空気圧機器選定プログラム Ver.4.0
作成日:2011 年 5 月 12 日
第 1 版 改定日:2011 年 6 月 24 日第 2 版 改定日:2013 年2月6日
空気圧機器選定プログラム Ver.4.0
Pneumatic Model Selection program Ver.4.0
目 次
1. プログラム概要 1
1.1 使用許諾契約書 1
1.2 主要特徴 2
1.3 機能構成 3
1.4 メニュー画面 5
1.5 登録機種 6
1.6 用語集 8
1.7 補足資料 10
1.7.1 動特性解析法について 10
1.7.2 ISO による流量特性表示法について 13
1.7.3 結露について 16
1.7.4 負荷率について 19
1.7.5 空気消費量と所要空気量について 20
1.7.6 ショックアブソーバ選定について 23
1.7.7 モーメント計算について 36
2. シリンダ標準回路の選定 41
2.1 概要 41
2.2 画面説明および操作方法 42
2.2.1 回路構成 42
2.2.2 条件入力 44
2.2.3 シリンダ選定 48
2.2.4 電磁弁選定 50
2.2.5 配管選定 52
2.2.6 結果表示 54
2.2.7 緩衝計算 56
2.2.8 結露計算 57
2.3 ご使用上の注意 58
3. ロータリアクチュエータ選定 59
3.1 概要 59
3.2 画面説明および操作方法 60
3.2.1 タイプ選択 60
3.2.2 条件入力 61
3.2.3 選定結果 62
3.2.4 慣性モーメント計算結果 64
3.2.5 形状入力 65
3.3 計算例 66
3.3.1 ロータリアクチュエータ選定例 66
3.3.2 慣性モーメント計算例 71
3.4 補足 84
3.4.1 慣性モーメント計算式 84
4. ショックアブソーバの選定 85
4.1 概要 85
4.2 画面説明および操作方法 86
4.2.1 選定画面 86
4.2.2 モーメント計算画面 87
4.3 ご使用上の注意 88
5. シリンダ標準回路の特性計算 89
5.1 概要 89
5.2 画面説明および操作方法 90
5.2.1 回路構成 90
5.2.2 条件入力 92
5.2.3 結果表示 96
6. 二圧駆動回路の特性計算 98
6.1 概要 98
6.2 画面説明および操作方法 99
6.2.1 回路構成 99
6.2.2 条件入力 101
6.2.3 結果表示 104
7. 合成機器回路の特性計算 106
7.1 概要 106
7.2 画面説明および操作方法 107
7.2.1 回路構成 107
7.2.2 条件入力 109
7.2.3 結果表示 113
8. 分岐合流回路の特性計算 115
8.1 概要 115
8.2 画面説明および操作方法 116
8.2.1 1 点から分岐 116
8.2.1.1 回路構成 116
8.2.1.2 条件入力 117
8.2.1.3 全体結果 119
8.2.1.4 個別結果 120
8.2.2 多点から分岐 121
8.2.2.1 回路構成 121
8.2.2.2 条件入力 122
8.2.2.3 条件入力 124
8.2.2.4 個別結果 125
9. マニホールド回路の特性計算 126
9.1 概要 126
9.2 画面説明および操作方法 127
9.2.1 回路構成 127
9.2.2 条件入力 128
9.2.3 全体結果 130
9.2.4 個別結果 131
10. シリンダ標準回路選定(簡易版) 132
10.1 概要 132
10.2 画面説明および操作方法 133
10.2.1 メイン画面 133
10.2.2 回路構成 137
10.2.3 シリーズ選定 139
10.2.4 選定結果 141
11. 各種設定について 143
11.1 入力値設定 143
11.2 言語設定 144
11.3 単位系設定 145
12. 印刷と保存 146
12.1 印刷 146
12.2 保存 148
1. プログラム概要
1.1 使用許諾契約書
この使用許諾契約(以下、「本契約」といいます。)は、お客様がインストールされる空気圧機器選定プログラム(以下、「本ソフトウェア」といいます。)の使用許諾に関する SMC 株式会社(以下、「SMC」といいます。) とお客様との間の契約です。
以下の本契約の各条項をよくお読みになり、お客様が本契約に同意する場合には、起動時のソフトウェア使用許諾画面の下部にある「使用許諾契約の条項に同意します」のボタンを選択しクリックして下さい。お客様が、クリックを行った時点で、お客様は、本契約に同意したものとみなされ、お客様と SMC との間に本契約が成立し、効力が発生します。お客様が本契約に同意しない場合は、「使用許諾契約の条項に同意しません」を選択しクリックして下さい。この場合、本ソフトウェアをインストール、使用及び複製することはできません。
第1条(許諾事項)
1 お客様は、本ソフトウェアを、お客様が適切な SMC 製品を選定する目的に限り、本契約の条項に従って、非独占的に使用することができます。
2 お客様は、前項の目的で使用する場合に限り、本ソフトウェアをコンピューター内に記録及び保存することができます。
第2条(禁止事項)
1 お客様は、第1条2項の場合を除き、本ソフトウェアを複製することはできません。
2 お客様は、第三者に、本ソフトウェアの一部または全部について、有償・無償を問わず、譲渡及び貸与することはできません。
3 お客様は、本ソフトウェアに対して、変更を加えること、翻案・翻訳を行うこと及びリバースエンジニアリングを行うことはできません。
第3条(注意事項)
1 本ソフトウェアによる機器選定・計算結果は実機を用いた場合と異なることがあります。
2 本ソフトウェアの登録製品をご使用になる場合は、必ず、当該商品の各カタログに記載されている「安全上のご注意」、「共通注意事項」、「製品個別注意事項」及び「製品の仕様」をお読み下さい。
3 SMC は、本ソフトウェアの内容及び登録製品の仕様を予告なしに変更する場合があります。第4条(無保証)
SMCは、お客様に対し、本ソフトウェアの使用による機器選定・計算結果の正確性等、本ソフトウェアの品質について、一切保証いたしません。
第5条(免責)
本ソフトウェアの使用等に関して生じたいかなる損害に対してもSMCは一切責任を負いません。第6条(契約の終了)
1 お客様が本契約に違反した場合及びSMCが契約終了が適切と判断した場合、本契約は当然に終了いたします。
2 本契約が終了した場合は、お客様は、本ソフトウェア及び複製物を破棄しなければなりません。第7条(本ソフトウェアに関する権利)
本ソフトウェアの著作権その他一切の権利はSMCが有しており、著作xx等の法律及び国際条約により保護されています。
第8条(準拠法等)
1 本契約は、日本国法に準拠します。
2 本契約に関する一切の紛争につき、東京地方裁判所又は東京簡易裁判所を第xxの専属の管轄裁判所とします。
1.2 主要特徴
機器選定プログラム Ver.4 は、Ver3.5 にロータリアクチュエータの選定を追加しました。主な特徴は以下の通りです。
■ 動特性シミュレーションによる計算精度の高度化
システムの特性計算において、各構成機器の基本方程式をもとに解く動特性計算法を導入することにより 10%以内の高精度の計算結果を得られるようになりました。
■ 要求に合致する最適製品群を自動選定
シリンダ、電磁弁、速度制御弁、配管、ショックアブソーバ等のシリーズ名を指定するだけで、要求条件を満たす各機器の最小品番が自動的に選出されます。
■ 多様な対象回路に対応
“1バルブ・1シリンダ”の標準回路はもちろん、“1バルブ・複数シリンダ”の分岐・合流回路および“複数バルブ・複数シリンダ”のマニホールド回路および二圧駆動、複数機器などの特殊回路にも対応可能です。
■ 最新機種のデータベース収録 163 シリ-ズの製品を収録
■ ISOによる流量特性表示法に対応
ISO 6358、JIS B 8390に準拠した、音速コンダクタンスCと臨界圧力比bによる新しい流量式を採用しました。
■ 機器選定簡易版
必要最低限の入力項目と変更の少ない項目を分けて、画面のコンパクトと操作の簡素化を図った初心者向けのバージョンです。
■ ロータリアクチュエータ選定を追加
カタログベースの品番選定を自動的に行い、すべてのシリーズの選定結果が一覧できますので、使用可否の判定が、分かりやすくなっています。
■ 多言語対応
日、中、韓、英、西、仏、独、伊、葡9ヶ国語に対応しています。
■ 単位の自由切換
プログラム推奨単位系、ユーザ単位系(ユーザが好きな単位の組合せ)および自由単位系(各項目の単位は自由変更可能)を利用することがxxxx。
■ データ更新機能
インターネットを経由して、WEB から最新データを更新することがxxxx。
1.3 機能構成
空気圧機器選定プログラム Ver.4 の機能構成は、次の通りです。
シリンダ回路簡易
ロータリアクチュエータ
ショックアブソーバ
マニホールド回路
多点分岐回路
緩衝計算
一点分岐回路
合成機器回路
二圧駆動回路
シリンダ回路
結露計算
シリンダ回路
メニュー
システム機器選定
システム特性計算
特殊駆動回路
分岐合流回路
その他選定
各種設定
データ更新
ヘルプ
入力値設定
単位系設定
言語設定
全体的に、プログラムは主にシステム機器選定、システム特性計算およびその他選定により構成されています。
システム機器選定は、“1バルブ・1シリンダ”のシリンダ標準回路の選定を行います。
システム特性計算は、標準回路、特殊駆動回路、分岐合流回路、マニホールド回路の特性計算を行います。
その他選定は、ショックアブソーバおよびロータリアクチュエータの選定を行います。
その他に、xxxx回路選定の簡易版はシリンダ標準回路の選定と同じ機能であり、入力項目の分類および画面の集約を行ったものです。
緩衝計算と結露計算はオプション機能としてシステム機器選定と特性計算の結果画面から利用す
ることがxxxx。
各種設定は使用頻度の高い入力値の登録、言語の選択および単位系の設定を行います。
データ更新はインターネットを経由して、WEB から最新データを更新することがxxxx。各計算機能は図のようにリンクされているので、機能の間の移行が可能です。
1.4 メニュー画面
(13)
(14)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
【機 能】(1)~(7)はプログラムの主要機能であり、該当ボタンを押してから、(13)の新規ボタンを押すと、対応する選定または計算機能を新規に行います。(14)の履歴ボタンを押すと、対応する選定または計算結果の履歴ファイルを表示します。(8)は(1)のシリンダ標準回路の機器選定の簡易版です。
(9)~(12)はプログラムの補助機能であり、言語、単位の設定、ヘルプの閲覧、データの更新などを行います。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
(1)〔シリンダ標準回路〕 | 使用回路と要求条件を入力し、システムの特性を計算します |
(2)〔シリンダ標準回路〕 | 使用回路、動作条件および機器品番を入力し、システムの特性を計算します |
(3)〔特殊駆動回路〕 | 2 圧駆動回路や合成回路の動作条件および機器品番を入力し、システムの特性を計算します |
(4)〔分岐合流回路〕 | 分岐合流回路の動作条件および機器品番を入力し、システムの特性を計算します |
(5)〔マニホ-ルド回路〕 | マニホ-ルド回路の動作条件および機器品番を入力し、システムの特性を計算します |
(6)〔) ロ-タリアクチュエ-タ選定〕 | 負荷種類や使用条件などを入力し、ロ-タリアクチュエ-タの品番を選定します |
(7)〔) ショックアブソ-バ選定〕 | 衝突形態および使用条件などを入力し、ショックアブソ-バの品番を選定します |
(8)〔シリンダ標準回路選定〕(簡易版) | 使いやすい簡易版でシリンダ標準回路の機器品番を選定します |
(9)〔各種設定〕 | 使用頻度の高い入力値の登録、言語の選択および単位系の設定を行います |
(10)〔ヘルプ〕 | プログラムのヘルプを表示します |
(11)〔デ-タ更新〕 | WEB からインターネット経由で最新のデータを更新します |
(12)〔終了〕 | プログラムを終了します |
1.5 登録機種
機種 | シリーズ | |||
CJ1(φ2.5~φ4) | CQP2(φ12~φ100) | RQ(φ20~φ50) | ||
CJ2(φ6~φ16) | MU(φ25~φ63) | C55(φ20~φ63) | ||
CJP2(φ4~φ16) | MLU(φ25~φ50) | C76(φ32~φ40) | ||
CJP(φ6~φ15) | CUJ(φ4~φ10) | C85(φ8~φ25) | ||
CM2(φ20~φ40) | CU(φ6~φ32) | C85WE(φ8~φ25) | ||
CG1(φ20~φ100) | CLJ2(φ16) | C95(φ32~φ100) | ||
CQ2(φ12~φ200) | CLM2(φ20~φ40) | CP95(φ32~φ100) | ||
CQS(φ12~φ25) | CLQ(φ20~φ100) | C96(φ32~φ100) | ||
一般 | MB(φ32~φ100) | CLG1(φ20~φ40) | CP96(φ32~φ100) | |
MB1(φ32~φ100) | CLA(φ40~φ100) | RLQ(φ32~φ63) | ||
CA1(φ40~φ100) | CL1(φ40~φ160) | NCA1(φ150~φ400) | ||
CA2(φ40~φ100) | CBM2(φ20~φ40) | NCG(φ20~φ63) | ||
CS1(φ125~φ300) | CBA1(φ40~φ100) | NCJ2(φ6~φ16) | ||
CS2(φ125~φ160) | MQQT(φ10~φ28) | NCM(φ075~φ200) | ||
CM2R(φ20~φ40) | MQQL(φ10~φ28) | NCQ2(φ12~φ160) | ||
CG1R(φ20~φ63) | MQML(φ6~φ25) | NCQ8(φ056~φ400) | ||
シリンダ | CXWM(φ10~φ32) | MXF(φ8~φ20) | MGPA(φ12~φ100) | |
CXWL(φ10~φ32) | MXH(φ6~φ20) | MGQM(φ12~φ100) | ||
CXTM(φ12~φ40) | CXSM(φ6~φ32) | MGQL(φ12~φ100) | ||
CXTL(φ12~φ40) | CXSL(φ6~φ32) | MGGM(φ20~φ100) | ||
MXS(φ6~φ25) | CXSJ(φ6、φ10) | MGGL(φ20~φ100) | ||
ガイド | MXQ(φ6~φ25) | MGPM(φ12~φ100) | MGCM(φ20~φ50) | |
MXW(φ8~φ25) | MGPL(φ12~φ100) | MGCL(φ20~φ50) | ||
MXP(φ6~φ16) | MGPS(φ50、φ80) | MTS(φ8~φ40) | ||
MGJ(φ6、φ10) | MLGPM(φ20~φ100) | MLGPL(φ20~φ100) | ||
CQM(φ12~φ50) | CXSWL(φ6~φ32) | CXSWM(φ6~φ32) | ||
MXU(φ6~φ16) | MXY(φ6~φ12) | NCX2(φ10~φ25) | ||
CY1B(φ6~φ63) | MY1B(φ16~φ100) | MY1H(φ16~φ63) | ||
CY1H(φ10~φ25) | MY1C(φ16~φ63) | ML1(φ25~φ40) | ||
CY1L(φ6~φ40) | MY1M(φ16~φ63) | MY2H(φ16~φ40) | ||
ロッドレス | CY1R(φ6~φ63) | MY3B(φ16~φ63) | MY2HT(φ16~φ40) | |
MY3A(φ16~φ63) | MY3M(φ16~φ63) | CY1F(φ10~φ25) | ||
CY3B(φ15~φ40) | CY3R(φ15~φ40) | NCY2S(φ6~φ40) | ||
CY1S(φ6~φ40) |
機種 | シリーズ | |||
電磁弁 | 4・5 ポート | SJ2000/3000 SY3000/5000/7000/9000 SYJ3000/5000/7000 SX3000/5000/7000 VF3000/5000 VFR2000/3000/40005000 /6000 SQ1000/2000 | SV1000/2000/3000/4000 SZ3000 VQ1000/2000/3000/4000 /5000 VQZ1000/2000/3000 VQD1000 S0700 | VFS 1000/2000/3000/4000 /5000/6000 VQC1000/2000/4000 NVFR2000/3000/40005000 /6000 NVFS1000/2000/3000/4000 /5000/6000 |
3 ポート | VEX3000 | VP3145/3165/3185 | ||
ISO 規格 | VS7-6/8 | VQ7-6/8 | ||
駆動制御機器 | スピ-ドコントロ- ラ | AS1200~4200 AS1000~5000 AS420~900 AS12□1F~42□1F AS13□1F~43□1F AS22□1F~42□1F AS13□1FG~43□1FG AS1001FM~2051FM AS12□1F-D~42□1F-D ASD230F-D~630F-D AS13□1F-T~43□1F-T AS12□0-T~42□0-T | AS12□1~42□1 AS1001F~4001F ASD AS22□1FE~42□1FE AS23□1FE~43□1FE AS23□1F~43□1F AS1001FG~4001FG ASD230FM~430FM AS13□1F-D~43□1F-D AS12□0-D~42□0-D AS1001F-T~4001F-T AS22□1F~42□1F | AS2000E~4000E AS12□1FG~42□1FG AS12□FM~22□1FM AS13□1FM~23□1FM AS12□0M~22□0M AS3500 ASD230FG~630FG AS1001F-3~4001F-3 AS1001F-D~4001F-D AS12□1F-T~42□1F-T ASD230F-T~630F-T AS12□1FP~42□1FP |
急速排気弁 | AQ1500・1510 | AQ2000~5000 | AQ240F・AQ340F | |
スピ-ドエキゾ- スコントロ-ラ | ASV | |||
チューブ | 樹脂配管 | T、TS、TU、TUS、TRB、TRS、TAU、TAS、TUH、TRBU、TPH、TPS、TL、TH、TD | ||
銅管 | SGP | |||
管継手 | KQ2、KJ、KQ2R、KJR、KQ2(Uni) 、M | |||
サイレンサ | AN、AN[]00、AN[]02、AN[]03、AN[][][]-KM、ANA1、ANB1、AMC、ASN2、25 | |||
ショックアブソ -バ | RB、RBL、RBQ、NRB | |||
ロ-タリアクチュ エ-タ | ベ-ンタイプ | CRB2, CRB1, CRBU2, MSUB, MSUA, | ||
ラックピニオンタイ プ | CRA1, CRQ2, XXX, CRJ, CRQ2X, MSQX, MRQ, MSZ |
1.6 用語集
ピストン始動時間
電磁弁を通電(非通電)してから、シリンダのピストン(ロッド)が動き始めるまでの時間。正確な判定は、加速度曲線の立ち上がりで行います。
全ストローク時間
電磁弁を通電(非通電)してから、シリンダのピストン(ロッド)がストローク終端に到達するまでの時間。
90%出力時間
電磁弁を通電(非通電)してから、シリンダ出力が理論出力の90%に到達するまでの時間。平均速度
「全ストローク時間」でストロークを割った値。シーケンスダイヤグラムにおいて、「全ストローク時間」の代用表現として用います。
最大速度
ストローク中に発生するピストン速度の最大値。終端速度
シリンダのピストン(ロッド)が、ストローク終端に到達するときのピストン速度。調整式クッションをもつシリンダの場合は、クッション入口におけるピストン速度をいいます。クッション能力の判定および緩衝機構の選定に用います。
衝突速度
シリンダのピストン(ロッド)が、ストローク終端あるいは任意位置において外部ストッパに衝突するときのピストン速度。
最大加速度
ストローク中に発生するピストン加速度の最大値。最高圧力
シリンダ内における空気の圧力の最大値。
1往復空気消費量
シリンダを1往復作動させるときに要する空気量の標準状態への換算値。所要空気量
システムへ所定時間に上流から供給すべき空気量。絶対湿度
乾き空気質量に対する水蒸気質量率相対湿度
飽和水蒸気量に対する水蒸気質量率。あるいは飽和水蒸気圧に対する水蒸気分圧率。大気圧露点
湿り空気を大気圧下で冷却するとき、含まれている水蒸気が飽和し始める温度。圧力露点
湿り空気をある圧力下で冷却するとき、含まれている水蒸気が飽和し始める温度。負荷力
シリンダピストンの作動方向に作用する負荷質量の重量分力、摩擦力以外のその他の外力の総和。
抵抗力
シリンダピストンの作動方向に作用する負荷質量の重量分力、摩擦力以外のその他の外力の総和抵抗トルク
ロータリアクチュエータ、モータなどの回転方向に作用する負荷質量の重量分力トルク、摩擦トルク以外のその他のトルクの総和
音速コンダクタンス
チョーク流れ状態の機器の通過質量流量を、上流絶対圧力と標準状態の密度の積で割った値。C で表す。
臨界圧力比
この値より小さいとチョーク流れになる圧力比(下流圧力/上流圧力)。bで表す。チョーク流れ
上流圧力が下流圧力に対して高く、機器のある部分で速度が音速に達している流れ。気体の質量流量は上流圧力に比例し、下流圧力には依存しない。
亜音速流れ
臨界圧力比以上における流れ。標準状態
温度 20℃、絶対圧力 0.1MPa(=100kPa=1bar)、相対湿度 65%の空気の状態。空気量の単位の後 に 略 号 (ANR) を つ け て 表 記 す る 。 準 拠 規 格 : ISO 8778:1990 Pneumatic fluid power-Standard reference atmosphere、JIS B 8393:2000:空気圧ー標準参考空気
1.7 補足資料
1.7.1 動特性解析法について
計算精度を向上し、多様な回路と使用条件に対応するために、空気圧機器選定プログラムは Ver.1から、動特性解析法を導入しています。この方法の概要および従来の有効断面積法との違いについて以下に説明します。
1) システムの特性
従来の有効断面積法との計算精度の違いを理解する上で、シリンダ駆動システムの2つの理論的特性(静特性と動特性)の違いを知る必要があります.
図1にシリンダピストンの速度変化を示します。
この図で静特性とは、静止状態①、安定運動状態②(速度はv0と一定)、静止状態③部分を言い、時間経過に関係無い、安定状態の特性です。また、動特性とは、図の①から②まで、②から③までの過渡状態を言い、システムが一つの安定状態から別の安定状態へ変化する過程(過渡過程)において時間経過に伴い変化する特性です。
新:全区間を算出するため高精度
(①から②への過渡状態+②安定運動状態+②から③への過渡状態)
従来:
②安定運動状態を算出*補正値
① から② への過渡状態
②安定運動状態(静)
①静止状態(静)
③静止状態(静)
ン
ト
ス
゚
ヒ
v0
速度
②から③への過渡状態
時間
2) 従来の有効断面積法
従来の有効断面積法は上述の、シリンダ単体の安定状態②の速度特性式v0=排気側合成有効断面積 S/シリンダ受圧面積 A に基づき、v0を平均速度として全ストローク時間を近似に計算し、時間係数kで計算精度を経験的に補正しています.また、チューブを等価有効断面積として求め、各機器の有効断面積を合成することも計算誤差を起こす原因となっています。
この近似計算法の有効断面積法では、CA1, CS1シリーズなどの大口径シリンダを小負荷、ロングストロークでメータアウト回路に使用するような場合、安定運動状態②の時間が長い為一定の精度が出せますが、逆に、CJ2 などの小口径シリンダを大負荷、ショートストロークでメータイン回路に使用するような場合、安定運動状態②の時間が短い為、あるいは加速の途中でエンドに当たり安定運動状態②が存在しない場合、大きな誤差が生じるため、シリンダの条件にあわせた時間係数kで計算精度を経験的に補正しています.
3) 動特性解析法
機器選定プログラムで使用している動特性解析は、図1の計算モデルに基づき、表1のようなシステム各構成機器の基本方程式を連立させて解き、有効断面積、受圧面積以外に、供給圧、配管長さ、負荷質量、摩擦力、など多くの因子の影響も考慮したので、「安定運動状態②」の速度特性だけでなく、
「①から②過渡状態」+「②から③過渡状態」の速度の時間的な変化も実際の動き通りにxxに再現できます。
さらに、機器選定プログラムでは、上記の動特性解析を行っているため、メータイン制御回路、シリンダ下向き使用、単動シリンダ使用、クイックエキゾーストバルブ使用回路、スピードコントローラの電磁弁側取り付け回路など、従来の計算方法ではできない計算が可能になっています。
以上のことから、機器選定プログラムで使用している動特性解析は、有効断面積法より計算精度が良いことが分かります。
Pa
Ps
Lp2,dp2
x,u
p
F
Lp1,dp1
Sed
M
Seu
α
(a)システムモデル
Gi-2
ui-2
Gi-1 Gi
ui-1 ui
Gi+1
ui+1
Pi-1 ρι−1 | Wi-1 θι−1 | Pi ρι | Wi θι | Pi+1 ρι+1 | Wi+1 θι+1 | |
δz |
(b)xxモデル
図1 計算モデル
表1 構成機器の基礎方程式
機器 | 基礎方程式 |
電磁弁 スピ-ドコントロ-ラ サイレンサ …… | 流 量 式 T ⎛ p / p − b ⎞ 2 G = Cp1 ρ0 0 1 − ⎜ 2 1 ⎟ p2 p1 > b T1 ⎝ 1 − b ⎠ G = Cp ρ T0 p p ≤ b 1 0 T 2 1 1 |
シリンダ | 状態方程式 dPd = 1 ⎛ PdVd dθd + Rθ G − P dVd ⎞ 放出室
⎜ d d d ⎟ dt Vd ⎜ θd dt dt ⎟ ⎝ ⎠ dPu = 1 ⎛ PuVu dθu + Rθ G − P dVu ⎞ 充填室 ⎜ ⎟ dt Vu ⎝ θu dt u u u dt ⎠ 運動方程式 dup M = Pu Su − Pd Sd + Pa (Sd − Su )− Mg sinα − cup − Fq − F dt |
xx | 連 続 式 ∂ρ + ρ ∂u + u ∂ρ = 0 ∂t ∂z ∂z 状態方程式 V dP = Rθ dw + wR dθ dt dt dt 運動方程式 ∂u + u ∂u + 1 ∂P + λ u u = 0 ∂t ∂z ρ ∂z 2d p |
1.7.2 ISO による流量特性表示法について
電磁弁などの空気圧機器の流量特性の表示と計算式が、従来のJISによる方法から、いっそう正確なISOによる方法に変わりました。空気圧機器選定プログラム Ver.2 は、この新しい方法で対応しています。以下にこの方法の概要について説明します。
1) 準拠規格
ISO 6358:1989 :Pneumatic fluid power-Components using compressible fluids- Determination of flow-rate characteristics
JIS B 8390:2000 :空気圧ー圧縮性流体用機器ー流量特性の試験方法
2) 流量特性の定義
音速コンダクタンスC と臨界圧力比b の対によって、流量特性を表示します。
音速コンダクタンス C :チョーク流れ状態の機器の通過質量流量を、上流絶対圧力と標準状態の密度の積で割った値。sonic conductance
臨界圧力比 b :この値より小さいとチョーク流れになる圧力比(下流圧力/上流圧力)。 critical pressure ratio
チョーク流れ :上流圧力が下流圧力に対して高く、機器のある部分で速度が音速に達している流れ。気体の質量流量は上流圧力に比例し、下流圧力には依存しない。 choked flow
亜音速流れ :臨界圧力比以上における流れ。subsonic flow
標準状態 :温度 20℃、絶対圧力 0.1MPa(=100kPa=1bar)、相対湿度 65%の空気の状態。空気量の単位の後に略号(ANR)をつけて表記する。 standard reference atmosphere
準拠規格:ISO 8778:1990 Pneumatic fluid power-Standard reference atmosphere、JIS B 8393:2000:空気圧ー標準参考空気
3) 流量計算式
実用単位により次のように表されます。
P2 + 0.1 ≤ b のとき、チョーク流れ
293
273 +t
P1 + 0.1
Q = 600 ×C (P1
+ 0.1)
…(1)
P2 + 0.1 > b のとき、亜音速流れ
⎡ P
2
+ 0.1
⎤2
1 − ⎢ P1 + 0.1
⎢
⎢
⎢⎣
1 −b
−b ⎥
⎥
⎥
⎥⎦
293
273 +t
P1 + 0.1
Q = 600 ×C (P1
+ 0.1)
…(2)
Q :空気流量[dm3/min(ANR)]、SI 単位の dm3(立方デシメートル)は、ℓ (リットル)で表してもよいことになっています。1dm3=1 ℓ 。
C :音速コンダクタンス[dm3/(s・bar)]
b :臨界圧力比[-] P1 :上流圧力[MPa] P2 :下流圧力[MPa] t :温度[℃]
(注)亜音速流れの式は楕円近似曲線です。
流量特性線図を図 1 に示します。詳しくは、弊社の「省エネプログラム」をご利用下さい。
0.5
b =0.1
0.6
0.2
0.3
0.4
P1
機器
C 、b
P2
Q
1
0.9
0.8
0.7
流量比
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
0.7 0.8 0.9 1
圧力比(P2+0.1)/(P1+0.1)
図1 流量特性線図
4) 試験方法
図 2 に示す試験回路に供試機器を配管接続し、上流圧力を 0.3MPa を下回らない一定値に維持しつつ、まず飽和する最大流量を測定します。次いでこの流量の 80%、60%、40%、20%点の流量と上流圧力、下流圧力を測定します。そして、この最大流量から音速コンダクタンスC を算出します。また他の各データを亜音速流れの式に代入してb を算出し、その平均値から臨界圧力比b を求めます。
<例>
C =2[dm3/(s・bar)]、b =0.3 の電磁弁でP1 =0.4[MPa]、P2 =0.3[MPa]、t =20[℃]のときの空気流量を求める。
293
273 + 20
式(1)より最大流量=600×2×(0.4+0.1)× =600[dm3/min(ANR)]
圧力比= 0.3 + 0.1 =0.8
0.4 + 0.1
図 1 より圧力比 0.8 でb =0.3 の流量比を読み取ると 0.7。
流量=最大流量×流量比=600×0.7=420[dm3/min(ANR)]となる。
温度計
差圧計
又は差圧変換器
圧力制御機器
Φd ≧3d
3 1
3d
3
流量制御弁
空気源 フィルタ
遮断弁
≧10d
3
10d 3d 10d
流量計
1
1 2
3d
2
Φd1
Φd2
圧力計又は圧力変換器
温度測定管 供試機器
上流圧力測定管 下流圧力測定管
図 2 ISO6358、JIS B 8390 の試験路
1.7.3 結露について
1) 結露現象
通常、空気圧システムの結露は、調質後の圧縮空気がアクチュエータの作動中に発生する結露(水分の凝縮)を指します。
この結露は現象的に内部結露と外部結露があります。
内部結露:空気自身の温度低下のため、空気中の水分が機器あるいは配管の内部に結露
外部結露:低温空気がそれに接触する機器を冷やし、機器の外表面に環境空気中の水分が結露
2) 結露のメカニズム
結露発生のxx的な原因は、空気の断熱変化による温度低下にあることが一般的に知られていますが、内部結露と外部結露、小さいアクチュエータの結露と大きいアクチュエータの結露など種々の形態があり、それぞれのメカニズムは異なります。
A、空気交換が不十分による結露
長い配管・小さいアクチュエータの場合は、空気交換の不十分による内部結露が起こることが多い。メカニズムは図1をご参照ください。
圧力降下
断熱膨張
霧状ミスト発生
密度の違い
シリンダ側へ移行
空気交換不十分
結露
図1 空気交換不充分による結露のメカニズム
B、機器表面の低温化による結露
大きいシリンダで大負荷を駆動する場合やメータイン路を使用する場合は、機器表面の低温化による結露が起こります。この場合、内部結露と外部結露の両方が起こります。メカニズムは図2をご参照ください。
圧力大幅降下
断熱膨張
温度顕著低下
伝熱・作動頻度
機器低温化
内部:ミスト残存 外部:大気露点以下
結露
図2 機器表面の低温化による結露のメカニズム
3) 結露の防止対策
(1)ミストが発生しないようにする
供給空気の湿度を低くしたり、圧力を低くしたり、速度制御弁の有効断面積を小さく調整したりするなどの方法はあります。しかし、既存の除湿装置の能力及び使用条件の制限のため対応しきれないケースが多い。例えば、通常の冷凍式ドライヤ又はヒートレスドライヤによる露点は-20~-50℃程度であるのに対して0.5MPaの圧縮空気を大気圧まで断熱膨張させた場合に約-90℃の温度低下があるので、結露 防止には限度があります。
(2)発生したミストが溜まらないようにする A、空気交換が不十分による結露の場合
a、配管法: シリンダと配管中の残存空気が供給される新しい空気と十分に混合し、残存空気を排出させるように、シリンダ容積に対して配管容積の割合を小さくします。実験結果により
シリンダ内空気の大気圧換算体積×0.7≧配管容積
にすれば、結露発生に至らないことが見出されています。
b、急速排気弁法:図3のように、急速排気弁をシリンダの近くに設置して、シリンダ内の空気を大気へ直接排出し、高湿度の空気がたまらないようにします。装置レイアウトの都合上どうしても配管法で対応できない場合は、この急速排気弁による結露防止路を使用することが望ましい。
電磁弁 急速排気弁 シリンダ
図3 急速排気弁による結露防止路
c、バイパス配管法:図4のように、チェック弁とバイパス管を使って、給気と排気を一方通行させることにより、空気の交換は十分に行われます。実験結果により、供給圧力が 0。7MPa 以下の場合、バイパス管の長さを配管全長の約 15%にすれば結露の防止がxxxx。
電磁弁
チェック弁
シリンダ
図4 バイパス管による結露防止路
B、機器表面の低温化による結露
空気の温度を急激に低下させないために、スピードコントローラを小さく絞ったり、作動頻度を落としたりすることが考えられます。この場合、メータイン路をなるべく避けることが望ましい。
注:空気圧機器選定プログラムでは、空気交換が不十分による結露の場合のみを対象に結露確率を予測しています。予測結果が 0%の場合、他のメカニズムに起因する結露は実際に起こる可能性があります。
1.7.4 負荷率について
機器選定プログラムでは、負荷率は従来通り、次式で定義されます。
η = 総負荷
理論出力
×100% =
重力分力+摩擦力+他の力負荷ピストン受圧面積× 供給空気圧力
×100%
従来、負荷率は、静的作業ではシリンダ出力の安全率(余裕率)として、動的作業ではピストンの速度(加速度)を決定するパラメータとして取られています。例えば、静的作業では 0.7 以下、動的
作業では水平作動の場合 1 以下、垂直作動の場合 0.5 以下、高速作動の場合負荷率をさらに下げることが推奨されていました。
機器選定プログラムでは、ピストン速度の計算、判定、シリンダサイズの変更は自動的に行われるので、ユーザは負荷率のピストン速度への影響を気にする必要がなく、負荷率をシリンダ出力の安全率(xxx)のみとみればよい。逆に、ピストン速度を速くするつもりで負荷率を過小にすると、①選定されたシリンダのサイズは大きすぎ、②ピストン速度は逆にダウンすることになる可能性があります。
よって、一般的に、“負荷率”は下表のように入力すればよい。
使用用途 | 搬送 | クランプ、圧入(プレス) |
負荷率 | 1 | シリンダ出力の余裕率(例えば 0.7 以下) |
1.7.5 空気消費量と所要空気量について
1) 空気消費量
空気消費量は、シリンダを1往復あるいは1分間作動させるときに要する空気量の標準状態換算値です。シリンダ自身の消費量およびシリンダと電磁弁を結ぶ配管の消費量を含めます。複動シリンダの場合、押出し側と引込み側との両方の消費量の和となり、単動シリンダの場合、片方の消費量のみとなります。
1往復および1分間あたりの空気消費量は、表1のように、ボイル・シャールの法則により求められます。
装置全体の総空気消費量は、動作タイムチャートに従い、全シリンダについて積算して求めます。この総空気消費量は、ランニングコストを把握するための重要な指標であるとともに、適切な余裕率を考えたうえ、空気圧縮機の選定基準となります。
『省エネプログラム』を利用すれば、シリンダだけでなく、ロータリアクチュエータ、エアチャック、エアブローなどの空気消費量も計算でき、設備ごとあるいはラインごとに総空気消費量を積算できます。また、ロッド側、ヘッド側圧力を個々に設定する2圧駆動の場合の空気消費量の計算も可能です。
【例】供給圧力 0.4MPa、温度 200C の場合、内径 20mm、ロッド径 8mm、ストローク 50mmのシリンダに電磁弁から内径 4mm のナイロンチューブを 1.5m 接続した系が毎分 30 往復作動するときの空気消費量を計算せよ。
【解】押出し時の空気消費量
Q = 3.14 ×⎛ 202 ×50 × 0.4 + 0.1 + 42 ×1500 × 0.4 ⎞×10−6 = 0.154[dm3(ANR)]
⎝
c1 4 ⎜
0.1
⎟
0.1 ⎠
引込み時の空気消費量
Q = 3.14 ×⎛ (202 −82 )×50 × 0.4 + 0.1 + 42 ×1500 × 0.4 ⎞×10−6 = 0.141[dm3(ANR)]
⎝
c1 4 ⎜
0.1
⎟
0.1 ⎠
1往復空気消費量は
c c1 c 2
X x X x X x 0.000 x 0.000 x 0.000[xx0 (ANR)]
1分間あたりの空気消費量は
n c
Q = Q × N = 0.295 ×30 = 8.85[dm3 (ANR)
min]
2) 所要空気量
所要空気量は、システムへ所定時間に上流から供給すべき空気量です。
所要空気量
dm3 (ANR)
min =
空気供給量dm3 (ANR)
所定時間min
= ×
1行程分の空気消費量[dm3 (ANR)]
60
全ストローク時間[s]
所要空気量の計算式を表1に示します。
所要空気量の用途は、該当アクチュエータシステムの上流配管系(FRL、増圧弁など)の機種サイズを選定するための流量指標値になります。所要空気量は、動作方向により異なりますので、大きい方を用います。また、複数本のシリンダがある場合、所要空気量は、1 サイクルで同時に動作するシリンダの所要空気量を加算し、1 サイクルの最大値を用います。
【例】前例で、押出しと引込みの全ストローク時間をそれそれ 1s、0.8s とする場合、所要空気量を計算せよ。
【解】押出し時の所要空気量は
Q = Qc1 × 60 = 0.154 × 60 = 9.24[dm3 (ANR)
min]
t
1
r1
1
引込み時の所要空気量は
Q = Qc 2 ×60 = 0.141 ×60 =10.58[dm 3 (ANR)
min]
t
r1
2
0.8
よって、シリンダの所要空気量は大きい方の10.58[dm3 (ANR) min] となります。
表1 空気消費量および所要空気量
複動シリンダ | 単動押出し形シリンダ | 単動引込み形シリンダ | ||
空気消費量 | 押出し時空気消費量 Qc1 [dm3 (ANR)] | ⎛ P +0.1 P ⎞ ⎜ A1 ×L× +a1 ×l1 × ⎟ ⎝ 0.1 0.1 ⎠ × 293×10−6 T | ⎛ P +0.1 P ⎞ ⎜ A1 ×L× +a1 ×l1 × ⎟ ⎝ 0.1 0.1 ⎠ × 293×10−6 T | 0 |
引込み時空気消費量 Qc2 [dm3 (ANR)] | ⎛ P +0.1 P ⎞ ⎜ A2 ×L× 0.1 +a2 ×l2 × 0.1 ⎟ ⎝ ⎠ × 293×10−6 T | 0 | ⎛ P +0.1 P ⎞ ⎜ A2 ×L× 0.1 +a2 ×l2 × 0.1 ⎟ ⎝ ⎠ × 293×10−6 T | |
1 往復空気消費量 Qc [dm3(ANR)] | Qc1 + Qc2 | |||
1 分間当り空気消費量 Qn [dm3 (ANR)] | Qc × N | |||
所要空気 量 | 押出し時所要空気量 Q [dm3 (ANR) min] r1 | Qc1 ×60 t1 | Qc1 ×60 t1 | 0 |
引込み時所要空気量 Q [dm3(ANR) min] r 2 | Qc2 ×60 t2 | 0 | Qc2 ×60 t2 | |
L | L | L | ||
A2 | ||||
A1 | A1 | A2 | ||
l2 l1 | l1 | l2 | ||
a2 a1 | a1 | a2 | ||
路および記号 | P | P | P | |
A1 :押出し側受圧面積[mm2] l1 :押出し側配管長さ[mm] N :作動頻度[往復/min] A2 :引込み側受圧面積[mm2] a1 :押出し側内断面積[mm2] t1:押出し時の全ストロ-ク時間 [s] L :シリンダストローク[mm] l2 :引込み側配管長さ[mm] t2:引込み時の全ストロ-ク時間 [s] P :供給圧[MPa] a2 :引込み側内断面積[mm2] T:温度[K] |
1.7.6 ショックアブソーバ選定について
ショックアブソーバの選定プログラムは、衝突形態および使用条件に基づき、選択されたシリーズ内から最適なサイズのショックアブソーバを選定します。このプログラムの選定フローおよび使用しています衝突形態ごとの運動エネルギー、推力エネルギー、吸収エネルギーおよび衝突物相当質量の算出式を示します。
1) 選定フロー
ショックアブソーバ選定プログラムの選定フローを図 1 に示します。
メインフロー ショックアブソーバ選定フロー
START
START
NO
Me1>Me
Yes
衝突速度 v |
条件入力 |
仮選定 |
シリーズ選択衝突形態選択
結果表示
END
衝突物相当質量 Me 算出
数値入力 |
各項目の数値を入力
ショックアブソーバ選定 |
データベースからMe1 抽出 |
END
機器決定
図 1 ショックアブソーバ選定プログラムの選定フロー
衝突形態の分類
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 |
直線衝突 | 任意 | シリンダ駆動 |
モータ駆動 | ||
斜面下降 | ||
その他推力 | ||
上昇 | シリンダ駆動 | |
モータ駆動 | ||
その他推力 | ||
水平 | シリンダ駆動 | |
モータ駆動 | ||
その他推力 | ||
下降 | シリンダ駆動 | |
モータ駆動 | ||
自由落下 | ||
その他推力 | ||
転衝突 | シリンダ駆動 | |
モータ駆動 | ||
自由落下 | ||
斜面下降 |
ショックアブソーバ選定プログラムであらかじめ用意している衝突形態を表1に示します表1 衝突形態の種類
3) 算出式
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 任意 | シリンダ駆動 | m1 | 負荷質量 | kg |
F1(=P×A) v(= m2 m1 S a μ | m2 | 他の質量(ピストン、ロッド等) | kg | ||
μ | 摩擦係数 | - | |||
v | 衝突速度 | m/s | |||
vm 2×vm) | 平均速度 | m/s | |||
F1 | 推力 | N | |||
P | 供給圧力 | MPa | |||
A | シリンダ受圧面積 | mm2 | |||
a | 取付角度 (0:水平,90:下降,-90:上昇) | ° | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・(m1+m2)・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=(F1+(m1+m2)・g・sina)・S -((m1+m2)・g・μ・cosa)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
ショックアブソーバ選定プログラムで使用しています計算式を衝突形態ごとに表 2~9 に示します。表 2 直線衝突 任意 シリンダ駆動の場合
表 3 直線衝突 任意 モ-タ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 任意 | モータ駆動 | m1 | 負荷質量 | kg |
v(=2×vm) m1 Pw S μ a | μ | 摩擦係数 | - | ||
v | 衝突速度 | m/s | |||
vm | 平均速度 | m/s | |||
Pw | 電動機出力 | W | |||
a | 取付角度 (0:水平,90:下降,-90:上昇) | ° | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=(Pw/vm+m1 ・ g・ sina)・ S-(m1 ・ g・ μ・ cosa)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 4 直線衝突 任意 斜面下降の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 | ||
直線衝突 | 任意 | 斜面下降 | m1 | 負荷質量 | kg | ||
a | m1 | v(=2×vm) h μ | S | μ | 摩擦係数 | - | |
h | 落下高さ | m | |||||
v | 衝突速度 | m/s | |||||
vm | 平均速度 | m/s | |||||
a | 取付角度(90:自由落下) | ° | |||||
N | 使用本数 | - | |||||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||||
t | 周囲温度 | ℃ | |||||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||||
計算式 | v=(2・g・h(1-μ・cosa/ sina))1/2 | ||||||
E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | ||||
E2=m1・g・sina・S-m1・g・μ・cosa・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 5 直線衝突 任意 その他推力の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 | |||
直線衝突 | 任意 | その他推力 | m1 | 負荷質量 | kg | |||
F1 | a | m1 | v(=2×vm) μ | S | μ | 摩擦係数 | - | |
v | 衝突速度 | m/s | ||||||
vm | 平均速度 | m/s | ||||||
F1 | 推力 | N | ||||||
a | 取付角度 (0:水平,90:下降,-90:上昇) | ° | ||||||
N | 使用本数 | - | ||||||
n | 使用頻度 | cycle/min | ||||||
t | 周囲温度 | ℃ | ||||||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | ||||||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | ||||||
計算式 | E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | ||||
E2=(F1+m1 ・ g・ sina)・ S-m1 ・ g・ μ・ cosa・S | E2 | 推力エネルギー | J | |||||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | |||||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 6 直線衝突 上昇 シリンダ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 上昇 | シリンダ駆動 | m1 | 負荷質量 | kg |
s m1 v F1 | m2 | 他の質量(ピストン、ロッド等) | kg | ||
vm | 平均速度 | m/s | |||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
F1 | 推力 | N | |||
P | 供給圧力 | MPa | |||
A | シリンダ受圧面積 | mm2 | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・(m1+m2)・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=(F1-(m1+m2)・g)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
衝突種類
取付
推力の種類
記号
名称
単位
直線衝突
上昇
モータ駆動
m1
vm v
負荷質量
kg
平均速度
m/s
s
衝突速度(=2*vm)
m/s
m1
Pw
E1=1/2・m1・v2 E2=(Pw/vm-m1・g)・S
計算式
E=E1+E2
Me=2・E/(v2・N)
表 7 直線衝突 上昇 モ-タ駆動の場合
Pw | 電動機出力 | W |
N | 使用本数 | - |
n | 使用頻度 | cycle/min |
v t | 周囲温度 | ℃ |
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 |
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m |
E1 | 運動エネルギー | J |
E2 | 推力エネルギー | J |
E | 吸収エネルギー | J |
Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 8 直線衝突 上昇 その他推力の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 上昇 | その他推力 | m1 | 負荷質量 | kg |
s m1 v F1 | vm | 平均速度 | m/s | ||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
F1 | 推力 | N | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2= (F1-m1・g)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 9 直線衝突 水平 シリンダ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 水平 | シリンダ駆動 | m1 | 負荷質量 | kg |
m v s F1 m1 μ | m2 | 他の質量(ピストン、ロッド等) | kg | ||
μ | 摩擦係数 | - | |||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
vm | 平均速度 | m/s | |||
F1 | 推力 | N | |||
P | 供給圧力 | MPa | |||
A | シリンダ受圧面積 | mm2 | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・(m1+m2)・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=(F1-(m1+m2)・g・μ)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 10 直線衝突 水平 モ-タ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 水平 | モ-タ駆動 | m1 | 負荷質量 | kg |
v s Pw m1 μ | μ | 摩擦係数 | - | ||
vm | 平均速度 | m/s | |||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
Pw | 電動機出力 | W | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=(Pw/vm-m1・g・μ)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 11 直線衝突 水平 その他推力の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 水平 | その他推力 | m1 | 負荷質量 | kg |
v s F1 m 1 μ | μ | 摩擦係数 | - | ||
vm | 平均速度 | m/s | |||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
F1 | 推力 | N | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=( F1-m1・g・μ)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 12 直線衝突 下降 シリンダ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 下降 | シリンダ駆動 | m1 | 負荷質量 | kg |
F1 m1 v s | m2 | 他の質量(ピストン、ロッド等) | kg | ||
vm | 平均速度 | m/s | |||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
F1 | 推力 | N | |||
P | 供給圧力 | MPa | |||
A | シリンダ受圧面積 | mm2 | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・(m1+m2)・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=(F1+(m1+m2)・g)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 13 直線衝突 下降 モ-タ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 下降 | モ-タ駆動 | m1 | 負荷質量 | kg |
Pw m1 v s | vm | 平均速度 | m/s | ||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
Pw | 電動機出力 | W | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=(Pw/vm+m1・g)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 14 直線衝突 下降 自由落下の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 下降 | 自由落下 | m1 | 負荷質量 | kg |
m1 v h s | vm | 平均速度 | m/s | ||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
h | 落下高さ | m | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | v=(2・g・h)1/2 | m/s | |||
E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | ||
E2=m1・g・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 15 直線衝突 下降 その他推力の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 |
直線衝突 | 下降 | その他推力 | m1 | 負荷質量 | kg |
F1 m1 v s | vm | 平均速度 | m/s | ||
v | 衝突速度(=2*vm) | m/s | |||
F1 | 推力 | N | |||
N | 使用本数 | - | |||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||
t | 周囲温度 | ℃ | |||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||
計算式 | E1=1/2・m1・v2 | E1 | 運動エネルギー | J | |
E2=( F1+m1・g)・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 16 転衝突 シリンダ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 | |||
転衝突 | - | シリンダ駆動 | I | 慣性モーメント(=m1*L1 | 2) | kg・m2 | ||
F1=(P×A) | L2 L1 L3 S | m1 | v | m1 | 負荷質量 | kg | ||
L1 | 負荷の | 転半径 | m | |||||
v | 衝突速度(=ω*L3) | m/s | ||||||
ωm | 平均角速度 | rad/s | ||||||
ω | 衝突角速度 | rad/s | ||||||
L2 | 推力の作用半径 | m | ||||||
F1 | 推力 | N | ||||||
P | 供給圧力 | MPa | ||||||
A | シリンダ受圧面積 | mm2 | ||||||
L3 | 転中心からの取付距離 | m | ||||||
N | 使用本数 | - | ||||||
n | 使用頻度 | cycle/min | ||||||
t | 周囲温度 | ℃ | ||||||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | ||||||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | ||||||
計算式 | E1=1/2・I・ω 2 | E1 | 運動エネルギー | J | ||||
E2=F1・L2/L3・S | E2 | 推力エネルギー | J | |||||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | |||||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 17 転衝突 モ-タ駆動の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 | ||||
転衝突 | - | モータ駆動 | I | 慣性モーメント(=m1×L1 | 2) | kg・m2 | |||
m1 | 負荷質量 | kg | |||||||
L1 | 負荷の | 転半径 | m | ||||||
T2 | v | 衝突速度(=ω*L3) | m/s | ||||||
ωm | 平均角速度 | rad/s | |||||||
Pw | |||||||||
ω | 衝突角速度 | rad/s | |||||||
L2 | |||||||||
L2 | 推力の作用半径 | m | |||||||
L1 | m1 | v | Pw | 電動機出力 | W | ||||
T2 | 電動機トルク(=Pw/v×L2) | N・m | |||||||
L3 | |||||||||
L3 | 転中心からの取付距離 | m | |||||||
S | N | 使用本数 | - | ||||||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||||||
t | 周囲温度 | ℃ | |||||||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||||||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||||||
計算式 | E1=1/2・I・ω2 | E1 | 運動エネルギー | J | |||||
E2=T2/L3・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||||||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||||||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 18 転衝突 自由落下の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 | |||
転衝突 | - | その他推力 | I | 慣性モーメント(=m1×L1 | 2) | kg・m2 | ||
m1 | 負荷質量 | kg | ||||||
L1 | 負荷の | 転半径 | m | |||||
v | 衝突速度(=ω*L3) | m/s | ||||||
ωm | 平均角速度 | rad/s | ||||||
ω | 衝突角速度 | rad/s | ||||||
L1 | m1 | v | a | 負荷の取付角度 | ° | |||
c | 取付角度 | ° | ||||||
L3 | ||||||||
L3 | 転中心からの取付距離 | m | ||||||
S | N | 使用本数 | - | |||||
cycle/mi | ||||||||
n | 使用頻度 | |||||||
n | ||||||||
t | 周囲温度 | ℃ | ||||||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | ||||||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | ||||||
計算式 | ω=(2・g・L1(cosc-cosa))1/2/L1 | |||||||
E1=1/2・I・ω2 | E1 | 運動エネルギー | J | |||||
E2=m1・g・sinc・L1/L3・S | E2 | 推力エネルギー | J | |||||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | |||||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
表 19 転衝突 斜面下降の場合
衝突種類 | 取付 | 推力の種類 | 記号 | 名称 | 単位 | ||||||
転衝突 | - | 斜面下降 | I | 慣性モーメント(=m1×L1 | 2) | kg・m2 | |||||
L3 | m1 a b | v | m1 | 負荷質量 | kg | ||||||
L1 | 負荷の | 転半径 | m | ||||||||
L1 | |||||||||||
a | 負荷の取付角度 | ° | |||||||||
L2 | b | 転面の取付角度(90:自由落下) | ° | ||||||||
v | 衝突速度(=ω*L3) | m/s | |||||||||
T2 | F | c | S | T2 | トルク(=L2* F) | N・m | |||||
L2 | 推力の作用半径 | m | |||||||||
F | 推力 | N | |||||||||
ωm | 平均角速度 | rad/s | |||||||||
ω | 衝突角速度 | rad/s | |||||||||
c | 取付角度 | ° | |||||||||
L3 | 転中心からの取付距離 | m | |||||||||
N | 使用本数 | - | |||||||||
n | 使用頻度 | cycle/min | |||||||||
t | 周囲温度 | ℃ | |||||||||
g | 重力加速度(9.8) | m/s2 | |||||||||
S | ショックアブソ-バストロ-ク | m | |||||||||
計算式 | ω=(2・g・L1・(cosc-cosa)・sinb +2・T2・(a-c)/ m1)1/2/L1 | ||||||||||
E1=1/2・I・ω2 | E1 | 運動エネルギー | J | ||||||||
E2=m1 ・ g ・ sinb ・ sinc ・ L1/L3 ・ S+T2/L3・S | E2 | 推力エネルギー | J | ||||||||
E=E1+E2 | E | 吸収エネルギー | J | ||||||||
Me=2・E/(v2・N) | Me | 衝突物相当質量 | kg |
1.7.7 モーメント計算について
ショックアブソーバの選定では、転衝突の場合、負荷の慣性モーメントを自動的に計算できるような機能として特定モーメント計算が用意されています。この機能はあらかじめ準備されている負荷形態を選択し、パラメータを入力することにより負荷の慣性モーメントを自動計算します。
負荷形態の種類および負荷形態ごとの慣性モーメントの計算式を示します。
1) 負荷形態の種類
表 1 負荷形態の種類
負荷形状 | パターン | 説明 |
細長い棒 | パターン 1 | 棒の中央を軸にして転した場合 |
パターン 2 | 棒の片端を軸にして転した場合 | |
長方形板 | パターン 1 | 辺の中央を通る軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 辺の端を通る軸を中心に転した場合 | |
パターン 3 | 重心を通り、面に垂直な軸を中心に転した場合 | |
二等辺三角形 | パターン 1 | 重心を通り、面に平行な軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 底辺と平行で、頂点を通る軸を中心に転した場合 | |
パターン 3 | 頂点と底辺の中央を通る軸を中心に転した場合 | |
パターン 4 | 重心を通り、面に垂直な軸を中心に転した場合 | |
円板 | パターン 1 | 円の中心点を通り、面に平行な軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 円の中心点を通り、面に垂直な軸を中心に転した場合 | |
円輪板 | パターン 1 | 円の中心点を通り、面に平行な軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 円の中心点を通り、面に垂直な軸を中心に転した場合 | |
扇形板 | パターン 1 | 重心を通り、面に平行な軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 中心点を通り、面に垂直な軸を中心に転した場合 | |
直六面体 | パターン 1 | 直六面体の重心と面の重心を通る軸を中心に転した場合 |
直円柱 | パターン 1 | 上底面と下底面の中心点を通る軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 重心を通り上底面、下底面に平行な軸を中心に転した場合 | |
直円錐 | パターン 1 | 重心を通り底面に平行な軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 頂点と底面の中心点を通る軸を中心に転した場合 | |
球・球面 | パターン 1 | xxな球の中心点を通る軸を中心に転した場合 |
パターン 2 | 中空な球面の中心点を通る軸を中心に転した場合 | |
球分 | パターン 1 | 中心点と重心を通る軸を中心に転した場合 |
輪環体(トーラス) | パターン 1 | 輪環の中心点を通り、環状面に垂直な軸を中心に転した場合 |
2) 慣性モーメントの計算式
負荷形状 | パターン | 説明 |
細長い棒 | パターン 1 | 棒の中央を軸にして転した場合 |
図 | 計算式 | |
L | I=m・L2/12 | |
負荷形状 | パターン | 説明 |
細長い棒 | パターン 2 | 棒の片端を軸にして転した場合 |
図 | 計算式 | |
L | I=m・L2/3 | |
負荷形状 | パターン | 説明 |
長方形板 | パターン 1 | 長辺の中央を通る軸を中心に転した場合 |
図 | 計算式 | |
h | I=m・h2/12 | |
負荷形状 | パターン | 説明 |
長方形板 | パターン 2 | 短辺の中央を通る軸を中心に転した場合 |
図 | 計算式 | |
h | I=m・h2/3 | |
負荷形状 | パターン | 説明 |
長方形板 | パターン 3 | 重心を通り、面に垂直な軸を中心に転した場合 |
図 | 計算式 | |
b h | I=m・(h2+b2)/12 |
負荷形状 | パターン | 説明 | |
二等辺三角形 | パターン 1 | 重心を通り、面に平行な軸を中心に転した場合 | |
図 | 計算式 | ||
h | I=m・h2/18 | ||
負荷形状 | パターン | 説明 | |
二等辺三角形 | パターン 2 | 底辺と平行で、頂点を通る軸を中心に転した場合 | |
図 | 計算式 | ||
h | I=m・h2/2 | ||
負荷形状 | パターン | 説明 | |
二等辺三角形 | パターン 3 | 頂点と底辺の中央を通る軸を中心に転した場合 | |
図 | 計算式 | ||
b | I=m・b2/24 | ||
負荷形状 | パターン | 説明 | |
二等辺三角形 | パターン 4 | 重心を通り、面に垂直な軸を中心に転した場合 | |
図 | 計算式 | ||
h | I=m・(4h2+3b2)/72 | ||
負荷形状 | パターン | 説明 | |
円板 | パターン 1 | 円の中心点を通り、面に平行な軸を中心に転した場合 | |
図 | 計算式 | ||
I=m・d2/16 | |||
d |
b
負荷形状直六面体
図
パターンパターン 1
説明
直六面体の重心と面の重心を通る軸を中心に転した場合
計算式
c
b I=m・(b2+c2)/12
負荷形状直円柱
図
パターンパターン 1
説明
上底面と下底面の中心点を通る軸を中心に転した場合
計算式
I=m・d2/8
d
負荷形状直円柱
図
パターンパターン 2
説明
重心を通り上底面、下底面に平行な軸を中心に転した場合
計算式
d
I=m・(d2/16+h2/12)
h
負荷形状直円錐
図
パターンパターン 1
説明
重心を通り底面に平行な軸を中心に転した場合
計算式
d
I=m・3(h2+d2)/80
h
負荷形状直円錐
図
パターンパターン 2
説明
頂点と底面の中心点を通る軸を中心に転した場合
計算式
h
I=m・3d2/40
d
負荷形状球・球面
図
パターンパターン 1
説明
xxな球の中心点を通る軸を中心に転した場合
計算式
I=m・d2/10
d
負荷形状球・球面
図
パターンパターン 2
説明
中空な球面の中心点を通る軸を中心に転した場合
計算式
I=m・d2/6
d
負荷形状球分
図
α
パターンパターン 1
説明
中心点を通り、球分の中央に垂直な軸を中心に転した場合
計算式
I=m・r2/5・(1ーcos(α/2))・(2+cos(α/2))
r
負荷形状
輪環体(トーラス)
図
パターンパターン 1
説明
輪環の中心点を通り、環状面に垂直な軸を中心に転した場合
計算式
d
I=m・(D2/4+3d2/16)
D
2. シリンダ標準 路の選定
2.1 概要
シリンダ標準路の機器選定では、下図のように、“1バルブ・1シリンダ”のシリンダ標準路を対象に、要求仕様を入力し、最適・最小サイズのシリンダ、電磁弁、速度制御弁、配管などの品番を自動的に選定します。
用途:
シリンダ標準 路の構成機器の品番を選定する場合に適用
選定結果画面から、緩衝計算、結露計算およびショックアブソーバの選定へ移行し、追加計算および選定が行えます。また、必要に応じて、システム特性計算へ移行し、機器の品番または作動条件などを変更してシステムの特性を計算することがxxxx。
入力画面:
要求条件、使用条件を入力
出力画面:
機器品番、システム特性を表示
2.2 画面説明および操作方法
2.2.1 路構成
[2]
[3
[4
① | |
② ③ |
[1]
]
]
【機 能】この画面では、シリンダ、電磁弁および駆動制御機器のタイプを選択することによって使用路の構成を行います。
[2]でシリンダの種類、[3]で駆動制御機器の種類、[4]で電磁弁の種類を選択すると、構成した路はエリア[1]に自動的に表示されます。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔図記号反転〕 | 電磁弁の記号を左右に反転します。 注:電磁弁図記号の反転は選定計算に関係がありません。 |
②〔次へ〕 | 条件入力画面に進みます。 |
③〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[1] | 選択された機器の ISO 記号を組み立てて路図を表します。 |
[2] | シリンダ分類の一覧からタイプを選択します。 |
[3] | 駆動制御機器分類の一覧からスピードコントローラ、急速排気弁の種類および配置を選択します。 |
[4] | 電磁弁分類の一覧からタイプを選択します。 |
2.2.2 条件入力
[1]
[2]
①
②
③
[3]
[4]
[5]
【機 能】この画面では、選定条件の入力を行います。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔戻る〕 | 路構成画面に戻ります。 |
②〔次へ〕 | シリンダ選定画面に進みます。 |
③〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[1] | 路構成で選択した路が表示されます |
[2] | 1) シリンダのストロークを入力します。 |
21) | 2) シリンダの動作方向を選択します。 押(左):xxxxが押出し、すなわちピストンが左へ動く。 引(右):xxxxが引込み、すなわちピストンが右へ動く。 |
) | |
3) | 3) 電磁弁を通電してからシリンダが終端停止するまでの要求時 |
4) 5) | 間を入力します。 |
4) 電磁弁への供給圧(ゲージ圧)を入力します。 | |
5)使用環境の温度を入力します。 | |
[3] | 1) シリンダー電磁弁間を結ぶ右側の配管長さを入力します。下図 |
A2 | |
1) 2) 3) 4) | 2) シリンダー電磁弁間を結ぶ左側の配管長さを入力します。下図 A1 |
3) 右側スピ-ドコントロ-ラの取付位置を選択します。中間配置の場合、 シリンダからの配管長さを入力します。下図 B2 | |
4) 左側スピ-ドコントロ-ラの取付位置を選択します。中間配置の場合、 | |
シリンダからの配管長さを入力します。下図 B1 | |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[4] | 1) シリンダの使用用途を搬送・クランプ・圧入(下図)から選択し、シリンダの負荷率を入力します。負荷率についてこのヘルプの「補足資料」における“負荷率について”をご参考ください。 |
1) | |
2) | |
3) | |
4) | |
5) | |
2) シリンダの負荷の質量を入力します。 注:シリンダピストン移動部の質量は自動的に付加して計算されます。 | |
3) 使用用途が搬送の場合、抵抗力の入力は不要です。 | |
使用用途がクランプの場合、クランプ力を入力します。クランプ力はストロ | |
-ク終端で働く力とするので、シリンダ内径の選定に影響するが、全スト | |
ロ-ク時間に影響しません。 | |
使用用途が圧入の場合、抵抗力を入力します。抵抗力は全ストロ- | |
クにわたって働く力とするので、シリンダ内径の選定および全ストロ-ク時 | |
間に影響します。 | |
4) シリンダの設置角度(-900~900)を入力します。 | |
5) シリンダ負荷のガイド方式(下図)を選択し、負荷の摩擦係数を入力します。 注:シリンダ自身の摩擦力は別途で考慮されています。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[5] | このエリアで選定方式を選択します。 機器の最適サイズを優先:機器の間で直接に接続できるかどうかを考慮せず、要求ストローク時間を満足する最適(最小)サイズの機器を優先して選定します。 機器の接続サイズを優先:機器の間で直接に接続できることを優先して考慮し、要求ストローク時間を満足する機器を選定します。 |
2.2.3 シリンダ選定
1]
[3]
[4]
[2]
[5]
①
②
③
[
【機 能】この画面では、使用するシリンダのシリーズまたは品番を指定します。また、一般シリンダの場合、座xxx荷重を計算するために、取付支持形式および負荷接続形式を指定します。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔戻る〕 | 条件入力画面に戻ります。 |
②〔次へ〕 | 電磁弁選定画面に進みます。 |
③〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
【項目説明】
項目 | 説明 | ||
[1] | 選択されたxxxxの主要仕様が表示されます | ||
[2] | 選択されたシリンダの外観写真が表示されます | ||
[3] | 1) | 使用するシリンダのシリーズ、緩衝タイプおよびネジの接続タイプを選択します。 | |
(1) 使用するシリンダのシリーズを選択します。 | |||
(2) 選択されたシリーズが持っている緩衝タイプを選択します。 | |||
(3) 選択されたシリーズが持っている接続タイプを選択します。 | |||
シリーズによって、以下のネジタイプが選択可能です。 | |||
C:ワンタッチ継手 | |||
M:M ねじ | |||
Rc:R ねじ | |||
G:G ねじ | |||
NFP:NFP ねじ | |||
NFPT:NFPT ねじ | |||
2) | 3) | ||
[4] | シリンダの品番を直接に指定するか、あるいは自動的に選定させるかを選択します。 指定:シリンダの内径はユーザから指定されます。指定されたシ リンダは全ストロ-ク時間、座屈、横荷重などの条件を満足しない場合は再指定が要求されます。これはxxxxが既に決まり、他の機器を選定するときに使います。 自動選定:シリンダの内径はプログラムによって自動的に選定さ れます。 | ||
[5] | 選定条件でシリンダ品番を“自動選定”とした場合、このエリアではシリンダの取付支持形式と負荷接続形式を選択します。 選定条件でシリンダ品番を“指定”とした場合、このエリアではxxxxの品番を直接指定します。 |
2.2.4 電磁弁選定
[1]
[3]
[2]
①
②
③
【機 能】この画面では、電磁弁の選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔戻る〕 | シリンダ選定画面に戻ります。 |
②〔次へ〕 | 配管選定画面に進みます。 |
③〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
【項目説明】
項目 | 説明 | ||
[1] | 選択した電磁弁の仕様が表示されます | ||
[2] | 選択した電磁弁の写真が表示されます | ||
[3] | 1) | 使用する電磁弁のシリーズおよびネジの接続タイプを選択します。 1) 使用する電磁弁のシリーズを選択します。 | |
2) 選択された電磁弁の A、B ポートのネジ接続タイプを選択し | |||
ます。 | |||
3) 選択された電磁弁のEA、EB ポートのネジ接続タイプを選択 | |||
します。 | |||
シリーズによって、以下のネジタイプが選択可能です。 | |||
C:ワンタッチ継手 | |||
M:M ねじ | |||
Rc:R ねじ | |||
G:G ねじ | |||
NFP:NFP ねじ | |||
NFPT:NFPT ねじ | |||
2) | 3) |
2.2.5 配管選定
①
②
③
[3]
[1]
[2]
【機 能】この画面では、配管の選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔戻る〕 | 電磁弁選定画面に戻ります。 |
②〔次へ〕 | 最適化演算を行い、結果表示画面へ進みます。 |
③〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[1] | 選択した配管の仕様が表示されます |
[2] | 選択した配管の写真が表示されます |
[3] | 使用する配管のシリーズを選択します。 |
2.2.6 結果表示
①
[2]
[1]
[4]
② | ③ | ④ |
⑤ Ⓒ ➃ | ⑥ ⑩ |
[3]
【機 能】この画面では、選定結果の表示、緩衝計算、結露計算などの追加計算を行います。
エリア[1]と[3]では選定結果とシステムの特性が表示されます。エリア[2]と[4]では対応する路図と入力値が表示されます。①を押せばスピードコントローラとサイレンサの品番が変更できます。③④を押せばそれぞれ緩衝計算と結露計算を行います。⑥を押せば機器選定を中止し、メイン画面に戻ります。
【ボタン説明】
①〔品番変更〕 | サイレンサ、駆動制御機器の品番を変更できます。 |
②〔機器選定〕 | 機器選定の結果を表示します。 |
③〔緩衝計算〕 | シリンダの緩衝能力を計算します。 |
④〔結露計算〕 | システムの結露確率を予測します。 |
⑤〔戻る〕 | 条件入力画面に戻ります。 |
⑥〔キャンセル〕 | シリンダ路の機器選定を中止し、メニュー画面に戻ります。 |
Ⓒ〔印刷〕 | 選定結果を印刷します。 |
〔保存〕 | 選定結果を保存します。 |
➃〔ショックアブソ-バ選定へ〕 | 衝突条件を保持してショックアブソーバの選定へ進みます。 |
⑩〔特性計算へ〕 | 選定結果を保持して特性計算へ進みます。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[1] システム特性 | 1)ピストンの速度、加速度の時間的な変化が表示されます。 |
2)シリンダ給排気側の圧力およびピストンの変位の時間的な変 | |
1) | 化が表示されます。 |
3) 電磁弁を通電してからシリンダのピストン(ロッド)がストロ | |
ーク終端に到達するまでの時間。 | |
4)電磁弁を通電してからシリンダのピストン(ロッド)が動き始 | |
めるまでの時間。 | |
2) | 5)電磁弁を通電してからシリンダ出力が理論出力の 90%に到 |
達するまでの時間。 | |
6)「全ストローク時間」でストロークを割った値。シーケンス | |
ダイヤグラムにおいて「全ストローク時間」の代用表現として用 | |
3) 4) 5) | います。 7)ストローク中に発生するピストン速度の最大値。 |
6) 7) 8) 9) | 8)シリンダのピストン(ロッド)が、ストローク終端に到達するときのピストン速度。調整式クッションをもつシリンダの場合は、クッション入口におけるピストン速度をいいます。クッショ |
10) | ン能力の判定および緩衝機構の選定に用います。 |
11) 12) | 9)ストローク中に発生する加速度の最大値。 |
10)シリンダ内の空気圧力の最高値。 | |
11)シリンダを 1 往復作動させるときに要する空気量の標準状 | |
態への換算値。 | |
12)システムへ所定時間に上流から供給すべき空気量。 | |
[3] | 機器選定結果が表示されます。 |
[4] | 条件入力画面で選択した条件・入力した数値が表示されます。 |
[2]
[1]
2.2.7 緩衝計算
① | ||
【機 能】この画面では、緩衝計算を行います。エリア[2]でシリンダの緩衝形式を選択し、①を押すと計算結果はエリア[1]に表示されます。
2.2.8 結露計算
[2]
①
[1]
【機 能】この画面では、結露計算を行います。エリア[2]で供給空気の湿度を入力し、①を押すと計算結果はエリア[1]に表示されます。
2.3 ご使用上の注意
全 般 | 対象路 | ⚫ 電磁弁からシリンダまでの“1バルブ・1シリンダ”系の全ストロ-ク駆動を対象とします。 ⚫ 電磁弁の上流の配管および機器の選定は対象外とします。十分な供給能力を前提としています。 ⚫ マニホ-ルド使用の場合、複数電磁弁が同時動作する時の相互干渉は考慮していませ ん。 |
対象機種 | ⚫ 駆動制御機器、サイレンサ、管継手はよく使われるもので代表します。すべての 登録機種は特性計算機能で対応します。 | |
選定結果 | ⚫ 全ての構成機器は使用温度範囲と使用圧力範囲に入るようにチェックされています。 ⚫ 全ての構成機器のサイズは、全ストローク時間が要求値より短くかつ最も近いように最適化されています。 ⚫ 選定結果はフル品番でなく、サイズに関係する項目のみが表示されます。 ⚫ 該当機器が複数ある場合、代表的なものを一つ表示します。 ⚫ ショックアブソーバ使用の場合、ショックアブソーバの抵抗による遅れは考慮されていません。 | |
安全率 | ⚫ ★安全余裕率は考慮していません。 | |
ニ-ドル状態 | ⚫ ★エアクッションシリンダの場合は、ニードル全開状態で考慮されています。 | |
結露 | ⚫ ★空気交換が不十分による結露の場合のみを対象に結露確率を予測しています。 予測結果が 0%の場合、他のメカニズムに起因する結露が発生することがあります。 | |
シリンダ | 全般 | ⚫ 使用速度範囲に入るようにチェックされています。 ⚫ 最大製作可能ストローク以下になるようにチェックされています。最大製作可能ストロークをご利用の場合、弊社営業担当と相談してください。 |
一般シリンダ | ⚫ ★シリンダの内径、座屈および横荷重などの計算・判定を行っています。 | |
ガイド付 シリンダ | ⚫ ★ガイド付きシリンダまたはロッドレスシリンダの内径、モーメントなどの計 算・判定は行いません。“Pnumatic CAD System”を使って対応してください。 | |
使用用途 と負荷率 | ⚫ ★負荷率のデフォルト値は使用用途によりそれぞれ搬送 0.7、クランプ 0.5、圧 入 0.5 と設定されていますが、手入力での変更が可能です。 | |
摩擦係数 | ⚫ ★摩擦係数のデフォルト値はガイド種類によりそれぞれガイド不使用 0、転がり 摩擦 0.1、すべり摩擦 0.3 と設定されていますが、手入力での変更が可能です。 | |
電磁弁 | マニホ-ルド | ⚫ マニホールドの型式の指定は行いません。同一サイズ電磁弁に複数のマニホール ド型式がある場合、その中の一つで代表します。 |
3ポ-ト弁 | ⚫ VP、VEX などの3ポートが選ばれたとき、複動シリンダの場合は、ヘッド側、ロ ッド側に同一のバルブを使用することが必要です。 | |
駆動制御機器 | スピ-ドコント ロ-ラ | ⚫ 該当機器が複数ある場合、代表的なものを一つ表示します。 ⚫ スピ-ドコントロ-ラの配置は、“シリンダ直結”、“中間”および“電磁弁直結”の三つの場合を指定することができます。 |
急速排 気弁 | ⚫ 機器選定では、AQ で代表します。ASV は特性計算機能で対応します。 ⚫ 急速排気弁の配置は、“シリンダ直結”の場合のみを対応します。 | |
サイレンサ | ⚫ 機器選定では、AN、ANA1、ANB1 で代表します。AMC、ASN は特性計算 機能で対応します。 |
3. ロータリアクチュエータ選定
3.1 概要
ロータリアクチュエータの選定では、下図のように、検討する製品シリーズを選択可能です。
次に、条件入力で負荷種類、使用条件、負荷条件などを入力します。 最後に、条件入力より求めた選定基準を基に、荷重、運動エネルギー、揺動時間、トルク等の判定を行い、ロータリアクチュエータの使用可否を総合判定として一覧表示します。
形状入力画面
条件入力画面
慣性モーメント計算画面
選定結果画面
慣性モーメント計算機能も備えていますので、様々な負荷形状に対応できます。タイプ選択画面
3.2 画面説明および操作方法
3.2.1 タイプ選択
[1]
[2]
(1)
(2)
[3]
【機 能】 この画面では、選定対象とするロータリアクチュエータのタイプを選択します。全製品の検討も可能です。
【使い方】 エリア[3]で選定対象を駆動方式、テーブルタイプ、シリーズより選択します。選定対象のロータリアクチュエータの情報は、エリア[1]および[2]に表示されます。ボタン(1)をクリックすると条件入力画面へ進みます。
【ボタン説明】
No. | ボタン名又はアイコン | 説明 |
(1) | [次へ] | 条件入力画面へ進みます。 |
(2) | [キャンセル] | メイン画面へ戻ります。 |
3.2.2 条件入力
[1]
[
(4)
[2]
(1)
(2)
(3)
3]
【機 能】 この画面では、使用条件を入力します。
【使い方】 エリア[1]および[2]に負荷種類および取付状態が表示されます。エリア[3]に負荷種類、使用条件および負荷条件等を入力します。
慣性モーメントについては、直接値の入力がxxxxが、ボタン(4)で慣性モーメント計算結果画面へ進みます。
ボタン(2)をクリックするとこの入力条件を基に選定が行われます。
【ボタン説明】
No. | ボタン名又はアイコン | 説明 |
(1) | [戻る] | タイプ選択画面へ戻ります。 |
(2) | [次へ] | 選定結果画面へ進みます。 |
(3) | [キャンセル] | メイン画面へ戻ります。 |
(4) | [計算>>] | 慣性モーメント計算画面へ進みます。 |
3.2.3 選定結果
(4)
[3]
4]
(5)
(6) (7)
(8)
(3)
(2)
(1)
[1]
[2]
[
【機 能】 この画面では、結果の表示と印刷、保存を行います。
【使い方】 エリア[1]に入力条件および判定基準が表示されます。必要トルク及び運動エネルギーについては、標準タイプの計算結果を表示します。それ以外については、ボタン(2)、(3)にて、値を確認願います。軸荷重 Fsa, Fsb, Fr, M の説明を、図 1 に示します。
エリア[2]に選定結果が表示されます。
エリア[3]で外部軸受の使用有無を選択できます。外部軸受を使用する場合には、有を選択願います。総合判定結果において軸荷重許容範囲外『○L』判定を表示しません。エリア[4]には、入力した負荷条件で製品が破損しない揺動時間が表示されます。製品個別仕様における揺動時間調整範囲の低速限界値より低速の場合には『ー』表示され、高速限界値より高速の場合には各製品における調整可能な時間を表示します。
※CRA シリーズ・ハイドロ仕様につきましては、算出しません。
【ボタン説明】
No. | ボタン名又はアイコン | 説明 |
(1) | [シリーズ説明] | シリーズの説明が表示されます。 |
(2) | [] | タイプ別の必要トルク(運動エネルギー)計算結果を別 表で表示します。 |
(3) | [] | タイプ別の運動エネルギー計算結果を別表で表示します |
(4) | [判定説明] | 判定説明が表示されます。 |
(5) | [印刷] | 入力条件および選定結果を印刷します。 |
(6) | [保存] | 入力条件および選定結果を保存します。 |
(7) | [戻る] | 条件入力画面へ戻ります。 |
(8) | [キャンセル] | メイン画面に戻ります。 |
(1)軸タイプ (2)テーブルタイプ
図 1 軸荷重
3.2.4 慣性モーメント計算結果
1]
[
[2]
[3]
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(1) (2) (3) (4)
[
4]
【機 能】 この画面では、慣性モーメントの加減算と印刷および保存を行います。
【使い方】 ボタン(4)をクリックし、形状入力画面で負荷仕様を入力します。
入力結果がエリア[2]に表示されます。複雑な形状の場合には、分割して形状を入力してください。エリア[1]は、[2]で選択した形状の図が表示されます。
エリア[3]に慣性モーメントと質量の合計値が表示されます。エリア[4]で、行の追加、登録、削除、コピーを行います。
【ボタン説明】
No. | ボタン名又はアイコン | 説明 |
(1) | [コピー] | 選択した行をコピーします。 |
(2) | [削除] | 選択した行を削除します。削除前に確認画面が表示され |
ます。 | ||
(3) | [編集] | 選択した行を再編集します。形状入力画面へ進みます。 |
(4) | [新規] | 新規に形状を追加します。形状入力画面へ進みます。 |
(5) | [印刷] | 計算結果を印刷します。 |
(6) | [保存] | 計算結果を保存します。 |
(7) | [履歴] | 保存した計算結果を読み込み、表示します。 |
(8) | [キャンセル] | 計算結果を破棄して、条件入力画面に戻ります。 |
(9) | [OK] | 計算結果を条件入力画面に反映させ、条件入力画面に戻 |
ります。 |
3.2.5 形状入力
(1)
(2)
(3)
[2]
[3]
[1]
[4]
[5]
【機 能】 この画面では、形状を入力し、慣性モ-メントと質量を計算します。
【使い方】 エリア[1]は、[3]で選択した形状の図が表示されます。
エリア[2]で、計算した慣性モ-メントと質量を計算結果画面で加算するか減算するか選択します。複雑な負荷形状の場合、部分的に分割し、それぞれの慣性モ-メントを加算すると、全体の慣性モ-メントを求めることができます。穴や肉抜きがある場合には、その形状分の慣性モ-メ ントを減算します。
エリア[3]で、形状を選択します。転軸と負荷重心が一致するときには、転軸間距離 lに 0 を入力します。
エリア[4]で、[3]で選択した形状の寸法および質量を入力します。エリア[5]に計算された慣性モ-メントと質量が表示されます。
条件入力後、(3)OK ボタンで慣性モ-メント計算結果画面へ戻ります。
【ボタン説明】
No. | ボタン名又はアイコン | 説明 |
(1) | [計算] | 入力した条件を基に慣性モ-メントと質量を計算します。 |
(2) | [キャンセル] | 結果を破棄して、計算結果画面に戻ります。 |
(3) | [OK] | 結果を計算結果画面の表に追加し、計算結果画面に戻り |
ます。 |
3.3 計算例
3.3.1 ロータリアクチュエータ選定例
選定例
選定条件
シリーズ:ロータリテーブル(基本)MSQB揺動角度:180°
揺動時間:1.5s
供給圧力:0.3MPa
取付角度:90° 1
外部停止機構:なし摩擦力:なし
転中心-負荷重心位置:一致しない
1) ロータリアクチュエータタイプ選択画面で、選定対象で[タイプ選択]を選び、駆動方式で[ラックピニオンタイプ]、テーブルタイプで[テーブル付]、シリーズ選択で[MSQB]を選択します。[次へ]ボタンをクリックします。
2) 負荷種類で[慣性負荷・抵抗負荷]を選択し、使用条件の揺動角度に「180」、揺動時間に「1.5」、
供給圧力に「0.3」、取付角度 A に「90」、外部停止機構を[なし]を選択、摩擦力を[なし]を選択しま 1す。負荷条件の慣性モーメント I で[計算>>]ボタンをクリックします。
3)慣性モーメント計算画面が開きます。[新規]ボタンをクリックします。
4)Load 1 の形状を入力します。加減算を[+]、形状を[(3)薄い長方形(直方体を含む)]を選択し、転軸間距離 L に「50」、長さ a に「150」、長さ b に「50」、質量 m1 に「0.4」を入力し、[計算]ボタンをクリックします。[OK]ボタンをクリックします。
5) 結果表示画面の表に Load 1 の計算結果が表示されます。[新規]ボタンをクリックします。
6) Load 2 の形状を入力します。加減算を[+]、形状を[(4)円板(円柱を含む)]を選択し、転軸間距離 L に「100」、直径 d1 に「50」、質量 m1 に「0.2」を入力し、[計算]ボタンをクリックします。 [OK]ボタンをクリックします。
7) 結果表示画面の表に Load 2 の計算結果が追加されます。負荷の合計の慣性モーメントは、 0.0039kg・m2 と、質量が 0.6kg になりました。[OK]ボタンをクリックし、条件入力画面へ戻ります。
8)慣性モーメントの計算結果が、慣性モーメントI に「0.0039」、負荷質量 M に「0.6」の値が入力されています。転中心―負荷重心位置を「一致しない」を選定します。重力作用条件の転中心―負荷重心距離 La に「81」を入力します。La は、慣性モーメント I と負荷質量M より、La=√(I/M)から求めます。[次へ]ボタンをクリックします。
9) 選定結果が表示されます。MSQB30A 以上のサイズが選定されました。
3.3.2 慣性モーメント計算例
1.転軸が負荷の任意の点にある場合
計算例: 長さ a=200mm、長さ b=100mm、質量 m1=1.5kg、転軸重心距離 L=50mm
1) (3)薄い長方形板(直方体)
2)計算結果
OK ボタンをクリックすると、条件入力画面に戻ります。
2.複数の負荷に分割される場合
計算例: Load 1:半径r1=100mm、直径 d1=2xr1=200mm、質量m1=2.5kg、
Load 2:半径 r2=20mm、直径 d2=2xr2=40mm、質量 m2=0.5kg、 転軸重心距離L=80mm 1)Load 1 (4)円板(円柱を含む)
2) Load 2 (4)円板(円柱を含む)
3)計算結果
OK ボタンをクリックすると、条件入力画面に戻ります。
3.転軸にレバーが付き、レバーの先端にシリンダとチャックが取り付けられている場合
計算例: Lever:長さ L=200mmm、質量m1=0.5kg、転軸重心距離 1/2L=100mm Cylinder:直径φD=60mm、質量m2=0.4kg、転軸重心距離 L=200mm
Gripper:長さ a=60mm、長さ b=30mm、質量 m3=0.2kg、転軸重心距離 L=200mmのとき、
1) Lever (1)細い棒
2) Cylinder (4)円板(円柱を含む)
3) Gripper (3)薄い長方形板(直方体)
4)計算結果
OK ボタンをクリックすると、条件入力画面に戻ります。
4.歯車を介して負荷を揺動させる場合
計算例: Gear 1:直径 d1=100mm、質量 m1=1kg、歯数比(A/B)=2 Gear 2:直径 d2=50mm、質量 m2=0.4kg
Gripper:長さ a=40mm、長さ b=20mm、質量 m4=0.2kg、 Cylinder:直径D=40mm、質量 m3=0.5kg のとき
はじめに、Shaft B の転軸の慣性モーメントを求め、その後に全体の慣性モーメントを求めます。
1)Shaft B の転軸の慣性モーメントを求めます。
1-1) Gripper (3)薄い長方形板(直方体)
1-2) Cylinder (4)円板(円柱を含む)
1-3) Gear 2 (4)円板(円柱を含む)
1-4)計算結果
Shaft B の慣性モーメントの計算結果は、Shaft A の慣性モーメントで使用しますので、値を記録してください。
計算結果をすべて削除してください。
2) Shaft A の転軸の慣性モーメントを求めます。 2-1) Gear 1 (9)歯車伝達
Shaft B の慣性モーメントを歯車 2 慣性モーメント Ib に入力します。
2-2)計算結果
OK ボタンをクリックすると、条件入力画面に戻ります。
Shaft A に歯車以外のワークが取り付く場合には、2-2)の画面に負荷条件を追加して、選定ください。
5.L 字の負荷の場合
計算例: 長さ a=200mm、長さ b=100mm、長さ c=180mm、長さ d=80mm、厚さ h=20mm、 転軸重心距離 L1=98.5mm(直方体I)、L2=111.8mm(直方体Ⅱ)、材質 アルミ 2.80g/cm3
直方体 I の慣性モーメントを求め、直方体Ⅱの慣性モーメントを差引いて求めます。
Ⅰ - Ⅱ = Ⅰ-Ⅱ
1) 直方体Ⅰの慣性モーメントを求めます。 1-1) (3)薄い長方形板(直方体)
1-2) 計算結果
2) 直方体Ⅱの慣性モーメントを求めます。
ここで、慣性モーメントを差し引くため、慣性モーメントの合成で-(肉抜き、穴等)を選択します。 2-1) (3)薄い長方形板(直方体)
2-2) 計算結果
OK ボタンをクリックすると、条件入力画面に戻ります。
6.穴がある負荷の場合
計算例: 直径 d1=200mm、直径 d2=150mm、穴の直径 d3=50mm、厚さ h=20mm、転軸重心距離 L1=75mm(穴)、材質 SUS 7.90g/cm3
円板 I の慣性モーメントを求め、円板Ⅱの慣性モーメントを差引いて求めます。
1) 円板Ⅰの慣性モーメントを求めます。 1-1) (4)円板(円板を含む)
1-2) 計算結果
2) 円板Ⅱの慣性モーメントを求めます。
ここで、慣性モーメントを差し引くため、慣性モーメントの合成で-(肉抜き、穴等)を選択します。 2-1) (4)円板(円板を含む)
2-2) 計算結果
穴が、4 箇所あるので、No.2 を 3 個、コピーをします。
OK ボタンをクリックすると、条件入力画面に戻ります。
3.4 補足
3.4.1 慣性モーメント計算式
ロータリアクチュエータ選定の慣性モーメント計算で選択できる形状の計算式を表に示す。
表 1 慣性モーメントの計算式
(7)円筒 | I | 慣性出モ力ーメ項ント目 | kg・m2 | ⎛ 3d 2 + 4a2 ⎞ I = ⎜ m 1 +計m算l 2式⎟ ×10−6 1 1 ⎝ 48 ⎠ | l | 転軸xxx距項離目 | mm | |
形状 | ||||||||
変数 | 名称 | 単位 | d変1 数 | 直径 | 名称 | m単m位 | ||
(0)質点 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | I = m l 2 ×10−6 1 | ld2 | 直径転軸間距離 | mm | |
m | 質量 | kg | m = m1 = π (d 2 − d 2 )aρ×10 −6 m = m1 1 2 | am1 | 質長量さ | mkgm | ||
(1)細い棒 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | ⎛ a2 4 ⎞ I = ⎜ m + m l 2 ⎟×10−6 1 1 ただ⎝し、12d > d ⎠ 1 2 | lm1 | 質転量軸間距離 | mkgm | |
ρd1 | 密直度径 | gm/mcm3 | ||||||
(9)歯車伝達 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | Ib 選択時 | da1 | 長歯車さ 1 直径 | mm | |
m | 質量 | kg | d 2 π 2 ⎛ A ⎞2 − mI ==mm 1= 1 1 8 4 1 ⎝ B ⎠ b | dm21 | 歯質量車 2 直径 | mkgm | ||
ρA | 密歯度車 1 歯数 | mg/mcm3 | ||||||
(2)薄い長方形板 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | 質量⎛ 選択a2 時 ⎞ I = ⎜ m + m l 2 ⎟×10−6 1 1 ⎝⎧⎪ 12d 2 ⎛ ⎠A ⎞2 d 2 ⎫⎪ I = ⎨m 1 +⎜ ⎟ m 2 ⎬×10−6 ⎪⎩ 1 8 ⎝ B ⎠ 2 8 ⎪⎭ | lB | 歯転車軸2間歯距数離 | mm | |
am1 | 長歯さ車 1 質量 | kmgm | ||||||
bm2 | 長歯さ車 2 質量 | kmgm | ||||||
m | 質量 | kg | mm == mm11 = abhρ ×10 −6 | hIb | 厚歯さ車 2 慣性モーメント | kmgm・m2 | ||
m1 | 質量 | kg | ||||||
ρ | 密度 | g/cm3 | ||||||
(3)薄い長方形板 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | ⎛ a2 + b2 ⎞ I = ⎜ m + m l 2 ⎟×10−6 1 1 ⎝ 12 ⎠ | l | 転軸間距離 | mm | |
(直方体を含む) | a | 長さ | mm | |||||
b | 長さ | mm | ||||||
m | 質量 | kg | m = m = abhρ×10−6 1 | h | 厚さ | mm | ||
m1 | 質量 | kg | ||||||
ρ | 密度 | g/cm3 | ||||||
(4)円板 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | ⎛ d 2 ⎞ I = ⎜ m 1 + m l 2 ⎟×10−6 1 1 ⎝ 8 ⎠ | l | 転軸間距離 | mm | |
(円柱を含む) | d1 | 直径 | mm | |||||
h | 厚さ | mm | ||||||
m | 質量 | kg | m = m = π d 2 hρ ×10−6 1 4 1 | m1 | 質量 | kg | ||
ρ | 密度 | g/cm3 | ||||||
(5)充実した球 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | ⎛ d 2 ⎞ I = ⎜ m 1 + m l 2 ⎟ ×10−6 ⎜ 1 10 1 ⎟ ⎝ ⎠ | l | 転軸間距離 | mm | |
d1 | 直径 | mm | ||||||
m1 | 質量 | kg | ||||||
m | 質量 | kg | m = m = π d 3ρ ×10−9 1 6 1 | ρ | 密度 | g/cm3 | ||
(6)薄い円板 | I | 慣性モーメント | kg・m2 | ⎛ d 2 ⎞ I = ⎜ m 1 + m l 2 ⎟×10−6 1 1 ⎝ 16 ⎠ | l | 転軸間距離 | mm | |
d1 | 直径 | mm | ||||||
h | 厚さ | mm | ||||||
m | 質量 | kg | m = m = π d 2 hρ ×10−6 | m1 | 質量 | kg | ||
ρ | 密度 | g/cm3 | ||||||
1 4 1 |
4. ショックアブソーバの選定
4.1 概要
ショックアブソーバの選定では、下図のように、シリーズ名、衝突条件、使用条件などを入力し、吸収エネルギーを満たすショックアブソーバの品番をシリーズ内から自動的に選定し、複数の候補機器をサイズ順で表示します。
負荷の衝突形態は、水平、上昇、下降、任意の角度の直線衝突および転衝突の動作形態やシリンダ駆動およびモータ駆動などのさまざまな外部推力形態を組み合わせた多様なケースに対応します。転衝突の場合に、特定の負荷形態に対し、質量および寸法などを入力しますと、慣性モーメント計算が行えます。
用途:
ショックアブソーバの品番を選定する場合に適用。
入力部:
衝突条件、使用条件を入力。
出力部:
ショックアブソーバの品番を表示。
4.2 画面説明および操作方法
4.2.1 選定画面
[5] [1]
[7]
[8]
[9]
[1]
[6]
[2]
① ② ③ ④ | |||
[3]
[4]
【機 能】この画面では、選定条件の入力、選定結果の表示、印刷を行います。
エリア[1] [2] [3] [4]でそれぞれショックアブソーバのシリーズ、衝突形態、シリンダ品番、衝突条件および使用条件を入力し、③を押せば、計算結果と選定結果がエリア[8] [9]に表示されます。エリア[5] [6] [7]に衝突イメージ、製品概観写真および主要仕様が表示されます。
選定フローおよび各衝突形態の計算式は補足資料の「ショックアブソーバ選定について」を参考されたい。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔保存〕 | 選定結果を保存します。 |
②〔印刷〕 | 選定結果を印刷します。 |
③〔選定開始〕 | 吸収エネルギーを満たすショックアブソーバの品番を選定します。 |
④〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
4.2.2 モーメント計算画面
①
②
③
[2]
[1]
[3]
[4]
【機 能】この画面では、転衝突の場合に特定負荷の慣性モーメント計算を行います。
エリア[1] [2]でそれぞれ負荷の形状および転軸を選択し、エリア[3]で負荷の質量と寸法を入力し、①を押せば、計算結果がエリア[4]に表示されます。
慣性モーメントの計算式は補足資料の「特定モーメントの計算について」を参考されたい。
4.3 ご使用上の注意
シリーズ | 全般 | ●最適なサイズの選定は選択されたシリーズ内から行います。 |
オプション | ●キャップ付およびダンパ付を選択した場合、シリーズ内のキャッ プ付およびダンパ付の機器から選定します。 | |
シリンダ選定 | シリンダ種類 | ●シリンダ種類で一般 単動を選択した場合、ばね力は推力計算に 使用しています。 |
動作方向 | ●一般 複動 片ロッド、一般 単動、ガイド付では同じ供給圧力 でも動作方向により推力が異なります。 | |
入力項目 | 使用頻度 | ● 吸収エネルギーの大きさによる使用頻度の増加は考慮していま せん。最大吸収エネルギー時の使用頻度を使用しています。 |
リンク | 全般 | ●ショックアブソーバの選定はシリンダ駆動システムの選定とリンクしており、シリンダ駆動システムの機器選定結果あるいは特性計 算結果に基づき、ショックアブソーバを選定できます。 |
選定 | 全般 | ●選定結果はショックアブソーバの全ストロークを使用した場合です。ストッパなどによりストローク途中で停止する場合にはショックアブソーバのエネルギー吸収能力を十分に発揮できませんので選定できません。 ●ショックアブソーバの軸心と負荷の衝突面の許容偏角度は考慮していません。詳細は当社カタログをご参照ください。 ●転衝突の場合、負荷が衝突してからショックアブソーバのストローク終端までの許容揺動角度は考慮していません。詳細は当社カ タログをご参照ください。 |
5. シリンダ標準 路の特性計算
5.1 概要
シリンダ標準路の特性計算では、下図のように、“1バルブ・1シリンダ”のシリンダ標準路を対象に、使用路、機器品番および動作条件を入力し、圧力、変位、速度、加速度の動特性および空気消費量などの特性値を計算・表示します。
用途:
シリンダ標準 路の特性を計算する場合に適用
計算結果画面から、緩衝計算、結露計算およびショックアブソーバの選定へ移行し、追加計算および選定が行えます。
入力画面:
機器品番、使用条件を入力
出力画面:
システム特性を表示
5.2 画面説明および操作方法
5.2.1 路構成
②
③
①
[2]
[1]
[3]
[4]
【機 能】この画面では、シリンダ、電磁弁および駆動制御機器のタイプを選択することによって使用路の構成を行います。
[2]でシリンダの種類、[3]で駆動制御機器の種類、[4]で電磁弁の種類を選択すると、構成した路はエリア[1]に自動的に表示されます。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔図記号反転〕 | 電磁弁の記号を左右に反転します。 注:電磁弁図記号の反転は選定計算に関係がありません。 |
②〔次へ〕 | 条件入力画面に進みます。 |
③〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[1] | 選択された機器の ISO 記号を組み立てて路図を表します。 |
[2] | シリンダ分類の一覧からタイプを選択します。 |
[3] | 駆動制御機器分類の一覧からスピードコントローラ、急速排気弁の種類および配置を選択します。 |
[4] | 電磁弁分類の一覧からタイプを選択します。 |
5.2.2 条件入力
[1]
①
②
③
[2]
[3]
[4]
[5]
【機 能】この画面では、条件の入力および機器品番の選定を行います。
【ボタン説明】
ボタン | 説明 |
①〔戻る〕 | 路構成画面に戻ります。 |
②〔特性計算開始〕 | システムの特性計算を行い、結果表示画面に進みます。 |
③〔キャンセル〕 | メニュー画面に戻ります。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[1] | 路構成で選択した路が表示されます |
[2] | 1) シリンダのストロークを入力します。 |
1) | 2) シリンダの動作方向を選択します。 押(左):xxxxが押出し、すなわちピストンが左へ動く。引(右):xxxxが引込み、すなわちピストンが右へ動く。 |
2) | |
3) | 3) 電磁弁への供給圧(ゲージ圧)を入力します。 |
4) | |
4)使用環境の温度を入力します。 | |
[3] | 1) シリンダー電磁弁間を結ぶ右側の配管長さを入力します。下 |
図 A2 | |
1) 2) | 2) シリンダー電磁弁間を結ぶ左側の配管長さを入力します。下図 A1 |
3) | 3) 右側スピードコントローラの取付位置を選択します。中間配置の場合、 |
4) | シリンダからの配管長さを入力します。下図 B2 |
4) 左側スピードコントローラの取付位置を選択します。中間配置の場合、 | |
シリンダからの配管長さを入力します。下図 B1 | |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[4] | 1) シリンダの使用用途を搬送・クランプ・圧入(下図)から選択し、シリンダの負荷率を入力。負荷率についてこのヘルプの「補足資料」における“負荷率について”をご参考ください。 |
1) | |
2) | |
3) | |
4) | |
5) | |
2) シリンダの負荷の質量を入力します。 注:シリンダピストン移動部の質量は自動的に付加して計算されます。 | |
3) 使用用途が搬送の場合、抵抗力の入力は不要です。 | |
使用用途がクランプの場合、クランプ力を入力します。クランプ力はスト | |
ローク終端で働く力とするので、シリンダ内径の選定に影響するが、全 | |
ストローク時間に影響しません。 | |
使用用途が圧入の場合、抵抗力を入力します。抵抗力は全ストロ | |
ークにわたって働く力とするので、シリンダ内径の選定および全ストローク | |
時間に影響します。 | |
4) シリンダの設置角度(-900~900)を入力します。 | |
5) シリンダ負荷のガイド方式(下図)を選択し、負荷の摩擦係数を入力します。 注:シリンダ自身の摩擦力は別途で考慮されています。 |
【項目説明】
項目 | 説明 |
[5] | 使用する機器の品番をデータベースから選択します。 |