一方で、相次ぐ災害を受け「地域の守り手」としての建設業への期待、働き方改革促進による建設業の長時間労働の是正、i-Construction の推進等による生産性の向上など、新たな課題や引き続き取り組むべき課題も存在する。
施設工事請負契約における設計変更ガイドライン
令和3年10月
中日本高速道路株式会社
ガイドラインに示す契約条項については、令和2年4月改正の工事請負契約書の契約条項を示す。令和2年4月改正前の工事請負契約書を適用している工事については、改正前の契約条項に読替えられたい。
目 次
【巻末資料】
① 設計図書の照査項目一覧表 40
② 設計変更に関する判断事例 45
平成 26 年に品確法と建設業法・入xxを一体として改正(※)し、適正な利潤を確保できるよう予定価格を適正に設定することや、ダンピング対策を徹底することなど、建設業の担い手の中長期的な育成・確保のための基本理念や具体的措置が規定された。(「担い手3法」)。この「担い手3法」の施行により、 予定価格の適正な設定、歩切りの根絶、ダンピング対策の強化など、5年間で様々な成果が見られた。
一方で、相次ぐ災害を受け「地域の守り手」としての建設業への期待、働き方改革促進による建設業の長時間労働の是正、i-Construction の推進等による生産性の向上など、新たな課題や引き続き取り組むべき課題も存在する。
今回、新たな課題に対応し、5年間の成果をさらに充実するため、「新・担い手3法」として、令和元年6月14日に再び品確法と建設業法・入xxの改正が行われた。
※担い手三法(公共工事の品質確保の促進に関する法律、建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)
この品確法に規定される「発注者の責務」を踏まえ、働き方改革の推進、生産性向上への取組、災害時の緊急対応の充実強化、持続可能な事業環境の確保、調査・設計の品質確保等の重要課題を十分認識のうえ業務に取り組む必要がある。
公共工事の品質確保の促進に関する法律(抜粋)
(平成17年法律第18号・令和元年6月14日一部改正)
【基本理念】第三条
1 公共工事の品質は、公共工事が現在及び将来における国民生活及び経済活動の基盤となる社会資本を整備するものとして社会経済上重要な意義を有することに鑑み、国及び地方公共団体並びに公共工事等(公共工事及び公共工事に関する調整等をいう。以下同じ。)の発注者及び受注者がそれぞれの役割を果たすことにより、現在及び将来の国民のために確保されなければならない。
【発注者の責務】第七条
発注者は、基本理念にのっとり、現在及び将来の公共工事の品質が確保されるよう、公共工事の品質確保の担い手の中長期的な育成及び確保に配慮しつつ、公共工事等の仕様書及び設計書の作成、予定価格の作成、入札及び契約の方法の選択、契約相手先の決定、工事等の監督及び検査並びに工事等の実施中及び完了時の施工状況又は調査等の状況(以下「施工状況等」という。)の確認及び評価その他の事務(以下「発注関係事務」という。)を、次に定めるところによる等適切に実施しなければならない。
一 公共工事等を実施する者が、公共工事の品質確保の担い手が中長期的に育成され及び確保されるための適正な利潤を確保することができるよう、適切に作成された仕様書及び設計書に基づき、経済社会情勢の変化を勘案し、市場における労務及び資材等の取引価格、健康保険法等の定めるところにより事業主が納付義務を負う保険料、公共工事等に従事する者の業務上の負傷等に対する補償に必要な金額を担保するための保険契約の保険料、工期等、公共工事等の実施の実態等を的確に反映した積算を行うことにより、予定価格を適正に定めること。
七 設計図書(仕様書、設計書及び図面をいう。以下この号において同じ。)に適切に施工条件又は調査等の実施の条件を明示するとともに、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合、設計図書に示されていない施工条件又は調査等の実施の条件について予期することができない特別な状態が生じた場合その他の場合において必要があると認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金の額又は工期等の変更を行うこと。この場合において、工期等が翌年度にわたることとなったときは、繰越明許費の活用その他の必要な措置を適切に講ずること。
施設請負工事の特徴
施設(建築、機械設備、電気通信設備)工事は、個別に設計された極めて多岐にわたる目的物を、多種多様な自然条件・環境条件・関連工事・関連事業との調整の下で施工されるという特殊性を有している。
このため、工事の進捗と共に、当初発注時に予見できない事態(たとえば地質・湧水等の変化)が起こりうることから、あらかじめ発注者が考える設計内容の前提条件を明示し、円滑な設計変更に備える必要がある。
設計変更の現状
契約図書に明示されている内容と実際の現場条件が一致しない場合には、契約書の関連条項に基づき、設計図書に明示した内容を変更し、併せて請負金額の変更が必要となるケースがある。
しかし、①「なされるべき条件明示がなされていないことから、本来設計変更の対象となる事象について変更が行われていない」、②「コミュニケーションの不足や手続きの不知により必要な「協議」がなされずに現場の施工が行われ、設計変更が受け入れられていない」、③「当初設定内容が現地条件と大きく乖離しているにも係わらず、「任意仮設」であるために受注者から設計変更を求められても変更していない」等、変更対応の際に発注者と受注者との間で問題となるケースが見受けられる。
適切な設計変更の必要性
品確法第3条「基本理念」では「公共工事の品質確保に当たっては、公共工事における請負契約の当事者が各々の対等な立場における合意に基づいてxxな契約を締結し、xxに従って誠実にこれを履行するように配慮されなければならない」と示されており、設計変更においても、より良い社会資本の整備のために、発注者・受注者それぞれが役割分担を適切に行ったうえで、設計変更内容について両者が合意し契約を締結することが不可欠である。
ガイドライン策定の目的
設計変更に係る業務の円滑化を図るためには、発注者と受注者の双方が、設計変更が可能なケース、手続きの流れ等について十分理解しておく必要がある。
このためにも、発注者と受注者は常に綿密な情報交換を行い、誠実な対応の基に現場の変化に応じた各種手続きを適切に実施することが重要である。
「施設工事請負契約における設計変更ガイドライン」の策定
施設工事では、施工の進捗により当初予見できなかった自然条件の変更、埋蔵文化財等の支障物の発生、関連工事・関連事業との工程調整等、当初の条件を変更せざるを得ない場合が多く発生する。
しかし、施工条件の明示が十分でないと、設計変更が円滑に行われないこととなる。このため、当初発注時において適切に施工条件を設計図書に明示するため、次の点に留意する必要がある。
条件明示
3.1.1 契約条件の適切な明示
発注者が設計図書に示す契約条件は、発注者にとっては積算の前提条件であり、受注者にとっては、工事を施工する工程・体制等の判断基準になり、見積額を算定する条件となる。
条件明示が不十分・不明瞭であると、受発注者間の認識の違いにより適切な変更が行われない恐れがある。
受発注者双方の視点から見た条件明示の必要性
従って、契約後に、受発注者間で設計変更に関する認識に齟齬が生じることがないよう、適切な条件明示を行い受発注者間の共通認識とすることが必要である。
発注者 | 受注者 |
・適切な契約制限価格を算出するための条件 ・入札参加者に求める技術要件を設定するための条件 ・求める工事目的物を受注者に伝達 | ・工事工程を検討するための前提条件 ・工事の実施体制を検討するための前提条件 |
・見積金額を算出するための条件 ・工事目的物の適正な品質を確保するための条件 |
3.1.2 明示すべき条件の視点
契約条件(施工条件)を明確にすることにより、仮に契約後に工事内容の追加や変更が生じた場合、または工期の変更が必要となった場合において、受発注者のどちらの責により変更が発生したか責任の所在が明確となり適切な契約変更が行える。
表 3-1 条件明示事例
明示項目 | 明示事項 |
工程関係 | 1.他の工事の開始又は完了の時期により、当該工事の施工時期、全体工期等に影響がある場合は、影響箇所及び他の工事の内容、開始又は完了の時期、部分引渡し又は部分使用の範囲、時期 2.施工時期、施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工内容、施工時期、施工時間及び施工方法 3.当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容及びその協議内容、協議の成立見込み時期 4.関係機関、自治体等との協議の結果、特定された条件が付され当該工事の工程に影響がある場合は、その項目及び影響範囲 5.工事の着手時期 6.工事着手前に地下埋設物及び埋蔵文化財等の事前調査を必要とする場合は、その項目及び調査期間。又、地下埋設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間 7.設計工程上見込んでいる休日日数等作業不能日数 |
用地関係 | 1.工事用地等に未処理部分がある場合は、その場所、範囲及び処理の見込み時期 2.工事用地等の使用終了後における復旧方法 3.工事用仮設道路・資機材置場用の借地をさせる場合、その場所、範囲、時期、期間、使用条件、復旧方法等 4.施工者に、消波ブロック、桁製作等の仮設ヤードとして官xxx を発注者が借り上げて土地を使用させる場合は、その場所、範囲、時期、期間、使用条件、復旧方法等 |
公害関係 | 1.工事に伴う公害防止(騒音、振動、粉塵、排出ガス等)のため、施工方法、建設機械・設備、作業時間等を指定する必要がある場合は、その内容 2.水替・流入防止施設が必要な場合は、その内容、期間 3.濁水、湧水等の処理で特別の対策を必要とする場合は、その内容 (処理施設、処理条件等) 4.工事の施工に伴って発生する騒音、振動、地盤沈下、地下水の枯渇等、電波障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後調査の区分とその調査時期、未然に防止するために必要な調査 |
安全対策関係 | 1.交通安全施設等を指定する場合は、その内容、期間 2.鉄道、ガス、電気、電話、水道等の施設と近接する工事での施工方法、作業時間等に制限がある場合は、その内容 3.落石、雪崩、土砂崩落等に対する防護施設が必要な場合は、その内容 4.交通誘導員、警戒船及び発破作業等の保全設備、保安要員の配置を指定する場合又は発破作業等に制限がある場合は、その内容 5.有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要な場合 は、その内容 |
明示項目 | 明示事項 |
工事用道路関係 | 1.一般道路を搬入路として使用する場合 (1)工事用資機材等の搬入経路、使用期間、使用時間帯等に制限がある場合は、その経路、期間、時間帯等 (2)搬入路の使用中及び使用後の処置が必要である場合は、その処置内容 2.仮道路を設置する場合 (1)仮道路に関する安全施設等が必要である場合は、その内容期間 (2)仮道路の工事終了後の処置(存置又は撤去) (3)仮道路の維持補修が必要である場合は、その内容 3.工事のため、一般道路を占用する場合は、その期間及び範囲 4.工事用道路を共同使用する維持補修、終了後の処理の取扱い |
仮設備関係 | 1.仮土留、仮橋、足場等の仮設物を他の工事に引き渡す場合及び引き継いで使用する場合は、その内容、期間、条件、終了後の取扱い 2.仮設備の構造及びその施工方法を指定する場合は、その構造及びその施工方法 3.仮設備の設計条件を指定する場合は、その内容 |
建設副産物関係 | 1.建設発生土が発生する場合は、残土の受入場所及び仮置き場所までの、距離、時間、受入及び保管条件 2.建設副産物の現場内での再利用及び減量化が必要な場合は、その内容 3.建設副産物及び建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法、処理場所及び処理条件、再資源化処理施設又は最終処分場を指定する 場合は、その受入場所、距離、時間等の処分条件 |
工事支障物件等 | 1.地上、地下等への占用物件の有無及び占用物件等で工事物件等支障物が存在する場合は、支障物件名、管理者、位置、移設時期、協議状況、工事方法、防護等 2.地上、地下等の占用物件工事と重複して施工する場合は、そのx x及び期間 |
その他 | 1.工事用資機材の保管及び仮置きが必要である場合は、その保管及び仮置き場所、期間、保管方法等 2.工事現場発生品がある場合は、その品名、数量、現場内での再使用の有無引渡し場所等 3.支給材料及び貸与品がある場合は、その品名、数量、規格又は性能、引渡場所、引渡期間等 4.関係機関・自治体等との近接協議に係る場合は、その内容及び施工条件 5.架設工法を指定する場合は、その施工方法及び施工条件 6.工事用電力等を指定する場合は、その内容 7.新技術・新工法・特許工法を指定する場合は、その内容 8.部分引渡しを行う必要がある場合は、その箇所及び使用時期 9.部分使用を行う必要がある場合は、その箇所及び使用時期 10.給水の必要のある場合は、取水箇所・方法等 |
積算上の留意点
施設工事の発注に際しては、適切な条件明示はもとより、実施する現地状況、工事内容を勘案のうえ、適切な工事数量の設定と工事内容に応じた適正な積算が求められる。以下について十分留意したうえで、工事目的物の品質確保ができるよう適正な発注金
額を設定するよう努めなければならない。
3.2.1 施工条件の適切な設定
発注者は、発注前に工事の施工範囲について現地踏査を行い、その結果に基づき、特記仕様書に現地条件を明記するとともに、現地条件を適切に反映した積算を実施しなければならない。
工事施工条件が不確定な状況においては、発注業務の施工条件の確定度の向上を図ったうえで発注手続きを開始すべきであり、契約変更を前提とした発注は厳に慎まなければならない。
3.2.2 積算基準の適切な運用及び適用できない場合の見積等の活用
積算においては積算基準(当社の積算要領、単価ファイル、物価資料等や国土交通省等の公共事業発注機関の積算基準類)の適切な運用に努めることとするが、工事の規模、現地条件等により標準歩掛りを適用することが不合理と考えられる場合は、積算基準を勘案のうえ施工実態調査や見積りにより別途積算するものとする。また、施工対象箇所の施工条件等が特殊で積算基準を適用することが適当でない場合は、入札手続きの過程で入札参加者より見積りの提出を求め、契約制限価格に反映させる方式もあるため、これらを活用し適切な契約制限価格を設定する必要がある。
工期の設定
施設工事の工期は、施工の場所、時期、順序、能力等を勘案し、準備期間、実作業期間、休止期間、後片付け期間について各々適切な期間を設定するとともに、当該工事に関する制約条件等を整理し、極力工期延期等が生じないよう設定する必要がある。
低入札価格調査について
工事の請負契約において、落札者となるべき者の申込みに係る価格によっては、その者により当該契約の内容に適合した履行がなされないおそれがある場合、更には工事の品質確保に支障が生じるおそれがある場合に、低入札価格調査を行い、履行の可否について判断することをもって、工事の適正な履行の確保を図る必要がある。工事の低入札価格調査に関する事務取扱については、当社ホームページに掲載している。
○「工事の低入札価格調査に関する事務取扱について」の掲載先
xxxxx://xxxxxxxx.x-xxxxx.xx.xx/xxxxx/
発注者は、長時間労働の是正など、建設業への時間外労働の上限規制の適用に向けた環境に配慮して、適正な工期での請負契約を締結する役割を担う。また、当初設計図書の施工条件等が不明確であると、工事の手戻り等により後工程に影響を与えることが原因で、以後の長時間労働につながりかねないことから、本ガイドライン 3.に記載する
「発注時における留意事項」を遵守することが求められる。
しかし、いかなる工事においても、不測の事態により当初の条件に変更が生じるリスクが潜んでいる。そのため受発注者間において、工程に影響を及ぼす可能性のある事項について明確にするとともに、相互に知り得た情報を逐次共有することが、その後の工程に与える影響を最小限にする、重要な事項である。
工事工程表への明示事項
受注者は、設計図書に示された条件に基づき、施工計画段階で工事工程表を作成する。この時、工事工程表には設計図書に示された工事用地に関する事項、関連施設その他との関係、作業日及び作業期間に関する事項、関連工事との調整に関する事項等に記載された、工事着手可能時期等、工程に影響する事項を明示するとともに、その事項の処理対応者(「監督員」または「受注者」)を明示にするものとする。
工事工程表の共有
4.1 により作成された工事工程表を、受発注者双方で確認し共有するものとする。当該工事工程表を共有することにより、お互いのクリティカルパスを把握することが可能となり、常に工程遅延をもたらす要因を排除すべく、より具体的に情報共有や意志疎通が図られ、適切な業務遂行に努めることが可能となる。
工事施工中に工事工程表へ明示した条件等に変更が生じた場合は、速やかに工事工程表の記載事項を修正するとともに、受発注者間で修正した工事工程表を共有するものとする。このとき工程の変更理由が以下の①~⑤に示す、受注者の責に拠らない場合は、工期の延期等の適切な措置が講じられるよう、受発注者間にて協議するものとする。
① 受発注者間で協議した工事工程の条件に変更が生じた場合
② 著しい悪天候により作業の不稼働日が多く発生した場合
③ 工事一時中止により全体工期に影響が生じた場合
④ 資機材や労働需要のひっ迫により全体工程に影響が生じた場合
⑤ その他特別な事情により全体工程に影響が生じた場合
なお、工事工程表に変更が生じる事項が発生した場合には、工事一時中止ガイドラインに記載の事項を参照し、発注者は工事一時中止の指示が必要な事項かを確認する必要があるため留意すること。
工 事 工 程 表
(工 事 名) ○○自動車道 ○○○工事
(受注者名) 株式会社 □□□□電気 ( 工 期 ) 令和 年 月 日 ~ 令和 年 月 日 (○○日間)
業務内容 | 令和○○年度 | 令和■■年度 | 令和△△年度 | 摘 要 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||
準備工 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○○IC照明設備 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
機器承諾 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
機器製作・材料手配 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
現場工事 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
試験調整 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
後片付け | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○○TN照明設備 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
機器承諾 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
機器製作・材料手配 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
現場工事 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
試験調整 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
後片付け | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
11
○特記事項
特記事項 | 令和○○年度 | 令和■■年度 | 令和△△年度 | 摘 要 | |||||||||||||||||||||||||||||||
x x | 対応者 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
1.工事用地等に関する事項 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
1)○○ICランプ付近 令和〇年〇月〇日 | 発注者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
2)○○IC料金所付近 令和〇年〇月〇日 | 発注者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
3)○○TN坑内 令和〇年〇月〇日 | 発注者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
4)○○TN坑口付近 令和〇年〇月〇日 | 発注者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
2.受電時期 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
1)○○IC 令和〇年〇月〇日 | 発注者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
2)○○TN 令和〇年〇月〇日 | 発注者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
3.部分引渡し | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
1)本線部 | 受注者 | 令和〇年〇月〇日 供用開始 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
4.その他 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
設計変更の定義
本ガイドラインにおける「設計変更」とは、受注者に対して行う工事の変更指示(工事請負契約書(以下「契約書」という)第18条及び19条の規定に基づく設計図書の訂正又は変更の指示)により、設計図書の変更を行うことをいう。
契約書類の体系
⮚ 工事の請負契約において発注者と受注者を拘束する契約書類の体系は次のとおり。
(契約書第1条)
契約書類
契約書
設計図書
図面(工事工程表(参考)含む)
仕様書 工事共通仕様書
特記仕様書(リスク分担を含む)入札者に対する指示書
質問回答書
適用すべき諸基準(注)
上記を補足する書類(技術提案書を含む)
(注)工事共通仕様書又は特記仕様書にて規定されている基準
図5-1 契約書類の体系
契約書類の用語の定義
契約書類・・・・ | 契約書第1条に規定する契約書及び設計図書をいう。 |
仕様書・・・・・ | 建築、機械設備、電気通信設備工事共通仕様書(以下、「工事共通仕様書」という。)及び特 記仕様書(これらにおいて明記されている適用すべき諸基準を含む。)、入札者に対する指示書、割掛対象表、質問回答書及びこれらを補足する書類をいう。 |
特記仕様書・・・ | 工事共通仕様書を補足し、工事の施工に関する明細又は特別な事項を定める書類をいう。ま た、発注者がその都度提示した変更特記仕様書若しくは追加特記仕様書を含むものとする。 |
図面・・・・・・ | 入札に際して発注者が交付した設計図及び発注者から変更又は追加された設計図をいう。ただし、詳細設計を含む工事にあっては、契約書類及び監督員の指示に従って作成されたと監督 員が認めた詳細設計の成果品の設計図を含むものとする。 |
質問回答書・・・ | 入札参加者が設計図書について疑義がある場合、契約担当部署に質問書を提出し、その回答を 求めるものをいう。なお、提出された質問とその回答は「質問回答書」として、設計図書の一部となり、契約締結後に受発注者を拘束する契約書類となる。 |
設計変更の手続き(全般)
工事請負契約の締結
契約書第19条
「設計図書の変更」
契約書第20条
「工事の中止」
契約書第18条第1項
「条件変更等」
発注者が設計図書の 変更を必要と認めたとき
必要な場合
設計図書の照査(受注者)
【工事共通仕様書 1.5.2】
「工事一時中止ガイドライ ン」による
照査結果の報告(受注者)
工程促進に要する費用
中止期間に要した費用 一時中止に伴う工期延期
内容の確認(発注者)
一時中止に伴う
請負代金額及び工期の変更
・工事目的物の変更を伴うもの
・指定仮設の変更
・工程促進に伴う材料、施工方法等の変更
任意仮設の変更
工事変更指示書による設計図書の訂正又は変更(発注者)
設計図書の変更は行わない※
第25条「請負代金額の変更」の協議・決定
「請負代金額の変更に係る
積算基準」による
契約変更
図6-1 設計変更手続きフロー(全般)
※任意であっても設計図書に示した施工条件と現場が一致しない場合、または当初発注時に予測できなかった場合で設計図書に示されていない施工条件が追加された場合は設計変更の対象とする。(P18 参照)
契約書第18条(条件変更等)関係の手続き
【契約書第18条第 1 項】
一 図面、仕様書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く)二 設計図書に誤謬又は脱漏があること
三 設計図書の表示が明確でないこと
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと
発注者(監督員)
受注者
14日以内
必要があると認められるとき
必要があると認められるとき
必要があると認められるとき
契約変更
変更設計図面の作成、変更設計数量の算出等
(工事共通仕様書 1.17.1)
工法変更のとりまとめ「設計変更」
・変更設計書の作成等
工期の変更の協議・決定【第 24 条】
工事変更指示書の受領
工事の変更指示(工事変更指示書)
工法変更(工法変更簿による内部決裁)
工期、請負代金額の変更【第18条第5項】
設計図書の訂正又は変更【第18条第4項】
図面作成、数量算出等
(工事共通仕様書 1.17.1)
受 領
調査結果の通知 【第18条第3項】
意 見【第18条3項】
調査結果のとりまとめ【第18条第3項】
通知し確認を請求
【第18条第1項】
監督員:調査の実施(受注者:立会い)
【第18条第2項】
上記第18条第1項に該当する事実を発見【第18条第2項】
上記第18条第1項に係る「設計図書の照
査」の実施(工事共通仕様書 1.5.2)
図6-2 契約書 18 条関係手続き
工事変更指示書等による適切な変更指示(書面主義の徹底)
契約書第1条第5項に規定されているとおり、工事の施工に伴い生ずる変更や追加については、必ず書面で行わなければならない。
工事の施工においては、現地条件や協議条件等の変更及び設計基準の改定等に伴 い、当初契約内容の変更や追加が生じる場合がある。この場合、発注者が「工事変更指示書」を発出し、工事の内容変更とともに、新単価協議対象の有無、工期変更協議対象の有無を指示することとなっている(工事共通仕様書第1章第30節「工事の変更等」)。なお、現地取り合わせによる軽微な変更については、工事打合簿により行うこととなっている。
しかし、工事変更指示書が適切に発出されずに工事の施工が行われ、変更に係る受発注者間の認識のずれが、最終設計変更における費用計上の問題へと繋がっている場合がある。
このことから、工事変更内容について書面にて受発注者間で確認し、共通認識としなければならない。
ただし、緊急を要する場合その他の理由により監督員が受注者に対して口頭による指示等を行った場合は、受注者はその指示等に従うものとする。
監督員は口頭による指示等を行った場合には、速やかに口頭による指示等の内容を書面により受注者に通知するものとする。
受注者は、監督員からの書面による通知がなされなかった場合において、その口頭指示から 7 日以内に書面で、監督員にその指示等の内容の確認を求めることができる。
設計図書の照査に関する規定
【契約書第18条第1項(条件変更等)】
受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、 その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
一 図面、仕様書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。二 設計図書に誤謬又は脱漏があること。
三 設計図書の表示が明確でないこと。
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと。
⮚ 契約書及び工事共通仕様書において、受注者には、自らの負担による「設計図書の照査」が義務付けられている。
【工事共通仕様書1.5.2(設計図書の照査)】
受注者は、施工前及び施工途中において、受注者の負担により契約書第18条第1項第
1号から第5号に係わる設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、監督員にそ の事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。なお、確認できる資料とは、現場地形図、設計図との対比図、取合い図、施工図等を含むものとし、受注者は監督員から更に詳細な説明又は書面の追加の要求があった場合は従わなければならない。ただし、発注者は設計図書の詳細以外の書面の追加については、契約書第19条によるものとし、監督員の指示によるものとする。
設計図書の照査の範囲
① 現場地形図・・・・・・現場測量により、用地境界、中心線、縦断、横断等を
確認した実測横断図等図面及び地形変更を示す現況写真等をいう。
② 設計図との対比図・・・現地地盤線の変更を当初設計図面へ反映した平面図、
縦断図、横断図及び構造物一般図等の概略図を示す。
③ 取合い図・・・・・・・地盤線や地形変更に伴い生ずる当初設計図面と既設構
造物の取合い部分の変更概略図を示す。
④ 施工図等・・・・・・・条件変更に伴い当初設計図面との施工段取り及び仮設
工法等施工手順の変更が必要となることを説明する概略施工図を示す。
⮚ 工事共通仕様書1.5.2に規定する発注者へ変更確認を求めるため、受注者が作成すべき資料の範囲
⮚ 現地の事実確認ができない場合における、更なる追加資料の作成
監督員は、現地の事実が確認できない場合に限り、更なる追加資料を受注者に求めることができる。
「更なる追加資料」とは、工事共通仕様書 1.5.2 に規定する「更に詳細な説明又は書面の追加の要求」をいう。
この場合、更なる追加資料には、新たに行う比較設計や構造計算が伴うものは含まれていない。ただし、軽微な比較検討等は、設計図書の照査に含まれる。
受注者が作成する更なる追加資料において、新たな比較設計や構造計算等を監督員が指示した場合に発生する費用は、発注者が負担するものとする。
「設計図書の照査」の項目及び内容
受注者が実施する設計図書の照査については、巻末資料「①設計図書の照査項目一 覧表」の該当する工種の照査項目について実施するものとする。
また、照査項目一覧表の対象工種以外についても、本ガイドラインに準拠できるものであれば、発注者と受注者で協議のうえ、運用できるものとする。
その他の着手前作業
⮚ 施工途中において予期し得ない現地状況の変更等に伴い設計変更を行う場合に適切かつ円滑な契約手続きが実施されるよう、工事着手前に受発注者間において以下の事項を十分に確認・調整するものとする。
▪ 施工計画書・・・・ ▪ 工程・・・・・・・ | 現場体制、使用機械、施工手順等と契約条件の確認・調整 施工場所、時期、順序、能力等と契約条件の確認・調整 |
① 図面と仕様書が一致しない場合(契約書第18条第1項一)
⮚ 設計図書(図面と仕様書)の相互間に相違がある場合は、質問回答書、特記仕様書、図面、共通仕様書の順に優先すること。(工事共通仕様書1.4.2)
例1)図面の材料の寸法、規格、数量と仕様書との記載が一致しない。
② 設計図書に誤謬又は脱漏がある場合(契約書第18条1項二)
⮚ 設計図書の誤り、設計図書に明示すべきことについて表示されていない場合
例1)条件明示する必要があるにも係らず、施工に関する一切の条件明示がない例2)設計図書に示されている施工方法では、条件明示されている施工に対応でき
ない
例3)設計図書に記載されている材料の規格寸法が間違っている
③ 設計図書の表示が明確でない場合 (契約書第18条1項三)
⮚ 設計図書の表示が抽象的な表示で、実際の工事の施工に当って判断し得ない場合
例1)使用材料の規格(種類、強度等)が明確に示されていない
例2)用地買収が未了との記載はあるが、着工見込み時期の記載がない
④ 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない場合
(契約書第18条第 1 項四)
⮚ 自然的条件とは、一般的には地質、湧水等の状態、地下水の水位などがあり、人為的条件には、地下埋設物、地下工作物、xx場、自工区外盛土場、工事用道路の指定等がある。
例1)設計図書に明示された道路構造と現場の道路構造が一致しない 例2)設計図書に明示された地下埋設物の位置が工事現場と一致しない
例3)設計図書に明示された交通保安要員の人数等が規制図と一致しない例4)第三者機関等による制約が課せられた場合
例5)設計図書の訂正・変更で現場条件と一致しない場合
⑤ 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じた場合 (契約書第18条第 1 項五)
⮚ 上記④に示した自然的条件について設計図書に明示しておらず、しかも周辺の状況からして特に予想し得なかったもの、例えば一部に軟弱地盤が判明したり、転石が発生した場合である。
⮚ 同様に、人為的条件としては、予期し得なかった騒音・振動規制、交通規制等のほか、埋蔵文化財の発見、第三者による妨害等がある。
例1)軟弱地盤の判明により地盤改良等が必要となった場合例2)転石の発生により小割り等が必要となった場合
例3)地元協議に伴い振動・騒音対策として施工方法や施工時間等の変更が必要となった場合
⑥ 発注者が変更の必要があると認め、設計図書の内容を変更する場合
(契約書第19条)
⮚ 現契約の内容を極端に逸脱しなければ、発注者の意思で変更できることを認めたもの。
例1)地元調整、関係機関協議の結果、施工範囲、施工内容、施工日・時間の変更を行う場合
例2)新たに(同時に)施工する必要がある工種が判明し、その工種を追加する場合
例3)道路・河川・鉄道等の管理者、電力、ガス等の事業者、消防署等との協議により施工内容の変更、工事の追加を指示する場合
例4)当初設計で指定していた建設副産物の処分先を変更する場合例5)使用材料を変更する場合
例6)関連する工事の影響により施工条件が変わったため、施工内容を変更する場合
例7)隣接工事との調整で、交通保安要員の配置人数を変更する場合
例8)工事現場の安全管理上、フェンス等の防護施設(共通仮設費の率計上分以外)を必要と判断し追加する場合
例9)設計要領又は設計基準等の改定に伴い使用材料等の変更が必要となった場合例10)工事一時中止又は関係機関協議に伴い工程促進が必要となり、施工方法や
使用材料等の変更が必要となった場合
⑦ 「設計図書の照査」が照査の範囲を超える場合
⮚ 受注者が行うべき「設計図書の照査」の範囲を超える作業を実施する場合。
※本ガイドライン「7.4設計図書の照査を超えるもの」参照。
⑧ 工事の全部又は一部の施工について監督員が一時中止を指示した場合
(契約書第20条)
⮚ 受注者の責に帰することができないものにより工事目的物等に損害が生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、監督員は「契約書第20条」の規定により工事の全部又は一部の施工を中止させなければならない。
⮚ 監督員は、工事の全部又は一部の施工を一時中止させた場合において、受注者から中止期間中の増加費用の負担について発注者に協議があり、かつ必要があると認められるときは、増加費用の負担を行う。
【一時中止の増加費用を負担することができる工事】次に定める理由のうち、受注者の責によらないもの
(1) 工事用地が確保されないため、工事ができない場合
(2) 設計図書と実際の施工条件の相違等の発見により、工事の継続が不適当又不可能となった場合
(3) 関連する工事の進捗が遅れたため、工事の続行が不適当と認めた場合
(4) 埋蔵文化財の調査、発掘の遅延及び埋蔵文化財が新たに発見され、工事の続行が不適当又は不可能となった場合
(5) 環境問題等の発生により、工事の続行が不適当又は不可能となった場合
(6) 天災等により工事目的物等に損害を生じ若しくは現場の状態が変動したため工事を施工できなくなった場合
(7) その他上記と類似するもの
※ なお、詳細については「工事一時中止ガイドライン」によるものとする。
➃ 賃金又は物価の変動により請負代金が不適当となった場合
(契約書第26条)
⮚ 発注者又は受注者は、工期内で請負契約締結の日から12カ月を経過した後に賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適用と認めた場合、相手方に対して請負代金額の変更を請求できる。
⑩ 第三者等への災害防止のため受注者判断で緊急やむを得えずその対応をした場合
(契約書第27条)
⮚ 受注者は、災害防止のため「臨機の措置」をとった場合、その対応内容を発注者に直ちに通知する。
⮚ 発注者は、受注者が要した費用のうち、必要と認めた部分について負担を行う。
⮚ 契約書及び仕様書に定めた手続きによらずに、受注者が設計図書と異なる施工を行った場合には設計変更の対象とならないものとしており、以下のような場合においては、原則として設計変更できない。
① 契約書類に条件明示のない事項において、発注者からの「協議」又は「指示」等の通知がなく、受注者が独自に判断して施工を実施した場合。
(ただし、契約書第27条「臨機の措置」で対応するような災害時等の緊急性を要する場合はこの限りではないため、発注者と十分に協議を行うものとする。)
⮚ 受注者は、契約書第18条第1項に該当する事項等を発見したときは、その事実が確認できる資料を書面により監督員に提出し、確認を求める。
② 発注者との協議が整う前に施工を実施した場合
⮚ 契約書第18条第3項の規定により、発注者は調査の終了後14日以内に、その結果を受注者に通知することになっており、速やかな通知は発注者の責務である。しかしながら、協議内容によっては各種検討・関係機関との調整等により、やむを得ず受注者の意見を聴いた上で通知を延期する場合もある。その為、受注者はその事実が判明次第、出来るだけ早い段階で協議を行うことが重要である。
② 契約書・工事共通仕様書に定められた所定の手続きを経ていない場合 (契約書18条~25条、工事共通仕様書第 1 章第30節、第32節)
⮚ 発注者及び受注者は、協議・指示、工事の変更、一時中止、請負代金額の変更など所定の手続きを行う。
④ 書面による指示がない場合(口頭のみの指示)
⮚ 契約書第27条「臨機の措置」で対応するような場合又は緊急を要する場合その他の理由により監督員が口頭による指示を行った場合はこの限りではない。なお、受注者は口頭により指示を受けた場合、速やかに発注者に書面により確認を求め、発注者は改めて書面での指示を行うこと。
⑤ 入札時に受注者が提案して採用された技術提案内容(履行確認が必要な技術提案内容であり、VE提案も含む)の全部もしくは一部を変更・廃止する場合
⮚ 履行確認が必要な技術提案に係る変更は、設計変更してはならない。ただし、受注者の責に帰さない事由により、全部もしくは一部を変更・廃止する場合で、監督員が認めた内容にあってはこの限りではない。
⑥ 受注者の都合により材料承諾又は施工承諾が提出された場合
⮚ 受注者の都合により材料承諾願又は施工承諾願が提出された場合、設計図書(設計図面・仕様書)に示す工事目的物の形状寸法や材料規格が同等以上と判断されるものについて、しかるべき理由があり、特段支障が無い時は、承諾を与え工事目的物の変更を行うケースがある。
この場合、設計図書と工事目的物は同一のものでなければならないことから、工法変更により設計図面や仕様書を変更するとともに、契約変更時に設計図書へ反映するものとする。
⮚ 材料(施工)承諾は、受注者の都合に配慮した行為であるが、最終設計変更図は、工事完成図に反映され維持管理段階の維持修繕業務や改良工事、将来の拡幅工事等に使用される重要なものであり、構造物の供用期間中保存しなければならない。そのため、工事しゅん功図に反映するものとする。
なお、コンクリートにおける混和剤基準の一部変更など、将来、管理上影響がないと認められるものは、この限りではない。
⮚ 設計図書の訂正又は変更は、契約書第18条第4項のとおり、発注者が行わなければならない。しかし、工事共通仕様書1.17.1「工事内容の変更等の補助業務」に規定する設計図書の訂正又は変更に伴い、受注者の負担で実施すべき補助業務の場合にはその限りではない。
⮚ また、契約書第18条の「受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。」による調査が必要な場合には受注者及び発注者は協力するものとする。
⮚ なお、第1項第4号又は5号に該当し、設計図書を変更する場合、工事目的物の変更を伴わないものについては、発注者と受注者とが協議のうえ、発注者が行うものとする。
【契約書第18条第4項】
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、発注者は設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
【契約書第18条第2項】
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる
【契約書第18条第1項】
一 図面、仕様書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。
二 設計図書に誤謬又は脱漏があること。三 設計図書の表示が明確でないこと。
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと。
⮚ 工事共通仕様書 1.17.1「工事内容の変更等の補助業務」に規定する設計図書の訂正又は変更に伴い、受注者の負担で実施すべき補助業務の作業の内容は以下のとおり。
【工事共通仕様書第17節「技術業務及び設計業務」】
1.17.1 工事内容の変更等の補助業務
受注者は、工事契約書第18条及び第19条の規定に基づき発注者が行う業務の補助として必要な次の各号に掲げる作業を、監督員の指示に従い実施しなければならない。
(1) 工事材料及び設計図書に関する調査試験
施工管理要領に規定される品質管理基準試験を示す。
(2) 測量等現地状況の調査
工事共通仕様書1.5.2に基づく現場地形図を作成するための測量調査等を示す。
(3) 設計、図面作成及び数量の算出
監督員より条件変更に該当する調査結果の通知と設計図書の変更または訂正に係る通知を受けた場合の作業を示し、その範囲は、現地取合いに係る軽微な図面変更程度のものとする。
(4) 観測業務
電波障害調査等における施工計画書の作成、観測、報告書の作成を示す。
(5) 施工方法の検討
条件変更に伴い施工方法の変更が生ずる場合に概略の工法比較資料の作成で、工法選定の基礎となる作業を示す。
(6) 変更設計図面の作成
工事目的物の変更を反映した変更設計図面の作成を示す。
(7) その他資料の作成及び上記に準ずる作業
『その他資料の作成』とは、上記(1)~(6)を補助する資料の作成を示す。
⮚ 「補助業務」の作業の内容のうち発注者が負担するもの
【工事共通仕様書1.17.4「費用負担」】
(1) ボーリングを必要とする地質調査
(2) 応力計算又は比較検討等を必要とする高度な設計
(3) 電波障害調査等特別な費用を要するもの
【契約書第1条第3項】
仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、契約書及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
⮚ 仮設・施工方法の指定・任意については、契約書第1条第3項に定められているとおり、適切に扱う必要がある。
⮚ 任意の仮設・施工方法等については、その仮設、施工方法の一切の手段の選択は受注者の責任で行う。
⮚ 任意の仮設・施工方法等については、その仮設、施工方法に変更があっても原則として設計変更の対象とならない。
⮚ ただし、設計図書に示された施工条件と実際の現場条件が一致しない場合、または当初発注時に予測できなかった場合で設計図書に示されていない施工条件が追加された場合は設計変更の対象となる。
仮設、施工方法等には、「指定」と「任意」に区分され、工事発注においては、「指定」と「任意」の部分を明確にする必要がある。
「任意」については、受注者が自らの責任で行うものであり、仮設、施工方法等の選択は、受注者に委ねられている。
⇒ 原則、設計変更の対象としない。※
※ 任意として行う範囲であっても、 その条件変更が仮設、施工方法等に影響すると判断される場合には設計変更の対象とする
発注者(監督員)は、「任意」の趣旨を踏まえ、適切な対応が必要。
※任意における下記のような対応は不適切
・○○工法で積算しているので、「○○工法以外での施工は不可」との対応
・標準歩係りでは、バックホウでの施工となっているので、「クラムシェルでの施工は不可」との対応
・新技術の活用について、受注者から申し出があった場合に、「積算上の工法で施工」するよう対応
ただし、「任意」であっても、設計図書に示された施工条件と実際の現場条件が一致しない場 合、または当初発注時に予測できなかった場合で設計図書に示されていない施工条件が追加され
た場合は、設計変更できる。
⮚ 設計図書等に係る疑義については、下記により、入札前の段階、設計図書の照査段階で解決しておくことが、スムーズな設計変更に繋がることになる。
【入札前】
・工事の入札にあたっては、図面、仕様書、入札者に対する指示書、契約書(案)等をよく確認の上、入札書を提出するものとする。
・入札参加者は、仕様書、図面、契約書(案)、現場等を熟覧のうえ、入札しなければならない。この場合において設計図書等について疑義があるときは、担当部署へ質問書を提出し、その回答を求めることができる。
・質問に対する回答は、受注者にとって入札条件の確認機会であり、発注者にとっても設計図書の適正化を図る機会であるので不明確な条件明示や設計書と図面の齟齬等は、適正に訂正しなければならない。
・入札手続きにおいて、設計図書に対する質問が出された場合は、発注者は適切に対応しなければならない。提出された質問とその回答は「質問回答書」として、設計図書の一部となり、契約締結後に受発注者を拘束する契約書類となる。
・質問が多く出されることは、入札参加者が入札金額を算定するに際し、履行条件の明示が不足している等設計図書に不備があることを示すものとして認識しなければならない。
【契約後】
・受注者は、施工前及び施工途中において、受注者の負担により契約書第18条第
1項第1号から第5号に係わる設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。なお、確認できる資料とは、設計図との対比図、取合い図、施工図等を含むものとし、受注者は監督員から更に詳細な説明又は書面の追加の要求があった場合は従わなければならない。
(工事共通仕様書1.5.2「設計図書の照査」)
※なお、設計図書等に対する疑義がある場合は、簡潔・明瞭な質問とし、発注者は質問に対し誠意を持って回答するものとする。ただし、設定歩掛等で設計金額(契約制限価格)の算出に直接係る質問への回答は、「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等のxxを害すべき行為の処罰に関する法律(平成14年7月31日法律第101号)」に抵触する恐れがあるため、回答を控えるものとする。
ワンデーレスポンス
14.1.1 ワンデーレスポンスの目的
「ワンデーレスポンス」とは、受注者からの質問、協議への回答について基本的に
「その日のうち」に回答することにより、工事現場において発生する諸問題に対して、迅速な対応を徹底することを目的としている。
ただし、即日回答が困難な場合は、いつまでに回答が必要なのかを受注者と協議のうえ、回答期限を設けるなど、何らかの回答を「その日のうち」にするものである。ただし、結論を急ぐことではない。
① 受注者からの質問、協議への回答は、基本的に「その日のうちに」する。
② 即日回答が困難な場合は、いつまでに回答が必要なのかを受注者に確認のうえ「回答期限」を予告するなど、次の段取りができるような回答をその日のうちにする。
③ 予告した「回答期限」を超過することが明らかになった場合、発注者は速やかに受注者と新たな「回答期限」を確認し受注者に連絡する。
④ 受注者から的確な状況の資料等により報告を早期に受けることが前提となるため、受注者も「ワンデーレスポンス」の意義と目的を理解する必要がある。
14.1.2 ワンデーレスポンスを実施する工事
ワンデーレスポンスを実施する工事は、原則すべての工事を対象とする。
14.1.3 ワンデーレスポンスの位置付け
ワンデーレスポンスは基本的に、工事施工中に発生する諸問題に対して、迅速に対応することにより現場の手待ち時間を解消するための取り組みであり、工事の打合せ簿、変更指示等に関する取扱いや、要領等を変更するものではない。
受注者も同様に、発注者からの質問、協議への回答は、基本的に「その日のうち」に回答することとし、即日回答が困難な場合は、いつまでに回答が必要なのかを発注者と協議のうえ、回答期限を設けるなど、何らかの回答を「その日のうち」にするよう、ワンデーレスポンスを実施する。
ウィークリースタンス
14.2.1 ウィークリースタンスの目的
就業環境の改善を目的に、受発注者ともにさまざまな取り組みを実施している中 で、働き方改革関連法が平成31年4月1日より施行。建設業においては施行の 5 年後に時間外労働の上限規制が導入されることから、ワーク・ライフ・バランスのより一層の実現に向けた取組みが必要となっている。
このため、受発注者双方の 1 週間の仕事の進め方、就業環境改善の取組み(ウィークリースタンス)を共有することで、計画的により一層業務を円滑に進めることができ、非効率的な就業環境が改善され、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指すことができる。
14.2.2 実施における留意点
ウィークリースタンスを実施できる工事は、すべての工事とする。
実施にあたっては、ウィークリースタンスの主旨を鑑み、受注者と発注者の双方が共通目標として取り組むため、工事着手時の初回打合せ時に以下の事項を参考に受発注者双方で確認、調整することが望ましい。
① 毎日、昼休み・17 時以降は、会議しない・電話しない・メールしない
② 仕事の依頼は、依頼内容に見合った作業時間を必ず確保する
③ 休日明け日(月曜日など)を、依頼した仕事の期日としない
④ 定時退社日は、勤務時間外に仕事を依頼しない
⑤ 休前日(金曜日など)は、新たな仕事を依頼しない
14.2.3 実施状況の確認
ウィークリースタンスの実施状況について、打合せの場を用いるなどして受発注者間で取組み(効果・改善等)をフォローアップするとよい。
【契約書第25条】
請負代金額の変更については、発注者と受注者が協議して定める。ただし、協議開始の日から28日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、請負代金額の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
設計変更における請負対象額
⮚ 請負代金額の変更に伴う請負対象額とは,工事請負契約書第 25条第 1 項の規定に基づき監督員と受注者が協議して定める額とし取扱いは下記のとおりとする。 1)既設計書における数量の増減については単価の変更は行わない。
2)新たな内訳書を作成する単価の採用時期は、原則として工事の変更を指示した時期とする。
3)設計変更における対象額は変更対象となる工種のみの直接工事費を積算し、これに当該変更に係わる間接工事費と一般管理費を加えた額に「当初請負代金額から消費税及び地方消費税相当額を減じた額/当初契約制限価格内訳書記載の工事価格」の比率を乗じ、さらに消費税及び地方消費税相当額を加えて得た額とする。
工事の一時中止に伴う増加費用
⮚ 監督員が工事の一時中止の指示を行った場合において,工事請負契約書第 20 条第 3 項の規定に基づき,受注者の増加費用を発注者が負担する場合の増加費用の取扱いについては、「工事一時中止ガイドライン」の規定によるものとする。
賃金又は物価の変更に基づく請負代金額の変更
⮚ 工事請負契約書第26条第1項から第 4 項までの規定(以下「スライド条項」という。)及び工事共通仕様書第 1 章第 34 節の規定に係る手続きについて規定する。なお、契約書第26条第5項の規定(以下「単品スライド条項」という。)及び第6項の規定(以下「インフレ条項」という。)に係る手続きは、関連する規程及び通達に基づき実施するものとする。
15.3.1 スライド額協議の手続き
スライド額の協議は、受注者からの請求または発注者及び受注者双方からの請求の場合においては、監督員がスライド額見積書により、受注者に対して見積書を提出するよう通知するものとし、受注者はその通知に従いスライド額協議書を提出し協議す
るものとする。また、発注者からの請求の場合においては、発注者が算定したスライド請求額を記したスライド額協議書をもって受注者と協議するものとする。
スライド額については、監督員からの協議により受注者は同意書を提出するものとする。なお、協議開始の日から28日以内に協議が整わない場合は、監督員が定め、受注者に通知するものとする。
《スライド額協議の流れ》
(1) 受注者からの請求又は受注者及び発注 者双方より請求があった場合の手続き | (2) 発注者から請求があった場合 |
監督員
受注者
監督員
受注者
① ①
②
③
④ ②
⑤
① スライド額請求書の送付
② スライド額見積方通知書の送付
③ スライド額見積書の提出
④ スライド額協議書の送付
⑤ スライド額同意書の提出
① スライド額協議書の送付
② スライド額同意書の提出
15.3.2 設計スライド額の算出
設計スライド額は,最終契約変更の数量が確定したときに,下記の式により算出する。設計スライド額は,契約単価項目とし,諸経費対象額とする。
S=ΣSn
(1) 受注者より請求の場合 Sn=(Pn-Qn)-(Qn×0.015)
ただし,Sn≦0 のときSn=0 (2) 発注者より請求の場合 Sn=(Pn-Qn)+(Qn×0.015)
ただし,Sn≧0 のときSn=0
ここで,
S :設計スライド額の総額 Sn:第n回目の設計スライド額
Pn:Pn=Σ(Nn×Un),Pnー1=Σ(Nn×Unー1),・・・P0=Σ(Nn×U0) Qn:第n-1回目のスライドが,
① 受注者より請求されていた場合 Qn=Pnー1-Qn-1×0.015
② 発注者より請求されていた場合 Qn=Pn-1+Qn-1×0.015
Q0=0
Snー1=0 の場合,n-1=n-2 とし,Sn―2=0,Sn-3=0,・・・の場合についても同様とする。 Nn:第n回目のスライド基準日以降の残工事数量
Un:第n回目のスライド基準日における賃金又は物価を基礎として算出した修正単価
U0:契約単価
災害等に起因する工事費の負担
災害等に起因する工事費の負担とは,「臨機の措置」(工事請負契約書第27条)に要した費用,「不可抗力による損害」(工事請負契約書第30条及び工事共通仕様書第 1 章
第 33 節)に基づき受発注者間で協議したものをいう。
工期の変更
【契約書第21条】
発注者は、工期の延長又は短縮を行うときは、この工事に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
【契約書第24条】
工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が工期の変更事由が生じた日(第22条の場合にあっては、発注者が工期変更の請求を受けた日、前条の場合にあっては、受注者が工期変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
15.5.1 工期変更の要件
工期の変更は、下記事由に該当する場合、契約書第24条の規定に基づき発注者と受注者で協議し工期の変更を行うものとする。
① 貸与品の変更等により工期の変更が必要と認められるとき。(契約書第15条)
② 設計図書不適合部分の改造が発注者の帰責事由による場合で、工期の変更が必要と認められるとき。(契約書第17条)
③ 条件変更による設計図書の訂正又は変更により、工期の変更の必要があると認められるとき。(契約書第18条)
④ 発注者の理由による設計図書の変更により、工期の変更の必要があると認められるとき。(契約書第19条)
⑤ 工事の施工を一時中止した場合において、工期の変更の必要があると認められるとき。(契約書第20条)
⑥ 天候不良、関連工事の調整への協力その他受注者の責に帰すことができない事由により、発注者に工期の延長請求があった場合。(契約書第22条)
⑦ 発注者の特別な理由により工期を短縮する必要があるとき、又は必要とされる工期の延期を行わないとき。(契約書第23条)
15.5.2 事前協議
監督員が工事の変更を指示した場合は、工事共通仕様書1.38.1の規定に基づき工事変更指示書に、工事の一時中止について解除を指示した場合は、工事一時中止解除指示書に、工期変更協議の対象の有無を、さらに、工期変更協議の対象である場合 は、併せて変更日数の協議開始日を通知するものとする。
この工事変更指示書の通知及び工事一時中止解除指示書に対して、受注者から異議申し立てが無く、受領印が押印されれば、工期変更協議の対象の有無が確認されたことになる。
15.5.3 工期変更協議
受注者は、事前協議において工期の変更協議の対象であると確認された事項及び工事の一時中止を行ったものについて、協議開始の日に必要とする延長日数の算出根 拠、変更工程表その他必要な資料を添付のうえ、工期変更協議書を監督員に提出するものとする。工期変更日数について、監督員からの協議書により同意書を監督員に提出するものとする。
監督員は、事前協議により工期変更協議の対象であると確認された事項及び工事の一時中止を指示した事項であっても、残工期及び残工事等から工期の変更が必要ないと判断した場合は、工期変更を行わない旨の協議に代えることができる。
協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合は、監督員が定め受注者に通知するものとする。
監督員は、工期変更協議において契約書第21条の規定に基づき、適正な工期となるよう考慮しなければならない。
《工期変更協議の流れ》
監督
員
受注
者
① 工期変更協議開始日を通知
② 工期変更協議の通知
③ 工期の変更協議書の提出
④ 工期の変更日数協議書の通知
⑤ 工期の変更日数同意書の提出
⑥ 変更契約締結
①
②
③
④
⑤
⑥
契約書第1条5項(総則)
(総則)第1条
5 契約書に定める催告、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
契約書第18条(条件変更等)
(条件変更等)
第18条 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
一 図面、仕様書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。二 設計図書に誤謬又は脱漏があること。
三 設計図書の表示が明確でないこと。
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
五 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる
3 発注者は、受注者の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後14日以内に、その結果を受注者に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ受注者の意見を聴いた上、当該期間を延長することができる。
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、発注者は設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
契約書第19条(設計図書の変更)
(設計図書の変更)
第19条 発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
契約書第20条(工事の中止)
(工事の中止)
第20条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって、受注者の責めに帰することができないものにより工事目的物等に損害が生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止内容を受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 発注者は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備え工事現場を維持し若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは発注者が受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
契約書第21条(著しく短い工期の禁止)
(著しく短い工期の禁止)
第21条 発注者は、工期の延長又は短縮を行うときは、この工事に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
契約書第24条(工期の変更方法)
(工期の変更方法)
第24条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が工期の変更事由が生じた日(第22条の場合にあっては、発注者が工期変更の請求を受けた日、前条の場合にあっては、受注者が工期変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
工事共通仕様書第1章第4節(契約書類の解釈)
4節 契約書類の解釈
1.4.1 契約書類の相互補完
契約書類は、相互に補完し合うものとし、そのいずれか一つによって定められている事項は、契約の履行を拘束するものとする。
1.4.2 共通仕様書、特記仕様書、図面、質問回答書の優先順位
共通仕様書、特記仕様書、図面との間に相違がある場合の優先順位は、次の(1)から(4)の順序のとおりとする。
(1)質問回答書
(2)特記仕様書
(3)図面
(4)共通仕様書
1.4.3 図面の実測値と表示された数字の不整合
図面から読み取って得た値と図面に書かれた数字との間に相違がある場合は、受注者はその内容を監督員に提出し、監督員の指示を受けなければならない。なお、監督員は、受注者から提出された内容について必要と認められる場合は、契約書第18条の規定に基づき設計図書の訂正又は変更をしなければならない。
工事共通仕様書1.5.2(設計図書の照査)
1.5.2 設計図書の照査
受注者は、施工前及び施工途中において、受注者の負担により契約書第18条第1項第1号から第5号に係る設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。なお、確認できる資料とは、現場地形図、設計図との対比図、取合い図、施工図等を含むものとし、受注者は監督員から更に詳細な説明又は書面の追加の要求があった場合は従わなければならない。
ただし、発注者は設計図書の詳細以外の書面の追加については、契約書第19条によるものとし、監督員の指示によるものとする。
工事共通仕様書第1章第17節(技術業務及び設計業務)
第17節 技術業務及び設計業務
1.17.1 工事内容の変更等の補助業務
受注者は、契約書第18条及び第19条の規定に基づき発注者が行う業務の補助として必要な次の各号に掲げる作業を、監督員の指示に従い実施しなければならない。
(1) 工事材料に関する調査試験
(2) 測量等現地状況の調査
(3) 設計、図面作成及び数量の算出
(4) 観測業務
(5) 施工方法の検討
(6) 変更設計図面の作成
(7) その他資料の作成及び上記に準ずる作業
1.17.4 費用負担
発注者は、本章1.17.1、1.17.2のうち、ボーリングを必要とする地質調査、応力計算又は比較検討等を必要とする高度な設計、電波障害調査等特別な費用を要するものについては、その費用を負担するものとし、その他の場合は受注者の負担とする。
工事共通仕様書第1章第30節(工事の変更等)
第30節 工事の変更等
1.30.1 工事の変更指示等
(1)監督員が、契約書第18条及び第19条の規定に基づく設計図書の変更又は訂正(以下
「工事の変更」という。)の指示を行う場合は、工事変更指示書(様式第1号)によるものとする。なお、現地取り合わせによる軽微なもの等については、工事打合せ簿(様式第 2 号)により行うものとする。ただし、緊急を要する場合その他の理由により監督員が、受注者に対して口頭による指示等を行った場合には、受注者は、その指示等に従うものとする。
監督員は、口頭による指示等を行った場合には、速やかに口頭による指示等の内容を書面により受注者に通知するものとする。
受注者は、監督員からの書面による通知がなされなかった場合において、その口頭による指示等が行われた7日以内に書面で、監督員にその指示等の内容の確認を求めることができるものとする。
1.30.2 施工時期及び施工時間の変更
受注者は、設計図書に施工時期及び施工時間が定められている場合でその時間を変更する必要がある場合は、あらかじめ監督員と協議するものとする。
1.30.3 変更工事の施工
受注者は、工事の変更指示が行われた場合には、その指示に従って工事を施工しなければならない。
工事共通仕様書第1章第32節(工事の一時中止)
第32節 工事の一時中止
1.32.1 一時中止の要件
(1)契約書第20条第1項に規定する「工事用地等の確保ができない等」とは、次の各号に該当する場合などをいう。
1)埋蔵文化財の調査、発掘の遅延及び埋蔵文化財が新たに発見された場合
2)関連する他の工事の進捗が遅れた場合③工事着手後、環境問題等が発生した場合
3)工事着手後、環境問題等が発生した場合
(2)契約書第20条第2項及び第27条に規定する「監督員が必要があると認めるとき」とは、次に示す場合などをいう。
1)工事の施工中に事故等が発生し、重大災害の2次災害等、引き続く災害防止のための安全対策の確認及び今後の工事施工上の安全作業の確認が必要な場合
2)施工管理書類や週間工程表の提出が滞るなど、受注者の施工管理及び工程把握が不十分と判断される場合
1.32.2 工事の一時中止における措置
契約書第20条第1項及び第2項の規定に基づき、監督員が工事の全部又は一部の施工の一時中止を書面により通知した場合において、中止期間中の現場条件等を監督員が指示した場合は、受注者は、これに従うとともに、中止期間中の現場管理体制等について監督員と協議のうえ、基本計画書を監督員に提出するものとする。なお、工事の一時中止部分について、工事の再開が可能となった場合、監督員は受注者へ中止の解除を書面により通知するものとする。受注者は、一時中止の解除について、監督員の指示書により、同意書(様式10-1号)を監督員に提出するものとする。
1.32.3 工事の一時中止に伴う増加費用の協議
(1) 受注者は、工事の一時中止に伴い増加費用が生じた場合は、請求額を記した増加費用の請求書を監督員に提出するものとする。
(2)受注者からの請求があった場合においては、監督員が算定した増加費用の額を記した増加費用の協議書をもって、受注者と協議するものとする。
(3)増加費用の額について、監督員からの協議書により受注者は同意書(様式第10- 1号)を監督員に提出するものとする。なお、協議開始の日から28日以内に協議が整わない場合には、監督員が定め、受注者に通知する。
(4)受注者は、本章1.32.1(2)に規定する工事の一時中止に伴う増加費用につい
ては、原則請求できないものとする。
工事共通仕様書第1章第37節(契約変更)
第37節 契約変更
1.37.1 契約変更
発注者と受注者は、次の各号に掲げる場合において、工事請負契約の変更を行うものとする。
(1) 本章1.30.1の規定に基づく変更により著しく請負代金額に変更が生じる場合
(2) 工事出来高の総額が請負代金額を超えることが予測される場合
(3) 工事完成に伴い精算を行う場合又は契約書第39条に規定する部分引渡しを行う部分の精算を行う場合
(4) 工期の変更を行う場合
(5) 工事施工上必要があると認める場合
1.37.2 変更契約書の作成
前項の場合において、受注者は、変更する契約書を当社所定の書式により作成し、変更契約決定通知書に記載された期日までに、記名押印の上発注者に提出しなければならない。なお、変更する契約書は、次の各号に基づき作成されるものとする。
(1) 本章1.30.1の規定に基づき監督員が受注者に指示した事項
(2) 新単価、変更単価、スライド額、工事の一時中止に伴う増加費用及び工期の変更日数等決定済みの事項
(3) その他発注者又は監督員と受注者との協議で決定された事項
ただし、工期の変更等が生じた場合の変更契約書は、当該事項のみの変更とすることができるものとする。
工事共通仕様書第1章第38節(工期変更)
第38節 工期変更
1.38.1 事前協議
事前協議とは、契約書第18条第5項及び第19条の規定に基づく工事の変更において、当該変更が、工期変更協議の対象であるか否かを監督員と受注者との間で確認することをいう。
1.38.2 事前協議の手続き
監督員は、工事の変更指示を行う場合において、工期変更協議の対象であるか否かを合わせて通知するものとし、受注者はこれを確認するものとする。なお、受注者は、監督員からの通知に不服がある場合には、7日以内に異義を申し立てることができる。
1.38.3 工期変更協議の手続き
受注者は、事前協議において工期変更協議の対象であると確認された事項及び契約書第20条の規定に基づき工事の一時中止を行ったものについて、契約書第24条に基づく協議開始の日に、必要とする延長日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、工期変更協議書(様式第11号)を監督員に提出するものとする。工期変更日数について、監督員からの協議書により同意書(様式第10-1号)を監督員に提出するものとする。
なお、監督員は、事前協議により工期変更協議の対象であると確認された事項及び工事の一時中止を指示した事項であっても、残工期及び残工事量等から工期の変更が必要ないと判断した場合には、工期変更を行わない旨の協議に代えることができる。また、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、監督員が定め受注者に通知する。
監督員は、工期変更協議において契約書第21条の規定に基づき、適正な工期となるよう考慮しなければならない。
1.38.4 受注者からの工期延長の請求
受注者は、契約書第22条の規定に基づき、工期の延長が必要と判断した場合には、必要とする延長日数の算出根拠、変更工程表その他必要な資料を添付の上、速やかに工期延長請求書(様式第12号)を監督員に提出するものとする。
【巻末資料①】
設計図書の照査項目一覧表
設計図書照査項目一覧表(1/4)
No. | 項 目 | 主 な x x | |
1 | 当該工事の条件明示内容の照査 (1)工事工程 | 1-1 | 他の工事の開始又は完了の時期により、当該工事の施工時期、全体工期等に影響がある場合は、影響箇所及び他の工事の内容、開始又は完了の時期等が明示されているか (隣接工事、関連工事) |
1-2 | 施工時期、施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工内容、施工時期、施工時間及び施工方法が明 示されているか(夜間工事、集中工事、交通規制工事) | ||
1-3 | 当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容及びその協議内容、成立見込み時 期が明示されているか(建築確認申請) | ||
1-4 | 関係機関、自治体等との協議結果、特定された条件が付さ れ当該工事の工程に影響がある場合は、その項目及び影響範囲が明示されているか(河川協議、道路占用協議) | ||
1-5 | 余裕工期を設定して発注する工事については、工事の着手 時期が明示されているか | ||
1-6 | 工事着手前に地下埋設物及び埋蔵文化財等の事前調査を必要とする場合は、その項目及び調査期間。又、地下埋設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間が明示 されているか(光通信ケーブル、電話線、ガス管、水道管) | ||
(2)用地関係 | 1-7 | 工事用地等に未処理部分がある場合は、その場所、範囲及び処理の見込み時期が明示されているか (用地買収、物件の移設、文化財調査) | |
1-8 | 受注者に所有地を使用させる場合は、その場所、範囲、時 期、期間、使用条件、復旧方法等が明示されているか | ||
(3) 環境保全対策 | 1-9 | 工事に伴う公害防止(騒音、振動、粉塵、排出ガス等)のため、施工方法、建設機械・設備、作業時間等に制限があ る場合は、その内容が明示されているか | |
1-10 | 工事の施工に伴って発生する騒音、振動、地盤沈下、地下水の枯渇等、電波障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後調査の区分とその調査時期、未然に防止するために必要な調査方法、範囲が明示されているか (電波障害調査) | ||
(4)保安対策 | 1-11 | 交通安全施設等を指定する場合は、その内容、期間が明示 されているか (交通保安員配置、標識設置) | |
1-12 | 鉄道、電気、ガス、電話、水道等の施設と近接工事で施工方法、作業時間等に制限がある場合は、その内容が明示さ れているか(鉄道、高圧鉄塔) | ||
1-13 | 有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要 な場合は、その内容が明示されているか |
設計図書照査項目一覧表(2/4)
No. | 項 目 | 主 な x x | |
1 | (5) 工事用道路 | 1-14 | 一般道を搬入路として使用する場合 ①工事用資機材等の搬入経路、使用期間等に制限がある場合は、その経路、期間、時間帯等が明示されているか ②搬入路の使用中及び使用後の処置が必要である場合は、 その処置内容が明示されているか |
1-15 | 工事のため、一般道路を占用する場合は、その期間及び範 囲が明示されているか | ||
(6) 仮設備関係 | 1-16 | 足場等の仮設物を、他の工事に引渡す場合及び引継いで使用する場合は、その内容、期間及び維持、終了後の処置の 取扱が明示されているか | |
1-17 | 仮設備の構造及びその施工方法を指定する場合は、その構 造及び施工方法が明示されているか | ||
1-18 | 仮設備の設計条件を明示する場合は、その内容が明示され ているか | ||
(7) 建設副産物関係 | 1-19 | 建設発生土が発生する場合は、残土の受入れ場所及び仮置 き場所までの距離、時間等の処分及び保管条件が明示されているか | |
1-20 | 建設副産物の現場内での再利用及び減量化が必要な場合 は、その内容が明示されているか | ||
1-21 | 建設副産物及び建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法、処理場所等の処理条件。なお、再資源化処理施設又は最終処分場を指定する場合は、その受入れ場所、距離、時間等の条件が明示されているか (コンクリート魂、アスファルトコンクリート魂、基礎くい残土) | ||
(8) 工事支障物件 | 1-22 | 地上、地下等の占用物件の有無及び占用物件等で工事支障物が存在する場合は、支障物件名、管理者、位置、移設時期、工事方法、防護等が明示されているか (電柱、ガス管、上下水道) | |
1-23 | 地上、地下等に占用物件工事と重複して施工する場合は、 その内容が明示されているか(光通信ケーブル) | ||
(9)その他 | 1-24 | 土捨場を指定する場合は、その場所、有償又は無償の区分 が明示されているか | |
1-25 | 工事用材料について、規格を指定する必要がある場合は、 その規格が明示されているか | ||
1-26 | 工事用資機材の保管及び仮置きが必要である場合は、その保管及び仮置き場所、期間、保管方法等が明示されている か | ||
1-27 | 工事現場発生品がある場合は、その品名、数量、現場内で の再使用の有無、引渡場所等が明示されているか |
設計図書照査項目一覧表(3/4)
No. | 項 目 | 主 な x x | |
1 | (9)その他 | 1-28 | 支給材料及び貸与品がある場合は、その品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所、引渡時期等が明示されているか (標識車、交通規制器具) |
1-29 | 工事用電力等を指定する場合は、その内容が明示されてい るか | ||
1-30 | 新技術・新工法・特許工法を指定する場合は、その内容が 明示されているか | ||
1-31 | 部分しゅん功、部分使用等を行う必要がある場合は、その 箇所及び使用時期が明示されているか | ||
1-32 | 給水施設を設置する必要がある場合は、取水箇所・方法等 が明示されているか | ||
2 | 関連資料・貸与 資 料 の 確 認 | 2-1 | 地質調査報告書は整理されているか・追加ボーリングは必 要ないかの確認 |
2-2 | 軟弱地盤の施工に必要な資料はあるかの確認 (圧密沈下、液状化、地盤支持力、法面安定、側方流動等) | ||
2-3 | 共通仕様書及び特記仕様書に示される資料はあるかの確 認 | ||
2-4 | 設計計算書等はあるかの確認 | ||
2-5 | 特記仕様書等に明示してある支障物件移設予定時期及び 占用者に関する資料はあるかの確認 | ||
2-6 | 地盤沈下、振動等による影響が第三者におよばないか、関 連資料はあるかの確認 | ||
2-7 | 地下占用物件である電線、電話線、水道、道路管理者用光ケーブル、その他の地下埋設物を示した図面(平面、横断、 深さ等)等関連資料があるか | ||
2-8 | 設計成果物等(報告書等)の貸与資料(電子データを含む) に不足がないか、追加事項があるかの確認 | ||
3 | 現地踏査 | 3-1 | 建設発生土の受入地への搬入に先立ち、容量が十分か確認 したか |
3-2 | 仮囲いまたは立入防止柵の設置にあたり、交通に支障をき たす場合あるいは苦情が発生すると予想される場合には、工事前に対策を検討し、確認したか | ||
3-3 | 地質調査報告書と工事現場の踏査結果(地質など)が整合 するかの確認 | ||
3-4 | 使用する材料や重機の運搬・搬入路を確認したか |
設計図書照査項目一覧表(4/4)
No. | 項 目 | 主 な x x | |
4 | 特記仕様書・設計図 | 4-1 | 施工前に、配筋図、鉄筋組立図、及びかぶり詳細図により組立可能か、また配力鉄筋および組立筋を考慮したかぶり となっているかを照査したか |
4-2 | 平面図には必要な工事内容が明示されているかの確認 | ||
4-3 | 図面が明瞭に描かれているかの確認(構造物と寸法線の使 い分けがなされているか) | ||
4-4 | 設計図書が互いに整合されているかの確認 | ||
4-5 | 工事完成図書の提出部数、製本等について設計図書に明示 されているかの確認 | ||
4-6 | 機器、材料等の仕様について設計図書に明示されているか の確認 | ||
4-7 | 予備品、保守用品の品目及び数量について設計図書に明示 されているかの確認 | ||
4-8 | 各種試験及び検査の方法について設計図書に明示されて いるかの確認 | ||
4-9 | 機器の取り付け位置が設計図書に明示されているかの確 認 | ||
4-10 | 塗装、保温の延長や部位等、施工に必要な範囲の明示が設 計図書に示されているかの確認 |
【巻末資料②】
設計変更に関する判断事例
次に示す事例は、設計変更の妥当性に迷った事例を収集し、その変更に際しての考え方について整理したものである。
ただし、各工事の内容と条件については、事例に示されるものと相違するため、内容が類似しているからといって変更してよいということでなく、条件変更に合致していることを確認のうえ、設計変更の判断を行うものとする。
設計変更に関する判断事例(1/4)
No | 工種等 | 事例 | 考え方の整理 |
1 | 購入材発生材 | 発生土が埋め戻しに適さないことから、規定を満足する購入材により施工した。 | ・規定を満足しない材料は使用不可。 |
2 | 遅延 引き渡し短縮 夜間 | 土木工事からの引き渡し時期が遅れたため、時間外施工及び夜間工事が必要となった。 | ・安全管理の面からも過度な受注者負担は避けるべき。 ・受注者の責がない場合は、発注者がヤード や夜間工事の費用を負担。 |
3 | 支障物件移設 遅延 | 支障物件(電柱、架空線等)の移設時期が工程上支障となるため当初設置位置の変更を実施した。 | ・事前の工程調整を適切に行い当初計画の変更が生じないよう発注者により対応しておくことが基本。 ・やむを得ず変更が必要となる場合は、必要 に応じて費用を計上。 |
4 | 安全費 | 片側交互通行規制を伴う一般道路の規制を実施した。 | ・積算基準では、一般道の交通規制等の安全費については、諸経費において率計上されているため、別途計上できない。ただし、特殊な規制を行う場合は、本社協議により計上できるものもあるため、特殊な規制を行う場合は協議されたい。 なお、特殊な規制とは、交通量等が高速道路並みと考えられるような道路などでの交通規制などが想定されるが、工事規制内容は様々であり、別途計上の判断は本社協 議が必要。 |
5 | 安全費規制 | 交通量が 5 万台を超すような一般道路において、交通規制を実施した。 | |
6 | 安全費規制 | 作業に必要な日数分の交通規制費を計上していたが、現地施工条件の変更により交通規制が更に必要となった。 | ・計画と実態の乖離(施工計画上のパーティ数、能力等に両者の考え方の相違)や条件明示と変更理由の整合に困難を要す。 ・施工計画の熟度を上げ、応分の交通規制費を当初から計上することを推奨。 ・施工条件を判断したうえで必要な追加費用 は、別途計上。 |
7 | 安全費 | 受注者が計画した夜間照明では、実作業時に暗いため、追加で照明設備を準備するよう口頭指示した。 | ・安全に要する設備は、施工計画の段階で協議し、互いに確認すべき事項。 ・積算基準において夜間作業における照明費 用は、諸経費にて率計上されるため、別途計上はできない。 |
8 | 安全費広報費 | 仮設防護柵を使用した終日車線規制を行うにあたり、受注者が自主的(技術提案なし)に広報として OV に横断幕の設置及び休憩施設に仮設看板の設置を行った。 | ・終日車線規制実施における広報看板等は、発注者が主導し計画すべきものである。従って、OV への横断幕設置や休憩施設での仮設看板設置については、受注者の自主的な範疇で実施させるのではなく、発注者主導で実施。 ・これらの費用については、別途発注することが基本。 ・通常設置する安全標識等は、諸経費に含ま れるため注意。 |
9 | 環境 | 工事個所近傍の家屋に対して、住民からの対策要望も踏まえ、騒音対策とし て目隠板を設置した。 | ・必要性を整理のうえ費用計上。 |
設計変更に関する判断事例(2/4)
No | 工種等 | 事例 | 考え方の整理 |
10 | 環境散水清掃 | 工事において、現場内の散水等を適切に実施していたが、風等で砂埃が飛散しやすい土質的であったため、周辺家屋等への屋根に飛来したことから、屋 根の清掃を実施した。 | ・必要性を整理のうえ費用計上。 |
11 | 環境散水 | 地元協議において、現場内からの粉じん対策が要望されたため、現場内の散水による粉じん対策を実施した。 | ・必要性を整理のうえ費用計上。 |
12 | 設計費 | 工事に当初予定されていた工種以外の設計及び施工を追加した。 | ・新たな設計の追加は費用計上が必要。 ・原則として条件変更により生ずる調査設計業務は別件発注。 ・時間的制約等やむを得ない事情があり工事に含める場合は、理由を整理の上費用を計 上。 |
13 | 試験費 | 発注者が指示した標準的に市販及び製造されていない、特殊配合のコンクリートを使用するにあたり、受注者が示方配合及び計画配合決定のための試験練り(45 回)を実施した。 | ・通常実施するプラント使用の配合の NEXCO基準への適合確認のための試し練りは、共通仮設費(技術管理費)にて率計上されている。 ・通常的なもの以上に必要な費用は計上すべきであるが、45 回分の妥当性の検証が必要。 ・なお、費用の計上とは別に標準的に市販及び製造されていない特殊配合のコンクリー ト使用の妥当性の判断も必要。 |
14 | 災害 緊急対応 | 大雨により、工事に起因しない河川の氾濫及び一般道の滞水が発生したため、隣接する当該工事が緊急対応とし て現場処理を行った。 | ・発注者として必要性を認め指示した場合は費用を計上。しかし、施工内容、範囲については、当面の初動対応を除き現場管理との 関連性から適切な判断も必要。 |
設計変更に関する判断事例(3/4)
No | 工種等 | 事例 | 考え方の整理 |
15 | 配管配線 | 設計図書と現地の不整合(土工⇒橋梁)により配管敷設方法(埋設⇒遮音壁添 架)及び配線数量の変更を行った。 | ・必要性を整理のうえ費用計上。 |
16 | 道路照明 | 道路照明基礎について、当初は現場打ちで発注していたが、受注者からの提案によりプレキャスト製に変更した。 | ・発注者は当初目的物と比較を行い、受注者からの提案内容が性能、施工性、経済性等の面で同等であることを確認する必要がある。 ・なお、受注者の都合による任意の提案であ ることから、設計変更の対象とならない。 |
17 | 施工機械 | 工事の施工にあたって、発注者が当初 想定した以上の能力を有する重機等施工機械を使用した。 | ・施工方法については発注の際に指定してお らず任意であるため、原則として設計変更の対象とならない。 |
18 | 建築 地盤改良 | 電気室新築工事において、平板載荷試験の結果地耐力が所定の数値に達しなかったことから、地盤改良が必要となった。 | ・工事契約後の現地調査等の結果により地耐力が不足することが判明した場合は、契約書第 18 条第 1 項第四号に該当するものと考えられるため、設計変更の対象となる。 ・受発注者間の協議により、必要な費用を計 上。 |
19 | 環境 道路照明 | 道路照明工事において、照明設置後に工事個所近傍の地権者より光害対策を要望されたため、同一工事内で遮光ルーバーの設置や灯具角度の調整を実施 した。 | ・必要性を整理のうえ費用計上。 |
20 | 自 家 発 電設備 | 自家発電設備の更新工事において、発電機容量を●●kVA 以上、燃料槽容量 ▲▲L 以上として発注したところ、受注者の納入した発電機容量が●●kVAより大きく、発注時の燃料槽容量では 72 時間以上の連続運転に必要な容量 に不足することから、燃料槽のサイズアップが必要となった。 | ・発注者は機器の妥当性を確認する必要がある。 ・「無給油で 72 時間以上の連続運転を可能とする」ことは設計思想であり、発注図書に明記していないことから、受注者の責には当たらない。 ・必要性を整理のうえ費用計上。 |
21 | 占用 可 変 式 道路情報板 | インター入口情報板の設置に際し、占用予定用地の地権者より設置位置に関する要望を受け、基礎及び支柱形状の 変更が必要となった。 | ・関係者との協議が整っていない状況にて工事を発注することは不適切。 ・必要性を整理のうえ費用計上。 |
22 | 環境 ア ス ベ スト 建築 | 料金所内部改修工事において、発注後にアスベストを含む建材が確認されたことから、工法の変更が必要となった。 | ・調査費用及び飛散防止対策の実施に伴い必要となる費用は適切に計上する。 ・なお、調査費用については共通仮設費に積 み上げ計上する。 |
設計変更に関する判断事例(4/4)
【他機関による判断事例】
No | 工種等 | 事例 | 考え方の整理 |
1 | 土工 | 関係機関協議により、当初発注時の土 捨場が変更となり、仮置きが必要となった。 | ・土捨場の変更については、受注者の責によらない場合は、設計変更の対象となる。 |
2 | 雑工 | 当初設計図書では、既設コンクリートが無筋コンクリートとされていたが作業時に鉄筋コンクリートであることが 判明した。 | ・契約書第 18 条に基づき、監督員に立会を求め、現地状況を確認し当初設計図書と相違がある場合は、設計変更の対象となる。 |
3 | 環境 | 民地・宅地が隣接しているため、地元から騒音・振動調査の要望があった。 | ・受注者が受けた要望であれば、監督員の報告のうえ、騒音・振動調査の実施について指示を受けた場合は設計変更の対象となる。受注者の独自判断で実施した場合は、 設計変更の対象とならない。 |