Contract
事業者等を守り育てる静岡xx契約条例をここに公布する。令和3年3月26日
静岡県条例第25号
事業者等を守り育てる静岡xx契約条例
静 岡 x x 事 x x x x
静岡県は、県民への公共サービス提供のための契約の締結に当たり、事業者とその手続の透明性及びxx性の確保に取り組んでおり、事業者間の過度な価格競争等が問題となる中、最低制限価格制度、低入札価格調査制度、総合評価落札方式等の対策も講じてきたところである。
しかしながら、今後も入札の不調不落やダンピングが発生するおそれがあるため、公共サービスの円滑な提供や質の向上、公契約に係る業務に従事する者の適正な労働条件の確保等に万全を期す必要がある。
また、人口減少や少子高齢化の進行に伴い、多くの産業分野で人手不足が深刻化しており、本県経済が健全かつ持続的に発展していくためには、本県産業を支える人材の確保が急務である。
加えて、世界情勢や社会経済環境が大きく変化する中、我が国では産業構造の変化だけでなく、人々の働き方や生活様式の多様化が進んでおり、子育て、介護等と仕事を両立できる柔軟な働き方や、在宅勤務、テレワーク等の新たな働き方への対応、性別、年齢、国籍、障がいの有無等にかかわらず、誰もが働きやすい環境の整備が求められている。
よってここに、県の契約制度の適正な運用を通じて、良質な市場を形成することにより、県民に提供されるサービスの質を向上させ、従事者の労働環境を整備し、社会情勢の変化に的確に対応する優良な事業者等を応援し、活力ある地域の形成及び持続可能な社会の実現を図るため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、公契約に関し、基本理念を定め、県及び事業者等の責務を明らかにすることにより、契約制度の適正な運用を図り、県民に提供されるサービスの質を向上させ、従事者の労働環境を整備し、社会情勢の変化に的確に対応する優良な事業者等を応援し、もって活力ある地域の形成及び持続可能な社会の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 公契約 地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項の規定により県が締結する売買、貸借、請負その他の契約で、県がその目的たる事業者からの給付に対して対価の支払をすべきものをいう。
(2) 事業者 県と公契約を締結し、又は締結しようとする者をいう。
(3) 下請負者等 次のいずれかに該当する者をいう。
ア 下請、再委託その他いかなる名義によるかを問わず、県以外の者から公契約に係る業務の一部を請け負い、又は受託する者
イ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者を事業者又はアに掲げる者が行う公契約に係る業務に従事させる者
(4) 事業者等 事業者及び下請負者等をいう。
(5) 従事者 公契約に係る業務に従事する者をいう。
(基本理念)
第3条 公契約は、その締結に至る過程における透明性及び競争のxx性が確保されるとともに、談合その他の不正行為が排除されたものでなければならない。
2 公契約は、経済性に配慮された上で、適正な履行が通常見込まれない金額による契約の締結の防止が図られていること及び価格以外の多様な要素も考慮されていることにより、総合的に優れた内容のものでなければならない。
3 公契約は、従事者の労働環境の整備が図られるよう、適切な措置が講じられたものでなければならない。
4 公契約は、その目的及び内容に応じて、事業者が行う次に掲げる事項が勘案されたものでなければならない。
(1) 性別、年齢、国籍等にかかわらず、多様な人材が活躍する社会の実現に資すること。
(2) 障がい者その他の就業を支援する必要がある者の雇用の促進に資すること。
(3) 柔軟な働き方ができる職場環境づくり及び働く人の健康づくりに資すること。
(4) 環境に配慮した事業活動に努めること。
(5) 持続可能で活力ある地域社会の実現に資すること。
(6) その他社会的な価値の創出に資すること。
(県の責務)
第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、この条例の目的を達成するために必要な取組を推進するものとする。
2 県は、予定価格を定めるに当たっては、社会経済情勢の変化等を勘案し、市場における労務単価その他の取引価格等を考慮して積算するものとする。
3 県は、公契約に係る業務の発注に当たっては、その目的及び内容に応じて、特定の時期に集中しないよう計画的な発注及び適切な契約期間の設定に努めるものとする。
4 県は、入札及び公契約の締結の方法の決定に当たっては、その目的及び内容に応じて、多様な方法の中から適切な方法を選択するものとする。
5 県は、事業者等がその従事者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備を図るよう、入札及び公契約の締結からその終了に至るまでの過程において必要な措置を講ずるものとする。
(事業者等の責務)
第5条 事業者等は、基本理念にのっとり、公契約に基づく債務を履行する者として社会的な責任を有することを認識し、法令を遵守するとともに、その債務を適正に履行しなければならない。
2 事業者等は、公契約に基づく債務の履行に伴い、下請負者等と契約を締結するときは、適正な見積りを基に、対等な立場における合意に基づいたxxな契約を締結するよう努めるものとする。
3 事業者等は、その従事者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に努めるものとする。
4 事業者等は、県が実施する公契約に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(県の取組方針)
第6条 知事は、基本理念を踏まえた公契約の締結及びそれに基づく債務の履行を確保するため、県が取り組むべき方針(以下「取組方針」という。)を定めなければならない。
2 取組方針には、基本理念を踏まえた公契約の締結方法その他の公契約に関する施策を総合的に推進するために必要な事項を定めるものとする。
3 知事は、取組方針を定めるに当たっては、あらかじめ、広く県民に意見を求めるものとする。
4 知事は、取組方針を定めたときは、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、取組方針の変更(知事が別に定めるものを除く。)について準用する。
6 知事は、毎年度、取組方針の実施状況について議会に報告しなければならない。
(委任)
第7条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、知事が定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。