付則 A 組合の油濁クレームに関する責任・・・・・・・・・・ 21 付則 B 免責金額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 第3条 特別危険担保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 第4条 用船者、特殊船運航者、客船及びTTリスクのための特別危険担保 ・・ 22 第5条 条件、免責及び制限 A 船主による先支払い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 B 組合の責任制限・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 C...
2020年度
保険約款・定款
UK(ヨーロッパ)クラブ
2 0 2 0 年 度 保 険 約 款 目 次
第1条 前 文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1第2条 担保される危険
第1項 船員以外の人に関する責任・・・・・・・・・・・・・・・3第2項 船員の傷害及び死亡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・5第3項 船員の疾病及び死亡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・5第4項 送還及び代人派遣費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・5第5項 船員その他の者の所持品の滅失及び損傷 ・・・・・・・・6第6項 難破失業補償 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6第7項 離路費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7第8項 密航者及び難民 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7第9項 人命救助 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7第10項 他船との衝突 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7第11項 財物の滅失又は損傷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・8第12項 汚染危険 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9第13項 加入船舶の又は加入船舶による曳航により生じる責任 ・ 10第14項 補償契約及び契約に基づく責任 ・・・・・・・・・・・ 13第15項 船骸撤去責任 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13第16項 防疫費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14第17項 貨物に関する責任 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14第18項 加入船舶上の財物 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17第19項 回収不能の共同海損分担額 ・・・・・・・・・・・・・ 18第20項 共同海損の船舶分担額 ・・・・・・・・・・・・・・・ 18第21項 救助者への特別補償金 ・・・・・・・・・・・・・・・ 18第22項 過怠金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19第23項 調査査問費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20第24項 船舶運航に付随する費用 ・・・・・・・・・・・・・・ 20第25項 損害防止及び訴訟費用 ・・・・・・・・・・・・・・・ 20第26項 組合の指示に従って支出した費用 ・・・・・・・・・・ 21
付則 A 組合の油濁クレームに関する責任・・・・・・・・・・ | 21 | |
付則 B 免責金額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 21 | |
第3条 | 特別危険担保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 22 |
第4条 | 用船者、特殊船運航者、客船及びTTリスクのための特別危険担保 ・・ | 22 |
第5条 | 条件、免責及び制限 | |
A 船主による先支払い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 23 | |
B 組合の責任制限・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 23 | |
C 相殺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 26 | |
D 船舶保険証券の保険金額の免責・・・・・・・・・・・・・・ | 26 | |
E 戦争危険の免責・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 26 | |
F 原子力危険免責・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 27 | |
G 加入船舶の損害、用船料の喪失等の除外・・・・・・・・・・ | 28 | |
H 救助船、掘削船、浚渫船その他の船舶の責任及び費用の免責 ・ | 29 | |
I 重複保険・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 31 | |
J 禁制品、封鎖侵破、不法貿易、無分別又は危険な運航・・・・ | 31 | |
K 船級及び法定要件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 31 | |
L 1906年海上保険法及び2015年保険法 ・・・・・・・・・・・ | 32 | |
M 損害防止義務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 33 | |
N クレームに関する義務・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 33 | |
O 時効・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 34 | |
P 回収、船主の節約費用及び代位請求権・・・・・・・・・・・ | 34 | |
Q 船舶の検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 35 | |
R 休航後の船舶の検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 35 | |
S 電子通信・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 36 | |
T 利息・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 36 | |
U 証書及び引受書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 36 | |
V 制裁の危険・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 37 | |
第6条 | 船主及びその承継人は保険約款に拘束される・・・・・・・・・・ | 38 |
第7条 | 保険契約の申込み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 38 |
第8条 | 保険料率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 39 |
第9条 | 固定保険料(Fixed Premiums)・・・・・・・・・・・・・・・・ | 39 |
第10条 | 共同加入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 39 |
第11条 | グループ会員の担保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 40 |
第12条 | 加入証明書及び更改承諾書・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 40 |
第13条 | 再保険・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 41 |
第14条 | メンバー資格(Membership) ・・・・・・・・・・・・・・・・ | 41 |
第15x xx・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
第16条 保険期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
第17条 契約の変更・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42第18条 終了の通知・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・43第19条 保険料(Calls)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44第20条 予定保険料(Mutual premium)・・・・・・・・・・・・・・・・ 44第21条 予定外保険料(Supplementary premium)・・・・・・・・・・・・45第22条 オーバースピル・クレーム、オーバースピル保険料及び保証・・・ 45
第23条 保険料の支払い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
第24条 準備金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51第25条 保険年度の勘定閉鎖・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・53第26条 投資・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
第27条 休航戻し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
第28条 保険契約の終了とその効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56
第29条 保険契約の効力の停止とその効果・・・・・・・・・・・・・・・ 57
第30条 保険契約の効力の停止に伴う解除保険料・・・・・・・・・・・・ 59
第31条 保険契約の解除とその効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60
第32条 解除の際に約款適用のため組合に支払うべき金額・・・・・・・・ 61第33条 解除に伴う解除保険料・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・62第34条 理事会による規則と勧告・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・62第35条 管理者の報酬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63第36条 クレーム・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・63第37条 クレームの取扱い及び決済に関する管理者の権限・・・・・・・・ 63第38条 メンバー委員会の開催・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・64第39条 支払いの猶予および返還・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・64第40条 紛争・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・64第41条 通知・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・66第42条 契約法・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・67第43条 権限委任・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・67第44条 定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67
このxxは、2020年度定款及び保険約款の和訳文であり、英文が原本である。このxxと英文との間に異同がある場合は、英文が優先する。
ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッド
保 険 約 款
(グリニッジ標準時2020年2月20日正午から、グリニッジ標準時
2021年2月20日正午まで有効)
UKP&Iクラブは、ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッド及びその子会社であるジ・ユナイテッド・キングドム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシェーション(バミューダ)リミテッド及びUK P&IクラブN . V . により運営される船主責任相互保険組合である。
本約款はザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッド及びUK P&IクラブN . V . の定款により与えられた権限に従って採択された。
但し、本約款第14条については、何人もザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッドあるいはUK P&IクラブN . V . との保険及び再保険契約の締結により、ジ・ユナイテッド・キングドム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシェーション(バミューダ)リミテッドあるいはUK P&Iクラブ N . V . のメンバーとなりえない。
約款の備考は、手引きのためのみのもので、本約款の一部を構成するものではない。
第1条 前 文
1 組合が加入船舶の船主に対して提供する標準的担保は第2条に定める。
2 第2条に列挙された危険は常に第5条並びに本約款の残余の条項に定められた条件、免責、制限及びその他の規定に従う。
3 本約款に定められた担保は船主と管理者が書面により合意した特別約款により免責、制限、修正又はその他の変更をすることができる。
4 第3条及び第4条に基づき、船主は管理者とそのための特別約款を書面によ
り合意したときは第2条に定められた危険以外の危険についても担保される。他に明確な合意のないかぎりこれら特別な保険は第5条並びに本約款の残余の規定に定められた条件、免責、制限及びその他の規定に従う。
5 船主は、下記について生じた自己の滅失、損傷、責任又は費用のみをxxされる。
ⅰ 船舶の組合加入期間中に生じた出来事。
ⅱ 加入船舶について有する船主の利益に関すること。
ⅲ 船主又はその代理人による船舶の運航に関連すること。
6 上記の危険をxxするために船舶を組合に加入させた船主は、下記第7項に定める場合を除き第8条及び第19条乃至第23条(保険料加入)の規定に従い組合に保険料を支払う義務を負う。
7 第9条に基づき、船主は組合に固定保険料の支払い(固定保険料加入)を義務づける特別条項によって保険を付すことができる。ただし、かかる特別条項が船主と管理者の間で明確に書面で合意されていることを条件とする。
8 組合により本約款に定められた担保は、本条第9項の規定を除き、第10条、第11条、第13条及び第15条で許す限りにおいて、船主及び共同船主、グループ関連会社、他組合あるいは保険者、あるいは特定承継人にのみ与えられるものとする。第三者の権利を定めた英国の1999年契約法あるいは類似の法律を行使することにより、本条第9項の規定を除き、第三者が権利を取得することを意図するものではない。
9 本約款第5条A項の規定にかかわらず、船主が船員の疾病、傷害、死亡に関
する損害賠償、補償支払義務を遂行できない場合には、組合が船主に代わり直接これらのクレームを船員あるいはその扶養者に支払うものとする。
ただし、
i 船員あるいはその扶養者が、他のいかなる者からの回収権もなく、かつ別の方法では補償されないと思われる場合に限る。
ⅱ 本項下記(iii)を条件として組合より回収できる金額は、いかなる場合においても、船主が本約款及び船主の加入条件の下で組合より回収ができたであろう金額を上回ることはない。
ⅲ 本約款第31条B項(ii)(a)及び(d)に従い、船主の組合に対する支払金の未払いによる契約解除が生じたという理由により、組合が船主に対し責任を負わない場合でも、それが契約解除より以前に発生した出来事から生じたクレームである限りにおいて、組合はそのクレームを支払うものとする。しかし、これは当該船主の代理として支払うものであり、船主はそのクレー
ム金額の全額を組合に払い戻す義務を負うものとする。
第2条 担保される危険
船主と管理者の間で別段の合意がある場合を除き、組合によって担保される危険は、下記第1項乃至第26項に列挙されたとおりである。ただし、
ⅰ 理事会が別段の決定をした場合を除き、船主は各項記載の責任を免れるために支払ったか、又は各項記載の損害もしくは費用を支払わなければならない額を限度としてxxされる。
ⅱ 一出来事について船主が回収できる最高額は、第5条B項に定められた限度額又は関連保険年度開始前に行われた理事会の決議に従い制限される。
ⅲ 船主と管理者の間で別段の合意がある場合を除き、船主の組合からの回収は本条付則Bに定められた免責金額を控除する。
第1項 船員以外の人に関する責任
A あらゆる人(本項B号及びC号、第2項並びに第3項に明記された人以外の)の傷害、疾病、死亡に関する損害賠償もしくは補償及びこれら傷害、疾病、死亡に関連して生じた入院費用、治療費用もしくは葬儀費用の支払い責任。
B 加入船舶で荷役作業を行なうあらゆる人の傷害、疾病、死亡に関する損害賠償もしくは補償の支払い責任。
ただし、
a 本項A号及びB号に基づく担保は、加入船舶上の、もしくは加入船舶に関する又は貨物を船積港において荷送人もしくは先運送人から受領して荷揚港で荷受人もしくは継続運送人に引渡すまでの間の貨物の取扱いについての過失もしくは不作為に起因する責任に限る。
b 責任が契約又は補償の条件に基づいて発生し、かつ、それ等の条件以外では生じ得ないものであるときは本項によらず本条第14項によって担保される。
c 責任が加入船舶との衝突から生じた相手船上の人に関するものであるときは本項によらず本条第10項B号に従って回収される。
C 損害賠償又は補償の支払い責任
ⅰ 船客の傷害、疾病、死亡及びこれら傷害、疾病、死亡に関連して支出した入院費用、治療費用又は葬儀費用。
ⅱ 加入船舶に乗船中の船客で海難の結果、船客を目的地まで移送し又は乗船
港まで帰還させる費用及び船客の陸上における滞在費を含む。
ⅲ 船客の所持品の滅失、損傷。ただし、
a 船客乗船券又は船客と船主との間のその他の契約の条項が管理者の書面による承認を得ており、かつ、本C号に規定する責任に対する担保が船主と管理者との間で管理者の要求する条件に従って合意されていること。
b 航空輸送により船客の被った傷害、死亡、又は財物の滅失、損傷、又は遅延その他一切の間接損害に関する責任については、下記の場合を除き本項のもとでは、組合はてん補しない。
ⅰ 傷害もしくは疾病の船客もしくは加入船舶の海難に伴う船客の航空機による送還中に起きるもの、又は
ⅱ 本C号のただし書cを常に条件として加入船舶からの遊覧旅行中のもの c 加入船舶から離れて遊覧中の船客の死亡、傷害に関して契約上負う船主の
責任は、下記のいずれの場合も本項C号の下では組合より回収されない。
ⅰ 当該契約がその遊覧について船客が船主とは係わりなく別に契約を締結しているとき、又は
ⅱ 船主がその遊覧に関して下請業者もしくは他の第三者に対する求償権の一部もしくは全部を放棄しているとき
d 船主が管理者との合意で適切な特別約款によりxxをしないかぎり現金、流通証券、貴金属、宝石、貴重品又は希少性もしくは貴重性を有する物件に関するクレームは組合より回収されない。
e このC項の下での「海難」とは(i)衝突、座礁、爆発、火災、あるいはその他の原因で、船舶の物理的状態に影響を与え、目的地への安全な航行を不可能にする事故、または(ii)船客全員の生命、健康あるいは安全に対する脅威のいずれかを指す。
f 船客及びその手荷物の運送責任に関するアテネ条約の 2002 年改定議定書の第 IV bis 条ならびに条約実施のためのガイドライン、又はこれに関連して実施される欧州議会及び理事会規則(EC)No.392/2009(以下、「認定責任」と称す)のいずれかに準拠して組合が発行する戦争危険を除く証明書の下で生じる責任を含む船客に対する責任及び、そのような責任が第 5 条B項 iii(1)で規定する総額20億ドルのてん補限度額を超えるあるいは、超えることがあるため、
ⅰ 管理者は、認定責任あるいは管理者の判断する認定責任の一部が支払わ
れるまで、これら責任、あるいはその一部に関するクレームの支払いを絶対裁量権で延期することができる。また
ⅱ もし組合により支払われた認定責任が、上記限度額を上回る場合には、組合は当該金額を貸付金として支払い、当該メンバーはこれら支払金額を組合に弁済するものとする。
第2項 船員の傷害及び死亡
船員の傷害、死亡に対する損害賠償又は補償の支払い責任及びこれら傷害、死亡に関連して必然的に生じた入院、治療、葬儀その他の諸費用、本人の送還及び代人派遣の費用を含む。
ただし、
責任、費用が船員労働協約その他の労務提供契約又は雇用契約の条件に基づいて発生し、かつ、その条件以外では生じ得ないものであるときはそれ等の契約条件が管理者によって事前に書面で承認されていないかぎり担保されない。
第3項 船員の疾病及び死亡
船員の疾病、疾病の結果から生じる死亡に関する損害賠償又は補償の支払い責任及びこれら疾病、死亡に関連して必然的に生じた入院、治療、葬儀、その他の諸費用、本人の送還及び代人派遣の費用を含む。
ただし、
責任、費用が、船員労働協約その他の労務提供契約もしくは雇用契約の条件に基づいて発生し、かつ、その条件以外では生じ得ないものであるときは、それ等の契約条件が管理者によって事前に書面で承認されていないかぎり担保されない。
第4項 送還及び代人派遣費用
A 本条第2項及び第3項の下で回収できない陸上に残留した加入船舶船員の代人の海外派遣費用、又は法律で義務づけられた加入船舶船員の送還費用。
ただし、本第4項Aにおいて、以下の事柄に起因するか、もしくはその結果として生じた費用は担保されない。
ⅰ 船員労働協約その他の労務提供もしくは雇用契約の条件によるか、又は当事者間の合意による加入船舶上の船員の乗務期間の満了、又は
ⅱ 労務提供もしくは雇用についての協約もしくは契約に対する船主の違反、
又は
ⅲ 売船、又は
ⅳ 加入船舶に関する船主のその他の行為。
B 2006年海上労働条約の第 2.5 規則、ガイドライン(規範 B2.5)あるいは同条約締約国の国内法の下で生じた送還及び代人に係る費用。ただし本約款第2条第2項、第3項、あるいは第4項Aの下で回収される場合はこの限りでない。
C 約款第5条Aの規定にかかわらず、メンバーが前項第4項Bに掲げる責任の支払い義務を遂行できない場合、組合は当該メンバーに代わり、当該船員に直接、当該クレームを支払うものとする。
ただし、
a 本約款第29条Aに規定する停止条件、あるいは第31条に規定する解除条件により、当該クレームに関し組合に責任がない場合であっても、組合は、停止もしくは解除になった早い方の日、あるいは保険年度終了日までの3ヶ月以内に第4項Cの下で生じたクレームを支払う。しかし、これは組合が当該船主の代理として支払うものであり、当該船主は、そのクレームの全額を組合に払い戻すものとする。 また、
b 当該船主は本約款第2条第4項Bの下で支払われたいかなるクレームもその全額を組合に払い戻すものとする。
第5項 船員その他の者の所持品の滅失及び損傷
下記の者の所持品の滅失、損傷に関する損害賠償又は補償責任。
A 船員
B 加入船舶上の船員以外のすべての者(第1項C号に特定する者は除く)ただし、
a 船主が管理者の同意を得て適切な特別約款によりxxしないかぎり、現金、流通証券、貴金属、宝石、貴重品又は希少性もしくは貴重性を有する物件に関するクレームは組合より回収することができない。
b 契約条件に基づいて発生しその条件以外では生じ得ない責任は当該契約条件が管理者によって事前に書面で承認されていないかぎり担保されない。
第6項 難破失業補償
賃金及び補償金が制定法その他の法律上の義務により、又は管理者が事前に承認した船員労働協約その他の労務提供契約もしくは雇用契約の条件により支
払われることになっている場合の船舶の現実全損もしくは推定全損の結果生じた失業に対する船員への補償金の支払い責任。
第7項 離路費用
加入船舶の離路費用で、(i)燃料費、保険料、賃金、消耗品代、食料費及び港費のうち、船主の純損失となるもの(離路しなくとも当然支出したであろう費用を超えるもの)であり、かつ、(ii)傷病者の治療、傷病者の代人待ち、密航者もしくは難民あるいは(管理者の同意があれば)遺体の上陸、又は海上における人命救助を、唯一の目的として支出したもの。
第8項 密航者及び難民
密航者もしくは難民に対する義務を履行するため、又は必要な処置をとるために船主が支出した費用で、本条第7項により担保されないもの。ただし、船主がこれらの費用に対して法律上の責任を負うか又は管理者の承諾を得て支出した場合に限る。
第9項 人命救助
加入船舶上の又は加入船舶からの人命を救助しもしくは救助を試みたという理由で第三者に対して法律上支払うべき金額。ただし、その支払いが加入船舶の船舶保険証券又は荷主もしくは貨物海上保険者から回収できない場合に限る。
第10項 他船との衝突
加入船舶と他船との衝突の結果他人に費用及び損害賠償金を支払う責任で下記A号、B号及びC号の各号に定めるもの。ただし、これらの責任が加入船舶 の船舶保険証券上の衝突損害賠償金てん補条項の下でてん補されない場合に限る。 A 本項B号記載の責任を除く衝突責任の四分の一、又は管理者が書面で同意し
た他の割合。
B 衝突の結果生じた下記に関連する責任の四分の四。
ⅰ 障害物、船骸、貨物その他すべての物件の撤去又は処分。
ⅱ 他船又は他船上の財物を除く不動産、動産、もしくはすべての物件。
ⅲ 加入船舶上の貨物、その他の財物、貨物もしくは財物の所有者によって支払われた共同海損分担額、特別費用又は海難救助料。
ⅳ 人命喪失、傷害、疾病、送還又は代人派遣費用。
ⅴ 油又はその他汚染物質の流排出(加入船舶からの場合を除き)もしくはそのおそれ、ただし加入船舶が衝突した他船及び他船上の財物を除く。
ⅵ 加入船舶が衝突した他船の救助に関して、P&I 特別補償条項(SCOPIC)及びその改定条項に従い、支払われた報酬。
C 本項A号及びB号記載の責任を除く衝突から生じた船主の責任部分で、衝突
から生じた責任の額が船舶保険証券上の船舶の評価額を超過するという理由のみによって加入船舶の船舶保険証券の下で回収し得ない超過部分。
ただし、
a メンバー委員会がその裁量により別段の決定をしないかぎり、本項C号の下で組合より回収される額は船舶が第5条D項に従って適正な価額でxxされていたならば加入船舶の船舶保険証券の下で回収できたであろう金額を超える額(もしあれば)に限られる。
b 加入時又はその後の保険年度更改時に管理者と別途合意した場合を除き、船主は加入船舶の船舶保険証券に基づき自己の負担する免責歩合又は免責金額を組合から回収することができない。
c 本項に基づくクレームが全部又は一部同一船主の所有に属する二隻の船舶の衝突にかかわるときは、あたかも両船が別個の船主に属した場合と同様に船主は組合から回収する権利を有し、かつ、組合も同様の権利を有する。
d 船主と管理者の間に船舶の組合加入の条件として別段の合意のある場合を除き、両船に過失があり、しかも衝突した一方又は双方の船舶が法律により責任を制限するときは、本条に基づくクレームは単一責任の原則に従って精算されるが、それ以外の本条に基づくクレームは、すべて交叉責任の原則に従って精算される、すなわち、衝突の結果加入船舶の船主が自己の支払う又は受領する差額もしくは金額を確かめるに当って相手の損害のうち妥当と認められる割合を相手船主に支払うことを余儀なくされたものとして精算する。
備考:本項の下での油濁クレームは、第5条B項及びその備考に定める金額を限度とする。
第11項 財物の滅失又は損傷
陸上にあると海上にあるとを問わず、また固定物であると可動物であるとを問わず、あらゆる財物の滅失もしくは損傷(権利の侵害を含む)に対する損害賠償又は補償を支払う責任。
ただし、
a 船主は下記については本条に基づく回収を受けることができない。
ⅰ 契約又は補償の条件に基づいて発生し、かつ、それ等の条件以外では生じなかった責任。
ⅱ 本条の下記の各項の範囲に属するか、又はこれらの各項に適用されるあらゆる但書、限度額、免責規定又は免責金額の範囲に属する責任。
第1項C号 船員以外の人に関する責任第5項 船員及びその他の人の所持品 第10項 他船との衝突
第12項 汚染危険
第13項 加入船舶の又は加入船舶による曳航より生じる責任第15項 船骸撤去責任
第17項 貨物に関する責任第18項 加入船舶上の財物
ⅲ 加入船舶の船舶保険証券に基づき船主の負担する免責歩合又は免責金額。
b 加入船舶が全部もしくは一部同船の船主の所有に属する財物を滅失、損傷し又は権利を侵害したときは、当該船主はかかる財物又は権利があたかも別の船主の所有に全部属した場合と同様の回収する権利を有する。
備考:本項の下での油濁クレームは、第5条B項及びその備考に定める金額を限度とする。
第12項 汚染危険
加入船舶からの油その他の汚濁物質の流排出、又はそのおそれのために生じたかもしくは支出した下記A号乃至E号に定める責任、損害及び費用。
ただし、
a 加入船舶に以前積載されたいかなる物質の、いかなる陸上用ゴミ収集車、収納庫あるいは廃棄施設の中に存在したことから生ずる、あるいはそれからの流出、排出又はそのおそれから生ずる責任、損失、損害又は費用については、それが貨物、燃料、船用品あるいは廃棄物であるかにかかわらず、回収することはできない。ただしメンバー委員会がその裁量により、また決議理由を開示することなく別段の定めをしたときは、この限りでない。
b 特別約款による担保が管理者により書面で合意された場合を除き、加入船舶の貨物がヨーク・アントワープ規則の条項と同程度船主に有利な条件で運
送されていたならば共同海損として回収されていたであろう責任、損害又は費用については、組合はてん補しない。
c 管理者の書類による別段の合意がある場合を除き、小型タンカー油濁損害賠償補償協定(STOPIA)の下で「関係船舶」と定義された加入船舶の船主は、同協定が有効である限り当該船舶の組合加入期間は STOPIA に参加するものとする。またメンバー委員会の裁量による別段の決定がある場合を除き、 STOPIA に参加していない期間に発生した当該船舶に関わるいかなる事故、出来事又は事態に関し、船主は本項の下で回収する事はできない。
d 管理者の書類による別段の合意がある場合を除き、タンカー油濁損害賠償補償協定(TOPIA)の下で「関係船舶」と定義された加入船舶の船主は、同協定が有効である限り当該船舶の組合加入期間は TOPIA に参加するものとする。またメンバー委員会の裁量による別段の決定がある場合を除き、TOPIAに参加していない期間に発生した当該船舶に関わるいかなる事故、出来事又は事態に関し、船主は本項の下で回収する事はできない。
A 滅失、損傷、汚染に対する責任。
B メンバー委員会が承認した何れかの協定の当事者として、船主が支出し又は責任を負った滅失、損傷、費用。
かかる協定に基づき船主が自己の義務を履行するのに要した費用を含む。
C 汚染を防止軽減するため合理的にとられた措置に要した費用又はその結果として生じた滅失もしくは損傷。かかる措置によって生じた財物の滅失又は損傷に関する責任を含む。
D 汚染を生じるおそれのある加入船舶からの油、その他の汚濁物質の切迫した流排出の危険を防止するために合理的にとられた措置に要した費用。
E 汚染又は汚染の危険を防止軽減する目的で、政府機関の命令又は指示を遵守したために生じた費用又は責任。ただし、
a かかる遵守は加入船舶の通常の運航、救助又は修繕のための要件ではなく、 b 常にかかる費用又は責任が加入船舶の船舶保険証券の下で回収できない
ことを条件とする。
備考:本項の下での油濁クレームは、第5条B項及びその備考に定める金額を限度とする。
第13項 加入船舶の又は加入船舶による曳航により生じる責任 A 加入船舶の慣習上の曳航
加入船舶の慣習上の曳航契約の条件に起因、もしくは、これに基づく責任、
ただし契約履行の費用は除く。すなわち、
ⅰ 入出港もしくは港内での通常の運航中の操船を目的とする曳航、又は、
ⅱ 港から港もしくはある場所から他の場所への通常の運航において慣習的に行われる加入船舶の曳航で、船主が加入船舶の船舶保険証券の下で担保されない責任。
B 加入船舶の慣習的曳航以外の曳航
本項A号の下で担保される慣習上の曳航以外の加入船舶の曳航契約に起因、もしくは、これに基づく責任。ただし、かかる責任の担保は管理者が要求する契約条件につき同意ある場合及びその範囲に限る。
本B項においては、管理者は、加入船舶にとって下記の条件を下回らない条件で、加入船舶による曳航の契約を承認する。
(i)(SCOPIC を摂取したか否かに係らず、1980, 1990, 1995 あるいは 2000 年の)ロイズ海難救助契約書標準様式
(ii)曳航契約書の当事者及び契約代理人が自らの船舶、貨物あるいは財物の損失・損害又は残骸撤去、又はこれらにともなう人命喪失あるいは人身傷害に責任を負うものとし、他者にこれら責任を問わず補償する契約
C 加入船舶による曳航
加入船舶による他船又は他物の曳航から生じる責任。ただし、
加入船舶により曳航される他船又は他物の損失、損害又は船骸撤去、あるいは曳航された貨物又はその他財物の損失あるいは損害又は撤去(またこれに伴う費用も含め)について、下記の場合を除き、船主は回収することはできない。
(i)曳航あるいはその試みが、海上での人命救助又は財物回収あるいはその試みを目的として行われた場合
(ii)管理者が書面により承認した契約の下で、あるいは管理者が求めた条件で、加入船舶が曳航した場合
備考:管理者は、曳航船にとって下記の条件を下回らない条件で、加入船舶による曳航の契約を承認する。
a)英国、オランダ、スカンジナビアの標準曳航約款
b) Towcon 及び Towhire
c() SCOPIC を摂取したか否かに係らず、1980, 1990, 1995 あるいは 2000 年の)ロイズ海難救助契約書標準様式 - 不成功・無報酬原則
d) 曳航契約書の当事者及び契約代理人は、自らの船舶、貨物あるいは財物の損失・損害又
は残骸撤去、又はこれらにともなう人命喪失あるいは人身傷害に責任を負うものとし、他者にこれら責任を問わず補償する。(自損自弁の原則(Knock for Knock)に基づいた責任及び補償条項)
e)その他下記に該当する契約
(i)上記 (d) に従った契約条件が、違法あるいはその疑いがある、あるいはすべて又は一部強制執行できないあるいはその疑いがある場合、また
(ii)契約が、被曳船(被曳航物を含む、以下同じ)の所有者又は第三者の行為、怠慢あるいは不履行により生じた、他者に対する責任を、船主に負わせない場合、また
(iii) 契約により、その契約上、あるいはその他法的に制限できる最大限度まで、船主の責任限度が制限している場合、
f) サプライボート・チャーター
加入船舶が用船に差し出されており、船主と被曳船所有者との間に契約が締結されてない場合には、被曳船あるいはその船上の財物の損失・損害又は残骸撤去の責任は、管理者が書面にて当該用船を承認し、その用船が下記の条項を含むか、要件を満たす場合にのみ、回収することができる。
(i) 上記 d)に記載の条項が、用船者自身の財物のみでなく用船者の下請け人の財物をもカバーしている場合、又は
(ii)別の条項によりすべての曳航作業が上記 d) に規定する条件を下回らないことを求めている場合、又は
(iii) さもなければ、上記 e)の要件に沿っている場合
g) さらに、曳航される船舶上に貨物がある場合、管理者は次の事柄を求める。
(i)ヒマラヤ条項あるいはその他同種の規定が、タグの賃借人又は用船者により不法行為として訴えられることからタグ船主の雇用人、使用人及び下請業者を保護するために、加入船舶が曳航を行うために使用する曳航契約及びその他契約に摂取されていること、また
(ii)加入船舶が曳航を行うために使用する曳航契約及びその他契約に、タグの賃借人又は用船者が第三者と締結するその他いかなる契約にも、当該タグが賃借人又は用船者として同様の保護を受けることができるようヒマラヤ条項を含むことを求めること
備考:「サプライまたは曳航にかかる延長てん補」は「オフショア及び特殊作業に係る補則」に記載されている。
備考:本項の下での油濁クレームは、第5条B項及びその備考に定める金額を限度とする。
第14項 補償契約及び契約に基づく責任
加入船舶に対し提供され、もしくは提供されるべき又は加入船舶に関する施設もしくはサービスについて船主自身又は代理人が提出もしくは作成した補償契約又は契約条件の下で生じる責任及び費用。
ただし、
ⅰ 補償契約又は契約の条件が管理者により事前に承認されており、かつ、責任の担保が管理者の要求する条件に基づき船主と管理者の間で合意されているか、又は、
ⅱ メンバー委員会がその裁量により船主が補償されるべきであると決定した場合に限る。
備考:本項の下での油濁クレームは、第5条B項及びその備考に定める金額を限度とする。
第15項 船骸撤去責任
A 加入船舶の船骸の引揚げ、撤去、破壊、照明・標識の設置が、法律により強制されるか又はそのための費用が法律により船主から回収される場合のそれらの費用。
B 加入船舶により運送中又は運送された財物であって、本条第12項の範囲に属する油その他の汚濁物質でないものの引揚げ、撤去又は破壊に関連する費用で、かかる引揚げ、撤去もしくは破壊が法律により強制されるか、又はそのための費用が法律により船主から回収される場合、
C 本項A号及びB号記載の、加入船舶の船骸その他の財物のかかる引揚げ、撤
去、破壊又はこれらの措置を試みた結果船主が負う責任。
D 加入船舶の船骸が存在し、もしくは自然に移動する結果又は船骸の撤去、破壊、照明・標識の設置を怠ったことにより船主が負う責任。これらの責任には、船骸からの油又は他の汚濁物質の流排出により生じるものを含む。
ただし、
a 加入船舶が、組合加入期間中に発生した災厄又は海難事故の結果船骸となったとき、組合は本約款第29条C項に従いその他の責任が終了していても船骸に関するクレームに対しては引続き責任を負う。
b 本項A号に基づくクレームは、船骸のみならず救助されたすべての船用品及び資材の価額を最初に上記の費用から差し引き、差額がある場合にのみ、組合より回収することができる。
c 船骸の引き揚げ、撤去、破壊、照明・標識の設置に先立ち、又は本条記載
の責任及び費用を生じる事故に先立ち、船主が管理者より書面による承諾を得ることなく、委付以外の方法によって、船骸について有する自己の利益を他人に譲渡した場合は本条に基づく組合からの回収を一切受けることができない。
d 補償契約又は契約の条件の下で責任が発生し、これらの条件がなければ発生しなかったであろう場合に、かかる費用は本条の下では次の場合にかぎり回収することができる。すなわち、(i)補償契約もしくは契約の条件が管理者によって事前に承認されており、担保が管理者の要求する条件によって船主と管理者の間で合意されている場合にのみ、かつ、その範囲で、又は(ii)メンバー委員会がその裁量によって、船主は組合より回収すべきであると決定した場合。
備考:本項の下での油濁クレームは、第5条B項及びその備考に定める金額を限度とする。
第16項 防疫費用
船舶上で発生した伝染病の発生を直接の原因として加入船舶の船主が支出した余分の費用。これらの費用は、防疫費、消毒費及び船主の純損失、すなわち
(伝染病が発生しなくても当然生じた費用を超える)燃料費、保険料、賃金、船用品、食料及び港費を含む。
第17項 貨物に関する責任
加入船舶により運送予定、運送中又は運送済みの貨物にかかわる責任及び費用であって、下記A号乃至D号に定めるもの。
A 滅失、不足、損傷その他に関する責任
船主自身又は船主が使用者責任を負う者の作為、不作為もしくは懈怠に起因する貨物の船積、取扱、積付、運送、保管、荷揚及び引渡しに関する注意義務違反、又は加入船舶の不堪航、不適性から生じる滅失、不足、損傷に関する責任もしくはその他の責任。
B 損品貨物又は損害船舶からの正品貨物の処分
損品貨物又は加入船舶損傷後の正品貨物の荷揚又は処分のため船主が支出した余分の費用(貨物又は加入船舶が損傷を受けなかった場合においても船主が負担したであろう額を超えるもの)。ただし、船主が第三者からかかる費用を回収するための求償方法をもたない場合に限る。
C 荷受人の貨物引取の不履行
荷受人が荷揚港又は引渡地において貨物の回収又は引取りを怠ったことを唯一の事由として船主が被った債務又は余分に支出した費用(貨物が引取られた場合に船主が通常負担する出費を超えるもの)。
ただし、かかる債務又は費用が貨物の売却価額を超過し、かつ、船主が第三者からこれらの債務又は費用を回収するための求償方法をもたない場合に限る。
D 通し又は積替え船荷証券
加入船舶以外の輸送手段により運送された貨物の滅失、不足、損傷に関する責任もしくはその他の責任で、加入船舶が運送の一部を分担する通し又は積替え船荷証券、又はその他管理者により承認された契約書式の下で発生するもの。ただし、船主がその運送委託契約で、委託業者に対して損害賠償請求権を留保する条件で締結している場合に限る。
備考:本項の下では、ICC 規則あるいは CMR1956、CIM1980、ワルシャワ条約 1929 及び 1955等の国際的に認められた条約を盛り込んだ契約であれば、組合は承認したものとする。
ただし、
a 標準運送約款
メンバー委員会の裁量による別段の決定、又は管理者の書面による別段の同意がある場合を除き、貨物(甲板積み貨物を含む)が組合の推奨する標準運送約款、すなわちへ一グ・ヴィスビー・ルールもしくはメンバー委員会が随時定めるその他同様の規則又は条約と同等の条件をとり入れた契約の下で運送したならば、船主が負担することがなかったであろう債務又は支払うことがなかったであろう金額については組合はてん補しない。
備考:2020保険年度においては標準運送約款はへ一グ・ヴィスビー・ルール、すなわち、
1924年8月25日にブリュッセルで署名された船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約を改正する1968年2月23日ブリュッセルで署名された議定書とする。
b 離路
メンバー委員会の裁量による別段の決定もしくは離路に先立ち管理者の書面による担保確認の同意がある場合を除き、契約上合意された航海又は航海事業からの逸脱を意味する離路により、上記ただし書aにいう標準運送約款の下で許容される船主責任の軽減もしくは放棄のための抗弁又は責任制限の規定を援用する権利が奪われることから生じもしくはこれにともなって生じる責任及び費用については、組合はてん補しない。
c メンバー委員会の裁量によってのみ支払われるクレーム
メンバー委員会の裁量による別段の決定がある場合を除き、下記の事由により生じる責任、費用については、組合はてん補しない。
ⅰ 運送契約に規定された港又は場所以外での貨物の荷揚。
ⅱ 非流通船荷証券、貨物運送状(ウェイビル)又は類似の書類に基づき運送された貨物の引取人による、これら証券の提示なくして行われた引渡。
ただし、これら書類上あるいは法規上明白な条項により、これら書類あるいは運送契約に引渡しの証拠として、これら書類が求められている場合に限る。また、
船主が、これら書類なしに運送人が貨物を引き渡すこと、あるいは当該貨物の権利または管理を放棄することを、何らかの法規により求められている場合を除く。
ⅲ 流通船荷証券又は類似の権利証券(電子船荷証券を含む)に基づいて運送された貨物の引取人によるこれら証券(もしくは電子船荷証券の場合、これらと同等のもの)の提示なくして行なわれた引渡。ただし、貨物が下記の条件で加入船舶により輸送された場合を除く。
a)加入船舶の船主は、加入船舶以外の輸送手段によって運送の一部を目的として、その船主以外の関係者又はその代理人によって発行された流通船荷証券その他類似の権利証券上責任があるにもかかわらず、貨物が非流通船荷証券、貨物運送状(ウェイビル)又はその他の非流通証券に基づき運送され、そのいずれかの証券の契約条件により適切に引き渡された場合。
b)承認された電子商取引システムの規定の下で、その契約条件に従いその権利を有する者へ適切に引き渡された場合。
備考:適切な引き渡しは、従来の船荷証券の場合と同様に電子船荷証券の場合にも求められる。ペーパーレス・トレーディング追約書を参照。
ⅳ 運送契約を組入れもしくは証明する船荷証券、貨物運送状(ウェイビル)その他の証券を先日付又は後日付で発行すること、すなわち、貨物が実際に積載又は船積のために受領された日付より前もしくはより後の日付によって積載又は受領されたものとして記録されているこれら証券類の発行。
ⅴ 加入船舶の船主又は船長が、貨物の記述(種類、数量等)もしくは状態の不実なることを知りながら発行した運送契約を組入れ、又は証明する船荷証券、貨物運送状(ウェイビル)その他の証券。
ⅵ すでに発行した船荷証券のもとで生じる責任、損失及び費用以外の加入船舶の船積港への配船不能もしくは到着遅延又は特定貨物の加入船舶への船積不能。
d 従価船荷証券
管理者の書面による特別約款によるxxの同意がある場合を除き、一単位、一個、一梱包当りの価額が米貨 2,500 ドル(あるいは他通貨の場合はその同等額)以上と申告あるいは挿入された従価船荷証券あるいはその他権利証券、貨物運送状(ウェイビル)あるいはその他運送契約による運送から生じる責任について、(その申告・挿入の効果により運送人が有していたであろう権利あるいは制限する権利が損なわれ、またその申告・挿入がない状態より重い責任をもたらす場合に)その責任が一単位、一個又は一梱包当り米貨 2,500 ドル(あるいは他通貨の場合はその同等額)を超える範囲において、組合は支払わない。
e 希少及び高価貨物
クラブ管理者が事前にその運送を知り、管理者による指示が満たされた場合を除き、正貨、金銀塊、貴金属、宝石、希少性もしくは貴重性のある板金又は他の物品、銀行券その他の通貨、債券又は流通証券類に関するクレームについては、組合はてん補しない。
f 船主の財物
加入船舶上で滅失又は損傷を受けた貨物が同船主の財物である場合は、当該船主はその貨物が第三者の所有に属し組合の推奨する標準運送約款に基づいて船主と運送契約を締結していた場合に当該第三者が船主より回収可能となる額と同額を組合から回収することができる。
g 電子商取引システム
組合が書面により承認した電子商取引システム以外の電子商取引システムの使用に起因する責任、損失および費用については、紙の取引システムでは、そのような責任、損失および費用が発生しなかったであろうと考えられる限り、(組合が裁量で別途決定する場合を除き)回収することはできない。
第18項 加入船舶上の財物
加入船舶上にあるコンテナー、備品、燃料その他の財物の滅失又は損傷に対する船主の責任。
ただし、
a かかる財物が、本条第1項C号もしくは第5項(船客、船員その他の者の所持品)又は本条第17項(貨物に関する責任)の範ちゅう又はこれらの条項に適用されるただし書、免責、制限もしくは免責金額の範囲に入らないこと、
b かかる財物が、加入船舶の一部を構成せず、かつ、船主又は船主の関連会
社により所有もしくは賃借されていないこと、かつ、
c 組合は船主が締結した契約又は補償契約に基づいて生じ、かかる契約又は補償契約が無かったならば生じなかったであろう責任については、船主が管理者の同意を得て適切な特別約款をxxした場合を除き、てん補しない。
第19項 回収不能の共同海損分担額
貨物又は航海事業のその他の関係者に対し船主が請求権を有する共同海損、特別費用又は救助費で運送契約違反の理由のみによって法律上回収不能となる分担額。
ただし、本条第17項ただし書a(標準運送条件)、b(離路)及びc(メンバー委員会の裁量によって支払われるクレーム)は本項のクレームに適用される。
第20項 共同海損の船舶分担額
共同海損、特別費用、救助費の分担額決定のために評価された加入船舶の価額が船舶保険証券上の協定保険価額を超過したことにより船舶保険証券によって回収不能となった共同海損、特別費用又は救助費の分担額。
ただし、
メンバー委員会の裁量による別段の決定がある場合を除き、本項の下で組合のてん補する額は当該船舶が本約款第5条D項に基づき適正価額によりxxされていた場合に船舶保険証券上回収されなかった船舶分担額に(もしあれば)限る。
第21項 救助者への特別補償金
船主の加入船舶の救助者への特別補償金の支払い責任、ただし、そのような責任が
i 1989年救助に関する国際条約第14条に従い船主に課せられるか、又は組合のメンバー委員会が承認した救助契約書標準様式の条項に基づき船主が負うものであり、かつ、
ⅱ 救助された財物の利害関係者によって支払われない範囲に限る。
備考:本項の下での油濁クレームは、第 5 条B 項及びその備考に定める金額を限度とする。備考:2020年についてはメンバー委員会は次の事を承認した。
a)1990 年、1995 年、2000 年、2011 年ロイズ救助契約書標準様式(LOF90、
LOF95、LOF2000、LOF2011)及び 1989 年救助国際条約の条項を組入れた他の標準救助契約書、ただし条約第14条あるいは P&I 特別補償条項(SCOPIC)及びその改訂条項(SCOPIC2000)に基づく船主の特別補償金支払責任を限度とする。
b)1980 年ロイズ救助契約書標準様式、ただし、契約書第 1 条 a に定められた「不成功・無報酬」の原則に対する例外規定に基づいて、タンカー船主が「合理的に支出した費用」(裁定された増加分と共に)を救助者に補償する責任を限度とする。本項の下での油濁クレームは第5 条B 項及びその備考に定める金額を限度とする。
第22項 過怠金
A 下記B号乃至E号に定める過怠金が加入船舶に関し裁判所又は官憲によって課せられ、かつ、下記の者に課せられたとき、
ⅰ 船主。
ⅱ 船主が法律上(契約もしくは損害補償契約の条項によることなしに)補償義務を負うかもしくは管理者の承認を得て合理的に補償を行う者、又は
ⅲ 船主が契約もしくは損害補償契約の条項により法律上補償義務を負う者、ただしかかる条項は管理者が事前に書面により承認した場合に限る。
B 貨物の不足、過剰陸揚げ、もしくは過剰渡し、貨物の申告もしくは加入船舶
又は積載貨物関係の書類に関する規則の遵守違反による過怠金。
C 密輸または加入船舶のxx、改修、改造もしくは艤装に関する関税法令違反による過怠金。
D 出入国に関する法令違反による過怠金。
E 油その他の物質の偶発的流排出又はそのおそれによる過怠金。ただし、
次に掲げる事由から生じる過怠金については組合はてん補しない。 a 加入船舶の過剰貨物積載、又は、
b 1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年議定書又はその後の改定議定書、又は同条約を国内法化するいずれかの国家の法律中の船舶のxx、改修及び艤装に関する規定の違背、違反又は不遵守。
F すべての過怠金、ただし
(i) 船主がメンバー委員会にその過怠金を生ずる出来事を回避するためにメンバー委員会が合理的とみなす措置をとった事を納得させた場合及び
(ii)メンバー委員会がその裁量で、その判断の理由を述べることなしに、船主が回収すべきであると決定した場合に限る。
G 約款第5条G項i号の規定に拘わらず、法律上の権限のあるあらゆる裁判所又は官憲が何らかの関税に関する法令違反を理由として船舶を没収した場合、メンバー委員会はその裁量により、これに伴う加入船舶の喪失に対する船主のクレームについて、全部又は一部の支払を承認することができる。
ただし、
a 組合からてん補される額は、いかなるときも没収された日における船舶の自由市場価額を超えることなく、
b 没収の原因となる関税に関する法令違反を防止するため船主がメンバー委員会から見て相当の措置をとったものと認められる場合、
c 本第22項G号に基づくクレームの額はメンバー委員会がその裁量により何等の理由を開示することなく決定する金額にかぎりてん補される。
備考:本項の下での油濁クレームは、第5条B項及びこれに該当する備考に定める金額を限度とする。
第23項 調査査問費用
加入船舶の滅失又は事故について行われる正式の査問において、自己の弁護又は利益擁護のために船主が支出した費用。ただし、メンバー委員会の裁量により決定した限度及び条件においてのみとする。
第24項 船舶運航に付随する費用
船舶の所有、運航又は管理の業務に伴って生じた責任及び費用でメンバー委員会の意見により組合の担保の範ちゅうに入るとされるもの。
ただし、
a xxxx書bの場合は別として、本約款の他の規定により明確に免責された責任及び費用については、本条の下では回収されない。
b 本約款第5条G項により免責されるクレームについて当該クレームを検討するに際して出席したメンバー委員会の四分の三の多数決をもってメンバー委員会はその支払いを認めることができる。
c 本項に基づく請求額は、メンバー委員会がその決定の理由を開示することなく自由裁量によって決定した額を限度として回収される。
第25項 損害防止及び訴訟費用
A 組合に対する請求を惹起する事故、事件、事態の発生時又は発生後に、合理
的に支出されかつ、船主が組合によって全額又は免責金額の適用によって一部のみてん補される責任又は費用を防止軽減することを唯一の目的として支出された特別費用(ただし本項B号に定めたもの以外)。ただし、これらの費用が管理者の同意を得て支払われたか又は船主がこれらの諸費用を組合より回収すべきものとメンバー委員会がその裁量によって決定した場合に限る。
B 船主が組合によって全額又は免責金額の適用によって一部のみてん補される責任又は費用に係わる訴訟関係諸費用。ただし、 これらの費用が管理者の同意を得て支払われたか、又は船主がこれらの諸費用を組合より回収すべきものとメンバー委員会がその裁量によって決定した場合に限る。
第26項 組合の指示に従って支出した費用
指示を与えることが組合の利益になるとメンバー委員会が判断した場合において、(i)メンバー委員会の特別指示の故に船主が支出するか又は、(ii)かかる特別指示のないときは、メンバー委員会がその裁量によりそのような行為が組合の利益になり、かつ、船主が組合から回収すべきであると判断した場合に船主がとっていた又はとることを控えていた行為の結果として船主が支出する費用及び損失。
第2条 付則A 組合の油濁クレームに対する責任
A 油の流排出に関しての又はそれに関連するクレームに対する組合の責任は、
(油の滅失又は損傷を除き)第 12 項もしくは第2条の他の規定との組み合わせ如何に拘わらず、原因の如何を問わず、第5条B項 ii 号の規定に従い理事会が 決定する額に制限され、かつ、理事会が随時決定する条件に従うものとする。 B 付則Aの一般原則の効力を害することなく理事会は保険年度の開始前にそれ
が条約、法律、協定その他いかなる事情の下で生じようとも、かつ、地理的区域又は航路その他において生じるとを問わず、油濁に関する担保は、割増保険料がその担保に関して支払われるという条件でのみ、免責され、制限され又は、付与されるということを決定することが出来る。その場合、かかる割増保険料は理事会が決定するか又は船主と管理者との間で決定される額及び条件で支払われるものとする。
第2条 付則B 免責金額
船舶の組合加入条件の一部として船主と管理者の間で別段の合意がある場合
を除き、船主の組合からの責任、損害及び費用に関する保険金の回収は理事が各保険年度前に決定する免責金額の適用を受ける。
備考:船舶の加入証明書及びその追約書には、組合の加入条件として合意された免責額が記載される。
第3条 特別危険担保
A 基本及び付属定款に別段の規定がある場合を除き、管理者は本約款第2条に掲げない特別の又は追加の危険に対する担保を船主に提供する条件で船舶の加入を承諾することができる。この場合の危険の種類及び範囲並びに担保の条件は船主と管理者の間で書面により合意されるものとする。
B 本約款第1条第5項の規定に拘わらず、船主または用船者は担保危険が加入
船舶以外に関して又は加入船舶の運航以外に関して生じるような危険を特別の条件でxxすることができる。ただし、この条件は常に船主と管理者の間で書面により明示の合意がなされていることを要する。
C 本約款第 13 条C 項の一般原則の効力を害することなく、管理者は本約款第 3 条及び第4条の下で担保するリスクの全部又は一部につき再保険契約を結ぶことができる。船主は、組合の保有するリスクがある場合にはその部分とともに、同再保険契約の下で実際に回収できる正味再保険金のみを回収することができる。
第4条 特殊船運航者、客船及びTTリスクのための特別危険担保
本約款第3条の一般原則の効力を害することなく、船主は加入船舶に関する自己の利益に対し、又は船主としての自己の運航に対し下記に列挙した危険のうち適切と思われる危険をxxすることができる。ただし、このxxは管理者との書面による特別合意及び管理者の要求する条件によってのみ成立する。
第1項 オフショア及び特殊船運航
船主は本約款第5条H項又はその他の規定の下で免責又は制限されている担保につき、本運航に起因する又はその期間中に発生するすべての責任、過怠金、損害及び費用を、船主と管理者の書面により明示の合意による条件によりxxすることができる。
備考:本項の危険の概要については、英文ルールに添付の「オフショア及び特殊船運航に関する補則」に記載されている。管理者が通常合意するにあたり必要とする条件は、管理者により別途記載される。
第2項 客船
客船の船主は管理者の書面により合意される条件によって下記の危険をxxすることができる。
A 船客の所持品の滅失・損傷又は船客の傷害、疾病、死亡及び入院・医薬品並
びに葬祭の費用に対する責任であって、かかる責任の範囲は本約款第2条第1項C号の下で担保されない責任及び費用とする。
B 本約款第5条G項ⅵ号の規定に拘わらず、加入船舶によって運送する予定の
船客に支払う、本船の事故の結果生じる損害賠償金又は補償金に対する支払責任であり、旅行・滞在の費用を含む。
第3項 複合一貫輸送(TT)リスク
運搬機器に関する責任、過怠金、損害及び費用を、船主と管理者の書面により明示の合意による条件によりxxすることができる。
備考:第4条第3項の下で担保される内容は「補則 - TTリスク」に記載されている。
第5条 条件、免責及び制限 A 船主による先支払い
理事会がその裁量により別段の決定をした場合を除き、船主が組合の基金から回収する権利は、ローンその他の方法によるのでなく、船主自身の資金による債務の履行又は費用の支払いをすることを停止条件とする。
B 組合の責任制限
ⅰ 一般原則
本条及び船舶が加入する特別の条件に従い、組合は責任制限に関するものを含み法律により定められた加入船舶に関する船主責任を引受ける。組合はいかなる場合においても法律上の責任を超えた金額に対しては責に任じない。もし組合への加入船舶のトン数が全トン数未満の場合は、船主は、別途定めた特別の条項で認められた場合を除き、加入トン数の全トン数に対する比例割合でのみ回収することができる。もし船主のクレームがこれらルールの下で、いずれかの責任制限にかかわるものである場合は、この比例割合は、責任制限をした後に割り当てられる。
ⅱ 油濁
本項及びそのただし書においては、かつ、本約款に含まれるいかなる規定の効力をも害することなく、油濁に関するクレームはそれがどの様に発生しよう
とも、油の流排出及びそのおそれ又は流排出の結果に関しもしくは関連して生じる責任、損失、費用を意味するが、ただし油の滅失又は損傷に関する責任は除く。
油濁に関する全てのクレームに対する組合の責任は理事会が随時定める金額 に制限されるものとする。ただし別段の金額を定めた場合はこの限りではない。かかる限度は、理事会が別段の決定をしないかぎり、一事故当り一加入船舶 に関して適用され、かつ、油の流出又はそのおそれが一船舶によるものか複数船舶によるものかにかかわらず、本第2条の一規定又は二以上の規定によるものであるか否かを問わず、油濁に関する全てのクレームに適用される。もしかかるクレームの総額がその限度を超える場合には、個々のクレームに対する組合の責任はかかるクレーム総額に対する割合に応じて制限されるものとする。
ただし、
a 加入船舶が海難に遭遇した他船に救助又は救援を提供する場合、救助、救援又は海難の結果生じた油濁に関する加入船舶の船主によるクレームは、同一の海難に関連して同様に従事した他船による油濁に関して発生した責任又は費用との総計とする。ただし他船はプール協定に参加している組合もしくは他の保険者により油濁の危険がxxされている場合とする。かかる事情の下では組合の責任制限は船主のクレームが総計の中で占める割合に応じ第5条B項の iii 号に従って理事会により決定される限度の割合によるものとする。
b 油濁に関するクレームのために賃借人もしくは裸用船者以外の用船者を除く一切の人又はその代理人により組合に加入した船舶が、組合又はプール協定の当事者である他の保険者により別途xxされている場合は、一事故当り生じる全てのクレームに関しての総計の回収は、本約款第5条B項 iii 号に従って理事会により決定される限度を超えないものとし、組合にxxしている他の人に対する組合の責任は、その人が組合より別途回収することができるクレームの最高額の組合及び他の保険者より回収する全てのクレームの総計に対する割合と同じ割合に制限されるものとする。
c 油濁に関するクレームに関連して船主が本約款第5条B項に従って理事会が決定する限度を単独では超えない又は組合と書面による事前合意の割当ての申し合わせがない保険を手配している場合には、(1)かかる限度額は、そのクレームに適用するとき、他の保険に表示されている限度額に減額され、そして(2)組合は他の保険に表示されている限度額を超えないかぎりそのクレームを支払わない。
備考:2020保険年度については、理事会は油濁に関する一切のクレームに対して組合が責任を負う金額を以下の通りと決定した。
賃借人もしくは裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶に関しては一出来事あたり米貨10億ドルとする。
iii 船客及び船員
本約款に含まれるいかなる規定の効力を害することなく、本条項及びただし書における「船客」とは、乗船契約の下で船舶に乗船した人、あるいは運送契約の下で貨物として運ばれる車あるいは生動物に伴い運送人の承諾を得て乗船する人を指し、「船員」は船客以外の乗船者を意味する。
一事故から生じる全てのクレームに対する組合の責任限度額は、賃借人もしくは裸用船者以外の用船者を除く船主もしくはその代理人により加入した船舶の(1)船客については総額20億米ドルまで、(2)船客及び船員に対する責任については総額30億米ドルまでとする。ただし、別段これより少ない金額を定めた場合はこの限りではない。
ただし、
(賃借人もしくは裸用船者以外の用船者を除く)いかなる人もしくはその代理人により加入した船舶が、本組合あるいはプール協定に加盟の他保険者により、同名あるいはその代理人の名において別途xxされている場合には、 a 本組合あるいは他保険者から回収可能な船客クレームは、いかなる場合
でも一出来事につき総額で 20 億米ドルを超えないものとし、てん補限度額がなければ組合及びその他すべての保険者より回収できたであろうクレーム総額の中に占める、それら当事者が本組合より回収可能なクレームの割合と同じ割合に、本組合のメンバーに対する責任は制限されるものとする。
b 船客及び船員に係る責任につき、本組合あるいは他保険者から回収できるクレームは一出来事あたり総額で30億米ドルを越えないものとし、組合の責任は以下のように制限される。
(i) 船客に対する責任に係るクレームがただし書(a)に従い20億米ドルと制限された場合は、残余の10億米ドルのうち、船員に係る責任についててん補限度額がなければ組合及びその他すべての保険者より回収できたであろうクレーム総額の中に占める、それら当事者が組合から回収可能なクレームの割合と同じ割合までとする。
(ii)その他すべての場合において、総額30億米ドルのうち、船客及び船員に係る責任について、てん補限度額がなければ組合及びその他すべ
C 相殺
ての保険者より回収できたであろうクレーム総額の中に占める、それら当事者が組合より回収可能なクレームの割合と同じ割合までとする。
本約款中のいかなる規定の効力をも害することなく、組合は船主から取立てるべき金額があるときは、組合から当該船主に支払うべき金額と相殺することができる。
D 船舶保険証券の保険金額の免責
メンバー委員会の裁量による別段の決定又は管理者の書面による加入条件の合意がある場合を除き、責任、費用を生じる事故の発生時において、船舶が協会期間約款・船舶1/10/83付ロイズ海上保険 MAR 書式1/1/82と同等の条件による船舶保険証券の下で適正価額に対して全額xxされていたならばてん補されたであろう責任及び費用については、組合は加入船舶の船主に補償しない。本項において「適正価額」とは、上記事故発生時の船舶の市場価額を意味する。
備考:本約款第2条第10項及び第20項に基づくクレームの場合の、船舶のxxされるべき又はxxされていると見なされる適正価額を考慮するに当っては、メンバー委員会が満足するよう当該船主の船舶保険又は超過責任保険の責任担保総額が市況に見合うよう定期的に検討され、これら保険証券に含まれている責任担保の全額が当該船舶の用船条件等を考慮に入れない市場価額に近い水準で維持されていることを要する。
船主は上記に照らして衝突、共同海損又は救助料債務に対する保険のための適正な額を定期的に査定するために自己のブローカーや船価鑑定人に意見を求めることが望ましい。これらの意見に従って必要な保険を付しているかぎり、仮にある裁判所又は法廷によって共同海損又は救助料のために査定された価額より、xxされている船価又は金額が低いことが判明したとしても、メンバー委員会はクレームに対して充分な配慮をする。
E 戦争危険の免責
組合は滅失、損傷、傷害、疾病、死亡その他の事故に関して発生し、生じた責任又は支出した費用が下記に掲げる事由に起因した場合は、(船主又は船主の使用人もしくは代理人側の何等かの過失が寄与したか否かを問わず)責任、費用につき船主に補償しない。
ⅰ 戦争、内乱、革命、謀反、反乱もしくはこれらから生じる国内闘争又は交戦国によりもしくは交戦国に対して行われた敵対行為もしくはいかなるテロ
リスト行為。
ⅱ 捕獲、だ捕、拘束、抑止又は抑留(船員の悪行及び海賊行為を除く)及びこれらの結果又はこれらに対する企図の結果。
ⅲ 機雷、魚雷、爆弾、ロケット弾、炸裂弾、爆発物又はその他類似の兵器
(加入船舶上であると否とに拘わらず、かかる兵器類が運送されたという理由だけで生じる責任又は費用を除く)。ただし、本免責は、次のような場合の兵器類の使用には適用されない。すなわち、かかる兵器類を、政府の命令の結果として使用した場合、又は、使用の理由が、組合の担保対象となる責任又は費用を軽減することにあるという場合に理事会又は管理者が書面によって使用の同意を与えた場合。
ただし、
a ある行為がテロリズムによる行為か否かについて議論となった場合には、理事会決議を最終決定とする。
b 身代金は、メンバー委員会がその裁量において決定しない限り回収されない。
c 理事会はこれらの責任又は費用が本項E項で別途除外されているにも拘わらず、第2条に列挙するいずれかの危険又はすべての危険に対し船主に特別約款による担保を提供することを決議し得る。かかる特別約款による担保は、理事会が随時定める限度額と条件に従うものとする。
F 原子力危険免責
組合は、船主に責任又は費用が発生した損失、傷病あるいは死亡又はその他事故が、直接であると間接であるとを問わず、下記の事由によって発生した場合には、(事故を引き起こした原因が当該船主及びその使用人あるいは代理人側の不注意によって発生したかどうかにかかわらず)そのような責任、損失、又は費用を船主にてん補するものではない。
ⅰ いかなる核燃料、核廃棄物又は核燃料の燃焼による放射能から生じたイオン化放射能あるいは放射能汚染
ⅱ いかなる原子力施設、原子炉、その他の原子力機器又はそれらの構成部品の放射性、有毒性、爆発性もしくはその他有害なもしくは汚染された特性
ⅲ 原子核の分裂、融合もしくはこれらと同種の反応又は放射能もしくは放射性物質を利用したいかなる兵器
ⅳ いかなる放射性物質の放射性、有毒性、爆発性もしくはその他有害なもしくは汚染された特性
ただし、
a この免責は、加入船舶上の貨物としての“除外物質”の運送から生じる責任、損害又は費用には適用しない。ここで言う「除外物質」とは産業、商業、農業、医療又は科学目的のために使用されたある種の放射性アイソトープ及び
1965年英国原子力施設法及び同法に基づく規則に定める「除外物質」の定義に該当すると理事会が認める除外物質をいう。
b 理事会はこれらの責任、損害もしくは費用が本条F項で別途免責されているにも拘わらず、第2条に列挙する危険の一つ又はすべてに対し船主に特別約款による担保を提供することを決議することができる。かかる特別約款による担保は、理事会が定める限度額及び条件に従うものとする。
G 加入船舶の損害、用船料の喪失等の除外
本約款第2条第22項G号及び第24項に従い、本項に定める例外を除き、組合は下記の項目の支払いをしない。
ⅰ 加入船舶の分損を含む滅失・損傷。
ⅱ 船主もしくは船主との提携又は管理を同じくする会社によって所有もしくは賃借されている場合の加入船舶上の属具及びコンテナー、固縛器材、船用品又は燃料の滅失もしくは損傷。
ⅲ 加入船舶の修繕費及びこれに付随する諸費用。
ⅳ 運賃又は用船料の喪失に係わる船主のクレーム又は船主に対するクレームで一部喪失を含む。これら運賃、用船料の喪失が、貨物に関する債務として船主から回収されるべきクレームの一部を構成する場合、又は管理者の承認を得て支払われる貨物に関するクレームに含まれている場合はこのかぎりでない。
ⅴ 救助又は救助の性格をもつ役務及びこれらに関連する費用。
ⅵ 加入船舶の用船契約その他の使用契約の解除から生じる損害。
ⅶ 回収不能の債権、又は代理人の支払い不能を含むすべての者の支払い不能から生じる損害。
ⅷ 加入船舶の滞船料、抑留、遅延に係わる船主のクレーム又は船主に対するクレーム。ただし、これら滞船料、抑留又は遅延が、本約款の範囲内に属する貨物に関する責任として船主から回収されるべきクレームの一部を構成する場合、又は管理者の承認を得て決済されるクレームに含まれている場合はこのかぎりでない。
ただし、
上記の除外例は、本約款第2条の下記の各項に基づく請求には適用されない。
第9項 人命救助
第19項 回収不能の共同海損分担額第20項 共同海損の船舶分担額
第21項 救助者への特別補償金第25項 損害防止及び訴訟費用
第26項 組合の指示に従って支出した費用
H 救助船、掘削船、浚渫船その他の船舶の責任及び費用の免責
本約款第3条及び第4条の規定に従って船主と管理者の間に特別のxxが合意されないかぎり、船主が被った責任及び費用に係わる下記のクレームに対し、組合は責任を負わない。
ⅰ 救助用タグ、消防船その他救助活動もしくは消火活動に使用されるか使用予定の加入船舶につき、救助活動もしくは消火活動又はこれらの行為の試みからクレームが生じる場合。(本パラグラフにおいては船骸撤去を含む) ただし下記の事柄を除く
a 海上における人命救助または救助を試みる目的で、加入船舶の救助活動もしくは消火活動又はこれらの試みから生じた責任及び費用。
b (救助専門業者である)船主により生じた責任及び費用で、当該船主と組合の間で別段の合意によりxxしており、当該船主が関与する加入船舶に係る運航から生じたもの。
ⅱ 加入船舶で、油もしくはガス探査又は生産作業に係る掘削作業を行うために使用され、これらの作業から又は作業中にクレームが生じた時に使用されたもの。
ただし本ⅱ項では、
⒜ もし(とりわけ)加入船舶が貯蔵タンカーまたは油の貯蔵用その他船舶であって、以下のいずれかに従事する場合、当該加入船舶は、生産を行うものとみなされる。
(i) 油が貯蔵船に産出xxから直接貯蔵船へ移される場合、あるいは
(ii) 貯蔵船に油とガスの分離設備があり、その貯蔵船で、ガスが自然放出ではなく油から分離されている場合、
⒝ 油もしくはガスに関連する生産のために使用される加入船舶については、加入船舶の使用に関する契約に従い、加入船舶と石油ガス田が、直接・間接を問わず、接続された時から、加入船舶が当該契約に従い石油ガス田から最終的に切り離される時まで適用除外とする。
ⅲ 加入船舶が浚渫作業、発破作業、パイル打込み、改修(well-intervention)、ケーブルもしくはパイプ敷設、建設、設置、維持、地層試掘、土砂堆積、発電、廃止あるいはクラブ管理者が時に応じて判断するその他オペレーション等の作業のために使用され、クレームが下記にあげる事柄の結果生じる場合。 a 作業の受益者により生じる、あるいは(その受益者に関係あるなしに係
らず)いかなる第三者により生じる、あるいはその作業の特殊性から生じる賠償請求
b 船主による特殊作業の不履行、あるいは船主の作業、生産又はサービスの目的又は品質の適合性、あるいは
c 請負工事への損失及び損害
ただし、本除外規定は、下記の項目について船主により生じた責任及び費用には適用しない。
(i) 加入船舶上の船員及びその他の要員の死亡又は傷病
(ii) 加入船舶の船骸撤去
(iii) 加入船舶からの漏油あるいはそのおそれ
ただし、これら責任及び費用が、本約款により担保される場合に限る。
ⅳ 廃棄物の処分又は焼却処分作業に加入船舶が使用され、これらの作業からクレームが生じる場合。
ⅴ 潜水艇又は水中船・機器の作業に携わるかもしくは関連する加入船舶、又は専門的もしくは商業的潜水作業に加入船舶が使用されるかもしくは係わるかして、これらの作業からクレームが生じる場合。ただし、下記の事柄より生じるクレームを除く。
a 加入船舶により行われた救助作業から生じたクレーム。ただし (i) 十分な免許あるいはその他資格証明を持つダイバーが加入船舶(あるいは加入船舶から操作するダイビングベルあるいはその他類似の装置又は舟艇)の乗組員の一員である場合、(ii)当該加入船舶の船主(賃借人もしくは裸用船者以外の用船者を除く)がこれらダイバーの活動に責任がある場合、また
(iii) 船主が常にダイバーの雇用に関する法令、規定、規則及びその他の要求事項を遵守している場合に限る。そして
b 加入船舶の検査、修理あるいは保守に付随して行う、あるいは加入船舶により生じた損傷に関連して行うダイビング作業により生じたクレーム
c リクレーション・ダイビング行為
ⅵ 係留された加入船舶で(一時的な係留を除き)、ホテル、レストラン、バー、
その他の宴会の場として公共の用に供され、ホテルやレストランの客、又は他の訪問客もしくはその船舶のケータリングクルーに関して生じたクレーム。
ⅶ 宿泊用として使用された加入船舶で、船主以外に雇用され乗船中の要員
(船員は除く)に関してクレームが生じる場合、ただし
a 当該船舶が油またはガス生産あるいは探査の施設より 500 メートル以内に係留または錨泊している場合、あるいは
b 船主と要員の雇用主との間で危険の契約上の分担がない場合とする。
ⅷ 半潜水型重量物運搬船またはもっぱら重量物を運搬するために設計された加入船舶につき、貨物の滅失もしくは損傷または残骸貨物撤去に関するクレームが生じる場合。ただし貨物が HEAVYCON 契約または管理者により書面で承認された他の条件で運送された場合は除く。
I 重複保険
組合は、メンバー委員会がその裁量により別段の決定をした場合を除き、下記の場合において、他保険から回収可能な、又は回収し得たはずの債務もしくは費用に対しては責任を負わない。
ⅰ かかる他保険の下で、重複保険を理由として免責又は責任を制限する条項がなくても、かつ、
ⅱ もし加入船舶が本約款に掲げる危険を組合にxxしていなかった場合。
J 禁制品、封鎖侵破、不法貿易、無分別又は危険な運航
加入船舶が禁制品の運送、封鎖侵破、不法貿易に従事することにより生じた場合又はメンバー委員会があらゆる状況に鑑み、その運送、貿易もしくは航海が慎重、安全性を欠き、著しく危険、かつ、不穏当であるとみなした場合、いかなるクレームも組合から回収できない。
K 船級及び法定要件
船主と管理者の間に書面による別途合意のある場合を除き、下記の条件はすべて加入船舶の保険条件となる。
ⅰ 船舶は全加入期間を通じ管理者の承認する船級協会の船級を取得、維持しなければならない。
ⅱ 船級協会が修繕その他船主がとるべき行為につき勧告を与えるような事故又は状況は、遅滞なく船級協会に報告されなければならない。
ⅲ 船主は、加入船舶に係わる船級協会の規則、勧告、要求を、指定する期日内に満たさなければならない。
ⅳ 船主は、管理者に加入船舶の船級維持に関し当該船舶が現在及び過去に船級を維持していた船級協会の持つ情報を管理者が点検する権限を与え、必要ならば管理者の要求があり次第、目的が何であれ管理者の必要とする情報を管理者に開示し、利用に供する権限をこれら船級協会に与えるものとする。
ⅴ 船主は、加入期間中何時でも、加入船舶の船級協会の変更があった場合直ちに管理者にその旨を通知し、かかる変更があった日の加入船舶にかかる船級協会指定の全ての勧告、要求又は制約を報告しなければならない。
ⅵ 船主は、加入船舶のxx、改造、状態、備品、艤装及び配乗に関する旗国法のすべての要求を満たさなければならず、またこれらの要件及び国際安全管理(ISM)コード及び国際船舶港湾施設保安(ISPS)コードに関しxxにより又はxxに代わって発行される法定の証明書の有効性を保持しなければならない。
メンバー委員会が別段の取決めをした場合を除き、船主がこれらの条件を満たさないか又は満たさなかったときは、船主はその期間中に生じるクレームにつき、組合から回収する権利を有しない。
L 1906 年海上保険法及び 2015 年保険法
ⅰ 本約款及び組合によるいかなる契約も1906年英国海上保険法及び施行後の2015年英国保険法及びその改正法とその付則の規定に従い、かつ、それらを包含するものとする。ただし、同法及びその付則が本規則又は契約条項により適用を除外された場合を除く。
ⅱ 2015年保険法(以下、保険法という)の以下の規定は、下記のとおり本約款及びいかなる保険契約から除外される。
a 保険法第8条は除外する。その結果、xxな情報提供義務違反があった場合には、そのxxな情報提供の義務違反が、無意識であろうが故意あるいは無謀であろうが、組合は保険契約を無効とすることができる。
b 保険法第10条は除外する。その結果、本約款又はいかなる保険契約においてもワランティはすべて厳格に遵守しなければならず、もし船主がワランティを遵守しない場合は、たとえ遵守違反を後日修正したとしても、組合は当該違反のあった日以降の責任を負わない。
c 保険法第11条は除外する。その結果、本約款および組合と船主の間の保険契約のすべての条件(ある種の損害、ある場所での損害又はある場合の損害の危険を軽減するような条件を含む)は厳格に遵守されなければならず、もし船主がこれら条件の遵守をしなかった場合には、組合の責任は、例えそ
の違反があっても実際に損失の危険は増加しなかったであろうと思われる場合であっても、本約款の規定に従い、免除、制限あるいは破棄することができる。
d 保険法第13条は除外する。その結果、組合は、船主、その代理人あるいはいかなるグループ子会社より保険金の不正請求があった場合には、船主及びすべての被保険者に関する保険契約を終了する権利を行使することができる。
e 保険法第13条A項は除外する。その結果、本約款および組合と船主の間の保険契約のすべての条件は、合理的期間内に未払クレームを支払うという暗示条件を前提とする必要はなく、組合はこの暗示条件に違反することとはならない。ただし当該違反が故意あるいは無謀である場合を除くものとし保険法第13条A項はその範囲内において除外する。
f 保険法第14条を除外する。その結果、組合と船主の間の保険契約は最大善意契約とみなされ、最大善意の義務に違反があった場合には、組合は保険契約を無効とすることができる。
M 損害防止義務
船主の組合に対するクレームとなるかもしれない事故、出来事、事態が発生したときは、船主が組合によって担保される費用又は責任を防止又は軽減するためあらゆる適切な手段をとり、かつ、これを継続することが、船主及びその代理人の義務である。船主がこの義務に違反した場合は、メンバー委員会はその裁量により、これらの事故、出来事、事態から生じる船主の組合に対するクレームを拒否し、又はメンバー委員会が決定する金額まで組合からの支払額を減額することができる。
N クレームに関する義務
ⅰ 船主は、組合に対する責任又は費用に関するクレームとなるべきことのあるすべての事故、出来事又は自己に対するクレームにつき速やかに管理者に通知しなければならない。
ⅱ 船主は、上記ⅰに記載の事項に係わる検査又はその機会につき、速やかに管理者に通知しなければならない。
ⅲ 船主は、常に上記ⅰに記載の事故、出来事又は事態に関し自己又は代理人が所有し、支配しもしくは知るところのあらゆる情報、書類又は報告書につき、管理者に即時通知しなければならない。更に、管理者より要求があれば、自己又は代理人が所有し、もしくは支配するあらゆる種類の関係書類を組合に提出し、又は組合もしくはその代理人にこれらを点検し、コピーし、写真
を撮ることを許可し、かつ、組合もしくはその代理人が、当該時点もしくはその後において船主に雇用されていた使用人、代理人その他の者、もしくは組合が当該事態につき直接・間接に知識を持つと考える者、又はこれらにつきいつでも船主に報告する義務があったと思われる者に、面接することを許可するものとする。
ⅳ 船主は、管理者より事前に書面による承諾を得ることなく組合によって担保されるべきクレームを支払い、又は責任を容認してはならない。
船主が上記ⅰ号乃至ⅳ号に記載の義務に違反したときは、メンバー委員会はその裁量により、事故、出来事もしくは事態から生じる船主の組合に対するクレームを拒否し又はメンバー委員会が決定する金額まで組合からの支払額を減額することができる。
O 時効
ⅰ 船主が、本条N項 i 号に記載の事故、出来事もしくはクレームにつき、これを知った時から一年以内に管理者に通知することを怠ったとき、又は、
ⅱ 船主が債務、費用を履行又は弁済後一年以内に管理者に償還請求することを怠ったときは、
船主の組合に対するクレームは免責され、組合はメンバー委員会がその裁量により別段の決定をした場合を除き、これらに対し責任を負わない。
P 回収、船主の節約費用及び代位請求権
ⅰ 管理者の書面による別途同意がある場合を除き、組合が船主に対しクレーム支払い又は船主に代って支払いをしたときは、第三者からそのクレームに関し何等かの回収があれば、そのすべてを、組合が支払った金額に相当する額まで、かつ、回収額中に組合の支払額に対する利息部分が含まれている場合はこれを含めて組合の貸方に記入し、支払うものとする。ただし、船主の加入条件で免責金額の故に船主がクレームの決済を分担した場合には、それぞれの支払い額及び支払日を勘案して、船主と組合の間で利息部分の配分を行う。
ⅱ 管理者の書面による別途同意がある場合を除き、組合がてん補する出来事の結果として、臨時収入あるいは節約費用あるいは、本来なら発生していた費用で組合からは回収できなかったであろう費用を得た場合には、船主が得た当該利益に応じた金額を、組合は支払うべき合計額から差し引くことができる。
ⅲ 管理者の書面による別途同意がある場合を除き、組合が船主に対しクレー
ムを支払い又は船主に代って支払いをしたときは、当該クレームの支払われた範囲において、船主の権利を代位するものとする。これには、回収するまでの未収利息を受取る権利およびこれら権利の実行のために生じたいかなる費用の回収を含む。
Q 船舶の検査
管理者はその裁量により随時検査人又は適切と考える者を任命し、組合のため加入船舶を点検させることができる。船主は、(i)かかる点検に必要な便宜を供与し、かつ、(ii)かかる点検の結果による管理者の勧告に従わなければならない。
メンバー委員会がその裁量により別途同意した場合を除き、船主は上記(i)号及び(ii)号に記載の義務に違反したときは、義務違反中に生じるいかなる事件、出来事又は事態に関してかかる違反後に生じるクレームにつき、組合からの回収する権利を有しないものとする。
また上記の規定にかかわらず、これら検査及び上記(i)から(ii)に関わる義務違反に照らし、メンバー委員会はその船主の加入を直ちに停止する事ができ、その加入船舶についての保険契約の効力は停止する。
R 休航後の船舶の検査
ⅰ 加入船舶が、6ケ月以上の期間休航したときは、当該船舶が休航の全期間加入していたか一部期間加入していたかを問わず、また、約款第27条によって休航戻しの請求又は支払いがなされていたか否かを問わず、船主は船舶が休航地を離れるに先立ち7日以内に同船舶が再就航することを管理者に通知しなければならない。
ⅱ 管理者はかかる通知を受けたときは、その裁量によって検査人又は適切と考える者を任命し組合のため当該船舶を検査させることができる。船主はかかる検査に必要な便宜を供与しなければならない。
ⅲ 船主はかかる検査の結果による管理者の勧告に従わなければならない。 メンバー委員会がその裁量により別途同意した場合を除き、船主は上記ⅰ号
乃至ⅲ号記載の義務に違反したときは、義務違反中に起きたいかなる事故、出来事又は事態に関連するクレームにつき、組合から回収する権利を有しない。上記ⅰ号の義務違反は船主が休航した場所を離れたときに始まり、上記ⅱ号及び iii 号に記載の義務を履行した時点でクラブ管理者がその裁量により判断した場合に終了するものとする。
また上記の規定にかかわらず、これら検査及び上記(i)から(ii)に関わる
義務違反に照らし、メンバー委員会はその船主の加入を直ちに停止する事ができ、その加入船舶についての保険契約の効力は停止する。
S 電子通信
組合が送受信した、いかなる電子通信の記録は、明白な間違いがないときは、その交信の発信あるいは受信の確たる証拠となるものである。
T 利息
組合により支払われるべき金額について、いかなる場合においても利息は支払われないものとする。
U 証書及び引受書
理事会が別段の決定をした場合を除き、組合は以下の事柄の下で生じる責任、出費及び費用を船主にかわり弁済するべきするものとする。
a 米国連邦制定法(US Public Law)89−777 第2セクションにより組合が連邦海事委員会(FMC)に提出する保証書、又はその他引受書、あるいは b 1969年あるいは1992年の「油による汚染損害についての民事責任に関
する国際条約」第7条及びその改訂により組合が発行する証書、あるいは c 小型タンカー油濁損害賠償補償協定(STOPIA)あるいは(責任又は費用が
テロ行為により生じた場合を除き)タンカー油濁損害賠償補償協定(TOPIA)に関し 1992 年国際油濁補償基金に対して組合が行う保障、あるいは
d 2001年の「燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約
(バンカー条約)」第7条により組合が発行する証書
e 船客及びその手荷物の運送責任に関するアテネ条約の 2002 年改定議定書の第 IV bis 条ならびに条約実施のためのガイドライン、又はこれに関連して実施される欧州議会及び理事会規則(EC)No.392/2009 のいずれかに基づき、組合が発行する「非戦争危険ブルーカード」
f 2007 年の海難残骸物の除去に関するナイロビ国際条約第 12 条により組合が発行する証書
ただし、
g 海上労働条約 2016 年延長条項(MLC Extension Clause 2016)に常に従い、改正された 2006 年海上労働条約(MLC2006)の第 4.2 規則、第 A4.2.1 基準 1項⒝および第 2.5 規則、第 A2.5.2 基準に従って組合が発行する証書。
備考:海上労働条約 2016 年延長条項(MLC Extension Clause 2016)は、英文ルールに添付の「船主向け保険約款補則」に記載されている。
ⅰ 船主は上記責任、費用あるいは出費を解放するために、かかる保証書、
引受書あるいは証書の下で支払われた金額が、標準船舶戦争保険約款(a standard P&I war risk policy)の条件を満たし、船主が全額あるいは一部を回収される限りにおいて、組合に補償するものとする。
ⅱ 船主は以下の項目に合意するものとする。
(a)かかる保証書や引受書、あるいは証書の下で、それら責任、出費、費用から解放するために組合が行った支払いは、他のいかなる保険証券あるいは組合が提供する追加の担保により回収される限りにおいて、その支払いは貸与と見なされる。
(b)他のいかなる保険および第三者に対する被保険者としての船主の全ての権利は、譲渡可能である限り、組合がその裁量で決定する条件により譲渡されるものとする。
本約款第5条U項においては、標準船舶戦争保険約款の構成内容についてメンバー委員会はすべての裁量権を持つ。
V 制裁の危険
ⅰ 船主の責任又は費用にかかわる保険てん補、保険金の支払いあるいは補償の提供が、管轄当局あるいは政府による何らかの制裁、禁止、制限措置あるいは敵対行為を招くかもしれない場合には、組合は船主に対し、いかなる責任又は費用をてん補しない。
ⅱ もしプール加盟のいかなる者あるいは再保険者より支払われたら、管轄当局又は政府により制裁、禁止、制限措置あるいは敵対行為あるいはその危険があるという理由で、その者あるいは再保険者からの回収が不足となるために、組合がそれらの者又は再保険者から回収できない責任又は費用の部分については、船主はいかなる場合でも、組合から回収することはできない。 本項において、「不足」とはそれらの者又は再保険者が、いずれかの管轄当局又は政府の要求に従い指定口座への支払いが遅延するあるいは支払いを実行するという理由で組合の回収が不履行となる又は遅延することを含むが、これらに限定するものではない。
ⅲ 本約款の他の規定にもかかわらず、またこれらを害することなく、理事会の見解において船主が組合に実質的な影響をもたらす、管轄当局あるいは政府による制裁、禁止、制限あるいはその他敵対措置の対象となる具体的危険に、組合を晒したあるいは晒すこととなると考えられた場合に、理事会はその者によるすべての船舶の加入について船主の保険を停止することができる。
第6条 船主及びその承継人は保険約款に拘束される
A 組合が引き受けるすべての保険契約は、本条と抵触する別途条件のある場合を除き、本約款の全規定を組入れているものとみなされ、かつ、組入れることを要する。
B 組合と保険契約又は再保険契約を締結するため自己又は代理人によって申し込みをする船主その他の者(約款第13条により再保険を申し込む保険者を含む)は、自己のためのみならず、自己の承継人及び双方のため、両者がすべての点につき本約款の規定及び組合との保険契約に従い、かつ、これらによって拘束されることに同意しているものとみなされる。
第7条 保険契約の申込み
A 組合に自己の船舶の加入を希望する申込人としての船主は、管理者が随時要求する書式により申込むものとする。
B 申込船主及びいかなる代理人は、管理者の求めに応じ追加事項や情報とともに、管理者にすべての重要事項及び情報を提供することにより危険のxxな情報提供をする義務がある。
C 申込船主及びいかなる代理人は、事実に関する事項の表示が実質的に正確であり、期待又は信念に基づく事項の表示が誠意をもってなされる事を確実にする。
D 当クラブの本約款第5条L項に従い、2015年保険法第8条は除外する。上記B項及びC項への違反により、組合はその違反を無意識であろうが故意あるいは無謀であろうが、組合は保険契約を無効とすることができる。
E 船主は加入に関する重要な事項について、いかなる変更も開示する義務がある。これは管理者、xx、船級協会、当該取引のための船舶証明に責任のある政府当局、船員の国籍、取引あるいは航行地域あるいは、取引あるいは航行の特徴に関する変更を含むが、これに限るものではない。
これらの情報を開示した場合、あるいは開示をしなかった場合に、管理者は上記情報の開示あるいは開示をしなかった時をもって当該船舶に関する加入船主の保険料率又は加入条件を改定するか、あるいは保険契約を終了することができる。
F 管理者はその裁量により、かつ、その理由を開示することなく、申込人としての船主がメンバーであるか否かを問わず、組合に加入を申込む船舶の加入申込みを拒否する権利を有する。
第8条 保険料率
(約款第1条6項に記載のとおり)組合に対し船主が保険料(予定保険料、予定外保険料あるいはオーバースピル保険料を含む)を支払うべきことを条件とする(予定保険料加入)船舶の加入申込みを承諾するに先立ち、申込人として船主と管理者は当該船舶の保険料率を合意しなければならない。船舶の保険料率決定に当っては、管理者は申し込まれた保険が予測される危険度の評価を含め(上記の一般原則を害することなく)、関係ありと思われるすべての事項を勘案することができる。
第9条 固定保険料(Fixed Premiums)
A (約款第1条7項に記載のとおり)組合に対し船主が固定保険料支払いの義務を負う(固定保険料加入)船舶の加入の申込みを承諾するに先立ち、申込人としての船主と管理者は保険料の額とその支払い期日を合意しなければならない。
B 固定保険料加入として自己又は代理人により船舶の加入の申込みをする船主はすべて、申込みが承諾されれば、管理者と合意した金額を管理者の指定した期日に組合に支払う義務を負い、かつ、支払うものとする。
第10条 共同加入
A 船舶が複数人(以下「共同船主」という)の名義により又は複数人のために加入する場合は、共同船主の各員が組合から損害を回収し得る条件及び組合が共同船主から保険料又は固定保険料を徴収し得る条件は、共同船主と管理者の間で書面により合意されるところによる。
B 管理者の書面による別段の合意のないかぎり、共同船主全員は共同加入につ
いて組合に支払うべきすべての分担金その他の金額を連帯して支払う責任を負い、共同加入について組合が支払うべき金額をかかる複数人中の誰か一員が受領したときは、組合の支払い義務は完全に履行されたものとする。
C 共同船主の一員が、その了知する重要な情報の告知を怠ったときは、共同船主全員の不履行とみなされる。
D 組合が補償を拒否し得るような共同船主の一員の行為は共同船主全員の行為とみなされる。
E 管理者の書面による別段の合意のある場合を除き、組合から又は組合の代理人による共同船主の一員に対してなされた通知の内容は共同船主全員によって了知されたものとみなされ、共同船主の一員からの組合、管理者及びその代理人に対
する通知は共同船主全員の承認と授権によってなされたものとみなされる。
F 本条の下で提供する担保は、船主のリスクにおいて行う運航業務又は習慣的に行う活動から生ずるリスク、責任及び費用までのみを提供するものとし、これらは保険約款および加入証明書に記載する特別条件でてん補の範囲内とする。
第11条 グループ会員の担保
A 管理者は、本条B項及びC項記載の限度及び条件によって組合が船主にその船舶について提供する保険の利益を、その船主と関連のある個人又は会社に拡張することを内容とする船舶の加入を承諾することができる。組合とかかる個人又は会社(本約款上、以下グループ会員という)の間の権利義務は、本条B項及びC項に従うが、船主と管理者の間で合意されるところによる。
B 本条A項によってグループ会員に拡張された保険給付は、会員が負担した債
務又は費用についてのクレームの弁済に限られ、船主が(i)もし同一のクレームが自己に対して請求されていたならば同一の債務又は費用を負担したものと考えられ、かつ、(ii)これらを負担した上で当該船舶の組合加入条件に従って組合から弁済を受けることができたと考えられる範囲とする。
C 組合の船主及び本約款に従って船主の保険給付が拡張されているグループ会員に対する一事故についての責任の総額は、当該事故について船主が組合から回収し得たと考えられる金額を超えることはなく、船主もしくはグループ会員中の一員が当該金額を受領したとき、又は組合が合計額において上記金額となるよう個々に支払いを行なったときは、組合の責任は完全に履行されたものとする。
D 本約款の下でxxされたグループ会員の一当事者による行為で、組合にてん
補を辞退させるような行為は、当該保険契約におけるすべての被保険者の行為とみなされるものとする。
第12条 加入証明書及び更改承諾書
A 船舶の組合への加入申込みが承諾された後遅滞なく、または契約更新の保険年度の開始時に管理者は当該船舶の船主に対し管理者が随時xxした書式により保険期間あるいは時により保険年度の開始日、引き受け条件を記載した加入証明書を発行する。
B 管理者と加入船舶の船主が随時当該船舶の条件変更に合意すれば、管理者は
遅滞なく当該船主に対し変更条件と変更の効力xxの日を記載した更改承諾書
を発行する。
C 上記のとおり発行された加入証明書及び更改承諾書はすべて、保険期間の開始、船舶の加入条件、変更条件及び変更の効力の開始日についての決定的証拠となり、すべての面で拘束するものとする。ただし、もし加入証明書又は更改承諾書が管理者の見解により何等かの誤記脱漏ありとされれば、管理者はその裁量によって新規の加入証明書又は更改承諾書を発行することができ、その場合これらは決定的証拠となり当事者を拘束する。
第13条 再保険
A 基本及び付属定款に別段の規定がある場合及び本約款に明示の禁止規定のある場合を除き、管理者は、組合に代り再保険契約を締結することができる。これにより組合は他の組合もしくは保険者が引受けている船舶につき生じる危険の再保険の引受けに同意し、又は他の組合もしくは保険者の保険業務の全部又は一部の再保険の引受けに同意するものとする。組合に支払われる報酬及び組合の再保険引き受け条件は、管理者と他の組合又は保険者との間で協定されたところによる。別途書面による合意のある場合を除き、他の組合又は保険者は、本約款の規定に従い、これに拘束されると共に、組合との契約の効果はすべての面において組合に加入している船舶の船主がその船舶について危険が生じたか又は生じることのある場合と同等とする。
B 組合はプール協定又は同様の性格もしくは目的を持つ他の協定に引き続き参加することが出来る。
C 管理者はその裁量により、管理者が適切と考える再保険者及び再保険条件により、組合の担保する危険(本条A項もしくはB項記載の再保険又はプール協定の故に組合の負担となる危険を含む)を組合のため再保険に出再し又は転嫁する権利を有する。
第14条 メンバー資格(Membership)
A 組合が保険料を支払うことを条件に船舶を加入させている(保険料加入)既メンバーでない船主からの加入申込みを承諾したときは、加入承諾の日から当該船主はメンバーとなり、その名義はメンバー登録簿に記入される。
B 組合が固定保険料を支払うことを条件とする船舶の加入(固定保険料加入)の船主からの申込みを承諾すれば、管理者はその裁量によって当該船主をメンバーとするか否かを決定し、これらのいずれに基づいても申込みを承諾することができる。
C 約款第13条A項に従って組合が危険の再保険引受けに同意する場合は常に管理者はその裁量によって組合に再保険を付する保険者又はその保険者に元受保険を付している船主をメンバーとするか両者のいずれをもメンバーとしないかを決定し、これらのいずれに基づいても申込みを承諾することができる。
D 船主は理由の如何を問わず自己の名義で組合に加入させている全船舶の保険
期間が終了したときは、メンバーとしての資格を失う。再保険の期間が終了したときは、組合に再保険を付している保険者及びその保険者に元受保険を付している船主は、それまでメンバーであれば、その時をもってメンバー資格を失う。
第15条 譲渡
A 組合が供与する保険及び約款又は組合と船主間の契約に基づく利益は、管理者の書面による承諾なしに譲渡することができない。管理者はその裁量により、何らの理由を開示することなく承諾を与えもしくは拒否する権利を有し、又は適切と考える条件の下で承諾を与える権利を有する。かかる承諾を得ることなく、又は管理者が設定した条件を満たすことなしになされた譲渡は管理者の裁量による別段の決定のないかぎり、無効であり、何らの効果も持たない。
B 管理者が譲渡を認める条件を明示すると否とを問わず、組合は譲受人の提出す
るクレームの決済にあたり、譲渡人の組合に対する債務が譲渡の時点で存在すると、その後生じ又は生じる見込みがあるとを問わず、すべての債務を弁済するに足るものと管理者が見積った金額を控除するか又は留保する権利を有する。
第16条 保険期間
A 本約款中別段の定めのある場合は別として、固定期間加入以外の船舶の組合による保険は、加入証明書記載の日時に開始しその後これに続く2月20日の正午まで継続し、本約款によって終了しないかぎりその後の保険年度から保険年度へと継続するものとする。
B 固定期間保険加入の各船舶の組合による保険は、本約款中別段の定めのある
場合を除き、固定期間の満了をもって終了する。
第17条 契約の変更
A 理事会は、保険年度の中途において、翌保険年度のための組合加入船舶の料率を一律に引上げることを決定することができる。いずれの年度にせよ、12 月 20 日より前に管理者がかかる指示を船主に通知したときは、保険期間は加入船
舶の保険料率が理事会によって設定された割合での条件変更をもって翌年度へ継続し、加入船舶の加入条件は下記の場合を除きすべてそのように変更されたものとみなされる。
ⅰ 本条C項に従って、更に変更の通知がなされるか、又は、
ⅱ 約款第 18 条に従って、終了の通知がなされるか、又は、
ⅲ その他の理由によって保険期間がそれ以前に終了している場合。
理事会の決定についての通知は、本約款第 12 条上の更改承諾書の一部を構成するものである。
Bⅰ 保険年度の終了に先立ち、船主と組合との間の保険契約の条件に何等かの
影響を及ぼす約款の変更が行われると、その変更は船主を拘束し、すべての面で翌年度の開始時から効力を生じる。
ⅱ 上記(i)項の規定にかかわらず、理事会の意見として、新たな法規制の施行の結果として、あるいはその他何らかの理由により、組合に対する危険において実質的な変化が生じた場合あるいは生じるかもしれない場合、組合は、定款第 38 条A項に従い、約款を改定することができ、その改定は30日以内に通知することにより当該保険年度中に発効できるものとする。
C 当該保険年度の1月20日正午より前に管理者が、翌年度のためのある船舶の保険料率を変更する必要があるという通知(本条A項によるものを除く)又は加入条件中のその他の変更をする必要があるという通知をしたときは、当該船舶の翌年度の保険は、2月20日正午より前にかかる通知をうけて直ちに船主と管理者の間で合意される保険料率又は条件に従って継続され、もしかかる合意がそれまでに成立しなければ、保険期間はこれにより終了する。
第18条 終了の通知
A 組合加入船舶の保険期間は(固定期間加入を除き)、下記の方式によって終了し得る。
ⅰ 理事会がその裁量により、何等の理由を開示することなく、どの年度においても1月20日正午より前に、書面により船主に終了通知をなす。
ⅱ 船主がその裁量により、何等の理由を開示することなく、どの年度においても1月20日正午より前に、書面により組合に終了通知をなす。
B 本条A項に従って通知がなされたときは、保険期間はその通知直後の2月
20日正午をもって終了する。管理者の同意のある場合を除き、これ以外の時点での組合からの船舶の脱退又は終了通知をなすことはできない。
第19条 保険料(Calls)
A 固定保険料の支払い以外の条件によって、ある保険年度(約款第25条による勘定閉鎖済保険年度ではない)について組合に自己の船舶を加入させている船主は、理事会の見解として下記の目的のために必要とするすべての基金を保険料として拠出するものとする。
ⅰ 理事会が随時かかる年度について計上することが組合の保険業務上適切であると考える(両方あるいはいずれかの)組合の一般経費に充てるため。
ⅱ かかる年度について(両方あるいはいずれかの)組合の保険及び/又は再保険業務上の(支出済みか、発生済みか、見込み額かを問わず)クレーム、費用及び経費に充てるため。(ただし、前記の一般原則を害することなく、固定保険料加入の船舶についてのクレームその他の支出が、その保険年度に対し理事会が課する組合への支払い保険料を超える部分、及び組合以外の保険者のクレーム、費用及び経費で(両方あるいはいずれかの)組合とかかる他保険者との間で締結された再保険又はプール協定により組合の負担となったかもしくは、なると思われる分担額を含む)。
ⅲ 理事会が適切と考える(両方あるいはいずれかの)組合の偶発事故勘定
(Contingency Account)、巨大災害準備金(Catastrophe Reserve)、その他の準備金(約款第24条参照)への振替のため及びこれら諸準備金の目的へのその後の引当のため。
ⅳ (両方あるいはいずれかの)組合の勘定閉鎖済の単一年度又は複数年度に発生し又は発生が予測される不足額に充てるため、理事会が適切と考える勘定振替のため。
B これらの保険料は、約款第 20 条乃至第 22 条の規定に従い予定保険料(Mutual Premium)、予定外保険料(Supplementary Premium)及びオーバースピル保険料
(Overspill Call)として徴収される。
第20条 予定保険料(Mutual Premium)
A 各保険年度の開始前に、その年度について支払われるべき予定保険料を確定するため理事会はその年度加入の(固定保険料加入以外の)全船舶の保険料率に適用する割合を決定する。この決定は約款第17条A項による加入船舶の保険料率の引上げ決定と同時に行うこともある。
B いずれかの保険年度に加入している船舶の船主(固定保険料加入以外の)は、
その年度について本条A項に基づいて理事会が決定した割合を当該船舶の保険
料率(船主と管理者の間で合意されたか又は約款第17条A項により引上げられたか、いずれかの料率)に乗じ、かつ、当該船舶の組合加入トン数を乗じて得られた金額を予定保険料として支払う義務を負う。
C 一保険年度に関する予定保険料の最終分割払いの前においていつでもその保険料の全額(その保険年度への振替のための、またはその保険年度に関する準備金からの振替を含む)が第19条に記載されている目的の為に不必要と理事会が認めた場合には
ⅰ 理事会は予定保険料のパーセンテージ表示かあるいは分割払いのいずれかにより予定保険料の割引を宣言することによりその保険年度に関する予定保険料の金額を減額することを決定することができる。
ⅱ 本条(B)項の下における船主の予定保険料支払の責任はその限度において減少するものとする。
第21条 予定外保険料(Supplementary Premium)
A 各保険年度の期間中又は終了後いつでも(ただし勘定締切り後の年度ではなく)理事会は加入船舶の船主に(固定保険料加入を除き)その年度につき一回又は二回以上の予定外保険料を課すことを決定できる。かかる保険料の徴収は
(i)正味予定保険料額に対する割合、又は(ii)その年度の加入全船舶の保険料率に対する割合を理事会が決定することによる。
B いずれかの保険年度に加入している船舶の船主(固定保険料加入以外の)は、
(i)の場合はその年度について支払い済み又は支払うべき正味予定保険料に理事会の決定した割合を乗じることにより、また(ii)の場合は、理事会が決定した割合を加入船舶の保険料率に乗じ、当該船舶の組合加入トン数を乗じることにより、得られた金額を予定外保険料として支払う義務を負う。
C 理事会、管理者又はその使用人もしくは代理人はいつでも、適切な割合の予定外保険料の見積りが望まれるかを示すことによって、当該保険年度の財政状態を船主が認識するよう求めることができる。かかる見積りが船主に表示されても、理事会が本約款に従って当該保険年度のための予定外保険料及びオーバースピル保険料を、表示された割合より増減して課徴する権利は損なわれることはない。
第22条 オーバースピル ・ クレーム、オーバースピル保険料及び保証第1項 前 文
A 船舶の加入に従って組合又はプール協定加盟の他の組合の負担となる、船骸
の撤去もしくは放置の場合に係わる責任を含む、一出来事から生ずるすべてのクレーム(油濁に係わるクレームを除く)は、本約款中、「オーバースピル · クレーム」及び「グループ再保険限度額」の定義においては一つのクレームとみなす。
B 組合又はプール協定加盟の他の組合の負担となるクレームは、関連する費用をも含むものとする。
C 組合又はプール協定加盟の他の組合の負担となるクレーム(油濁に係わるクレームを除く)で船舶の加入条件上グループ再保険限度額を超過し、又は超過すると考えられる部分(がある場合)をここでは「オーバースピル· クレーム」と称する。
第2項 オーバースピル・クレームにつき回収可能な金額
A 他の適用されるいかなる限度の効力を害することなく、組合の負担する一切のオーバースピル・クレームも下記の金額の合計額を超えて組合よりてん補されることはない。
ⅰ プール協定に基づいてプールとして認められるオーバースピル · クレームであって、プール協定の条件に従って組合が負担する部分、及び
ⅱ プール協定に基づいてプールとして認められるオーバースピル · クレームの分担金として、プール協定加盟の他の組合より回収可能な最大限の金額。
B 本項A号の合計額は、組合が下記の証明をすることによりその範囲で減額さ
れる。
ⅰ 下記の徴収、もしくは徴収をするにあたり組合が正当に費用を支出したこと a 本項A号iに定めるオーバースピル · クレームの一部の支払のために課
せられたオーバースピル保険料、もしくは、 b 本項A号ⅱに定める金額、又は、
ⅱ 本項A号iに定めるオーバースピル · クレームの一部に相当する金額を徴収不可能なこと。それはオーバースピル · クレームが課せられていることにより、その全額もしくはその一部を支払う意思をもちながら経済的な理由により回収不可能なもの。ただし状況が変わり、その後にその額を経済的に回収可能となったときは、本項A号に定める合計額はその範囲で回復されるものとする。
C 本項B号ⅱに定める事項の証明の際に、組合は下記を立証しなければならない。
ⅰ 本項A号に定めるオーバースピル · クレームに関し、オーバースピル · ク
レーム発生日に組合に加入していたすべての船主に約款第22条5項により、かつ、同項の下で認められた最高限度額でオーバースピル保険料を課したこと、及び
ⅱ 速やかにオーバースピル保険料を課し、船主にこの保険料支払義務の放棄又は放棄をすることなしに、保険料回収のためあらゆる合理的な手段をとったこと。
第3項 オーバースピル ・ クレームの支払い
A 組合が負担するオーバースピル · クレームの支払いに要する基金は、以下により提供されるものとする。
ⅰ 組合がプール協定加盟の他の組合からオーバースピル · クレームの分担金として回収できる基金、及び、
ⅱ オーバースピル · クレーム支払いの危険に対し、組合を防護するため、組合の裁量で別途xxすることができる特別保険のてん補金、及び
ⅲ (両方あるいはいずれかの)組合の(本約款第24条に定義する)巨大災害準備金勘定の貸方に表示の金額の中、理事会がその裁量によって決定する部分、及び、
ⅳ 組合が本項ⅱ号に定める金額の全部もしくは一部の回収につとめたか又は回収したかにかかわらず、本条第5項によってオーバースピル保険料の一度又は二度以上の課徴。ただし、組合は最初に本項ⅲ号に従って決定をなすものとする。及び、
ⅴ 上記に提供された基金より組合に生ずる利息。
B プール協定加盟の他の組合の負担となるオーバースピル · クレームのうち、組合がプール協定に従って分担する責めを負う割合を支払うのに要する基金は本項A号 ii 乃至vに定める方法により提供される。
C 組合がオーバースピル · クレームの支払い基金を本項A号 iv に定められた方法によって準備する意思があるかぎり、組合がその基金を受領した時点においてのみオーバースピル · クレーム支払いを要求される。ただし、その基金の回収に際し第22条第2項C号に定められた措置をとったことを証明しなければならない。
第4項 オーバースピル ・ クレーム − 専門家による解決
A 本条第2項B号、C号又は第3項C号のオーバースピル · クレーム(以下「オ
ーバースピル · クレーム」という)への適用において、
ⅰ オーバースピル · クレームを支払うための基金を回収、もしくは回収する際に支出した費用は適切なものかどうか、又は
ⅱ オーバースピル保険料もしくはその一部は経済的に回収可能かどうか、又は
ⅲ 第3項C号に定める基金の回収に際し、組合は同号に定める措置をとったかどうかに関して、
組合と船主が合意できない争点は、第40条による解決の前に、プール協定に従って設置される委員会(以下、「委員会」という)に付託されるものとする。委員会は仲裁機関ではなく専門機関としての機能を持ちその問題を解決する。
B 船主がその問題の付託を望む時に委員会が設置されていない場合は、船主の要求に基づき、組合はプール協定の定めるところにより、委員会の設置の指示をするものとする。
C 組合は、プール協定によって設置された委員会に争点を調査し遅滞なく結論を求めるべく指図することが出来る。(船主の要請のある時は指図しなければならない)
D 委員会は、自己の判断において、その争点を解決するにあたりいかなる情報、書類、証拠及びその提出を要求し、又いかに入手するかの決定をしなければならない。組合及び船主は委員会に十分協力しなければならない。
E 本第4項により付託された争点を解決するにあたり、委員会はプール協定に基づき付託された当該オーバースピル · クレームを解決する際にとられる手続と同様な手続きをとるべく努力しなければならない。
F 争点を解決する際に、委員会の委員は、
ⅰ 自己の持つ知識と専門的意見に依拠することとし、かつ、
ⅱ 組合又は船主から委員会に提出された情報、書類、証拠又は提出物のうち委員会が適切と判断したものに依拠されるものとする。
G 委員会の3名の委員の合意に至らない事柄については、多数意見が優先する。
H 委員会はいかなる決定についてもその理由を付すことを要しない。
I 委員会の決定は最終的なものであり、組合及び船主を拘束するものとし(下記のJ号の場合を除いて)、その決定について上訴の権利を有するものではない。
J 本第4項A号ⅱ又はⅲに定める争点について委員会が決定を下した場合、組合又は船主は、委員会が決定を下した後の情況に著しい変化が生じた時は、上記I号に拘わらず、その争点を委員会に差し戻すことが出来る。
K 委員会の費用は組合が支払う。
L オーバースピル · クレームに関して組合が委員会へ支払うべき費用、補償、及びその他の金額は、第22条第4項又はプール協定に基づいて委員会に付託されたかを否かを問わず、本条第2項B号iにおいては、オーバースピル · クレームに関して組合が正当に支出した費用とみなされる。
第5項 オーバースピル保険料の課徴 A 下記の場合、すなわち、
ⅰ オーバースピル · クレーム(組合、又はプール協定加盟の他の組合に生じたか否かを問わず)の一部の支払いを必要とし、又は将来必要とするために基金が必要であるときはいつでも理事会が決定し、かつ、
ⅱ オーバースピル · クレームに関して、オーバースピル保険料を課徴するために保険年度の勘定を未閉鎖とすることを理事会が第25条C項ⅰ号又は同
ⅲ号に基づき宣言する場合は、
理事会は、その宣言後いかなる時においてもその裁量により下記B号に従いオーバースピル · クレームについて、一度又は数度にわたり課徴することができる。
B 理事会はかかるオーバースピル保険料を下記に従い、
ⅰ オーバースピル · クレーム発生日が本約款第25条C項 iii 号に基づいて理事会が宣言した保険年度の場合は、当該事故発生日時に船舶が組合に加入していない事実があったか否かに拘わらず、オーバースピル · クレームの発生日に加入している船舶に関して、その発生時において組合に加入しているすべての船主に対し、かつ、
ⅱ 理事会の裁量により決定する各船舶の条約上の責任限度額の割合で課徴しなければならない。
C オーバースピル保険料は、オーバースピル · クレームの発生日に組合に加入
している船舶に関して、グループ再保険限度額と同額又はそれ以下を担保限度額としている船舶には課徴してはならない。
D 理事会は、いかなるオーバースピル · クレームに関しても、一加入船舶当り
一度又は数度にわたるオーバースピル保険料を総額でその船舶の条約上の責任限度額の2.5%を超えて船主に課徴しない。
第6項 保険の終了又は消滅の際のオーバースピル保険料の担保 A 下記の場合、すなわち、
ⅰ 理事会が、約款第25条C項i号又はC項 iii 号に従ってある保険年度がオーバースピル保険料を徴収する目的で未閉鎖とすることを宣言し、かつ、
ⅱ 本条第5項に従って理事会により徴収されるオーバースピル保険料を支払う義務のある船主の組合によるxxがいかなる理由にせよ終了するかもしくは終了していたとき、又はかかる船主の保険を終了することを組合が決定したときは、
管理者はその船主に対し、かかるオーバースピル保険料について将来船主が負うべき責任の推定額に対する保証状もしくはその他の担保を組合に差し入れることを要求できる。かかる保証状又はその他の担保は、管理者が自らの裁量によってその事情の下で適切とみなす形式、金額(以下「保証金額」という)、期日(以下「差入期日」という)及び条件によって提供されるものとする。
B 管理者の要求するかかる保証状又はその他の担保を、船主が組合に差し入れないかぎり、船主は、いかなる保険年度においても自己又は代理人により組合にxxされたすべての船舶につき発生するクレームを、その種類、発生の時期を問わず組合から回収することができない。
C かかる保証状又はその他の担保を船主が差入れ期日までに組合に差入れない
場合は、船主は保証金額と同等の金額を差入期日に組合に支払うこととし、管理者が自らの裁量によってその事情の下で適切と見なす条件でその金額を保証金として保有するものとする。
D 管理者が要求する保証状又はその他の担保の差入れは(上記C号に基づく支払いを含めて)本条第5項に従い理事会が課徴するオーバースピル保険料の船主の支払責任を何ら制限し又は限度をもたらすものではない。
第23条 保険料の支払い
A 予定、予定外又はオーバースピル保険料のすべては、理事会が指定する料率と分割払いにより指定された期日に支払われなければならない。
B 予定、予定外及びオーバースピル保険料の料率が指定されれば、管理者は遅滞なく下記の項目を関係各船主に通知するものとする。
ⅰ 料率。
ⅱ その保険料支払い期日。分割払いの場合は割賦金額及び各支払い期日。
ⅲ 各船舶についての船主の支払い額。
ⅳ 船主の支払いが米貨以外による場合は、その事実。
C 管理者は、その指定する単一通貨又は複数通貨によって保険料の全部又は一部を支払うことを要求できる。
D 船主のいずれかの組合に対するクレームはその種類の如何を問わず、保険料、固定保険料その他の如何に拘わらず組合に支払うべき金額との相殺を許されるものではなく、又は船主にかかる金額の支払いを差し止め又は遅らせる権利を与えるものではない。
E 本約款、特に第29条乃至第33条に基づく組合の権利及び救済方法を損な
うことなく、保険料、その割賦払金の全部又はその一部、その他何によらず船主から徴収する何らかの金額(上記の一般原則を損なうことなく、いかなる固定保険料、約款第30条もしくは第33条により支払うべき金額及びその一部を含む)が、支払いを指定された期日までにかかる船主によって支払われないときは、その船主は未払金額に対し、指定期日以降支払いの日まで理事会が随時決定する割合により金利を支払うものとする。ただし、理事会はかかる金利の全部又は一部の支払いを放棄することができる。
F いかなる性格のものであろうとも船主がいずれかの組合に対して支払義務のある金額については、その船主の、或いはその加入船舶の保険担保が効力を停止、終了或いは解除されたとしても、組合はその船主の加入船舶に対し先取特権及びその他いかなる権利も行使する事ができる。
G 保険料その他船主よりいずれかの組合に支払われるべき金額が支払われず、
理事会が取立ての見込みなしと判断したときは、その結果生じる組合の基金の不足又は欠損は組合の経費とみなされ、これに対し理事会の定めるところにより、第19条(もし不足又は欠損が本約款第22条第5項のオーバースピル保険料についてのものである場合は、同条の追加オーバースピル保険料)に従って保険料が課徴され又は本約款第24条及び第25条に従って諸準備金が引当てられる。
H 船主は組合の要求あるいはその命令に従い、船主に支払い責任があると思われる保険料税あるいは組合が船主に提供している保険あるいは再保険に課される税額を支払うものとする。
また、その保険料税あるいはその他同様の税につき、組合が負担したいかなる損失、責任又は費用も組合に対して払戻し、精算するものとする。
第24条 準備金
A 理事会は、準備金及び偶発事故勘定又は理事会が適切と考える目的のための
勘定を開設し維持することができる。
B 本条A項の一般原則の効力を害することなく、理事会は下記の一以上の特定目的のための準備金その他の勘定を開設し維持することができる。
ⅰ 同一保険年度又は他のいかなる年度に発生するかに関係なく、組合のオーバースピル · クレームに対処すべく引当てられる原資を供給する準備金(以下
「巨大災害準備金」という)。
ⅱ 組合のいかなる目的にせよ普遍的に引当ててよい原資を供給する準備金
(以下「偶発事故勘定」という)であり、以下のものが含まれる。予定保険料または予定外保険料の水準を安定させ、過去、現在、xxのいずれの保険年度にせよかかる保険料課徴の必要性を消滅又は軽減させるためのもの。勘定閉鎖済保険年度につき生じ又は生じるおそれのある欠損を消滅又は軽減させるためのもの。為替上又は投資に係わる顕在もしくは潜在の損失で実現もしくは実現していないものに対し組合を防衛するためのもの。組合の保険契約者あるいは再保険契約者であるメンバーあるいは過去のメンバーに、理事会が提案し、総会においてメンバーが承認した上で、その金額、割合及び方法で配分するためのもの。
C 理事会は、いずれの準備金にせよ貸方にある金額を、たとえ基金の創設された年度とは異なる年度に関して支払われるにせよ準備金を積み立てられた諸目的のうちいずれの目的にも引当てることができる。理事会は、メンバー又は組合の利益に適すると判断すればいつでも、いずれの準備金にせよ貸方にある金額を、その他の、異なった目的に引当てることもできる。理事会はまた、いつでも一定額を、当二組合間を含みある準備金口座から他の準備金口座へ振替えることができる。
D かかる準備金又は勘定は下記の方法の一方又は双方により設定される。
ⅰ 理事会は、いずれの保険年度にせよ予定保険料あるいは予定外保険料の料率を定めるときは、かかる保険料のうち、特定の金額又は割合をかかる準備金又は勘定に振替え、これらの目的に引当てることを決議できる。
ⅱ 理事会は、いずれかの保険年度の勘定閉鎖以降いつでも当該年度の基金の貸方残高から、特定の金額もしくは比率をかかる準備金もしくは勘定に振替え、これらの目的に引当てることを決議できる。
E 理事会が本条D項i号記載のとおり決議した場合は、管理者は支払いが請求される日時以前に、かかる保険年度の加入船主に通知する。
第25条 保険年度の勘定閉鎖
A 理事会は、各保険年度終了後の適切と考える日時を以って当該保険年度の勘定を閉鎖する旨、又は本条C項に定める一度もしくは二度以上のオーバースピル保険料の課徴の意図がある場合を除き勘定を閉鎖する旨、宣言するものとする。
B いずれの保険年度も勘定閉鎖後は、本条C項及び第22条に規定にされる場合を除き、当該年度については予定外保険料又はオーバースピル保険料を更に追徴されることはない。
Cⅰ ある保険年度(以下「当該保険年度」という)の開始から36カ月の期間の満了の前いかなる時においても、プール協定に加盟する組合が、当該年度に発生した出来事が、その時点もしくは将来の時点においてオーバースピル・クレームとなり、又はなることをプール協定に従って通知(以下「オーバースピル通知」という)した場合、理事会は遅滞なく、当該保険年度がこのクレームにつきオーバースピル保険料を課徴するため、勘定を未閉鎖とすることを宣言し、かつ、当該保険年度は理事会がそのクレームに関してオーバースピル保険料の徴収を決定する日まで閉鎖されないものとする。
ⅱ 本条C項i号に定めた36カ月の期間の満了時に、同号規定のオーバースピル通知がなされていないときは、その勘定閉鎖が当該保険年度開始から36カ月を経て、他の目的についての勘定閉鎖の有無に拘わらず、オーバースピル ·クレームの課徴の目的に関するかぎり自動的に閉鎖されたものとする。
ⅲ 上記i号又はⅱ号の規定に従い、ある保険年度が閉鎖された時以降、かかる勘定閉鎖年度中に発生した出来事が、その時点又は将来の時点においてオーバースピル · クレームになることが明らかであると理事会が判断すれば、理事会は遅滞なくその後の最も近い勘定未閉鎖の保険年度(本条C項ⅰ号又はC項ⅲ号に従って理事がすでに宣言をした保険年度ではない)をそのクレームについてオーバースピル保険料を課徴するために閉鎖しないままにしておくことを宣言するものとする。また、この勘定未閉鎖の保険年度は理事会がそのクレームに関してオーバースピル保険料の課徴を決定する日まで閉鎖されないものとする。
ⅳ 本条C項i号又はC項ⅲ号に定める宣言を理事会がなした場合は、管理者はその宣言がなされた保険年度の加入船舶の船主に通知するものとする。
ⅴ オーバースピル · クレームをいずれかの保険年度の加入船舶の船主に課徴した後、課徴したオーバースピル保険料が当該オーバースピル · クレームに充てるのに全額を必要としないと理事会が判断した場合には、その意見によ
って不必要とされる超過分を、下記の二方法中の一方又は双方により処分することを理事会は決定することができる。
a 超過分もしくはその一部を、本約款第24条に従い巨大災害準備金へ振り替えること。又は、
b 超過分もしくはその一部を、オーバースピル保険料を拠出した船主に対しその拠出額に応じて返還すること。
ⅵ 本条C項に従う場合の他は、オーバースピル保険料の課徴に関しては保険年度を閉鎖してはならない。
D 本条C項に規定されている場合を除き、理事会は未発生でその確認、程度、
金額が未だに確定されていない保険年度に関して現在存在するか、将来生じることのあるクレーム、費用が存在するか予測されるかに拘わらずいかなる保険年度をも未閉鎖とすることを宣言することができる。
E いずれかの保険年度の勘定閉鎖後、その年度についての保険料その他の収入
(及びその年度の貸方に計上されたか又はその年度について積み立てられた準備金もしくは引当金からの振替のすべて)がその年度について生じるクレーム、費用及び支出金に充当するには、全額を必要としないと理事会が判断した場合には
(第19条A項ⅰ号及びⅱ号記載のように)、理事会はその意見により不必要とされる超過分を、下記の二方法中の一方又は双方により処分することを決定する。
ⅰ 超過分又はその一部を、第24条に従い組合の準備金へ振替えること。
ⅱ 超過分又はその一部を、本条(H)項に従い関係保険年度の加入船主に返還すること。
F ある保険年度の勘定閉鎖後、その年度につき生じるクレーム、費用及び支出
金(第19条A項ⅰ号及びⅱ号記載のように)がその年度の保険料その他の収入総額(及びその年度の貸方に計上されたか又はその年度について積み立てられた準備金又は引当金からの振替のすべて)を超過するか或いは超過の見込みであると理事会が判断した場合には、理事会はかかる不足分を、下記の二方法中の一方又は双方によって準備することを決定することができる。
ⅰ 組合の準備金から基金を振替えること。
ⅱ 当二組合間の基金を振替えること。
ⅲ いずれかの他の勘定閉鎖年度の貸方に計上されている基金を振替えること。
ⅳ かかる不足分に一部を充当する意図のもとに(第19条A項ⅳ号により許されている通り)勘定未閉鎖のある保険年度について、予定保険料又は予定外保険料を課徴すること。
理事会が上記ⅳ号記載の決議をしたときは、管理者は支払いが請求される日時以前に、かかる保険年度の加入船主に通知する。
G いずれかの保険年度の勘定閉鎖後、理事会は二以上の勘定閉鎖済年度の勘定
を併合し、貸方残高を共同基金化することを決議することができる。理事会がかかる決議をしたときは、当該二以上の勘定閉鎖済年度は全てにわたってあたかも単一勘定閉鎖済年度を構成するかのごとく取扱われる。
H 理事会が本条E項ⅱ号に従って船主に返還することを決めた金額は、かかる保険年度の加入船主に、当該年度につき同船主が支払った保険料の額(船主の加入条件又は本約款の他の規定に基づく返戻金又はリベートを勘案の上)に応じて返還される。
ただし、
a 本約款第30条又は第33条の規定に従って保険料に対する債務が課せられている船主に返還はなされない。また、
b 本約款第31条の規定に従って船主の保険が解除された場合、理由の如何を問わず(保険料であるとその他であるとを問わず、又返還が決まった対象保険年度であるとその他の保険年度に係わるものであるとを問わず)船主が組合に支払うべき金額を返戻金から差し引き、残額(もしあれば)のみを船主に返還する。
第26条 投資
A 理事会(あるいは理事会の監督の下で管理者)は自ら適切と考えるところに従い、投資することができる。
B 理事会が別段の決定をした場合を除き、貸方に計上されている基金は、いずれの保険年度であるかを問わず、またいかなる準備金又は勘定であるかを問わず、すべて単一の基金として共同基金化し投資することができる。
C 上記B項の規定により基金を一本化した場合、共同基金から生じる投資収入は、各保険年度、諸準備金及び諸勘定の間で、理事会が適当と考えるところに従い、分配するものとする。
第27条 休航戻し
契約条件に従い、加入船舶が最終係留後連続30日以上(到着日から発航日までの日数から、一日を控除して期間を計算する)貨物を積載せずに同一安全港又は場所において休航したときは、船主は、かかる船舶の休航期間につき、
支払い保険料額から再保険、組合管理費その他管理者が随時決定する支出金に対する引当て分を差し引いた残額に一定の割合で計算した保険料の割戻しが認められる。ただし、オーバースピル保険料については休航戻しはない。
本条の目的上、
a 管理者は、休航する港あるいは場所が安全な港あるいは場所であるかどうかを本約款の主旨に照らし、その裁量で判断するものとする。
b 保険年度終了後3ケ月以内に組合に書面による通知をしないかぎり、組合はその年度に係わる休航戻しの請求に応じない。
第28条 保険契約の終了とその効果
A 第17条及び第18条(それが船主によると組合によるとに拘わらず)に従いなされた通知により、かつ、第31条に基づく保険契約の解除の効力を害することなく、船主の船舶に関する保険契約が終了した場合は、
ⅰ 保険料加入の場合、船主の責任が第30条(保険の停止による解除保険料)の下で別途合意又は算定された場合を除き、船主及びその承継人はかかる通知がなされた全保険年度及び過保険年度に関する全ての分担金、保険料及び他の金額の支払いに対して引き続き責任を負うものとする。
ⅱ 本約款の他の条項及び加入条件に従い、組合はその加入船舶に関してかかる通知がなされた直後から2月20日正午より前に起きた全ての出来事から生じる本約款の下での全てのクレームにつき責任を負うが、その日時以降に生じるものに対しては、いかなる理由によるも責任を負うものではない。
B 加入船舶に関し、第5条Q項、R項及び V 項により、あるいは第17条、18条、
29条A項、B項、もしくはC項又は第31条A項以外の理由で船主の組合による保険が終了した場合は、
ⅰ 保険料加入の場合、船主の責任が第30条(保険の停止に伴う解除保険料)の下で合意又は算定された場合を除き、船主及びその承継人は、オーバースピル保険料につき第22条に従い支払われるべき全ての金額を、そしてその他の分担金、保険料及び他の金額の支払いに対し、
a かかる終了が生じた保険年度に関しては、按分割合、即ちその保険の開始日(又は船舶が保険年度の中途で加入した場合は、その加入日より)に始まりその終了日の正午で終わる期間に適用される按分金額、及び
b 過年度に関してはその全期間分につき引続き責任を負うものとする。
ⅱ 本約款の他の条項及び加入条件に従い、組合はその加入船舶に関して、終
了の日の正午より前に生じたすべての出来事から生じる本約款に基づくすべてのクレームに対して引き続き責任を負うものとする。しかしその日時以降に生じたものに対しては、いかなる理由によるも責任を負うものではない。ただし、本条B項のいかなる規定も第17条、18条又は31条A項に従い
別途与えられる加入船舶の終了のための通知の効力に影響を与えるものと解釈してはならない。
第29条 保険契約の効力の停止とその効果
A 下記の事態のいずれかが発生すれば、自己又は代理人によって加入した全船舶につき船主の組合による保険は直ちに停止する。
ⅰ 船主が個人の場合 a 本人の死亡
b 本人に対する財産管理命令 c 本人の破産
d 債権者との債務免除又は和議の一般的成立
e 精神疾患により自己の財産及び業務の管理又は運営が出来なくなった場合
ⅱ 船主が法人である場合
a 任意解散の決議(会社又はグループ再編成を目的とする任意解散を除く) b 強制解散命令
c 法人の解散
d 事業の全部又は一部につき収益管理人又は管財人の任命
e 債権者からの保護又は業務再編のため、破産法又は支払不能に関する法に基づく手続の開始
B 管理者の書面による別段の合意のある場合を除き、関係船舶に下記の事態の
いずれかが発生すれば、自己又は代理人によって加入した当該船舶につき船主の組合による保険は直ちに停止する。
ⅰ 船舶売買契約書又は他の正式書類もしくは契約書又はその他いかなる方法によるかを問わず、当該船舶に対する船主の利益の全部もしくは一部の放棄又は譲渡
ⅱ 当該船舶に対する船主の利益の全部もしくは一部につき譲渡抵当権又は抵当権の設定
ⅲ 新管理人任命による船舶管理人の変更
ⅳ 動産担保権者又はその代理人による明白な占有権の侵害
ⅴ いかなる保険年度においても2月20日正午時点で、船主の当該船舶に係る組合に対する未払金
ⅵ いかなる保険年度においても2月20日正午時点で、船主の当該船舶に係る本約款第5条K項、Q項あるいはR項の義務違反あるいは義務の不履行
C 管理者の書面による別段の同意がある場合を除き、関係船舶に下記の事態の
いずれかが最初に発生した場合は、自己又は代理人によって加入した当該船舶につき船主の組合による保険は直ちに停止する。
ⅰ 当該船舶が最後の消息があった時より10日間行方不明のとき
ⅱ 当該船舶がロイズに行方不明として掲示されたとき
ⅲ 当該船舶が現実全損となったとき
ⅳ 船舶保険者(海上危険か戦争危険のいずれであるかを問わず)が船舶の推定全損を承認したとき
ⅴ 船舶保険者(海上危険か戦争危険のいずれであるかを問わず)が、クレームを生じる事故の発生直前の船舶の自由市場における市場価額を超える未修繕損害の支払いを船主に同意したとき
ⅵ 船舶が現実全損又は推定全損とみなされる基準で船舶保険者(海上危険か戦争危険のいずれであるかを問わず)と和解又は精算したとき
ⅶ 管理者が、当該船舶を現実全損、推定全損又は商業上滅失したものとみなす決定を行ったとき
ただし、
a 本約款第29条C項に基づく保険の停止に拘わらず、組合は、本約款及び船舶の加入条件に従い、船舶の現実全損又は推定全損を生じた事故の直接の結果である責任については引続き責任を負う。
b 管理者が本条B項及びC項に列挙する事故の発生後も当該船舶の保険の継続を認める場合は、管理者はその裁量によって保険継続のため適切と考える条件を課すことができる。
D 加入船舶に関して本条のA項乃至C項に特定された事故のいずれかが発生した場合、船主はかかる事故をその日付より1ヶ月以内に書面で管理者に通知をしなければならない。
E 本条A項の理由で船主の保険が停止し、かつ、本条B項又はC項の理由で船主の加入船舶にかかる保険が停止した場合には、第31条A項に従い保険の解除の効果を害することなく、
ⅰ 保険料加入の場合は、船主の責任が第30条により(停止に伴う解除保険料)
合意又は査定された場合を除き、その船主及び承継人はすべてのオーバースピル保険料につき、第22条に従い支払われるべき全ての金額及び他のすべての分担金、保険料その他の金額に対し、
a かかる停止が発生した保険年度に関しては、按分割合、即ちその保険年度の開始日(又は加入船舶が年度途中の加入の場合はその日付)に始まりその停止日の正午で終わる期間に適用される按分金額を支払う責任を負う。ただし、もし船主が本条D項に従いその事故発生の通知を怠ったときは、その期間は管理者がその裁量により決定する後日の正午で停止するものとし、かつ、
b 過年度に関しては、その全期間に引続き責任を負うものとし、かつ、
ⅱ 本約款の他の規定及び加入条件に従い、組合はかかる船主の加入している一切の船舶又は(場合により)かかる加入船舶につき、本条の下で、その停止の日より前に発生したすべてのクレームに対し責任を負うものとする。ただし、いかなる理由にせよその日以降に生ずるものについてはいかなる責任をも負わない。
第30条 保険契約の効力の停止に伴う解除保険料
何らかの理由で組合加入船舶の保険が停止すれば、かかる保険の停止を引き起こした事態が、本約款第17条及び第18条又は第29条A項、B項、C項に列挙する事由のうちのいずれであるかを問わず、管理者は下記の手段をとることができる。
A 当該船舶に係わる予定外保険料につき、船主の支払義務を全部もしくは一部、又は管理者がその裁量によって状況に照らして適切と考える条件の下で、免除すること。
B 本条A項を適用するため交渉が持たれていたか否かに拘わらず、管理者がその裁量によって当該船舶に拘わる予定外保険料及び保険停止日以降に支払義務のある予定保険料に対する保険停止日における船主の責任の推定額を査定し割当てること。
管理者が本条A項又はB項に基づく権限を行使すれば、
ⅰ 管理者が課したすべての条件又は管理者と船主との間で本条A項に従って合意された条件は、管理者が指定した時点で履行されなければならない。
ⅱ 本条B項に基づいて査定された金額は、請求あり次第、割引なしに船主によって支払われるものとする。
ⅲ 船主は、本条A項に基づく免除の日以降、又は本条B項の下でなされた査定の日以降、理事会が決定する予定外保険料、あるいはその日以降に支払義務のある予定保険料の課徴に対する責任を負うことはなく、また船主には、理事会が約款第20条あるいは第25条E項に従って宣言あるいは決定する分担金その他の収入の返還、あるいは予定保険料割引の分配にあずかる権利がない。
第31条 保険契約の解除とその効果
A 船主が組合に支払うべき何らかの金額の全部又は一部の支払いを怠った場合、管理者は7日以上の余裕を以て特定期日までにかかる金額の支払をもとめる書面通知をなすものとする。船主が特定期日以前にかかる金額の全額を支払わないときは、自己又は代理人によって加入された全船舶につき、(船主の保険は当該保険がかかる期日において有効であるか、本条A項、B項もしくはC項又は本約款の他の規定に基づいて既に停止しているかを問わず)更に通知又は手続を要することなく直ちに解除される。
B 船主の保険が、本条A項によって解除された場合、(本第31条の下では以下
一括して「解除日」という)には、
ⅰ 保険料加入の場合、船主の責任が第33条(解除に伴う解除保険料)により別途算定された場合を除き、かかる船主又はその承継人は、オーバースピル保険料に対し第22条により支払われるすべての金額、すべての分担金、保険料その他の金額に対し、
a 解除日が該当する保険年度に関しては、按分計算、即ちその保険年度の開始から(又はその保険年度の中途で加入した船舶の場合は、その加入日から)数えてその解除日までの期間に乗ずるか又は管理者がその裁量で決定し書面で同意する早期の期日までの期間に乗じた按分金額を、そして
b 過保険年度に関してはその全期間に対し、引続き支払う責任を負うものとする。
ⅱ 保険が解除されたすべての船舶について本約款に基づくあらゆるクレームに対する組合の責任は下記により解除日をもって終了するものとする。
a 過年度の保険期間を含め、解除日以前に発生した事故の故にクレームが起きたか又は起きる可能性があるか否かに関係なく、
b かかるクレームが、解除日以後に発生する事故の故に起きるか否かに関係なく、
c 組合がかかるクレームに対し責任を認めていたか弁護士、検査鑑定人そ
の他クレームを取扱う者を任命していたか否かに関係なく、
d 組合が解除日以前にかかるクレームの起きる可能性につき知っていたか否かに関係なく、解除日に遡及して組合のかかるクレームに対する責任は終了し、組合はかかる船主に対しいかなる点においても責任を負うことはない。
ただし、
理事会はその裁量により、分担金、保険料その他の金額の支払い条件に限らずこれらを含め適切と考える条件によって、組合が本条A項又はB項の故に免責となっている船主の加入船舶に係わるクレームの全額又は一部を、かかるクレームが保険の終了日又は解除日以前に起こっていたものか以後に起こるものかを問わず、認めることができ、また組合に支払われるべき分担金、保険料その他の金額の支払いを全部又は一部免除することができる。
第32条 解除の際に約款適用のため組合に支払うべき金額
A 本約款第31条A項又は本約款の他の規定上何等かの金額が支払われるべきか否か(もし支払われるべきならば、いくらか)を決めるに当っては、組合はいかなる根拠に基づくとも、組合から船主に支払われるべき又は支払われるべきものと船主が主張する金額を勘案することはなく、いかなる種類の相殺(船主の破産又は清算以外の理由で起こったかも知れぬ相殺を含む)も(分担金に対する相殺が過去において認められたことがあるか否かに拘わらず)かかる金額に対しては認められない。ただし、管理者が支払いを請求した金額であって、第29条のD項に基づいてなされた通知の中で支払いを求めた金額が(管理者の裁量によって)それ自体既に船主に相殺を認め、又は貸方に計上しているときは、このかぎりでない。
B 本約款第39条の原則の効力を害することなく、組合又はその代理人によるあらゆる種類の作為、不作為、交渉過程、請求の自制、延期、支払猶予も、時間の付与も、又は組合が(明示によると黙示によるとを問わず)クレームの発生が前記の停止日もしくは解除日以前か以後かを問わず、クレームに対する責任を引き受け又は承認することも本約款第28条乃至第33条の効力を害するものではなく、又は組合の同条に基づく権利のいずれをも放棄するものではない。
第33条 解除に伴う解除保険料
A 第31条A項により船主の保険が解除された場合は、かかる解除以前に保険の停止があったとき、その停止以前において管理者が、第30条A項及びB項に記載の権限を行使しなかったか又はしないことに同意をしたか否かに拘わらず、管理者は保険の解除日においてその裁量においてその船舶に関して予定外保険料として見込まれる債務に相当する金額を査定することが出来る。
B 管理者が本条A項に基づく権限を行使したときは、
ⅰ 本条A項に基づいて査定された金額は、請求あり次第割引なしに船主によって支払われるものとし、かつ、
ⅱ 船主は、本条A項の下で与えられた査定の日以降、理事会が決定する予定外保険料、あるいはその日以降に支払義務のある予定保険料の課徴に対する責任を負うことはなく、船主は、理事会が第20条あるいは第25条E項に従って宣言あるいは決定する分担金その他の収入の返還、あるいは予定保険料割引の分配にあずかる権利がない。
第34条 理事会による規制と勧告
A 理事会は随時、一般的、もしくは特定の航路において、又は特定の港もしくは場所において使用するための運送契約の条件もしくは書式を定める規則を作成する権限を有する。かかる規則は、承認された場合は、その作成日時の次の保険年度の開始の時から有効となるよう本約款に組入れられるものとし、すべての船主は自己もしくは代理人によって組合に加入した船舶にこれらの規則が適用されるかぎり、又は船主が従事する航路運航に適用されるかぎり、これに従うものとする。もし船主が規則に違反すれば、理事会は当該船主のクレームを拒否するか又は規則を遵守していれば生じなかったであろう部分を減額し、かつ、当該船主の船舶を継続して組合への加入を認める条件として適切と考える特定条件を課することができる。
B 理事会は随時、特定の航路において特定書式の運送契約を使用するよう勧告することができる。自己の船舶がかかる航路運航に従事しているときは、船主はかかる船舶の契約もしくは航路従事の環境の許すかぎり、適切な運送契約書式の使用に努めるものとする。
C 本条に従って作成されたすべての規則(及び発効する保険年度の始期)と勧
告の明細はすべての船主に直ちに通知され、その写しはかかる規則又は勧告の実施後組合の発行する保険約款内に印刷されるか添付される。
第35条 管理者の報酬
管理者は理事会の承認する基準によって組合から報酬を受けるものとする。
第36条 クレーム
A 本約款の他の規定の効力を害することなく、また本条に基づく組合のいかなる権利も放棄することなく、管理者はいかなる時においても船主に代り適切と考える条件によって、弁護士、検査人その他の者を、船主から組合へのクレーム提起の可能性のある事項を取扱うために任命し、かつ、雇用することができる。この取扱いには、主要事実の調査、助言及びこれに関連する訴訟その他の手続をとり、又は抗弁することが含まれる。管理者はまた適切と考えるときにはいつでもかかる雇用を停止することができる。
B 船主に代って管理者が任命し、又は管理者の事前承認を得て船主が任命した
すべての弁護士、検査人その他の者は、常に船主によって下記のような条件の下で任命、雇用されるか又はされたものとみなされる。すなわち、すべてこれらの者があたかも組合のために行動すべく任命され、また常に組合のために行動していたかのように当該事項について船主に事前に照会することなく、常に
(行動中も、その件から退いた後も)直接助言をし報告すること、また、船主に事前に照会することなく、これらの者が占有し又は支配するいかなる関連書類もしくは情報をも組合に提出するよう指示されていること。
第37条 クレームの取扱い及び決済に関する管理者の権限
A 管理者は自己の意思により、船主が全部もしくは一部をxxし又はxxしていると思われる責任、滅失、損傷に関するクレーム又は法律上もしくはその他の訴訟等の取扱を監督、指揮し、管理者が適切と判断する方法及び条件によって、かかるクレーム又は訴訟を解決し、和解し、処理することを船主に求める権利を有する。
B 本条A項に従い管理者が要請した後、船主がクレーム又は訴訟を解決、和解、
処理しないときは、かかるクレーム又は訴訟についての船主の組合からの最終回収額は、船主が管理者の要請通り行動した場合に回収可能であったと思われる額に制限されるものとする。
C 組合は差押解除金または他の担保を提供することになるクレームに関し船主に代わりそれらを提供する義務はない。ただし一旦提供されたならばそれを管理者が適当と考える条件に従うものとし、かつ組合の責任を容認したものと見
なされるべきではない。差押解除金や他の担保の条項に従って船主はそれから生じるあるいはそれに関連する費用および責任を組合に補償するものとする。ただし、かかる費用および責任がもし船主が直接支出しまたは負担していたならば組合より回収できたであろう範囲は除く。
第38条 メンバー委員会の開催
メンバー委員会は、本約款に従って組合により支払われるクレームの決済のため必要に応じ会合を持ち、またメンバー委員会は、事前にメンバー委員会に照会することなくメンバー委員会が決定できる種類及び限度額のクレームの決済をする権限を管理者に随時与えることができる。メンバー委員会の委員は自己に関係のあるクレームの決済に参加することができないものとする。
第39条 支払いの猶予および返還
A 組合が本約款又は船主との契約の条件を実現するに当っては、作為、不作為、交渉過程、請求の自制、延期もしくは支払猶予も、又は組合が時間を与えることも、すべて本約款の下での、又はかかる契約の下での、組合の権利及び救済方法を害し、影響を与えるものではない。また、かかる事態は組合の上記権限の放棄の証拠として取扱われてはならず、船主による約款違反又は契約違反についての権利放棄は、その後の違反についての権利放棄としての効果をもつものではない。組合は常に、かつ、通知なしに、本約款の厳正な適用と船主との契約の厳格な履行を強要する権利を有する。
B 船主は管理者の意見でその支払いが組合から回収することが出来ない金額で
あるかぎりにおいて、組合が船主の代理人として又は保証人として第三者になした支払い金額を請求があり次第組合に返還しなければならない。
第40条 紛争
A 組合が船主より受取るべき金額の回収のための組合による提訴については、船主は英国高等法院の管轄に服するものとする。前述の権利を侵害することなく、組合が船主より受取るべき金額の回収のための提訴は何れの管轄においても開始し、維持することが出来るものとする。
B 第22条第4項に規定された場合を除き、船主あるいは他のいかなる者と組
合との間に、本約款を巡り、又は船主と組合との契約あるいは組合もしくは船主あるいは他のいかなる者のこれらを巡る権利と義務に関して、何等かの意見
の相違又は紛争が生じたときは、かかる意見の相違又は紛争は、理事会が解決の放棄を選択しない場合にかぎり、まず理事会に付託され解決されるものとし、次に関係船主はその意見の相違又は紛争を、本条C項の規定に従って仲裁に付託する権利を有する。かかる付託及び解決は書面の提出の場合に限る。
C もしかかる意見の相違又は紛争中の関係船主あるいは他のいかなる者が、理事会の判断に不服の場合は、ロンドンにおける二名の仲裁人(一名は組合が指名、一名は船主が指名)とこれら仲裁人によって指名される審判人による仲裁に付託されるものとし、仲裁付託とその全審理は、1996年英国仲裁法及びその改正法又は再制定法の規定に従う。
D 船主あるいは他のいかなる者も、かかる意見の相違又は紛争に関しては、組
合に対し下記の手続を経た後でなければ、いかなる法律行為、訴訟その他の手続もとることができない。すなわち、
ⅰ 意見の相違もしくは紛争が、本条B項に基づいてまず理事会の判断を求めて付託され、理事会がこれに対し判断を下すか、又は本条B項ただし書に従って判断のための付託を放棄されている場合を除き、かつ、
ⅱ かかる船主あるいは他のいかなる者がその判断に不服の場合、又はかかる判断を求める付託が放棄されている場合には、これらの意見の相違もしくは紛争が本条C項規定の仲裁に付託され、その判断が発表されるまで、かつ、
ⅲ その判断が一定額(もしあれば)の支払いを命じるのみのものであり、かつ、
ⅳ 本約款又は組合と船主間の何等かの契約その他の下で当該意見の相違、紛争についての船主に対する組合の義務が、かかる判断の命じた金額を支払うことに限られる旨の確認があるまで、訴訟その他の法律上の手続は許されない。
E 船主あるいは他の者と、管理者又はその使用人、代理人(以下、管理者グループと総称する)の間で、本約款あるいは船主と組合間の契約に関し、または管理者グループもしくは船主いずれかの者の権利または義務について、何らかの相違あるいは紛争が起きた場合は、これらの相違あるいは紛争は、いかなる場合でも、ロンドンにおいて 2 人の仲裁人(ひとりは管理者グループにより選任された者、そして当該船主あるいはその他の者により採用された別の者)による仲裁に付託することとし、さらにこれら仲裁人により審判人を選任し、仲裁の申立てを行なうものする。またこれらすべての手続きは 1996 年英国仲裁法
(The English Arbitration Act 1996)およびその改正法又は再制定法の規定に従うこととする。
第41条 通知
A 本約款の下で組合に提出を必要とする通知その他の書類は、現在の組合の登記事務所宛に代金支払い済の書状のクーリエ、郵送、電報、有・無線電信、テレックス、ファクシミリ通信(ファックス)により送達することができる。
B 本約款の下で船主に提出を必要とする通知その他の書類は、かかる船主宛の代金支払い済の書状のクーリエ、郵送、電報、有・無線電信、テレックス、ファクシミリ通信(ファックス)、電子通信(電子メール)により以下のように送達することができる。
すなわち、
ⅰ 船主から組合に自己宛の組合の通知が送達される場合の宛先として明示されている住所宛。
ⅱ かかる住所が明示されていなかったときは、メンバー登録簿に記載されている住所宛、又は、
ⅲ かかる船主がメンバーでないかもしくはメンバーでなかったときは、管理者の知るかぎり同船主の最後に知られていた住所宛。
共同船主の場合には、かかる通知その他の書類は、上記i号によって住所を届けてある共同船主に送達されるものとし、かかる住所の届出のない場合は、共同船主中の上位者に送達され、かかる送達をもって共同船主全員に対してなされたものとする。このため共同船主中、誰が上位者であるかの判定はメンバー登録簿上の共同船主名義順による。
C クーリエ、郵送による通知その他の書類の送達は、これらが封入された書状がクーリエ配送人に手渡され、又は投函された翌日に送達されたものとみなし、その送達の証明は、通知もしくは書類同封の書状が正しく宛名され、クーリエ配送人に手渡され、又は投函されたことを証すれば足りる。電報、有・無線電信、テレックス、ファクシミリ通信(ファックス)、電子通信(電子メール)による通知その他の書類の送達は、電報局に手渡された日に、又はテレックス、ファクシミリ通信(ファックス)、電子通信(電子メール)の場合は発信日に、送達されたものとみなし、その送達の証明は、これら電信が正しく手渡され、又はテレックス、ファクシミリ通信(ファックス)、電子通信(電子メール)は、通知その他の書類が正しく発信されたことを証すれば足りる。
D 通知あるいはその他書類は、組合のウェブサイト(xxx.xxxxxxx.xxx)を通じて船主あてに送付または提供できるものとし、同ウェブサイトにおいて入手可能であることを船主が電子通信(電子メール)で通知されたとき、それは送達
されたものとみなす。
E 加入船舶の現船主又は元船主の承継人は、かかる船主の最後の住所宛てに通知が送達されたときは、たとえ組合が船主の死亡、不具、精神異常、破産又は清算の通知を受けていたとしても、前述のとおり送達された通知その他の書類によって拘束される。
第42条 契約法
いかなる形態にせよ、組合と船主間の保険契約及び本約款は英国法に準拠し、かつ、解釈されるものとする。
第43条 権限委任
A 本約款によって管理者に権限が与えられ、義務を課され、又は裁量が委任されているときは、かかる権限、義務、裁量は本約款に含まれたあらゆる条件又は制約の下で、管理者中の何人かによって、又は権限委任もしくは再委任がなされている管理者の使用人もしくは代理人によって遂行される。
B 本約款に権限、義務、裁量が理事会に付与されるべき旨が記載されていると
きは、かかる権限、義務、裁量は、基本および付属定款に含まれた委任に関する規定に従って理事会のいずれかの委員会又は管理者又はメンバー委員会に委任されている場合を除き、理事会が行使することができる。権限が委員会又は管理者に委任されている場合は、権限、義務、裁量は、これらが委任されているいかなる人物によっても行使することができる。
第44条 定義
本約款中、以下の目次の左欄に表示の語は、標題又は文脈に抵触する場合を除き、右欄のそれぞれ対応する個所に記載の意味を持つものとする。
申込人としての船主 組合の保険に加入を希望し又はその意思のある船舶
に関し既にメンバーであるか、以後メンバーとなるかの別なく自己又は代理人によって加入申込みがなされたか、なされつつあるか、なされようとする船主、合名船主、個別持分保有船主、共有船主、譲渡抵当権者、受託者、運航者、管理者、xx者、その他の者(再保険を求める保険者は別)を意味する。
定款(Articles) ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・
スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッドの現行の定款
組合(単数) ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッド又は該当する場合、 UK P&IクラブN . V .
組合(複数) ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッド、UK P&IクラブN . V .、及びジ・ユナイテッド・キングドム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシェーション(バミューダ)リミテッド
保険料加入 船主が組合に対し保険料支払い義務を負う条件の保険
保険料(Calls) 本約款第19条乃至第23条に従って加入船舶に
ついて組合に支払うべき金額で予定保険料、予定外保険料及びオーバースピル保険料を含む。
貨物 物品。船主が運送契約を締結する対象となる、何によらず物品を包装もしくは固縛するため使用され、もしくは使用されることを意図された物を含むが、船主が所有又は賃借するコンテナーその他の器具は除く
巨大災害準備金 第24条B項ⅰ号に基づき巨大災害クレームに対
処するため組合が維持する準備金
用船者 用船者は船舶賃借人もしくは裸用船者以外の用船者を意味する。
勘定閉鎖済保険年度 本約款第25条の規定に従って勘定閉鎖した組合
の保険年度
条約上の責任限度額 船舶に関して、オーバースピル · クレームの発生日
における(死亡もしくは人身傷害を含まない)のクレームの1976年の海事債権についての責任の制限に関する国際条約(条約)第6条1項(b)号(ただし 500 トンまでの船舶については、1 トン当たり 334 の計算単位を適用する)に従って計算されるかかる船舶所有者の責任限度額で、組合によりオーバースピル · クレーム発生日における特別引出権から米国ドル換算されたもの
ただし、
(a)船舶のトン数の一部分(当該部分)で加入している場合は、条約上の責任限度額の当該部分と、
(b)条約に反対の規定があるにもかかわらず、各船舶は条約が適用される海上航行船舶とみなされる
理事会 ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッドの現在の理事で構成する理事会あるいは該当する場合は当面の間、UK P&IクラブN . V . の理事会及び / 又は監査委員会
電子商取引システム 電子商取引システムとは、物品の販売および / また
はその海上輸送または一部海上やその他手段による輸送に使用される紙の文書に取って代わる、あるいは取って代わることを意図したシステムであり、権利証書、あるいは所持人に当該物品の引渡しまたは所有権の付与、あるいは、一方の契約当事者の権利義務が第三者へ譲渡できる運送契約を証明するシステムである。定義として「文書」とは、あらゆる記述の情報が記録されるものを意味し、これには、コ
ンピューターまたはその他電子的に生成された情報を含むがこれらに限定されない。
加入船舶 組合の保険に加入している船舶
加入トン数 船舶の加入証明書に加入トン数として登録されたトン建て数字であり、保険料の計算のため使用され、適用可能の場合は本約款第5条B項 ii 号に基づきクレームを制限するため使用され、(a)当該船舶のトン数か(b)当該船舶のトン数の一部か又は(c)当該船舶のトン数を超える数字かに拘わらない
過怠金 違約金その他罰金と同質の賦課金を含む
固定保険料 本約款第9条に従って加入船舶について組合に支払うべき固定保険料
固定保険料加入 船主が組合に対し固定保険料支払い義務を負う条
件での保険
グループ超過再保険 プール協定の当事者によって出再される超過損害
再保険
グループ再保険限度額 グループ超過再保険にてその時々課せられるあら
ゆるタイプのクレーム(油濁事故に係わるクレームを除く)の最高限度額を超えて組合又はプール協定加盟の他の組合が引き起こすクレーム(油濁事故に係わるクレームを除く)で最も低い額
船舶保険 船舶の船体機関に付けられた保険、超過責任保険を含む
保険 あらゆる保険又は再保険
書面による 筆記、印刷、リトグラフ、もしくはこれらのいずれかもしくは全部によって可視的に表現し、又は文言を表徴し複写する何等かの方法
管理者 組合の現在の管理者
メンバー(Member) ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・
スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッドの現在の構成員。
メンバー委員会 メンバー委員会は基本定款と定款に従い構成される。
オーバースピル保険料 オーバースピル · クレームのすべて又は一部を支
払う目的で第22条に基づいて課徴される保険料
オーバースピル ・ クレーム 組合又はプール協定加盟の他の組合の負担する
(油濁事故に係わるクレームを除く)クレームであってグループ再保険限度を超えるか又は超えるおそれのある部分
オーバースピル ・ クレーム発生日 いかなるオーバースピル保険料に関連して、オーバ
ースピル保険料が課徴される、オーバースピル · クレームの原因となる出来事が発生した日時、又は当該出来事が発生した保険年度が第25条C項 i 号及び第25条C項 ii 号の規定に基づき閉鎖されている場合は、組合が第25条C項 iii 号に従い宣言する保険年度のグリニッジ標準時8月20日の正午
船主 加入船舶に関し既にメンバーであるか否かに拘わらず、自己又は代理人によって加入されている船舶の加入証明書又は更改承諾書に記名されている船主、合名船主、個別持分保有船主、共有船主、譲渡抵当権者、受託者、運航者、船舶管理者、x
x者、その他の者(本約款第13条によって再保険を付した保険者を除く)を意味する
保険年度 グリニッジ標準時2月20日正午より翌年のグリニッジ標準時2月20日正午までの一年
プール協定 国際グループとして知られるP&I保険組合間の
1992年11月17日付合意書及びその追加、変更もしくは差換え又は同種もしくは同目的の他の合意書
保険料率 保険に加入したトン当りで合意した料率であり、これによって加入船舶の保険条件に従い組合に保険料が支払われる
保険約款 当初起草され、随時変更され、廃止され、又は付加された本約款で現在実施中のもの
船員 当該船上にいるか否かを問わず、加入船舶上で勤務するため、乗組員協約その他の役務提供契約又は雇用契約の条項の下で、船舶定員の一部として雇用されたあらゆる者(船長および実習生を含む)で、2006年海上労働条約において定義された船員を含む
船舶 (組合に加入し又は加入の申込みをした船舶の意味での)船舶は、船舶、ボート、水中翼船、ホーバークラフト、その他のタイプの舟艇又は(はしけ、バージまたは何らかの推進力を持った同種のものを含むが、以下を除く (a) 油またはガス探査または生産と関連した掘削作業を行う目的でxxあるいは改造されたユニットまたは船舶、(b) 固定プラットフォームまたは固定されたリグ、および (c) 表面効果翼機(Wing-in-ground craft)) または水面上、
水面下、水底もしくは水中を航行その他の目的で使用され又は使用を企図されているものであり、その一部分又はトン数の一部もしくは持分をも意味する
標準運送約款 本約款第2条第17項のただし書(a)にいう約款
法律上の義務 いずれかの国において法律上の強制力をもつ制定法、判例又は規則によって課せられるあらゆる義務、責任又は指示
承継人 「船主」 および「申込み人である船主」に関し前掲のすべての者につき、かつ、何人によらず自己又は代理人により船舶を、保険又は再保険のため組合に加入させている者につき、その相続人、遺言執行者、遺産管理人、最近親者、譲受人(本約款の下で許された場合)、収益管理人、補佐人その他精神異常により財産及び事物の管理不能の故に無能力となった者に代り行為をする権限を与えられた者、破産管財人、清算人その他あらゆる承継者を含む
トン トン数の単位
トン数 当該船舶の登録証明書その他当該船舶の登記に関する何等かの公式書類面に証明されている総登録トン数
*単数のみで表示の語は複数を含み、その反対の場合もある
*男性のみで表示の語は女性を含む
*個人を表示する語は法人を含む
定 款
(2019 年 1 月 17 日 年次総会にて採択)
(2019 年 2 月 20 日 発効)
目 次
(序文) | 第 1 条 | ||
(解釈) | 第 2 条 | ||
(会社) | 第 3 条 | − | 第 4 条 |
(メンバー資格) | 第 5 条 | − | 第 6 条 |
(メンバー資格の終了) | 第 7 条 | ||
(メンバー会議) | 第 8 条 | − | 第 12 条 |
(メンバー会議における投票) | 第 13 条 | − | 第 18 条 |
(メンバー委員会) | 第 19 条 | − | 第 34 条 |
(メンバー委員会の議事録) | 第 35 条 | ||
(理事) | 第 36 条 | − | 第 52 条 |
(理事会の議事録) | 第 53 条 | ||
(理事以外の役員) | 第 54 条 | − | 第 58 条 |
(管理者) | 第 59 条 | − | 第 62 条 |
(分配及び会計) | 第 63 条 | − | 第 65 条 |
(会計監査) | 第 66 条 | − | 第 69 条 |
(通知) | 第 70 条 | − | 第 72 条 |
(定款の変更) | 第 73 条 | ||
(委任状) | 第 74 条 | ||
(補償及び保険) | 第 75 条 | − | 第 77 条 |
(附属書) 委任状書式 |
ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッド
会社番号 00022215
(序文)
第 1 条 以下の規定は、会社の定款を構成し、2008 年会社(標準定款)規則の添付 2 に定める保証有限責任会社の標準定款は、会社に適用しない。
(解釈)
第2条 本定款中、以下の語句は、文脈の許す限り、それぞれの以下の意味を持つ。
「法」(The Acts) は、2006 年英国会社法第 2 条に定める会社法を意味し、随時施行される法律で、会社に適用されるものを意味する。
「会社」(The Company) は、ザ・ユナイテッド・キングダム・ミューチュアル・スティーム・シップ・アシュアランス・アソシエーション(ヨーロッパ)リミテッドを意味する。
「会社(複数)」(The Companies) は、2006 年会社法第 1159 条及びその改正法で意味する範囲内で随時定める会社及び各子会社を意味する。
「メンバー登録簿」(Register of Members) は、会社が保管する現行の会社メンバーの登録簿を意味する。
「破産」(Bankruptcy) は、個人の破産手続きを含む。これは英国及びウェールズ以外の法管轄地域においても同地域と同様の効果を意味する。
「保険約款」(The Rules) は、その時において効力を有する会社の一部又は全部の業務を定める規則を意味する。
「理事会」(Board) は、会社の理事会を意味する。
「理事」(The Directors) は、現在の理事会の構成員を意味する。
「理事長」(Chairman) は、理事会の長を意味する。
「メンバー委員会の委員長」(Chairman of the Members’Committee)は、メンバー委員会の長を意味する。
「副理事長」及び「事務局長」(Deputy Chairman, Secretary) は、かかる職名を持つ会社の役員のみを意味する。
「管理者」(The Managers) は、その時における会社の管理者を意味する。
「メンバー委員会」(Members’Committee)は、会社のメンバーによる委員会であり、
本定款第 19 条に従い、随時構成することができるものを意味する。
「船舶」(Ship) は、(会社に加入し又は加入の申込みをした船舶の意味において)船舶、ボート、ホーバークラフト、その他のタイプの舟艇又は構造物(xx中のこれ等のものを含む)で、水面上、水面下・水底もしくは水中を航行その他の目的で使用され又は使用を企図されているものであり、その一部又はトン数の一部もしくは持分をも意味する。
「トン数」(Tonnage) は、当該船舶の登録証明書その他当該船舶の登記に関する何等
かの公式書類面に証明されている総登録トン数を意味する。
「加入トン数」(Entered Tonnage/Entered Tons) は、船舶の加入証明書に加入トン数として登録されたトン建て数字を意味する。
「トン」(Ton) は、トン数の単位を意味する。
「保険」(Insurance) は、あらゆる保険又は再保険を意味する。
「船主」(Owner) は、加入船舶に関し、会社のメンバーであるか否かに拘わらず、自己又は代理人によって、いずれかの会社に加入している船舶の加入証明書又は更改承諾書に記名されている船主、合名船主、個別持分保有船主、共有船主、譲渡抵当権者、受託者、用船者、運航者、xx者、その他の者(保険約款又はいずれかの会社のルールによって再保険を付した保険者を除く)を意味する。
「準備金」(Reserves) は、理事会が随時創設、維持を決める準備金を意味する。
「年」(Year) は、別段の表示のない限り、暦年を意味する。
「月」(Month) は、歴月を意味する。
「通知」(Notice) は、別段の表示のない限り、書面による通知を意味する。
「できる」(May) は、許容 (permissive) と解する。
「特別決議」(Special Resolution)、(i) メンバーの会議において投票権を有するものによる(本人の出席あるいは代理人による)投票数の 75%以上の挙手により可決した決議、又は (ii) メンバーの会議において当該決議につき出席あるいは委任状による(投票権を有する)メンバーの総投票権数の 75% 以上を示すメンバーによる投票により可決した決議を意味する。
「ものとする」(shall) は、命令 (imperative) と解する。
単数のみで表示の語は複数を含むものとし、その反対もある。男性のみで表示の語は女性および中性を含むものとする。
個人を表示する語は、会社又は組合又は法人組織か非法人組織かを問わず個人の集団をも含むものとする。
「書面による」(in writing) 及び「書証の」(written) は電報、ファクシミリ(ファッ
クス)、その他電子通信を含む、あらゆる形態でxx的に文言を表記、再現し可視的に表現したものを意味する。
語句及び文言は、(a) 現在施行中の法およびこれに対するすべての法改正と同一の意味を持つと共に、(b) 現在施行中の法及びすべての法改正と矛盾しない限り、保険約款中と同一の意味を持つものとする。
(会社)第3条
会社は保証有限責任会社であり、保有株式はない。
第4条
登記する会社所在地は英国とする。
(メンバー資格)第5条
会社は不特定数のメンバーをもって構成するものとする。
第6条
A 自己の名義によると、再保険によるとを問わず、いずれかの会社に保険のため船舶を加入させる船主はすべて、またいずれかの会社により再保険を受ける保険者はすべて、かかる船主名(又は再保険の場合は保険者名)がメンバー登録簿に登録されている限り、また本条 B 項ただし書に従い、会社のメンバーである。
B 本項ただし書に従い、いずれかの会社の保険に船舶の加入を希望する船主、も
しくは自己の船舶が保険者よりいずれかの会社の再保険に申請する対象又はその一部となる船主、あるいはいずれかの会社の再保険を申請する保険者は、まだ会社のメンバーでない場合、その申請にあたり、本定款に従い、かかる加入又は再保険が受理された場合に、会社のメンバーの一員となり、一員であることに同意したものと見なされる。
ただし常に、保険約款に従い、
a 管理者は船主からの申請の受理は、会社のメンバーでなく、またメンバーとならないことを条件として受理されることを求める権利を有し、かつ、
b 管理者の書面による別段の同意のない限り、あるいは保険約款又はいずれかの会社のルールに記載されていない限り、または、再保険の申請をした保険者及び自己の船舶がかかる再保険申請の対象又はその一部である船主は、
いずれも会社のメンバーではなく、またメンバーとなり得ない、しかし、いかなる場合も、すべての船主の保険及びすべての保険者の再保険は、これ等船主又は保険者が会社のメンバーであるか否かを問わず、定款、保険約款、及びいずれかの会社のルール(適用可能な限り)に従うものとする。
C 本定款第 37 条 A 項ⅰ (c) 及び第 37 条 B 項を条件とし、会社のすべての理事並びにメンバー委員会のすべての委員は、すべてその職務にある限り会社のメンバーである。そしてその名義はメンバー登録簿に記載される。
D メンバー資格は譲渡あるいは継承できない。
E メンバー登録簿は、いかなるメンバーの役員にも公開され、発生する経費を個人的に負担すれば閲覧できる。メンバーは登録簿のいかなる内容についてもコピーする権利はない。
F 各メンバーはメンバーである期間について、理事会が随時決定する会費 (membership fee) を支払うものとする。
(メンバー資格の終了)第7条
A メンバーは以下の事実によりその資格を失う。
ⅰ 理事の資格においてメンバーであって、それ以外では資格を有しない者が、理事でなくなった場合、
ⅱ メンバー委員会の委員としての資格においてメンバーであって、それ以外では資格を有しない者が、メンバー委員会の委員でなくなった場合、
ⅲ 個人であるメンバーが、死亡するか、本人に対し財産管理命令が発せられるか、債権者全般と債務整理証書又は和議が成立した場合、
ⅳ 個人であるメンバーが、精神疾患により自身の財産や業務を管理し運営することが困難となった場合、
ⅴ 法人であるメンバーが、解散する場合、
ⅵ 理事でないメンバー又はメンバー委員会の委員ではないメンバーが、自己の名義によると再保険によるとを問わず、いずれかの会社の保険加入の船舶を所有しなくなった場合、
ⅶ 会社に再保険加入している保険者が、いずれかの会社の被再保険者でなくなった場合。
B メンバーであることを辞めるメンバー、およびそれぞれの事情により必要とな
る同人の遺産相続人、最近親者、破産における受託人、管財人、精神疾患によ
り自身の財産や業務を管理し運営することが困難となった者に代り行為をなす権限を与えられた人、あるいは清算人は、かかる終了にかかわらず、終了日後の次の 2 月 20 日までの期間につき、もし同人がメンバーを辞めていなければ定款又は保険約款又はいずれかの会社のルールに基づきいずれかの会社に対して負ったであろう債務の全てを、その会社に支払う責任を継続して負担するものとする。
(メンバー会議)第8条
会社のメンバー総会は、少なくとも毎年一回英国又は他のいずれかの場所において、理事会がその都度設定する日時・場所で開催されるものとする。
第9条
会社の各年次総会の通知は、会社の役員が、総会通知の受領、出席、投票の権利を持つ各メンバーに対し、書面によってなされる。法が許す限り、かかる通知はすべて、日時、場所、議題を記して、総会の開会の少なくとも 14 日前までに送付されるものとする。
ただし常に、
a 会社の理事としての地位の故にメンバーである者、あるいはメンバー委員会の委員としての地位の故にメンバーである者に限り、又は
b 会社の総会の少なくとも 60 日以前にメンバー登録簿に登録された者に限り、総会通知を受領し、(ただしその会議開催時にメンバーであり続けるならば)総会に出席し、(本人あるいは代理人のいずれかにより)投票する権利を有する。また、定款に規定する総会に関するメンバーの権利と義務については、しかるべく解釈されるものとする。
第 10条
理事会、メンバー委員会、あるいは理事会及びメンバー委員会の構成員のうち 2名、あるいは理事長又はメンバー委員会の委員長は、各メンバーに書面により、法が許す限り、少なくとも 14 日の予告通知を送付して、特別総会を招集することができる。かかる総会は、英国又は他の場所において開催され、その通知は総会の日時、場所及び議題を表示するものとする。
第 11条
総会の通知はメンバー委員会の委員及び理事に送らなければならない。定款のその他の条項にもかかわらず、理事会の通知は法に従いウェブサイト上に掲載する
か、あるいは上記ウェブサイトと共に定款が認めるその他の方法により送達することができる。通知を受領する権利のある者に対し、偶発的な通知不送達や未受領が生じた場合でも、総会の手続きは無効とはならない。
第 12条
メンバー総会、理事会の会議、メンバー委員会の会議、理事の委員会会議、あるいはメンバー委員会の委員会会議における議長は、定足数の出席のある限り、出席者の多数決による同意の下にそしてその旨指示された場合は、会議を他の日時、場所に延会することができる。ただし、延期が行われた会議において未決裁であった事項以外は、その後のいかなる延長会議においても処理されてはならない。
(メンバー会議における投票)第 13条
会社のメンバー本人又は代理人による 5 人の出席をもって、あらゆるメンバー総会の定足数とする。
第 14条
会議開始時間より 30 分以内に定足数の出席がない場合には、本定款第 10 条に従い総会を招集できる者の判断する会議を他の日時、場所に延期することができる。また、その延期された会議において会議開始より 15 分以内に定足数の出席がない場合には、本人又は代理人による出席を持って定足数とする。しかし、その場合定足数は少なくとも 2 名以上の議決権保有者により構成されなければいけない。
第 15条
A (電子通信ではなく)書面により指名する場合、代理人を指名する文書は、指名者又はその委任代理人の手により署名されることを要し、もしかかる指名者が法人であるときは、その役員の一員あるいは署名権者が法人を代表して署名するものとする。
B 電子通信により指名する場合、理事会がその時々により指定する方法で指名が
なされたことを認証する手続きに従うものとする。ただし、理事会がこの方法で指名する手続きを特定しない場合は、電子通信による指名をしない。
C 代理人を指名する文書は、常に本定款第 74 条に従って、本定款付属の目録に
ある書式によるものとする。代理人に指名される者は必ずしもメンバーであることを要しない。
第 16条
A 代理人を指名する文書が書面で(電子通信による方法でなく)作成された場合は、(I) これによって指名された代理人が投票しようとする会議、又はときにより、延期された会議の開催の少なくとも 48 時間以上前に、あるいは (ii) 投票が請求された後 48 時間を越えて行われる投票の場合は、投票しようとする時間の少なくとも 24 時間以上前に、事務局長に預けなければならない。
B 代理人指名が電子通信で行われ、下記の文書に電子通信の受信アドレスが指定
された場合、
ⅰ 会議の招集通知、あるいは
ⅱ 会議に関して会社が送付した代理人指名文書、あるいは
ⅲ 会議に関して会社が作成した代理人指名のための電子通信による案内状電子通信は、
(i) 指名された代理人が投票しようとする会議、又は延長会議の少なくとも開催 48 時間前に、あるいは (ii) 投票依頼後 48 時間以上経過してから投票する場合には、投票しようとする時間の少なくとも 24 時間以上前に、上記アドレスにおいて受信しなければならない。電子通信における「アドレス」は通信用に使用される数字及び宛先を含む。
定款が認める方法で預託、送達あるいは受理されない代理人の指名は、議長がその裁量において、その指名に関する関連要件を免除し、これを有効とすると判断しない限り、無効とする。
第 17条
A 会社の総会において討議のためメンバーが提起した問題は、本定款に別段の規定がない限り、すべてメンバー本人の出席又は代理人による多数票によって決定されるものとする。かかる問題は、会議の議長による、もしくは少なくとも 5 名のメンバー本人の出席又は代理人による投票請求がある場合を除き、挙手によって決定される。総会において、議案が投票によって決定される場合を除き、当該会議の議長が、決議案が可決されたことを宣言し、会議の議事録にその旨が記録されれば、それが事実であることを証するに足るものとなる。挙手によると投票によるとに係わらず、投票数が同数であるときは、議長は動議支持者又は決定投票者となる。
B 本定款第 21 条 C(iii) 項に従い、メンバー委員会の委員を選出するか、又は本定款第 37 条 D(iii) 項に従い理事を選出するための無記名投票は、メンバー委員会又は理事会が、適用できる限り、随時定める方法及び日時によって行うも
のとし、郵送による無記名あるいはその他のいかなる方法も可能である。ただし、かかる無記名投票において一メンバーは、候補者に対して空席以上の数の投票はしない。また一メンバーが投票する対象の各候補について、メンバーが通常の投票に際して保有していたであろう投票数と同一の投票権を有する。かかる無記名投票の結果は公表され、会社の総会の不可欠部分とみなされる。
Cⅰ 挙手による場合は、メンバーはすべて一票を有する。
ⅱ 投票による場合は、メンバーは以下の (a) 項乃至(c) 項に規定する票数を有し、資格のある場合は各項に基づく複数の投票をなすことができる。
a 本定款第 6 条 C 項によってメンバーの資格を有する(メンバー委員会の委員及び理事であることによってメンバーの資格を有する場合を含み)理事及び / 又はメンバー委員会の委員 ― 1 票
b メンバーがその名において一船舶又は複数船舶を、これにつき固定保険料の支払義務を負うことを条件としていずれかの会社にxxしている場合の船主 ― 1 票
c メンバーがその名において一船舶又は複数船舶を、(保険約款又は他方の会社のルールで定義する)保険料の支払義務を負うことを条件としていずれかの会社にxxしている場合のメンバーの、
ⅰ 加入総登録トン数1,500トン以上の各船につき ― 1 票、あるいは、
ⅱ その他の加入総登録トン数 1,500 トン未満の船舶 ― これ等船舶の隻数に関係なく 1 票のみ
ただし常に、
いずれかの会社に再保険を付している保険者は、本定款の如何なる条項においても投票する権利はないものとする。
D 複数人が同一船舶につきいずれかの会社に共同加入していることを事由にメン
バーである場合、(当該船舶の所有者として)一メンバーのみが通知を受け、総会にメンバー本人又は代理人による出席をし投票することができる。これ等メンバー間に協定のないときは、関係の加入証明書中の筆頭名義人が通知を受け、総会にメンバー本人又は代理人による出席をし投票することができる。
第 18条
メンバーは、理事会により別段の決定がある場合を除き、会社に支払うべき金額をすべて支払わない限り、メンバー本人の出席によると代理人の出席によるとに係わらず、総会において投票する権利はなく、メンバーとしての権利を履行することはできない。
(メンバー委員会)第 19条
会社のメンバーは特別決議によりメンバー委員会を構成することができる。メンバー委員会の最初の委員は特別決議により選出される。メンバーは、メンバー委員会の権限、義務、裁量権及び責任を決定し、特別決議によりメンバー委員会を解散することができる。
第 20条
メンバー委員会の総数は、会社のメンバーが随時定めるところにより、20 名を下回ることなく、45 名を上回ることはない。
第 21条
A 年齢が 70 歳に達しない者は、いずれかの会社に保険加入する 10,000 総登録トン以上の一船舶又は複数船舶の船主又は代理人である法人の所有者もしくは代理人又は役員、あるいは執行権限を付与されて雇用された者のいずれかであれば、メンバー委員会の委員に指名され、選出され又は再選される資格を有する。
B クラブ管理者及びその雇用者のいずれも、メンバー委員会の委員として指名あ
るいは選出されることはできない。
Cⅰ 各年次総会において、前回の選出又は再選 ( あるいは、該当ある場合、会社の子会社のメンバー委員会の委員として前回の選出又は再選 ) から3年を経過したメンバー委員会の委員は退任するものとする。本定款において「年」とは会社の年次総会から次の年次総会までの期間とする。
ⅱ 本定款第 21 条Cⅰ項に従い退任し、本定款第 21 条 A 項により適格とされるメンバー委員会の委員は、再選されることができる。
ⅲ 前述の手続きによりメンバー委員会の委員が退任する会議において、会社は有資格者を選出することによって空席を埋めることができ、これが履行できない場合はメンバー委員会の退任した委員が、再任を申出れば再選されたものとみなす。ただし、かかる会議において空席を満たさないことを明確に決議した場合、又はメンバー委員会の委員を再選する決議案が否決された場合はその限りでない。メンバー委員会の委員の職に空席以上の候補者がいる場合、選出すべき者は、本定款第 17 条 B 項の規定に従い、無記名投票により選出する。
ⅳ 会議において退任するメンバー委員会の委員以外は、いかなる総会においても、その総会の日より遅くとも 60 日前までに会社の登録事務所宛に下記の通知が通達されない限り、メンバー委員会の委員に選出される資格がない。
a)少なくとも会社のメンバー 5 名により署名された推薦状であって、その誰もが推薦状に名のある会社のその他メンバー自身又はその代理人によりいずれかの会社に保険加入している船舶について、何等の商業上、所有権上又は業務上の利害関係を持つことなく、かつ各人は選挙のためかかる人物を推薦する意向のある会議に出席し投票する正当な資格のあること、及び
b)当該人物が選出に応じる旨を署名した通知状
ⅴ メンバー委員会は、メンバー委員会の空席を埋めるため、適任者を、時に応じて随時任命する権限を有し、メンバー委員会の存続委員は欠員数に係わらず行為をなすことができるが、存続委員数が 20 名を下回った場合は、存続委員は直ちにメンバー委員会の存続委員数を最低 20 名に回復するため充足数の人数を指名しなければならない。
この場合指名されたメンバー委員会の委員は次回の年次総会までの期間のみその職務を行うものとする。ただし常に、同人は本定款第 21 条A 項に基づき職務に就く資格を保持している限りにおいて再選されることができる。
第 22条
メンバー委員会は、メンバー委員会が適切と考える場合は、メンバー委員会が構成する委員会及び(メンバー委員会以外の)その他の者で構成される委員会に権限を委任することができるが、かかる委員会はメンバー委員会の指示に従わなければならない。
第 23条
メンバー委員会は、随時管理者に、本定款または保険約款またはいずれかの会社のルールによって、いずれの場合にもメンバー委員会に付与された権限、義務又は裁量権を、適当と思うところに従い委任することができる。かかる権限、義務、及び裁量権は、メンバー委員会が決定する期間、条件及び制限に従って行使できるものとし、メンバー委員会はいつでもかかる委任を撤回できる。
ただし、本定款に記載されたいかなる条項も、以下についてはメンバー委員会はその権限、義務及び裁量権を管理者に委任できない。すなわち、
A 本定款第 28 条により授権されているもの、あるいは、
B メンバー委員会の会議又はメンバー委員会内の委員会又はその議事進行に関するもの
従って、
ⅰ)メンバー委員会の委員は随時また時に応じ管理者に対する書面通知によって
上記の通りかかる委任、条件、条項及び制限を撤回又は変更することができ、また
ⅱ)本定款に記載されたいかなる条項も、上記の委任も、管理者を会社のメンバー委員会の委員にするものではない。
第 24条
A 本第 24 条は法及び保険約款の規定に従う。
B メンバー委員会の委員は、
ⅰ 会社との間の、あるいは会社が利害関係を持つ取引又は取決めの当事者あるいは、直接的又は間接的な利害関係者となり得る。
ⅱ 会社が利害関係を持つ法人の理事、あるいはその他役員、被雇用者、あるいは取引又は取決めの当事者、あるいは直接的、間接的な利害関係者となり得る。
また、メンバー委員会の委員が提示した決議案がかかる取引、取決め、役職あるいは雇用に関連する場合であっても、当該委員は定足数及び投票のための決定手続きに参加した者として算入される。
C 本第24条は、メンバー委員会の委員が、法に基づく理事としての義務に従い、自身の持つ利害関係の性質や程度について申告することを条件とする。
D 次の事柄は、利害関係とはみなさないものとする。
ⅰ メンバー委員会の委員が認識しておらず、認識しているとすることが合理的でない利害関係、あるいは当人が認識しておらず、認識しているとすることが合理的でない取引又は取決めにおける利害関係
ⅱ 他のメンバー委員会の委員が認識しているか、あるいは認識しているべきと合理的に考えられる利害関係、ただし彼らがかかる利害関係について認識している、あるいは認識しているべきと合理的に考えられる程度に限る、
ⅲ 利害の対立を引起こすと合理的に考えられない利害関係および
ⅳ その利害関係が、メンバー委員会の会議、あるいはメンバー委員会が指定した委員会により検討された、あるいは検討される予定の当人との委任契約中の条件を含むと考えられた、あるいは考えられると思われる場合の利害関係
第 25条
A 保険約款の規定に従い、メンバー委員会は、法の許す限りにおいて、直接的あるいは間接的に会社と利益が対立する、あるいは対立する可能性のある状況で、かつ、利害の対立を生じるものと合理的にみなされる状況を避けるため、本来
であればメンバー委員会の委員としての義務に違反する結果となるであろう事柄についても、メンバー委員会は承認することができる。
B 本第 25 条 A 項の下でメンバー委員会が付与した承認は、メンバー委員会が適
切と考える条件を前提とする。またメンバー委員会はいつでも、その承認を修正し又は取消すことができる。
C 本第 25 条 A 項の下で承認される決定事項はメンバー委員会の会議において、
あるいは本定款第 33 条に従い、当該事項にかかる投票権を付与されたメンバー委員会の委員の決議によりなすことができる。ただしその決定は下記の場合にのみ有効となる。
ⅰ 当該事項を審議する会議の定足数が、審議対象であるメンバー委員会の当該委員、あるいはその他利害関係を有するメンバー委員会の委員を除いても満たされる場合、及び
ⅱ 利害関係を有するメンバー委員会が投票せずとも審議事項が合意された場合、あるいは利害関係のあるメンバー委員会の委員の投票を数えなかったとしても合意されたであうと考えられる場合、
D 本第 25 条の規定は、メンバー委員会の委員と会社の間の取引あるいは又は取決めに関連して生ずるいかなる利害の対立にも適用されない。本定款第 24 条は、かかる取引あるいは取決めに関するメンバー委員会の委員の利害関係に適用する。
第 26条
A 本定款第 25 条 A 項の下でメンバー委員会が一定の事項を承認した場合、あるいは対象事項に本定款第 24 条が適用される場合、メンバー委員会はその承認を行う時点で又はその後いつでも、利害関係のあるメンバー委員会の委員について下記の事柄を(制限なく)定めることができる。
ⅰ (メンバー委員会あるいはその他会議にかかわらず)当該事項に関連する審議から除外すること
ⅱ 当該事項に関連する書類やその他情報を渡さないこと、あるいは
ⅲ 定足数及び投票権の双方の目的で、今後開かれるメンバー委員会会議において、当該事項について、定足数に入れるか否か、投票権を付与するか否か。
B 本定款第 25 条 A 項の下でメンバー委員会が一定の事項を承認した場合、ある
いは対象事項に本本定款第 24 条が適用される場合、(ただし、本定款第 24 条 C 項に従い、メンバー委員会の委員が自身の役職、雇用、取引または取決めに関する自己の利害関係の性質と程度について、申告することを条件とする)。
その場合、利害関係のあるメンバー委員会の委員は、
ⅰ もし、当該事項に関連して自己が負っている守秘義務に違反する結果となるような場合には、当該事項に関する内密の情報を、会社に対する開示も、会社の利益のために使用することも求められない。
ⅱ 当該事項を審議するメンバー委員会の会議に欠席することができる。さらに、
ⅲ 当該事項に関する文書及び情報を受け取らないこととするか、あるいはメンバー委員会の当該委員に代わり専門家が当該文書及び情報を受領して読むかについて、当人が適当であると考える通りにすることができる。
C 本定款第 26 条 B 項は、本来なら情報開示が求められる状況において、メンバー委員会の委員の情報開示を免除することができる現行法又はxx法上の原則があれば、これを制限するものではない。あるいは本来会議への出席や文書を受理し読むことが求められる状況においても、これらを免除する現行法又はxx法上の原則があれば、これを制限するものではない。
D 本定款第 25 条 A 項の下でメンバー委員会が一定の事項を承認した場合、ある
いは対象事項に本定款第 24 条が適用される場合、当該事項に利害関係のあるメンバー委員会の委員は、
ⅰ 当該事柄に関連してメンバー委員会により課された条件に従い行動する義務を有する。
また
ⅱ メンバー委員会の当該委員が理事である場合、もし当人が承認に関してメンバー委員会に課されたいかなる条件、制限及び前提(もしあれば)に従う場合で、本定款第 24 条 C 項の下で求められる開示を行うのであれば、2006 年会社法の第 171 条及び第 177 条にしたがって会社に対して負っている当該委員のいかなる義務に違反しない。
E 本定款第 25 条A 項の対象となる事項についてメンバー委員会が承認した場合、あるいは対象事項に本定款第 24 条が該当する取引または取決めに関する場合、
(ただし、メンバー委員会の委員が、本定款第 24 条 C 項に従い自身の役職、雇用、取引あるいは取決めに関する利害関係の性質及び程度について申告する限りにおいて)
ⅰ 利害関係のあるメンバー委員会の委員は、当該事柄から得た利益について、会社に対し説明責任を負わない。
ⅱ もしメンバー委員会の委員が理事である場合、当該利益の授受は、2006 年会社法第 176 条に基く義務違反となるものではない。また、
ⅲ これらの取引又は取決めは、その利害関係又は利益を根拠に、退けられることはない。
第 27条
メンバー委員会の委員は、(監査人を除き)自己又はその事務所の専門資格を以って会社のために行動することができ、自己又はその事務所は、メンバー委員会の委員でない者として、その専門サービスに対して報酬を得る権利を有する。
第 28条
メンバー委員会の委員の報酬は、会社が総会においてその時々にメンバー委員会の委員に対して決議した額(もしあれば)とし、かかる金額は(決議によって別段の決定がなされない限り)総会の決議に従って委員間で分配されるものとし、決議が成立しないときは均等に分配される。メンバー委員会の委員の報酬は一日毎に生じるものとみなされる。
第 29条
メンバー委員会の委員はまた、会社のメンバー委員会の会議、又はメンバー委員会の委員会又は会社の総会への出席及びこれらの会議からの帰路に正当に要した、あるいはその他会社の業務に関して要した旅費、宿泊費その他の費用の全額の支払いを受ける権利を有する。
第 30条
メンバー委員会の業務執行に必要な定足数は5名とする。メンバー委員会の委員は、メンバー委員会の会議あるいは委員会に、電話会議あるいは出席者全員が交信可能な通信機器を用いることにより、参加することができる。 かかる参加者は会議に出席したものと判断され、投票権が与えられ、しかるべく定足数と数えられる。別段の合意のない限り、かかる会議は出席者多数グループが集合する場所で行われるものとみなし、もしかかるグループがない場合はメンバー委員会の委員長が出席する場所で行われるものとみなす。
第 31条
メンバー委員会のあらゆる会議において提起される問題は出席する投票権者の過半数によって決定される。メンバー委員会の委員は、随時一名のメンバー委員会の委員を、メンバー委員会の委員長として指名することができ、可否同数のときは、メンバー委員会の委員長は第二の投票又は決定投票を行う。
第 32条
メンバー委員会のいずれかの委員の要求があるときは、事務局長あるいは一委員は、いつでもメンバー委員会を招集することができる。メンバー委員会の招集通
知は、電話その他の方法によってなすことができる。
第 33条
メンバー委員会の全委員が署名した文書による決議は、あたかも正当に招集され成立したメンバー委員会のの会議で可決されたかの如く、適法かつ有効なものとする。
第 34条
A メンバー委員会の委員は、以下の場合直ちにその職を辞するものとする。
ⅰ 本定款第 21 条に定める任命、選出又は再選に適格でなくなった場合、あるいは、
ⅱ 会社に書面で辞任を通知した場合
B 法に別段の定めがある場合を除き、本定款に従って招集し開催する特別又は年次総会において、クラブ・メンバーはメンバー委員会の委員を解任することができる。かかる会議の通知にはその旨の趣意書が含まれることを要し、かかる会議においてはメンバー委員会の当該委員はその件につき審問を受ける権利を有する。本定款は、メンバー委員会の委員又は他の役職の終了に関連して当人に支払われ得る補償又は損害賠償の権利を当人から剥奪する効力を有しない。本定款に基づくメンバー委員会の一委員の解任により生じる空席は、当該委員が解任される会議において委員の選挙によって充足され、かかる選挙が実施されない場合は、本定款第 21 条 C 項 (v) に従って満たされるべき空席があるものとみなす。
(メンバー委員会の議事録)第 35条
メンバー委員会の委員は以下の目的のために議事録を正しく作成させるものとする。
A 理事のすべての選挙及び任命
B メンバー委員会の各会議及びあらゆる委員会に出席した委員の氏名
C メンバー委員会及びメンバー委員会の委員会によるすべての指令、及び
D 各メンバー委員会またはメンバー委員会の各委員会の各会議のすべての決議事項及び議事進行経過。
(理事)第 36条
理事の人数は、メンバー委員会(またはメンバー委員会がない場合は、会社のメンバー)が随時定めるところにより 8 名を下回ることなく 16 名を上回ることはない。
第 37条
Aⅰ 年齢が 70 歳に達しない者は、理事に指名され、選出され又は再選される資格を有する。ただし、その者が⒜メンバー委員会の委員であるか、あるいは
⒝もしメンバー委員会がない場合は、いずれかの会社に保険加入する契約トン数 10,000 総トン以上の一船舶又は複数船舶の船主又は代理人である法人の所有者又は代理人又は役員、あるいは執行権限を付与された被雇用者であるか、あるいは、⒞メンバー委員会及び / 又は理事会が適任と考えるその他の者のいずれかとし、本定款第 37 条 A 項 i ⒞に従って指名された理事はメンバーにはならない。
ⅱ 70 歳に達したことのみを理由として、第 37 条 A 項 i(c)の下で、資格を有さない者は、メンバー委員会及び / 又は理事会が、その者が会社の利益になると考える場合、(また、その限りにおいて)、理事として選任されることができる。
B 加えて、管理者の役員は 2 人まで理事に指名される権利があるものとし、指名された理事はメンバーとはならない。
C メンバー委員会がある場合は、
ⅰ メンバー委員会は、その意志を有する適任の人物を理事に指名することができる。また、
ⅱ 理事会及びメンバー委員会は、理事会の空席を満たすため、適任者を時に応じて随時任命する権限を有し、存続理事欠員数に拘わらず行為をなすことができるが、存続理事が 8 名を下回った場合には、存続理事あるいはメンバー
委員会は直ちに最低 8 名の存続理事の人数を回復するため充足数の人物を指名しなければならない。(メンバー委員会によるのではなく)理事会により指名された理事は、次回のメンバー委員会の会議までの期間のみその職務を行うものとし、同人は本定款第 37 条 A 項あるいは本定款第 37 条 B 項に基づき職務に就く資格を保持している限りにおいてメンバー委員会により再選される資格を持つ。
D メンバー委員会がない場合は、
ⅰ 各年次総会において、前回の選出又は再選から 3 年を経過した理事は退任するものとする。本定款において「年」とは会社の年次総会から次の年次総会までの期間とする。
ⅱ 本定款第 37 条 D ⒤項に従い退任し、本定款第 37 条 A 項又は第 37 条 B 項により適格とされる理事は、再選されることができる。
ⅲ 前述の手続きにより理事が退任する会議において、会社のメンバーは有資格者を選出することによってその空席を満たすことができ、これが履行できない場合は、退任理事が再選を申し出れば再選されたものとみなす。ただし、かかる会議において、空席を満たさないことを明確に決議した場合、又はかかる理事を再選する決議案が否決された場合はこの限りでない。理事職の空席以上の候補者がいる場合、選任するべき者は、本定款第 17 条 B 項の規定に従い無記名投票により選出する。
iv 会議において退任する理事以外は、いかなる総会においても、その総会の日より遅くとも 60 日前に会社の登録事務所宛に下記の通知が送達されない限り、総会において理事職に選出される資格がない。
a 少なくとも会社のメンバー 5 名により署名された推薦状であって、その誰もが推薦状にその名のある他のメンバー又はその代理人によりいずれかの会社に保険加入している船舶について、何等の商業上、所有権上又は業務上の利害関係を持つことなく、かつ推薦人たるメンバーは各々選挙のためかかる人物を推薦する意向のある会議に出席し投票する正当な資格のあること、及び
b 当該人物が選出に応じる旨を署名した通知状
v 理事は、理事会の空席を埋めるため、適任者を時に応じて随時任命する権限を有し、存続理事欠員数に拘わらず行為をなすことができるが、存続理事が 8 名を下回った場合には、存続理事は直ちに最低 8 名の存続理事の人数を回復するため充足数の人物を指名しなければならない。理事会により指名された理事は、次回の年次総会までの期間のみその職務を行うものとし、同人は本定款第 37 条 A 項あるいは本定款第 37 条 B 項に基づき職務に就く資格を保持している限りにおいて再選されることができる。
第 38条
A 会社の業務は、理事によって運営される。理事は、会社の設立及び法人格取得に要する一切の費用を支払うことができ、本定款または保険約款により授権された権限またはその他明示的に付与された権限に加えて、会社が行使又は実行
でき、本定款または制定法により、明示的に、会社が総会において行使すべきものとされていない権限を行使し、行為及び事項を実行することができるが、制定法、本定款及び保険約款の規定による。会社の本定款の規定に従い、会社の業務は、会社が総会において適宜採択する保険約款に従って執行されなければならない。会社はいつでも、総会において保険約款を変更、廃止または追加することができる。
B 上記の一般原則を損なうことなく、理事会は、会社の全権限を行使することができ、借入れをなし、会社の事業および財産の全部又は一部に抵当権を設定し、もしくはそれらを担保に供し、または社債その他の債権を発行することができる。
第 39条
理事は、会社の事務について全般的に監督しなければならない。理事はまた、会社の帳簿を正確に維持し、会社の全ての金銭及び証券を安全に保管する責任を負う。監査人の請求があれば、帳簿、計算書および証票類を監査人に提出し、監査人が義務を履行するのに必要な情報及び説明を提供しなければならない。
第 40条
理事は、その権限を 2 名以上の理事で構成する委員会、及び理事が適切と考えるその他の者(理事以外)に委任することができる。ただし、かかる委員会は理事の指示に従わなければならない。
第 41条
理事は、いつでも、管理者に対して、保険約款又は他の子会社のルールによって理事に付与されている権限、義務又は裁量権のうち、適当と思うものを委任することができる。かかる権限、義務及び裁量権は、理事が決定する期間、条件及び制限に従って行使できるものとし、理事は、いつでも、かかる委任を撤回できる。ただし、本定款に記載されたいかなる条項も、以下については、理事はその権限、義務又は裁量権を管理者に委任することができない。すなわち、
A 法律により理事が自ら遂行使することを要するもの、あるいは、
B 総会および総会における議事進行に関するもの、あるいは、
C 本定款第 38 条 B 項又は第 48 条によって授権されているもの、あるいは、
D 理事会又は委員会、およびその議事進行に関するもの、あるいは、
E 管理者又は事務局長の任命に関するもの、あるいは、
F 準備金、会計および総会の通知に関するもの、
(i) 理事は随時また時に応じ、管理者に対する書面通知によって上記の通りかか
る委任、条件、条項及び制限を撤回又は変更することができ、また
(ii) 本定款に含まれた以上の条項及び上記の委任は、管理者を会社の理事にするものではない。
第 42条
A 本定款第 42 条は、会社法および保険約款の規定に従う。
B 理事は、
ⅰ 会社との間の、あるいは会社が利害関係を持つ取引又は取決めの当事者、あるいは直接的または間接的な利害関係者となり得る。また、
ⅱ 会社が利害関係を持つ法人の理事、あるいはその他役員、被雇用者、あるいは取引又は取決めの当事者あるいは直接的、間接的な利害関係者となり得る。
また、提議された理事会決議案がかかる取引、取決め、役職あるいは雇用に関連する場合であっても、当該理事は定足数及び投票のための決定手続きに参加した者として算入される。
C 本定款第 42 条第 B 項は、法に従い、当該理事が自身の持つ利害関係の性質や程度について申告を行うことを条件とする。
D 次の事柄は、利害関係とはみなさないものとする。
ⅰ 理事が認識しておらず、認識しているとすることが合理的でない利害関係、あるいは、理事が認識しておらず、認識しているとすることが合理的でない取引又は取決めにおける利害関係。
ⅱ 他の理事が認識しているか、あるいは、認識しているべきと合理的に考えられる利害関係、ただし、他の理事がかかる利害関係について認識している、あるいは、認識しているべきと合理的に考えられる程度に限る。
ⅲ 利害の対立を引起こすと合理的に考えられない利害関係。また、
ⅳ 理事会または正式に任命された理事の委員会において検討されたか、あるいは、検討されるであろう、理事の委任契約中の条件が利害関係に含まれる場合、あるいは、含まれる程度においての利害関係。
第 43条
A 保険約款の規定に従い、法の許す限りにおいて、直接的あるいは間接的に会社と利害が対立する、あるいは、対立する可能性のある状況で、かつ、利害の対立を生じるものと合理的にみなされる状況を避けるため、本来であれば理事としての義務に違反する結果となるであろう事柄についても、理事会は承認することができる。
B 本定款第 43 条 A 項に基づく理事会の承認は、理事会が適切と考える条件を前