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地方公務員の労働関係に関する法律
目次
第xx 総則(第一条―第三条)
第二章 労働組合(第四条―第八条) 第三章 団体交渉(第九条―第十一条)
第四章 団体協約(第十二条―第十七条)第五章 不当労働行為事件
第xx 審査の手続(第十八条―第二十九条)第二節 訴訟(第三十条―第三十二条)
第六章 あっせん、調停及び仲裁
第xx 通則(第三十三条―第三十五条)
第二節 あっせん(第三十六条・第三十七条)第三節 調停(第三十八条―第四十二条)
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第四節 仲裁(第四十三条―第四十五条)
第七章 雑則(第四十六条―第四十九条)附則
第xx 総則
(目的)
第一条 この法律は、地方公務員の勤務条件について、透明性を確保しつつ、住民の理解の下に、社会経済情勢の変化及び政策課題の変化に柔軟かつ的確に対応して定めることができるよう、地方公共団体と労働組合との間の団体交渉及び団体協約等に関する制度を確立することにより、職員が住民の立場に立ち責任を自覚し誇りを持って職務を遂行することを促進するとともに、職員の能力の向上及び優秀な人材の地方公共団体への確保を図り、もって地方公共団体の行政の能率的な運営に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 職員 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第四条第一項に規定する職員をいう。ただ
し、次に掲げるものを除く。
イ 地方公務員法第三十七条第一項に規定する職員
ロ 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十八条第一項に規定する普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の長その他の重要な行政上の決定を行う職員として都道府県労働委員会が認定して告示するもの
ハ 地方公営企業等の労働関係に関する法律(昭和二十七年法律第二百八十九号)第三条第四号に規定する職員
二 労働組合 職員が主体となって自主的にその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体(前号ロに掲げる者が加入するもの又は第四条第一項ただし書に規定する管理職員等と当該管理職員等以外の職員とが組織するものを除く。)又はその連合体をいう。
(関係者の責務)
第三条 労働組合及び地方公共団体の当局(第十条各号に定める者をいう。次条第一項ただし書、第八条及び第九条第一項において同じ。)は、地方公共団体の行政の能率的な運営を確保するため、団体交渉の円
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滑かつ効率的な実施に努めなければならない。
2 この法律に基づく手続に関与する関係者は、地方公共団体の事務及び事業の確実、効率的かつ適正な実施に支障を及ぼすことがないよう留意しなければならない。
第二章 労働組合
(労働組合の結成等)
第四条 職員は、労働組合を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。ただし、重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員、職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員、職員の任免、分限、懲戒若しくは服務、職員の給与その他の勤務条件又は労働組合との関係についての地方公共団体の当局の計画及び方針に関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員その他労働組合との関係において地方公共団体の当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員(以下この項及び次項において「管理職員等」という。)と管理職員等以外の職員とは、同一の労働組合を組織することができない。
2 都道府県労働委員会は、管理職員等の範囲を認定して告示するものとする。
3 地方公共団体のxx(地方公共団体の長その他の執行機関(都道府県公安委員会を除く。)及び議会の議長をいう。以下同じ。)は、職を新設し、変更し、又は廃止したときは、速やかにその旨を都道府県労働委員会に通知しなければならない。
(労働組合の認証)
第五条 労働組合は、中央労働委員会規則で定めるところにより、理事その他の役員の氏名及び中央労働委員会規則で定める事項を記載した申請書に規約を添えて、都道府県労働委員会に一の地方公共団体に係る認証を申請することができる。
2 労働組合の規約は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。一 少なくとも次に掲げる事項が記載されていること。
イ 名称
ロ 目的及び業務
ハ 主たる事務所の所在地
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ニ 認証に係る地方公共団体の名称
ホ 組合員の範囲及びその資格の得喪に関する規定ヘ 重要な財産の得喪その他資産に関する規定
ト 理事その他の役員に関する規定
チ 次項に規定する事項を含む業務執行、会議及び投票に関する規定リ 経費及び会計に関する規定
ヌ 他の労働組合との連合に関する規定ル 規約の変更に関する規定
ヲ 解散に関する規定
二 会計報告は、組合員によって委嘱された公認会計士(外国公認会計士を含む。)又は監査法人の監査証明とともに少なくとも毎年一回組合員に公表されることとされていること。
3 労働組合が認証されるためには、規約の作成又は変更、役員の選挙その他これらに準ずる重要な行為が
、全ての組合員が平等に参加する機会を有する直接かつ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙につ
いては、投票者の過半数)によって決定される旨の手続を定め、かつ、現実にその手続によりこれらの重
要な行為が決定されることを必要とする。ただし、連合体である労働組合にあっては、全ての組合員が平等に参加する機会を有する構成団体ごとの直接かつ秘密の投票による投票者の過半数で代議員を選挙し、この代議員の全員が平等に参加する機会を有する直接かつ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によって決定される旨の手続を定め、かつ、現実にその手続により決定されることをもって足りるものとする。
4 前項に定めるもののほか、労働組合が認証されるためには、第一項に規定する一の地方公共団体に属する職員(当該職員であった者でその意に反して免職され、若しくは懲戒処分としての免職の処分を受け、当該処分を受けた日の翌日から起算して一年以内のもの又はその期間内に当該処分について法律の定めるところにより不服申立てをし、若しくは訴えを提起し、これに対する裁決若しくは決定又は裁判が確定するに至らないものを含む。第五章において同じ。)が全ての組合員の過半数を占めることを必要とする。
5 都道府県労働委員会は、認証を申請した労働組合が前三項の規定に適合するものであるときは、中央労働委員会規則で定めるところにより、当該労働組合を認証しなければならない。
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6 都道府県労働委員会は、前項の規定により認証したときは、当該労働組合の名称及び主たる事務所の所在地その他中央労働委員会規則で定める事項を告示しなければならない。
7 第五項の規定により認証された労働組合(以下「認証された労働組合」という。)が労働組合でなくなったとき、認証された労働組合について第二項から第四項までの規定に適合しない事実があったとき、又は認証された労働組合が第十項の規定による届出をしなかったときは、都道府県労働委員会は、中央労働委員会規則で定めるところにより、当該認証された労働組合の認証を取り消すことができる。
8 前項の規定による認証の取消しに係る聴聞の期日における審理は、当該認証された労働組合から請求があったときは、公開により行わなければならない。
9 第七項の規定による認証の取消しは、当該処分の取消しの訴えを提起することができる期間内及び当該処分の取消しの訴えの提起があったときは当該訴訟が裁判所に係属する間は、その効力を生じない。
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認証された労働組合は、その規約又は第一項に規定する申請書の記載事項に変更があったときは、中央
労働委員会規則で定めるところにより、都道府県労働委員会にその旨を届け出なければならない。
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認証された労働組合は、中央労働委員会規則で定めるところにより、都道府県労働委員会に認証の取消
しを申請することができる。この場合において、都道府県労働委員会は、当該認証された労働組合の認証
を取り消さなければならない。
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認証された労働組合は、解散したときは、中央労働委員会規則で定めるところにより、都道府県労働委
員会にその旨を届け出なければならない。この場合において、都道府県労働委員会は、当該認証された労
働組合の認証を取り消さなければならない。
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都道府県労働委員会は、第十項の規定による変更の届出(第六項の規定により告示された事項に係るも
のに限る。)があったとき、又は第七項、第十一項若しくは前項の規定により認証を取り消したときは、
その旨を告示しなければならない。
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都道府県労働委員会は、認証された労働組合に対し、当該認証された労働組合に係るこの条の規定によ
る事務に関し必要な限度において、報告又は資料の提出を求めることができる。
(合議体による事務の処理)
第xx x道府県労働委員会は、公益を代表する委員(以下この項及び次項において「公益委員」という。
)の全員をもって構成する合議体に、第二条第一号ロ、第四条第二項並びに前条第五項から第八項まで及
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び第十一項から第十四項までの規定による事務の処理を行わせ、当該合議体のした処分をもって都道府県労働委員会の処分とする。ただし、事件が重要と認められる場合その他当該合議体が処分をすることが適当であると認められる場合を除き、条例で定めるところにより、会長が指名する公益委員五人又は七人をもって構成する合議体に、当該事務の処理を行わせることができる。
2 都道府県労働委員会は、前項の規定による事務の処理について、第二条第一号ロ及び第四条第二項の規定による認定及び告示並びに前条の規定による処分及び告示を除き、一人又はxxの公益委員にその手続の一部を行わせることができる。
3 第一項の合議体に関する事項その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(労働組合のための職員の行為の制限)
第七条 職員は、労働組合の業務に専ら従事することができない。ただし、地方公共団体の規則で定めるところにより、任命権者の許可を受けて、認証された労働組合(第五条第五項の規定による認証をされていない連合体である労働組合であって、認証された労働組合のみから構成されるものを含む。以下この条において同じ。)の役員として専ら従事する場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の許可は、任命権者が相当と認める場合に与えることができるものとし、これを与える場
合においては、任命権者は、その許可の有効期間を定めるものとする。
3 第一項ただし書の規定により認証された労働組合の役員として専ら従事する期間は、職員としての在職期間を通じて五年(地方公営企業等の労働関係に関する法律第六条第一項ただし書(同法附則第五項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により同条第一項ただし書に規定する組合の業務に専ら従事したことがある職員については、五年からその専ら従事した期間を控除した期間)を超えることができない。
4 第一項ただし書の許可は、当該許可を受けた職員が認証された労働組合の役員として当該認証された労働組合の業務に専ら従事する者でなくなったときは、取り消されるものとする。
5 第一項ただし書の許可を受けた職員は、その許可が効力を有する間は、休職者とし、非常勤の職であって条例で定めるものの職務に従事する場合を除いて、職務に従事せず、何らの給与を受けてはならず、また、その期間は、退職手当の算定の基礎となる勤続期間に算入されないものとする。
6 職員は、給与を受けながら、労働組合のためその業務を行い、又は活動してはならない。ただし、認証
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された労働組合の業務に専ら従事する場合以外の場合であって条例で定める場合には、この限りでない。
(不当労働行為)
第八条 地方公共団体の当局は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 職員が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことを理由として、その職員を免職し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを職員の任免の条件とすること。
二 認証された労働組合と団体交渉をすることを正当な理由がなく拒むこと。
三 職員が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、第十一条第四項の規定により行われる勤務時間中の団体交渉に参加する職員に対し給与を支給すること、及び労働組合に対し最小限の広さの事務所を供与することを除くものとする。
四 職員が労働委員会(中央労働委員会及び都道府県労働委員会をいう。以下同じ。)に対し地方公共団
体の当局がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し第二十一条第
一項の規定による命令に対する再審査の申立てをしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは第十三条第一項に規定する者と認証された労働組合との間に発生した紛争の調整をする場合に職員が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その職員を免職し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。
第三章 団体交渉
(団体交渉の範囲)
第九条 地方公共団体の当局は、認証された労働組合から次に掲げる事項について適法な団体交渉の申入れがあった場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。
一 職員の給料その他の給与、勤務時間、休憩、休日及び休暇に関する事項二 職員の昇任、降任、転任、休職、免職及び懲戒の基準に関する事項
三 職員の保健、安全保持及び災害補償に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、職員の勤務条件に関する事項
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五 団体交渉の手続その他の労働組合と地方公共団体の当局との間の労使関係に関する事項(以下「労使関係事項」という。)
2 地方公共団体の事務の管理及び運営に関する事項は、団体交渉の対象とすることができない。
(団体交渉を行う地方公共団体の当局)
第十条 労働組合と団体交渉をすることができる地方公共団体の当局は、次の各号に掲げる事項について、それぞれ当該各号に定める者とする。
一 勤務条件に関する事項のうち、条例の制定又は改廃を要するもの 当該事項に係る事務を所掌する地方公共団体のxx
二 勤務条件に関する事項のうち、地方公共団体の規則又は地方公共団体のxxの定める規程の制定又は改廃を要するもの 当該事項に係る事務を所掌する地方公共団体のxx
三 勤務条件に関する事項のうち、法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体のxxの定める規程に基づき地方公共団体のxx又はその委任を受けた地方公務員若しくは当該地方公共団体のxxの管理に属する行政庁が定めるもの 当該勤務条件を定めることができる地方公共団体のxx又はそ
の委任を受けた地方公務員若しくは当該地方公共団体のxxの管理に属する行政庁
四 勤務条件に関する事項のうち、前三号に掲げるもの以外のもの 当該事項について適法に管理し、又は決定することのできる者
五 前各号に定める者に共通する労使関係事項 当該地方公共団体の長
六 地方公共団体のxx並びにその委任を受けた当該地方公共団体のxxの補助機関たる地方公務員、当該地方公共団体のxxの管理に属する機関の地方公務員及び当該地方公共団体のxxの管理に属する行政庁それぞれに共通する労使関係事項(前号に掲げるものを除く。) 当該地方公共団体のxx
七 前各号に定める者のみに関する労使関係事項(前二号に掲げるものを除く。) 当該各号に定める者
(団体交渉の手続等)
第十一条 団体交渉は、労働組合と地方公共団体の当局があらかじめ取り決めた員数の範囲内で、労働組合がその役員の中から指名する者と地方公共団体の当局の指名する者との間において行わなければならない
。団体交渉に当たっては、労働組合と地方公共団体の当局との間において、議題、時間、場所その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行うものとする。
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2 前項の場合において、特別の事情があるときは、労働組合は、役員以外の者を指名することができるものとする。ただし、その指名する者は、当該団体交渉の対象である特定の事項について団体交渉をする適法な委任を当該労働組合の執行機関から受けたことを文書によって証明できる者でなければならない。
3 団体交渉は、前二項の規定に適合しないこととなったとき、又は他の職員の職務の遂行を妨げ、若しくは地方公共団体の事務の正常な運営を阻害することとなったときは、これを打ち切ることができる。
4 この条に規定する適法な団体交渉は、勤務時間中においても行うことができるものとする。
5 第一項又は第二項の規定により労働組合が指名した職員は、勤務時間中に適法な団体交渉に参加することについて、地方公共団体の規則で定めるところにより、任命権者の許可を受けなければならない。この場合において、任命権者は、地方公共団体の行政の運営に支障がないと認めるときは、これを許可するものとする。
6 地方公共団体の当局は、労働組合と団体交渉を行ったときは、その議事の概要を、インターネットの利用その他の適切な方法により、速やかに公表しなければならない。
7 職員は、労働組合に属していないという理由で、第九条第一項第一号から第四号までに掲げる事項に関
し、不満を表明し、又は意見を申し出る自由を否定されてはならない。
第四章 団体協約
(団体協約の範囲等)
第十二条 認証された労働組合と地方公共団体の当局は、第九条第一項各号に掲げる事項に関し団体協約を締結することができる。
2 前項の規定により締結しようとする団体協約に係る事項が地方自治法第百八十条の四第二項の政令で定める事項に該当し、かつ、当該事項について、普通地方公共団体の委員会又は委員が当該委員会又は委員の規則その他の規程を定め、又は変更する必要がある場合においては、当該普通地方公共団体の委員会又は委員である地方公共団体の当局は、当該団体協約を締結する前に、同項の規定による協議をしなければならない。
(団体協約を締結する地方公共団体の当局等)
第十三条 認証された労働組合と前条第一項の規定に基づき団体協約を締結することができる地方公共団体の当局は、第十条各号に掲げる事項について、それぞれ当該各号に定める者とする。
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2 第十条第一号に定める者であって地方公共団体の長でない者が同号に掲げる事項について団体協約を締結しようとするときは、あらかじめ、地方公共団体の長に協議し、その同意を得なければならない。
(団体協約の効力の発生等)
第十四条 認証された労働組合と地方公共団体の当局との間の団体協約は、書面をもって作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによってその効力を生ずる。
2 地方公共団体の当局は、認証された労働組合との間で団体協約を締結したときは、当該団体協約の内容を、インターネットの利用その他の適切な方法により、速やかに公表しなければならない。
(団体協約の期間)
第十五条 団体協約には、三年を超える有効期間の定めをすることができない。
2 三年を超える有効期間の定めをした団体協約は、三年の有効期間の定めをした団体協約とみなす。
3 有効期間の定めがない団体協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によって相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める団体協約であって、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定めがあるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
4 前項の予告は、解約しようとする日の少なくとも九十日前にしなければならない。
(団体協約の効力)
第十六条 地方公共団体の長は、第十条第一号に掲げる事項について団体協約が締結されたときは、速やかに、当該団体協約の内容を適切に反映させるために必要な条例の制定又は改廃に係る議案を当該地方公共団体の議会に付議して、その議決を求めなければならない。
2 第十条第二号に定める者は、同号に掲げる事項について団体協約を締結したときは、速やかに、当該団体協約の内容を適切に反映させるために必要な地方公共団体の規則又は地方公共団体のxxの定める規程の制定又は改廃のための措置を講じなければならない。
3 第十条第三号に定める者は、同号に掲げる事項について団体協約を締結したときは、速やかに、当該団体協約の内容を適切に反映させるために必要な勤務条件の決定又は変更をしなければならない。
4 第十条第四号から第七号までに定める者は、それぞれ当該各号に掲げる事項について団体協約を締結したときは、速やかに、当該団体協約の内容を実施するために必要な措置を講じなければならない。
(団体協約の失効)
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第十七条 団体協約は、次に掲げる場合は、その効力を失う。
一 前条第一項の条例の制定又は改廃に係る議案が同項の規定により付議された議会の会期中(当該議案が地方自治法第百九条第八項の規定により閉会中審査に付された場合にあっては、後会の会期中)に、当該条例の制定又は改廃がされなかった場合(同法第百九条第八項の規定により閉会中審査に付された場合を除く。)
二 団体協約を締結した認証された労働組合の認証が、第五条第七項、第十一項若しくは第十二項若しくは第四十六条第三項の規定により、又は同条第二項の規定による再審査により取り消された場合
2 団体協約は、前条第一項の条例の制定又は改廃に係る議案が議会において修正されて議決された場合は
、条例と抵触する範囲において、その効力を失う。第五章 不当労働行為事件
第xx 審査の手続
(不当労働行為事件に係る申立て及び審査の開始)
第十八条 地方公共団体の当局が、次の各号に掲げる規定に違反したときは、認証された労働組合又は当該
各号に定める者は、労働委員会に対し、その旨を申し立てることができる。
一 第八条第一号 労働組合の組合員である職員又は労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとした職員(労働組合に加入し、若しくは加入しようとしていること又は労働組合から脱退しようとしていないことを理由として、職員として採用されなかった者を含む。)
二 第八条第二号 認証された労働組合の組合員である職員
三 第八条第三号又は第四号 労働組合の組合員である職員又は労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとした職員
2 労働委員会は、前項の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。この場合において、審問の手続においては、当該地方公共団体の当局及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする十分な機会が与えられなければならない。
3 労働委員会は、第一項の申立てが、行為の日(継続する行為にあっては、その終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。
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(合議体による審査)
第十九条 中央労働委員会は、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二十四条の二第一項に規定する合議体又は国家公務員の労働関係に関する法律(平成二十四年法律第 号)第六条第一項に規定する国家公務員担当公益委員(以下「国家公務員担当公益委員」という。)をもって構成する合議体に、不当労働行為事件の審査を行わせ、当該合議体のした処分をもって中央労働委員会の処分とすることができる。ただし、事件が重要と認められる場合その他当該合議体が処分をすることが適当でないと認められる場合は、公益を代表する委員の全員をもって構成する合議体に、当該事件の審査を行わせる。
2 都道府県労働委員会は、公益を代表する委員の全員をもって構成する合議体に、不当労働行為事件の審査を行わせ、当該合議体のした処分をもって都道府県労働委員会の処分とする。ただし、事件が重要と認められる場合その他当該合議体が処分をすることが適当であると認められる場合を除き、条例で定めるところにより、会長が指名する公益を代表する委員五人又は七人をもって構成する合議体に、当該事件の審査を行わせることができる。
3 労働委員会は、前二項の規定による審査について、第二十一条第一項並びに第二十四条において準用す
る労働組合法第二十七条の四第一項、第二十七条の七第一項(当事者若しくは証人に陳述させ、又は提出
された物件を留め置く部分を除く。)並びに第二十七条の十第二項及び第四項の規定による処分並びに第三十一条の申立てを除き、一人又はxxの労働委員会の公益を代表する委員(以下「公益委員」という。
)にその手続の一部を行わせることができる。
4 前三項の規定にかかわらず、労働委員会の使用者を代表する委員(以下「使用者委員」という。)及び労働者を代表する委員(以下「労働者委員」という。)は、それぞれ前条第二項の規定により調査(公益委員の求めがあった場合に限る。)及び審問を行う手続並びに第二十三条第一項の規定により和解を勧める手続に参与し、又は第二十一条第二項及び第二十四条において準用する労働組合法第二十七条の七第四項の規定による行為をすることができる。
5 第一項及び第二項の合議体に関する事項その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(地方調整委員)
第二十条 中央労働委員会は、地方調整委員(労働組合法第十九条の十第一項に規定する地方調整委員をいう。以下同じ。)であって公益を代表するものに、中央労働委員会が行う審査の手続のうち、第十八条第
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二項の規定により調査及び審問を行う手続並びに第二十三条第一項の規定により和解を勧める手続の全部又は一部を行わせることができる。この場合において、使用者を代表する地方調整委員及び労働者を代表する地方調整委員は、これらの手続(調査を行う手続にあっては、公益を代表する地方調整委員の求めがあった場合に限る。)に参与することができる。
(救済命令等)
第二十一条 労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて
、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令(以下「救済命令等
」という。)を発しなければならない。
2 調査又は審問を行う手続に参与する使用者委員及び労働者委員は、労働委員会が救済命令等を発しようとする場合は、意見を述べることができる。
3 第一項の事実の認定及び救済命令等は、書面によるものとし、その写しを地方公共団体の当局及び申立人に交付しなければならない。
4 救済命令等は、交付の日から効力を生ずる。
(救済命令等の確定)
第二十二条 地方公共団体が救済命令等について第三十条第一項の期間内に同項の取消しの訴えを提起しないときは、救済命令等は、確定する。
(和解)
第二十三条 労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる。
2 救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し、当事者双方の申立てがあった場合において
、労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持し、又は確立するため適当と認めるときは、審査の手続は終了する。
3 前項に規定する場合において、和解(同項の規定により労働委員会が適当と認めたものに限る。次項において同じ。)に係る事件について既に発せられている救済命令等は、その効力を失う。
4 労働委員会は、和解に金銭の一定額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を内容とする合意が含まれる場合は、当事者双方の申立てにより、当該合意について和解調書を作成することができる。
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5 前項の和解調書は、強制執行に関しては、民事xxx(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号に掲げる債務名義とみなす。
6 前項の規定による債務名義についてのxxxの付与は、労働委員会の会長が行う。民事xxx第二十九条後段のxxx及び文書の謄本の送達も、同様とする。
7 前項の規定によるxxxの付与に関する異議についての裁判は、労働委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。
8 第四項の和解調書並びに第六項後段のxxx及び文書の謄本の送達に関して必要な事項は、政令で定める。
(不当労働行為事件の審査についての労働組合法の準用)
第二十四条 労働組合法第二十七条の二から第二十七条の八まで、第二十七条の十、第二十七条の十一、第二十七条の十八、第二十七条の二十四、第二十八条の二及び第三十二条の二から第三十二条の四までの規定は、不当労働行為事件の審査について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第二十七条の二第一項
第一号
法人である当事者の代表者
当該当事者である地方公共団体の長その他の執
行機関(執行機関として置かれる委員会の場合
にあっては、当該委員会の委員)若しくは議会
の議長若しくは当該当事者である地方公務員の
労働関係に関する法律第五条第七項に規定する
認証された労働組合の役員
第二十七条の六第二項
第二十七条の十二第一項
地方公務員の労働関係に関する法律第二十一条
第三号 第一項
第二十七条の七第二項
事業者の事業上の秘密
地方公務員の職務上の秘密
第二十七条の二十四
第二十二条第一項の規定に
地方公務員の労働関係に関する法律第二十四条
より出頭を求められた者又 において準用する第二十七条の七第一項第一号
は第二十七条の七第一項第
二七頁
二八頁
一号(第二十七条の十七の
規定により準用する場合を含む。)
第二十八条の二
第二十七条の八第一項(第
地方公務員の労働関係に関する法律第二十四条
二十七条の十七の規定によ において準用する第二十七条の八第一項
り準用する場合を含む。)
第三十二条の二第一号
第二十七条の七第一項第一
地方公務員の労働関係に関する法律第二十四条
号(第二十七条の十七の規 において準用する第二十七条の七第一項第一号
定により準用する場合を含む。)
第三十二条の二第二号
第二十七条の七第一項第二
地方公務員の労働関係に関する法律第二十四条
号(第二十七条の十七の規 において準用する第二十七条の七第一項第二号
定により準用する場合を含
む。)
第三十二条の二第三号
第二十七条の八(第二十七
地方公務員の労働関係に関する法律第二十四条
条の十七の規定により準用 において準用する第二十七条の八
する場合を含む。)
第三十二条の三
第二十七条の八第二項(第
地方公務員の労働関係に関する法律第二十四条
二十七条の十七の規定によ において準用する第二十七条の八第二項
り準用する場合を含む。)
第三十二条の四
第二十七条の十一(第二十
地方公務員の労働関係に関する法律第二十四条
七条の十七の規定により準 において準用する第二十七条の十一
用する場合を含む。)
(民事訴訟法の準用)
第二十五条 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百九十六条、第百九十七条及び第二百一条第二項から第四項までの規定は労働委員会が証人に陳述させる手続について、同法第二百十条において準用する同法
二九頁
三〇頁
第二百一条第二項の規定は労働委員会が当事者に陳述させる手続について準用する。
(不服申立ての制限)
第二十六条 第十条各号に定める者及び職員に係る処分であって第八条各号に該当するものについては、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
(再審査の申立て)
第二十七条 地方公共団体は、都道府県労働委員会の救済命令等の交付を受けたときは、十五日以内(天災その他この期間内に再審査の申立てをしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内)に中央労働委員会に再審査の申立てをすることができる。ただし、この申立ては、救済命令等の効力を停止せず、救済命令等は、中央労働委員会が第四十六条第二項の規定による再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときは、その効力を失う。
2 前項の規定は、認証された労働組合又は第十八条第一項各号に定める者が中央労働委員会に対して行う再審査の申立てについて準用する。
(再審査と訴訟との関係)
第二十八条 中央労働委員会は、第三十条第一項の訴えに基づく確定判決によって都道府県労働委員会の救
済命令等の全部又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再審査することができない。
(再審査の手続についての準用)
第二十九条 第十八条第二項、第十九条(第二項を除く。)、第二十条から第二十三条まで及び第二十五条の規定並びに労働組合法第二十七条の二から第二十七条の八まで、第二十七条の十第三項から第六項まで
、第二十七条の十一、第二十七条の十八、第二十七条の二十四、第二十八条の二及び第三十二条の二から第三十二条の四までの規定は、中央労働委員会の再審査の手続について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第二十七条の二第一項 法人である当事者の代表者 当該当事者である地方公共団体の長その他の執
第一号
行機関(執行機関として置かれる委員会の場合
にあっては、当該委員会の委員)若しくは議会
三一頁
xx頁
の議長若しくは当該当事者である地方公務員の
労働関係に関する法律第五条第七項に規定する
第二十七条の二第一項 とき
認証された労働組合の役員
とき又は事件について既に発せられているxx
第四号 府県労働委員会の地方公務員の労働関係に関す
る法律第二十一条第一項に規定する救済命令等
に関与したとき
第二十七条の六第二項
第二十七条の十二第一項
地方公務員の労働関係に関する法律第二十一条
第三号 第一項
第二十七条の七第二項
事業者の事業上の秘密
地方公務員の職務上の秘密
第二十七条の二十四
第二十二条第一項の規定に
地方公務員の労働関係に関する法律第二十九条
より出頭を求められた者又 において準用する第二十七条の七第一項第一号
は第二十七条の七第一項第
一号(第二十七条の十七の
規定により準用する場合を含む。)
第二十八条の二
第二十七条の八第一項(第
地方公務員の労働関係に関する法律第二十九条
二十七条の十七の規定によ において準用する第二十七条の八第一項
り準用する場合を含む。)
第三十二条の二第一号
第二十七条の七第一項第一
地方公務員の労働関係に関する法律第二十九条
号(第二十七条の十七の規 において準用する第二十七条の七第一項第一号
定により準用する場合を含
む。)
第三十二条の二第二号
第二十七条の七第一項第二
地方公務員の労働関係に関する法律第二十九条
号(第二十七条の十七の規 において準用する第二十七条の七第一項第二号
定により準用する場合を含
xx頁
三四頁
む。)
第三十二条の二第三号
第二十七条の八(第二十七
地方公務員の労働関係に関する法律第二十九条
条の十七の規定により準用 において準用する第二十七条の八
する場合を含む。)
第三十二条の三
第二十七条の八第二項(第
地方公務員の労働関係に関する法律第二十九条
二十七条の十七の規定によ において準用する第二十七条の八第二項
り準用する場合を含む。)
第三十二条の四
第二十七条の十一(第二十
地方公務員の労働関係に関する法律第二十九条
七条の十七の規定により準 において準用する第二十七条の十一
用する場合を含む。)
第二節 訴訟
(取消しの訴え)
第三十条 地方公共団体が都道府県労働委員会の救済命令等について中央労働委員会に再審査の申立てをし
ないとき、又は中央労働委員会が救済命令等を発したときは、地方公共団体は、救済命令等の交付の日か
ら三十日以内に、救済命令等の取消しの訴えを提起することができる。この期間は、不変期間とする。
2 地方公共団体は、第二十七条第一項の規定により中央労働委員会に再審査の申立てをしたときは、その申立てに対する中央労働委員会の救済命令等に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。この訴えについては、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第xx十九号)第十二条第三項から第五項までの規定は、適用しない。
3 前項の規定は、認証された労働組合又は第十八条第一項各号に定める者が行政事件訴訟法の定めるところにより提起する取消しの訴えについて準用する。
(緊急命令)
第三十一条 前条第一項の規定により地方公共団体が裁判所に訴えを提起した場合において、受訴裁判所は
、救済命令等を発した労働委員会の申立てにより、決定をもって、地方公共団体に対し判決の確定に至るまで救済命令等の全部又は一部に従うべき旨を命じ、又は当事者の申立てにより、若しくは職権でこの決定を取り消し、若しくは変更することができる。
三五頁
三六頁
(証拠の申出の制限)
第三十二条 労働委員会が第二十四条又は第二十九条において準用する労働組合法第二十七条の七第二項に規定する物件提出命令をしたにもかかわらず物件を提出しなかった者(審査の手続において当事者でなかった者を除く。)は、裁判所に対し、当該物件提出命令に係る物件により認定すべき事実を証明するためには、当該物件に係る証拠の申出をすることができない。ただし、物件を提出しなかったことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。
第六章 あっせん、調停及び仲裁第xx 通則
(関係当事者の範囲)
第三十三条 この章に規定する手続における関係当事者は、地方公共団体の当局及び認証された労働組合とする。
(特別調整委員)
第三十四条 中央労働委員会及び都道府県労働委員会に、関係当事者の間に発生した紛争であって第十二条
第一項の規定に基づき団体協約を締結することができる事項に係るもの(以下「団体協約の締結に係る紛
争」という。)に係る調停又は仲裁に参与させるため、中央労働委員会にあっては厚生労働大臣が、都道府県労働委員会にあっては都道府県知事がそれぞれ特別調整委員を置くことができる。
2 中央労働委員会に置かれる特別調整委員は、厚生労働大臣が、都道府県労働委員会に置かれる特別調整委員は、都道府県知事が任命する。
3 特別調整委員は、地方公共団体の当局を代表する者、職員を代表する者及び公益を代表する者とする。
4 特別調整委員のうち、地方公共団体の当局を代表する者は地方公共団体のxxの推薦に基づいて、職員を代表する者は認証された労働組合の推薦に基づいて、公益を代表する者は当該労働委員会の使用者委員
(中央労働委員会にあっては、国家公務員担当使用者委員(国家公務員の労働関係に関する法律第二十条第三項に規定する国家公務員担当使用者委員をいう。次条及び第四十条第二項において同じ。))及び労働者委員(中央労働委員会にあっては、国家公務員担当労働者委員(同法第二十条第三項に規定する国家公務員担当労働者委員をいう。次条及び第四十条第二項において同じ。))の同意を得て、任命されるものとする。
三七頁
三八頁
5 特別調整委員は、政令で定めるところにより、報酬及びその職務を行うために要する費用の弁償を受けることができる。
6 都道府県労働委員会の特別調整委員又は特別調整委員であった者は、その職務に関して知ることができた秘密を漏らしてはならない。
7 特別調整委員に関する事項は、この法律に定めるもののほか、政令でこれを定める。
(中央労働委員会における事務の処理)
第三十五条 中央労働委員会が第三十七条第一項、第三十八条第三号及び第四号並びに第四十三条第四号の労働委員会の決議、第三十七条第二項の労働委員会の同意その他政令で定める労働委員会の事務を処理する場合には、これらの事務の処理には、国家公務員担当公益委員、国家公務員担当使用者委員及び国家公務員担当労働者委員のみが参与する。この場合において、中央労働委員会の事務の処理に関し必要な事項は、政令で定める。
第二節 あっせん
(あっせん員候補者)
第三十六条 労働委員会は、あっせん員候補者を委嘱し、その名簿を作成しておかなければならない。
2 あっせん員候補者は、学識経験を有する者で、この節の規定に基づいて、団体協約の締結に係る紛争の解決について援助を与えることができる者でなければならない。この場合において、当該労働委員会の管轄区域内に居住していることを要しない。
(あっせんの実施等)
第三十七条 労働委員会は、団体協約の締結に係る紛争について、関係当事者の双方若しくは一方の申請又は労働委員会の決議により、あっせんを行うことができる。
2 前項のあっせんは、労働委員会の会長が前条第一項に規定する名簿に記載されている者のうちから指名するあっせん員又は労働委員会の同意を得て労働委員会の会長が委嘱するあっせん員によって行う。
3 労働組合法第十九条の十第一項に規定する地方において中央労働委員会が処理すべき事件として政令で定めるものについては、中央労働委員会の会長は、前項の規定にかかわらず、地方調整委員のうちから、あっせん員を指名する。ただし、中央労働委員会の会長が当該地方調整委員のうちからあっせん員を指名することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
三九頁
四〇頁
4 あっせん員(労働委員会の委員及び地方調整委員である者を除く。)は、政令で定めるところにより、報酬及びその職務を行うために要する費用の弁償を受けることができる。
5 都道府県労働委員会のあっせん員又はあっせん員であった者は、その職務に関して知ることができた秘密を漏らしてはならない。
6 労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)第十三条及び第十四条の規定は、第一項のあっせんについて準用する。
第三節 調停
(調停の開始)
第三十八条 労働委員会は、団体協約の締結に係る紛争について、次に掲げる場合に調停を行う。一 関係当事者の双方が労働委員会に調停の申請をしたとき。
二 関係当事者の一方が団体協約の定めに基づいて労働委員会に調停の申請をしたとき。 三 関係当事者の一方の申請により、労働委員会が調停を行う必要があると決議したとき。四 労働委員会が職権に基づき、調停を行う必要があると決議したとき。
五 地方公共団体の長(当該団体協約の締結に係る紛争の関係当事者の一方が地方公共団体の当局(当該
地方公共団体に係るものに限る。)である場合に限る。)が、公益上特に必要があると認める場合において、労働委員会に調停の請求をしたとき。
(労働委員会による調停)
第三十九条 労働委員会による調停は、当該事件について設ける調停委員会によって行う。
(調停委員会)
第四十条 調停委員会は、公益を代表する調停委員、地方公共団体の当局を代表する調停委員及び職員を代表する調停委員で組織する。ただし、地方公共団体の当局を代表する調停委員と職員を代表する調停委員とは、同数でなければならない。
2 公益を代表する調停委員は公益委員(中央労働委員会にあっては、国家公務員担当公益委員)又は公益を代表する特別調整委員のうちから、地方公共団体の当局を代表する調停委員は使用者委員(中央労働委員会にあっては、国家公務員担当使用者委員)又は地方公共団体の当局を代表する特別調整委員のうちから、職員を代表する調停委員は労働者委員(中央労働委員会にあっては、国家公務員担当労働者委員)又
四一頁
四二頁
は職員を代表する特別調整委員のうちから、労働委員会の会長が指名する。
3 労働組合法第十九条の十第一項に規定する地方において中央労働委員会が処理すべき事件として政令で定めるものについては、中央労働委員会の会長は、前項の規定にかかわらず、地方調整委員のうちから、調停委員を指名する。ただし、中央労働委員会の会長が当該地方調整委員のうちから調停委員を指名することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
(報告及び指示)
第四十一条 労働委員会は、調停委員会に、その行う事務に関し報告をさせ、又は必要な指示をすることができる。
(労働関係調整法の準用)
第四十二条 労働関係調整法第二十二条から第二十五条まで、第二十六条第一項から第三項まで及び第四十三条の規定は、調停委員会及び調停について準用する。
第四節 仲裁
(仲裁の開始)
第四十三条 労働委員会は、団体協約の締結に係る紛争について、次に掲げる場合に仲裁を行う。
一 関係当事者の双方が労働委員会に仲裁の申請をしたとき。
二 関係当事者の一方が団体協約の定めに基づいて労働委員会に仲裁の申請をしたとき。
三 労働委員会があっせん又は調停を開始した後二月を経過して、なお紛争が解決しない場合において、関係当事者の一方が労働委員会に仲裁の申請をしたとき。
四 労働委員会が、あっせん又は調停を行っている事件について、仲裁を行う必要があると決議したとき。五 地方公共団体の長(当該団体協約の締結に係る紛争の関係当事者の一方が地方公共団体の当局(当該
地方公共団体に係るものに限る。)である場合に限る。)が、公益上特に必要があると認める場合において、労働委員会に仲裁の請求をしたとき。
(仲裁委員会)
第四十四条 労働委員会による仲裁は、当該事件について設ける仲裁委員会によって行う。
2 仲裁委員会は、労働委員会の会長が公益委員(中央労働委員会にあっては、国家公務員担当公益委員)又は公益を代表する特別調整委員のうちから指名する三人以上の奇数の仲裁委員で組織する。
四三頁
四四頁
3 仲裁委員会は、仲裁裁定を行ったときは、当該仲裁裁定の内容を、インターネットの利用その他の適切な方法により、速やかに公表しなければならない。
4 労働関係調整法第三十一条の三から第三十三条まで及び第四十三条の規定は、仲裁委員会、仲裁及び仲裁裁定について準用する。この場合において、同法第三十一条の五中「使用者を代表する委員又は特別調整委員及び労働者を代表する委員又は特別調整委員」とあるのは、「地方公共団体の当局を代表する委員
(中央労働委員会にあつては、国家公務員の労働関係に関する法律第二十条第三項に規定する国家公務員担当使用者委員)又は地方公務員の労働関係に関する法律第三十四条第一項に規定する特別調整委員及び職員を代表する委員(中央労働委員会にあつては、国家公務員の労働関係に関する法律第二十条第三項に規定する国家公務員担当労働者委員)又は地方公務員の労働関係に関する法律第三十四条第一項に規定する特別調整委員」と読み替えるものとする。
(仲裁裁定の効力)
第四十五条 仲裁裁定があったときは、当該仲裁裁定の定めるところにより、関係当事者間において有効期間の定めのない団体協約が締結されたものとみなして、第十五条第三項及び第四項、第十六条並びに第十
七条の規定を適用する。
第七章 雑則
(中央労働委員会の管轄等)
第四十六条 中央労働委員会は、二以上の都道府県にわたり、又は全国的に重要な問題に係る事件の処理であって、第五章第xx及び前章の規定に基づくものについて、優先して管轄する。
2 中央労働委員会は、第五条第五項及び第七項並びに第二十一条第一項の規定による都道府県労働委員会の処分を取り消し、承認し、若しくは変更する完全な権限をもって再審査し、又はその処分に対する再審査の申立てを却下することができる。この再審査は、都道府県労働委員会の処分の当事者のいずれか一方の申立てに基づいて、又は職権で、行うものとする。
3 中央労働委員会が第五章第xx及び前章に定める手続を行う場合において、認証された労働組合が労働組合でなくなったとき、又は認証された労働組合について第五条第二項から第四項までの規定に適合しない事実があったときは、中央労働委員会は、中央労働委員会規則で定めるところにより、当該認証された労働組合の認証を取り消すことができる。
四五頁
四六頁
4 第五条第二項から第四項まで、第八項、第九項及び第十四項並びに第六条の規定は、前二項の規定により中央労働委員会が労働組合の認証に係る処分をしようとする場合について準用する。この場合において
、同条第一項中「公益を代表する委員(以下この項及び次項において「公益委員」という。)の全員」とあるのは「労働組合法第二十四条の二第一項に規定する合議体又は国家公務員の労働関係に関する法律第六条第一項に規定する国家公務員担当公益委員」と、「処分とする」とあるのは「処分とすることができる」と、「適当であると認められる場合を除き、条例で定めるところにより、会長が指名する公益委員五人又は七人」とあるのは「適当でないと認められる場合は、公益委員の全員」と、「行わせることができる」とあるのは「行わせる」と読み替えるものとする。
5 中央労働委員会は、第二項又は第三項の規定により認証を取り消したときは、その旨を当該認証をした都道府県労働委員会に通知しなければならない。この場合において、当該通知を受けた都道府県労働委員会は、中央労働委員会が認証を取り消した旨を告示しなければならない。
6 中央労働委員会は、都道府県労働委員会に対し、この法律の規定により都道府県労働委員会が処理する事務について、報告を求め、又は法令の適用その他当該事務の処理に関して必要な勧告、助言若しくはそ
の委員若しくは事務局職員の研修その他の援助を行うことができる。
(行政手続法の適用除外)
第四十七条 この法律の規定により労働委員会がする処分(第五条の規定による処分を除き、第十九条第三項の規定により公益委員がする処分及び第二十条の規定により公益を代表する地方調整委員がする処分を含む。)については、行政手続法(xxx年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
(不服申立ての制限)
第四十八条 この法律の規定により労働委員会がした処分(第五条の規定による処分を除き、第十九条第三項の規定により公益委員がした処分及び第二十条の規定により公益を代表する地方調整委員がした処分を含む。)については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
(政令への委任)
第四十九条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な事項は、政令で定める。附 則
(施行期日)
四七頁
四八頁
第一条 この法律は、地方公務員法等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第 号。以下「平成二十四年地方公務員法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第六条並びに次条及び附則第七条の規定 平成二十四年地方公務員法改正法の公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
二 第二条第一号ロ、第四条第二項及び第三項並びに附則第三条の規定 平成二十四年地方公務員法改正法の公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
(重要な行政上の決定を行う職員等の認定及び告示のための準備行為)
第xx x道府県労働委員会は、前条第二号に掲げる規定の施行の日前においても、同日における第二条第一号ロ又は第四条第二項の規定による事務に関し必要があるときは、地方公共団体のxxに対し、資料の提出を求めることができる。
(労働組合の認証等に関する経過措置)
第三条 第五条第五項の規定による認証を受けようとする者は、この法律の施行の日(以下「施行日」とい
う。)前においても、同条の規定の例により、認証を申請することができる。
第四条 前条の規定により施行日前において認証を申請した登録職員団体(この法律の施行の際現に平成二十四年地方公務員法改正法第二条の規定による改正前の地方公務員法(以下「旧地方公務員法」という。
)第五十三条の規定により登録されている職員団体をいう。次項及び附則第六条第一項において同じ。)は、施行日までに前条の規定による申請に対する処分がない場合には、施行日において、認証された労働組合となるものとする。
2 前項の規定は、第二条第一号ロに掲げる者が加入する登録職員団体については、適用しない。
3 第一項の規定により認証された労働組合となったもの(次項において「移行認証労働組合」という。)の認証は、前条の規定による申請に対する処分があった日にその効力を失う。
4 前項の規定によりその認証が効力を失った移行認証労働組合が締結した団体協約は、当該認証が効力を失った日にその効力を失う。ただし、前条の規定による申請に対し当該移行認証労働組合が認証されたときは、この限りでない。
第五条 施行日までに旧地方公務員法第五十三条第九項又は第十項の規定により人事委員会又はxx委員会
四九頁
五〇頁
に対してされている届出は、当該人事委員会又は当該xx委員会の属する地方公共団体の主たる事務所を管轄する都道府県労働委員会に対してされた第五条第十項又は第十二項の規定による届出とみなす。
(労働組合のための職員の行為の制限に関する経過措置)
第六条 この法律の施行の際現に旧地方公務員法第五十五条の二第一項ただし書の許可を受けている職員(当該職員の属する登録職員団体が、施行日において、第五条第五項又は附則第四条第一項の規定により認証された労働組合になった場合に限る。)は、施行日において、第七条第一項ただし書の許可を受けたものとみなす。この場合において、同項ただし書の許可を受けたものとみなされた職員に係る当該許可の有効期間は、旧地方公務員法第五十五条の二第一項ただし書の許可の有効期間の施行日における残存期間とする。
2 旧地方公務員法第五十五条の二第一項ただし書の規定により同項ただし書に規定する登録を受けた職員団体の業務に専ら従事した期間は、第七条の規定の適用については、同条第一項ただし書の規定により同項ただし書に規定する認証された労働組合の業務に専ら従事した期間とみなす。
3 第七条の規定の適用については、地方公務員の労働関係の実態に鑑み、労働関係の適正化を促進し、も
って公務の能率的な運営に資するため、当分の間、同条第三項中「五年」とあるのは、「七年以下の範囲
内で地方公共団体の規則で定める期間」とする。
(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
xx頁
五二頁
理 由
地方公務員の自律的労使関係制度を措置するため、地方公務員に協約締結権を付与するとともに、これに伴い、団体交渉の対象事項、当事者及び手続、団体協約の効力、不当労働行為事件の審査、あっせん、調停及び仲裁等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。