Contract
○ 富士市立高等学校テニスコート人工芝生化新設工事
1 所 管 課 教育委員会 富士市立高等学校・都市整備部 xxxの課
2 | 契 | 約 金 | 額 | 42,292,800円(設計金額 42,683,760円)平成29年8月4日契約 |
3 | 工 | 期 | 平成29年8月7日から平成30年2月28日まで | |
4 | 受 | 注 | 者 | 株式会社 xx組 |
5 | 工 | 事 概 | 要 | 当該工事である「富士市立高等学校テニスコート人工芝生化新設工事」は、設置から 20 年以上が経過し、施設全体の劣化が進行していることに加え、土の流出によるコート内の段差により転倒等の危険性が高くなるとともに、プレー中のボールの跳ね返りが予測できない等、テニスコート施設としても改善の必要が生じたため、第五次富士市総 合計画事業のひとつとして予算措置を受け、改修工事に着手すること |
になったものである。
工事場所
xxxxxxxx 0000 xx
工事内容(規模・構造・面積等)ア 整備面積 A=2,223 ㎡
(人工芝)
イ 土工一式 敷地造成工 一式
擁壁工 L=12.0m
雨水排水整備工 L= 196.46m H 4000 高尺フェンス L= 40.0m構造物撤去工 一式
仮設工 一式
6 工事進捗状況 実施 14.0% 計画 16.9%(平成 29 年 12 月 13 日時点)
7 調 査 結 果
書類調査における所見
工事関係書類について調査した結果、小規模工事ではあるものの概ね整備保管されており、事前調査項目に基づいて提示された項目を調査し、疑問点は関係者に質問するとともに、当該工事の計画・調査・設計・仕様・積算・契約・施工管理・監理(監督)・試験・検査等の各段階における技術的事項の実施状況について調査した結果、総括的には概ね良好であると判断された。
なお、特に留意すべき事項については、以下の各項に示す通りである。
1)工事着手前における留意事項
ア 計画全般に関係する書類について
・教育委員会富士市立高等学校、都市整備部xxxの課及び財政部契約検査課職員から、当該工事の事業目的と工事決定に至る経緯について、説明を受けた。
・計画及び事業決定の手続きについては、富士市立高等学校の施設に対する修繕・整備を進めるにあたり、「第五次富士市総合計画」の事業として、予算措置を受けて実施しており適正である。
・地元住民に対する事業概要と目的について、事前説明及び調整を行ったかについて確認したところ、平成 29 年5月より地元町内会の町内会長を通じ、文書にて工事の概要を周知するとともに近隣町内会の会合で事業説明し、施工区域について関係する地元住民(対象者約 20 戸)への工事内容及び施工方法については回覧文書や周辺住民への個別挨拶等を行い、承認を受けており適正である。
・工事着手時の工事説明会は特に実施せず、回覧または口頭のみで戸別訪問にて 挨拶したとのことだが、施工方針でもあることから、書面で手渡しするととも に、作業内容の変更時の手続きについても事前に説明しておくことが望ましく、助言した。
・工事コストの縮減については、標準工法を基に工法決定しているが、原則とし て比較検討により安価な材料・工法を選定する他、重力式擁壁を既存擁壁の有 効利用の為のレイアウト見直しを図ることでコスト縮減を図る等の工法検討を 行っており、将来のメンテナンス費用も含めてコスト削減の努力は評価できる。
イ 設計内容に関係する書類について
・当該工事に対する設計基準・規定については、「静岡県土木工事共通仕様書」及び「静岡県土木工事標準積算基準書」に則り行っており、適正である。
・近年の気象変動によるゲリラ豪雨に対する影響について質問したが、法尻に排水路を設置し、排水処理をするとともに降雨量については現状計画の追認であ
ることから過去において冠水等の被害が発生していないので、排水処理容量についても協議しており、当該工事による影響はないものと判断できる。
・事前調査結果に基づき、元々クレーコート自体の劣化もあり、コート面に轍の跡も見られ、表面の不陸状態から水はけも悪いことが判り、改修目的が明確になったことは、理解できる。
・現場発生材の処理方法についても「静岡県建設リサイクルガイドライン」に基づき明確に管理されており、コンクリート殻やアスファルト殻等の産業廃棄物は、指定された再生処理施設にて処分される他、場内における資機材の集積や片付けも整然と行われていることから、受注者の努力が感じられる。
・クレーコートから人工芝コートに変更するにあたり、安全性・利便性・維持管理に配慮したかをチェックしたが、スポーツ施設専門業者と協議し選定したとの説明である。最近は人工芝の種類も多く、スポーツの種類に適応した材質の選定が重要であるとともに、水捌け・滑り摩擦・過去のトラブル事例等を確認し、最適なものを採用することが望ましい。
・バリアフリー新法への対応について、どのように設計上の検討がなされたかについては、テニスコート迄の車椅子対応は図っているが、テニスプレーに対する身障者対応は想定していないとの説明であり、理解できる。
ウ 積算に関係する書類について
・積算内容の照査については、規定・基準は特にないということだが、総括・xx・担当各監督員は選任されており、業務の流れも決められているので、情報の共有化と記録を残す目的で、業務引継書を活用することも有効であり助言した。
・「単価」については、公共工事設計労務単価や静岡県土木工事設計資材単価表及び物価資料、カタログ等の公表価格等から採用するとともに、「歩掛り」については静岡県土木工事標準積算基準書に準拠しているとの説明があり、適正である。
・積算基準・積算資料等の整備状況を確認したが、静岡県の土木工事標準積算基準書に基づき、富士市共通の積算システムを使用する他、刊行物として土木施工単価・土木コスト情報・建設物価・積算資料・建設資材情報等の最新版を整備して活用しているとのことであり、適切に運用されている。
エ 契約に関係する書類について
・入札参加業者の見積り期間は、平成 29 年 7 月 10 日から平成 29 年 7 月 25 日ま
での 16 日間(休日・祝祭日含む)であり、規模及び施工方法から妥当である。また質疑については無かったとのことである。
・入札形式は、制限付き一般競争入札である。入札については、1者無効の為7者により行われ、採用の経緯と法的根拠について説明を求めたが、資料等により適切に処理されて公開されているため、適正であると判断される。
・工事の履行保証については、第三者である「東日本建設業保証㈱」により、市と保証委託者(受注者)の工事請負契約による債務不履行により生ずる損害金に対する支払いを保証してあるとの説明を受け、妥当である。
・受注者における各種保険への加入状況について質問したが、労働災害保険、建設工事保険及び賠償責任保険については確認したとの回答である。工事を円滑かつ継続的に進めるためにも、現場内での火災や第三者への賠償責任等、不可抗力の事故やトラブルによる中断も想定して、常時確認することが望ましい。
・収入印紙については、契約金額に応じて貼付され消印されており、今回工事については、10,000 円の印紙であることを確認した。
・CORINSに「工事カルテ」は提出されており、写しを監督職員より提出してもらい、内容が適切であることを確認した。
・資格審査事務は書類等により適正に行われており、適正化法に基づく参加資格及び名簿についても公表され、妥当である。落札者の決定及び公示についても適正に処理されていると判断した。
・設計変更の有無、精算増減について確認したところ、監査時点迄に契約変更は無いとの説明であるが、既存擁壁の活用による重力式擁壁の中止及び高尺フェンス(H= 4m)を取り止めて、防球ネットを採用する等の仕様変更は既に協議されており、書面による増減金額の集計が未了である。精算処理は迅速に行うべきであり、常に集計表で纏めておくことが望ましい。
・入札にあたり、「現場説明事項」の中で施工に対する考え方、基準・規定となる規則や仕様書・承認プロセス・竣工時の提出書類・安全対策及び緊急時の対応等について具体的に列記し、請負者の責任施工範囲を明示していることは有効であり、評価できる。
2)工事着工後における留意事項
ア 施工管理に関係する書類について
・工事の進捗状況については、関係する地域住民との事前協議や連絡調整あるいは監督員・受注者との都度協議により円滑に進められており、工事監査時点では順調に推移していることが判った。
・特定建設作業(騒音・振動)については、設計変更による施工条件が変わったことから解体作業が不用となり、該当しないことになったとの説明である。
・工事記録写真が施工順序に従って的確に記録されているかについては、隠蔽部 分に対する撮影も確認の上、整理し記録されているとの説明であり、適正であ るものの、竣工書類の一部として提出する工事記録写真については、将来にお いて検索が容易に出来るよう工事写真管理ソフト(デキスパート)を活用したフ ァイリング手法を助言したので、提出内容について協議されることが望ましい。
・「建設廃棄物」の収集運搬・中間処理・最終処分に対する契約については、施工計画書に添付されており、マニフェストにて確認しており適切に処理されている。また、現場発生材については分別収集を現場にて行い、場外搬出を行っているとのことであり、評価できる。
・掘削及び揚重に対する重機の使用が生ずる騒音・振動については、低騒音型を指定しており、防止措置として有効ではある。また夜間作業はこれまで行われておらず、特段の問題点は見当たらない。
・現場の安全管理、特に安全巡視・安全教育については、限られた作業員に対する周知徹底を行なえる環境であるが、反面、日々の安全日誌及び安全パトロールの記録・保管が疎かになることもあり、留意する必要がある。
・「再生資源利用計画書」及び「再生資源利用促進計画書」については、的確に作成され提出されており、書面で確認した。
・現場における緊急時連絡体制及び行動基準についてチェックしたが、事務所内 への掲示はあるものの、工事関係者全員への周知徹底を図っているとは言えず、目につく場所に大きく掲示するとともに、想定し得る事故や災害(作業員・第三者・天災等)に適応した優先順位を考慮した連絡体制や具体的な行動基準を、安全教育の一環で防災シミュレーションとして実施されたい。
・現場周辺住民への工事災害防止対策については、工事用土砂のトラック輸送に使用する隣接道路が狭くカーブも多い為、接触事故の恐れもあることから、事
前にダンプ運転手に対する注意と速度制限について説明し、書面にて同意を得ることが望ましい。
イ 工事監理(監督)に関係する書類について
・監理・監督の業務については富士市建設工事監督規程及び富士市建設工事監督実施要領に基づいて実施しているとの説明である。また、段階確認及び検査立会い等の記録については、施工体制チェックリスト及び工事記録簿等により所定の確認を行い、その都度工事打合せ簿により指示及び記録等行っており、妥当である。
・工事打合せ会については、定例会議(週間・月間)は行っていないが毎日午後3時から監督員・請負各社・作業員を交えて打合せを行い、指示内容・作業変更等について議事録として記録しているとの説明であり、監査時点では特段の問題は発生していない。
ウ 試験・検査等に関係する書類について
・「試験」「検査」の立会については、静岡県土木工事共通仕様書に基づき段階確認・立会願にて行っているが、報告書としての施工プロセスのチェックリストによる記録が残されており、適正である。
・各種検査・材料試験の中で、今回工事に使われるPC部材(PU型側溝・縁石・集水桝等)については、工場検査も含めて製品検査を据付け前に実施することが望ましいので指導した。特に製作工場に対する立ち入り検査は、製作・養生プロセスも理解できるため、工場視察することを助言した。
エ 維持管理業務について
・竣工後の維持管理・保守点検については、事業主管課により専門業者と保守点検の委託契約を締結し、年1回の点検を実施するとの説明である。具体的な点検項目を抽出し、不具合の有無をチェックするとともに、補修等を要する場合は別途協議するとのことであり、妥当である。
・維持管理に対する長期的視点及び経済性については、業者による定期的な保守点検を実施することで、人工芝コートの長寿命化を目指すとともに、日頃より教職員による目視点検を実施させ、適宜修繕を行い劣化防止に努めるとの説明であり適正である。
現場施工状況調査における所見
本調査時点における施工出来高は約 14%程度であり、関連照明設置工事との調整もあり少しの遅れはあるが、計画工程に対しては順調に進捗しており、竣工に向けてその都度施工内容に応じた監視体制を徹底し、作業員及び第三者に対する事故防止に留意することが大切である。そのため、資機材の搬入及び作業員・重機の動線確保に加えて作業区画の立入り禁止措置等、施工管理上の作業手順の周知徹底と、安全対策に常に留意することが求められる。現場調査したことで気付かされた点も多くあり次項で取り上げることにする。
1)現場施工状況における留意事項ア 現場施工状況について
・施工区域が学校敷地内であることから、作業員の作業通路の確保とともに、第三者、特に子供達への工事施工時のバリケード等による立入り禁止措置の他、近隣住民に対する安全通行帯への監視等、留意すべき点も多いことから工事の進捗状況に対応した適切な処置が望ましい。
・外周部のU字側溝の施工精度及び地盤強度については、既に施工済みの箇所から判断して、捨てコンクリート打設もあり圧密沈下の恐れはないものと判断した。
・総合仮設計画図は特に作成していないが、限られた施工エリアであり、近隣も特定されていることから、近隣住民への情報提供も確実に行っていて出入口付近では誘導員も常置しており友好的に工事を進めているので、第三者による不用意な現場立入りに留意すべきである。
・敷地外周の仮囲いとしては、既設フェンスを活用しており、一部不備な箇所にはエコメッシュフェンスを取付けているが、固定がゆるく乱れているので仮囲いとして緊結して張るようにすべきである。また出入口にはキャスターゲートを使用しているが、開放時の固定方法を完全にする工夫が求められる。
・施工区域における雨水排水等の放流先については、既存の流域を変更しない設計として排水流域図を作成し、検討して既設水路へ排水するとの説明であり、過去においても特に滞溜することはなかったとの報告である。
・掘削土砂の積込み・搬出及び場内土砂運搬については、特に運搬時の崩落・水垂れ・車輌付着土等による汚染や飛散等の防止を図るとの説明であるが、現状の鉄板敷込みでは洗車後の汚れ水が敷地外に流れ出る恐れがあり、排水ルートの見直しも含め検討されたい。
・側溝据付けの為の掘削土を仮置しているが、礫や玉石等が多く含まれており、今後路盤の鋤取りによる発生の恐れも生じることから、仕分けた上で適切に処分先へ搬出させるよう留意されたい。
・テニスコート面の降雨対策としては自然浸透との説明であるが、鋤取り後の路床を整形するにあたり、密実に転圧すると同時に中央部から周辺への水勾配を取ることが、排水対策に有効である。ヒアリングでは長手方向に二分して水勾配を取るとの説明であるが、路床に対しては短辺方向に振分けることが、排水効率も高められることから検討されたい。コート面の平滑度はクラッシャランによる路盤及びアスファルト舗装で調整可能であり、検討されたい。
・アスファルト舗装迄のテニスコート面からの塵埃・乾燥土による飛散防止について確認したが、散水車を活用するとの説明である。スポット的には可能だが、強風が続く場合もあり、仮設水栓も併せて検討されたい。
・場外に搬出されたコンクリート及びアスファルト斫りガラ等は、再資源化施設にて適切に処理されており、埋戻土については流用土を使用し、人力により締め固めるとのことで適正である。
・コンクリートに対する配合計画書については、生コンプラント(三興開発㈱生コン事業部、JIS規格)との事前協議により、使用数量は少ないものの、配合設計(山砂: 富士宮市xx山、山砂利:富士宮市xx山)を行なっており、妥当と判断される。また、アル骨反応塩分量についてはいずれも規制値以下であり、適正である。
・打設量は少ないものの、コンクリートの供試体の試験については、製造プラントの試験室で立会い確認を行ったとの説明であるが、製造物責任の点からも第三者の公的機関で検査確認することが望ましいので、検討されたい。
・コンクリート打設計画書は作成されていないとの説明であるが、打設数量に関係なく、コンクリート表面が露出する施工については、ジャンカやコールドジョイント等の不具合を発生させないための打設計画や打設方法の工夫を作業員にも徹底させ、打設状況を確認することが必要であり、検討されたい。
・冬場施工であることから、寒冷地対策についてどのように検討し準備しているかをチェックしたが、アスコンの温度管理・保温シートの活用及びフィニッシャーのスクリードの温度管理等、明確に確認し把握することが望ましい。
・プレキャストコンクリート成形版(U字側溝)のジョイント部分の止水処理については、無収縮モルタルにてジョイント部の目地詰を行うことが望ましい。
・防球ネット取付については、高所作業車を利用することが想定できるため、施工時期・作業手順・安全対策を事前に検討し、工事関係者全員のxxxxに留意されたい。
・テニスコート部分のアスファルト舗装下地の路盤材料に再生クラッシャランの使用が規定されており、転圧による圧密強度の確認については、「土木工事施工管理基準」に準じて圧密度の規定値を数値的に確認することが求められる。
・屋外部分の既存施設や各所解体撤去に伴い、再利用可能なものについて確認したところ、防犯灯の灯具を校内にて再利用する他、テニス用具入れの物置を校内の別箇所へ移設し再活用するとのことであり、適正である。
・メッシュフェンス(立入り防止柵)の基礎については、既設ブロック積の天端への設置とのことであり、風荷重に対する許容耐力についてメーカー資料等で確認することが望ましい。
・外周柵及び門扉等の鉄部塗装については、合成樹脂調合ペイントとの記述があり、防錆・腐蝕対策の点からチェックしたが、焼付塗装したものを使用するとの説明であり、適正である。
・樹木撤去に対する再利用の可能性及びその保証については、樹木自体が大きく移植に耐えられるかの判断が難しく、また移植先もないことから伐根伐採処分としたとの説明であり、妥当である。
・解体、撤去に伴い発生した建設廃材は、「静岡県建設リサイクルガイドライン」等に基づいて、発生量の削減・現場での分別・再利用等により工事現場外への搬出抑制に努めており、適正である。
イ 安全管理状況について
・一業者による単独施工であることから、新規入場者が限られているため、統括区域に対する作業手順の徹底及び安全対策を理解している作業員による施工であり、メリットは多い。しかしながら、施工エリアに対する第三者との区画が難しく、今後とも地元との調整も含めて施工区域への立入り制限措置を徹底することが大切である。
・工事の施工にあたっての安全成績は無事故無災害であり、今後とも作業員及び第三者に対する安全対策を徹底するとともに、高品質の施設建設を達成できるよう受注者による努力が求められる。
・日々の工事打合せについては、前日に業種毎の安全チェックリストを作成し確認させた上で、当日朝にKYシートにより業種毎のチェックを行い、作業終了後に回収し記録として保管するとのことで、具体的な安全日誌として評価できるが、少人数による施工体制に限定される。
・工事期間中は規模の大小にかかわらず、日々の作業目標だけでなく、週別・月別の作業目標を明示することと、進捗状況を把握できるものを作成し、作業員が認識できる場所に掲示することで、情報が共有できるようにすることが望ましい。
・限られた作業スペースでもあり施工方法も確定しているが、必然的に作業員の通路となる部分に対する明示と、工事の進捗状況に対応して継続的指導を実施していくことで、更なる無事故無災害に繋がるため、配慮されることが望ましい。
・安全日誌・安全パトロールの他、店社によるパトロールによる安全活動・安全教育を行っており、常日頃のパトロールに対する指摘事項及びその記録もしっかりと残すことが重要であり、竣工引渡しに至るまで指示・確認を徹底するとともに、実施記録と改善努力に対し、引続き現場代理人として更なる努力が求められる。
・全般的に、工事区域内には安全看板類が少ないが、施工場所の制約から朝礼会場の掲示に工夫が欲しい。現場作業は日々変化するため、作業員はもとより来訪者に対する理解を得るための、必要と思われる配置図や表示看板類を工区内に明示することを検討されたい。
その他の所見
当該事業は、既存テニスコート(クレーコート仕様)が設置から 20 年以上経過し、施 設全体の劣化が進行していることに加えて土の流出によるコート内の不陸が生じた為、テニスコートとしての施設の改善が必要となったものである。
改修にあたっては、人工芝を前提として、路床・路盤に対する検討を「都市公園技術標準解説書」に準拠しつつ、人工芝下地に浸透性アスファルト舗装を採用しており、人工芝の材質についても比較検討を行うとともに、選定にあたってはスポーツ専門工事業者の意見を取り入れており、評価できる。ボールの反撥度も含めて継続的に検討・検証が求められるが、事前にモックアップを作成し実験することも有効であり、留意
されたい。
こうした背景及び事業目的を熟知した上で、工事監査時点でこれまでの計画・設計・施工に対する検証を行い、必要と思われる指摘事項を列記したので、今後の工事監理に対する参考となれば幸いである。
また工事の性格上、竣工後の維持管理についても検討を加える中で、昨今の異常気象による豪雨等に対する監視を継続的に実施することが重要であると思われる。工事期間を通じて常に周辺状況を点検し、必要に応じて早期の対策を講じることが大切である。
書類審査及び現場調査を終えて、監督員・受注者との間に事業に対する共通の理解があり、協調体制が感じられるので、特段の問題点は見られないが、残された工期の中で可能な限りの品質・性能・安全に対する更なる改善・指導等を助言したので、ステップアップの布石となれば幸いである。