Contract
2020 年 4 月 1 日株式会社福岡エネルギーサービス
工事請負契約条件(基準)
(総則)
第 1 条 株式会社福岡エネルギーサービス(以下「発注者」という。)及び請負者(以下「受注者」という。)は、この工事請負契約条件(以下「契約条件」という。)に基づき、設計図書(別冊の工事設計書、図面、工事仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令(建設業法、労働基準法、労働安全衛生法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、その他関連する諸法令)を遵守し、この契約(この契約条件及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。なお、受注者は下請負人(数次にわたるときはその全てを含む。)に対して本契約による受注者と同等の義務を課すものとする。
2 受注者は、工事を工期内に完成し、工事目的物を発注者に引渡すものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(「施工方法等」という。以下同じ。)については、この契約に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする。
5 この契約に定める金銭の支払いに用いる通貨は、日本円とする。
6 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
7 この契約に係る訴訟については、発注者所在地の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
8 受注者が共同企業体を結成している場合においては、発注者は、この契約に基づくすべての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、発注者が当該代表者に対して行ったこの契約に基づくすべての行為は、当該企業体のすべての構成員に対して行ったものとみなし、また、受注者は、発注者に対して行うこの契約に基づくすべての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
9 この契約に関して、工事目的物が種類又は品質についてこの契約の内容に適合しないこと(以下「契約不適合」という。)を秘匿したまま引渡しを行う等の不正により受注者が発注者に損害を与えた場合、発注者は受注者の社名と不正内容を公表することがある。
10 この契約の終了に拘らず、前項は効力を有するものとする。
(機密の保持)
第 2 条 発注者及び受注者は、機密情報(契約の履行及び契約締結前の交渉によって知り得た相手方の経営情報をはじめとする技術上、営業上の機密情報及び個人情報保護法に規定される個人情報をいう。以下同じ。)をこの契約の目的の範囲内に限り使用するものとする。ただし、個人情報保護法に規定される個人情報以外で、次の各号の一に該当するときはこの限りでない。
(1) 開示時点ですでに公知となっているもの
(2) 開示時点で相手方が正当な権利に基づいて取得していたもの
(3) 開示後、相手方の責に帰することなく公知となったもの
2 発注者及び受注者は、善良な管理者の注意をもって機密情報を管理する義務を負うものとし、機密情報の紛失、破壊、改ざん、漏洩、盗用等の危険を防止し、機密情報の適切な管理を行うための合理的な安全対策
を講じなければならない。
3 発注者及び受注者は、機密情報を第三者及び業務上関係のない従業員等へ漏洩、提供しないものとする。なお、提供には、閲覧、複写、貸与を含むものとする。ただし、あらかじめ相手方の承諾を得た場合であって、開示範囲が特定されたもの及び法令に基づき報告、説明、資料提出等の情報開示を求められたものについては、この限りでない。
4 受注者は、機密情報を取り扱う資格のある自己の役員及び従業員等の範囲について、あらかじめ定め、発注者の請求があるときは、その範囲を発注者に通知しなければならない。
5 受注者は、機密情報を安全に管理するために情報管理責任者を定め、発注者の請求があるときは、工事を開始する前にその者の役職名・氏名を発注者に通知しなければならない。
6 受注者は、機密情報の安全管理に関する教育を行うなど、従業員等に本条の義務を遵守させるための必要な措置を講じなければならない。
7 発注者は、受注者の機密情報の管理状況について、必要に応じて受注者の報告を求めることができるものとし、受注者は、速やかにこれに応じなければならない。
8 発注者は、受注者の機密情報の管理状況について、必要に応じて発注者が受注者の業務遂行に立ち会うこと、受注者の監査を行うことを受注者に求めることができるものとし、受注者はこれに応じなければならない。
9 発注者は、第 7 項の報告、前項の立会い、監査いずれかの結果に基づき、受注者の機密情報の管理状況について、受注者に是正を求めることができるものとし、受注者はこれに応じなければならない。
10 発注者の要求に基づき、受注者が個人情報(個人情報保護法に規定される個人情報をいう。以下同じ。)の取得を行う場合、受注者は次の各号の事項の遵守に努めるものとする。
(1) 受注者は、個人情報の取得に当たっては、その利用目的を特定し、本人に通知又は公表に努める。
(2) 受注者は、この契約に伴い新たに個人情報を本人から書面で取得する場合には、利用目的を当該書面に明示するなど個人情報保護法に基づき適法に取得する。
(3) 受注者は、この契約に伴い取得した個人情報について、その本人からの開示請求等の対応、又は個人情報保護に関する行政機関等との対応が発生した場合には、速やかに発注者に報告するとともに、発注者の指示に基づき対応するものとする。
11 受注者は、工事が完成したとき、又はその他の合理的な理由に基づいて発注者が返却等を要求したときは、発注者の指示に従い、機密情報が記録された資料等(電磁的記録を含む。)について速やかに返却、廃棄、抹消等の措置を講じなければならない。
12 受注者は、機密情報の紛失、破壊、改ざん、漏洩、盗用等の事故が発生又は予見される場合には、直ちに発注者に報告し、発注者の指示に従わなければならない。
13 受注者の責に帰すべき事由により、機密情報の紛失、破壊、改ざん、漏洩、盗用等の事故が発生し、発注者又は第三者に損害を与えた場合には、受注者は、その賠償責任を負うものとする。
14 この契約の終了に拘らず、第 1 項から第 4 項、第 6 項、第 12 項及び前項は、効力を有するものとする。
(分別解体等対象工事)
第 3 条 この契約が、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第 9 条第 1 項に規定する対象建設工事
である場合は、同法第 13 条第 1 項又は第 2 項により書面に記載すべき事項は、別紙「建設工事に係る資材
の再資源化等に関する法律第 13 条及び特定建設資材に係る分別解体等に関する省令第 4 条に基づく書面」のとおりとする。
(関連工事の調整)
第 4 条 発注者は、受注者の施工する工事及び発注者の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工につき、調整を行うものとする。この場合においては、受注者は、発注者の調整に従い、第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。
(工程)
第 5 条 受注者は、発注者の請求があるときは、遅滞なく工事の施工の順序を詳細に定めた工程を立案して発注者に提示し、発注者の承認を受けなければならない。
(権利義務の譲渡等)
第 6 条 受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ書面により発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
(一括委任又は一括下請負の禁止)
第 7 条 受注者は、工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 前項、ただし書の規定により発注者の承諾を受けた場合であっても、受注者は、第三者の行為について、発注者に対して一切の責任を負うものとする。
(下請負人の通知)
第 8 条 発注者は、受注者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
(特許xxの使用)
第 9 条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許xx」という。)の対象となっている工事材料、施工方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその工事材料、施工方法等を指定した場合において、設計図書に特許権の対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監督員)
第 10 条 発注者は、監督員を置いたときは、受注者に通知しなければならない。
2 監督員は、この契約条件の他の条項に定めるもの及び発注者が必要と認めて監督員に委任したもののほか、次に掲げる権限を有する。
(1) 契約の履行についての受注者又は受注者の現場代理人に対する指示、承認又は協議
(2) 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成した詳細図等の承認
(3) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査(確認を含む。)
3 発注者が監督員を置いたときは、この契約に定める請求、通知、報告、申出、承認及び解除については、
設計図書に定めるものを除き、監督員を経由して行うものとする。この場合においては、監督員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
4 発注者が監督員を置かないときは、この契約に定める監督員の権限は、発注者に帰属する。
(工事の着手)
第 11 条 受注者は、工事に着手するときは発注者所定の様式により工事着手届を発注者に提出しなければならない。
(現場代理人及びxx技術者等)
第 12 条 受注者は、工事の施工につき、現場代理人及び建設業法第 26 条の規定により、xx技術者又は監理技術者を定め、発注者に通知しなければならない。
2 現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場に常駐し、その運営、取締りを行うほか、請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領、第 14 条第1項の請求の受理、並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。
3 受注者は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
4 現場代理人、xx技術者又は監理技術者は、発注者の承認を得てこれを兼ねることができる。
(安全の管理)
第 13 条 受注者は、工事の施工につき、現場安全管理者を定め、発注者に通知しなければならない。
2 受注者は、工事の施工に当たって人身及び設備等すべての安全確保のために万全の措置を講じなければならない。また、万一事故及び災害が発生した場合、受注者は速やかに発注者に報告しなければならない。
3 現場安全管理者は、発注者の承認を受けて前条に規定する現場代理人がこれを兼ねることができる。
(工事関係者に関する措置請求)
第 14 条 発注者は、現場代理人及びxx技術者又は監理技術者、その他工事を施工するために使用している下請負人、労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 受注者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について、決定し、速やかにその結果を発注者に通知しなければならない。
3 受注者は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、発注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
4 発注者は前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について、決定し、速やかにその結果を受注者に通知しなければならない。
(工事材料の品質及び検査等)
第 15 条 工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において監督員の検査(確認も含む。以下本条において同じ。)を受けて使用すべきものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において、検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 受注者が検査に合格しなかった材料を、発注者の指定した期間内に搬出しない場合には、発注者は受注者に代ってこれを処分することができる。この場合、その費用は受注者の負担とし、受注者はこれに対して異議の申し立てはできないものとする。
(監督員の立会い及び工事記録の整備等)
第 16 条 受注者は、設計図書において監督員の立会いのうえ調合し、又は調合について見本検査を受けるものと指定された工事材料については、当該立会いを受けて調合し、又は当該見本検査に合格したものを使用しなければならない。
2 受注者は、設計図書において監督員の立会いのうえ施工するものと指定された工事については、当該立会いを受けて施工しなければならない。
3 受注者は、前各項に規定するほか、発注者が特に必要があると認めて設計図書において見本又は工事写真等の記録を整備すべきものと指定した工事材料の調合又は工事の施工をするときは、設計図書に定めるところにより、当該記録を整備し、監督員の請求があったときは、速やかに提出しなければならない。
4 第 1 項及び前項の場合において、見本検査又は見本若しくは工事写真等の記録の整備に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(支給材料及び貸与品)
第 17 条 発注者が受注者に支給する工事材料(以下「支給材料」という。)及び貸与する建設機械器具(以下
「貸与品」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2 受注者は、支給材料及び貸与品の品名、数量、品質又は規格若しくは性能が設計図書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
3 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、当該支給材料又は貸与品に第2項の検査により発見することが困難であった種類、品質又は数量に関しこの契約の内容に適合しないことがあり使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
4 受注者は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
5 受注者は、工事の完成、設計図書の変更等によって不要となった支給材料又は貸与品を発注者に返還しなければならない。
6 受注者は、故意又は過失により支給材料又は貸与品が滅失若しくはき損し、又はその返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えて損害を賠償しなければならない。
7 受注者は、支給材料又は貸与品の使用方法が設計図書に明示されていないときは、監督員の指示に従わなければならない。
(工事用地の確保等)
第 18 条 発注者は、工事用地その他設計図書において定められた工事の施工上必要な用地(以下「工事用地等」という。)を受注者が工事の施工上必要とする日(設計図書に特別の定めがあるときは、その定められた日)までに確保しなければならない。
2 受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完成、設計図書の変更あるいは契約の解除等によって工事用地等が不用となった場合において、当該工事用地等に受注者が所有又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人の所者又は管理するこれらの物件を含む。以下本条において同じ。)があるときは、受注者は、当該物件を撤去するとともに、当該工事用地等を修復し、取り片付けて発注者に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、又は工事用地等の修復若しくは取片付けを行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、工事用地等の修復若しくは取片付けを行うことができる。この場合において、受注者は、発注者の処分又は修復若し
くは取片付けについて異議を申し出ることができず、また、発注者の処分又は修復若しくは取片付けに要した費用を負担しなければならない。
3 第 5 項に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者に意見を聴いて定める。
(設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等)
第 19 条 受注者は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が監督員の指示によるときその他発注者の責に帰すべき事由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
2 監督員は、受注者が第 15 条第 2 項又は第 16 条 1 項から第 3 項までの規定に違反した場合において、必要があると認められるときは、工事の施工部分を破壊して検査することができる。
3 前項に規定するほか、監督員は、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を受注者に通知して、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
4 第 2 項及び前項の場合において、検査及び復旧に直接要する費用は受注者の負担とする。
(条件変更)
第 20 条 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)
(2) 設計図書に誤謬又は脱漏があること
(3) 設計図書の表示が明確でないこと
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと
(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら前項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いのうえ、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、受注者の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、その結果を受注者に通知しなければならない。
4 発注者は、前項の調査の結果において第 1 項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第 21 条 発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工事の中止)
第 22 条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって受注者の責に帰すことのできないものにより工事目的物等に損害を生じ、若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止することができる。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止又は中止することができる。
3 前各項の規定により工事の施工を一時中止又は中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が損害を被った場合は、受注者はその損害を発注者に請求できるものとし、賠償額は双方協議して定める。
(受注者の請求による工期の延長)
第 23 条 受注者は、天候の不良、第 4 条の規定に基づく関連工事の調整への協力その他受注者の責に帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長変更を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。発注者は、その工期の延長が発注者の責に帰すべき事由による場合においては、請負代金額について必要と認められる変更を行い、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第 24 条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工事の促進)
第 25 条 受注者は、第 23 条による工事遅延のほか、原因の如何を問わず工事遅延のおそれがあり、又は工事進捗に影響があると認められる事態が発生したときは、直ちにその理由の詳細を発注者の監督員に報告しなければならない。
2 発注者は、工事遅延のおそれがあると認めたとき又は受注者から前項の報告を受けたときは、受注者に対
して工事工法の変更、労務者の増員若しくは機械器具の増設を要求し、又は応援者を派遣する等、工事促進のため適当と認める措置をとることができる。
3 前項の措置に要した費用は受注者の負担とする。ただし、工事遅延が受注者の責に帰することができない事由による場合は、その費用負担について双方協議して定める。
(工期の変更方法)
第 26 条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。
2 受注者の責に帰すべき事由により工期を延長する場合においては、発注者の指示が工期を猶予するものであっても、受注者は第 39 条に定める履行遅滞の責を免れるものではない。
(請負代金額の変更)
第 27 条 請負代金額を変更する必要があると発注者が認めたときは、次により変更する。ただし、微細な関連工事及び附帯工事については受注者の負担とする。
(1)直接工事費
ア 原契約数量の変更にとどまるときは、既契約単価にその変更数量を乗じた額とする。
イ 新規の工法及び工事の発生により新単価設定の必要があるときは、原契約工事の同種単価又は類似工事の契約単価を基準とし双方協議のうえ、新単価を決定して行う。
(2)直接工事費以外の費用
直接工事費以外の費用を変更する必要があると発注者が認めた場合は、双方協議して決定する。
(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)
第 28 条 賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更は、行わないものとする。ただし、特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったと双方が認めたときには、協議のうえ、請負代金額を変更するものとする。
(臨機の措置)
第 29 条 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、受注者は、あらかじめ監督員の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、受注者は、そのとった措置の内容を監督員に直ちに通知しなければならない。
3 監督員は、災害防止その他工事の施工上特に必要があると認めるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 受注者が第 1 項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、受注者が請負代金額の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。
(引渡前の損害及び発注者の所有物に対する損害)
第 30 条 工事目的物の引渡し前に、工事目的物又は工事材料について生じた損害若しくはその他工事の施工に関して生じた損害については、受注者がその費用を負担する。ただし、その損害のうち発注者の責に帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 受注者は、工事期間中に発注者の所有物に対し損害を及ぼしたときは、その損害を発注者に賠償しなけれ
ばならない。
(第三者に及ぼした損害)
第 31 条 受注者は、工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、受注者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(第 46 条の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。以下本条において同じ。)のうち発注者の責に帰すべき事由により生じたものについては発注者が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときの損害負担は、発注者と受注者とが協議のうえ決定する。ただし、その損害のうち工事の施工につき受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者が負担する。
3 前各項の場合、その他工事の施工について第三者との間に紛争が生じた場合においては、発注者及び受注者は協力してその処理解決に当たるものとする。
(不可抗力による損害)
第 32 条 工事目的物の引渡し前に、天災等(設計図書で基準を定めたものにあっては、当該基準を超えるものに限る。)で発注者と受注者のいずれの責にも帰すことができないもの(以下「不可抗力」という。)により、工事目的物、仮設物又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具に損害が生じたときは、受注者は、その事実の発生後直ちにその状況を発注者に通知しなければならない。
2 前項の損害は、受注者が善良なる管理者の注意義務をなしたと認められるときは、その損害負担について双方協議して定めるものとする。
(検査及び引渡し)
第 33 条 受注者は、工事を完成したときは、発注者所定の様式によりしゅん工届を発注者に提出しなければならない。
2 発注者は、設計図書に定めるところにより、受注者の立会のうえ、工事の完成を確認するための検査(監督官庁の検査を要するときを含む。以下「しゅん工検査」という。)を完了し、当該検査の結果を受注者に通知しなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときはその理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
3 前項の場合において、しゅん工検査又は復旧に直接要する費用は、設計図書で定める場合を除き受注者の負担とする。
4 しゅん工検査によって工事の完成を確認した後、受注者は直ちにこれを発注者に引渡すものとする。
5 受注者は、工事がしゅん工検査に合格しないときは、直ちに修補しなければならない。この場合においては、修補の完了を工事の完了とみなして前各項の規定を適用する。
6 発注者は、工事目的物の引渡しの前後に拘らず、この契約に関して発注者が必要と認めたときは、当該請負に関する工程の管理並びに品質、規格、仕様等の検査のため、発注者の検査員を受注者の事業所その他の場所に派遣することができる。
7 前項の場合、受注者は、発注者の指示があるときは、あらかじめ検査を実施してその結果を記録し、又は必要な検査設備用具若しくは資料を準備する等、発注者の検査に協力しなければならない。
8 前 2 項の検査に要する費用は、発注者の通常経費を除き受注者の負担とする。
(所有権の帰属)
第 34 条 発注者は、受注者がすべての工事用材料を提供した場合であっても、工事の進捗度に従い、工事目的物の所有権を取得する。
2 前項の場合、受注者は前条第 4 項の工事目的物の引渡しを行うまでは、善良な管理者の注意をもってこれを管理するものとする。なお、これに要する保全の費用は受注者の負担とする。
(請負代金額の支払)
第 35 条 請負代金額の支払は、しゅん工後払い若しくは出来高払いとし、発注者は、受注者に対し次のとおり支払う。
(1) しゅん工後払いの場合
請負代金を一括してしゅん工検査合格後の検収が完了した月の翌月までに支払う。
(2) 出来高払いの場合
設計図書で特に定める場合を除き、毎月 1 回の出来高金額を算出し、その出来高金額の 90%以内を出来高の検収が完了した月の翌月までに支払い、残金は発注者において保留することがある。この保留金はしゅん工検査合格後の検収が完了した月の翌月までに一括して支払う。
2 前項 2 号の規定にかかわらず、発注者が工程と異なり発注者の都合により工事の中途において工事を一時中止して、その期間が長期になると予測される場合は、受注者は発注者に保留金の支払いを請求することができる。ただし、保留金の支払金額については、発注者が決定するものとする。
(取引に係る消費税等の支払)
第 36 条 発注者は、受注者が消費税法に定める納税義務者、消費税を納める義務が免除される事業者にかかわらず、請負代金額に消費税法及び地方税法に定める税率を乗じた金額をしゅん工検査合格後の検収が完了した月の翌月までに支払う。この場合、円未満の端数があるときは切り捨てとする。
(引渡し前の使用)
第 37 条 発注者は、引渡し前に工事目的物の全部又は一部を使用し、又はこれに対し他の施設を成すことができるものとする。この場合、受注者はこれに協力するものとする。
2 前項の場合においては、発注者は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 発注者は、第 1 項の規定により工事目的物の全部又は一部を使用したことによって、受注者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
(契約不適合責任)
第 38 条 受注者は、工事目的物の引渡しがあった後において、設計図書で特に定める場合を除き、しゅん工検査合格日から 2 年間契約不適合責任を負わなければならない。ただし、その契約不適合が受注者の故意又は過失により生じたものであるときには適用せず、民法の定めるところによる。
2 発注者は、前項の契約不適合責任期間中に契約不適合を発見した場合は、受注者に対し書面をもって相当の期間を定めて、工事目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完(以下「履行の追完」という。)を請求することができる。なお、履行の追完は発注者の指定する方法によるものとする。
3 前項において、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて報酬の減額を請求、又は契約を解除することができる。
4 発注者は、契約不適合によって損害を被った場合、その賠償を受注者に請求することができる。
(履行遅滞の場合における損害金等)
第 39 条 受注者の責に帰すべき事由により工期内に工事を完成することができず、かつ発注者に損害が発生した場合においては、発注者は違約金の支払を受注者に請求することができる。
2 前項の違約金は、違約日数1日につき、請負代金額の 10000 分の 4 とする。ただし、発注者は発注者の受けた損害がこの額を超えるときは、この額に加えてその超過額を請求することができる。
(受注者の履行違反等による発注者の解除権)
第 40 条 発注者は、受注者が次の各号の一に該当するときは、契約の全部又は一部を解除することができる。
(1) 正当な理由なく、工事に着手すべき期日を過ぎても工事に着手しないとき
(2) 受注者の責に帰すべき事由により、所定の期日までに工事が完成する見込みがないと発注者が認めたとき
(3) 工事の監督又は検査に際して、受注者又は受注者の現場代理人若しくは使用人が発注者の指示に従わず、又はその職務執行を妨げ、若しくは詐欺暴力その他不正の行為を行ったとき
(4) 受注者が工事を放棄し、又は正当な理由なくして、工事を中止する恐れがあるとき
(5) 受注者の居所が不明となったとき
(6) 受注者が建設業法に定められた建設業者の資格を失ったとき
(7) 受注者が差押え、仮差押え若しくは仮処分を受け工事に支障をきたす恐れがあるとき、又は破産、特別清算、会社更生若しくは民事再生の申出があったとき
(8) 受注者の資産状態、その他経営上の信用度の点で契約の履行が困難になったと発注者が認めたとき
(9) 受注者が契約の条項に違反し、契約の目的を達成することができないと発注者が認めたとき
(10) 天災、その他不可抗力等、発注者と受注者のいずれの責にも帰すことのできない理由により、所定の期日までに工事が完成する見込みがないと発注者が認めたとき
2 前項のうち第 10 号を除く理由により契約が解除された場合においては、受注者は、請負代金額の 10 分の 1 に相当する額を違約金として、発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
(発注者の解除権)
第 41 条 発注者は、工事が完成するまでの間は、前条第 1 項の規定によるほか、必要があるときは、契約を解除することができる。
2 発注者は、前項の規定により契約を解除したことにより受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(受注者の解除権)
第 42 条 受注者は、発注者が契約に違反し、その違反により契約の履行が不可能となったときは契約を解除することができる。
2 受注者は前項により契約を解除した場合において損害があるときは、その損害を発注者に請求することができる。
(解除に伴う措置)
第 43 条 発注者及び受注者は、第 40 条から前条により契約が解除された場合においては、次の各号の義務を履行しなければならない。
(1) 受注者は、工事の出来形部分をただちに発注者に引渡すものとし、発注者は当該出来形部分の出来高額を算出し、受注者に支払う。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、出来形部分を最小限度破壊して検査することができるものとする。この場合、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(2) 前号の出来形部分の出来高金額の算出は、契約単価による。ただし、契約単価によりがたい場合には、双方協議して決定する。
(3) 第 40 条第 1 項第 5 号の場合には発注者は、単独で受注者に対する支払総額を認定するものとする。この場合、受注者は、その評価額に対して何ら異議の申し立てはできない。
(4) 受注者は、支給材料を発注者に返還する。この場合、当該支給材料が滅失若しくはき損したときは、受注者は代品を納め、若しくは原状に復し、又は返還にかえて損害を賠償しなければならない。
(5) 受注者は、貸与機器を発注者に返還する。この場合、当該貸与機器が滅失若しくはき損したときは、受注者は代品を納め、若しくは原状に復し、又は返還にかえて損害を賠償しなければならない。
(6) 受注者は、受注者の所有する工事施工上の諸設備及び工事用材料のうち、発注者が必要とするものを、契約単価により発注者に引渡すものとする。ただし、契約単価によりがたい場合には、双方協議のうえ、妥当な評価額を決定する。
(7) 第 4 号から第 6 号までに定める受注者のとるべき措置の期限、方法等については、契約の解除が発注者の解除権の行使であるときは発注者が定め、受注者の解除権の行使であるときは発注者と受注者が協議して定める。
(反社会的勢力への対応)
第 44 条 発注者は、受注者が次の各号の一に該当する場合、催告することなく契約を解除することができる。
(1) 受注者又は受注者の役員、責任者もしくは実質的に経営権を有する者(以下「役員等」という。)が暴力団、暴力団員、暴力団関係者、総会屋、その他の反社会的勢力(以下「反社会的勢力」という。)であるとき、又はあったとき
(2) 受注者又は受注者の役員等が反社会的勢力への資金提供を行ったとき、又は反社会的勢力と密接な交際があるとき
(3) 受注者が自ら又は他の反社会的勢力など第三者を利用して、発注者に対し、詐術、暴力的行為、又は脅迫的言辞を用いるなどしたとき
(4) 受注者が自ら又は第三者を利用して、発注者に対して、自身が反社会的勢力である旨を伝えたとき
(5) 受注者の下請負人もしくはその役員等(下請負が数次にわたるときはその全てを含む。)、又は発注者との契約履行のために受注者もしくはその下請負人が使用する者が、前各号の一に該当すると認められる場合で、受注者が関係解消に向けた是正措置を速やかに講じないとき
2 受注者は、前項第 5 号に該当することが判明した場合、発注者に対して速やかに報告するものとする。
3 発注者が第 1 項により契約を解除した場合、受注者に損害が生じても、発注者はこれを一切賠償する責を負わず、また第一項に基づく契約解除により発注者が損害を被った場合、その賠償を受注者に請求することができる。
(相殺)
第 45 条 この契約により、受注者から発注者に支払うべき債務があるときは、発注者から受注者に支払うべき金額と相殺することができる。
(保険等)
第 46 条 工事請負に関する保険料、諸税及び公課については設計図書で定める場合を除き、受注者がすべてを負担する。
(承認行為の解釈)
第 47 条 契約に関し、受注者より、発注者の書面による承認を必要とする図面等が提出された場合、発注者は図面等に受領印を押印し、受注者に返却する。発注者が受注者に対して図面等の内容について承認しない旨の通知を期限日までに行わない場合は、図面等は発注者によって承認されたものとみなす。この場合の期限日は、発注者が図面等に受領印を押印し返却する際に、発注者が指定する。ただし、発注者及び受注者双方が、承認印の押印を必要と認めた場合は、発注者の承認印をもって図面等の承認とする。
(諸手続)
第 48 条 受注者は、工事施工について必要な官公署に対する許可又は認可の申請及び諸願届等一切の手続を行わなければならない。ただし、法令により発注者が行うべき認可申請及び設計図書で特に定める場合を除くものとする。
(特約条項)
第 49 条 発注者は、必要に応じ受注者と協議し、契約条件の条項と異なる特約を締結することができる。
2 前項による特約を締結した場合を含め、次の各号の順に優先適用するものとする。
(1) 契約毎に定める契約書、覚書等の特約
(2) 設計図書
(3) 契約条件
(契約に関する紛争の解決)
第 50 条 この契約に関して、発注者及び受注者間に紛争を生じ、双方の協議によっても解決できない場合には、双方の合意により、あっせんを第三者に委任することができる。
(契約の解釈等)
第 51 条 この契約の解釈に疑義があるときは、発注者の解釈に従うものとする。ただし、発注者はその解釈を定めるに当たり、十分受注者の意見を聴取するものとする。
2 この契約条件に定めのない事項については、必要に応じて発注者と受注者とが協議して定めるものとする。