健高長 R4-1
健高長 R4-1
宝塚市緊急通報システム事業運営委託(単価契約)にかかる仕様書
1 事業の概要
ひとり暮らしの高齢者等(以下「利用者」という)が、急病、事故等により緊急に救助を 必要とする場合に緊急通報装置(以下「装置」という)を用いて受信センターに通報し、宝 塚市消防本部内の宝塚市・川西市・猪名川町消防指令センター(以下「消防」という)及び 福祉協力員を始めとする地域住民の協力により、当該利用者を救助する。福祉協力員とは、受信センターからの連絡により利用者の安否の確認を行うもので、利用者は原則として、自宅出入口の合鍵を福祉協力員に預けなければならない。
2 対象者
宝塚市の区域内に住所を有し、かつ、身体に慢性疾患があるなど、日常生活を営む上で常時見守りが必要な状態にある次の者とする。
(1) おおむね65歳以上のひとり暮らしの高齢者
(2) 脳疾患・心疾患・呼吸器疾患等で発作等による命の危険があり、昼間は一人になる、おおむね65歳以上の高齢者
(3) 同居の家族すべてが支援や介護を必要とする状態にある、おおむね65歳以上の高齢者のみの世帯
(4) ひとり暮らしの重度身体障害者(身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第15条の規定による1級又は2級の身体障害者手帳保持者)
(5) その他特に市長が必要があると認める者
3 委託期間
令和4年(2022 年)10月1日から令和9年(2027 年)9月30日まで
4 業務体制
受託者は、「6 委託業務内容」に記載する業務を確実に遂行するものとし、再委託を認める業務を除き、第三者に委託し、又は請け負わせてはならない。
5 装置の設置場所
装置の設置場所は、宝塚市内全域とする。
6 委託業務内容
受託者が実施する業務は、次のとおりとする。
(1) 受信体制
① 契約委託期間中、24時間365日対応可能な緊急通報等の受信センターを設置すること。
② 本業務を確実に遂行できる職員数を確保すること。
③ 地震等の災害時や停電時など、非常時においても無停電電源装置(※1)や自家発電装置(※2)等を使用し、受信対応できる体制を整備すること。
④ 通報が重複した場合においても、早急に対応するために複数名の正看護師等の有資格者が待機する体制を整備すること。
⑤ 通報の受信から市へ報告を行うまでの対応については、受託者が責任を負う。なお、具体的な対応の内容については、契約締結後、市と協議することとする。
⑥ 利用者宅に設置された装置からの通報を受けるための受信機及び電話回線について、常に予備の受信機及び対応可能な電話回線数を確保しておくこと。
※1・・・停電などによって電力が断たれた場合にも電力を供給し続ける電源装置。
※2・・・自ら発電装置を備えて発電する装置。
(2)利用者のデータ管理
① 本業務の実施にあたり、必要な利用者の情報等をコンピュータに登録し、厳重に管理すること。
また利用者の情報等の管理については市が指定する識別番号において管理を行うこと。
② 利用者の情報等を複写又は複製してはならない。ただし、市が認めた場合はこの限りでない。
③ 市が指定する項目について以下の時に宝塚市消防本部情報管制課へ通知を行うこと。通知方法については、市と受託事業者が協議し決定する。
(ア) 装置の設置:利用者の装置設置日確定後、速やかに通知を行う。
(イ) 装置の撤去:前月に装置を撤去した利用者一覧を翌月初旬に通知を行う。
(ウ) 利用者情報の変更:変更を確認次第、速やかに通知を行う。
④ 個人情報の保護に十分配慮し、知り得た情報を本業務の目的以外に利用しないこと。
⑤ 利用者の個人情報を消防・福祉協力員等へ提供する場合は、本人の同意を得ること。
⑥ 利用の廃止等の理由により、利用者宅の装置を撤去した時は、必要な場合を除き、速やかに管理している個人情報を削除すること。
⑦ 令和4年9月30日までに装置が設置されている利用者に対しては、市が指定する期日までに前受託者と調整の上、前受託者の所有する利用者の情報等の移行作業を日程調整のうえ行うこと。
また、前回受託者が再び受託した場合はこの限りでない。
(3)装置の設置
① 受託者は、市の通知により、装置を利用者へ貸与すること。装置の仕様については、以下のとおりとする。
(ア)端末装置
・一般電話回線を使用できるもの
・ハンズフリー(スピーカー)、緊急ボタン、相談ボタンを搭載したもの
・無線式ペンダントに対応するもの
・停電時等に対応できるバッテリーを内蔵したもの
・バッテリー切れ等、装置の異常を通報する機能があるもの
・無線式ペンダントとセットでレンタルとし、その料金は委託料に含む
(イ)無線式ペンダント
・緊急ボタンを搭載したもの
・簡易防水機能があること
・首かけができるよう、ストラップがあること
・バッテリー切れ等、装置の異常を通報する機能があるもの
・端末装置とセットでレンタルとし、その料金は委託料に含む
② 市の通知により、利用者と装置の設置日の日程調整を行い、決定した設置日を事前に市へ報告のうえ、作業を行うこと。
なお、設置の作業には、緊急通報体制整備業務を委託する事業者も立ち会うこととする。
③ 作業にあたっては、装置を利用者宅へ設置した後、通報テストなどによってその取扱い方法を説明すること。
④ 引越やリフォームなどによる再設置については、その都度対応し、その費用は委託料に含めることとする。
⑤ 令和4年9月30日までに装置が設置されている利用者に対しては、市が指定する期日までに前受託者と調整の上、前受託者の所有する旧装置を撤去し、受託者の所有管理する装置と交換できるように日程調整し、順次作業を行うこと。旧装置の処分費及び返却に要する費用については前受託者の負担とする。
なお、設置の作業には、緊急通報体制整備業務を委託する事業者も立ち会うこととし、市が指定する期日は履行開始後3ヶ月程度とする。
また、前回受託者が再び受託した場合はこの限りでない。
⑥ 装置の設置については、市が承諾した場合において再委託を認める。
⑦ 装置の設置件数は、以下のとおり。
(ア) 令和4年10月1日時点設置台数・・・534台(見込み)
(イ) 令和4年5月1日現在設置台数・・・493台
(4)利用の廃止及び装置の撤去
① 受託者は、利用廃止に関する市の通知を受けたときは、利用者の装置の利用を廃止すること。
② 利用を廃止した利用者の装置を撤去するときは、利用者と撤去の日程調整を行い、決定した撤去日を市へ事前に報告のうえ、作業を行うこと。
③ 引越やリフォームなどによる一時撤去については、その都度対応すること。
④ 委託期間終了後の装置の撤去は、委託期間終了後に新しく当該業務委託を受託した者が行う。ただし、市が令和9年9月30日をもって本事業を終了する場合の装置の撤去方法については、委託期間終了前に市と受託者が別途協議するものとする。
⑤ 装置の撤去については、市が承諾した場合において再委託を認める。
⑥ 装置の撤去件数は、以下のとおり。
(ア)令和3年5月1日から令和4年4月30日までの撤去台数・・・104台
(5)装置の保守・点検
① 利用者宅に設置した装置が、正常に稼働するよう保守管理を行うこと。
② 月 1 回の定時信号等で正常に装置が動作を行うかを確認し、正常な動作を確認できなかった場合、技術者を派遣するなど、速やかに対応を行うこと。
③ 装置の保守に要する消耗部品(ペンダント電池含む)交換にかかる費用は、委託料に含むものとする。
④ 利用者の故意又は過失による故障等の処理に対する費用については、利用者の負担とし、それ以外の故障等の処理に対する費用については受託者の負担とする。
⑤ 装置の保守・点検については、市が承諾した場合において再委託を認める。
(6)緊急通報の受信
① 装置の緊急ボタンや無線式ペンダントから通報があった場合、利用者の状況を確認のうえ、的確かつ迅速な処理を行うこと。
② 利用者の状況に応じて、福祉協力員又は緊急連絡先として登録している者、関係機関等へ現地確認の要請を行うこと。また、必要に応じて、消防の緊急通報システ
ム利用者専用緊急通報番号へ以下の情報提供をもって、出動要請を行うこと。
(ア)緊急通報番号、氏名、住所
(イ)玄関開錠の可否
(ウ)利用者の状況 a呼吸の有無 b意識の有無 c負傷部位等 d既往歴
eかかりつけ医療機関
(エ)現場急行者の有無及び現場急行者 a福祉協力員
b業者 cその他
(オ)その他参考事項
③ 現地確認または出動の要請等を行った場合、一連の処理が完了するまで受託者が責任をもって状況把握及び対応に努め、その記録を行うこと。
④ 状況把握及び対応のため、消防へ情報提供を求める場合は、消防の代表電話番号に連絡すること。
⑤ 通報状況は、以下のとおり。
(ア) 令和3年5月1日から令和4年4月30日までの緊急通報件数・・・
58件
(7)相談通報の受信
① 装置の相談ボタンからの通報があった場合は、利用者の状況を確認のうえ、的確かつ迅速な処理を行うこと。
② 利用者から健康や生活に関する相談等があった場合、既往症等利用者の状況に応じた適切な助言を行えるよう、正看護師等の有資格者が常時対応すること。
③ 利用者の状況に応じて、福祉協力員又は緊急連絡先として登録している者、関係機関等へ訪問、調整の要請を行うこと。また、必要に応じて、(6)と同様の処理を行うこと。
④ 通報状況は、以下のとおり。
(ア)令和3年5月1日から令和4年4月30日までの相談通報件数(誤報等を含む)・・・470件
(8)電話による通報の受信
電話を使用して通報があった場合、その内容に応じて、(6)及び(7)と同様の処理を行うこと。
(9)現場急行
① 利用者の状況に応じて、受託者の職員が現場へ急行し、現地確認を行うこと。
② その他、利用者又は市から依頼があった場合、現地へ急行すること。
③ 急行する場合は、概ね 30 分以内に利用者宅へ到着できるよう努めること。
④ 必要に応じて(6)(7)と同様の処理を行うこと。
(10) 鍵預かり
① 受託者は利用者が希望した場合、市の指示のもと、利用者宅の鍵を利用者から預かること。
② 鍵の保管については紛失等のないよう厳重に管理を行うこと。
③ 鍵の使用は通信受信時に受託者係員が現場急行した場合に限るものとし、利用者の鍵の紛失または第三者からの依頼による鍵の開錠は行わないこと。
④ 受託者は利用廃止時に原則として利用者へ鍵を返却することとし、やむを得ない理由で返却できない場合は随時市へ報告すること。
⑤ 鍵預かりにかかる費用は全額利用者負担とし、受託者は利用者負担金を徴収代行すること。
(11)利用者の状況把握
① 毎月1回、利用者と連絡を取り、装置の利用促進を兼ねて利用者の安否確認を行うこととともに、利用者の健康状態等の把握に努めること。また、市からの要望があった場合には、健康・防犯などの情報を利用者へ提供すること。利用者と連絡が取れなかった場合には、緊急連絡先として登録している者・福祉協力員等へ連絡を取り、利用者の状況把握に努めること。
② 利用者の状況に応じて、市、福祉協力員又は、緊急連絡先として登録している者、関係機関等へ報告を行うこと。
(12)状況報告
① 緊急通報があった場合、あるいは利用者の身体状況や生活環境等に異常を確認した場合は、その都度、通報の内容や処理状況について、速やかに市へ報告すること。
② 毎月の業務完了後、次の事項を記載した業務報告書を翌月10日までに市へ提出すること。
(ア)当月分の全ての通報件数(緊急通報・相談通報・誤報・その他通報・テスト通報等に分類)
(イ)緊急通報・相談通報・誤報・その他の通報の詳細内容
(ウ)毎月 1 回の状況把握の件数及び詳細内容
(エ)救急要請・福祉協力員訪問要請・受託者出動の件数
(オ)救急要請・福祉協力員訪問・受託者出動の詳細内容
(カ)保守通報件数(バッテリー切れ、停電、ペンダントバッテリー切れ等に分類)
(13)従事者の管理
① 事業従事者は、通報に迅速確実に対応するとともに、利用者に福祉的配慮をもって応対し、福祉協力員、民生児童委員 に対しては丁寧に協力依頼し、もって本業務の
円滑な推進に努めること。
② 事業従事者は、知り得た個人情報の秘密の保持に万全を期すとともに、契約終了後も含め、他人に漏らさないこと。
③ 受託者は、研修や社内教育等により、事業従事者の技術向上に努めること。
(14)説明責任
① 利用者及び福祉協力員又は関係機関等において説明を求められた場合は、誠意をもって説明を行うこと。
② 毎年開催される福祉協力員講座において、必要に応じて説明及び報告等を行うこと。(年間4~5回開催予定)
③ その他、市民等へ説明を行う場合、市の要請により従事者を派遣すること。
(15)留意事項
消防への連絡体制は次のとおりとする。
① 出動要請
(ア)出動要請は、消防の緊急通報システム利用者専用緊急通報番号に通報すること。
(イ)消防の緊急通報システム利用者専用緊急通報番号は、宝塚市情報公開条例第7条第6号に該当する情報のため、関係者以外に公開しないこと。また、業務委託終了後も同様とする。
② 出動要請以外の連絡
消防の緊急通報システム利用者専用緊急通報番号は、消防への出動要請にのみ利用するものとし、出動要請以外は、宝塚市・川西市・猪名川町消防指令センター代表電話(0797-77-0119)を利用すること。
③ 連絡窓口
出動要請時等の情報交換のため、部署名、電話番号を消防へ提示すること。
(16)利用者負担金の徴収代行
① 市が通知する利用者負担金を徴収代行すること。
② 徴収代行にかかる費用は、受託者の負担とする。
③ 利用者負担金の徴収代行は、設置日の翌月分から利用の廃止日の属する月分までとする。
③ 令和4年9月30日までに装置が設置されている利用者については、徴収代行開始月を市が別途指定する。
⑤ 利用者負担金の概要については、以下のとおり。
(ア)利用者負担金は、利用者の所得に応じて市が決定する。
(イ)利用者負担金の更新を、年1回行う。
(ウ)徴収代行の対象となる利用者は、全体の1割から2割程度と見込まれる。
⑥ 利用者の故意又は過失による故障等の処理に対する費用は、受託者が利用者へ直接請求し、徴収代行を行えるものとする。
⑦ 利用者負担金の徴収代行については、市が承諾した場合において再委託を認める。
(17)その他、本事業の実施に必要な業務が発生した場合は、市と受託事業者が協議のうえ遂行すること。
7 委託料の請求
受託者は、毎月ごとの業務報告書を提出し、市の確認を受けた後、契約単価に装置の設置台数を乗じた額に消費税及び地方消費税の額を加えた額から、利用者負担金を差し引いて市へ請求する。
なお、委託料は、設置日の翌月分から利用の廃止日の属する月分までとする。
8 委託料の支払
市は、前項の請求を受理した日から30日以内に委託料を支払うものとする。
9 協議
この仕様書に記載のない事項については、市と受託事業者が別途協議するものとする。