YES NO
普通借家契約 | 定期借家契約 | |
契約方法 | 書面でも口頭でもよい | ①公正証書等の書面による契約が必要 ②更新がなく期間満了により契約が終了する旨を、契約書とは別の書面を交付して説明することが必要 |
契約期間 | 1年以上 (1年未満の場合、期間の定めのない契約となる) | 設定は自由(ただし賃借人に対し期間満了の1年から6ヶ月前までに、契約が終了する旨の通知が必要) |
更新の有無 | 正当な事由がない限り更新される | 契約期間満了に伴い、正当な事由がなくても契約は終了する。 |
賃料増減請求権の特約の効力 | 特約の定めに係わらず、賃料増減の請求をすることができる。 | 特約に基づき算定した賃料が不合理であっても、特約の定めに従う。 |
賃貸人の途中解約 | ①正当な事由が必要(一般的に、賃貸人の転勤や単純に売却するという理由は、正当事由とならない) ②契約満了の1年から6ヶ月前までに、賃借人への通知が必要 | 原則不可能 |
賃借人の途中解約 | 賃借人からの中途解約が認められるか否かは、契約条項に中途解約を認める条項があるかどうかによる。 | 原則不可能だが、次の2つの条件を満たす場合は、解約の申し入れの日から1ヶ月後に解約可能。 ①特別の事情がある場合(賃借人の転勤、療養、親族の介護、その他のやむを得ない事情により、賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったとき) ②賃貸床面積が200㎡未満の居住用建物の賃貸借 |
賃料の比較 | 定期借家契約とは、賃貸人にとっては契約の更新がなく、建物の明渡しに際し立退料を支払わなくても必ず建物を明渡してもらえます。一方、賃借人にとっては、契約期間の満了と同時に必ず引越しの手間と新居にかかる費用が発生します。これらのことから、定期借家契約とした場合では、普通借家契約と比べ賃貸人に有利という見方が強いため、一般的には賃料・礼金等が低く設定されます。(定期借家契約の賃料算出方法→P16参照) |
分譲マンション賃貸オーナー ガイドブック
賃貸・売却で迷ったら
賃貸する時のポイント① 【契約の種類】
選択のポイント
普通借家契約と定期借家契約
転 勤
賃貸するのが得か、売却するのが得かについては、個々オーナー様の様々な状況や将来の計画、物件の現状等によって判断するため、一概にその結論を出すことはできませんが、右のフローチャートでは、賃貸理由を基にしてオーナー様の適性を簡易的に判断できます。また将来売却する可能性についても、個々のオーナー様によって異なります。将来の売却には、定期借家契約を利用するのも有効的であり、右のグラフ
YES NO
住み替え
その他
転勤などの理由で不在期間だけ賃貸したいという場合、一般的な2年契約でその後更新がある「普通借家契約」では、契約期間中の賃貸人からの一方的な契約解除や更新の拒絶をするには、①賃借人に
は売却の可能性によって、普通借家契約と定期借家契約を使い分ける目安を表したグラフです。
※2つの資料は、参考程度にご使用下さい。
POINT コンビニ募集
弊社では、賃貸の入居者募集活動と売却の買主捜索活動を同時に行なうサービスを行なっております。詳しくは、P16の「コンビニ募集システム」をご確認下さい。
〈定期借家契約の使い分けグラフ〉
普通借家契約
定期借家契約
売却
売却の可能性
100%
50%
経過年数
0 2年 5年 10年
対し1年から6ヶ月以上前に通知、②正当な事由が必要とされています。そのため更新の拒絶や途中解約(立退き)などで賃借人とのトラブルを避けるためには、契約更新の定めがない「定期借家契約」の利用をお勧めします。しかし定期借家契約は普通借家契約に比べ、契約年数に応じて若干賃料を値下げたり、礼金の設定を軽減するのが一般的となります。
売却の適切なタイミング
家賃滞納よりも入居者退去時の
原状回復トラブルが心配だ
現在のマンションをとても気に入っている
原状回復とは、貸した時と同じ状態に戻すという意味では無い
マンションに
住宅ローンなどの残債は無い
貸主と入居者では
入居者の方が立場的に上だ
中学生以下の お子様と同居している
今マンションを売却しても購入時より安くなりそう
マンションのほかに不動産を所有している
不動産に興味がある
赴任先で住宅を購入する可能性はない。
賃貸優先型
(通常)
売却するよりも賃貸で運用した方が良い可能性が高いです。売却については、オーナー様のご事情や市場動向等を踏まえ、将来じっくり検討することもできます。
賃貸優先型
(保証)
売却するよりも賃貸で運用した方が良い可能性があります。しかし様々なリスクを回避・軽減する、保証・保険などのシステムのご利用をお奨めします。
賃貸・売却型
賃貸か売却かの判断がとても難しい状況です。できるだけベストな選択をしていただくためにも 、オ ーナー様の状況をもう少し確認する必要があります。
売却優先型
賃貸で運用するよりも、売却を検討した方が良い可能性があります。各種税金控除や今後の価格推移等を踏まえ、再度ご検討下さい。
半年以上、家賃収入が 入らなくても生活はできる
マンションにまた戻ってきて住む可能性がある
投資用(収益物件)として購入したマンションだ
マンションの所有期間が
5年以下である
相続税が発生する程の資産は無い
現在マンションは 空屋か住まなくなってから
3年以上経っている
今までに賃貸住宅を借りたことがある
今までにも
賃貸オーナーの経験がある
賃貸売却 収益差分 | 賃貸売却比較 | |||||||
10000000 | ||||||||
8000000 | ||||||||
6000000 | ||||||||
4000000 | ||||||||
2000000 | ||||||||
0 | ||||||||
-2000000 | ||||||||
-4000000 | ||||||||
-6000000 | ||||||||
-8000000 | ||||||||
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 10年目 |
弊社では、10年間の賃貸の収支と売却の相場を予測して、どのタイミングで賃貸から売却へ切り替えるのがベストかを判断するソフト「賃貸経営シミュレーション」を開発しました。賃貸経営における家賃収入と経費(管理費・修繕費・建物の減価償却等)及び売却における売買代金と経費(仲介手数料・譲渡所得税等)をリアルにシミュレーションして比較し、売却の適切なタイミングを弾き出す業界では画期的なソフトです。
一時使用建物賃貸借の留意点
賃料・価格の推移
《賃料推移》
《価格推移》
借地借家法の規定では、賃貸人が建物賃貸借契約を解約する場合、正当事由がある場合に限り、賃借人に対して解約の申入れから6ヶ月を経過することにより解約できるとされています。一方、同業他社の中には、契約開始から一定期間が経過すれば正当事由が無くても解約の申入れから3ヶ月後にいつでも解約できるとして、極めて賃貸人に都合の良い「一時使用建物賃貸借」を推薦している会社もあります。「一時使用建物賃貸借」の解約に
〈解約までの流れ〉
●借地借家法
6ヶ月後
は、賃借人を強く保護する借地借家法の規定は適用されず民法の規定が適用されるため、確かに3ヶ月前の申出でいつでも解約できます。しかし一時使用目的かどうかの判定で、『①期間を限定する理由が賃貸人の希望に過ぎない』『②時期・計画が具体化していない』として、過去に一時使用目的を認めなかったという判例があります。よって弊社では、後々の大きなトラブルを避けるため、「一時使用建物賃貸借」を取り扱っておりません。
例:当初、一時使用の賃貸借契約期間を2年間、その後いつでも合意更新できるとして、半年毎に更新。更新を3回も行なうことで、当初の2年間という期間が賃貸人の希望に過ぎず、時期・計画が具体化されていないとして、一時使用目的が認めらえない可能性が高い。
〈一時使用目的が認められない可能性の高い例〉
2008年9月のリーマンショック直後、特に家賃が30万円を越える高額物件の空室が目立ち、以降約5年間で家賃相場が15%以上下落していました。しかし2013年からは、円安や株価回復などの経済情勢、地価高騰の影響に引っ張られ、家賃も回復傾向にあると推測できます。
特に湾岸エリアの高層分譲マンションにおいては、2020年開催の東京オリンピック招致決定や同じく2020年開業の山手線新駅設置などによる人気上昇に伴い、すでに家賃が上昇しています。
2007年、アメリカでサブプライムローン問題が発生し、世界金融危機として日本でも問題視された。日本では、続くリーマンションを契機に不動産相場が急落したかに思えたが、わずか1年で再び上昇に転じる。2011年の東日本大震災の際、東京・千葉では津波や液状化現象、放射能汚染などの影響による地価下落の心配もささやかれたが、景気回復、消費増税の駆け込み需要、建築資材の高騰による新築マンションの値上げの影響により、中古マンションの価格も上昇している。
解約の申入れ 解約
(正当事由:必要)
●民法
3ヶ月後
解約の申入れ 解約
(正当事由:不要)
2年間
更新 更新 更新
半年 半年
3ヶ月後 解約?
一時使用建物賃貸借契約締結
解約の申入れ
<首都圏中古マンションの成約㎡単価推移>
65.00
東京23区東京都他
リーマンブラザーズ経営破綻
東京オリンピック招致決定
55.00
埼玉県
千葉県 神奈川県
消費税8%
45.00 GM経営破綻 東日本大震災
35.00
25.00
サブプライムローン問題(世界金融危機)発生
15.00
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
<賃貸居住用マンションの賃料推移>
3,500
3,300
3,100
2,900
2,700
2,500
2,300
2,100
1,900
1,700
1,500
リーマンブラザーズ経営破綻
東京23区
東京都他
埼玉県
千葉県
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
契約条件変更の希望 契約条件に双方
正当な事由とは
契約の解約・更新・更新拒絶のフローチャート
●期間の定めのない建物賃貸借
●更新前の契約と同一条件で更新
賃貸人は、普通借家契約の更新拒絶や途中解約を行なお
普通借家契約
(期間の定めがある契約)
更 新 あり
期間満了の1年から6ヶ月前までに通知
合意せず
契約期間満了後も賃借人が継続使用
法定更新
(自動更新)
うとする場合、正当な事由が必要となります。しかしどのよ
途中解約
なし 合意更新
合意
注 意
7~9
10~12
1~3
4~6
7~9
10~12
1~3
4~6
7~9
10~12
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1~3
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1~3
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10~12
実務では、期間満了の2~3ヶ月前に双方の更新の希望、契約条件の確認・調整を行ないます
途中解約
うな事由が正当なのかの判断は極めて難しく、様々な観点から判断せざるを得ません。正当な事由ではない又は正当性に欠けるという場合は、賃借人との話し合いや財産上の給付(立退き料等)によって解決するのが一般的です。
正当事由の判定ポイント |
賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情 |
賃貸借に関する従前の経過 |
建物の利用状況と現況 |
賃貸人が建物の明渡しの条件として又は明渡しと引換えに賃借人に対して財産上の給付をする |
注 意
契約を終了させるには、賃借人に対し、期間満了の1年から6ヶ月前までに「契約が終了する」旨の通知しなければならない
双方が合意すれば
注 意
借地借家法での規定や類似する判例がなく、様々な見解がある
定期借家契約 契約終了 再 契 約
期間の定めのない契約が存在?
終了通知を怠った場合
途中解約
●賃貸人からの解約
・原則不可能
●賃借人からの解約
・賃借人にやむを得ない特別な事情がある場合
・賃貸床面積が200㎡未満の居住用建物の賃貸借
途中解約
●賃貸人からの解約 ●賃借人からの解約
・通知から6ヶ月を経過した日 ・通知から3ヶ月を経過した日?
・正当事由が必要? ・通知から1ヶ月を経過した日?
●賃貸人からの解約
・1年から6ヶ月以上前の通知
・正当事由が必要
●賃借人からの解約
・1ヶ月前の通知
●賃貸人からの解約
・通知から6ヶ月を経過した日
・正当事由が必要
●賃借人からの解約
・通知から3ヶ月を経過した日
※上記の要件以外にも、様々な観点から判断されます
分譲マンション賃貸オーナー ガイドブック
原状回復ガイドライン
原状回復とは
「原状回復」とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(これらを「特別損耗」という)を復旧することを言います。よって、全てを新品に戻すという意味ではありません。また「特別損耗」部分の修復を行なった結果、「通常損耗(経年劣化・自然損耗)」も含むことになる場合、修復によって回復した「通常損耗」による減価分は、その割合によってオーナー様が負担することになります。
原状回復のガイドラインとは
「原状回復のガイドライン」とは、賃貸住宅の退去時における原状回復について、原状回復にかかる契約関係、費用負担等のルールのあり方を明確にして、賃貸住宅契約の適正化を図ることを目的に、国土交通省(旧建設省)が(財)不動産適正取引推進機構に委託し、平成10年3月に取りまとめ公表されたものです。(平成16年2月・平成23年8月に改定)
原状回復のガイドラインの位置付け
賃借人退去時の原状回復にかかる賃貸人・賃借人の負担割合は、国土交通省が公表している「原状回復のガイドライン」から抜粋した別表1・別表2を参考にして按分します。別表に記載のない事項については、民法等の関係法規、不動産取引の慣行、判例及びガイドラインの基本的な考え方を基に判断されます。
〈別表1 損耗・毀損の事例区分(部位別)一覧表〉
〈別表2 賃借人の原状回復義務等負担一覧表〉
賃借人の原状回復義務 | 工事施工単位(実体) | 賃借人の負担単位等 | 経過年数の考慮等 | |
基本的な考え方 | ●賃借人の居住・使用により 発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等を復旧すること。 | ●可能な限り毀損部分の修復費用相当分 となるように限定的なものとする。この場合、補修工事が最低限可能な施工単位を基本とする。いわゆる模様・色合わせについては、賃借人の負担とはしない。 | ●財産的価値の復元という観点から、毀 損等を与えた部位や設備の経過年数によって、負担割合は変化する。 ●経過年数が多いほど賃借人の負担割 合が小さくなるようにする。 ●最終残存価値は1円とし、賃借人の負 担割合は最低1円となる。 | |
床 (畳・フローリング・カーペット等) | ●毀損部分の補修 | ●畳 最低1枚単位 ●カーペット・クッションフロア 1部屋単位 ※清掃等で落ちない汚れ、キズ ●フローリング 最低㎡単位 | ●畳 原則1枚単位 ※裏返しか表替えかは毀損の程度による ●カーペット、クッションフロア当該居室全体 ●フローリング 原則㎡単位 ※毀損等が複数箇所の場合は当該居室全体 | ●畳表 消耗品であり、減価償却資産とならないため、経過年数は考慮しない。 ●畳床・カーペット・クッションフロア 6年で残存価値1円となるような直線(又は曲線)を想定し、負担割合を算定する。 ●フローリング 経過年数は考慮しない。ただしフローリング全面の毀損による床全体を張替えた場合、当該建物の耐用年数で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。 |
壁、天井 (クロス等) | ●毀損部分の補修 | ●クロス 最低㎡単位 | ●クロス ㎡単位が望ましいが、賃借人が毀損させた箇所を含む一面分までは張替え費用を賃借人負担としてもやむを得ない。 ※喫煙等により当該居室全体にクロス等がヤニで変色したり臭いが付着した場合、クリーニング又は張替え費用を賃借人負担とする(部分補修困難) | ●クロス 6年で残存価値1円となるような直線 (又は曲線)を想定し、負担割合を算定する。 |
建 具 ( 襖・柱等) | ●毀損部分の補修 | ●襖 最低1枚単位 ●柱 最低1本単位 | ●襖 1枚単位 ●柱 1本単位 | ●襖紙・障子紙 消耗品であり、減価償却資産とならないため、経過年数は考慮しない。 ●襖、障子等の建具、柱 経過年数は考慮しない。考慮する場合は、当該建物の耐用年数で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。 |
設 備 | ●設備の補修 ●鍵の返却 | ●設備機器 部分的補修、交換 ●鍵 紛失の場合はシリンダー交換 | ●設備機器 補修部分、交換相当費用 ●鍵 紛失の場合はシリンダー交換 | ●設備機器 耐用年数経過時点で残存価値1円となるような直線(又は曲線)を想定し、負担割合を算定する。(新品交換も同様) ●鍵 鍵の紛失の場合は、経過年数を考慮しない。交換費用相当分を全額賃借人負担とする。 |
その他 | ●通常の清掃 ゴミ撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り清掃、換気扇やレンジ回りの油汚れの除去 | ●クリーニング 専門業者による部位ごともしくは全体のクリーニング | ●クリーニング 部位ごともしくは住戸全体 | ●クリーニング 経過年数は考慮しない。賃借人負担となるのは、通常の清掃を実施しない場合で、部位もしくは住戸全体の清掃費用相当分を全額賃借人負担とする。 |
【賃貸人負担】 ○賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生するもの ○次の入居者を確保するためのリフォーム、グレードアップの要素があるもの | 【賃借人負担】 ○賃借人の使い方次第で発生したもの(明らかに通常の使用による結果とはいえない) ○賃借人のその後の手入れ等管理が悪く発生、拡大したもの | |
床 (畳・フローリング・カーペット等) | ●畳の裏返し、表替え ※特に破損等していないが、次の入居者確保のために行なうもの ●フローリングワックス掛け ●家具の設置による床、カーペットの凹み、設置跡 ●畳の変色、フローリングの色落ち ※日照、建物構造欠陥による雨漏り等で発生したもの | ●カーペットに飲み物等をこぼしたことによるシミ、カビ ●冷蔵庫下のサビ跡 ●引越作業で生じたひっかきキズ ●畳やフローリングの色落ち ※賃借人の不注意で雨が吹き込んだことによるもの ●落書き等の故意による毀損 |
壁、天井 (クロス等) | ●テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(電気ヤケ) ●壁に貼ったポスターや絵画の跡 ※一部屋に1~2個所程度まで ●エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡 ※賃貸人が設置の承諾をしたもの ●クロスの変色 ※日照等の自然現象によるもの ●壁等の画鋲、ピン等の穴 ※下地ボードの張替えは不要な程度のもの | ●台所の油汚れ ●結露を放置したことにより拡大したカビ、シミ ●エアコンから水漏れし、賃借人が放置したため壁が腐食 ●賃貸人の承諾なく設置したエアコンによる壁のビス穴、跡 ●タバコ等のヤニ・臭い ●壁等のくぎ穴、ネジ穴 ※重量物を掛けるために開けたもので、下地ボードの張替えが必要な程度のもの ●天井に直接つけた照明器具の跡 ●落書き等の故意による毀損 |
建 具 ( 襖・柱等) | ●網戸の張替え ※特に破損等していないが、次の入居者確保のために行なうもの ●網入りガラスの亀裂 ※構造により自然に発生したもの | ●飼育ペットによる柱等のキズ・臭い ●落書き等の故意による毀損 |
設 備 | ●浴槽、風呂釜等の取替え ※特に破損等していないが、次の入居者確保のために行なうもの ●鍵の取替え ※破損、鍵紛失のない場合 ●設備機器の故障、使用不能 ※機械の寿命によるもの | ●日常の不適切な手入れもしくは用法違反による設備の毀損 ●鍵の紛失、破損による取替え |
その他 | ●全体のハウスクリーニング ※専門業者によるもの ●エアコンの内部洗浄 ●消毒(台所・トイレ・浴室等) ※機械の寿命によるもの ●地震等の自然災害による建物の被害 | ●ガスコンロ置場、換気扇等の油汚れ、すす ●風呂、トイレ、洗面台の水垢、カビ等 ●地震等の自然災害による建物の被害 ※自然災害による建物の毀損、破損個所を発見した、もしくは明らかに発見できる個所があるにも係わらず、賃貸人への通知義務を怠ったもの ※地震等の災害に備え、賃借人が最低限度(想定できる範囲)の事前措置を怠っていたことが原因による建物の毀損、破損 |
〈設備等の経過年数と賃借人負担割合(耐用年数6年及び8年・定額法の場合)〉
(%)100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
耐用年数 | 報 酬 |
5年 | 流し台 |
6年 | 冷房用・暖房用機器電気冷蔵庫・ガス機器インターホン |
8年 | 主として金属製以外の家具 |
15年 | 便器・洗面台等の給排水・衛生設備主として金属製の器具・備品 |
建物の耐用年数を適用 ○事務所用…50年 ○住宅用…47年 ○店舗用…39年 | ユニットバス・浴槽 建物に固着しているもの (下駄箱・フローリング) |
〈主な設備の耐用年数〉
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15(年)
分譲マンション賃貸オーナー ガイドブック
重要判例・トラブル事例集
税務知識① 【所得税】
重要判例
所得税の基本知識
事件名 | 更新料等返還請求事件 | 判決年月日 | 平成23年7月15日(最高裁判所3件同時判決) 判決 更新料は有効 |
事案の概要 | 支払い済みの更新料の返還請求 | ||
判決の理由 | 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解するのが相当である。 | ||
補 足 | この裁判は、3件の同種の事件に対し、【平成19年4月13日 借主提訴】 【平成20年5月20日 借主提訴】 【平成20年2月27日 借主提訴】 まとめて判決を下したものです。 |
所得税の申告納税額の計算は、次の手順で計算されます。
1)「収入金額」から「収入から差し引かれる金額」を差し引き、「所得金額」を求める。
2)「所得金額」から「所得から差し引かれる金額」を差し引き、「課税される所得金額」を求める。
3)「課税される所得金額」に税率を乗じて、「所得税額」を求める。
〈所得が1種類のみで納める税金が発生する場合の計算〉
①収入金額 ②課税される所得金額 ③所得金額 ➃申告納税額
収入金額
損益通算
第一審 | 貸主勝訴○(京都地裁) |
第二審 | 貸主敗訴×(大阪高裁) |
第三審 | 貸主勝訴○(最高裁) |
第一審 | 貸主勝訴○(大津地裁) |
第二審 | 貸主勝訴○(大阪高裁) |
第三審 | 貸主勝訴○(最高裁) |
第一審 | 貸主敗訴×(京都地裁) |
第二審 | 貸主敗訴×(大阪高裁) |
第三審 | 貸主勝訴○(最高裁) |
4)「所得税額」から「税金から差し引かれる金額」を差し引き、「申告納税額」を求める。
事件名 | 敷金等返還請求事件 | 判決年月日 | 平成23年7月12日(最高裁判所判決) 判決 敷引は有効 |
事案の概要 | 契約解除に伴い、保証金100万円から差し引かれた敷引金60万円と原状回復費用等17万5千5百円の返還請求 | ||
判決の理由 | 賃貸借契約書には、保証金100万円を契約締結時に支払う義務を負うこと、そのうち敷引金60万円は建物の明渡し後も賃借人に返還されないことが明確に読み取れる条項があるため、賃借人は本件契約によって自らが負うこととなる金銭的な負担を明確に認識した上で本件契約の締結に及んだというべきである。そして敷引金の額が、近傍同種の建物に係る賃貸借契約に付された敷引特約における敷引金の相場に比して、高額に過ぎるとはいい難い。以上の事情を総合考慮すると、信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するものということはできず、消費者契約法10条により無効であるということはできない。 | ||
補 足 | 関東でも「敷金償却」という同種の契約方式が存在しております。この判例により、敷金償却も有効と考えられます。 |
種 類 | 概 要 | 課税方法 | |
事業所得 (営業等・農業) | 商・工業や漁業、農業、自由職業などの自営業から生ずる所得 | 総合課税 | |
事業規模で行う、株式等を譲渡したことによる所得や一定の先物取引に係る所得 | 申告分離課税 | ||
不動産所得 | 土地や建物、船舶や航空機などの貸付けから生ずる所得 | 総合課税 | |
利子所得 | 公社債や預貯金の利子などの所得 | 源泉分離課税 | |
国外で支払われる預金等の利子などの所得 | 総合課税 | ||
配当所得 ※配当所得には確定申告不要制度があります | 法人から受ける剰余金の配当、公募証券投資信託の収益の分配などの所得(申告分離課税を選択したものを除く) | 総合課税 | |
上場株式等に係る配当等、公募証券投資信託の分配などで申告離課税を選択したものの所得 | 申告分離課税 | ||
特定目的信託の社債的受益権の収益の分配などの所得 | 源泉分離課税 | ||
給与所得 | 俸給や給料、賃金、賞与、歳費などの所得 | 総合課税 | |
雑所得 | 公的年金等 | 国民年金、厚生年金、公務員の共済年金、恩給などの所得 | 総合課税 |
その他 | 原稿料や講演料、生命保険の年金など他の所得に当てはまらない所得 | 総合課税 | |
業(事業規模を除く)として行う、株式等を譲渡したことによる所得や一定の先物取引に係る所得 | 申告分離課税 | ||
公社債の償還差益のうち、一定の割引債の償還差益などの所得 | 源泉分離課税 | ||
譲渡所得 | ゴルフ会員権や金地金、機械などを譲渡したことによる所得 | 総合課税 | |
土地や建物、借地権、株式等を譲渡したことによる所得※株式等の譲渡については事業所得、雑所得となるものを除く | 申告分離課税 | ||
一時所得 | 生命保険の一時金、賞金や懸賞当せん金などの所得 | 総合課税 | |
保険・共済期間が5年以下の一定の一時払養老保険や一時払損害保険の所得など | 源泉分離課税 | ||
山林所得 | 山林(立木)を伐採して譲渡したことなどによる所得 | 申告分離課税 | |
退職所得 | 退職金、一時恩給、確定給付企業年金法及び確定拠出年金法による一時払の老齢給付金などの所得 | 申告分離課税 |
所得とは、その発生形態などに応じて10種類に分類され、それぞれ課税方法が異なります。総合課税となる不動産所得に赤字がある時は、その赤字をその他の総合課税の所得金額の黒字から控除することができます。これを「損益通算」といいます。例えば、所得が給与所得のみの会社員がマンションを貸し不動産収入を得たが不動産所得が赤字となった場合、その赤字分を給与所得から控除することができます。
収入から
差し引かれる金額
×
所得から 税 率
差し引かれる金額
所得から
差し引かれる金額
事件名 | 敷金返還請求事件 | 判決年月日 | 平成21年6月12日(大坂高等裁判所判決) 判決 通常損耗部分の修復費用返還 |
事案の概要 | 契約解除に伴い、敷金から差し引かれた補修費用の返還請求 | ||
判決の理由 | 賃借人は、通常損耗(自然損耗)について原状回復を負うとの特約がない限り、特別損耗(入居者の故意・過失による損耗)についてのみ原状回復を負うと解するのが相当であるとした上で、特別損耗部分の修復を行なった結果、通常損耗部分の修復をも含むことになる場合、当該修復によって回復した通常損耗による減価分は賃貸人が負担するものとした。 | ||
補 足 | 判決後、被告人(賃貸人)は控訴したが、裁判所はこれを棄却した。本判決は、国土交通省の「原状回復をめぐるガイドライン」を引用した判決であり、現在の賃借人に対する原状回復費用の請求の基本的な考え方を示した判決である。 |
総合課税 | 確定申告により、他の所得と合算して所得税を計算する。 |
申告分離課税 | 確定申告により、他の所得と分離して所得税を計算する。 |
源泉分離課税 | 他の所得と関係なく、所得を受け取る時に一定の税額が源泉徴収され、納税が完結する。 |
納税管理人の選任
判決年月日
トラブル事例集
事件名 | 造作買取請求事件 | 判決年月日 | 平成22年1月25日(東京地方裁判所判決) 判決 造作買取請求の対象外 |
事案の概要 | 契約解除に伴い、賃借人が取り付けた家庭用エアコン3台の造作買取請求権の行使(賃貸借契約書には、造作買取請求権について排除するという条項・特約は無い) | ||
判決の理由 | 造作とは、建物に附加され、賃借人の所有かつ建物の使用に客観的便益を与えるものであり、賃借人が撤去することによって、そのものの利用価値が著しく減じるものであると解される。本件の家庭用エアコンは、汎用性のあるものであり、これを撤去することによって、本件建物の利用価値が著しく減ずるものでもなく、また取り外しも比較的容易であるものと認められることから、本件建物に附加した造作と認めることは難しく、造作買取請求権の対象とはならない。 | ||
補 足 | 平成4年8月に施行された借地借家法で、造作買取請求権の規定が任意法規に変更されたため、造作買取請求権を放棄する特約に双方合意すれば有効となっております。 |
トラブルの内容 | 入居者より、窓ガラスと網戸の隙間に大量のハエが侵入して、網戸が真っ黒との連絡が来る。入居者はその自然現象に我慢できず、入居後わずか1ヶ月で退去した。 |
原 因 | 年に一度、マンションの向かいにある林から大量のハエが押し寄せることを、賃貸するまで居住していたオーナー様は知っていた。しかし自然現象であること、年に一度のこと、オーナー様はその現象に慣れていたことから、マンションを賃貸する際に、弊社及び入居者へは、その事実を告知しなかった。 |
対処の経緯 | 弊社ではオーナー様が告知しやすいよう様々なトラブル事例をまとめ、補足資料として管理委託契約書に添付しています。 |
海外へ居住している又は居住することとなった場合、申告書の提出やその他国税に関する事項を処理するための代理人(納税管理人)を選任しなければなりません。《所得税・消費税の納税管理人の届出書》の届出書に必要事項を記入して、納税管理人を定めたとき又は出国する日までに納税地を管轄する税務署へ提出します。
《所得税・消費税の納税管理人の届出書》
海外居住オーナーの源泉徴収
海外居住のオーナー様が日本国内の不動産を法人に賃貸する場合、賃借人となる法人が賃料の20.42%を源泉して税務署へ納付しなければなりません。そして納税管理人が行なう確定申告により、源泉徴収された所得税の還付を受けることになります。※
P17「転貸システム」参照
住宅ローン控除の再適用
トラブルの内容 | 弊社が管理するお部屋(年配の方が1人で居住)の下階の方から、騒音が酷いので対処して欲しいと苦情が来る。(数ヶ月前にも、直接苦情を伝えていたとのこと) |
原 因 | 弊社が管理するお部屋の入居者は、数ヶ月前からまな板を使用する際にも、まな板の下にタオルを敷いて使用する等、一般的な生活音についても細心の注意を払っていた。弊社の社員2名が上下階に分かれ騒音の程度を確認するも、部屋で飛び跳ねない限り、どのマンションでも存在する一般的な生活音だと判断する。 |
対処の経緯 | 管理組合を間に入れ、下階の方には通常の生活音であるということを説得する。 |
住宅ローン控除の適用要件の1つに「取得した住宅に自らが居住し住み続けること」というものがあります。そのため今まで住んでいたマンションを賃貸するために引越しすると、その年から住宅ローン控除の適用が打ち切られてしまいます。しかし一定の要件を満たせば、再居住した翌年(賃貸しなかった場合は当年)から、また住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除再適用の要件 |
居住の用に供さなくなったことが、転勤や転勤に準ずるやむを得ない事由である。 |
居住の用に供しなくなる日までに、「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」と転勤辞令の写しなどを、マンションの所在地を管轄する税務署長に提出する。 |
住宅取得日から6ヶ月以内に居住の用に供していた。 |
○…住宅ローン控除を受けることができる年 …住宅ローン控除を受けることができない年
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目10年目
60cm
64cm
トラブルの内容 | ビルドイン型のドラム式洗濯機が、使用できなくなった。メーカーから分解清掃だけでも数万円も掛かると言われた。 |
原 因 | 7~8年使用したドラム式洗濯機だったが、ドラム内に洗剤のカスが付着し、専用の洗濯槽洗剤でも完全にカスが取れなかった。ビルドイン (埋め込み式)のため、修理や分解清掃も高額となる。 |
対処の経緯 | 今後の修理・清掃に多額の費用が掛かることも予想されたため、洗濯機の周囲を解体し、ビルドイン式から一般の洗濯機が置けるよう改築した。 |
不在期間を賃貸
残りの3年間
住宅ローン控除再適用
転勤のため引っ越し 再居住開始
※不在期間を賃貸しない場合、再居住開始の7年目から再適用されます。
《転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書》