Contract
株式会社エルテックス(以下「甲」という。)と協力会社(以下「乙」という。)は、甲が甲の客先(甲の客先が他からの工事の請負者である場合を含む。以下同じ。)との間で締結する契約(以下「元請契約」という。)にかかる工事(以下「元請工事」という。)を完成させるため、元請工事の一部あるいは全部について、以下の条項に関する基本的事項について定める。
(個別工事)
第1条 甲が発注し乙が施工する個々の工事(以下「個別工事」という。)については、甲は、乙に対して注文書を発行し、乙は、これを承諾したときは、ただちに注文請書を甲に提出する。
2)乙は、注文書及び注文請書に定めるほか、これらに付随する別冊の図面、仕様書その他の図書(甲の工事安全仕様書を含む。以下「設計図書」という。)及び本約款に従い、個別工事を完成する。
これらの書類間に矛盾がある場合は、記載の順に優先適用するものとする。
(請負代金内訳書及び工程表)
第2条 乙は、甲の請求があったときは、設計図書に基づく請負代金内訳書、工事計画書及び工程表を作成し、個別工事の契約締結後すみやかに甲に提出する。
(関連工事との調整)
第3条 甲は、元請工事を円滑に完成するため、個別工事と施工上関連ある工事(以下「関連工事」という。)との調整を図り、乙は、その指示に従う。
2)乙は、関連工事の施工者と緊密に連絡、調整を図り、元請工事の円滑な完成に協力する。
(法令等の遵守の義務)
第4条 甲及び乙は、個別工事の施工にあたり、建設業法その他施工、労働者の使用等に関する法令及びこれらの法令に基づく監督官公署の行政指導を遵守する。
2)甲は、第1項に規定する法令及びこれらの法令に基づく監督官公署の行政指導に基づき必要な指示、指導を乙に対し行い、乙は、これに従う。
3)乙は、個別工事の施工にあたり、再下請負人(再下請負が数次にわたって行われるときは二次以下のすべての下請負人を含む。以下同じ。)に前2項に規定する法令及び行政指導ならびに甲の指示、指導を遵守させる。
(秘密の保持)
第5条 乙は、個別工事に関連して知り得た甲及び甲の客先の営業上、経営上及び施工上の情報知識(以下「秘密情報」という。)の一切を他に漏洩してはならず、また個別工事の施工以外の目的に使用してはならない。乙は、その被用者(作業員を含む。以下同じ。)および再下請負人またはその被用者についてもこれらの
義務を遵守させ、その履行につき一切の責任を負う。
2)甲の客先が他からの工事の請負者であり、かつ甲の客先に対する注文者が甲の客先に対して秘密の保持を要求する場合は、それが複数次にわたる場合であっても、別に規定をする場合を除き、乙は、第1項規定と同様の秘密保持及び流用禁止の義務を負う。
3)乙は、紛失、盗難などにより秘密情報が漏洩しないように、その媒体を問わず秘密情報を含んだ書類、コンピューター及び電子記憶媒体等を適切に保管しなければならない。
(特許権の使用等)
第6条 乙は、第三者の特許権その他の権利の対象となっている施工方法、工事材料又は機械器具等を施工上使用するときは、その使用に関する一切の責任を負う。ただし、甲の指示によって使用するものはこの限りではない。
2)乙は、個別工事の施工に際して知り得た工法その他の技術的知識又は甲と共同で開発した施工方法等を、甲の書面による事前の同意を得ることなく、個別工事の施工以外の目的に使用したり、又は特許権等の工業所有権を申請し若しくは第三者をして申請させてはならない。
(安全、衛生の確保等)
第7条 乙は、個別工事の施工にあたっては、事業者として工事従事者の災害防止はもとより、第三者の生命、身体及び/又は財産に損害を与えないように万全を期すべく努めなければならない。
2)乙は、災害防止のため、甲の安全衛生管理に関する工事安全共通仕様書(兼安全指示書)に記載された事項を遵守するとともに、自ら作業基準を確立しかつ責任体制を明確にし、これを実行する。
3)前2項にもかかわらず、乙の指揮下にある工事従事者(以下「乙工事従事者」という。)が事故災害等を起こしたときは、乙は直ちに甲に事態の報告を行い、甲乙協同して適切な措置をとるものとする。この場合において、甲及び乙は遅滞なく当該事故災害等に関して管理監督する官公署に報告するものとする。
4)甲及び乙は、協同して事故災害等の原因の究明及び再発防止のための是正措置を速やかに行う。
5)第4項の原因究明の結果、事故災害等について乙又は乙工事従事者に故意又は過失等責に帰すべき事由が認められた場合には、甲は、乙に対して次の各号のうち一以上の措置をとることができる。
①事故災害等を惹起したことに対する厳重注意措置
②再発防止のための是正措置実施勧告措置
③当該災害を惹起した乙工事従事者の工事現場への有期限又は無期限立入禁止措置
④第42条第1項第3号に基づく個別工事の契約の解除
⑤甲乙間の新規工事下請負契約締結の一定期間の停止措置
6)乙は、乙の被用者又は乙配下の再下請負人の被用者の業務上の災害補償について、労働基準法第87条第
2項に定める使用者としての補償を引受ける。
7)労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)は、原則として甲が加入する。 ただし、労働保険の保険料の徴収等に関する法律第8条2項の定めにより、労災保険法による補償について、乙を事業主とする認可を受けたときは、乙の加入する労災保険による。
8)第7項にかかわらず、乙は、乙工事従事者が労働者災害補償保険法第33条の定めに該当する場合には、当該乙工事従事者に同法に定める特別加入保険に加入させるものとする。甲は、当該乙工事従事者の加入状況を確認するものとし、当該乙工事従事者が特別加入保険に加入していないことが判明したときには、当該乙工事従事者が工事現場に入ることを拒否できるものとする。
(事業内容の報告)
第8条 甲は、必要に応じて、乙に対して乙又は再下請負人の事業経営の内容、状況等について報告を求めることができる。
(担保、保証人)
第9条 乙が第42条第1項各号の一に該当し、またはその恐れがある場合において、甲から書面による請求があったときは、乙は、すみやかに甲の承認する担保を甲に対し提供し、又は連帯保証人をたてる。
2)担保の価値が減少するか又は連帯保証人がその義務を果たせないことが明らかになったときは、乙は、甲に対してただちにその旨を通知し、甲の承認する増担保を提供し、又は新たな連帯保証人をたてる。
(書面主義)
第10条 本約款の各条項に基づき甲乙間で行われる承諾、通知、指示、請求等は、原則として書面により行う。ただし、工事現場における甲の作業所長または作業所員の乙及び乙の関係者に対する施工上の指示は、口頭で行うことができる。
(権利、義務の譲渡)
第11条 乙は、本約款あるいは個別工事の遂行により生ずる権利あるいは義務を第三者に譲渡し、又は継承させてはならない。ただし、甲の書面による事前の承諾を得た場合は、この限りではない。
2)乙は、工事目的物又は工事現場に搬入した工事材料(工場製品を含む。以下同じ。)を第三者に譲渡し、貸与し、又は抵当権その他担保の目的に供しない。ただし、甲の書面による事前の承諾を得た場合はこの限りではない。
(一括委任又は一括請負の禁止)
第12条 乙は、一括して個別工事の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。ただし、甲及び発注者(他の者から請け負ったものではない建設工事の注文者のことをいう。)の書面による事前の承諾を得た場合はこの限りではない。
(関係事項の通知)
第13条 乙は、個別工事に関して甲に対して、次の各号に掲げる事項を個別工事の契約締結後すみやかに書面をもって通知する。
①建設業の許可業種及び番号
②現場代理人、主任技術者、雇用管理責任者、安全管理者その他施工上法律で置くことを義務づけられた有資格者等の氏名
③工事現場において使用する1日あたり平均作業員数
④工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方法
⑤その他個別工事の適正な施工を確保するため甲が必要と認めて乙に対して指示する事項
2)乙は、第1項各号に掲げる事項について変更があったときは、甲に対して遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
(再下請負人の関係事項の通知)
第14条 甲の書面による事前の承諾のもとで、乙が個別工事の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせた場合は、乙は、甲に対して、その契約(その契約に係わる工事が数次の契約によって行われるときは、そのすべての契約を含む。)に関し、次の各号に掲げる事項を遅滞なく書面をもって通知する。
①受任者又は下請負人の氏名及び住所
②建設業の許可業種及び番号
③現場代理人、主任技術者、雇用管理責任者、安全管理者その他施工上法律で置くことを義務づけられた有資格者等の氏名
④工事の種類及び内容
⑤工期
⑥受任者又は下請負人が工事現場において使用する1日あたり平均作業員数
⑦受任者又は下請負人が工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方法
⑧その他個別工事の適正な施工を確保するため甲が必要と認めて指示する事項
2)乙は、甲に対して、第1項各号に掲げる事項について変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
(作業所長)
第15条 甲は、個別工事の施工について作業所長(建設業法第19条の2第2項に規定する監督員のことをいう。)を定め、乙にその氏名を通知する。
2)作業所長は、工事現場を総括し、乙又は乙の現場代理人に対し、指示、承諾、検査、協議その他を行う。
3)作業所長は、必要に応じ、第2項の業務の一部を甲の作業所員に分担して行わせることができる。
(現場代理人及び主任技術者)
第16条 乙又は乙の現場代理人は、個別工事の施工に関連し、工事現場に常駐し、工事現場一切の事項を処理し、その責任を負う。ただし、工事現場の取締、安全衛生、災害防止又は就業時間等工事現場の運営に関する事項については、作業所長の指示に従う。
2)主任技術者は、施工の技術上の管理をつかさどる。
3)現場代理人と主任技術者は、これを兼ねることができる。
(工事関係者に関する措置請求)
第17条 甲は、乙、乙の配下の現場代理人、主任技術者その他乙が施工のために使用している再下請負人及び作業員等で、個別工事の施工又は管理につき著しく不適当と認めるものがあるときは、乙に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとることを求めることができる。
2)乙は、作業所長又は作業所員がその職務の執行につき著しく不適当と認めるときは、甲に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとることを求めることができる。
3)甲又は乙は、前2項の規定による請求があったときは、その請求に係わる事項について決定し、その結果を相手方に通知する。
(工事材料及び工事用機器)
第18条 乙は、個別工事の施工にあたって、作業所長の検査に合格した工事材料を使用する。作業所長は、工事用機器について適当でないと認めるものがあるときは、乙に対して、その交換を求めることができる。
2)第1項により不合格となった工事材料あるいは適当でないと認められた工事用機器は、作業所長の指示によって、乙がこれを引き取る。
3)乙は、工事現場に搬入した工事材料又は工事用機器を、作業所長の承諾を受けずに工事現場外に持ち出してはならない。
4)工事材料のうち設計図書にその品質が明示されていないものについては、作業所長の指示による。
(支給材料及び貸与品)
第19条 支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格、性能、その引渡の場所、時期、その返還の場所、時期等については、設計図書に定める。
2)甲の支給材料又は貸与品は、予め甲の検査または試験に合格したものとする。甲が必要と認める場合は、甲の検査又は試験に乙の立会を求めることができる。
3)乙は、支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格、性能等が設計図書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認めたときは、遅滞なくその旨を作業所長に通知する。
4)乙は、支給材料又は貸与品について、善良なる管理者の注意をもって使用し保管する責任を負う。
5)乙が故意又は過失によって支給材料を滅失若しくは毀損したときは、乙は、自らの責任と費用において代替品の調達を行う。ただし、甲は、自らが必要と判断する場合において、かかる滅失若しくは毀損した支給材料を乙の費用負担において再度支給することができる。
6)乙が故意又は過失によって貸与品を滅失若しくは毀損し、又はその返却が不可能になったときは、乙は、甲の指示に基づき、乙の費用負担において代替品の納入又は補修を行わなければならない。甲は、乙に対して、甲が被った損害を求償する権利を留保する。
7)乙は、支給材料(有償支給材料を除く。)が不要となったとき、又は貸与品が使用済みとなったときは、速やかにこれを甲に返却する。
(作業所長による立会)
第20条 乙は、設計図書で指定された個別工事又は地中、水中の個別工事等施工後外から見ることが不可能若しくは困難な個別工事を施工するときは、作業所長の立会を求める。
2)乙は、甲の承認のもとに、作業所長の立会に代えて個別工事に係る写真等の記録を整備し、第1項の個別工事を施工することができる。
(設計図書不適合の場合の改造義務)
第21条 乙は、個別工事の施工において設計図書に不適合な部分があり、甲がその補修、改造を請求したときは、遅滞なくこれの補修、改造を行う。
2)乙が甲の要求する期日までに第1項の補修、改造を完了させることができないことが明らかであるときは、甲は自ら補修、改造をするか、あるいは第三者をして補修、改造をさせることができる。
3)前2項において、その不適合が甲の責任に帰すべき事由により生じたときは、補修、改造に要する費用は甲の負担とするが、それ以外の場合は乙の負担とする。
(条件の変更等)
第22条 乙は、個別工事の施工にあたり、次の各号に該当する事実を発見したときは、ただちに書面をもってその旨を作業所長に通知し、その確認を求める。
①設計図書と工事現場の状態が一致しないこと
②設計図書の表示が明確でないこと(図面と仕様書が相互に符合しないこと、設計図書に誤謬又は脱漏があること等を含む。)
③工事現場の地質、湧水などの状態、施工上の制約など設計図書に示された自然的または人為的な施工条件が実際と異なること
④設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の事情が生じたこと
2)作業所長は、第1項各号の確認を求められたとき又は事実を発見したときは、ただちに調査を行い、乙に対してとるべき処置を指示する。
3)第1項各号に掲げる事実が甲乙間で確認された場合において必要があると認められるときは、甲乙協議の上、工事内容、工期若しくは請負代金を変更する。
(工事の変更、中止等)
第23条 甲は、必要があると認めるときは、書面をもって乙に通知することにより、個別工事の内容を変更し又は個別工事の全部若しくは一部の施工を一時中止させることができる。
2)第1項の場合において必要があると認められるときは、甲乙協議してかかる個別工事の工期又は請負代金を変更する。
(乙の請求による工期の延長)
第24条 乙は、天災等の不可抗力その他正当な理由により個別工事を工期内に完成することができないときは、甲に対して、遅滞なくその理由を明らかにした書面をもってかかる工期の延長を求めることができる。この場合の延長日数は、甲乙協議して決定する。ただし、元請工事の変更が認められないなど特別の理由があるときはこの限りでない。
(甲の請求による工期の変更等)
第25条 甲は、必要があると認めるときは、書面をもって乙に通知することにより、乙に個別工事の工期の変更を求めることができる。かかる工期変更の日数は甲乙協議の上これを定める。
2)第1項の場合において必要があると認められるときは、甲乙協議してかかる個別工事の請負代金を変更する。
(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)
第 26 条 工期内に賃金又は物価の変動により請負代金額が不適当となり、これを変更する必要があると認められるときは、甲乙協議して請負代金額を変更する。
2)甲と注文者との間の請負契約において、個別工事を含む元請工事の部分について、賃金又は物価の変動を理由にして請負代金額が変更されたときは、甲又は乙は、相手方に対し、第1項の協議を求めることができる。
(臨機の処置)
第27条 乙は、個別工事に係る災害防止等のため必要があるときは、甲に協力して臨機の処置をとる。
2)乙が第1項の規定により臨機の処置をとった場合において、その処置に要した費用のうち、かかる個別工事の請負代金の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分については、甲が負担する。この場合における甲の負担額は、甲乙協議して定める。
(一般的損害)
第28条 第31条による個別工事の完成検査合格前に、工事目的物、工事材料、工事用機器その他工事施工に関して生じた損害は、乙の負担とする。ただし、その損害のうち甲の責任に帰すべき事由により生じたものについては、甲がこれを負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第29条 個別工事の施工について工事関係者及びその他の第三者に損害を及ぼしたときは、乙がその損害を負担する。ただし、その損害のうち甲の責任に帰すべき事由により生じたものはこの限りではない。また、個別工事の施工に伴い不可避の事象により生じたものについては、第30条の規定を準用する。
2)個別工事の目的物の欠陥により甲及び/又は第三者の生命、身体及び/又は財産に損害が生じた場合、乙は、そのために甲が被った損害を甲に賠償する。
3)個別工事の目的物の欠陥により第三者の生命、身体及び/又は財産に損害が生じる恐れのあることが判明した場合、甲は、乙と協議の上損害発生防止のための必要な措置を行う。ただし、これに要した費用は乙の負担とする。
(天災その他不可抗力による損害)
第30条 天災その他不可抗力によって作業所長が確認した個別工事に係る出来形部分、現場の工事仮設物、現場搬入の工事材料又は工事用機器に損害を生じたときは、乙が善良なる管理者の注意を怠ったことに基づく部分を除き、また火災保険等損害保険により填補されるものを除き、その甲乙の負担割合、負担額、取り片づけに要する費用などにつき、甲乙協議して定める。
2)第1項に規定する損害は、かかる個別工事の元請工事の契約において甲の客先が負担する旨の取り決めがある場合は第1項の規定にかかわらず、甲は、甲の客先の負担の限度においてこれを負担する。
(完成検査・引渡し)
第31条 乙は、個別工事を完成させたときは、甲に通知するものとし、甲は、当該通知受領後遅滞なく完成確認の検査を行う。
2)第1項の検査に合格しないときは、甲は遅滞なく乙に通知するものとし、乙は、遅滞なく乙の負担によりこれを修補して、甲の検査を受ける。
3)甲は個別工事が完成確認の検査に合格したときは、乙に対して書面にて通知する。個別工事は、乙が正当なる事由をもって書面により甲に対し個別工事を引渡さない旨を通知しない限り、甲から乙への当該通知日を引渡し日として乙より甲に引渡されるものとする。
(部分使用)
第32条 甲は、個別工事完成前においても乙の工事目的物の全部又は一部を使用することができる。ただし、乙は、正当な理由があるときは、その使用中止を求めることができる。
(請負代金の支払方法及び時期)
第33条 個別工事の請負代金の支払方法及び時期については、注文書、注文請書及び甲の支払い関係の標準運用を記載した「支払い方法等について」(以下「支払い方法等について」という。)の定めるところによる。
2)甲は、やむを得ない場合には、注文書、注文請書及び支払い方法等についての定めにかかわらず、乙の同意を得て、請負代金の支払の時期または支払の方法を変更できる。
3)第2項の場合において、支払期間の変更に応じた利息を精算するものとし、その利率は甲乙協議してこれを定める。
(前払金)
第34条 乙は、注文書、注文請書及び支払い方法等についての定めるところにより、甲に対して、前払金を請求することができる。
2)甲は、第1項の規定による請求を受けたときは、注文書、注文請書及び支払い方法等についての定めるところにより前払いを行う。
(部分払)
第35条 乙は、作業所長の検査に合格した個別工事の出来形部分に相応する請負代金相当額について、注文書、注文請書及び支払い方法等についての定めるところにより部分払金を請求できる。
2)甲は、第1項の規定による請求を受けたときは、注文書、注文請書及び支払い方法等についての定めるところにより部分払いを行う。
(完成引渡後の支払)
第36条 甲は、第31条に定める手続きが完了し個別工事が甲に引渡されたときは、注文書、注文請書及び支払い方法等についての定めるところにより請負代金の支払いを行う。
2)乙は、引渡された個別工事について、第34条に規定する前払金あるいは第35条に規定する部分払金がある場合はその額を請負代金から差し引いた金額を請求することができる。甲はかかる請求を受けた時は、注文書、注文請書及び支払い方法等についての定めるところにより当該金額の支払いを行う。
(賃金等の立替払)
第37条 乙又は乙の再下請負人が個別工事にかかわる労賃、再下請工事代金、材料代その他の支払を遅延したとき、又は支払を遅延する恐れがあるときは、甲は、乙又は乙の再下請負人の作業員、納入業者等からの申出により事情を確認の上、乙又は乙の再下請負人に代わってこれを立替払いすることができる。
2)甲は、第1項の規定によって、乙の再下請負人の不払によるものを立替えて支払ったときは、これを乙に対する立替金として処理することができる。
(相殺)
第38条 乙が第42条第1項各号の一に該当するときは、乙は、契約解除の有無にかかわらず、甲に対して負う前払金、立替金、損害賠償金等の全ての債務をただちに甲に支払わなければならない。
2)甲は、甲が乙に対して有する債権と甲が乙に対して有する支払債務とを、対当額にて相殺することができる。なお、乙が第42条第1項各号の一に該当するときは、乙は甲に対して負う全ての債務に関する期限の利益を失い、甲は任意の時期にて、甲が乙に対して有する支払債務と、対当額にて相殺することができる。
(瑕疵担保)
第39条 甲は、個別工事の瑕疵について、乙に対して相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求し、又は修補に代えて若しくは修補とともに損害の賠償を求めることができる。
2)第1項の規定による瑕疵の修補及び/又は損害賠償を請求できる期間は、個別工事の元請工事における瑕疵担保期間とする。ただし、その瑕疵が乙の故意または重大な過失により生じた場合は、当該請求のできる期間は民法の定めるところによる。
3)第1項の規定は、個別工事の瑕疵が明らかに甲の責任により生じた場合は、これを適用しない。
(履行遅滞の場合における損害金)
第40条 甲は、乙の責任に帰すべき理由により個別工事が工期内に完成することができない場合で、かつかかる工期経過後相当の期間内に完成する見込みのあるときは、乙から損害金を徴収して工期を延長することができる。
2)第1項の損害金の額は、遅延日数1日につき、請負代金額から出来形部分に相応する請負代金額を控除した額の0.04パーセントに相当する額とする。
3)第1項の場合において、甲は、甲の客先あるいは個別工事の関係者から損害金等を求められたときは、乙に対して、第2項に規定の損害金のほか、その額を請求することができる。
4)甲の責任に帰すべき理由により請負代金の支払が遅延した場合は、乙は、遅延日数1日につき、支払が遅延した金額の0.04パーセントに相当する額の遅延利息を甲に請求することができる。
(乙の中止権)
第41条 次の各号の一にあたるときは、乙は個別工事を中止することができる。
①甲が、注文書、注文請書に規定する前払金、部分払金の支払を遅延し、乙が相当の期間を定めて催告をしてもなお支払わないとき
②天災その他不可抗力により、個別工事の施工ができないと認められるとき
(甲の解除権)
第42条 甲は、乙が次の各号の一に該当するときは、乙との間で締結した個別工事の契約を解除することができる。
①正当な理由なく個別工事に着手すべき時期を過ぎてもかかる個別工事に着手しないとき
②その責任に帰すべき理由により、個別工事を工期内又は工期経過後相当期間内に完成する見込みがないと認められるとき
③本約款又は個別工事の契約に違反し、その違反により本約款又はかかる個別工事の契約の目的を達することができないと認められるとき
④その財産に対して、差押、仮差押、仮処分又は競売の申立を受けたとき
⑤破産、民事再生手続開始又は会社更生手続開始の申立があったとき
⑥解散したとき
⑦事業の全部又は一部を休止したとき
⑧その振り出した手形若しくは小切手が不渡となったとき、又は乙が裏書若しくは保証した第三者振出の手形若しくは小切手が不渡となり遡求に応じなかったとき
⑨支払を停止したとき
⑩租税公課を滞納したとき
➃甲乙間の信頼関係を損なうような行為をしたとき
⑫財産状態が悪化し、又はその恐れがあると認められる相当の事由が生じたとき
⑬第44条の規定によらないで個別工事の契約の解除を申し出たとき
2)甲は、第1項の規定により個別工事の契約を解除したときは、個別工事の出来形部分及び部分払の対象となった工事材料ならびに甲が乙に支給した、あるいは個別工事の遂行のために乙が作成したすべての設計関連図書の引渡を乙から受ける。ただし、その出来形部分が設計図書に適合しないときは、甲は、その引渡を乙から受けないことができる。
3)甲は、第2項の引渡を受けたときは、その引渡を受けた出来形部分及び工事材料に相応する請負代金相当額を乙に支払う。 この場合において、前払金があったとき又は部分払金があったときはその金額を前述の出来形部分及び材料に相応する請負代金相当額から控除する。
4)第3項の場合において、乙は、受領した前払金になお余剰があるときは、乙は、その余剰額に前払の日から返還日までの日数に応じ、1日につき、0.04パーセントの割合で計算した額の利子を付加して甲に返還する。
5)甲は、第1項の規定により個別工事の契約を解除した場合においては、乙に対して、その解除により生じた損害の賠償を求めることができる。この場合における賠償額は、甲乙協議して定める。
(甲の都合による解除)
第43条 甲は、個別工事が完成しない間は、第42条第1項に規定する場合のほか必要があるときは、かかる個別工事の契約を解除することができる。
2)第42条第2項から第4項までの規定は、第1項の規定により個別工事の契約を解除した場合に準用する。ただし、第42条第4項の規定のうち利息に関する部分は、準用しない。
3)甲は、第1項の規定により個別工事の契約を解除した場合において、これにより乙に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償する。この場合における賠償額は、甲乙協議して定める。
(乙の解除権)
第44条 乙は、次の各号の一に該当する理由があるときは、個別工事の契約を解除することができる。
①第23条の規定により個別工事の内容を変更したため、請負代金が3分の2以上減少したとき
②第41条第1号の規定による個別工事の施工の中止期間が工期の2分の1あるいは6カ月のいずれか短い方を、中止が個別工事の一部のみの場合はその一部を除いた他の部分の個別工事が完了した後工期の4分の1あるいは3カ月のいずれか短い方を、経過しても、なおその中止が解除されないとき
③甲が本約款又は個別工事の契約に違反し、その違反によってかかる個別工事を完成することが困難となったとき
④甲が請負代金を支払う能力を欠くことが明らかとなったとき
2)第42条第2項から第4項までの規定は、第1項の規定により個別工事の契約が解除された場合に準用する。
3)乙は、第1項の規定により、個別工事の契約を解除した場合において、これにより損害を受けたときは、その損害の賠償を甲に対して請求することができる。この場合における賠償額は甲乙協議して定める。
(解除に伴う措置)
第45条 個別工事の契約を解除したときは、甲乙が協議し、当事者に属する物件について、期間を定めて、その引取、後片付等の処置を行う。
2)第1項の処置が遅れており、催告にもかかわらず正当な理由なくなお行われないときは、相手方は、代わってこれを行い、その費用を他方当事者に請求することができる。
(反社会的勢力との関係による解除)
第46条 甲は、乙又は再下請負人及びその代表者、責任者、実質的に経営権を有する者が次の各号の一に該当する場合、何らの催告を要さずに、本契約又は個別契約を解除することができる。
(1)暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係者、総会屋その他の反社会的勢力(以下、併せて「反社会的勢力」という。)
(2)反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められるとき (3)反社会的勢力を利用していると認められるとき
(4)反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められるとき (5)反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しているとき
(6)自ら又は第三者を利用して、甲又は甲の関係者に対し、詐術、暴力的行為又は脅迫的言辞を用いたとき
2)第42条第2項の規定は前項の規定により本契約又は個別契約を解除された場合に準用する。
3)甲は、第1項の規定により、本契約又は個別契約を解除した場合には、乙に損害が生じても甲は何らこれを賠償ないし保証することは要せず、また、かかる解除により甲に損害が生じたときは、乙はその損害を賠償するものとする。
(通報・報告義務)
第47条 乙は、乙又は再下請負人が反社会的勢力による不当要求又は工事妨害(以下「不当介入」という。)を受けた場合には、断固としてこれを拒否し、又は当該第三者をして断固としてこれを拒否させるとともに、不当介入があった時点で、速やかに甲にこれを報告し、甲の捜査機関への通報及び通報者への報告に必要な協力を行うものとする。
2)乙が正当な理由なく前項に違反した場合、甲は何らの催告を要さずに、本契約又は個別契約を解除することができる。
3)第42条第2項の規定は、前項の規定により本契約又は個別契約を解除された場合に準用する。
(表明・確約)
第48条 乙又は再下請負人は、反社会的勢力のいずれかでもなく、また、反社会的勢力が経営に実質的に関与している法人等ではないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを確約する。
(協議)
第49条 本約款及び個別工事の契約に定めのない事項及び疑義については、甲乙協議の上決定する。
(紛争の解決)
第50条 本約款の各条項において甲乙協議して定めるものにつき協議が整わないとき、又は本約款、個別工事の契約に関して甲乙間に紛争が生じたときは、甲又は乙は、甲の本店所在地を管轄する裁判所の調停、又は当事者の合意により選出した第三者又は建設業法による中央建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)の斡旋又は調停により解決を図る。
2)甲又は乙は、その一方又は双方が第1項に定める斡旋又は調停により紛争を解決する見込がないと認めたときは、甲の本店所在地を管轄する裁判所に訴訟を提起して判決を求めるか、又は甲及び乙の仲裁合意書に基づき審査会の仲裁に付し、仲裁判断を仰ぐものとする。
(効力の存続)
第51条 個別工事の契約が満了、解約又は解除された場合においても、本約款第5条、第6条、第29条及び第3 9条は、なお有効に存続する。
株式会社エルテックス
2012年4月1日制定
2016年1月1日改定