一般社団法人 国➴大学協会（JANU）一般社団法人 公➴大学協会（JAPU）日本私➴大学団体連合会（FJPCUA）
ドイツと日本との間における学術交流協定書（仮訳）
締結当事者
一般社団法人 国➴大学協会（XXXX）一般社団法人 公➴大学協会（XXXX）日本私➴大学団体連合会（FJPCUA）
及び
ドイツ大学学長会議
Hochschulrektorenkonferenz（HRK）
一般社団法人国➴大学協会（XXXX）、一般社団法人公➴大学協会（XXXX）及び日本私➴大学団体連合会（FJPCUA）とドイツ大学学長会議（HRK）は、二国間における学術交流の促進を目的として、学術界での協力の促進が両国間の高等教育機関のためになるとの認識があることから、連携して、次の枠組協定を締結する。
第 1 条
目的およびメンバーシップ
(1) 本協定のパートナーは、教育及び履修、研究開発、学生の交流、博士号取得候補者の実習、上級及び若手の教育スタッフ並びに研究者の交流の分野において、協力を促進させることを意図している。
(2) 一般社団法人国➴大学協会（XXXX）、一般社団法人公➴大学協会（XXXX）及び日本私
➴大学団体連合会（FJPCUA）を一方の当事者として、ドイツ大学学長会議（HRK）をもう一方の当事者として、これらの当事者において代表される高等教育機関は、他方当事者の国の調印者と共に、本協定書の諸条件にのっとって、直接的に協力する権利を付与される。
(3) 本枠組協定は、各国の協力機関との間において相互に交渉されるパートナーシップ協定の詳細により補足されるものとする。調印者は、協力を促進することが期待されるものの、いかなる高等教育機関も、自らの資金源を超えてパートナーシップ契約を締結することは求められない。
第 2 条 協力範囲
協力は、特に、次の各号において実施されるものとする。
- 学部生及び大学院生の交流において。
- 日本人及びドイツ人の大学院生並びに博士号取得候補者それぞれの実習並びに研究者の実習において。
- カリキュラム計画での協力の促進及び実行並びに履修課程の実行において。
- 共同学位又は複数学位のいずれかにつながる、学士及び修士レベルでの共同プログラムの開発において。
- 二国間での博士論文の指導の促進（ “cotutelle de these”「 博士論文の共同指導」）において。
- 共同研究プロジェクトの促進及び実行において。
- シンポジウム、会議、学会等の共同学術イベントへの参加を通じて。並びに、
- 研究及び教育での交流の実現並びに出版物、教材及びコンピューター・ネットワークを通じての研究情報の交換において。
第 3 条
学生の交流
(1) 体系的な交換プログラムの枠組みにおいて留学受入機関で履修する日本人及びドイツ人の学生は、対象の高等教育機関により相互に合意された場合には、授業料が免除される。
(2) 交換留学は、個々の機関レベルで調整され、参加機関それぞれは、交換要件の管理に責任を負う。
(3) 留学受入機関は、各交換留学生の取得済履修科目及び／又は取得済単位数に関する報告書又は成績証明書を在籍機関に提出する。
第 4 条入学
(1) 学生の入学基準については、各在籍機関と留学受入機関との間で合意され、各大学は、
志願者の成績、目標及び選択履修課程の互換性を考慮に入れる。入学決定の判断を下すに当たり、一般社団法人国➴大学協会（XXXX）、一般社団法人公➴大学協会（XXXX）及び日本私➴大学団体連合会（FJPCUA）を一方の当事者として、ドイツ大学学長会議（HRK）をもう一方の当事者として、博士課程／プログラムへの入学を含め、両国における高等教育機関への日本人及びドイツ人の学部生並びに大学院生の入学に関する推奨事項を策定するために、更なる協議を行う。当該推奨事項は、別紙 1 として本協定書の一部になるものとする。
第 5 条
スタッフの交流
(1) 留学受入機関への学術スタッフ又は研究者の派遣に関する提案については、滞在期間に先➴ち事前に、関係する部門及び機関との間で書面にて合意に達するものとする。
(2) 当該合意に達した当事者は、人員の交流及び関連事項に関わる両当事者の希望に対し、十分に配慮するという見解で一致する。
第 6 条
手配及びサポート
(1) 交流及び派遣に同意したパートナー機関は、滞在中の交流において参加者に対し必要な全てのサポートを提供するよう努力するものとする。また、かかるパートナー機関は、できる限り、参加者が、同一学部の留学受入機関のメンバーと同様の条件で、留学受入機関の学術資料やサービスを利用できるよう配慮するものとする。
(2) 留学受入機関は、留学受入機関における学術的課程又は研究を首尾よく完了させるために必要とされるコンピューター設備を含め、資料室、図書館、博物館及び研究所等の必要な施設を参加者が利用できるよう努力するものとする。
(3) 参加学生は、留学受入機関の学生と同様の規則及び規律に服した上で、留学受入機関の学生と同様の権利及び特権を享受する。
第 7 条
プログラムの実行
(1) パートナー機関におけるプログラムの実行の詳細は、適切な学術機関及び部門により共同で考案されるものとし、当該機関の適切な管轄部局の承認を得るものとする。このような種類の特定の作業プログラムでは、追加的学術交流を排除しない。
(2) 一般社団法人国➴大学協会（XXXX）、一般社団法人公➴大学協会（XXXX）及び日本私
➴大学団体連合会（FJPCUA）を一方の当事者として、ドイツ大学学長会議（HRK）をもう一方の当事者として、提携団体の適切な事務所を利用して、広範囲にわたる国内学術交流及び二国間の調印機関の様々な形態の任意での参加による交換プログラムを促進することができる。
第 8 条協議
一般社団法人国➴大学協会（XXXX）、一般社団法人公➴大学協会（XXXX）及び日本私➴大学団体連合会（FJPCUA）を一方の当事者として、ドイツ大学学長会議（HRK）をもう一方の当事者として、これらの代表者は、協力の進捗状況を検討し、追加プログラムを調査するために定期的に協議を行うものとする。国内の高等教育制度に関する一般情報は、別紙 2 に記載される。
第 9 条有効期間
本協定書は、5 年間有効とし、いずれかの当事者が、終了日の少なくとも 6 か月前に本協定書の終了通知を付与しない限り、更に 5 年間更新されるものとする。また、修正は全て、共同での協議後に書面にて合意されるものとする。
第 10 条
本協定は、各当事者において承認及び許可の適切な手順を経て、本協定書の署名済原本が交換された後に、発効するものとする。
本協定は英語で作成されたものをxxとするが、双方の当事者が周知を目的として仮訳（日本語／独語）を作成することを妨げるものではない。
ボン ／ 東京、2015 年 6 月 26 日
一般社団法人国➴大学協会（XXXX）
xx x会長
一般社団法人公➴大学協会（XXXX）
xx xx会長
日本私➴大学団体連合会（FJPCUA）
xx x会長
ドイツ大学学長会議
（HRK）
Xxxxx Xxxxxxx
会長
別紙 1
ドイツと日本との間における学術交流協定書
高等教育機関への入学のための推奨事項
ドイツ人学生の日本の高等教育機関への入学決定及び日本人学生のドイツの高等教育機関への入学決定は、国内の高等教育規則にのっとって、受入機関により行われる。
上記決定プロセスにおいて機関を支援するために、一般社団法人国➴大学協会（XXXX）、一般社団法人公➴大学協会（XXXX）及び日本私➴大学団体連合会（FJPCUA）を一方の当事者として、ドイツ大学学長会議（HRK）をもう一方の当事者として、次の推奨事項に同意した。なお、全当事者は、両国のシステムにおける構造及び基準の変更により、適宜、当該推奨事項の再検討が必要になることを認識している。
(1) 授業での言語
他方当事者の国で勉強したいドイツ人学生及び日本人学生は、授業で用いられる言語について、適切な言語能力レベルを有していることを実証するものとする。
(2) 高等教育を受けるための資格の承認
日本及びドイツの高等教育機関は、他方当事者によって公表される高等教育を受けるための一般要件を満たす資格を受入れるものとする。ただし、高等教育を受けるための一般要件の間で、相当な差異がある場合はこの限りでない。
(3) 履修期間及び単位互換の承認
原則として、日本又はドイツの高等教育機関での履修期間には、互換性があるとみなされ、学習量に基づき承認されるものとする。ただし、相当な差異が示された場合にはこの限りでない。
しかしながら、他方当事者の制度内の認定との直接的な比較に合わない各制度上の課程及び認定が存在し、このような場合は個別の基準に基づき考慮されるものとする。
さらに、個々の機関は、特定の履修課程への参加の前提条件として、満たされるべき成績又はその他の評価要件等の特定の基準を有していることがある。
(4) 高等教育の資格の承認
承認決定が、高等教育の資格により証明される知識及び技能に基づく場合に限り、各当事者は、他方当事者の国において認められた高等教育の資格を承認するものとする。ただし、相当な差異が示された場合はこの限りでない。
(5) 学部生及び大学院生の入学日本の学部生及び大学院生の入学
日本の学士号保有者は、受入機関の要件を条件として、これまでの履修経歴にのっとって、ドイツの大学院課程への入学資格を有するものとする。
日本の修士号保有者は、受入機関の要件を条件として、ドイツの博士課程在籍者
（ Doktorand（博士号取得志願者））として検討されるものとする。
その他の学生は、個別の基準に基づき判定されるものとする。
ドイツの学部生及び大学院生の入学
ドイツの学士号保有者は、受入機関の要件を条件として、これまでの履修経歴にのっとって、日本の大学院課程への入学資格を有するものとする。
ドイツの修士号保有者は、受入機関の要件を条件として、日本の博士課程への入学について検討されるものとする。
ドイツの Diplom（ディプロム）又は Magister Artium（マギスター）保有者又は国家試験
（Staatsprüfung）合格者は、受入機関の要件を条件として、日本の博士課程への入学について検討されるものとする。
ドイツの Diplom FH（専門大学ディプロム）の保有者は、これまでの履修経歴にのっとって、日本の大学院課程への入学資格を有するものとする。
その他の学生は、個別の基準に基づき判定されるものとする。
(6) 博士号学位
日本及びドイツの機関により授与された博士号学位は、同等のものとみなされるものとする。
二国間の博士論文の指導（ cotutelle de these「 博士論文の共同指導」）においては、パートナー大学は、参加機関の各選抜基準を承認する。
博士号レベルでの協力を向上させるため、参加機関は、共同指導手順において共通語として英語を採用する可能性を検討することが奨励される。
(7) 音楽及び芸術
音楽及び芸術の課程においては、形式的な要件を超えて、個々の音楽の才能及び芸術的才能が、最終的な入学基準となり、特別な入学試験手続において実証される必要がある。
ドイツでは、当該課程は、芸術大学／音楽大学や、専門的な音楽アカデミー及び芸術アカデミーにおいて提供されており、どちらも高等教育制度の一環である。ただし、音楽学及び芸術史については、大部分は、大学で履修される。芸術大学／音楽大学や、音楽アカデミー及び芸術アカデミーの中には、博士号授与機関もある。
特に、（作曲、楽器、声楽、指揮等の）音楽分野及び芸術分野においては、同種類の資格の正式な認定の指定は、学校ごとに異なる可能性がある。
(1) 音楽又は芸術での日本の学士号保有者は、次の課程への入学資格を有するものとする。
‐ 受入機関の要件を条件として、Künstlerische Abschlussprüfung（芸術卒業試験）もしくは同等の資格によって修了する、修士号（又はMagister Artium（マギスター）もしくはDiplom（ディプロム））につながる演奏又は芸術の分野における課程。個々の資格に応じて、出願者は、既得単位の認定が付与される可能性があるが、特定の追加履修要件を満たすことが求められることもある。
‐ 受入機関の要件を条件として、修士号（又はMagister Artium（マギスター）もしくは Diplom（ディプロム））につながる音楽学及び芸術研究の課程。既得単位の認定が付
与される可能性があるが、様々な言語の必要能力及び／又はその他の前提条件により、追加履修が要請される場合がある。
(2) 音楽又は芸術での日本の修士号保有者は、次の各号への入学資格を有するものとする。
‐ 受入機関の要件を条件として、Konzertexamen（ 国家演奏家資格試験）又は Meisterschüler（ マイスターシューラー：ドイツの芸術系大学で芸術家に授与される最高学位）の地位につながる演奏又は芸術の分野における上級課程。ただし、個々の資格に応じて、出願者は、特定の追加履修要件を満たすよう求められることがある。
‐ 受入機関の要件を条件として、音楽学及び芸術研究の博士号課程。博士号課程の一般的条件の他に、様々な言語の必要能力及び／又はその他の前提条件により、追加履修が要請される場合がある。博士号取得を希望する学生は、追加履修要件の充足のために有益な関連のある博士号履修課程への（部分的な）事前参加を検討することができる。
(3) ドイツにおける、音楽もしくは芸術の分野における大学又は同等の高等教育機関によって授与される学位Diplom（ディプロム）は、Master of Arts（学術修士）の学位と同等とみなされるものとする。
(4) ドイツにおける、音楽もしくは芸術の分野での上級課程修了後のKonzertexamen（ 国家演奏家資格試験）又はMeisterschüler（ マイスターシューラー）の地位又は同等の地位は、専門的職業やその科目を教える資格に関連して、それぞれDoctor of Musical Arts（音楽学博士）並びにDoctor of Arts（学術博士）の学位と同等とみなされるものとする。
別紙 2
国内の高等教育制度に関する一般情報ドイツの高等教育制度1に関する情報
1. 機関の種類及び地位
ドイツの高等教育（HE）課程は、3 種類の高等教育機関（HEI）2において履修される。
‐ Universitäten（総合大学）には、多様な専門機関が含まれ、広範囲にわたる学術課程が設けられている。ドイツの伝統において、研究の上級段階では主に理論的位置付けや研究志向の要素が中心になることから、総合大学は、特に、基礎研究に焦点を置いている。
‐ Fachhochschulen （専門大学）（応用科学大学）では、履修課程をエンジニアリング及びその他の技術課程、ビジネス関連研究、ソーシャルワーク及び設計領域に集中させている。応用研究開発の共通目標は、明確な応用志向の視点と専門的な研究にあり、産業、企業又はその他の関連機関における統合・管理業務の課題が含まれる。
‐ Kunst‐ und Musikhochschulen （音楽大学／芸術大学）では、劇場、映画及びその他のメディアの監督、制作、執筆等の分野において、並びに、様々なデザイン分野、建築、メディア及びコミュニケーションにおいて、美術、芸能並びに音楽等の芸術関係の職業に関わる課程を設けている。
高等教育機関は、国➴機関又は国から認可された機関のいずれかである。履修科目の編成並びに学位の指定及び認定を含む運営においては、どちらも高等教育法に服する。
2. 履修課程及び授与学位の種類
全 3 種類の機関での履修課程は、従来、Diplom（ディプロム）もしくは Magister Artium（マギスター）につながる統合された「長期の」（1 段階構成の）課程に設けられていたか、又は、Staatsprüfung（国家試験）によって修了とされていた。
ボローニャ・プロセスの枠組み内においては、逐次、1 段階構成の履修課程は、2 段階構成の履修制度に取って代わられつつある。1998 年以降、2 段階構成の学位（学士及び修士）の体系が、ほとんどすべての課程において導入されてきた。この変更は、学生が計画を➴てたり教育目標を遂行する際に、更なる多様性と柔軟性が提供できるように設計されており、学習における国際的な互換性に優れている。
ドイツ高等教育資格枠組み3、生涯学習のためのドイツ資格枠組み4、生涯学習のための欧州資格枠組み5では、ドイツの高等教育制度の学位について説明している。これらには、資格
1 本情報は、ディプロマ・サプリメントの目的に直接的に関連する事項のみを対象としている。全ての情報は、2015年7月1日時点のものである。
2 Berufsakademien（職業アカデミー）は、高等教育機関とはみなされておらず、いくつかのLänder
（州）に存在するのみである。職業アカデミーでは、民間企業と緊密に連携して教育課程を設けている。学生は、正式な学位を授与され、企業において実習を受ける。職業アカデミーの中には、ドイツのアクレディテーション機関により適格認定を受けた場合、学位として認められる学士課程を設けているところがある。
レベルの分類に加えて、学位によって結果として得られる卒業生の資格及び能力が記載されている。
詳細については、第 4.1、4.2 及び 4.3 項をそれぞれ参照すること。表 1 においては、概要が示されている。
3. 履修課程及び学位の承認／アクレディテーション
資格の質及び互換性を確保するために、履修編成及び学位要件の概要は、ドイツ連邦共和国の州の教育文化担当大臣の常設会議（KMK）により策定された原則及び規則に従う必要がある。6 1999 年には、履修課程のためのアクレディテーションシステムが、国家レベルでのアクレディテーション協議会の管理の下、運用されることになった。全ての新規課程は、本スキームに基づき適格認定されなければならず、アクレディテーションによる認定後には、アクレディテーション協議会の quality‐label（質保証ラベル）が付与される。7
4. 履修課程の編成及び構成
次の課程は、3 種類の全ての機関に適用される。学士及び修士の課程は、様々な高等教育機関で、あるいは異なる種類の高等教育機関で、第 1 段階と第 2 段階の資格との間における専門的研究段階を伴い、連続して履修される。課程を所有する機関は、モジュールコンポーネントを利用し、1 学期間に相当する 30 単位についてヨーロッパ単位互換制度（ECTS）を利用する。
4.1. 学士号
学士号の履修課程では、学術基礎を構築し、方法論的技能を授け、専門分野に関連する資格につなげる。なお、学士号は、3～4 年後に授与される。
学士号課程には、論文要件が含まれる。学士号につながる履修課程では、ドイツ教育プログラムアクレディテーション財団を設➴した法律にのっとって、適格認定されなければならない。8
最初の学位課程（学士）は、文学士（B.A.）、理学士（X.Xx.）、工学士（B.Eng.）、法学士
（LL.B.）、芸術学士（B.F.A.）、音楽学士（B.Mus.）又は教育学士（B.Ed.）につながる。
3 ドイツ高等教育資格枠組み（2005年4月21日のドイツ連邦共和国の州の教育文化担当大臣の常設会議での決議。）
4 生涯学習のためのドイツ資格枠組み（DQR）（ドイツ連邦共和国の州の教育文化担当大臣の常設会議、ドイツ連邦教育科学・研究技術省、ドイツ経済担当大臣の会議、ドイツ連邦経済技術省における共同決議。）（2012年11月15日のドイツ連邦共和国の州の教育文化担当大臣の常設会議での決議。）詳細はxxx.xxx.xxを参照。
5 2008年4月23日に設➴された、生涯学習のための欧州資格枠組みを受け、欧州議会と欧州理事会によって勧告された。（2008/C 111/01‐生涯学習のための欧州資格枠組み（EQF））
6 学士および修士の履修課程のアクレディテーションのための州の共通体系ガイドライン
（2003年10月10日付、2010年2月4日付修正済のドイツ連邦共和国の州の教育文化担当大臣の常設会議での決議。）
7 財団「財団：ドイツ教育プログラムアクレディテーション財団」に対する州の宣言に関連する、
2005年2月26日付発効済の財団「財団：ドイツ教育プログラムアクレディテーション財団」を設➴した法律、GV. NRW. 2005、nr. 5、p. 45。
（2004年12月16日のドイツ連邦共和国の州の教育文化担当大臣の常設会議での決議。）
学士号は、ドイツ資格枠組み／欧州資格枠組みのレベル 6 に相当する。
4.2. 修士号
修士号は、更に 1～2 年後に取得される第 2 段階の学位である。修士の履修課程は、「実習志向」や「研究志向」といった特徴によりそれぞれ異なる場合がある。高等教育機関では、それぞれの特徴を定めている。
修士号の履修課程には、論文要件が含まれる。修士号につながる履修課程は、ドイツ教育プログラムアクレディテーション財団を設➴した法律にのっとって、適格認定されなければならない。9
第 2 段階の学位課程（修士）は、学術修士（M.A.）、理学修士（X.Xx.）、工学修士
（X.Xxx.）、法学修士（X.X.X.）、芸術学修士（M.F.A.）音楽修士（M.Mus.）又は教育学修士（M.Ed.）につながる。継続教育のために策定されている修士履修課程については、その他の称号（MBA 等）を伴うことがある。
修士号は、ドイツ資格枠組み／欧州資格枠組みのレベル 7 に相当する。
4.3. 統合「長期」課程（1 段階構成）：
Diplom（ディプロム）、Magister Artium（マギスター）、Staatsprüfung（国家試験）
統合履修課程は、単一の専門分野（Diplom（ディプロム）、ほとんどの課程が Staatsprüfung
（国家試験）で修了）であるか、又は、2 つの主専攻もしくは 1 つの主専攻に 2 つの副専攻のどちらかの組み合わせ（Magister Artium（マギスター））から構成される。最初の段階
（1.5 年～2 年）は、広範囲にわたるオリエンテーションと研究分野の基礎に焦点が置かれる。中間試験（ディプロムについては、ディプロム学位のための Diplom –Vorprüfung（ディプロ
ム中間試験）、マギスターについては、マギスターのための Zwischenprüfung（中間試験）又は単位要件）は、高度な研究・専門分野の次段階に進むための前提条件である。学位要件には、（6 か月間までの）論文提出並びに包括的な最終筆記試験及び口頭試問が含まれる。同様の規則は、Staatsprüfung（国家試験）につながる研究に対しても適用される。当該資格レベルは、修士レベルと同等である。
‐ Universitäten (U)（総合大学）における統合履修は、4～5 年（ディプロム、マギスター）、又は、3～6.5 年（国家試験）に及ぶ。ディプロム学位は、工学専門分野、自然科学並びに経済及びビジネスにおいて授与される。人文科学においては、同様の学位は、通常、マギスター（M.A.）である。社会科学では、大学機関の伝統の問題として、演習が多岐にわたる。法律、医学及び薬学の職業に就くための対策研究は、国家試験により修了する。本規定は、いくつかの州の教職に就くための研究にも適用される。
3 つの資格（ディプロム、マギスター及び国家試験）は、学問的に同等で、ドイツ資格枠組
み／欧州資格枠組みのレベル 7 に相当する。これらは博士課程への入学出願資格を有するも
のである。なお、入学に際しての追加前提条件は、高等教育機関により定められる。第 5 項参照。
‐ Fachhochschulen (FH) （専門大学）／Universities of Applied Sciences (UAS)（応用科学大学）での統合履修は 4 年間に及び、ドイツ資格枠組み／欧州資格枠組みのレベル 6 に相当するデ
ィプロム（FH）学位につながる。FH 及び UAS は、博士号を授与する機関ではないものの、有資格の卒業生は、博士号授与機関での博士課程への入学を出願することができる。第 5 項参照。
‐ Kunst‐ and Musikhochschulen (Universities of Art/Music etc.) （芸術大学）での履修については、各分野及び個々の目的に応じて、各大学で更に多様である。また、ディプロム及びマギスタ ーに加えて、統合履修課程での認定に際しては、専門分野及び専門目的において、修了証書 及び認定試験が含まれる。
5. 博士号
総合大学並びに資格取得のための専門大学及び幾つかの芸術大学は、博士号授与機関である。博士課程への入学の正式な前提条件は、有資格修士（UAS（応用科学大学）及び U（総合大 学））、マギスター学位、ディプロム、国家試験又は同等の外国で取得された修士である。 芸術大学／音楽大学における類似の学位も、例外的なケース（音楽理論、音楽学、芸術／音 楽の教育学、メディア研究等の課程）においては、博士課程への入学資格を正式に有する。 特に、学士又はディプロム（FH）学位の有資格保有者もまた、その適性を判断するための手 続によって、追加の学位を取得することなく、博士課程での履修が認められることがある。 博士号授与機関の大学は、それぞれ、 博士課程への入学及び適性判断の手続体制を管理して いる。入学においては更に、監督者としての教授による論文研究プロジェクトが承認される ことを必要とする。
博士号は、ドイツ資格枠組み／欧州資格枠組みのレベル 8 に相当する。
6. 成績評価の方法
ドイツの成績評価の方法は、通常、5 段階から構成される。（数値等価をもって、中間評価が行われる。）つまり、"Sehr Gut" (1) = 優、"Gut" (2) = 良、"Befriedigend" (3) = 並、 "Ausreichend" (4) = 可、"Nicht ausreichend" (5) = 不可／不合格。最低合格評価は、"Ausreichend" (4)（可）である。場合によっては、博士号では、評価の名称が異なる場合がある。
さらに、ECTS のユーザーガイドに記載されている成績評価分布表は、関連するグループ間での相対的な成績評価分布を示すために使われている。
7. 高等教育への入学
12～13 年の教育課程を終了した後に、一般的な高等教育への入学資格（Allgemeine Hochschulreife（大学入学資格）、Abitur（アビトゥーア））を有している場合には、全ての高等教育課程への入学が許可される。ある専門分野に特化した者（特定専攻分野大学入学資格（Fachgebundende Hochschulreife）を有する場合）は、Fachhochschulen （UAS）、大学、その他の高等教育機関への入学を可能とするが、特定の課程に限られている。 Fachhochschulen （UAS）への入学は、Fachhochschulreife（専門大学入学資格試験）によっても可能であり、通常、12 年の教育課程修了後に入学可能である。芸術／音楽大学や類似の課程を持つ高等教育機関、スポーツの課程への入学は、その他の証明に基づくか、又は、個々の適性を実証する追加証明が要請されることがある。
職業資格は持っているが、教育課程に基づく高等教育機関への入学資格は持っていないという出願者は、州によって規制された特定の職業分野（例：Meister/Meisterin im Handwerk, Industriemeister/in, Fachwirt/in (IHK und HWK), staatlich geprüfte/r Betriebswirt/in, staatliche geprüfte/r Gestalter/in, staatlich geprüfte/r Erzieher/in）において、高度な訓練を受けたという証
明が得られればという条件付きで、一般的な高等教育への入学資格を有し、従ってどの分野にも入学することが可能になる。職業資格を持っている出願者は、州によって規制された職業教育を少なくとも 2 年連続で受け、更に通常 3 年連続で実務経験を行い、高等教育機関または他の州の機関において適正検査を受けた後、特定専攻分野大学入学資格
（Fachgebundende Hochschulreife）を得ることができる；この適正検査は、少なくとも 1 年間の試行研究によって免除されることがある。10
場合によっては、高等教育機関において追加入学手続を適用することがある。
8. xxxxxx
‐ Xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx (XXX)［xxxxxxxxの州の教育文化担当大臣の常設会議］ Graurheindorfer Str. 157, D‐53117 Bonn；
ファックス番号： +49(0)228/501‐229 電話番号：+49(0)228/501‐0；xxxx://xxx.xxx.xxx
‐ Zentralstelle für ausländisches Bildungswesen（ZaB）ドイツ NARIC（学術認証情報センター）としての外国教育中央オフィス； xxxx://xxx.xxx.xxx/xxx；
‐ドイツ EURYDICE ユニット（ヨーロッパ教育情報ネットワーク）としての「文書及び教育情報サービス」、教育制度に関する国内の関係書類の提供。 (xxxx://xxx.xxx.xxx/xxxxxxxxxxxxx/xxxxxxxxxxxxxx‐auf‐europaeischer‐ebene‐im‐eurydice‐ informationsnetz.html； E メール：xxxxxxxx@xxx.xxx)
‐ Hochschulrektorenkonferenz (HRK)［ドイツ大学学長会議］；Xxxxxxxxxx 39, D‐53175 Bonn；ファックス番号：+49[0]228/887‐110； 電話番号：+49[0]228/887‐0；xxx.xxx.xx；
‐ ドイツ大学学長会議の「ドイツ大学羅針盤」、機関、履修課程等についての包括的情報のデータベース。(xxx.xxxxxx‐xxxxxxxxx‐xxxxxxx.xx)
10職業資格は持っているが、教育課程に基づく高等教育機関への入学資格は持っていない出願者の、
高等教育への参加（2009年3月のドイツ連邦共和国の州の教育文化担当大臣の常設会議での決議）
表 1: ドイツの高等教育における機関、履修課程、授与学位
単位互換手続 学士（B.A.（文学士）／X.Xx.（理学士）／B.Eng.（工学士）／LL.B. ［1～2 年］ （法学士）／X.Xx.（教育学士）） 総合大学 博士号 （Universitäten）並び ［3～4 年］ 修士（M.A.（学術修士）／X.Xx.（理学修士）／M.Eng.（工学 （Dr.） に資格取得のための専 修士）／LL.M.（法学修士）／M.Ed.（教育学修士） 門大学（Theologische （論文研究：正式な 演習を含む場合もあ und Pädagogische る） Diplom（ディプロム）および Magister Artium（マギスター）学位［4～5 年］ Hochschulen（神学大学 および教育大学）） ［博士号］ Staatsprüfung（国家試験）［3～6.5 年］ 単位互換手続 学士（B.A.（文学士）／X.Xx.（理学士）／B.Eng.（工学士）／LL.B. ［1～2 年］ （法学士）） 応用科学大学（UAS） ［3～4 年］ 修士（M.A.（学術修士）／X.Xx.（理学修士）／ Fachhochschulen (FH) M.Eng.（工学修士）／LL.M.（法学修士）） （専門大学） Diplom（FH）（ディプロム（FH）学位） ［4 年］ 単位互換手続 単位互換手続 学士（B.A.（文学士）／B.F.A.（芸術学士）／B.Mus.（音楽学士）／ B.Ed.（教育学士） ［1～2 年］ 芸術大学 博士号 ［3～4 年］ 修士（X.X.（学術修士）／M.F.A.（芸術修士）／ （Kunst - M.Mus.（音楽修士）／M.Ed.（教育学修士）） （Dr.） Musikhochschulen） ［一部の博士号］ Diplom（ディプロム）および M.A.（修士）学位、修了証書、認定試験 ［4.5 年］ | |
統合／長期（1 段階構成）課程 博士号 プログラム／学位 単位互換手続 第 1 段階学位 第 2 段階学位 |
日本の高等教育制度に関する情報
1. 日本の高等教育制度の概要
日本には、設置主体の違いにより 3 種類の大学が存在する。すなわち、元来国が設➴した国
➴大学（今日では国➴大学法人が設置）、地方自治体又は公➴大学法人が設置した公➴大学、そして学校法人により設置された私➴大学がある。また、5 年一貫の実践的・創造的な完成 教育を行う高等専門学校、及び職業若しくは実際生活に必要な能力の育成や教養の向上を目 的とする専修学校専門課程（専門学校）がある。
2. 高等教育機関の種類と授与される学位
2.1. 高等教育機関の種類と学位
‐ 大学・大学院
大学並びに大学院では、学士、修士、博士、専門職学位が授与される。
大学では学士課程修了時に学士号が授与され、続いて修士課程、博士課程修了時にそれぞれ修士号、博士号が授けられるほか、修士課程に相当する専門職大学院修了時に授けられる専門職学位がある。
大学は、その者が博士課程に所属していたか否かを問わず、自校の大学院の開催する博士論文審査に合格し、かつ博士の学位を授与されたものと同等の学力が認められるものに対し、博士の学位を授与することができる。
‐ 短期大学
短期大学の卒業者には短期大学士の学位が授与される。中等教育後の大学教育以外の資格
中等教育後の大学以外での教育による資格
‐ 高等専門学校
高等専門学校を卒業した者は、準学士と称することができる。
‐ 専修学校専門課程（専修学校、中等後教育学校）
一定の基準を満たし専修学校専門課程を修了した者は、専門士・高度専門士と称することができる。
2.2. 独➴行政法人大学評価・学位授与機構（NIAD‐UE）による学位の授与
NIAD‐UE は短期大学・高等専門学校・専修学校を卒業後、NIAD‐UE の基準に準じて規定の条件を満たすために履修単位を取得し、特定の学際分野で十分な学術的業績を上げている学習者に学士号を授与する。単位は聴講生として日本の大学の学部課程、又は NIAD‐UE が承認する短期大学又は高等専門学校の専門課程に参加することで取得できるものとする。XXXX‐ XX は取得単位及び論文、芸術作品、演奏など提示物を審査して申請者の学術的能力を評価する。
NIAD‐UE は文部科学大臣以外の大臣によって設置され、大学の学部課程又は大学院の修士・博士課程と同等の教育を提供する NIAD‐UE の認定教育機関を滞りなく修了した者に学士、
修士、博士号を授与する。NIAD‐UE は取得単位を審査して申請者✰学術的能力を評価する。修士・博士号✰申請者には論文審査が義務づけられる。
2.3. 学位取得に要する標準期間学士：4 年間
修士・専門職学位：学士取得後 2 年
博士：学士取得後 5 年
2.4. 卒業・修了学位✰要件
(1) 学士
卒業✰要件は、大学に４年以上在学し、124 単位以上を習得すること。
(2) 修士
修了✰要件は、大学院に 2 年以上（優れた業績を上げた者については１年以上）在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該課程✰目的に応じ、修士論文又は特定✰課題について✰研究✰成果✰審査及び試験に合格すること。
(3) 専門職学位
修了✰要件は、専門職大学院に 2 年以上在学し、30 単位以上を修得そ✰他✰教育課程を履修すること。
(4) 博士号
修了✰要件は、大学院に 5 年以上（優れた業績を上げた者については 3 年以上）在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、博士論文✰審査及び試験に合格すること。
2.5. 単位✰要件
各授業科目につき、45 時間✰学修時間をもって、１単位として計算
3. 入学資格
我が国において大学入学資格は学校教育法等✰法令で定められている。各大学は法令に定める大学入学資格をもとに基準を定め、学生を募集している。
3.1. 大学入学資格
大学に入学すること✰できる者は、高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者など、12 年
✰教育課程を修了した者としている。ただし、特に優れた資質を有する者は 11 年✰教育課程✰修了で大学入学資格を認めている。
詳細は下記✰とおりである。
(1) 高等学校又は中等教育学校を卒業した者
(2) 特別支援学校✰高等部又は高等専門学校✰ 3 年次を修了した者
(3) 外国において、学校教育における 12 年✰課程を修了した者
(4) 外国における、12 年✰課程修了相当✰学力認定試験に合格した者
(5) 我が国において、外国✰高等学校相当として指定した外国人学校を修了した者
(6) 高等学校と同等と認定された在外教育施設✰課程を修了した者
(7) 指定された専修学校✰高等課程を修了した者
(8) 旧制学校等を修了した者
(9) 国際バカロレア、アビトゥア、バカロレアなど、外国✰大学入学資格✰保有者
(10) 国際的な評価団体（WASC、CIS、ACSI）✰認定を受けた我が国に所在する外国人学校✰ 12 年✰課程を修了した者
(11) 高等学校卒業程度認定試験（旧大検）に合格した者
(12) 高等学校等 12 年✰教育課程を修了した者で、大学において個別✰入学資格審査により認められた者
3.2. 大学院入学資格（修士課程・博士課程（前期）✰入学資格）
修士課程及び博士課程前期に入学できる者は、大学を卒業した者又は文部科学大臣✰定めるそれと同等以上✰学力があると認められた者など、16 年✰教育課程を修了した者としている。ただし、特に優れた資質を有する者は 15 年✰教育課程✰修了で当該課程へ入学する資格を認めている。
詳細は下記✰とおりである。
(1) 大学を卒業した者
(2) 大学評価・学位授与機構により学士✰学位を授与された者
(3) 外国において、学校教育における 16 年✰課程を修了した者
(4) 外国✰学校が行う通信教育を我が国において履修することにより当該国✰ 16 年✰課程を修了した者
(5) 我が国において、外国✰大学相当として指定した外国✰学校✰課程（文部科学大臣指定外国大学日本校）を修了した者
(6) 指定された専修学校✰専門課程（文部科学大臣指定専修学校専門課程一覧）を修了した者
(7) 旧制学校等を修了した者
(8) 防衛大学校、海上保安大学校、気象大学校など、各省大学校を修了した者
(9) 大学院において個別✰入学資格審査により認められた者（修士課程）
3.3. 博士後期課程
博士後期課程に入学できる者は、修士又はそれに相当する学位を有する者又は文部科学大臣
✰定めるそれと同等以上✰学力があると認められた者としている。
4. 国際連携教育課程制度（外国大学と✰ジョイント・ディグリー）
我が国✰大学（短期大学を含む）が外国✰大学と共同で一つ✰教育課程を編成し、そ✰教育課程を修了した者に対して、我が国✰大学と外国✰大学が共同して 1 枚✰学位記を連名で授与する制度を導入した。