Contract
資材価格の高騰に伴う請負代金の変更について
(建設工事請負契約書第25条第5項(単品スライド)の運用基準制定)
建設工事請負契約書第 25 条第 5 項(単品スライド)については、国と同様、平成
20 年6 月13 日時点で継続中もしくは、それ以降の新規発注工事に適用することとし、この度、県関係機関及び県内市町などに対しても、適切な運用が図られるよう周知徹底を行います。
1.単品スライドについて
「単品スライド」とは、建設工事請負契約書第 25 条第 5 項に基づき、「特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったとき」に、請負代金額の変更を請求できる措置です(参考資料①)。
2.今回の運用基準について
(1) 対象とする資材
鋼材類(H型鋼、異形棒鋼など)、燃料油(軽油、ガソリンなど)
アスファルト類(アスファルト混合物、アスファルト乳剤等)(H20.12 追加) 生コンクリート(H21.12 追加)
特別な要因により価格に著しい変動を生じた資材として、各資材における価格変動の状況及び工事費における平均的シェアの両面から工事への大きな影響の見込まれる「鋼材類」と「燃料油」の2資材を対象としました。
(2) 適用対象工事
国と同様、平成 20 年 6 月 13 日時点で継続中もしくは、それ以降の新規発注工事としました。
(3) 請負代金額変更の考え方
対象資材の価格上昇に伴う増額分のうち、請負者からの請負代金額の変更請求 に基づき、対象工事費の1%を超える額を増額変更。
建設工事請負契約書は、通常合理的な範囲を超える価格の変動については一方の契約当事者のみにその負担を負わせることは適当ではないとの考えに基づき定められています。この考え方に沿って、今回の運用基準は、資材価格の上昇による請負代金額の増加分が対象工事費(注1)の1%を超える額を増額変更することとしました。
注1:基本的には工事の請負代金の総価であるが、年度をまたがる工事や全体スライドとの併用工事などについては、適用開始以前の出来高部分に相応する請負代金額を控除した額とする。
(4) 具体的な算定方法
具体的な算定方法については、(参考資料②)に示すとおりです。
参考資料①
~建設工事請負契約書より抜粋~
(賃金又は物価の変動に基づく請負代金額の変更)
第25条 甲又は乙は、工期内で請負契約締結の日から12月を経過した後に日本国内にお ける賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。
全体スライド
2 甲又は乙は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事代金額(請負代金額から当該請求時の出来形部分に相応する請負代金額を控除した額をいう。以下同じ。)と変動後残工事代金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事代金額に相応する額をいう。以下同じ。)との差額のうち変動前残工事代金額の 1000分の15を超える額につき、請負代金額の変更に応じなければならない。
3 変動前残工事代金額及び変動後残工事代金額は、請求のあった日を基準とし、物価指数等に基づき甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合にあっては、甲が定め、乙に通知する。
単品スライド
4 第1項の規定による請求は、本条の規定により請負代金額の変更を行った後再度行うことができる。この場合においては、第1項中「請負契約締結の日」とあるのは「直前の本条に基づく請負代金額変更の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったときは、甲又は乙は、前各項の規定によるほか、請負代金額の変更を請求することができる。
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単品スライド(工事請負契約書第25条第5項)
対象資材:鋼材類、燃料油
参考資料②
主要材料の変動額(A)
(材料費のみを対象)
※その後、平成21年12月までに「アスファルト類」
請 負
額
(変動前対象工事額:C)
「生コンクリート」を対象資材に追加
単品スライド変更額
=AーC×1%
既済部分(検査済)
対 象 工 事
ただし、A>C×1%の場合のみ、単品スライド
の適用可能
契約日
適用開始日
請求日
工期末
残工期2ヶ月以上
(参考)全体スライド(工事請負契約書第25条第1項~第4項)
残工事に対する 変動前後の差額(A)
工期末
x x x 残 工 事
全体スライド変更額 AーB×1.5%
請 負
額
(変動前残工事額:B)
ただし、A>B×1.5%の場合のみ全体スライド
適用可能
契約日
12ヶ月以上
14日以内
残工期2ヶ月以上
請求日
基準日