●CG… 52
令和5年度文化庁「芸術家等の活動基盤強化芸術家等実務研修会の実施」事業
アニメーション制作者・制作会社に向けた適正な契約関係普及のための研修会
個人のアニメーション制作者と制作会社の業務委託契約
個別業務編
ガイドブック
アニメーション制作分野で受注者となる個人の制作者、いわゆるフリーランスの方と、発注者となる制作会社等の事業者、その担当者を対象に、適正な契約について十分理解して、受注者の就業と発注者の事業がともに安心・安全に行えるように、契約内容の明確化や書面化と契約の実行の方法を解説し、契約書等のひな型例を掲載しています。
アニメーションの制作には多くの職種があり、業務と契約の内容が異なります。また、制作会社等や個人の間で多層的に受発注が行われ、同じ職場の中の同じ職種の人にも個人の制作者と雇用されている人が併存しています。
個人への会社等による業務の委託には、「下請代金支払遅延等防止法」(以下「下請法」という)や、2024年秋から施行の「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法) 」(以下「フリーランス新法」という)が適用され、請求、支払に係る消費税や所得税の扱いも法律にそって行うことが必要です。
このガイドブックは、個人の制作者と制作会社等の適正な業務委託契約について、アニメーションの制作に共通の基本の契約と、代表的な職種の個別の業務の契約を分けて、法律の適用についても解説しています。
このガイドブックを利用する際は、第1分冊で基本的な理解を得た上で、第2分冊で個別業務の契約について参照されることをお勧めします。
◆第1分冊 個人のアニメーション制作者と制作会社の業務委託契約 ガイドブック 基本編
◆第2分冊 個人のアニメーション制作者と制作会社の業務委託契約 ガイドブック 個別業務編
◆第3分冊 個人のアニメーション制作者と制作会社の業務委託契約 契約書・発注書、取引書面のひな型例と作成方法
はじめに 2
個別契約=受発注時の4つの合意事項 4
業務の内容・仕様について 5
担当業務一覧 6
どの業務にも共通の事項 7
●絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定…9
●レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画 15
●動画 21
●作画監督、動画検査 27
●色彩設計、色指定、仕上、仕上検査 33
●美術監督、美術設定、美術ボード、背景 43
●CG… 52
●特殊効果、撮影監督、撮影 60
●編集 69
●監督、演出 75
●プロデューサー、デスク 81
●制作進行 87
目
次
継続し、繰り返して行う取引の共通の事項について定めた基本契約が締結されて
いることを前提に、個々の業務の契約=受発注時の合意事項を4つに分けて解説します。
◆作品と担当業務
「そのカット、私の担当では
ないはずだけど」
◆支払金額
「先月、請求した金額と、今月の支払金額が
違うんだけど」
◆業務の内容・仕様 ◆スケジュール
「サイズと解像度がわからないから作業が進め
られない」
「必要な素材が
揃ってないから作業が始め
られない」
※個別の業務を行うために必要な事項の契約です。上記以外にも業務を行うために必要な事項を確認・合意して契約します。
◆この個別契約は、基本契約が締結済みであることを前提としています。基本契約は「基本編」参照
◆個別業務それぞれの契約書(発注書)・仕様書、取引書面は「契約書・発注書、取引書面のひな型例と作成方法」参照
一般的に「業務の内容」という場合はこのガイドブックで別項目としている下記も含まれます。
◆作品と担当業務:制作を行うアニメーション作品と担当する業務(職種)
◆成果物や業務の数量:代金を計算するカット数、枚数等
◆スケジュール:業務の開始日、検査日・期間、納品・受領日等
これ以外に定めておくべき「業務の内容」、特に作成する成果物、用いる素材のフォーマットや、成果物のチェック、検査の基準となる「仕様」をまとめたのが「業務の内容・仕様」の項目です。 一般的に「仕様」は以下のように示されます。
◆作成する成果物、用いる素材の形式フォーマット
・用紙、サイズ、使用ソフト、解像度、レイヤー構成など
・使用する素材に関する禁止事項
◆指示書・注意事項に示されている指示内容や成果物の水準
・絵コンテ、キャラクター設定、メカ・小物設定、作画参考資料、レイアウト、3D-L/O、色指定表、美術設定、美術ボード
・絵コンテ注意事項、作画注意事項、動画注意事項、背景注意事項、仕上注意事項、3D注意事項、撮影注意事項
※合わせて、基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、
スケジュールの切迫度等や、担当するカット等の演出の意図や、求める動き等の表現、前後のつながり等の指示を示すことが望まれます。
上記で示された「仕様」の内容や水準に達していないと判断された場合は、チェック、検査により、やり直し、リテイクの対象となり得ます。
下記の業務それぞれの、個別の契約について解説します。
◆主に情報成果物の作成に係る業務:アニメーションを構成する、いわゆる中間成果物の作成
●絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定
●レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画
●動画
●作画監督、動画検査 ※監督、指示、チェック(検査)、修正の業務は役務の提供業務です
●色彩設計、色指定、仕上、仕上検査 ※仕上検査の業務は役務の提供業務です
●美術監督、美術設定、美術ボード、背景
※美術監督監督、指示、チェック(検査)、修正の業務は役務の提供業務です
●CG
●特殊効果、撮影監督、撮影 ※撮影監督の監督、指示、xxxx(検査)、修正の業務は役務の提供業務です
●編集
◆役務の提供に係る業務:アニメーション制作の指示、チェック(検査)、または管理
●監督、演出(総監督、シリーズディレクター、チーフディレクター、副監督、監督助手、演出助手)
●プロデューサー、デスク
●制作進行
兼務することが多い業務、互いに関連する業務は1つの項目にまとめて説明しています。別項目の業務を兼務することもあります。担当する業務に当てはめて活用してください。
◆作品と担当業務①作品情報
発注者は、業務を行うアニメーション作品名、シリーズ作品の場合の話数名・話数No、その作品が公開される予定のメディアと時期等を、受注者に示します。
◆基本的な作品情報
アニメーション作品名 | 「✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕」 |
話数名・話数 | 「✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕」 第✕✕話 シリーズ作品の場合のみ記入 |
公開予定メディア・時期 | 劇場:配給会社系列 ✕年✕✕月✕✕日、放送:放送局名 ✕年✕✕月✕✕日、 映像ソフト:メーカー名 ✕年✕✕月✕✕日、配信:配信会社名 ✕年✕✕月✕✕日 |
作品著作権者 | 会社名・制作委員会名 |
その他、下記等の中から、プリプロダクションに必要な原作やその知的財産権、脚本家、
編集で扱う音楽、制作管理に関わる二次利用など、必要な情報を発注者が受注者に示します。
当初予定以外の公開・利用を行うことになった場合の受注者への告知の要不要を確認します。
原作者(代理人) | 作家名(出版社等名) |
脚本家 | 脚本家名 |
作品に係る商標権 | 登録した商品・サービス名称とマーク、登録した類 |
作品に係る意匠権 | 登録した意匠、登録番号 |
音楽 | 主要音楽の著作権者、原盤権者、歌唱・演奏者 |
二次利用等展開 | 国内商品化:玩具(メーカー名)、化粧品(メーカー名)、等 代表的なものを記入 海外展開:窓口会社名 必要により記入 |
その他、作品に含まれる著作物 | 著作者等 |
◆作品と担当業務➁発注者の立場
業
務
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う
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品
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発注者は受注者に、業務毎に作品制作における発注者の立場を示し、
受注者が確認することが望まれます。契約の内容やその変更等が、発注者に委託した会社や作品の著作権者等に関わる場合があるためです。
◆作品制作における発注者の立場
作品著作権者 | 会社名・制作委員会名 |
元請制作会社 | 会社名 |
発注者の業務受託元、その経路 | 会社名、元請制作会社からグロス請け・・・・社を経て受託 |
その他の制作参加会社 | 動画・仕上:・・・・社、 美術・背景:・・・・社 CG :・・・・社、 撮影 :・・・・社 編集 :・・・・社、 ポストプロダクション:・・・・社 |
プロデューサーの仕事ですが
■解説:アニメーション制作は多くの下請等の会社と個人の制作者が作品毎に参加して 行われます。これらを統括 するのは元請会社等による
共有することが望まれます。
発注者と受注者は担当業務に関する会社等について情報を
●絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定
絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆他の業務との兼務
・監督が絵コンテを作成、作画監督がxxxxx、原画のアニメーターがキャラクター
デザインを担当、というように、別の業務を行う人が絵コンテ、キャラクターデザイン、
その他設定を兼務することがあります。
・この場合、それぞれ別に代金を計算することがあります。発注者と受注者が確認し、合意して個別契約に定める必要があります。
・またそれぞれの業務の内容、仕様やスケジュールを確認し、代金の計算について合意して個別契約に定めます。
・この項では絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定の業務委託の契約に関する
部分のみ解説します。
◆業務の工程
・作品企画、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定が同時に進行する
プリプロダクションの工程は、作品により工程が様々で、定型的ではありません。
・ここでは、例としての工程を示していますが、実際の業務の手続の期日、スケジュールは、業務毎に、受注者と発注者が確認し、合意して個別契約に定める必要があります。
◆業務委託契約の留意点
◆個別業務編◆絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を確認します。
業務 | ●絵コンテ ●キャラクターデザイン ●・・・(その他の設定) | |
担当 | ・絵コンテ | 作品全体の場合、作品名と尺(※) シリーズ作品の場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noと本編定尺(※) |
・キャラクターデザイン | 作品全体の場合、作品名 シリーズ全体の場合、シリーズ作品名 | |
・その他の設定 | 作品全体の場合、作品名 シリーズ全体の場合、シリーズ作品名 |
※絵コンテの業務は、作品単位、エピソード単位であっても、業務の量は尺によるため、契約時にその予定も示します。
◆担当業務
◆個別業務編◆絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例※
合計代金(円) | 消費税❹ | 10% | 消費税額 | 合計支払金額(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例【絵コンテ】
担当:作品、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noと尺 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |||
作品名 | 尺(想定カット数※) | 分 秒 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | 本編定尺(想定カット数※) | 分 秒 | 1 | 式 | |||
以上、合計代金 |
※絵コンテの業務では、想定カット数や制限カット数を示すことが望まれます。
◆計算の明細と合計代金の明示例【キャラクターデザイン、その他設定】
担当:作品、シリーズ作品 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | 1 | 式 | |||||
またはシリーズ名 | 総話数予定(13話予定等) | 1 | 式 | ||||
キャラクター数・設定数(※) | 種 | 種 | |||||
以上、合計代金 |
※キャラクターデザイン、その他の設定の業務では、キャラクターや設定の種類や点数を示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。キャラクターデザインの業務では、受注者の著作権の利用の対価の支払が必要になることがあります。その条件や代金について、受注者と発注者が確認し、合意して、
契約書(発注書)に定めることが必要です。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、消費税の扱い、
合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質について確認します。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行します。さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する 成果物 | ・絵コンテ ・キャラクターデザイン ・その他の設定 | その他の 記入・提出物 | 納品書、請求書を提出 |
業務開始時の提供資料等 | 原作等の資料、脚本、香盤表 ・絵コンテ:キャラクターデザイン、その他の設定資料 ・キャラクターデザイン、その他の設定:絵コンテ、その他の設定資料 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名 | ||
指示者、チェック (検査)者(予定) | 監督名、演出名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 | ||
絵コンテの仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 | |||
キャラクターデザインの仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、
スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の内容・仕様
◆個別業務編◆絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなど
して、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日などに変更があった場合は、
発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注、納品・受領、請求、支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定の業務の期日・期間】
工程・進行 | 期日・期間 |
業務開始、資料・素材提供 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
打合せ、作成、チェック、確認 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
完成、納品 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆絵コンテ、キャラクターデザイン、その他設定
●レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画
◆業務委託契約の留意点
レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆成果物と分担
・レイアウトと原画は成果物も、業務の内容も異なりますので、別の業務として扱います。
・レイアウトと原画は同じアニメーターが描くものでしたが、人手不足や効率化のため
別のアニメーターが描くことが増えています。
・レイアウト、ラフ原画(第1原画)、原画(第2原画)を分けて作成することもあります。
◆作画監督の業務
・作画監督の作画の工程の監督、レイアウト・原画のチェック(検査)、xxは役務の提供業務です。作画監督がレイアウト・原画を担当し、一から描いて納品する業務は、
情報成果物の作成業務です。作画監督の業務の契約については、この後の27Pの項を
参照ください。
◆xxxx・xx・検収と納品・受領
・レイアウト・原画は、チェック(検査)を受け、必要な場合には修正し、発注者が成果物の枚数やタイムシートなどを確認する検収を行うことをふまえ、業務の手続の納品・受領の期日を定める必要があります。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、
確認します。
業務 | ●レイアウト・ラフ原画(第1原画) ●原画 |
担当 | 作品全体、シリーズ作品の担当シーン(シーンNo、合計シーン数)、担当シーン毎のカット(カットNo、各シーンのカット数※) |
※レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画の業務はシーンごとに担当するのが一般的ですが、代金の
計算はカット数によって行うことがあるため、契約時に予定のカット数を示して、業務の内容や代金を
確認することが望まれます。
◆担当業務
◆個別業務編◆レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例※
合計代金(円) | 消費税❹ | 10% | 消費税額 | 合計支払金額(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例【レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画】
担当シーン・カット(業種ごとの単位を記入) | カット数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |
シーン6 | カットNo1 | 10 | 3,000 | 30,000 | |
シーン6 | カットNo2 | 10 | 3,000 | 30,000 | |
シーン6 | カットNo3 | 10 | 3,000 | 30,000 | |
合計代金(円) |
レイアウトと原画の単価は通常、カット単位です。カット毎の難易度によって単価が異なることがあります。レイアウトと原画の両方を担当する場合、別々に代金を算出することがあります。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、消費税の扱い、
合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを、成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質の確認は重要です。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行します。
さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する成果物 | ・レイアウト・ラフ原画(第1原画) ・原画 | その他の 記入・提出物 | タイムシート(原画のみ)、作成資料、 返却物を封入したカット袋(必要事項記入)、納品書、請求書を提出 |
業務開始時の 提供資料等 | ・レイアウト・ラフ原画(第1原画):設定資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、 香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表 ・原画:上記に加え、レイアウト 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、xxxx (検査)者(予定) | 監督名、演出名、作画監督名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 | ||
レイアウト・ラフ原画(第1原画)の仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 | |||
原画の仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、
スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の内容・仕様
◆個別業務編◆レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなど
して、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日などに変更があった場合は、
発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注、納品・受領、請求、支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画の業務の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画
●動画
◆業務委託契約の留意点
動画の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆動画のチェック(検査)
・動画の作成は情報成果物の作成の業務です。
・動画検査(チェック)が行う指示、チェック(検査)、修正は役務の提供の業務です。動画チェック(検査)が、一から描いて納品する場合、情報成果物の作成の業務になります。動画検査(チェック)の業務の契約については、この後の27Pの項を
参照ください。
◆動画と仕上工程の業務の兼務
・制作会社は、多くの場合、動画と仕上工程の業務を専門にする会社に業務を委託します。個人の制作者も動画と仕上工程の業務を兼務することがあります。この場合、委託する カットは同じでも、業務委託料金(代金)、手順と期日・期間を分けた2つの業務として 契約を行います。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、
確認します。
業務 | ●動画 |
担当 | 担当カット(カットNo、各カットの動画枚数※) |
※動画枚数は、依頼時には枚数を示し、作成、チェック(検査)、修正によって変更があった場合、その都度、発注者と受注者が確認します。
◆担当業務
◆個別業務編◆動画
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例※
合計代金(円) | 消費税❹ | 10% | 消費税額 | 合計支払金額(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例【動画】
担当カット(業種ごとの単位を記入) | 動画枚数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 |
シーン6カットNo1 | 50 | |||
シーン6カットNo2 | 60 | |||
シーン6カットNo3 | 55 | |||
合計代金(円) |
動画の単価は通常、枚数単位です。難易度によって単価が異なることがあります。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、消費税の扱い、
合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆動画
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを、成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質の確認は重要です。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行することが必要です。さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【動画の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する成果物 | ・動画 | その他の 記入・提出物 | タイムシート、作成資料、返却物を封入したカット袋 (必要事項記入)、納品書、請求書を提出 |
業務開始時の 提供資料等 | ・設定資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、レイアウト、原画、タイムシート、 香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、xxxx (検査)者(予定) | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 | ||
動画の仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、
スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の内容・仕様
◆個別業務編◆動画
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなど
して、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日などに変更があった場合は、
発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注・納品・受領・請求・支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:動画の作成の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆動画
●作画監督、動画検査
◆業務委託契約の留意点
作画監督、動画検査の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆作画監督、動画検査の業務の分類
・作画監督は作画工程全体、主に原画工程の監督と、レイアウト、原画のチェック(検査)、修正を行います。動画検査は動画の指示、チェック(検査)、修正を行います。
・作画監督、動画検査は役務の提供業務です。通常、この2つの業務は別の制作者が担当します。
・作画監督がレイアウト、原画、動画検査が動画を担当し、一から描いて納品する業務は
情報成果物の作成業務になります。
◆作画監督、動画検査の検査と数量・スケジュール
・作画監督、動画検査の業務は、作画の枚数やスケジュールに大きく関わります。
作画監督、動画検査の業務により数量やスケジュールの変更が生じる場合、
作画監督、動画検査自身と原画、動画の作成者との間のみならず、管理者の制作進行、デスク、プロデューサーに報告し、発注者と受注者の間の確認ができるようにする
ことが必要です。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、確認します。
業務 | ●作画監督 ●動画検査 |
担当 | 作品全体の場合、作品名 シリーズ作品の場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noそのカット数、動画検査の場合は動画枚数(※) |
※作画監督、動画検査の役務の提供業務は、作品全体、またはシリーズ作品の話数単位です。動画検査の業務の量は、動画枚数によるため、予定の枚数を示します。
◆担当業務
◆個別業務編◆作画監督、動画検査
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例※
合計代金(円) | 消費税❹ | 10% | 消費税額 | 合計支払金額(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例【作画監督、動画検査】
担当:作品、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noとカット数・枚数 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |||
作品名 | カット数 | 原画・動画枚数 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | カット数 | 原画・動画枚数 | 1 | 式 | |||
以上、合計金額 |
動画検査の代金は通常、作品全体、話数単位で1式としますが、業務の量は動画枚数によるため、予定の枚数を示して単価を確認します。作品によって単価が異なります。
作画監督、動画検査が、レイアウト・原画・動画を作成する場合は、別途作成業務の代金を算出することがあります。この業務の代金の算出は、◆第2分冊 ガイドブック◆個別業務編18P◆レイアウト・ラフ原画(第1原画)、原画、 24P◆動画の支払金額に記載の方法によります。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、消費税の扱い、
合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆作画監督、動画検査
・作画監督、動画検査の業務は、発注者が業務の内容と完了の条件・時期を示し、受注者がこれを確認し、合意して、
定めます。発注者はこれを記載した契約書(発注書)を発行することが必要です。
・役務の提供の業務では、受注者は作成者への指示とチェック(検査)の権限と責任を負います。作成者の契約内容、数量、仕様、スケジュールを把握して作業を行うことが重要です。
・指示とチェック(検査)によって、契約の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更が生じ得る場合、管理者に報告します。管理者のプロデューサー、デスク、制作進行が、発注者の社員である場合、これにより発注者との確認となります。管理者が発注者の社員ではない場合、発注者に報告し、確認することが必要です。
【作画監督、動画検査の仕様等の項目と記載例】
指示を行う工程 | ・作画監督:作画工程 ・動画検査:動画工程 | チエック (検査)の対象の工程・成果物 | ・作画監督:xxxxx、原画 ・動画検査:動画 |
業務開始時に 提供する資料・素材とその返却 | 原作等の資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表 ・作画監督:上記に加え、レイアウト、原画、タイムシート ・動画検査:上記に加え、レイアウト、原画、動画、タイムシート 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
業務を行う場所 | 発注者の事業所、指定の場所 | ||
チェック(検査)する 成果物の仕様(※) | ・作画監督:レイアウト・ラフ原画(第1原画) 、原画が満たすべき検査の基準や品質、形式・フォーマット等 ・動画検査:動画が満たすべき検査の基準や品質、形式・フォーマット |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の内容・仕様
◆個別業務編◆作画監督、動画検査
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の完了日が矛盾なく設定されていること、完了から支払が60日以内になっていること
完了の条件が明確であることを確認し、合意して個別の契約書(発注書)に定めます。
・作画監督は作画工程に対して、動画検査は動画工程に対して、発注者と共同で制作工程の期日・期間を設定する立場として、確認を行ってください。
・業務の進行の遅れなどにより完了日に間に合わず、完了、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、 発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。
完了日に影響を与える、業務の開始日以降の進行に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注、完了、請求、支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 完了日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:作画監督、動画検査の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 指示期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆作画監督、動画検査
情報成果物の作成業務
●色彩設計、色指定、仕上、仕上検査※
◆業務委託契約の留意点
色彩設計、色指定、仕上、仕上検査の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆業務の種類と分担、兼務
・色彩・仕上の業務は色彩設計、色指定、仕上、仕上検査に分けられます。
・成果物を作成する色彩設計、色指定、仕上は情報成果物の作成業務、仕上検査は役務の提供業務です。
・色彩設計を行った制作者が色指定、仕上検査を行うことがあります。多くの場合、
色指定と仕上検査は同じ制作者が行います。色彩設計や色指定、仕上検査を行った人が
仕上を行うこともあります。
◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査の業務
・色彩設計の業務はプリプロダクションでメインの色彩設計をして色指定表を作成するとともに、各話のゲストや色変えの色彩設計、色指定表の作成を行います。色指定の業務は作画されたカット素材に対して彩色の指定を行います。
仕上は、色彩設計や色指定に基づいて1枚1枚の動画の線画データに彩色して、仕上データを作成します。CGにも色彩設計、色指定が必要です。
・仕上検査は仕上が作成した仕上データをチェック(検査)、修正します。
・それぞれの業務は、成果物や役務、工程、仕様、スケジュールが異なるため、別の業務
としています。代金の算出も別に行いますが、合わせて1式とすることもあります。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、確認します。
業務 | ●色彩設計 ●色指定 ●仕上 ●仕上検査 | |
担当 | 色彩設計 | 作品全体の場合、作品名 シリーズ全体の場合、シリーズ作品名 |
色指定 | 作品全体の場合、作品名 シリーズ作品の場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No または、上記の担当カット カットNo・カット数 いずれも動画合計枚数(※) | |
仕上 | 作品全体の場合、作品名の シリーズ作品の場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noの担当カット カットNo・カット数 いずれも動画合計枚数(※) | |
仕上検査 | 作品全体の場合、作品名 シリーズ作品の場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No または、上記の担当カット カットNo・カット数 いずれも動画合計枚数(※) |
色指定、仕上検査は作品全体、話数1話分を担当することが一般的ですが、カットを分けて担当することもあります。
※色指定、仕上検査の代金の計算は作品全体、話数の1式によって行うことがありますが、業務の量は
動画枚数によるため、契約時に予定の枚数も示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。
◆担当業務
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例
合計代金(円) | 消費税❹※ | 10% | 消費税額※ | 合計支払金額(円)※ |
◆計算の明細と合計代金の明示例【色彩設計】
担当:作品、シリーズ作品 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |
作品名 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | 1 | 式 | |||
以上、合計代金 |
◆計算の明細と合計代金の明示例【色指定】
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数Noまたは担当カット、動画枚数 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | 1 | 式 | |||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | 1 | 式 | ||||
または | |||||||
シーン6 | カットNo1 | 動画枚数50 | |||||
シーン6 | カットNo2 | 動画枚数50 | |||||
以上、合計代金 |
◆支払金額①
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
◆計算の明細と合計代金の明示例【仕上】
担当カット(業種ごとの単位を記入) | 動画枚数 | 仕上枚数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 |
シーン6カットNo1 | 50 | 50 | |||
シーン6カットNo2 | 60 | 60 | |||
シーン6カットNo3 | 55 | 55 | |||
以上、合計代金(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例【仕上検査】
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数Noと尺 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | 1 | 式 | |||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | 1 | 式 | ||||
または | |||||||
シーン6 | カットNo1 | 動画枚数50 | |||||
シーン6 | カットNo2 | 動画枚数50 | |||||
以上、合計代金 |
色彩設計の単価は通常、作品全体、またはシリーズ作品全体に対して1式です。作品によって単価が異なります。 色指定と仕上検査は、通常、作品全体、またはシリーズ作品の話数1話の1式です。カットで分担することもあり、この場合は担当カット1式、またはカット数×単価によって代金を算出することがあります。
仕上は動画1枚あたりの単価×担当カットごとの動画枚数で合計代金を算出します。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、消費税の扱い、
合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法➂消費税を参照してください。
◆支払金額➁
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを、成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質の確認は重要です。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行します。さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【色彩設計、色指定の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する成果物 | ・色彩設計 ・色指定 | その他の記入・提出物 | 納品書、請求書を提出 |
業務開始時の 提供資料等 | ・色彩設計:原作等の資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、香盤表 ・色指定:上記に加え 色彩設計、レイアウト、原画、動画、タイムシート、シーン割表、カット表、 スケジュール表 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、チェック (検査)者(予定) | 監督名、演出名、色彩設計名、色指定名、仕上検査名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 | ||
色彩設計の仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 | |||
色指定の仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
◆業務の仕様①
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
納品する成果物 | ・仕上データ | その他の 記入・提出物 | タイムシート、作成資料、返却物を封入したカット袋 (必要事項記入)、納品書、請求書を提出 |
業務開始時の提供資料等 | ・設定資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、色彩設計、色指定、レイアウト、 原画、動画、タイムシート、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、チェック (検査)者(予定) | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名、色彩設計名、色指定名、仕上検査名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 | ||
仕上データの仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様➁
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
・仕上画検査の業務は、発注者が業務の内容と完了の条件・時期を示し、受注者がこれを確認し、合意して、
定めます。発注者はこれを記載した契約書(発注書)を発行することが必要です。
・役務の提供の業務では、受注者は作成者への指示とチェック(検査)の権限と責任を負います。作成者の契約内容、数量、仕様、スケジュールを把握して作業を行うことが重要です。
・指示とチェック(検査)によって、契約の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更が生じ得る場合、管理者の
プロデューサー、デスク、制作進行が、発注者の社員である場合、これにより発注者との確認となります。管理者が発注者の社員ではない場合、発注者に報告し、確認することが必要です。
【仕上検査の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
チエック (検査)の対象の工程・成果物 | 仕上データ |
業務開始時に 提供する資料・素材とその返却 | ・設定資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、色彩設計、色指定、レイアウト、原画、動画、タイムシート、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表、発注書、仕様書 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 |
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 |
業務を行う場所 | 発注者の事業所、指定の場所 |
チェック(検査)する 成果物の仕様(※) | ・仕上の仕様書 |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、
スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様➂
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した 契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日などに変更があった場合は、
発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注、納品・受領(完了)、請求、支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領(完了)日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
色彩設計、色指定と、仕上・仕上検査の各期日は異なります。仕上、仕上検査は同じです。仕上検査は役務の提供業務になります。
【業務の進行:色彩設計の期日・期間】
工程・進行 | 期日・期間 |
業務開始、資料・素材提供 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
打合せ、作成、確認 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
完成、納品 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
色彩設計は、その他の設定が同時に進行するプリプロダクションの工程で行われるため、作品により工程が様々で、定型的ではありません。
◆スケジュール①
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
仕上は色指定のあがった後の進行になります。
◆仕上検査
・発注者は、仕上検査の業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の完了日が矛盾なく設定されていること、完了から支払が60日以内になっていること、完了の条件が明確であることを確認し、
合意して個別の契約書(発注書)に定めます。
・仕上検査は仕上工程に対して、発注者と共同で制作工程の期日・期間を設定する立場として、確認を行ってください。
・業務の進行の遅れなどにより完了日に間に合わず、完了、請求、支払の期日の予定を変更する必要が生じた場合、
発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。
完了日に影響を与える、業務の開始日以降の進行に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の進行:仕上検査の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 指示期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
仕上検査は仕上と同時の進行になります。
◆スケジュール➁
◆個別業務編◆色彩設計、色指定、仕上、仕上検査
情報成果物の作成業務
●美術監督※ 、美術設定、美術ボード、背景
◆業務委託契約の留意点
美術監督、美術設定、美術ボード、背景の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆業務の種類と分担、兼務
・美術・背景の業務は美術監督、美術設定、美術ボード、背景の作成に分けられます。
・成果物を作成する美術設定、美術ボード、背景は情報成果物の作成業務、美術監督は役務の提供業務です。
・美術監督が美術設定、美術ボード作成まで行う場合と、別の制作者が行う場合があります。
◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景の業務
・美術設定は、作品全体、またはシリーズ作品全体の業務として、作品企画、脚本、各種設定、キャラクターデザイン等が同時に進行するプリプロダクションの工程で行うため、作品に
より工程が様々で、定型的ではありません。
・美術ボードは、美術設定に基づき、作品全体、またはシリーズ作品1話のシーン毎に背景の基本を示します。
・背景は作品全体、またはシリーズ作品1話の各カット毎に背景を作成します。
・美術監督は、作品全体、またはシリーズ作品1話の単位の背景の作成を、監督、指示、チェック (検査)し、修正します。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、確認します。
業務 | ●美術監督 ●美術設定 ●美術ボード ●背景 | |
担当 | 美術設定 | 作品全体の場合、作品名 シリーズ全体の場合、シリーズ作品名 |
美術ボード | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No上記の担当シーン シーンNo・シーン数 | |
美術監督 | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noカット数(※) | |
背景 | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No上記の担当カット カットNo・カット数 |
美術設定の業務は、作品全体、シリーズ全体に対して行います。
美術ボードの業務は、作品全体、シリーズ作品の話数全体、またはシーン単位で行います。美術監督の業務は、作品全体、シリーズ作品の話数毎に行います。
背景の業務は、美術会社は作品全体、シリーズ作品の話数の単位で受注しますが、作成する制作者はこの中でカットを分けて担当します。
※美術監督の代金の計算は作品全体、話数の1式によって行うことがありますが、業務の量はカット数によるため、契約時にその予定数も示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。
◆担当業務
◆個別業務編◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例※
合計代金(円) | 消費税❹ | 10% | 消費税額 | 合計支払金額(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例【美術設定、美術ボード】
担当:作品、シリーズ作品 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |
作品名 | (必要な場合、作成するシーンとその数等) | 1 | 式 | |||
またはシリーズ名 | (必要な場合、作成するシーンとその数等) | 1 | 式 | |||
以上、合計代金 |
美術設定、美術ボードの代金は、作品全体、またはシリーズ作品全体に対して1式とすることもありますが、シーンを指定した業務のこともあります。作品によって、また作成するシーンによって単価が異なることがあります。
◆計算の明細と合計代金の明示例【背景】
担当カット | カット数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 |
シーン6 カットNo1・No2・No3 | 3 | |||
シーン7 カットNo1・No2・No3・No4・No5 | 5 | |||
以上、合計代金(円) |
背景は通常、作品全体、またはシリーズ作品の話数1話の中で担当するカット毎に単価を設定します。カット毎の難易度等によって単価が異なることがあります。
◆支払金額①
◆個別業務編◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景
◆計算の明細と合計代金の明示例【美術監督】
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数No カッㇳ数 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | カット数 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | カット数 | 1 | 式 | |||
以上、合計代金 |
美術監督の代金は通常、作品全体、話数単位1式です。業務の量はシーン・カット数によるため、この予定数を示します。作品によって単価が異なります。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、
消費税の扱い、合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法
➂消費税を参照してください。
◆支払金額➁
◆個別業務編◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを、成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質の確認は重要です。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行します。さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【美術設定、背景の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する成果物 | ・美術設定 ・美術ボード ・背景 | その他の記入・提出物 | ・背景の場合、 背景と照合できるカット表、タイムシート納品書、請求書を提出 |
業務開始時の提供資料等 | ・美術設定・美術ボード:原作等の資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、色彩設計、その他の設定資料、香盤表、美術ボードの場合、美術設定、シーン割表 ・美術監督・背景:上記に加え 美術設定、色彩設計、レイアウト、タイムシート、シーン割表、カット表、スケジュール表 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、チェック (検査)者(予定) | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名、色彩設計名、色指定名、仕上検査名、撮影監督名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 | ||
美術設定、美術ボードの仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 | |||
背景の仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様①
◆個別業務編◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景
・美術監督の業務は、発注者が業務の内容と完了の条件・時期を示し、受注者がこれを確認し、合意して、定めます。
発注者はこれを記載した契約書(発注書)を発行することが必要です。
・役務の提供の業務では、受注者は作成者への指示とチェック(検査)の権限と責任を負います。作成者の契約内容、数量、仕様、スケジュールを把握して作業を行うことが重要です。
・指示とチェック(検査)によって、契約の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更が生じ得る場合、管理者、発注者に報告します。管理者のプロデューサー、デスク、制作進行が、発注者の社員である場合、これにより発注者との
確認となります。管理者が発注者の社員ではない場合、発注者に報告し、確認することが必要です。
【美術監督の仕様等の項目と記載例】
チエック (検査)の対象の工程・成果物 | 背景 |
業務開始時に 提供する資料・素材とその返却 | ・設定資料、脚本、絵コンテ、美術設定、キャラクターデザイン、その他の設定資料、色彩設計、色指定、 レイアウト、タイムシート、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 |
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 |
業務を行う場所 | 発注者の事業所、指定の場所 |
チェック(検査)する成果物の仕様(※) | ・背景の仕様書 |
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様➁
◆個別業務編◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した 契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日などに変更があった場合は、
発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注、納品・受領(完了)、請求、支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領(完了)日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
美術設定、美術ボード、背景の各期日は異なります。
【業務の進行:美術設定、美術ボードの期日・期間】
工程・進行 | 期日・期間 |
業務開始、資料・素材提供 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
打合せ、作成、確認 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
完成、納品 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
美術設定、美術ボードの各期日は異なります。美術設定、美術ボードは、その他の設定が同時に進行するプリプロダクションの工程で行われるため、作品により工程が様々で、定型的ではありません。
◆スケジュール①
◆個別業務編◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
背景は、美術設定、美術ボード、レイアウトがあがった後の進行になります。
◆美術監督
・発注者は、美術監督の業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の完了日が 矛盾なく設定されていること、完了から支払が60日以内になっていること、完了の条件が明確であることを確認し、合意して個別の契約書(発注書)に定めます。
・美術監督は背景の工程に対して、発注者と共同で制作工程の期日・期間を設定する立場として、確認を行ってください。
・業務の進行の遅れなどにより完了日に間に合わず、完了、請求、支払の期日の予定を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。
完了日に影響を与える、業務の開始日以降の進行に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の進行:美術監督の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 指示期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール➁
◆個別業務編◆美術監督、美術設定、美術ボード、背景
●CG
◆業務委託契約の留意点
CGの契約、発注時に留意すべき点です。
◆個人のCG制作者への業務委託
・アニメーション制作全体を行う会社がCG制作を委託する場合、個人のCG制作者と取引することは少なく、
CG制作会社に依頼するのが一般的です。CG制作会社には、ディレクターの下に、社員や業務委託のクリエイターがおり、多くの場合、各工程分業制の体制となっていますが、1人のクリエイターが
全工程の制作を行うこともあります。ここでは個人のクリエイターへの業務委託について解説します。
◆アニメーション制作の中のCGの活用
・アニメーション制作の中でCGを活用する手法には、全カットをCGで制作するフルCG制作、CGを用いるカットのみの制作を委託するCGカット制作、同じカットの中で作画とCG両方を使うハイブリッド制作、 3Dレイアウトの制作などがあり、手法毎に、仕様や工程、用意すべき素材や資料、チェックのタイミングや方法が異なります。
◆CG特有の工程、代金の計算方法
・CGの制作は、モデリング、リギング、彩色・テクスチャー、アニメーション、レンダリングという
工程で進められます。チェック(検査)のタイミングが他のアニメーション制作の工程とは異なります。
また、代金の計算は、成果物の数量×単価ではなく、制作にかかる人の工数、人日×人件費単価が用いられることがあります。定めた業務開始時に業務が始まらない場合、待ち日数も代金の支払が必要になることがありますので、注意が必要です。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、
確認します。
業務 | ●CG | |
担当 | フルCG | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noカット数・総尺(※) |
CGカット | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noの中の担当カット(カットNo、各カットの尺※) | |
ハイブリッド | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No の中の担当カット(カットNo、各カット中のCGパート※) | |
3Dレイアウト | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No の中の担当カット(カットNo、各カットの尺※) |
※作品全体、シリーズ作品の1話全てのフルCG制作の場合は、予定のカット数、総尺を示します。
カット単位のCG制作の場合は、カット毎の予定の尺を示します。ハイブリッド制作の場合は制作するカットの中のCG制作パートを示します。3Dレイアウトの場合は制作するカットを示します。
◆担当業務
◆個別業務編◆CG
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例
合計代金(円) | 消費税❹※ | 10% | 消費税額※ | 合計支払金額(円)※ |
◆計算の明細と合計代金の明示例【フルCG】
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数No カッㇳ数・総尺 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | カット数・総尺 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | カット数・本編定尺 | 1 | 式 | |||
以上、合計代金 |
フルCG制作は多くは作品・話数1式単位の代金ですが、カット数、総尺の作業日数等に人件費をかけた明細を示すことがあります。
◆計算の明細と合計代金の明示例【CGカット、3Dレイアウト】
担当カット | カット数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |
シーン6 カットNo1・No2・No3 | 3 | ||||
シーン7 カットNo1・No2・No3・No4・No5 | 5 | ||||
担当カット | カット数 | 作業日数 | 人件費単価(円) | 小計(円) | 備考 |
シーン6 カットNo1・No2・No3 | 3 | 4 | |||
シーン7 カットNo1・No2・No3・No4・No5 | 5 | 3 | |||
以上、合計代金(円) |
CGカット、3Dレイアウト制作は、多くはカット単位の単価設定ですが、カット毎の作業日数等に人件費をかけた計算方法とすることがあります。
◆支払金額①
◆個別業務編◆CG
◆計算の明細と合計代金の明示例【ハイブリッド】
担当カット | カット数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |
シーン6 カットNo1・No2・No3 | 3 | ||||
シーン7 カットNo1・No2・No3・No4・No5 | 5 | ||||
担当カット | カット数 | パーツ数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 |
シーン6 カットNo1・No2・No3 | 3 | 2 | |||
シーン7 カットNo1・No2・No3・No4・No5 | 5 | 4 | |||
以上、合計代金(円) |
多くの場合、ハイブリッド制作はカット単位の単価設定ですが、カット毎のパーツ数に単価を設定する計算方法とすることがあります。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、
消費税の扱い、合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法
➂消費税を参照してください。
◆支払金額➁
◆個別業務編◆CG
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを、成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質の確認は重要です。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行することが必要です。さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【CGの業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する成果物 | ・フルCG:完成CG映像 ・CGカット:CG映像またはセル画像 ・ハイブリッド:パーツのデジタル画像 ・3Dレイアウト:CGモデルデータ | その他の 記入・提出物 | ・フルCG・CGカット・3Dレイアウト: キャラクター等データ ・CGカット・ハイブリッド:タイムシート、カット袋(必要事項記入) 共通して、納品書、請求書 |
業務開始時の 提供資料等 | ・フルCG:設定資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、色彩設計(色指定)、その他の設定資料、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表 (どの部分から委託するかにより異なる。) ・CGカット:上記加え、レイアウト、タイムシート(制作手法により異なる。) ・ハイブリッド:上記加え、原画、動画(制作手法により異なる。) ・3Dレイアウト:絵コンテ、キャラクターデザイン、美術設定(制作手法により異なる。) 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、チェック (検査)者(予定) | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名、仕上検査名、撮影監督名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 |
フルCGの場合、プリプロダクションのどこから、編集からポストプロダクションのどこまでを、 CGの業務とするのか明確にすることが必要です。これにより成果物の仕様が変わります。CGカットは映像と画像のどちらの成果物を求めるのか明確にすることが必要です。
ハイブリッドではカットの中のCGパーツと手描き作画との調和のチェック(検査)の方法と合わせて成果物の仕様を決めることが必要です。
3Dレイアウトの場合、どの素材を用いてどの程度の精度の成果物を求めるのか明確にすることが必要です。
◆業務の仕様①
◆個別業務編◆CG
フルCGの仕様 ※ |
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
CGカットの仕様 ※ |
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
ハイブリッドの仕様 ※ |
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
3Dレイアウト ※ |
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
CGの仕様は、作品毎に求める品質や、担当する業務の工程、チェック(検査)の方法、受注者の意向によって、異なります。受注者と発注者は詳細の検討、協議を行って、仕様を定めることが必要です。
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様➁
◆個別業務編◆CG
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、 発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに 受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注・納品・受領・請求・支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:CGの作成の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
CG制作の業務の進行では、業務開始時に必要な資料や素材の確認、チェック(検査)のタイミングについて、受注者と発注者は詳細の検討、協議を行って、定めることが必要です。業務開始時に色彩設計(色指定)が
揃っていないため業務が始められない、モデリング段階のチェック(検査)時に指示がなかったため、完成前の
チェック(検査)の指示では直せない、追加代金が発生するなどの、トラブルを起こさないために必要です。
◆スケジュール
◆個別業務編◆CG
●特殊効果、撮影監督、撮影
◆業務委託契約の留意点
特殊効果、撮影監督、撮影の契約、発注時に留意すべき点です。
◆特殊効果、撮影監督、撮影の業務
・特殊効果は、仕上の後工程、撮影の前工程の、撮影監督、撮影とは別の情報成果物の作成業務ですが、ここで合わせて解説します。
・撮影監督は指示のみで作成を行わない場合、役務の提供業務ですが、撮影担当者とともに機器を操作
して作成を行う場合、この指示の下で業務を行う撮影担当者とともに情報成果物の作成業務となります。
・撮影の業務は、本来の仕上の後の工程で、仕上のセルデータと背景を合わせた映像を作成しますが、アフレコやプレビューのために、作成途中の作画素材や背景素材を合わせて映像化する「線撮」の
業務も含まれることがあります。
・また、主に撮影監督はプリプロダクションの段階から、作画や仕上、背景、CGのデジタル制作の
仕様の検討の業務を行うことがあります。このため撮影監督と撮影(担当者)の業務は別の業務としています。
◆特殊効果、撮影監督、撮影の業務の代金の計算方法
・特殊効果の代金は、作品全体、シリーズ作品1話あたり1式か、作成するカット毎の単価設定か、確認することが必要です。いずれの場合も、作成する予定のカット数、仕上枚数も確認することが望まれます。
・撮影の業務に「線撮」も含まれる場合、「線撮」の予定回数を確認することが望まれます。
・撮影監督は、デジタル制作の仕様の検討など、業務の始まりを確認することが必要です。撮影監督と撮影は、いったん「本撮」といわれる完成仕上セルデータと背景データの撮影を行った後で
リテイクといわれる仕上以前の工程からのやり直しのため、撮影もやり直すことがあります。納品・受領について確認することが必要です。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、
確認します。
業務 | ●特殊効果 ●撮影監督 ●撮影 | |
担当 | 特殊効果 | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数Noの中の担当カット(カットNo、各カットの動画枚数※) |
撮影監督、撮影 | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No (カット数、各カットの動画枚数の合計※) |
※依頼、契約、発注時に、特殊効果が担当するカットと、そのカットの予定仕上枚数を示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。
また、撮影監督、撮影に、担当する全体の仕上枚数を示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。
◆担当業務
◆個別業務編◆特殊効果、撮影監督、撮影
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例
合計代金(円) | 消費税❹※ | 10% | 消費税額※ | 合計支払金額(円)※ |
◆計算の明細と合計代金の明示例【特殊効果】
担当カット | カット数 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 |
シーン6 カットNo1・No2・No3 | 3 | |||
シーン7 カットNo1・No2・No3・No4・No5 | 5 | |||
以上、合計代金(円) |
特殊効果は多くはカット単位の単価設定ですが、作品全体、シリーズ作品1話数で、1式とすることがあります。
◆計算の明細と合計代金の明示例【撮影】
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数No カッㇳ数・総尺・想定作画枚数 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | |||
作品名 | カット数・総尺・動画枚数 | 1 | 式 | |||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | カット数・本編定尺・動画枚数 | 1 | 式 | ||||
例)以上には、線撮1回、本撮と、本撮後の修正カットの再撮を含む | ||||||||
2回目以上の線撮の場合1回の線撮代金 | 1 | 式 | ||||||
以上、合計代金 |
撮影は、多くの場合、作品・話数1式単位の代金としますが、カット数、総尺、仕上枚数を示して単価を設定することが望まれます。
1式の代金の中に含まれる線撮の回数、本撮後の修正について示すことが望まれます。線撮の回数が予定を超えた時の1回あたりの単価を定めておくことが望まれます。
◆支払金額①
◆個別業務編◆特殊効果、撮影監督、撮影
◆計算の明細と合計代金の明示例【撮影監督】
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数No カッㇳ数・総尺・想定作画枚数 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | カット数・総尺・動画枚数 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | カット数・本編定尺・動画枚数 | 1 | 式 | |||
以上には、デジタル制作仕様アドバイスと、線撮1回、本撮と、本撮後の修正カットの再撮を含む | |||||||
以上、合計代金 |
撮影監督の業務に、作品全体のデジタル制作の仕様決定のためのアドバイスが求められることがあります。
業務の範囲、線撮の回数、本撮後の修正について示すことが望まれます。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、
消費税の扱い、合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法
➂消費税を参照してください。
◆支払金額➁
◆個別業務編◆特殊効果、撮影監督、撮影
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを、成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質の確認は重要です。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者
にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行することが必要です。さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【特殊効果、撮影監督、撮影の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する 成果物 | ・特殊効果=セル画像データ ・線撮=提供したセル、背景によるカット 毎の撮影データ ・本撮=仕上・特殊効果済みのセルと 背景によるカット毎の撮影データ | その他の 記入・提出物 | ・特殊効果:タイムシート、カット袋(必要事項記入) ・撮影:タイムシート 共通して、納品書、請求書 |
業務開始時の 提供資料等 | ・特殊効果:担当するカットの仕上データ、カット袋、タイムシート、特殊効果の指示書 ・撮影監督:設定資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、色彩設計(色指定)、その他の設定資料、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表、デジタル制作仕様のアドバイスを求める場合の資料 ・線撮:上記に加え、その時点のキャラクター作画セル、背景データ、カット袋、タイムシート ・本撮:カット袋、タイムシート、仕上・特殊効果済みのセルデータ、完成済み背景データ 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、チェック (検査)者(予定) | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名、仕上検査名、撮影監督名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 |
◆業務の仕様①
◆個別業務編◆特殊効果、撮影監督、撮影
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
線撮の仕様 ※ |
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
本撮の仕様 ※ |
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
※線撮の仕様は、用いる目的によって、その都度異なりますので、詳細の確認が必要です。本撮の仕様は、編集、ポストプロダクションで求められる仕様を定めることが必要です。
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様➁
◆個別業務編◆特殊効果、撮影監督、撮影
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、
発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、
その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注・納品・受領・請求・支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:特殊効果の作成の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
チェック期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール①
◆個別業務編◆特殊効果、撮影監督、撮影
工程・進行 | 期日・期間 |
線撮素材提供、作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮チェック・リテイク修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮修正・再撮作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
※撮影監督の場合
・撮影監督は撮影工程に対して、発注者と共同で制作工程の期日・期間を設定する立場として、確認を行ってください。
・業務の進行の遅れなどにより完了日に間に合わず、完了、請求、支払の期日の予定を変更する必要が生じた場合、
発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。
完了日に影響を与える、業務の開始日以降の進行に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の進行:撮影監督の期日・期間】
工程・進行 | 期日・期間 |
デジタル制作仕様アドバイス期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
線撮素材提供、作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮チェック・リテイク修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮集成・再撮作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール②
◆個別業務編◆特殊効果、撮影監督、撮影
●編集
◆業務委託契約の留意点
編集の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆編集の業務
・編集は、撮影されたカット素材を絵コンテに従ってつなげ、カッティング(オフライン編集)に
おいて監督・ 演出立ち合いのもとに各カットの尺やカットの順番およびカット繋ぎのエフェクト効果などを追加して作品全体の映像の流れやテンポ・リズムを調整し、また線撮からOKテイクに至るまでのすべての映像素材を管理して、ポストプロダクションにおけるビデオ編集(オンライン編集)に引き継ぐ業務です。プリプロダクションの段階から、公開予定のメディアへの完成納品の仕様を理解し、ポストプロダクションに渡す素材の仕様の設定に協力します。
・編集の業務は、チーフ、ディレクターと、担当者、スタッフと呼ばれる専門家と、アシスタントによって行われます。
◆編集の業務の代金の計算方法
・編集は、撮影後の編集以外に、アフレコ等のための線撮映像を編集する業務も行います。
またカッティング後に、本撮のラッシュチェックで出たリテイクカットの映像の差し替えを行います。
・編集は撮影によるカット数分の素材をつないでいくため、カット数が増えると工数が増加します。
・編集の代金は、作品全体、シリーズ作品1話分に対して1式とすることがありますが、線撮と本撮に
対する編集の回数、カット数を勘案した代金の設定が望まれます。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、
確認します。
業務 | ●編集 |
担当 | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No (カット数※) |
※依頼、契約、発注時に、カット数を示して業務の内容や代金を確認することが望まれます。
また、線撮、本撮の編集と、本撮後のリテイクカットの差し替え作業について業務の内容や代金を
確認することが望まれます。
◆担当業務
◆個別業務編◆編集
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例
合計代金(円) | 消費税❹※ | 10% | 消費税額※ | 合計支払金額(円)※ |
◆計算の明細と合計代金の明示例
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数No カッㇳ数・総尺 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | カット数・総尺・動画枚数 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | カット数・本編定尺 | 1 | 式 | |||
以上には、絵コンテ撮の編集、線撮への差し替え、本撮の編集、本撮後のリテイクカットの差し替えを含む | |||||||
以上、合計代金 |
編集は、多くの場合、作品・話数1式単位の代金としますが、カット数を示して単価を設定することが望まれます。
1式の代金の中に含まれる線撮の編集の回数、本撮後のリテイクカットの差し替え作業について示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。 線撮の編集作業が複数回あると想定される場合は、1回あたりの単価を定めておくことが望まれます。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、
消費税の扱い、合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法
➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆編集
・発注者は、業務の依頼時に、業務の内容や成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなどを、成果物の仕様として、
また、納品する成果物、その他の記入・提出物等、業務開始時の提供資料等、納品の場所と共に文面にした仕様案を示します。
・受注者は、その内容を確認し、合意します。特に成果物の検査の基準や満たすべき品質の確認は重要です。
・発注者は、成果物を作成する受注者に示す内容、仕様等を、その成果物の作成を指示し、検査する指示者、チェック (検査)者
にも示し、確認、合意しておくことが望まれます。
・発注者は業務の内容や成果物の仕様等を記載した契約書(発注書)と、必要な場合、別紙の仕様書を発行することが必要です。さらに仕様書以外に、「注意事項」等の別添の指示書等がある時は、そのことを示します。
【編集の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
納品する成果物 | ・線撮=線撮編集映像 ・本撮=本撮編集映像 | その他の 記入・提出物 | ・キューシート、納品書、請求書 |
業務開始時の 提供資料等 | ・設定資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、色彩設計(色指定)、その他の設定資料、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表、番組フォーマット(番組の定尺と構成)、ポスプロ納品仕様、公開メディア納品仕様、カット袋、タイムシート、撮影データ 以上と業務の途上で提供された全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
指示者、チェック (検査)者(予定) | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名、仕上検査名、撮影監督名 | ||
納品場所 | 発注者の事業所、または指定する場所 | ||
編集の仕様 ※ | |||
成果物の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど・・・・・・・・・・・・・・・・・必要に応じて別紙 |
※線撮の編集の仕様は、用いる目的によって、その都度異なりますので、詳細の確認が必要です。
本撮の編集の仕様は、ポストプロダクション納品、公開メディア納品で求められる仕様を勘案して定めます。
※成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様
◆個別業務編◆編集
・発注者は、業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の受領・納品日が矛盾なく設定されていること、納品・受領から支払が60日以内になっていることを確認し、契約書(発注書)に定めます。
・業務の進行の遅れなどにより納品・受領に間に合わず、納品・受領、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。納品・受領日に影響を与える業務の開始日に変更があった場合は、
発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注・納品・受領・請求・支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 納品・受領日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:編集の期日・期間】
工程・進行 | 期日・期間 |
線撮編集素材提供、作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮編集開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮編集作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮チェック・リテイク修正期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
本撮集成・再撮編集作業期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆編集
●監督、演出
◆業務委託契約の留意点
監督、演出の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆監督、演出の業務と分担
・監督は、作品・企画・プロジェクトの趣旨から作品全体の演出方針を定め、各セクションに指示を出します。
・シリーズ作品では、多くの場合、監督が作品全体の指揮をとり、各話ごとの演出業務は各話演出に依頼します。
作品によっては総監督を置き、監督の業務を監修したり分担したりします。シリーズディレクター、チーフディレクター、
副監督、監督助手を置くこともあります。
・単独作品(劇場、配信、CMなど)は、多くの場合、監督自身が演出を行いますが、監督の下に演出を置く場合もあります。
・演出は、絵コンテをもとにした演出業務を委託され、シリーズ作品では各話ごとに担当します。単独作品ではカットのレイアウトチェック、原画チェック、ラッシュチェックなど、シリーズ作品で各話演出が担っている作業を監督から 分担して行います。
・アニメーションの制作では、監督、演出の指示とチェック(検査) に従って、制作者が作業をします。
その指示やチェック(検査)によって、契約で定めた制作者の業務の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更が
生じることがあり得ます。この場合、監督、演出と、作成者と、プロデューサー、デスク、制作進行といった管理者が、発注者の制作会社等と確認、協議して、対応することが必要です。
◆監督、演出の業務の期間と完了の条件・時期
・シリーズ作品の監督の業務は、シリーズ作品が続く限り、継続します。このため業務委託の契約は期間を決めて更新し、
支払は月毎、クール(3か月)毎等、期間を決めて行うことがあります。
・監督の業務は、プリプロダクションの前の企画段階から始まることがあります。完了は作品が完成した時になりますが、
著作権者の製作委員会等の承認や、公開するメディアの検査まで関わることがあります。業務の開始や完了の条件・
時期を確認することが必要です。
・演出の業務は、完了の条件・時期を確認することが必要です。
◆監督の兼務
・監督が絵コンテを描くことがあります。役務の提供である監督の業務と情報成果物の作成業務である絵コンテ作成の
2つの業務を行うことになります。この2つの業務は納品日をはじめ内容が異なります。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、確認します。
業務 | ●監督(総監督、シリーズディレクター他)、演出 | |
担当 | 総監督、シリーズ ディレクター | シリーズ作品名 |
監督、演出 | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No (作品の尺、担当話の本編定尺、カット数※) |
※シリーズ作品の各話の監督、演出の業務の依頼、契約、発注時には、作品の尺、担当話の本編定尺、
カット数を示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。
◆担当業務
◆個別業務編◆監督、演出
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例
合計代金(円) | 消費税❹ | 10% | 消費税額 | 合計支払金額(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例【総監督、シリーズディレクター】
担当:シリーズ作品 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
シリーズ名 | |||||||
1話あたり | 1 | 式 | |||||
以上、合計代金 |
◆計算の明細と合計代金の明示例【監督、演出】
担当:シリーズ作品・パート・話数名、話数No カッㇳ数・総尺 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
作品名 | カット数・総尺 | 1 | 式 | ||||
またはシリーズ名 | 話数名・No | カット数・本編定尺 | 1 | 式 | |||
以上、合計代金 |
多くの場合、劇場作品等の単独作品の監督、演出は、作品1式、シリーズ作品監督は、各話1式で単価を定めますが、
業務が長期にわたるため、3か月毎、1か月毎等に分割して支払うことがあります。シリーズ作品の各話の監督、演出の業務では、依頼、契約、発注時にカット数・尺を示して、業務の内容や代金を確認することが望まれます。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、
消費税の扱い、合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法
➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆監督、演出
・監督、演出の業務は、発注者が業務の内容と完了の条件・時期を示し、受注者がこれを確認し、合意して、定めます。発注者はこれを記載した契約書(発注書)を発行することが必要です。
・監督、演出の業務では、受注者は作成者への指示とチェック(検査)の権限と責任を負います。
監督、演出は、各作成者の契約内容、数量、仕様、スケジュールを把握して業務を行うことが重要です。
・指示とチェック(検査)によって、作成者の業務に契約の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更が生じ 得る場合、管理者に報告します。管理者のプロデューサー、デスク、制作進行が、発注者の社員である場合、これにより発注者との確認となります。管理者が発注者の社員ではない場合、発注者に報告し、確認することが必要です。
【監督、演出の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
指示を行う工程 | ・プリプロダクション ・プロダクション全工程 ・ポストプロダクション | チエック (検査)の対象の工程・成果物 | ・プリプロダクション 脚本、絵コンテ、各種設定 ・プロダクション全工程 全工程の成果物 ・ポストプロダクション 完成映像 |
業務開始時に 提供する資料・素材とその返却 | 原作等の資料等と 業務の途上で提供された、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表等、全ての資料等、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
業務を行う場所 | 発注者の事業所、指定の場所 | ||
チェック(検査)する成果物の仕様 | ・プリプロダクション 脚本、絵コンテ、各種設定、プロダクションの全工程、ポストプロダクション工程の成果物、完成映像の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど※ |
監督、演出が指示する工程、チェック(検査)する成果物の仕様等は多岐にわたりますが、それぞれの業務の内容、仕様等を把握して業務を行うことが重要です。
※各工程の成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様
◆個別業務編◆監督、演出
・発注者は、監督、演出の業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなど
して、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始から、作成、チェック(検査)、修正、検収までの業務の進行の期日・期間と、業務の手続の完了日が 矛盾なく設定されていること、完了から支払が60日以内になっていること、完了の条件が明確であることを確認し、合意して個別の契約書(発注書)に定めます。
・監督はアニメーション作品の制作工程に対して、発注者と共同での期日・期間を設定する立場として、確認を行ってください。
・業務の進行の遅れなどにより完了日に間に合わず、完了、請求、支払の期日の予定を変更する必要が生じた場合、発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに受注者に通知することが必要です。
完了日に影響を与える、業務の開始日以降の進行に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について
協議することが必要です。
【業務の進行:監督、演出の業務の期日・期間】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 完了日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:監督、演出の業務の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | プリプロ期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
レイアウト期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 原画期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
動画・仕上期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 背景期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
CG期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | アフレコ日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
ラッシュチェック日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | リテイク期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
リテイク確認日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | ポスプロ期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆監督、演出
●プロデューサー、デスク
◆業務委託契約の留意点
プロデューサー、デスクの依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆プロデューサー、デスクの業務と分担
・多くの場合、プロデューサー、デスクは、発注者の社員ですが、個人に業務委託するとがあります。この項ではその場合の、プロデューサー、デスクの契約、発注について解説します。
・プロデューサーは作品制作全体の管理の業務を行い、デスクは制作進捗の管理と現場の人員・状況の采配や管理を行います。
シリーズ作品の場合は、シリーズ各話の継続した業務を行います。
・アニメーションの制作では、プロデューサー、デスクが、制作者の業務を管理します。
契約で定めた制作者の業務の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更が生じた場合、その制作者と、指示、チェック(検査)を行った監督、演出等と、発注者の制作会社等と確認、協議して、対応する
ことが必要です。
◆プロデューサー、デスクの業務の期間と完了の条件・時期
・シリーズ作品のプロデューサー、デスクの業務は、シリーズ作品が続く限り、継続します。多くの場合、代金は1話ごととします。業務が長期にわたるため、3か月毎、1か月毎等に分割して支払うことがあります。
・プロデューサーの業務は、プリプロダクションの前の企画段階から始まることがあります。完了は作品が完成した時になりますが、著作権者の製作委員会等の承認や、公開するメディアの検査、
作品の商業展開の完結まで関わることがあります。業務の開始や完了の条件・時期を確認することが必要です。
・デスクの業務は、完了の条件・時期を確認することが必要です。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、確認します。
業務 | ●プロデューサー ●デスク |
担当 | シリーズ作品名、または単独作品の作品名 (シリーズの場合、担当するシリーズ作品・パート・話数名、話数No) |
シリーズ作品のプロデューサー、デスクの業務は、シリーズ作品が続く限り担当し、多くの場合、長期にわたるため、
1話単価の代金を3か月毎、1か月毎等に分割して支払うことがあります。
◆担当業務
◆個別業務編◆プロデューサー、デスク
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例
合計代金(円) | 消費税❹ | 10% | 消費税額 | 合計支払金額(円) |
◆計算の明細と合計代金の明示例
担当:単独作品、シリーズ作品 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
単独作品の作品名 | 1 | 式 | |||||
シリーズ名 | |||||||
1話あたり | 1 | 式 | |||||
以上、合計代金 |
シリーズ作品のプロデューサー、デスクの業務の代金は、多くの場合、1話毎としますが、業務が長期にわたるため、
3か月毎、1か月毎等に分割して支払うことがあります。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。
消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、
消費税の扱い、合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法
➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆プロデューサー、デスク
・プロデューサー、デスクの業務は、発注者が業務の内容と完了の条件・時期を示し、受注者がこれを確認し、合意して、
定めます。発注者はこれを記載した契約書(発注書)を発行することが必要です。
・プロデューサー、デスクの業務では、受注者は作成者の管理の権限と責任を負います。
プロデューサー、デスクは、各作成者の契約内容、数量、仕様、スケジュールを把握して業務を行うことが重要です。
・各作成者の契約内容が、指示とチェック(検査)、修正によって契約内容との相違、特に数量や期日・期間の変更が生じ得る場合、発注者の制作会社等に報告し、変更の可否を確認することが必要です。
【プロデューサー、デスクの業務の内容、仕様等の項目と記載例】
管理を行う工程 | ・プリプロダクション ・プロダクション全工程 ・ポストプロダクション | 管理する成果物 | ・プリプロダクション 脚本、絵コンテ、各種設定 ・プロダクション全工程 全工程の成果物 ・ポストプロダクション 完成映像 |
業務開始時に 提供する資料・素材とその返却 | プロデューサーの業務開始時の提供資料:原作等の資料、発注者等や企画立案者からの企画書など プロデューサー、デスクの業務の途上で提供された全ての資料等:脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料、香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表、中間成果物等は発注者の指示により 返却のこと。 | ||
指示者、チェック (検)者 | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名、仕上検査名、美術監督名、撮影監督名 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
業務を行う場所 | 発注者の事業所、指定の場所 | ||
管理する 成果物の仕様 | ・プリプロダクション 脚本、絵コンテ、各種設定、プロダクションの全工程、ポストプロダクション工程の 成果物、完成映像の検査の基準、品質、形式・フォーマットなど※ |
プロデューサー、デスクが管理する工程、成果物の仕様等は多岐にわたりますが、それぞれの業務の内容、仕様等を把握して業務を行うことが重要です。
※各工程の成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様
◆個別業務編◆プロデューサー、デスク
・発注者は、プロデューサー、デスクの業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した
契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなど
して、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始以降の制作の進行の期日・期間と、業務の手続の完了日が矛盾なく設定されていること、完了から支払が60日以内になっていること、完了の条件が明確であることを確認し、合意して個別の契約書(発注書)に定めます。
・プロデューサーはアニメーション作品の制作工程に対して、発注者と共同での期日・期間を管理する立場として、確認を行ってください。
・業務の進行の遅れなどにより完了日に間に合わず、完了、請求、支払の期日を変更する必要が生じた場合、発注者と 受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、受注者にただちに通知することが必要です。
完了日に影響を与える、業務の開始日以降の進行に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注・納品・受領・請求・支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 完了日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:プロデューサー、デスクの業務の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | プリプロ期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
レイアウト期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 原画期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
動画・仕上期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 背景期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
CG期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | アフレコ日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
ラッシュチェック日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | リテイク期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
リテイク確認日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | ポスプロ期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆プロデューサー、デスク
●制作進行
◆業務委託契約の留意点
制作進行の依頼、契約、発注時に留意すべき点です。
◆制作進行の業務と分担
・制作進行は、発注者の社員が増えていますが、業務委託による人もいます。この項では業務委託の場合の、制作進行の契約、発注について解説します。
・制作進行は、プロデューサー、デスクの下で自分の担当範囲の作品制作全体の管理の業務を行います。
・アニメーションの制作の各工程の各業務を行う制作者の進行のサポートと管理を行います。
・このため、各業務を行う制作者の契約で定めた業務の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更の発生を最も早く認識する立場です。この場合、プロデューサー、デスクに報告し、制作者と、
指示、チェック(検査)を行った監督、演出、作画監督等と、発注者の制作会社が共有できるようにします。
◆制作進行の業務の期間と完了の条件・時期
・制作進行の業務は、作品全体、シリーズ作品の各話ごとに担当します。業務の代金はシリーズ作品の
場合、1話ごととし、業務が長期にわたるため、3か月毎、1か月毎等に分割して支払うことがあります。
・制作進行の業務は、プリプロダクションの後、作画から始まるプロダクションとポスㇳプロダクションの工程、映像完成から納品までの管理を担当します。
・業務の開始や完了の条件・時期を確認することが必要です。
基本契約で定めた業務のうち、今回、発注者が依頼し、受注者が行う担当業務を、確認します。
業務 | ●制作進行 |
担当 | 作品全体の場合、作品名 シリーズの場合、シリーズ作品・パート・話数名、話数No |
制作進行の業務は、作品単位、シリーズ作品の話数単位で担当しますが、長期にわたるため、3か月毎、1か月毎等に分割して支払うことがあります。
◆担当業務
◆個別業務編◆制作進行
・発注者は受注者に、個別業務の単価※と単位あたりの数量を示し、基本契約で定めた計算方法で代金を計算し、
代金と消費税等※の合計支払金額を確認、合意してこれを明示した契約書(発注書)を発行することが必要です。
発注時に、担当業務の数量が定められない場合、発注者は、受注者に未定の理由、予定の数量、決定する予定期日と、単価、計算方法を示して、
確認し、合意して契約書(発注書)を発行し、業務を進めることができますが、数量が決定次第、受注者と数量及びそれによる代金を確認し、
合意し、数量、合計代金とその明細、合計支払金額を記載した契約書(発注書)を再発行するなどして、ただちに受注者に通知することが必要です。
・業務の途中で数量、それにより合計代金が変更になる時は、受注者と発注者が確認し、合意し、
発注者は変更内容を記載した契約書(発注書)をただちに再発行することが必要です。
・受領・納品後、受注者は、請求書※を発注者に発行し、発注者は基本契約で定めた方法で支払を行うことが必要です。
◆合計金額の明示例
合計代金(円) | 消費税❹※ | 10% | 消費税額※ | 合計支払金額(円)※ |
◆計算の明細と合計代金の明示例【総監督】
担当:単独作品、シリーズ作品、話数名・No | 数量 | 単位 | 単価(円) | 小計(円) | 備考 | ||
単独作品の作品名 | 1 | 式 | |||||
シリーズ名 | 話数名・No | ||||||
1話あたり | 1 | 式 | |||||
以上、合計代金 |
制作進行の業務の代金は、多くの場合、作品全体、シリーズ作品の各話ごとに1式ごととしますが、業務が長期にわたるため、3か月毎、1か月毎等に分割して支払うことがあります。
※単価、合計代金は消費税抜き価格で記入し、消費税率と消費税額を示し、消費税込みの合計支払金額を記入する書式としています。消費税の扱いについて、発注者は、受注者が適格請求書発行事業者か、登録していない事業者か、確認が必要です。それにより、
消費税の扱い、合計支払金額の計算、請求書の記入事項が異なります。消費税の請求、記載は、基本編P17・18◆基本契約◆支払方法
➂消費税を参照してください。
◆支払金額
◆個別業務編◆制作進行
・制作進行の業務は、発注者が業務の内容と完了の条件・時期を示し、受注者がこれを確認し、合意して、定めます。
発注者はこれを記載した契約書(発注書)を発行することが必要です。
・制作進行の業務では、受注者は作成者の作成と進行をサポートします。
制作進行は、各作成者の契約内容、数量、仕様、スケジュールを把握して業務を行うことが重要です。
・制作進行は、各業務を行う制作者の契約で定めた業務の内容との相違、特に数量や期日・期間の変更の発生を最も早く認識する立場です。この場合、ただちにプロデューサー、デスクに報告し、作成者と、指示、チェック(検査)を行った監督、演出等と、発注者の制作会社が共有できるようにします。
【制作進行の業務の内容、仕様等の項目と記載例】
管理を行う工程 | ・プロダクション全工程 ・ポストプロダクション | 管理する成果物 | ・プロダクション全工程 全工程の成果物 ・ポストプロダクション 完成映像 |
業務開始時に 提供する資料・素材とその返却 | 業務開始時の提供資料:原作等の資料、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、その他の設定資料業務途上で作成された資料・素材:香盤表、シーン割表、カット表、スケジュール表、中間成果物等は発注者の指示により返却のこと。 | ||
指示者、チェック (検)者 | 監督名、演出名、作画監督名、動画検査名、仕上検査名、美術監督名、撮影監督名 | ||
管理者 | プロデューサー名、デスク名、制作進行名 | ||
業務を行う場所 | 発注者の事業所、指定の場所 | ||
管理する 成果物の仕様 | ・プロダクションの全工程、ポストプロダクション工程の成果物、完成映像の検査の基準、品質、 形式・フォーマットなど※ |
制作進行が担当する工程、成果物の仕様等は多岐にわたりますが、それぞれの業務の内容、仕様等を把握して業務を
行うことが重要です。
※各工程の成果物が満たすべき検査の基準や品質:基礎要求度(テレビ(重・中・軽)、劇場、その他)、難易度(重さ、面倒さ、複雑さ)、
スケジュールの切迫度等。担当するカット等の演出の意図や、動き等の表現、前後のつながり等の指示。
成果物の形式・フォーマット等:紙のサイズ・記入方法、デジタルデータの解像度・サイズ・ファイル形式等の詳細。
◆業務の仕様
◆個別業務編◆制作進行
・発注者は、制作進行の業務の依頼時に業務の手続と業務の進行の期日・期間を示します。
納品・受領日、検査の期日、支払日は必ず定めることが必要です。発注時に定められない場合は、その正当な理由と、定めることができる予定期日を記載した
契約書(発注書)を発行し、期日が決定次第、受注者と確認し、合意して、納品・受領日、検査の期日、支払日を記載した契約書(発注書)を再発行するなど
して、ただちに受注者に書面で通知することが必要です。
・受注者は、業務の開始以降の制作の進行の期日・期間と、業務の手続の完了日が矛盾なく設定されていること、完了から支払が60日以内になっていること、完了の条件が明確であることを確認し、合意して個別の契約書(発注書)に定めます。
・制作進行はアニメーション作品の制作工程に対して、発注者と共同で期日・期間を管理する立場として、確認を行ってください。
・業務の進行の遅れなどにより完了日に間に合わず、完了、請求、支払の期日の予定を変更する必要が生じた場合、
発注者と受注者は対応を協議し、変更内容を合意し、発注者は変更を記載した契約書(発注書)を再発行して、ただちに
受注者に通知することが必要です。
完了日に影響を与える、業務の開始日以降の進行に変更があった場合は、発注者と受注者が確認し、その後の進行について協議することが必要です。
【業務の手続:発注・納品・受領・請求・支払の期日】
発注日 | ✕年✕✕月✕✕日 | 完了日 | ✕年✕✕月✕✕日 |
請求日(〆日) | ✕年✕✕月✕✕日(末日) | 支払日 | ✕年✕✕月末日 |
【業務の進行:制作進行の業務の期日・期間】
業務開始日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 各工程打合期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
レイアウト期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 原画期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
動画・仕上期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | 背景期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
CG期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | アフレコ日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
ラッシュチェック日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | リテイク期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
リテイク確認日 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 | ポスプロ期間 | ✕年✕✕月✕✕日~✕✕月✕✕日 |
◆スケジュール
◆個別業務編◆制作進行
アニメーション制作者・制作会社に向けた適正な契約関係普及のための研修会
個人のアニメーション制作者と制作会社の業務委託契約 ガイドブック 個別業務編
発行
文化庁(令和5年度「芸術家等の活動基盤強化芸術家等実務研修会の実施」事業)
【受託:一般社団法人日本動画協会】発行年月日
令和6年1月15日執筆者
一般社団法人日本動画協会 「芸術家等の活動基盤強化芸術家等実務研修会の実施」事業 事務局
小野打 恵(一般社団法人日本動画協会 働き方改革等検討委員会委員)
監修
小田 勇一(弁護士法人大江橋法律事務所 パートナー弁護士)
令和5年度 文化庁「芸術家等の活動基盤強化芸術家等実務研修会の実施」事業
アニメーション制作者・制作会社に向けた適正な契約関係普及のための研修会
個人のアニメーション制作者と制作会社の業務委託契約ガイドブック 基本編