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工 事 下 請 基 本 約 款 2020 年4月1日 版
第1条 (総則)
この約款は、株式会社xx組(以下「元請負人」という。)と下請負人が工事下請契約(以下「本契約」という。)を締結するうえで、誠実に契約を履行するためにお互いに遵守しなければならない事項を明らかにするものである。
第2条 (工事の施工)
下請負人は、注文書・本契約・設計図書(別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。)及び元請負人の指示に従い誠実に工事(以下「本工事」という。)を施行する。
2 設計図書は元請負人が下請負人に貸与し、下請負人は工事が完成する等不要になったとき及び元請負人が返還を求めたときは速やかに元請負人にこれを返還する。
3 下請負人は、元請負人の請求があるときは、設計図書に基づく請負代金内訳書、施工計画書及び工程表を速やかに元請負人に提出し、その承諾を受ける。
第3条 (関連工事との調整)
元請負人は、本工事を含む元請工事(元請負人と発注者(建設業法第2条第5項で規定する定義に同じ。以下同じ。)との間の請負契約による工事をいう。)を円滑に完成するため関連工事(元請工事のうち本工事の施工上関連のある工事をいう。)との調整を図り、必要がある場合は下請負人に対して指示を行う。この場合において本工事の内容を変更し、または工事の全部もしくは一部の施工を中止したときは、元請負人・下請負人協議して工期または請負金額を変更できる。
2 下請負人は関連工事の施工者と緊密に連絡協調を図り、元請工事の円滑な完成に協力する。第4条 (xx・衛生等の確保)
下請負人はその被用者または下請負人の被用者の業務上の災害補償について労働基準法第87条第2項に定める使用者として補償引受の責を負う。
2 前項にかかわらず、労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)の取扱いについては、本契約締結時に元請負人・下請負人間で別段の定めをした場合を除き元請負人が加入する労災保険によることとする。ただし、下請負人もしくは、その被用者または下請負人の下請負人もしくは、その被用者の責による労災保険に定める不正支給、故意または重大な過失による事故等にかかわる徴収金の事業主負担分については下請負人がこれを負担する。
第5条 (保証人)
下請負人は、元請負人の請求があるときは元請負人が承諾する保証人を立てなければならない。
2 金銭保証人は、下請負人の債務の不履行により生ずる損害金を元請負人に支払わなければならない。
3 工事完成保証人は、下請負人が工事を完成することができない場合に、下請負人に代わって自ら工事を完成させなければならない。
第6条 (権利義務譲渡の禁止)
元請負人及び下請負人は、本契約により生ずる権利または義務を第三者に譲渡し、または承継させてはならない。ただし、相手方の書面による承諾を得た場合はこの限りではない。
2 元請負人または下請負人は、工事目的物または工事現場(元請負人の指定した場所を含む。以下同じ。)に搬入した工事材料(仮設用材料を含む。)及び建設機械器具を第三者に譲渡し、貸与し、もしくは工事現場から搬出し、または抵当権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、相手方の書面による承諾を得た場合はこの限りではない。
第7条 (特許xx)
下請負人は、第三者の特許権その他の権利の対象となっている施工方法、工事材料、建設機械器具等を施工上使用するときは、その使用に関する一切の責を負う。ただし、元請負人の指図によって使用するものについてはこの限りではない。
2 下請負人は、本契約の履行に際して知り得た施工方法及び元請負人共同で開発した施工方法などについて、特許xxの産業財産権を申請してはならず、または第三者をして申請させてはならない。
第8条 (一括委任または一括下請負の禁止)
下請負人は、本工事の全部または一部を一括して第三者に委任しまたは請負わせてはならない。ただし、あらかじめ発注者及び元請負人の書面による承諾を得た場合はこの限りではない。
2 前項ただし書にかかわらず、建設業法第 22 条第3項に規定する多数の者が利用する施設または工作物に関する重要な建設工事で政令に定める工事及び公共工事については、あらかじめ発注者及び元請負人の書面による承諾を得ても、工事を一括して第三者に委任しまたは請負わせてはならない。
3 下請負人は、第1項ただし書により、発注者及び元請負人の承諾を得た受任者または下請負人を変更しようとする場合は、改めて発注者及び元請負人の書面による承諾を得なければならない。
4 下請負人は、本条の規定に基づき工事の全部または一部を第三者に委任しまたは請負わせる場合は、かかる第三者にも第 34 条に規定する義務と同等以上の守秘義務を課した場合にのみ秘密情報を開示できる。
第9条 (関係事項の通知)
下請負人は、元請負人に対して、本工事に関し、次の各号に掲げる事項を契約締結後遅滞なく書面をもって通知する。
(1)建設業許可に関する事項
(2)現場代理人及びxx技術者の氏名
(3)雇用管理責任者の氏名
(4)安全衛生責任者の氏名
(5)安全衛生推進者の氏名
(6)施工上法律で置くことを義務づけられた有資格者の名簿
(7)その他元請負人が工事の適正な施工を確保するため必要と認めて指示する事項
2 下請負人は、元請負人に対して、前項各号に掲げる事項について変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
第 10 条 (下請負人等の関係事項の通知)
下請負人が、本工事の全部または一部を第三者に委任しまたは請負わせたときは、下請負人は、元請負人に対して、その契約(その契約に係る工事が数次の契約によって行われるときは、後次のすべての契約を含む。)に関し、次の各号に掲げる事項を遅滞なく所定の「再下請負通知書」をもって通知する。
(1)受任者または下請負人の氏名及び住所(法人であるときは名称及び工事を担当する営業所の所在地)
(2)工事の種類及び内容
(3)工期
(4)前条第1項第1号から第7号の各号に掲げる事項
2 下請負人は、元請負人に対して、前項各号に掲げる事項について変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知しなければならない。
第 11 条 (監督員)
元請負人は、監督員を定めたときは、書面をもってその氏名を下請負人に通知する。
2 監督員は下請負人に代わってこの約款に定めるもののほか、本契約に基づき次の各号に掲げる職務を行う。ただし、監督員は必要に応じ職務の一部を係員に処理させることができる。
(1)本契約の履行についての下請負人または下請負人の代理人に対する指示・承諾または協議
(2)設計図書に基づく工事施工のための詳細図等の作成及び交付または下請負人が作成した、これらの図書の承諾
(3)設計図書に基づく工程の管理・立合・工事の施工の状況の検査または工事材料の試験、もしくは検査
(4)その他、元請負人が監督員に委任した事項
3 元請負人が第1項の監督員を定めないときは、この約款に定められた監督員の権限は、元請負人が行う。
第 12 条 (現場代理人及びxx技術者)
下請負人の現場代理人は本契約の履行に関し、工事現場に常駐し、下請負人に代わって工事に関する事項を処理し、その責を負う。ただし、工事現場の取締・安全衛生・災害防止・就業時間、その他工事現場の運営に関する重要な事項については元請負人の指示に従う。
2 下請負人は、下請負人の工事施工の技術上の管理をつかさどるxx技術者を工事現場に置かなければならない。
3 下請負人の現場代理人はxx技術者とこれを兼ねることができる。第 13 条 (工事材料の品質及び検査)
下請負人は、本工事の工事材料につき設計図書にその品質が明示されていない物は、使用前に監督員の承諾を受ける。
2 下請負人は、工事材料について、使用前に監督員の検査に合格した物を使用する。
3 監督員は、下請負人から前項の検査を求められたときは、遅滞なくこれに応ずる。
4 前2項の検査にかかわる費用は下請負人の負担とする。
5 下請負人は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外へ搬出してはならない。
6 前項の規定にかかわらず、下請負人は検査の結果不合格と決定された工事材料については遅滞なく工事現場外に搬出しなければならない。
7 第2項から第6項の規定は建設機械器具についても準用する。第 14 条 (監督員の立会い及び工事記録の整備)
下請負人は、調合を要する工事材料については、監督員の立会いを受けて調合し、または見本検査に合格した物を使用しなければならない。
2 下請負人は、水中の工事または地下に埋設する工事その他施工後外面から明視することのできない工事については、監督員の立会いを受けて施工しなければならない。
3 監督員は、下請負人から前2項の立会いまたは見本検査を求められたときは、遅滞なくこれに応ずる。
4 下請負人は、設計図書において見本または工事写真等の記録を整備すべき物と指定された工事材料の調合または工事の施工をするときは、設計図書で定めるところによりその記録を整備し、監督員の要求があったときは、遅滞なくこれを提出しなければならない。
第 15 条 (支給材料及び貸与品)
元請負人から下請負人への支給材料及び貸与品の品名、数量、品質、規格、性能、引渡場所、引渡時期、返還場所または返還時期は、設計図書に定めるところによる。
2 工程の変更により引渡時期及び返還時期を変更する必要があると認められるときは、元請負人・下請負人協議してこれを変更する。この場合において必要があると認められるときは、工期または請負代金額を変更する。
3 監督員は、支給材料及び貸与品を下請負人の立会のうえ検査して引き渡す。この場合において、下請負人は、その品質、規格または性能が設計図書の定めと異なり、または使用に適当でないと認めたときは遅滞なく、その旨を元請負人または監督員に書面で通知する。
4 元請負人は、下請負人から前項後段の規定による通知(監督員に対する通知を含む。)を受けた場合において、必要があると認めるときは設計図書で定める品質、規格もしくは性能を有する他の支給材料もしくは貸与品を引渡し、または支給材料もしくは貸与品の品質、規格等の変更を行うことができる。
5 下請負人は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって、使用及び保管し、下請負人の故意または過失によって支給材料または貸与品が滅失もしくはき損し、またはその返還が不可能となったときは、元請負人の指定した期間内に原状に復し、もしくは代品を納め、またはその損害を賠償する。
6 下請負人は、支給材料または貸与品の引渡を受けた後、第三項の検査により契約の内容に適合しないものであり、使用に適当でないと認められるときは、遅滞なく監督員にその旨を通知する。この場合においては、第4項の規定を準用する。
7 不用となった支給材料(残材を含み、有償支給材料を除く。)または使用済の貸与品の返還場所は、設計図書に別段の定めのないときは工事現場とする。
第 16 条 (設計図書不適合の場合の改造義務)
下請負人が施工した工事が設計図書及び本契約等に適合せず、元請負人がその改造を請求したとき、下請負人は直ちにこれに従わなければならない。ただし、このために請負代金額及び工期の変更はできない。
2 前項の場合、その不適合が元請負人の責に帰すべき理由による場合は、改造に要する費用は元請負人の負担とし、必要があると認められるときは、元請負人・下請負人が協議して工期を変更する。ただし、下請負人が元請負人の指示等が適当でない事を知りながらあらかじめ元請負人にその旨を通知せず施工した場合はその限りではない。
3 第1項による改造を元請負人の指示する期日迄に行わないとき、または行わないことが明らかな場合は、下請負人の費用で元請負人はこれを改造し、もしくは第三者にこれを行わせることができる。
第 17 条 (工事の変更・中止)
元請負人は下請負人に通知のうえ、工事内容を変更し、または工事の全部もしくは一部を中止させることができる。この場合において、必要があると認められるときは、元請負人・下請負人が協議して、請負代金額または工期を変更する。
2 前項の規定にもかかわらず設計図書に明記していない些少の工事及び工事の些少の変更は下請負人の負担で施工する。
第 18 条 (賃金または物価の変動等に基づく請負代金の変更)
元請負人または下請負人は、法令の改廃・制定・物価・賃金等の著しい変動によって次の名号のいずれかに該当した場合、相手方に対し請負代金額の変更を求める事ができる。
(1)本契約締結後1年を経過した後の工事部分に対する請負代金相当額が明らかに適当でないと認められるとき
(2)元請工事の請負代金が変更されたとき第 19 条 (一般的損害)
工事目的物の検査合格の前に工事目的物、工事材料及び建設機械器具について生じた損害(本契約に別に定める損害を除く。)は下請負人の負担とする。ただし、その損害のうち元請負人の責に帰すべき事由があるとき、または天災事変に起因する場合で、下請負人が善良な管理者の注意を怠らなかったと認められるときは元請負人・下請負人協議してその措置を定める。
第 20 条 (第三者に対する損害及び公害防止)
下請負人またはその使用人が工事の施工に当たり第三者(関連工事及び元請工事に関係する他の工事の請負人等を含む。)に損害を与えたとき、もしくは第三者との間に紛争を生じたときは、下請負人は自己の責任と負担でその処理解決にあたる。これによって元請負人が損害を被ったときは、下請負人はこれを賠償しなければならない。ただし、その損害のうち元請負人の責に帰すべき事由に起因する場合はこの限りではない。
2 下請負人は工事施工に伴う騒音・振動・地盤沈下・水質汚濁・大気汚染等の法令及び規制を遵守し、工事中に第三者とのこれらの紛争防止の対策を講ずるものとし、工事目的物により日照・電波障害・通風等の紛争が発生、または発生が予測される場合は、直ちに元請負人に通知し元請負人の指示を受けるものとする。
第 21 条 (天災その他不可抗力による損害)
天災その他不可抗力によって工事の出来形部分、工事仮設物、現場搬入済の工事材料または建設機械器具(いずれも元請負人が確認したものに限る。)に損害を生じたときは事実発生後速やかにその状況を元請負人に通知する。
2 前項の損害については元請負人が重大なものと認め、かつ下請負人が善良な管理者の注意を怠らなかったと認められるものは元請負人・下請負人協議し、その負担額を定める。
3 前項の規定による負担額で保険その他損害を補填するものがあるときは、その額を負担額から
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控除する。
第 22 条 (検査及び引渡し)
下請負人は、工事が完成したときはその旨を書面で元請負人に通知する。
2 元請負人は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく下請負人の立会のうえ工事の完成を確認するための検査を行う。この場合、元請負人は当該検査の結果を書面で下請負人に通知する。
3 元請負人は、前項の検査によって工事の完成を確認した後、下請負人が書面をもって引渡しを申し出たときは、直ちに工事目的物の引渡しを受ける。
4 元請負人は、下請負人が前項の申出を行わないときは、請負代金の支払の完了と同時に工事目的物の引渡しを求めることができる。この場合において、下請負人は、直ちにその引渡しをする。
5 下請負人は、工事が第2項の検査に合格しないときは、遅滞なくこれを補修して元請負人の検査を受ける。この場合においては補修の完了を工事の完成とみなして前4項の規定を適用する。
第 23 条 (部分使用)
元請負人は、前条第3項の規定による引渡し前においても、工事目的物の全部または一部を使用することができる。ただし、下請負人は、必要があるときは元請負人の同意を得て、その使用中止を求めることができる。
2 前項の場合において、元請負人は、その使用部分を善良なる管理者の注意をもって使用し、その使用によって下請負人に損害を及ぼした場合は、その損害を負担する。この場合の賠償額または負担額は、元請負人・下請負人協議して定める。
第 24 条 (請負代金の支払方法及び時期)
本工事の請負代金の支払は注文書、本契約の定めるところによる。
2 元請負人及び下請負人は、やむを得ない場合には、注文書、本契約の定めにかかわらず、請負代金の支払時期または支払方法の変更の申入れをすることができ、この場合、元請負人及び下請負人は変更について協議を行う。
3 前項の場合において、元請負人及び下請負人は、相手方の被った損害の負担について協議して定める。
第 25 条 (前払金)
下請負人は注文書等において前金払を特約した場合は、その定めるところにより元請負人に前払を請求することができる。
2 前項の場合、元請負人は下請負人に対し担保の提供または元請負人の承認する保証人を立てるよう求めることができる。
3 下請負人は元請負人より受領した前払金を当該工事の施工目的以外に使用してはならない。第 26 条 (部分払)
下請負人は、出来形部分、工事現場に搬入した工事材料及び製造工場等にある工場製品(監督員の検査に合格したものに限る。)について、その部分払を、注文書、本契約に定めるところにより請求することができる。
2 下請負人は、部分払を請求するときは、あらかじめその請求に係る工事の出来形部分、工事現場に搬入した工事材料または製造工場等にある工場製品の確認を求める。この場合において、元請負人は、その確認を行い、その結果を下請負人に通知する。
3 元請負人は、第1項の規定による請求を受けたときは、注文書、本契約の定めるところにより部分払を行う。
4 前払金の支払を受けている場合においては、第1項の請求額は元請負人・下請負人協議して算出する。
第 27 条 (占有権・所有xx)
工事目的物の所有権は、元請負人が、第 22 条に基づき工事目的物の完成を確認したときに、下請負人から元請負人に移転する。ただし、工事目的物の完成前においても、下請負人の債権者に工事目的物を差押えられるおそれがある場合その他合理的事由があるときは、元請負人は、下請負人に所有権の移転を請求することができる。この場合、工事目的物の所有権は、元請負人の当該請求時をもって下請負人から元請負人に移転する。
2 下請負人が工事現場に搬入する工事材料の所有権は搬入と同時に元請負人に移転する。
3 工事現場に搬入された工事仮設材の占有は元請負人に属する。
4 下請負人は前3項に規定する場所及び物を元請負人に代わって善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
第 28 条 (契約不適合責任)
@@工事目的物に種類または品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)があ るときは、元請負人は下請負人に対して相当の期間を定めて、工事目的物の修補または代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
2 下請負人は、元請負人が前項により履行の追完を求めたときは、その期間内に履行の追完を行なわなければならない。この場合において、下請負人がこれを実施しないとき、元請負人はその不 適合の程度に応じて請負代金の減額を請求することができる。
3 前項にかかわらず、元請負人は、次の各号のいずれかに該当する場合は、下請負人に催告する ことなく、直ちに請負代金の減額の請求できる。
(1)履行の追完が不能であるとき
(2)下請負人が履行の追完を拒絶する意思表示を行ったとき
(3)契約の性質または元請契約または本契約の当事者の意思表示により、特定の日時またはx xの期間内に履行しなければ契約を交わした目的が達することができない場合において、下請負人が履行の追完を行わないままその時期を経過したとき
(4)前3号に掲げる場合のほか、元請負人が第1項の履行の追完の請求を行っても、履行の追 完を受ける見込みがないことが明らかであるとき
4 第1項による履行の追完を請求できる期間は本工事の元請契約における、契約不適合責任期間 とする。ただし、その契約不適合が下請負人の故意または重大な過失によって生じた場合は当該請求をすることのできる期間は元請契約における契約不適合責任期間経過後5年とする。
5 第1項乃至第3項の規定は工事目的物の契約不適合が支給材料または元請負人の指示等による 場合は、これを適用しない。ただし、下請負人が支給材料または元請負人の指示が不適当である事を知りながら元請負人に申し出なかった場合は、この限りではない。
第 29 条 (損害賠償請求等)
元請負人は、下請負人が次の各号のいずれかに該当する場合は、これによって生じた損害の賠 償を請求することができる。
(1)下請負人の責めに帰すべき事由により工期内に本工事を完成することができないとき
(2)本契約の目的物に契約不適合があるとき
(3)第 30 条の規定により本契約が解除されたとき
2 前1号の場合において、元請負人は、下請負人に対し、遅滞日数に応じて、請負代金額に対し
年 10 パーセントの割合で計算した額の違約金を請求することができる。ただし、工期内に、第
25 条による部分引渡しのあったときは、請負代金額から部分引渡しを受けた部分に相応する請負
代金額を控除した額について違約金を算出する。
3 第1項の場合において元請負人が発注者または関連工事の請負人等に対し第2項の損害金を上 回る額の損害金等を支払ったときは、元請負人は下請負人に対してその差額を求償することができる。
第 30 条 (元請負人の解除権)
元請負人は、次の各号のいずれかに該当するときは本契約を事前の催告なしに解除する事ができる。
(1)下請負人が工事に着手すべき時期が過ぎても工事に着手しないとき
(2)下請負人が工事を放棄し、または工事を中止したとき
(3)工期内に本工事を完成する見込みがないと明らかに認められるとき
(4)下請負人が建設業法、その他建設業に関する法令に違反する行為をしたとき
(5)施工技術、労務管理または安全衛生管理等が拙劣不良で元請負人の勧告にもかかわらずこ
れらの改善がなされないとき、または元請負人に迷惑を及ぼし、もしくは及ぼす恐れがあると認められたとき
(6)下請負人が振出・引受等をした手形または振出をした小切手につき不渡処分を受けるなど支払停止に至ったとき
(7)破産・民事再生・会社整理・会社更生のいずれかの申立があったとき
(8)下請負人が保全処分・強制執行、もしくは競売のいずれかの申立がなされたとき、または租税公課につき滞納処分を受けたとき
(9)下請負人が本契約の条項に違反したとき
(10)その他前各号に準ずる事由があったとき
2 元請契約の全部または一部が解除された場合は、元請負人は本契約を事前の催告なしに解除することができる。
第 31 条 (下請負人の解除権)
下請負人は次の各号のいずれかに該当するときは本契約を解除することができる。
(1)元請負人が本契約に違反し、その違反によって工事を完成する事が困難になったとき
(2)元請負人が第 17 条1項の規定により工事内容を変更した為、請負代金額が 10 分の6以上減少したとき、または工期が2倍以上もしくは2分の1以下になったとき
(3)元請負人が請負代金を支払う能力を欠く事が明らかになったとき第 32 条 (解除等の措置)
本契約が解除されたときは、下請負人は元請負人の指示に従い、直ちに工事現場の片付を行い第 27 条4項による管理を元請負人に引き継ぎ、元請負人の検査を受け工事現場より撤去する。
2 工事の出来形部分及び工事材料のうち前項の元請負人の検査に合格しないものについては、元請負人の選択により、下請負人は自己の費用をもって直ちにその部分を撤去するか、または検査に合格するよう修補、もしくは改造または交換しなければならない。下請負人が元請負人に従わない場合は第 16 条3項を準用する。
3 元請負人は第1項の管理を引き継いだときは、その引き継いだもののうち検査に合格した出来形部分及び工事材料の代金相当額を下請負人に支払う。
4 前項の場合において元請負人が前払金または部分払金を支払っているときは、これらの合計額を第1項の検査に合格した出来形部分及び工事材料の代金相当額から控除する。この場合において前払金及び部分払金の合計額が検査に合格した出来形部分及び工事材料の代金相当額を超えるとき、下請負人はその差額に金利を付けて元請負人に返還する。
第 33 条 (期限の利益喪失、相殺)
下請負人に第 30 条第1項各号の事実が生じた場合、下請負人は、元請負人に対し負担している前払返還金、立替金、損害賠償金等一切の金銭債務の期限の利益を当然に失い、直ちに支払わなければならない。
2 本契約が解除された場合において元請負人・下請負人互いに同種の債務を負担するときは、元請負人または下請負人は相手方に対し、その弁済期の如何を問わず対等額において相殺することができる。
第 34 条 (秘密情報の取扱い)
下請負人は、本契約の業務遂行のため元請負人から提供された秘密情報(発注者及び元請負人の企業秘密ならびに施工上の工法、技術、個人情報、これらに関する一切の情報をいう。以下、同じ。)及び下請負人が業務遂行の過程で知りえたすべての秘密情報について、法の定めに従って適切に使用及び管理し、秘密を保持しなければならない。
2 下請負人は、秘密情報(口頭、書面、電子情報等の形態を問わない。)について、善良な管理者の注意をもって秘密に保持し、元請負人の事前の書面による承諾を得ることなく、開示された目的の範囲外に利用し、または第三者に開示、漏洩してはならない。
3 下請負人は、元請負人から開示された目的の範囲内において秘密情報を複製することができ、複製した情報についても秘密情報として取り扱う義務を負う。なお、複製に係る秘密情報の入った記録媒体の所有権は元請負人にあるものとする。
4 下請負人は、本工事が終了した場合、または元請負人から要求された場合は、秘密情報が記載された書面、複製に係る秘密情報の入った記録媒体及びその複製媒体を元請負人に返還するか、元請負人の指示に従い完全に廃棄する。
5 下請負人が本契約を第三者に委任しまたは請負わせたときは、必ず元請負人の承認を得るものとし、責任を持って末端の労働者迄に秘密情報の取扱いを指導、徹底しなければならない。下請負人及び下請負人の再下請・再委託先の従業者が法令やこの約款の内容に違反し、不祥事や損害賠償事件を起こした場合には、下請負人において必要な損害賠償をしなければならない。
6 本条の規定に基づく下請負人の秘密保持義務は、本契約終了後3年間効力を有する。第 35 条 (反社会的勢力の排除)
元請負人または下請負人が次の各号に該当した場合、相手方は何らの催告を要さず本契約を解除できる。
(1)暴力団、暴力団員(暴力団員でなくなったときから5年を経過しない者を含む。)力団関係者その他の反社会的勢力(以下「反社会的勢力」という。)に属すると認められるとき
(2)反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められるとき
(3)反社会的勢力を利用していると認められるとき
(4)反社会的勢力に対して資金等の提供、便宜供与などの関与をしていると認められるとき
(5)反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しているとき
(6)自らまたは第三者を利用して、元請負人または元請負人の関係者に対し、詐術、暴力的行為、または脅迫的言辞を用いたとき
2 下請負人が本工事の全部または一部を第三者に委任しまたは請負わせたとき(委任委託または請負契約が数次にわたるときには、そのすべての委任先及び請負先を含み、以下本項において「自己の下請負人等」とう。)が第1項各号のいずれにも該当しないことを確約する。下請負人は、自己の下請負人等が第1項各号のいずれかに該当することが判明した場合には、直ちに自己の下請負人等への委託の中止または解除のための必要な措置を講じなければならない。
3 前2項または前項により本契約を解除した場合、下請負人に損害が生じても元請負人はこれを賠償すること要せず、解除により元請負人に損害が生じたときは、下請負人はその損害を賠償しなければならない。
4 下請負人は、自己または自己の下請負人等が反社会的勢力による不当介入を受けた場合には、これを拒否し、または自己の下請負人等にこれを拒否させるとともに、不当介入があった時点で速やかに元請負人に報告し、捜査機関への通報及び発注者への報告に必要な協力を行う。
5 元請負人は、下請負人が正当な理由なく前項に違反した場合、何らの催告を要さず本契約を解除できる。
第 36 条 (紛争の解決)
この約款の各条項において元請負人・下請負人協議して定めるものにつき協議がととのわない場合、その他本契約に関して元請負人・下請負人間に紛争が生じた場合には、元請負人または下請負人は、当事者の双方の合意により選定した第三者または建設業法による建設工事紛争審査会のあっせんまたは調停により解決を図る。
2 前項にかかわらず、この約款を含む本契約に関し訴訟の必要が生じた場合には、訴額に応じ、元請負人の本店所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。