X社(以下「甲」という。)とY大学(以下「乙」という。)は、第1条で定める研究開発を共同で実施することについて、以下のとおり合意したので、共同研究開発契約(以 下「本契約」という。)を締結する。
X社(以下「甲」という。)とY大学(以下「乙」という。)は、第1条で定める研究開発を共同で実施することについて、以下のとおり合意したので、共同研究開発契約(以下「本契約」という。)を締結する。
(目的)
第1条 甲および乙は、共同して下記の研究開発(以下「本研究」という。)を行う。
記
本研究のテーマおよび目的:乙が開発した新素材および当該素材が添加された樹脂組成物に関する技術(以下「本件技術」という。)の改良・深化
(定義)
第2条 本契約において使用される用語の定義は次のとおりとする。
バックグラウンド情報
本契約締結日に各当事者が所有しており、本契約締結後30日以内に、当該当事者が他の当事者に対して書面でその概要を特定した、本研究に関連して当該当事者が必要とみなす知見、データおよびノウハウ等の技術情報を意味する。
本単独発明
特許またはその他の知的財産権の取得が可能であるか否かを問わず、本研究の実施の過程で各当事者が、相手方から提供された情報に依拠せずに独自に創作した発明、発見、改良、考案その他の技術的成果を意味する。
本発明
特許またはその他の知的財産権の取得が可能であるか否かを問わず、本研究の実施の過程で開発または取得した発明、発見、改良、考案その他の技術的成果であって、前号に定める本単独発明に該当しないものを意味する。
(役割分担)
第3条 甲および乙は、本契約に規定の諸条件に従い、本研究のテーマについて、次に掲げる分担に基づき本研究を誠実に実施しなければならない。
甲の担当:本件技術をヘッドライトカバーに適用する際の課題(以下「本件課題」という。)の調査・検討
乙の担当:研究施設の貸出、本件課題の改良・深化のための研究・開発
(スケジュールの作成)
第4条 甲および乙は、本契約締結後速やかに、前条に定める役割分担に従い、本研究テーマに関する自らのスケジュールをそれぞれ作成し、両社協議の上これを決定する。
2 甲および乙は、前項のスケジュールに従い開発を進めるものとし、進捗状況を逐次相互に報告する。また担当する業務について遅延するおそれが生じた場合は、速やかに他の当事者に報告し対応策を協議し、必要なときは計画の変更を行うものとする。
【4条オプション条項: 協議会の設置】
第●条 甲および乙は、本研究の効率化および甲乙間の合意形成を容易にするため、甲乙各々から選ばれた委員からなる協議会を設ける。
2 甲および乙は、自らが選任した協議会の委員の変更・追加・削減を行う場合は、その変更・追加・削減に関わる委員の名前と共にその旨を相手方当事者に連絡する。
3 協議会での決定は、全委員の合意により行われる。協議会において全委員の合意が得られず決定ができなかった問題は、甲および乙の最高責任者間の協議により決められる。
4 協議会は、次の事項について決定を行う。
本研究の具体的な遂行方法
本研究の遂行方法またはスケジュールの変更
本研究が事業化した際の当事者の権利
本研究の内容変更または中止
その他協議会が定める事項
5 甲および乙は、本契約の目的を達成するために、別途定める頻度で定期的に協議会を開催し、各当事者の担当業務の進捗状況および本研究の成果の報告を受けると共に、前項に挙げられた事項について協議決定する。さらに、甲および乙は、甲または乙が必要と認める場合は協議会を随時開催するものとする。
6 協議会の議事は、その都度、議事録その他の書面により合意する。
(経費負担)
第5条 本研究を行うにあたって生じた経費のうち、甲の書面による承諾を得たものについては、甲が全て負担する。ただし、甲は、本研究に必要であると合理的に考えられる経費については、不当に承諾を拒否しないものとする。
【5条オプション条項:各自負担】
甲および乙は、本研究を行うにあたって自己に生じた経費を、書面によって別途合意しない限り、甲乙各自が負担しなければならない。
(情報の開示等)
第6条 甲および乙は、本契約締結後30日以内に、各自のバックグラウンド情報を書面で相手方に開示等し、特定しなければならない。
2 甲および乙は、本契約の有効期間中、自己が担当する業務から得られた技術情報を速やかに相手方当事者に開示等する。ただし、第三者との契約により当該開示等を禁止されているものについては、この限りではない。
(知的財産xxの帰属および成果物の利用)
第7条 本単独発明にかかる知的財産権は、その発明等をなした当事者に帰属するものとする。甲は乙に対し、甲の単独発明の実施をすることを、また、乙は甲に対し、乙の単独発明を実施することをそれぞれ許諾する。許諾の条件は別途協議の上定める。
2 本発明にかかる知的財産権は、甲乙の共有とする。共有持分の割合は、本発明の創出にあたっての寄与度に応じて決定するものとする。ただし、甲は、乙に対し、甲の新株予約権●個を対価として、乙の共有持分の全部を買い取ることができるものとする。
3 甲が単独または乙と共同して本発明にかかる知的財産権を取得するべく、出願等(知的財産権の取得、維持および保全をいう。)を行うときは、当該出願等の費用は甲が負担するものとする。
4 本契約の有効期間中、乙は、本発明にかかる特許権の権利存続期間満了までの間、本発明を自ら実施せず、また、甲以外の第三者に対し、本発明の実施許諾を行わないものとする。ただし、甲が正当な理由なく●年間本発明を実施しなかった場合にはこの限りではない。
5 本契約の有効期間中、甲は、乙の事前の承諾を得ることなく、第三者へ本発明の実施許諾を行うことができるものとする
6 前項の場合、甲は、乙に対し、当該第三者への許諾により得られたライセンス料の●%(以下「乙ライセンス報酬」という。)を支払うものとする。ただし、本条2項ただし書に基づき、甲が乙の共有持分を買い取った場合には、同支払義務は発生しないものとする。
7 甲は、乙に対し、乙ライセンス報酬の算定のため、本契約締結日以降、[期間]毎に、当該期間の本発明の第三者への実施許諾の状況(許諾先、許諾条件その他ライセンス料の計算に必要な情報を含む。)を当該期間の末日から15日以内に書面で報告するとともに、同30日以内に当該期間に発生した乙ライセンス報酬を、乙の指定する銀行口座に振込送金する方法により支払うものとする。
8 前項の支払いが遅延した場合の遅延損害金は年14.6%とする。
9 本契約の有効期間中、甲は、乙を含む学術または研究機関による、研究・開発・教育のいずれかの目的による本発明の実施について、本発明にかかる知的財産権を行使しないものとする。
10 本契約の有効期間中、甲および乙は、本研究の遂行の過程で発明等を取得した場合は、速やかに相手方にその旨を通知しなければならない。相手方に通知した発明が本単独発明に該当すると考える当事者は、相手方に対して、その旨を理由とともに通知するものとする。
11 甲および乙は、相手方の同意なくして、相手方から開示等を受けた技術情報(バックグラウンド情報を含む。)およびサンプル、本研究の遂行の過程で相手方が創作した本単独発明、考案またはその他の相手方が取得した技術情報もしくはノウハウについて、日本を含めたいかなる国にも特許、実用新案、商標、著作権またはその他のいかなる知的財産権も出願または登録してはならず、いずれかの当事者がこれに違反した場合は、その違反した当事者に当該出願または登録に関する権利またはその持分を無償で譲渡すべき旨を請求することができる。
12 本契約の有効期間中、甲および乙は、本発明に改良、改善等がなされた場合、その旨を相手方に対して速やかに通知した上で、本条の定めを適用して当該改良、改善等に係る成果を取り扱うものとする。
第8条 乙は、甲に対し、乙の名称、略称、マーク、エンブレム、ロゴタイプ、標章、乙の本研究担当者等の氏名等(以下「乙名称等」という。)を甲の製品の広告の目的その他の営利目的に使用することを許諾する。
2 甲は、前項の許諾に基づき乙名称等を使用する場合、以下の各号に定める事項遵守するものとする。
乙の信用・ブランド等を毀損する態様で乙名称等を使用しないこと
乙名称等について、乙の事前の書面による承諾なく商標出願を行わないこと
(公表)
第9条 甲および乙は、相手方の事前の同意を得ることなく、本研究開始の事実として、別紙●●に定める内容を開示等、発表または公開することができる。
2 甲および乙は、本研究にかかる成果の公表(以下「本公表」という。)を行う場合は、その内容および時期について事前に協議し、相手方の合意を得なければならない。
3 前条の定めに関わらず、乙は、その学術的使命を果たすため、本研究期間中および本研究終了日から6ヶ月以内に行われる本公表については、以下の各号に規定する事項を遵守することを条件に行うことができるものとする。
本公表にあたっては第11条(秘密保持義務)を遵守すること
甲に対し、本公表の予定日の30日前までに、その内容を通知すること
甲が本発表の内容に第11条(秘密保持義務)に規定される秘密情報等が含まれていると判断したときまたは甲が本研究に関して特許出願を行うに際してその準備期間を要すると判断したときは、甲は、当該通知後15日以内に、乙に対し、当該部分につき合理的な範囲で内容修正または本公表の延期を求めることができ、この場合、乙は、甲と協議の上対応すること
(第三者との間の紛争)
第10条 本研究に起因して、第三者との間で権利侵害(知的財産権侵害を含む。)および製造物責任その他の紛争が生じたときは、甲および乙は協力して処理解決を図るものとする。
2 甲および乙は、第三者との間で前項に定める紛争を認識した場合には速やかに他方に通知するものとする。
3 第1項の紛争処理に要する費用の負担は以下のとおりとする。
紛争の原因が、専ら一方当事者に起因し、他方当事者に過失が認められない場合は当該一方当事者の負担とする。
紛争が当事者双方の過失に基づくときは、その程度により甲乙協議のxxx負担割合を定める。
(秘密保持義務)
第11条 甲および乙は、本研究の遂行のため(以下「本目的」という。)、文書、口頭、電磁的記録媒体その他開示等(以下「開示等」という。)の方法および媒体を問わず、また、甲または乙が相手方(以下「受領者」という。)に開示等した一切の情報およびデータ、素材、機器およびその他有体物、本研究のテーマ、本研究の内容および本研究によって得られた情報(別紙●●に列挙のものおよびバックグラウンド情報を含む。以下「秘密情報等」という。)を秘密として保持し、秘密情報等を開示等した者(以下「開示者」という。)の事前の書面による承諾を得ずに、第三者に開示等または漏えいしてはならない。
2 前項の定めにかかわらず、次の各号のいずれか一つに該当する情報については、秘密情報等に該当しない。
開示者から開示等された時点で既に公知となっていたもの
開示者から開示等された後で、受領者の帰責事由によらずに公知となったもの
正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負わずに適法に開示等されたもの
開示者から開示等された時点で、既に適法に保有していたもの
開示者から開示等された情報を使用することなく独自に取得しまたは創出したもの
3 受領者は、秘密情報等について、事前に開示者から書面による承諾を得ずに、本目的以外の目的で使用、複製および改変してはならず、本目的のために合理的に必要となる範囲でのみ、使用、複製および改変できるものとする。
4 受領者は、秘密情報等について、開示者の事前の書面による同意なく、秘密情報等の組成または構造を特定するための分析を行ってはならない。
5 受領者は、秘密情報等を、本目的のために知る必要のある自己の役員および従業員(以下「役員等」という。)に限り開示等するものとし、この場合、本条に基づき受領者が負担する義務と同等の義務を、開示等を受けた当該役員等に退職後も含め課すものとする。
6 本条第1項および同条第3項ないし第5項の定めにかかわらず、受領者は、次の各号に定める場合、可能な限り事前に開示者に通知した上で、当該秘密情報等を開示等することができる。
法令の定めに基づき開示等すべき場合
受領者が、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士等、秘密保持義務を法律上負担する者に相談する必要がある場合
甲が、甲の株式または新株予約権の取得を検討する第三者に対し、当該検討にあたって秘密情報を開示することが必要な場合(ただし、当該第三者に守秘義務を課すものとする。)
7 本研究が完了し、もしくは本契約が終了した場合または開示者の指示があった場合、受領者は、開示者の指示に従って、秘密情報等(その複製物および改変物を含む。)が記録された媒体、ならびに、素材、機器およびその他の有体物を破棄もしくは開示者に返還し、また、受領者が管理する一切の電磁的記録媒体から削除するものとする。なお、開示者は受領者に対し、秘密情報等の破棄または削除について、証明する文書の提出を求めることができる。
8 受領者は、本契約に別段の定めがある場合を除き、秘密情報等により、開示者の知的財産権を譲渡、移転、利用許諾するものでないことを確認する。
9 本条は、本条の主題に関する両当事者間の合意の完全なる唯一の表明であり、本条の主題に関する両当事者間の書面または口頭による提案その他の連絡事項の全てに取って代わる。
10 本条の規定は、本契約が終了した日からさらに5年間有効に存続するものとする。
(権利義務譲渡の禁止)
第12条 甲および乙は、互いに相手方の事前の書面による同意なくして、本契約上の地位を第三者に承継させ、または本契約から生じる権利義務の全部もしくは一部を第三者に譲渡し、引き受けさせ、もしくは担保に供してはならない。
(解除)
第13条 甲または乙は、相手方に次の各号のいずれかに該当する事由が生じた場合には、何らの催告なしに直ちに本契約の全部または一部を解除することができる。
本契約の条項について重大な違反を犯した場合
支払いの停止があった場合または競売、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始の申立てがあった場合
手形交換所の取引停止処分を受けた場合
その他前各号に準ずるような本契約を継続し難い重大な事由が発生した場合
2 甲または乙は、相手方が本契約のいずれかの条項に違反し、相当期間を定めてなした催告後も、相手方の債務不履行が是正されない場合は、本契約の全部または一部を解除することができる。
【解除事由として定められるCOCの例】
他の法人と合併、企業提携あるいは持ち株の大幅な変動により、経営権が実質的に第三者に移動したと認められた場合
【外為法違反を解除事由とした場合の例】
本発明の移転について外国為替及び外国貿易法における規制に違反した場合
(期間)
第14条 本契約の有効期限は本契約締結日から1年間とする。本契約は、当初期間や更新期間の満了する60日前までにいずれかの当事者が更新しない旨を書面で通知しない限り、さらに1年間、同条件で自動的に更新される。
2 乙は、本研究が技術的に見て成功する可能性が低いと合理的に判断されるまたは事業環境が変化し本研究の事業化が困難であると合理的に判断される等の合理的理由がない限り、前項に定める更新を拒絶することができない。
(存続条項)
第15条 本契約が期間満了または解除により終了した場合であっても第7条(知的財産xxの帰属および成果物の利用)1項ないし3項および6項ないし8項および11項、第8条(名称使用)、第9条(公表)、第10条(第三者との間の紛争)、本条、第16条、第18条(準拠法および紛争解決手続き)ならびに第19条(協議解決)の定めは有効に存続する。
(損害賠償)
第16条 甲および乙は、本契約の履行に関し、相手方が契約上の義務に違反しまたは違反するおそれがある場合、相手方に対し、当該違反行為の停止または予防および原状回復の請求とともに損害賠償を請求することができる。
(通知)
第17条 本契約に基づく他の当事者に対する通知は、本契約に別段の規定がない限り、すべて、他方当事者に書面または各種記録媒体(半導体記録媒体、光記録媒体および磁気記録媒体を含むが、これらに限らない。)を直接交付し、郵便を送付しまたは他方当事者が予め了承する電子メールもしくはメッセージングアプリを利用して電磁的記録を送信することにより行うものとする。
(準拠法および紛争解決手続き)
第18条 本契約に関する紛争については、日本国法を準拠法とし、●地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
【18条変更オプション条項:知財調停】
第18条 本契約に関する知的財産権についての紛争については、日本国法を準拠法とし、まず[東京・大阪]地方裁判所における知財調停の申立てをしなければならない。
2 前項に定める知財調停が不成立となった場合、前項に定める地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
3 第1項に定める紛争を除く本契約に関する紛争については、日本国法を準拠法とし、第1項に定める地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
【18条変更オプション条項2:仲裁】
本契約に関する一切の紛争については、日本国法を準拠法とし、(仲裁機関名)の仲裁規則に従って、(都市名)において仲裁により終局的に解決されるものとする。
(協議解決)
第19条 本契約に定めのない事項または疑義が生じた事項については、xxxxに協議の上解決する。
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