H22.12.20 第2回 懇談会資料1-2を
平成23年3月30日
資料2
国際的な発注・契約方式の活用に関する懇談会
2.第三者技術者(the Engineer)の活用について
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
1.第三者技術者の活用に関する工事契約・手続き等について
H22.12.20 第2回 懇談会資料1-2を
修正(朱書きが修正箇所)
⮚現行の工事請負契約書にFIDIC約款(1999年版レッドブック)の考え方を反映し、総価契約単価合意方式の採用、第三者等による監督・検査等の実施等を位置づけた、工事請負契約とする。
項目 | 今回試行での対応方針及び考え方(案) | FIDIC約款(1999年版 | 国交省直轄工事における |
レッドブック)に基づく契約 | 工事請負契約 | ||
契約方式 | ・総価契約単価合意方式を採用 | ・単価契約精算方式 | ・総価契約単価合意方式 |
契約図書 | ・工程表について、第三者技術者と受注者で、契約図書(特記仕様書、共通仕様書、現場説明書、図面等)と整合しているか等 、工程表の内容について確認を行う。 | ・契約図書の一部として受発注者を拘束、工期延長や追加支払いのクレームを行う場合に、その妥当性を示す根拠として使用。(§20.1 ) | ・合意単価表は拘束されるが、提出されている工程表は概略的な計画にすぎず、かつ契約上拘束されず。 |
監督 | ・全て第三者技術者が実施。 | ・第三者技術者が実施 | ・監督検査分離の原則及び監督要領等に沿って、発注者の監督職員が実施。 |
検査(完成検査、中間技術検査、既済部分検査) | ・原則、第三者技術者が実施。 (ただし、発注者が立会を行う。また、完成検査、中間技術検査については成績を付与する) | ・第三者技術者が実施 | ・監督検査分離の原則及び検査要領等に沿って、発注者の検査職員が実施 |
工事又は区間の引渡し | ・第三者技術者が検査後、受注者に検査結果を通知の上、発注者に引渡し | ・第三者技術者が引渡し証明書発行 (§10.1, § 10.2) | ・検査調書に基づき、発注者が引渡し手続き実施 |
工事受注者への代金の支払い | ・第三者技術者が検査後、発注者に検査結果を通知した上で、発注者が支払い | ・第三者技術者が支払い証明書発行 (§14.3, § 14.6, §14.7 ) | ・検査調書に基づき、発注者が支払い手続き実施 |
設計変更/契約変更 | ・契約変更を要しない設計変更等は第三者技術者に委任し、契約変更を伴う設計変更等は発注者の事前承認を必要とする。 | ・原則は第三者技術者の裁量で設計変更の指示が可能。(§13.1) ※一定以上の契約額変更を伴う設計変更は、発注者の事前承認を要する場合が多い。 | ・受発注者協議事項 ・設計変更と契約変更を一体化して運用 |
1
項目 | 対応方針及び考え方(案) | FIDIC約款(2006年版ホワイトブック)に基づく契約 | 国交省工事監督支援業務、CM試行業務における業務委託契約 |
契約方式 | ・業務委託契約 | ・役務契約 | ・業務委託契約 |
業務の内容 三者技術者の役割) | ・監督、検査及び契約運営一式を対象 ・ただし、費用、品質及び期間の変更に関わる契約変更等について は、発注者の事前承認を義務付け | ・監督・検査及び契約運営業務一式(調査・ F/S、詳細設計、入札支援等を含む場合有り)(§3.1.1、アペンディクス) ・工事の費用、品質又は期間に重大な影響を及ぼしうる変更については、発注者の事前承認を必要とする旨規定* (§3.3.2)* ・工事請負契約書において第三者技術者に求められる権限・義務についても拘束される旨を規定(§3.3.2) | ・発注者の補助的な業務(工事監督支援業務) ・発注者が行う専門技術的判断の支援(CM試行業務) |
第三者技術者の責任 | ・債務不履行に対する受注者の責任を規定 | ・善管注意義務を規定(§3.3.1,3.3.2)義務違反があった場合の賠償責任を規定(§6.1.1) | ・特に明記はしていない(工事監督支援業務) ・債務不履行に対する受注者の責任を規定(CM試行業務) |
賠償額の限度 | ・損害賠償請求に係わる限度額を規定なし | ・受発注者それぞれに対する損害賠償請求に係わる限度額を規定(§6.3.1,特記条件) ・一般的には、当該役務契約額相当を限度額として規定 | ・賠償額の限度額に関する規定無し |
発注者の責任 | ・発注者に判断権限が留保されている事項(上記*)について、妥当な期間内に決定結果を第三者技術者に対し通知する旨を明記 | ・発注者に判断権限が留保されている事項(上記*)について、妥当な期間内に決定結果を第三者技術者に対し通知する旨を規定 (§2.2.1) | ・特に明記はしていない |
2.発注者と第三者技術者の契約・手続き等について
H22.12.20 第2回 懇談会資料1-2を
修正(朱書きが修正箇所)
⮚FIDIC約款 (2006年版ホワイトブック) の考え方を反映し、契約書に義務や責任等を明記した上
で、業務委託契約とする。
2
項目 | 対応方針及び考え方(案) | 円借款事業におけるJICAのコンサルタント雇用の評価手順ガイト | 国交省におけるCM試行業務委託における選定方式 |
選定方式 | ・プロポーザル方式 | ・円借款事業では、「価格:技術 =1:4」のQCBS(総合評価)を推奨 ・複雑又は高度な専門性が要求される事業等については、QBS(プロポーザル方式, 1社特定後価格交渉)を採用 | ・プロポーザル方式 |
第三者技術者の選定評価項目 | ・以下の手順・項目で評価を実施 (1)選定段階: ①参加表明者(企業)の経験・能力 ②技術者の経験・能力 (2)特定段階: ①当該プロジェクトに関係する技術力 ②プロジェクト監理に必要な技術力 ③監督・検査・設計変更を実施するに当たっての技術力・判断力 <ヒアリングにより確認・評価> | (1)ショート・リスト作成段階(3~5社) ①同種業務の経験・実績 ②動員可能なスタッフの経験・能力等 (2)1社決定段階 ①コンサルタントの経験(10~20%) ②方法論及び作業計画の妥当性 (20~50%) ③スタッフの能力(30~60%) | (1)選定段階 ①参加表明者(企業)の資格・同種業務実績・成績・表彰有無 ②予定技術者の経験・能力 (2)特定段階 ①予定技術者の経験・能力 ②実施方針 ③特定テーマに対する技術提案 |
積算、業務実施体制 | ・CM業務委託(試行)の積算基準・体制等を参考として設定 体制:管理技術者及び技術スタッフ 5人程度 専任:管理技術者 常駐:チーム全員が現場常駐 | ・積算:単価は200万円/人月程度 ・人数:20億円のトンネル工事で、エンジニア及びスタッフは10人程度 ・全員専任。現場常駐は一部スタッフ有 | ・胆沢ダムの試行事例: 対象:堤体xx工事・原石山材料採取工事等 体制:管理技術者及び技術スタッフ(4人):計5人 委託金額:約19.5千万円(税込)専任:管理技術者 常駐:チーム全員が現場常駐。 |
業務成績評定付与 | ・第三者技術者業務用の成績評定要領を作成し、成績評定を実施 | ・業務成績評定は未実施 | ・業務成績評定要領に基づき実施 3 |
3.第三者技術者選定の基本的な考え方
H22.12.20 第2回 懇談会資料1-3を
修正(朱書きが修正箇所)
⮚第三者技術者の業務は、現場における監督、検査、設計変更等の高度な技術的判断が必要で
あることから、こうした技術者を評価するプロポーザル方式により選定する。
4.懇談会における意見及び検討事項
懇談会における意見等 | 検討事項 |
◆「工程表に契約条件としての拘束性を持たせるか否か」(xx委員) ◆「工程表は契約図書ではなく、契約図書に準じる扱いが適当」(xx委員、xx委員) | (1)工程表の取扱い |
◆「第三者技術者に何をやってもらうか」(xx委員、xx委員) ◆「試行で考えている技術者の人数については、第三者技術者の役割を踏まえてきちっと制度設計すべきでは」 (xx委員、xx委員、xx委員) | (2)監督・検査の体制 |
◆「どういうクレームを対象にするか、具体事例を用いた議論が必要」(xxxx) | (3)クレーム処理に関する手続き |
◆「どこの部分で事前承認が必要なのか」(xx委員) | (4)標準契約図書における発注者と第三者技術者の役割分担 |
◆「第三者技術者の賠償額に限度をどう取り扱うか」 (xx委員、xx委員) | (5)債務不履行に対する受注者の責任 |
◆「紛争委員会をすぐに作り上げる必要があるか」 (xx委員) ◆「紛争委員会は時間をおいて検討した方がいい」 (xx委員) | (6)紛争委員会の位置づけ、役割、委員の選定方法 |
4
(1)工程表の取扱い (1/4)
【現行の取扱い】国内工事における工程表の位置づけ
✓ 工事請負契約書第3条に基づき、受注者から工程表の提出がなされている。
✓ しかし、当該工程表は、発注者と受注者の確認事項になっていない。
【対応方針】
✓提出された工程表について、第三者技術者は契約図書(特記仕様書、共通仕様書、現場説明書、図面 等)と整合しているか等、工程表の内容について確認を行うこととする。
✓確認する内容は、条件明示(土質条件、施工条件 等)との整合性及び工事着手時期の適合性とする。
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(1)工程表の取扱い (2/4)
【参考】国土交通省直轄工事において提出されている工程表のイメージ
工 程 x
x月日: | 平成○年○月○日 | ||||
工事名:○○○○ 工事 工 期:自 平成○年○月○日 | 至 | 平成○年○月○日 | 請負者 | 住所氏名 | ○○○○ ○○○○ |
工種 | 200X年(平成○年) | 200Y年(平成○年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
準備工 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
架設支保工 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
支承工 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
PC桁製作工 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
橋梁付属工 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(1)工程表の取扱い (3/4)
【参考】CPM(Critical Path Method)について
✓ クリティカルパスとは、そのアクティビティの開始を後ろにずらすと(遅くすると)全体工程に影響するアクティビティが作り出す始点から終点までの経路を指す。
✓ この経路上のアクティビティの遅れは全体期間の遅れにつながることとなる。
出典: xxxx著「建設事業とプロジェクトマネジメント」 xx出版株式会社
xxx編「現場技術者のための土木工事ネットワーク工程表の作り方と実例」 近代図書株式会社 を参考に作成 7
(1)工程表の取扱い (4/4)
【参考】国土交通省設計変更ガイドラインにおける関係記載内容
3.設計変更が可能なケース
下記のような場合においては設計変更が可能である。
• 仮設(任意仮設を含む)において、条件明示の有無に係わらず当初発注時点で予期しえなかった土質条件や地下水位等が現地で確認された場合
(ただし、所定の手続きが必要。)
• 当初発注時点で想定している工事着手時期に、請負者の責によらず、工事着手出来ない場合
• 所定の手続き(「協議等」)を行い、発注者の「指示」によるもの。
(「協議」の結果として、軽微なものは金額の変更を行わない場合もある。)
• 請負者が行うべき「設計図書の照査」の範囲を超える作業を実施する場合。
出典:国土交通省関東地方整備局「工事請負契約における設計変更ガイドライン」
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(2)監督・検査の体制 (1/2)
✓国内工事で既に試行しているCM業務委託の積算基準・体制等を参考として設定する。体制:管理技術者及び技術スタッフ 5人程度
専任:管理技術者
常駐:チーム全員が現場常駐
第三者技術者の体制イメージ
第三者技術者業務委託契約で定めた管理技術者
兼任
「監督を委託された者」(管理技術者を兼ねる) 「検査を委託された者」(担当技術者を兼ねる)
(1)監督業務
業務内容
業務内容
(1)検査(完成検査、中間技術検査、既済部分検査)
(2)設計変更/契約変更
・契約変更を要しない設計変更等は第三者技術者が実施
・契約変更を伴う設計変更等は、発注者の事前承認を得た上で第三者技術者が実施
(2)検査後、発注者及び受注者に検査結果を通知
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(2)監督・検査の体制 (2/2)
【国内工事(現行)における監督検査の役割】 | xx監督職員 | 検査職員 | 総括監督職員 |
工事請負契約 | 監督官・出張所長 | 副所長・課長 | 事務所長 |
✓現行の国内工事において発注者の職員が担っていた工事の監督・検査の体制について、試
行工事においては、第三者技術者に工事の監督業務の全て及び検査業務の一部を委託する。
✓発注者の職員は(第三者技術者の)業務委託契約の監督及び検査を行うこととする。
【試行工事における監督検査の役割】 | xx監督者 | 検査者 | 総括監督者 |
工事請負契約 | 第三者技術者 | 第三者技術者 (監督官・出張所長が立会及び検査職員として成績を付与) | 事務所長 |
【第三者技術者委託業務における監督検査の役割】 | xx調査者 兼任 | 検査者 | 総括調査者 |
第三者技術者業務委託契約 | 監督官・出張所長 | 副所長・課長 | 事務所長 |
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(3)クレーム処理に関する手続きについて
✓請負代金額の変更及び工期の変更について、契約変更請求(クレーム)手続きを導入する。
①工期又は請負代金額の変更に係る事象の認知
遅くとも28日以内
第三者技術者
(
the Engineer
②契約変更請求(クレーム)の通知
発注者
42日以内
③詳細資料の提出(変更金額/工期、その根拠)
契約変更請求
受注者
(クレーム)の立証に必要な工事記録の整備
④第三者技術者による受発注者との調整
42日以内
⑤受発注者での合意の通知
(合意に達しない場合は、発注者の事前承認を得た上で第三者技術者が決定の通知)
【参考1:FIDIC契約約款20.1条 受注者からの請求】
受注者が本条件書の条項に照らして若しくは契約に関連して、完成期限の延長、及び/又は追加支払いの権利を有していると考える場合、受注者は、第三者技術者に、クレームの原因となる事態又は状況を記述し、これを通知しなければ ならない。通知は実行できる限り速やかに、受注者が事態又は状況を認知した、若しくは認知し得た時点から28日以内に行うものとする。 (途中省略)
クレームの原因となる事態又は状況を請負者が認知した時点から(若しくは認知し得た時点から)42日以内又は受注者の提案に基づいて第三者技術者が承認した他の期間内に、受注者はクレームと期間の延長の根拠、及び/又はクレームした追加支払いに関する完全な裏付け資料を含むクレームの詳細を、第三者技術者に送付するものとする。クレームの原因となる事態又は状況が継続的な影響を有する場合は、(以下略)
出典:(社)日本コンサルティング・エンジニア協会(AJCE)「国際コンサルティング・エンジニア連盟 建設工事の契約条件書
発注者の設計による建築ならびに建設工事 第1版 1999年」を参考に作成 11
(4)標準契約図書における発注者と第三者技術者の役割分担 (1/3)
現行の発注者の役割についての発注者と第三者技術者の役割分担
:契約変更請求(クレーム)関連
業務内容 | 条項 | 現行の発注者の役割 | 役割分担 | 契約変更請求等の手続日数 | |
発注者 | 第三者技術者 | ||||
関連工事の調整 | 第2条 | ・受注者施工工事及び発注者の他の発注工事が施工上密接に関連する場合、その施工につき調整の実施 | (事後報告) | ○ | - |
請負代金内訳書及び工程表 | 第3条 | ・受注者が請負代金内訳書及び工程表の受理 | (写し) | ○ | - |
・提出された工程表について、その内容が契約図書等と整合しているか確認の実施 | (事後報告) | ○ | - | ||
・受注者から提出された内訳書について、単価合意についての受注者との協議の調整、合意が整わない場合の通知 | ○ | (受発注者間の協議に参加) | - | ||
下請負人の通知 | 第7条 | 受注者に対する「下請負人の商号又は名称等の通知」の請求 | (写し) | ○ | - |
監督職員 | 第9条 | ・契約担当官等から監督を委託され、契約図書における 「監督職員等」の役割を担う(=監督行為の実施) | (事後報告) | ○ | - |
現場代理人及びxx技術者等 | 第10条 | ・受注者が「現場代理人、xx技術者等の通知」の受理 | (写し) | ○ | - |
履行報告 | 第11条 | ・受注者が履行報告の受理 | (事後報告) | ○ | - |
工事関係者の措置請求 | 第12条 | ・現場代理人に関する措置請求の実施 | (現場代理人を交代させる場合は、第三者技術者からの上申について承認) | ○ | - |
・xx技術者等に関する措置請求の実施 | (xx技術者等を交代させる場合は、第三者技術者からの上申について承認) | ○ | - | ||
工事材料の品質及び検査等 | 第13条 | ・指定された工事材料についての検査の実施 ・工事現場内に搬入した工事材料を工事現場外に搬出する際の承諾 | (事後報告) | ○ | - |
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(4)標準契約図書における発注者と第三者技術者の役割分担 (2/3)
役割分担 | |||||
業務内容 | 条項 | 現行の発注者の役割 | 契約変更請求等の手続日数 | ||
発注者 | 第三者技術者 | ||||
監督職員等の立会い及び工事記録の整備等 | 第14条 | ・受注者の材料調合・施工の立会い ・受注者への見本検査・工事写真の請求 等 | (事後報告) | ○ | - |
支給材料及び貸与品 | 第15条 | ・支給材料及び貸与品の引渡し後のフォローアップ | (事後報告) | ○ | 支給材料又は貸与品の変 更により必要があると認められた場合は、第23条・第24条に基づく契約変更請求が可能 |
設計図書不適合の場合の改造義務 及び破壊検査等 | 第17条 | ・受注者への改造義務及び破壊検査等の請求 | (事後報告) | ○ | 監督職員等の指示により不適合が生じた場合は、第23条・第24条に基づく契約変更請求が可能 |
条件変更等 | 第18条 | ・受注者からの「設計図書と現場の誤謬等に関する通知」の受理 ・通知された誤謬等に対する調査の実施 | (事後報告) | ○ | 設計図書の訂正又は変更により必要があると認められた場合は、第23条・第24条に基づく契約変更請求が可能 |
設計図書の変更 | 第19条 | ・設計図書の変更の実施 | (請負代金額や工期の変更を伴う場合は、第三者技術者からの上申について承認) | ○ | 設計図書の変更により必要があると認められた場合は、第23条・第24条に基づく契約変更請求が可能 |
設計図書の変更に伴う受注者の提案 | 第19条の2 | ・受注者から提案を受けて、それが適正であるか否かを判断し、必要があれば設計図書の変更の実施 | (請負代金額や工期の変更を伴う場合は、第三者技術者からの上申について承認) | ○ | 設計図書の変更により必要があると認められた場合は、第23条・第24条に基づく契約変更請求が可能 |
工事の中止 | 第20条 | ・工事の中止内容を受注者に通知して、工事の一時中止を実施 | (第三者技術者による工事の一時中止については、第三者技術者からの上申について承認) (ただし、発注者が必要があると認めるときは、自ら工事の中止内容を受注者に通知して、工事を一時中止させる。) | ○ | 工事の中止により必要があると認められた場合は、第 23条・第24条に基づく契約変更請求が可能 13 |
13
(4)標準契約図書における発注者と第三者技術者の役割分担 (3/3)
業務内容 | 条項 | 現行の発注者の役割 | 役割分担 | 契約変更請求等の手続日数 | |
発注者 | 第三者技術者 | ||||
受注者に請求による工期の延長 | 第21条 | ・受注者より工期の延長変更の申請を受け、必要があると認めた場合に、工期の延長を決定 | (延長を行うにあたり、第三者技術者から上申について承認を行う) | ○ | 工期延長の契約変更請求にあたっては28日以内に 通知、42日以内に詳細資 |
料提出 | |||||
発注者の請求による工期の短縮等 | 第22条 | ・受注者に工期の短縮変更の請求 | ○ | - | |
工期の変更方法 | 第23条第23条の2 | ・工期の変更について、受注者との協議の調整、協議が整わない場合の通知 | (工期変更を行うにあたり、第三者技術者から上申について承認を行う) | ○ | 第三者技術者は詳細資料を受理してから、42日以内に合意又は第三者技術者の決定 |
請負代金額の変更方法 | 第24条第24条の2第24条の3 | ・請負代金額の変更について、受注者との協議の調整、協議が整わない場合の通知 | (請負代金額の変更を行うにあたり、第三者技術者から上申について承認を行う) | ○ | 第三者技術者は詳細資料を受理してから、42日以内に合意又は第三者技術者の決定 |
臨機の措置 | 第26条 | ・臨機の措置の請求 | (第三者技術者へ指示) | ○ | - |
検査及び引渡し | 第31条 | ・検査の実施 ・受注者からの引渡し証明書申請の受理 ・受注者への引渡し証明書の発行 | (証明書発行により引渡しを実施) | ○ | - |
請負代金の支払い | 第32条 | ・受注者からの支払い証明書申請の受理 ・発注者への支払い証明書の発行 | (証明書発行により支払いを実施) | ○ | - |
部分払い | 第37条 | ・出来高部分または工事材料の確認を行うための検査の実施 ・受注者からの引渡し証明書申請の受理 ・受注者への引渡し証明書の発行 | (証明書発行により引渡しを実施) | ○ | - |
部分引渡し | 第38条 | ・受注者からの支払い証明書申請の受理 ・発注者への支払い証明書の発行 | (証明書発行により支払いを実施) | ○ | - |
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(5)債務不履行に対する受注者の責任
✓第三者技術者の責任については、国内工事で一部試行を行っているCM試行工事監理業務の監理業務委託契約書で規定されている「債務不履行に対する受注者の責任」を規定することとする。
【参考:CM試行工事監理業務(xxxxx築堤監理試行業務委託)の監理業務委託契約書における関係条項】
(債務不履行に対する乙の責任)
第23条 乙がこの契約に違反した場合、その効果がこの契約に定められているもののほか、甲は
、乙に対して相当の期間を定めて履行を請求し、又は履行の請求とともに損害の賠償を請求する ことができる。ただし、損害賠償については、乙がその責に帰すべからざることを立証したときは、この限りではない。
2 第1項の規定による履行又は損害賠償の請求は、業務が完了した日から2年以内に行わなければならない。
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【参考】
【参考:関係法令】
(1)国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年xx二十二日法律第百十四号)関係条項抜粋
(債権に関する契約等の内容)
第三十四条 法令の規定に基き国のために契約その他の債権の発生に関する行為をすべき者(以下「契約等担当職員」という。)は、当該債権の内容を定めようとするときは、法律又はこれに基く命令で定められた事項を除くほか、債権の減免及び履行期限の延長に関する事項についての定をしてはならな い。
(2)予算執行職員等の責任に関する法律(昭和二十五年xx十一日法律第百七十二号)関係条項抜粋
(予算執行職員の義務及び責任)
第三条 予算執行職員は、法令に準拠し、且つ、予算で定めるところに従い、それぞれの職分に応じ、支出等の行為をしなければならない。
2 予算執行職員は、故意又は重大な過失に因り前項の規定に違反して支出等の行為をしたことにより国に損害を与えたときは、弁償の責に任じなければならない。
3 前項の場合において、その損害が二人以上の予算執行職員が前項の支出等の行為をしたことにより生じたものであるときは、当該予算執行職員は、それぞれの職分に応じ、且つ、当該行為が当該損害の発生に寄与した程度に応じて弁償の責に任ずるものとする。
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(6)紛争委員会の位置づけ、役割、委員の選定方法
【紛争委員会(DB: Dispute Board)の設置について】
✓第三者技術者の試行工事において、FIDICの契約約款に位置づけられている紛争処理委員会の導入を検討する
1. 限定的(Ad-hoc)DBと常設(Standing/Full-Term)DB
✓ DBには、発生した紛争用に設置する限定的(Ad-hoc)DBと当該プロジェクト契約の開始から終了まで常時設置とする、常設(Standing/Full-Term)DBがある。
✓ FIDIC約款(レッドブック1999年版)は、プロジェクトの立ち上げと同時に常設 DBの設置を求めている。
✓ DBとは、紛争が発生する前、つまりプロジェクトの契約調印、着工とほぼ同時に設置・機能することで、その価値を発揮する。
2. DBメンバーの資格
FIDICのレッドブックのDB一般条件書の附属書において以下のような規定がある
✓ 類似の工事の経験があること
✓ 契約解釈の経験が豊かであること
✓ 契約言語に堪能なこと
出典:xxxxx「Dispute Board/紛争処理委員会 海外プロジェクトにおけるクレーム・紛争の予防と早期解決の実務」
日刊建設工業新聞社、平成22年3月 より作成 17
(参考)第三者技術者の活用に関する具体的な手続きについて(1/3)
H22.12.20 第2回 懇談会資料1-2を再掲
1.監督
③(事後)報告
①確認要請
②確認
ア.指定材料の確認イ.施工プロセス確認
ウ.工事施工状況の確認エ.改造請求及び破壊に
よる確認
受注者
第三者技術者
発注者
18
(参考)第三者技術者の活用に関する具体的な手続きについて(2/3)
H22.12.20 第2回 懇談会資料1-2を再掲
2.設計変更
【契約変更を要しない場合】
①設計変更の要請
発注者
③(事後)報告
第三者技術者
②決定・通知
受注者
【契約変更を要する場合】
②事前承認
①設計変更の要請
③承認/非承認
④決定・通知
受注者
第三者技術者
発注者
19
(参考)第三者技術者の活用に関する具体的な手続きについて(3/3)
H22.12.20 第2回 懇談会資料1-2を再掲
3.検査・引渡・支払い
③支払い証明書の
発行
受注者へ支払い
①出来高部分払要求通知
②出来高 部分払検査
第三者技術者
①検査要求通知
(竣工の場合は、竣工通知)
発注者
④支払い証明書の
発行
評定の実施
②検査
③引渡し証明書の
発行
受注者
②’評定の実施・完成検査等への立会
⑤引渡し
⑥支払い
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