Contract
鳥取県土木工事監督業務マニュアル
1
平成21年6月県土整備部
目 次
本マニュアルの見方 1
契約
工事準備
工事着手
工事着工
監督 2
請負契約 3
計画工程表 4
現場代理人 7
xx技術者(監理技術者) 11
配置予定技術者 16
工事カルテ(コリンズ:CORINS) 17
段階確認報告書(段階確認通知書) 20
重点監督工事 23
施工計画書 24
建設業退職金共済制度 33
建設工事下請報告書 36
施工体制台帳 40
一括下請負 45
工事材料使用届、工事材料使用承諾願 47
工事看板等 51
着工前測量 52
段階確認 53
設計図書の変更と変更契約 56
指示、協議、承諾、報告 60
自社施工対象工事における自社施工の確認 64
特殊工事入札参加資格審査添付書類 66
建設副産物 68
工事一時中止 71
改造及び破壊検査等 75
完 成
かし担保 77
地元調整 79
用地事務 81
本マニュアルの見方
業務名
・タイトル
監督責務の概要
(解説)
業務の詳細解説
(責務)
監督の責務を解説
実線 :県(監督員以外)が行う業務
業務フロー図
太実線:監督員が行う業務
点線 :県以外が行う業務
(関係法令等)
責務の根拠
・ 契約書条文
・ 共通仕様書条文
・ 各種基準
・ 通知文 など
事例 1
事例
監督
監督とは、契約のとおり工事が行われるように関連工事間の調整を行うこと、及び工事目的物の品質を確保するために工事の施工段階で、工事材料の調合や施工途中の状況を確認する行為です。さらに、公共工事であることから工事が適正な体制で施工されているかなどについて確認を行い
ます。
(解説)
監督とは、契約の適正な履行を確保するために行う行為です。
土木工事はその性質上、工事完成後に施工の適否を判定することが困難であり、また仮に不適当であることを発見することができても、それを修復するには相当の費用を要する場合が多く、施工の段階で逐次監督することが合理的であるという考えから、工事の施工中に工事材料の調合や途中段階での状況の確認を行います。
その業務は、契約図書に定められた事項の範囲内において行いますが、工事の円滑な遂行のために次の事項について関連工事間の調整や施工段階での工事目的物の品質確認などを行います。
1)契約の履行確保
・契約図書(契約約款、設計書、仕様書、図面、工事数量総括表、現場説明書及び現場説明書に対する質問回答書)、施工計画書の内容の把握
・契約図書に基づく指示、承諾、協議及び受理
・条件変更等に関する確認、調査、検討、通知
・変更設計図書の作成、関連工事の調整、工程把握及び工事促進指示、契約担当職員への報告
2)施工状況の確認
・事前調査、指定材料の確認、段階確認、施工状況把握、施工体制の確認、自社施工の確認
3)円滑な施工を確保
・地元対応、関係機関との協議、調整
4)その他
・事故等に対する措置、工事成績の評定、工事記録
このように監督員の業務は多岐にわたっており内容も複雑ですが、監督員は、故意又は重大な過失により県に損害を与えた場合には損害賠償責任を負うことになります。
このため、監督を行う上で生じる様々な問題については、速やかにxx及び総括監督員に相談し、適切に対応してください。
県土整備部では、鳥取県土木工事監督基準に基づいて監督を行っていますが、同基準に加え、本マニュアルに従って監督業務を一層xx・的確に行ってください。
なお、別添の施工状況チェックリストを使用して監督業務を適正に行うとともに、リストを監督記録として保管しておいてください。
(関係法令等)
監督員の行う業務等については鳥取県土木工事監督基準、鳥取県土木工事監督マニュアル及び本マニュアルに規定しています。
請負契約
本県の契約形態は、設計図書に示された条件などに何ら変更がない場合は契約を変更することができない総価契約です。
(解説)
一般的に、契約形態としては、総価契約(総額契約又は定額契約)、単価契約、概算契約の3種類がありますが、本県では総価契約を採用しています。
総価契約とは、契約時に請負代金額を確定しておき、契約書に示された設計図書の変更事由が生じない限り、請負代金の変更を行わないという契約形態です。
従って、当初契約図書で示された施工条件が異なる場合で、かつ請負代金を変更しなければならない場合に請負代金の変更を行うものです。例えば、設計図書で示された条件などに何ら変更が無いにも関わらず、実際に要した費用が請負代金額を超えたとしても増額変更になりませんし、また、未満であっても減額変更の対象とならないということです。なお、設計図書に示された施工条件等に変更がある場合、請負代金額の変更の有無に関わらず、基本的には変更契約を行います。
また、単価契約とは、工事材料などについて単価を契約で定め、予定の施工数量に基づいて概算請負代金額を計算して契約し、工事完成後に実施に用いた数量と単価をもとに請負代金額を確定する契約です。
概算契約とは、請負代金額を概算で決めて契約し、工事完成後に実際に要した費用に基づいて精算する契約です。
さらに、契約は双方の対等な立場における合意に基づいてxxに契約を締結しなければならず、強行規定や公序良俗に反する事項については効力が否定されることになります。
計画工程表
工事の品質を確保するために大切なものですが、自主施工の原則から、発注者が請負者に内容の修正を指示することはできませんが、「工期内に完了しない」「災害を発生させる恐れがある」などの時は、修正を指示する必要があります。
また、請負者から提出される履行報告書を確認し、大幅に工程が遅れている場合には計画工程表の見直しを指示する必要があります。
なお、計画工程表は、契約後7日以内の提出を義務付けています。
(解説)
契約締結後7日以内に提出
発注者
請負者
計画工程とは、工事を工期内に完了させるために
・各工程の施工順序、適切な施工時期、適切な仕事配分
を決定するものです。
一般的に工程が早い場合(突貫工事など)、施工原価は高く品質の悪いものとなり、遅い場合は品質が良くなりますが原価が高くなります。
従って、工期(標準工期)内に工事完了が見込めない、あるいは進捗が早すぎる場合は、適切な進捗になるように修正する必要があります。
また、過度な労働力の集中を避け安全な工事を行う上でも適切な工期の設定が重要となります。このため、監督員は請負者から提出される履行報告書を確認し、計画工程表より10%以上の遅れ
が生じている場合は、工期内に完了できるよう計画工程表の見直しを指示する必要があります。
(責務)
監督員は、計画工程表の内容について、
・工期内に工事が完了する予定になっているのか。災害の発生の恐れはないか。などを確認します。本県の契約書第1条には、自主施工の原則が定められています。
発注者は、設計図書に施工方法等を指定することはできますが、指定していない場合、請負者は自己の責任において施工方法等を定めるとなっており、発注者はそれに注文をつけることができないことになっています。
従って、工期内に完了しない、災害を発生させる恐れがあるなどの場合を除き、請負者へ修正などの指示を行うことはできません。
ただし、毎月提出される履行報告書を確認して大幅に工程が遅れている場合は、突貫工事に伴う工事目的物の品質の低下、過度な労働力の集中による労働災害の発生を避けるためにも、請負者に計画工程の見直しを指示する必要があります。
なお、契約締結後7日以内に提出されない場合は、各総合事務所県土整備局建設総務課が請負者に提出を求めます。
提出請求
請負者
請負者
契約後7日以内に提出されたか。 | |
Yes | No |
提出修正提出
契約工期内に完了するか。
修正指示
No
Yes
内容確認 | ||
災害の発生の恐れがないか。 ・仮設構造物の設置時期 ・交通切り回し時期など | ||
No
Yes
施工計画作成
請負者
見直工程提出
履行状況確認 | 計画工程表に遅れが生じていないか。 ・10%以上の遅れが生じていない ・履行報告と現場が一致するなど | |
見直し指示
No
Yes
工事完了
(関係法令等)
自主施工については契約書第1条、計画工程表の提出については契約書第3条に規定しています。また、履行報告の提出は、契約書第11条、共通仕様書共通編1-1-24に規定しています。
契約書
(総則)第1条
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(「施工方法等」という。以下同じ。)については、この契約書及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、乙がその責任において定める。
(工程表及び請負代金内訳書)
第3条 乙は、この契約の締結の日から7日以内に、設計図書に基づいて、工程表及び請負代金内訳書
(以下「内訳書」という。)を作成し、甲に提出しなければならない。
2 工程表及び内訳書は、甲及び乙を拘束するものではない。
(履行報告書)
第11条 乙は、設計図書の定めるところにより、契約の履行について甲に報告しなければならない。
共通仕様書 共通編
1-1-24 履行報告
請負者は、契約書第11条の規定に基づき、履行状況を所定の様式に基づき作成し、監督員に提出しなければならない。
現場代理人
請負者は工事現場の運営・取締りなどを行わなければなりませんが、請負者本人に代わり現場代理人を設置することができます。
現場代理人は、請負者本人に代わって現場の運営などを行うことから、監督員と請負者とのやり取りは一部を除いて、この現場代理人と行うこととなります。
なお、現場代理人には現場の常駐が義務付けられています。
監督員は、「常駐しているか」「他の現場と重複していないか」「段階確認時などに現場にいたか」
「3月以上直接的な雇用関係が継続している者か」など職務遂行に不適当でないかを確認します。
(解説)
選任通知提出
x x
監督業務
発注者
請負者
請負者は、契約書の的確な履行を確保するために、工事現場の運営・取締りの他、工事の施工及び契約関係事務に関する一切の事項を処理しなければなりません。
しかし、請負者本人が工事現場の運営・取締りなどを行うことが困難な場合は、代理人を置くことができます。
この代理人を現場代理人(以下、請負者が工事現場の運営・取締りなどを行う場合は、請負者本人をいう。)といいます。
現場代理人は、作業期間中、特別な理由がある場合を除き常に工事現場に滞在し、施工上必要とされる労務管理、工程管理、安全管理その他の管理行為のほか、工事現場の風紀の維持等も行わなければなりません。
なお、次に掲げる事項については代理人に権限がありません。
ア)請負代金の変更、工期の変更、請負代金の請求及び受領
イ)契約書第12条第1項の規定する発注者の現場代理人に関する措置請求の受理
ウ)契約書第12条第3項に規定する発注者の現場代理人に関する措置請求に対する決定及びその通知
エ)契約書第12条第4項に規定する請負者の監督員に関する措置請求
オ)契約書第12条第5項に規定する第12条第4項の措置請求に対する発注者の通知の受理カ)契約の解除に係る権限
ただし、あらかじめ書面をもって発注者に通知した場合は、代理人の権限を制限することができます。
(責務)
監督員は、現場代理人に現場常駐を義務づけていることから、他工事と重複していないか、段階確認時に現場に駐在していたか、監督員からの連絡が速やかに行われたかなどにより、その常駐を確認します。重複していることが判明した場合は、総括監督員に報告し、各総合事務所県土整備局建設総務課から請負者に改善指示を行います。
さらに、選任された現場代理人が、その職務の執行に著しく不適当と認められる場合は、請負者に是正措置のほか、その程度に応じては現場代理人の交替を請求することができます。この対応は建設総務課で対応します。
ただし、「著しく不当と認められる」ためには、客観性がなければ認められないことから、主観的に不適当と認めても請求の対象となりません。
Yes
No
請負人
提出
No
Yes
内容確認
常駐の確認。
・段階確認時などに現場にいたか。
・連絡が速やかに行われるか。
・など
適
宜
職務の確認
・適正な労務管理により工程が守られているか。
・安全管理が適切であるか。 など
No
Yes
工事継続
Yes
例えば、単に品行が悪いというようなことのみでは請求の対象となりませんが、それが工事現場周辺に悪影響を及ぼし、ひいては工事の施工に影響を受けると認められる場合などに対象となります。
工事着手前に選任通知が提出されたか。
提出指示
重複していないか、3月以上雇用されているか
局長報告
修正指示
Yes
No
契約解除
工事中止命令、改善請求
改善されたか
工事中止命令解除
局長報告
県土総務課
(関係法令等)
現場代理人の選任通知及び権限は契約書第10条第2項及び第3項によるものであり、現場代理人に関する必要な措置請求は契約書第12条によるものです。
また、現場代理人の常駐の取扱いについてはハンドブックP18-21、22 に掲載しています。
契約書
(工事の施工管理)
第10条 乙は、この契約の履行に関し、自ら工事現場に常駐してその運営及び取締りを行い、又はその選任した現場代理人を工事現場に常駐させてその運営及び取締りを行わせるものとする。
2 乙は、前項の規定により現場代理人を定めたときは、あらかじめその旨を甲に通知しなければならない。現場代理人を変更したときも、同様とする。
3 現場代理人は、この契約の履行に関し、請負代金額の変更、工期の変更、請負代金の請求及び受領、第12条第1項の請求の受理、同条第3項の決定及び通知、同条第4項の請求、同条第5項の通知の受理並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく乙の一切の権限を行使することができる。
4 乙は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を甲に通知しなければならない。
5 乙は、工事の着手の日までに、工事現場における工事の施工の技術上の管理をつかさどる[ ]xx技術者(監理技術者)及び専門技術者(建設業法(昭和24年法律100号)第26条の2に規定する技術者をいう。以下同じ。)を定め、その氏名を甲に通知しなければならない。xx技術者(監理技術者)、専門技術者を変更したときも、同様とする。
[注]建設業法第26条第2項の規定に該当する場合には、「xx技術者」に代え「監理技術者」を適用する。
[ ]の部分には、建設業法第26条第3項の工事の場合に「専任の」字句を記入する。ただし、当該工事が同法第26条第4項の工事にも該当する場合には、[ ]の部分に「監理技術者資格者証の交付を受けた専任の」の字句を記入する。
6(A) 現場代理人、xx技術者(監理技術者)及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
6(B) 現場代理人又はxx技術者(監理技術者)は、専門技術者を兼ねることができる。
[注](B)は、鳥取県低価格落札工事配置技術者増員制度実施要領(平成14年5月22日付管第47
1号県土整備部長通知)の3に定める増員対象業者と契約を締結する場合に使用することとする。
(工事関係者に関する措置請求)
第12条 甲は、現場代理人がその職務(xx技術者(監理技術者)又は専門技術者と兼任する現場代理人にあってはそれらの者の職務を含む。)の執行につき著しく不適当と認められるときは、乙に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 甲又は監督員は、xx技術者(監理技術者)、専門技術者(これらの者と現場代理人を兼任する者を除く。)その他乙が工事を施工するために使用している下請負者等、労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、乙に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
3 乙は、前2項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から10日以内に甲に通知しなければならない。
4 乙は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、甲に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
5 甲は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から10日以内に乙に通知しなければならない。
事例 1
県発注の工事において元請負者が仮設xx打込みを下請業者に作業させていた。仮設xx打込中は元請負者の作業が無いことから現場代理人の常駐意識が薄れており、他の工事現場の作業に従事していた。
他の工事現場の作業に従事していた時に、県工事に選任されていた現場代理人が事故により死亡した。
この事故により県工事で現場代理人常駐義務が果たされていないことが判明し、元請負者は契約不履行として1か月の指名停止処分を受けた。
※この事故は請負者の責任による事故であるが、監督員としても現場代理人の常駐状況を確認するなど、県工事での常駐徹底を促す必要がある。
xx技術者(監理技術者)
請負者は、工事現場に技術上の管理を行うものとして、必ず全ての工事にxx技術者(監理技術者)を配置しなければなりません。監督員と請負者の技術上のやり取りは、xx技術者と行うこととなります。なお、請負金額によりxx技術者は工事への専任義務(常駐義務)が生じます。
監督員は、「xx技術者が職務遂行に不適当でないか」「専任義務の場合は他工事と兼任していないか」などを確認します。
また、下請負の合計金額によっては、xx技術者に代わり監理技術者を配置しなければならないとなっており、該当する場合は、「監理技術者が専任されているか」などを確認します。
(解説)
選任通知提出
施工中
監督業務
発注者
請負者
xx技術者とは、建設工事を適正に実施するために必要な技術上の管理をつかさどる者として、施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行う者であり、工事現場への配置が義務付けられていま
す。
公共性のある工作物に関する建設工事で請負金額が2,500万円以上の工事の場合のxx技術者は専任が義務付けられています。なお、変更契約により、専任対象工事となった場合はその時点から、配置技術者に専任の義務が生じます。
ただし、契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事であって、かつ、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められるものについては、同一の工事とみなして同一のxx技術者が工事を管理することができます。
専任となった場合、発注者との打ち合わせなどを除き現場へ常駐しなければなりませんが、工事準備等の行為を含め工
事現場が不稼働であることが明確である期間は専任を要しません。
また、下請金額合計が 3,000 万円以上の契約を締結する場合は、監理技術者資格者証の交付を受けか つ国土交通大臣の登録を受けた講習を受講した者から配置技術者を選任しなければなりません。さらに、これらの契約を締結することのできる元請負者は、特定建設業の許可を受けていることが必要です。
なお、監理技術者は大規模な工事に係る統合的な監理を行うということから、兼務が認められる条件は、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められるもの。かつ当初の契約以外の請負契約が随意契約により締結されている場合に限り許されることになります。
なお、xx技術者になることができるものは、
(1)土木工事 ア)1級又は2級土木施工管理技士
イ)技術士(建設部門、農業部門(農業土木)、林業部門(森林土木))ウ)実務経験が10年以上の者
など
(2)建築工事 ア)1級又は2級建築施工管理技士
イ)1級又は2級建築士
ウ)実務経験が10年以上の者などであります。
さらに、上記のxx技術者に関する事項は、建設業許可を有している下請負者(二次以下の下請負者含む)にも適用されます。
従って、下請工事においてもxx技術者の配置、元請負者(1次下請負人など含む)と2,500万円以上の下請契約を締結した場合には、専任などの義務が生じます。ただし、監理技術者の設置については、元請負者にのみ適用されますので、例えば1次下請が土木工事について2次下請と3,000万円以上の契約を締結した場合でも、1次下請に監理技術者の設置の義務は生じませんが、1次下請及び
2次下請ともxx技術者の設置及びその専任が義務づけられます。
(責務)
・制限付一般競争入札、限定公募型指名競争入札の場合
制限付一般競争入札及び限定公募型指名競争入札の場合は、入札に参加しようとする者から技術資料の提出を求めています。この技術資料に配置予定技術者が記載されていますので、請負者から選任された技術者が配置予定技術者と一致するかどうかを確認します。
なお、配置予定技術者の病気、退職など正当な理由がなく、選任者と一致しない場合、あるいは、専任義務が果たされていない事実が判明した場合は、建設総務課を経由して県土総務課に報告します。
請負代金額が500万円以上の工事については、工事実績情報システム(CORINS)への登録が 義務づけられていますので、これを利用することにより技術者の専任状況を確認することができます。また、技術上の管理が行われているか施工計画などの内容について質問するなどして、技術的な関与
を確認します。
さらに、請負金額2,500万円以上の工事については専任(常駐)が義務づけられていることから、段階確認時あるいは緊急時の連絡などでその専任について確認します。
選任されたxx技術者が、その職務の執行に著しく不適当と認められる場合、あるいは専任義務が果たされていない場合には、請負者に是正措置のほか、その程度に応じては現場代理人同様にxx技術者の交替を請求することができます。請求については現場代理人と同じです。
施工計画作成前に専任通知が提出されたか。
請負者
提出指示
No
Yes 提出
Yes
No
No
配置予定技術者と一致するか。
Yes
内容確認
常駐の確認(請負金額 2,500 万円以上)
・段階確認時などに現場にいたか。
・速やかに連絡が取れたか。 など
総括監督員へ報告
職務の確認
・施工計画の内容確認で的確な回答をするか。
・施工管理の内容確認で的確な回答をするか。
・検査に立ち会ったか。 など
適
悪
宜
質
改善指示
な場合
No
改善されたか
Yes
工事継続
Yes
局長報告
県土総務課へ報告
No
工事中止命令、改善請求
改善されたか
工事中止命令解除
Yes
No
契約解除
(関係法令等)
xx技術者(監理技術者)の設置等については建設業法第26条に、その職務等については同法第2
6条の3に規定されています。
また、xx技術者の選任通知は契約書第10条第1項によりますが、xx技術者に関する必要な措置請求は契約書第12条によります。
契約書
(工事の施工管理)
第10条 乙は、この契約の履行に関し、自ら工事現場に常駐してその運営及び取締りを行い、又はその選任した現場代理人を工事現場に常駐させてその運営及び取締りを行わせるものとする。
2 乙は、前項の規定により現場代理人を定めたときは、あらかじめその旨を甲に通知しなければならない。現場代理人を変更したときも、同様とする。
3 現場代理人は、この契約の履行に関し、請負代金額の変更、工期の変更、請負代金の請求及び受領
、第12条第1項の請求の受理、同条第3項の決定及び通知、同条第4項の請求、同条第5項の通知の受理並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく乙の一切の権限を行使することができる。
4 乙は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を甲に通知しなければならない。
5 乙は、工事の着手の日までに、工事現場における工事の施工の技術上の管理をつかさどる[ ]xx技術者(監理技術者)及び専門技術者(建設業法(昭和24年法律100号)第26条の2に規定する技術者をいう。以下同じ。)を定め、その氏名を甲に通知しなければならない。主任技術者(監理技術者)、専門技術者を変更したときも、同様とする。
[注]建設業法第26条第2項の規定に該当する場合には、「主任技術者」に代え「監理技術者」を適用する。
[ ]の部分には、建設業法第26条第3項の工事の場合に「専任の」字句を記入する。ただし、当該工事が同法第26条第4項の工事にも該当する場合には、[ ]の部分に「監理技術者資格者証の交付を受けた専任の」の字句を記入する。
6(A) 現場代理人、主任技術者(監理技術者)及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
6(B) 現場代理人又は主任技術者(監理技術者)は、専門技術者を兼ねることができる。 [注](B)は、鳥取県低価格落札工事配置技術者増員制度実施要領(平成14年5月22日付管第471号県土整備部長通知)の3に定める増員対象業者と契約を締結する場合に使用することとする。
(工事関係者に関する措置請求)
第12条 甲は、現場代理人がその職務(主任技術者(監理技術者)又は専門技術者と兼任する現場代理人にあってはそれらの者の職務を含む。)の執行につき著しく不適当と認められるときは、乙に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 甲又は監督員は、主任技術者(監理技術者)、専門技術者(これらの者と現場代理人を兼任する者を除く。)その他乙が工事を施工するために使用している下請負者等、労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、乙に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
3 乙は、前2項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を
請求を受けた日から10日以内に甲に通知しなければならない。
4 乙は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、甲に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
5 甲は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から10日以内に乙に通知しなければならない。
配置予定技術者
(解説)
技術者配置者とは調達公告の技術者要件を満たす者で入札参加申込書に記載された者のことです。 入札参加申込書は、限定公募型指名競争入札においては調達公告に記載する応募期間の締切りまで、
制限付き一般競争入札においては調達公告に記載する入札書提出期間の締切りまでに提出されます。入札参加者は、入札参加申込書の下記項目のうち調達公告の要件を満たすよう必要に応じて項目を記
載します。
(1)配置予定技術者の氏名
(2)継続雇用期間
(3)調達公告で定める資格に係る資格者証
(4)管理技術者資格者証
(5)申請時における他工事の従事状況
(6)実績工事名
(7)工事実績内容証明(CORINS等)
(8)実績工事従事役職
工事カルテ(コリンズ:CORINS)
建設業者が当該工事の施工能力があるかどうか評価する一つの指標が施工実績です。
これらの情報について国、県、市町村などの公共発注機関でデーターベースを構築し、共同利用しているのが、発注者支援システムです。
このシステムは、施工実績のみならず主任技術者の専任などについて確認ができるもので、登録対象工事の場合、監督員は、「登録申請書(工事カルテ)を作成したか」「申請書の内容が正しいか」「契約後10日以内に登録されたか」「登録の内容が正しいか」などを確認します。
(解説)
内容確認
契約締結後、完了後10日以内に申請
受領書送付
受領書写し
監督員
請負者
登録機関
請負者
監督員
請負者
工事カルテとは、工事名、工期、請負金額、工種、主任技術者氏名などが入力されているものであり、各建設業者の地域内の施工実績や同種工事の実績などのデーターベースを構築するために必要なものです。
このシステム(CORINS)は、各公共発注機関が共同で利用可能であり、一部データについては、各建設業者も利用することができます。
このシステムを利用することにより、建設業者の施工実績や主任技術者の専任制などを確認することができます。
なお、工事カルテの作成が義務づけられている工事は、請負代金額500万円以上の工事です。
また、変更契約により対象工事となった場合は、その時点で工事カルテを作成し登録しなければなりません。
(責務)
監督員は登録時の確認と、請負者が提出する工事カルテ受領書の写しの受領を行います。
また、工事カルテの登録は、受注時は契約後10日以内に、登録内容の変更時は変更があった日から10日以内に、完了時は完了後10日以内に行うことを義務づけている(500万円以上2,500万円未満の工事については受注時のみ)ことから、契約後、あるいは完了後
10日以内に内容の確認ができなければ工事カルテの作成を指示します。
また、受領書の写しが提出されなければ、写しの提出を指示します。
No
契約締結後、変更契約完了後、工事完成後10日以内に工事カルテの内容の確認を求められたか。
工事カルテ作成なし。
請負金額が500万円以上か。
Yes
No
提出
修正提出
作成
請負者
修正
請負者
作成指示
Yes
内容確認 | ||
申請書確認 ・工事名が正しいか。 ・工期が正しいか。 ・工事内容(工種)が正しいか。 ・主任技術者が正しいか。など | ||
修正指示
No
Yes
連 絡
請負者
工事カルテ登録申請
登録機関
受領書
提出指示
請負者
受領書写し
監督員
No
受領
写しが提出されたか。
Yes
(関係法令等)
工事カルテの作成、登録については、共通仕様書共通編1-1-5で規定しています。
共通仕様書 共通編
1-1-5 工事カルテ作成、登録
請負者は、受注時又は変更時において工事請負代金額が500万円以上の工事について、工事実績情報サービス(CORINS)に基づき、受注・変更・完成時に工事実績情報として「工事カルテ」を作成し監督員の確認を受けたうえ、受注時は契約後10日以内に、登録内容の変更時は変更があった日から10日以内に、完成時は工事完成後10日以内に登録機関に登録申請しなければならない。
また、登録機関発行の「工事カルテ受領書」が届いた場合は、その写しを直ちに監督員に提出しなければならない。なお、変更時と完成時の間が10日間に満たない場合は、変更時の提出を省略できるものとする。
段階確認報告書(段階確認通知書)
監督員が施工途中で工事の施工状況を把握する一つの手法に段階確認があります。
これは、鳥取県土木工事監督基準により定められた、工種、項目、頻度で行いますが、工事の内容等により工種などを追加することができます。
監督員は、「段階確認報告書が提出されたか」「段階確認通知書の内容が正しいか」などを確認し、
「内容の修正、工種の追加」などを行い、請負者に段階確認の実施予定を通知します。
(解説)
工事着手までに報告
内容確認通知
請負者
監督員
請負者
段階確認とは、工事目的物の品質を施工途中で発注者が確認するものです。
段階確認報告書とは、工事着手前にその請負工事で予定される段階確認を鳥取県土木工事監督基準に則って 請負者が作成するものであり、それには対象工種、確認項目、予定時期などが記載されるようになっています。
また、段階確認通知書とは請負者から報告された段階確認報告書について、その内容を確認し、工種、項目、頻度などの修正するものです。
なお、鳥取県土木工事監督基準にある段階確認の項目、頻度は、品質を確認する最低限やらなければならない項 目、頻度としています。従って、工事内容などによって
は、工種を追加したり、項目、頻度を修正或いは追加する必要がありますので、必要と認められる場合は、段階確認通知書に工種、項目、頻度を追加、或いは修正し請負者へ通知しなければなりません。
(責務)
請負者から提出された段階確認報告書の内容が、鳥取県土木工事監督基準に則った工種、確認項目、予定時期になっているか、計画工程表などと照合して確認します。
段階確認の工種、項目、頻度について修正する必要がある場合は修正を行います。また、工種、項目、頻度を追加する必要があると認められる場合は追加します。
修正又は追加した段階確認報告書を、請負者に段階確認通知書として請負者に通知します。
請負者
段階確認報告
内容確認
監督基準に則った、
・工種があるか。
・項目であるか。 など
頻度が監督基準に則っているか。
No
Yes
修正
Yes
No
追加
一般又は主任監督員段階確認通知書
総括監督員まで確認
段階確認通知書
請負者
工種など追加する必要があるか。
監督員
(関係法令等)
段階確認は、共通仕様書土木工事共通編1-1-6に規定しています。
また、段階確認の項目、頻度等を規定している鳥取県監督基準、鳥取県監督マニュアルはハンドブックP4-1~4-40 に掲載しています。
共通仕様書
土木工事共通編
1-1-6 監督員による検査(確認を含む)及び立会等
1.請負者は設計図書の定めるところにより、工事の施工について監督員の立会が必要なときは、あらかじめ監督員に報告しなければならない。
2.監督員は、工事が契約図書どおりおこなわれているかどうかの確認をするために必要に応じ、工事現場又は製作工場に立ち入り、立会し又は資料の提出を請求できるものとし、請負者はこれに協力しなければならない。
3.請負者は、監督員による検査(確認を含む。)及び立会に必要な準備、人員及び資機材等の提供並びに写真その他資料の整備をするものとする。
なお、監督員が製作工場において立会及び監督員による検査(確認を含む。)を行なう場合、請負者は監督業務に必要な設備等の備わった執務室を提供しなければならない。
4.監督員による検査(確認を含む。)及び立会の時間は、監督員の勤務時間内とする。ただし、やむを得ない理由があると監督員が認めた場合はこの限りではない。
5.請負者は、契約約款第9条第2項第3号、第13条第2項又は第14条第1項もしくは同条第2項の規定に基づき、監督員の立会を受け、材料検査(確認を含む。)に合格した場合にあっても、契約約款第17条及び第31条に規定する義務を免れないものとする。
6.段階確認は、次に掲げる各号に基づいて行うものとする。
(1)請負者は、表1-1段階確認一覧表に示す確認時期において、段階確認を受けなければならない。
(2)請負者は、事前に段階確認に係わる報告(種別、細別、施工予定時期等)を所定の様式により監督員に提出しなければならない。また、監督員から段階確認の実施について通知があった場合には、請負者は、段階確認を受けなければならない。
(3)段階確認は請負者が臨場するものとし、確認した箇所に係わる監督員が押印した書面を、請負者は保管し検査時に提出しなければならない。
(4)請負者は、監督員に完成時不可視になる施工箇所の調査ができるよう十分な機会を提供するものとする。
7.監督員は、設計図書に定められた段階確認において臨場を机上とすることができる。この場合において、請負者は、施工管理記録、写真等の資料を整備し、監督員にこれらを提示して確認を受けなければならない。
重点監督工事
(解説)
重点監督工事とは、工事の重要度や内容に応じて、施工途中の品質確認の頻度を多くする工事であり、その対象は、
1 主たる工種に新工法、新材料を採用した事例
・新技術活用パイロット工事
2 施工条件が厳しい工事
・鉄道又は現道上及び最大支間長50m以上の橋梁工事
・掘削深さ7m以上の土留工及び締切工を有する工事
・鉄道・道路等の重要構造物の近接工事
・砂防ダム(堤体高15m以上)
・軟弱地盤上での構造物
・ハイピア(躯体高 30m以上)
・その他これらに類する工事
3 第三者に対する影響のある工事
・周辺地域等への地盤変動等の影響が予想される掘削を伴う工事
・一般交通に供する路面覆工・仮橋等を有する工事
・河川堤防と同等の機能の仮締切を有する工事
・その他これらに類する工事
4 その他
・鳥取県県土整備部建設工事低入札価格調査制度対象工事
・総合事務所長等が必要と認めた工事
・防災幹線道路ネットワーク上の橋梁工事及び橋梁修繕工事
(防災幹線道路ネットワークは「鳥取県地域防災計画(鳥取県防災会議作成)」で指定されたルート)です。
なお、重点監督の単位は工種で行いますので、対象工事の全工種にわたって重点監督を行うものではありません。
従って、重点監督工事の決定は、重点監督を行わなければならない工事であるか、重点監督工事の場合どの工種を重点とするのかについてまで行わなければなりません。
重点監督工事等であることについては、閲覧時に明示する必要がありますので、起工時に重点監督及び工種についても同時に伺います。決裁後は現場説明書(特記事項)に明示します。
また、鳥取県県土整備部建設工事低入札価格調査制度対象工事を重点監督工事としていますが、低入札価格調査制度対象工事となった場合は、契約後速やかに請負者に対して重点監督対象工事であることを通知します。なお、この場合、全工種を重点監督の対象とします。
施工計画書
自主施工の原則から、施工方法などについては設計図書に定めがある場合などを除いて請負者が自ら定めることとしています。
監督員は、職務を的確に遂行するためには、施工方法などについて把握することが大切です。 施工計画書は、監督員が把握しなければならない、工事の施工方法、管理基準、作業範囲などを明
確にする現場体制、緊急時の連絡体制などが記載され、請負人が着手するまでに提出されます。 監督員は、施工計画書に記載されている内容に、【違法な内容がないか】【災害を発生させる恐れが
ないか】【鳥取県土木工事共通仕様書、鳥取県土木工事施工管理基準に適合するか】などを確認し、適合しない場合などは修正を指示します。
また、より詳細な施工方法などの把握が必要な場合は、その提出を求めます。
(解説)
工事着手までに提出
内容確認
工事着手
監督員
請負者
施工計画書とは、図面、仕様書等に定められた工事目的物をどのような施工方法、段取りで施工するか、工事途中の管理をどうするのか等を定めるものであり、工事の施工の最も基本となるものです。
建設工事は、その内容、規模、施工場所、施工条件などが個々に異なることから、その工事に適した施工計画を立案することが大切となります。
請負者は、監督員に提出した施工計画書を遵守する義務があり、変更が生じた場合は再度提出します。
施工計画書に記載しなければならない項目は、14項目が共通仕様書で定められています。項目としては、
(1)工事概要
契約の内容を確認するものであり、工事名、工事場所、工期、請負金額、工事内容及び工事目的を記載されています。
(2)計画工程表
前述の計画工程表と同じですが、ここでは、災害の発生の恐れのある工種などについて、より詳細な工程表の提出を指示することができます。
(3)現場組織表
現場における組織編成及び命令系統、業務分担などが分かるようにするもので、下請負者(2次以下の下請含む。)がある場合には、下請負者までの命令系統、業務分担などが明らかになっています。
記載内容は、現場代理人、主任技術者、作業主任者、各管理責任者(施工、安全、機械など)と、下請負契約がある場合は、それぞれの作業範囲、主任技術者、各管理責任者です。
なお、下請負に関する事項は、施工体制台帳が提出、あるいは施工計画書に添付されていればそれに代えることができます。
(4)指定機械
設計図書に指定されている機械の機種(名称)、規格などが記載されています。
(5)主要船舶・機械
工事に使用する主要船舶、機械の名称、規格などが記載されています。
(6)主要資材
工事に使用する指定材料及び主要な材料の名称、規格、数量などが記載されています。
(7)施工方法
施工順序、工種毎の施工方法と仮設計画など留意事項が明確になっており、工事に影響する要因(関連工事、支障物件(家屋、地下埋設物など)が記載されています。
なお、橋梁上部工の架設計画など規模の大きいものは特に注意して確認を行う必要があります。
(8)施工管理計画
工程管理、品質管理、出来形管理、写真管理の項目、点数、試験方法などが記載されています。
(9)安全管理
労働災害及び公衆災害を防止するために極めて重要な項目です。安全を確保するための安全管理組織、安全員及び標識の設置、安全訓練の予定などが分かるようにするものです。
なお、安全訓練の経費については間接費に計上されていることから、下請負者についても安全訓練の実施義務があります
(10)緊急時の体制及び対応
緊急時の業務体制、警察、消防などの関係機関及び監督員への連絡系統・方法が記載されています。
(11)交通管理
交通安全対策、交通切り回し及び規制計画、保安施設設置計画、主要機材の搬入計画などが記載されています。
(12)環境対策
騒音、振動、地盤沈下、水質汚濁、塵埃対策などとして設計図書に規定されている項目、地域の生活環境保全などの環境対策が記載されています。
(13)現場作業環境の整備
作業員休憩所、便所などの環境改善策、イメージアップ計画などが掲載されています。
(14)再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法
残土の処理方法、廃棄物の処理方法、再生資源の利用及び利用促進計画などが記載されています。
(14)その他
その他必要のある事項(他工事との関連内容と時期など)
なお、施工計画書の提出は変更が生じた場合には、その都度該当工事に着手する前に変更に関する事項について、変更計画書を提出しなければならないとしていますが、数量のわずかな増減等の軽微な変更であれば提出の必要がありません。
また、当初の請負金額が1,500万円未満の一般土木改良系工事の施工計画書の項目は、上記の(1)、 (2)、(3)、(4)、(8)、(9)、(10)及び(11)が必須であり、1,500万円未満の維持修繕系工事の項目 は、(1)、(3)、(4)、(9)、(10)及び(11)を必須としていますが、工事内容などによりその他の項目が必要と判断された場合は、その項目の作成(提出)を指示します。
(責務)
(1)施工計画書の提出は工事着手(各種標識の設置、現場事務所の建設など工事準備を行うこと)までとしていますので、着手しているにも関わらず提出がない場合は施工計画書の提出を指示するとともに工事中止を命じなければなりません。
なお、工事着手は、設計図書に特別の定めのある場合の他、特別の事情がない限り工事開始日後
30日以内に着手しなければならないとなっています。
(2)施工計画書は、請負者がどのような工程、方法、手順、組織で施工するかなどを監督員が把握するためのものです。従って、施工計画書の内容が設計図書と異なる、工事目的物の品質が維持されない、災害を発生させる恐れがある、労働安全衛生法などの法律等に違反(官公庁手続き含む)するなどの場合を除き修正指示することはできません。なお、記載事項が不足している、或いはもっと詳細な施工方法などを知りたい場合には、追加提出を求めることができます。また、施工方法や管理基準が、共通仕様書や施工管理基準に則った方法や管理項目、管理点数になっているのか確認します。
なお、施工管理基準に満たない場合は、修正を指示します。
提出指示
工事着手前に提出されたか。
No
請負者
Yes
記載内容確認
工事概要
内容が正しいか。
・工事名、概要 など
計画工程表
内容確認
・期内に完了するか。
・工種別に施工予定時期が明確か。
・現場条件が反映されているか など
現場組織表
現場代理人、主任技術者。
・選任通知と一致するか。 など
(4)提出された施工計画書は総括監督員まで確認しますが、必要と判断される場合は局長まで内容を確認します。
各管理責任者が記載されているか。
・安全管理者、工程管理者
・出来形管理者、品質管理者 など
各工種責任者が選任されている。
作業主任者
・高圧室内作業
・コンクリート砕砕機を用いて行う砕砕作業
・掘削高さ2m以上となる地山の掘削作業
・土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取り付け又は取り外し作業 など
運転士(免許)
・発破技士、火薬類取扱保安責任者
・クレーン運転士(5t以上)
・潜水士 など
技能士(技能講習修了者)
・小型移動式クレーン技能士(5t未満)
・ガス溶接技能士 など
下請負者に関する事項
(施工体制台帳に代えることができる。)
・会社名、工事内容 など
自社施工対象工事
・従事技術者氏名
・配置機械及び運転手氏名 など
安全管理体制
・統括安全衛生責任者
・元方安全衛生管理者
・安全衛生責任者(下請負者が選任)
・社内パトロールが予定されている。 など
新規入場者教育
・予定及び内容が適正か。
安全訓練
・予定時間が半日以上/月か。
安全管理
施工手順
・適切な仮設が計画されている。
・交通切り回しが適切である。など
施工方法
・主要工種の内容が詳細に分かるか。
・仕様書、各指針に適合する。
・現場条件、施工時期が反映されている。など
施工方法
主要資材
指定機械
品質規格
・設計図書及び仕様書と一致する。或いは同等品以上である。
・使用数量が適切である。など
指定機械
・機種、規格が適切であるか。
・用途及び使用時期が適切であるか。など
環境対策
交通管理
緊急時の体制及び対応
施工管理
契約図書の環境対策が予定されている。
・濁水防止対策、その他工法 など
交通規制の内容及び時期
・交通規制の内容及び時期
・交通整理人の配置及び時期 など
緊急時の体制及び対応
・責任者が明確である。
・連絡先が明確である。 など
写真管理
・施工管理基準に適合する管理項目である。
・施工管理基準に適合する管理点数である。 など
品質管理
・施工管理基準に適合する管理項目である。
・施工管理基準に適合する管理点数である。 など
出来形管理
・施工管理基準に適合する管理項目である。
・施工管理基準に適合する管理点数である。 など
工程管理
・進捗確認がある。
・履行報告がある。 など
仮設工
・現場条件が反映されている。
・適切な仮設が計画されている。など
作業環境の整備が予定されている。
・作業員休憩所、便所の設置予定。
・現場及びその周辺の整理整頓の実施予定。
再生資源利用計画の作成
・土砂 1,000m3 以上を搬入する。
・砕石 500t 以上を搬入する。
・加熱アスファルト混合物 200t以上を搬入する。
再生資源利用促進計画の作成
・建設発生土 1,000m3 以上を搬出する。
・コンクリート塊 200t以上を搬出する。
・アスファルト・コンクリート塊 200t以上を搬出する。
・建設発生木材 200t以上を搬出する。
廃棄物
・処理方法及び搬出先が設計図書と一致する。
建設発生土の処理方法
・搬出先及び搬出経路 など
再生資源の利用促進
No
Yes
詳細な内容を必要とするか
修正指示
正しく記載されているか
その他
現場作業環境の整備
Yes
施工方法の把握
追加指示
請負者
修正
・追加
その他の項目
・記載を必要とするもの
No
(関係法令等)
施工計画書の提出は、共通仕様書共通編1-1-6に規定しています。
共通仕様書共通編
1-1-6 施工計画書
請負者は、工事着手前に工事目的物を完成するために必要な手順や工法等についての施工計画書を監督員に提出しなければならない。
請負者は、施工計画書を遵守し工事の施工に当たらなければならない。
この場合、請負者は、施工計画書に次の事項について記載しなければならない。また、監督員がその他の項目について補足を求めた場合には、追記するものとする。ただし、請負者は当初請負金額が 1,500万円未満の小規模工事おいては別に定めるところによるものとする。
(1)工事概要 (2)計画工程表 (3)現場組織表 (4)安全管理 (5)指定機械 (6)主要資材
(7)施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む) (8)施工管理計画
(9)緊急時の体制及び対応 (10)交通管理 (11)環境対策 (12)現場作業環境の整備
(13)再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法 (14)その他
請負者は、施工計画書の内容に変更が生じた場合には、そのつど当該工事に着手する前に変更に関する事項について、変更計画書を提出しなければならない。
監督員が指示した事項については、請負者は、さらに詳細な施工計画書を提出しなければならない。
事例 1
砂防ダム本体工事を請負者が提出した施工計画書に基づいて工事及び施工管理を行った。 隣接を別の建設業者が受注して本体工事を始めたところ、既に建設された本体部分の出来形が
不足していることを発見。
調査の結果、施工計画書に記載されていた出来形管理箇所(底面及び天端)では、規格値を満足していたが、中間地点の出来形管理が行われていないことが判明した。
鳥取県土木工事施工管理基準によると砂防ダムの場合、コンクリートを打設するリフト毎に出来形を管理することとしている。
出来形不足の工事を行った請負者に、かし請求し、品質確保を行った。
※施工計画書を受け取った時に、その内容を確認し、管理方法などの修正指示を行っていれば、出来形不足が生じなかった。あるいは生じたとしても最小限の改造で済んだものと思われる。
事例 2
軟弱地盤対策でプレロードを実施した。プレロードに使用する土が他工事からの流用であったことなどから、請負者が限界盛土高を確認せずに盛土を行ったところ、隣接の田が隆起してしまった。
※施工計画書により、工事の施工方法を把握するとともに、請負者が現場条件を把握しているか確認しなければなりません。また、重要な事項が施工計画書に記載されていなければ追加提出を指示するなど、請負者に確認させることも大切です。
建設業は、3K、或いは5Kと言われ、そのイメージがよくありません。
また、建設業で従事する労働者は、その需要に応じて職場を転々とする状況にあります。このような状況を改善するために、建設労働者に退職金を支払う共済制度が設立されています。
共通仕様書には、この共済制度への加入と掛金の納付について定めており、また、工事価格には、その共済制度へ支払う掛金相当額が含まれていますので、
監督員は、「請負者が共済制度へ加入しているか」「掛金を適正に支払ったか」を標識及び収納書の写しで確認します。
(解説)
、
契約後1か月以内に掛金収納書の写しを提出
発注者
請負者
建設業退職金共済制度とは、建設業に転々雇用される建設労働者が建設業界をやめたときに退職金を、その労働者に支払うために勤労者退職金共済機構により設立された制度です。
この制度は、建設現場で働いた日数に応じて共済証紙を購入し共済手帳にその証紙を貼付し消印することにより完了します。
共通仕様書には、建設業退職金共済制度への加入と、掛金の納付が規定されていますので、請負者は加入を確認しなければなりません。
また、本県の工事価格には、請負者が共済機構に納付するための掛金相当額が含まれていますので、掛金が適切に支払われているかを確認します。
ただし、請負者によっては他の退職金共済制度に加入している場合があり、また、その制度によっては建設業退職金共済制度に重複加入できない制度があります。
重複加入できない制度は、中小企業退職金共済制度、特定退職金共済制度などであり、これらに加入している場合は、建設業退職金共済制度に加入しているものに準じて扱います。
(責務)
請負業者は、建設業共済制度に加入し、その掛金収納書の写しを工事請負契約締結後1か月以内に発注者に提出することとしていますので、期日までに写しの提出がなされない場合は、請負者に提出を求めます。
また、建退共制度適用事業主工事現場標識の現場事務所等への掲示を義務づけていますので、標識が掲げられているか確認します。
請負者
掛金
勤労者退職金共済機構
共済証紙 掛金収納書
建設労働者の手帳に証紙を貼付
請負者
提出指示
監督員
契約後1か月以内に提出されたか。
確認
受領
掛金の写しを提出指示
納付指示
No
Yes 掛金が納付さ
れているか。
掛金収納書の写し
No
Yes
他の退職金制度に No
加入しているか。 ・中小企業退職金共済
・特定退職金共済など
Yes
(関係法令等)
建設業退職金共済制度への加入及び写しの提出は共通仕様書共通編1-1―40に規定しています。
共通仕様書共通編
1-1-40 保険の付保及び事故の補償
1.請負者は、雇用保険法、労働者災害補償保険法、健康保険法及び中小企業退職金共済法の規定により、雇用者等の雇用形態に応じ、雇用者等を被保険者とするこれらの保険に加入しなければならない。
2.請負者は、雇用者等の業務に関して生じた負傷、疾病、死亡及びその他の事故に対して責任をもって適正な補償をしなければならない。
3.請負者は、建設業退職金共済制度に加入し、その掛金収納書の写しを工事請負契約締結後1カ月以内及び工事完成時に、監督員を通じて発注者に提出しなければならない。
、
建設工事下請報告書
建設工事は、専門工種をその専門工に下請させるというような他に類をみない特殊な施工体制で行われることが多々あります。
従来、元請負者と下請負者の間で代金の支払などについてトラブルがしばしばありました。また管理能力がないにもかかわらず、その工事を請負い、その部分を管理も含めて下請負者にさせるといういわゆる一括下請負を行う例もあります。
これらの防止のために本県では、100万円以上の下請契約を締結した場合、発注者へ下請施工体系図を、500万円以上となるものについては、下請施工体系図に加えて建設工事下請報告書を提出しなければならないとしています。
監督員は、提出された報告の内容を確認し、「不適当な契約になっていないか」「一括下請負の疑いはないか」などを確認し、現地では、「下請報告書のとおり施工されているか」を確認します。
下請契約締結後速やかに
内容確認
発注者
請負者
(解説)
建設工事下請報告書とは、不当な取引により下請負者を圧迫しないように、また、建設業法第22条で禁止されている「工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し又は請け負わせること。」が行われる恐れがないかを確認するために、請負者に提出を義務づけているものです。
下請報告書には、
・下請の工事内容及び工事量、下請負者の商号
・下請負代金額、契約年月日、工期、支払条件
・契約方法(契約約款の種類など)などが記載されるようになっています。
報告書の提出義務は、500万円以上(消費税及び地方消費税相当額を含む。)の下請負契約を締結した場合です。
さらに、下請負契約の総額が3,000万円以上となった場合は、建設業法により施工体制台帳の作成及び提出が義務づけられています。
この場合、元請負者は特定建設業の許可を有することと、配置技術者は監理技術者資格者証の交付等を受けている者を配置しなければなりません。
(責務)
本県では、下請契約金額が100万円以上の契約を締結した場合は速やかに下請施工体系図の提出を義務付けています。また、500万円以上の契約を締結した場合は、下請施工体系図に加え建設工事下請報告書の提出を義務付けています。従って、対象金額以上の下請負契約を締結しながら速やかに提出されなかった場合及び変更が生じた場合は20日以内の提出を指示します。
請負者は工事の一部を下請負に付する場合には、「各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結しなければならない」としていますので、下請の作業量などを参考に、下請の報告が必要で
あるか判断します。提出対象でありながら、提出されていない場合は、提出を指示します。
提出された建設工事下請報告書の工事内容及び工事量などで、一括下請負に該当しないかどうかを確認し、一括下請負に該当する場合は建設総務課を経由して県土総務課へ報告します。
一括下請負については、次項の施工体制台帳を参考にしてください。
なお、一括下請負については、下請負者に付された工事の質及び量を勘案して、個別の工事ごとに判断をしなければなりませんので、一括下請負に該当するかどうかについては定量的に判断することが困難なことから、疑わしい場合についても県土総務課に報告します。
提出指示
下請施工体系図、下請負報告書が速やかに提出されたか
(100万円以上)(500万円以上)
請負者
100万円(500万円)以上の下請負契約であるか
契約書作成指示
下請契約書が作成されているか
契約書作成
関係業務なし
下請負者が有る。
さらに、現場説明書に「工事の一部を第三者に請け負わせる場合、極力県内業者との契約に努めること。」と明示しています。県外業者に下請負をさせる場合は、その理由を聞き取ってください。一括下請の恐れがあります。
No
Yes
No
Yes
No
Yes
No
Yes
内容確認
一括下請負に該当しないか。
・工事の全部又は一部を一括して請け負わせている。
・独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して請け負わせている。
請負者
内容が適正か。
県土総務課へ報告
局長報告
契約解除
改善されたか
工事中止命令解除
工事中止命令、改善請求
総括監督員へ報告
工事継続
現場確認
No
Yes
一括下請負に該当するか。
・工事の全部又は一部を一括して請け負わせている。
・独立してその機能を発揮する工作物の
随
時
工事を一括して請け負わせている。
下請負者の配置技術者等が不適切である。
・現場代理人が選任されているか。
・主任技術者が選任(専任)されていない。
No
Yes
Yes
No
(関係法令等)
下請については、契約書第7条により監督員は請負者に報告を求めることができるとしていますが、本県の場合、現場説明書で100万円以上の下請契約を締結した場合には下請施工体系図、下請報告書などの提出を速やかに行うように義務づけています。
契約書
(下請負者等に関する報告の要求)
第7条 甲は、乙が工事の一部を第三者に請け負わせ、又は委任した場合において、必要があると認めるときは、乙に対して、下請負者等の名称その他必要な事項の報告を請求することができる。
現場説明書一般事項
2 下請関係の合理化について
(1) この契約に係る工事の的確な施工を確保するため、下請契約を締結しようとする場合は「建設産業における生産システム合理化指針」の趣旨に則り、優良な専門工事業者の選定、合理的な下請契約の締結、代金支払等の適正な履行、適正な施工体制の確立、下請における雇用管理等の指導等を行い本指針の遵守に努めること。
(2) 中小建設業者に対する取引条件の適正化及び資金繰りの安定化等に資するため、元請業者は下請業者に対して、発注者から受取った前払金の下請業者への支払い、下請代金における現金比率の改善、手形期間の短縮等、下請代金支払の適正化について配慮すること。
(3) 請負者は、100万円以上の下請契約を締結した場合は発注者へ、建設工事の下請報告について(平成20年3月28日付第200700193464号)に基づく提出を行わなければならない。
(4) 低価格落札工事に係る履行保証制度等の運用について(平成 15 年2月 18 日付管第 1986 号県土整備部長通知)の別紙3に定めるところにより設定された保証金引上等基準価格を下回る金額でその工事を落札した請負者(共同企業体として落札した場合にあっては、そのすべての構成員とする。)は、工事の一部を第三者に請け負わせたときは、その下請契約一件ごとに別に定めるところにより建設工事執行状況報告書を作成し、当該工事の完成検査結果の通知日から 20 日以内に発注者へ提出しなければならない。
(5) 建設業法に基づく適正な施工体制を確保するため、総額 3,000 万円以上の下請契約を締結して施工する特定建設業者は、施工体制台帳(下請契約台帳、再下請契約届出書、施工体系図)を整備し、的確に建設工事の施工体制を把握すること。
(6) 工事の一部を第三者に請け負わせる場合、又は工事に伴う交通誘導等の業務を第三者に委託する場合には、県内業者と契約すること。ただし、適切に施工できる県内業者がない特殊な工事等を請け負わせ、又は委託する場合は、この限りでない。
(7) この契約に係る工事の適正な施工体制を確保するため、請負者は、鳥取県建設工事施工体制調査・指導要領 (平成16年3月11日付管第2313号鳥取県県土整備部長通知)に基づく調査に協力すること。
また、請負者は下請業者を使用する場合に当っては、当該下請業者に対し当該調査に協力するよう指導すること。
施工体制台帳
下請報告書は、元請負者と1次下請負人との間の契約内容について報告を義務付けていますが、下請契約金額が一定額以上になると、2次以下の下請負者についても記載する施工体制台帳などの作成及び提出を義務付けています。
監督員は、施工体制台帳に、必要な項目が記載されているかなどを確認するとともに、下請報告書同様に、「不適当な契約になっていないか」「一括下請負の疑いはないか」「台帳のとおり現場で施工されているか」などを確認します。
(解説)
下請負総額 3,000 万円以上
内容確認現場確認
発注者
請負者
建設工事の施工は、独立した各種専門工事の総合的な組合せにより成り立つことが多く、建設業は他産業に類をみないほど多様化し、かつ、重層化した下請構造を有している場合があります。
このような場合、元請負者は直接の契約関係にある下請業者のみならず、当該工事の施工に当たる全ての建設業者を監督し、工事全体の適正な施工を確保しなければなりません。
このため、一定額以上の下請契約を締結して施工しようとする元請負者に、施工体制の的確な把握を行わせるため
に、下請負者の名称等、当該下請負者の工事内容及び工期等を記載した施工体制台帳の作成を義務付けています。
施工体制台帳の作成は下請契約の総額が3,000万円以上となるものが対象です
さらに、当該契約を締結できる建設業者は特定建設業者に限られますし、配置技術者は監理技術者資格者証の交付を受けかつ国土交通大臣の登録を受けた講習を受講している者から配置しなければなりません。
施工体制台帳に記載しなければならない項目は省令により定められており、
・工事名、工事内容、工期
・契約年月日、発注者名及び住所など
・自社の名称及び所在地、現場代理人氏名、監理技術者氏名、専門技術者など
・下請負者の名称及び住所、工事内容、工期、下請負契約締結年月日
・下請負者の現場代理人、主任技術者、専門技術者などです。
また、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」(平成12年法律第127号)により、
2次以下の下請契約についても契約金額を記載した下請契約書の添付、施工体系図を工事関係者が見やすい場所及び公衆が見やすい場所に設置することが義務づけられました。
(責務)
下請負金額が3,000万円以上の場合は、施工体制台帳の作成、写しの監督員への提出、及び施工体系図の現場への掲示が義務づけられています。
下請総金額が3,000万円以上でありながら施工体制台帳及び施工体系図の提出がなされない場合には、請負者に対して台帳の作成、或いは提出を指示します。
また、施工体系図については、「工事関係者及び公衆の見やすい場所」への掲示が義務づけられていることから、その設置位置を確認します。体系図が工事関係者、地元住民から容易に見える場所に掲示されていない場合は掲示を指示します。
台帳の記載項目については、省令で決まっていますので記載項目に漏れがないかを確認するとともに、元請負者の施工範囲を確認します。
下請負者については、
・建設業許可の有無(契約金額が500万円以上の場合は、許可要)
・一括下請の可能性はないか。
・主任技術者の選任(専任)が行われているか。
・現場代理人が選任されているか。などを確認します。
さらに、下請負人が
・請負者より資本力が多い。(上請)
・地元以外の建設業者である。
・請負者と同等の建設業者である。(横請)
・作業を行う能力がない。(さらに下位の下請負人への一括下請負の疑いがないか。)
(施工実績がないなど)
などの場合、一括下請負の可能性が有りますので、下請負人の選定理由などを聞きとり、その適正性を確認します。
現場では、
・元請負者の作業範囲を直営で行っているか。
・監理技術者が専任され、本人であるか。
・施工体制台帳に記載されている建設業者が作業に当たっているか。或いは、記載されていない者が作業に当たっていないか。
・下請負人が記載されている範囲の作業を行っているか。範囲以外の作業を行っていないか。
・下請負人が主任技術者を選任(専任)しているかなど
を確認します。
下請合計金額が 3,000 万円以上
関係作業の必要無し
No
No
提出指示
施工体制台帳、施工体系図などの提出
請負者
Yes
Yes
記載指示
下請負者が請け負った建設工事
・工事名、内容及び工期
・下請契約年月日 など
下請負者
・商号又は名称、住所
・許可を受けて営む建設業の種類
元請負者が請け負った建設工事
・工事名、内容及び工期
・発注者との契約年月日 など
元請負者
・許可を受けて営む建設業の種類
項目が記載されている
No
Yes
添付書類が提出されている。
下請契約書の写し
監理技術者資格を証する書類
No
1件の下請負契約金額が500万円以上か
Yes
提出指示
監理技術者の雇用を証する書面
Yes
No
No
改善指示
当該下請負者が建設業許可を有しているか。
Yes
下請負者選定理由が適正である。
一括下請の可能性は無いか。
・地元以外の建設業者が下請する。
・元請負者より資本力の多い建設業者が下請負する。 など
No
No
Yes
Yes
現場が適切か
施工体系図の掲示場所
・工事関係者及び公衆の見やすい場所へ掲示
元請負者
・監理技術者が常駐しているか。
・元請作業範囲を直営で行っているか。 など
下請負者
・主任技術者が選任(専任)されているか。
・請け負った工事のみを行っているか。
その他
・台帳に記載されていない業者が作業していないか。
適宜確
総括監督員へ報告
認 No
Yes
改善されたか
改善指示
悪質な場
合
Yes
局長報告
県土総務課へ報告
No
工事中止命令、改善請求
工事中止命令解除
改善されたか
工事継続
Yes
No
契約解除
(関係法令等)
施工体制台帳の作成、現場ごとの備え付けについては建設業法第24条の7に規定しています。また、共通仕様書 共通編 1-1-10でも発注者への提出などを義務づけています。
共通仕様書
共通編 1-1-10施工体制台帳
1.請負者は、工事を施工するために締結した下請契約の請負代金額(当該下請契約が二以上あると
きは、それらの請負代金の総額)が 3,000 万円以上になるときは、別に定める国土交通省令に従って記載した施工体制台帳を作成し、工事現場に備えるとともに、所定の様式により監督員に提出しなければならない。
2.請負者は、第1項に示す公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の定めに従って、各下請負者の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、工事関係者が見やすい場所及び公衆が見やすい場所に掲げなければならない。また、請負者は、施工体系図を所定の様式により監督員に提出しなければならない。
一括下請負
(解説)
一括下請負とは、受注した建設工事を一括して他人に請け負わせることであり、中間搾取による費用の増加、工事の質の低下、労働条件の悪化などを招くだけでなく、施工能力のない商業ブローカー的不
ばっこ
良建設業者やペーパーカンパニーが跋扈することとなります。
また、入札・契約手続きにおいて、完成工事高や施工実績が重要な役割を果たしており、完成工事高の水増しは、適正な企業評価ができなくなり、ますます不良・不適格業者の参入を許し、真面目な建設業者の意欲を失わせるなど健全な建設業の発展を阻害するものであります。
従って、公共事業については建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律により、一括下請負を全面的に禁止しており、本県において一括下請負の事実が判明した場合、厳重な処分を行うこととなります。
道路改良工事において、その工事の全部をA社に下請負させましたが、工事に必要な資材を元請負人としてA社に提供しています。この場合は一括下請負に該当するのか。
※適正な品質の資材を調達することは、施工管理の一環でありますが、資材の調達だけを行っている場合、元請負人として自ら総合的に企画、調整及び指導をし、その施工に実質的に関与しているはいえないため、一括下請負に該当します。
(参考)事例 1
事例 2
地盤改良工事を含む道路工事において、当該地盤改良が特別な工法が必要なため、その技術を持つ子会社に実際の工事を請け負わせました、子会社とは連結関係にあります。この場合は一括下請負に該当するのか。
※連結関係にある子会社であるとしても、別会社である以上、子会社だからといって特別な取り扱いになりませんので、一括下請負に該当します。
事例 3
工事を請け負った建設業者が、都合により自ら施工することができなくなり、利益及び経費を一切差し引かずに、A社に全部下請負させた。この場合は一括下請負に該当するのか。
※中間搾取の有無は一括下請負であるか否かの判断においては考慮されません。従って、この場合、一括下請負に該当します。
事例 4
橋梁工事において、隣接工区を施工している建設業者に下請負させた方が、施工の効率化の観点から有効と考え工事の大部分を下請負させた。この場合は一括下請負に該当するのか。
※工事の主たる部分を一括して他人に請け負わせた場合には、実質的な関与をしていなければ一括下請負に該当します。
なお、このような場合には、下請負人が隣接工区を含め、一体的に施工し、工事全体にわたって主体的な役割を果たしているケースが多いと考えられ、元請負人の実質的な関与に疑義が生じますので、疑わしい場合は管理課建設業係へ報告してください。
※実質的な関与とは、施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導、監督等を実際に行っている場合です。単に技術者を置いているだけでは実質的な関与とはいえません。
工事材料使用届、工事材料使用承諾願
工事に使用する材料は、設計図書に定める場合などを除いて、請負者が自ら定めることとなっていますが、その材料が発注者の求める品質に適合するものなのかどうか、あらかじめ確認することは、大切なことです。
監督員は、請負者から使用前に提出された使用届、使用承諾願の材料が、「仕様書に適合する品質か又は同等品以上の品質であるか」「県内産を使用しない理由が正当であるか」を確認し、承諾などをします。
(解説)
工事材料は、仕様書に示す規格に適合するもの又はこれと同等品以上の品質を有するものを使用しなければなりません。
工事で使用する材料が、設計図書、仕様書に適合する又はこれと同等品以上の品質を有する材料であるかを使用する前に確認することは、工事目的物の品質を確保する上で重要なものの一つです。
そこで、本県では工事に使用する材料の品質を事前に確認するために、工事で使用する材料については「工事材料使用届」、「工事材料使用承諾願」の提出を義務づけています。
ただし、設計図書に明示していない仮設材料は除きます。
使用材料使用届とは、日本工業規格(JIS)表示許可材料、標準品アスファルト混合物、JIS表示認定工場で製造されたJIS規格品のレディーミクストコンクリートを使用する場合に提出する様式です。
使用材料承諾願とは、使用届で提出する材料以外を使用する場合に提出する様式です。
1)一般材料 使用届には、
・工事名、工事場所、工期、請負金額、
・材料名、規格、製造会社、所在地、納入業者、日本工業規格表示許可番号承諾願には、
・工事名、工事場所、工期、請負金額、
・材料名、規格、製造会社、所在地、納入業者、構造図面、
構造計算書、製品カタログ、その他資料(海外建設資材品質証明書等)を記載しなければなりません。
2)レディーミクストコンクリート
JIS表示認定工場で製造されたJIS規格品のレディーミクストコンクリートを使用する場合は、使用届の他に配合報告書を添付し、これ以外のレディーミクストコンクリートを使用する場合は、承諾願の他に、配合報告書、配合計算書、各種材料試験結果を添付します。
3)アスファルト混合物
標準品アスファルト混合物を使用する場合は、使用届の他に混合物報告書、使用承諾証明書の写しを添付し、特注品アスファルト混合物を使用する場合は、使用承諾願の他に混合物報告書、配合報告書、各種試験結果を添付します。
なお、工事に使用する材料は、極力県内産資材を使用すること(県内で生産されていない資材につい
ては、極力県内取扱業者から購入すること)としており、県内産以外の資材を使用する場合は、備考欄にその理由を明記することとしています。
(責務)
請負者から提出された使用届、使用承諾願により各材料が設計図書或いは仕様書に示す規格に適合する又はこれと同等品以上であるかどうかを確認し、適合しない又は同等品に満たない場合は修正指示します。
さらに、現場では届出のあった材料又は承諾した材料が使用されているかを確認します。
使用材料使用届、
使用材料承諾願
請負者
使用する前に提出さ
れたか。
No
Yes
提出指示
設計図書、仕様書に適合、
又は同等品以上か
No
Yes
提出指示
現場確認
適
宜
確認
使用届
・提出された材料か使用承諾願
・承諾した材料か
No
Yes
施 工
修正指示
請負者
(関係法令等)
工事材料の品質及び検査(確認を含む)については、共通仕様書材料編第2節に規定しています。
6.請負者は、工事に使用する材料については、その外観及び品質規格証明書等を照合して確認するとともに、次号の定めにより事前に監督員の確認又は承諾を得なければならない。
(1)一般材料
(ア)JISの表示許可を受けた材料を使用する場合は、請負者は、工事材料使用届(様式-1)(以下「使用届」という。)を監督員に提出しなければならない。
(イ)JISの表示許可を受けていない材料を使用する場合は、請負者は、工事材料使用承諾願(様式-
2)(以下「承諾願」という。)及び「使用材料一覧表(様式-3)」を監督員に提出し承諾を得なければならない。
(2)レディーミクストコンクリート
(ア)請負者は、レディーミクストコンクリートを用いる場合には、JISマーク表示認定工場で、かつ、コンクリートの製造、施工、試験、検査及び管理などの技術的業務を実施する能力のある技術者が常駐しており、配合設計及び品質管理等を適切に実施できる工場から選定し、JIS A 5308 (レディーミクストコンクリート)に適合するものを原則用いなければならない。これ以外の場合は、本条(ウ)、 (エ)の規程によるものとする。
(イ)請負者は、JISマーク表示認定工場で製造されJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)により粗骨材の最大寸法、空気量、スランプ及び呼び強度等が指定されるレディーミクストコンクリートについては、監督員に配合報告書を提出するものとする。なお、別紙の重要構造物については、請負者は、必要に応じ配合に臨場することができるものとし、製造会社の材料試験結果(骨材のアルカリシリカ反応性試験結果を除く。)及び配合の決定に関する確認資料を整備・保管し、監督員の請求があった場合は、遅滞なく提示するとともに、検査時に提出しなければならない。
(ウ)請負者は、 JISマーク表示認定工場が工事現場近くに見当たらない場合は、使用する工場について、設計図書に指定したコンクリートの品質が得られることを確認の上、その資料により監督員の確認を得なければならない。なお、コンクリートの製造、施工、試験、検査及び管理などの技術的業務を実施する能力のある技術者が常駐しており、配合設計及び品質管理等を適切に実施できる工場から選定しなければならない。
(エ)請負者は、JISマーク表示認定工場でない工場で製造したレディーミクストコンクリート及びJISマーク表示認定工場であってもJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)以外のレディミクストコンクリートを用いる場合には、設計図書及び第1編5-3-3 配合及び5-3-4 材料の計量の規定によるとともに、配合に臨場し、製造会社の材料試験結果、配合の決定に関する確認資料を監督員に提出し、承諾を得なければならない。監督員は、請負者よりJISマーク表示認定工場でない工場で製造したレディーミクストコンクリートの使用承諾願いが提出された場合は、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)の呼び強度の1ランク上位の基準を満足したものに限り承諾することができるものとする。
(オ)監督員は、工事が契約図書どおり行われているか確認をするため、必要に応じて工場に立ち入り、レディーミクストコンクリートの材料の品質を検査できるものとし、請負者はこれに協力しなければならない。
(3)アスファルト混合物
(1)別に定めるところにより、各総合事務所県土整備局長からアスファルト混合物使用承諾証明書が与えられたアスファルト合材工場の標準品アスファルト混合物(表-1-2-1-1)を使用する場合は、事前にアスファルト混合物使用届(様式-3)、アスファルト混合物報告書(様式-4)及びアスファルト混合物使用承諾証明書の写しを監督員に提出しなければならない。
なお、この場合は配合設計書等の使用願添付資料は省略することができる。
(2)標準品アスファルト混合物以外の特注品アスファルト混合物を使用する場合は、アスファルト混合物使用承諾願、アスファルト混合物報告書、配合報告書及び各種試験結果を監督員に提出し承諾を得なければならない。
工事看板等
請負者が、工事現場で最初に作業する行為の一つに、工事看板の設置があります。看板には、工事内容を表示した工事標示板や、工事を予告するための予告看板などがあります。
監督員は、「必要な看板が設置されているか」「十分な視距が確保されているか」「交通の妨げとなっていないか」などを確認します。
さらに、工事現場への掲示が義務づけられている建設業の許可票、建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識が掲示されているか確認します。
(解説)
公衆災害を防止するためにも、各種標識を設置し工事を周知すること。工事目的物を建設する区域、工事にともなって使用する区域などをそれ以外の区域と明確に区分することは大切なことです。
各種標識には、工事標示板、お願い看板、警戒標識、規制標識などがあります。
工事標示板は、工事の内容を周知するためのもので、工事名、工事区間、工事期間、施工者名、昼間連絡先、夜間連絡先、現場代理人氏名、発注者氏名(担当係まで)、発注者連絡先を明記します。
お願い看板は、事業への理解と協力をお願いするものです。なお、請負金額 3,000 万円以上の工事には地域住民との融和、並びにイメージアップを図るために、事業目的、事業進捗率、施工者名、連絡先、発注者氏名(担当係まで)、発注者連絡先などを記載することとしています。
警戒標識は、工事箇所、段差、幅員の変更などを、規制標識は、徐行、一方通行などの通行制限を予め通行人などへ周知するものです。
工事区域を区分するには柵、立入禁止看板などを設置し関係者以外の立ち入りを防止するとともに、夜間における工事箇所の視認を確保するために、保安灯、回転灯などを設置します。
さらに、建設業の許可票及び建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識の工事現場への掲示が義務づけられています。
建設業の許可票には、名称(商号)、代表者氏名、主任技術者の氏名、専任の有無、資格名及び資格者証交付番号、一般建設業又は特定建設業の別、許可を受けた建設業、許可番号、許可年月日を記載しなければなりません。
(責務)
監督員は、工事標示板、お願い看板、警戒標識、規制標識、立入防止柵などが設置されているか確認するとともに、風などにより移動しないように堅固に固定されているか、十分な視距が確保される位置に設置されているかなどを確認します。
また、これら看板等が、視界を妨げるなど通行の妨げとなるように設置されていないかなどを確認します。なお、通行の妨げとなっている場合は、設置位置の移動や、視線部分を金網にするなどの措置を請負者に指示します。
さらに、建設業の許可票及び建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識が掲示されているか確認し、されていなければ掲示を指示します。
(関係法令等)
保安施設設置基準はハンドブックP10-1 に掲載しています。
着工前測量
ほとんどの工事において行われる準備工に着工前測量があります。
契約約款及び共通仕様書で着工前測量の実施とその結果による設計図書の照査を義務付けています。
なお、着工前測量は段階確認に位置付けられていますので監督員は確認しなければなりません。
(解説)
工事看板、現場事務所の設置後、請負者が行う作業が着工前測量です。
請負者は、着工前測量により設計図書に示す測量標(仮BM、基準点)、工事用多角点、用地境界、中心線、縦横断図などに差異が生じていないかなどを確認しなければなりません。
着工前測量により
・図面、工事数量総括表、仕様書、現場説明書及び質問解答書が一致しない。
・設計図書に誤り又は脱漏がある。
・工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない。
などが明らかになった場合は、必要に応じて設計図書などの変更を行います。
なお、着工前測量は段階確認に位置付けられていますので、監督員は必ず確認しなければなりません。
(責務)
継続中の工事箇所などでは、請負者が行う測量結果と測量成果品を対比して確認することもできますが、その事業において初めて工事に着手する場合や、重要構造物の工事においては、請負者の測量に立ち会ったり、監督員自ら測量して測量標や図面等に差異がないか確認します。
測量の結果、図面等に差異がある場合はその内容を検討し、設計図書の変更など必要な対応を行います。
(参考)
事例 1
県道工事と市道工事が隣接して施工された。県道工事と市道工事がそれぞれの仮B.Mを使用して工事していたところすりつけにおいて段差が生じてしまった。
※着工前に双方の仮B.Mを照査し調整していれば防ぐことができた。
段階確認
平成13年6月から、監督員が行う工事目的物の品質確認の方法が段階確認となりました。
段階確認は、以前の施工管理基準の抽出により請負者が行う管理が正しく行われているか確認することと異なり、自らその測定対象などを決定し品質を確認するものです。
(解説)
品質確認は、鳥取県土木施工管理基準に基づいて行われる請負者の管理と、監督員が行うものがあります。監督員が行う確認の一つに段階確認があります。
以前の立会は、請負者が鳥取県土木工事施工管理基準に則って行う管理が正しく行われているかを抽出して、請負者の管理が正しいかどうかを確認するものでした。
平成13年6月の監督基準の改定により、監督員が行う品質確認を段階確認としました。
段階確認は、監督員自らが品質を確認するものです。従って、自ら測定対象(箇所)を決定し、測定することにより品質を確認します。
段階確認には、一般監督工事と重点監督工事があり、重点監督工事の確認頻度は、一般監督工事の概ね2倍の頻度で行うこととなります。なお、段階確認の対象工種、項目、留意事項、提出書類、確認頻度などについては鳥取県土木工事監督マニュアルに定めてあります。
(責務)
監督員は、段階確認通知書に基づき段階確認を行うこととなりますが、その実施日が近づくと請負者から段階確認の実施予定について連絡が入りますので、実施予定を調整します。
現地では、自ら測定対象(箇所)を決定し、対象が規格値内かどうか確認します。規格値を外れる場合は、総括監督員に報告し改善指示などを行います。
また、請負者が段階確認記録書を作成しますので、段階確認の内容と記録書の内容を確認し、正しければ、記録書の確認欄に押印又はサインします。
さらに、段階確認通知書には、段階確認実施日の欄がありますので、実施した日付を記入します。
監督員
段階確認実施日時の調整
請負者
請負者
No
Yes
段階確認記録書に確認押印
修正指示
施工状況チェックリストと一致する。
監督員
段階確認記録書作成、提出
請負者
施工状況チェックリストに記入
自ら測定
自ら測定箇所を決定
現地確認
(関係法令等)
段階確認は、共通仕様書土木工事共通編1-1-6に規定しています。
また、段階確認の項目、頻度等を規定している鳥取県監督基準、鳥取県監督マニュアルはハンドブックP4-1~4-40 に掲載しています。
事例 1
橋台基礎の基準高を現場代理人の計算にしたがって現場で確認を行った。後になってこの計算が間違っていることが判明し、手直しを行った。
※監督員自ら、測量を行い計算を行っていれば防ぐことができた。
事例 2
道路工事においてブロック積基礎の基準高を請負者の資料のみで確認していた。側溝を設置しようとしたところ、基礎が高くて設置出来ないことが判明した。請負者の測量が間違っていたためであり、手直しをおこなった。
※監督員自ら、測量を行い計算を行っていれば防ぐことができた。
設計図書の変更と変更契約
設計図書に示した条件などと現地条件が一致しないなどの場合、必要に応じて設計図書の変更を行います。
なお、設計変更については「設計変更に伴う契約変更事務取扱要領」「工事請負契約に係る設計・契約変更ガイドライン」により適正に行わなければなりません。
(解説)
工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約など設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないとき、予期することができない特別な状態が生じたときなどは設計図書の変更を行います。
契約変更を行うことができる範囲は、変更契約による変更金額が当初請負代金額の3割(3割に相当する金額が1,000万円以上であるときは1,000万円)以内の場合又は現に施工中の工事と分離して施工することが不適当な場合に限られています。
現に施工中の工事と分離して施工することが不適当な場合とは、他事業との調整、緊急を要する場合などの要因により、当初契約の工事区間内で契約数量が増減する場合であります。
なお、別契約として随意契約によることができる場合は、工事箇所の地理的条件により隣接箇所で施工中の請負者でなければ円滑な進捗ができない場合、災害その他緊急な事態により直ちに工事を施工する必要がある場合で競争入札を行う時間がない場合などに限られます。
契約変更の手続きは、その内容について請負者と協議し、その必要性が生じた都度、遅滞なく行うことを原則としますが、軽微な変更についてはこの限りではありません。
軽微な変更とは、構造、工法、位置、断面等の変更のうち重要でないもので、かつ、変更金額が直前 の請負代金額の2割(2割に相当する金額が300万円以下であるときは300万円)以下の場合です。この場合、協議書あるいは指示書で変更の指示を行うことができますが、地方公共団体の契約は、地 方自治法の規定により契約書の作成を効力の発生としていることから、協議書、指示書ではその効力が
発生しません。できるだけ速やかに変更契約を行うことが望まれます。
さらに、契約の履行確保として契約保証金の納付を義務づけ(免除規定あり)ていますが、これに代わる担保として、保証事業会社の保証、金融機関の保証を認めることとしており、これらの機関では、変更契約時に改めて保証が必要となる場合があります。保証には日時を要することから、最終変更は工期に対して余裕をもって行う必要があります。
(責務)
設計図書に示す条件等の変更について請負者から確認を請求(協議書を含む。)された場合や、自らその事実を発見した場合は、請負者の立ち会いの上でその内容について調査・確認し、総括監督員あるいは局長まで報告します。
調査の結果、設計図書の変更を行う必要があると認められた場合は、変更契約可能な範囲内か、予算 以内であるか確認し、変更可能であれば図面の変更、変更設計書の作成を行い、変更契約を伺います。なお、設計図書の条件について変更契約を行う場合は、調査後14日以内にその回答を請負者に行わ
変更契約可能な範囲か。
別発注
条件変更等にともなう変更金額が予算以内か。
設計図書の変更を行わなければならないか。
なければなりませんので、速やかに対応してください。
No
Yes
No
Yes
変更範囲を検討
No
Yes
変更内容が軽微か
総括監督員(或いは局長)へ報告。
請負者の立会いの上、調査し協議。
条件変更等について協議された。あるいは自ら発見した。
Yes
できる規定
No
指示書
工事継続
決裁、変更契約
変更伺い
設計図書の変更
(関係法令等)
条件変更等の対応については、契約書第18条に定められています。また、設計変更の考え方については、「設計変更に伴う契約変更事務取扱要領」「工事請負契約に係る設計・契約変更ガイドライン」に規定しています。
契約書
第18条 乙は、工事の施工に当たり、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
一 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)
二 設計図書に誤びゅう又は脱漏があること三 設計図書の表示が明確でないこと
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら前項各号に掲げる事実を発見したときは、乙の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、乙が立会いに応じない場合には、乙の立会いを得ずに行うことができる。
3 甲は、乙の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後、14日以内に、その結果を乙に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ乙の意見を聴いた上、当該期間を延長することができる。
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、必要があると認められるとき
は、次の各号に掲げるところにより、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。一 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当 甲が行う。
し、設計図書を訂正する必要があるもの
二 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変 甲が行う。更する場合で工事目的物の変更を伴うもの
三 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変 甲乙協議して更する場合で工事目的物の変更を伴わないもの 甲が行う。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、甲は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
事例 1
ブロック積(岩着)の施工において、各測点では推定位置で岩が認められた。しかし、測点間では推定位置より浅くなっており、出来形不足が生じることとなる。
この場合、設計変更の対象となるのか。
※まず、設計図書とは、図面、特記仕様書、共通仕様書、現場説明書及び現場説明書に対する質問解答書であります。特記仕様書には工事の施工に関する明細又は工事固有の技術的要求を定めたものであり、設計書や数量総括表などが該当します。
従って、今回の場合、図面に変更が生じなくても、数量に変更が生じていますので設計変更の対象となります。
事例 2
道路改良工事で、市道への擦りつけを計画していたところ、次年度から当該市道の拡幅工事に着手することが判明した。市との協議の結果、手戻りにならない範囲での施工となり、県工事では取合擁壁工を土嚢に変更するとともに横断溝を拡幅に合わせて延伸することとし、請負者に指示書で施工させた。
最終変更の作業を行ったところ、増額が8万円、かつ元設計金額の1.5%未満であったことから、変更契約を行わなかった。
しかし、取合擁壁が廃止となっており、検査で出来形不足を指摘される恐れがある。どのようにすればよいか。
※変更契約を行わなかった理由を資料(増額8万円の根拠)により検査員に説明します。出来形の確認は、その資料により確認してください。
指示、協議、承諾、報告
共通仕様書において、発注者及び請負者との間で交わされる行為は、書面で行なわなければならないことが規定されています。
本県では、監督員発議の指示及び協議、請負者発議の協議、承諾願、報告、提出について様式を定めていますので、この様式により行うこととなります。
これらの中に、設計変更に係わる事項が含まれる場合などは、総括監督員まで内容を確認します。なお、協議書等の取扱いについては「工事に関する協議書等取扱要領」により適正に行わなければ
なりません。
(解説)
工事期間中には、工事の履行を確保するために発注者(監督員)と請負者との間で、指示、協議、承諾、報告などが行われます。
指示とは工事の適正な履行を確保するために、発注者から請負者に対して行うもので、様式は指示書を使用します。
例えば、工事開始日後30日以内に着手しない場合に、請負者に着手させるために行う場合は指示書を発行します。
協議とは、契約図書の協議事項について発注者と請負者が対等な立場で合議し、結論を得ることであり、別に定めた様式(発注者から請負者へは発注者発議用の協議書、請負者から発注者へは受注者発議用の協議書)により行われるものです。
例えば、着工前測量などの結果、設計図書と現地に差異が認められた場合に、請負者から発注者へ設計図書の変更について協議書が提出されます。それに対して、設計図書の変更を行わない場合は協議内容を承諾とし、設計図書の変更を行う場合は指示で回答します。なお、承諾、指示事項について請負者が納得しない場合は、再協議が提出されます。
報告とは、設計図書の報告事項について請負者から発注者に対して行われるもので、様式は報告書を使用します。
例えば、毎月の履行状況や施工状況について報告書が提出されます。
1つの請負契約で発注者と請負者で交わされる協議書などは多数あり、また設計図書の変更をともなうような重要な内容のものも存在するなど、監督員の適切な対応が求められます。
上記の行為は、災害時等を除き、書面により行わなければなりません。なお、災害時等において口頭で指示を行った場合でも、後日書面を整える必要があります。
(責務)
指示及び発注者発議の協議を行う場合は、その内容について決裁後、正本を監督員保管、副本を請負者保管とします。
指示又は協議に伴う設計変更により請負代金額に変更が生じる場合は、その概算増減額を記入しますが、副本の金額は鉛筆で記入し、決裁後に金額を消します。
なお、受渡時には指示又は協議の内容を説明するとともに、正、副本に現場代理人の押印又はサイン
を受けます。
受注者発議の協議書を受領した場合は、その内容について調査あるいは確認します。調査あるいは確認結果を協議書に記入し、その回答(設計図書を変更する場合は指示、変更しない場合は承諾)について決裁を受けます。
承諾書についても、協議書と同様の手続きとなりますが、承諾書による事項は設計図書の変更対象となりません。
受注者発議による協議書、承諾書は受領後14日以内、また、その内容が契約約款第18条(条件変更等)に関わる内容であれば、事実関係の調査後14日以内に請負者へ回答しなければなりません。
なお、ワンデーレスポンス対象工事においては、別途実施要領により適正に行うこと。
Yes
No
後日
Yes
No
1)指示書、協議書(発注者発議用)
指示・協議を行う必要がある。
緊急を要する。
口頭指示
請負代金額の変更が生じるか。
概算増減額を記入した伺いを作成
伺いを作成
伺いは、原則、総括監督員まで伺う。
局長まで伺うかは、総括監督員が判断する。
決裁
決裁
金額を消去
現場代理人(主任技術者)へ内容説明
現場代理人(主任技術者)の押印又はサイン)
正は監督員、副は請負者保管
2)協議書、承諾書(受注者発議)
協議書、承諾書を受付
内容の調査、確認
契約図書の変更が必要か
調査内容等を記入し承諾として伺いを作成
No
Yes
請負代金額の変更が生じるか。
概算増減額を記入した伺いを作成
Yes
No
伺いを作成
伺いは、原則、総括監督員まで伺う。
局長まで伺うかは、総括監督員が判断する。
決裁
決裁
決裁
請負者保管分から金額を消去
現場代理人(主任技術者)へ回答。
(契約書第18条(条件変更)に関わる協議書では、調査後14日以内に回答、それ以外の協議書は、受領後14日以内に回答しなければならない。)
ワンデーレスポンス対象工事は原則として1日以内に回答
現場代理人(主任技術者)の押印又はサイン
監督員、請負者が各1部保管
(関係法令等)
指示、協議などは契約書、土木工事共通仕様書等に定められた監督の業務を行うための手法であり、指示書等について規定している工事に関する協議書等取扱要領はハンドブックP18-32~35 に掲載しています。
事例 1
軟弱地盤工事において、残土の仮置きを行わなければならなくなった。事業地内にスペースがあり仮置きを指示したところ、隣接の田が隆起してしまった。
※指示書、協議書等は軽易なものについて適用することとしていますが、時にはこのような事象が生じることがあります。慎重に行うためにも、必ず総括監督員までの確認し請負者に指示等を行ってください。
自社施工対象工事における自社施工の確認
アスファルト、法面植生工、法面保護工、アンカー工、交通安全施設等については、自社施工を義務づけており、その施工を請負者自ら行っているかどうかを確認します。
「自社保有技術者等が施工したか」「自社保有機械で施工されたか」などを確認します。
なお、自社施工の確認については「鳥取県県土整備部自社施工対象工事適正実施要領」により適正に行わなければなりません。
(解説)
公共工事の適正な施工を確保するため、優良な建設業者の選定あるいは不良不適格な建設業者の排除を行うためにも、請負者の施工能力を適格に把握することは大切なことです。
本県は、アスファルト、法面植生工、法面保護工、アンカー工、交通安全施設等について、自社施工を義務づけており、その確認を行わなければなりません。
(責務)
請負者が原則として自社のみによる施工を必要とするものについては、その履行状況を審査する要領が制定されており、それに基づいた監督業務を行わなければなりません。
まず、工事の着手までに自社施工体制通知書が提出されますので、入札参加資格審査申請書添付書類に登録されている配置技術者等として記載した者であるかなどを確認します。
現地確認については、要領に各工種毎に規定されている確認時期、条件等を確認します。
同一工種であっても面積が特に広い場合又は相当の期間を挟んで2回以上の施工となる場合には2回以上確認を行います。
なお、舗装工事は原則として土日、祭日の作業は行わせないものとし、やむを得ない理由により土日、祭日に作業を行う場合でも、必ず監督員が現地確認を行います。
確認内容は職員、機械が登録職員、登録機械であるかとともに実際の作業が登録職員、登録機械で行われているかどうか30分以上現地で確認します。
また、現地で確認を行った事項については写真等の映像で記録するとともに舗装工事の自社施工義務付けに伴う監督・検査確認票に記載します。
さらに、中間検査、完成検査時には品質管理を説明するものが登録された技術者であるかを確認し、確認票に記入します。
確認票は、監督員が保管します。
現地確認などの結果、自社施工体制確認通知書のとおりに行われていない等の事実が判明した場合は、総括監督員及び局長へその事実を報告するとともに、建設総務課を経由して県土総務課へ報告します。
施工状況確認 | 従事技術者等並びに配置機械等で施工されているか | |
No
Yes
No
Yes
Yes
No
修正指示
総括監督員へ報告
局長報告
県土総務課へ報告
確認票等保管
自社施工状況確認票の記入、現地確認の状況の写真等への記録を行う
自社施工が行われていた
入札参加審査書類申請書添付書類と一致するか
自社施工体制通知書
特殊工事入札参加資格審査添付書類
指名競争入札参加資格審査申請書時に提出
写し
各総合事務所
鳥取県(県土総務課)
特殊工事の入札に参加しようとする者。
(解説)
特殊工事入札参加資格審査添付書類とは、特殊工事
(PC、港湾、交通安全施設、法面植生工、法面保護工アンカー工、鋼橋、アスファルト、塗装一般など)の 指名を希望する者に、その工事の施工能力があるかど うか判断するために提出を求めている資料です。
提出書類は、職員調書、資格者証、免許証等の写し職員写真、実務経験調書、機械調書、機械写真です。
これらの書類には、職員及び機械の写真が綴られますので、請負人となった場合、提出する書類や現地の施工状況を確認することができます。
施工能力の有無について判断する基準は、
1)ほ装工事
ア 常勤の技術者(1級又は2級の舗装施工管理技術者登録者)が品質管理を行うこと。イ 作業を常勤の作業員が行うこと。
舗装用機械の運転手(アスファルトフィニッシャー、マカダムローラー、タイヤローラー)が各
1名以上。
ウ 舗装用機械を所有又は入札参加資格の有効期間以上のリース契約(リース総額が取得価格及び諸費用の概ね全部を回収するような契約で、中途解約が禁止されているものに限る。)し、保守・管理し常時使用可能であること。
舗装用機械
・モーターグレーダー(3.1m以上)
・アスファルトフィニッシャー(2.4~4.5m又は3.0~8.5m)
・マカダムローラー(両輪駆動10~12トン)
・タイヤローラー(8~20トン)
2)港湾工事
ア 常勤の専門技術者(港湾工事監督経験年数5年以上)、補助技術者(港湾工事監督経験年数2年以上)を有すること。
イ 船舶及び乗組員
・曳船(100ps 以上)[高級船員(2級小型船舶操縦士)2、普通船員1]
・起重機船(25 トン吊以上)[高級船員(運転士)1、普通船員3]
・台船(20 トン積以上)[普通船員2]
・クラブしゅんせつ船(100ps[高級船員(運転士)1、普通船員3]
ただし、起重機船とクラブしゅんせつ船の乗組員は兼ねて従事することができる。
3)鋼橋工事(PC橋工事を含む)
ア 橋りょう製作、架設の経験を有し、部内検査組織が確立されていること。イ 鋼橋の場合は、工場製作ができるもの。
PC橋の場合でプレテン桁橋については、JIS指定工場を有すること。ポステン桁橋については、必要な特許又は使用権を有すること。
であります。
建設副産物
環境配慮やコスト縮減からも建設副産物の発生を抑制するとともに、有効利用することが求められています。
建設副産物に関係する法令は多くあり、適切な設計を行うことと、適切な施工を確認することが必要です。
監督員は、「設計図書(現場説明書)に指定した方法により建設副産物が適正に処理・処分されたか」「設計図書に指定した環境製品(再生合材、再生砕石など)が使用されているか」などを確認します。
(解説)
建設副産物とは、建設工事に伴って副次的に得られる物品をいいます。
例えば、作業土工に伴って発生する建設発生土やコンクリート構造物の解体に伴って発生するコンクリート塊などが建設副産物となります。
建設副産物はその内容によって、
①その発生品がそのまま原材料となるもの
建設発生土、金属くず(有償で売却できるもの)など
②原材料の利用の可能性があるもの
コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材、建設汚泥など
③原材料として利用が不可能なもの
飛散性アスベストや重金属を含む土砂などの有害・危険なものの3つに分類されます。
また、この分類によって対象となる法律が、
①は、資源の有効利用に関する法律(リサイクル法)
②は、リサイクル法及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
③は、廃棄物処理法
となります。
②のうちコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊及び建設発生木材については、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)の対象となります。
さらに、建設副産物のうち有効利用を特に図る必要があるものとして、建設発生土、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、及び建設発生木材を指定副産物としています。
指定副産物を一定規模以上搬出する建設工事の元請負者は、再資源化などを促進するために、再生資源利用促進計画の作成が義務づけられています。また、一定規模以上の土砂、砕石、加熱アスファルト混合物を搬入する建設工事の元請負者は、再生資源の利用を促進するために、再生資源利用計画の作成が義務づけられています。
また、②及び③は廃棄物処理法が適用されることから、その処理及び処分について適正に行わなければなりませんので、処理費などについて適正に計上しなければなりません、
なお、②及び③においても廃棄物処理法の適用を受けない場合があります。それは、その廃棄物を自
ら利用する場合と有償売却した場合です。
ただし、自ら利用及び有償売却については、その廃棄物の利用目的などによって産業廃棄物となる場合がありますので、環境部局と調整する必要があります。
再生資源利用促進計画 | 再生資源利用計画 | |
計画の策定の規模 | 次の規模の副産物を搬出する建設工事 ・1,000m3以上の建設発生土 ・200t以上のコンクリート塊 〃 アスファルト・コンクリート塊 〃 建設発生木材 | 次の規模の副産物を搬入する建設工事 ・1,000m3以上の土砂 ・500t以上の砕石 ・200t以上の加熱アスファルト混合物 |
定める内容 | ・種類ごとの搬出量 ・種類ごとの再資源化施設又は建設工事現場等への搬出量 ・その他 | ・資材毎の利用量 ・利用量のうち再生資源の種類と利用量 ・その他 |
環境配慮を推進するためには、適正な処理・処分だけでなく、有効な利用に努めなければなりません。建設発生土は、国、県、市町村などが建設発生土の発生及び利用予定などについて情報交換する、建
設発生土情報交換システムなどを利用して、有効な利用に努めます。
また、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊を再資源化して得られた再生アスファルト合材、再生砕石については積極的な使用を行わなければなりません。
建設副産物
さらに、この他の廃棄物を利用した環境製品についても積極的な使用に努めなければなりません。
再生資源 | ||
廃棄物 (廃棄物処理法) | 原材料として利用の可能性があるもの | (リサイクル法) そのまま原材料となるもの ○建設発生土 ○金属くず |
原材料として利用が不可能なもの ○有害、危険なもの | ○コンクリート塊 ○アスファルト・コンクリート塊 ○建設発生木材 (建設リサイクル法) ○建設汚泥 ○建設混合廃棄物 | |
(責務)
建設副産物の処理・処分方法については、現場説明書に明示し、適切な積算を行っています。従って、建設副産物が設計図書に明示したとおり処分、処理されているか確認を行わなければなりません。
建設発生土の搬出先を指定している場合は、搬出先(流用先工事現場、資源利用センターなど)の伝票などで適正に処分されたかなどを確認します。
産業廃棄物については、産業廃棄物管理票(マニュフェスト)のD票により適切に処理されたかを確
認し、また、E票により最終処分が適切に行われたかを確認します。
また、環境製品の使用を設計図書で明示している場合は、現場で適切に使用されたかを確認します。特に、再生砕石については、その種類が多く、また単価も多様であることから指定した資材が現場で
使用されているかどうか、段階確認時等の時に現地確認を行います。
(関係法令等)
建設副産物対策について規定している鳥取県県土整備部公共工事建設副産物活用実施要領等は、ハンドブックP11 に掲載しています。
工事一時中止
工事用地の確保ができない又は天災などにより工事を施工することができないと判断される場合は、工事を一時中止させなければなりません。
工事を一時中止する場合、監督員は請負者と内容、期間、区域を協議の上で通知します。
一時中止中の現場であっても、工事標示板、警戒標識、規制標識などや立入防止柵などの設置状況について確認する必要があるため、請負者に基本計画書の提出を指示します。
ただし、工事の一時中止は、損害賠償の対象となる場合があり、発注者の責による一時中止はできるだけ行うべきでありません。
なお、工事の一時中止については「工事請負契約に係る設計・契約変更ガイドライン」により適正に行わなければなりません。
(解説)
工事用地等の確保ができない、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震その他の自然的又は人為的な事象により、工事を施工できないと認められる場合は、工事の中止を請負者に通知し、工事の全部又は一部の施工を中止させなければなりません。
ここでいう工事用地とは、工事目的物が建設される場所そのものを意味しており、営繕用地(現場事務所、労働者宿舎)や機械プラントなどの請負者が確保すべき用地は含まれません。
自然的又は人為的な事象とは、地形等の変動や妨害活動などの威嚇行為などでありますが、単に発生しただけでは工事中止の対象とならず、これらの事象により工事を施工することが困難であると客観的に判断される場合に工事中止の対象となります。
工事中止の通知には、中止となる工事の内容、工事区域、中止期間の見通し等を記載します。
なお、工事を一時中止する時点で、工事開始日が特定できない場合でも、「知事が別途指示するまでの間」とせず、必ず期間を設定しなければなりません。
また、工事開始日が特定できない場合、及び契約後1か月以内に工事着手することができない場合は、一時中止する期間について予め請負者と協議しなければなりません。
契約約款第20条第3項には、工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められた場合は、工期及び請負代金額などの変更を行うことが規定されています。
工期の延期は、工事中止した期間を延期することとなりますが、地震、火災などの場合、その事象による中止期間よりも、後片づけなどに要する期間が長期にわたることがあることから、延期期間はそれらを考慮することが妥当です。
請負代金額の変更は、本県の契約形式が総価契約であることから、通常、設計図書の変更(工事目的物の構造、仕様書等の変更、施工方法等の新規指定、施工方法等の指定変更など)や設計図書が当然と前提している事項に著しい変更がある場合など、直接経費に関する費用については、設計変更により対応します。
しかし、工事の一時中止時に不要となった建設機械器具、労務者、技術者の配置転換に要する費用、保管のきかない工事材料の売却損益や、工事再開時の機械器具の再投入、労務者、技術者の転入に要する費用など設計変更で対応できない間接費用については、損害として負担することとなります。
損害賠償を県が支払うためには、その額の決定などについて議会の議決が必要となり、期間を要する
こととなります。
従って、発注者の責任による工事の一時中止はできる限り避けるとともに、工事の一時中止を行わなければならない事象が解消された場合、すみやかに解除しなければなりません。
なお、請負金額2,500万円以上の工事については、主任技術者(監理技術者)の専任を義務づけていますが、本県では、工事中止期間(工事が実質的に不稼働な状態)はこの専任義務を免除しています。
(責務)
工事を一時中止しなければならない事象が生じた場合、監督員は請負者とその理由、区域、期間などについて協議します。
協議後、工事の一時中止について請負者に通知します。
なお、請負者は工事中止期間中であっても、現場の保安などについて維持しなければならないとしており、看板、現場詰所、材料置場などに不適切なものがあれば、請負者に改善を指示しなければなりません。
通知まで
局長まで決裁後、請負人へ通知
工事一時中止伺い。
請負人と中止内容、区域、期間を協議
総括監督員に報告
現地など確認
工事中止を行わなければならない事象が発生した。
中止期間 随時
No
Yes
改善指示
請負人
中止解除
所長まで決裁後、請負人へ通知
工事一時中止解除伺い。
工事着工可能
改善指示を行う必要がある
基本計画書の提出、確認
(関係法令等)
工事の一時中止については、契約書第20条及び共通仕様書共通編 1-1-13に規程しています。また、工事の一時中止の考え方については、「工事請負契約に係る設計・契約変更ガイドライン」に
規定しています。
契約書
(工事の中止)
第20条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって乙の責に帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、乙が工事を施工できないと認められるときは、甲は、工事の中止内容を直ちに乙に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
2 甲は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を乙に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 甲は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められると きは工期若しくは請負代金額を変更し、又は乙が工事の続行に備え工事現場を維持し若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし若 しくは乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
共通仕様書共通編
1-1-13 工事の一時中止
1.発注者は、契約書第 20 条の規定に基づき次の各号に該当する場合においては、請負者に対してあらかじめ書面をもって通知した上で、必要とする期間、工事の全部又は一部の施工について一時中止をさせることができる。
(1)埋蔵文化財の調査、発掘の遅延及び埋蔵文化財が新たに発見され、工事の続行が不適当又は不可能となった場合
(2)関連する他の工事の進捗が遅れたため工事の続行を不適当と認めた場合
(3)工事着手後、環境問題等の発生により工事の続行が不適当又は不可能となった場合
(4)第三者、請負者、使用人等及び監督員の安全のため必要があると認める場合
2.発注者は、請負者が契約図書に違反し又は監督員の指示に従わない場合等、監督員が必要と認めた場合には、工事の中止内容を請負者に通知し、工事の全部又は一部の施工について一時中止させることができる。
3.前2項の場合において、請負者は施工を一時中止する場合は、中止期間中の維持・管理に関する基本計画書を発注者に提出し、承諾を得るものとする。また、請負者は工事の続行に備え工事現場を保全しなければならない。
改造及び破壊検査等
段階確認などにより、施工中の工事目的物が計図書に適合しないことが判明した場合、監督員は、改造を指示します。
また、適合しないと認められる場合は、工事の施工部分を最小限破壊して検査して、その品質を確認することができます。
(解説)
工事中に工事の施工部分が設計図書に適合しないことを発見した場合は、その改造を請負者に請求することができます。
改造に要する費用は、設計図書に適合しない理由が発注者による場合は発注者負担、請負者による場合は請負者が負担します。
設計図書に指定した材料が使用されていない又は監督員の立ち会いの上、施工するものとされた工事について立ち会いなく施工したなどの場合は、工事の施工部分を破壊して検査することができます。
さらに、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合で、必要があると認められたときは、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができます。なお、これらの破壊検査に要する費用は請負者が負担します。
工事が、契約書等と適合しない場合は、検査員から指摘票により監督員等に指摘があります。手直しの場合、監督員は請負者に手直し工事を指示します。
監督員等は、手直し工事が完了したことを確認し、その内容を検査員に報告します。
検査員は、工事記録、写真その他監督員が確認した資料に基づき、その内容を確認して復命します。また、指摘した事項が、検査の日から起算して5日以内、又は14日以内に完了することが見込めな
い場合は、修補となり速やかに修補すべき事項を行政監察監等へ報告することになります。
修補前には修補すべき事項をについて、行政監察監から発注者(総合事務所長等)へ指摘があり、この時点で工事は不合格を決定され復命されることとなります。
発注者は、請負者に修補工事を指示し、修補工事完了後改めて検査を行います。
(責務)
施工管理基準などの規格値に収まっていないなどの事実を発見した場合、総括監督員まで報告するとともに、対象を写真などで記録します。
規格値に収まっていない事実が確実となった場合、総括監督員から請負者に改造について指示します。改造に着手する前に、改造方法などの計画書の提出を指示し、提出された改造計画が適切であるか審
査します。審査は、改造によって目的物の品質を損なうおそれがないかなどです。品質を損なうおそれなどがないと判断した場合、改造着手を指示します。
また、破壊検査については、その必要性などを局長まで報告し、必要と認められた場合は、総括監督員から破壊検査の指示を行います。
なお、破壊検査には総括監督員も立ち会って、その品質を確認します。
(関係法令等)
工事中の施工部分に係る改造指示については、契約書第17条に規定されています。
契約書
(設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等)
第17条 乙は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が監督員の指示によるときその他甲の責に帰すべき事由によるときは、甲は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
2 監督員は、乙が第13条第2項又は第14条第1項から第3項までの規定に違反した場合において、必要があると認められるときは、工事の施工部分を破壊して検査することができる。
3 前項に規定するほか、監督員は、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を乙に通知して、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
4 前2項の場合において、検査及び復旧に直接要する費用は乙の負担とする。
かし担保
工事目的物の受取り後にかしが明らかとなった場合は、その事実を確認し、その内容が著しく重大な不備があると認められる場合は、本庁対応となりますので事業担当課を経由して県土整備部長で報告します。
ただし、著しく重大な不備が認められない場合は、各総合事務所等で対応することとなります施工者に修補請求が行われた場合、修補者は、設計図書等により適正に修補を実施することに
なりますので、監督員又は調査職員は修補作業の監督を行うこことなります。
修補を完了した時は、設計図書等のとおり修補が行われたか検査を行い確認します。
。
(解説)
工事目的物に、かしが判明した場合には、かしの修補を請求することができます。なお、修補請求は、引き渡しを受けた日から3年以内に行わなければなりません。ただし、請負者の故意又は重大な不備により生じたかしの場合には、引渡しを受けた日から10年まで請求期間が延期されます。
(責務)
工事目的物のかしが判明した場合には、総括監督員に報告するとともに対象を写真などで映像記録します。
工事の行われた時期、施工者を確認し、当時の施工状況を工事記録写真などで確認します。
その内容が著しく重大な不備があると認められる場合等は、本庁で対応することとなりますので事業担当課経由で県土整備部長へ報告します。県土整備部長はその事実と内容を確認し対応を決定します。
ただし、内容が著しく重大な不備が認められない場合は、各総合事務所等で対応することとなります。著しく重大な不備とは次のように定められています。
・第三者の利権に多大な影響があると認められるもの
・社会的な影響が大きいと認められるもの
・損害賠償の請求を実施する場合
・その他県土整備部長が特にみとめるもの
修補請求を行う場合、修補者は設計図書等により適正に修補を行うことなり、発注者は、修補について監督員又は調査職員を任命し、設計図書の基づき修補作業を監督することとなります。
また、修補者は修補等を実施した後に、施工及び業務の処理体制、方法等について必要な改善等を行う計画書を書く総合事務所等に提出する必要があります。
なお、修補が完了した時は行政監察監若しくは地方機関で検査を行い、検査が完了した時は県土整備部長へ検査完了報告を行います。
(関係法令等)
工事中の施工部分に係る改造指示については、契約書第44条に規定されています。
また、修補の請求等については「鳥取県県土整備部建設工事等請求要綱」に規定しています。契約書
(かし担保)
第44条(A) 甲は、工事目的物にかしがあるときは、乙に対して相当の期間を定めてそのかしの修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。ただし、かしが重要ではなく、かつ、その修補に過分の費用を要するときは、甲は、修補を請求することが
できない。
[注](A)は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第94条第1項の適用を受ける契約の場合に使用することとする。
2 前項の規定によるかしの修補又は損害賠償の請求は、第31条第4項又は第5項(第38条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による引渡しを受けた日から○年以内に行わなければならない。ただし、そのかしが乙の故意又は重大な過失により生じた場合には、当該請求を行うことのできる期間は10年とする。
[注]本文の○の部分には、原則として、木造の建物等の建設工事の場合には1を、コンクリート造等の建物等又は土木工作物等の建設工事の場合には2を、設備工事等の場合には1を記入する。
3 甲は、工事目的物の引渡しの際にかしがあることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに乙に通知しなければ、当該かしの修補又は損害賠償の請求をすることはできない。
ただし、乙がそのかしがあることを知っていたときは、この限りでない。
4 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第94条第1項に定める住宅を新築する建設工事の請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成12年政令第64号)第5条第1項及び第2項に定める部分のかし(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)について修補又は損害賠償の請求を行うことのできる期間は、10年とする。
5 甲は、工事目的物が第1項のかしにより滅失又はき損したときは、第2項又は第4項の定める期間内で、かつ、その滅失又はき損の日から6月以内に第1項の権利を行使しなければならない。
6 第1項の規定は、工事目的物のかしが支給材料の性質又は甲若しくは監督員の指図により生じたものであるときは適用しない。ただし、乙がその材料又は指図が不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(かし担保)
第44条(B) 甲は、工事目的物にかしがあるときは、乙に対して相当の期間を定めてそのかしの修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。ただし、かしが重要ではなく、かつ、その修補に過分の費用を要するときは、甲は、修補を請求することができない。
2 前項の規定によるかしの修補又は損害賠償の請求は、第31条第4項又は第5項(第38条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による引渡しを受けた日から○年以内に行わなければならない。ただし、そのかしが乙の故意又は重大な過失により生じた場合には、当該請求を行うことのできる期間は10年とする。
[注]本文の○の部分には、原則として、木造の建物等の建設工事の場合には1を、コンクリート等の建物等又は土木工作物等の建設工事の場合には2を、設備工事等の場合には1を記入する。
3 甲は、工事目的物の引渡しの際にかしがあることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに乙に通知しなければ、当該かしの修補又は損害賠償の請求をすることはできない。
ただし、乙がそのかしがあることを知っていたときは、この限りでない。
4 甲は、工事目的物が第1項のかしにより滅失又はき損したときは、第2項の定める期間内で、かつ、その滅失又はき損の日から6月以内に第1項の権利を行使しなければならない。
5 第1項の規定は、工事目的物のかしが支給材料の性質又は甲若しくは監督員の指図により生じたものであるときは適用しない。ただし、乙がその材料又は指図が不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
地元調整
工事の円滑な施工を確保するためには、地元住民等からの協力が必要です。
そのため「地元住民等へ工事内容の周知」「公衆災害防止のための調整」などを行います。 また、地元調整の結果、設計図書への明示が必要と判断された場合は、設計図書に条件を明示
し、条件が遵守されているか確認します。
さらに、地元関係者から苦情などがあった場合で、請負者が対応すべきものについては、誠意をもって対応したか確認します。
(解説)
事業を円滑に行うために重要な事項として、適切な地元調整があります。
地元調整は、事業計画段階、用地交渉段階、工事着手時(工事中)などの段階毎で行います。
・事業計画段階
事業への協力や、事業に対する地元の考えを聞き出し、事業へ反映させるために行います。
・用地交渉段階
用地交渉が円滑に行われるために行うもので、用地協力の確保を行います。
・工事着手時、工事中
工事の円滑な進捗を確保するために、地元へ工事内容などの周知などを行います。
監督員は、工事着手時(工事中)の地元調整を行います。工事着手時に工事内容を周知し、地元(周辺住民)からの工事協力確保と公衆災害防止などのために調整を行います。
その内容は、工事用車輌の通行、交通規制の内容など公衆災害を発生させるおそれのあるものについて周知し、また、スクールゾーンや登校時間などを確認して災害防止などに努めます。
地元調整の結果、特記仕様書として設計図書に明示する必要があると判断された場合は明示し、請負者の施工計画に反映させます。
また、請負者としても地元住民等への工事内容の周知を行うことや、地元関係者等からの苦情で請負者が対応すべきものについては、誠意をもってその解決に当たらなければならないとしています。
(責務)
監督員は、事業においてはじめて工事に着手する場合や、公衆災害を発生させる恐れのある工事に着手する場合には、地元住民等へ工事内容の周知を行わなければなりません。
また、請負者が地元関係者への協力要請などを行ったか、地元からの苦情に対して誠意をもって解決に当たったか、設計図書に明示した留意事項を遵守しているかなどを確認します。
(参考)
地元調整については、共通仕様書共通編1-1―35、建設工事公衆災害防止対策要綱(土木編)第
8条、土木工事安全施工技術指針第1章第2節5に規定されています。
共通仕様書
共通編 1-1-35官公庁等への手続等
4.請負者は、工事の施工に当たり、地域住民との間に紛争が生じないように努めなければならない。
5.請負者は、地元関係者等から工事の施工に関して苦情があり、請負者が対応すべき場合は誠意をもってその解決に当たらなければならない。
6.請負者は、国、地方公共団体、地域住民等と工事の施工上必要な交渉を、自らの責任において行うものとする。請負者は、交渉に先立ち、監督員に事前報告の上、これらの交渉に当たっては誠意をもって対応しなければならない。
7.請負者は、前項までの交渉等の内容は、後日紛争とならないよう文書で確認する等明確にしておくとともに、状況を随時監督員に報告し、指示があればそれに従うものとする。
用地事務
(解説)
公共事業のために必要となる土地を取得又は使用するためには、土地の買収のほかに、支障となる建物、工作物等の移転などを行わなければなりません。
用地取得の方法には、任意取得、土地収用などがあります。
任意取得とは、当事者(県と土地所有者など)相互の納得と合意により契約し土地を取得する方法で、用地取得のほとんどがこの任意取得により行われます。
土地収用とは、任意取得が不可能な場合に土地収用法等に定められた手続きによって取得する方法です。
任意取得、土地収用の他には、土地区画整理事業などの換地処分により公共用地を創設し取得する創設取得や、地価の高騰などにより数年後に取得することが著しく不利又は困難と判断されたときに、鳥取県土地開発公社等が県に代わって用地を先行取得し、翌年度以降に県が再取得する用地先行取得などがあります。
任意取得により行われる事務の流れは、
①用地取得計画の策定
事業の進捗計画などから、取得する用地等の時期などを計画するものです。
②地元説明会
工事の目的、内容などについて、市(町)長並びに土地等の権利者及び地元住民に説明会等を開催し、地元協力を確保するために行うものです。
③用地測量・調査
事業に必要な土地の面積算出のために土地境界を確定し、取得地(残地含む)の測量や、支障となる建物、門、塀、樹木等の用途、構造、数量、利用関係等を詳しく調査するものです。
なお、実施に当たって必要な書類としては、土地登記簿、商業登記簿、戸籍簿・住民票などがあります。
④土地調書、物件調書の作成
用地測量・調査により土地の面積などが算出されれば、土地調書や物件調書を作成し所有者等に確認を求めます。
土地調書には、土地の地番、地目(台帳と現況)、台帳面積、実測面積、所有権以外の権利の種類及び内容、所有権者以外(住所、氏名)の権利者などを記載します。
物件調書には、物件の地番、物件の種別、形状寸法、数量、所有権以外の権利の種類及び内容、所有権者以外(住所、氏名)の権利者などを記載します。
⑤土地評価
取得する土地の評価価格を決定するものです。
本県では、原則、標準地比準評価法という方法により行います。
標準地比準評価法とは、取得を予定している同一状況地域における標準地を評価し、標準地の評価格を比準(補正)して、取得を予定している土地の評価格を求めるものです。
同一状況地域とは、地盤状況、道路、鉄道や公園などの状況、土地利用の状況などを考慮して、同
一な状況にあるとして区分する地域です。
標準地の評価方法は、取引事例比較法、収益還元法、原価法及び鑑定評価があります。
取引事例比較表とは、複数の取引事例の中から適切な事例を選択し、その事例に事情補正及び時点修正を行って標準地の評価を行うものです。事業補正とは、事例の取引に特殊な事情がある場合に行うものです。時点修正とは、事例の取引時点と評価の時点を修正するために地価変動率などにより修正するものです。
このように求めた標準地から各筆へ比準(道路条件、環境条件などの違いによる補正)し、取得する土地の評価格を決定します。
⑥補償額の算定
土地評価と損失補償に関する基準に基づいて、補償額を算定します。
⑦税務署との事前協議
その事業が譲渡所得の課税の特例に該当するかどうかについて税務署と協議します。
公共事業の施行により買収された場合には、一定の条件を満たしていれば税負担等を軽減する特例があります。代替資産を取得した場合と譲渡所得の控除があります。なお、特別控除の適用を受けるためには一定の条件(買取申出後、6か月以内に譲渡したなど)があることから注意する必要があります。
しかし、一部には、特別控除が適用されないものがあり、譲渡所得により税負担増となるものがあります。
⑧用地交渉
用地事務の中で最も重要で困難なものです。
事業内容などによりさまざまなケースとなりますが、公共事業では補償額算定の仕方が決められており、相手によって対応を異にすることはできませんので、相手の信頼を得ることを第一として交渉を行います。
なお、交渉ではしばしば「言った」「言わない」という問題が生じることがありますので、必ず2名以上で行わなければなりません。
⑨契約
用地交渉が成立した場合、遅滞なく必要書類を作成し、契約します。
契約の内容等については、十分に相手方に説明し、後日トラブルが生じないように努めます。なお、土地取得の場合、相手方から受けなければならない書類は、
・契約書
・所有権移転登記に必要な承諾書
・印鑑証明書
・請求書(委任がある場合は受領の委任状を含む)
・抵当権等一部抹消承諾書・印鑑証明書(抵当権が設定されている場合)
・資格証明書(法人の場合)
・その他(筆界確認書・相続分割協議書)物件移転の場合は、
・契約書
・請求書
・請求書(委任がある場合は受領の委任状を含む)
⑩登記、支払い
契約を締結した土地等について、所有権移転登記を遅滞なく行わなければなりません。補償金は契約の履行が完了した後に支払います。
ただし、契約の履行が担保されれば、前金として補償金額の70%以内を限度に支払うことができます。
登記・支払
契約
用地交渉
税務署との事前協議
補償額の算定
調書の作成・確認
土地評価
用地測量・調査
地元説明
用地取得計画の策定
詳細設計が完了