TEL:080-7190-5438
令和4年8月9日国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
契約部長 xx xx
(住所)xxxxxxxxxxxxxx000xx1
下記のとおり公募します。
1.公募に付する事項
(1)件 名
多様な地質環境条件等を考慮したシーリングシステムの長期性能評価(令和 4 年度)
(2)x x
別添実施計画書のとおり
(3)履行期限
令和5年1月31日
2.公募に参加する者に必要な資格に関する事項
(1)公募参加資格
国もしくは機構の競争参加資格を有すると認められた者とする。なお、機構の競争参加資格の認定を受けていない者であっても、参加意思確認書を提出することができるが、その者が応募要件を満たすと認められ、競争的契約手続きに移行した場合に技術提案書等を提出するためには、技術提案書等の提出時までに、当該資格の認定を受ける必要がある。
(2)公募に参加できない者
競争に係る契約を締結する能力を有しない者及び破産者で復権を得ない者。資格審査申請書及びその添付書類に故意に虚偽の事実を記載した者等。
過去3年間で情報管理の不備を理由に当機構から取引停止を受けている者。
3.応募要件
(1)水理-化学-力学連成解析が可能な解析ツールを有していること。
(2)xxx地下水流動・物質移行解析が可能な解析ツールを有していること。
(3)これまでに地層処分の性能評価あるいは安全評価に関わるシナリオ解析の検討事例があること。
4.応募要件等を満たす意思表示
本公募に参加を希望する者は、3項に示す応募要件を満たすことを証明する資料を参加意思確認書に添付の上、以下の期限までに「6.連絡先」まで、持参又は郵送(書類書留郵便等の配達の記録が残るものに限る)により、提出すること。
上述の資料の様式は自由とするが、応募者の組織として意思決定が確認できる書類とする。
応募要件を満たす者があった場合には、機構は、応募要件の遂行能力を確認し、確認結果を書面にて通知する。
期限:令和4年8月23日(火)必着(郵送による場合も同様とする)
5.備考
(1)応募がなかった場合には、特定の者と随意契約を行う。
(2)応募があった場合で、かつ確認の結果合格者があった場合には、一般競争入札により決定することとなる。その場合には別途公告する。
(3)手続きにおいて使用する言語及び通貨は、日本語及び日本国通貨に限る。
6.連絡先
〒319-1184 茨城県那珂郡東海村大字舟xx765番地1国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
契約部研究契約課 x xx
TEL:000-0000-0000
1. 件名
多様な地質環境条件等を考慮したシーリングシステムの長期性能評価(令和 4 年度)
2. 背景・目的
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)が、経済産業省資源エネルギー庁から受託した「令和 4 年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(地層処分施設閉鎖技術確証試験)」(以下「受託業務」という。)では、坑道や掘削影響領域(以下「EDZ」という。)が水みちとなることを防止するための技術を構築するため、室内試験や原位置試験による検証、多様な地質環境条件を考慮した物質移行径路の分析などによる坑道シーリングに期待する性能の具体化や設計評価技術の改良・高度化、さらには施工オプションの整備や品質管理手法の高度化に資する基盤情報の整備を実施する。
我が国のように、処分場が建設される具体的な地質環境が特定されていない段階においては、いくつかの代表的な地質環境を想定しつつ、止水プラグ等を含めた坑道の埋め戻し部における長期的なバリア性能を確実にするとともに、これらの性能と地質環境特性との関係を把握しておくことは、地層処分システムの長期安全性を確保する上で極めて重要である。一方、坑道の埋め戻し部は埋め戻し施工時の欠陥や埋め戻し材として使用が想定されるベントナイト材料の流出、あるいは材料自体の劣化等により、放射性核種の移行経路となる可能性があるとともに、プラグに関してはこれを迂回する移行経路の発生により、期待するバリア性能が発揮されない恐れがある。このようなシナリオについて検討するためには、バリア性能に影響を及ぼす現象理解を図りつつ、地層処分システムの長期安全性に及ぼす影響を評価するとともに、埋め戻し材やプラグなどのシーリング(以下「シーリングシステム」という。)に関する長期的な性能やその性能を達成するための設計要件の考え方を整理する必要がある。しかしながら、いずれの項目もこれまで十分検討されてきたとは言い難い。
本研究では地層処分システムの一部である埋め戻し材やプラグなどのシーリングについてその性能等を検討するための方法論や評価技術の整備を行うとともに、地下水流動解析やパーティクルトラッキングによる移行経路の評価を通じて、処分場の閉鎖後にシーリングシステムおよびその近傍が核種の卓越した移行経路とならないことを長期安全性の観点から論証する。また、これらの検討を通じて、シーリングシステムに関連する課題を抽出する。
3. 委託研究の範囲
(1)シーリングシステムの長期変遷に関する現象理解
(2)シーリングシステムの劣化を想定したシナリオの具体化
(3)シーリングシステムの劣化が安全評価に有意な影響を及ぼす条件の把握と蓋然性の検討
(4)シーリングシステムの性能劣化の影響回避や緩和策の検討を踏まえた性能の考え方の整理
(5)成果報告書の作成
4. 研究内容
(1) シーリングシステムの長期変遷に関する現象理解
シーリングシステムの劣化・変質により安全機能が低下しうるシナリオを検討する上では、安全機能に重大な影響を及ぼし得る現象の現象理解が不可欠であり、シナリオの蓋然性を評価する上でも重要である。これまでの検討から支保材に用いられるコンクリート系材料の劣化に起因し、埋め戻し材中のモンモリロナイトが変質する条件として、支保工と埋め戻し材境界が高透水性を有し、そこにコンクリート系材料と接触した高 pH 地下水が流れる必要があることが示された。昨年度の検討においては、上述した条件が満たされる因子やプロセスを岩盤と支保工の相互作用を含め整理した上で、処分坑道 1 本を模擬した反応輸送解析を行い、埋め戻し材の変質および安全機能に与える影響を評価した。その結果、岩盤から支保工に流入する地下水がコンクリート系材料と反応しカルサイトや CSH ゲルなどの二次鉱物が割れ目などの間隙を閉塞することで、埋め戻し材と支保工境界へ移流的に地下水が流れる可能性が低いこと、埋め戻し材と支保工境界部においても、埋め戻し材の変質は同境界部への地下水流れの上流側(地下水流入点)に限定されることが示された。すなわち、岩盤-支保工-埋め戻し材の水理、化学現象を考慮した場合、埋め戻し材中のモンモリロナイトが変質することで埋め戻し材の安全機能が全域にわたって変化する可能性は低いことが示唆された。一方で、閉塞した間隙が地震動などによって再度開口することも考えられるとともに、地下水が流れる間隙は埋め戻し材の膨潤によって閉塞することも考えられる。このような力学的な影響を考慮することは、支保材の劣化に起因したシナリオの蓋然性をより高める上では重要であると考えられる。以上のことから、今年度は以下の課題に取り組むこととする。
⚫ 地震動や埋め戻し材の膨潤などの力学的なプロセスを考慮し、岩盤-支保工-埋め戻し材の水
理-力学-化学連成解析を実施し、コンクリート材料の変質に起因した埋め戻し材中のベントナイトの変質の影響を評価する。解析においては、坑道一本相当の支保工を考慮し、上流からのアルカリ成分の埋め戻し材による緩衝効果やモデル化する坑道のスケールに応じたアルカリ成分のマスバランスを考慮する。
⚫ 過年度実施した検討を総括し、水理・化学・力学の観点から、コンクリート系材料の劣化に起因した埋め戻し材の変質が生じる諸条件を整理する。なお、諸条件を整理する上で、追加の解析が必要となる場合は、発注者と協議の上実施の有無を決定する。
(2) シーリングシステムの変遷を考慮したシナリオの具体化
過年度の検討結果を踏まえ、シーリングシステムの変遷を考慮した上で、シーリングシステムの安全機能(放射性核種の移行を抑制)に影響を及ぼし得るシナリオを包括的に整理する。具体的には、 Fault ツリーダイアグラムなどの手法を参考にシナリオに寄与する現象・プロセスの網羅性を確保しつつ、これらの関連性が時間変遷を含めて明確になるように整理を行う。特に、シナリオにおけるシーリングシステムの初期状態については、設計・施工などの工学技術の分野で達成し可能な条件を考慮する。
(3) シーリングシステムの長期変遷が安全評価に有意な影響を及ぼす条件の把握
昨年度は、多様な地質環境条件を考慮することへの対応として、坑道およびその周辺岩盤の核種移行に影響を及ぼす因子として、NUMO 包括的技術報告書における深成岩および新第xx堆積岩の亀裂パラメータ(亀裂頻度や方向分布など)や透水性などを感度パラメータとした感度解析を実施し、坑道が卓越した核種移行経路となることへの影響を評価した。その結果、立坑や坑道を介した流線に差異
は生じるものの、少なくとも設定した感度パラメータの幅の範囲内においては立坑や坑道が核種移行経路となることへの顕著な影響はないことが示された。今年度は過年度に実施した一連の物質移行解析の結果を踏まえ、地質環境条件(動水勾配の大きxx向き、亀裂の透水量係数分布等)のバリエーションや粒子の配置位置と立坑との位置関係、あるいは連接する坑道の影響など、様々な要因、要因の組み合わせになどの観点から、シーリングシステムの長期変遷が安全評価に与える影響を総合的に評価する。また、コンクリート材料の変質に起因したシナリオにおける“保守性”の意味とこれに関連するプロセスついて整理し,シナリオ区分に応じたシーリングシステムの劣化を考慮したシナリオについて考察する。
(4) シーリングシステムの性能劣化の影響回避や緩和策の検討を踏まえた性能の考え方の整理
過年度の検討から、リスク論的な観点から、想定したシナリオの影響レベル(安全機能への影響度)とエビデンスの充足性(シナリオで想定する現象・プロセスが生起するか否かを判断するためのエビデンスが十分かどうか)に着目した整理を行った。その結果、種々の評価、工学的対策を講じることにより、深成岩および新第xx堆積岩の双方において、仮にコンクリート材料の変質に起因したシナリオが生起した場合においても、安全評価への影響が顕在化する可能性は低いことが示された。今年度は、過年度の検討および(1)~(3)までの検討結果を踏まえ、シーリングシステムの長期性能の考え方を論証する。具体的には以下の課題について取り組むこととする。
⚫ シナリオで想定する現象・プロセスとこれが生起するか否かを判断するためのエビデンス体系的に整理するとともに、シナリオの安全機能への影響度を地表への核種移行率などの指標から再整理を行う。
⚫ リスク論的な視点の中で考慮するシナリオを回避するあるいは生起した場合の影響を緩和する対策について、その実現性や対策の効果を評価しシーリングシステムの長期性能に対しての有効性を検討する。また、検討結果について実施主体や専門家とのヒアリングを通じ、その有効性を示す。
⚫ 設計・施工・安全評価の 3 つの視点を考慮し、立坑や坑道が卓越した移行経路となること(=リスク)についてリスク論的な視点から体系的な取りまとめを行い、シーリングシステムの長期性能の考え方を論証する。
⚫ 上記検討を踏まえ,シーリングシステムの劣化による長期安全性への影響が顕在化しないことを地層処分分野以外の専門家にも分かりやすく説明するための論理構造とそのコンテンツ(文章,図,xx)について検討し体系化する。また,複数の専門家によるレビューを通じて,シーリングの劣化に対する懸念の軽減や分かりやすさの観点からの改良を行う。
(5) 打合せおよび成果報告書の作成
キックオフ打合せを含め、1回/月の頻度で(1)~(4)の検討の進捗を確認するための打ち合わせを実施する。(1)~(4)で実施した内容と結果を取りまとめて作業報告書を作成する。作業報告書に添付する各図面については、凡例、縮尺、注釈等を必要に応じて記載する。作成した図表は作業報告書に文章と共に盛り込むと同時に、電子ファイルとして DVD-ROM 等の記憶媒体に保存し、納入物件とする。納入する解析入力データおよび解析結果のデータについては、原子力機構担当者の指定するフォーマットで作成する。また、記録媒体については、原子力機構担当者の指示に従う。
5. 実施場所
受託者側実施施設
6. 研究期間
契約締結日~令和 5 年 1 月 31 日
7. 受託者側実施責任者
契約締結時に決定する。
8. 委託者側実施責任者
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
核燃料・バックエンド研究開発部門 xxx地層研究センター深地層研究部 堆積岩安全評価研究グループリーダー
9. グリーン購入法の推進
(1) 本契約において、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)に適用する環境物品(事務用品、OA 機器等)が発生する場合は、これを採用するものとする。
(2) 本仕様に定める提出図書(納入印刷物)については、グリーン購入法の基本方針に定める「紙類」の基準を満たしたものであること。
10. 特記事項
(1) 本件は、経済産業省資源エネルギー庁から原子力機構が委託を受けて実施するものであり、経済産業省資源エネルギー庁の委託契約書にも従うものとする。また、実施体制を変更する場合、原子力機構は経済産業省資源エネルギー庁の承認を得る必要がある。したがって、受注者は合併または分割等により本契約に係る権利義務を他社へ承継しようとする場合には、事前に原子力機構
(深地層研究部 堆積岩処分技術開発グループ)へ照会し、了解を得るものとする。
(2) 発注者の所有する報告書および本業務に関連するデータ等については必要に応じ貸与する。
(3) 納入物件の所有権、納入物件の著作権および、その他技術情報に係わるものの権利は、発注者に帰属するものとし、無断で工業所有xxの申請を行わないこと。
(4) 受託者は、本業務の実施にあたり、知り得た情報を厳重に管理し、本業務遂行以外の目的で、受託者および下請会社等の作業員を除く第三者への開示、提供を行ってはならない。このため、機密保持を確実に行える具体的な状況管理要領書を作成・提出し、これを厳格に遵守すること。
(5) 受託者は、一連の調査の過程、工程および調査データに対し、技術上の責任を負うこと。また、発注者の承諾を得るべき事項については、その承諾を得ること。
11. 支給物品および貸与品
なし
12. 提出書類
提出書類 | 提出期限 | 提出先 | 部数 |
研究計画書 | 契約締結後速やかに | 堆積岩安全評価研究グループ | 1 |
打合せ議事録 | 打合せ後速やかに | 堆積岩安全評価研究グループ | 1 |
成果速報※1 | 機構が定める日まで | 堆積岩安全評価研究グループ | 1 |
成果報告書※2 | 令和 5 年 1 月 31 日 | 堆積岩安全評価研究グループ | 1 |
電子データファイル※3 | 令和 5 年 1 月 31 日 | 堆積岩安全評価研究グループ | 1 |
※1 進捗確認のための打ち合わせ資料として Microsoft Power Point にて作成すること、
※2 原子力機構の「研究開発報告書類執筆マニュアル(第 4 版)」に準拠すること。
※3 成果報告書本文、本文中図表、解析の入出力データなどのファイルを収めた電子媒体。
以 上