静岡市（以下「甲」という。）及び●●（以下「乙」という。）は、清水庁舎整備等事業（以下「本件 PFI 事業」という。）の実施に関して、次のとおり合意する（以下、「本件事業契約」という。）。

（４５）「不可抗力」とは、本件事業契約締結後に生じた暴風、豪雨、洪水、高潮、地滑り、落盤、落雷、地震、火災その他の自然災害、又は騒擾、騒乱、暴動その他の人為的な現象（ただし「要求水準書」又は「設計図書」において基準が定められている場合は、当該基準を超えるものに限る。）のうち、通常の予見可能な範囲外のものであって、甲及び乙のいずれの責めにも帰さないものをいう。なお、「法令等変更」は含まない。

（４６）「法令等」とは、条約、法律、政令、省令、条例、規則、これらに基づく命令、通達、行政指導及びガイドライン、裁判所の判決、決定、命令及び仲裁判断並びにそのほか公的機関の定める全ての規定、判断、措置等をいう。

（４７）「法令等変更」とは、「法令等」又はその解釈が新設、変更又は改廃されることをいう。

（４８）「本件施設」とは、「本件 PFI 事業」にて整備されるxxx庁舎を意味し、詳細は別紙３に規定される。

（４９）「本件 PFI 事業用地」とは、第 12 条に規定され、別紙１に定める「本件 PFI 事業」の実施場所となる土地をいう。ただし、甲と「民間事業者」が令和２年●月●日付で締結したxx庁舎整備等事業基本協定書（以下「基本協定」という。）第８条に規定する駐車場事業用地定期借地権設定契約（本契約）の締結後は別紙１に定める駐車場事業用地を除き、「設計・建設工事期間」後は別紙１に定める民間施設用地を除く。

（５０）「民間事業者」とは、「本件 PFI 事業」の入札手続において応募した、●●を代表企業とし、●●及び●●を構成員とする●●グループをいう。

（５１）「民間事業者提案」とは、「民間事業者」が「本件 PFI 事業」の入札手続において甲に提出した入札提出書類及び本件事業契約の締結までに提出したその他一切の資料に記載された内容をいう。

（５２）「要求水準」とは、「要求水準書」に規定される業務水準（ただし、「民間事業者提案」が「要求水準書」の求める水準を上回る事項については、この点において「民間提案書」に規定される業務水準）をいう。

（５３）「要求水準書」とは、xが「本件 PFI 事業」の入札において令和２年３月日付で公表した要求水準書及び「入札説明書等」に関する質問に対する回答のうち要求水準書に関するものをいう。

（５４）「落札者決定基準」とは、甲が「本件 PFI 事業」の入札において令和２年３月日付で公表した落札者決定基準及び「入札説明書等」に関する質問に対する回答のうち落札者決定基準に関するものをいう。

（「本件 PFI 事業」の概要）

第５条「本件 PFI 事業」は、「本件施設」の「設計業務」、「建設業務」、及び「維持管理・運営業務」及びこれらに係る資金調達並びにこれらに付随し関連する一切の事業により構成される。乙が実施すべき事業の概要は別紙２のとおりとする。

２乙は、本件事業契約、「入札説明書等」及び「民間事業者提案」に従って本件事業契約上の業務を遂行しなければならない。

３本件事業契約、「入札説明書等」及び「民間事業者提案」の規定に矛盾、齟齬がある場合には、本件事業契約、「入札説明書等」、「民間事業者提案」の順にその解釈が優先する。

４「入札説明書等」の各資料間で記載内容に矛盾、齟齬が存する場合には、本件事業契約、「要求水準書」、「入札説明書」、「落札者決定基準」の順にその適用及び解釈が優先するものとする。ただし、「民間事業者提案」が「要求水準書」の求める水準を上回る事項については、「民間事業者提案」を優先する。

５乙は、「本件施設」について、第 35 条に基づく甲への所有権の移転を除き、譲渡し、担保権を設定し又はその他の処分をしてはならない。

（事業日程）

第６条「本件 PFI 事業」は、別紙４として添付する事業日程表（以下「本件 PFI 事業日程表」という。）に従って実施される。

（事業の留意点）

第７条乙は、本件事業契約の履行に当たり、「事業期間」終了後の維持管理及び修繕等に要する費用の節減に配慮しなければならない。

２乙は、建築基準法（昭和 25 年法律第 201 号）、消防法（昭和 23 年法律第 186 号）等の関係する「法令等」の規定に適合するよう本件事業契約の業務を実施しなければな

らない。

３乙は、善良なる管理者としての注意をもって、本件事業契約を履行しなければならない。

（乙の資金調達）

第８条乙による本件事業契約に基づく業務の実施に関連する一切の費用は、本件事業契約上に特段の記載がない限り、すべて乙が負担し、また乙の業務の実施に必要な乙の資金調達は乙が自己の責任において行う。ただし、甲の協力が必要な場合は、甲は可能な限りその協力を行う。

２甲は、「自動販売機等」の整備、設置、維持管理及び運営については、一切の費用を負担しない。

（履行の確保）

第９条乙は、「本件施設」の「設計業務」及び「建設業務」に関し、甲を被保険者とする履行保証保険契約を締結し、又は、乙を被保険者とする履行保証保険契約を「設計企業」、「建設企業」の全部又は一部の者に締結させ、締結後速やかに保険証書の写しを甲に提出し内容の確認を受けなければならない。この場合、乙を被保険者とする履行保証保険契約が締結されたときは、当該保険金請求権に、甲のために、第 66 条第１項による違約金支払債務を被担保債務とする質権を設定しなければならず、かかる質権の設定の費用は乙が負担する。

２前項の履行保証保険の金額は、「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」の合計額（支払利息相当額を除き、消費税（消費税及び地方消費税をいう。以下同じ。）相当額を含んだ金●●円）の 10％以上とし、有効期間は、「設計・建設工事期間」の期間全体とする。

３第１項の履行保証保険契約は、同等の契約保証に代えることができるものとする。

（行政手続）

第10x xは、自己の責任により、乙が本件事業契約に基づく義務を履行するために必要な許認可を取得し、その他「法令等」に定める手続きを行わなければならない。

２乙は、前項に定める手続き等については、甲に事前説明及び事後報告を行わなければならない。

３乙は、甲の求めに応じ起債許可の申請手続及び会計検査等に必要な書類その他の資料の作成を補助するものとする。

（暴力団等の排除措置）

第11条甲は、乙に対し、乙並びに構成の名称その他の必要な情報の提供を求めることができ、これらの情報を静岡県警察本部長又は静岡県下の各警察署長に提供することにより、乙並びに構成員の役員等が暴力団等であるかどうかについて意見を聴くことができる。

２甲は、前項の規定による意見の聴取により得た情報について、「本件 PFI 事業」の実施以外の業務において暴力団等の排除措置を講ずるために利用し、又は他の実施機関

（静岡市個人情報保護条例（平成 17 年静岡市条例第９号）第２条第１号に規定する実施機関をいう。）に提供することができる。

３乙は、担当業務を第三者（乙の役員、従業員を含む。以下、本条において同じ。）に行わせようとする場合は、暴力団等にこれを行わせてはならず、当該第三者が暴力団等であることが判明したときは、直ちに、その旨を甲に報告しなければならない。

４乙は、担当業務を第三者に行わせた場合において、当該第三者が暴力団等であることが判明したときは、直ちに、その旨を甲に報告し、当該第三者との契約を解除しなければならない。

５乙は、「本件 PFI 事業」の実施に当たり、暴力団等から業務の妨害その他不当な要求

（以下この号において「不当介入」という。）を受けたときは、直ちに、その旨を甲に報告し、及び警察に届け出て、捜査に必要な協力を行わなければならない。構成員が担当業務を第三者に行わせる場合において、当該第三者が暴力団等から不当介入を受けたときも、同様とする。

６甲は、乙並びに構成員が、担当業務を第三者に行わせる場合において、当該第三者が暴力団等であることが判明したときは、乙に対し、当該第三者との間で契約を締結

し、若しくは構成員をして締結させないよう、又は、既に当該第三者と契約を締結している場合にあっては、当該契約を解除し、若しくは構成員をして解除させるよう、求めることができる。

第２章「本件 PFI 事業」の場所

（事業場所の利用）

第12条甲は、乙が「建設業務」の実施のために必要となるときまでに、「本件 PFI 事業」の実施に支障がないよう、乙に対して「本件 PFI 事業用地」を使用させるものとする。

２乙は、「本件 PFI 事業用地」において「建設業務」を実施しなければならない。ただし、業務の性質上、「本件 PFI 事業用地」以外の場所で行う必要があるものについてはこの限りではない。

３乙は、第三者に「本件 PFI 事業用地」を使用又は収益させてはならない。ただし、あらかじめ甲の承諾を得た場合は、この限りでない。

（現地調査）

第13条甲は、「本件 PFI 事業用地」について必要に応じて随時利用状況等を調査し、又は乙に対して合理的な範囲で報告を求めることができる。この場合、乙は調査を拒

み、妨げ、又は報告を怠ってはならない。

第３章「本件施設」の「設計業務」

（「既存施設」の解体設計）

第14条乙は、本件事業契約締結後速やかに、甲と協議の上、本件事業契約、「入札説明書等」及び「民間事業者提案」に基づき「既存施設解体撤去等業務」に係る解体設

計・除却計画の作成業務を開始し、完成した解体設計・除却計画を甲に提出し甲の確認を受けるものとする。

（各種調査）

第15x xは、「要求水準書」に従い「調査業務」を実施し、その結果を調査終了後速やかに甲に報告しなければならない。

２乙は、「調査業務」の着手前に甲に対して「民間事業者提案」の詳細説明及び協議を実施するとともに、「調査業務」の実施体制、スケジュール等を含んだ調査業務計画書を作成し、作成後速やかに甲に提出し、甲の確認を得なければならない。

３乙が現地調査を行う場合は、自らの責任においてこれを行うものとする。

（「本件施設」の設計）

第16x xは、本件事業契約締結後速やかに、甲と協議の上、「要求水準書」に基づき設計業務計画書を作成し、甲の確認を受けるものとし、当該設計業務計画書に基づき設計を行なわなければならない。

２乙は、前項の確認を受けた後速やかに、甲と協議の上、本件事業契約、「入札説明書等」及び「民間事業者提案」に基づき「基本設計図書」の作成業務を開始し、完成した「基本設計図書」を第 20 条第１項に従い甲に提出し甲の確認を受けるものとする。

３乙は、前項の確認を受けたときは、「実施設計図書」の作成業務を開始し、完成した

「実施設計図書」につき第 20 条第１項に従い甲に提出し甲の確認を受けるものとする。

４甲は、乙に対して「本件施設」の「設計業務」の進捗状況に関して適宜報告を求める

ことができるものとする。

５甲は、第１項から第３項までの確認及び前項の報告を理由として、「本件施設」の設計の全部又は一部について何ら責任を負担しない。

（第三者による実施）

第17条乙は、「本件施設」の「設計業務」を「設計企業」である●●に実施させるものとする。乙は、次項に基づいて事前に甲の承諾を得た場合を除き、「設計企業」から第三者への再委託を含め、「設計企業」以外の者に、「設計業務」の全部又は一部を実施させてはならない。

２乙は、「設計業務」の一部を「設計企業」以外の者に実施させる場合、または「設計企業」が「設計業務」の一部を第三者に実施させる場合には、これを実施する者の名称、所在地その他甲が別途定める事項を、甲に事前に通知し、甲の事前の承諾を得なければならない。

３「設計業務」の実施に関する「設計企業」及びその他の第三者の使用は、すべて乙の責任において行うものとし、「設計業務」に関して乙が直接又は間接に使用する一切の第三者の責めに帰すべき事由は、すべて乙の責めに帰すべき事由とみなして、乙が責任を負うものとする。

（「設計変更」）

第18条甲は、必要があると認める場合（「不可抗力」及び「法令等変更」の場合を含むが、これらに限られない。）には、乙に対して、工期又は｢引渡予定日｣の変更を伴わず、かつ「民間事業者提案」の範囲を逸脱しない限度で、「設計変更」を求めることができる。この場合、乙は、当該変更の要否、当該変更に基づく費用の増加若しくは減少の見積額、及び乙の「本件 PFI 事業」の実施に与える影響を検討し、当該「設計変更」の要請を受けた日から 15 日以内に、甲に対してその結果を通知しなければならない。甲はかかる乙の検討結果を踏まえて「設計変更」の要否を最終的に決定し、乙に通知するものとし、乙はかかる甲の通知に従わなければならない。ただし、本項における「設計変更」は、「自動販売機等」についての｢設計変更｣を除くものとする。

２前項の規定により乙が「設計変更」を行う場合において、当該変更により乙に増加費用または損害（設計費用及び直接工事費のほか、将来の「維持管理・運営業務」等に係る費用を含む。以下、本条において同じ。）が発生したときは、甲がこれを合理的な範囲で負担するものとし、その内容に応じて「サービス購入料」に算入する。また、前項の規定により乙が「設計変更」を行う場合において、当該変更により乙の費用

（設計費用及び直接工事費のほか、将来の「維持管理・運営業務」等に係る費用を含む。以下、本条において同じ。）が減少したときには、当該減少費用分の内容に応じて

甲が支払う「サービス購入料」の支払額を減額する。

３前項の規定に関わらず、当該「設計変更」による増加費用または損害が乙の責めに帰すべき場合には乙がこれを負担するものとし、「不可抗力」又は「法令等変更」による場合は別紙６の定めに従うものとする。

４甲が工期又は「引渡予定日」の変更を伴う「設計変更」又は「民間事業者提案」の範囲を逸脱する「設計変更」の提案を行った場合には、甲及び乙はその当否について協議するものとし、これによる増加費用及び損害の負担については第２項及び第３項を準用する。

５乙は、甲の事前の承諾を得た場合を除き、「本件施設」の「設計変更」を行うことはできないものとする。ただし、「自動販売機等」の軽微な「設計変更」については、この限りでない。

６乙が前項本文の規定に基づき、甲の事前の承諾を得て「設計変更」を行う場合又は前項但書に基づき「自動販売機等」の軽微な「設計変更」を行う場合において、当該

「設計変更」により乙に増加費用が発生したときは、乙が当該費用を負担する。

７第２項の規定による「サービス購入料」の増減に伴い乙に金融費用が生じたときは、合理的な範囲内において甲が負担する。

（「法令等変更」等による「設計変更」等）

第19条前条第１項の規定に関わらず、「法令等変更」又は「不可抗力」により、「設計変更」が必要となった場合には、乙は、甲に対し「設計変更」の承諾を求めることができ、甲は、当該「設計変更」が必要かつ相当と判断したときは、これを承諾する。

２前条および前項の規定に関わらず、「本件施設」の完成までに、「本件 PFI 事業用地」のかし（「本件 PFI 事業用地」の地中に存する施設等の基礎及び杭等により、「本件施設」の建設を行うことが困難となった場合を含む。）、埋蔵文化財の発見等に起因し

て、「設計変更」をする必要が生じた場合には、乙は甲に対し、「設計変更」の承諾を求めることができる。この場合、甲は、当該「設計変更」によっても「要求水準」を満たすことが確認され、かつ当該「設計変更」が必要かつやむを得ないものと判断したときは、これを承諾する。

３前二項に基づく「設計変更」に起因して「設計業務」、「建設業務」及び「維持管理・運営業務」に係る乙の増加費用（「自動販売機等」に係るものを除く。）が発生したとき、又は乙の費用の減少が生したときは、前条第２項及び第３項を準用する。

４第１項又は第２項に基づく変更に起因して「本件施設」の完成の遅延が見込まれる場合、甲及び乙は協議の上、「引渡予定日」を変更することができる。

５第３項の規定による「サービス購入料」の増減に伴い乙に金融費用が生じたときは、合理的な範囲内において甲が負担する。

（設計の完了）

第20条乙は、基本設計及び実施設計の完了後速やかに、をそれぞれ「基本設計図書」又は「実施設計図書」を甲に提出し、その説明を行ったうえで、甲の確認を受けなければならない。提出後に「設計変更」を行う場合も同様とする。

２甲は、提出された「設計図書」が本件事業契約、「入札説明書等」、「民間事業者提案」若しくは甲と乙の設計打ち合わせにおいて合意された事項に従っていない、又

は、「要求水準」を満たさないと判断する場合には、乙と協議の上、乙の負担において

「設計図書」の修正を求めることができる。この場合、乙は「設計図書」を修正した後、甲の確認を受けなければならない。

３乙は、甲からの指摘により、又は自ら設計に不備・不具合等を発見したときは、自らの負担において速やかに「設計図書」の修正を行い、修正点について甲に報告し、その確認を受けるものとする。「設計変更」について不備・不具合等が発見された場合も同様とする。

４乙が本条に従い提出した「設計図書」のうち、工事費内訳書は、本件事業契約に特に定める場合を除き、甲及び乙を拘束するものではない。

５第２項及び第３項に規定する「設計図書」の修正の結果、「本件施設」の引渡しが

「引渡予定日」よりも遅延した場合には、第 36 条第４項の規定を適用する。

（市民への説明）

第21条乙は、甲が市民に向けて説明会を行うときは、甲の指示に従い必要とされる資料を準備するとともに、これに立会い、資料等を用いた説明に協力するものとする。

第４章「本件施設」の「建設業務」

（「既存施設」の解体工事）

第22条乙は、第 14 条に規定する「既存施設」の解体設計・除去計画に係る甲の確認を得た後速やかに、同計画に基づき「既存施設」の解体工事に着手するものとする。

（「本件施設」の建設）

第23x xは、「入札説明書等」、甲の承諾を受けた「設計図書」、「民間事業者提案」及び次条第１項により甲の確認を受けた施工計画書に従い、「新設工事」を実施するものとする。

２乙は、「新設工事」の着手に当たって、甲に事前に通知するものとする。

３仮設、施工方法その他「本件施設」を完成するために必要な一切の手段については、

「要求水準書」に定められているもの及び「設計図書」、「民間事業者提案」等において特に提案されているもののほかは、乙が自己の責任において定めるものとする。

４乙は、「新設工事」に必要な用地を確保し、その他工事用電気、水道、ガス等は自己の費用及び責任において調達しなければならない。

（施工計画書等）

第24条乙は、「建設工事開始予定日」までに「要求水準書」に従い施工計画書を作成し、甲に提出し甲の承諾を受けなければならない。

２乙は、建設期間中、工事現場に常に工事記録を整備しなければならない。

３乙は、別途甲との協議により定める期限までに月間工程表を作成し、甲に対して提出するものとする。

（第三者による実施）

第25条乙は、「本件施設」の「建設工事」を「建設企業」である●●に実施させなければならない。乙は、事前に甲の承諾を得た場合を除き、「建設企業」から第三者への再委託を含め、「建設企業」以外の者に、「建設工事」の全部又は一部を実施させてはならない。

２乙は、「建設工事」の一部を「建設企業」以外の者に実施させる場合、または「建設企業」が「建設工事」の一部を第三者に実施させる場合には、かかる「建設工事」の一部を実施させる者の名称、所在地その他甲が別途定める事項を、甲に事前に通知

し、甲の事前の承諾を得なければならない。

３「建設工事」の実施に関する「建設企業」及びその他の第三者の使用は、すべて乙の責任において行うものとし、「建設工事」に関して乙が直接又は間接に使用する一切の第三者の責めに帰すべき事由は、すべて乙の責めに帰すべき事由とみなして、乙が責任を負うものとする。

（「工事監理者」）

第26条乙は、「建設工事開始予定日」までに、自らの費用負担により建築基準法第５条の４第２項に定める「工事監理者」として●●に「工事監理業務」を受託させることとし、「工事監理者」との契約後速やかに甲に対して契約の事実を通知するものとする。ただし、前条第１項に規定する「建設企業」、その他「建設工事」に携わる者は、

「建設工事」の「工事監理者」となることはできない。

２乙は、「工事監理者」から第三者への再委託を含め、「工事監理者」以外の者に、「工事監理業務」の一部を実施させてはならない。

３「工事監理業務」の実施に関する「工事監理者」の使用は、すべて乙の責任において

行うものとし、「工事監理者」に関して乙が直接又は間接に使用する一切の第三者の責めに帰すべき事由は、すべて乙の責めに帰すべき事由とみなして、乙が責任を負うものとする。

４乙は、第１項の「工事監理者」に、乙を通じ工事監理の状況を甲に毎月１回以上報告させるものとし、甲が要請したときは、工事施工の事前説明及び事後報告、工事現場での施工状況の説明を、随時行わせるものとする。

５乙は、第１項の「工事監理者」に、甲に対して「本件施設」の完成確認報告を行わせる。

６乙は、第１項の「工事監理者」が工事監理を行い、かつ、本条の規定を遵守する上で必要な協力を行い、「建設企業」をしてこれに協力させるものとする。

（建設に伴う近隣調整）

第27条乙は、「設計・建設工事期間」中、自己の責任及び費用で近隣住民に対し事業計画（「本件 PFI 事業用地」上に「本件施設」が建設されること及びその他第５条第１項に定める事業及び内容をいう。以下、本条において同じ。）及び工事実施計画（「本件施設」の配置、施工時期、施工方法等の計画をいう。）の説明を行い、了解を得るよう努めなければならない。また、甲は、必要と認める場合には、乙が行う説明に協力しなければならない。ただし、「本件 PFI 事業」の実施自体については、必要に応じ甲が住民説明を行うものとする。

２乙は、前項の説明に先立って、自らが実施しようとする説明の方法、時期及び内容について、甲に対して説明を行わなければならない。

３乙は、自己の責任及び費用において、近隣調整を行わなければならない。また、乙は、近隣調整の不調を理由として本件事業契約上の義務の履行を免れることはできない。

４乙は、甲の承諾を得ない限り、近隣調整の不調を理由として事業計画の変更をすることはできない。この場合、甲は、乙が事業計画を変更せず、更なる調整によっても近隣住民の了解が得られないことを明らかにした場合に限り、事業計画の変更を承諾する。なお、この場合、事業計画の変更により生じる費用は乙の負担とし、かつ甲に損害が生じるときは、乙がこれを支払わなければならない。ただし、前項の事業計画の変更が「本施設」の設置そのものに対する近隣等の反対によるとき又は甲が「入札説明書等」で定めた「本施設」の設計条件に直接起因するものであるときは、事業計画の変更により生じる費用及び乙に生じた損害は合理的な範囲で甲が負担するものとする。

５近隣調整の結果、「本件施設」の完成の遅延が見込まれる場合には、甲及び乙は協議の上、速やかに、「引渡予定日」を変更することができる。

６近隣調整の結果、乙に生じた費用（その結果「引渡予定日」が変更されたことによる費用増加も含む。）については、全て乙が負担するものとする。

７第５項の規定に基づき「引渡予定日」を変更した場合、第 36 条第１項、第２項及び第４項の規定を適用する。

（備品の設置）

第28条乙は、「要求水準書」、甲の承諾を受けた「設計図書」及び「民間事業者提案」に従い、「本件施設」の「施設備品」を調達し、「引渡予定日」までに設置しなければならない。

（甲の説明要求等）

第29条甲は、「本件施設」が甲の承諾を受けた「設計図書」（甲と乙との打ち合わせの結果を含む。以下同じ。）に従い建設されていることを確認するために、「本件施設」の建設状況及び品質管理について、乙に事前に通知した上で、乙又は「建設企業」に対して説明を求めることができるものとし、また、建設現場において建設状況を乙の立会いの上確認することができるものとする。

２乙は、前項の規定する説明及び確認の実施について、甲に対して協力を行うとともに、「建設企業」をして、甲に対して必要かつ合理的な説明及び報告を行わせるものとする。

３前二項に規定する説明又は確認の実施の結果、「建設工事」の状況が本件事業契約、

「要求水準書」、甲の承諾を受けた「設計図書」若しくは「民間事業者提案」に従っていない、又は「要求水準」を満たさないと甲が判断した場合、甲は、乙に対してその是正を求めることができ、乙は、これに従わなければならない。

４甲は乙から施工体制台帳（建設業法（昭和 24 年法律第 100 号）第 24 条の 7 に規定する施工体制台帳をいう。）及び施工体制に係る事項について報告を求めることができ

る。

（中間検査）

第30条乙は、「本件施設」の「建設工事」が甲の承諾を受けた「設計図書」等に従い実施されていることを確認するために、工期中、必要な事項に関する中間検査を実施しなければならない。乙は、中間検査の結果を検査終了後速やかに甲に報告し、甲の確認を受けなければならない。

２中間検査の結果、「建設工事」の状況が本件事業契約、「入札説明書等」、甲の承諾を受けた「設計図書」若しくは「民間事業者提案」に従っていない、又は「要求水準

書」の「要求水準」を満たさないと甲が判断した場合、甲は乙に対してその是正を求

めることができる。

３乙は、中間検査の結果、「建設工事」の状況が本件事業契約、「入札説明書等」、甲の承諾を受けた「設計図書」若しくは「民間事業者提案」に従っていない、又は「要求水準」を満たさないと自ら判断した場合、又は前項に従い是正の求めを受けたときには、自らの費用と責任において必要な補修、改造工事等を実施しなければならない。

（乙の完了検査）

第31x xは、「本件施設」が完成した後速やかに、自己の責任において、「本件施設」の完了検査を行うものとする。

２甲は、前項に規定する完了検査への立会いを求めることができる。ただし、xは、かかる立会いの実施を理由として何らの責任を負担するものではない。

３乙は、完了検査に対する甲の立会いの実施の有無を問わず、甲に対して完了検査の結果を検査済証その他の検査結果に関する書面の写しを添えて報告しなければならな

い。

４乙は、工事完成時には施工記録を用意して、現場で甲の確認を受けなければならない。

（甲の完成確認）

第32条甲は、前条第３項の報告を受けてから 14 日以内に、「本件施設」の完成確認を行う。確認に際して、乙は、現場説明、資料提供等により、甲に協力しなければならない。

２甲は、前項に定める完成確認により「本件施設」が「入札説明書等」、甲の承諾を受けた「設計図書」及び「民間事業者提案」どおりに建設され、かつ「施設備品」が設置されており、「要求水準」を満たすものと認めるときは、乙に対して完成確認を通知する。

３甲は、「本件施設」が「入札説明書等」、甲の承諾を受けた「設計図書」及び「民間事業者提案」どおりに建設されていないと認めるとき、又は、「要求水準」を満たさないときは、不備、不具合等の具体的内容を明らかにし、期間を定めて乙に対しその修補を求めることができる。

４乙は、前項の規定により甲から修補等を求められた場合には、速やかに修補等を行い、その完了後、前条に規定された完了検査を実施し、その結果を甲に報告するものとする。甲は、乙の報告を受けた後、速やかに再び完成確認を行い、前項の不備、不具合等が修補されたと認めた場合には、乙に対して速やかに完成確認を通知する。なお、この場合には、第１項に掲げる期限の定めは適用せず、甲及び乙は速やかに手続きを行わなければならない。

５前項に規定する修補の結果、「本件施設」の引渡しが遅延した場合は、第 36 条第４項の規定を適用する。

６甲は、第２項又は第４項に規定する完成確認の通知を行ったことを理由として、「本件施設」の「建設工事」及び「維持管理・運営業務」の全部又は一部について何らの責任を負担するものではなく、また、乙は、その提供する「維持管理・運営業務」が

「維持管理・運営業務要求水準」の「要求水準」に満たなかった場合において、甲が第１項又は第４項に規定する完成確認の通知を行ったことをもってその責任を免れることはできない。

（「建設工事」の中止）

第33条「不可抗力」により「本件施設」等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、乙が「建設工事」を施工できないと認められるときは、乙は、直ちに「建設工事」の中止内容及びその理由を甲に通知しなければならない。

２乙は、履行不能の理由が乙の責に帰すべき事由による場合を除き、第１項の通知を行った日以降、履行不能の状況が継続する期間中、履行不能となった業務に係る履行x xを免れる。

３甲は、必要があると認めるときは、「建設工事」の中止内容及びその理由を乙に通知して、「建設工事」の全部又は一部の施工の一時中止を求めることができる。

４甲又は乙は、第１項又は前項の通知を受けたときは、速やかに事業の継続に関する協議を行わなければならない。当該協議において「建設工事」を施工できない事由が発生した日から 30 日を経過しても協議が整わないときは、甲は「本件 PFI 事業」の継続についての対応を定め、乙に通知する。

５甲は、第１項又は第３項の規定により「建設工事」の施工が一時中止された場合（工事の施工の中止が乙の責に帰すべき事由による場合を除く。）において、必要があると認められるときは、乙と協議し、「引渡予定日」若しくはサービス対価を変更し、又は乙が「建設工事」の続行に備え「建設工事」の現場を維持し若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の「建設工事」の一時中止に伴う増加費用若しくは乙の損害を負担するものとする。

（第三者に対する損害賠償）

第34条「建設工事」について第三者に損害を与えた場合には、乙がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害（第 91 条第１項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。）のうち甲の責めに帰すべき事由又は｢不可抗力｣により生じたものについては、合理的な範囲で甲が負担する。

２甲は、前項本文に規定する損害を甲が第三者に対して賠償した場合、乙に対して、賠

償した金額を求償することができる。乙は、甲からの請求を受けた場合には、速やかに支払わなければならない。

３本条第１項及び前項の規定について、「建設工事」の実施に伴い通常避けることができない騒音、臭気、振動その他の理由により、乙が第三者に対して損害を及ぼした場合も同様とする。

第５章「本件施設」の引渡し

（所有権の移転）

第35条乙は、甲から第 32 条第２項又は同条第４項に規定する「本件施設」の完成確認の通知を受けた上で、「引渡予定日」に（ただし、甲の「本件施設」の完成確認の通知が当初の「引渡予定日」より遅延した場合は完成確認後速やかに）「本件施設」の所有権及び第 28 条第１項により設置した「施設備品」を甲に移転し、「完成図書」とともに「本件施設」及び「施設備品」を甲に引き渡すものとする。このとき、乙は、「本件施設」及び「施設備品」について、担保権その他の制限物権等の負担のない、完全な所有権を甲に移転しなければならない。

（引渡しの遅延）

第36x xは、「本件施設」の引渡しが「引渡予定日」よりも遅延すること（以下「引渡遅延」という。以下同じ。）が見込まれる場合には、「引渡予定日」の 30 日前までに、

当該「引渡遅延」の原因及びその対応計画を甲に通知しなければならない。第 32 条第

４項による修補を行う必要から遅延が見込まれる場合、「引渡予定日」まで 30 日ない場合は、乙は、遅延の原因及びその対応策を速やかに甲に通知しなければならない。

２乙は、前項に規定する対応計画において、「本件施設」の可及的速やかな引渡しに向けての対策及び想定される「維持管理・運営期間」の開始までの予定を明らかにしなければならない。

３甲の責めに帰すべき事由に起因して「引渡遅延」が発生する場合は、甲は、当該「引渡遅延」への対応に要する合理的な増加費用を負担しなければならない。「法令等変

更」又は「不可抗力」に起因して「引渡遅延」が発生する場合はこれによる増加費用及び損害の負担は別紙６の定めに従うものとする。

４乙の責めに帰すべき事由によって「引渡遅延」が発生した場合、乙は、当該「引渡遅延」への対応に要する費用を負担する他、遅延日数に応じ、「サービス購入料」Ａ及びＢの総額に年 5.0％の割合で計算した額を違約金として甲に支払わなければならない。この場合において、甲は、当該「引渡遅延」について違約金を超える損害賠償請求を妨げられない。

（かし担保）

第37条甲は、「本件施設」にかしがあるときは、乙に対して相当の期間を定めてそのかしの修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。

２前項の規定によるかしの修補又は損害賠償の請求は、甲が第 35 条の規定に基づいて

「本件施設」の引渡しを受けた日から２年以内に、これを行わなければならない。ただし、そのかしが乙又は「建設企業」の故意又は重大な過失により生じた場合、又は構造耐力上主要な部分若しくは雨水の浸入を防止する部分について生じた場合（構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。）には、当該請求を行うことのできる期間は、10 年とする。

３甲は、「本件施設」の引渡しの際にかしがあることを知ったときは、前項の規定にかかわらず、その旨を直ちに乙に通知しなければ、当該かしの修補又は損害賠償の請求をすることはできない。ただし、乙又は「建設企業」がそのかしがあることを知っていたときは、この限りではない。

４甲は、「本件施設」が第１項のかしにより滅失又はき損したときは、第２項に定める期間内で、かつ、その滅失又はき損の日から１年以内に第１項の権利を行使しなければならない。ただし、乙又は「建設企業」がそのかしがあることを知っていたとき

は、この限りではない。

５乙は、「建設工事」に係る乙の債務を保証する保証書を「建設企業」から徴求し甲に差し入れなければならない。保証書の様式は、別紙７に定める様式による。

第６章「本件施設」の維持管理・運営

（「維持管理・運営業務」の開始日）

第38条乙は、「本件施設」の引渡日の翌日から「維持管理業務」を開始するものとする。

２「本件施設」の「供用開始日」は、令和５年５月８日とし、乙は、「供用開始日」から「運営業務」を開始するものとする。

（「本件施設」の維持管理・運営）

第39条乙は、「維持管理・運営期間」中、「法令等」、本件事業契約、「要求水準書」、「入札説明書等」、及び「民間事業者提案」、次条第１項に規定する維持管理・運営業務計画書、及び同条第２項に規定する修繕業務計画書に従い、「維持管理・運営業務」を誠実かつ適正に執行しなければならない。

２乙は、「引渡予定日」までに、「本件施設」の「維持管理・運営業務」体制を甲に提出し甲の承諾を得るものとする。

３乙は、「維持管理・運営業務」を実施するために必要な消耗品、資機材等は、本件事業契約及び「要求水準書」に特段の定めのない限り、すべて自己の責任と費用で調達しなければならない。なお、乙は、消耗品等の調達については、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律（平成 12 年法律第 100 号）に適合するよう努めるものとする。

（維持管理・運営業務計画書の提出）

第40条乙は、各「事業年度」の維持管理・運営業務計画書を作成して甲に提出し、当該

「事業年度」開始の２か月前までに甲の承諾を受けるものとする。

２乙は、「本件施設」の供用開始に先立ち、「民間事業者提案」に基づく「本件施設」の引渡日から「維持管理・運営期間」終了までの修繕業務計画書を作成して甲に提出

し、甲の承諾を受けなければならない。

３乙は、「本件施設」の引渡日までに、「本件施設」の引渡後 15 年間の修繕計画書、引渡後 30 年間の長期修繕計画書、及び引渡後 65 年間の超長期修繕計画書を作成して甲に提出し、甲の承認を受けなければならない。

４甲は、第１項及び前項の承諾を行ったことを理由として、「本件施設」の「維持管理・運営業務」の全部又は一部について何らの責任を負担するものではない。

５乙は、甲の事前の承諾を得た場合を除き、甲の承諾を受けた維持管理・運営業務計画書又は修繕業務計画書を変更することはできない。

（業務報告書の提出）

第41条乙は、「維持管理・運営業務」に関し、それぞれ、日報、月報、半期報告書及び年度報告書を作成し、月報については業務を行った月の翌月の 10 日までに、半期報告

書については当該半期の最終月の翌月 10 日までに、年度報告書については翌年度の４

月 30 日までに作成し、甲に提出しなければならない。日報については、乙が保管し、甲の求めがあった場合は、遅滞なく甲に提出するものとする。

２甲は、前項に従い乙から月報、半期報告書及び年度報告書の提出を受けた場合、提出を受けた日から、月報については 14 日以内に、半期報告書及び年度報告書については

30 日以内に、乙に対して業務確認の結果を通知しなければならない。

（維持管理・運営業務仕様書）

第42条乙は、本件事業契約、「要求水準書」及び「民間事業者提案」に従い、「維持管理・運営業務」の遂行に必要な事項を記載した維持管理・運営業務仕様書を作成して

甲に提出し、「維持管理・運営業務」開始の３ヶ月前までに甲の承諾を受けなければならない。

２乙は、甲の事前の承諾を得た場合を除き、甲の承諾を受けた維持管理・運営業務仕様書を変更することはできない

３乙は、第１項に規定された維持管理・運営業務仕様書に基づき、「維持管理・運営業務」を「維持管理企業」及び「運営企業」に委託するものとする。

（従事職員）

第43条乙は、「維持管理・運営業務」の開始までに、「維持管理・運営業務」に従事する者（以下、本条において「従事職員」という。）の名簿を甲に対して提出しなければならない。また、乙は、「従事職員」に異動があった場合、その都度、速やかに甲に報告しなければならない。

２乙は、業務の遂行に当たり、管理体制、業務分担、緊急連絡体制等の業務に必要な書類を、甲に提出し承諾を得るものとする。

３甲は、「従事職員」がその業務を行うにあたり不適当と認められるときは、その事由を明記して、乙に交代を請求することができるものとし、乙は係る請求に対して誠実に対応しなければならない。

（近隣対策）

第44条乙は、自己の責任及び費用において、「維持管理・運営業務」を実施するに際して合理的に要求される範囲の近隣対策を実施する。なお、かかる近隣対策の実施について、乙は甲に対して事前及び事後にその内容及び結果を報告するものとし、甲は乙に対して合理的な範囲内で必要な協力を行う。ただし、「本件 PFI 事業」の実施自体に起因して周辺その他から苦情等が発生した場合は、甲が対応するものとする。

（第三者による実施）

第45条乙は、「本件施設」の「維持管理・運営業務」を「維持管理企業」である●●及び「運営企業」である●●に実施させるものとする。乙は、次項に定める場合を除

き、「維持管理・運営企業」から第三者への再委託を含め、「維持管理・運営企業」以外の者に「維持管理・運営業務」の全部又は一部を実施させてはならない。

２乙は、前項に基づき、「維持管理・運営業務」の一部を「維持管理・運営企業」以外の者に実施させる場合、または「維持管理・運営企業」が「維持管理・運営業務」の一部を第三者に実施させる場合には、実施させる者の名称、所在地その他甲が別途定める事項を、甲に事前に通知し、甲の事前の承諾を得なければならない。

３「維持管理・運営業務」の実施に関する「維持管理・運営企業」及びその他の第三者

の使用は、すべて乙の責任において行うものとし、「維持管理・運営業務」に関して乙が直接又は間接に使用する一切の第三者の責めに帰すべき事由は、すべて乙の責めに帰すべき事由とみなして、乙が責任を負うものする。

（「維持管理・運営業務要求水準」の変更）

第46条「法令等変更」により「維持管理・運営業務要求水準」の変更が必要又は可能となった場合は、次の各号に従う。

（１）「法令等変更」により、「維持管理・運営業務要求水準」の変更が必要又は可能となった場合には、甲は、乙と協議の上、「法令等」の要求する水準に見合うように「維持管理・運営業務要求水準」を変更するものとする。乙は、かかる協議期間中も、

「維持管理・運営業務」を実施しなければならない。

（２）前号に規定する「維持管理・運営業務要求水準」の変更により追加費用が生じた場合には、甲乙協議の上、当該追加費用を合理的な範囲で「サービス購入料」に算入して甲が負担するものとする。また、これにより費用の減少が生じた場合には、当該費用の減少分につき「サービス購入料」を減額するものとする。

（３）第１号の協議が協議開始の日より 60 日以内に整わない場合には、「法令等変更」により「本件 PFI 事業」の継続の可能性が失われたと認められる場合とみなし、甲は、第 74 条に基づき、本件事業契約を解除することができる。

２「不可抗力」により「維持管理・運営業務要求水準」の変更が必要又は相当な場合は次の各号に従う。

（１）甲は、「維持管理・運営期間」中に、「不可抗力」により「維持管理・運営業務要求水準」の変更の必要が生じた場合又は「維持管理・運営業務要求水準」の変更が相当と認められる場合には、その変更を乙に求めることができる。

（２）乙は、前号の甲の要求について、その対応可能性及び費用見込額を甲に対し通知しなければならない。

（３）甲及び乙は、第１号の甲の要求のあった場合は、協議の上、「維持管理・運営業務要求水準」を変更することができる。かかる変更により乙に増加費用が生じた場合には、甲乙協議の上、当該追加費用を合理的な範囲で「サービス購入料」に算入して甲が負担するものとする。また、これにより費用の減少が生じた場合には、当該費用の減少分につき「サービス購入料」を減額するものとする。乙は、かかる協議期間中も、「維持管理・運営業務」を実施しなければならない。

（４）前号の協議が協議開始の日より 60 日以内に整わない場合には、「不可抗力」により

「本件 PFI 事業」の継続の可能性がないと認められる場合とみなし、甲は、第 71 条に基づき本件事業契約を解除することができる。

３前二項の規定に関わらず、甲は、技術革新、社会状況の大幅な変化など甲及び乙が本

件事業契約締結時に想定し得なかった状況の変化、その他合理的な必要が生じた場

合、「維持管理・運営業務要求水準」の変更を乙に求めることができる。この場合、乙は、甲との協議に応じなければならない。乙は、かかる協議期間中も、「維持管理・運営業務」を実施しなければならない。甲は、かかる協議が調った場合、「維持管理・運営業務要求水準」の変更を行うものとし、かかる「維持管理・運営業務要求水準」の変更により増加費用若しくは損害が生じ、または費用が減少した場合、甲は合理的範囲でこれを負担するものとする。

４前三項の規定に関わらず、乙は、合理的な必要が生じた場合、「維持管理・運営業務要求水準」の変更を甲に求めることができる。この場合、甲は、乙との協議に応じなければならない。乙は、かかる協議期間中も、「維持管理・運営業務」を実施しなければならない。甲は、かかる協議が調った場合、「維持管理・運営業務要求水準」の変更を行うものとし、この場合の「サービス購入料」の支払額の変更については、甲及び乙の合意したところによるものとする。

（第三者に及ぼした損害等）

第47条乙が「本件施設」の「維持管理・運営業務」を実施するに当たり第三者に損害を及ぼした場合（「維持管理・運営業務」の実施に伴い通常避けることができない騒音、臭気、振動その他の理由による場合を含む。）、乙は、当該損害の一切を当該第三者に対して賠償しなければならない。

２前項の規定に拘わらず、その損害（第 91 条第１項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。）のうち甲の責めに帰すべき事由により生じたものについては、合理的な範囲内において甲が負担する。

３第１項に規定する損害を甲が第三者に対して賠償した場合、甲は乙に対して、賠償した金額を求償することができる。乙は、甲からかかる請求を受けた場合には、速やかに支払わなければならない。

（自己モニタリング）

第48条乙は、常に「本件施設」の維持管理・運営状況を把握し、何らかの理由で本件事業契約、「要求水準書」、第 42 条に定める維持管理・運営業務仕様書、第 40 条第１項に定める維持管理・運営業務計画書又は「民間事業者提案」に従った「維持管理・運営業務」の実施ができないとき、又は「要求水準」若しくは仕様が達成できない場

合、若しくはそれらの事態が生じるおそれを認める場合、その理由及び対処方法等を直ちに甲に報告しなければならない。

（甲によるモニタリング）

第49条甲は、「維持管理・運営期間」中、「本件施設」の維持管理・運営状況について、別紙８に規定されるモニタリングを実施する。

２乙は、前項に規定するモニタリングの実施につき、甲に対して最大限の協力を行わなければならない。

３第１項に規定するモニタリングの結果、「本件施設」の維持管理・運営状況が、本件事業契約、「維持管理・運営業務要求水準」、「民間事業者提案」又は第 40 条第１項に定める「維持管理・運営業務」計画書の内容を満たしていないことが判明した場合、甲は、別紙８に規定された措置をとるものとする。

４甲は、本条に規定するモニタリングの実施を理由として、「本件施設」の「維持管理・運営業務」の全部又は一部について何らの責任を負担するものではない。

（総括責任者）

第50条乙は、「維持管理・運営業務」の全体を総合的に把握し調整を行う「維持管理・運営業務」総括責任者、及び「維持管理・運営業務」の区分ごとに総合的に把握し調整を行う業務責任者を定め、業務の開始前に甲に届け出なければならない。甲に届け出た「維持管理･運営業務」総括責任者及び業務責任者を変更しようとする場合も同様とする。

２甲は、前項の総括責任者又は業務責任者がその業務を行うにあたり不適当と認められるときは、その事由を明記して、乙に交代を請求することができるものとし、乙は、かかる請求に対して誠実に対応しなければならない。

（「本件施設」の修繕）

第51条乙は、第 40 条の修繕業務計画書及び維持管理・運営業務計画書に基づき、「本件施設」の修繕を自己の責任及び費用において実施する。ただし、甲の責めに帰すべき事由により「本件施設」の修繕を行った場合、これに要した費用は甲が負担する。

２乙が維持管理・運営業務計画書にない修繕又は「本件施設」に重大な影響を及ぼす修繕を行う場合、事前に甲に対してその内容その他必要な事項を通知し甲の事前の承諾を得るものとする。

３乙は、「本件施設」の修繕を行った場合、必要に応じて当該修繕を「完成図書」に反映し、かつ、使用した設計図、施工図等の書面を甲に対して提出しなければならな

い。

（非常時への対応）

第52条乙は、「維持管理業務」の開始前に、「不可抗力」を含む災害その他の事故の防止

及び発生等の非常時の対応について甲と協議し、事故防止計画等の防災計画を策定する。

２乙は、「不可抗力」を含む災害その他の事故が発生した場合は、直ちに利用者等の安全を確保するとともに、損害拡大の防止に必要な措置をとらなければならない。

３乙は、前項に規定する措置をとったときは、速やかに甲に通報しなければならない。

４第 70 条第２項の規定に関わらず、本条第２項に規定する措置に要する経費は、乙が負担するものとする。

第７章「サービス購入料」の支払い

（「サービス購入料」の支払い）

第53条甲は、本件事業契約の規定に従い、乙に対して、「調査業務」、「設計業務」、「建設業務」、「工事監理業務」及び「維持管理・運営業務」の履行の対価として、別紙９に定める金額及びスケジュールに従い、「サービス購入料」を支払うものとする。

（「サービス購入料」の支払手続）

第54条「サービス購入料Ａ」については、別紙９に定めるところに従い、乙は、甲に

「本件施設」を引き渡した後、甲に支払いを請求することができるものとし､甲は請求書の受領後 40 日以内にこれを支払わなければならない。

２「サービス購入料Ｂ」については、別紙９に定めるところに従い、乙は、令和５年９月末日を初回とし、各「事業年度」の９月及び３月の各末日に請求書を甲に送付するものとし、甲は請求書受領後 30 日以内に支払わなければならない。

３「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」については、別紙９に定めるところに従い乙が実際に実施した業務につき甲が実施するモニタリングの結果に基づき、乙は、請求書を作成して甲に提出するものとし、甲は、請求書の受領後 30 日以内に支払わなければならない。

（「サービス購入料」の改定）

第55条「サービス購入料Ａ」、「サービス購入料Ｂ」、「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」の支払額は、別紙 10 に従って改定される。

（「サービス購入料」の減額）

第56条甲は、第 49 条第１項に規定する「維持管理・運営業務」に係るモニタリングにより、「維持管理・運営業務要求水準」を満たしていないことが判明した場合、別紙８に従い乙に対して当該事項の是正等を勧告することができるものとし、また、乙に支

払う「サービス購入料Ｃ」又は「サービス購入料Ｄ」の額を減額することができるものとする。

２前項の「サービス購入料Ｃ」又は「サービス購入料Ｄ」の減額等は、甲の乙に対する損害賠償の請求を妨げるものではなく、「サービス購入料Ｃ」又は「サービス購入料

Ｄ」の減額分を損害賠償の予定と解してはならない。

（「サービス購入料」の返還）

第57条乙は、第 41 条第１項の業務報告書に虚偽の記載があることが判明した場合、当該虚偽記載がなければ甲が減額し得た「サービス購入料Ｃ」又は「サービス購入料

Ｄ」の相当額を甲に返還しなければならない。

２乙は、前項の「サービス購入料Ｃ」又は「サービス購入料Ｄ」を返還する場合、「サービス購入料Ｃ」又は「サービス購入料Ｄ」を受領したときから甲に返還するまでの期間に応じ年 5.0％の割合により算出した違約金を付すものとする。

第８章契約期間及び契約の終了

（契約期間）

第58条本件事業契約の契約期間は、契約締結の日から令和 20 年３月 31 日までとする。

（期間満了時の「本件施設」の状態）

第59条乙は、前条の契約期間の満了時において、「本件施設」が「要求水準書」に規定された状態を満足するようにしなければならない。

２乙は、あらかじめ甲と協議のうえ日程を定め、前項の「本件施設」の状態について甲の確認を受けなければならない。

（本件事業契約終了時の事務）

第60条乙は、本件事業契約が終了した場合において、「本件施設」内の乙による「自動販売機等」等に乙が所有又は管理する資材、器具その他の物件（乙の業務を受託し又は請け負う者等が所有又は管理する物件を含む。）があるときは当該物件等を直ちに撤去しなければならない。

２乙は、本件事業契約が終了する場合には、甲又は甲の指示する者に、「維持管理・運営業務」について必要な引継ぎを行わなければならない。

３乙は、事由の如何を問わず、本件事業契約が終了した場合には、第 41 条の規定にかかわらず、前条及び前項の業務をすべて終了した上で、業務終了から 10 日以内に、最終支払対象期間の業務報告書を甲に提出し、甲の確認を受けるものとする。

（甲による任意解除）

第61条甲は、「本件 PFI 事業用地」又は「本件施設」が公用又は公共のために必要な場合、又は「本件 PFI 事業」の必要がなくなった場合には、90 日以上前に乙に通知することにより、本件事業契約の全部又は一部を解除することができる。ただし、「本件施設」の引渡後における本件事業契約の解除は、「維持管理・運営業務」に関する部分のみとする。

（乙の債務不履行等による解除）

第62条甲は、乙が次の各号の一に該当するときは、特段の催告をすることなく、本件事業契約の全部又は一部を解除することができるものとする。

（１）正当な理由なく、「設計業務」、「建設業務」、又は「維持管理・運営業務」に着手すべき期日を過ぎても当該業務に着手しないとき。

（２）その責めに帰すべき事由により、「引渡予定日」に「本件施設」の引渡しができないことが明らかなとき、又は「引渡予定日」経過後相当期間内に「本件施設」の引渡しをする見込みが明らかでないと認められるとき。

（３）乙が本件事業契約の条項に違反し、その違反により本件事業契約の目的を達成することができないと甲が合理的に判断したとき。

（４）乙が本件事業契約における義務の履行について重大な不正（「法令等」の重大な違反を含むが、これに限られない。）を行ったと判断するとき。

（５）前各号に掲げるもののほか、「法令等」及び本件事業契約に違反し、甲が相当な期間を定めて催告をしてもこれを是正しないとき。

（６）乙又はその役員等が暴力団等であることが判明したとき。

（７）構成員又はその役員等が暴力団等であることが判明したとき。

（８）構成員が「本件 PFI 事業」に関する業務を第三者に行わせる場合において、当該第三者が暴力団等であると知りながら契約を締結したと認められるとき。

（９）乙が第 11 条第６項の規定による甲の要求に従わなかったとき。

（10）前四号に掲げるもののほか、乙が正当な理由なく本件事業契約に違反し、その違反により暴力団等を利する行為をし、又はそのおそれがあると認められるとき。

２甲は、「本件 PFI 事業」を継続することが合理的と判断した場合、前項の規定により本件事業契約の全部又は一部を解除することに代えて、甲、乙及び乙の株主との間における協議を経た上で、乙の株主をして、乙の全株式を、法令等に基づき、甲が認める条件で、甲が承認する第三者へ譲渡させることができる。

３甲は、「本件 PFI 事業」を継続することが合理的と判断した場合、第１項の規定により本件事業契約の全部又は一部を解除することに代えて、乙をして、乙の本件事業契

約の地位を、法令等に基づき、甲が認める条件で、甲が承認する第三者へ譲渡させることができる。

４甲は、乙の破産、会社更生、民事再生又は特別清算の手続の開始その他これらに類似する手続の開始が申立てられ、又は自ら申し立てたときは、本件事業契約の全部又は一部を解除することができるものとする。

（甲の債務不履行による解除等）

第63条乙は、甲が本件事業契約に基づいて支払うべき「本件 PFI 事業」の対価及びその他の金銭の支払を遅延した場合若しくは甲がその他の本件事業契約上の重要な義務に違反した場合で、乙による通知の後 60 日以内に支払わず又は当該違反を是正しない場合、本件事業契約の全部又は一部を解除することができるものとする。

（引渡前の解除の効力）

第64条甲は、第 35 条の「本件施設」の引渡前に第 61 条、前条、第 71 条又は第 74 条の規定により本件事業契約を解除するとき、自己の責任及び費用により「本件施設」の出来高部分（設計の出来高部分を含む。以下同じ。）を検査の上、当該検査に合格した部分（以下「合格部分」という。）を乙より買い受け、その引渡しを受けるものとす

る。

２甲は、前項の検査において必要と認めるときは、あらかじめその理由を乙に通知のうえ、出来高部分を最小限度破壊して検査することができるものとする。

３甲は、第１項の「本件施設」の出来高部分の引渡を受けたときは、当該出来高部分の対価、第 66 条第４項に規定する賠償額及び乙が本件事業契約に基づく業務を終了させるために要する費用のうち合理的な金額を、予算の定めるところに従い、乙に対して支払うものとする。

４乙は、第 35 条の「本件施設」の引渡前に第 62 条各項の規定により本件事業契約が解除され、甲が「本件施設」の出来高部分を利用する場合には、乙の責任及び費用において当該出来高部分について甲の検査を受けなければならず、甲は、当該検査の合格部分を乙より買い受け、その引渡しを受けることができるものとする。

５甲は、前項の「本件施設」の出来高部分の引渡しを受けたときは、当該出来高部分の対価を一括又は本件事業契約の解除前の支払スケジュールに従って支払うことができるものとする。

６甲は、第 35 条の「本件施設」の引渡前に第 61 条又は前条の規定により本件事業契約が解除された場合、甲の検査に合格して甲に納品した「施設備品」の購入費を予算に定めるところに従って支払うものとする。

７第１項の規定にかかわらず、同項に規定する事由により本件事業契約が解除され、甲

が「本件 PFI 事業用地」を原状（更地）回復することが妥当と判断し、これを乙に通知した場合、乙は、「本件 PFI 事業用地」を原状（更地）に回復したうえで甲に対して引き渡すものとする。この場合、甲は、合理的な範囲で、かかる原状回復のための費用を負担する。甲が乙に対して原状回復の通知を行ったにも関わらず、乙が正当な理由なく相当の期間内に原状回復を完了しない場合は、甲は、乙に代わり原状回復を行うことができ、これに要した費用を乙に求償することができる。この場合、乙は、甲の処分について異議を申し出ることができない。

８第４項の規定にかかわらず、第 62 条各項に規定する事由により本件事業契約が解除され、甲が「本件 PFI 事業用地」を原状（更地）回復することが妥当と判断し、これを乙に通知した場合、乙は、「本件 PFI 事業用地」を原状（更地）に回復したうえで甲に対して引き渡すものとする。この場合、乙は、かかる原状回復のための全ての費用を負担しなければならない。甲が乙に対して原状回復の通知を行ったにも関わらず、乙が正当な理由なく相当の期間内に原状回復を完了しない場合は、甲は、乙に代わり原状回復を行うことができ、これに要した費用を乙に求償する。この場合、乙は、甲の処分について異議を申し出ることができない。

（引渡後の解除の効力）

第65条本件事業契約は、「本件施設」の引渡し後に第 61 条、第 62 条各項、第 63 条、第

71 条又は第 74 条の規定により本件事業契約が解除された場合、将来に向かって終了するものとし、甲は、「本件施設」の所有権を引き続き保有するものとする。

２甲は、第１項に掲げる規定により本件事業契約が解除された日から 15 日以内に「本件施設」の現況を検査するものとし、当該検査により、「本件施設」に乙の責めに帰すべき事由による損傷等を認め、又は、前項による使用開始前の状態への復旧が不十分と認めるときは、乙に対してその修繕、補修等を求めることができる。この場合において、乙は、自らの費用と責任で必要な修繕、補修等を実施した後、速やかにその旨を甲に通知し、甲は、当該通知の受領後 10 日以内に当該修繕、補修等の完了の検査を行わなければならない。

３乙は、前項の手続終了後速やかに「本件施設」に係る「維持管理・運営業務」を甲又は甲の指定する者に引き継ぐものとする。

４甲は、第１項に規定する本件事業契約が解除され前項の規定に従い甲又は甲の指定する者が「維持管理・運営業務」の引継ぎを受けた場合、「サービス購入料Ａ」のうち未払いの部分及び「サービス購入料Ｂ」の部分の元本の残額を、利息を付して解除前のスケジュールに従って支払うものとする。

５「本件施設」の引渡後に第 61 条ないし第 63 条、第 71 条又は第 74 条の規定により本件事業契約が解除された場合の、「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」の

支払は、第 54 条第３項のとおりとする。

（違約金等）

第66条乙は、第 62 条各項の規定により本件事業契約が解除された場合においては、次の各号に従い、甲に対して、甲の指定する期限までに違約金を支払わなければならない。

（１）「本件施設」の引渡し前にあっては、「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」の合計額（消費税を含み、支払利息相当額を除く金●●円とする。）の 10％に相当する額。

（２）「本件施設」の引渡後にあっては、解除の日が属する「事業年度」の「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」の総額（消費税を含む。）の 10％に相当する額。

２乙は、第 62 条各項に基づく解除に起因して甲が被った損害額が前項の違約金の額を上回るときは、その差額を甲の請求に基づき支払わなければならない。

３第１項の場合において、甲は、履行保証保険契約の保険金等を受領したときは、これをもって違約金に充当することができるものとする。

４乙は、第 61 条又は第 63 条の規定により本件事業契約が解除された場合、甲に対して、当該解除により被った損害の賠償を請求することができるものとする。

５甲は、第 71 条又は第 74 条の規定により本件事業契約が解除された場合、乙に対して、乙が本件事業契約に基づく業務の履行を終了するために必要な費用を負担する。

（保全義務）

第67条乙は、契約解除（「維持管理・運営業務」の部分のみが解除された場合を含む。）の通知の日から第 64 条第１項又は同条第４項の引渡し又は第 65 条第３項による「維持管理・運営業務」の引継ぎ完了のときまで、自らの負担で「本件施設」の必要最小限の維持保全に努めなければならない。

（関係書類の引渡し等）

第68条乙は、甲に対し、第 64 条第１項又は同条第４項の引渡し若しくは第 65 条第３項による「維持管理・運営業務」の引継ぎ完了と同時に、「設計図書」、「完成図書」等の

「本件施設」の建設及び修補に係る書類その他「本件施設」の建設、維持管理及び運営に必要な書類一切を引渡さなければならない。ただし、乙が既に甲に対して引き渡している書類についてはこの限りではない。

２甲は、第 35 条第１項に従い引渡しを受けた「施設備品」について、「本件施設」の維持管理及び運営のために無償で自由に使用（甲の職員及び「本件施設」の利用者による使用を含む。以下、本項において同じ。）することができるものとし、乙は、甲によ

る「施設備品」の自由な使用が第三者の著作権及び著作者人格権を侵害しないよう、必要な措置をとるものとする。

第９章「不可抗力」

（通知の付与）

第69条乙は、「不可抗力」により、「本件 PFI 事業」が「法令等」、本件事業契約、「入札説明書等」、「民間事業者提案」、第 24 条第１項に規定する施工計画書に基づいて遂行できなくなった場合、直ちに甲に対してこれを通知するものとし、その後速やかに甲に対して書面にて詳細（「本件施設」、現場に搬入済みの資材等その他の乙又は第三者に生じた損害についての記載を含む。）を報告するものとする。かかる報告を受けた場合、甲は直ちに調査を行い、損害の状況を確認し、その結果を乙に通知するものとする。

２甲及び乙は、「不可抗力」により本件事業契約における自らの義務が履行不能となった場合は、前項の通知時点以降において、当該義務の履行を免れるものとする。ただし、甲及び乙は、「不可抗力」により相手方に発生する損害を最小限にするよう努めるものとする。

（協議及び費用・損害負担）

第70条甲及び乙は、前条第１項の通知後速やかに、当該「不可抗力」に対する対応、増加費用及び損害の負担等について協議しなければならない。当該協議が、「不可抗力」が生じた日から 60 日以内に整わない場合は、甲は、当該「不可抗力」に対する対応を乙に通知するものとし、乙はこれに従い「本件 PFI 事業」を継続しなければならな

い。

２「不可抗力」により発生した増加費用及び損害の負担は、別紙６に定める負担割合によるものとする。

（「不可抗力」の場合の解除）

第71条甲は、「不可抗力」により、「本件施設」の損傷又は長期間にわたる事業停止等が生じ、その修復が困難である場合、その他「本件 PFI 事業」の継続の可能性がないと認められる場合には、乙と協議の上、本件事業契約を解除することができるものとする。

第 10 章「法令等変更」

（通知の付与）

第72条乙は、「法令等変更」により、「本件 PFI 事業」が「法令等」、本件事業契約、「入札説明書等」、「民間事業者提案」、第 24 条第１項に規定する施工計画書に基づいて遂行できなくなる場合、乙はその詳細を記載した書面をもって甲にこれを通知するものとする。

２甲及び乙は、「法令等変更」により本件事業契約における自らの義務の履行が当該

「法令等変更」後の「法令等」に違反することとなった場合は、前項の通知時点以降において、当該義務の履行を免れるものとする。ただし、甲及び乙は、「法令等変更」により相手方に発生する損害を最小限にするよう努めるものとする。

（協議及び費用・損害負担）

第73条甲及び乙は、前条第１項の通知後速やかに、当該「法令等変更」に対する対応及び増加費用並びに損害の負担等について協議しなければならない。当該協議が、「法令等変更」の施行日までに整わない場合は、甲は、当該「法令等変更」に対する対応を乙に通知するものとし、乙は、これに従い「本件 PFI 事業」を継続しなければならない。

２「法令等変更」により発生した増加費用及び損害の負担は、別紙６に定める負担割合によるものとする。

（「法令等変更」の場合の解除）

第74条甲は、「法令等変更」により「本件 PFI 事業」の継続の可能性が失われたと認められる場合には、乙と協議の上、本件事業契約を解除することができるものとする。

第 11 章「自動販売機等」

（「自動販売機等」の運営）

第75条乙は、本件事業契約、「要求水準書」及び「民間事業者提案」に従い、「自動販売機等」を「本件施設」内に整備したうえ、かつこれを運営するものとする。

２乙は、「自動販売機等」の運営のために、第三者と契約を締結する必要がある場合には、乙（構成員を含む。）の名義でこれを締結するものとする。

３乙は、甲の事前の承諾を得て、「自動販売機等」の運営を終了することができるものとする。甲は、乙による「自動販売機等」の運営の終了がやむを得ないと認めるときは、これを承諾するものとする。ただし、本項による「自動販売機等」の運営の終了に伴う損害、費用等は全て乙が負担しなければならない。

（「自動販売機等」に係る施設の使用等）

第76条甲は、乙による「自動販売機等」の実施に必要な場所（以下「自動販売機等部分」という。）を、静岡市財産管理規則（平成 15 年静岡市規則第 50 号）第 25 条に基づき、行政財産の目的外使用として乙に有償で使用させるものとする。ただし、乙による「自動販売機等」が同 25 条に基づく目的外使用によりがたい場合は、甲と乙は、協議により「自動販売機等部分」の貸付けに係る契約（以下「施設有償貸付契約」という。）を締結し、甲はこれに基づき「自動販売機等部分」を乙に有償で貸付けるものとする。

２前項により、甲が乙に「自動販売機等部分」を貸し付けた場合で、乙が、「自動販売機等部分」の全部または一部を第三者に貸し付けようとするときには、乙は、事前に当該第三者の概要及びその他甲が合理的に要求した内容を記載した書面によって甲に申請し、その承諾を受けなければならない。

３前項により、乙が「自動販売機等部分」の全部または一部を第三者に貸し付ける場合に乙が第三者と締結する賃貸借契約は、借地借家法（平成３年法律第 90 号）第 38 条に定める定期建物賃貸借としなければならず、かつ貸付期間は「施設有償貸付契約」の貸付期間内とする。

（「自動販売機等」の「事業期間」等）

第77条「自動販売機等」の運営は、本件事業契約に別段の規定がない限り「事業期間」の終了日をもって終了する。

２乙は、「自動販売機等」の供用開始は、「本件施設」の供用開始と同時としなければならない。

３「自動販売機等」に係る本件事業契約終了時の手続に関する諸費用及び乙の清算に必要な費用はすべて乙が負担する。

（自己責任）

第78条乙は、本件事業契約において「自動販売機等」における設計・建設及び維持管理・運営に関する一切の責任を負うものとする。また、乙が「自動販売機等」を設計・建設及び維持管理・運営する過程で第三者に損害を及ぼしたときは、乙はその損害の一切を賠償しなければならず、その損害賠償に関連して、甲に対して、補償等の名目のいかんを問わずいかなる金銭支払請求権も有しないものとする。

２「不可抗力」又は｢法令等変更｣により「自動販売機等」に関する設計・建設及び維持管理・運営に関連した事項について事故・トラブルが発生した場合、乙がその当該事故・トラブルにより発生した損害・費用等を負担する。

（甲への報告義務）

第79条乙は、次の事項について、当該「事業年度」の半期ごとに半期報告書及び年度報告書により甲に報告するものとする。

（１）「自動販売機等」の利用に関する事項

（２）「自動販売機等」に係る財務に関する事項

（契約期間終了後の「自動販売機等」の取扱い）

第80条第 65 条第１項の規定にかかわらず、「本件施設」の乙から甲に対する引渡し以降において、第 61 条ないし第 63 条に定める契約期間の満了前の解除の場合の「施設有償貸付契約」の継続を含む「自動販売機等」の存置については、甲及び乙で協議のうえ、決定するものとする。

２前項に定める場合のほか、「施設有償貸付契約」に定める貸付期間が満了することが予定される場合にあっては、甲及び乙は当該期間満了日の２年以上前に、「施設有償貸付契約」の更新を含む「自動販売機等」の存置について協議を開始するものとする。

３乙は、「施設有償貸付契約」が終了したときは、速やかに「自動販売機等」に関する第三者との施設賃貸借契約を終了させ、全ての入居者を退去させなければならない。この場合において、退去に要する費用（合理的な範囲の入居者への補償も含む。）は全て乙の負担とする。

４「事業期間」終了（第 71 条及び第 74 条に基づく解除の場合を含む。）後の「自動販売機等」の取扱いについては、乙が継続使用を希望し、甲が必要があると認めるときは、乙は継続して使用することができる。乙が継続使用を希望しない場合は、乙の負担で「自動販売機等」のうち甲との共用部分を除いた部分を解体・撤去するものとする。解体・撤去する場合は、配管等の付属物を撤去し、アンカーボルトの除去跡等を原状回復するなど「本件施設」の運営に影響の無いように整備しなければならない。

第 12 章その他

（乙の権利義務の譲渡）

第81条乙は、事前に甲の承諾を得なければ、本件事業契約上の地位及び本件事業契約に係る権利義務の全部又は一部を第三者に譲渡し、担保権を設定し又はその他の処分をしてはならない。

２乙は、事前に甲の承諾を得なければ、合併、株式交換・移転、会社分割、営業譲渡その他会社の基礎の変更をしてはならない。株式、新株予約権及び新株予約権付社債の発行並びに資本増加についても、同様とする。

３甲は、前二項に定める行為が、乙の経営若しくは「本件 PFI 事業」の安定性を著しく

阻害し、又は甲の事業に関与することが適当でない者が参加することとなると認める場合には、承諾を与えないことができる。

（乙の兼業禁止）

第82条乙は、本件事業契約による事業以外の業務を行ってはならない。ただし、事前に甲の承諾を得た場合は、この限りでない。

（経営状況の報告）

第83条乙は、本件事業契約の終了にいたるまで、各「事業年度」の最終日以前に、翌年度の予算の概要を甲に提出しなければならない。

２乙は、本件事業契約の終了にいたるまで、各「事業年度」ごとに、当該年度の財務書類（会社法（平成 17 年法律第 86 号）第 435 条第２項に定める計算書類）を作成し、公認会計士又は監査法人の監査を受けたうえで、当該「事業年度」の最終日から３ヶ月以内に、甲に提出しなければならない。

（遅延利息）

第84条甲の責めに帰すべき事由により、本件事業契約に基づく「サービス購入料」の支払が遅延した場合には、乙は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律（昭和 24 年法律第 256 号）第８条第１項の規定に基づき財務大臣が決定する率（以下「財務大臣が決定する率」という。）により計算した額の遅延利息の支払を甲に請求することができる。

２乙が、本件事業契約に基づく違約金その他の損害金を甲の指定する期日までに支払わなかったときは、その指定する期日を経過した日から違約金等の支払いをする日までの日数に応じ、年 5.0％の割合で計算した額の遅延利息を支払わなければならない。

（守秘義務）

第85条乙は、甲の承諾がある場合を除き、本件事業契約の遂行過程で知り得た甲の秘密に属する事項及び「本件施設」の利用者に関する個人情報を本件事業契約の目的以外の目的で使用してはならず、第三者に提供してはならない。

２乙は、「本件施設」の利用者の個人情報を取り扱うにあたっては、静岡市個人情報保護条例（平成 17 年静岡市条例第９号）及び別紙 12 を遵守しなければならない。

３乙は、防犯カメラ等を設置した場合、その管理及び運営については、甲が定めた静岡市防犯カメラ等の個人情報の保護に配慮した設置及び運用に関する要綱（平成 18 年２月１日施行）に基づき実施するものとする。

４乙は、防犯カメラ等を設置した場合、その管理に関する責任者及び操作者を選任し、

甲に報告するものとする。変更したときも、また同様とする。

（情報公開）

第86条乙は、静岡市情報公開条例（平成 15 年静岡市条例第４号）の趣旨に即して、自らが保有する「維持管理・運営業務」に係る情報の公開に努めなければならない。

（著作権等）

第87条「本件施設」の維持、管理、運営、広報等のために必要な範囲で、乙は、甲に対し、次の各号に掲げる「本件施設」の利用を承諾する。

（１）「本件施設」を写真、模画、絵画その他の媒体により表現すること。

（２）「本件施設」を増築し、改築し、修繕し、模様替により改変し、又は取り壊すこと。

２乙は、甲に対し、「本件施設」の内容（公にすることにより乙又は乙の構成員等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのあるものを除く。）を自由に公表することを承諾する。

３前二項及び次条の規定は、本件事業契約が満了（満了前に契約が解除された場合を含む。）の後も、引き続き、その効力を存するものとする。

４乙は、「本件施設」に乙又は第三者の実名、変名又は通称を表示してはならない。ただし、事前に甲の承諾を得た場合は、この限りでない。

（著作権等の譲渡禁止）

第88条乙は、「本件施設」に係る著作権法（昭和 45 年法律第 48 号）第２章及び第３章に規定する乙の権利を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、事前に甲の承諾又は同意を得た場合は、この限りでない。

（著作権の侵害の防止）

第89条乙は、「本件施設」が、第三者の有する著作権を侵害するものではないことを、甲に対して保証する。

２乙は、その作成する成果物が第三者の有する著作権等を侵害し、第三者に対して損害の賠償を行い、又は必要な措置を講じなければならないときは、乙がその賠償額を負担し、又は必要な措置を講ずるものとする。

（工業所有権）

第90条乙は、特許権等の工業所有権の対象となっている技術等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、甲が当該技術等の使用を

指定した場合であって乙が当該工業所有権の存在を知らなかったときは、甲は、乙がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。

第 13 章保険

（保険加入義務）

第91条乙は、「建設工事」に関しては、「建設企業」に対し、建設中の物件の保全に関する保険及び工事に起因する第三者賠償責任保険に加入するよう義務づけなければならない。

２乙は、「本件施設」の引渡後本件事業契約終了時まで、第三者賠償責任保険に加入しなければならない。ただし、乙から「本件施設」の「維持管理・運営業務」を一括して委託された第三者が同様の保険に加入した場合は、この限りでない。

３乙は、前項に定める保険のほか、「民間事業者提案」に従い保険に加入し、又は第三者をして加入させなければならない。

４乙又は第三者が、前三項の規定により保険契約を締結したときは、乙はその証券を直ちに甲に提示しなければならない。

第 14 章協議会

（協議会の設置）

第92条甲及び乙は、必要と認めるときは、「本件 PFI 事業」の実施に関する協議を行うことを目的として、関係者協議会を設置することができる。

第 15 章雑則

（甲の支払い）

第93条甲は、本件事業契約に基づいて乙に金銭を支払う場合において、乙が甲に対して期限の到来している債務を負担しているときは、当該債務の金額を控除したうえで乙に対する支払を行うことができる。

（疑義に関する協議）

第94条甲及び乙は、本件事業契約の実施に当たって疑義が生じた場合には、誠意を持って協議しなければならない。

（金融機関等との協議）

第95条甲は、「本件 PFI 事業」の継続性を確保するため、乙に対し資金提供を行う金融機関等と協議を行い、直接協定を締結することができる。

（裁判管轄）

第96条本件事業契約に関する訴訟は、静岡市を管轄する静岡地方裁判所に提起するものとする。

（その他）

第97条本件事業契約に定める請求、通知、報告、承諾、確認、承認、勧告、催告及び解除は、書面により行わなければならない。

２本件事業契約は、日本国の法令に準拠する。

３本件事業契約の履行に関して甲乙間で用いる言語は、日本語とする。

４本件事業契約に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。

５本件事業契約の履行に関して甲乙間で用いる計量単位は、「設計図書」に特別の定めがある場合を除き、計量法（平成４年法律第 51 号）に定めるところによる。

６本件事業契約における期間の定めについては、民法（明治 29 年法律第 89 号）及び商

法（明治 32 年法律第 48 号）の定めるところによる。

別紙１「本件 PFI 事業用地」

「本件 PFI 事業用地」は以下から構成される。静岡市清水区袖師町 2001、及び 2002

ただし、基本協定第８条に規定する駐車場事業用地定期借地権設定契約（本契約）の締結後は駐車場事業用地に該当する部分（以下に図示する。）は除外され、「設計・建設工事期間」後は民間施設用地に該当する部分（以下に図示する。）は除外される。

[図示]

別紙２事業概要

（１）事業名称清水庁舎整備等事業

（２）事業者名称

（３）事業内容乙が実施する「本件 PFI 事業」の範囲は次のとおりとする。ア設計・建設業務

（ア）事前調査業務及び関連業務

（イ）設計業務及び関連業務

（ウ）建設業務及び関連業務

（エ）工事監理業務及び関連業務

（オ）既存施設解体撤去等業務

（カ）施設備品調達・設置業務イ維持管理業務

（ア）点検・保守・経常修繕業務

（イ）外構等管理業務

（ウ）環境衛生管理業務

（エ）清掃業務

（オ）警備業務

（カ）電話交換業務ウ運営業務

（ア）総合案内業務

（イ）自動販売機による飲食物の販売業務

（ウ）各種証明用無人写真撮影機による写真の撮影、販売業務エ甲が行う業務との調整・協力

（ア）現清水庁舎からの施設備品等の移転及び廃棄業務

（イ）施設備品等の調達、保守及び修繕業務（ア（カ）の業務範囲を除く）

（ウ）乙に対して行う業務のモニタリング

（エ）その他甲が行う業務

別紙３「本件施設」の概要

項目	内容
用途	庁舎施設
構造	構造種別：構造形式：
階層	地上●階建て
延床面積	●㎡
敷地面積	●㎡
駐車場台数	●台
駐輪場台数	●台

※本表における数値は、第 16 条第２項における甲と乙の間で行う設計協議等により確定する。

別紙４本件 PFI 事業日程表

本件事業契約（本契約）の締結	静岡市議会の議決のあった日
「建設工事開始予定日」	令和●年●月●日
「引渡予定日」	令和５年３月 31 日
「維持管理・運営期間」開始日	令和５年４月１日
「供用開始日」	令和５年５月８日
「維持管理・運営期間」終了日	令和 20 年３月 31 日

別紙５「設計図書」及び「完成図書」

１「基本設計図書」

（１）表紙、目次

（２）建築総合

ア基本設計説明書イ建築総合設計図

（ア）仕様概要表

（イ）仕上表（外部・内部）

（ウ）面積表及び求積図

（エ）敷地案内図

（オ）配置図

（カ）平面図

（キ）断面図

（ク）立面図

（ケ）矩計図（主要部詳細）

（サ）展示設備図

（シ）外構図（駐車場、駐輪場、連絡通路、植栽等）

（ス）日影図

（３）建築構造

ア基本構造計画案イ構造計画概要書ウ構造仕様概要書エ構造設計図

（４）電気設備

ア電気設備計画概要書イ仕様概要書

ウ電気設備基本設計図

（５）給排水衛生設備

ア給排水衛生設備計画概要書イ仕様概要書

ウ給排水衛生設備基本設計図

（６）空気調和・換気設備

ア空気調和・換気設備計画概要書イ仕様概要書

ウ空気調和・換気設備基本設計図

（７）建築関連備品

ア主要備品リストイ主要備品仕様

（８）完成予想図等ア鳥瞰図

イ内観パース

（９）その他資料等ア工事費概算書イ各種技術資料

ウ工事計画書（建築計画、工程計画等）エその他提案内容により必要となる図書オ各記録書

カ CAD データ（CD-R 等）

キその他甲及び乙が協議して定めた図書

（注）１．建築構造の成果物は建築総合設計図に含めることもできる。

２．電気設備、給排水衛生設備及び空気調和・換気設備の成果物は建築総合設計図に含めることもできる。

３．設計図等は、適宜、追加してもよい。

４．CAD データの保存形式等については、業務着手時に甲と協議する。

５．工事費概算書には、単価に関する資料を含むものとする。

６．提出時の体裁、部数等については、別途甲の指示するところによる。

２「実施設計図書」

（１）表紙、目次

（２）建築総合設計図

ア仕様書（特記仕様書含む）イ仕様書概要表

ウ仕上表

エ面積表及び求積図オ敷地案内図

カ配置図

キ平面図

ク断面図

ケ立面図

コ矩計図

サ展開図シ天井伏図

ス平面詳細図セ部分詳細図ソ建具表

タ建具図

チ建具詳細図（遮音扉等含む）ツサイン計画図

テ外構図（駐車場、駐輪場、連絡通路、植栽等）ト日影図

ナ解体図

（３）建築構造ア仕様書

イ構造設計図

（４）電気設備設計図ア仕様書

イ敷地案内図ウ配置図

エ受変電設備図オ発電設備図カ電力貯蔵設備

キ電力平準化設備

ク幹線系統図・平面図ケ照明器具姿図

コ電灯分電盤結線図

サ電灯コンセント設備平面図シ動力分電盤結線図

ス動力設備平面図

セ弱電設備系統図（非常放送、音声誘導装置、電気時計、監視カメラ等）ソ弱電機器姿図

タ弱電設備平面図

チ映像音響設備機器姿図・平面図ツ電話・LAN 設備系統図・平面図テテレビ共同受信系統図・平面図

ト防犯・入退室管理設備系統図・平面図ナ火災報知設備等系統図

ニ火災報知設備等平面図ヌ雷保護設備図

ネ構内配電線路図ノ構内通信線路図

（５）給排水衛生設備設計図ア仕様書

イ敷地案内図ウ配置図

エ衛生機器・器具表

オ給排水衛生設備配管系統図カ給排水衛生設備配管平面図キポンプ室詳細図

ク消火設備系統図ケ消火設備平面図コ特殊設備設計図サ部分詳細図

シ屋外設備図ス枡リスト

（６）空気調和・換気設備設計図ア仕様書

イ敷地案内図ウ配置図

エ空気調和設備系統図オ空気調和設備平面図

カ空気調和設備ダクト詳細図

キ空気調和設備ダクト遮音層貫通部詳細図ク排煙ダクト系統図

ケ排煙ダクト平面図コ換気設備系統図サ換気設備平面図シ機械室配置詳細図

ス特殊設備設計図（自動制御装置等）セ部分詳細図

ソ屋外設備図

（７）中央監視設備設計図ア仕様書

イ敷地案内図ウ配置図

（８）昇降機設備設計図ア仕様書

イ敷地案内図ウ配置図

エ昇降路各階平面図オ昇降路ピット平面図カ昇降路断面図

（９）建築関連備品

ア主要備品リストイ主要備品仕様ウ主要備品配置図

（10）完成予想図等ア鳥瞰図

イ内観パースウ模型

（11）その他資料等ア工事費内訳書

イ積算数量算出書ウ積算数量調書

エ起債対象内外の積算内訳書オ起債関係資料

カ確認申請図書

キ法的検討書(構造、設備等各種計算書含む)ク各種技術資料

ケユニバーサルデザイン配慮説明書コ建築物環境配慮計画書

サ防災配慮計画書

シその他提案内容により必要となる図書ス各記録書

セ CAD データ（CD-R 等）

ソその他甲及び乙が協議して定めた図書

（注）１．建築構造の成果物は建築総合設計図に含めることもできる。

２．実施設計図等は、適宜、追加してもよい。

３．CAD データの保存形式等については、業務着手時に甲と協議する。

４．工事費内訳書には、単価に関する資料（見積書、単価根拠等）を含むものとする。

５．提出時の体裁、部数等については、別途甲の指示するところによる。

３「完成図書」

（１）完成通知書

（２）工事完成引渡書

（３）鍵及び専用工具引渡書

（４）官公署・事業会社の許可書類一覧表

（５）検査試験成績書

（６）保守点検実施内容説明書

（７）各種設備又は「施設備品」に関する保証書

（８）消防法第 17 条の３の２の規定による検査済証

（９）完成図（工事完成図一式）

（10）工事記録写真及び竣工写真

（11）建築主の要求による登記に関する書類

（12）建築基準法第６条第１項の規定による確認済証

（13）建築基準法第７条第３項の規定による中間検査合格証

（14）建築基準法第７条第１項の規定による検査済証

（15）建築士法第 20 条第２項の規定による工事監理報告書

（16）その他必要となる許可書、検査済証、届出書、報告書等

（17）その他甲及び乙が協議して定めた図書

（注）１．「完成図書」については、上記の図書の写しを提出するものとする。

２．提出時の体裁、部数等については、別途甲の指示するところによる。

別紙６損害、損失及び増加費用の負担

１「不可抗力」による増加費用及び損害の負担割合

（１）「設計・建設工事期間」

「設計・建設工事期間」に「不可抗力」が生じ、「本件施設」に損害（ただし、（乙が善良なる管理者の注意義務を怠ったことに基づくものを除き、乙の得べかりし利益は含まない。以下、本別紙６において同じ。）、損失及び費用が発生した場合、当該損害、損失及び増加費用の額が、「設計・建設工事期間」中における累計で、「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」の合計額（消費税を含み、支払利息相当額を除く金●●円とする。）の１％に至るまでは乙が負担するものとし、これを超える額については甲が負担する。ただし、当該「不可抗力」事由により保険金が支払われる場合、乙の負担額を超えた当該保険金額相当額は、甲の負担部分から控除する。

（２）「維持管理・運営期間」

「維持管理・運営期間」（「設計・建設工事期間」と重複する期間を除く。）中に「不可抗力」が生じ、「本件施設」の全部又は一部に損害、損失及び費用が発生した場合、当該損害、損失及び増加費用の額が一「事業年度」につき累計で「不可抗力」が生じた日が属する「事業年度」において支払われるべき「サービス購入料Ｃ」又は「サービス購入料Ｄ」（第 55 条の規定による改定を考慮し、かつ第 56 条の規定による減額を考慮しない金額とする。）の１％に至るまでは乙が負担するものとし、これを超える額については甲が負担する。ただし、当該「不可抗力」事由により保険金が支払われる場合、乙の負担額を超えた当該保険金額相当額は、甲の負担部分から控除する。

２「法令等変更」による損害、損失及び増加費用の負担割合

		甲負担割合	乙負担割合
①	「本件施設」の「設計・建設業務」及び「維持管理・運営業務」に係わる「法令等変更」の場合	100％	０％
②	消費税及び地方消費税に関する変更、又は乙に課される税金の内その利益に課されるもの以外に関する税制度に係る「法令等変更」の場合	100％	０％
③	「本件 PFI 事業」に関する新税の成立や税率の変更の内、乙の費用増加が明らかで、乙による費用増加抑制が不可能なものに関する税制度に係る「法令等変更」の場合	100％	０％

甲負担割合

乙負担割合

④

①ないし③以外の「法令等変更」の場合

０％

100％

⑤

①ないし④にかかわらず、「自動販売機等」に係

わる「法令等変更」の場合

０％

100％

なお、①「本件施設」の「設計・建設業務」及び「維持管理・運営業務」に係わる「法令等変更」とは、特に、「本件施設」の「設計・建設業務」、「維持管理・運営業務」その他

「本件 PFI 事業」に関する事項を類型的又は特別に規制することを目的とした「法令等変更」を意味するものとする。ただし、法人税その他の税制変更及び乙又は「本件 PFI 事業」に対して一般に適用される法律の変更はこれに含まれないものとする。

３減少費用の帰属

費用が減少したときは、減少分は甲に帰属し、「サービス購入料」を減額する。

別紙７保証書の様式

保証書（案）

（あて先）静岡市長

〔「建設企業」〕（以下「保証人」という。）は、清水庁舎整備等事業（以下「本件 PFI

事業」という。）に関連して、●●（以下「乙」という）が静岡市（以下「甲」とい

う。）との間で令和２年●月●日付けで仮契約を締結し、令和２年●月●日の静岡市議会の議決により本契約に移行した事業契約（以下「本件事業契約」という。）に基づいて、乙が甲に対して負担するこの保証書第１条の債務（以下「主債務」という。）を乙と連帯して保証するため、この保証書（以下「本保証書」という。）を甲に差し入れます。なお、本保証書において用いられる用語は、本保証書において特に定義された場合を除

き、本件事業契約において定められるのと同様の意味を有するものとします。

（保証）

第１条保証人は、本件事業契約約款第 37 条第１項に規定する乙の債務を乙と連帯して保証します。

（通知義務）

第２条甲が、工期の変更、延長、工事の中止その他本件事業契約又は主債務の内容に変更が生じたことを保証人に対して通知した場合、本保証書の内容は、甲による当該通知の内容に従って、当然に変更されるものとします。

（保証債務の履行の請求）

第３条保証人は、甲より送付された甲が定めた様式による保証債務履行請求書を受領した日から 30 日以内に当該請求に係る保証債務の履行を開始します。なお、甲及び保証人は、本項に規定する保証債務の履行期限を、別途協議の上、決定するものとしま

す。

２保証人は、主債務が金銭の支払を内容とする債務である保証債務の履行については、当該保証債務履行請求書を受領した日から 30 日以内に当該請求に係る保証債務の履行を完了します。

（求償権の行使）

第４条保証人は、甲の承諾がある場合を除き、本件事業契約に基づく乙の債務がすべて履行されるまで、保証人が本保証書に基づく保証債務を履行したことにより代位によ

って取得した権利を、行使しません。

（終了及び解約）

第５条保証人は、本保証を解除又は解約せず、またその無効及び取消を主張しません。

２本保証書は、本件事業契約約款第 37 条第１項に基づく乙の債務が完全に履行され又は消滅した場合、消滅するものとします。

（管轄裁判所）

第６条本保証書に関する訴訟は、静岡地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とします。

（準拠法）

第７条本保証書は、日本法に準拠するものとし、これによって解釈されるものとします。

以上の証として本保証書が２部作成され、保証人はこれに記名押印し、１部を甲に差し入れ１部を自ら保有します。

令和年月日

保証人名称

所在地

代表者職・氏名

別紙８モニタリング及び対価の停止等

１基本的考え方

（１）モニタリングの考え方

「本件施設」は、甲における重要な施設であり、その機能の麻痺に直結する状態や支障を与えるような状態が、乙の責めに帰すべき事由により生じてはならない。また、乙は、甲から「本件施設」の設計・建設、維持管理・運営の実施を委ねられた事業主体として安定的かつ継続的に「本件 PFI 事業」の遂行を可能とする財務状況を有し、適切なリスク対策を講じていることが求められる。

このため、甲は、「本件 PFI 事業」の適正かつ確実な実施を確保するための措置として、「本件 PFI 事業」の実施に関する各業務の業績及び実施状況（以下「業績等」という。）に対し次のモニタリングを行い、各業務の業績等が「要求水準」を達成していること又は達成しない恐れのないことの確認を行うものとする。

なお、説明及び立会確認の要求とは、甲が、「維持管理・運営業務」について、

「維持管理・運営期間」中、乙に事前に通知した上で、乙に対して説明を求め、又は

「本件施設」においてその維持管理・運営状況を乙が立会いの上で確認することをいう。乙は、当該説明及び確認の実施につき甲に対して最大限の協力を行うものとする。甲は、説明要求及び立会確認の実施を理由として、「維持管理・運営業務」の全部又は一部について、何らの責任を負担するものではない。

ア定期モニタリング

月に一回実施する乙から提出される業務報告書を精査するほか、必要に応じて実施する施設巡回、業務監視、説明及び立会確認の要求等をいう。

イ随時モニタリング

必要に応じて実施する施設巡回、業務監視、説明及び立会確認の要求等をいう。

ウその他のモニタリング

必要に応じて、利用者等に対して実施するヒアリング等をいう。

（２）改善要求措置等の考え方

甲は、業績等をモニタリングした結果、乙の責めに帰する事由により業績等が

「要求水準」を達成していない、又は「要求水準」を達成しない恐れがあると判断した場合に、これを業務不履行として、乙に対し改善勧告、支払の減額等の改善要求措置や契約解除等の措置（以下、改善勧告以降を総称して「改善要求措置等」とい

う。）を行う。改善要求措置等は、その業務不履行によって生じる各機能の麻痺又は各機能に与える支障の大きさ、並びに同一の業務不履行が繰り返される等の重要度に応じて行うものとする。

業務不履行に対する支払の減額は、３（３）に示すところに従い減額する。

（３）モニタリング及び改善要求措置等の構成

モニタリング及び改善要求措置等は大きく分けて以下のように構成される。ア財務状況等に関する業績等のモニタリング及び改善要求措置等

イ「維持管理・運営業務」に関する業績等のモニタリング及び改善要求措置等ウ事業終了時の業績等のモニタリング及び改善要求措置等

エ「自動販売機等」に係る維持管理・運営業務に関する業績等のモニタリング及び改善要求措置等

２財務状況等に関する業績等のモニタリング及び改善要求措置等

（１）業績等のモニタリング方法

甲は、乙の実施体制（「維持管理・運営」体制をいう。以下同じ。）及び事業収支等の財務状況に関して、乙が安定的かつ継続的に「本件 PFI 事業」を遂行できる状況にあるかどうかを確認する。

アモニタリング項目及び判断基準

モニタリング項目及び判断基準は、原則として「要求水準」履行を担保する財務状況の有無による。

イ確認方法

確認方法は下記ウの書類確認を基本とするが、必要に応じて乙等に聞取調査を行う場合がある。

ウ書類による確認

確認する書類及び確認時期は以下のとおりとする。ただし、甲は事業の実施に重大な悪影響を与える恐れがある場合など、必要に応じて追加の財務状況等に係る書類の提出、報告を求めることができるものとする。

（ア）乙の業務実施報告書（本件事業契約約款第 83 条第２項に規定する財務書類及び会計監査人の監査報告書を含む。）については、各「事業年度」の最終日より３か月以内。

（イ）乙が締結する契約書類の写し（甲と締結する事業契約を除く。）については、契約締結後５日以内。

（ウ）乙の株主総会及び取締役会議事要旨については、各会実施日より５日以内。エ聞取り等による確認

甲は、書類による確認を行った結果、必要と認める場合は乙に対して専門家等によるヒアリング調査を実施することができるものとする。

（２）改善要求措置等ア改善勧告等

（ア）改善勧告

業績等のモニタリングにより、乙の実施体制及び事業収支等の財務状況に「要求水準」の内容と齟齬をきたす事実を確認した場合、甲は、乙に直ちにその改善・復旧を行うよう改善勧告を行う。

（イ）改善・復旧計画の作成、確認

乙は、甲からの改善勧告に基づき、直ちに実施体制及び事業収支等の財務状況を改善・復旧することを内容とする改善・復旧計画書を作成し、甲に提出する。甲は、乙の提出した改善・復旧計画書について、実施体制及び事業収支等の財務状況の改善・復旧ができる内容であることを確認する。なお、実施体制及び事業収支等の財務状況が改善・復旧できる内容と認められない場合、又は内容が合理的でないと判断した場合は改善・復旧計画書の変更、再提出を求めることがで

きる。

（ウ）改善・復旧計画の実施及び改善状況の確認

乙は、改善・復旧計画書に基づき、直ちに改善措置を実施し、甲に報告する。甲は、改善・復旧状況を確認する。また、改善・復旧計画書において定めた期限までに改善・復旧を確認できない場合は、再度前記（イ）の改善勧告の手続き

に戻る。イ契約解除

甲は、前記アの手続きを繰り返しても業務不履行の状態の改善・復旧が明らかに困難と判断した場合は、契約の解除を行うことができる。

３「維持管理・運営業務」に関する業績等のモニタリング及び改善要求措置等

（１）モニタリング方法

甲は、「維持管理・運営業務」について、各業務の業績等が「要求水準」を達成しているかどうかを確認する。

アモニタリング項目及び判断基準

モニタリング項目及び判断基準は原則として「要求水準」によるが、業務不履行により発生する状態が、下記の（ア）「本件施設」の各機能が麻痺するような状態である「重大な事象」と、（イ）それ以外に各機能に支障を与えるような状態である「重大な事象以外の事象」の二つの事象に分類して、改善要求措置等を行

う。

（ア）重大な事象

重大な事象については、当該事象が発生した時点において、「本件施設」が麻痺している又はそのおそれがあるか否か、人の身体並びに健康状態等に危害を生じるおそれのある施設や設備の劣化あるいは損傷及び業務体制等の不備の有無等

により判断する。

項目

具体的な事象(例)

判断基準(例)

安全性の損失

人身への危害のおそれがある事態の発生など

広範囲に立ち入り禁止区域を設けざるを得ないなど

防犯機能の停止

故障、誤作動による防犯機能の停止など

盗難等の発生など

防災機能の異常

火災報知器の故障、誤作動など

業務の中断など

電力供給、照明設備機能の停止

停電、断線など

業務が実施できないなど

気密性・水密性の損失

窓の破損、漏水など

業務が実施できないなど

空調設備・換気設備機能の停止

熱源の停止など

業務が実施できないなど

通信機能の停止

電話の断線・不通など

電話・電子機器の半数以上が使用できないなど

ガス及び給水、排水設備機能の停止

ガス漏れなど

ガス漏れによる避難勧告発令など

法的基準を遵守していな

いこと

資格者以外の法定業務実

施など

法的違反による業務停止

など

駐車場や駐輪場の崩壊

地面の陥没

駐車場や駐輪場の利用不

能

その他重大な事象

人身事故の発生など

（イ）重大な事象以外の事象

重大な事象以外の事象については、「維持管理・運営業務」が「要求水準」を達成していないことにより、「要求水準書」及び「民間事業者提案」に基づく各機能に支障を与えているか否かにより判断する。

イ確認方法

書類による確認と実地における確認を行うものとする。

（２）改善要求措置等ア改善勧告等

（ア）改善勧告

業績等のモニタリングにより、業務不履行が確認された場合、甲は、乙に直ちにその改善・復旧を行うよう改善勧告を行う。

（イ）改善・復旧計画の作成、確認

乙は、改善勧告に基づき、直ちに業務不履行の状態を改善・復旧することを内容とする改善・復旧計画書を作成し、甲に提出する。ただし、業務不履行の改善に緊急を要し、応急処置等の実施が合理的であると判断される場合、乙は、自ら

の責任において応急処置等の適切な処置をとるものとし、これを甲に報告する。甲は、乙の提出した改善・復旧計画書について、業務不履行の状態の改善・復旧ができる内容であることを確認する。なお、業務不履行の状態が改善・復旧できる内容と認められない場合、又は内容が合理的でないと判断した場合は改善・

復旧計画書の変更、再提出を求めることができる。

また、乙から直ちに改善・復旧計画書が提出されない場合は、下記イの再改善勧告等の手続きに移行する。

（ウ）改善・復旧計画の実施及び改善状況の確認

乙は、改善・復旧計画書に基づき、直ちに改善措置を実施し、甲に報告する。甲は、改善・復旧状況を確認する。また、改善・復旧計画書において定めた期限までに改善・復旧を確認できない場合は、下記イの再改善勧告等の手続きに移

行する。

イ再改善勧告等

（ア）再改善勧告

甲は、前記アの改善勧告等の手続きによっても改善・復旧が確認できない場合は、再改善勧告を行う。

（イ）改善・復旧計画の作成、確認

乙は、再改善勧告に基づき、直ちに業務不履行の状態を改善・復旧することを内容とする改善・復旧計画書を作成し、甲に提出する。

甲は、乙の提出した改善・復旧計画書について、業務不履行の状態の改善・復旧ができる内容であることを確認する。なお、業務不履行の状態が改善・復旧できる内容と認められない場合、又は内容が合理的でないと判断した場合は改善・復旧計画書の変更、再提出を求めることができる。

また、乙から直ちに改善・復旧計画書が提出されない場合、又は提出された改善・復旧計画書の内容がその変更を求めても改善・復旧することが明らかに不可能であると認められる場合には、乙との協議によって、業務不履行となった業務を、構成員が直接実施しているときは他の構成員に、第三者が実施しているときは構成員又は他の第三者に変更することを求めることができる。

（ウ）改善・復旧計画の実施及び改善状況の確認

乙は、改善・復旧計画書に基づき、直ちに改善措置を実施し、甲に報告する。甲は、改善・復旧状況を確認する。また、改善・復旧計画書において定めた期限までに改善・復旧を確認できない場合は、再度前記（ア）の再改善勧告の手続

きに移行する。ウ減額措置

減額措置については、３（３）の定めるところによる。

エ施設の使用停止

乙の業務不履行により発生する状態が「重大な事象」に係るもの（人の身体及び健康状態に係るものに限る。）で緊急性が高いと予見される場合には、甲は、乙に対して上記アの手続きをとることなく、施設の全部又は一部の使用停止を指示することができる。甲の指示により施設の全部又は一部の使用を停止したために生じる費用については、すべて乙が負担する。

また、甲の指示がなく「重大な事象」が発生した場合、甲の指示がないことを理由に、乙は、責任を免れるものではない。

オ契約の解除

以下に示す場合において、甲が催告してから６か月以内に是正されない場合、甲は、契約を解除することができる。

（ア）上記イ（イ）に規定された甲による「維持管理企業」又は「運営企業」の変更要求に故意に応じない場合。

（イ）上記イ（イ）に規定された「維持管理企業」又は「運営企業」の変更後に、再度上記ア、イ及びウの事態が生じた場合。

（３）減額措置

ア重大な事象の場合

（ア）改善勧告の手続きを行った場合、業務不履行を確認した日の属する期の支払予定の「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」の合計額（以下、「当期維持管理・運営費」という。）の 10％相当額を減額する。

（イ）また、発生した事象が、以前に発生した「重大な事象」と同一の内容である場合（以下「重大な事象の再発」という。）には、前記（ア）に加え、当該重大な事象の再発回数に応じて再発回数×12％の減額を行う。

（ウ）再改善勧告の手続きを行った場合、前記（ア）及び（イ）の減額に加えて、当期維持管理・運営費のうち 30％の額を減額する。

（エ）甲は、上記の減額に加えて、業務不履行の日から、改善・復旧を確認した日までの間（以下「業務不履行期間」という。)、当該業務不履行業務に係る維持管理・運営費相当額及び当該業務不履行部分に関連して不完全履行又は履行不能となる業務部分に係る維持管理・運営費相当額を支払わない。

イ重大な事象以外の事象の場合

（ア）減額算定は、罰則点を付与し、当期内の罰則点の累積に応じて、減額割合を決定する。業務不履行が翌期に継続した場合、翌期の累積罰則点にこれを含める。

累積の罰則点	減額割合
40 点未満	０％

累積の罰則点	減額割合
40 点以上 60 点未満	１点あたり 0.1％(4～6％)減額
60 点以上 80 点未満	１点あたり 0.2％(12～16％)減額
80 点以上 100 点未満	１点あたり 0.3％(24～30％)減額
100 点以上	１点あたり 0.5％(50％～)減額

（イ）業務不履行を確認し、改善勧告を行った場合、罰則点（１点）を付与する。

（ウ）また、発生した事象が、以前に発生した「重大な事象以外の事象」と同一の内容（以下「重大な事象以外の事象の再発」という。）で、これが過去 1 年以内に認められる場合、前記（イ）に加えて、更なる罰則点付与を行う。

重大な事象以外の事象の再発回数×１点

（エ）再改善勧告の手続きを行った場合、前記（ア）、（イ）、（ウ）の罰則点に加えて、さらに罰則点（５点）を付与する。

（オ）甲は、上記の措置に加え、当該業務不履行に関連して業務を一部実施していないと判断される場合、業務不履行期間に応じ、当該業務不履行業務部分に係る維持管理・運営費相当額、及び当該業務不履行部分に関連して不完全履行又は履行不能となる業務に係る維持管理・運営費相当額を支払わない。

ウ減額値と支払額算定の関係

（ア）支払額算定の考え方

甲は、減額の手続きとは別に、業務不履行に伴う損害賠償を乙に請求することができる。

（イ）減額値等の有効期限

罰則点等の減額値は、当期限りにおいて有効とし、翌期以降には持ち越さないものとするが、再発の履歴等については、事業従事者変更等に関係なく、重大な事象については「事業期間」全体、重大な事象以外の事象については過去１年間にわたって有効であることとする。

４事業終了時の業績等のモニタリング及び改善要求措置等

（１）業績等のモニタリング方法

甲は、「事業期間」の終了時において、「本件施設」の性能が「要求水準」を達成しているかどうかを確認する。

アモニタリング項目及び判断基準

モニタリング項目及び判断基準は原則として「要求水準」による。イ確認方法

甲は事前に通知を行い、事業終了時の６か月程度前に、書類及び実地において施設状態の確認を行う。

（２）改善要求措置等ア改善勧告

施設の状態等のモニタリングにより、「要求水準」を達成していないと判断した場合、甲は乙に直ちにその改善・復旧を行うよう改善勧告を行う。

イ改善・復旧計画の作成、確認

乙は、改善勧告に基づき、改善・復旧することを内容とする改善・復旧計画書を１か月以内に作成し、甲に提出する。

甲は、乙の提出した改善・復旧計画書について、改善・復旧ができる内容であることを確認する。なお、「要求水準」を達成していない状態が改善・復旧できる内容と認められない場合、又は内容が合理的でないと判断した場合は改善・復旧計画書の変更、再提出を求めることができる。

ウ改善・復旧計画の実施及び改善状況の確認

乙は、改善・復旧計画書に基づき、直ちに改善措置を実施し、甲に報告する。甲は、改善・復旧状況を確認する。また、改善・復旧計画書において定めた期限までに改善・復旧を確認できない場合は、再度前記（ア）の改善勧告の手続きに戻る。

５業務不履行発生後の対処方法

（１）基本的な考え方

乙は、業務不履行の発生が確認され、直ちに改善・復旧するよう甲から改善の通告を受けた場合、直ちにかつ誠意をもって、改善・復旧計画書を甲に提出し、その確認を得て、業務不履行の状態の改善・復旧行為の実施にあたることとする。その際には、先に示した所定の手続きに従い、計画的に実施することとする。

ただし、発生した事象の内容により、業務不履行の改善に緊急を要し、応急処置等の実施が合理的であると判断される場合、乙は、自らの責任において応急処置等の適切な処置をとるものとし、これを甲に報告する。

（２）改善・復旧計画書

乙は、直ちに業務不履行の状態の改善・復旧を行うよう、甲から改善の通告を受けた場合、直ちに改善・復旧計画書を作成し、甲に提出し、その承諾を得る。

ア記載内容

（ア）業務不履行の内容

（イ）業務不履行の場所

（ウ）業務不履行の原因

（エ）該当する業種区分

（オ）改善・復旧の方法

（カ）改善・復旧の期限

（キ）改善・復旧の責任者イ再提出

甲は、改善・復旧計画書の記載内容に不備がある場合、又は記載内容が妥当でないと判断した場合、再提出を求めることがある。甲は再提出を求める場合、再提出が必要と判断した理由を乙に提示する。

再提出の場合は、甲が提示した理由に対する対処方策を付記し、改めて改善・復旧計画を作成し、提出する。

ウ再勧告の場合の改善・復旧計画書

（ア）業務不履行の内容（必要に応じ、甲が指示した理由に対する対処方策を付記する。以下同じ。）

（イ）業務不履行の場所

（ウ）業務不履行の原因

（エ）該当する業種区分

（オ）改善・復旧の方法

（カ）改善・復旧の期限

（キ）改善・復旧の責任者

別紙９「サービス購入料」の支払い

１「サービス購入料」の基本的考え方

乙は、設計・建設、維持管理・運営等のサービスを一体として甲に提供し、そのサービスに対し、甲は「サービス購入料」を一体として支払う。

甲は、地方自治法（昭和 22 年法律第 67 号）第 214 条に規定する債務負担行為に基づき、甲と乙との間で締結する本件事業契約に定めるところにより、施設の引渡日以後、契約期間にわたり、乙に対し「サービス購入料」を支払う。

２「サービス購入料」の構成

「サービス購入料」は、次により構成される。

（１）「サービス購入料Ａ」

「本件施設」の整備事業の実施による施設整備費相当額のうち、甲が一括で支払う「サービス購入料」で、施設整備費に消費税額を加算した金額とする。

（２）「サービス購入料Ｂ」

「本件施設」の整備事業の実施による施設整備費相当額のうち、「事業期間」にわたり割賦で支払う「サービス購入料」で、施設整備費のうち「サービス購入料Ａ」を除いた額に消費税額及び金利（割賦手数料を含む。）相当額を加算した金額とする。

（３）「サービス購入料Ｃ」

「本件施設」の「維持管理業務」の実施による維持管理費相当額（修繕費を含

む。以下同じ。）に係る「サービス購入料」で、維持管理費相当額に維持管理費相当額に係る消費税額を加算した金額とする。

（４）「サービス購入料Ｄ」

「本件施設」の「運営業務」の実施による運営費相当額に係る「サービス購入

料」で、運営費相当額（「自動販売機等」に係る費用を除く。以下同じ。）に係る消費税額を加算した金額とする。

項目

契約で定める内訳

構成される費用の内容

「サービス購入料Ａ」

施設整備費の一括払分

・「調査業務」、「設計業務」及び「建設業務」に係る費用（消費税を含む。）の 75％

・ただし、乙の設立費、乙の運営費、融資組成手数料、建中利息及び

「サービス購入料Ｂ」の支払いに

係る割賦手数料を除く。

項目	契約で定める内訳	構成される費用の内容
「サービス購入料Ｂ」	施設整備費の割賦払分	・「調査業務」、「設計業務」、「建設業務」に係る費用のうち「サービス購入料Ａ」を除いた費用（消費税を含む。）・乙の設立費、本件事業契約締結から「本件施設」引き渡しまでの乙の運営費、融資組成手数料、建中利息、「サービス購入料Ｂ」の支払いに係る割賦手数料その他施設整備に関する初期投資と認められる費用（これらに係る消費税を含む。）
「サービス購入料Ｃ」	維持管理費	・「維持管理業務」に係る費用（消費税を含む。）・「維持管理業務」に係る乙の運営費（消費税を含む。）
「サービス購入料Ｄ」	運営費	・「運営業務」に係る費用（消費税を含む。）・「運営業務」に係る乙の運営費（消費税を含む。）

３支払時期

（１）「サービス購入料Ａ」

ア乙は、第 35 条により「本件施設」を引き渡し、併せて甲に対して請求書を提出するものとする。

イ甲は請求を受けた日から 40 日以内に支払うものとする。

（２）「サービス購入料Ｂ」

ア乙は、毎年度９月末日と３月末日に甲に対し請求書を提出するものとする。イ甲は、請求を受けた日から 30 日以内に支払うものとする。

（３）「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」

ア甲は、乙が「維持管理・運営業務」仕様書に従い「本件施設」を適切に維持管理・運営していることを、主として乙が甲に対して提出する業務報告書（本件事業契約約款第 41 条第１項に規定する月報、半期報告書及び年度報告書をいう。）及び別紙

10 に記載するモニタリングの実施に基づいて確認し、第 41 条第１項にある半期報

告書及び年度報告書を乙が甲に対し提出した後 30 日以内に乙に対して当該確認の結果を通知する。

イ乙は、上記アの確認結果を受けた後速やかに、甲に対して当該期間の請求書を提出するものとする。

ウ甲は、請求を受けた日から 30 日以内に支払うものとする。

４各費用の支払額算定方法等

甲は、対価の支払額を構成する各項目を以下のとおり算定する。

（１）「サービス購入料Ａ」

「サービス購入料Ａ」は、甲の完成確認後に一括で支払う。

金●円

うち消費税及び地方消費税金●円

「サービス購入料Ａ」

乙は、甲による完成確認が得られた後、速やかに、「本件施設」の設計・建設に係る対価に相当する額のうち「サービス購入料Ａ」の請求書を提出するものとし、甲は、乙から請求書を受領した日から 40 日以内にそれを支払う。

（２）「サービス購入料Ｂ」ア支払回数及び支払額

「サービス購入料Ｂ」は、令和５年度から令和 19 年度までの 15 年にわたり、

年２回、全 30 回に分割して支払う。なお、元利均等返済により各年度において定額を支払うことから、１回の支払額（割賦元金（割賦元金に係る消費税及び地方消費税を除く。）と割賦手数料の合計額）は、「事業期間」全体にわたる支払総額の 1/30 とする。

１回の支払額は以下のとおりとする。

割賦支払分の当期支払額＝（下記５支払スケジュールにおける表中、割賦代

金の欄の数字)

イ割賦手数料

（ア）割賦手数料は、乙の割賦金利により元利均等返済に基づいて算定する。割賦手数料は、契約時に定め、「引渡予定日」の２銀行営業日前の基準金利に基づき改定するが、それ以降は見直しを行わない。

（イ）割賦手数料は、割賦支払分と同様に、「事業期間」にわたり、年２回、全 30 回の支払とする。

（ウ）１回の支払額は以下のとおりとする。

割賦手数料の当期支払額＝（下記「５支払スケジュール」における表中、割

賦金手数料の欄の数字)

（エ）割賦金利は、基準金利（令和２年６月１日の東京時間午前 10 時現在の東京スワ

ップ・レファレンス・レート（T.S.R）として TELERATE スクリーンに表示されている６か月 LIBOR ベース 15 年物（円／円）金利スワップレート「●％」）に、乙により提案されたスプレッド「●％」を加えた利率「●％」（年 365 日の日割計算）を使用する。※ただし、基準金利がマイナス値の場合は、基準金利を「０％」とする。

（３）「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」

「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」は「サービス購入料Ｂ」（割賦支払分及び割賦手数料）と同様に、令和５年度から令和 19 年度までの 15 年にわたり、年２回、全 30 回に分割して支払うものとし、各回における支払額は、下記「５支払スケジュール」に示すとおりとする。なお、「本件施設」の引渡日の翌日から令和

５年９月 30 日までの支払額は「維持管理業務」及び「運営業務」の実施月数に応じ

た額とし、令和５年度下半期から令和 19 年度までの１回の支払額については当該期間（15 年）にわたる支払総額の 1/29 とする。

本件事業契約約款第 58 条に定める契約期間満了前に終了した場合であって、未払いの「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」の支払対象期間が６か月に満たない場合は、当該未払いの「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」は、日割りで計算して支払うものとする。

５支払スケジュール

次頁に記載されるスケジュールによる。

静岡市清水庁舎整備等事業支払スケジュール

別紙 10 「サービス購入料」の改定方法

１「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」の改定

（１）物価変動に基づく「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」の改定ア対象となる費用

「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」について、改定を請求することができるものとする。

なお、改定の対象は、「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」のうち、調査業務費、設計業務費、工事監理業務費を除いた直接工事及び共通費などの直接工事施工に必要となる経費とする（建築工事、電気設備工事、機械設備工事など各種工事を含み、当該請求時の出来型部分に相応する経費を控除した経費。）。

イ基準となる指標

改定する際の基準となる指標、物価変動の基準となる指標は、「建設物価」（一般財団法人建設物価調査会）の建築費指数における「標準指数：事務所」の「工事原価」とする。

ウ改定方法

（ア）甲及び乙は、「設計・建設工事期間」内で本件事業契約締結の日から 12 月を経過した後に、入札書の受付日の属する月の指標値を基準として、改定の請求日の属する月の指標値を比較し、1.5％を超える物価変動がある場合は、相手方に対して物価変動に基づく改定を双方において請求することができる。また、前回改定日から 12 月を経過した後の「設計・建設工事期間」内に、前回改定日の属する月の指標値を基準として、改定の請求日の属する月の指標値を比較し、1.5％を超える物価変動がある場合は、相手方に対して物価変動に基づく改定を双方において請求することができる。

（イ）改定を行う場合の方法は次のとおりとする。なお、２回目以降の改定においては、以下で「本件事業契約に記載された『サービス購入料Ａ』及び『サービス購入料Ｂ』のうち直接工事施工に必要となる経費」とあるのは、「前回改定時の

『サービス購入料Ａ』及び『サービス購入料Ｂ』のうち直接工事施工に必要となる経費」と、「入札書の受付日の属する月の指標値（確定値）」とあるのは、「前回改定日の属する月の指標値（確定値）」と読み替えるものとする。

（Pt／Po）－１＞0.015 の場合 ABt ＝ ABo ×（Pt／Po－0.015）

（Pt／Po）－１＜－0.015 の場合 ABt ＝ ABo ×（Pt／Po＋0.015）

ABo ＝本件事業契約に記載された「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」のうち直接工事施工に必要となる経費

ABt ＝改定後の「サービス購入料Ａ」及び「サービス購入料Ｂ」のうち直接工事施工に必要となる経費

Po ＝入札書の受付日の属する月の指標値（確定値）

Pt ＝改定の請求日の属する月の指標値（確定値）

上記 Pt／Po の値につき、小数点第４位以下の端数は、切り捨てるものとする。

（２）基準金利の変更に基づく「サービス購入料Ｂ」の改定ア対象となる費用

「サービス購入料Ｂ」イ改定方法

「引渡予定日」の２銀行営業日前の基準金利に基づき改定する。※ただし、基準金利がマイナス値の場合は、基準金利を「０％」とする。

３「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」の物価変動に基づく変更

「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」については、「維持管理・運営期間」中に渡り毎年見直すものとする。また、「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入

料Ｄ」の消費税率を引き上げる税制変更が行われた場合には、かかる新税率の適用が開始される「事業年度」以降における「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」は、かかる変更後の新税率に基づく消費税額を反映させるよう改定される。

毎年行う見直しは、物価変動を含め、「維持管理・運営期間」中に必要となる事業費について、PFI 手法に基づく民間の資金とノウハウの有効な活用と、市民の負担を原資とする甲の適正な経費負担の双方の観点に十分留意して、甲及び乙が協議して行う。また、その他必要に応じ甲及び乙が協議の上改定を行うことができるものとする。

（１）対象となる費用

ア「サービス購入料Ｃ」（維持管理費）イ「サービス購入料Ｄ」（運営費）

（２）基準となる指標

改定する際の基準となる指標、物価変動の基準となる指標は、日本銀行調査統計局が作成する消費税を除く企業向けサービス価格指数（建物サービス）とする。

（３）改定方法

甲及び乙は、毎年９月に翌年度の「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」の見直しのため協議を行うこととする。契約時（改定を行った後にあっては、前回改定時）の指標値と見直し時の指標値を比較し、1.5％以上の変動がある場合は改定を行い、1.5％未満であった場合は改定を行わないものとする。改定を行う場合の方法は次のとおりとする。

｜（CGPIn／CGPIn-1）－１｜≧0.015 の場合 Pn+1 ＝ Pn×（CGPIn／CGPIn-1）

Pn ＝ n 年度の「サービス購入料Ｃ」及び「サービス購入料Ｄ」

CGPIn ＝日本銀行調査統計局が作成する n 年８月の消費税を除く企業向けサービス価格指数（建物サービス）とする。ただし、前年度改定を行っていない場合の CGPIn-1 は、前回改定時に用いた消費税を除く企業向けサービス価格指数（建物サービス）とする。

上記 CGPIn／CGPIn-1 の値につき、小数点第４位以下の端数は、切り捨てるものとする。

（４）改定の時期

毎年９月に翌年度分を見直す。

別紙 11 乙等が加入すべき保険

１建設期間中の保険

建設工事保険、火災保険、第三者賠償責任保険

・加入期間：「設計・建設工事期間」

２「維持管理期間」中の保険

・保険契約者：乙又は「維持管理・運営業務」従事者

・被保険者：乙、「維持管理・運営業務」従事者

・保険の対象：「維持管理・運営期間」中の法律上の賠償責任

・保険期間：「維持管理・運営期間」

・補償額：対人１名当たり１億円、１事故当たり 10 億円以上

対物１事故当たり 10 億円以上

・免責金額：1,000 円以下

・その他：甲を追加被保険者とする保険契約とすること

※上述以外の保険の付保については、「民間事業者提案」によるものとする。

別紙 12 個人情報の保護に関する取扱仕様書

１個人情報保護の基本原則

乙は、この契約に基づく業務（以下「業務」という。）の実施に当たり、個人情報

（個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるものをいう。以下同じ。）について、その保護の重要性を認識し、個人の権利利益を侵害することのないよう、適正に取り扱わなければならない。

２個人情報の漏えい等の禁止

乙は、業務に関して、知り得た個人情報を他人に漏らしてはならない。この業務が終了し、又は契約が解除された後においても、同様とする。

３使用者への周知

乙は、その使用する者に対し、在職中及び退職後において、業務に関して知り得た個人情報を他人に知らせ、又は契約の目的以外に利用してはならないこと等の個人情報の保護の徹底に関する事項を周知しなければならない。

４適正な管理

乙は、業務に係る個人情報の漏えい、滅失、改ざん又はき損の防止を図るため、管理責任者を選任し、個人情報の適切な管理を行わせる等個人情報の適正な管理について必要な措置を講じなければならない。

５収集の制限

乙は、業務において個人情報を収集するときは、当該業務を実施するために必要な範囲内で、本人から直接収集しなければならない。

６利用及び提供の制限

乙は、甲の指示又は承諾があるときを除き、業務に係る個人情報を当該業務の目的以外に利用し、又は提供してはならない。

７複写及び複製の禁止

乙は、甲の指示又は承諾があるときを除き、業務の実施に当たり甲から提供された個人情報が記載された資料等を複写し、又は複製してはならない。

８資料等の返還

乙は、業務の実施に当たり甲から提供され、又は乙が収集し、若しくは作成した個人情報が記録された資料等を、業務の終了後直ちに甲に返還し、又は引渡すものとする。ただし、甲が別に指示したときは、その指示に従うものとする。

９構成員における個人情報の取扱い

乙は、構成員との間で締結する契約書等に、この約款の個人情報の保護に関する規定を準用する旨を明記しなければならない。この場合において、乙は、当該契約書等の締結後、速やかにその写しを甲に提出するものとする。

10 事故発生時における報告

乙は、業務の実施において、この仕様書に違反する事態が生じ、又は生ずるおそれがあることを知ったときは、直ちに甲に報告し、甲の指示に従うものとする。業務が終了し、又は契約が解除された後においても、同様とする。

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静岡市（以下「甲」という。）及び●●（以下「乙」という。）は、清水庁舎整備等事業（以下「本件 PFI 事業」という。）の実施に関して、次のとおり合意する（以下、「本件事業契約」という。）。

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