Contract
早稲田大学学位規則の運用に関する文学研究科内規
1 趣旨
(1) 本内規は、早稲田大学大学院文学研究科(以下「文学研究科」)において、博士学位請求手続きの全体―申請・受理・審査・判定・授与―に関して、これを明らかにするために定めるものである。
(2) 本内規は、早稲田大学学位規則(1976 年 4 月 1 日教務通達第2号)に依拠するものである。
2 学位委員会
(1) 博士学位請求手続きの一切については、文学学術院学位委員会(以下「学位委員会」)が、これを管掌する。
(2) 学位委員会は、別に定める設置要綱に基づいて、設置される。
3 請求手続き
(1) 博士学位請求手続きは、以下の手順を経るものとする。 イ、申請; x、受理; ハ、審査; ニ、判定; x、授与
(2) 受理の後、審査は1年以内に終了すべきものとする。
4 申請
(1) 「課程による博士学位」を申請するものは、その博士後期課程研究指導担当者を通じて、学位委員会に審査を申請する。ただし、研究指導担当者が文学研究科運営委員でなく、かつ協定等に基づいて嘱任された客員教員でもない場合には、当該コース・専攻のそれに代わる文学研究科運営委員を通じて申請する。下記10の(3)に該当する場合は、当該のxx審査委員予定者を通じて申請することでも可とする。
(2) 「課程によらない博士学位」を申請するものは、当該論文の研究領域にかかわるコース・専攻に属する文学研究科運営委員もしくは協定等に基づいて嘱任された客員教員による所見書を付して、論文および所定の書類を学位委員会に提出する。
(3) 学位委員会は、提出された論文ごとに、学位委員会委員のうちから担当委員1名を指名する。
(4) 担当委員は、当該の論文のxx審査委員となる文学研究科運営委員の所属するコース・専攻から選出された学位委員会委員とする。
5 受理
(1) 学位委員会は、提出された論文について、その受理の可否を決定する。
(2) 「課程による博士学位」にかかわる論文については、提出された論文および研究指導担当者の説明に基づいて、受理の可否が審議・決定される。ただし、研究指導担当者が文学研究科運営委員でなく、かつ協定等に基づいて嘱任された客員教員でもない場合には、当該コース・専攻のそれに代わる文学研究科運営委員の説明に基づくものとする。下記10の(3)に該当する場合は、当該のxx審査委員予定者による説明でも可とする。
(3) 「課程によらない博士学位」にかかわる論文については、提出された論文および上記4の(2)に定める所見書を作成した文学研究科運営委員もしくは協定等に基づいて嘱任された客員教員の説明に基づいて、受理の可否が審議・決定される。
(4) 学位委員会において受理が可と判断された場合には、学位委員会はxx審査委員を選任し、論文審査委員会(以下「審査委員会」)を組織して文学学術院教授会に諮る。
6 審査
(1) 文学学術院教授会によって、受理の決定がなされ、かつ審査委員会構成案が承認された場合には、直ちに当該の論文にかかわる審査委員会が設置される。
(2) 審査委員会の設置については、本内規9以下にこれを定める。
(3) 審査委員会は、審査が適切かつ迅速に行われるように努める。
(4) 審査は、面接試験を含むものとする。
(5) 面接試験は、公開とする。
(6) 公開の面接試験を、公開審査会と称する。
(7) 公開審査会の方式等については、審査委員会が、担当委員と協議して、あらかじめ決定するものとする。
(8) 公開審査会には、原則として審査委員全員の出席を要する。
(9) 公開審査会のうち、審査委員による判定にかかわる最終的な合議および投票は、公開としないことを原則とする。
(10) 公開審査会は、原則として、受理決定ののち1ヶ月以上の審査期間を経て、開催されるものとする。
(11) 審査委員会は、審査の終了後、速やかに、審査報告要旨を作成し、学位委員会に提出する。
(12) 審査にあたっては、以下の基準によることとする。
a) 当該分野において創造的なxxxが認められること。
b) 当該分野に関して、問題意識をもって研究史が把握されており、請求論文の知見のもつ意義が明確に主張されていること。
c) 論理の展開ならびに論述形式が適切であること。
d) 過去の研究を参照する際には、注や参考文献の形式で、典拠が明らかに示されていること。
7 判定
(1) 審査委員会は、審査の終了後、速やかに、判定案を作成し、学位委員会に提出する。
(2) 判定案は、審査委員の3分の2以上の同意を要する。
8 授与
(1) 学位委員会は、審査報告要旨および判定案に基づいて、学位授与の可否を審議・決定する。
(2) 学位委員会は、授与の可否について原案を作成し、文学学術院教授会に提案する。
(3) 学位授与の最終的な可否は、文学学術院教授会において決定する。
9 論文審査委員会
(1) 受理の決定された各論文について、論文審査委員会(審査委員会)が設置される。
(2) 審査委員会は、本内規 11 において定める論文審査委員(以下「審査委員」)の全員によって構成される。
10 xx審査委員
(1) 審査委員会にxx審査委員をおく。
(2) xx審査委員は、「課程による博士学位」にかかわる論文においては、申請者の博士後期課程研究指導担当者とする。ただし、研究指導担当者が文学研究科運営委員でなく、かつ協定等に基づいて嘱任された客員教員でもない場合には、当該コース・専攻のそれに代わる文学研究科運営委員とする。
(3) なお、上記(2)の規定にかかわらず、特別の事情により、当該コース・専攻の文学研究科運営委員からxx審査委員を選出するのが困難な場合は、他コース・専攻の文学研究科運営委員もしくは本大学の専任教員または協定等に基づいて嘱任された客員教員でも可とする。
(4) xx審査委員は、「課程によらない博士学位」にかかわる論文においては、審査の申請に際して所見書を作成し、かつ、学位委員会において受理のための説明を行った文学研究科運営委員もしくは協定等に基づいて嘱任された客員教員とする。
11 論文審査委員
(1) 論文審査委員(審査委員)は、学位委員会において原案を作成し、文学学術院教授会の承認を経
て決定される。
(2) 審査委員は、xx審査委員を含め3名以上とする。
(3) 審査委員に、文学研究科運営委員以外の専門家を嘱任することができる。
(4) ただし上記(3)の場合、文学研究科運営委員である審査委員が2名以上であることを要する。
12 「課程による博士学位」審査の条件
(1) 課程による博士学位を申請するものは、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程に在籍し、所定の研究指導を受けたものであることを要する。
(2) 課程による博士学位を申請するものは、別に定める「早稲田大学文学研究科博士後期課程指導要綱」に従って研究指導を受け、かつ、次の各号の条件を満たしていることを要する。
a) 文学研究科主催による博士論文構想発表会において、執筆継続可と判定されていること。
b) 全国的もしくは国際的な学会における 1 回以上の口頭発表を行っていること。
c) 学術雑誌(査読制が望ましい)への 1 篇以上の発表を行っていること。
d) 研究倫理教育を受けていること。
(3) 上記(2)a~c の規定は、2007 年 4 月 1 日以降の博士後期課程入学者より適用する。
13 「課程によらない博士学位」審査の条件
(1) 課程によらない博士学位を申請するものは、原則として学識確認を受けなければならない。
(2) 学識確認の手続きは下記に従うものとする。
(3) 学識確認の試問方法
a)原則として受理後 2 ヶ月以内に行い、合否を速やかに学位委員会に報告する。
b)専門およびそれにかかわる分野については、提出論文にかかわる基礎文献および引用資料などについて試問を行う。
c)外国語については、基礎的な読解力を確認する。
d)審査委員会の構成員と学識確認者は 2 名以上の重複があってはならない。 e)学位委員会の担当委員は、学識確認に立ち会うものとする。
(4) 申請者が次の各号にあたる場合は、学識確認は免除される。
a)旧大学院学則〔昭和 50(1975)年度以前入学者〕によるもので博士学位検定試験合格者であるもの。〔「研究科委員xx(1984.2.10)申し合わせ」による。〕
b)現大学院学則〔昭和 51(1976)年度以後入学者〕によるもので、原則として、博士後期課程に3年以上在学し、3年間の研究指導を受けたもの。〔「文学研究科委員会(1986.1.18)申し合わせ」による。〕
c)文学研究科委員会が特別な理由があると認めた場合〔学位規則第16条2項により免除〕。 特別な場合とは、申請者が大学の教員※であって、かつ、提出された研究業績書等に基づき、関連分野および外国語に関し、相当の学識があると判断されたものである場合をいう。〔「文学研究科委員会(2002.4.9)申し合わせ」による。〕
※「大学」および「大学の教員」とは、以下の意味を含有する。
イ 「大学」には大学に準じる研究機関等を含む(早大の附属・系属高校は含まない)。ロ 「教員」とは、次のものをいう。
ⅰ)現職の専任教員または退職した元専任教員
ⅱ)受理時に現職である非常勤講師
(5) 学識確認の免除の可否は、文学学術院教授会において協議の上、決定する。
14 提出される論文の内容および形式
(1) 提出される論文の内容および形式については、各コース・専攻の別に定める規定に従うものとする。
(2) 上記にかかわらず、審査委員または学位委員に対する謝辞に類する文言は、含めてはならない。
(3) 副論文提出については、審査委員会の提案に基づき、学位委員会の了承を必要とする。
(4) 提出される論文は、学術研究倫理に係る早稲田大学の関連規則(学術研究倫理憲章、学術研究倫理に係るガイドライン、研究活動に係る不正防止に関する規定など)を遵守して作成されなければならない。
15 提出される論文の記述言語
(1) 論文の記述は日本語によることを原則とする。ただし、研究分野・課題に応じて適切である場合はその限りではない。
(2) 論文の記述言語が日本語以外である場合、審査委員会は、審査のため学位請求者に対し、その和訳文を提出させることができる。
16 提出される論文の形状・体裁
(1) 受理申請時に提出される論文は冊子体で提出されるものとする。
a)簡易な体裁(バインダーで綴じられた仕様)で提出されるものとする。 b)表紙には、題名および提出者氏名を記した所定のラベルを貼付すること。
(2) 論文には、以下の各項が、以下に示す順序で綴じ込まれなくてはならない。
1.白紙の見返紙; 2.扉(題名および提出者氏名を印字); 3.目次; 4.本文; 5.白紙の見返紙。
(3) 目次には、論文の構成に従って、本文の部・章もしくは章・節のレベルまで、2 段階のページ数を記載しなくてはならない。
(4) 上記にかかわらず、既刊行書籍をもって博士学位請求論文とする場合には、その限りではない。ただし、上記(2)(3)については、これに準ずるものとする。
(5) 論文は、公開審査会終了後、ただちに(1)~(4)の要領をもって再度提出されるものとする。
(6) 博士学位授与決定後、博士論文の全文および概要書のPDFデータ(文字データを含む形式)が文学研究科に提出されるものとする。
(7) 博士論文に不適切な箇所が発見された場合、修正を行うことができるものとする。ただし公開審査会終了以降に博士論文の修正を行う場合、審査委員全員が確認を行い、xx審査委員は審査報告要旨に修正内容とその修正を施した日付を記載するものとする。
17 提出された論文の公表
(1) 博士の学位を授与されたものは、当該の博士論文を公表しなくてはならない。公表方法はインターネットによる公開とする。ただしやむを得ない事由(24 文科高第 937 号・平成 25 年 3 月 11 日「学位規則の一部を改正する省令の施行等について(通知)」に則る)により、全文に代えて概要書を公表する場合、学位請求論文提出時に公開留保申請書を提出し、公開留保の承認を受けることが必要である。公開留保の理由が解消された場合には、ただちに申し出て公開の手続きを取ることとする。
(2) 「課程による博士学位」にかかわる論文として審査を経て、学位授与の対象となった論文については、その内容の要約を、文学学術院教授会の承認を受けて、授与の翌年度の文学研究科紀要に掲
載発表するものとする。
附表:博士学位請求における必要提出書類等
博士学位請求における必要書類は次のとおりとし、文学学術院事務所宛に提出されるものとする。
No. | 書類等 | 部数 | 提出時期 | 作成者 | 備考 |
1) | 学位申請書(所定書式) | 1部 | 受理申請時 | 請求者本人 | |
2) | 履歴書(所定書式) | 1部 | 受理申請時 | 請求者本人 | |
3) | 研究業績書(所定書式) | 1部 | 受理申請時 | 請求者本人 | |
4) | 博士学位請求論文 (受理申請用) | 4 部 以 上 ( 審 査 委員 の 人 数 + 研 x x 内審査用) | 受理申請時 | 請求者本人 | 簡易な体裁(バインダーで綴じられた仕様)で提出する |
5) | 論文概要書 | 4 部 以 上 ( 審 査 委員 の 人 数 + 研 x x 内審査用) | 受理申請時 | 請求者本人 | ・片面印刷/ステープル ・8000 字程度 ・日本語以外の概要書には、日本語訳文を添えること |
6) | 所見書(所定書式) | 1部 | 受理申請時 | 所見書作成者 | 課程によらない博士学位申請者の み |
7) | 受理願(所定書式) | 1部 | 受理申請時 | 研究指導担当者もし くは所見書作成者 | |
8) | 博士学位請求論文の確認報告書 | 各 1 部 | 受理申請時 | 請求者本人・ 研究指導担当者もしくは所見書作成者 | |
9) | 公開留保申請書 | 1部 | 受理申請時 | 請求者本人 | インターネットによる論文の全文公開を留保したい場合のみ提出 |
10) | 受理教授会説明資料 (所定書式) | ― | 学位委員会受理審査 終了直後 | 研究指導担当者もしくは所見書作成者 | ・電子媒体にて提出 ・400 字程度 |
11) | 審査委員会審査報告書 (所定書式) | 1部 | 判定x | xx審査委員 | ・判定案を含む ・審査委員全員の自署捺印を要する |
12) | 博士学位請求論文審査 報告要旨(所定書式) | ― | 判定x | xx審査委員 | ・電子媒体にて提出 ・2000 字程度 |
13) | 博士学位請求論文 (判定審査用) | 4 部 以 上 ( 審 査 委員 の 人 数 + 研 x x 内審査用) | 判定時 | 請求者本人 | 簡易な体裁(バインダーで綴じられた仕様)で提出する |
14) | 確認書 | 1部 | 判定時 | 請求者本人 | 判定審査に用いられた論文と、提出 する論文全文の電子データが同一であることの確認を行う。 |
15) | 判定教授会説明資料 (所定書式) | 1部 | 学位委員会判定審査 終了直後 | xx審査委員 | ・電子媒体にて提出 ・400 字程度 |
16) | 博士学位請求論文の全文および概要書PDFデータ(文字データを含 む形式) | ― | 授与決定後 | 請求者本人 | 電子媒体にて提出 |
(1998 年 3 月 6 日文学研究科委員会承認)
一部改正(1999 年 1 月 12 日文学研究科委員会承認)
一部改正(2002 年 11 月 19 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2003 年 10 月 14 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2006 年 7 月 18 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2007 年 1 月 16 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2007 年 2 月 6 日文学学術院教授会承認)
全面改訂(2010 年 2 月 19 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2010 年 12 月 15 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2013 年 4 月 17 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2013 年 6 月 19 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2013 年 7 月 24 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2014 年 1 月 22 日文学学術院教授会承認)
一部改正(2014 年 12 月 17 日文学学術院教授会承認)