Contract
基 本 合 意 書
預金保険機構(以下「売主」という)、株式会社日本債券信用銀行(以下「日債銀」という)並びにソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」という)、オリックス株式会社(以下「オリックス」という)及び東京海上火災保険株式会社(以下
「東京海上」といい、ソフトバンク及びオリックスと併せて「買主」という)は、平成 12 年 6 月 6 日付で基本合意書(以下「本基本合意書」という)を締結する。
売主は、売主が保有している日債銀の発行済普通株式を買主に売却する意向であり、買主はこれを買い受ける意向である。また、買主は、日債銀が新規に発行する普通株 式を引き受ける意向である。なお、買主は、他の金融機関等を共同出資者として加え ることを検討しており、売主はこれを了承している。
売主、日債銀及び買主は、平成 12 年 2 月 24 日付で、売主が買主に優先交渉権を与える趣旨の覚書(以下「本件覚書」という)を締結した。
全当事者は、全当事者間で本件覚書に従って行われてきた協議の内容及び上記意向に従って最終的な株式売買契約(以下「最終契約」という)が締結される際の基礎となる全当事者の合意を明確化しておくことが好ましいと認識している。
売主は、本基本合意書の締結交渉に当たっては、金融再生委員会(以下「再生委」という)の指導・監督を受けている。
よって、全当事者間において次のとおり合意する。
第 1 条 (定義)
本基本合意書において、別途定める場合を除き、以下の用語は下記の意味を有するものとする。
(1) 「基準日」とは、実行日の前日を意味する。
(2) 「実行日」とは、本基本合意書第 3 条 1 項及び 2 項に記載される手続が行われる日として最終契約において定められる日を意味する。
第 2 条 (特別公的管理銀行に対する損失補填等)
売主は、日債銀に対し、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成 10 年 10 月 16 日法律第 132 号)第 62 条及び第 72 条に基づく損失の補填及び金銭の贈与を行う。損失補填額決定にあたって使用する日債銀の貸借対照表は、基準日現在の日債銀の単体の貸借対照表(以下「基準日貸借対照表」という)とする。基準日貸借対照表は、平成 13 年 3 月期に適用される会計基準に基づき作成される。
第 3 条 (株式譲渡及び新株発行)
1. 売主は、最終契約の各条項に従い、実行日において、日債銀の単位未満株式 705 株を除く発行済普通株式の全部に相当する普通株式 2,501,536,000 株を、買主に対し、金 10 億円で売り渡し、買主はこれを買い受けるものとする。なお、売主は、実行日において、日債銀に対し、上記単位未満株式 705 株を金 282 円で買取請求をするものとする。
2. 日債銀は、最終契約の各条項に従い、買主に対し、実行日を払込期日として、額面普通株式 333,334,000 株(1 株につき額面金額金 50 円、発行価額金 300 円)の第三者割当による新株発行を行うものとし、買主はこれを引き受けるものとする。買主は、実行日において、かかる新株の払込金として金 100,000,200,000 円を日債銀に払い込むものとする。
3. 売主及び買主は、売主が実行日に保有している日債銀の優先株式に関し、(i)第四回優先株式(甲種優先株式)65,922,000 株(以下「継続保有優先株式」という)について、その優先配当の額を年 15 円から年 5 円に引き下げ、それ以外の条件については現行の条件を実質的に維持したまま、実行日以降も維持されること、及び(ii)その他の全ての優先株式が消却されることに同意する。
4. 日債銀が実行日後に「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」
(平成 10 年 10 月 22 日法律第 143 号)(以下「早期健全化法」という)第 4 条に基づく株式引受の申請を行い、再生委が引受について承認した場合には、売主は、日債銀の新たに発行する無議決権優先無額面株式 8 億株を金 2,400 億円(1
株あたりの発行価額 300 円)で引き受ける(以下かかる優先株式を「新規優先株式」という)。新規優先株式及びその引き受けに係る具体的な条件については、早期健全化法に基づき、日債銀が買主の指示に従い健全な自己資本の状況にある旨の区分に該当する発行金融機関等として提出する(但し、承認日現在で早期健全化法施行規則(平成 10 年 12 月 15 日金融再生委員会規則第 3 号)第 2 条第 6項に規定する国内基準に係る単体自己資本比率 4%以上を達成している見込みであることを条件とする)経営健全化計画に関する再生委の審査を経た上で決定される。最終契約に定める期間(実行日後における正式申請日から 10 営業日程度
とする)内に、最終契約で当事者が合意する日を払込日として、最終契約に定める条件とほぼ同一の条件による当該株式引受について再生委の正式な承認が得られない場合には、買主は最終契約を一体として解除し、基準日以降に日債銀に関して自らが行った全ての取引を無効にできるものとする。
5. 日債銀は、前項に定められる新規優先株式の引受による増資の条件として、かかる増資と同時に、資本の欠損の全部又は一部を相殺するために早期健全化法第 9 条 3 項に規定する要件に該当する減資を行うものとする。
6. 新規優先株式は、その発行日から 5 年目の応当日以降に普通株式に転換することができるものとし、また転換価額は 1 株あたり 300 円又は市場価格(日債銀の発行する株式が公開されていない場合には 1 株あたりの純資産額)のいずれか低い方の額(但し 225 円を下回らないものとする)によるものとする。新規優先株式に係るその他の基本的条件については、最終契約において定められるものとする。
7. 売主は、継続保有優先株式若しくは新規優先株式又はこれらの優先株式を転換して取得した普通株式(以下「売主保有株式」と総称する)の全部又は一部の売却を希望する場合には、まず初めに買主に対して書面(以下「売却申込通知」という)で売却の申込を行うものとする。売却申込通知には売却を希望する売主保有株式の数及び売却申込価格(その詳細については最終契約において定める。以下本項において同じ)が記載されるものとする。買主は、売却申込通知を受領してから最終契約で定める期間内に当該売却申込通知に記載された売却申込を承諾するか否かを決定する権利を有するものとする。買主が当該期間内に売主に対して当該売却申込を承諾する旨書面により通知しなかった場合には、売主は、当該売却申込通知記載の売主保有株式の全部又は一部を、当該売却申込価格以上の価格で第三者に売却できるものとし、買主はこれに異議を唱えないものとする。
8. 日債銀の発行する株式が公開された場合であって、売主が保有している売主保有株式の時価総額が 3,350 億円を超えている場合、買主は、売主に対し、これらの売主保有株式のうちの一定の数量を、別途売主及び買主間で合意するxxな価格により買主に売却するか、又は市場で売却するよう要請することができるものとする。売主はかかる要請を不合理には拒絶しないものとする。その時点で優先株式が転換可能な状態にある場合、買主は、かかる売却のために当該優先株式を普通株式に転換することを要求することができる。
9. 各当事者は、本第 3 条に定める株式譲渡、株式発行、株式消却、減資及び増資、資金援助並びに継続保有優先株式の優先配当の額の変更を実行するために各当事者により必要とされるすべての行為を行う(日債銀の株主総会での賛成を含む)ものとする。
第 4 条 (表明等)
最終契約は、通常の企業買収契約に含まれる表明・保証及び補償に関する条項を含むものとする。なお、かかる表明・保証及び補償の有効期間は、税務に関するものについては実行日を含む事業年度の納税申告書の申告期限から 5 年間、それ以外
のものについては実行日から 3 年間とする。日債銀の基準日現在に存在していた未実現、簿外若しくは偶発債務又は責任が実現した場合並びに係属していた訴訟が確定したことにより日債銀の責任が確定した場合については売主が日債銀に補償するものとする。また、日債銀の子会社等について基準日現在存在していた未実現、簿外若しくは偶発債務又は責任が実現した場合並びに係属していた訴訟が確定したことにより子会社等の責任が確定した場合の取扱については別途最終契約書で定めるものとする。補償の総額については最高額の制限は無いものとする。但し、税務にかかる表明に関するもの以外に補償の対象となりうる金額(その金額の多寡を問わない)すべてを合計しても総額が 30 億円以下の場合には税務にかかる表明に関するもの以外に補償義務は発生しないものとする。総額が 30 億円を超えた場合に、30 億円を超過している部分(但し実際の補償の対象となるのは 30 億円を超えている部分
で且つ一件 7,000 万円以上のものに限る)について補償義務が発生するものとする。
第 5 条 (誓約)
最終契約は、通常の企業買収契約に含まれる誓約を含むものとする。
第 6 条 (日債銀が現在保有している株式の取扱い)
1. 日債銀は、最終契約で別途合意される日(以下「株式評価基準日」という)現在の保有株式の銘柄、数量、簿価及び同日現在の市場価格(上場株式の場合)又はxx価格
(非上場株式の場合。なお、xx価格は最終契約で定められた方式により算定されるものとする。以下同じ)の一覧表(以下「保有株式一覧表」という)を作成し、最終契約で別途合意される日に買主及び売主に交付する(以下、本条において、株式評価基準日現在の市場価格又はxx価格を「株式評価基準日時価」という)。
2. 買主は、保有株式一覧表記載の上場株式(店頭登録株式を含む。以下「本上場株式」という。なお、本条において使用される「上場」という用語には店頭登録も含むものとして解釈するものとする。)の中から、日債銀が株式の発行会社と良好な業務関係を保つために必要な株式を指定し(以下、かかる指定がなされた株式を「指定上場株式」といい、指定がなされなかった株式を「指定外上場株式」という)、また、株式評価基準日において含み益がある本上場株式の中から含み益の合計が 850 億円となるような株式を選択し(以下、かかる選択の対象とされた株式を「含み益実現銘柄株式」という)、最終契約
において定められる日までに、かかる指定及び選択の内容を売主に書面で通知する。
(1) 指定上場株式の取扱い
日債銀は、指定上場株式のうち、(i)含み益実現銘柄以外の株式については、基準日までに、また、(ii) 含み益実現銘柄については、実行日において、売主に対し、当該株式の株式評価基準日時価にてこれを売却するものとする。
(2) 指定外上場株式の取扱い
日債銀は、指定外上場株式のうち、(i)含み益実現銘柄以外の株式については、基準日までに、また、(ii)含み益実現銘柄株式については実行日から 90 日以内において、最終契約において定められる手続に従い、これらを売却するものとする。但 し、日債銀は、これらの株式の売却に際し、事前に所定の事項を記載した書面による通知を売主に対して行うものとし、この場合、売主は、日債銀に対して、当該時点における株式市場の状況等に鑑み、当該株式を当該時点における市場価格にて売主に売却するよう請求する権利(以下「売却先指定権」という)を有するものとする。但し、(i)売主が、(a)売却案記載の売却価格が当該株式の数量及び流動性を反映するxxな価額であり、かつ(b)売却案が明らかに関連する株式市場を混乱させる ものではないことが明らかであると認めた場合、又は(ii)当該株式の発行会社が売却案に記載された売却に同意している場合には、売主は売却先指定権を行使しないものとする。
3. (1) 最終契約の規定に従い売主が日債銀から指定上場株式及びその他の日債銀の保有する株式を取得した場合、売主は、これらの株式を最終契約で定めるところに従い、日債銀信託銀行株式会社(以下「日債銀信託」という)に対して信託するもの とする(以下かかる株式を「信託株式」という)。日債銀又は日債銀信託は、当該信託株式に対し、名目上の所有権及び実質的な議決権を有する。実行日から 5 年間、日債銀は当該株式の売却に関する第一優先購入権(最終契約書に定められる)を有するものとする。
(2) 日債銀は、実行日から 5 年以内であれば、売主に対して書面で通知することにより、信託株式の全部又は一部を当該時点における市場価格(上場している場合)又はxx価格(上場していない場合)により買い戻すことが出来るものとする。但し、日債銀がかかる買い戻しを要請した場合であっても、売主は、当該信託株式の売却により損失が発生するときには、当該信託株式を日債銀に売却しないことを選択することが出来るものとする。売主が売り戻さないことを選択した場合で、当該信託株式に係る信託期間は当該選択の日から 1 年後の応当日まで延長される。かかる延長がなされた期間中、日債銀は、(1)号に定める優先購入権及び(2)号に定められる買戻要請権を引き続き保有し、売主は(2)号における売り戻しを行わない選択権を引き続き保有するものとする。
(3) 日債銀は、売主との間で別途合意するところに従い、本項に定める信託設定によって売主が実質的に負担することになる費用・手数料等に相当する額の全額を、実行日後に別途売主に対して支払うものとする。
4. 売主、買主及び日債銀は、保有株式一覧表に記載された株式のうち本上場株式以外の株式の取り扱いについては最終契約において定めるものとする。
第 7 条 (貸出関連資産の瑕疵担保)
1. 瑕疵担保責任
(1) 瑕疵担保責任の要件
本基本合意書及び最終契約において企図される取引において、売主は、日 債銀に対して、実行日付で貸出関連資産を譲渡したものとみなす。日債銀は、 (i)実行日から 3 年目の応答日又は(ii)平成 15 年 9 月末日のいずれか遅い方の 日(以下「行使期間満了日」という)までに、(i)特定の債務者についての貸 出関連資産に瑕疵があり、且つ(ii)当該特定の債務者に対する貸出関連資産 に関して 2 割以上の減価が認められた場合、当該債務者に対する貸出関連資 産の全部に関する譲渡を解除する権利(以下「本解除権」という。)を有す る。
(2) 対象となる貸出関連資産
前項の「貸出関連資産」とは、以下の資産を意味する。但し、いずれかの債務者について、下記①、②及び③に記載の資産の総額(下記①、②及び③のなお書き記載の額を用いて算定する)が 1 億円未満である場合には、当該債務者に係る資産は貸出関連資産に含まれないものとする。
① 基準日現在で日債銀が保有し、基準日貸借対照表の貸出金、買入外国為替及び取立外国為替並びに貸付有価証券の各勘定科目に計上される貸付債権等の債権並びにこれに付随する利息等一切の債権(なお、かかる各勘定科目に計上される引当金控除前の帳簿価額)。
② 基準日現在で日債銀が行っている支払保証又は支払承諾であって、基準日貸借対照表の支払承諾見返勘定の勘定科目に計上されているものに係る支払義務を日債銀が実行日以降に履行したことによって発生した求償権(なお、支払承諾見返勘定の勘定科目に計上される引当金控除前の帳簿価額)。
③ 基準日現在において日債銀が法律上又は契約上の義務を負っている与信確約について、日債銀がこれを実行したことによって実行日以降に発生した貸付債権等の債権(なお、かかる与信確約に基づく未実行額)。
④ 上記①ないし③のいずれかに該当する債権に関し、実行日以降に更新、
借換え又はロールオーバーされた債権、実行日以降に日債銀がその保証履行等により代位取得した債権、実行日以降に会社分割等によって第三者に債務承継された債権、又はその他の実質的に同一性のある債権。但し、その元本額について上記①、②及び③のなお書き記載の額を超えてはならない。
⑤ 上記各貸出関連資産に関係するヘッジ目的で締結されたデリバティブ取引。
(3) 瑕疵
① 瑕疵の定義
「瑕疵」とは、貸出関連資産に関し、再生委が「日債銀が引き続き保有することが適当」と判定した根拠について、行使期間満了日までに変更が生じたか、又は、xxでなくなったことが判明したことを言い、変更又はxxでなくなったことが実行日後の専ら買主又は日債銀の責めに帰すべき事由によって生じた場合は「瑕疵」に含まれない。
② 瑕疵の推定
以下の場合には瑕疵の存在を推定するものとする。下記規定の適用においては、再生委による資産判定(平成 11 年 5 月)に使用された債務者区分を使用するものとする。
(i) 「正常先」若しくは「要注意先のうち、直近の決算において繰越欠損が生じておらず、元金の返済及び利息の支払が当初の貸出契約通り行われている先(いわゆる「要注意先 A」)」として区分された債務者に対する貸出関連資産又は資産判定を受けていない債務者に対する貸出関連資産に関し、行使期間満了日までに下記各号のいずれかの事由が生じたときは瑕疵の存在を推定する。
(a) 貸出関連資産についての元本又は利息の 3 ヶ月以上の延滞
(b) 実質債務超過又は繰越損失の発生(但し、1~2 年程度で解消する一過性のものは除く)
(c) 貸出関連資産についての貸出条件緩和の要請(但し、経済的困難に陥った債務者の再建を企図するものに限る)
(ii) 要注意先以下に区分された債務者に対する貸出関連資産(但し、要注意先に対する貸出関連資産のうち上記(1)に含まれるものを除く)について「適資産」と判定された根拠となる主たる事由が下記の場合は、行使期間満了日までに下記各号の事由が生じたことをもって瑕疵の存在を推定する。
(a) 自力再建の可能性あり・・・・・・・・・売上高、当期利益又はその他
の重要な財務数値につき、債務者の再建計画(平成 11 年 5 月資産判定時)と実績との間に 30%以上の大きな乖離が生じ、且つ、その結果、再建計画の達成不能が確実となった場合。
(b) 中核会社・メイン銀行等の支援あり・・・・・・・・・貸出関連資産について延滞が生じた場合(但し、一過性のものを除く)。
(c) 中核会社との一体判定・・・・・・・・・中核会社に「瑕疵」に該当する事由が発生した場合。
(d) 個人に支払能力あり・・・・・・・・・貸出関連資産について延滞が生じた場合(但し、一過性のものを除く)。
(iii) 前 2 号のほか、下記に該当する場合には瑕疵の存在を推定する。
(a) 債務者について支払の停止又は破産、民事再生手続開始、会社更生手続開始、会社整理開始、特別清算開始若しくはその他類似の手続の申立があり、かかる申立が申立から 60 日間却下又は取り下げられない場合。
(b) 債務者が手形交換所の取引停止処分を受けた場合。
(c) 債務者が、行使期間満了日現在で貸出関連資産に関し元本又は利息を 3 か月以上延滞している場合。
(d) 貸出関連資産について債権放棄の要請がなされた場合(但し、経済的困難に陥った債務者の再建を企図するものに限る)。
(4) 2 割以上の減価
「2 割以上の減価」とは、瑕疵が認められる貸出関連資産に係る債務者に対する貸出関連資産のその時点での簿価(その時点での引当金控除後ベース)の総額が、それら貸出関連資産の基準日時点での簿価(基準日時点での引当金控除ベース)の総額に比し 2 割以上減額していることをいう。
(5) 債権放棄と本解除権
債権放棄の要請がありこれを日債銀が受諾した場合は、本解除権を放棄したものとみなす。
一方、貸出条件の緩和に関しては、経済的困難に陥った債務者が再建を企図して要請し、これを日債銀が受諾した際に、売主が合理的と容認できる判断理由がある場合には、その時点で本解除権を放棄したものとはみなさず、行使期間満了日まで本解除権行使留保を認める。
2. 本解除権行使の効果等
(1) 本解除権行使の効果
本解除権が行使された場合、かかる解除の対象となった貸出関連資産は原則として日債銀から売主に移転し、日債銀は最終契約に定めるところに従い
その移転に係る手続を行うものとする。売主は、かかる移転手続の終了後、日債銀に対し、最終契約に定める方式によって算定される額を支払うものとする。
日債銀は、貸出関連資産について本解除権を行使する意図を有する場合、本解除権の行使後直ちに当該貸出関連資産を売主から買戻すことについての協議を行うよう求めることができるものとする。
(2) 不可抗力
行使期間満了日までに、戦争、自然災害、経済大恐慌等の不可抗力が生じ、その結果として貸出関連資産にかかる債務者の状況が悪化したときには、売 主の日債銀に対する支払義務は制限を受ける。不可抗力と思われる事象が生 じた際は、売主と日債銀はその事象が不可抗力に該当するか否か、債務者の 状況悪化がその不可抗力に起因するものか否か等を含め誠実に協議し、売主 と新生日債銀の間のxxな負担のあり方を決定することとする。
3. 本解除権行使の期間及び手続
(1) 本解除権の行使期間
本解除権は、行使期間満了日までの間いつでも行使することができる。
(2) 本解除権行使のための通知
日債銀は、本解除権を行使しようとする場合、売主にその旨通知(以下
「本解除通知」という)をするものとする。本解除通知は、前号の期間中の各 3 月、6 月、9 月及び 12 月の末日並びに行使期間満了日を判定日(瑕疵担保責任の要件の充足の有無を確認するに際して基準とされる日)とし、その各 30 日以内に行われなければならない。但し、行使期間満了日を判定日と
する場合には、日債銀は、行使期間満了日から 3 ヶ月後の日まで本解除通知を行うことができるものとする。
(3) 売主の異議
売主は、本解除通知による本解除権の行使に異議がある場合には、本解除通知を受領した日(最終契約に従って追加資料の提出が必要な場合には当該追加資料を全て受領した日)から 30 日以内(但し行使期間満了日を判定日
とする本解除通知については 3 ヶ月以内)に、日債銀に対し異議の通知を行わなければならず、かかる期間内に異議の通知がなされない場合には、日債銀及び売主は本条第 2 項(1)号の手続を行うものとする。売主が日債銀に異議の通知をした場合は、売主と日債銀は誠実に協議する。協議が整わない場合、売主と日債銀が合意できる独立の会計事務所に検討を依頼する。日債銀及び売主は当該会計事務所の検討結果を尊重するものとする。但し、日債銀又は売主は、当該検討結果について同意できない場合、東京地方裁判所に提
訴することができるものとする。売主が当該会計事務所の検討結果に従う場合又は裁判所が売主の支払義務を肯定する旨の判決が確定した場合には、日債銀及び売主は本条第 2 項(1)号の手続及び支払を行うものとする。
4. 誠実協議
各当事者は、誠実に協議の上、最終契約において、瑕疵担保責任についてさらに詳細を合意するものとする。
第 8 条 (取締役会及び経営陣)
買主は、実行日以後直ちに日債銀の臨時株主総会を開催させ、日債銀の取締役及び監査役を新たに選任する。買主は、かかる取締役の中にxxxxx、xxxx、xxxxx及びxxxxxが含まれる予定であること、また、代表取締役社長にはxxxxxが就任する予定であることを確認する。
第 9 条 (貸出関連資産の継続保有)
日債銀は、実行日後も、平成 11 年 5 月の再生委の資産判定により「日債銀が引き続き保有することが適当」とされた全ての貸出関連資産を株主の変更にも拘わらず最終契約に従って継続保有する。
第 10 条 (貸出関連資産に係る債務者に対する融資等についての基本方針)
買主は、日債銀が継続保有する貸出関連資産に係る債務者との良好な関係を保つため、少なくとも(i)実行日から 3 年目の応答日又は(ii)平成 15 年 9 月末日のいずれか遅い方の日までは、日債銀に以下のような基本方針で融資等の管理を行わせることを表明する。
すなわち、特段の事情のない限り、
(i)貸出関連資産について、第三者への売却を行わず、
(ii) 貸出関連資産について、急激な回収を行わず、且つ
(iii) 貸出関連資産に係る債務者からの借換の要請、季節資金等、当該債務者の適切な資金需要に応ずる
こととする。
なお、上記(ii)に定める「急激な回収を行わず」とは、契約上認められた債務者の期限の利益を守り、当該期限について債務者に不利な条件変更を行わないことをいう。また、上記に関して、「特段の事情」のある場合とは、上記(i)については、債務者の保護の趣旨に反しない日債銀の資金調達を目的とするローン・パーティシ
ペーションや貸付債権の証券化を行う場合、(ii)及び(iii)については、回収を行わない場合や借換え等に応ずる場合に日債銀に損害が発生することが合理的に予見できる場合をいう。
本第 10 条は、上記第 7 条に定める本解除権を制限するものではない。
第 11 条 (共同出資者)
本基本合意書において企図されている取引に関し、共同出資者として参加する他の金融機関等の取扱いについては、最終契約において定めるものとする。
第 12 条 (機密保持義務)
買主は、本日別途機密保持に関する合意書を作成し、売主及び日債銀に交付している。
第 13 条 (契約の解除)
最終契約は、本契約の当事者が一定の状況下で最終契約を解除することができる旨の規定を含むものとする。
第 14 条 (通知)
最終契約は当事者が行う通知に関する規定を含むものとする。
第 15 条 (諸手続及びその他の事項)
1. 全当事者は、本基本合意書が、本第 1 項乃至 4 項を除き、法的拘束力を持たず、強制執行することができないものであることを確認する。
2. 売主は、本基本合意書締結の日から平成 12 年 7 月 9 日までの期間、本基本合意書の内容に従い、買主との間で、本基本合意書で企図されている取引について排他的に交渉しなければならない。本基本合意書は、全当事者が本基本合意書を延長する旨同意した場合を除き、最終契約締結日又は平成 12 年 7 月 9 日のいずれか先に到来した日に終了するものとする。但し、相手方当事者が誠実な交渉を継続しない場合又は相手方当事者が本基本合意書の条項に重大な形で違反した場合には、売主又は買主は本基本合意書を解除することができる。
3. 本基本合意書は日本法に従って解釈されるものとする。
4. 当事者は、本基本合意書の対象事項については東京地方裁判所が専属管轄権を有する旨合意する。
上記を証するため、xx 5 通を作成し、各当事者が各 1 通を保有する。
預金保険機構
理事長 :x x x
株式会社日本債券信用銀行
代表取締役頭取 :x x x x
ソフトバンク株式会社
代表取締役社長 :x x x
オリックス株式会社
代表取締役社長 :x x x x
東京海上火災保険株式会社
常務取締役 :x x x x