【鉄協研 PJ/研究会の位置付け】
2020.4.17
(一社)日本鉄鋼協会
日本鉄鋼協会における鉄鋼協会研究PJおよび研究会Ⅱ実施に係わる共同研究契約について
1.日本鉄鋼協会の研究助成制度について
本会では、企業からのニーズと大学等研究機関からのシーズにもとづき、基礎的あるいは技術的に重要な課題を取り上げ、産官学共同で研究を行っている。制度としては、1)シーズ主導型の、主として基礎的・先導的テーマを取り扱う「研究会Ⅰ」、2)ニーズ主導型の、主として応用的・産業的テーマを取り扱う「研究会Ⅱ」、3)鉄鋼業の技術力を発展・成長させる上で重要かつ基盤的なテーマ領域において、技術課題の解決を目指す「鉄鋼協会研究プロジェクト」があり、現在、上記 3 種に
対して年間総額約 1 億円の助成を行っている。各大学等への研究費の支払いは、原則として上記1)は奨学寄付で、2)及び3)は共同研究契約に基づいて実施している。研究期間はいずれも原則として 3 年間である。
2.共同研究契約の概要
いくつかの大学の共同研究契約書のひな形を参考に、多者間の契約に変更したものです。
《契約のポイント》 (簡略・曖昧な表現がありますが、契約書案を正として下さい)
ⅰ)研究担当者、研究協力者
・ 「研究担当者」は各大学等(甲、乙、丙、・・・)及び鉄鋼協会のリスト掲載者(契約書の別表1)とする。書面同意の上、研究担当者の変更、追加、削減可能【第 4 条】
・ 研究担当者以外の者の参加又は協力が必要と認めた場合、大学等(甲、乙、丙、・・・)の関係者(学生等を含む)及び鉄鋼協会の企業関係者のリスト掲載者(契約書の別表2)を「研究協力者」とする。書面同意の上、研究協力者の変更、追加、削減可能【第 5 条】
1. ⅱ)報告書、経費
・ 研究会またはプロジェクト終了日後 30 日以内に実績報告書を作成【第 6 条】
・ 研究経費は鉄鋼協会が負担し、大学等に支払う【第 7 条】
2. ⅲ)知財の取り扱い
・ 「研究担当者」又は「研究協力者」(併せて「研究担当者等」)が発明した場合、全ての当事者に通 知し、帰属、持分及び出願等の可否について協議【第 14 条 1 項】
・ 知財権の承継【第 14 条第 2 項】、非承継【第 14 条第 3 項】
・ 知財権は、大学等の「単独知的財産権」、複数当事者の「共有知的財産権」の 2 種【第 14 条 4、5 項】
・ 共同出願契約を、可能な限り出願前に締結する【第 14 条第 5 項】
・ 外国出願も国内出願と同様【第 15 条】
・ 知財権の実施は、別途協議(考慮すべき事項【第 18 条】あり)により契約(「独占的通常実施権許諾契約」、「非独占的通常実施権許諾契約」、「共有知的財産権取扱契約」)締結【第 16 条、第 20 条】
・ 大学等の単独知財権は、第三者に実施許諾できる。共有知財権は共有者の書面同意(正当な理由あるときのみ拒否可能)で第三者に実施許諾できる。【第 21 条】
・ 実施料【第 22 条】、出願費用【第 23 条】、持ち分の譲渡及び放棄【第 24 条】
・ xxxx等は協議、書面にて特定。xxxxの秘匿期間は原則として共研終了後 3 年間(契約項目表.11)【第 25 条】
3. ⅳ)守秘義務、開示手続き
・ 研究成果は、秘密保持義務を遵守の上、研究開発活動、教育活動に無償にて使用可【第 19 条】
・ 「秘密情報」は、事前の書面同意を得ずに本共研実施及び管理に知る必要のある者以外に開示・漏洩してはならない。秘密保持期間は共研終了後 3 年間。(契約項目表.12)【第 29 条】
・ 研究成果の公表は、30 日前までに公表内容を書面通知、修正要求は受理後 14 日以内に通知。共研終了後 1 年(協議により延長短縮可)以降は自由に公表可。【第 30 条】
研究成果の公表に際しては、事務局よりプロジェクトメンバー各位に公表の可否を確認後、
5. 生産技術部門会議の審議(メールによる審議含む)にかけて、公表の承認を得る。
4.
6.
7. ※各年度の研究費は,研究期間内であれば,次年度以降への繰り越し使用を認める。
【契約体制(イメージ図)】
共同研究契約書 大学等(甲) ・・・ 大学等(乙) ・・・ 大学等(丙) ・・・ | ||||
委嘱状 | 企業委員 (鉄鋼協会の研究協力者) A社、B社、C社、・・・ | |||
・・・ | 鉄鋼協会 | |||
規定 | ||||
・・
【鉄協研 PJ/研究会の位置付け】
(以上)
鉄鋼協会研究プロジェクト/研究会Ⅱ 共同研究契約書
(契約項目表)
1.契約者 | 甲 | 国立大学法人●●大学 |
乙 | 学校法人 ▲▲大学 | |
丙 | 国立研究開発法人 ◆◆研究機構 | |
丁 | 国立大学法人 ★★大学 | |
戊 | 国立大学法人 ▼▼大学 | |
己 | 国立大学法人 ■■大学 | |
庚 | 一般社団法人 日本鉄鋼協会 | |
2.研究題目 | 粒界工学手法による汎用鋼の高機能鋼化 | |
3.研究目的 | ||
4.研究内容 | ||
5.研究分担 | (別表1)及び(別表2) | |
6.研究スケジュール | 20●●年度:研究の実施、20●●年度:研究の実施、 20●●年度:研究の実施、まとめ、総括 | |
7.研究実施場所 | 1)国立大学法人●●大学 | |
2)学校法人 ▲▲大学 | ||
3)国立研究開発法人 ◆◆研究機構 | ||
4)国立大学法人 ★★大学 | ||
5)国立大学法人 ▼▼大学 | ||
6)国立大学法人 ■■大学 | ||
7)一般社団法人 日本鉄鋼協会 | ||
8.研究期間 | 20●●年4月1日~20●●年3月31日 |
9.研究経費の負担注: ( )内は 甲:間接経費乙:間接経費丙:間接経費 丁:研究支援経費 戊:産学官連携推進 活動経費己:間接経費で内数。 | 区分 | 庚負担分の研究費(第7条第1項第1号) (単位:円) | 研究料 (第7条第1項第2号) (単位:円) | ||||
20●●年度 | 20●●年度 | 20●●年度 | 合計 | ||||
甲 | 0 | ||||||
( ) | ( ) | ( ) | ( ) | ||||
乙 | 0 | ||||||
( ) | ( ) | ( ) | ( ) | ||||
丙 | 0 | ||||||
( ) | ( ) | ( ) | ( ) | ||||
丁 | 0 | ||||||
( ) | ( ) | ( ) | ( ) | ||||
戊 | 0 | ||||||
( ) | ( ) | ( ) | ( ) | ||||
己 | 0 | ||||||
( ) | ( ) | ( ) | ( ) | ||||
合計 | 13,000,000 | 15,000,000 | 12,000,000 | 40,000,000 | 0 | ||
総額 | 40,000,000 円 | ||||||
10.施設及び設備の 提供 | 区分 | 施設の名称 | 設備 | ||||
名称 | 規格 | 数量 | |||||
甲 | 大学院●●研究部 | ― | ― | ― | |||
乙 | 工学部 | ― | ― | ― | |||
注:施設の名称は、所 | 丙 | ●●研究拠点 | ― | ― | ― | ||
属の講座名・研究室名 | 丁 | 大学院●●研究科 | ― | ― | ― | ||
等を記載する。 | 戊 | 大学院●●研究科 | ― | ― | ― | ||
己 | 大学院●●研究院 大学院工学研究院 | ― | ― | ― | |||
庚 | 事務局技術企画グループ | ― | ― | ― | |||
11.xxxxの秘匿 期間 | 本共同研究に係る期間及び本共同研究終了日の翌日から起算して3年間 | ||||||
12.秘密保持義務の 有効期間 | 本共同研究に係る期間及び本共同研究終了日の翌日から起算して3年間 | ||||||
13.実施目標期間 | 知的財産権を出願等した日の翌日から起算して3年間 |
甲乃至庚は、上記(契約項目表)記載の共同研究(以下、「本共同研究」という。)を実施するにつき、次の各条の通り共同研究契約 (以下、「本契約」 という。)を締結し、本契約の締結を証するため、
この契約書を7通作成し、甲乃至庚がそれぞれ1通保管するものとする。
20●●年3月31日
(甲)住所
大学名
契約責任者 氏名
(乙)住所
大学名
学長 氏名
(丙)住所
大学名
契約担当役 外部連携部門長 氏名
(丁)住所
大学名
総長 氏名
代理人 工学系・情報理工学系等事務部長 氏名
(戊)住所
大学名
学長 氏名
(己)住所
大学名
総長 氏名
(庚)xxxxxxxxxxxxxxx0x00x一般社団法人 日本鉄鋼協会
業務執行理事・専務理事 xx xx
(別表1)
区分 | 研究担当者氏名 | 所属・役職、本研究における役割 |
甲 | 1. | 所属・役職: |
本研究における役割: | ||
乙 | 1. | 所属・役職: |
本研究における役割: | ||
丙 | 1. | 所属・役職:物質・ |
本研究における役割: | ||
2. | 所属・役職: | |
本研究における役割: | ||
3. | 所属・役職: | |
本研究における役割: | ||
丁 | 1. | 所属・役職: |
本研究における役割: | ||
2. | 所属・役職: | |
本研究における役割: | ||
戊 | 1. | 所属・役職: |
本研究における役割: | ||
己 | 1. | 所属・役職: |
本研究における役割: | ||
2. | 所属・役職: | |
本研究における役割: | ||
庚 | 1. | 所属・役職: |
本研究における役割: | ||
2. | 所属・役職: | |
本研究における役割: | ||
3. | 所属・役職: | |
本研究における役割: |
(別表2)
区分 | 研究協力者氏名 | 所属・役職 |
甲 | 1. | |
2. | ||
乙 | 1. | |
2. | ||
丙 | 1. | |
2. | ||
戊 | 1. | |
2. | ||
己 | 1. | |
2. | ||
1. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 | |
2. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 | |
3. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 | |
4. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 | |
5. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 | |
6. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 | |
7. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 | |
8. | <(一社)日本鉄鋼協会正会員> 企業側参加者 |
(定義)
第1条 本契約において、次に掲げる用語は次の定義によるものとする。
一 「研究成果」とは、本共同研究に基づき得られたもので、第6条に従って作成される実績報告書において成果と確定された本共同研究の目的に関係する発明、考案、意匠、著作物、ノウハウ等一切の技術的成果をいう。
二 「知的財産権」とは、次に掲げるものをいう。
イ 特許法(昭和 34 年法律第 121 号)に規定する特許権、実用新案法(昭和 34 年法律
第 123 号)に規定する実用新案権、意匠法(昭和 34 年法律第 125 号)に規定する
意匠権、商標法(昭和 34 年法律第 127 号)に規定する商標権、半導体集積回路の回
路配置に関する法律(昭和 60 年法律第 43 号)に規定する回路配置利用権、種苗法
(平成 10 年法律第 83 号)に規定する育成者権及び外国における上記各権利に相当する権利
ロ 特許法に規定する特許を受ける権利、実用新案法に規定する実用新案登録を受ける権利、意匠法に規定する意匠登録を受ける権利、商標法に規定する商標登録出願により生じた権利、回路配置利用権の設定の登録を受ける権利、品種登録を受ける権利及び外国における上記各権利に相当する権利
ハ 著作xx(昭和 45 年法律第 48 号)に規定するプログラムの著作物及びデータベースの著作物(以下、「プログラム等」という。)に係る著作権並びに外国における上記権利に相当する権利
ニ 秘匿することが可能な技術情報であって、かつ、財産的価値のあるものの中から、第 25 条の規定に基づき特定するもの(以下、「ノウハウ」という。)に係る権利
三 「発明等」とは、特許権の対象となるものについては発明、実用新案権の対象となるものについては考案、意匠権及び回路配置利用権の対象となるものについては創作、商標権の対象となるものについては商標並びに育成者権の対象となるものについては育成をいう。
四 「出願等」とは、特許権、実用新案権、商標権及び意匠権については出願、回路配置利用権については設定登録の申請、育成者権については品種登録の出願、並びに外国における上記各権利に相当する権利の申請、登録及び出願(仮出願を含む。)をいう。
五 知的財産権の「実施」とは、特許法第 2 条第 3 項に定める行為、実用新案法第 2 条第
3 項に定める行為、意匠法第 2 条第 2 項に定める行為、商標法第 2 条第 3 項に定める
行為、半導体集積回路の回路配置に関する法律第 2 条第 3 項に定める行為、種苗法第
2 条第 5 項に定める行為、著作物のあらゆる利用行為並びにノウハウの使用をいう。六 「通常実施権」とは、特許法、実用新案法及び意匠法に規定する通常実施権、商標法に規定する通常使用権、半導体集積回路の回路配置に関する法律及び種苗法に規定す
る通常利用権、第1項第 2 号ロに規定する権利の対象となるもの、プログラム等に係る著作権及びノウハウについて実施をする権利並びに外国における上記各権利に相当する権利をいう。
七 「独占的通常実施権」とは、通常実施権のうち、当該権利を許諾する者は第三者に実施許諾ができず、当該権利を許諾された者において独占的に実施及び実施許諾できる権利をいう。
八 「専用実施権」とは、特許法、実用新案法及び意匠法に規定する専用実施権、商標法に規定する専用使用権、半導体集積回路の回路配置に関する法律及び種苗法に規定する専用利用権並びに外国における上記各権利に相当する権利(当該権利を許諾される者の希望により再実施許諾権付の権利とする場合を含む。)をいう。
九 「当事者」とは、甲、乙、丙、丁、戊、己又は庚のいずれかの者をいう。十 「実施契約等」とは、独占実施、又は非独占実施を定める契約をいう。
十一「庚実施希望者」とは、庚の指定する庚の維持会員であって本共同研究の実施に伴う発明等に関する知的財産権の持分を有する全ての当事者が協議の上、共同出願契約又は実施契約等にて定める者をいう。
(本共同研究にあたっての相互協力)
第2条 全ての当事者は、本契約の定めに従って、相互協力して本共同研究を実施するものとする。
2 庚を除く全ての当事者は、庚の求めに応じ共同研究の進捗を庚に報告するものとする。
(研究期間)
第3条 本共同研究の研究期間は、契約締結日にかかわらず表記(契約項目表)8.に記載のとおりとする。但し、全当事者間で協議の上、書面による合意に基づき当該期間を変更することを妨げない。
(研究担当者)
第4条 全ての当事者は、それぞれ表記(契約項目表)5. (別表1)に掲げる者を本共同研究の研究担当者として本共同研究に参加させるものとする。
2 庚を除く全ての当事者は、庚研究担当者又は次条に定義する研究協力者のうち庚に属する者であって、庚を除く全ての当事者の研究実施場所において本共同研究に従事することをxが希望する者を共同研究員として受け入れることができる。
3 全ての当事者は、自己を除く全ての当事者に事前の書面による同意を得た上で、第 1 項に定める研究担当者の変更、追加又は削減を行うことができるものとする。
4 本条第 1 項及び第 3 項において、研究担当者を参加させた各当事者は、研究担当者となる者に本契約の内容を遵守させなければならない。研究担当者による本契約内容の違反は、当該研究担当者を参加させた各当事者の本契約の違反を構成するものとする。
(研究協力者)
第5条 全ての当事者は、本共同研究遂行上、研究担当者以外の者の参加又は協力を得る
ことが必要と認めた場合、他の全ての当事者の同意を得た上で、当該研究担当者以外の者
(甲、乙、丙、丁、戊及び己にあっては学生等を含む。庚にあっては庚の個人会員を含む。)を研究協力者として本共同研究に参加させることができる。研究開始当初の全ての当事者の研究協力者は、それぞれ表記(契約項目表)5.(別表2)に掲げる者とする。
2 前項において、研究協力者を参加させた当事者は、研究協力者となる者に本契約の内容を遵守させなければならない。研究協力者による本契約内容の違反は、当該研究協力者を参加させた当事者の本契約の違反を構成するものとする。但し、甲、乙、丙、丁、戊及び己においては当該当事者と雇用関係のない就学中の学部生、大学院生、研究生、研究員等(以下、「学生等」という。)を当該当事者以外の全ての当事者の同意を得て本共同研究に参加させる場合は、当該当事者の研究担当者は学生等に本契約を遵守するよう、必要な教育・指導を行うものとする。
3 全ての当事者は、自己を除く全ての当事者に事前の書面による同意を得た上で、第 1 項に定める研究協力者の変更、追加又は削減を行うことができるものとする。
(本共同研究の終了及び実績報告書の作成)
第6条 本共同研究は、以下のいずれかの事由が生じた時点において、終了するものとする。本共同研究が終了した日を、以下、「本共同研究終了日」という。
一 表記(契約項目表)3.記載の研究目的が達成又は実現されたと全ての当事者が書面に
て合意したこと
二 表記(契約項目表)3.記載の研究目的の達成又は実現が不可能又は著しく困難であることが判明し、全ての当事者がその旨書面にて合意したこと
三 表記(契約項目表)8.記載の研究期間の満了
四 その他、全ての当事者が、本共同研究を終了させることに書面にて合意したこと
五 本契約が第 32 条に基づき、いずれかの当事者により解約されたこと又は全ての当事者が本契約を書面の合意により解約したこと
2 研究担当者又は研究協力者(以下、併せて「研究担当者等」という。)は、協力して、本
共同研究の研究期間中に得られた研究の成果について、本共同研究終了日後 30 日以内に実績報告書をとりまとめ(その他、本共同研究の研究期間中で必要と認められる時に随時実績報告書をとりまとめることを妨げない。)、研究成果を確定させるものとする。
(研究経費の負担)
第7x xは、表記(契約項目表)9.に掲げる額(以下、「研究経費」という。)を、以下に定める研究費及び研究料として、庚を除くすべての当事者それぞれに支払うものとする。一 研究費とは、庚を除く当事者の施設・設備の維持・管理に必要な経常経費等を除く、
謝金、旅費、設備費、消耗品費等の本共同研究遂行に直接必要な経費に相当する額及び庚を除くすべての当事者所定の本共同研究の実施に伴う管理等に必要な経費に相当する額をいう。なお、研究費には消費税及び地方消費税が含まれるものとする。
二 研究料とは、第 4 条第 2 項により、共同研究員を受け入れる費用で、庚を除く当事者それぞれの規則によるものの額をいう。
2 第 4 条第 3 項により研究担当者数が削減された場合であっても、次条第 1 項の規定により支払われた研究料の返還については、庚を除く当事者それぞれの規則によるものとする。
(研究経費の支払)
第8x xは、各年度の研究経費について、当該年度に支払う研究経費を、庚を除く当事者がそれぞれ発行する請求書により、当該請求書の発行日の翌日から起算して 30 日以内
(但し、当該期間の最終日が土、日及び祝日に該当する場合はその翌営業日までとする。以下、「支払期限」という。) にそれぞれ支払わなければならない。
2 庚が前項に規定される支払期限までに前項の研究経費を支払わないときは、庚を除く全て
の当事者は、支払期限の翌日から支払日までの日数に応じ、その未払額に民法(明治 29
年法律第 89 号)第 404 条及び第 419 条で規定する法定利率の割合で計算した延滞金を、xに対して請求できるものとする。xは当該当事者からの請求があった場合、これに応じなければならない。
(経理)
第9条 研究経費の経理は庚より経費の支払を受けた当事者それぞれが行う。当該経理については、全ての帳簿及び証憑を備え、他の経理と明確に区分して経理し、常にその収支の状況を明らかにしておかなければならない。
(研究経費により取得した設備等の帰属)
第10条 研究経費により取得した施設・設備・備品等は、当該施設・設備・備品等を取得した当事者の帰属とする。
(施設及び設備の提供等)
第11条 全ての当事者は、表記(契約項目表)10.に掲げる自らの施設・設備を本共同研究の用に供するものとする。
2 庚を除く当事者は、本共同研究の用に供するため、関係当事者間で合意のうえ必要と認め る場合には、庚から表記(契約項目表)10.に掲げる庚の所有に係る設備を庚の同意を得て 無償で受け入れ、共同で使用するものとする。この場合、庚を除く当事者及び庚の書面に よる合意により当該設備の所有権を無償で庚を除く当事者に移転できるものとする。なお、庚を除く全ての当事者は庚から受け入れた設備について、その据付完了の時から返還に係 る作業が開始される時まで善良なる管理者の注意義務をもってその保管にあたらなけれ ばならない。
3 前項に規定する設備の搬入、据付け、撤去及び搬出に要する経費は、庚の負担とする。
(研究の中止又は期間の延長)
第12条 天災その他の不可抗力又は止むを得ない事由による本共同研究の遅延など当初予測できなかった事由が生じた場合は、全当事者協議のxx共同研究を中止し、又は本契約の研究期間を短縮若しくは延長することができる。この場合において、当事者は本共同研究の中止又は短縮若しくは延長に伴い他の当事者に生ずる一切の損害、損失、責任等について、何ら責任を負わないものとする。
2 庚を除く全ての当事者は、自らに所属する研究担当者の退職又は他機関への異動により、
本共同研究の実施の継続が困難になったと認められるときは、他の全ての当事者と協議した上で、本共同研究を中止することができる。この場合において、当該当事者は、他の全ての当事者に対し、その責めを負わないものとする。
(研究の終了等に伴う研究経費等の取扱い)
第13x xを除く全ての当事者は、前条の規定に基づく本共同研究の研究期間の延長により受領済みの研究経費に不足を生じるおそれが発生した場合には、直ちに庚に書面により通知するものとする。この場合において、xは当該当事者と協議の上、不足する研究経費を負担するかどうかを決定するものとする。この場合において、xが当該不足額の追加負担をしないときは、庚を除くすべての当事者は、庚との協議の結果を踏まえ、本共同研究を中止することができる。
2 前条の規定又は本契約の第 6 条 1 項 5 号により、本共同研究を終了した場合又は本共同研
究の研究期間を短縮した場合において、第 8 条第 1 項の規定により庚より支払われた研究経費に残額が生じ庚からの返還請求があったとき、庚を含む当事者でその取扱いを協議する。ただし、前条の規定による本共同研究の中止において、庚の事由による場合、庚を除く全ての当事者は一切の研究経費を返還しないものとする。
3 庚を除く全ての当事者は、本共同研究を終了したときには、第 11 条第 2 項の規定により庚から受け入れた設備のうち庚を除く当事者に所有権が移転していない設備を、本共同研究終了日時点の状態で庚に返還するものとする。
(知的財産権の出願等)
第14条 全ての当事者は、自らに所属する研究担当者等が本共同研究の実施に伴い発明等を得た場合には、速やかに自己を除く全ての当事者に通知し、本条第 4 項及び第 5 項の定めに従い当該発明等に係る知的財産権の帰属、持分及び出願等の可否等について協議するものとする。但し、当該通知を受けた者が自らに所属する者にその内容を通知する場合には、当該情報を知る必要のある者に限る。
2 全ての当事者は、本共同研究の実施に伴い発明等(異なる当事者に所属する複数の研究担 当者等により共同で得られた発明等を含む。)を得た自らに所属する研究担当者等から、 それぞれの規則等により、当該発明等に関する知的財産権の承継を受けられるものとする。庚にあっては、産官学連携と鉄鋼業の技術課題解決という鉄鋼協会研究プロジェクトの主
旨に基づき、庚の研究担当者等がなした発明等については、当該庚の研究担当者等から、当該庚の研究担当者等の所属する企業が、それぞれの規則等により当該発明等に関する知的財産権の承継を受けること又は予め自らに当該発明等に関する知的財産権を取得させることができるものとする。
3 前項の場合において、当事者が、本共同研究の実施に伴い発明等を得た自らに所属する研究担当者等から、当該発明等に係る知的財産権を承継しないときは、自己を除く全ての当事者に通知するものとし、当該知的財産xxの取扱いは、当該当事者の研究担当者等及び当該知的財産権の承継を受けた全ての当事者の間で協議し定めるものとする。但し、当該協議に参加する者は、当該情報を知る必要のある者に限る。なお、当該発明等に係る知的財産権を承継しない当事者は、自らに所属する当該発明等をなした研究担当者等に本契約で規定される、当該発明等に係る知的財産権の承継を受けた場合の当事者の義務と同等の義務を遵守するよう努めるものとする。
4 本共同研究の実施に伴い、いずれかの当事者に所属する研究担当者等のみによって得られた発明等に係る知的財産権は、当該当事者が当該発明等を得た研究担当者等から当該知的財産権の承継を受けた場合、当該当事者に単独で帰属するものとし、当該当事者は、単独で、自らの判断に基づき当該発明等について出願等及び権利保全の手続きを行うことができるものとする。但し、かかる出願等の手続きに先立ち、あらかじめ自己を除く全ての当事者に対して書面による通知を行い、単独で得られた発明等であることにつき自己を除く全ての当事者の書面による同意を得るものとする。この場合、出願等及び権利保全の手続きに要する費用は、当該発明等に関する知的財産権の帰属する当事者が負担するものとする。本項に基づき、庚を除く当事者に単独に帰属することとなった知的財産権を、以下、
「単独知的財産権」という。
5 全ての当事者は、本共同研究の実施に伴い異なる当事者に所属する複数の研究担当者等に より共同で得られた発明等に関する知的財産権(以下、「共有知的財産権」といい、庚を 除く当事者に所属する研究担当者等と庚に属する研究担当者等により共同で得られた発 明等に係る共有知的財産権を、以下、「庚共有知的財産権」という。以下の条項において、 特に記載のない限り、共有知的財産権には庚共有知的財産権を含む)はそれぞれの当事者 の共有とし、当該発明等に係る知的財産権におけるそれぞれの共有者の持分、出願等の可 否、可とする場合はその他出願等に必要となる事項を共有者間で協議して定めるものとし、出願等を行う場合は当該協議の結果定めたところに従い共同して行うものとする。共有知 的財産権の共有者は、当該必要となる事項について定めた共同出願契約を、共有知的財産 権に係る発明等の出願前に締結するものとする。
6 本共同研究の実施に伴い得られた発明等に係る知的財産権を自らに属する研究担当者等から承継した各当事者又は予め自らに取得させた各当事者は、当該発明等の発明者に対する補償を、自らに属する研究担当者等に対してのみ、それぞれ自ら所定の規程に基づき行うものとする。
(外国出願)
第15条 前条の規定は、本共同研究の実施に伴い得られた発明等についての外国における出願等及び権利保全等についても適用する。
2 共有知的財産権の共有者は、当該共有知的財産権に係る発明等について外国において出願等を希望する場合、その要否及び対象国等について協議の上行うものとする。
(知的財産権の取扱いに関する契約)
第16条 全ての当事者は、原則として、庚の維持会員が単独知的財産権及び共有知的財産権(以下、「本件知的財産権」という。)の独占実施又は非独占実施の許諾を望む場合であって、当該知的財産権の持分を有する全ての当事者がこれに応ずる場合、庚の維持会員を庚実施希望者として、本件知的財産権の取扱いに関する次二項に定めるいずれかの契約を当該庚実施希望者と締結するものとする。共同出願契約の締結は、出願前にこれを行わなければならない。
2 前項の規定により、庚実施希望者が本件知的財産権の独占実施を希望し、当該本件知的財
産権の持分を有する全ての当事者がこれに応ずる場合は、第 18 条から第 23 条までの規定に従い、本件知的財産権について庚実施希望者に独占実施を許諾する独占的通常実施権許諾契約(若しくは専用実施権設定契約)、若しくは本件知的財産権について庚実施希望者に独占実施を許諾する旨を定める共同出願契約を締結する。
3 第 1 項の規定により、庚実施希望者が本件知的財産権の非独占実施を希望し、当該本件
知的財産権の持分を有する全ての当事者がこれに応ずる場合は、第 18 条から第 23 条までの規定に従い、本件知的財産権について庚実施希望者に非独占実施を許諾する非独占的通常実施権許諾契約、若しくは本件知的財産権について庚実施希望者に非独占実施を許諾する旨を定める共同出願契約を締結する。
(優先交渉権)
第17条 前条第 1 項の定めにかかわらず、本件知的財産権を取得した庚の維持会員が本件知的財産権の独占実施又は非独占実施を望む場合であって、本件知的財産権の持分を有する全ての当事者が協議の上、これに応じるときは、当該庚の維持会員が本件知的財産権に係る発明等の実施又は実施許諾の形態を検討するために必要な、当該本件知的財産権に関する技術面や事業面等からの検証・評価に時間を要することが見込まれ、本件知的財産権に係る発明等の出願等までに本件知的財産権の取扱いを定めることができない旨を出願前に当該本件知的財産権の持分を有する全ての当事者に申し入れることにより、共同出願契約では本件知的財産権の取扱いを定めず、本件知的財産権を出願等した日から 3 ヶ月
(以下、「優先交渉判定期間」という。)以内に、当該本件知的財産権に係る発明等の実施に関する条件交渉を当該本件知的財産権の持分を有する他の全ての当事者と独占的に行う権利(以下、「優先交渉権」という。)を行使できる期間(以下、「優先交渉期間」という。)を当該本件知的財産権の持分を有する全ての当事者と協議の上、合意した期間に限り設け
ることができる。
2 本件知的財産権に係る出願のときから優先交渉判定期間及び優先交渉期間中に発生する本件知的財産権に係る出願及び権利保全等に要する費用(以下、「出願等費用」という。)の一切は、前項の申し入れをした庚実施希望者が負担するものとする。
3 優先交渉期間は出願日から 12 ヶ月を上限として設けることができるものとし、共同出願契約又は優先交渉期間設定契約において定めるものとする。なお、発明等の内容等を踏まえ、当該本件知的財産権の持分を有する全ての当事者間で協議の上、合意をした場合は、優先交渉期間をあらかじめ 12 ヶ月を超えて設定することができるものとする。
4 優先交渉期間中に、庚実施希望者が優先交渉期間の延長を希望する場合、庚実施希望者は、当該本件知的財産権の持分を有する他の全ての当事者に延長の申し出を行い、当該本件知的財産権の持分を有する他の全ての当事者の同意を得た上で、書面にて優先交渉期間を延長、又は別契約を締結するものとする。
5 庚実施希望者は、優先交渉期間終了 3 ヶ月前までに、第1項に定める検証・評価の結果を当該本件知的財産権の持分を有する他の全ての当事者に通知するものとし、当該本件知的財産権の持分を有する他の全ての当事者は、当該本件知的財産権の持分を有する他の全ての当事者は、第 18 条から第 23 条までの規定に従い、優先交渉期間終了後の本件知的財産権に係る発明等の実施に係る条件を決定するものとする。庚実施希望者が優先交渉期間中に優先交渉権の放棄を希望する場合も同様とする。
6 前項により決定した条件に基づき、当該本件知的財産権の持分を有する当事者は、庚実施希望者と優先交渉期間終了後の取扱いを定めた共有知的財産権に関する実施契約等を締結するものとする。なお、優先交渉期間は、期間満了前であっても、当該実施契約等の締結、又は庚実施希望者による優先交渉権の放棄によって終了するものとする。
(本共同研究の実施に伴い得られた発明等の実施において考慮すべき事項)
第18条 全ての当事者は、第 16 条、第 17 条及び次条から第 24 条までに定める本件知的財産権に係る発明等の実施に係る取扱いについて、以下の事項に留意し、協議・交渉を行うものとする。
一 本件知的財産権に係る発明等が、研究成果として得られたものであること
二 甲、乙、丙、丁、戊および己の責務として、甲、乙、丙、丁、戊及び己の研究の成果を社会に還元する必要があること
三 庚の責務として、庚の研究成果を庚の維持会員に還元する必要があること
四 全ての当事者が本件知的財産権に係る発明等を活用し、自ら商品化又は事業化することがないこと
五 本件知的財産権に係る発明等が、第 7 条に定める研究経費に加えて、それぞれが自らに所属する研究担当者等の人件費を負担し、又、それぞれの施設・設備等を利用して得られたものであること
六 本件知的財産権に係る発明等により収益があった場合、当該本件知的財産権の共有
者は、当該発明等を得た自らに所属する研究担当者等に、特許法第 35 条における
「相当の利益」を、それぞれの規則等に基づき支払う義務があること
(研究活動等の目的での実施)
第19条 全ての当事者は、研究成果を、第 25 条のノウハウ秘匿義務及び第 29 条の秘密保
持義務を遵守の上(第 30 条に定める方法に従い公表され公知となった研究成果については、この限りではない。)、自己の研究開発活動(甲、乙、丙、丁、戊及び己にあっては教育活動を含み、庚にあっては、庚の研究担当者等の所属する企業以外の維持会員の研究開発活動を除く。)のために無償にて使用することができるものとする。
2 庚を除く全ての当事者に属する研究担当者等は、その所属を離れた場合であっても、当該
研究成果を、第 25 条のノウハウ秘匿義務及び第 29 条の秘密保持義務を遵守の上、教育及び研究の目的に限り実施することができる。
(庚実施希望者による実施)
第20条 庚実施希望者が本件知的財産権の実施権を独占しようとする場合には、庚実施希望者は、第 18 条の本共同研究の実施に伴い得られた発明等の実施における基本的な考え方を踏まえ、実施料の支払い並びにその他の条件について本件知的財産権の持分を有する全ての当事者と協議の上、合意したときは、第 16 条第 2 項又は第 17 条第 6 項に基づき独占的通常実施権許諾契約(若しくは専用実施権設定契約)を締結するものとする。
2 庚実施希望者が本件知的財産権を非独占的に実施する場合、庚実施希望者は第 18 条の本共同研究の実施に伴い得られた発明等の実施における基本的な考え方を踏まえ、実施料の支払い、第三者に対する実施許諾の是非並びにその他の条件について本件知的財産権の持分を有する全ての当事者と協議の上、合意したときは、第 16 条第 3 項及び第 17 条第 6 項に基づき非独占的通常実施権許諾契約を締結するものとする。
(第三者に対する実施の許諾)
第21条 本件知的財産権の持分を有する庚以外の全ての当事者は、前条第 1 項により庚実施希望者が本件知的財産権に関する独占的通常実施権許諾契約(若しくは専用実施権設定契約)を締結した場合にもかかわらず、当該本件知的財産権を出願等した日の翌日から起算して表記(契約項目表)13.に掲げる期間(以下、「実施目標期間」という。)以降において実施もしくは実施に向けた努力をせず、かつ具体的な実施計画を提示しないときは、庚実施希望者に対し通知を行い、庚実施希望者の意見を聴取の上、正当な理由がないと認められる場合は、庚実施希望者との間で締結している当該契約を解除し、庚実施希望者以外の第三者(以下、「庚以外の全当事者指定第三者」という。)に対し、単独知的財産権を持つ当事者は、自らの単独知的財産権について自由に実施の許諾をすることができ、共有知的財産権の持分を有する当事者は、自らが持分を有する共有知的財産権については、当該共有知的財産権の持分を有する自己を除く全ての当事者の書面による同意を得て実施の
許諾をすることができるものとする。但し、当該契約の締結に当たり、当該本件知的財産権の持分を有する全ての当事者と庚実施希望者とが協議の上、合意したときは、表記(契約項目表)13.の実施目標期間と異なる期間を定めることができるものとする。なお、本項の定めは、庚実施希望者が優先交渉判定期間内に優先交渉権を行使しない場合又は優先交渉期間中に優先交渉権を放棄し若しくは実施の申し入れをしない場合について準用する。
2 本件知的財産権の持分を有する庚以外の当事者は、第 16 条第 2 項若しくは第 3 項又は第
17 条第 6 項により庚実施希望者に対し当該本件知的財産権について実施を許諾した場合であっても、実施を許諾したことが公共の利益を著しく損なうと認められるときは、当該庚実施希望者に対し書面で通知を行い、当該庚実施希望者と協議を行うものとする。その協議によってもなお事態が改善されない場合は、当該本件知的財産権の持分を有する庚以外の当事者は、当該庚実施希望者への実施の許諾を解除した上、庚以外の全当事者指定第三者に対し、単独知的財産権を持つ当事者は、自らの単独知的財産権について自由に実施の許諾をすることができ、共有知的財産権の持分を有する当事者は、自らが持分を有する共有知的財産権については、当該共有知的財産権の持分を有する自己を除く全ての当事者の書面による同意を得て実施の許諾をすることができるものとする。
3 庚実施希望者が本件知的財産権に関して非独占実施を希望する場合若しくは優先交渉期間が終了し非独占実施を定める契約を締結した場合、又は庚実施希望者が実施を希望しない意思表示を表明した場合は、単独知的財産権を持つ当事者は、自らの単独知的財産権について自由に第三者に対し実施の許諾をすることができ、共有知的財産権の持分を有する当事者は、自らが持分を有する共有知的財産権については、当該共有知的財産権の持分を有する自己を除く全ての当事者の書面による同意を得て第三者に対し実施の許諾をすることができるものとする。なお、この場合、当該当事者は、正当な理由なく、かかる同意を拒んではならないものとする。
(実施料)
第22条 本件知的財産権を庚実施希望者が独占的に実施する権利を許諾されたときは、第 20 条第1 項に基づき締結した独占的通常実施権許諾契約(若しくは専用実施権設定契約)で定める実施料を、本件知的財産権を有する全ての当事者に支払わなければならない。
2 本件知的財産権を庚実施希望者が非独占的に実施したときの実施料の支払いは、第 20 条
第 2 項に基づき締結した非独占的通常実施権許諾契約の定めに従うものとする。
3 前条第 1 項乃至第 3 項に基づき、本件知的財産権を庚以外の全当事者指定第三者に実施許諾した場合の実施料は、別途当該本件知的財産権の持分を有する庚以外の全ての当事者が協議の上定める実施許諾に係る手数料を、当該本件知的財産権の持分を有する当事者のうち、実施許諾の手続きをなした者が取得することができ、その残金を当該本件知的財産権の持分に応じて、庚以外の当該本件知的財産権の持分を有する当事者間で分配するものとする。
(出願等費用)
第23条 全ての当事者は、本件知的財産権(外国における本件知的財産権を含む。)の出願等費用に関して、以下のとおり合意する。
一 単独知的財産権については、当該単独知的財産権を持つ当事者が出願等費用の一切を負担する。但し、独占的通常実施権許諾(若しくは専用実施権設定)期間中に発生する単独知的財産権に係る出願等費用については当該独占的通常実施権の許諾(若しくは専用実施権の設定)を受けた庚実施希望者が負担するものとする。また、単独知的財産権の許諾を庚実施希望者が非独占に実施することを申し出たときにおいても当該出願等費用の負担をすることとして庚実施希望者と実施許諾契約を締結するものとする。
二 庚を除く当事者のみが共有する共有知的財産権については、当該共有知的財産権を持つ当事者が、自らが所有する持分の割合に応じて出願等費用を負担するものとする。但し、独占的通常実施権許諾(若しくは専用実施権設定)期間中に発生する共有知的財産権に係る出願等費用については当該独占的通常実施権の許諾(若しくは専用実施権の設定)を受けた庚実施希望者が負担するものとする。また、当該共有知的財産権の許諾を庚実施希望者が非独占的に実施することを申しでたときは庚を除く当事者の持分にかかる出願等費用の負担をすることとして該当当事者間で実施許諾契約を締結するものとする。
三 庚共有知的財産権については、庚実施希望者が、庚共有知的財産権を独占的に実施しようとするときは、庚実施希望者が出願等費用を負担するものとする。庚実施希望者が庚共有知的財産権を非独占的に実施しようとするときは、庚共有知的財産権の持分を有する全ての当事者は、第 16 条第 3 項の共同出願契約又は第 20 条第 2 項の協議の上、出願等費用の負担の有無及び割合について決定するものとする。
(持分の譲渡)
第24条 全ての当事者(庚の研究担当者等の所属する企業を含む。)は、共有知的財産権に係る自らの持分の一部又は全部を当該共有知的財産権について持分を有する全ての当事者間で協議の上合意した場合に限り譲渡できるものとする。
(ノウハウの特定)
第25条 全ての当事者は、本共同研究の結果、ノウハウに該当するものが生じた場合は、協議の上、速やかに書面にて特定するものとする。
2 全ての当事者は、前項に従って特定されたノウハウを、それが自らの責めに拠らず公知となった場合を除き、全ての他の当事者の事前の書面による承諾なく第三者(当該ノウハウを案出した庚の研究担当者等の所属する企業を除く。)に開示し、漏洩してはならない。尚、庚は、庚の研究担当者等の所属企業に対し、本条に基づき自らが負う義務と同等の義務を負わせるものとする。ノウハウを秘匿すべき期間は、ノウハウを特定した日から表記
(契約項目表)11.の期間終了日までとする。但し、ノウハウの特定に当たり、全当事者協
議の上、表記(契約項目表)11.の期間とは異なる期間を定めることができるものとする。全ての当事者は、ノウハウの特定後において必要があるときは、協議の上、秘匿すべき期間を延長し、又は短縮することができる。
(プログラム等及びノウハウの取扱い)
第26条 本共同研究の結果生じたプログラム等及びノウハウの取扱いについては、第 14 条から第 24 条までにおける発明等の取扱いに準じるものとし、第 18 条の本共同研究の実施に伴い得られた発明等の実施における基本的な考え方を踏まえ、全当事者協議の上、別途決定するものとする。
(情報等の提供)
第27条 全ての当事者は、本共同研究の実施に必要な情報、資料及び研究試料を、自らの裁量により相互に無償で提供又は開示するものとする。但し、第三者との契約により秘密保持義務を負っているものについてはこの限りでない。
2 全ての当事者は、前項に基づき提供者から提供を受けた研究試料について、提供者の事前の書面による同意なく、第三者に提供、譲渡又は担保の用に供してはならず、本共同研究及び本契約の目的以外に使用してはならない。また、全ての当事者は、研究試料について特段の扱いを希望する場合、別途協議の上、研究試料等提供契約等の締結を行うものとする。
3 全ての当事者は、あらかじめ返還を条件に提供された資料及び研究試料を、本共同研究終了日後速やかに提供者に返還し、又は提供した当事者の承諾を得て廃棄するものとする。
(承認 TLO 等)
第28条 庚を除く全ての当事者は、第 14 条から第 27 条までに定める業務の一部を、承認 TLO 等(大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律(平成 16 年法律第 52 号)の承認を受けた者をいう。)に委託することができるものとし、当該委託を行う当事者は、承認 TLO 等に対して、本契約における自らの義務を遵守させるものとする。
2 庚は、第 14 条から第 27 条までに定める業務の一部を、庚が指定する者に委託することができるものとし、庚が指定する者に対して、本契約における庚の義務を遵守させ、その履行に責任を負うものとする。
3 庚は、庚の研究担当者等の所属する企業が本共同研究により得られた発明等に関する知的
財産権を取得した場合は、当該庚の研究担当者等の所属する企業に第 14 条から第 27 条の定めを遵守させなければならない。
(秘密の保持)
第29条 全ての当事者は、本契約の各条項並びに本共同研究の実施に伴い他の当事者より
開示を受けた情報であって、1)文書(電子メール及びその添付文書を含む。)又は電子・光学媒体等の有形媒体により開示された情報にあっては開示のときに当該文書・媒体に秘密である旨が明示されていた情報、又は 2)口頭その他文書及び有形媒体以外の方法により開示された情報にあっては開示の際に開示者から秘密である旨伝達され、かつ開示の日から 30 日以内に当該情報の内容・開示場所・開示日時等を開示者から書面により通知された
情報、又は、3)第 27 条第1項に基づき提供者から提供を受けた研究試料を調査・分析等することにより得られた情報であって、公知となっていない情報(上記 1)、2) 、3)の何れかに該当する情報を総称して、以下、「秘密情報」という。) を秘密に保持し、書面による事前の開示者の同意を得ずに、研究担当者等並びに自らに属する本共同研究の実施及び管理のために当該秘密情報を知る必要のある者(庚を除く全ての当事者においては承認 TLO等を含む。庚においては、前条第 2 項の庚が指定する者を含む。以下、併せて「秘密情報受領者」という。)以外に開示・漏洩してはならない。また、全ての当事者は、秘密情報について、本条に基づき自らが負う義務と同等の義務を秘密情報受領者に対し、当該秘密情報受領者がその所属を離れた後も含め、負わせるものとする。但し、次のいずれかに該当することを証明できる情報についてはこの限りでない。
一 開示を受けた際、既に自らが保有していた情報
二 開示を受けた際、既に公知となっている情報
三 開示を受けた後、自らの責めによらずに公知となった情報
四 正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負わずに適法に取得した情報
五 他の当事者の秘密情報によることなく独自に開発・取得した情報
2 前項の定めは、ある当事者(本項において、以下、「間接受領者」という。)が他の当事者
(本項において、以下、「原保有者」という。)の秘密情報を第三者(本項において、以下、
「一次受領者」という。)を通して入手した場合に準用する。この場合において、前項本文 2)中の指定・文書通知等は原保有者と一次受領者のいずれか一方が間接受領者に行うことで足りるものとし、第三者開示等のために必要となる同意を為す権利は原保有者のみが有するものとする。一次受領者は、間接受領者に原保有者の秘密情報を開示しようとする場合、事前に原保有者の同意を得ることとし、原保有者がその秘密情報を含む書面等に付した秘密の表示を削除してはならず、原保有者から受けた秘密特定のための通知又はこれと同等の通知等を間接受領者に対し行わなければならない。
3 第 25 条第 2 項及び本条第 1 項の定めにもかかわらず、全ての当事者は、本契約の各条項、 ノウハウ及び秘密情報(本条第1項但し書に掲げるものを除く。)につき、裁判所又は行 政機関から法令に基づき開示を命じられたときは、次の各号の措置を講じることを条件に、当該裁判所又は行政機関に対して当該情報を開示することができる。この場合、当該開示 によって本条第1項第3号に該当したものとはみなさないものとする。
一 開示する内容をあらかじめ開示者に通知すること(ただし、法令や命令によって開示前
の通知が困難な場合は、開示を行った旨及び開示した内容を速やかに開示者に通知するとともに、開示者の合理的な指示に従うこと)
二 適法に開示を命じられた部分に限り開示すること
三 開示に際して、当該情報が秘密である旨を文書により明らかにすること
四 開示に際して、法令等の定めに従い当該情報の秘密を保持する手続きを取ることができる場合は、開示者と協議のうえ当該手続きを取ること
4 全ての当事者は、秘密情報(本条第 1 項但し書に掲げるものを除く。)を本共同研究及び本契約の目的以外に使用してはならない。但し、書面により事前に提供者又は開示者の同意を得た場合はこの限りではない。
5 前四項の規定は、本共同研究期間中及び本共同研究終了日後も、表記(契約項目表)12.の期間有効に継続するものとする。但し、全当事者の書面による合意の上、この期間を延長し、又は短縮することができるものとする。
6 第1項にかかわらず、全ての当事者は、本共同研究により得られた発明等に係る出願等業務を代行する特許事務所(その他特許業務法人等これに類するものを含む)に当該発明等に係る秘密情報の開示ができるものとする。この場合、当該全ての当事者はこの開示を受ける者に対し、当該秘密情報について当該全ての当事者が負う守秘義務と同等の義務を負わせなければならない。
(研究成果の公表)
第30条 大学の社会的使命を踏まえ、研究成果は、原則として公表するものとする。全ての当事者は、研究成果について、第 25 条のノウハウ秘匿義務及び第 29 条の秘密保持義務を遵守した上で、研究期間の終了を待たずに、次項以下に定める手続きに従って開示し、発表し又は公開すること(以下、「研究成果の公表」という。)ができるものとする。
2 前項の場合、研究成果の公表を希望する者(以下、「公表希望当事者」という。)は、研究
成果の公表を行おうとする日の 30 日前までにその公表内容を書面にて自己を除くすべての当事者に通知しなければならない。また、公表希望当事者は、研究成果の公表に当たってその内容が本共同研究の結果得られたものであることを明示するものとし、公表は原則として研究成果の公表内容に関与した当事者の連名で行うものとする。
3 前項に基づき通知を受けた他の当事者は、通知された公表内容に、保護すべき発明等が含 まれることで当事者の将来期待される利益が害されるおそれがあると判断されるときは、その該当する部分について、当該通知受理後 15 日以内に合理的な内容修正又は合理的な 期間の公表延期の請求を書面にて公表希望当事者に通知するものとし、公表希望当事者は、修正又は延期の請求を書面にて通知した他の当事者と十分な協議をしなくてはならない。公表希望当事者は、本項に従い通知を受けた部分については、通知を行った他の当事者の 同意なく、公表してはならない。但し、公表希望当事者からの通知を受けた自己を除くす べての当事者は、正当な理由なく、かかる同意を拒んではならない。
4 本共同研究終了日の翌日から起算して1年間を経過した後は、公表希望当事者は、第 2 項に定める自己を除く全ての当事者に対する通知を行うことなく、研究成果の公表を行うことができるものとする。但し、全当事者協議の上、この期間を延長し、又は短縮すること
ができるものとする。
5 全ての当事者(庚実施希望者を含む)は、前項に定める期間が経過するまでであって、第
1 項から第 3 項までの手続きにより公表されるまでの期間は、研究成果を秘密情報(第 29
条第 4 項の義務を除く。)として取り扱うものとする。
(安全管理)
第31条 全ての当事者は、他の当事者の管理する場所において本共同研究を実施する場合は、他の当事者の定める安全に関する諸規定及び他の当事者が安全のために行う指示に従うものとする。
(契約の解約)
第32条 全ての当事者は、次の各号のいずれかの事態が生じた場合は、書面にて事態の是正を要求した後 30 日以内に、当該事態を生じせしめた他の当事者によりかかる事態が是正されない場合は、直ちに本契約を解約することができるものとする。
一 他の当事者(当該当事者の研究担当者等及びその他の秘密情報受領者を含む。以下、本条にて同じ。)が本契約の締結又は履行に関し、不正又は不当の行為をしたとき
二 他の当事者が本契約に違反したとき
2 前項により本契約が解約された場合においても、解約される以前に提供された秘密情報の
取り扱いについては第 29 条第 5 項の定めを、本共同研究終了日を解約日と読み替えて適用する。
(損害賠償)
第33条 全ての当事者は、前条第 1 項各号に掲げる事態、又は研究担当者及び研究協力者が故意又は重大な過失によって損害を被ったときは、直接的に被った通常の損害の範囲内で、当該事態を生ぜしめた他の当事者に対して、被った損害の賠償を請求できるものとする。但し、当該他の当事者(当該他の当事者の研究担当者等及びその他の秘密情報受領者を含む。)に故意又は重大な過失がなかった場合はこの限りでない。
(免責)
第34条 庚を除く当事者は、庚及び庚実施希望者(以下、「庚実施希望者等」という。)が、研究成果を使用若しくは利用して、又は研究成果に関連して庚を除く当事者が庚に行なった開示、提供、教示若しくは指導などに基づいて、実施した事業活動の結果(当該事業の成否、製造物責任並びに第三者の保有する知的財産権及びその他一切の権利に対する侵害などを含む。)に対して自らの責に帰すべきものを除き責任を負わないものとし、第三者が、庚を除く当事者に対して苦情の申し立て、差止請求、損害賠償の請求等を行った場合、庚実施希望者等は、当該庚を除く当事者の求めに応じて、当該申立又は請求等を自らの責任において解決するものとする。
(名称等の使用)
第35条 庚実施希望者等は、庚を除く当事者の名称及び他の庚を除く当事者を明示的又は暗示的に示すロゴ、マーク、標章等(以下、「名称等」という。)を、本共同研究の成果を利用又は使用した商品(以下、「本商品」という。)の販売、本商品の宣伝、その他本商品の販売促進資料等に使用又は利用してはならないものとする。但し、庚を除く当事者の名称等の使用・利用の態様、使用・利用方法、使用・利用範囲、及び使用・利用期間等について当該庚を除く当事者の事前の書面による承諾を得た場合に限り、その承諾範囲内において、名称等を本商品に限り使用又は利用することができる。
(反社会的勢力の排除)
第36条 全ての当事者(当該当事者の代表者、役員又は実質的に経営を支配する者を含む。)は、全ての他の当事者に対し、自らが次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ本契約期間中においても該当しないことを確約する。
一 暴力団 二 暴力団員
三 暴力団関係企業四 総会屋
五 社会運動・政治活動標ぼうゴロ六 特殊知能暴力集団
七 その他反社会的勢力
2 全ての当事者は、本共同研究にかかる作業の一部を下請又は委託する場合には、全ての他の当事者に対し、下請又は委託業者(下請又は委託業者が数次にわたる場合には、その全てを含む。以下、「委託業者等」という。)が、前項各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ本契約期間中においても該当しないことを確約するとともに、委託業者等が前項各号のいずれかに該当することが判明した場合には、直ちに委託業者等との契約を解除し、又は契約解除のための措置をとらなければならない。
3 全ての当事者は、他の当事者が前各項の該当性の判断のために調査を要すると判断した場合、その調査に協力し、これに必要と判断する資料を提出しなければならない。
4 全ての当事者は、他の当事者が、本条第1項各号のいずれかに該当すると判明した場合、催告その他いずれの手続を要することなく、本契約を解除し、併せて被った損害の賠償を当該他の当事者に請求することができる。なお、本契約を解除した当事者は、かかる解除によりいずれの他の当事者に損害が生じても何らこれを賠償又は補償する責を負わない。
(輸出管理)
第37条 全ての当事者は、本契約にしたがって他の当事者から提供される機器・試料等又は資料・情報を輸出又は提供を行う場合、外国為替及び外国貿易法及びこれに関連する法
令を遵守しなければならない。
2 全ての当事者は、本契約にしたがって他の当事者から提供・支給・貸与されるいかなる機器・試料等又は資料・技術を大量破壊兵器等の設計・製造・使用・保管等の目的に自ら使用せず、また、かかる目的に使用する意思が明らかである第三者に対して直接・間接を問わず輸出又は提供を行わない。
(契約の有効期間)
第38条 本契約の有効期間は、本共同研究の研究期間と同一とする。
2 本契約の失効後も、第 4 条第 4 項、第 5 条第 2 項、第 6 条第 2 項、第 11 条(第 1 項を除
く。)、第 12 条、第 13 条(第 1 項を除く。)から第 30 条まで(第 27 条第 1 項を除く。)、
第 32 条第 2 項、第 33 条、第 34 条、第 35 条、第 37 条、第 38 条及び第 40 条の規定は、当該条項に定める期間又は対象事項が全て消滅するまで有効に存続する。
(協議)
第39条 本契約に定めのない事項について、これを定める必要があるときは、全当事者協議の上、定めるよう努力するものとする。
(準拠法及び裁判管轄)
第40条 本契約の準拠法は日本法とする。
2 本契約に関する紛争については、被告の本店又は主たる事務所の住所地を管轄する地方裁判所をもって第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
(以下余白)