契約書が返送される(娘Bの署名捺印済)
●9月26日 母親Cから疑義の連絡
相談の背景 B a c k g r o u n d
生前贈与された!
娘B
亡くなっている!
主人は
された!
母C
勝手に名義変更
土地所有者
相談者は、貸地を多く持つ土地所有者。
1ヶ月ほど前に借地人Aの娘Bから「借地権を生前贈与されたので、急ぎ名義変更をしてほしい」と依頼され、借地人の意思確認を求める書類等にはxx不備がなかったことから、Bと土地賃貸借契約を取り交わしたとのことでした。
しかし、1週間ほど前、今度は借地人Aの配偶者でありBの母親であるCから「相続財産である借地権が勝手に名義変更されている」と疑義の連絡が入ったため、どうしたら良いのかと相談を受けました。
Bは上記、時系列を認めたものの「生前、父(A)は私に引き継がせたいと言っていたから手続きを進めたまで。意志は明白」と激昂。BとCは血がつながった親子だが、昔から関係性が悪いとのこと。Bは、相続が開始して法定相続に基づいた遺産分割となれば借地権は母Cの名義と勝手に思い込み、退去を求められる可能性を恐れ、急いで名義変更手続きを進めたものと見られる。
改めてBに聴取
状況を弁護士に伝えたところ、右記の見解と提案を得た。
弁護士の見解・提案を得る
【提案】相続人間で改めて借地権を誰が相続するのか協議し、その結果を受けてxxは対応するべき
●意思表示の効力は、その通知が相手方に到達したときから生ずる(民法第97条)
●Bがxxに対して生前贈与の意志を示す書類を提出したときは既にAは亡くなっていたことから、意思表示を確認することは難しい
●相続人の欠格事由に該当する可能性がある(民法第891条)
●欠格事由とするには相続権不存在確認訴訟等の裁判が必要
●遺産分割調停で相続欠格事由を主張しても審理の対象外となる
弁護士の見解・提案にxx及び相続人B・Cが合意し、協議の結果、借地権は娘 Bが引き継ぐことが確定した。整合性を保つため、xxは生前贈与に伴う名義変更手続きを差し戻し、改めて相続に伴う名義変更手続きを行った。
「生前贈与」から「相続」に伴う名義変更手続きに変更
課題点 P r o b l e m
POINT 急いで生前贈与の手続きをしようとする相手には注意が必要
不動産の生前贈与は比較的、金額が大きくなる場合が多いため、取り扱いには十分注意が必要です。安易に対応すると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。借地人の代が変わり、関係性が疎遠になると、管理を引き受ける経験豊富な管理会社等の必要性が増してきます。
S t a t u s
● B・Cの言い分が異なる
● すでにxxはBと土地賃貸借契約を取り交わしている
解決までの流れ
H o w
t o
まずBから話を聞くと「手続きに不備はないし、家族の問題」との一点張り。
一方、Xの言い分は「Aの死亡後にBは生前贈与として借地権の名義変更をしている」とのこと。死亡診断書によれば、Aの死亡は確かにBとの土地賃貸借契約締結の前だった。
B・Cそれぞれから事情を聴取
本事例のポイント P o i n t
時系列の確認
●9月1日
●9月3日
●9月5日
●9月10日
26
借地人Aの娘Bから生前贈与による名義変更依頼 →xxは必要書類等の案内・郵送 Bが必要書類である借地人Aの印鑑証明書を取得、xxからの書類到着
ひとこと
M e s s a g e
国土工営
今回のケースのように、立場や主張が異なる関係者が複数人いる場合、全ての関係者の「同意」を取ることもトラブル解決には不可欠です。弊社は、状況に応じて士業とともに問題解決に臨んでいます。
27
借地人Aの死亡
Bが必要書類に日付を記入し、xx宅へ持参。新契約書の日付を本日にする旨、娘Bに確認・承諾。
株式会社