Contract
xxx市新病院建設事業
要求水準書
令和3年4月14日xxx市立病院
目 次
Ⅰ 総則
1 要求水準書の位置づけ 1
2 事業の目的 1
3 基本計画の位置づけ 2
4 業務範囲 2
5 業務期間 2
6 契約書類の構成と優先順位 2
Ⅱ 本事業における条件
1 敷地条件等 4
2 施設の概要 5
3 関連法令・基準等 5
Ⅲ 本施設整備の要求水準
1 共通事項 8
2 土地利用計画の要求水準 11
3 建築計画の要求水準 12
4 構造計画の要求水準 27
5 電気設備計画の要求水準 30
6 機械設備計画の要求水準 40
7 昇降機設備計画の要求水準 54
8 搬送設備計画の要求水準 56
9 ヘリポート計画の要求水準 57
10 仮設計画 57
Ⅳ 本業務の実施に関する要求水準
1 共通事項 58
2 設計業務に関する要求水準 62
3 工事監理業務に関する要求水準 65
4 施工業務等に関する要求水準 67
<添付資料・参考資料リスト>
下記資料は、本事業以外に使用しないこと。
添付1 所掌区分表添付2 工事区分表
添付3 関係者役割分担表添付4 リスク分担表
添付5 設計業務に係る成果品
添付6 提出書類(施工、引渡し、契約支払)添付7 諸室リスト・諸元表
添付8 高度地区適用除外条件表
参考1 現況図・計画範囲図 ※
参考2 埋蔵文化財調査計画(案)※参考3 浸水想定図
参考4 インフラ関連資料参考5 既存建物関連資料参考6 基本計画図 ※ 参考7 基本計画概要書
参考8 厨房設備参考図 ※ 参考9 想定医療機器等リスト参考10 地質調査報告書
参考11 飛行場外離着陸場(屋上)整備に係る候補地検討業務報告書参考12 放射線機器 設置計画書
※:CADデータを提示
Ⅰ 総則
1 要求水準書の位置付け
本要求水準書(以下「要求水準書」という。)は、xxx市新病院建設事業(以下「本事業」という。)において、xxx市立病院(以下「病院」という。)が設計及び施工者
(以下「受注者」という。)に対し、本事業の各業務において達成しなければならない要求水準を示すものである。
また、要求水準書は、受注者の選定過程における審査条件として位置づける。
次に基本事項を示す。ただし、本プロポーザルは、要求水準書が示す意図に沿った幅広い提案を求めるものであり、要求水準書の細部において適合可否の判断がつきにくい項目に対する提案についても、実施要領に記載する「競争的対話」等を積極的に活用し、確認されたい。
(1) 要求水準は、原則として病院が要求する機能と性能の水準を規定するものであり、施設の具体的仕様及びそれらを構成する個々の工法や機器などについては、受注者が要求水準を満たすように提案するものである。
(2) 本要求水準書の「Ⅲ 本施設整備の要求水準(添付資料・参考資料を含む)」などにより具体的な仕様などを規定しているものは、見積条件の基準をそろえるために示したものであり、その決定については、同等以上の性能を有することを条件に、設計期間中に病院との協議によって確定する。
(3) (2)に示す他、技術提案書として提案された内容も、設計業務の過程において、病院との協議により具体的仕様その他を決定する。
(4) 【参考6 基本計画図】【参考7 基本計画概要書】は、要求水準書の内容を伝達するための資料であり、要求水準として扱うものではない。
(5) 受注者は、本事業の事業期間にわたって要求水準を遵守しなければならず、病院は、受注者による本事業の適正かつ確実な実施を確保するため、要求水準書に示された事項に基づき業務のモニタリング及び改善要求を行うものとする。
(6) 病院は、本事業期間中に次の事由により要求水準書の見直しを行うことがある。要求水準書の見直しに当たり、病院は事前に受注者へ通知する。見直しに伴い、要求水準書を変更するときは、これに必要な契約変更を行う。
ア 法令等の改正により、本工事対象物に係る要求水準書を変更する必要がある場合イ 病院の事由により、本工事対象物に係る要求水準書を変更する必要がある場合
ウ 受注者による本工事対象物に係る要求水準書の変更提案に対して,病院がその提案を採用した場合
エ その他、本工事対象物に係る要求水準書の変更が特に必要と認められる場合
2 事業の目的
病院は、昭和 33 年に現在地に開設し、昭和 59 年全面改築して以来、xxx市をはじめ
2市8町からなる県西二次保健医療圏の基幹病院として地域の医療を守る役割を担ってきた。
しかしながら、改築後 35 年以上が経過し、電気設備や給排水設備など、設備面での老朽化が顕著になるとともに、病室の一床当たりの面積が医療法施行規則の基準を下回っていることなどから、早急な対応が求められている。
このため、令和2年に「xxx市新病院建設基本計画」をまとめ、そこに示された、新病院の機能・諸室の設定、運用と建設条件に基づき、本事業を実施するものである。
3 基本計画の位置付け
新病院建設にあたっては、「xxx市新病院建設基本計画」の考え方を最大限に実現するため、事業の基本方針として本書を補完する位置付けとする。
4 業務範囲
本事業の業務範囲は、次に示す範囲のほか、各種適用基準、要求水準書及び質問に対する回答書で定めたものとする。また、詳細については、【添付1 所掌区分表】【添付2工事区分表】を参照すること。
なお、本事業を進めていくことで想定されるリスクについては、【添付4 リスク分担表】を参照すること。
(1) 設計・監理業務の範囲
ア 本体工事の設計・監理業務イ 既存病院の解体設計業務 ウ 敷地全体の基本設計業務
(2) 施工業務の範囲
ア 本体工事
5 業務期間
設計業務委託契約締結の日から令和11年3月末日(開発工事完了まで)(ただし、竣工引き渡しは、令和8年10月末日までとする。竣工引き渡し日は技術提案等があり、病院が認めた場合は当該期日とする。)
建設予定地内の準備工事等の着手に当たっては、事前に監督員に確認すること。
建設予定地内において埋蔵文化財発掘調査を実施する予定であり、当該埋蔵文化財発掘調査期間中の施工業務の先行着手等は妨げないが、埋蔵文化財発掘調査に支障が無いよう十分に配慮すること。埋蔵文化財発掘調査については【参考2 埋蔵文化財調査計画(案)】を参照すること。
6 契約書類の構成と優先順位
契約書類の構成及び優先順位は次のとおりとし、各書類間で相違がある場合は優先順位の高いものを正とし、その他優先順位などについて疑義が生じた場合には、監督員と協議のうえ決定する。
なお、受注者の提案内容における水準が、要求水準書に示された水準を上回るときは、当該提案内容における水準を本事業の要求水準として、優先的に適用するものとする。
①契約書類
②基本協定書
③質問回答書
④要求水準書
⑤技術提案書・提案時見積書
Ⅱ 本事業における条件
1 敷地条件等
項目 | 内容 | 参照 | |
所在地 | xxxxxx00xxxx | ||
敷地面積 | 28,780.40㎡(xx:21469.69㎡ 南側:7310.71㎡) | 【参考1 | 現況図・計画範囲図】 |
地域・地区 | 用途地域:第一種住居地域 防火地域:準防火地域 | ||
指定建ぺい率 | 60% | ||
指定容積率 | 200% | ||
日影規制 | 3時間、5時間 | 測定面4m | |
道路斜線制限 | 1:1.25 | ||
隣地斜線制限 | 20m+1:1.25 | ||
道路 | 西側:県道74号 | 【参考1 | 現況図・計画範囲図】 |
xx:市道(河川改修計画あり) | |||
南側:市道(整備予定) | |||
東側:市道(整備予定) | |||
上下水道 | 上下水道供給・公共下水道処理区域 | 【参考4 | インフラ関連資料】 |
電気 | 東京電力管内 | ||
ガス | xxxガス管内 | ||
浸水想定 | 0.5m~ | 【参考3 | 浸水想定図】 |
地盤・現況 | 現状、駐車場及び道路 一部付属建物有り | 【参考5 【参考10 | 既存建物関連資料】 地質調査報告書】 |
その他 | ・高度地区 ・埋蔵文化財包蔵地 ・景観計画区域 ・開発許可 ・雨水貯留施設の設置 ・防火水槽の設置 ※ ・消防活動空地 | 【添付8 高度地区適用除外条件表】 【参考2 埋蔵文化財調査計画(案)】 |
敷地の基本的な条件を以下に示す。詳細は、各参考資料を参照するとともに、インフラの状況等を含め、受注者においても適宜確認すること。
※防火水槽は、開発行為に伴い開発区域及び区域内の建築物をすべて包含(1基につき半径120m)するものとし、40㎥の防火水槽×2基を設置する計画とすること。
2 施設の概要
(1) 施設規模
新病院の計画規模は、下表のとおりとする。
病床規模 | 400 床程度 |
延床面積 | 40,000 ㎡程度(病院本体) |
建築面積 | 6,500 ㎡程度(病院本体) |
付帯施設 | ヘリポート、車寄せキャノピー、駐車場、駐輪場、医療ガスボンベ庫等、 院内保育所(既設) |
建物高さ | 機械xxを除き9階建て程度 |
(2) 駐車場
駐車場計画台数は、下表のとおりとする。
外来駐車場台数の詳細は、設計段階に駐車場利用状況を精査の上、決定するものとする。
外来駐車台数 | 職員駐車場台数 | 業者駐車場台数 | |
令和元年度 | 272 台 | 96 台 | 10 台 |
計画 | 200 台~300 台程度 | 110 台程度 | 10 台程度 |
(病院敷地内) | (看護師宿舎敷地内) | (病院敷地内) |
(3) 施設構成
既存病院の機能を維持しながら、新病院を完成・運用する計画とする。
なお、放射線治療、機械室(エネルギーセンター)、アメニティ施設を構造上別棟とする計画提案や、機械室(エネルギーセンター)や医療ガスボンベ庫を建築基準法上別棟とする計画提案は可能とする。
院内保育所は、現状のまま運営を継続させるものとする。
既存病院解体後の立体駐車場や院外(敷地内)薬局設置などの計画については、設計段階に方針を定めるものとする。
本体工事に先立ち、既存病院の一部や工作物等を先行解体する提案は、既存病院の機能維持に必要な措置を行うことを前提に、可能とする。
3 関連法令・基準等
(1) 関係法令等
本業務の実施に当たっては、関連法令等を遵守すること。
ア 法令
①地方自治法
②建築基準法
③建築士法
④消防法
⑤屋外広告物法
⑥医療法
⑦駐車場法
⑧水道法
⑨下水道法
⑩都市計画法
⑪高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
⑫食品衛生法
⑬建設業法
⑭労働安全衛生法
⑮電気事業法
⑯廃棄物の処理及び清掃に関する法律
➃大気汚染防止法
⑱騒音規制法
⑲振動規制法
⑳水質汚濁防止法
㉑土壌汚染対策法
㉒建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)
㉓エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)
㉔国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)
㉕個人情報の保護に関する法律
㉖障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
㉗航空法
㉘その他関連法令
イ 条例等
①xxx市建築基準条例
②xxx市景観計画及び景観条例
③xxx市火災予防条例
④神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例(バリアフリー条例)
⑤xxx市開発事業に係る手続及び基準に関する条例
⑥xxx市都市計画高度地区
⑦神奈川県生活環境の保全等に関する条例
⑧xxx市豊かな地下水を守る条例
⑨その他関係条例等
(2) 適用基準
本業務の実施に当たっては、以下の基準等を標準仕様として適用する。その場合、いずれ
も契約締結時における最新版を使用するものとし、本業務期間中に改訂されたときは、改定内容への対応等について協議を行うものとする。
ア 共通
①公共建築設計業務委託共通仕様書(令和3年改定版)令和3年3月25日国営整第210号
②公共建築工事積算基準(平成31年版)平成28年12月20日国営積第18号
③官庁施設の基本的性能基準(令和2年改定版)
④官庁施設の防犯に関する基準(平成21年版)平成21年6月1日国営設第27号
⑤官庁施設のユニバーサルデザインに関する基準(平成18年版)平成18年3月31日国営設第163号
イ 建築
①公共建築工事標準仕様書(建築工事編)(平成31年版)令和3年3月25日国営建技第19号
②建築構造設計基準(令和3年改定版)令和3年3月30日国営建技第21号
③官庁施設の総合耐震・対津波計画基準(平成25年版)
④建築工事標準詳細図(平成28年版)平成28年3月31日国営整第304 号
⑤建築物解体工事共通仕様書(平成31年版)令和3年3月25日国営建技第19号
⑥構内舗装・排水設計基準(平成27年版)平成27年3月31日国営整第298号
ウ 建築積算
①公共建築数量積算基準(平成29年版)平成29年3月17日国営積第29号
②公共建築工事内訳書標準書式(建築工事編)(平成30年版) 平成30年3月20日国営積第18号
③xxx市公共建築工事積算基準
エ 設備
①公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)(平成31年版)令和3年3月25日国営設第175号
②公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)(平成31年版)平成31年3月20日国営設第188号
③公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)(平成31年版)令和3年3月25日国営設第175号
④公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)(平成31年版)平成31年3月20日国営設第188号
⑤建築設備設計基準 (令和3年版) 令和3年3月16日国営設第137号
⑥建築設備耐震設計・施工指針(2014年版) 一般財団法人:日本建築センター
⑦電気設備に関する技術基準を定める省令 平成9年通商産業省令第52号
オ 設備積算
①公共建築設備数量積算基準 (H29年版) 平成29年3月17日 国営計第29号
②公共建築工事内訳書標準書式(設備工事編)(H30年版) 平成30年3月20日国営積第18号
カ その他の指針等
①病院設備設計ガイドライン(空調設備編)HEAS-02-2013 日本医療福祉設備協会
②病院設備設計ガイドライン(衛生設備編)HEAS-03-2011 日本医療福祉設備協会
③病院設備設計ガイドライン(電気設備編)HEAS-04-2011 日本医療福祉設備協会
④病院設備設計ガイドライン(BCP編)HEAS-05-2012及び2014 日本医療福祉設備協会
⑤国際民間航空機関基準
Ⅲ 本施設整備の要求水準
本施設整備の要求水準は、以下に示す「官庁施設の基本的性能基準(令和2年改訂)」による基本性能の確保のほか、本章の記載を満たすものとし、各部門が整合し、バランスのとれた合理的で機能的な施設を整備すること。
基本性能一覧x
x項目 | 中項目 | 小項目 | 施設の適用水準 | 備考 | |
社会性 | 地域性 | Ⅰ | |||
景観性 | Ⅰ | ||||
環境保全性 | 環境負荷低減性 | 長寿命 | 適用 | ※1 | |
適正使用・適正処理 | 適用 | ※1 | |||
エコマテリアル | 適用 | ※1 | |||
省エネルギー・省資源 | 適用 | ※1 | |||
周辺環境保全性 | 地域生態系保全 | 適用 | ※1 | ||
周辺環境配慮 | 適用 | ※1 | |||
安全性 | 防災性 | 耐震 | 構造体 | Ⅰ | ※2 |
建築非構造部材 | A | ※2 | |||
建築設備 | 甲 | ※2 | |||
対火災 | 耐火 | Ⅰ | |||
初期火災の拡大防止 | Ⅰ | ||||
火災時避難安全確保 | Ⅰ | ||||
対浸水 | Ⅰ | ||||
耐風 | 構造体 | Ⅰ | |||
建築非構造部材 | A | ||||
建築設備 | 甲 | ||||
耐雪 ・耐寒 | 構造体 | 適用 | |||
外部空間など | 適用 | ||||
対落雷 | Ⅰ | ||||
常時荷重 | 適用 | ||||
機能維持性 | Ⅰ | ||||
防犯性 | 適用 | ※3 | |||
機能性 | 利便性 | 移動 | 適用 | ||
操作 | 適用 | ||||
ユニバーサルデザイン | 適用 | ※4 | |||
室内環境性 | 音環境 | 諸室リスト・諸元表参照 | |||
光環境 | 諸室リスト・諸元表参照 | ||||
熱環境 | 諸室リスト・諸元表参照 | ||||
空気環境 | 諸室リスト・諸元表参照 |
大項目 | 中項目 | 小項目 | 施設の適用水準 | 備考 | |
衛生環境 | 適用 | ||||
振動 | 適用 | ||||
情報処理機能に係る情報化対応性 | 諸室リスト・諸元表参照 | ||||
情報交流機能に係る情報化対応性 | Ⅰ | ||||
経済性 | 耐用性 | 耐久性 | 構造体 | 適用 | |
建築非構造部材 | 適用 | ||||
建築設備 | 適用 | ||||
フレキシビリティ | Ⅰ | ||||
保全性 | 作業性 | 適用 | |||
更新性 | 適用 |
※1 「官庁施設の環境保全性基準」に準拠すること
※2 「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」の分類による
※3 「官庁施設の防犯に関する基準」に準拠すること
※4 「官庁施設のユニバーサルデザインに関する基準」に準拠すること
1 共通事項
(1) 基本計画図
基本計画図【参考6 基本計画図】は、計画地の選定や施設規模の妥当性等を検証するために病院へのヒアリングにより建物配置・形状、柱スパン割、各階の機能配置を図面化した参考プランである。
以下の項目については、提案時の前提条件として満たした計画とすること。ア 病室の開口は、4床室では6m以上、1床室は3.1m以上確保すること。
イ 廊下幅員は、病棟階では、両側居室の場合は手すり内法 2.7m 以上、片側居室の場合は同 2.1m 以上確保すること。
ウ 【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す諸室を配置・計画すること。【添付7 諸室リスト・諸元表】は、新病院を計画する上での必要諸室、必要室数、使われ方や設計上の配慮事項等、基本的な設備諸元を示す。要求水準書に具体的な記載のない機能については、【添付7 諸室リスト・諸元表】を基準に提案すること。なお、部門間の共用利用を可能とするxxを提案する際は、その旨を示すこと。
エ 免震建物とすること。
(2) 特に考慮すべき事項
下記認定施設として運営に必要な機能を充足すること。(詳細はホームページ参照)
・地域がん診療連携拠点病院
平成20年2月8日付で厚生労働大臣から「地域がん診療連携拠点病院」指定された。
・神奈川県災害拠点病院
平成10年3月20日付で「神奈川県災害拠点病院」として指定された。平成26年3月27日付で「神奈川県DMAT指定医療機関」に指定された。
・地域医療支援病院
平成21年10月21日付で「神奈川県地域医療支援病院」として指定された。
・臨床研修指定病院
昭和63年4月1日付で厚生労働大臣から「臨床研修指定病院」として指定された。
・がんゲノム医療連携病院
将来、指定取得を図る。 等
(3) 環境性能
・建築環境総合性能評価システム(CASBEE神奈川)による環境性能総合評価でAランク以上の性能を有する建物とすること。
(4)その他
・廃棄物の発生を抑制するとともに、資源の再利用、再生利用も促進し、建設工事においてもリサイクル資材の活用に配慮すること。
2 土地利用計画の要求水準
(1) 配置・動線計画
・新病院は、既存駐車場敷地及び南側道路付け替えに伴い拡張した敷地に配置すること。
・敷地への主なアプローチは、来院者の自家用車は南側の接続道路から、救急車は県道からとし、各車両動線を分離する計画とすること。
・救命救急センターの出入口は、ウォークイン患者出入口と区分した専用出入口とすること。
・ヘリポートは、新病院の屋上に設置する計画とすること。
・付帯施設の配置については提案によるが、救急動線は常時通行ができる動線(比較的頻度のある維持管理時に通行を阻害されない)として確保すること。
(2) 外構計画
・メインエントランスにロータリーを配置する計画とすること。
・ロータリーには、来院者の車両が一時寄付き・乗降が可能なスペース(3台程度)を設ける計画とすること。
・ロータリーには、タクシーの待機場所(6台程度)を設け、正面玄関近くに1台は寄り付ける計画とすること。
・ロータリーには、バス乗降場(2台分)を設け、正面玄関から安全かつアクセスしやすい位置に設ける計画とすること。
・駐車場は、既存病院施設の解体後に、平面及び立体駐車場を配置する計画とすること。
・用地の貸付けを前提とした敷地内薬局を配置する計画とすること。
(3) 景観・緑化計画
・市の景観計画および景観条例に適した計画とすること。
・敷地周囲は、緑地・空地等を配置する計画とし、敷地全体の景観や維持管理のしやすさに配慮した計画とすること。
(4) 雨水排水計画
・xxx市雨水抑制施設設置基準に基づき、敷地全体の雨水を貯留すること。
・本体地下ピットに雨水貯留を計画すること。必要必要貯留量は 810t以上とする。(区域面積A=敷地全体 22,486.93 ㎡、降雨強度γ=30mm/h、降雨継続期間 t=3時間、流出係数 開発前 f1=0.5、開発後f2=0.9 として算出)【参考7 基本計画概要書(雨水排水計画)】参照
・雨水貯留槽と合わせて、付随する排水施設(排水管、桝、帯水槽、排水ポンプ、制御盤等)を計画すること。【参考7 基本計画概要書(機械設備計画)図‐Ⅳ、(雨水排水計画)】参照
(5) 将来計画
新病院は、次の将来計画に対応可能な計画とすること。
ア 新病院と立体駐車場(予定)との渡り廊下による接続想定
・新病院2階部分(外来エリアを想定)と立体駐車場との渡り廊下による接続が可能な計画とすること。
・当該渡り廊下には屋根を設け、新病院と立体駐車場は別棟扱いが可能な計画とすること。
3 建築計画の要求水準
(1) 平面・断面計画
・患者動線、スタッフ動線、物流動線は、明確にし、可能な限り交錯しないように配慮し、機能性及び安全性に考慮した計画とすること。
・ゾーニングは、部門別要件に基づき、部門間の関連や部門毎の機能の特色を考慮し、上下階の位置関係にも配慮した計画とすること。
・患者利用範囲・使用室は、バリアフリー・ユニバーサルデザインを徹底すること。
・メインエントランス、夜間出入口、物品搬出入口、救急入口、霊安室からのxxxの各出 入口の位置は、それぞれの機能や役割に応じて隣接を避けるなど配慮した計画とすること。なお、メインエントランスの位置は、認識しやすい計画すること。
・採光や眺望に配慮した計画とすること。
・感染対策として、非常時用に専用動線や専用エレベータを設ける、エレベータに近い位置に個室を設け一般患者と分離できるようにする、救急病棟の一部を区画できるようにする等の対策を講じること。
・ロボット搬送などの技術進歩への対応を考慮し、可変性を備えた計画とすること。
・熱負荷の軽減に配慮し、方位・室配置を考慮した平面計画とすること。
(2) 仕上計画 ア 外装計画
・品格のある現代的な建物形状・外装とすること。
・外装は、省エネルギー、耐久性、低汚染性を考慮した材料・工法を選択すること。また、極力メンテナンスに費用がかからず、美観を損ねない仕上材・ディテールを採用し、外装仕上材は防汚性の高い表面保護処理を行うこと。
・外部階段、屋上、窓台、その他外部手すり等は、転倒・落下事故防止対策など、機能性・安全性を十分に検証したつくりとすること。
・防水、防湿、防音及び断熱については、十分な対応を行うこと。
・屋上機械の騒音・振動抑制に努め、建物内及び周辺からの視線に配慮した計画とすること。
・屋上ヘリポートの騒音に対して、良好な療養環境を維持する計画とすること。
・開口部が西側に面する病室を計画する場合は、西日への対策・工夫を行うこと。
・機械等を設置しない屋上等は、庭園またはリハビリ利用を計画すること。また、防風・落下等への安全対策を行うこと。
イ 内装計画
・ゾーニングの特性に応じた仕上のグレード設定を行うこと。
・エントランスホールや待合等の患者利用エリアは、明るく居住性の高い環境実現に努めること。
・スタッフエリアは、執務環境として好ましい質素かつ清潔で、明るい快適な環境を実現すること。
・供給部門等は、室の目的に適合した清潔で衛生管理のしやすい堅牢な施設を実現すること。
・小児や産科他病棟等は、患者の特性に応じたデザインを計画すること。
・仕上材料は、清掃しやすく防汚性の高い材料を使用すること。
・仕上材料、建具、手すり等は、機能性(歩行性、耐摩耗性、耐薬品性、耐荷重性、抗菌性等)及び安全性に配慮して選定すること。
・壁の出隅や腰部は、ベッド、カート等の移動の際に損傷を与えないよう、各エリアの特性に応じた保護対策を行うこと。
・患者が歩行するエリアの床材は、転倒や滑りの恐れのある材料は避けること。浴室、シャワー室、脱衣xxの水廻り、雨の吹込みが想定される廊下や半屋外空間等は、防滑性のある材料を使用すること。
・水廻り諸室(トイレや汚物処理xx)の床と壁との取り合い部分は、床材立上・R処理を施す等、埃溜りを減じ・清掃しやすい構造とすること。水廻り諸室の壁は、耐水性・清掃性に優れた材料を使用すること。
・廊下、通路、開口部、建具等は、関連法規や施設基準のほか、当該部位の通行想定や頻度、医療機器等の搬出入動線に応じて、適切な有効幅員とxxxさを確保すること。医療機器等の搬出入動線にあたる廊下は、臨時に重量物が通ることを考慮した荷重設定を行うこと。
・患者が使用する扉、人や物を搬送する際に通過する扉は、特殊な要求性能がない限り原則引き戸とし、引き戸の巾は、ベッド利用がある場所では1.3m以上、ストレッチャーによるものは1.2m以上、その他は0.9m以上を基本とする。セキュリティ管理を行う扉、ベッド・ストレッチャー・カートなどが通過する扉は、使用頻度等に応じて自動扉とすること。
・室のxxxさは、面積、用途、設置する医療機器や備品による要求等に適合した高さを基本とし、患者・スタッフが利用する部屋にあっては快適性確保に配慮すること。多人数が利用する室、運動等を行う室にあっては、活動や長時間の滞在に問題を生じない十分な気積およびxxxを確保すること。また、室の広さに応じて、天井は吸音性の高い材料を使用すること。
・病棟や外来の患者利用エリアに隣接または近接するスタッフ諸室(休憩室、カンファレンス室、会議xx)は、患者や患者家族にスタッフの会話等が聞き取れないよう、遮音対策を行うこと。
・患者利用エリアの外部に面する窓(病室の窓等)は、開閉機構のある窓とする場合、開口制限機能付き等の安全対策を行うこと。
・OAフロアやフリーアクセスフロアは、室の用途に応じて、設置する医療機器等に対する耐荷重や将来可変性及び施工効率に配慮した仕様とすること。
・放射線機器の天井走行レール、血管造影・手術室IVRの天井架台、無影灯、各スタッフ
ステーションの天井吊モニタ、ICU等のシーリングコラム等、医療機器等の天井設置を行う箇所は、天井内の躯体にアンカーした架台を設けること。
・病室内のレイアウトについては、内装工事施工前にモックアップを制作し、病院スタッフと調整の上、決定すること。【参考7 基本計画概要書(参考資料)4-4】参照
(3) サイン計画
・サイン計画は、わかりやすく見やすい文字併記表示のユニバーサルデザインとし、建物内外の適切な位置に設け、病院運営の変更に対応しやすい形式とすること。高齢者、視覚障がい者等にも配慮すること。
・病院機能に応じた、体系的な番号付を計画すること。
・建物内外ともに統一を図ること。
・日本語及び英語の2か国語表記とすること。
・案内表示・誘導表示は、患者の流れをよく想定・検証して、目的の諸室に正確かつ容易にアクセスできるように配慮すること。
・施設名称サインは、建物の外壁または目隠し壁面に設置する等、敷地外から施設の名称がわかるサインとすること。
(4) 周辺環境への配慮
・日影や風害による歩行者や周辺地域への影響に配慮すること。
・建物から日光の反射による周辺地域への影響に配慮すること。
・周辺環境に十分配慮し、設備機器や車両から日常的に発生する騒音、振動、排ガスなどを低減する計画とすること。
(5) 防災安全計画ア 浸水対策
・想定最大規模降雨時において、施設機能に支障をきたすことのないよう浸水対策を講じること。
・地階に居室を設けない計画とするが、免震層内に設備機器類を設置する場合は、免震層内の浸水対策等(釜場・排水ポンプの設置等)を講じること。
イ 防火区画(水平避難)
・病棟は、水平避難を考慮し、下記等の防火区画を計画すること。
①ICU等の重症病棟と他部門が同一フロアになる場合、病棟エリアを防火区画
②1フロアに2看護単位以上の病棟を構成する場合、3ゾーン(コア・各病棟)以上を防火区画
ウ 災害時の病院運用想定
対象 | 運用想定 |
主要な廊下・事務室の照明など | 制限して稼働 |
防災系の設備・インフラ類(各種ポン | 稼働 |
災害時、発電機による稼働エリア・運用等は、下記を想定するが、常時の安全性も含め、詳細は設計段階にて綿密に協議・決定を行うものとする。
プ・医療ガス含む。) | |
ナースコール・電話・通信系(ハブ、 サーバー室の空調含む。) | 稼働 |
外来エリアの共用トイレ・職員エリアの共用トイレなど | 制限して稼働 排水が遮断された際には、緊急排水槽による一時貯留が可能な計画とする。 |
救急エリア | 空調・換気・電源類他、部門内のCT、一般撮影 は稼働、放射線科のMRIは使用しない想定 |
昇降機 | 非常用エレベータの他、搬送3~4台、乗用1台 程度は稼働 |
待合エリア(患者受け入れを想定) | 医療ガスOV・非常用電源の設備を10箇所程度設 け、換気・空調を稼働 |
医事課の電子カルテ・サーバー・換気 類 | 稼働 |
血管造影 | 1台程度の稼働 |
手術室 | 全体の半数程度(5室)稼働 |
ICU、CCU、HCU、救急病棟、NICU | 空調・換気含め、常時と変わらない稼働 |
中央材料部門 | 滅菌機1台程度稼働 |
講堂(災害対策本部の設置を想定) | コンセント・LAN等の情報回線を稼働 |
事務部門 | 電子カルテ、サーバー類(空調含む)を稼働 |
人工透析部門 | 透析機械・室内空調・換気含め稼働 |
栄養部門 | 冷蔵庫類の他、調理機器の一部を稼働 |
リハビリエリア(患者受け入れを想 定) | 医療ガスOV・非常用電源の設備を10箇所程度、 設け、換気を稼働 |
病棟 | 重症室・スタッフステーションは空調・換気を稼働し、その他室は換気のみ稼働 電子カルテ・冷蔵庫類は、非常用電源の利用を想 定 |
冷蔵庫類や緊急検査に対応する機器 類 | 非常用電源の利用を想定 |
ハンディキャップトイレ(以下「HW C」という。) | 各階で数ヶ所に制限して稼働 |
(6) ライフサイクルコストの低減
・建設費等のイニシャルコストだけでなく、維持管理費を含めたランニングコストも考慮し、ライフサイクルコストの低減を図れる計画とすること。
・施設の長寿命化を図る計画とすること。
・設備更新の搬入経路の確保を行うなど建築及び設備の更新、修繕を容易に行える計画とすること。
・漏水、金属系材料の腐食、木材の腐朽、鉄筋コンクリートの耐久性の低下、エフロレッセンス、仕上げ材の剥離、膨れ、乾湿の繰り返しによる不具合、結露に伴う仕上げ材の損傷等が生じにくく、修理が容易な計画とすること。
・耐久性や信頼性の高い材料や設備を採用するなど、維持管理費の低減が図れるものとすること。
(7) 部門別要件
ア 地域連携・患者支援センター
①基本方針
・診療所や回復期、慢性期の医療を担う病院など地域の医療機関、介護関連施設、在宅療養支援施設等との連携体制を強化する。
・医療や福祉、介護に関する様々な相談や支援に対応する部門を集約し、患者の支援体制を一元化することで、受診・入院から退院、転院後まで総合的にサポートする。
・入院患者の適正な病床管理を実施するため、ベッドコントロール機能を持たせる。
・県が推進する地域内の医療・介護情報を関係機関の間で電子的に共有・閲覧できる、地域医療介護連携ネットワーク構築への協力を視野に入れた計画とする。
②機能概要
・利用者のアクセスや医事部門との連携を考慮し、エントランスに近接して配置すること。
・相談業務の際に、患者プライバシーを確保した個室やブース、カウンターを設置すること。
・地域の医療従事者等に対する研修や講演会等を開催しやすい会議室や講堂を整備すること。
・情報システムの追加や更新が容易にできるつくりとすること。イ 外来部門
①基本方針
・高度急性期医療機関として、関連診療科や診療部門との近接配置等、スタッフの連携強化やチーム医療を推進し、高度かつ専門性の高い医療を実施する。
・患者の待ち時間の短縮、移動負担を軽減する動線やわかりやすい表示、プライバシーやアメニティに配慮した施設として、患者の満足度の向上を目指す。
・診察室の配置は、時期・時間・曜日による各診療科の増減や看護師外来、検査説明等にも使えるフレキシブルな使用を可能とし、省スペース化を図る。
・職員配置人数の最適化と業務の平準化を図る。
②機能概要
・外来受付は、関連性の高い複数の診療科をブロック化した計画とすること。
・診察室は、診療科を固定しないフリーアドレス利用も可能なよう、極力標準化したつくりとすること。
・各ブロックには、患者エリアと分離したスタッフ専用動線を設けること。
・一般的な処置は、中央処置xxとすること。
・感染症患者への対応のため、隔離待合室・診察室を設置すること。
・待ち時間の短縮やプライバシーに配慮した、分かりやすい診察案内表示システムを導入すること。
・患者が待ち時間を有効活用できるよう、カフェ・コンビニエンスストア等の利便施設を近接位置に配置すること。
・臨床検査部門・画像診断部門など関連性の高い部門は外来部門に近接またはアクセスし
やすい位置に配置すること。
ウ 救急部門
①基本方針
・県西二次保健医療圏の救命救急センター(三次救急医療機関)として、24時間365日救急患者の受入れに対応する。
・救急患者の円滑な受入れと十分な救命行為を行うための機能や設備、諸室を充足する。
・安全かつ迅速に救急患者が搬送できるようにする。
②機能概要
・迅速な画像診断を行うため、救急部門専用の一般撮影装置・CT装置を設置すること。
・救急外来の産科患者対応のための内診台のある診察室、医師・臨床研修医・看護師・救急隊等をサポートするための諸室を整備すること。
・感染症患者への対応のため、隔離待合室・診察室・トリアージスペースなどを設置すること。また、初療室の1室は、直接外部又は風除室へアクセスできる陰圧個室とすること。
・災害時の対応として、待合エリアや共用エリアに医療ガスアウトレットや非常用発電機電源を設置すること。
・血管撮影装置や画像診断部門は、救急部門に近接・アクセスしやすい位置とすること。
・救急病棟や屋上ヘリポートへの患者搬送動線は、スタッフ専用の廊下・エレベータを介して、安全かつ迅速に搬送できる動線を確保すること。なお、スタッフ専用エレベータの1台は、屋上ヘリポートへ直接アクセスできるようすること。
・救急部門から院内各部門への患者搬送動線は、安全かつ迅速に搬送でき、共用部とは別にプライバシーに配慮した動線を確保すること。
エ 病棟部門
①基本方針
・高度急性期医療機関として、質の高い機能を十分に発揮できる環境を整備する。
・入院患者や家族のプライバシーやアメニティに配慮し、療養環境・治療効果の向上と患者満足度の向上を図る。
・男女比調整や緊急入院などの新規入院患者を受け入れやすくするため、ベッドコントロールが容易な病室構成やレイアウトの標準化を図り、病床利用率の向上に繋げる。
・チーム医療・臨床研修をサポートするスペースの充実を図る。
・医療安全、感染症対策のほか、スタッフの働きやすさに配慮する。
②病棟の構成及び病床数
・看護単位を考慮して計画すること。
4床室 | 2床室 | 1床室 | その他 | 病床数 | |
ICU | 8 | 8 | |||
CCU | 8 | 8 | |||
HCU | 12 | 12 | |||
救急病棟 | 1 | 16 | 20 | ||
産科他病棟 | 3 | 8 | 20 | ||
小児科病棟 | 2 | 2 | 8 | 20 | |
NICU | 6 | 6 | |||
一般病棟① | 8 | 12 | 44 | ||
一般病棟② | 8 | 12 | 44 | ||
一般病棟③ | 8 | 12 | 44 | ||
一般病棟④ | 8 | 12 | 44 | ||
一般病棟⑤ | 8 | 12 | 44 | ||
一般病棟⑥ | 8 | 12 | 44 | ||
一般病棟⑦ | 8 | 12 | 44 | ||
病室数 計 | 62 | 2 | 132 | 18 | 402 |
病床数 計 | 248 | 4 | 132 | 18 |
③機能概要 a共通事項
・一般病棟・小児病棟・産科他病棟の病室は、1床あたり8㎡以上の面積を確保すること。また、4床室と個室を基本とした病床構成とし、個室率は、ICUとCCUを個室として計上し、30%を下限とすること。
・患者の管理がしやすく、各病室へ短時間で移動できる位置にスタッフステーションを配置すること。
・ユニバーサルデザインを採用し、転倒・転落に備えた床材、壁材等の採用や、病棟の窓
から✰転落防止にも配慮すること。また、患者✰安全・安心、感染防止につながるディテールを採用すること。
・患者✰プライバシーに配慮した病室、相談室、説明室、患者✰アメニティに配慮した食堂、談話室など✰スペースを確保すること。
・看護師✰業務効率向上につながるナースコールシステムを導入すること。
・入院患者✰安全を確保するため、各病棟✰出入口部分にはセキュリティ設備を配置すること。
・患者・一般来院者と職員・物流✰動線分離や、薬剤等✰供給部門からアクセスしやすい効率的な搬送動線を確保すること。
b救急病棟・集中治療病棟(ICU、CCU、HCU)
・スムーズな転棟や効率的な病床運用✰ため、救急病棟、ICU、CCU、HCUは、1➚➫アに集約配置すること。
・ICU、CCU、HCU 等✰集中治療室は、看護単位区分が明確となるように区画すること。
・救急病棟には、救命救急入院料2を取得できるICU相当✰病床を計画すること。
・ICU、CCU、救急病棟には、感染症患者へ✰対応✰ため、個室を整備すること。
・説明室、リネン庫等✰スペースは共用化すること。
・器材スペース、当直室、休憩室は各看護単位に設けること。
・手術部門に隣接して配置すること。 c一般病棟
・病棟✰WCは、1床室は各室内に設け、4床室からアクセスしやすい位置に、手洗い・ HWCを設けること。
・各病室で✰ベッドサイドリハビリテーションや病棟内リハビリテーション✰実施に配慮した早期回復を促進するため✰スペースを確保すること。
ⅾ小児病棟
・NICUは、小児病棟に隣接して配置すること。
・NICUには家族控室を整備すること。
・小児入院医療管理料✰算定要件を満たすプレイルームを確保すること。
・感染症患者へ✰対応✰ため、陰圧個室を整備すること。 e産科他病棟
・陣痛室・分娩室・回復室が一体となったLDR室を設けること。
・分娩室は、プライバシーに配慮し、1室1台で計画すること。
オ 手術部門
①基本方針
・高度急性期医療機関として、専門性✰高い手術を安全かつ効率的に実施できる施設と運用体制を整備する。
・救命救急センターを有する医療機関として、緊急手術に迅速に対応できる体制を整備する。
・ハイブリッド手術や➫ボット手術を導入する計画とする。
・手術エリアは、感染管理・清潔管理が徹底できる環境とする。
・患者・ご家族へ✰十分な説明✰実施と不安を和らげる環境とする。
②機能概要
・診療科ごとに固定せず、手術時間に応じて割り当てる運用が可能な➚リーアドレス化を基本とすること。
・感染症対策✰ため、陰陽圧✰切り替えが可能な手術室を整備すること。
・中央ホール型✰手術エリア構成を基本とし、患者動線・器材動線を十分に確保すること。
・器材スペース、器材庫、展開xx✰必要諸室を十分に確保すること。
・十分なスタッ➚体制をサポートする控室等を確保すること。
・プライバシーに配慮した説明室や家族待合室を確保すること。
・中央材料部門にアクセスしやすい配置とし、清潔・不潔ワンウェイ✰専用動線を確保すること。
・ICU、CCU、HCU、救急病棟に近接して配置すること。
・病棟へ✰患者搬送動線は、安全かつ効率性に配慮した動線を確保すること。
・【参考7 基本計画概要書(参考資料)4-3】参照
カ 中央材料部門
①基本方針
・院内全て✰滅菌業務を中央化し、滅菌物✰xx管理と保管✰効率化と適正化を図る。
・清潔、不潔エリア✰明確な区分と運用により、感染管理・清潔管理が徹底できる環境とする。
・在庫管理✰徹底と一元化を図るため、病棟へ✰供給は定数カート交換方式✰採用を検討する。
②機能概要
・滅菌物✰一次洗浄・消毒・組立・滅菌・払出し✰一連✰作業を安全かつ円滑に行うため、ワンウェイ✰動線を可能とするエリア構成とすること。
・手術部門、臨床検査部門等から✰滅菌物搬送に迅速に対応するため、気送管設備による運用を図ること。
・手術部門にアクセスしやすい位置に配置し、清潔・不潔ワンウェイ✰専用動線を確保すること。
キ 臨床工学部門
①基本方針
・高度急性期医療機関として、医療機器全般✰稼働準備や点検操作等、安全かつ質✰高い技術提供を行う。
・医療機器✰保守・管理を円滑に行える環境を確保する。
・職員に対して、医療機器✰操作や安全管理✰教育及び医療安全情報等✰提供を行う。
②機能概要
・病棟等✰医療機器✰管理と保守点検を行うME室を整備すること。
・各部門へ✰迅速な対応を行うため、搬送用エレベータにアクセスしやすい位置に配置すること。
ク 放射線部門(画像診断/放射線治療)
①基本方針
・一般撮影、X線透視撮影、CT検査、MRI検査、血管造影検査、マンモグラ➚ィー検査、骨密度検査等を実施する。
・地域がん診療連携拠点病院として、PET-CT、SPECT-CTによる核医学検査を実施するとともに、リニアック装置による高度な放射線治療を実施する。
・高度医療に対応できる医療機器✰導入や更新等を行う。
・救命救急センターへ✰迅速な診断画像✰提供を図る。
・安全かつ安心して撮影や検査を受けられる体制を整備する。
②機能概要
・業務✰効率化を図るため、集約して配置すること。
・患者✰プライバシーに配慮した診察室、更衣室、説明xx✰諸室を整備すること。
・血管撮影装置や画像診断部門は、救命救急センターに近接して配置すること。
・外来部門、手術部門、救急部門、病棟部門からアクセスしやすい動線を確保すること。
ケ 臨床検査部門(検体検査/生理検査/内視鏡検査)
①基本方針
・高度急性期医療機関として、質✰高い診療情報を提供する臨床検査✰実施を図る。
・迅速で精度✰高い検査結果を提供するため✰検査機器を導入する。
・検査機器✰自動化、システム化による効率化を図る。
・患者✰プライバシーに配慮し、感染リスク✰軽減に努め、安全かつ安心して検査が受けられる環境を整備する。
・検体検査室は、血液検査、生化学検査、免疫血清学的検査、一般検査、細菌・微生物検査、輸血検査、遺伝子・染色体検査を実施する。
・生理検査室は、心電図検査、呼吸機能検査、脳波検査、血圧脈波検査、重心動揺検査、超音波検査、聴力検査、内視鏡検査を実施する。
・輸血に関わる保管・管理・全自動検査等✰xx管理を行い、24時間体制で緊急時にも対応できるよう整備する。
②機能概要
・内視鏡を利用した造影検査等✰実施✰ため、内視鏡検査室に隣接してX線TV室を整備すること。
・採血室は、十分な待合スペースを確保すること。
・検体検査室、生理検査室、内視鏡検査室は、外来部門に近接配置し、病棟からアクセスしやすい位置とすること。
コ 病理診断部門
①基本方針
・高い診断体制✰もと、迅速で正確な組織診断、細胞診断を実施します。(他施設から✰持ち込みを含む)
・ホルマリン・キシレン等✰有機溶剤管理・排気に配慮し、健康障害防止対策を図る。
②機能概要
・手術室、内視鏡検査と連携が取りやすい配置と搬送動線を確保すること。
・術中✰迅速診断に対応しやすい搬送設備を整備すること。
・剖検室は、病棟および霊安室から✰動線に配慮した位置に計画すること。
サ 人工透析部門
①基本方針
・入院患者を中心とした人工透析を行う。
・患者✰プライバシーに配慮し、安心して受診できる環境を整備する。
・合併症患者及び合併症予防に対する各診療科と✰連携を強化する。
②機能概要
・透析ベッドは、現状と同等数✰13床程度を配置すること。
・術後及び重症患者✰対応が可能なスペースを確保すること。
・ICU、CCU、HCUにおいても、透析用✰給排水設備を一定数確保すること。
・感染症患者へ✰対応✰ため、個室を整備すること。
シ 化学療法部門
①基本方針
・地域がん診療連携拠点病院として、質✰高いがん治療を提供するため、化学療法部門✰充実を図る。
・外来通院による化学療法を実施し、患者✰QOL✰向上に努める。
・患者✰アメニティ、プライバシーに配慮した安全かつ快適な環境を提供する。
②機能概要
・化学療法用✰ベッド数は、現状✰9から16ベッド程度に増床すること。
・適切な広さ✰待合スペースを確保すること。
・患者✰急変時、医師がアクセスしやすい配置とすること。
・患者数✰増加に備え、抗がん剤調製室を近接配置すること。
ス リハビリテーション部門
①基本方針
・理学療法(PT)・作業療法(OT)・言語聴覚療法(ST)を実施する体制を整備し、脳血管障害・頭部外傷・呼吸器疾患・内科疾患・外科xx期患者など✰早期回復をめざした早期リハビリテーションを実施する。
②機能概要
・心大血管疾患リハビリテーション料Ⅰ、呼吸器リハビリテーション料Ⅰ、がん患者リハビリテーション料Ⅰ、集団コミュニケーション療法料✰施設基準を満たすこと。
・病棟内には、各病室で✰ベッドサイドリハビリテーションや、病棟内リハビリテーションスペースを確保すること。
・屋外で✰歩行訓練などが実施できる施設とすること。
・病棟と✰患者搬送に配慮した位置とすること。
セ 薬剤部門
①基本方針
・質✰高い医療を支え、チーム医療✰中で充実した臨床薬剤業務✰実施と、患者✰満足度を高める薬剤情報提供を実施する。
・通院患者から✰薬に関する相談窓口✰充実やかかりつけ医と✰連携強化により、安全で適切な処方✰実施と服薬指導を強化する。
・全入院患者を対象とした薬剤管理指導を行う。
・患者へ✰処方、服薬指導、情報提供等、部門✰必要性に応じて薬剤師を配置する体制構築・運用を図る。
・薬待ち✰時間短縮や薬剤師業務範囲✰軽減✰ため、敷地内薬局用地✰貸付けを想定する。
・病棟部門や外来化学療法室など✰薬物療法を行う部門には、薬剤師を配置する。
②機能概要
・安全な薬品保管・管理を実現するため、原則、薬剤科内で薬品✰xx管理を行うこと。
・患者✰利便性へ配慮した受渡し窓口を配置すること。なお、救命救急センターに隣接されない場合は、処方を行う窓口を救命救急センターに隣接して設けること。
・調剤機器など✰大型化に対する適正なスペースを確保すること。
・外部から✰効率的な薬剤搬送動線を確保すること。
・病棟部門へ✰円滑な搬送ルートを確保すること。臨時・緊急時用✰気送管設備を設けること。
・医薬品情報管理室は、院内✰スタッ➚がアクセスしやすい位置に配置すること。
・治験管理室は、外来エリアに配置すること。
ソ 栄養部門
①基本方針
・適切な衛生環境を整え、患者へ✰安全、安心な食事サービス✰充実を図る。
・栄養バランス✰とれた良質な食事を提供する。
・業務✰効率化と安全性✰確保を行う。
・入院患者・外来患者に対するきめ細やかな栄養指導を強化する。
・栄養サポートチーム(NST)による適切な栄養指導により早期退院・転院を支援する。
②機能概要
・HACCP✰概念に基づいた大量調理施設衛生管理マニュアルを遵守した厨房とすること。
・厨房内✰安全な動線を確保すること。
・調理方式は、ニュークックチルを導入すること。
・調乳室は、病棟部門へ配置すること。
・病棟へ✰給食搬送動線や食材・食品ゴミ✰搬送動線に配慮すること。
タ 医療情報管理部門
①基本方針
・電子カルテシステムや各部門システム等✰医療情報システム✰運用・管理を行い、業務
✰効率性✰向上を図る。
・診療記録を統括管理し、医療✰質や安全性✰確保に努める。
・蓄積された診療情報から必要時に適切な情報を提供し、業務✰効率化を図る。
・医療情報システム✰構築及び管理運営に関する業務を行う。(導入・メンテナンス・ヘルプデスク業務等)
・診療記録✰質的・量的管理を行う。
・診療情報データ✰二次利用に関するデータ作成業務を行う。
②機能概要
・患者✰会計業務が円滑に実施できるよう、医事部門に隣接して配置すること。
・セキュリティ✰ため、患者が利用するエリアとは区分された位置に配置すること。
チ 事務管理部門(経営/総務/用度・施設管理/医事)
①基本方針
・質✰高い医療✰提供を支援するため、安定した病院運営及び健全な経営✰実現を図る。
・経費✰効率的執行、材料費✰適正執行に留意し経営✰健全化に努める。
・診療報酬✰請求チェック体制を強化し、制度✰向上を図る。
・病院運営に精通した専門スタッ➚✰育成を強化する。
②機能概要
・経営部門、総務部門は、病院長室や医局に近接した位置に配置すること。
・医事部門は、地域連携・患者支援センターと連携を取りやすい位置に配置すること。
ツ 医療安全管理部門
①基本方針
・安全管理委員会、医療安全管理室を中心に、病院全体✰医療安全に取り組む。
・医療事故✰発生✰予防と安全・安心な医療✰提供✰ため、医療安全に関する情報を収集し、全職員に周知する。
・医療事故が発生した場合は、患者や家族へ✰対応を行うとともに、速やかに内容を検証し対策立案を行う。
②機能概要
・医療安全管理室は、管理部門✰エリアに配置すること。
テ 感染対策部門
①基本方針
・感染対策委員会、感染対策チーム(ICT)を中心に、病院全体✰感染対策と指導に取り組む。
・引き続き感染防止対策加算1、感染防止対策地域連携加算を取得し、地域医療機関と連携を行う。
②機能概要
・感染対策室は、管理部門✰エリアに配置すること。
ト 職員のアメニティ
①基本方針
・職員へ✰部門間・多職種間✰コミュニケーションなどに利用するアメニティ空間を設ける。
②機能概要
・休憩・職員間✰コミュニケーション等に利用できるスペースを、スタッ➚エリア内に配置すること。
ナ 想定医療機器等
・設置を想定する医療機器等を【参考9 想定医療機器等リスト】に示す。搬入設置および運用が可能な仕様とすること。
・放射線機器✰詳細仕様については、【参考12 放射線機器 設置計画書】を参照すること。
二 その他
・院内配布資料【参考7 基本計画概要書(参考資料4-1、4-2】参照
4 構造計画の要求水準
(1) 基本方針
・災害拠点病院としてふさわしい性能を確保すべく、地震災害時において病院✰機能を維持し、建物内✰収容物✰保全を図る構造とすること。
・イン➚ラ部分✰耐震性を十分に確保する等、災害後における病院機能✰維持を図ること。
・オイルタンクや液酸タンク等を屋外に配置する場合は、十分な耐震性能を確保すること。
(2) 要求性能
ア 構造体の耐震安全目標
・新病院✰構造体✰耐震安全性✰グレード目標は、「官庁施設✰総合耐震・対津波計画基準」(国土交通省)に準拠し、Ⅰ類とすること。
・非構造部材はA類、建築設備は甲類相当とすること。
イ 構造形式
・主体構造方式は、免震構造(原則として基礎免震)とすること。
・免震効果が有効に機能する建築計画、構造計画とし、免震部材は大地震時においても十分安全な機構とすること。
ウ 荷重・外力に対する性能
①設計用地震荷重及び耐震性能目標
・耐震設計クライテリアは以下によること。
時刻歴応答解析計算において、下記✰水平・鉛直地震動(建設予定地における模擬地震動を含める)を適切に設定する。
レベル1:稀に発生する地震動
レベル2:極めて稀に発生する地震動
余裕度検討:極めて稀に発生する地震動(告示波)✰1.25倍以上✰地震動
・時刻歴応答解析に用いる設計用地震波は下記とすること。過去における代表的な観測地震波として計3波以上
平成 12 年建設省告示第 1461 号に基づく模擬波(告示波)計3波以上建設予定地✰地盤、地震環境を考慮した模擬地震動※
※神奈川県地震被害想定調査報告書(平成 27 年 3 月)等を参考に適宜設定する
・時刻歴応答解析における検討において、次表✰判定基準を採用すること。
余裕度検討については、地震✰発生確率と大きさにより、本案件に適正な判定基準を定め、同意を得ること。
耐震性能✰判定基準
項 目 | レベル1 | レベル2 |
屋根構造 | ・主要構造部材: 短期許容応力以内 | ・主要構造部材: 短期許容応力以内 |
地上構造 | ・主要構造部材: | ・主要構造部材: |
短期許容応力以内 ・各階✰層間変形角: 1/300以下 | 短期許容応力以内 ・各階✰層間変形角: 1/200以下 | |
地下構造基礎構造 | ・主要構造部材: 短期許容応力以内 ・杭:短期許容応力以内 | ・主要構造部材:降伏耐力以内 ・杭:せん断破壊を防止し、支 持力を保持する |
免震層 | ・免震部材(積層ゴム)に引張力が生じない | ・免震部材(積層ゴム)に過度な引張力が生じない ・免震層✰水平変形:設計限界 変形以内 |
・免震装置✰引き抜きなど、鉛直方向✰地震力に対する影響が大きい箇所については、鉛直方向✰地震力について検討を行うこと。そ✰際✰設計用✰地震力算定については、時刻歴応答解析又はそ✰他✰妥当な方法により実施し、水平方向と鉛直方向✰地震力が同時に作用するも✰として適切な方法により検討を行うこと。
・長周期地震動等における繰り返し振動に対する免震装置✰性状を考慮すること。
②設計用風荷重及び耐風性能目標
・耐風に関する性能は、「官庁施設✰基本的性能基準」✰性能水準を確保すること。
・日本免震構造協会「免震建築物✰耐風設計指針」に準拠し、免震層✰ランク、免震部材
✰ランクを設定して、適切な免震層✰設計を行うこと。
③設計用積雪荷重
・垂直積雪量は、建築基準法施行令第86条✰規定により算定し、比重はγ=20(N/㎡・ cm)、積雪深度はh=30(cm)とすること。
・特定緩勾配屋根による割増係数αを屋根形状に合わせて適切に考慮すること。
・積雪荷重は、吹き溜まりによる偏在や積雪後✰降雨による比重増加を考慮した適切な荷重設定とすること。
エ 基礎構造
・基礎✰設計には【参考10 地質調査報告書】に示す地盤調査結果✰内容を参考にすること。また、設計及び施工に対して、追加✰地盤調査が必要となる場合は、受注者が計画し行うこと。
・設計に際して、地盤調査等に基づき、地上✰構造計画や地盤性状に応じた合理的な基礎構造とすること。
・基礎工法は、騒音・振動・沈下等に留意した工法とすること。
オ 耐久性能
・構造体✰総合的な耐久性は、JASS5(建築工事標準仕様書・鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)2018年版)により計画供用期間✰級で定めること。一般的な劣化作用に対して✰計画供用期間中は、構造体に鉄筋✰腐食、コンクリート✰重大な劣化が生じない
も✰とすること。
計画供用期間とコンクリート強度
計画供用期間✰級 | 計画供用期間 | 耐久設計基準強度[N/㎜ 2] |
短期 | 30 年 | 18 |
標準 | 65 年 | 24 |
長期 | 100 年 | 30 |
超長期 | 200 年 | 36 |
・本施設✰耐久性能は、機能に応じて次✰とおりとする。
耐久性能目標
項 目 | 耐久性能目標 |
地下・基礎など✰ SRC、RC 造部分 S造✰スラブ部分 | |
計画供用期間 | 65 年 |
計画供用期間✰級 | 標準 |
耐久設計基準強度(N/㎜ 2) | 24 |
カ 構造計画上配慮すべき事項
・安全性や➚レキシビリティに配慮しつつ、経済性✰高い構造計画とすること。
・建築計画及び設備計画とよく整合し、医療機器✰更新や変化に対応する➚レキシビリティに配慮した構造計画とすること。
・仕上げ✰損傷防止や設備✰変形追従性等に配慮すること。
・ヘリポート、設備、医療機器等✰振動が、患者や病院職員等へ悪影響を与えないよう、構造体✰剛性を十分確保すること。
・浸水等✰水害に対して、免震装置✰性能が損なわれないよう配慮すること。
・免震装置✰更新がしやすい計画とすること。
キ 維持管理に対する配慮
・構造耐力上主要な部材(免震部材を含む)✰損傷評価や維持管理を考慮した構造計画とすること。
・免震装置✰維持管理計画を策定すること。
5 電気設備計画の要求水準
原則として本要求水準を満たすこと。記載なき事項については、Ⅱ-3関連法令・基準等によるものとする。
(1) 基本方針
・公的病院として信頼性・安全性の高い設備計画とする。
安全・信頼性、利便性、環境性等、さまざまな要素・要因に留意し、「機能維持」「運用支援」「環境向上」を重視した計画とする。
ア 機能維持
24時間・365日稼働する施設として、また人災(ミス、火災等)時あるいは自然災害(落雷棟による送電途絶、風水害)時において病院機能の維持継続が図れるよう、「電力の安定化供給」を「災害対策グレード設定」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-
Ⅰ】に基づき計画する。イ 運用支援
患者等の病院利用者に対して「安全確保と利便性の向上」、医師・看護師等の医療従事者に対して「医療活動支援及び負担軽減」、施設管理者に対して「維持・管理・運用が容易」となるシステム構築を図る。
ウ 環境向上
電気設備としては、省エネ・環境負荷削減技術を活用して「光熱コスト及び環境負荷低減」を図り、社会への寄与及び病院経営への貢献可能な計画をする。
(2) 基本方針に基づく、具体的な対策対応ア 電力の安定化供給
・「病院電気設備の安全基準(JIS T 1022 :2018)」を基本とした電源回路を確保すること。
・電源系統の停電・年次点検・事故・更新等に際して、病院機能が維持できるよう、系統の二重化・バックアップ化を計画すること。
・建物への直接的な落雷から、また周辺地域からの誘導雷に対して、電源及び医用機器や通信・情報機器を保護するため、外雷対策(新JIS基準)、内部雷対策(医用接地)を施すこと。
・電力の途絶に対して、高圧2回線引込み及び非常用発電機(貯油槽3日分)を計画し、病院機能維持継続を図ること。
・電気室及び発電機は、2階以上に設置し、水害に安全な計画とすること。
イ 安全確保と利便性の向上
・患者が立ち入る待合いスペース、診察、病室等においては、十分かつムラない照度を確保した照明計画すること。
・病院から患者への連絡・案内ツールとして、デジタルサイネージの活用を計画すること。
ウ 医療活動支援
・スタッフ(医師、技術者、看護師等)が利便性の向上や、医療活動の効率化が図れるよ
う、移動体通信可能なシステムの導入を計画すること。
・病棟階ナースコールや電話(有線/無線)などのコミニケーションシステムの充実、電子カルテ・オーダリングシステムとの情報の一元化を図り、スタッフ業務の効率化を図ること。
・救命救急部門、手術部門、薬剤部門及び厨房部門には、部門用インターホンあるいはマイク・スピーカを設備し、連絡の効率化を図ること。
・医用室のカテゴリーA・Bあるいは重症病室(JIS T 1022 :2018)に対しては、エリアごとにカードリーダ(扉管理)や監視カメラ(SSモニター)により、セキュリティ管理支援を計画すること。
エ 維持・管理・運用が容易
・中央監視室(防災センタ兼用)を設置し、建物設備機器の一元管理を図り、運用管理の効率化を実現すること。
・BMS(ビルマネージメント)の導入を行い、ライフサイクルコストを管理し、維持・運用に役立てる計画とすること。
・長寿命、耐久性の高い器材(LED照明器具、長寿命バッテリー、装置のデジタル化、乾式変圧器等)を採用することで、設備の維持・管理の軽減を図ること。
オ 環境負荷低減
・建物消費エネルギーの30%を占める照明電力消費量の軽減を図るため、LED器具の採用、共用部の中央スケジュール制御に加え、人感センサーを活用し無人時の消灯時制御を計画すること。
・高効率機器としてアモルファス変圧器の採用により、省エネ化を計画すること。
(3) 電気設備計画ア 電力
・「安定化電源供給が図れること」「経済性に優れていること」「維持・管理・運用が容易なこと」「建築計画への影響が少ないこと」の採用条件について、【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅱ】で示す。3方式中最も適正である「方式Ⅱ:特高方式」を採用する。
①高圧電力引込み
・受電方式は、特高22KVによる本線及び予備電源(異系)の2回線受電を計画すること。
・引込み方法は、架空回線を構内柱で受け、以降は地中埋設及び建物内専用ケーブルラック上を布設(専用ESP)立上げ、電気室に引込むこと。【参考7 基本計画概要書(電気設備)図-Ⅰ】
②受変電設備
・病院の電源構成に当たっては、負荷分類表【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-
Ⅲ】で示すように、医療用と施設用に分け、それぞれに一般負荷(平常時:商用[AC]給電)、重要負荷(非火災停電時:発電機[GC]給電)、最重要負荷B(非火災+火災停電時:GC給電)、最重要負荷A(非火災+火災停電時:無停電源装置[UPS]給電⇒GC給電)及び防災負荷(火災停電時:GC給電)に分類するとともに、「医用室の電気設備の安全
基準と計画」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅳ】を基に、新病院の電源種別をまとめること。
・特に最重要負荷は、複合的な災害においても電力給電が可能な計画とする。各事象時の対策・対応は「電力供給系統における安全性・信頼性確保」【参考7 基本計画概要書
(電気設備)表-Ⅴ】に示す。
電気室 | 屋内 |
受電電圧 | 22KV(本線/予備線) |
受変電形式 | 屋内薄型キュービクル方式 |
変圧器 | モールド型(アモルファス) |
変圧器容量 | 特高4.5MVA×2,普通高圧総容量9,550KVA |
防振装置 | スプリング防振(4HZ) |
・さらに、電源供給システムを「受変電スケルトン」【参考7 基本計画概要書(電気設備)図-Ⅱ】に、また各事象における給電方法は【参考7 基本計画概要書(電気設備)図-Ⅲ】に示す。その前提に立って、同病床数規模の病院物件データを基に、各負荷ごとの変圧器容量は「負荷原単位と電源容量の想定」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅵ】に示す。
③非常用発電機設備
・建築基準法及び消防法により、必要な防災・消防用設備に対して、停電時の電源として非常用発電機を設置すること。
・病院施設における対象負荷は「病院の負荷分類」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅲ】に示す。
・非火災停電時には、病院機能維持のための医療用・施設用に対する保安①「重要負荷+最重要負荷」電源として契約電力の60%を給電すること。
・火災停電時には、防災及び生命維持のための医療用及び施設用に対する保安②「法的負荷+最重要負荷」電源を整備すること。その容量算定は「負荷原単位と電源容量想定」
発電機室 | 屋内 |
発電機容量 | 1,750KVA |
原動機 | ガスタービン(GT) |
送電電圧 | 3φ6.6KV |
防振装置 | スプリング防振(2.3HZ) |
運転時間 | 3日間の燃料(A重油)を敷地内埋設タンクに貯蔵 |
【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅵ】に示す。また、その運転時間についても、災害拠点施設(国交省)基準より3日とする。
④直流電源設備
・建築基準法に基づく非常用照明の予備電源及び受変電遮断器等の操作電源としての設備
直流電源装置 | 電気室内 |
蓄電池容量 | 750AH |
蓄電池方式 | 長寿命NSE |
電圧 | AC3φ200V/DC100V |
であり、共用とすること。また、非常照明の容量は5分とし、それ以降は発電機により給電(法的には合計20分)すること。病院施設データより、容量は「負荷原単位と電源容量想定」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅵ】に示す。
⑤無停電電源設備
医療系 | 情報系(別途工事) | |
無停電電源装置 | 電気室内 | 電気室またはサーバー室内 |
UPS容量 | 200KVA | 75KVA |
蓄電池方式 | 鉛蓄電池(メーカ標準) | |
電圧 | AC3φ200V/AC3φ200V/AC200-100V |
・電源の瞬断も許されない生命維持(手術室、重症病室)負荷、あるいは情報(サーバー、ネットワーク機器等)機器に対して、無停電電源装置(UPS)を計画すること。「病院施設データ」に基づき容量は、「負荷原単位と電源容量設定」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅵ】に示す。医療系と情報系の医用室や用途ごとの無停電電源容量は「無停電源の対応室と設備容量想定」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅶ】に示す。
⑥中央監視設備
・受変電設備、非常用発電機設備、直流電源設備、無停電電源設備、各現場盤等の発停操作/監視/警報/計測・計量等について、中央監視室(防災センター兼用)で情報の一元管理を計画すること。前記各設備に基づき、リモートステーション盤(機械設備工事)までの配管配線を行うこと。
a 電気設備の監視・計測・操作ポイント(参考)
設備項目 | 操作 | 状態表示 | 故障表示 | 計測・計量 | 備考 |
受変電 | 14 | 30 | 50 | 10 | |
切替え盤 | 7 | 15 | 7 | MCDT | |
発電機 | 10 | 10 | 1 | ||
UPS | 2 | 10 | 10 | ||
直流電源 | 1 | ||||
現場盤 | 50 |
b CRT画面
・受変電スケルトン(受電点~切替え盤)
・UPSスケルトン
・幹線系統(切替え盤~現場盤) c プログラム
・照明スケジュール設定制御
・停電時のグループ(重要負荷、最重要負荷)投入制御
⑦幹線・動力設備
電圧 | 動力 3φ3W400Vあるいは200V 照明・コンセント 1φ3W200-100V |
配線 | 一般負荷/重要負荷 CVTケーブル(ケーブルラック)防災負荷/最重要負荷 FPケーブル(ケーブルラック) バックアップ含む |
電圧降下 | 内線規程による |
・幹線設備は、受変電設備低圧盤~各種現場盤(開閉器、制御盤、分電盤等)間の配管・配線工事、動力設備は各現場盤の供給取付けほか、現場盤~負荷間の配管・配線工事とすること。低圧幹線は、低圧盤~切替え盤間を1次幹線、切替え盤~現場盤間を2次幹線とするほか、低圧盤~現場盤の共通BUP(最大容量)幹線を3次幹線に分けるものとし、その幹線系統概念を「受変電スケルトン」【参考7 基本計画概要書(電気設備)図-Ⅱ】に示すと共に、信頼性・安全性の対応を「電力供給系統における安全性・信頼性確保」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅴ】に示す。また、放射線診断・治療機器の電源容量を「放射線機器の電源容量」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅷ】に示す。
⑧電灯・コンセント設備
照明器具 | LED |
省エネ手法 | 共用部 中央スケジュール制御(70%/30%,50%/50%) |
無人時消灯制御 | 各医用室 手元SW制御(同上) 居室 一部調光制御 |
・照明回路及びコンセント回路の給電分類は、「動力設備」に準ずるほか、各室の照度及び点滅方式については「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】、また医用室のコンセント数については「医療コンセント口数」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表‐Ⅸ】を参考とする。
イ 通信
①通信回線引込み
・通信回線引込みは、「電力・通信引込みルート図」【参考7 基本計画概要書(電気設備)図-Ⅰ】に示すように、有線は架空回線を構内柱(電力柱に共架)で受け、以降は地中埋設及び建物内専用ケーブルラック上を布設(専用ESP)立ち上げ、 MDF室まで引き込むこと。また、回線途絶を考慮し、有線(光)及び移動体通信による計画をする他、多通信キャリアから引込み、危険分散化を図る計画とすること。
②拡声設備
・院内の業務連絡放送及び呼出し放送あるいは緊急放送やBGM放送など、一般放送及び火災時の非常放送を目的した放送設備を計画すること。業務連絡放送及び呼出し放送は、受付に隣接する医事課と管理部門の事務室から、法的な非常放送は防災センターでリモート放送できるものとすること。さらに、手術部門、救命救急部門に関しては、部門内の連絡手段として、個別放送設備を計画すること。
主装置設置場所 | 防災センター |
放送区分 | 全館一斉及び系統あるいは部門ごと放送 |
・各室のスピーカ設置場所及び放送場所を「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。各主装置の電源種別は「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
③時計設備
・全館に電波時計設備を計画すること。
・手術部門は1秒運針の電気時計設備(手術室工事)を計画すること。
・電波子時計及び電気子時計の設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書
(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
電波受信場所 | 屋上 |
同上中継基地 | 各階共用部 |
電気時計親機設置場所 | 防災センター |
④TV共聴設備
アンテナ | UHF、BS、CS110° |
ヘッドエンド | 4K対応、自主放映(1ch) |
・衛星放送、地上デジタル放送を共聴送信に加え、患者への情報提供ツールとしてTV共聴システムを計画すること。直列ユニットの設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
⑤監視カメラ設備
・安全や安心及び防犯の観点から、外部出入り口や共用部(ロビー、ELVホール、廊下等)にカメラを設置し、防災センターで集中一元管理し、有事に早期対策・対応に役立てる計画とすること。カメラの設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書
(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
方式 | ネットワーク伝送 |
カメラ仕様 | ネットワークカメラ |
監視場所 | 防災センター 各階スタッフステーション(病棟階の共用部) |
録画時間 | 2週間 |
⑥セキュリティ設備
・時間外の入出館管理、スタッフエリアへの外来者制限、部門への入室制限を目的として、出入り扉に対し、電気錠+非接触ICカードリーダーおよび電気錠+インターホンによる遠隔制御によりセキュリティを確保する計画とすること。
・外部からの侵入が可能な窓を有する居室には防犯センサーを設置し、夜間の侵入対策を計画すること。ただし、火災等の緊急時にはパニックオープン可能な仕組みとすること。また、カードは出退勤および食堂、自販機等のキャシュレス対応を検討すること。
センター装置の設置場所 | 防災センター |
カードリーダー | 非接触ICカードリーダー |
カード | ICカード(約1000枚) |
・非接触ICカードリーダー及び防犯センサーの設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
⑦防災設備
受信機 | GR型、自動通報システム |
感知器 | 光電式アナログ個別感知器(自動試験機能付き) |
・全館に自動火災報知設備及び防火排煙設備を計画すること。主受信機は防災センターに設置するほか,多くの患者が療養している病棟階の各SSには副受信機を設置する計画とし、火災の予知予防・早期発見・敏速な誘導が可能な対策・対応を検討すること。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
➇AV設備
プロジェクタ仕様 | DLPプロジェクタ(7000lm以上) |
スピーカ | アレイSP |
スクリーン | 150~200ch電動昇降型 |
・講堂に天井吊りプロジェクタを設置し、AVコントローラ(卓)を設備すること。AVコントローラには、院内情報や外部関連機関あるいはインターネット等とのインターフェイスが可能とすること。
⑨呼出し設備
a 各科待合い
患者呼出しマイク | 使用中表示付 待合い患者呼出し/スタッフ呼出しの切替え付 |
待合い | 専用SP |
・外来診察室、ブロック受付、総合案内等に、患者呼出しマイクと待合いに専用スピーカによる呼出し設備を計画すること。設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
b ナースコール
・病棟階では、看護業務支援を目的として院内情報システム(オーダリング、電子カルテ等)との連携可能なPC型ナースコールの採用により、利便性と効率性を実現する計画とすること。同様の目的で、スタッフの移動体通信が可能なシステムとの連携を計画すること。病室の呼出し子機あるいはトイレ・浴室の呼出し釦の有無は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」
【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
病棟SS親機 | ディスクトップPC型 |
病室子機 | ハンド型子機 |
廊下灯 | 液晶タイプ |
c インターホン
・インターホン設備は、出入り管理を目的として入出館、入退室をセキュリティと連携するインターホン設備(連絡方式:親子式)を計画すること。
・医療従事者支援として、救命救急部門、手術部門、薬剤部門、厨房での連絡用としてのインターホン設備(連絡方式:相互式)を計画すること。
・施設運用管理者支援として、防災センター(中央監視室兼用)と各設備機械室やESP/ DSとの連絡のためのインターホン設備(連絡方式:相互式)を計画すること。
・各設備の親機、子機の設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
ウ 情報
①電話交換設備
・電話交換機は、中継台(交換手)により中継業務が行えるものとすること。
・ページング機能を付加して電話機を利用した院内緊急時のスタッフコールに対応すること。電話機は固定電話に加え、移動体端末を計画すること。また、電話交換機とナースコール親機との連動・連携を図り、ナースコール子機として活用できるものとし、医師・看護師に業務の効率化や敏速な対応を可能とするツールを提供すること。電話子機の設置の有無は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別
交換機 | IP-PBX |
交換業務 | 中継台及びダイヤルイン併用方式 |
電話機 | 多機能固定電話機,移動体子機(PHS) |
を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
②医療情報システム
・医療システム(オーダリング/電子カルテ/各部門)と、病院システム(事務/人事/資産)があり、それぞれLAN(有線/無線)、サーバー、中継器、端末(PC)等で構成され、システム構成機器は別途工事となるが、配管、ケーブルラック、位置(モジュラー取出し)ボックス及び電源供給は本工事となる。システムごとの情報端末の設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。主装置の電源種別を「弱電・通信設備の電源種別」【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-Ⅹ】に示す。
③情報表示システム
a インフォメーションシステム(デジタルサイネージ)
ソース作成場所 | 管理部門 |
サイネージ | 40ch~60chディスプレイ |
・病院から患者に対しての連絡・案内・告知等のツールとして、各待合い等にデジタルサイネージを計画すること。ディスプレイ設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。
b 待合い表示(番号表示)
・ブロック待合、総合案内付近の廊下に、液晶ディスプレイによる待合い表示設置(別途工事)のための配管・位置BOX及び電源供給を計画する。液晶ディスプレイの設置場所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。
エ 接地
①避雷針接地
・建築基準法に準拠し、直撃雷用に避雷突針を設備すること。
システム | JIS新基準 |
引き下げ導線 | 建築構造体利用 |
保護レベル | レベルⅣ以上 |
②電気設備基準接地
・接地には、「電気設備技術基準」に基づくEA、EC、EDを統合接地するほか、EB、情報機器用接地は単独接地とすること。「病院電気設備の安全基準」に基づく医用接地を施すこと。病院の接地体系と接地概念を【参考7 基本計画概要書(電気設備)図-Ⅳ】に示す。
オ その他
・法規制を【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-ⅩⅠ】に、工事区分を【参考7 基本計画概要書(電気設備)表-ⅩⅡ】に示す。
・工事中、既存病院の機能維持に必要な設備に抵触する計画の場合、適切な設備切り回し工事を計画すること。
6 機械設備計画の要求水準
原則として本要求水準を満たすこと。記載なき事項については、Ⅱ-3関連法令・基準等によるものとする。
(1) 基本方針
・公的病院として信頼性・安全性の高い設備計画とする。
・省エネルギー化、自然エネルギーの利活用および省資源化を図り、電気・都市ガスによるエネルギー使用のベストミックスを考慮した計画とする。
・災害時や停電時のBCPを考慮した設備計画とする。
・既存病院を運用しながらの建て替え工事のためユーティリティーおよびエネルギー等供給停止を最小限としながら、建築のローリング計画に沿った、かつ稼働エリアの運用に支障のない設備計画とする。
(2) 基本方針に基づく、具体的な対策対応ア 信頼性・安全性
・地域に密着した公立病院として快適な医療・療養環境の向上を図り、信頼性・安全性の高い計画とする。
・清浄度グレード設定室(清浄度区分:【添付7 諸室リスト・諸元表】)、室圧管理を実施する室(室圧管理対象室:【添付7 諸室リスト・諸元表】)に設置する機器については、気密性・防塵性を確保する。
・屋外に設置する機器等は、重塩害仕様とする。
・建築計画に準じた免震建物として建物から出入りする配管類は免震対応とする。
イ 環境性・省資源・省エネルギー性
・電気またはガスなどの利用エネルギーの分散化を図るとともに、設備機器単体では、省エネルギー性能の高い機種を積極的に採用する。
・ライフサイクルコストを考慮した計画とする。
・地域性を考慮し、自然エネルギー利用を考慮する。
・使用材料は資源の節約と有効利用を考慮するとともに、積極的に低環境型(エコ)製品を使用する。
ウ 利便性
・空調及び給排水のゾーニングはわかりやすく計画する。
・施設を利用する職員(施設管理者含む)及び使用者にとって使いやすいシステムを採用する。
・設備機器は操作が分かりやすく簡単であるものとする。
エ 保守性・更新性・拡張性
・維持管理・保守が容易で、シンプルかつ長寿命な機器を採用する。
・メンテナンス性・更新性を考慮した配置計画やシャフト計画とするとともに、設備機器は供給の安定している汎用品を使用する。特に縦シャフトは将来の設備更新時に既存運用しながら出来るよう計画する。
・長寿命と将来のためのフレキシビリティを考慮したシステムを採用する。
・各種配管は誤接続防止のための対策を施す。
・各種容量の増加など拡張性を考慮したスペース・機器構成・配管敷設とする。(各配管は諸元表等で必要ないと考えられる場合も階ごとに分岐を設けバルブあるいはプラグ止めとする。)
・将来の増設・更新・改修時においても搬入、工事のための障害が最小限に押さえられる計画とする。
(3) 給排水衛生設備計画
各設備の必要箇所は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】に示す。
ア 給水設備
①計画
・上水は、既設引き込み管150φ【参考7 基本計画概要書(機械設備)図-Ⅳ】を利用し量水器2次側で分岐延長し、新病院に設置の上水受水槽(FRP複合版)200㎥×2基に貯水の上、揚水ポンプ(接液部SUS)により塔屋に設置の上水高架水槽24㎥(中仕切付)に揚水し、計画建物に供給すること。なお残留塩素濃度確保のため揚水ポンプに連動して滅菌装置を設置すること。
・既設引き込み管の第1バルブまでは更新済みであるが、これ以降未更新のため本工事にて新病院への分岐部分まで更新すること。
・井水は、別途工事にて既設利用または新設する井戸および井水処理施設(量水器含む)から供給を受けること。
・井水は、計画建物ピット内の雑用水受水槽160㎥に貯水し、揚水ポンプ(接液部SUS)により塔屋に設置の雑用水高架水槽10㎥(中仕切付)に揚水したうえで計画建物に供給すること。なお井水供給量の不足に対応して上水をバックアップ供給できるよう計画すること。
・雑用水は、トイレ洗浄水、冷却塔補給水および散水用とし、上水はこれ以外に供給すること。また災害時のBCP対応として雑用水を高度処理しクロスコネクション対策をしたうえで上水受水槽に供給できるよう、処理装置(別途工事)も含めシステムを本工事として提案すること。
・高架水槽2次側として、上水は病院(南北2系統)・厨房・加湿・給湯・ボイラー補給の各系統、雑用水は病院(トイレ・南北2系統)・冷却塔補給水・屋外散水の各系統に分けて給水すること。なお圧力が不足の場合加圧給水装置(接液部SUS)経由で各器具に供給すること。
・各階天井配管給水方式とし、器具近傍で隠ぺい立ち下げ配管を原則とすること。ただしトイレ等供給個所が密集している場所や嫌水機器を設置している部屋については近傍のPSに立ち下げ床下給水とすることができる。
・給水圧力は、給湯圧力も考慮し最遠部で0.25Mpa以上を確保し、縦管分岐部で0.4Mpaを超える階は減圧弁を設置すること。
・空調加湿給水管は、単独系統とし、飲料系統に逆流しないよう計画すること。
・備品への給水は、各機器近傍の天井立ち下げバルブ止め迄を本工事とし、給水接続工事
(2次側)は別途工事とする。工事区分の詳細は【参考7 基本計画概要書(機械設備)図‐Ⅲ】に示す。
②量水器
・病院本体は上水、雑用水とも各階枝管に遠隔指示式管理用子メーターを設置すること。
・建物内テナントが設置される場合も個別に遠隔指示式量水器を設けること。
・量水器の計量は中央監視盤にて行う。
③参考フロー
・参考フローを【参考7 基本計画概要書(機械設備)】に示す。
イ 排水通気設備
①放流先
・各器具類からの排水は、屋外に設置の排水桝を経由し最終桝に接続し放流する。敷地北側および東側に既設の最終桝および放流管は再利用するものとして計画し、南側については必要に応じ最終桝および放流管を新設し、西側前面道路に埋設の下水本管250φに管接続し放流すること。【参考4 インフラ関連資料】【参考7 基本計画概要書(機械設備)図-Ⅳ】
②放流方式
・屋外:分流式 (生活排水、特殊排水、雨水排水とする)
・屋内:分流式 (汚水、雑排水、浴室系排水、厨房排水、薬液排水、透析排水、RI排水、解剖排水、高温排水、空調ドレン、雨水排水とする)
③排水計画
・厨房は、清潔エリアをドライ対応とし、洗浄・下処理コーナーはウエット対応とするこ と。厨房の排水は側溝端部にSUS製祖集桝(SUS網かご付))を設け配管にて屋外に設置す るグリーストラップに導入すること。導入配管は将来極力更新できるよう計画すること。グリーストラップは下処理、調理、洗浄室の3系統とし臭気対策を考慮すること。
・厨房排水は、グリーストラップ以降を単独排水として最終桝手前に検水桝を設置し、生活排水系と合流し公共下水へ放流すること。
・医療機器等からの排水は、各室床排水キャップ止め迄を本工事とし、排水接続工事(2次側)は別途工事とする。工事区分の詳細は【参考7 基本計画概要書(機械設備)図
‐Ⅱ】に示す。
・生活排水は、通常時は公共下水への放流とするが、BCP対策として緊急排水槽へ貯留できるよう切替弁を設けること。緊急排水槽からの放流はポンプアップとすること。
・雨水は、すべて雨水貯留層へ貯留しポンプにより道路側溝への晴天時放流とするが、屋根に降雨したものは適切に処理し雑用水受水槽に供給する等、計画すること。
・排水については、掃除口を適所に設け、維持管理に配慮した計画とするとともに適切な通気を設けること。
④特殊排水
・薬液排水は、検体検査、透析排水、内視鏡洗浄機排水を指し、検査系は発生個所にて2次洗浄水まで容器回収とし、3次洗浄水以降を中和処理施設へ導入すること。透析排水と内視鏡洗浄機排水はそれぞれを中和処理施設へ導入すること。これらを処理した後最終桝手前の検水桝を経由後、生活排水と合流し公共下水道へ放流すること。
・RI排水は、RI排水処理施設へ導入し、処理後モニター装置により放流可の場合のみ検水桝を経て生活系排水と合流し公共下水へ放流すること。RIを含んだ汚水は専用の浄化槽 (2基手動交互運転)にて処理したのちRI処理施設へ導入すること。
・解剖室等からの病理系排水、中央材料部洗浄室の血液を含む排水、オートクレーブやウォッシャーディスインフェクター等からの感染系排水は、解剖排水処理施設(高圧蒸気消毒装置)へ導入し、処理後検水桝を経て公共下水道へ放流すること。
・浴室系排水は、浴室、シャワー室、特浴、洗濯機排水を指し、屋外の排水桝まで単独配管にて接続放流すること。
・高温排水は、40℃以上の排水を指し、単独に屋外に導いた後高温排水減温槽にて減温または希釈の上生活排水と合流し放流すること。
・中和処理施設、RI排水処理施設、解剖排水処理施設は、メンテナンス時を考慮し、それぞれ原水槽あるいは減衰槽のバックアップを考慮すること。
⑤参考フロー
・参考フローを【参考7 基本計画概要書(機械設備)図‐Ⅱ】に示す。
ウ 給湯設備
①給湯計画
・多量に連続して使用する個所(厨房・病棟浴室・シャワー・特浴、処置室等)については、中央方式(循環方式)を基本とし、主縦管は南北及び厨房の3系統(給水ゾーニングと極力合わせる)で計画すること。
・トイレ等局所的で断続的な使用個所については、電気式貯湯湯沸かし器を設け供給することも可とする。
・給湯圧力は、シャワーヘッド必要圧力を確保するとともに厨房機器への供給圧力をも考慮して設定し、低層部には必要に応じて減圧処理ができるように計画すること。
・建物内テナントが設置される場合は、個別にガスまたは電気瞬間湯沸し器あるいは電気温水器にて計画すること。
②管理メーター
・給湯用補給水に管理用子メーター(遠隔指示式)を設置すること。
・各階枝管および厨房に管理用カロリーメーター(遠隔指示式)を設けること。
エ 衛生器具設備
①計画
・衛生器具、水栓等の形式は、用途、節水効果、設置場所、利用者の利便性、感染防止を考慮するとともに清掃が容易で抗菌効果に優れたものとすること。
・手洗器、洗面器類はすべてオーバーフローなしとすること。
・患者用の手洗器・洗面器は、体の不自由な方も使用可能な器具を、スタッフ用の手洗器
は、器具や手・腕まで洗えるような器具を選定すること。
・必要に応じて停電時の対応も考慮すること。
・衛生器具類については、設計及び施工段階ごとにスタッフへのプレゼンテーションを行い、詳細な配置も含めて合意を得ること。
②衛生器具
・下記記載の他、手すり、背もたれ、アームレスト、洗濯機パン、オストメイト対応トイレパックを計画する」こと。
・外部に散水用水栓柱、機械室及び屋外機器置き場にメンテ用水栓を適宜計画すること。
器具名 | 仕様 |
洋便器 | 掃除口付壁掛け型、暖房便座+洗浄便座(節水型フラッシュバル ブ:壁付手かざしセンサー式)、擬音装置 |
小便器 | 低リップ自動洗浄方式(AC式光電センサー)、節水型 |
患者用手洗器・洗 面器 | カウンター一体型(車いす対応)、自動水栓(自己発電式光電セン サー)、大型化粧鏡 |
スタッフ用手洗器 | 自動水栓(自己発電式光電センサー) |
スタッフ用洗面器 | 自動水栓(自己発電式光電センサー)、化粧鏡 |
水石鹸入れ | 自動フォーム式(AC式光電センサー) |
多目的トイレ | 洋便器、手洗器、洗面器はすべて車いす対応、ベビーシート、背もたれ、手すり、大型化粧鏡、オストメイト(患者利用エリア各 階2ヶ所程度) |
流し用混合水栓 | 自動水栓(自動・手動切り替え型) |
紙巻き器 | 棚付き2連 |
乳児バス | 2槽式、埋め込みサーモスタット |
汚物流し | 掃除口付ふちなし、センサー式フラッシュ、レバー式自在水栓、 補高台 |
ハンドドライヤー | 別途工事 |
掃除用流し | オーバーフローなし |
オ ガス設備
①種別
・都市ガス13A(ガス事業法、ガス機器の設置基準及び実務指針、ガス供給規定に準拠した計画とする)
②計画
・中圧は、敷地西側道路に埋設予定の小田原ガス本管100Aから分岐し、熱源系統、ボイラー系統のメーターを設けたのち各機器に供給すること。
・低圧は、敷地西側前面道路に埋設の小田原ガス本管150Aから引き込み、厨房系統と病院本管系統用メーターを経由して各器具に供給すること。
・緊急ガス遮断弁建物導入部に設け、ガスメーターとともに中央監視盤にて状態監視・計
量を行なうこと。
・備品へのガス配管は各室天井下バルブ止め若しくは床上バルブ止め迄を本工事とする。接続工事(2次側)は別途工事とする。工事区分の詳細は【参考7 基本計画概要書(機械設備)図‐Ⅲ】に示す。
③管理メーター
・管理メーター(遠隔指示式)を各系統に設け、テナント用として必要に応じ遠隔指示式を設置出来るようにすること。
カ 消火設備
①防火対象物
・消防法・条例に準拠すると共に、所轄消防署の指導事項に準じた消火設備を設置すること。
②消火設備
・全館にスプリンクラー(閉鎖型予作動式)+補助散水栓(壁埋め込み)を設置すること。
・連結送水管設備を設置すること。
・電気室、発電機室、ボイラー室、サーバー室等は、法及び条例等に則り適切な消火設備を本工事にて設置すること。
③その他
・一般消火器(ABC10号)は別途工事とする。ただし、廊下等には建築工事にて壁埋め込み型ボックスを設置等、配置計画は本工事にて行うこと。
キ 医療ガス設備
①種別
・集中配管対応:O(酸素)、V(吸引)、A(圧縮空気)、N2(窒素)、Ex(余剰ガス排出装置)
②計画
・病院本体近傍に液酸タンク置場、マニホールド室、医療ガス機械室を設けること。
・医療ガス機械室に吸引及び圧縮空気の装置を設置し、これから病院本体に供給すること。それぞれの装置はバックアップを考慮し2台以上を自動交互並列運転として計画する こと。装置の故障等の警報を出力すること。
・酸素は、液酸タンクから気化器等(ともに別途工事)を経由し病院本体に供給すること。
・マニホールド室に予備酸素、笑気及び窒素のマニホールドを設置し、これから病院本体に供給すること。マニホールドは予備酸素を除き自動切替式とし、バンク切り替え表示および空瓶警報を出力すること。
・手術部、ICU等の特殊病棟及び一般病棟のスタッフステーションには、エリアモニターを設置すること。また手術部及び防災センターには、医療ガス警報盤を設置し、中央監視盤にも出力、記録すること。
・縦管は、建物両端に2系統で立ち上げ、各階に分岐バルブを設け、吸引を除いた各ガスのシャットオフバルブをエリアごとに設置したのち各器具に供給すること。
・各階横引き管は南北系統を接続しループ化するとともに、バルブを設け改修時等のバッ
クアップ供給を可能なよう計画すること。
③アウトレット
・建築諸室リストに記載のアウトレットを本工事にて設置すること。
・大規模災害時を考慮し、待合ホールおよびリハビリ室に酸素と吸引のアウトレットを数か所設けること。
ク 厨房機器設備
・栄養部門の厨房に厨房機器も含め本工事にて設置すること。
・厨房機器への1次側給水、給湯、ガス、排水管と排気用フード等は本工事にて用意すること。【参考8 厨房設備参考図】参照。
ケ RIモニター設備
・RIを扱う部門内の必要箇所にエリアモニター、ルームガスモニターを本工事にて設置すること。
・RI排気フィルター2次側に必要なガスモニターを設置すること。
・RI排水処理施設に必要な水モニターを設置すること。
・検査室にハンドフットクロスモニターを設置すること。
・これらを監視記録および帳票作成用のRI中央監視システムを管理室に設置すること。
・RI中央監視装置から必要な情報を中央監視システムに転送する。
コ 既存配管切り回し設備
・既存建物周りの屋外排水管のうち、本計画により使用できなくなる排水管の仮設切り回しを行うこと。
・計画内容によっては仮設排水槽を設け、地上階の排水を一時貯留の上排水ポンプにて使用可能な屋外排水管に接続放流すること。
・その他の配管等に影響のある場合、それぞれ仮設または本設等、提案・対応すること。
(4) 空気調和設備計画ア 空調設計条件
・空調負荷計算は、国土交通省大臣官房官庁営繕部設備課監修 建築設備設計基準(最新版)による方法とする。
冷房 | 暖房 | ||||
乾球温度 | 相対湿度 | 乾球温度 | 相対湿度 | ||
屋外条件 | 過去 3 年の「小田原市」気象データから設定する | ||||
室内条件 | 事務エリア | 26℃ | 50% | 22℃ | 50% |
〃 | 病室 | 26℃ | 50% | 23℃ | 50% |
〃 | 手術・ICU・CCU | 25±1℃ | 50±10% | 24±1℃ | 50±10% |
〃 | LDR・NICU | 25±2℃ | 50±10% | 25±2℃ | 50±10% |
〃 | 厨房 | 25℃ | 成行 | 18℃ | 成行 |
・主要な室の温度湿度条件は下表とし、詳細は「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】による。
※相対湿度は、実運用において35%以上を確保できるものとし、上記表中の50%は設計時の目標基準値。
①目標騒音値
・敷地境界における騒音・振動は騒音規制法・振動規制法による規制値以内とすること。
・室内騒音値は、病院設備設計ガイドライン(空調設備編)によること。
②負荷条件
・外気負荷:30m3/h・人、事務エリア人員:0.2人/㎡、病室人員:収容人員×1.3(切り上げ)、照明:20w/㎡とすること。
・コンセントは、事務エリア:20w/㎡、その他エリア:提案者のこれまでの実績による適切な数値として計画し、実施設計段階でヒアリングを行い決定すること。
③その他
・空調ゾーニングについては、【参考7 基本計画概要書(機械設備)表-Ⅱ】参照。
イ 熱源設備
①使用エネルギー
・電気と中圧ガスを利用したベストミックスの計画とすること。
②熱源方式
・外調機用に冷水、温水を用いるシステムとして構成すること。また熱源機器は、施設の年間負荷特性を考慮し、運転資格が不要で制御性がよく、省エネルギー性に優れかつライフサイクルコストの安価な空調熱源機器およびシステムを計画すること。
・変流量や大温度差システムなどの省エネルギー技術をライフサイクルコスト検討の上採用すること。
・冷温熱源は、季節に応じて必要量の冷水及び温水を同時に供給できるよう計画すること。
・ボイラーは、多缶設置型ガス焚小型貫流蒸気ボイラーとし、中圧:0.4MPaと低圧:0.2MPaのヘッダーの2系統を介して供給すること。還水管も2系統で還水槽へ戻すこと。
なお、上記を原則とするが、使用エネルギー、熱源機器、熱源システムは、ライフサイ
クルコスト、BCPの観点から比較検討を行い、より最適となる設備方式を比較検討資料とともに計画すること。
③空調設備
中央方式+個別方式の混在とし、下記方針を基に、「空調ゾーニング計画」【参考7基本計画概要書(機械設備)表‐Ⅱ】を参照し、提案プランに応じた空調系統の統合分割を行い最適なゾーニングを提案すること。
なお、電気式空冷ヒートポンプパッケージはEHP、ガス式はGHPと記載する。下記を原則とするが、空調ゾーニングやライフサイクルコスト等の比較検討を行い、より最適となる設備方式を計画すること。
・病室等は、療養に適した室内環境を実現するため、安定した温度管理が可能で、個別制御性に優れた「外調機+マルチ式EHP(冷暖同時)方式」を採用すること。
・人工透析および化学療法の各ベッド部には、放射冷暖房システムを計画すること。
・事務室関連は、経済的・個別制御性に優れ、かつピークの電力使用量を抑えるため「外調機+GHP(冷暖房切替)方式」を採用すること。
・手術部、ICU、CCU、LDR、NICU、スタッフステーション、夜間利用のある事務室、仮眠室等は、BCP対応や個別制御を考慮して「外調機+マルチ式EHP方式(冷暖同時)」を採用し、クリーン度の要求室にはHEPA付き室内機を採用すること。
・クリーン度の要求のある外気処理空調機は、排気系も含めバックアップを考慮し、必要能力の50%以上の機器を2系統設置し常時は並列運転として計画すること。該当する各室の内、MRI、CT、リニアック及びこれに付帯する機械室は単独EHPとすること。
・特殊機器のある放射線室・各種検査室・中央材料部等は、個別利用・個別の調整が可能であり将来対応が容易な「外調機+マルチ式EHP方式(冷暖同時)」を採用すること。なお、磁気や電磁波を嫌う機器のある部屋や騒音を避ける必要のある部屋は室外からダクトによる空調を計画し各種シールドを施すこと。
・RIを使用するエリア及び部屋は、全空気方式空調を原則とすること。
・厨房は、HACCPに準じた考え方により、外気処理空調機(2台並列)+マルチ式EHP方式(冷暖同時)とするが、フード排気のために大量の外気を処理する必要があるため、省エネルギーに配慮した計画とすること。厨房室内の室内機は、耐食性を考慮し厨房用にて計画すること。
a 中央方式
・空調ゾーニングは、上記空調方式および別紙空調ゾーニング計画を参照し、用途・運用方法、使用時間帯や清浄度等の性能に沿った計画とすること。
・クリーンルーム(以下CR)清浄度グレードがISO-6(クラス1,000)及び7(クラス10,000)、 8(クラス100,000)の吹出口には、HEPAフィルターを設置すること。
・空気汚染の少ない一般事務室系統は、全熱交換器付きとし省エネを図ること。
・空調機の加湿は、低圧蒸気使用を原則とするが、CRに供給する系統には個別に比例制御可能なクリーン蒸気発生器を使用すること。
・CR系統の空調機は、露点温度制御とし、規定された温湿度に管理する必要のある場合は
再熱コイルを取付けること。
・空調機風量12,000㎥/hまでは、コンパクト型とすることができる。
・記載ある場合を除き清浄度グレードの規定する室は陽圧とし、空気汚染のある室は陰圧を原則とする。
・省エネルギー性に配慮した制御とし、変風量や外気冷房などのシステムを採用すること。なお、VAVを設置する系統は、風量変動に対する他室への影響にも対応すること。
・「空調ゾーニング計画」【参考7 基本計画概要書(機械設備)表‐Ⅱ】で「定時」とあるものは、24時間換気用としてインバータを組み込む等、夜間は風量を減じられるよう計画すること。
・各空調機には、熱量計および電力量計を設置し、省エネルギー管理に配慮すること。
b 個別方式
・個別方式は、パッケージ(EHP、GHP)を対象とする。
・室の用途や利用時間等を考慮して、室ごとに制御ができるものとする。
・外気取入れを外調機によらない室には外気処理パッケージを計画し気化式加湿器を取り付ける。外気取入れ部には中性能フィルターを設けること。
c パッケージエアコン
・パッケージエアコンは、GHP、EHPを対象とする。なお諸元表とゾーニング計画に齟齬がある場合は諸元表を優先とすること。
・室用途や利用時間、空調負荷等を考慮して冷暖切替あるいは冷暖同時の系統分けを行い室外機のゾーンを計画すること。
・在室者に対するドラフトに留意すること。特に患者ベッドに直接風が当たらないよう計画すること。
・清浄度グレードを指定する室は、クリーンルーム用(HEPA付き)を採用すること。
・屋内機のフィルターは、メーカー呼称の中性能以上とすること。
・各室の冷媒ガス限界濃度を考慮すること。
・EHPは、室外機デフロスト時にも温度変動の少ない対策を施すこと。
・電気室・防災センターは、故障時のバックアップを考慮し、75%能力を2台設置とすること。
・サーバー室はN+1台で計画すること。
ⅾ 屋外設置
・屋外・屋上設置機器は、騒音・振動・転倒防止対策を行うこと。
e その他
・機器スペースの他、フィルター交換スペース、更新時対応スペースを確保すること。
・必要に応じて高調波対策を施すこと。
④ 配管設備 a 種類
・冷水管、温水管、冷却水管、低圧蒸気管(空調加湿用、給湯加熱用)、中圧蒸気管(滅菌機器系統)、還水管、ドレン管、冷媒管、加湿管を対象とする。
b 冷水・温水管
・系統は、ゾーニング計画や空調系統と整合を図り、運用管理に配慮して計画すること。
・冷水及び温水の配管方式は、変流量・閉回路・4管方式とすること。
c 冷却水管
・原則変流量方式とし、循環系にサイクロン型の不純物分離器を取り付け冷却水中の不純物を取り除けるよう計画すること。
・ブロー水は、可能であれば再利用できるよう計画すること。
ⅾ 加湿給水管
・空調加湿給水配管は、加湿補給水タンクを設け、飲料用とは別に単独系統とすること。
・保守性に配慮して加湿配管中に水抜きを設置すること。
e 蒸気設備
・蒸気は、給湯の熱源、加湿用、滅菌機用に利用する。
・給湯、加湿用には、0.2MPa 、滅菌用には0.4MPaの2系統に分け供給すること。
・還水槽は、2缶設置し常時は高温用(還水受入れ)と低温用(ボイラーへの送り出し)で運用するが、1缶清掃時の場合でも残り1缶で運用可能な計画とすること。
・高温用還水槽から多管式熱交換器を介して排熱を取り出し低温用に循環する。取り出した排熱は暖房用温水還りヘッダーに接続循環する。さらにこの還水循環系にサイクロン型の不純物分離器を取り付け還水中の不純物を取り除けるよう計画すること。
f ドレン管
・臭気対策を考慮し乾式トラップ及び防虫網を設置し、乾式トラップは点検、着脱可能な対応とすること。
・ドレン水は、可能な限り雑用水として再利用できるよう計画すること。
・ドレンパンおよびドレン管に付着したスライム対策を講じること。
⑤ ダクト設備
詳細は、「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】および「空調ゾーニング計画」
【参考7 基本計画概要書(機械設備)表‐Ⅱ】による。
a 計画
・吹出し方式は、定風量方式又は変風量方式とする。
・清浄度グレードの指定する室の吹出し口には、HEPAフィルター付きとし、吸込口を腰壁に設ける等、室内の気流分布に配慮すること。また必要に応じて差圧計・差圧ダンパーを設置して管理すること。
・陰圧室(病室以外も含む)には、差圧計を設け視認できるようにすること。また前室付きの陰圧室には所定の差圧が確保できなくなった場合にスタッフステーション等に警報を表示すること。
・講堂や待合ホールなど多くの人員が存在する部屋はCO2制御とし、空調機の場合は変風量装置(VAV)を設置し変風量方式とし、全熱交換器の場合はメーカーのシステムとして省エネルギーを図ること。
b 吹出口等
・病室の吹出口は、ドラフトを感じないよう配置および吹出口形状を選定すること。
・室用途に応じて意匠性に配慮すること。
c その他
・外気取入れダクトは空調室天井内すべてと外壁部より2mまでを保温すること。また全熱交換器の給気ダクトはすべて保温を行うこと。
・ダンパー類(VD、MD、FD、SD等)を適切に設置し、維持管理性に配慮すること。
⑥ 換気設備
詳細は、「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】および「空調ゾーニング計画」
【参考7 基本計画概要書(機械設備)表‐Ⅱ】による。
a 計画
・外気取入れ量は、30m3/人・hとする。
・排気臭気、排熱等の侵入・逆流が無いよう、給排気離隔確保・給排気面を変える等の配慮をして計画すること。
・外気取り入れダクトの空調室天井内すべてと外壁部より2m、排気ダクトは外壁部より
2mまで保温を行うこと。
・外壁に設置のガラリ面風速は近隣への騒音に留意して計画すること。
b 換気方式
・中央方式又は個別方式とし、空調方式との整合を持たせた計画とすること。
・換気方式は、外調機による換気を基本とし可変風量の場合でも最小外気量とエアバランスを考慮した換気計画とすること。【参考7 基本計画概要書(機械設備)表‐Ⅱ】
・単独利用のある小会議室、仮眠室、当直室等は、個別の全熱交換器(加湿器付)を採用すること。
・臭気等の有害排気は、近隣建物に影響しないよう計画すること。
c その他
・建築物衛生法に準拠したフィルター(中性能+粗じんフィルター(洗浄再使用型))を設置すること。
・建築基準法に基づくシックハウス対策を行うこと。
・ダンパー類(VD、MD、FD、SD等)を適切に設置し、維持管理性に配慮すること。
⑦ 特殊排気設備
詳細は、「各室諸元表」【添付7 諸室リスト・諸元表】および「空調ゾーニング計画」
【参考7 基本計画概要書(機械設備)表‐Ⅱ】による。
a 局所排気
・薬剤部および検査部門等に設置の局所排気設備は、それぞれ単独系統として計画すること。外気取入れ量は、30m3/人・hとする。
・病棟の調剤室あるいは調剤コーナーに排気型の安全キャビネット(幅1200程度)、耳鼻科臭覚検査室にドラフトチャンバーを想定しそれぞれ単独系統として計画すること。
・局所排気設備は、空調システムとの連動を図り、室内温湿度、室圧制御に配慮すること。
・局所排気のファン・ダクト類は、排気する空気の特性に合わせて、耐食性及び耐熱性を
考慮すること。
・局所排気に対する外気供給方式は、外気処理方式(温度調整)を原則とすること。
b 厨房排気
・厨房排気フード(SUS製)で油分粗集✰ため、水フィルターを設置すること。
・排気系統は、水フィルター設置✰系統とそ✰他系統を分けてファンを設置し、2台設置する空調機風量もこれに合わせて設定すること。ファン内部は点検可能とすること。
・排気フード✰面風速は、0.4m/s以上を確保すること。
・厨房排気は、悪臭を考慮したうえで屋上にて排気するとともに発生騒音に留意すること。
・ダクト内で✰結露が考えられる場合は、必要に応じて水抜きを設置すること。
・夜間発熱機器がある場合は、局所的に24時間換気を計画すること。
⑧ 排煙設備
・建築基準法、消防法に準拠した排煙計画を行うこと。
・排煙口は遠方復帰型とすること。
・非常用エレベータ✰附室排煙を計画すること。
⑨ 自動制御・中央監視設備 a 中央監視
・操作・監視対象は、空調設備、換気設備、衛生設備、受変電設備(状態監視)等とし、中央監視装置へ接続すること。スケジュール発停・制御・操作・監視等行えるようにすること。
・中央監視盤は、防災センターに設置し、監視点数は将来を考慮し20%増しとすること。
・中央監視盤と同等✰機能を持ったタブレット型端末を1台付属とすること。
・スタッフステーションには、管理対象となる病室✰温湿度管理、空調操作が行えるようサブ監視盤を設置すること。
・手術部、ICU、CCU✰外調機発停や温湿度設定等✰操作は、スタッフステーションにてスケジュール運転も可能なよう計画し、監視・警報等はスタッフステーションと中央監視盤に出力すること。
・受変電設備(状態監視)✰監視は、RS盤を電気室に設け、電気工事による信号を受ける。
b 各機器制御
・パッケージエアコンは、手元で✰リモコン操作を行うとともに、各部門や管理エリアごとに集中管理コントローラを設置し、温度管理・操作・警報管理を行うこと。
・空調機、送排風機、ポンプ等は極力インバータ制御を採用し省エネルギーに配慮すること。
c その他
・各インフラ(電気、給水、ガス類)✰管理用子メーターは、遠隔指示式とし集中検針可能なシステムとすること。
・す➴て✰手術室、ICU・CCU・HCU✰代表室、LDR、新生児室、分娩室は、温度、湿度等✰モニタリングを行う。
・陰圧手術室は、圧力監視を行い、当該室とローカル及び中央監視に表示と警報を行う。
・自動火災報知設備と連動対応すること。
・機械室や各種シャフトに設ける点検口は、共用廊下に面して設け、日常的な点検がしやすいように配慮すること。
・各種点検口(天井点検口含む)は、周囲✰スペース・位置等、日常的な点検がしやすいように配慮すること。
・高さが2mを超える設備機器等は、タラップを背カゴ付き、上面は転落防止対策を施し、安全に配慮すること。
(5)その他
・配管・保温材質は、【参考7 基本計画概要図(機械設備)表-1】参照。
7 昇降機設備計画の要求水準
・エレベータは、一般用と患者搬送・職員・物品搬送用に分け、適切な台数と大きさを検討し、動線に配慮した配置とすること。
・防災センターに、全エレベータ、エスカレータ等✰監視制御盤を設置すること。監視制御盤は、各号機✰運転停止、各種管制運転操作及びセキュリティ連動操作等、各種操作を行う。
・耐震クラスはA14とする。なお、小荷物専用昇降機除く。
・適用基準:「昇降機技術基準✰解説」(一般財団法人 日本建築設備・昇降機センター)
(1) エレベータ
次に示すエレベータ✰設置を基本として計画すること。
・利用目的に応じて、適切な速度設定とすること。
・搬送動線計画に伴い、適切な荷重設定とすること。
・栄養部門専用を1台想定・計画すること。
利用想定 | 仕様・台数 | かご内法 | 備考 | |
①患者・患者 ご家族用 | 外来・病棟 | 乗用15人乗 3台 | 1600×1500以上 | 車椅子対応 音声誘導装置付 |
外来 | 乗用15人乗 2台 | 1600×1500以上 | ||
②スタッフ用・搬送用 | 病棟・全フ ロア※1 | 寝台用20人乗 1台 | 1800×2800以上 | |
病棟・全フ ロア※1 | 寝台用15人乗 3台 | 1500×2500以上 | ||
低層階✰職 員エリア | 寝台用15人乗 2台 | 1500×2500以上 | ||
手術-中央 材料間 | 人荷用1.75t 2台 ※2 | 1500×2500以上 |
※1 屋上機械室等は除いてよい。
※2 手術部門に隣接して中央材料部門を配置する場合は、こ✰限りではない。
※3 上記表に非常用エレベータは含まない。
(2) 非常用エレベータ
・患者搬送等✰利用を想定し、かご内法1800×2500以上2台設置を想定すること。(法令・計画建物高さ等に伴い、必要台数を適切に計画すること。)
・1台は、全フロアおよびヘリポート面へ✰着床を計画すること。
・ヘリポート、救急部門から✰患者搬送や遺体搬送に使用する昇降機は、一時的に占用できる装置を備えること。
(3) エスカレータ
・外来患者が利用する機能が2フロア以上となる場合、外来部門へ✰患者✰利便性を考慮し、搬送能力✰高いエスカレータ✰設置を計画すること。
・病院✰特性を踏まえ、安全対策を講じること。
・自動発停装置を設置すること。
・音声、点字及び表示による案内を設置すること。
8 搬送設備計画の要求水準
(1) 小荷物専用昇降機
・業務✰効率化や職員✰負担を軽減するため、必要な部門に整備すること。
・手術・病理検査間✰対応を考慮し、小型昇降式搬送設備✰導入を計画すること。なお、病理部門を手術部門に隣接して配置する場合はこ✰限りではない。
(2) 大口径気送管設備計画
・業務✰効率化や職員✰負担を軽減するため、必要な部門に整備する。
・検体・薬剤など、夜間・緊急搬送を中心に使用する。
・搬送するも✰を限定し、合理的な利用を図る。書類搬送には使用しない。
設置部門 | 数 | 備考 |
一般病棟 | 7 | 看護単位毎に設置 ※1 |
小児病棟・NICU | 1 | |
産科他病棟 | 1 | |
救急病棟、ICU、CCU、SCU | 2 | 近接するステーションにて共用利用を想定 |
薬剤部門 | 1 | |
臨床検査部門 | 1 | |
救命救急センター | 1 | |
薬剤部門(サテライト) | 1 | 院内処方・救急処方対応を行う想定 ※2 |
計 | 15 |
・次に示す箇所に、ステーション✰設置を計画すること。手術、中央材料、内視鏡、病理、化学療法は不要とする。
※1 スタッフステーションが隣接する計画✰場合、共用とする提案は可とする。
※2 救急部門・薬剤部門が隣接する際、不要とする提案は可とする。
9 ヘリポート計画の要求水準
・屋上に、飛行場外離着陸場(航空法79条ただし書き・場外基準)を設置すること。
・ヘリポート✰使用目的は、医療活動及び消防防災用として、主な利用者は、神奈川県ドクターヘリ及び横浜市消防局航空隊・川崎市消防ヘリコプターによるも✰とする。
・想定するヘリコプター✰機種及び離着陸帯✰大きさは、最大機種を保有する横浜市消防局航空隊✰AW139型とし、離着陸帯✰大きさは21m×21mとする。
(AW139型機体:全長16.66m、全幅13.8m、総重量6,900kg)
・ヘリポート面は、地上から✰高さ40m以上を想定する。
・強度は、全備重量8t✰荷重に耐える強度とし、衝撃係数3.25倍とすること。
・屋上建物周辺✰煙突、アンテナ、避雷針、塔屋等には、進入表面、転移表面に抵触することがないよう計画すること。
・同付帯施設を計画すること。(スロープ、脱落防止施設、燃料✰流出防止施設、夜間照明設備、消火設備、電源設備及び監視カメラ等)
・耐久性、メンテンナンス性に配慮した構造とすること。
・【参考11 飛行場外離着陸場(屋上)整備に係る候補地検討業務報告書】参照。
10 仮設計画
・既存病院を運営しながら✰新病院建設を行うにあたり、必要な養生・仮設、防音・防振・防臭・防塵対策を適切に計画すること。
・先行する工事(解体・設備切り回し等)についても、前項同様に適切に計画すること。
Ⅳ 本業務の実施に関する要求水準
・受注者は、要求水準及び技術提案を基に基本設計を行い、実施設計、施工業務等を適切に行うこと。特に施設✰品質確保を確実にするために、品質確保✰プロセスを適切に計画し実行・管理すること。
・受注者は、設計、施工、工事監理、品質・コスト管理✰各業務に当たる技術者✰業務分担を業務内容に応じて具体に定めること。
・統括責任者は、本事業全体をマネジメントし、事業全体✰進捗管理や、設計業務、工事監理業務及び工事施工業務✰取りまとめを行い、業務間で✰必要な業務✰漏れ、不整合そ✰他✰事業実施上✰障害が発生しないよう必要な調整を行うこと。
・品質・コスト管理チームを定め、コスト管理、要求水準及び技術提案✰確認など✰管理を行うこと。
1 共通事項
(1) 共通業務
ア 工程表の作成
・受注者は、設計業務委託契約締結後、速やかに総合工程表(設計、工事施工、別途工事)を監督員に提出すること。
・総合工程表は、市・病院が行う周辺工事・調査・移転等✰期間を市・病院と十分に協議・調整を行い、把握した上で作成すること。また、必要に応じて随時更新すること。
・統括責任者は、総合工程表を基に、設計者が作成する全体設計工程表や、施工者が作成する生産計画工程表、全体施工工程表など✰検証及び統括・取りまとめを行うこと。
イ 体制表の作成
・受注者は、契約締結後速やかに体制表を監督員に提出すること。
・体制表には、配置する技術者及びそ✰役割について記載すること。
・受注者は、本体事業✰推進✰ため病院が委託を検討しているCMr(設計・施工マネジメントを行うコンストラクションマネージャー)へ✰協力を行うこと。
ウ コスト管理
①コスト管理の考え方
・設計業務委託契約締結から引渡しまで、要求水準✰明確な変更が無い限り、技術提案内容を守りながら、提案時内訳書に記載された単価を準用し、提案時見積書✰総額を下回るようコスト管理を実施すること。
・賃金又は物価✰変動などにより工事価格✰増減が予測される場合は、提案時見積書✰総額を下回るコスト管理を行うため✰提案を行い、病院と協議すること。
・提案時内訳書に記載が無い項目については、病院と受注者で協議✰うえ、病院が承諾した金額で単価を設定する。そ✰際、共通仮設費、現場管理費及び一般管理費等✰合計✰直接工事費に対する比率は技術提案時✰見積書上✰比率を上限とする。
・当該計画✰目的を変更しない限度において、特に必要な場合又はやむを得ない事由により設計変更や変更工事が発生した場合、設計業務委託契約や工事請負契約に対する変更を行い、原則、別途契約を結ばないも✰とする。
②設計期間中のコスト管理
・受注者は、提案時見積書に基づき、設計期間中におけるコスト管理を行うこと。
・要求水準✰変更指示等、特に必要な場合又はやむを得ない事由により設計変更が生じた場合、提案時内訳書✰単価を採用してコスト算出を行うこと。
・受注者は、基本協定書に基づき、見積作成用図面を基に監督員✰指定する方法により見積書を作成し、監督員✰確認を受けること。
・病院及び受注者は、基本協定書に基づき、見積書等✰内容について価格等✰交渉を行い、必要がある場合には見積条件等についてそれぞれ見直しを行うこと。
③施工期間中のコスト管理
・受注者は、工事請負契約✰内訳書に基づき、施工期間中におけるコスト管理を行うこと。
・設計変更内容については、監督員✰指示する方法により変更内訳明細書を作成し、監督員✰確認を受けること。
エ 要求水準の確認
・受注者は、要求水準を満たすため、要求水準確認計画書を作成すること。要求水準確認計画書に基づいて、設計業務・工事監理業務及び工事施工業務✰管理を行うこと。
・受注者は、要求水準確認計画書に基づいて、設計及び施工✰各段階において、要求水準
✰設計及び施工へ✰反映状況✰確認を行い、監督員✰承諾を得ること。
オ 技術提案の確認
・受注者は、技術提案✰内容を実現するため、技術提案実施計画書を作成すること。技術提案実施計画書に基づいて、基本設計・実施設計業務及び施工業務✰管理を行うこと。
・受注者は、技術提案実施計画書に基づき、設計及び施工✰各段階において、技術提案✰設計及び施工へ✰反映状況✰確認を行い、監督員✰承諾を得ること。
カ 打合せ及び記録と報告
・受注者は、監督員及びそ✰他関係機関と協議及び打合せを行ったときは、そ✰内容について、そ✰都度書面(打合せ簿)に記録し、相互に確認すること。
・監督員及び受注者は、指示、通知、報告、提出、承諾、回答及び協議(以下「指示等」という。)を、書面で行わなければならない。こ✰場合、特段、書式に定めを必要としない場合には、打合せ簿により行うも✰とする。なお、やむを得ない事情により、口頭で行った指示等は書面により交付するも✰とする。そ✰書式は、打合せ簿により行うことを原則とする。
・受注者が監督員に提出する書類で様式及び提出部数が定められていない場合は、監督員
✰指示によるも✰とする。
・受注者は、業務✰方針、条件等に疑義が生じた場合は、監督員と書面により協議しなければならない。こ✰場合、監督員は速やかに協議に応じるも✰とする。打合せ内容は、打合せ簿に記録し相互に確認しなければならない。
・受注者は、次の表の会議体名称、内容、出席者などを参考とし、適宜会議体を提案すること。
会議体のイメージ
会議体名称 | 内容 | 出席者○ (主宰者◎ 記録者●) | 開催頻度など (参考) | |||||
発注者 | CMr (予定) | 設計者 | 工事監 理者 | 施工者 | ||||
設計段階 | 設計会議 | 発注者から設計者への意図伝達 設計者による各種許認可申請・各種調査・各種検討の報告・説明 基本設計図書及び実施設計図書の説明 | ○ | ○ | ◎● | - | ○ | 2回/月開催 |
各種分科会(建築、電気、機械、 他) | 事務・技術関連全般の協議・確認・決定 | ○ | (○) | ◎● | (○) | - | 1回/週開催 | |
その他、部門ヒアリング、分科 会など | 必要に応じ実施する | 必要に応じて 主宰及び記録は原則設計者 | 随時開催 | |||||
施工段階 | 総合定例会議 | プロジェクト参画者全員に関連する議題について打合せを行う、進捗報告 | ○ | ○ | ○ | ◎ | ● | 1回/月開催 |
定例会議 | 主として工事に係る議題について打合せを行う | ○ | ○ | (○) | ◎ | ● | 2回/月開催 | |
総合図会議 | 総合図に関する打合せを行う | ○ | (○) | ○ | ◎ | ● | 随時開催 | |
仕上計画、設備 計画プレゼンテーション会議 | 各種仕上や設備計画のプレ ゼンテーション及び打合せを行う | ○ | ○ | ◎ | ○ | ● | 随時開催 | |
各種分科会(建 築、電気、機械、他) | 上記会議体での議題以外の 詳細内容についての打合せを行う | (○) | (○) | (○) | ◎ | ● | 1回/週開催 | |
病院内で行う各 種会議 | 進捗報告・工事日程など説明 を行う | ◎ | (○) | 必要に応じて |
出席者の( )は必要に応じて参加
司会進行は主宰者が実施
(2) 病院関係者・近隣への対応等
ア 特に以下の点に留意して工事工程・施工計画等を作成し、監督員の承諾を得ること。
①病院内、構内及び工事関係者の安全確保と環境保全に十分配慮する。
②工事に伴い近隣地域に及ぼす影響を最小限にとどめるよう努める。
③無理のない工事工程を立てるとともに、適宜近隣住民、病院関係者に周知し、作業時間に関する了解を得る。
④工事に関連する各種の届出及び検査の受検を遅滞なく実施する。
イ 着工に先立ち、近隣住民との調整及び建築準備調査等を十分に行い、工事の円滑な進行と近隣の理解及び安全を確保すること。
ウ 工事車両等の工事動線は、患者や見舞い客等の病院利用者の動線と分離する計画とすること。また、工事時間、工事車両通行ルート等について、近隣への配慮を最大限行うこと。
エ 受注者は、病院が行う近隣等に対する説明に協力するものとする。
2 設計業務に関する要求水準
・受注者は、要求水準、技術提案及び見積書を基に、設計期間中に仕様を確定すること。
・受注者は、技術提案の内容に関する具体的な検討を行い、設計図書に反映すること。
(1) 設計業務の範囲
・設計業務の範囲は、【添付 1 所掌区分表】に示す。
・造作家具、流し台、カーテンレール、手すり等、設置に工事を伴い建築物に固定されて一体となるものは、本事業の範囲とし、設計図に記載すること。本事業の範囲は【添付 2 工事区分表】に示す範囲とする。
・設計者は、本工事の設計と別途工事の設計に関する調整を行い、別途工事の内容について設計に反映することとする。別途工事の内容については、【添付 2 工事区分表】による。
・設計者の役割を、【添付 3 関係者役割分担表】に示す。
・設計者は、関係法令及び各種適用基準に基づいて業務を実施すること。
・設計図書の作成に際しては、「建築工事設計図書作成基準(国土交通省 大臣官房 官庁営繕部 監修)」等を遵守すること。
・設計者は、業務の詳細及び当該工事の範囲について、監督員と連絡を取り合い、かつ十分に打合せをして、業務の目的を達成すること。
・要求水準と異なる提案については、監督員の確認を取ること。
(2) 設計業務計画書の作成
・設計者は、設計業務着手前に、設計業務計画書(業務実施方針、業務工程、業務体制、配置技術者名簿等)を監督員に提出し、確認を得ること。
(3) 設計業務
ア 工程表の作成
・設計者は、設計業務に関する工程表(全体設計工程表、許認可工程表等)を適切な時期に監督員に提出し、確認を受けること。なお本工事に関する工程及び別途工事に関する工程と調整を行い、設計業務に関する工程に反映すること。
イ 設計条件等の整理
・設計者は、要求水準及び技術提案に基づく設計条件等を、監督員と協議のうえ整理すること。
・設計者は、計画に対する要望を病院に再確認した上で設計を進めること。
ウ 法令上の諸条件等の調査及び関係機関との打合せ
・設計者は、法規制やインフラ等の諸条件については、官公庁等と事前に協議の上、必ず監督員に確認すること。また、協議録等を作成し、監督員に提出すること。
・現況に関する図面調査及び現地調査は、監督員の承諾を得た上で、病院運営に支障とならない範囲において入念に行うこと。
エ 基本設計業務
・基本設計概要書、基本設計説明書、要求水準確認書、技術提案確認書、見積書等を監督員に提出し、承諾を得ること。
・【添付5 設計業務に係る成果品】により、設計成果品を監督員に提出し、承諾を得ること。
オ 実施設計業務
・実施設計概要書、実施設計図書、要求水準確認書、技術提案確認書、見積書等を監督員に提出し、承諾を得ること。
・【添付5 設計業務に係る成果品】により、設計成果品を監督員に提出し、承諾を得ること。
カ 設計後見積書の作成
・受注者は、本体工事について実施設計図書に基づき設計後見積書を作成し、監督員に提出し、確認を受けること。
・本体工事に先行して着手する業務(埋蔵文化財発掘調査に伴って実施する撤去・移設等の業務)の参考内訳書は、監督員の指示により提出すること
キ VE提案内容の反映
・設計者は、VE提案を行うことができる。
VE(Value Engineering)とは、機能を低下させずにコストを低減できる手段又はコストを上げずに機能を向上させる手段を採用することにより、コスト縮減や機能・品質の向上を図る取組みである
・採用が認められたVE提案については、設計内容に反映できるものとする。
・VE提案により変更された設計内容及びその変更が影響を及ぼす部分についての品質保証など一切の責任は、受注者が負うものとする。
ク 進捗の確認
・設計者は、定期的に当該業務の進捗状況及び内容について監督員に報告し、監督員及び関係部署と協議等を行った際には協議録等を作成し、監督員に提出すること。
ケ 打合せ
・設計者は、打合せに当たって、集約した意見を反映した提案として、具体的なコンセプト案、比較検討資料、模型・パース等の可視化した分かりやすい資料を必要に応じて作成し、適時提出すること。
コ 別途工事との設計に関する調整
・設計者は、本工事の設計と別途工事の設計に関する調整を行い、別途工事の内容について設計に反映すること。別途工事の内容については、【添付1 所掌区分表】、【添付2工事区分表】による。
・設計者は、別途工事も含め、関係法令への適合を確認すること。
(4) 各種申請業務
・各種申請業務を適切に実施することにより、本事業の円滑な遂行を図る。
・設計者は、計画通知等の申請関連業務を行うこと。指定性能評価機関、国土交通大臣認定など市以外の関係機関への申請手続手数料は本体事業に含むものとする。変更があった場合も同様とする
・設計者は、その他法令により定められた申請手続(仮使用認定、各種条例による手続など
含む)を行うこと。
・事業期間中に必要となる病院開設許可をはじめとする各種許認可手続等の申請は、病院にて実施する。受注者はその申請において技術的協力及び資料作成等の支援を行うこと。
(5) 設計意図伝達・確認等の業務
施行段階において、設計意図伝達等の業務を行うこと。
ア 設計意図を正確に伝えるための質疑応答、説明など
・施工段階において、設計意図を正確に伝えるための質疑応答、説明などを施工者等に対して行うこと。
イ 総合図の確認など
・設計意図伝達の観点から総合図の確認等を行うこと。また、設計意図が正確に反映されていることを確認する必要がある場合は、施工図などの確認を行うこと。
ウ 工事材料、設備機器などの選定に関する設計意図の観点からの検討、助言など
・施工段階において行うことに合理性がある工事材料、設備機器など及びそれらの色柄、形状等の選定に関して、設計意図の観点からの検討を行い、必要な報告などを監督員に対して行うこと。
エ 施工段階における設計変更への対応等
・施工段階において変更が発生した場合、法適合の観点から、検討、助言を行い、必要な手続き等を行うこと。
オ 施工段階における諸官庁検査及び完成検査への立ち会い等
・諸官庁検査の立ち会いを行うこと。
・完成検査の立ち会いを行うこと。
カ 総合定例会議への出席等
キ 完成引き渡し時の図面及び書類の確認等
3 工事監理業務に関する要求水準
(1) 工事監理業務の範囲
・工事監理業務の範囲は、本体工事の監理業務となる。本体工事の範囲は、【添付1 所掌区分表】、【添付2 工事区分表】に示す。
・工事監理者の役割を、【添付3 関係者役割分担表】に示す。
・工事監理者は、発注資料に明示のない場合又は疑義を生じた場合には、監督員と協議すること。
・工事監理業務は、原則常駐監理とする。
(2) 工事監理業務計画書の作成
・工事監理者は、工事監理業務着手前に、必要事項を記載した工事監理業務計画書を監督員に提出し、確認を受けること。
・工事監理者は、監理方針書を作成し、監督員の確認を受けること。監理方針について、施工者への説明を実施すること。
・工事監理者は、工事監理の方法に変更の必要が生じた場合、監督員と協議すること。
(3) 工事監理業務
ア 設計図書の内容の把握など
・工事監理者は、設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まりなどを発見した場合には、監督員に報告し、必要に応じて設計者に確認すること。
・監理者は、施工者等から工事に関する質疑書が提出された場合、設計図書に定められた品質(形状、寸法、仕上がり、機能、性能などを含む。)確保の観点から技術的に検討し、必要に応じて監督員及び設計者に確認のうえ、回答を施工者等に通知すること。
イ 設計図書に照らした施工図などの検討及び報告
・工事監理者は、設計図書の定めにより、施工者等が作成し、提出する施工図(現寸図・工作図などをいう。)、材料、製作見本、見本施工などが設計図書などの内容に適合しているかについて検討し、監督員に報告すること。
・監理者は、設計図書の定めにより、施工者等が提案又は提出する工事材料、設備機器など(当該工事材料、設備機器などに係る製造者及び専門工事業者を含む。)及びそれらの見本が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、監督員に報告すること。
ウ 工事施工と設計図書との照合及び確認
・工事監理者は、施工者等の行う工事が設計図書の内容に適合しているかについて、対象工事に応じた合理的方法により確認し、監督員に報告すること。あわせて、建築基準法及び建築士法による工事監理者として、必要な法手続等を行うこと。
エ 設計図書の内容に適合していることを確認できない場合の措置
・工事監理者は、施工図や工事などが設計図書の内容に適合していることを確認できない場合は、直ちに工事施工者等に対してその旨を指摘するとともに、施工者等に対し修正を求めるべき事項等を検討し、監督員に報告すること。
・施工者等が必要な補修等を行った場合は、これを確認し、その内容を監督員に報告すること。なお、設計図書のとおりに施工できない理由について、施工者等があらかじめ書面で報告した場合においては、必要な事項を検討し、監督員及び施工者等と協議すること。
オ 工事監理状況の報告
・工事監理者は、毎月の工事監理業務の進捗状況を翌月の3日までに、監理月報により監督員に報告すること。
・工事監理者は、施工報告書、工事月報の内容について、その内容が適切であることを確認し、結果を監督員に報告すること。
・工事監理者は、工事監理の状況を記録した工事監理業務報告書を、監督員に提出し確認を受けること。工事監理業務報告書は、工事が設計図書に適合していることが確認できる内容とすること。
カ 各施工段階における検査の方法
各施工段階における検査については、次の確認方法とする。なお、材料検査及び製品検査は、原則として現場にて確認する。現場検査が困難な場合は、工場検査又は書類検査による確認とする。
・工事監理者は、試験、目視、計測の各行為の現場立会いによる確認を行うこと。
・工事監理者は、施工者等が行った試験、目視、計測の結果を記した書面による確認を行うこと。
・工事監理者は、工事に使用する材料及び製品の品質数量等について検査し、不合格品については、遅滞なく場外に搬出させ、監督員に報告すること。
・工事監理者は、1年目点検等に立ち会い、また必要に応じて業務に関する説明、資料作成を行うこと。
4 施工業務等に関する要求水準
(1) 施工業務の範囲
・施工業務の内容及び範囲は【添付1 所掌区分表】【添付2 工事区分表】による。
・施工者の役割を、【添付3 関係者役割分担表】に示す。
・施工者が提出する書類と時期を、【添付6 提出書類(施工、引渡し、契約支払)】に示す。
・各種関連法令及び適用基準等を遵守し、要求水準及び技術提案並びに実施設計図書に従って、施設の工事を実施すること。
・施工時においても病院から本事業に対する要望があった場合、可能な範囲で対応に努めること。
・施工者は、発注資料に明示のない場合又は疑義が生じた場合には、監督員と協議すること。
・施工者は、要求水準及び技術提案の内容に基づいて設計され、監督員の承諾を得た設計図書に基づき工事を実施すること。
・施工者は、受注者が有効と考える特殊な工法、材料製品等を採用する場合は、あらかじめ監督員と協議を行い、採用を検討すること。
(2) 施工計画書等の作成
・施工者は、施工計画書、品質管理計画書、施工報告書を作成すること。なお、施工計画書及び品質管理計画書は原則として該当する工事着手の7日前までに、監督員の承諾を得ること。
(3)施工業務
ア 工程表の作成
・施工者は、施工業務に関する工程表(全体施工工程表、月間工程表、週間工程表、工種別工程表、生産計画工程表など)を適切な時期に監督員に提出し、確認を受けること。なお、別途工事に関する工程と調整を行い、施工業務に関する工程に反映すること。
イ 各種図面の作成
・施工者は、仮設図、総合図、製作図、施工図、完成図等を作成すること。
・電気設備、空調設備、給排水衛生設備、搬送設備等の関連工事と調整を図るため、建築施工図に各設備をプロットした総合図を作成し、監督員及び工事監理者との調整・確認を密に行うこと。なお、本事業における「総合図」は、製作図・施工図のベースとなる
「重ね合わせ図」を示し、早期に設計意図・問題点・工事の全体像・相互関係を理解・把握し、工事における品質確保及び適正化と効率化を図ることを目的とする。
・総合図の作成に当たっては、記載内容について、監督員と事前に協議を行うこと。また、変更内容等が生じた場合、伝達を迅速・確実に行える体制を構築し、監督員の確認・承認を迅速に行うこと。
ウ 仮設計画の作成
・適切な時期に仮設計画を検討し、監督員の確認を受けること。
・外壁等の工事に係る外部足場や仮設揚重機は、近隣や病院内からの見えがかりに配慮し、
目隠し等の適切な対策を講じること。
・新設建物により影響を受ける既存埋設配管等は事前の調査を行い、切り回しや仮設計画を立て、病院へ説明し了解を得て作業に当たること。
エ 仮設物の設置等
・仮設建物等を設置するときは、病院の承諾を得ること。
・障害物の撤去又は移設をするときは、監督員の指示により行うこと。
・施工に支障となるため一時的に撤去したものは、受注者の責任において復旧すること。
・監督員事務所は設けない。
・仮設物は、施工、監督及び検査に便利かつ安全な材料構造かつ関係法規に準拠して設置するものとし、常に維持保全に注意すること。
・工事用地の使用にあたっては「工事用地使用許可願」を病院に提出して、病院の承諾を得ること。ただし、工事用地の借料は無償とする。
オ 工事用電力等
・工事用通信回線は、施工者が通信業者と個別に契約し、外部から引込むこと。
・工事用給排水は、病院構内より分岐することができる。ただし、使用量が確認できる計量器を設置し、病院に使用料金を支払うこと。
カ 工事状況の説明・報告
・施工者は、工事状況を病院に毎月報告するほか、病院から要請があれば施工の事前説明及び事後報告を行うこと。また、病院は工事現場での施工状況の確認を行うことができるものとする。
・監督員は、いつでも工事現場での施工状況の確認を行うことができるものとする。
・施工者は、工事を円滑に推進できるように、必ず施工状況の説明及び報告を十分に行うこと。
・施工者は、建設業法第 24 条の7に定める施工体制台帳に社会保険等の加入実態を確実に記載し、施工者が雇用する労働者の加入実態を明らかにすること。また、二次以下の下請業者に対しては、再下請負通知書に社会保険の加入実態を確実に記載させ未加入の場合は社会保険に加入させること。
キ 別途工事との調整
・施工者は、病院が実施する医療機器調達業務及び備品等調達業務と十分な連携を図り、適切な時期に医療機器及び備品等の設置工程等の調整を行うこと。工事区分は、【添付 2工事区分表】に示す通りとする。
・施工者は、本工事と関連する別途工事について施工図、総合図との調整・取りまとめを行うこととする。
ク モックアップの作成及び確認
・施工者は、内装(病室等)の材質、形状、設備等の諸機能の妥当性検証を行うために、
1床室、4床室の原寸モックアップを施工し、病院の確認を受けること。
ケ 作業日・作業時間の順守
・工事の作業日・作業時間については、下記の考え方を目安とするが、工事着手前に病院
等と十分に確認・調整を行い、対応を決定すること。
①作業時間は、概ね午前8時から午後5時までを基本とする。
②大きな騒音・振動を伴う作業は、午前9時から午後5時までとし、事前に病院・病院関係者へ周知・連絡する等、十分配慮して行うこと。騒音、振動、断水、冷暖房の停止など利用者への制限が極力生じない計画とし、発生する場合は事前に工事方法や時間等を病院と協議し、合意の後に作業を行うこと。
③土曜日の作業を行う場合は、騒音、振動、車両運行等による病院利用者への影響に配慮し、合理的な範囲の対策を実施しつつ作業を行うこと。
④日曜日、祝日は休日とし、作業を行う場合は休日作業届を提出すること。この場合、病院と協議の上、騒音の発生する作業を行わない、事前に病院・病院関係者へ周知・連絡する等、十分配慮して行うこと。
コ 工事車両の通行に係る安全管理
・工事車両の通行は、工事の各段階において、近隣地域等の安全を十分確保した計画とし、事前に市・病院等との十分な協議・調整を行うこと。
・工事車両の運行については、あらかじめ周辺道路の状況を把握し、事前に道路管理者等との打合せを行い、運行速度や適切な交通誘導員の配置、案内看板の設置、道路の清掃など、十分に配慮すること。
・病院利用者や車両の動線に影響する作業が発生する場合には、事前に工事方法や時間等を市・病院と協議し、合意後に作業を行うこと。
・交通誘導員は少なくとも敷地出入口に1名配置すること。また主要資材搬入時など、特に工事車両の運行量が増加する場合は、1名以上追加配置し、安全管理を徹底すること。
・工事車両は構内に駐車すること。構内に駐車できない場合は、適切な駐車場を確保すること。
サ 工事現場の管理等
・現場事務所を設置すること。現場職員を1名以上常駐させ、作業期間中何時においても連絡が取れる状態であること。
・建設工事を実施する範囲は、仮囲いで確実に区画し、区画外に建築資材の仮置きや駐車を生じさせないこと。
・病院が使用を承諾した期間、善良なる管理者の注意義務をもって、工事範囲内の管理を行うこと。
・周辺地域の環境に配慮して、作業環境の改善、作業現場の美化等に努めること。
・夜間等における不法侵入を防止するなど、工事範囲内の保守管理を行うこと。
・土壌汚染があった場合は、監督員に報告し、適切な手続き、管理を行うこと。
・建設発生土の処理に当たっては、法令等に定められたとおり適切な管理のうえ処理を行うこと。
シ 工事施工中の安全管理
・工事施工中の安全管理に関しては「建築工事安全施工技術指針」「建設工事公衆災害防止対策要綱建築工事編」等に従い、常に工事の安全に留意して現場管理を行い、災害及
び事故の防止に努めるものとする。また、「建築工事安全施工技術指針」、「建設工事公衆災害防止対策要綱建築工事編」等に従うだけでなく、本事業の施設整備が「病院を運営しながらの工事」であることから、患者や見舞い客等の病院利用者の安全が最優先であることを十分に認識し、第三者災害の防止対策を事前に十分に検討の上、実施すること。
・第三者災害防止対策として、適切な数の安全誘導員や警備員の配置、工事作業員の新規入場者教育、現場安全パトロールの徹底等を実施し、工事によるトラブルや事故が起きないようにすること。
・火気の使用や溶接作業等を行う場合は、火気の取り扱いに十分注意するとともに、適切な消火設備、防炎シート等を設けるなど、火災の防止措置を講じること。
・シンナー等の管理については、工事現場・倉庫などでの保管を厳重に行い、また、車両に積載した状態でその場を離れる場合は、盗難防止措置を講じること。
・病院内の運営中のエリア及び周辺環境に影響や汚損・破損など損害を与えた場合は、迅速かつ丁寧に対応し、必要に応じて修復等の措置を講じること。また、速やかに病院等に報告すること。
・工事現場の安全管理において、電気・ガス・給排水・その他危険個所等の巡視を定期的に実施し、監督員に報告すること。
ス 環境対策
・騒音・振動、臭気やほこり等、運営中のエリアへ及ぼす影響及び近隣地域の環境に及ぼす影響についての調査・対策を行うこと。
セ 発生材の処理等
・建設リサイクルは、「建設副産物適正処理推進要綱」に従って行うこと。
・工事により発生する廃材については、再生可能なものについては積極的に再利用を図ること。
・再生資源利用計画については、監督員と協議の上、実施すること。
ソ 廃棄物の処理
・工事により発生した廃棄物については、法令等に定められた方法により適切に処理、処分すること。
・飛散性のある石綿や非飛散性の石綿含有建材の処理、処分は、法令等を遵守するとともに、「改訂 既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説2018
(財)日本建築センター」に従って行うこと。また、工事着手前に十分な現地調査・成分試験等を行い、その結果を反映した施工計画書を作成し、監督員の確認を受けること。なお、撤去工事に当たっては、工事作業の安全を確保することに加え、周辺に対する石綿の飛散防止対策を十分に行うこと。
タ 工事写真等
・工事写真の撮影は、「営繕工事写真撮影要領(国土交通省 大臣官房 官庁営繕部 監修)」に準ずるものとし、撮影箇所・提出方法等については、監督員と協議の上決定すること
チ 化学物質の室内濃度測定
・完成引渡し前に、化学物質の室内濃度測定を行い、室内濃度が厚生労働省の基準値以下であることを確認し、監督員に報告すること。
・測定方法は、厚生労働省のガイドラインに記載されている標準測定方法に基づいた方法とすること。
・測定対象室は、患者利用室(病室、LDR)を主に、各階居室4室程度とするが、具体的な測定室は、病院と協議の上、測定を行うこと。
・測定対象物質は、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、及びスチレンとすること。
・各室の測定箇所数は、原則、50 ㎡以下は1箇所、50~200 ㎡は2箇所、200~500 ㎡は3箇所、500 ㎡~は4箇所とすること。
ツ 取扱説明会の開催
・施工者は、部分引渡し時や工事完了時には、適切な時期に病院に対して取扱説明を行うこと。
(4) 施工段階に係る各種申請業務
・工事実情情報サービス(CORINS)に基づき「工事カルテ」を作成し、監督員の確認を受けた後、(財)日本建設情報総合センター(JACIC)に登録申請を行うこと。
・その他施工段階における関係機関への届出手続き等は、遅滞なく受注者が行うこと。
・上記における申請料は、受注者の負担とする。
・工事にかかる諸官庁申請を行うこと。
(5) 補助金申請に係る支援業務
・施工者は、病院が交付金・補助金等の申請や実績報告を行う場合に、必要となる資料作成に協力すること。
(6) その他受注者が必要に応じて実施する各種調査
・受注者が必要と判断して行う調査は、受注者の負担において実施すること。(近隣対策、警察協議、地質調査、施工前・施工後家屋調査、事前敷地測量、地中障害物調査、アスベスト調査等)
(7) 工事検査及び中間検査
・工事検査及び中間検査(随時各工種・部位検査、部分完成検査、年度毎出来高検査等)については、事前に内容を監督員に確認すること。
・病院の検査を受ける前に、各種設備の点検・試運転・自主検査・設計監理者による検査を行い、また関係法令に基づく検査に合格すること。
・施工を完了後、監督員に工事完成届、完成図、完成写真等を提出し、病院の検査を受けること。
・施工を完了後、各検査に合格した上で、建物を病院に引き渡すこと。
(8) 契約不適合の確認検査
・施工者は、引渡し6ヶ月、1年、2年後に点検を行うこと。各施工段階の部分引き渡しの範囲・点検の方法については、事前に内容を病院に確認すること。