Contract
コンサルタント等契約における見積書作成ガイドライン
2017 年 1 月
独立行政法人国際協力機構調達部
目 次
はじめに 1
第1章 コンサルタント等契約における経費見積りの留意点 2
(1) JICA の積算基準に基づく見積り 2
(2) 海外での業務を主体とする業務 2
(3) 選定評価における価格斟酌制度と別見積り 2
第2章 コンサルタント等契約における業務価格の積算基準 3
(1)コンサルタント等契約における費用 3
(2)業務価格の費目構成 4
(3)業務価格の見積方法 6
ア. | 直接経費 | 6 |
イ. | 直接人件費 | 6 |
ウ. | その他原価 | 7 |
エ. | 一般管理費等 | 10 |
第3章 直接経費の費目別説明 12
(1)旅費(航空賃) 12
(2)-1 旅費(その他:日当・宿泊料等) 14
(2)-2 旅費(その他:戦争特約保険料) 16
(2)-3 旅費(その他:特別手当) 17
(3)一般業務費 17
(4)成果品作成費 21
(5)機材費 22
(6)-1 再委託費(現地再委託費) 23
(6)-2 再委託費(国内再委託費) 23
(7)国内研修費 23
第4章 見積書の作成について 25
(1)見積書作成における注意点 25
(2)業務実施契約の見積書作成について 25
(3)業務実施契約(単独型)の見積書作成について 27
別紙:コンサルタント等契約にかかる業務従事者の格付の認定基準及び手続きについて
はじめに
JICA コンサルタント等契約(以下「コンサルタント等契約」)では、業務価格の積算の考え方を改め、2013 年 1 月 1 日から新しい積算基準を導入しています。コンサルタント等契約に応募するみなさまが、JICA の業務価格に関する積算基準を十分に理解され、適切な見積書をより円滑に作成する一助となるように、本ガイドラインを作成しました。
コンサルタント等契約は、複数の業務従事者をチームとして派遣し業務を実施するもの(業務実施契約)と、単独の業務従事者を派遣して業務を実施するもの(業務実施契約(単独型))の2つの契約形態に大別されます。しかしながら、業務価格の積算の考え方自体は同一であるため、本手引きでは、第1章から第3章までで共通の積算の考え方を説明し、第4章で契約形態別の見積書作成における留意事項を説明します。
本ガイドラインが、応募者のみなさまに少しでも役立つものとなれば幸いです。
なお、業務完了時における精算についても、本ガイドラインで示す積算の考え方に基づくことになります。
第1章 コンサルタント等契約における経費見積りの留意点
コンサルタント等契約の特徴を踏まえ、その経費見積りにあたっての基本的な留意点を以下に示します。
(1) JICA の積算基準に基づく見積り
コンサルタント等契約の積算基準は、かつては国土交通省の建設コンサルタントの積算基準に準拠していました。国土交通省が旧来の積算基準を改め、企業会計に即した透明性の高い、新しい積算基準を 2011 年度から本格的に導入したことに合わせて、JICA としても、コンサルタント等契約における経費実態調査を行い、その結果に基づき、2013 年 1 月 1 日から新積算基準を導入しました。
JICA の新積算基準は、国土交通省の新積算基準の基本的な考え方を踏襲していますが、海外業務を主体とするODA業務と国内業務を主体とする国内公共事業とでは業務内容が異なることから、JICA が独自に積算基準を定めている部分もあります。したがって、見積りにあたっては、本ガイドラインに示す JICA の新積算基準に基づくことが求められます。
(2) 海外での業務を主体とする業務
コンサルタント等契約の業務は、海外での業務を主体とする業務です。従って、現地での必要な費用を見積る際には、現地価格情報を入手して業務価格を見積ることが必要になります。その時間も十分に考慮して見積りの準備を行ってください。
選定の結果、第1位契約交渉権者となり契約交渉まで進んだ場合には、上述の現地価格情報等を、見積根拠として提出していただきます。なお、海外とのやり取りのため、この見積根拠は現地企業とのメール等のやり取りの写しやインターネット上の情報でも構いません。また、過去の実績等、見積りの妥当性を示せるものがあれば、それで代替することも可能です。
(3) 選定評価における価格斟酌制度と別見積り
コンサルタント等契約の選定方式の原則は「企画競争」であり、プロポーザル(技術提案書)の技術評価点の高い者を選定します。しかし、純粋な企画競争ではなく、第1位の者と他の競争参加者との技術評価点が僅差である場合には(技術評価点の差が 2.5%以内の場合には)、価格も斟酌することとし(価格斟酌制度)、プロポーザルと同時に提出される見積書を開封し、価格点を加算します。具体的には、最も安価な見積金額の者に 2.5 点を加算し、その他の者については、最低価格と見積金額に応じた点数を加算します。
このため、応募者の提案内容によって金額が大きく変動する可能性があるものについては、本体見積価格から当該部分の見積りを分離し(別見積り)、価格斟酌の対象外とすることがありますので、業務指示書で見積条件を確認してください。
第2章 コンサルタント等契約における業務価格の積算基準
(1)コンサルタント等契約における費用
コンサルタント等契約の業務価格として、どのような費用が生じるのかを例示したものが下図です。この例では、途上国で橋梁の設計を行う業務を想定しています。
「業務価格」は「業務原価」と「一般管理費等」の2つに大別されます。
「業務原価」には、航空賃や日当・宿泊料等の旅費、通訳、車輌借上げ費用、ボーリング調査費用などの「直接経費」、業務従事者の「直接人件費」、業務従事者をバックアップする業務支援要員の人件費(本業務の専任ではない技術者による技術的な支援業務も含まれます)や事業部門の水道光熱費等の「間接原価」が含まれます。
一方、「一般管理費等」は、経営・管理部門の人件費をはじめとする「一般管理費」と、会社を継続的に運営するのに必要な「付加利益」が含まれます。
以上をまとめますと、次のようになります。
(業務価格)=(業務原価)+(一般管理費等)
=(直接経費)+(間接原価)+(直接人件費)+(一般管理費等)
=(直接経費(積上計上分))+(その他原価)+(直接人件費)+(一般管理費等)
なお、積算基準上は、上記囲みの中の最後の式のとおり、直接経費のうち「業務の実施において一般的に発生する経費(直接人件費に率を乗じて算定できると想定します)」を直接経費から取り出して「間接原価」と合算し、「その他原価」として整理しています。
当該部分のみを取り出すと、以下の等式となります。
(直接経費)+(間接原価)=(直接経費(積上げ計上分))+(その他原価)
(2)業務価格の費目構成
「業務価格」の費目構成は表1を、各費目の概要は表2及び表3を参照してください。表1:業務価格の費目構成
業務価格 | 業務原価 | 直接原価 | 直接経費 (積上計上するもの) | 旅費 |
成果品作成費 | ||||
機材費 | ||||
再委託費 | ||||
国内研修費 | ||||
直接人件費 | ||||
その他原価(=間接原価+積上計上するものを除く直接経費) | ||||
一般管理費等 |
表2:各費目の概要
費目 (大項目) | 費 目 概 要 |
直接経費 (積上計上するもの) | ⚫ 当該業務の実施に必要な経費のうち、表3に掲げる旅費、一般業務費、成果品作成費、機材費、再委託費、国内研修費です。なお、これ以外の経費については「その他原価」に含まれます。 |
直接人件費 | ⚫ 現地又は国内において当該業務に従事する技術者の人件費です。ただし、間接的に業務支援を行う技術者の人件費は含まれません(「その他原価」に含まれます)。 |
その他原価 | ⚫ 「その他原価」は「間接原価」及び「積上計上するものを除く直接経費」から構成されます。 ⚫ 「間接原価」とは、当該業務担当部署の事務職員の人件費、間接的に業務支援を行う技術者の人件費、福利厚生費、水道光熱費等の経費です。 ⚫ 「積上計上するものを除く直接経費」とは表3に掲げる費目以外の直接経費のことで、業務の実施に際し、一般的に発生する経費を指します。これには、業務従事者等が日常業務等で一般的に必要な文房具や日用品、本邦における査証代、予防接種代、海外旅行保険料、パソコン等事務機器損料、銀行手数料、打合せ等に係る日本国内の旅費等が含まれます。 |
一般管理費等 | ⚫ 「一般管理費等」は、業務を処理するコンサルタント等における経費等のうち、業務原価以外の経費です。「一般管理費等」は「一般管理費」及び 「付加利益」から構成されます。 ⚫ 「一般管理費」は、業務を処理する法人の当該業務担当部署以外の経費であって、役員報酬、従業員給与手当、退職金、法定福利費、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、動力用水光熱費、広告宣伝費、交際費、寄付金、地代家賃、減価償却費、租税公課、保険料、雑費等を含みます。 ⚫ 「付加利益」は、当該業務を実施するコンサルタント等を継続的に運営するのに要する費用であって、法人税、地方税、株主配当金、役員賞与金、内部保留金、支払利息及び割引料、支払保証料その他の営業外費用等を含みます。 |
表3:直接経費の費目構成
費目 (中項目) | 費目 (小項目) | x x |
旅費(航空賃) | ✓ 航空賃(本邦又は第三国から業務対象国への航空賃。業務対象国内での航空賃は一般業務費に計上する。) | |
旅費(その他) | 日当・宿泊料等 | ✓ 日当・宿泊料 ✓ 内国旅費 |
戦争特約保険料 | ✓ 危険地域で業務を実施する場合の業務従事者の災害補償経費 (戦争特約経費分のみ支給) | |
特別手当 | ✓ アフガニスタン国で業務を実施する場合の業務従事者に対す る特別手当 | |
一 般 業 務 費 | 一般傭人費 | ✓ 事務員及び秘書の賃金 |
特殊傭人費 | ✓ 一般傭人費の対象でない職種の者の賃金 ✓ 諸謝金(原稿執筆、翻訳、講師等の謝金) | |
車両関連費 | ✓ 車両の使用料(ドライバーの傭人費(日当・宿泊費を含む)及び燃料代等を含む) ✓ JICA 又は先方政府による貸与車両のドライバーの傭人費用 (日当・宿泊費を含む)、燃料代等及び維持管理に必要な経費 | |
賃料借料 | ✓ 事務所の地代・家賃 ✓ 器具・機械・施設・設備・船舶等の使用料(ただし、車両の 使用料は車両関連費とする) | |
施設・機材保守 管理費 | ✓ 施設・機材の修繕費 ✓ 施設・機材の保守管理契約料 | |
消耗品費 | ✓ 図書・資料及び資機材等の購入費(単価 5 万円以上かつ使用可能期間が 1 年未満のもの、又は単価 5 万円未満かつ使用可 能期間が 11 年未満のもの) | |
旅費・交通費 | ✓ 業務対象国および業務対象国を拠点とし第三国での業務の際に発生する業務従事者等の交通費 ✓ カウンターパート及び研修参加者等の旅費(日当・宿泊料) 及び交通費 | |
通信・運搬費 | ✓ 通信及び郵便に係る経費 ✓ 現地における物品等の運搬費 | |
資料等作成費 | ✓ 会議資料・教材等の印刷・製本費 ✓ 視聴覚教材・資料の作成費 ✓ 翻訳費 ✓ 複写経費 | |
水道光熱費 | ✓ 事務所の電気料、ガス代、水道料 | |
雑費 | ✓ 他の科目に整理することが不適当なもの | |
成果品作成費 | ✓ 成果品の印刷・製本費 ✓ 電子化及び翻訳等の経費 | |
機材費 | 機材購入費 | ✓ 供与機材、事務用物品(携行機材、調査用資機材)の購入費 ✓ 受注者が所有し業務に使用する機材の損料 |
機材送料 | ✓ 上記機材又は物品の本邦から又は本邦への送料(保険料を含む) |
再委託費 | 現地再委託費 | ✓ 業務対象国において、現地の業者、NGO、個人事業主等に対し、契約により実施させる業務(構造物の施工を含む)の 委託経費 |
国内再委託費 | ✓ 本邦業者に契約により実施させる業務の委託経費 | |
国内研修費 | 国別研修費等 | ✓ 国別研修および本邦招へいの実施に必要な経費(諸謝金、研修実施諸費、研修同行者等旅費等) |
国内ワークショップ等開催費 | ✓ 本邦におけるワークショップ等の開催に係る経費 |
(3)業務価格の見積方法ア. 直接経費
応募者は、表3に掲げる費目について、積上計上する方法により見積ります。
イ. 直接人件費
直接人件費は、直接人件費単価に業務量(業務人月)を乗じて算定するものとします。
1)直接人件費単価
個別の業務従事者が担当する業務の内容・難易度に応じて、格付を提案してください。格付の目安は、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン(2016年 10 月)」の「別添資料5:コンサルタント等契約における業務内容と業務従事者の格付け目安」を参照してください。
直接人件費単価は、上で提案した格付に基づき、格付の号ごとに設定してください(同一号の格付は同一単価とします)。ただし、表4に定める基準月額を上限とします。
2)業務量(業務人月)
業務量は、予定業務日数を人月(=M/M)に換算して算定します。この換算は、現地業務においては拘束日(本邦出発日から帰国日)30 日を1人月とし、国内業務においては稼働日(業務を行った日)20 日を1人月とします。
具体的な計算方法は次のとおりです。計算方法が異なりますので、現地業務分と国内業務分を別々に算出することとなります。
a)現地業務
✓ 業務従事者ごとに配置の日数(拘束日)を合計し、30 日で除して、業務人月を算出します。小数点以下第3位を四捨五入して、小数点以下第2位まで算定します。
✓ 各業務従事者の業務人月をそれぞれの直接人件費月額単価に乗じて、各業務従事者の直接人件費金額を算出します。
✓ 全業務従事者の直接人件費金額の合計が現地業務分直接人件費総額となります。 b)国内業務
✓ 業務従事者ごとに配置の日数(稼働日)を合計し、20 日で除して、業務人月を算出します。
✓ 以下同様に直接人件費単価を乗じて、合計し、国内業務分の直接人件費総額を算出します。
表4:直接人件費基準月額(上限)
格 付 | 基準月額(円) | |
2015 年度 | 2016 年度 | |
特号 | 1,202,000 円 | 1,274,000 円 |
1号 | 1,116,000 円 | 1,168,000 円 |
2号 | 990,000 円 | 998,000 円 |
3号 | 856,000 円 | 870,000 円 |
4号 | 702,000 円 | 732,000 円 |
5号 | 568,000 円 | 598,000 円 |
6号 | 476,000 円 | 502,000 円 |
個別の業務従事者の格付の認定は、別紙の「コンサルタント等契約にかかる業務従事者の格付の認定基準及び手続きについて」に基づき実施されます。
<海外居住者の現地業務/国内業務>
海外居住の業務従事者については、日当・宿泊料が計上される場合は「現地業務」とし、日当・宿泊料が計上されない場合は「国内業務」として取り扱います。
日当・宿泊料を計上できるか否かについては次のとおりとします。
⚫ 海外居住の業務従事者が、「居住地及び通勤可能範囲」で業務を行う場合には、日当・宿泊料を計上できません。したがって、「国内業務」(稼働日 20 日で1人月)とします。
⚫ 海外居住の業務従事者が、「居住地及び通勤可能範囲」ではない業務対象地域で業務を 行う場合には、日当・宿泊料を計上できます。したがって、「現地業務」(拘束日 30 日で1人月)とします。
例えば、業務対象地域に居住する業務従事者は、日当・宿泊料を計上できませんので、その業務は「国内業務」です。しかし、業務対象国に居住する業務従事者であっても、「居住地及び通勤可能範囲」ではない業務対象地域で業務を行う場合は、日当・宿泊料を計上できますので、その業務は「現地業務」になります。また、海外居住の業務従事者が本邦で業務を行う場合、日当・宿泊料を計上できますので、その業務は「現地業務」です。
海外居住者の「国内業務」及び「現地業務」については、混乱を避けるため、見積書の「直接人件費」の内訳に明記する等、分かり易い見積書の作成をお願いします。
なお、業務対象国に居住する業務従事者について、業務対象地域への出張に伴う日当・宿 泊料を計上する場合には、飛行機での移動が必要など「通勤可能範囲でないこと」を確認できる資料を契約交渉で提出していただきます。
<基準額を超える直接人件費月額単価の設定>
業務の性格及び市場の実勢に照らし、表4の直接人件費月額単価の基準月額(上限)では適切な予定価格の積算が困難とJICA が判断する場合には、特号の基準月額を超える金額で契約をすることがあります。その場合は、JICA は業務指示書において、該当する業務従事者及びその基準月額を指定しその旨を記載します。応募者は、JICA が指定する基準月額を勘案し、適切な直接人件費月額単価を設定してください。応募者が提示する直接人件費月額単価については、必要に応じ、契約交渉段階で金額の妥当性を確認します。
<通訳に係る人件費>
本邦から通訳を同行することが業務指示書において認められている場合、応募者は、自己の算定で日額単価(間接費を含む。)を設定し、現地業務においては拘束日、国内業務においては稼働日を乗じて必要な経費を算定してください。なお、月額単価による計上も認めますが、その際は月当たりの業務従事日数の考え方を明示してください。
通訳に係る人件費については、その他原価率及び一般管理費等率の対象とはなりません。
ウ. その他原価
その他原価は、次の算式により算定するものとします。
その他原価=(直接人件費)×(その他原価率)
応募者は、自己の算定で、「その他原価率」を設定し、見積ります。ただし、表5で定める率を上限とします。
表5:その他原価率(上限)
区 分 | 法 人注1) | 個 人 |
業務実施 契約 | 120% | 個人での応募を認めていません。 |
業務実施契約 (単独型) | 1)国内業務は 75%とする。 2)現地業務は次のとおりとする。ア.業務従事者の現地人月注2)が 2.00 人月以下の場合は 110%とする。 イ.業務従事者の現地人月が 2.00 人月を越え 12.00 人月以下の場合は次式によるものとする注 3)。 { 0.24 + 2.14 / ( 現地人月+ 0.48)}×100(%) ウ. 業務従事者の現地人月 が 12.00 人月を越える場合は 41%とする注3)。 | 1)国内業務は 65%とする。 2)現地業務は次のとおりとする。ア.業務従事者の現地人月が 3.00 人月以下の場合は 82%とする。 イ.業務従事者の現地人月が 3.00 人月を越え 12.00 人月以下の場合は次式によるものとする注 3)。 {-0.54 + 24.75 /( 現地人月 +15.20)}×100(%) ウ.業務従事者の現地人月が 12.00 人月を越える場合は 37%とする注 3)。 |
注1) 法人が補強として個人の資格の業務従事者を従事させる場合は、法人区分の「その他原価率」を適用します。
注2) 「現地人月」とは、1契約あたりの総現地業務従事人月を指します。
注3) 業務実施契約(単独型)において、当初 2.00 人月(法人)または 3.00 人月(個人)以下の契約から、契約変更により現地業務期間が延長となり、これら人月を超える場合は、上記に基づきその他原価率が低減されて適用されます。
<業務実施契約における「その他原価率」の上限>
業務実施契約については、法人(民間企業、公益法人を区別しません)については一律 120%を上限とします。また、業務実施契約においては、他社の専任技術者や個人の資格の業務従事者を補強として参加させる場合も上限を 120%とします。
<業務実施契約(単独型)における「その他原価率」の上限>
業務実施契約(単独型)については、現地業務と国内業務とを分けて業務量(人月)を算定し、それぞれについて、表5に示す率を上限とします。
現地業務については、「現地人月」に応じて「その他原価率」の上限が変わります。「現地人月」が大きいほど「その他原価率」は逓減します。
この「現地人月」とは「1契約あたりの総現地業務従事人月」とします。ただし、1契約 であっても、複数の対象国で業務を行う場合には、対象国ごとに「その他原価率」の上限を設定することにします。例えば、法人の受注者で現地業務が 6.00 人月の場合に、A国1ヶ国での業務であれば、「その他原価率」の上限は、{0.24+2.14/(6.00+0.48)}×100=57%になります。しかし、A国で 2.00 人月、B国で 4.00 人月の業務であれば、A国での「その他原価率」は 110%、B国での「その他原価率」は、{0.24+2.14/(4.00+0.48)}×100=71%となります。
なお、算定式で算出される「その他原価率」は小数点以下を切捨てた整数値とします。応募者が計算を容易にできるようにするため、計算シートを用意しています(見積書の様式に含まれています)。
受注後、契約時点の総現地人月と精算時点の総現地人月とが異なる場合には、「その他原価率」の上限が変わる可能性があるため、精算時点での総現地人月による「その他原価率」の上限により金額を見直します。
【海外居住者の「その他原価率」】
海外居住者の場合、上記イ.直接人件費で説明されている「国内業務」及び「現地業務」の分類をそのまま当てはめ、その他原価率の上限が設定されます。
すなわち、海外に居住する業務従事者が、居住地において業務を行う際は、当該業務は「国内業務」とみなされ、その他原価率の上限は一律 75%(個人の場合 65%)となります。
エ. 一般管理費等
「一般管理費等」は、次の算式により算定するものとします。
一般管理費等=(直接人件費+その他原価)×(一般管理費等率)
応募者は、自己の算定で、「一般管理費等率」を設定し、見積ります。ただし、表6で定める率を上限とします。
表6:一般管理費等率(上限)
区 分 | 法 人 | 個 人 |
非紛争影響国・地域 | 40% | 0% |
紛争影響国・地域 | 50% | 10% |
「一般管理費等率」は、法人の場合は 40%を上限とし、個人との契約では 0%とします。ただし、表7に定める紛争影響国・地域において実施する業務については、受注者のインセンティブとして 10%を加算した値を上限とすることができます。その場合、法人の場合の上限は 50%、個人の場合は 10%となります。
このインセンティブ(上限 10%加算)は、対象国・地域を業務対象としているがほとんど現地業務がない場合(隣国や近隣地域での業務が想定されている場合)や治安状況等が改善され対象から削除されることが検討されている場合等があるため、個別案件ごとに適用の要否を判断し、業務指示書に明記しています。すなわち、表7の対象国・地域であっても、業務指示書にその旨明記されていない場合、インセンティブ(上限 10%加算)は適用できませんので、ご留意ください。
表7:一般管理費等率の上限に 10%加算することを認める紛争影響国・地域
アジア
フィリピン・ミンダナオ地域(MILF紛争影響地域)
パキスタン(イスラマバード市、アボダバード市を除く。)アフガニスタン
アフリカ
コンゴ民主共和国南スーダン
ブルンジ
コートジボワール(大アビジャン圏を除く。)シエラレオネ
リベリアギニア
エリトリアチャド
中東・欧州
イラク
パレスチナ アルジェリア
中南米
ハイチ
受注企業(法人)が個人の資格の業務従事者を補強として参加させる場合については、個人の
業務従事者の「一般管理費等率」は 0%となります。したがって、「一般管理費等」の算定においては、「個人の業務従事者を除いた直接人件費」を基に算定することになります。具体的には「個人を除いた直接人件費の総額」を計算し、この直接人件費の総額に対する「その他原価」を計算し「一般管理費等」を算定します。
第3章 直接経費の費目別説明
(1)旅費(航空賃)
旅費(航空賃)は、業務従事者が業務遂行のため、業務従事者の居住地又は滞在地(出発地)から業務対象国(業務対象国内で乗り継ぎがある場合には、最終到着地まで)への移動、業務対象国間の移動、及び業務遂行後に業務対象国から業務従事者の居住地又は滞在地(帰着地)に戻るための航空賃です。
航空賃の内訳は、航空券代、週末・特定曜日料金加算、航空保険料、燃油特別付加運賃、国内外空港施設使用料/空港税(税抜)、旅客保安料(税抜)、発券手数料(税抜)とします。
<補足説明>
ア. 旅費(航空賃)の計上対象
✓ 業務従事者の出発地と帰着地は原則同一とします(本邦居住者は日本を発着地(下図①)、海外居住者は居住地を発着地(下図②)、海外滞在者は滞在地を発着地(下図③)とします)。ただし、業務従事者が滞在地を出発地とし、居住地を帰着地(下図④⑤)とする場合に限り、その往復路を航空賃の計上対象とすることを認めます。
✓ 業務従事者が出発地と異なる帰着地に戻る場合は原則往路のみ計上を認め、復路の計上は認めません(往復航空賃の場合にはその半額のみを対象とします)。
✓ 業務従事者が業務対象国で引き続き別業務に従事する場合は、復路の計上は認めません。これとは逆に、業務対象国での別業務に引き続き、当該契約業務に従事する場合は、往路の計上は認めません。
✓ 航空賃については日本発着往復料金を上限とします。日本発着往復料金とは、現地到着日及び(業務後の)現地出発日を同じくする日本発着料金見積書に記載されている金額とします。海外居住者及び海外滞在者の場合には、日本発着往復料金を上限とし、同金額を超過する料金については受注者負担となります。また、往路または復路のいずれかのみを計上する場合には、日本-業務対象国の片道料金を上限とします。
✓ 精算においては、受注者は上記見積書を取り付けて JICA に提出してください(受注者は
渡航前に見積書を取り付けて精算時の提出まで保管願います)。
✓ 海外居住者、海外滞在者については、見積書に居住国または滞在国を記載してください。
✓ 業務対象国内における航空賃は一般業務費の旅費・交通費で計上します。ただし、業務従事者が発着する航空券に、業務対象国内の航空賃が含まれている場合は、旅費(航空賃)として扱います。
イ. 航空券クラス
✓ 航空賃クラスについては、表8に基づき、ビジネスクラスの利用が認められるものはビ
ジネスクラス正規割引運賃を、エコノミークラスの利用が認められるものは ZONE-PEX 運賃(正規割引航空運賃の一種で各航空会社が料金を設定する運賃)をもとに見積ってください。なお、プレミアムエコノミークラスはエコノミーとしては認めません。
✓ 会社都合や自己都合等によるビジネスクラスや正規運賃の利用等を行った場合、実際の
搭乗日の ZONE-PEX 運賃(ビジネスクラスの場合は正規割引運賃)に係る「運賃証明書」を証拠書類として提出頂き、当該運賃を上限に精算します。
表8:航空券クラス種別の判断早見表
学歴年次 | 航空券クラス | |||||
一つの旅行区間における所要フライト時間 | ||||||
大学卒 | 旧高短大卒 | 旧中新高卒 | 8 時間未満 | 8 時間以上 16 時間未満 | 16 時間以上 24 時間未満 | 24 時間以上 |
30 年以上 | 35 年以上 | 50 年以上 | C | C | C | C |
18 年以上 | 22 年以上 | 35 年以上 | Y | C | C | C |
12 年以上 | 16 年以上 | 25 年以上 | Y | Y | C | C |
12 年未満 | 16 年未満 | 25 年未満 | Y | Y | Y | C |
注1)C:ビジネスクラス、Y:エコノミークラス
注2)「一つの旅行区間における所要フライト時間」の考え方は以下の通りとする。
∙ 直行便を利用する場合は、出発地から目的地までを「一つの旅行区間」とする。
∙ 乗継地で宿泊しないときは、乗継以前と乗継以降のフライトを通して「一つの旅行区間」と考えて通算する。この場合の所要フライト時間は、乗継待ち時間を除いて通算する。
∙ 乗継地で宿泊するときは、通算せずに個別の旅行区間として考える。
∙ 経由地での宿泊の定義は、「午前 0 時以前に経由地に到着し、6 時間以上滞在した後、午前 0 時以降に出発する」こととする。
注3)安全対策上等の必要性に基づき、公示又は業務指示書において、エコノミークラス普通運賃又はビジネス正規運賃を上限とすることを認める場合があります。
注4)契約途中での学歴年次上昇による航空券クラスのアップグレードは認めません。ただし、以下の場合を除きます。
∙ 業務従事者が交代するとき
∙ 複数の契約期間に分割して契約書を締結する場合、新たな継続契約書において、継続契約締結時点での学歴年次を反映するとき
∙ エコノミークラス渡航の団員からビジネスクラス使用資格のある団員に交代する場合は、「航空賃」の総額範囲内で、ビジネスクラス利用を認める。
ウ. 渡航経路・航空会社の設定
✓ 航空券の渡航経路・航空会社の設定にあたっては、以下に留意してください。
∙ より効率的かつ経済的な経路、航空会社であること(契約交渉の場において、安全性・効率性を勘案した上でより経済的な航空会社への変更をお願いする場合があります。)
∙ 業務実施上の必要による経路の変更、予約の変更等、緊急時の対応が可能であること
エ. 評価対象外従事者の航空賃
✓ 評価対象外従事者についてはプロポーザル提出時に未確定であり、ビジネスクラスかエコノミークラスか判断できないため、航空賃はエコノミー運賃で計上します。業務従事者が確定した時点で、上記表8に基づき航空券クラスを決定します。業務従事者の航空
券クラスがビジネスクラスであった場合には、エコノミー運賃を超える差額は精算で対応します。
オ. 費用
✓ 発券手数料は、税抜で航空券代の5%までを上限とします。
✓ 空港施設使用料は国際線のみ計上可能であり、国内線は計上できません。
✓ 査証代金、予防接種経費、海外旅行保険料は、旅費(航空賃)で計上することはできません。その他原価に含まれます。
✓ なお、精算に際しての証拠書類としては、e-ticket と旅行代理店等からの領収書が必要です。領収書には、旅費(航空券)の内訳(航空券代、週末・特定曜日料金加算、航空保険料、燃油特別付加運賃、国内外空港施設使用料/空港税(税抜)、旅客保安料(税抜)、発券手数料(税抜))が明記(又は添付)されていることが必要になります。航空券の内訳を明示した領収書を提出できる旅行代理店を利用してください。
カ. 契約履行期間中の航空券の手配について
✓ 旅費(航空賃)については、契約で合意された航空賃単価、渡航回数、航空券クラス、渡航経路、航空会社の範囲内で、実費を精算することが原則です。
✓ しかしながら、航空賃については、価格の変動が大きいこと、座席確保が困難となりやむを得ず渡航経路や航空会社を変更する可能性があること、場合によってはフライトの変更やキャンセルの可能性もあることから、以下については、正当な理由(会社都合、自己都合は認められません。)がある場合、当該変更等に係る経費を精算対象とすることを認めます。また、その結果、契約金額を超えた場合にも、契約金額を超えて精算金額を確定します(契約約款第 14 条参照)。
∙ 航空賃の価格上昇(契約金額単価の超過)
∙ 渡航経路の変更
∙ 航空会社の変更
∙ フライトの変更またはキャンセルによる手数料の発生
✓ 渡航予定日において、ZONE-PEX 運賃又はビジネスクラス正規割引運賃の座席に空席がない場合等においても、IATA-PEX 運賃や普通運賃(以下、「普通運賃等」。)の利用は原則認めません。渡航予定日の変更、渡航経路の変更、航空会社の変更等により、座席を確保願います。このため、航空券の予約はできるだけ前もって手続きしてください。
✓ 会社都合や自己都合等によるビジネスクラスや正規運賃の利用、渡航経路の変更、航空
会社の変更等を行った場合、実際の搭乗日の ZONE-PEX 運賃(ビジネスクラスで契約している場合は正規割引運賃)に係る「運賃証明書」による運賃を上限に精算します。
✓ 精算できる航空賃は、実際に使用したものに限ります。払戻不可、日程変更不可等の航
空券を利用した際に搭乗ができなくなり、新規に航空券を買い直した場合においては、搭乗できなかった航空券については精算の対象となりません。
✓ 本邦発券よりも安価となるとの前提で、現地発券・現地購入を認めます。ついては、現
地発券・現地購入する場合、為替レートの急激な変動等により本邦発券より高額にならないか、常時確認してください。なお、利用の条件は本邦発券の場合と同一とします。すなわち、本邦発券 ZONE-PEX 運賃を下回る現地発券ビジネス運賃があったとしても、「安価」を理由としたビジネスクラスの利用は認められず、現地発券 ZONE-PEX 運賃を利用いただくことが原則です。
(2)-1 旅費(その他:日当・宿泊料等)
旅費(日当・宿泊料等)は、ア.日当・宿泊料、イ.内国旅費から構成されます。各費目の説明は以下のとおりです。
ア. 日当・宿泊料
宿泊料は現地業務期間中(経由地を含む。)の宿泊費を賄うための旅費であり、具体的
には、宿泊料金、夕食代、朝食代及び宿泊に伴う諸雑費に充てられるための経費です。日当は、現地業務期間中(経由地を含む。)の昼食代、小額交通費といった宿泊以外の諸雑 費に充てられるための経費です。
日当・宿泊料の基準額(上限額)は表9のとおりとします。
日当・宿泊料は次の算出式で計算します。宿泊数は「業務従事日数」から1日(帰国日は宿泊しない。)を減じた上で、更に「機中泊の泊数」(機中で夜を過ごすため、宿泊料が不要。)を減じて計算されますが、コンサルタント等契約では、一律、渡航の全旅程で1泊のみ機中泊があると想定し、以下の計算式としています。ただし、中国、韓国、モンゴル、フィリピン、ブルネイ、ミクロネシア、マーシャル諸島の7ヶ国への渡航については、夜行便が就航していないため、「機中泊なし」として、泊数を計算します。本邦以外の第三国から用務地へ渡航する場合についても、同じ考え方で泊数を算定します。
(日 当)=(単価)×(業務従事日数)
(宿泊費)=(単価)×(宿泊数)
=(単価)×(業務従事日数-2日)(上記7ヶ国は「-1日」)
また、業務対象地域に居住する業務従事者は日当・宿泊料を計上できません。ただし、業務対象国に居住する業務従事者であっても、居住地ではない業務対象地域で業務を行う場合は日当・宿泊料が計上できます。
表9:日当・宿泊料基準額(上限)
格付 | 日当(1日につき) | 宿泊料(1夜につき) |
特号 | 5,100 円 | 15,500 円 |
1号、2号 | 4,500 円 | 13,500 円 |
3号、4号、5号 | 3,800 円 | 11,600 円 |
6号 | 3,200 円 | 9,700 円 |
<派遣期間が長期になる場合の日当・宿泊料の逓減について>
日当・宿泊料は、本邦を出発日から起算(複数国にまたがる業務の場合は国毎に起算)して、滞在日数 30 日を超える場合には、その超える日数について基準額の 100 分の 10 に
相当する額、滞在日数 60 日を超える場合には、その超える日数について基準額の 100 分の 20 に相当する額を控除して上限額とします(すなわち、31 日目からは上記基準額の 90%、 61 日目から上記基準額の 80%が上限額となります)。
なお、同一国で複数の案件に従事する場合、案件ごとではなく、一渡航の総滞在日数を対象に上述の控除を行います。
イ. 内国旅費
内国旅費は、日本国内の国際空港までの国内旅費です。具体的には、成田空港、関西国際空港及び中部国際空港までの最も経済的な通常の経路による旅費として、東京駅・大阪駅・名古屋駅を起点として計上し、以下を基準額(上限)とします。
① 成田空港を利用 4,870 円(往復)(5,260 円:消費税額込) 東京駅~上野駅(JR)/京成上野駅~成田空港(京成ライナー)
② 関西空港を利用 2,200 円(往復)(2,380 円:消費税額込)
大阪駅~関西空港(JR阪和線)
③ 中部国際空港を利用 1,610 円(往復)(1,740 円:消費税額込)
名鉄名古屋駅~中部国際空港(名古屋電鉄)
例:羽田空港を利用した場合は国内旅費の計上を認めませんが、例えば、往路は羽田空港、復路は成田空港を利用した場合、成田空港を利用した場合の半額の計上を認めます。
<補足説明>
ア. 日当・宿泊料
✓ 日当・宿泊料を計上できる期間は、出発時は搭乗国際便離陸時刻を含む日を開始日とし、帰着時は搭乗国際便到着時刻を含む日を終了日とします。したがって、出発日前日及び帰国日当日の宿泊料、出発日前日及び帰国日翌日の日当は計上できません。
✓ 業務従事者が業務終了後に帰国せずに、JICA のコンサルタント等契約による業務とは別の業務に従事する場合、業務終了日における宿泊料は計上できません。ただし、連続する JICA のコンサルタント等契約による業務の場合には、業務終了日の宿泊料は先に実施している業務の宿泊料として計上できます。
✓ 業務対象地域に居住する業務従事者については、日当・宿泊料を計上できません。しかし、海外居住の業務従事者が居住地ではない業務対象地域で業務を行う場合(例:通勤できない距離への地方出張等)には、日当・宿泊料を計上できます。
✓ 海外居住の業務従事者が本邦で業務を行う場合、日当・宿泊料を計上できます。この場合の基準額は表9に示す額とします。
✓ 安全対策上の必要性等に基づき、公示又は業務指示書において、当該宿泊料を超えて上限とすることを認める場合又は JICA が直接宿舎を直接給付することとする場合があります。2016 年 12 月時点で、宿舎に係る特別措置の対象国は、パプアニューギニア、アフガニスタン、イラク、ヨルダン、ジブチ、南スーダン、アンゴラ、ナイジェリア、マリの9ヵ国です。詳しくは、公示又は業務指示書にて確認してください。
イ. 内国旅費
✓ 成田国際空港、関西国際空港及び中部国際空港からの出発/帰国にかかる内国旅費のみを定額で計上することを認めます。これ以外の経費の計上できません。ただし、日本国内便を含んで発券される場合の航空賃が国際航空賃と同額以下である場合には、航空賃の一部として認めます。
✓ JICA との打合せ等に係る移動で発生する日本国内の旅費は、その他原価に含まれるとの
整理なので、計上はできません。
✓ 業務従事者の日本国内の発着空港が変更になった場合は、実際に利用した発着空港に基づき、小項目「旅費」の範囲内で精算を認めます。
(2)-2 旅費(その他:戦争特約保険料)
戦争特約保険料は、危険地域で業務を実施する場合における業務従事者の災害補償経費のうち戦争特約経費分です。保険基本料金は、その他原価に含まれていますので、本経費の対象外です。
(参照: http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/disaster.html)
<補足説明>
✓ 機構が上記ウェブサイト上で示す戦争特約加入の対象国・地域での業務を対象とします。
✓ 以下を補償金額の上限とする戦争特約経費を対象とします。ただし、保険基本料金は対象としません。
・傷害死亡・後遺障害: 108,000,000 円
・治療・救援費用: 50,000,000 円
・疾病死亡: 30,000,000 円
✓ 原則、対象国・地域に滞在する日数分を加入日数とします。ただし、対象国・地域の出入りを繰り返す場合、又は継続して加入した方が安価な場合等は、当該対象国・地域に滞在しない日数も加入日数として含めることができます。
✓ 災害補償保険(戦争特約)の経費の上限額は、年度ごとに定めています。
✓ 戦争特約保険料の計上の可否については、公示又は業務指示書に明記します。なおその際、経費は別見積として提出してください。
✓ 戦争特約経費については、見積書に計上されていない場合においても、契約交渉の際に
申し出があれば、契約に含めることができます。また、契約途中で業務地が戦争特約加入の対象国・地域となった場合も、計上を認めます(必要に応じ契約変更します)。
✓ 契約履行完了後、受注者から提出される災害補償保険料加入の帳票書類等に基づき、精
算を行います。
(2)-3 旅費(その他:特別手当)
特別手当は、アフガニスタン国の業務に従事する業務従事者に対して、精神的・身体的負担の著しい環境下での業務に対する措置として、現地業務従事期間(現地到着日から現地出発日まで)に応じて、「アフガニスタン復興支援特別手当」として、日額 3,000 円を上限として支給します。
本経費は別見積りとし、契約交渉において、特別手当が確実に業務従事者に支給されることを確認します。
(3)一般業務費
一般業務費は、業務実施に必要な活動費用であり、ア.一般傭人費、イ.特殊傭人費、ウ.車両関連費、エ.賃料借料、オ.施設・機材保守管理費、カ.消耗品費、キ.旅費・交通費、ク.通信・運搬費、ケ.資料等作成費、コ.水道光熱費、サ.雑費、から構成されます。
業務対象国での支出を原則としますが、日本国内での支出が妥当と JICA が予め認める場合に限り、各費用の趣旨の範囲内で、日本国内での支出を認めます。
なお、業務従事者及び現地傭人が日常業務及び日常生活で使用する文房具や日用品(トイレットペーパー、石鹸・洗剤、ミネラルウォーター、合鍵、一般医薬品等)は、コンサルタント等契約の実施において一般的に発生する経費として「その他原価」に含まれていますので、一般業務費では計上できません。
<一般業務費の定率化>
過去の類似業務の蓄積データに基づき、業務従事者の現地直接人件費から一般業務費の総額を推定できる場合には、(現地直接人件費)に(定率)を乗じることで、一般業務費を算定することにします。一般業務費の定率化を適用する場合には、公示及び業務指示書で「一般業務費の定率化を採用する」旨を明示し、業務指示書において「定率」の上限を提示します。
なお、海外居住者の場合は、「居住地及び通勤可能範囲」での業務が「国内業務」の取扱いとなりますが、一般業務費の定率化を適用する場合には、積算に際して、実際に業務対象国で業務に従事している期間(海外居住者の「国内業務期間」)の直接人件費を「現地直接人件費」として計上してください。
一般傭人費は、現地で雇用する事務員及び秘書の労務費です。
各費目の説明は以下のとおりです。ア. 一般傭人費
<補足説明>
✓ 業務従事者が現地不在期間中における事務員及び秘書の雇用は、電話・メール等の通信手段による労務管理体制が確保できることを条件として認めます。
✓ 業務実施国の法律で雇用主に負担義務がある場合には、労務費の中に社会保障費等を含めることができます。
✓ 一般傭人費は、受注者による直接雇用のみではなく、我が国の「労働者派遣契約」に類する制度が存在する場合、当該制度に基づく契約によることも認めます。
✓ 一般傭人費は労務費であるため、一般傭人の日当・宿泊料については「旅費・交通費」で計上します。ただし、精算において、一般傭人費の領収書を労務費と日当・宿泊料を併せて一つにすることについては認めます。
イ. 特殊傭人費
特殊傭人費は、現地で雇用する一般傭人費の対象でない職種の者(通訳、調査補助員他)の労務費、原稿執筆・翻訳・講師等への謝金です。
<補足説明>
✓
✓ 特殊傭人費の運用については、一般傭人費の運用(業務従事者が現地不在期間中の対応、社会保障費等の取扱い、日当・宿泊料の取扱い、労働者派遣制度の適用等)を準用します。
✓ 受注者が業務の一部を切り出して外部委託する場合には、特殊傭人費ではなく、現地再
委託経費として計上します。
✓ 通訳については、業務指示書で業務従事者の「語学能力」として指定した言語と日本語との間の通訳に係る経費は計上を認めません。
✓ 業務従事者が現地不在期間中における特殊傭人の雇用は、電話・メール等の通信手段による労務管理体制が確保できることを条件として認めます。
✓ 業務実施国の法律で雇用主に負担義務がある場合には、労務費の中に社会保障費等を含めることができます。
✓ 特殊傭人費は労務費であるため、特殊傭人の日当・宿泊料については、「旅費・交通費」で計上します。ただし、精算において、特殊傭人の領収書を労務費と日当・宿泊料を併せて一つにすることは認めます。
✓ 財政事情等が困難な国・地域(IDA 融資適格国や国連開発計画委員会が認定する後発開発途上国をいう。以下、「一般業務費の特例を認める国・地域」という。)での技術協力については、JICA 専門家の活動に関連して生じたカウンターパート(技術協力事業を共同で実施する主たる人員として、JICA と相手国関係機関との間で合意した相手国関係機関の人員をいう。以下同じ。)の超過勤務に係る手当を計上することを認めます。
ウ. 車両関連費
車両関連費は、現地業務で利用する車両の使用料、JICA 又は相手国政府が貸与する車両の運転手の労務費、燃料代等及び維持管理費に必要な経費です。
<補足説明>
✓ 数量は業務従事者 3 名に 1 台を原則として計上します。ただし、これに拠りがたい場合には根拠を明らかにし、妥当な数量を計上します。
✓ 車両の使用料は、運転手の労務費、現地国内出張における運転手の日当・宿泊料及び燃料代を含むものとします。
✓ JICA 又は相手国政府が車両を貸与する場合、車両関連費には、運転手の労務費、現地国内出張における運転手の日当・宿泊料、燃料代、保険料及び車両維持管理費を含むものとします。
✓ 有料道路通行料、駐車場代は、車両関連費として計上できます。
賃料借料は、事務所の地代・家賃、器具・機械・施設・設備、船舶等の使用料です。ただし、車両の使用料は除くものとします。
✓ タクシーを借り上げる場合には、車両関連費として計上できます。エ. 賃料借料
<補足説明>
✓ 車両の使用料は、賃料借料ではなく、車両関連費で計上します。
✓ 受注者所有の資機材の損料は機材費で計上します。受注者が機材を購入し損料扱いする場合も同様に機材費で計上します。
✓ セミナー等開催のためのホテルの会議室の使用料は賃料借料で計上できます。
✓ 借上げ事務所に付帯する家具・施設・機材等の費用で、その地代・家賃と不可分な場合には、これらの費用を地代・家賃の一部として認めます。また、地代・家賃に含まれる光熱費も同様に認めます。
オ. 施設・機材保守管理費
施設・機材保守管理費は、施設・機材の修繕費及び保守管理契約料です。
<補足説明>
✓ 保守管理費契約料に含まれる労務費は、特殊傭人費ではなく、施設・機材保守管理費の一部として計上します。
✓ 交換部品の購入だけの場合には、機材費又は消耗品費で計上します。
✓ 一般業務費の特例を認める国・地域に限り、プロジェクト施設への電気・水道等の引き込み及び道路整備等に係る経費を計上することができます。
カ. 消耗品費
消耗品は、図書・資料及び資機材等の購入費で、単価 5 万円以上かつ使用可能期間が 1
年未満のもの、又は単価 5 万円未満かつ使用可能期間が 11 年未満のものに限ります。
<補足説明>
✓ 業務従事者及び現地傭人が日常業務及び日常生活で使用する紙や文房具、日用品(トイレットペーパー、石鹸・洗剤、ミネラルウォーター、合鍵、一般医薬品等)、名刺などは計上できません(その他原価に含まれます)。
✓ 業務従事者がプロジェクト事務所で使用する机・椅子、キャビネット・本棚、パーティション等の家具類は、JICA が業務上必要と判断する場合に限り、これを認めます。
✓ 業務従事者がプロジェクト事務所に設置する空調設備(ヒーター、ストーブ)は、JICAが業務上必要と判断する場合に限り、これを認めます。
✓ 携帯電話の購入を認めます。
✓ 図書は、カウンターパート等への指導・共用するものであれば認めますが、業務従事者が業務の参考にする図書は認めません。
✓ 消耗品であっても、コンサルタント等契約で購入する資機材の所有権は JICA が有しており、JICA から受注者に業務実施期間中無償で貸与することになります。業務完了時の未使用の消耗品及び使用可能な消耗品(デジタルカメラ等)の処理については、業務完了前までに、監督職員と協議・確認してください。
キ. 旅費・交通費
旅費・交通費は、現地業務における業務従事者の交通費、カウンターパート、研修参加者及び現地雇人等の日当・宿泊料及び交通費です。
なお、現地傭人であっても運転手の日当・宿泊料は車両関連費で計上します。
<補足説明>
✓ 第三国(日本及び業務実施国以外の国)から研修員等を業務実施国に招聘する場合、又は、第三国へカウンターパート等を派遣する場合には、旅行保険の付保を必須とします。旅費・交通費や査証代に加えて、旅行保険料を計上してください。
ク. 通信・運搬費
通信・運搬費は、業務に必要な通信費用、業務書類の郵便費用、現地における業務用資機材等の物品の運搬費用で、JICA 本部及び在外事務所、相手国関係機関及びプロジェクトサイトの間で生じるものとします。
<補足説明>
✓ 通信費は、業務に必要な通信費用で、固定電話、携帯電話、インターネットのいずれも対象とします。ただし、通信機器の購入費は含まれません。
✓ 固定電話・携帯電話については、通信機器(固定電話、携帯電話)のレンタル料、契約料、通話料(携帯電話の場合はプリペイドカードも含みます)を認めます。ただし、業務用のものに限ります(個人的に利用する通話料は除きます)。
✓ 衛星携帯電話については、紛争影響国・地域における活動等、JICA が必要性を判断した
場合に限り、通信機器のレンタル料、契約料、通話料を認めます。
✓ インターネットについては、初期設置費用、プロバイダー契約料、使用料の計上を認めます。
✓ 運搬費は現地における運搬のみを対象とします。業務対象国-本邦間の物品等の輸送・梱包に要する費用は、機材費(機材送料)とします。
✓ 供与機材の運搬、取付費については、一般業務費の特例を認める国・地域に限り計上を認めます。
ケ. 資料等作成費
資料等作成費は、会議資料・教材等の印刷・製本費、視聴覚教材・資料の作成費、翻訳費、複写経費です。ただし、特記仕様書で定める「成果品」の作成にかかる費用は「成果品作成費」に計上します。
<補足説明>
✓ 翻訳については、業務指示書で業務従事者の「語学能力」として指定した言語と日本語との間の翻訳費用は認めません。
コ. 水道光熱費
水道光熱費は、業務用事務所の電気料、ガス代、水道料です。
<補足説明>
✓ 相手国関係機関が提供する事務所については、一般業務費の特例を認める国・地域に限り、水道光熱費の計上を認めます。
✓ 業務用事務所の自家発電機燃料費は水道光熱費とします。
雑費は、業務実施に必要な活動費用のうち、他費目に整理することが不適当なものとします。
✓ 業務従事者及び現地傭人の生活一般のための水道光熱費は対象外です。サ. 雑費
<補足説明>
✓ 雑費として認められる品目は次のとおりです。
∙ 海外送金手数料の一部
銀行手数料はその他原価に含まれているとの整理です。ただし、海外送金については、①1件あたりの送金額が 100 万円以上である場合、②1件あたりの送金額が 100万円以下であるが、現地での支払または銀行振込が困難な場合(持ち込み通貨に制限がある、現地銀行での 1 日の引出し金額に制限がある等)には、個別に必要性を判断した上で計上を認めます。
∙ 業務従事者がカウンターパートと共に出席する学会等参加料
∙ カウンターパートの学費、学会参加料、教材費等(一般業務費の特例を認める国・地域に限る。)
∙ 現地及び第三国におけるセミナー/ワークショップ等の軽食・飲料費用
セミナーを全日開催した場合の昼食代は計上可能ですが、夕食代やアルコール類の支出は、計上も精算も認めません。
軽食・飲料費用が、ホテル等の会議室の使用料と不可分である場合は、軽食・飲料費用を含めて、「賃料借料」に計上してください。
✓ 紛争及び武力衝突が継続している国・地域並びに紛争終結後あるいは和平・停戦合意締
結後に新政府主導で実施される国家再建への支援を実施している国においては、カウンターパートの給与が実施機関から十分に支給されていない場合、給与補填することを認めることがあります。その場合の経費は、雑費として計上します。
【安全対策経費の取扱い】
業務実施対象地域の治安状況を踏まえ、業務従事者の安全を確保するための一般業務費等が必要と認められる場合には、見積書(別見積とする。)に計上してください。
1.警備員傭上等(特殊傭人費)
2.防弾車・警護車借上げ、防弾車運転手傭上、燃料費、車両メンテナンス費等(車両関連費)
3.安全対策設備等(施設・機材保守管理費)
4.衛星電話機材、同使用料金等(通信・運搬費又は機材費)
5.緊急移送保険、現金輸送保険、両替商の手数料等(雑費)
6.その他必要な経費
なお、契約締結後、現地の治安状況に照らして安全確保のために当初想定していない経費が発生すると認められるものについては、受注者からの申し入れに応じ、その必要性と金額を打合簿にて確認した上、速やかに契約変更手続きを講じることとします。
【契約履行期間外の経費計上の特例】
契約履行期間外の支出については精算の対象とはなりません。ただし、業務実施契約を複数の契約期間に分割して締結する場合に、一般業務費のうち賃料借料や水道光熱費、通信費等の支出(一般傭人費、特殊傭人費については対象外)について、現地商習慣において中断が極めて困難、あるいは継続して契約した方が廉価である場合は、先行する契約の履行期間と継続する契約の履行期間との間の支出を含め、継続する契約における精算の対象とすることを認めます。その場合、監督職員が内容を確認(打合簿を作成)します。
また、同様の経費について、先行する契約の履行期間内に、請求書、領収書がやむを得ず取り付けられない場合(翌月末の支払い等となっているもの)には、継続する契約における精算の対象とすることを認めます。この場合においても、監督職員が内容を確認(打合簿を作成)します。なお、当該契約が契約期間を分割して契約する最終期である場合は、対応は出来ません。
(4)成果品作成費
成果品作成費は、特記仕様書で定める成果品の印刷・製本・電子化及び翻訳に係る費用です。
<補足説明>
✓ 成果品を現地で作成する場合であっても、成果品作成費で計上します。
✓ 翻訳については、業務指示書で業務従事者の「語学能力」として指定した言語と日本語との間の翻訳費用は認めません(成果品の言語が業務従事者の「語学能力」として指定された言語と異なる場合は、成果品の言語への翻訳費用を認めます)。
✓ 製本を不要とする成果品については「成果品作成費」ではなく、「その他の原価」からの
支出となります。ただし、量が多く、外部に印刷を発注するような簡易製本の成果品については、「成果品作成費」からの支出を認めます。
✓ パース(見取り図、透視図)作成費用は、成果品作成費で計上します。
✓ ネイティブチェックに係る費用は、成果品作成費で計上できません(「その他の原価」から支出します)。
✓ 特許権、著作権その他の知的財産権等の第三者の権利の対象となっている調査方法等を使用して成果品を作成する場合、発生する費用は成果品作成費で計上します。
(5)機材費
機材費は、業務に必要な資機材の購入・輸送費であり、ア.機材購入費、イ.機材送料、から構成されます。
各費目の説明は以下のとおりです。
ア. 機材購入費
機材購入費は、業務費に必要な資機材の購入費、及び受注者が所有し業務に使用する機材の損料です。
資機材を購入する場合、「委託契約等における機材調達・管理ガイドライン」(参照: http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/equipment.html)に基づき手続きを行います。なお、業務実施契約1件に含められる機材購入費の金額は、原則として 1,500 万円を上限とします(業務対象国に JICA 事務所等が存在しない場合等に、例外的にこの金額を超えて、機材の購入を委託する場合があります)。
損料は、資機材の取得価格、日損料率、供与日数等に基づき算定します。
なお、「(5)一般業務費 カ.消耗品費」に該当する資機材の購入は消耗品費として計上します。
<補足説明>
✓ 業務従事者が日常的に使用するパソコンやデジタルカメラについては、購入も損料の計上も認めません。受注者は業務従事者のパソコンを自ら用意してください(パソコン等の損料はその他原価に含まれるという整理です)。
✓ 現地で大規模な解析作業を行うなど、書類作成等一般的な業務とは異なる用途で、業務実施上パソコンの購入が不可欠と JICA が判断する場合は、その購入を認めます。
✓ 現地傭人が使用するパソコンの購入は原則認めません。ただし、現地での業務開始日から業務完了日までの期間が1年を超える場合には、業務に最低限必要な台数の購入を認めます。
✓ 業務従事者がプロジェクト事務所で使用する複写機、シュレッダー、プリンター、スキ
ャナー、プロジェクターは、JICA が業務上必要と判断する場合に限り、その購入を認めます。
✓ 業務従事者がプロジェクト事務所で使用する机・椅子、キャビネット等書庫類、パーテ
ィション等の家具類は、JICA が業務上必要と判断する場合に限り、その購入を認めます。
✓ 業務従事者がプロジェクト事務所に設置する空調設備(エアコン、ヒーター、ストーブ)は、JICA が業務上必要と判断する場合に限り、その購入を認めます。
✓ プロジェクト事務所に設置する機材であっても、業務に直接必要のない冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、電子レンジ等の生活家電の購入は認めません。
✓ コンサルタント等契約で購入する資機材の所有権は JICA が有しており、JICA から受注者に業務実施期間中無償で貸与することとなります。業務完了後の処理(相手国関係機関への譲与等)については、業務完了前までに、監督職員と協議・確認してください。
✓ 機材をレンタルする場合は、一般業務費の「賃料借料」で計上します。
機材送料は、業務に必要な資機材の梱包・輸送費で、本邦から現地に輸送する費用と、現地から本邦に輸送する費用の両方を含みます。
✓ 損料の算定は応募者が自ら行い、契約交渉において、JICA が算定根拠を確認します。イ. 機材送料
<補足説明>
✓ 機材送料は、輸送費に加え、国内輸送費、梱包費用、運送保険料、通関費用も含みます。
✓ 機材送料の対象となる資機材は、契約で購入する機材、損料扱いとする受注者所有の機材及び受注者がレンタルする機材に限らず、業務に必要な関連書籍・書類、報告書(インセプション・レポート、ドラフト・ファイナルレポート等)なども含まれます。
✓ 業務従事者が、業務に必要な資機材を同時携行する場合のエクセス費用は機材送料で計上します。
(6)-1 再委託費(現地再委託費)
現地再委託費は、業務対象国において、現地の業者、NGO、個人事業主等に対し、業務の一部を契約により実施させる業務委託経費(工事契約も含めます)です。
現地再委託費の対象業務については、受注者は発注者である JICA と契約交渉において、協議・確認し、特記仕様書に記載します。
現地再委託の実施に際しては、「コンサルタント等契約における現地再委託契約ガイドライン」(参照:http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/entrust.html)に基づき手続きを行います。
<補足説明>
✓ 現地再委託の対象として工事契約も含まれます。ただし、大規模な工事については、原則として、JICA 事務所が契約当事者となり、受注者は設計・入札支援・施工監理を支援することとし、現地再委託の対象としません。発注者・受注者のいずれが契約当事者になるかは契約交渉において双方で協議・確認します。
(6)-2 再委託費(国内再委託費)
国内再委託費は、本邦で業務の一部(試料分析、本邦アンケート調査等)を第三者に実施させる業務委託経費です。
国内再委託の実施についても、「コンサルタント等契約における現地再委託契約ガイドライン」(参照:http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/entrust.html)を参考に手続きを行います。
(7)国内研修費
国内研修費は、カウンターパート等を本邦に招聘し研修・ワークショップ等を開催するための費用で、ア.国別研修費と、イ.国内ワークショップ開催費、から構成されます。
各費目の説明は以下のとおりです。ア. 国別研修費
国別研修費は、カウンターパート等を本邦に招聘し、国別研修を実施するための費用です。
「コンサルタント等契約における研修実施ガイドライン」( 2015 年 4 月)(参照: http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/trainee.html)に基づき積算し、手続きを行います。
<補足説明>
✓ 研修員受入業務に関連して、積算可能な経費は次のとおりです。以下、①②③④については、本費目に計上してください。⑤については再委託費(国内再委託費)に、⑥については直接人件費及び間接費(その他原価及び一般管理費等)にて計上してください。
① 諸謝金:講師謝金、検討会等参加謝金、原稿謝金、見学謝金
② 研修実施諸費:翻訳料、会場借上費、教材作成費・購入費、機材借料損料、資材費
③ 研修同行者等旅費:日当、宿泊料、交通費
(注:研修員及び研修監理員の旅費の計上は不要)
④ 研修監理員傭上費
(注:研修監理員を受注者が直接傭上する場合のみ)
⑤ 再委託費
(注:外部の団体等に研修の一部の実施を委託する場合のみ)
⑥ 直接人件費、間接費(その他原価及び一般管理費等)
イ. 国内ワークショップ等開催費
国内ワークショップ等開催費は、本邦にてワークショップ等を開催するための費用です。
<補足説明>
✓ 国内ワークショップ等開催費として、(5)一般業務費>サ.雑費に示す軽食・飲料費用の計上を認めます。
【障害のある業務従事者に係る経費の取扱い】
障害のある業務従事者が現地業務を実施するための経費が必要であると応募者が判断する場合には、直接経費に限り、見積書(別見積とする。)に積算し、提出してください。契約交渉にて確認します。以下は想定される経費の一例です。
・該当業務従事者の航空券クラスのアップグレード費(旅費(航空賃))
・介助者の航空賃(旅費(航空賃))
・介助者の日当・宿泊(旅費(その他))
・特殊車両の借上げ(一般業務費‐車両関連費)
なお、契約締結後、当初想定していない直接経費が発生すると認められるものについては、受注者からの申し入れに応じ、その必要性と金額を打合簿にて確認したうえで、契約変更手続き等に対応します。
第4章 見積書の作成について
(1)見積書作成における注意点
ア.見積書は、プロポーザルで提案した業務を行う上で必要な金額を計上するものです。したがって、プロポーザルで提案した作業量・内容、資機材等をすべて反映した見積書としてください。
イ.業務従事者の格付、直接人件費の月額単価、その他原価率、一般管理費等率は、応募者が自己の算定に基づいて設定してください。これらは契約交渉における交渉事項となります。
ウ.見積書はプロポーザルと別に密封して提出します。見積書の記載は各様式に従い積算金額を千円単位で表示し、課税事業者か非課税業者かを問わず、消費税を除いた見積金額としてください。なお、契約交渉後の最終見積提出時には、法令で定められた税率により算出された消費税額を加算して頂きます。
コンサルタント等契約は、複数の業務従事者をチームとして派遣し業務を実施するもの(「業務実施契約」)と、単独の業務従事者を派遣して業務を実施する(「業務実施契約(単独型)」)との
2つの契約形態に大別されます。以下、各契約形態の見積書作成について説明します。
(2)業務実施契約の見積書作成についてア. 見積書の様式
業務実施契約の見積書の様式は次の JICA ウェブサイトからダウンロードすることができます。ダウンロード先は以下のとおりです。
http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/quotation.html
なお、一般業務費を積上げにより積算する場合と、一般業務費を現地直接人件費に定率を乗じて積算する場合との2つに分けて見積書の様式を2種類用意しています。
イ. 契約金額内訳書の費目構成
業務実施契約の契約金額内訳書の費目構成は次表のとおりとします。
表11:業務実施契約の費目構成
Ⅰ 業務原価
1 直接経費
(1)旅費(航空賃)
(2)旅費(その他)
(3)一般業務費
(4)成果品作成費
(5)機材費
(6)再委託費
(7)国内研修費
2 直接人件費
3 その他原価
Ⅱ 一般管理費等
ウ. 作成上の留意点
① 現地通貨の換算は、業務指示書の「見積価格及び内訳書」に記載されているJICA 月次統 制 レ ー ト ( 参 照 : http://www.jica.go.jp/announce/manual/form/consul_g/rate.html) を使用します
(算出された経費は、小数点以下を四捨五入します)。なお、レートが設定されていない国については、「OANDA, the Currency Site」(参照:http://www.oanda.com/)における、前月最終営業日付の買いレート(Interbank rate)の小数点第 4 位以下を切り捨てたものを当該月のレートとして使用します。
② 直接人件費の見積りにおいて、業務プロセスごとの従事人月内訳は記載不要です。業務予定従事者ごとの全派遣期間あるいは全作業期間の合計日数を記載します。
上側:日当下側:特別手当
③ アフガニスタンにおける業務で支給される「特別手当」については、「旅費の日当」の計上において、特別手当も併せて記載します。
日 当( 円) | ||||||
3,800 3,000 | × | ( | 30 30 | ) | = | 114,000 90,000 |
④ 個人の資格の者を補強として参加させる場合には、一般管理費等は、個人を除いた直接人件費の総額に対して次の式で計算します。
(一般管理費等)=
{(個人を除いた直接人件費の総額)+(個人を除いた直接人件費の総額)
×(その他原価率)}×(一般管理費等率)
このため、個人の補強がある場合には、見積書では次のように記載してください。
【直接人件費】
直接人件費の合計金額に、個人を除いた総額を併せて記載します。
(3)直接人件費合計
期間
(月)
金 額(円)
(小計(1)+小計(2))
(1,000円未満切捨)
(個人を除く)
(1,000円未満切捨)
(ア)
【その他原価、一般管理費等】
その他の原価は、個人を除いた直接人件費(①で併記した金額(ア))に対するその他原価(イ)を併せて記載します。
いた直接人件費 人を除いた直接人になります。
一般管理費等は、個人を除いた直接人件費(ア)と、個人を除いた直接人件費に対するその他原価(イ)から算定します。
3 その他原価 | 円 | ||||||
直接人件費× | = | 円 | |||||
1,000円未満切捨 | 円 | ||||||
(個人を除く) | 個人を除いた直接人件費× | = | 円 | ||||
1,000円未満切捨 | 円(イ) | ||||||
「直接人件費」は「個人を除 | |||||||
Ⅱ 一般管理費等 | 0 | 円 | (ア)」、「その他原価」は「個 | ||||
件費対するその他原価(イ)」 | |||||||
(直接人件費+その他原価)× = 円 | |||||||
1,000円未満切捨 | 円 |
(3)業務実施契約(単独型)の見積書作成についてア. 見積書の様式
業務実施契約(単独型)の見積書の様式は次の JICA ウェブサイトからダウンロードすることができます。ダウンロード先は以下のとおりです。
http://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/quotation.html
イ. 契約書の費目構成
業務実施契約(単独型)の契約金額内訳書の費目構成は次表のとおりとします。表12:業務実施契約(単独型)の費目構成
Ⅰ 業務原価
1 直接経費
(1)旅費(航空賃)
(2)旅費(その他)
(3)一般業務費
(4)機材費(損料、送料のみ)
2 直接人件費
3 その他原価
Ⅱ 一般管理費等
ウ. 作成上の留意点
① 旅費については、契約に含めることを原則としていますが、契約に含めない場合(JICAが業務従事者及び旅行代理店に直接支払う場合)もあります。旅費を契約に含めるか否かは公示で明示しますので、経費を見積るにあたって必ず確認してください。
② 一般業務費は原則として計上しません。現地活動に必要な費用が生じる場合には、JICA事務所が直接借り上げる車両などの現物サービスを提供するか、あるいは、業務従事者を臨時会計役に委嘱し必要な金額を支給します。しかしながら、JICA 事務所のない国あるいは JICA 事務所に寄らずに業務対象地域に直接派遣されるなど、JICA 事務所で臨時会計役を委嘱することが困難な場合には、契約(一般業務費)に含める場合があります。その場合には、公示又は契約交渉時に JICA が必要な金額を提示し、契約に含めるものとします。
③ 機材費は、機材の損料及び送料のみを対象とします。JICA が業務で必要であると判断する場合に限り、当該損料及び送料を計上することができます。
④ アフガニスタンにおける業務で支給される「特別手当」については、「旅費の日当」の計上において、特別手当を併せて記載します。
上側:日当 下側:特別手当
日 当( 円) | ||||||
3,800 3,000 | × | ( | 30 30 | ) | = | 114,000 90,000 |
⑤ 「その他の原価」及び「一般業務費等率」については、「第2章(3)業務価格の見積方法」のとおりですが、計算を容易にするため、計算シートを用意しています(見積書の様式に含まれています)。計算シートでは、法人/個人の区分(法人 or 個人)、紛争影響国・地域の区分(非該当or 該当)を選択し、現地業務日数及び国内業務日数を入力すると、それらの上限が自動で計算されます。経費率の設定にあたってはこの経費率を超えない範囲で、自己の算定に基づき設定します。業務対象国が複数ある場合には、複数国での業務のためのシートで、業務対象国ごとに入力することで、業務対象国別の経費率の上限をそれぞれ計算することができます。
<業務対象国別の現地業務日数の計上について>
業務対象国別の現地業務日数の計上については次のとおりとします。
⚫ 出発日を含む移動日は、次の到着地である業務対象国における現地業務日数として計上します。ただし、次の到着地が本邦である場合には、出発日、移動日及び本邦帰着日は、出発した業務対象国における現地業務日数として計上します。
⚫ 出発地及び帰着地が海外居住地又は海外滞在地の場合には、上記の「本邦」を「海外居住地」又は「海外滞在地」に読み替えます。
例として、本邦出発⇒A国⇒B国⇒C国⇒本邦帰着とある場合について、以下模式的に示します。
参考例1(業務対象国が1カ国の場合)
1.設定
(1) 法人/個人の区別 法 人
(2) 紛争影響国・地域の区別 非該当
(3) 業務期間
① 準備期間 5日(←国内第1次)
② 第1次派遣期間 39日(←現地第1次)
③ 国内期間 3日(←国内第2次)
④ 第2次派遣期間 35日(←現地第2次)
⑤ 整理期間 3日(←国内第3次)
2.経費率の上限
業務実施契約(単独型) における経費率の上限
参考
法人/区分の区別、紛争影響国・
地域の区別についてプルダウンから選択してください。
経費率の上限
その他原価率(現地)その他原価率(国内)
一般管理費等率
96%
75%
40%
各作業日数を記入してください。準備期間を「国内の第一次」と考えます。
次の計算フォーマットから計算されます。
① | その他原価率(現地) | :96% |
② | その他原価率(国内) | :75% |
③ | 一般管理費等率 | :40% |
法人/ 個人の区別 | 法人 |
紛争影響国・地域の区別 | 非該当 |
作業日数 | 現地 | 国内 |
第1次 | 39 | 5 |
第2次 | 35 | 3 |
第3次 | 3 | |
第4次 | ||
第5次 | ||
第6次 | ||
第7次 | ||
第8次 | ||
第9次 | ||
第10次 | ||
合計日数 | 74 | 11 |
合計人月 | 2.47 | 0.55 |
(計算式)エクセル上では次のとおり計算しています。
① 合計人月(現地)=ROUND(合計日数/30,2) *四捨五入
② 合計人月(国内)=ROUND(合計日数/20,2) *四捨五入
③ その他原価率(現地)【法人】
= 110【①≦2.00】
= ROUNDDOWN((0.24+2.14/①+0.48)),2)*100【2.00<①<12.00】 *切捨て
= 41【12.00<①】
④ その他原価率(現地)【個人】
= 82【①≦3.00】
= ROUNDDOWN((-0.54+24.75/(①+15.2)),2)*100【3.00<①<12.00】 *切捨て
= 37【12.00<①】
参考例2(業務対象国が複数の場合)
1.設定
(1) 法人/個人の区別 法 人
(2) 紛争影響国・地域の区別 非該当
(3) 業務期間
① | 準備期間 | 5日(←国内第1次) |
② | 第1次派遣期間 | |
インドネシア | 21日(←インドネシア現地第1次) | |
フィリピン | 21日(←フィリピン現地第1次) | |
ベトナム | 21日(←ベトナム現地第1次) | |
③ | 国内期間 | 3日(←国内第2次) |
④ | 第2次派遣期間 | |
ベトナム | 45日(←ベトナム現地第2次) | |
⑤ | 整理期間 | 5日(←国内第3次) |
2.経費率の上限
次ページの計算フォーマットから次のとおり計算されます。
① その他原価率(インドネシア) :110%
② その他原価率(フィリピン) :110%
③ その他原価率(ベトナム) :103%
④ その他原価率(国内) : 75%
業務実施契約(単独型)における経費率の上限
参考
法人/区分の区別、紛争影響国・地域の区別に
ついてプルダウンから選択してください。
非該当
紛争影響地域・国の区別
法人
法人/ 個人の区別
各作業日数を記入してください。準備期間を「国内の第一次」と考えます。
⑤ 一般管理費等率 : 40%
40%
一般管理費等率
作業日数 | 現地 | 国内 | ||||||
国 名 | インドネシア | フィリピン | ベトナム | 合計 | ||||
第1次 | 21 | 21 | 21 | 5 | ||||
第2次 | 45 | 3 | ||||||
第3次 | 5 | |||||||
第4次 | ||||||||
第5次 | ||||||||
第6次 | ||||||||
合計日数 | 21 | 21 | 66 | 0 | 0 | 0 | 108 | 13 |
合計人月 | 0.70 | 0.70 | 2.20 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 3.60 | 0.65 |
その他原価率 | 110% | 110% | 103% | 110% | 110% | 110% | 75% |
別紙
コンサルタント等契約にかかる
業務従事者の格付の認定基準及び手続きについて
1.格付の認定基準を考える前提
(1)業務の格付
直接人件費、その他原価及び一般管理費等は、実施される業務の対価(報酬)として支払われるものです。業務の格付は、この業務の対価(報酬)を算定するため、実施される業務の内容・難易度によって設定されます。
実施される業務の内容・難易度が3号相当である場合に、当該業務を実施する業務従事者当人の経験・能力が以下の認定基準で1号相当であったとしても、機構が認定する格付は3号となります。
1)業務実施契約
業務実施契約については、プロポーザルにおいて提案される格付に基づき、各業務従事者が担当する業務内容・難易度を勘案した格付を契約交渉において協議、合意することになります。
2)業務実施契約(単独型)
業務実施契約(単独型)における業務従事者の格付は、機構がその業務内容・難易度を勘案して設定した格付を公示にて提示します。
(2)格付の認定基準
以下の格付の認定基準は、上述の業務の格付に対して、当該業務に従事する業務従事者当人が当該格付に値する十分な経験・能力を有しているかどうかを判断する際の基準となります。
2.「経験年数」基準の原則
業務従事者の格付の認定基準については、原則「経験年数」とします。具体的な必要「経験年数」は以下の通りです。以下の標準年数の業務経験がある場合、当該格付を認定します。
1)以下の標準年数は、大学卒業者を基準とした年数であり、短大卒、高卒等の業務従事者に必要な経験年数については、個別に判断します。
2)経験年数の起算は大学卒業翌年度の 4 月 1 日とし、プロポーザル提出締切日
時点での経験年数を「経験年数」とします。必ずしも 3 月が卒業時期ではない海外の大学等を卒業した場合においても、4 月 1 日から起算する運用とします。
3)経験年数については、特定分野の業務経験だけではなく、関連する業務経験を広く認めることとします。また、大学院以上の教育・研究機関等における教育・研究経験についても経験年数として認めます。
<格付と標準年数>
格付 | 標準年数 |
特号 | その都度決定 |
1号 | 23年以上 |
2号 | 18年以上23年未満 |
別紙
3号 | 13年以上18年未満 |
4号 | 8年以上13年未満 |
5号 | 5年以上8年未満 |
6号 | 2年以上5年未満 |
3.経験年数の運用加算
格付基準の柔軟性を確保するため、標準年数を満たしていなくとも、標準年数の下限よりも2年以内であれば、類似業務経験又は業務関連資格を勘案し、上位の格付を認定するものとします。
(1)上位の格付を認定する場合の条件
1)類似業務と認められる経験が3件以上あること。又は、
2)業務指示書(又は公示)に示された業務関連資格(弁護士、医師、当該分野の技術士等)を取得していること。
(2)上位の格付を認定する場合の手続き(プロポーザル評価対象業務従事者)
1)応募者は、標準年数に満たない(但し満たない期間は2年を限度とする。)経験年数を持つ評価対象業務従事者について、より上位の格付を提案する場合は、プロポーザルに「標準経験年数を満たさない格付の提案について」(様式は、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン」を参照。)を添付して提出する。
2)プロポーザルと同時に提出する見積書においては、提案する格付に基づき見積を行う。
3)提案に基づき、機構が上位の格付を認定するか否か判断、応募者に通知する
(優先契約交渉権者となった場合のみ)。
4)契約交渉において合意された格付を契約書に記載する。
(3)上位の格付を認定する場合の手続き(プロポーザル評価対象外業務従事者)
1)応募者は、標準年数に満たない(但し満たない期間は2年を限度とする。)経験年数を持つ評価対象外業務従事者について、より上位の格付を提案する場合は、契約交渉時若しくは契約締結後、当該業務従事者を確定する際に、「標 準経験年数を満たさない格付の提案について」に履歴書及び類似業務経験を記述した書類(プロポーザルの様式を準用)を添付して、機構に申し入れる。
2)プロポーザルと同時に提出する見積書においては、提案する格付に基づき見積を行っておく。
3)提案に基づき、監督職員は、担当契約課長とも協議の上、上位の格付を認定するか否か判断する。
4)上記認定結果については、契約交渉時の判断は契約書、契約締結以降の判断は打合簿(担当契約課長を含む。)に記載・記録する。
4.「給与水準」を直接確認することによる格付の認定
「経験年数」では所定の格付を認めることは難しいものの、当該格付に見合う能力を有する業務従事者であると応募者が判断する場合には、当該業務従事者の「給与水準」を提供することにより上位の格付が提案できるものとします。すなわち、
「経験年数」は少ないものの、既に所属企業・団体等でその能力が評価され、当該
別紙
格付の直接人件費月額単価(上限)を超える直接人件費を企業・団体等が負担している場合は、当該格付にて求められる能力があると認定するものです。
「給与水準」にかかる格付の認定は、手続きの厳格性を確保するため、契約締結までに提案があったもののみを対象とします。
具体的な認定手続きは以下の通り。
1)応募者は、経験が標準年数に満たない評価対象業務従事者について、「給与水準」を根拠により上位の格付を提案する場合は、プロポーザルに「標準経 験年数を満たさない格付の提案について」を添付して提出する。
2)プロポーザルと同時に提出する見積書においては、提案する格付に基づき見積を行う。
3)応募者は優先契約交渉権者になった場合、契約交渉前に当該業務従事者にかかる給与水準を証明する書類を提出する。
4)評価対象外業務従事者について同様の提案を行う場合は、プロポーザルと同時に提出される見積書において提案する格付に基づき積算を行ったうえで、契約交渉時に「標準経験年数を満たさない格付の提案について」及び給与水準を証明する書類を以て提案を行う。
5)なお、給与には、当該業務従事者への支給額(基本給及び各種手当)と事業主が負担する法定福利費(健康保険料、年金保険料、雇用保険料等)を含むことができる。
6)契約交渉において、合意された格付を契約書に記載する。
5.その他の運用
(1)継続契約締結に際しての格付の変更について
業務を複数の契約期間に分割して契約書を締結する場合、合意された「業務の格付」に対し、当初の契約期間では業務経験が標準年数に不足した業務従事者(即ちより下位の格付で契約が締結される)が、継続する契約期間では、標準経験年数を満たすこととなる場合があります。
このような場合については、標準経験年数を満たすこととなった契約期間においては、より上位の格付を適用することができます。
ただし、この運用については、最初の契約期間の契約書締結の際に打合簿に記載して両者で確認した場合のみ、これを有効とすることとします。
以上