Contract
温泉交流施設運営事業
公共施設等運営権実施契約書(案)
2024年 5月
長久手市
公共施設等運営権実施契約書(案)
1. 事 業 名 温泉交流施設運営事業(以下、「本事業」という。)
2. 事業の場所 長久手市前熊下田 170 番地 1
3. 対象施 設 温泉交流施設及び施設隣接の外構部分、温泉井戸、水井戸、水槽などの設備を運営権設定対象施設とする。(以下、「温泉交流施設等」という。)
4. 契約 期 間 契約締結日の翌日から令和 27 年 3 月 31 日まで
上記の事業について、長久手市(以下、「市」という。)と●●(以下、「運営権者」という。)は、各々対等な立場における合意に基づいて、次の条項によって公正な公共施設等運営権実施契約(以下、「本実施契約」という。)を締結し、信義に従って誠実にこれを履行するものとする。契約締結の証として本書2 通を作成し、当事者記名押印の上、各自1 通を保有する。
なお、この契約は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成 11 年法律第 117 号。以下、「PFI法」という。)第 19 条第 4 項に基づき、運営権者に対する公共施設等運営権の設定について長久手市議会の議決を得て、運営権者に対して公共施設等運営権が設定された場合に契約が有効となる。長久手市議会の議決を得られないことにより運営権者に公共施設等運営権が設定されないときは、この契約は無効となり市は損害賠償の責めは負わない。下記年月日は、契約締結年月日であることを確認する。
令和●年●月●日
市:
長久手市前熊下田 170 番地 1
長久手市
代表者 長久手市長 佐藤有美
運営権者:
(住所)
(商号)
(代表者名)
目 次
第17条(運営権設定対象施設の引渡し及び契約不適合責任) 6
第45条(改修に関して市が運営権者に対し費用負担する契約の契約不適合責任) 13
第48条(モニタリング及び要求水準未達成に関する手続) 15
第51条(運営権者の責めに帰すべき事由による契約解除等) 16
第1条 本実施契約は、市及び運営権者が相互に協力し、本事業を円滑に実施するために必要な事項を定めることを目的とする。
2 本実施契約において使用する用語の定義は、本文中に特に明示されているものを除き、別紙1に定めるとおりとする。
第2条 運営権者は、運営権設定対象施設に自らの経営ノウハウや技術力等を最大限に活用することと し、本事業が、施設の魅力向上、地域の活性化、健康の維持及び増進を目的として実施されることを十分に理解し、その趣旨を尊重する。
2 市は、本事業が民間企業たる運営権者の創意工夫に基づき実施されることを十分に理解し、その趣旨を尊重する。
第3条 本事業は、次の各号に掲げる業務、これらの業務の実施にかかる資金調達並びにこれらに付随 し、関連する一切の事業及び業務により構成されるものとし、運営権者は本事業に関連のない事業を行ってはならない。
(1) 運営業務
(2) 維持管理業務
(3) リニューアル業務
(4) 付帯事業
2 運営権者は、法令等を遵守し、本実施契約及び本事業関連書類に従い、善良なる管理者の注意義務をもって本事業を遂行しなければならない。
第4条 市と運営権者は、疑義が生じた場合には、本実施契約と共に、本事業関連書類に定められた事項が適用されることを確認する。
2 本実施契約と本事業関連書類との間又は本事業関連書類相互間に矛盾、齟齬がある場合、本実施契約、要求水準書、基本協定、募集要項等に関する質疑回答、募集要項等、提案書の順にその解釈が優先する。
3 前項の規定にかかわらず、提案書と要求水準書の内容に差異があり、提案書に記載された性能又は水準が、要求水準書に記載された性能又は水準を上回るときは、その限度で提案書の記載が要求水準書の記載に優先する。
第5条 運営権者は、本実施契約及び本事業関連書類に特段の規定がある場合を除き、別紙2リスク分担に定める条件に従い、自らの責任及び費用負担において本件業務を実施しなければならない。本件業務に関する運営権者の資金調達は、すべて運営権者の責任において行う。
2 運営権者が本件業務を実施するに当たり、国又は地方公共団体等が実施する法制上及び税制上の措置ならびに財政上及び金融上の支援を受けることができる可能性がある場合、市は、合理的に可能な範囲内で協力する。
第6条 運営権者は、本実施契約及び本事業関連書類に従い、本件業務を直接委託し又は請け負わせることができる。ただし、運営権者は、本件業務の全部を一括して第三者に委託し又は請け負わせてはならない。
2 運営権者は、前項により各本件業務を委託し又は請け負わせるときは、事前にその委託又は請負の内容を市に報告しなければならない。
3 運営権者は、各本件業務にかかる構成企業を変更又は追加してはならない。ただし、やむを得ない事情が生じた場合であって、市の事前の承諾を得た場合はこの限りではない。
4 運営権者による、構成企業又はその他の第三者への業務の委託及び請負は、すべて運営権者の責任において行うものとし、構成企業又はその他の第三者の責めに帰すべき事由は、すべて運営権者の責めに帰すべき事由とみなして、運営権者が責任を負う。
第7条 運営権者による本件業務の実施その他本実施契約上の義務を履行するために必要な一切の許認可は、運営権者がその責任及び費用負担において、これを取得及び維持しなければならない。本件業務の実施その他本実施契約上の義務を履行するために必要な一切の届出・各種申請についても同様とし、運営権者がその責任及び費用負担において、これを提出しなければならない。ただし、市が取得及び維持すべき許認可ならびに市が提出すべき届出はこの限りでない。
2 運営権者は、前項の許認可等の申請に際しては、市に事前説明及び事後報告を行う。
3 市は、運営権者が要請した場合には、運営権者による許認可の取得、届出及びその維持等に必要な資料の提供等その他必要な事項について、合理的に可能な範囲で協力する。
4 運営権者は、市が要請した場合には、市による許認可の取得、届出及びその維持等に必要な資料の提供等その他必要な事項について、合理的に可能な範囲で協力する。
5 運営権者は、運営権者が取得すべき許認可の取得又は届出の遅延により、増加費用又は損害が生じた場合、当該増加費用又は当該損害を負担する。ただし、市の責めに帰すべき事由による場合は、市が当該増加費用又は損害を負担し、法令等の変更又は不可抗力により遅延した場合は、第 11 章又は第 12 章の規定に従う。
第8条 運営権者が本件業務を履行する過程で、又は履行した結果、第三者に損害が発生したときは、本実施契約の他に特段の定めがない限り、運営権者がその損害を賠償しなければならない。ただし、かかる損害のうち、市の責めに帰すべき事由により生じたものについては、市がこれを負担する。
2 運営権者による本件業務の実施に関し、不可抗力により第三者に損害が発生した場合、第 9 条第 3 項を適用する。
第9条 運営権者は、本実施契約に別段の定めがある場合を除き、本件業務の履行に関する一切の責任を負う。
2 本実施契約に別段の定めがある場合を除き、運営権者による本件業務の履行に関する市による請求、勧告、通知、確認、承認、承諾、検査等もしくは立会い又は運営権者から市に対する報告、通知もしく は説明等を理由として、運営権者はいかなる本実施契約上の責任も免れることはできず、当該請求、勧告、通知、確認、承認、承諾、検査等もしくは立会い又は報告、通知もしくは説明等を理由として、市は何ら責 任を負担しない。
3 本件業務について増加費用又は損害が発生した場合の措置は、次の各号記載のとおりとする。
(1) 市の責めに帰すべき事由により、増加費用又は損害が発生した場合、市が当該増加費用又は当該損害を負担する。
(2) 運営権者の責めに帰すべき事由により、増加費用又は損害が発生した場合、運営権者が当該増加費用又は当該損害を負担する。
(3) 法令等の変更又は不可抗力により、増加費用又は損害が発生した場合の取扱いは、第 11 章又は第 12 章の規定に従う。
第10条 運営権者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとり、災害等による損害をできる限り少なくするよう努めなければならない。
2 前項の場合において、運営権者は、そのとった措置の内容を市に直ちに通知しなければならない。
3 運営権者が第 1 項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、運営権者が自ら負担することが適当でないと市が認める部分については、市と運営権者で協議の上、合理的な範囲で市が負担する。
第11条 運営権者は、本件業務の実施に関し、事業期間において要求水準書で定める保険に加入し、そ
の保険料を負担する。
2 運営権者は、前項により加入した保険の保険証券又はこれに代わるものとして市が認めたものを、加入後速やかに市に呈示し、その原本証明付き写しを市に提出しなければならない。
第12条 市は、本実施契約及び要求水準書の内容を変更する場合、事前に運営権者に対して通知の上、その対応について協議を行った上で書面により変更するものとする。
2 本実施契約及び要求水準書の内容を変更することにより、増加費用又は損害が発生した場合の措置は、第9 条3 項の規定に従う。
3 本実施契約に基づき運営権者に生じた増加費用又は損害を市が負担する場合、当該増加費用又は損害の帰責事由等にかかわらず、当該増加費用又は損害には、運営権者(本件業務の一部を第三者に委託し又は請け負わせた場合における当該第三者を含む。)の逸失利益を含まないものとする。
第13条 市は、運営権の設定に関する長久手市議会の議決を得る等の必要条件を満たしていることを前提として、運営権者が運営権設定対象施設の運営等を実施するための運営権を設定する。
2 前項により設定された運営権は、運営開始予定日に効力を発生するものとする。ただし、次の各号の条件の全部又は一部が充足しなかった場合(市が充足しないことを許容した条件を除く。)、市は運営権の効力発生を延期することができる(以下、本項に基づき運営権の効力が発生した日を「運営開始日」という。)
(1) 運営権者の①原本証明付定款の写し、②履歴事項全部証明書及び③代表印の印鑑証明書の市への提出(ただし、基本協定に基づいて提出された書類から変更がない場合は、当該書類の再提出を要しない。)
(2) 運営開始予定日において第 62 条各号に掲げる事項が真実かつ正確であり、誤解を避けるために必要な説明に欠けていないこと。
(3) 基本協定の当事者(市を除く。)について基本協定に定める義務の違反がなく、また本事業の優先交渉権者決定手続に関して、基本協定第6条第4項各号のいずれかの事由が生じていないこと。
(4) 運営権者による本件業務の実施に必要となる許認可等の取得及び維持がなされていると合理的に認められること。
(5) 実施契約締結から運営開始日までに実施すべき準備業務が実質的に完了していると市が認めるこ
と。
(6) 前各号のほか、運営権者において、本実施契約に定める義務の違反がないこと。
3 前項により設定された運営権の効力発生により、当該効力発生時点における運営権設定対象施設の運 営等に関する権利及び責任は、本実施契約で別途定める場合を除き、市から運営権者に移転する。また、市は、当該効力発生後直ちに、運営権者に対して運営権の効力発生を証する書面を交付する。
4 運営権の存続期間は、運営開始日から2045 年 3 月末日まで(第 50 条第 2 項に基づき運営期間が延長された場合は当該延長後の運営期間の終了日まで)とする。
5 運営権者は、運営権の効力発生後、自らの費用負担により、PFI 法第 27 条に基づく運営権の登録に必要な手続を行うものとし、市はこれに協力する。
6 運営権者は、運営開始日が運営開始予定日よりも遅延したことにより、増加費用又は損害が生じた場合は、当該増加費用又は当該損害を自ら負担し、この場合においても運営期間の終了日は変更されない。ただし、当該遅延が市の責めに帰すべき事由による場合は、市が当該増加費用又は損害を負担し、法令等の変更又は不可抗力により遅延した場合は、第11 章又は第 12 章の規定に従う。
第14条 運営権者は、本実施契約の締結日後、運営開始予定日までの間における市が指定した期日に、市に対して、市が指定する方法により運営権対価ならびにこれにかかる消費税及び地方消費税を一括で支払う。
2 優先交渉権者が提案書に記載した運営権対価は、実施契約の締結時に変更することは出来ないものとする。
3 運営開始日以降において、運営権が存続期間の満了日より前に取り消された場合、運営権対価の総 額を運営開始日(同日を含む。)から存続期間の満了日(同日を含む。)までの実日数で除した金額に、残存する運営期間(運営権の取消しの効力発生日の翌日(同日を含む。)から存続期間の満了日(同日を 含む。)まで)の実日数を乗じて得られた金額を、市は運営権者に対して返還する。ただし、当該返還 額に利息等は付さないものとし、また、市が運営権者に対する履行期の到来した金銭債権を有している 場合は、対当額において相殺することができる。
4 前項の規定にかかわらず、第51 条に基づき本実施契約が解除された場合には、市は運営権者から受領した運営権対価を返還しない。
5 市は、本実施契約で別途定める場合を除き、第1項の運営権対価を返還又は減額する義務を負わない。
第15条 前条第 1 項に基づく運営権対価の支払が同項に定める期日よりも遅延した場合、運営権者は、当該遅延期間に応じ第 78 条に規定される遅延利息を市に支払わなければならない。
第16条 運営権者は、運営権設定対象施設において、本実施契約及び本事業関連書類に従い、本件業務を実施する。
2 運営権設定対象施設の管理は、運営権者が善良なる管理者の注意義務をもってこれを行うものとし、運営権者は、本実施契約及び本事業関連書類において許容されている場合を除き、第三者に運営権設定対象施設を使用又は収益させてはならない。また、第三者に賃貸することはできない。
3 運営権者は、運営期間において、本事業の履行に必要な限度で、運営権設定対象施設を使用することができる。
4 運営権者は、前項に基づく運営権設定対象施設の使用に関して、市に使用料を支払うことを要しない。
第17条 市は、運営開始日までに、運営権設定対象施設を現状有姿にて運営権者に引き渡し、運営権者が本実施契約に基づき使用できるようにする。
2 市は、運営権設定対象施設に関する一切の契約不適合責任を負担しない。
3 前項の規定にかかわらず、運営開始日までに運営権設定対象施設が運営不可となると市が認める瑕疵により運営権者に直接生じた合理的な増加費用は市が負担する。
第18条 運営権設定対象施設において市が所有する器具・備品等については、運営開始日において現状有姿にて運営権者が適正に管理し、必要に応じて修繕・更新等を行う。
2 運営権者は、前項により引き継いだ器具・備品等に加え、本件業務において必要となる器具・備品等については自らの責任及び費用負担で調達・補充しなければならない。なお、建物と一体不可分のもの及び購入した備品・什器の中でも市に帰属するとしたもの(追加投資時に、協議とする。)は投資として扱う。
第19条 運営権者は、本実施契約の締結日後直ちに、事業期間中において本件業務を一元的に管理できる専任の統括管理責任者 1 名を定め、市に届け出なければならない。統括管理責任者を変更する場合は、30 日前までに市に届け出なければならない。
2 運営権者は、総括管理責任者を補佐し、総括管理責任者不在時の業務代行を行う専任の統括管理責任者代理1名を定め、市に届け出なければならない。統括管理責任者代理を変更する場合は、30 日前までに市に届け出なければならない。
3 各本件業務について、それぞれの業務責任者を 1 名定め、市に届け出なければならない。各業務責任者を変更する場合は、30 日前までに市に届け出なければならない。各業務責任者の兼任は認めないが、
リニューアル業務の業務責任者と統括管理責任者、統括管理責任者代理と維持管理業務又は運営業務の業務責任者について、各業務を遂行できる限りにおいて、兼任は認める。また、業務内容によって執行場所は運営権設定対象施設内でなくても良い。
第20条 運営権者は、本実施契約の締結日後速やかに、運営権設定対象施設の利用者等(事前予約者を含む。)に対し、運営権設定対象施設の運営主体の変更について周知するための広報及び連絡等を、株式会社長久手温泉と協力して行う。
2 運営権者は、運営権設定対象施設の運営内容に合わせてパンフレット等を作成し、運営権設定対象施設の広報・宣伝活動を行う。また、運営権者は、運営権設定対象施設のホームページ及び SNS アカウント等を開設し、また新聞・テレビ等の多様なメディアを活用して、積極的かつ効果的な広報宣伝を行うよう努めなければならない。
第21条 運営権者は、温泉交流施設の公共施設等運営権にかかる実施方針に関する条例(長久手市条例
5条1項)に従い運営権設定対象施設の利用料金体系(利用区分、単価等)を設定し、市に届け出なければならない。利用料金体系を変更しようとするときも同様とする。
第22条 運営権者は、本実施契約の締結日後速やかに、事業期間中、本件業務の具体的な実施体制、実施内容、実施工程及びセルフモニタリング方法等必要な事項を記載した様式及び内容の本事業関連書類に従った事業計画書を作成して市に提出し、運営開始日までに市の承認を得なければならない。
2 運営権者は、事業計画書の内容を変更しようとする場合は、速やかに変更案を市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
第23条 運営権者は、運営開始日から本件業務が円滑に実施できるよう、株式会社長久手温泉から運営権設定対象施設の維持管理及び運営に関する業務の引継ぎ(株式会社長久手温泉が作成した文書等の引継ぎを含む。)を行うものとし、市は業務の引継ぎに関して株式会社長久手温泉の協力が得られるよう合理的な範囲で協力する。
第24条 株式会社長久手温泉の従業員(正社員及びパートスタッフ)は原則として令和7年3月31日付で退職する。令和7年4月1日以降に運営権者での雇用を希望する株式会社長久手温泉の従業員に対して、乙は速やかに雇用を前提として個別面談を行い、株式会社長久手温泉における雇用条件をふまえ
て雇用調整を進めなければならない。
第25条 運営権者は、運営期間中において、本実施契約及び本事業関連書類に従い、自らの責任及び費用負担において、運営業務を行うものとし、運営業務に関する一切の責任を負担する。
第26条 運営権者は、各事業年度について、前年度の 12 月末日まで(初年度においては、リニューアル日の 60 日前まで)に、市に必要な事項を記載した様式及び内容の本事業関連書類に従った運営にかかる年度業務計画書を作成して市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
2 運営権者は、年度業務計画書の内容を変更しようとする場合は、速やかに変更案を市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
3 第1項の年度業務計画書は、第 31 条第1項の維持管理業務にかかる年度業務計画書と併せて作成し、取りまとめた上で市に提出するものとする。
第27条 運営権者は、本事業関連書類に従い、運営業務に関する年度報告書を作成し、年度報告書は当該年度終了後 30 日以内に市に提出する。
2 運営権者は、別紙3に従い、運営業務の実施状況について、自らの費用負担で事業計画書に定めた方法によるセルフモニタリングを行うものとし、年度報告書の提出に併せて自己評価シートを市に提出する。
3 第1項の年度報告書ならびに前項の自己評価シートは、第 32 条第1項及び第2項の維持管理業務に かかる年度報告書ならびに自己評価シートと併せて作成し、取りまとめた上で市に提出するものとする。
第28条 運営権者は、第 21 条に基づき定めた料金体系に基づき、運営権設定対象施設の利用者から徴収した利用料金を、自らの収入とすることができる。
2 運営権設定対象施設の利用料金の収納に関する業務については、市はその責任を負担せず、そのすべてを運営権者の責任とする。
3 市は、随時、利用料金の出納状況について、運営権者に対し監査を実施することができる。
4 本実施契約の他の規定にかかわらず、市の責めに帰すべき事由による場合を除き、運営権設定対象施設の利用者数の増減及びそれに伴う利用料金収入の増減に関するリスクは、市はその責任を負担せず、すべて運営権者の負担とする。
第29条 運営権者は、会社法に基づく各年度の運営権者の純利益が利益還元基準額を上回る場合において、純利益と利益還元基準額の差に一定の割合(以下、「還元割合」という。)を乗じた額(以下、
「利益還元金」という。)を市に納める。納付方法は実施契約締結後、詳細について定めるものとし、市に納付する利益還元金は、市にリスク分担がある箇所の修繕又は改修に充当するものとする。なお、事業安定化のため運営開始後2年間は、利益還元を猶予する。
2 優先交渉権者が提案書に記載した利益還元基準額、還元割合は、実施契約の締結時に変更することは出来ないものとする。
3 市は、運営権者により適正な収支管理が行われていることを確認するため、定期的に又は随時財務モニタリングを行うことができ、運営権者はこれに協力しなければならない。
第30条 運営権者は、本実施契約及び本事業関連書類に従い、自らの責任及び費用負担において、維持管理業務を行うものとし、維持管理業務に関する一切の責任を負担する。
第31条 運営権者は、各事業年度について、前年度の 12 月末日まで(初年度においては、市が指定した日の 60 日前まで)に、市に必要な事項を記載した様式及び内容の本事業関連書類に従った維持管理業務にかかる年度業務計画書を作成して市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
2 運営権者は、年度業務計画書の内容を変更しようとする場合は、速やかに変更案を市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
第32条 運営権者は、本事業関連書類に従い、維持管理業務に関する年度報告書を作成し、年度報告書は当該年度終了後 30 日以内に市に提出する。
2 運営権者は、本事業関連書類に従い、維持管理業務の実施状況について、自らの費用負担で事業計画書に定めた方法によるセルフモニタリングを行うものとし、前項の年度報告書の提出に併せて自己評価シートを市に提出する。
第33条 運営権者は、運営開始日から 6 か月以内に、運営権設定対象施設の調査を行い、施設台帳及び
保守管理等に用いる施設図面を作成しなければならない。
2 前項の調査等の結果、修繕業務等に関して建築基準法(昭和 25 年法律第201 号)等の法令等に基づく各種申請等の手続が必要となる場合は、運営権者はこれを適切に実施しなければならない。各種申請等に要する費用は運営権者の負担とする。
第34条 運営権者は、運営開始日から市が指定した日までに、市に必要な事項を記載した様式及び内容の本事業関連書類に従った運営権設定対象施設に関する中長期修繕業務計画書を作成して市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
2 運営権者は、中長期修繕業務計画書の内容を変更しようとする場合は、速やかに変更案を市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
3 運営権者は、中長期修繕業務計画書に基づき、運営権設定対象施設の修繕を実施する。
第35条 運営権者は、本実施契約及び本事業関連書類に従い、自らの責任及び費用負担において、リニューアル業務を行うものとし、リニューアル業務に関する一切の責任を負担する。
第36条 運営権者は、本実施契約の締結日後速やかに、リニューアル業務の具体的な実施体制、実施内容、実施工程等、市に必要な事項を記載した様式及び内容の本事業関連書類に従ったリニューアル計画書を作成して市に提出し、市の承認を得なければならない。
2 運営権者は、リニューアル計画書の内容を変更しようとする場合は、速やかに変更案を市に提出し、その内容について市の承認を得なければならない。
第37条 運営権者は、本実施契約及び本事業関連書類に従い、リニューアル業務において、自らの責任及び費用負担において、運営権設定対象施設の改修を行うことができる。ただし、躯体や建物共通設備等にかかる部分の改修については、市と協議する。
第38条 運営権者は、運営権設定対象施設について、改修することができる。
2 前項の改修の対象部分は、自らの責任及び費用負担において行うものとし、改修の完了後、市の所有物となり運営権設定対象施設に含まれ、かつ運営権の効力が及ぶものとする。
3 運営権者は、運営権設定対象施設について、増築及び改築を行うことはできない。ただし、事業期間中において市が政策を変更した場合は、この限りではない。
第39条 運営権者は、運営権設定対象施設の改修を行おうとするときは、事前に当該改修に関する計画書(以下、「改修計画書」という。)を作成して市に提出し、市の承認を得なければならない。
2 市は、運営権者から提出された改修計画書の内容について必要があるときは、追加資料の提出を求めることができる。
3 運営権者は、改修計画書について市の承認を得るまでは、改修計画書に基づく改修に関する設計業務
(以下、「個別設計業務」という。)に着手してはならない。
第40条 運営権者は、個別設計業務に関して、設計業務責任者1 名を配置し、設計業務責任者届を市に提出する。
2 運営権者は、個別設計業務に着手する前に、本事業関連書類に従い設計業務計画書その他必要書類を作成し、市に提出し、市の確認を受けなければならない。これらの書類を変更する場合も同様とする。
3 運営権者は、個別設計業務の進捗に関して、定期的に市と打ち合わせを行うものとし、基本設計が完成した段階及び実施設計が完成した段階で、それぞれ基本設計成果図書及び実施設計成果図書を市に提出しなければならない。
4 市は、前項に基づき運営権者から提出された基本設計成果図書及び実施設計成果図書の内容を確認し、それらが本事業関連書類及び改修計画書の内容を逸脱していると判断した場合、運営権者の責任及び費 用負担において、その修正を求めることができる。修正後の基本設計成果図書及び実施設計成果図書に ついても同様とする。
5 運営権者は、前項の市の確認を受けて個別設計業務が完了したとき認められるときは速やかに、設計業務完了届を市に提出する。
6 運営権者は、前項の設計業務完了届を提出して第 39 条第3項及び第 40 条第2項の市の承認及び確認を得るまでは、改修に関する建設業務(以下、「個別建設業務」という。)に着手してはならない。
第41条 運営権者は、個別建設業務に着手する前に、本事業関連書類に従い建設業務計画書を作成し、要求水準書において指定された書類とともに市に提出し、市の確認を受けなければならない。これらの
書類を変更する場合も同様とする。
2 運営権者は、個別建設業務の実施に先立ち、本事業関連書類に従い、近隣住民や周辺施設との調整、ならびに近隣住民、周辺施設及びその利用者等に与える影響等について事前調査等を十分に行い、個別建設業務の円滑な推進と近隣の理解及び安全を確保しなければならない。
3 運営権者は、本事業関連書類に従い、個別建設業務の工事現場における安全対策を実施するとともに、近隣へ事故や災害等が及ばないよう対策を行わなければならない。
4 運営権者は、工事に関して、騒音、振動、悪臭、粉じん、地盤沈下、搬出入車両の交通問題をはじめ、周辺環境への影響を十分に配慮し、問題が発生しないように努めなければならない。万一近隣に悪影響 が発生した場合は、運営権者を窓口として対応するものとし、運営権者が自らの責任及び費用負担にお いて処理しなければならない。
5 市は、必要に応じて随時、個別建設業務の現場の確認を行うことができる。また、市は、個別建設業務の施工状況等に関して随時、運営権者に対して説明を求めることができ、その場合運営権者は速やかに回答しなければならない。
第42条 運営権者は、本事業関連書類に従い、工事監理者をして、工事監理報告書を毎月作成の上、市に提出させ、市の要請があったときは工事監理の状況を随時報告させなければならない。
第43条 市は、個別建設業務が完了した場合、個別建設業務の実施にかかる運営権設定対象施設(以下、「整備施設」という。)について完成確認を行う。運営権者は、市による完成確認に立ち会うとともに、市に協力する。
2 前項の完成確認の結果、整備施設が本事業関連書類及び設計図書の内容に適合していないことが判明した場合、市は運営権者に対してその是正を求めることができ、運営権者はこれに従わなければならない。
3 運営権者は、前項に基づき是正を行ったときは、当該是正部分について再度市による完成確認を受けなければならない。
4 市は、完成確認の結果、整備施設が本事業関連書類及び設計図書の内容を満たしていると判断した場合には、運営権者に対して遅滞なく完成確認通知を交付する。
5 市は、完成確認通知の交付を理由として、改修に関する業務の全部又は一部について何らの責任も負担せず、また、運営権者は、これを理由として、本実施契約上の運営権者の責任を何ら軽減又は免除されるものではない。運営権者は、完成確認通知の交付を理由として、整備施設について契約不適合責任の発生を争い、又はその履行を拒絶もしくは留保することはできない。
6 整備施設が本事業関連書類及び設計図書の内容に適合していないことが判明した場合、市は、運営権者が個別建設事業者に対し、本条による修補又は代替物の引渡しによる履行の追完及び損害の賠償をな
すことについて保証させ、当該改修工事にかかる請負契約の締結日後速やかに、個別建設事業者にその是正を求めることができるようをして、別紙4の様式による保証書を差し入れさせることができるものとする。
第44条 運営権者は、市から前条第4 項の完成確認通知を受領した後、整備施設を市に引き渡し、整備施設の所有権を市に取得させる。運営権者は、整備施設について、担保権その他の制限物権等の制限のない、完全な所有権を市に移転しなければならない。
2 運営権者は、前項の整備施設の市への引渡しと同時に、完成図書を市に提出しなければならない。
(改修に関して市が運営権者に対し費用負担する契約の契約不適合責任)
第45条 市は、運営権者から引き渡された整備施設のうち、改修に関して市が運営権者に対し費用負担する契約に含まれるものについて、本実施契約、本事業関連書類、改修計画書及び設計図書に適合しないもの(以下、「契約不適合」という。)である場合、運営権者に対し、その修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、市 は、履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、市が相当の期間を定めて履行の追完を催告し、その期間内に履行の追完がないときは、市は、その契約不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告することなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき(第 1 項に基づき履行の追完を請求することができないときを含む。)。
(2) 運営権者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) 整備施設等の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、運営権者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4) 前各号に掲げる場合のほか、市が本項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
3 市は、整備施設の引渡しを受けた日から 2 年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、代金の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
4 前項の規定にかかわらず、整備施設内に設置された器具・備品等の契約不適合については、引渡しの 時、市が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、運営権者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から
1 年が経過する日まで請求等をすることができる。
5 前二項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠の根拠を示して、運営権者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
6 市が第 3 項又は第 4 項に規定する契約不適合にかかる請求等が可能な期間(以下この項及び第 9 項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を運営権者に通知した場合において、市が通知から 1 年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
7 市は、第 3 項又は第 4 項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法
(明治 29 年法律第 89 号)の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
8 前各項の規定は、契約不適合が運営権者の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する運営権者の責任については、民法の定めるところによる。
9 民法第 637 条第1 項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
10 市は、整備施設の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第 3 項の規定にかかわらず、その旨を直ちに運営権者に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、運営権者がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
11 引き渡された整備施設の契約不適合が市による支給材料の性質又は市の指図により生じたものであるときは、市は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、運営権者がその材料又は指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
第46条 運営権者は、本事業関連書類に従い、運営権設定対象施設外で福祉の家内及び隣接の市の所有地以下、「において、自らの責任及び費用負担において、付帯事業を実施することができる。
2 運営権者は、付帯事業を実施しようとする場合は、本事業関連書類に従い、事前に市に必要な事項を記載した付帯事業計画書を市に提出し、市の承認を得なければならない。
3 市は、付帯事業に関する一切の責任を負わず、また一切の費用を負担しない。
4 運営権者は、付帯事業の実施に必要な範囲で、長久手市使用料及び手数料条例(平成12 年長久手市条例第5条第1項)等に基づき使用許可を受け、当該使用許可にかかる使用料を市に対して支払う。
第47条 運営権者は、第3項に基づく市の承諾を得た上で、付帯事業の一部又は全部を終了することができる。
2 運営権者は、付帯事業の一部又は全部を終了することを希望する場合、その旨を市に通知しなければならない。
3 前項の通知を受けた場合、市は、当該付帯事業の継続について運営権者と協議を行った上で、終了がやむを得ないと認めた場合には、運営権者による付帯事業の一部又は全部の終了について承諾することができる。
4 市が、運営権者の行う付帯事業が、本事業関連書類の内容を逸脱することになったと判断した場合、運営権者による付帯事業の一部又は全部を終了させることができる。
5 運営権者は、運営権設定対象施設外で福祉の家内及び隣接の市の所有地の一部を占有使用して付帯事業を実施する場合は、付帯事業の終了までに、当該運営権設定対象施設外で福祉の家内及び隣接の市の所有地の一部を自らの費用負担で原状に復して市に引き渡さなければならない。
第48条 市は、本事業関連書類に適合した本事業の遂行を確保するため、運営権者が実施するセルフモニタリングの結果を踏まえ、別紙3の規定に基づき、各本件業務につきモニタリングを行う。
2 モニタリングの結果、運営権者による各本件業務の実施が本事業関連書類を逸脱していると市が判断した場合には、市は、別紙3に従って、各本件業務につき必要な措置を行う。
3 モニタリングにかかる費用のうち、本実施契約において運営権者の義務とされているものを除くその他の部分は、これを市の負担とする。
4 運営権者は、資金調達を含む本事業について、本事業関連書類を逸脱する状況が生じ、かつ、これを運営権者自らが認識した場合、その理由及び状況ならびに対応方針等を直ちに市に対して報告・説明しなければならない。
6 第 64 条第5項で提出する書類等をもとに、モニタリングを実施する。
第49条 市は、運営権者に対し、本件業務について、随時その説明を求め、市が必要とする書類の提出を請求し、又は本件業務の実施状況を自ら立会いの上確認することができる。運営権者は、かかる市の要求に対して最大限の協力を行わなければならない。
2 前項に規定する説明又は確認の結果、本件業務の状況が、本事業関連書類の内容を逸脱していることが判明した場合の措置については、前条第2 項の規定が適用される。
3 市は、必要に応じて、運営権設定対象施設について、運営権設定対象施設の利用者その他の者へのヒアリングを行うことができる。
4 運営権者が第48 条及び第49 条に従わない場合で市の再度の要請に応じない場合は、第51 条の第1 項
第7 号に該当するとし、市は同条第3 項の費用を請求する。
第1節 本実施契約の終了
第50条 本実施契約は、本実施契約に別段の定めがある場合を除き、本実施契約の締結日から効力を生じ、事業期間の終了日(本実施契約によってそれ以前に本実施契約が終了した場合は当該終了日)まで効力を有する。
2 運営権者が市に対し、事業期間終了日の 3 年前までに期間延長の届出を行い、市と運営権者が協議の上合意した場合、事業期間について5 年を超えない範囲内で延長することができる。
第51条 本実施契約の締結日以後運営期間の終了日までの間において、次に掲げるいずれかの事由が生じた場合、市は、運営権者に対して、次項に掲げる措置のいずれかをとることができる。
(1) 運営権者が本件業務の全部又は一部の履行を怠り(運営権者による本件業務の履行の内容が本事業関連書類の内容を逸脱している場合を含む。)、その状態が30 日間以上にわたり継続したとき。
(2) 運営権者の責めに帰すべき事由により、本実施契約の履行が困難となったとき。
(3) 運営権者の責めに帰すべき事由により、運営権が取り消されたとき。
(4) 運営権者にかかる破産手続開始、会社更生手続開始、民事再生手続開始、特別清算開始その他の倒産法制上の手続について、運営権者の取締役会でその申立を決議したとき又はその他の第三者
(運営権者の役員、従業員を含む。)によりその申立がなされたとき。
(5) 運営権者が、市に対し虚偽の報告をし、又は正当な理由なく報告等を拒んだとき。
(6) 構成企業又は協力企業が本事業の優先交渉権者決定手続に関して重大な法令等の違反をしたとき。
(7) 運営権者が、正当な理由なくして、モニタリングに基づく市の是正指導、是正勧告又は当該業務に当たる者の変更の要求等に従わないとき。
(8) 運営権者の責めに帰すべき事由により、運営権者から本実施契約の解除の申出があったとき。
(9) 運営権者が次のいずれかに該当したとき。
ア 役員等(非常勤を含む役員及び支配人ならびに支店又は営業所の代表者をいう。以下同じ。)が暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第 77 号。以下、
「暴対法」という。)第 2 条第 6 号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)であると認められるとき。
イ 暴力団(暴対法第 2 条第 2 号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)又は暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
ウ 役員等が、自社、自己もしくは第三者の不正な利益を図り、又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用していると認められるとき。
エ 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなど直接的もし
くは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、又は関与していると認められるとき。
オ 役員等が、暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
カ 本実施契約にかかる下請契約又は資材、原材料の購入契約等の契約(以下、「下請契約等」という。)に当たって、その相手方がアからオまでのいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
キ 本実施契約にかかる下請契約等に当たって、アからオまでのいずれかに該当する者をその相手方としていた場合(カに該当する場合を除く。)において、市が運営権者に対して当該契約の解除を求め、運営権者がこれに従わなかったとき。
ク 本実施契約の履行に当たって、暴力団又は暴力団員から不当介入を受けたにもかかわらず、遅滞なくその旨を市に報告せず、又は警察に届け出なかったとき。
(10) 前各号に掲げる場合のほか、運営権者が適用のある法令等もしくは本実施契約に違反し、又は運営権者による本実施契約における表明保証が真実でなく、その違反もしくは不実により本実施契約の目的を達することができない又は運営権もしくは本指定を継続することが適当でないと市が認めたとき。
2 前項の場合において、市が運営権者に対してとり得る措置は、次の各号記載のとおりとする。
(1) 市は、運営権者に対して書面で通知した上で、本実施契約を解除することができる。
(2) 市が、本事業を継続することが合理的と判断した場合、市、運営権者及び運営権者の株主との間における協議を経た上で、運営権者の株主をして、運営権者の全株式を、法令等に基づき、市が認める条件で、市が承認する第三者へ譲渡させることができる。
(3) 市が、本事業を継続することが合理的と判断した場合、運営権及び運営権者の本実施契約上の地位を、市が認める条件で、市が承認する第三者へ譲渡させることができる。
3 前項第 1 号により本実施契約が解除された場合、運営権者は、市に対して、別紙5に示す市が算定する温泉交流施設の改修基準額の100 分の 10 に相当する金額(以下、「違約金」という。)として市が指定する期間内に支払う。さらに、市が被った合理的損害の額が違約金の額を超過する場合、市は、かかる超過額について、運営権者に損害賠償請求を行うことができる。
4 ただし、運営権者が運営権設定対象施設において投資をしている場合は、前項の違約金からその投資額を差し引いた額を違約金とする。
5 次に掲げる者が本実施契約を解除した場合は、第 2 項第 1 号により本実施契約が解除された場合とみなす。
(1) 運営権者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成 16 年法律第 75 号)の規定により選任された破産管財人
(2) 運営権者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成 14 年法律第
154 号)の規定により選任された管財人
(3) 運営権者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成 11 年法律第
225 号)の規定により選任された再生債務者等
第52条 本実施契約の締結日以後運営期間の終了日までの間において、市が本実施契約上の重要な義務に違反した場合、運営権者は、市に対し、書面で通知の上、当該違反の是正を求めることができる。運営権者は、かかる通知が市に到達した日から30 日以内に市が当該違反を是正しない場合には、市に対して、さらに書面で通知をした上で、本実施契約を解除することができる。
2 市がすべての運営権設定対象施設の所有権を有しなくなった場合、PFI法第29 条第4項により運営権は消滅し、本実施契約も当然に終了する。
3 前各項に基づき本実施契約が解除された場合又は終了した場合(前項の場合については市の責めに帰すべき事由がある場合に限る。)、市は、運営権者に対し、当該解除又は終了に伴う合理的な増加費用及び損害を負担する。ただし、逸失利益は含まないものとする。
第53条 市は、運営権設定対象施設を他の公共の用途に供する場合その他の理由に基づく公益上やむを得ない必要が生じた場合、6 か月以上前に運営権者に通知して、本実施契約を解除することができる。
2 前項に基づき本実施契約が解除された場合、前条第 3 項の定めによる。なお、この場合において、第 14 条第3項に基づき、運営権対価を返還し、市及び運営権者いずれにも第 51 条第 3 項及び第 52 条第 3項の費用及び違約金は発生しない。
第54条 本実施契約の締結日以後運営期間の終了日までの間において、第 65 条第2項に基づく協議にもかかわらず、本実施契約の締結日以後における法令等の変更により、市が運営権者による本事業の継続を困難と判断した場合又は本実施契約の履行のために過大な費用を要すると判断した場合、市は、運営権者と協議の上、次に掲げる措置のいずれかをとることができる。
(1) 市は、運営権者に対して書面で通知した上で、本実施契約を解除することができる。
(2) 市が、本事業を継続することが合理的と判断した場合、市、運営権者及び運営権者の株主との間における協議を経た上で、運営権者の株主をして、運営権者の全株式を、法令等に基づき、市が認める条件で、市が承認する第三者へ譲渡させることができる。
(3) 市が、本事業を継続することが合理的と判断した場合、運営権者をして、第 63 条に基づき、運営権及び運営権者の本実施契約上の地位を、市が認める条件で、市が承認する第三者へ譲渡させる
ことができる。
2 前項第 1 号に基づき本実施契約が解除された場合、市は当該解除に伴い運営権者に生じた増加費用及び損害について一切負担しない。なお、この場合において、市は、第14 条第3項に基づき、運営権対価を返還し、市及び運営権者いずれにも第51 条第3 項及び第 52 条第3 項の費用は発生しない。
第55条 本実施契約の締結日以後運営期間の終了日までの間において、第 67 条第2項に基づく協議にもかかわらず、不可抗力にかかる事由が生じた日から60 日以内に本実施契約の変更及び増加費用の負担について合意が成立しない場合、市は、運営権者と協議の上、次に掲げる措置のいずれかをとることができる。
(1) 市は、運営権者に対して書面で通知した上で、本実施契約を解除することができる。
(2) 市が、本事業を継続することが合理的と判断した場合、市、運営権者及び運営権者の株主との間における協議を経た上で、運営権者の株主をして、運営権者の全株式を、法令等に基づき、市が認める条件で、市が承認する第三者へ譲渡させることができる。
(3) 市が、本事業を継続することが合理的と判断した場合、運営権者をして、第 63 条に基づき、運営権及び運営権者の本実施契約上の地位を、市が認める条件で、市が承認する第三者へ譲渡させることができる。
2 前項第 1 号に基づき本実施契約が解除された場合、当該不可抗力により市及び運営権者に生じた損害・損失は各自が負担し、相互に賠償は行わない。また、市は当該解除に伴い運営権者に生じた増加費用及び損害について一切負担しない。なお、この場合において、市は、第14 条第3項に基づき、運営権対価を返還し、市及び運営権者いずれにも第51 条第3 項及び第52 条第3 項の費用は発生しない。
第2節 本実施契約終了に際しての処置
第56条 本実施契約の定めに従って本実施契約が運営期間の終了日までに解除又は終了した場合、市 は、法令等において要求される聴聞等の手続を経た上で、運営権(すでに運営権者が放棄しているか消滅している場合を除く。)を取り消すものとする。
2 前項の規定にかかわらず、前項の場合において市が別途指示したときは、運営権者は、運営権を市が指定する第三者に無償譲渡しなければならない。
第57条 運営権者は、本実施契約の終了に際して、本事業関連書類に従い、本件業務(付帯事業を除く。)について、市又は市が指定する第三者に対し、業務の引継ぎを行わなければならない。
2 運営権者は、本実施契約の終了に際して、運営権設定対象施設を運営及び維持管理するために必要な、運営権者の保有するすべての資料を市又は市が指定する第三者に引き渡さなければならない。
3 運営権者は、市の指示があった場合には、運営権者が運営権設定対象施設内に所有する本件業務に関する資産を、市又は市が指定する第三者に時価で譲渡するものとする。なお、運営権者が保有し本件業務において使用している知的財産権等については、運営権設定対象施設の運営及び維持管理するために必要として要請された範囲で、市又は市が指定する第三者に対して無償で使用させ又は譲渡するものとする。
4 前各項の引継ぎに要する費用は、運営権者の負担とする。
第58条 運営権者は、本実施契約の終了後の利用にかかるものとして受領した運営権設定対象施設の利用料金収入については、速やかにその全額を市又は市が指定する第三者に引き渡さなければならない。
第59条 運営権者は、本事業関連書類に従い、本実施契約の終了に際して、運営権設定対象施設及び運営権設定対象施設内に設置された市の所有にかかる器具・備品等(以下本条及び次条において「運営権設定対象施設等」という。)のすべてが正常に使用でき、本事業関連書類で要求される性能及び機能を発揮でき、著しい損傷がなく、かつ本実施契約の終了日から 1 年以内の劣化による修繕・更新を要しない状態で市に運営権設定対象施設等を引き渡さなければならない。
2 運営権者は、本実施契約の終了に際して、運営権設定対象施設内に運営権者が所有又は管理する工事材料、機械器具、仮設物その他の物件(運営権者が使用する第三者の所有又は管理にかかる物件を含む。以下、本条において同じ。)があるときは、第57 条第 3 項により市又は市が指定する第三者に譲渡されるものを除き、自らの責任及び費用負担にて処分しなければならない。
3 前項の場合において、運営権者が相当期間内に当該物件の処分を行わないときは、市は、運営権者に代わって当該物件を処分、修復、片付けその他の適当な処置を行うことができる。運営権者は、かかる市の処置について異議を申し出ることができず、かつ、市がかかる処置に要した費用を負担する。
第60条 本実施契約に別途規定されている場合を除き、本実施契約の終了に関する手続に伴い発生する諸費用及び運営権者の清算に伴う評価損益等については、運営権者がこれを負担する。
第61条 運営権者は、市に対して、本実施契約の締結日現在において、次に掲げる事項が真実かつ正確であり、誤解を避けるために必要な説明に欠けていないことを表明し、保証する。
(1) 運営権者は、日本国の法律に基づき適法に設立され、有効に存続する株式会社であり、かつ、自
己の財産を所有し、本実施契約を締結し、及び本実施契約の規定に基づき義務を履行する権限及び権利を有していること。
(2) 運営権者による本実施契約の締結及び履行は、運営権者の目的の範囲内の行為であり、運営権者は、本実施契約を締結し、履行することにつき、法令等上及び運営権者の社内規則上要求されている一切の手続を履践していること。
(3) 本実施契約の締結及び本実施契約に基づく義務の履行は、運営権者に適用のある法令等に違反せず、運営権者が当事者であり、運営権者が拘束される契約その他の合意に違反せず、又は運営権者に適用される判決、決定もしくは命令の条項に違反しないこと。
(4) 本実施契約は、その締結により適法、有効かつ拘束力ある運営権者の債務を構成し、本実施契約の規定に従い、運営権者に対して執行可能であること。
(5) 運営権者の株主が、基本協定第5条すべての要件を満たしていること。
(6) 運営権者は、PFI 法第29 条第 1 項第 1 号イ、ロ、ニ及びトのいずれにも該当していないこと。
第62条 運営権者は、本実施契約に基づくすべての債権債務が消滅するに至るまで、次の事項を市に対して誓約する。
(1) 本実施契約及び本事業関連書類を遵守すること。
(2) 市の事前の承諾なしに、運営権、本実施契約上の地位又は本実施契約に基づく権利もしくは義務を、第三者に譲渡、担保提供その他の処分をしないこと。
(3) 前号に定めるほか、市の事前の承諾なしに、本事業に関連して運営権者が市との間で締結したその他の契約に基づく契約上の地位又はそれらの契約に基づく権利もしくは義務を、第三者に譲渡、担保提供その他の処分をしないこと。
(4) 市の事前の承諾なしに、運営権者の定款の変更、重要な資産の譲渡、解散、合併、事業譲渡、会社分割、株式交換、株式移転その他の組織再編行為、又は組織変更を行わないこと。
(5) 運営権者の代表者、役員又は商号等に変更があった場合、直ちに市に通知すること。
(6) 運営権者が、基本協定第4条第1項各号及び第5条第2項第1号に掲げる事項を継続して満たしていること。
第63条 前条第 2 号の規定にかかわらず、運営権者は、PFI 法第 26 条第2 項に基づく市の許可をあらかじめ得た場合には、運営権を移転することができる。この場合、市は、以下の内容を含む条件を附して許可することができる。
(1) 譲受人が、本事業における運営権者の本実施契約上の地位を承継し、本実施契約に拘束されるこ
とについて、市に対して承諾書を提出すること。
(2) 譲受人が、運営権者が所有し、本事業の実施に必要な一切の資産及び契約上の地位の譲渡を受けること。
(3) 譲受人のすべての株主が、市に対して株主誓約書と同様の内容の誓約書を提出すること。
第64条 運営権者は、以下の書類を、本実施契約の締結後 7 日以内に速やかに市に提出する。以下の書類の記載内容に変更があった場合も同様とする。
(1) 運営権者の定款の原本証明付写し
(2) 運営権者の株主名簿(会社法(平成 17 年法律第 86 号)第 121 条の要件を満たす株主名簿とする。)の原本証明付写し
(3) 運営権者の履歴事項全部証明書
(4) 本事業にかかる実施体制図
2 運営権者は、株主総会の開催後14 日以内に、当該株主総会に提出又は提供された資料及び当該株主総会の議事録(又は議事要旨)の原本証明付写しを市に提出する。
3 運営権者は、取締役会の開催後14 日以内に、当該取締役会に提出又は提供された資料及び当該取締役会の議事録(又は議事要旨)の原本証明付写しを市に提出する。
4 運営権者は、本事業に関連して市以外を相手方として締結する予定の契約又は覚書等の一覧(運営権者、構成企業又は協力企業が締結する保険の一覧及びその他市が提出を求めたものを含む。)を、本実施契約の締結後 30 日以内に市に提出する。契約又は覚書等の一覧に変更があった場合も同様とする。
5 運営権者は、各事業年度にかかる定時株主総会の開催後 14 日以内に、以下の計算書類等を市に提出し、市の要求に応じて必要な説明を行う。
(1) 各事業年度にかかる監査済計算書類(会社法第 435 条第 2 項に規定される計算書類及び事業報告ならびにこれらの附属明細書)
(2) 上記(1)にかかる監査報告書の写し
(3) 各事業年度にかかるキャッシュフロー計算書及びその他市が合理的に要求する書類
6 運営権者が融資(銀行や金融機関からの貸し付けであり、返済義務があるもの)及び出資(第三者からの資金提供であり、返済義務のないもの)を受ける場合は、運営権者は運営権者に融資及び出資する者との間の①融資及び出資に関する契約書の写し、②運営権その他運営権者が保有する資産及び運営権者の発行済株式に対する担保設定にかかる契約書の写し、③本実施契約その他運営権者と市との間で締結された契約に基づく運営権者の権利及び契約上の地位に対する担保権設定にかかる契約書の写し
(②、③は融資の場合のみ)を、当該契約書の締結後速やかに、市に提出する。
第65条 運営権者は、本実施契約の締結日以降に法令等が変更されたことにより、本事業関連書類に従って本件業務を履行することが不可能又は著しく困難となった場合、その内容の詳細を直ちに市に対して通知しなければならない。市及び運営権者は、当該通知以降、本実施契約に基づく自己の義務が、適用のある法令等に違反することとなったときは、当該法令等に違反する限りにおいて、履行期日における当該義務の履行義務を免れる。ただし、市及び運営権者は、法令等の変更に伴う増加費用及び変更により相手方に発生する損害を最小限にするよう努力しなければならない。
2 市が運営権者から前項の通知を受領した場合、市及び運営権者は、当該法令等の変更に対応するために、速やかに本件業務の内容、本引渡予定日及び本実施契約の変更等ならびに増加費用もしくは損害の負担又はその他必要となる事項について協議する。かかる協議にもかかわらず、変更された法令等の公布日から60 日以内に市及び運営権者の間で合意が成立しない場合、市は第54 条第1 項を適用する。
第66条 法令等の変更により、本件業務につき運営権者に増加費用又は損害が発生した場合、第 54 条第 1 項の規定に従った場合においても、期限内に市及び運営権者の間で合意が成立しない場合は、第 54条の第 2 項の規定に従う。
第67条 運営権者は、不可抗力により、本実施契約及び本事業関連書類に従って本件業務を履行することが不可能又は著しく困難となった場合、市に対し、その内容の詳細を直ちに通知しなければならな い。この場合において、市及び運営権者は、当該通知以降、当該不可抗力により履行することが不可能又は著しく困難となった本件業務について、本実施契約に基づく履行期日における履行義務を免れる。ただし、市及び運営権者は、別紙2に定めるリスク分担に基づき、当該不可抗力の影響を早期に除去すべく、適切と考える対応手順に基づき、早急に対応措置をとり、不可抗力に伴う増加費用及び不可抗力により相手方に発生する損害を最小限にするよう努力しなければならない。
2 市が運営権者から前項の通知を受領した場合、市及び運営権者は、当該不可抗力に対応するために、速やかに本件業務の内容、本引渡予定日及び本実施契約の変更等ならびに増加費用もしくは損害の負担、その他必要となる事項について協議する。かかる協議にもかかわらず、不可抗力が発生した日から 60 日以内に市及び運営権者の間で合意が成立しない場合、市は第55 条第1 項を適用する。
第68条 不可抗力により、本件業務に関して増加費用又は損害が発生した場合、第 55 条第 1 項の規定に従った場合においても、期限内に市及び運営権者の間で合意が成立しない場合は、第 55 条の第 2 項
の規定に従う。不可抗力により本件業務につき第三者に損害が発生した場合、第8 条第 2 項の定めによる。
第69条 本実施契約及びこれに基づき締結される合意に関連して生じる公租公課は、すべて、運営権者の負担とする。
第70条 市は、本事業に関し、運営権者に融資する融資団との間で、一定の重要事項(市が本実施契約に基づき運営権者に損害賠償を請求する場合、本実施契約を終了する場合を含む。)についての融資団への通知及び協議ならびに担保権の設定及び実行に関する取扱いについて協議し、その合意内容を、本実施契約とは別途定めることができる。
第71条 市は、本実施契約に基づいて作成される設計図書等の成果物(以下、「成果物」という。)及び建築著作物としての運営権設定対象施設について、市の裁量により、これを無償利用する権利及び権限を有する。かかる利用の権利及び権限は、本実施契約の終了後も存続する。
2 成果物又は運営権設定対象施設が著作権法(昭和 45 年法律第48 号)第2 条第 1 項第 1 号に定める著作物に該当する場合には、著作権法第 2 章及び第 3 章に規定する著作者の権利の帰属は、著作権法の定めるところによる。
3 運営権者は、市が成果物及び運営権設定対象施設を次の各号に掲げるところにより利用することができるようにしなければならず、自ら又は著作者(市を除く。以下本条において同じ。)をして、著作権法第 19 条第1 項又は第 20 条第1 項に定める権利を行使し、又は行使させてはならない。
(1) 成果物及び運営権設定対象施設の内容を公表すること。
(2) 運営権設定対象施設の完成、増築、改修、修繕等のために必要な範囲で、市及び市が委託する第三者をして、複製、頒布、展示、改変、翻案その他の修正をすること。
(3) 運営権設定対象施設を写真、模型、絵画その他の媒体により表現すること。
(4) 運営権設定対象施設を増築し、改修し、修繕もしくは模様替えにより改変し、又は取り壊すこと。
4 運営権者は、自ら又は著作者をして、次の各号に掲げる行為をし、又は行使させてはならない。ただし、あらかじめ市の承諾を得た場合は、この限りでない。
(1) 第 2 項の著作物にかかる著作権を第三者に譲渡し、又は承継させること。
(2) 成果物又は運営権設定対象施設の内容を公表すること。
(3) 運営権設定対象施設に運営権者の実名又は変名を表示すること。
第72条 運営権者は、その作成する成果物及び関係書類(設計図書を含む。以下同じ。)が、第三者の有する著作権を侵害するものではないことを市に対して保証する。
2 運営権者は、その作成する成果物及び関係書類が第三者の有する著作権等を侵害したときは、これにより第三者に発生した損害を賠償し、又はその他の必要な措置を講ずる。かかる著作権等の侵害に関して、市が損害の賠償を行い又は費用を負担した場合には、運営権者は、市に対し、かかる損害及び費用の全額を補償する。
第73条 運営権者は、第三者の特許権等の工業所有権の対象となっている技術等を使用するときは、その使用に関する一切の責任(ライセンスの取得、ライセンス料の支払及びこれらに関して発生する費用の負担を含む。)を負わなければならない。ただし、市が指定した工事材料、施工法等で、募集要項等に特許権等の対象であることが明記されておらず、運営権者が特許権等の対象であることを知らなかった場合に は、市が責任を負担する。
第74条 本実施契約の各当事者は、本事業又は本実施契約に関して知り得たすべての情報のうち次の各号に掲げるもの以外のもの(以下、「秘密情報」という。)について守秘義務を負い、当該情報を第三者に開示又は漏洩してはならず、本実施契約の目的以外には使用しないことを確認する。
(1) 開示の時に公知であるか、又は開示を受けた後被開示者の責めによらず公知となった情報
(2) 開示者から開示を受ける以前に既に被開示者が自ら保有していた情報
(3) 開示者が本実施契約に基づく守秘義務の対象としないことを承諾した情報
(4) 開示者から開示を受けた後正当な権利を有する第三者から何らの守秘義務を課されることなく取得した情報
2 前項の規定にかかわらず、本実施契約の当事者は、裁判所等により開示が命ぜられた場合及び市が法令又は情報公開条例等に基づき開示する場合には、秘密情報を必要な範囲で開示することができるものとする。
3 本実施契約の各当事者は、相手方に本条と同等の守秘義務を負わせることを条件として、委託先や請負発注先等への見積依頼や契約の締結、弁護士や公認会計士等への相談依頼等の際に、本事業の実施に必要な限りで第三者に秘密情報を開示することができる。
4 前項の場合において、本実施契約の各当事者は、秘密情報の開示を受けた第三者が当該秘密情報を目的外で使用することのないよう適切な配慮をしなければならない。
第75条 運営権者は、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号)、長久手市個人情報保護法施行条例(令和4年長久手市条例第 24 号)及びその他個人情報の保護に関するすべての関係法令等を遵守し、本件業務を遂行するに際して知り得た個人のプライバシーに関わる事実(以下、「個人情報」という。)を滅失、毀損、改ざん又は第三者に漏洩(以下、「漏洩等」という。)してはならない。
2 運営権者は、長久手市個人情報保護法施行条例及び市の定めるその他の個人情報保護に関する基準に合致する個人情報の安全管理体制を維持しなければならない。
3 運営権者は、個人情報の漏洩等が生じた場合には、速やかに市にその内容を報告するとともに、市の指示に従い、適切な処置を行わなければならない。
4 運営権者は、市の書面による事前の承諾がない限り、第三者に対して個人情報の取扱いを委託することはできない。運営権者は、市の書面による事前の承諾を得て第三者に対して個人情報の取扱いを委託する場合には、当該第三者に対し、本条の義務と同等以上の義務を遵守させなければならない。
5 運営権者は、本実施契約の履行の目的のために必要でなくなった場合又は本実施契約が理由のいかんにかかわらず終了した場合には、市の指示に従い、速やかに、個人情報を返還又は破棄しなければならない。
6 運営権者もしくは第三者が前五項の義務に違反したこと、又は、運営権者もしくは運営権者の使用する第三者の責めに帰すべき事由に起因して個人情報の漏洩等の事故が発生したことによって、市が損害を被った場合、運営権者は市に対し損害を賠償するとともに、市が必要と考える措置をとらなければならない。
7 本条の規定は、本実施契約終了後もなお有効に存続する。
第76条 市及び運営権者は、本実施契約が市の定める条例及び規則を含む法令等に従って締結されることを、それぞれ確認する。
2 運営権者は、自ら及び本事業にかかる業務の一部を請け負い又は受託する者をして、法令等を遵守し又は遵守させる。
第77条 本実施契約並びにこれに基づき締結される一切の合意に定める請求、通知、報告、説明、回答、申出、承諾、承認、同意、確認、勧告、催告、要請、契約終了通知及び解除は、書面により行わな
ければならない。
2 本実施契約の履行に関して市と運営権者の間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4 年法律第 51 号)の定めに従う。
3 本実施契約における期間の定めについては、本実施契約に別段の定めがある場合を除き、民法及び商法(明治32 年法律第48 号)の定めるところによる。
4 本実施契約に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
第78条 市又は運営権者が、本実施契約に基づき行うべき支払が遅延した場合、未払い額につき延滞日数に応じ政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率を定める告示(昭和 24 年大蔵省告示第 991 号)に定める履行期日時点における遅延利息の率で計算した額の遅延利息を相手方に支払わなければならな い。
第79条 本実施契約に定めのない事項について定める必要が生じた場合、又は本実施契約の解釈に関して疑義が生じた場合、市と運営権者は、その都度、誠意をもって協議し、これを定める。
2 本実施契約において、当事者による協議が予定されている事由が発生した場合、市及び運営権者は、速やかに協議の開催に応じなければならない。
第80条 本実施契約は、日本国の法令等に準拠し、日本国の法令等に従って解釈する。
第81条 本実施契約に関する紛争については、名古屋地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
以下余白
別紙1 用語の定義
(第 1 条関係)
1 PFI法
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号)のこと。
2 応募者
応募企業又は応募グループのこと。
3 応募グループ
本事業が求める経営マネジメント能力及び資本力等を有し、本事業に応募する企業で、複数の企業で構成されるグループのこと。
4 代表企業
応募グループにより応募する場合に構成企業の中から定める応募手続を行う企業のこと。
5 構成企業
応募グループを構成し、運営会社に出資する企業のこと。代表企業を含む。
6 協力企業
運営会社において出資をせず、運営会社から本事業の一部の業務について委託を受ける企業のこと。
7 運営権
本事業に関するPFI法第2条第7項に定める公共施設等運営権のこと。
8 運営権者
運営権が設定され、本事業を実施する運営会社のこと。
9 運営会社
応募企業又は応募グループの構成企業が出資して設立する、本事業のみを実施する会社法(平成17年法律第86号)に定める株式会社のこと。
10 委員会
市が設置する、学識経験者等で構成された温泉交流施設運営事業者選定委員会のこと。
11 優先交渉権者
委員会からの選定を受けて、運営権実施契約の締結を予定する者として市が決定した応募者のこと。
12 公募資料等
公募の公告の際に市が公表する書類一式のこと。具体的には、募集要項、要求水準書(補助資料含む)、優先交渉権者選定基準、様式集及び記載要領、基本協定書(案)、公共施設運営権実施契約書(案)を指す。
13 本事業関連書類
公募の公告の際に市が公表する募集要項、要求水準書(補助資料含む)、優先交渉権者選定基準、様式集及び記載要領、基本協定書(案)を指す。
14 提案書
応募者のうち資格審査通過者が募集要項等に基づき作成し、期限内に提出した書類及び参考図書のこと。
15 修繕
部位・部材又は機器の性能・機能を原状(初期の水準)または実用上支障のない状態まで回復させることをいう。(取替も含む)
16 改修
部位・部材又は機器の性能・機能を原状(初期の水準)を超えて改善すること。(取替も含む)
17 改築
主要構造部に構造上の影響を与える改修のことをいう。並びに運営権設定対象施設、福祉の家の全体又は一部を建て直すこと。
18 増築
運営権設定対象施設又は福祉の家の建築面積又は延床面積を増加させること。
19 本件業務
本事業のうち、以下の業務を個別又は総称して言い、詳細は要求水準書および提案書による。
① リニューアル業務
② 運営業務
③ 維持管理業務
20 運営権設定対象施設
温泉交流施設及び施設隣接の外構部分、温泉井戸、水井戸、水槽などの設備を運営権設定対象施設とする。(以下、「温泉交流施設等」という。)
21 不可抗力
暴風、豪雨、洪水、高潮、津波、地滑り、落盤、地震その他の自然災害等、疫病その他の公衆衛生上の事態又は火災、騒擾、騒乱もしくは暴動その他の人為的な現象のうち、通常の予見可能な範囲外のもの(本事業関連書類で水準が定められている場合には、その水準を超えるものに限る。)であって、市又は運営権者のいずれの責めにも帰さないものをいう。ただし、法令等の変更は「不可抗力」に含まれない。
22 法令等
法律、政令、規則、命令、条例、通達、行政指導もしくはガイドライン、又は裁判所の確定判決、決定もしくは命令、仲裁判断、又はその他の公的機関の定める一切の規定、判断もしくはその他の措置をいう。
23 運営開始日
PFI法第 14 条第2項に基づき運営権の効力が発生した日。
24 運営開始予定日
令和7年4月1日をいう。
25 本事業
PFI法に基づき市が特定事業として選定した温泉交流施設運営事業をいう。また、付帯事業を含む。
26 本実施契約の締結日
本実施契約の契約が公共施設等運営権の設定について長久手市議会の議決を得て、運営権者に対して公共施設等運営権が設定されたことにより本契約となった日をいう。
27 モニタリング
本事業関連書類に適合した本事業の遂行を確保するため、別紙3の規定に基づき、本件業務につき行われる各種の調査および確認をいう。
28 要求水準書
本事業に関し令和6年5月31日に募集要項とともに公表された要求水準書を基本として、本実施契約に添付される要求水準書(その後の変更を含む。)をいう。
29 投資
運営権者が行う、設備等更新を含む修繕及び改修、市に所有権が帰属する備品・什器の購入のことをいう。
30 個別建設事業者
運営権者の委託又は請負によって運営権設定対象施設の改修を実施する事業者のこと。
なお、その他本実施契約に定義されていない用語は、文脈上別意に解すべき場合を除き、要求水準書において定められた意味を有するものとする。
別紙2 リスク分担
(第 5 条、第 67 条関係)
市と運営権者のリスク分担は、表2-1に示すとおりとし、運営権の設定日以降に有効となる。
機能損失・低下リスクに関しては、その要因に寄らず瑕疵がみとめられた箇所においてリスクを負担する。
市に機能損失・低下リスクがある箇所において、市が修繕等を行う場合、円滑な工事・維持管理にあたって、運営権者は市の指示に従うこと。
運営権者に機能損失・低下リスクがある箇所において、建物全体の運用に係る部分については、その修繕にあたり事前に内容等について市の承認を得ること。
本事業における市と運営権者のリスク分担は以下の通りとする。
表 2-1 リスク分担表
リスクの種類 | 市 | 運営権者 | ||
物価・光熱水費・金利の 変動費リスク | 物価・光熱水費・金利の変動に伴う経費の増加 | 〇 | ||
住民施設利用者の対応リスク | 施設管理、運営業務内容に対する住民及び施設利用者からの反対、訴訟、要望等への対応 | 〇 | ||
上記以外 | 〇 | 〇 | ||
法令変更リスク | 法令による運営形態変更等への対応 | 〇 | 〇 | |
不可抗力リスク | 不可抗力(暴風、豪雨、洪水、地震、火災、感染症その他の長久手市又は事業者のいずれの責めにも帰すことのできない自然的又は人為的な現象)に伴う施設、設備の経費の増加。 機能損失・低下リスクの分担に従う | 〇 | 〇 | |
不可抗力(暴風、豪雨、洪水、地震、火災、感染症その他の長久手市又は事業者のいずれの責めにも帰すことのできない自然的又は人為的な現象)に伴う 運営の停止及びそれに伴う経費の増加 | 〇 | |||
温泉・井水リスク | 温泉量・井水量の減少 | 〇 | ||
温泉量・井水量が減少した場合の事業継続のための 追加費用(測量調査・掘削等) | 〇 | |||
機 能 損失 ・ 低 下リスク | 建築 | 主要構造部及びその防水層、断熱材等の外部建材 | 〇 | |
2 階浴室の特定天井改修 (※募集要項の定めに従う) | 〇 | |||
上記以外のすべての建築(主要構造部以外の間仕切り壁等、井戸、外部建具、内部建具、内部防水層、 断熱材等の内部建材、内部仕上げ材、EV 設備等) | 〇 |
リスクの種類 | 市 | 運営 権者 | ||
電気設備 | 福祉の家共通電気設備(受変電設備、分電盤(箱及びメインブレーカー)、幹線設備(受変電設備⇒分電盤)) | 〇 | ||
上記以外のすべての電気設備(分電盤(箱及びメインブレーカー以外)、照明器具、コンセント、電話設備、情報通信設備、放送設備、TV 設備、配線 (分電盤⇒各設備)等) | 〇 | |||
機械設備 | 福祉の家共通機械設備(全館空調機本体、冷却塔本 体、コージェネレーション、全館に共通する自動制御装置、共通部分・福祉エリアにかかる配管設備) | 〇 | ||
上記以外のすべての機械設備(水処理設備、ろ過設備、ボイラー設備、空調設備、換気設備、ダクト設備、床暖房設備、配管・ポンプ設備、温泉スタンド、水槽(建物として構築されたものを含む)、厨房設備、温浴施設運営にかかる自動制御装置、運営権設定対象施設にかかる配管等) | 〇 | |||
防災設備 | 火報受信機、1 階事務室内の副表示機、火災専用電 話機 | 〇 | ||
上記以外のすべての防災設備、消防用設備(自動火災報知器、防火戸・防火シャッター、ガス漏れ設備、消火設備等の機器及び配線) ※修繕は市に事前に承認を得ること | 〇 | |||
什器・備品 | 〇 | |||
その他 | 上記に関わらず、運営権者が改修、修繕、更新等を 実施した建築、設備、什器・備品 | 〇 |
別紙3 モニタリングおよびペナルティ等の基準と方法
(第 27 条、第 48 条関係)
1 総則
(1) 基本的な考え方
ア モニタリングの基本的な考え方
事業期間を通じて本事業が適正かつ確実に遂行されるよう、運営権者が実施する各業務の内容について、実施契約書、要求水準書、業務計画書および運営権者の事業提案書(以下
「要求水準等」という。)に対する履行状況を確認するため、運営権者自らがモニタリングを行うとともに、市もモニタリングを行う。
イ 要求水準等未達成の場合の基本的な考え方
市は、モニタリングの結果、運営権者の業務実施内容が、運営権者の責めに帰すべき事由により要求水準等の未達成又は未達成のおそれがあると判断した場合、運営権者に対して、是正勧告、違約金の徴収、各業務を実施する企業の変更、契約解除などの措置を、対象業務に応じて講じる。
(2) モニタリングの種類
モニタリングは、市が実施するモニタリングおよび運営権者自らが実施するセルフモニタリ ングから構成する。市は、運営権者から提出された業務報告書等の確認などの定期モニタリン グや、必要に応じた随時モニタリングなどを実施する。運営権者は、セルフモニタリングが可 能な体制を構築してセルフモニタリングを行い、各業務の水準の確保に努めなければならない。
(3) モニタリング対象
リニューアル業務、維持管理業務、運営業務、付帯事業すべての業務がモニタリングの対象となる。
(4) モニタリングの費用負担
市が実施するモニタリングに係り市に発生する費用は、市の負担とする。
また、市が実施するモニタリングにおいて、運営権者に発生する費用および、市が状況の確認をした結果に基づき運営権者が改善等を行うに要した費用等は、運営権者の負担とする。
運営権者が自ら実施するセルフモニタリング、提出書類の作成などに係る費用は、運営権者の負担とする。
(5) モニタリング項目等
モニタリング項目は、原則として要求水準等に定める内容を網羅したものとする。要求水準等に定めのない内容についても、各業務および事業に支障をきたすおそれがある場合は、市と運営権者が協議し、モニタリング項目として定める。
(6) モニタリング結果の公表
市は、必要と判断した場合は、モニタリング結果を公表できる。
2 モニタリングの方法
(1) モニタリング計画書の作成
運営権者は、運営開始日までに、市と協議し、モニタリングに関する内容(時期、内容、組織、手続および様式等)を記載したモニタリング計画を作成し、市の承諾を得ること。
(2) 日常のモニタリング
ア 運営権者によるセルフモニタリング
・毎日自らの責任により、業務実施内容に対して要求水準等の達成状況を確認すること。
・確認結果に基づき、業務報告書を作成し、定期的に市に提出すること。
・法定の点検記録・測定記録については、都度、市に提出すること。
・本事業に係り監督官署等の立入り等を受けた場合は、事後速やかに立入り要件や応対内容、監督官署の指摘事項等の詳細を市に報告すること。
・業務不履行があった場合、「重大な事象」が発生した場合又は従業員もしくは利用者などから苦情があった場合には、市に直ちに報告すること。
イ 市によるモニタリング
・業務実施内容について、運営権者の提出した報告書など、その他運営権者からの通報および従業員もしくは利用者などからの直接の苦情に基づき確認する。
・市に、従業員もしくは利用者などから直接に苦情があった場合には、これを運営権者に通知する。
(3) 定期モニタリング
運営権者は、次表の提出書類を作成し、それぞれの提出時期までに市に提出し、確認を受けること。なお、リニューアル業務、付帯事業については実施契約に定めるとおりとする。
表 3-1 定期モニタリングにおける提出書類
提出書類 | 提出時期 |
運営業務計画書 | 初年度は 2025 年 4 月 1 日以降、速やかに 初年度以降は、前年度の 12 月末日まで |
維持管理業務計画書 | 初年度は 2025 年 4 月 1 日以降、速やかに 初年度以降は、前年度の 12 月末日まで |
運営業務報告書 | 毎事業年度終了後 60 日以内 |
維持管理業務報告書 | 毎事業年度終了後 60 日以内 |
運営権者の決算資料 | 毎事業年度の決算資料の作成後 30 日以内 |
運営権者が締結する契約、株主総会・取締役会 の議事録及び資料 | 随時(契約締結後 7 日以内、株主総会等の会日から 14 日以内) |
ア 随時モニタリング
市は、運営権者の業務実施内容について、随時必要な報告及び資料提出を求めることができる。運営権者は、必要な協力を行うこと。
イ 現地におけるモニタリング
市は、運営権者の業務実施内容について、現地で確認することができる。運営権者は、確認に必要な協力を行うこと。
(4) 要求水準書等未達成の場合の措置ア 基本的な考え方
市は、モニタリングの結果、運営権者の業務実施内容が、運営権者の責めに帰すべき事由
により、要求水準等の未達成、又は未達成のおそれがあると判断した場合、運営権者に対し て、是正勧告、違約金の徴収、各業務を実施する企業の変更、契約解除などの措置を講じる。
イ 要求水準書等未達成の場合の措置
具体的な手順は、「5 業務実施に係る罰則点の付与および違約金の徴収措置」により、実施する。
なお、市は、上記の減額とは別に、業務不履行に伴う損害賠償を運営権者に請求することができる。
3 事業期間終了時に係るモニタリングの方法
(1) 基本的な考え方
事業期間終了時に係るモニタリングは、事業期間終了時において、施設の全てが要求水準書で提示した性能および機能を発揮でき、著しい損傷がない状態で市へ引継げる状態であることおよび、本事業終了後も健全な状態で本事業と同様の運営管理業務が実施できる状態にすることを目的とし、市は、施設の全てが要求水準等を満たしていることを確認する。
(2) モニタリングの方法
ア 書類によるモニタリング
運営権者は、次表の提出書類を、それぞれの提出時期までに市に提出して確認を受けること。
運営権者は、要求水準等を満たすよう、事業終了時までに必要な修繕、引継ぎ等を完了すること。
表 3-2 事業期間終了時のモニタリングに係る提出書類
提出書類 | 提出時期 |
各種台帳、書類等 | 事業終了時 |
その他市が求める書類 | 事業終了時、隋時 |
イ 実地におけるモニタリング
市は、運営権者の業務実施内容について、実地で確認することができる。運営権者は確認に必要な協力を行うこと。
(3) 要求水準書等未達成の場合の措置ア 基本的な考え方
市は、モニタリングの結果、運営権者の責めに帰すべき事由により、要求水準等を満たし
ていないと判断し、事業終了時までの間に是正が確認されない場合、運営権者の債務不履行と判断して契約を解除することができる。
4 業務実施に係る罰則点の付与および違約金の徴収措置
(1) 基本的な考え方
市は、モニタリングの結果、運営権者の業務実施内容が、運営権者の責めに帰すべき事由により、要求水準等の未達成、又は未達成のおそれがあると判断した場合、次のフローに示
す手続により、運営権者に対して、是正勧告、違約金の徴収、各業務を実施する企業の変更、契約解除などの措置を講じる。
(2) 業務の是正についての措置ア 是正レベルの認定
市は、運営権者の業務実施内容が要求水準等の未達成、又は未達成のおそれがあると判断される事象が発生した場合、是正レベルの認定を行い、運営権者に通知する。是正レベルの基準は次のとおりである。
表 3-3 是正レベルの認定基準
レベル | 内容 | 罰則点 | |
レベル1 | ・市の職員などへの対応不備 | ||
施設を利用する 上で軽微な支障 | ・業務報告書の不備 ・関係者への連絡不備 | 0.5 | |
となる事象 | ・上記以外の要求水準等の未達又は実施契約の警備な違反 | 等 | |
レベル2 | ・合理的な理由なく、施設、設備の一部が使用できない | ||
施設を利用する | ・業務の怠慢 | ||
上で重大な支障 | ・業務計画書の事前の承認を得ない変更 | 2 | |
となる事象 | ・業務報告書への虚偽記載 | ||
・市からの指導・指示に合理的理由なく従わない 等 | |||
レベル3 | ・合理的な理由なく、施設の全部が1日中使用できない | ||
人命にかかわる | ・業務の放棄 | ||
場合、重大な法 令違反等 | ・要求水準等を満たしていない状態(故障・不衛生状態等)の放置 ・災害時などにおける未対応 | 5 | |
・善管注意義務を怠ったことによる重大な事故等の発生 | |||
・市への連絡を故意に行わない(長期にわたる連絡不通等) 等 |
イ 是正指導
事象がレベル1に該当する場合、市は、運営権者に対して、係る業務の是正を行うよう是正指導を行う。運営権者は、市から是正指導を受けた場合、速やかに是正対策と是正期限について市と協議を行い、是正対策と是正期限などを市に提示し、市の承諾を得ること。
事象がレベル2又は3に該当する場合、市は、運営権者に対して是正勧告の措置を講じる。
ウ 是正の確認
市は、運営権者からの是正完了の通知又は是正期限の到来を受け、随時のモニタリングを行い、是正が行われたかどうかを確認する。
レベル1の事象において是正が認められない場合、是正勧告(1回目)の措置を行う。
レベル1の事象において是正指導後に是正が認められた場合、その事象での罰則点の計上は行わない。
エ 是正勧告(1回目)
事象がレベル2又は3に該当する場合、又はレベル1に該当する場合で是正指導の手続を経てなお是正が認められないと市が判断した場合、市は、速やかに係る業務の是正を行うよう1回目の是正勧告を運営権者に対して書面により行う。
運営権者は、市から是正勧告を受けた場合、速やかに是正対策と是正期限について市と協議を行うとともに、是正対策と是正期限などを記載した「是正計画書」を市に提出し、市の承諾を得るものとする。
オ 是正の確認
市は、運営権者からの是正完了の通知又は是正期限の到来を受け、随時のモニタリングを行い、是正計画書に沿った是正が行われたかどうかを確認する。
カ 是正勧告(2回目)
上記オにおけるモニタリングの結果、是正計画書に沿った期間・内容による是正が認められないと市が判断した場合、市は、2回目の是正勧告を運営権者に対して書面により行うとともに、再度、是正計画書の提出を請求し、協議、承諾および随時のモニタリングによる是正確認の措置を講じる。
なお、2回目の是正勧告について、市が必要と判断した場合は、その内容を公表することができる。
キ 当該業務に当たる者の変更
是正勧告(2回目)の手続を経ても、是正計画書に沿った期間・内容による是正が認められないと市が判断した場合、市は、当該業務に当たる者の変更を運営権者に要求することができる。
ク 事業の中断(契約解除)
市は、運営権者の業務実施の結果が次のいずれかに該当する場合、事業全体の中断を決定し、実施契約を解除することができる。
・上記カの措置を講じた後、なお是正効果が認められないと市が判断した場合
・運営権者が、新たに当該業務に当たる者の選定を求められているにもかかわらず、30 日以内に当該業務に当たる者を選定せず、あるいは選定した事実その他詳細を市に報告しない場合
5 違約金の徴収措置
市は、モニタリングの結果、運営権者の業務実施内容が要求水準等を満たしていないと判断される事象が発生した場合、年度の罰則点の合計に応じて、当該年度の運営権者の利用料金収入から違約金を徴収する。
表 3-4 違約金の徴収措置
罰則点 | 違約金 |
累計2ポイント以上 | 当該年度の利用料金収入の 1.0% |
累計3ポイント以上 | 当該年度の利用料金収入の 3.0% |
累計5ポイント以上 | 当該年度の利用料金収入の 5.0% |
別紙4 保証書
(第 43 条関係)
【個別建設事業者】(以下「保証人」という。)は、温泉交流施設及び施設隣接の外構部分、温泉井戸、水井戸、水槽などの設備を運営権設定対象施設とする。(以下、「温泉交流施設等」という。)にかかる公共施設等運営事業に関連して、長久手市(以下「市」という。)と●●(以下
「運営権者」という。)の間で締結された令和●年●月●日付運営権実施契約書(以下「本実施契約」という。)に基づいて、保証人が運営権者に対して負担する本保証書第 1 条の債務につき、運営権者と連帯して保証する。なお、本保証書において用いられる用語は、本保証書において別途定義された場合を除き、本実施契約において定められる用語と同様の意味を有する。
(保証)
第 1 条 保証人は、本実施契約第 43 条に基づき運営権者が市に対して負う契約不適合責任その他の債務(以下「主債務」という。)を、運営権者と連帯して保証する。
(通知義務)
第 2 条 市は、本保証書の差入日以降において、本実施契約又は主債務の内容に変更が生じたことを知った場合には、遅滞なく当該事由を保証人に対して通知しなければならない。本保証書の内容 は、市による通知の内容に従って、当然に変更されるものとする。
(保証債務の履行の請求)
第 3 条 市は、保証債務の履行を請求しようとするときは、保証人に対して、市が必要とする事項を定めた保証債務履行請求書を送付しなければならない。
2 保証人は、保証債務履行請求書を受領した日から 7 日以内に当該請求に係る保証債務の履行を開始しなければならない。市および保証人は、本項に規定する保証債務の履行期限を、別途協議の上、決定するものとする。
3 前項の規定にかかわらず、保証人は、主債務が金銭の支払を内容とする債務である場合には、保証債務履行請求書を受領した日から 30 日以内に当該請求に係る保証債務全額の履行を完了しなければならない。
(求償権の行使)
第 4 条 保証人は、本実施契約に基づく運営権者の市に対する債務が全て履行されるまで、保証人が本保証書に基づく保証債務を履行したことにより、代位によって取得した権利を行使することができない。
(終了および解約)
第 5 条 保証人は、本保証書を解約および撤回することができない。
2 本保証書に基づく保証人の義務は、本実施契約に基づく保証人の運営権者に対する債務が全て履行されるか又は消滅した場合、終了するものとする。
(管轄裁判所)
第 6 条 本保証書に関する全ての紛争は、名古屋地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
(準拠法)
第 7 条 本保証書は、日本国の法令に準拠し、日本国の法令に従って解釈されるものとする。
令和●年●月●日
保証人:[ ] 代表取締役[ ]
別紙5 市が算定する温泉交流施設の改修基準額
(第 51 条関係)
1 改修基準額
2,000,000,000 円とする。
2 改修基準額の算定方法
平成 31 年に市が行った福祉の家大規模修繕調査における温泉交流施設に係る改修費用 10.3 億円に建築着工統計より算出した物価変動指数を乗じた額とする。
10.3 億円×1.95=20.085 億円≒20 億円
3 建築着工統計について
(1) 建築着工統計の参照項目
∙ 統計表名:「【建築物】構造別 用途別」
∙ 用途:「P.その他のサービス業用建築物」「65.その他のサービス業用」
※ 国交省公表の用語の定義集より、標準産業分類の大分類から「その他の公衆浴場業」が含まれる建築用途として判断し、参照
∙ 構造:鉄筋コンクリート造
∙ 項目:床面積の合計、工事費予定額
(2) 物価変動指数の算出方法
∙ 平成 31 年(令和元年)と令和 5 年の建築着工統計の参照項目について平米単価(工事予定額
÷床面積の合計)を算出。
∙ 平成 31 年の平米単価は 24.9(万円/㎡)、令和 5 年の平米単価は 48.5(万円/㎡)となる。
∙ 令和 5 年の平米単価を平成 31 年の平米単価で除し、物価変動指数として算出。
∙ 物価変動指数:48.5÷24.9=1.95