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消費貸借
明治学院大学法科大学院教授▇▇▇ ▇
◼ 第587条(消費貸借)
◼ 消費貸借は,当事者の一方が種類,品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって,その効力を生ずる。
◼ 要物契約
◼ 目的物の授受があるまで,
契約は成立しない。
◼ 諾成契約ではないので,契約書は意味を持たない。
◼ 目的物の交付を受けてから,返還合意としての借用書が作成されることになる。
◼ 片務契約
◼ 無償契約(無利子)の場合
◼ 無償契約の場合に,片務契約であることはよくある。例えば?
◼ 贈与,使用貸借などもそうである。
◼ 有償契約(▇▇▇)の場合
◼ 有償契約にもかかわらず,片務契約であるのは,消費貸借に限られる。
◼ その理由は?
◆要物契約であるため,契約成立の時点で貸主はやるべきことを全て終えているからである。
◆その後は,借主が,元本等を返還する義務が残るだけである。
◼ 第588条(準消費貸借)
◼ 消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において,当事者がその物を消費貸借の目的【物】とすること
を約したときは,消費貸借は,これによって成立したものとみなす。
◼ 典型例
◼ 売買代金を直ちに支払わずに借金とし,それに利息・担保をつける場合など。
◼ 割賦販売契約
◼ 売買の場合,本来は,目的物の引渡と代金の支払いは,同 時履行の関係にある。
◼ しかし,割賦販売の場合,割賦代金の支払を準消費貸借によるものであると考えると,売買はすでに完結しているので,所有権が即時に移転すると考える当事者の意思に合致する。
◼ また,代金債権は,準消費貸借(被担保債権)として残るので,売主の所有権留保(割賦販売法7条)を担保的に構成す ることにも適合的である。
所有権留保の理論構成
所有権的構成 担保(譲渡担保)的構成
売主=債権者
(先取特権)
買主=債務者
契約後・代金完済までの所有権
代金債権の性質
売主が所有権に基づき処分する
代金不払の場合
売主:所有者 買主:条件付権利者
売主:債権者
(譲渡担保権者)
買主:債務者
(譲渡担保設定者)
契約後・代金完済までの所有権
代金債権の性質
売主が譲渡担保権を実行する
代金不払の場合
売主:譲渡担保権者 買主:所有者
消費貸借の返還の時期
◼ 第591条(返還の時期)
◼ ①当事者が返還の時期を定めなかったときは,貸主は,相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
◼ ②借主は,いつでも返還をすることができる。
◼ 1項の関連規定
◼ 親規定
◼ 第412条(履行期と履行遅滞)
③債務の履行について期限を 定めなかったときは,債務者は,履行の請求を受けた時から遅 滞の責任を負う。
◼ 兄弟規定
◼ 第666条(消費寄託)
◆ ②前項において準用する第 591条第1項〔返還の時期・貸主による返還の催告〕の規定にかかわらず,前項の契約に返還の時期を定めなかったときは,寄託者は,いつでも返還を請求することができる。
◼ 2項の関連規定
◼ 第136条(期限の利益及びその放棄
◆ ①期限は,債務者の利益のために定めたものと推定する。
◆ ②期限の利益は,放棄することができる。ただし,これに
よって相手方の利益を害することはできない。
履行不能の場合の価額返還
◼ 第592条(価額の償還)
◼ 借主が貸主から受け取った物と種類,品質及び数量の同じ物を
もって返還をすることができなくなったときは,その時における物の価額を償還しなければならない。
◼ ただし,第402条第2項
〔債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているとき〕に規定する場合は,この限りでない。
◼ 親規定
◼ 第402条(金銭債権1)
◼ ①債権の目的物が金銭であるときは,債務者は,その選択に従い,各種の通貨で弁済をすること ができる。ただし,特定の種類の通貨の給付を
債権の目的としたときは,この限りでない。
◼ ②債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているときは,債務者は,他の通貨で弁済をしなければならない。
③前2項の規定は,外国の通貨の給付を債権の
目的とした場合について準用する。
◼ 親規定の特別法
◼ 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
◼ 第7条(法貨としての通用限度)
◆貨幣は,額面価格の20倍までを限り,法貨
として通用する。
出世払い契約の解釈
通説(有斐閣・法律学小辞典)
◼ 出世(成功)したときに返済するという約束つきの債務をいい,その借用証書を出世証文という。
◼ 成功しないときは支払う必要がないという意味であれば,停止条件であるが,成功の時まで猶予され,成功しないこと〔不能〕が確定した時に弁
済期が到来するという意味であれば,
不確定期限である。
◼ 判例には,出世払特約付貸借を不確定期限つきと解するものがかなり多い(大判大正4・3・24民録21・439等)が,具体的事情に即して当事者の意思を判断して決定するのが妥当である〔民127<1>・135<1>参照〕。
▇▇▇説
◆ 出世したときに再贈与するという,再贈与の予約である。
◆ 貸金だと,▇▇▇は返さなければならない。停止条件付消費貸借というのは,概念矛盾である。
◆ しかも,出世払いを消費貸借契約であるとすることは,「出世したときだけに返す」という当事者の意思に反する。
◆ 当事者の意思を考慮すれば,最初に交付した金額は, 「ご祝儀」,「餞別」などであり,出世しなければ返還の必要がないもの,すなわち,贈与と考えるべきである。
◆ それでは,出世した時には返済するというのは,いかなる意味か?
◆ それは,出世したら,「内祝い」として,贈与を受けた金額と同額を再贈与するという,「再贈与の予約」と考えるべきであろう。
法定利率
民法
◼ 第404条(法定利率)
◼ 利息を生ずべき債権について別段の意思表示
がないときは,その利率は,年5分とする。
商法
◼ 第513条(利息請求権)
◼ ①商人間において金銭の消費貸借をしたときは,貸主は,法定利息(次条の法定利率による利息をいう。以下同じ。)を請求することができる。
◼ ②商人がその営業の範囲内において他人のために金銭の立替えをしたときは,その立替えの日以後の法定利息を請求することができる。
◼ 第514条(商事法定利率)
◼ 商行為によって生じた債務に関しては,法定
利率は,年6分とする。
◼ 第5条(高金利の処罰)
◼ ①金銭の貸付けを行う者が,年109.5パーセント(2月29日を含む1年については年 109.8パーセントとし,一日当たりについては0.3パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは,5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。当該割合を超える割合による利息を受領し,又はその支払を要求した者も,同様とする。
◼ ②前項の規定にかかわらず,金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う
場合において,年20パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは,5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。その貸付けに関し,
当該割合を超える割合による利息を受領し,又はその支払を要求した者も,同様とする。
◼ ③前2項の規定にかかわらず,金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において,年109.5パーセント(2月29日を含む一年については年109.8パーセントとし,一日当たりについては0.3パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは,10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。その貸付けに関し,当該割合を超える割合による利息を受領し,又はその支払を要求した者も,同様とする。
◼ 第42条(高金利を定めた金銭消費貸借契約の無効)
◼ ①貸金業を営む者が業として行う金銭を目的とする消費貸借の契約(手形の割引,売渡担保その他これらに類する方法によって金銭を交付する契約を含む。)において,年109.5パーセント(2月29日を含む1年については年109.8パーセントとし,一日当たりについては0.3パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。)の契約をしたときは,
当該消費貸借の契約は,無効とする。
◼ ②出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律第5条の4第1項から第4項までの規定は,前項の利息の契約について準用する。
利息制限
◼ 利息制限法
◼ 第1条(利息の制限)
◼ 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は,その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは,その超過部分について,無効とする。
◆ ▇ | ▇本の額が10万円未満の場合 | 年2割 |
◆ 二 | 元本の額が10万円以上100万円未満の場合 | 年1割8分 |
◆ 三 | 元本の額が100万円以上の場合 | 年1割5分 |
◼ ②債務者は,前項の超過部分を任意に支払ったときは,同
項の規定にかかわらず,その返還を請求することができない。
(←2010年削除)
利息の▇▇▇▇と返還
◼ 第2条(利息の天引き)
◼ 利息の天引きをした場合において,天引額が債務者の受領額を元本として前条に規定する利率により計算した金額を超えるときは,その超過部分は,元本の支払に充てたものとみなす。
◼ 最二判平18・1・13民集60巻1号1頁(百
選Ⅱ第55事件)
◼ 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借において,
◼ 制限超過部分の支払は,貸金業の規制等に関する法律 43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない。
◼ 最二判平19・7・13民集61巻5号
1980頁
◼ 貸金業者が利息制限法1条1項所定の制限を超える利息を受領したが,その受領につき貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用が認められない場合には,
◼ 当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り,
◼ 民法704条の「悪意の受益者」であると推定される。
個人間の金銭消費貸借
◼ 第4条(賠償額の予定の制限)
◼ ①金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は,その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の1.46倍を超えるときは,その超過部分について,無効とする。
◼ ②前項の規定の適用については,違約金は,賠償額の予定とみなす。
◼ 賠償額の予定の上限の計算
◼ 元本10万円未満 29.2%
◼ 元本10万円~100万円 26.28%
◼ 元本100万円以上 21.9%
営業的金銭消費貸借
◼ 第7条(賠償額の予定の特
則)
◼ ①第4条第1項の規定にかかわらず,営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は,その賠償額の元本に対する割合が年2割を超えるときは,その超過部分について,無効とする。
◼ ②第4条第2項の規定は,前項の賠償額の予定について準用する。
年利(%)と日歩(1万円借りて何円と読み替えてもよい)との関係
日歩(銭) | 年利(%) |
1 | 3.65 |
2 | 7.30 |
3 | 10.95 |
4 | 14.60 |
5 | 18.25 |
6 | 21.90 |
7 | 25.55 |
8 | 29.20 |
9 | 32.85 |
10 | 36.50 |
日歩(銭) | 年利(%) |
11 | 40.15 |
12 | 43.80 |
13 | 47.45 |
14 | 51.10 |
15 | 54.75 |
16 | 58.40 |
17 | 62.05 |
18 | 65.70 |
19 | 69.35 |
20 | 73.00 |
日歩(銭) | 年利(%) |
21 | 76.65 |
22 | 80.30 |
23 | 83.95 |
24 | 87.60 |
25 | 91.25 |
26 | 94.90 |
27 | 98.55 |
28 | 102.20 |
29 | 105.85 |
30 | 109.50 |
◼ 喫茶店で,300円の珈琲を毎日飲み続けると,1年でいくらになるか?
◼ 109,500円 → 出資法5条, → 消費者契約法9条, → 利息制限法4条・7条
◼ 1日140円(4,200/月)の通信料を払うと,1年でいくらになるか?
◼ 51,100円
販売信用の類型割賦販売法2条
包括信用購入
あっせん
(クレジットカード取引)
(2条3項)
個別信用購入
あっせん 立替払い・クレ
ジット販売
(2条4項)
(自社)割賦販売
(2条1項)
ローン提携販売
(2条2項)
信用購入あっせん
(2月以上なら1回払でも可)
販売信用
2012/11/30 Lecture on Contract 15
→割賦販売と準消費貸借との関係; →クレジット販売; →ローン提携販売
目的物
目的物
通常の売買契約 割賦販売の基本ユニット
売主
A
①
代 代代金 金▇▇ 債債払 ▇▇
い
売
買
契約
引渡渡請請
求 権
買主
B
①引渡し
目的物
売主
②
割 割 賦 賦代代 代金金 金債支 債権払 権
い
A
割
賦販売
契約
引引渡渡請請求求
▇▇
所
有権
留保
①引渡し
抗
弁
買主
B
目的物
Simultaneous performance Buy now, pay later.
割賦販売の基本ユニットの応用(1/5)ローン提携販売(1)割賦販売? →基本
②保証人
◼ 従来の考え方によると,ローン提携販売は,経済的には,割賦販売と同じ効果を生じるが,法律的には,売買と消費貸借契約との組み合わせに過ぎないとしてきた。
目的物
金融機関
C
④貸金の
履行請求
売主
A
売売
買買 ③代代 一金金 括
債債 弁権▇ ▇
売
買
契
約
引
渡
引
渡
請
請
求求▇▇
所
有権留
保
①引渡し
抗
弁
買主
B
目的物
◆ しかし,これでは,金を借りて,売買契約をしたのと
同じであり,これを割賦販売として扱うことは困難である。
割賦販売の基本ユニットの応用(2/5)クレジット販売(三当事者契約)→基本
③債権売買代金
信販会社
C
②債権売買
売主
A
割
賦割代賦金代債金
権
割
賦販売
契約
引引渡渡請請求求
▇▇
所
有権留
保
①引渡し
抗
弁
買主
B
目的物
◼ この契約形態は,割賦販売の一
目的物
種と考えることが容易である。
◼ しかし,割賦販 売と債権売買が別々の契約とみなされ,抗弁の切断を正当化するおそれがある。
◼ 最高裁も,特別
法が適用されな
い場合に,抗弁の切断を認めている(最三判平 2・2・20判タ731
割賦販売の基本ユニットの応用(3/5)クレジット販売(第三者のためにする契約)→基本
③債権売買代金支払
(受益の意思表示)
信販会社
C
売主
A
割割賦賦代代金金債債
権権
②
債権譲渡
契約
①
割賦販売契
約
引引渡渡
請
請
求求▇▇
所
有
権
留保
①引渡し
抗
弁
買主
B
目的物
◼ 同じ契約でも,
目的物
「第三者のためにする契約」の構成によると,状
況が変わってくる。
◼ 第1に,割賦販売も債権売買も同一当事者間の契約となる。
◼ 第 に,信販会社
2
は,契約当事者ではなくなる。
◼ 第 に,▇▇の規
3
定によって,信販会社は,抗弁の対抗を受けることになる(最高裁判 決の克服)。
割賦販売の基本ユニットの応用(4/5)
目的物
③買主経由
売主への融資
②保証人
金融機関
C
②債権売買
資力担保
履行請求
売主
A
割
賦割代賦
金代
割
賦販売契
約
引引
渡
請
渡
債
金
所
有
権
留保
①引渡し
権
請求求
▇▇
抗
弁
買主
B
目的物
◼ ローン提携販売を実質的な売主への融資と考え,債権売買として構成すると,割 賦販売の一種と考えることが容 易である。
◼ しかし,割賦販 売と債権売買が別々の契約とみなされ,抗弁の切断を正当化するおそれがある。
ローン提携販売(3)(第三者のためにする契約)→基本
金融機関
C
③債権売買代金支払い
履行請求
②将来資力
の担保
売主
A
割
◼ ローン提携販売を実質的な売主への融資と考え,かつ,「第三者のためにする契約」のとして構成することができる。
目的物
目的物
◼ 第1に,割賦販売も債
権売買も同一当事者
割
賦 債
賦
代 ▇
▇
▇▇ ▇
債▇ ▇
権 約
抗
割 所
賦 引引 有
販 ▇▇ 権
売 請請 留
▇ ▇求 保
約 ▇▇
間の契約となる。
① ◼ 第2に,▇▇の規定に
引 よって,金融機関は,
渡 抗弁の対抗を受けるこ
し とになる。
◼ 第3に,金融機関は,
契約当事者ではない
弁 買主
B
が,買主に対する直接
の権利と売主に対して,債権売買の担保責任 を追及できる。
二当事者 特殊の売買→準消費貸借
(民法588条)
売買と金銭消費貸借の結合→
三当事者(銀行の介入)
債権売買,売主の資力担保必須
(民法569条2項)
一括立替払いの委託→
債権売買,売主の資力担保不要
(民法569条1項)
三当事者(クレジット会社)
◼ 最三判平2・2・20判タ731号91頁,判時1354号76頁
◼ 割賦販売法30条の4第1項新設前の個品割賦購入あっせんにおける売買契約上の抗弁とあっせん業者に対する対抗の可否(否定)
◼ 購入者が割賦購入あっせん業者(以下「あっせん業者」という。)の加盟店である販売業者から証票等を利用することなく商品を購入する際に,あっせん業者が購入者との契約及び販売業者との加盟店契約に従い販売業者に対して商品代金相当額を一括立替払し,購入者があっせん業者に対して立替金及び手数料の分割払を約する仕組みの個品割賦購入あっせんは,法的には,別個の契約関係である購入者・あっせん業者間の立替払契約と購入者・販売業者間の売買契約を前提とするものであるから,
◼ 両契約が経済的,実質的に密接な関係にあることは否定し得ないとしても,購入者が売買契約上生じている事由をもって当然にあっせん業者に対抗することはできないというべきであり,
◼ 昭和59年法律第49号(以下「改正法」という。)による改正後の割賦販売法30条の4第1項の規定は,法が,購入者保護の観点から,購入者において売買契約上生じている事由をあっせん業者に対抗し得ることを新たに認めたものにほかならない。
◼ したがって,右改正前においては,
◼ 購入者と販売業者との間の売買契約が販売業者の商品引渡債務の不履行を原因として合意解除された場合であっても,購入者とあっせん業者との間の立替払契約において,かかる場合には購入者が右業者の履行請求を拒み得る旨の特別の合意があるとき,又はあっせん業者において販売業者の右不履行に至るべき事情を知り若しくは知り得べきでありながら立替払を実行したなど右不履行の結果をあっせん業者に帰せしめるのを▇▇▇上相当とする特段の事情 があるときでない限り,購入者が右合意解除をもってあっせん業者の履行請求を拒むことはできないものと解するのが相当である。
◼ 最三判平23・10・25民集65巻7号3114頁
◼ 個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合であっても,
◼ 販売業者とあっせん業者との関係,販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度,販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度等に照らし,
◼ 販売業者による公序良俗に反する行為の結果をあっせん業者に帰せしめ,売買契約と一体的に立替払契約についてもその効力を否定することを▇▇▇上相当とする特段の事情があるときでない限り,
◼ 売買契約と別個の契約である購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となる余地はない。
