Contract
Ⅵ
建設業
xx x
有限責任 xxx監査法人
公認会計士
的な請求権が、当初の契約の対象とされた工事に関する対価と独立して獲得されるときには、追加部分は当初の契約に係る部分とは別の認識の単位を構成することになる」(工事契
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約適用指針 項)とされている。
IFRS収益認識基準 実務
の
建設業は、通常、一般の製造業のように見込み生産を行うことはなく、1契約当たりの契約金額も多額に上ることに加え、工期も1年を超えるなど長期に及ぶことが多いという特徴がある。このような建設業に
行基準の収益認識の可否等)と共通するものも多いが、本稿では、図表の5つの主要論点を取り上げて解説
する。
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なお、各論点に関連するIFRS号の定めについては、第1部の関
⑵ 論点の概要(会計基準の差異)
追加・変更工事については、①当該追加・変更工事を原契約工事と区分して認識するかどうか、および②
通常、原契約工事の対象となる物件の機能の追加・変更工事については、原契約工事と一体となって工事義務を履行し、対価に対する請求権を獲得するため、追加・変更工事も原契約工事に含めた単位で会計処理
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対するIFRS
号の影響は、ソフ
連箇所を参照していただきたい。
契約未締結の追加・変更工事の請負
することとなる。
4月公表の明確化を踏まえて
トウェア産業における論点(工事進
追加・変更工事
(ステップ1、3)
⑴ 取引の概要
金額のどこまでを取引価格に含めるかが論点となる。
① 契約の識別
特集
業種別
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経理情報●2016.6.10(No.1448)
原契約工事部分と追加・変更工事部分を別の認識単位とするかどうかについて、日本基準では、企業会計
一方、IFRSでは、契約変更により、本体工事と区別できる財またはサービスが追加され、かつそれに対する対価が独立販売価格に適切な調整を反映した金額に相当する場合、追加・変更工事を独立した契約
(図表) 建設業の主要論点
論点
1
内容
追加・変更工事(契約の識別、取引価格の算定)
設計業務と施工業務(別個の履行義務)
工事進行基準(履行義務の充足による収益の認識)
未据付の資材(履行義務の充足による収益の認識)
コストオン工事(本人・代理人)
関連ステップ
1、3
第1部参照箇所
「ステップ1」⑴、
「ステップ3」⑴
2
2
「ステップ2」⑵
3
5
「ステップ5」⑴
4
5
「ステップ5」⑵
5
―
「本人と代理人」
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建設業界では、既存の工事契約に関連して、当事者間の新たな合意等によって、工事の追加または工事の内容(仕様、設計、デザイン、施工方法等)の変更が行われることが少なくない。また、追加・変更工事が行われる場合、工期を遵守し、作業員の手待ちコストの発生を回避するため、追加・変更工事の内容についての合意がなされれば、契約締結を待つことなく当該追加・変更工事が開始されることが一般的である。
基準 号「工事契約に関する会計基準」(以下、「工事契約会計基準」という)および企業会計基準適用指針 号「工事契約に関する会計基準の適用指針」(以下、「工事契約適用指針」という)に基づいた判断を行うこととなる。具体的には、工事契約の認識単位は「工事契約において当事者間で合意された実質的な取引の単位に基づく」(工事契約会計基準7項)とされており、その実質的な取引単位は、「追加部分に関する対価の確定
として取り扱うこととなる。そのため、日本基準と会計処理が異なる可能性がある。
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② 取引価格の算定
日本基準では、「当事者間で実質的に合意された対価の額」を取引価格に含めることとされており、その実質的に合意された対価には、すでに締結された契約書に係る取引金額だけでなく、当事者間の合意文書か先方との打ち合わせ議事録等がある追加・変更工事に係る取引金額も含む