企 業 名 株式会社松井急便 所 在 地 岐阜県恵那市岩村町飯羽間 2941 番地の 5 代 表 者 松井 善行 事業内 容 一般貨物運送事業、軽貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集運搬、貨物自動車利用運送事業、古物商、小口配送業務 資 本 金 10 百万円 設 立 1998 年 6 月 22 日 第三者評価機関 株式会社 格付投資情報センター評価レポート:https://www.r-i.co.jp/rating/esg/index.html
2024 年 3 月 29 日
株式会社xx急便との
ポジティブ・インパクト・ファイナンスの契約締結について
岐阜信用金庫(理事長 xx xx)は、持続可能な社会への貢献を共に実現するため、株式会社xx急便(代表取締役 xx xx)と、「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の契約を締結いたしましたのでお知らせします。
岐阜信用金庫は、引き続き、地域金融機関としての責任を果たし、ポジティブ・インパクト・ファイナンスの普及と持続可能な社会を実現するために、お客さまの目標にあわせたサポートを行い、ポジティブな社会的、環境的、経済的なインパクトの実現に積極的に取り組
んでいきます。
記
【契約内容】
実 行 日 | 2024 年 3 月 25 日 |
融 資 金 額 | 70 百万円 |
期 間 | 10 年 |
資 金 使 途 | 事業資金 |
【企業概要】
企 業 名 | 株式会社xx急便 |
所 在 地 | xxxxxxxxxxxx 0000 xxx 0 |
代 表 者 | xx xx |
事業x x | 一般貨物運送事業、軽貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集 運搬、貨物自動車利用運送事業、古物商、xx配送業務 |
資 本 金 | 10 百万円 |
設 立 | 1998 年 6 月 22 日 |
第三者評価機関 | 株式会社 格付投資情報センター |
以 上
株式会社xx急便
ポジティブインパクトファイナンス評価書
2024 年 3 月 25 日
岐阜信用金庫は、株式会社xx急便(以下、「xx急便」)に対してポジティブインパクトファイナンス(以下、「PIF」)を実施するにあたって、同社の事業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブインパクトおよびネガティブインパクト)を分析・評価した。この分析・評価は、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した PIF 原則および PIF 実施ガイド
(モデル・フレームワーク)、ESG 金融ハイレベル・パネルにおいてポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則ったうえで、岐阜信用金庫が開発した評価体系に基づいている。
目次
(3)社員のモチベーション向上と人材育成に資する取り組み 8
同社は、岐阜xxx市に本社を構える運送業である。
創業以来、地域密着型でのxx配送を中心に、迅速・丁寧・きめ細かい配送で“物流を通じて地域に貢献”することを目指し事業を展開している。
企業名 | 株式会社xx急便 |
本社所在地 | xxxxxxxxxxxx 0000 xx 0 |
代表者 | 代表取締役 xxxx |
資本金 | 1,000 万円 |
売上高 | 425 百万円(2023 年 4 月期) |
設立 | 1998 年 6 月 22 日 |
事業内容 | 一般貨物運送事業、軽貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集運搬、 貨物自動車利用運送事業、古物商、xx配送業務 |
従業員数 | 32 名 ※2023 年 11 月現在 (男性 26 名 女性 6 名) |
1962 年 | 先代(xxxx・現会長)が軽車両にて個人創業 |
1990 年 | xxxx(現社長)が個人にて営業許可取得(限定免許) |
1992 年 | 物流二法の規制緩和により複数台登録(2t車2台増車) |
1993 年 | 初めて 4t車導入 |
1994 年 | 初めて大型車両導入 |
1998 年 6 月 | 有限会社xx急便として法人設立 |
1998 年 9 月 | 法人成りに伴い一般貨物自動車運送事業許可取得 |
2000 年 12 月 | 100 坪プラットフォーム設置 |
2002 年 2 月 | 日本貨物運送協同組合連合会 加盟 |
2004 年 9 月 | 300 坪倉庫新設 |
2007 年 3 月 | 新社屋建設 |
2009 年 12 月 | 全車デジタルタコグラフ導入 |
2009 年 12 月 | 全車ドライブレコーダー導入 |
2010 年 10 月 | GPS によるトラック動態管理導入 |
2010 年 12 月 | 安全性優良事業所認定(国土交通省) |
2011 年 4 月 | 一般貨物自動車運送事業の事業計画変更(利用運送の追加) |
2011 年 4 月 | アルコールチェック導入 |
2012 年 12 月 | 株式会社アビリティ 設立 |
2013 年 3 月 | xxx発電開始(100kW) |
2013 年 5 月 | 株式会社アビリティ 九州営業所 設立 |
2015 年 7 月 | 株式会社xx急便へ組織変更 |
2016 年 2 月 | 焼肉・もつ鍋 道楽 営業開始 |
2016 年 10 月 | 240 坪プラットホーム増設 |
2016 年 10 月 | 300 坪倉庫増設 |
2017 年 3 月 | xxx発電設備増設(75kW) |
2019 年 9 月 | 大型洗車機設置 |
2020 年 3 月 | xxx発電設備増設(100kW) |
2020 年 12 月 | 私募債 30 百万円発行 |
①経営理念
<.. image(テキスト 自動的に生成された説明) removed ..>
②組織体制
同社では、軽バンやハイエース、2 トントラックなどの小型車から 13 トン超の大型車まで多様な車両を揃え、荷主の要望に応じた配送体制を整えている。また、小型車を揃えることにより、女性やシニアなど幅広い世代が働ける環境を整えている。
保有車両は 38 台であり、下記の通りとなる。
軽バン 3 台 | ハイエース 6 台 | 2tバン 7 台 |
4tウイング車 10 台 | 6tウイング車 2 台 | 13tウイング車 10 台 |
同社では“物流を通じて地域に貢献”という企業理念に基づき、様々な物流システムを提供することで利用者の希望に応じた物流を実現している。
地域を支える共同配送の恵那市内便の配送システムを確立し、正確な荷物配送を実現し物流の安定化に貢献している。さらに、恵那市を発着点としてスポットでの依頼に対応し全国各地へ荷物を配送する全国貸切チャーター便や顧客専属便として一定期間継続的に荷物を配送する企業定期便など多様な配送に対応することで物流に貢献している。
具体的な取り組み内容は下記の通りである。
○地域に根差した物流システムの構築
・地域の配送を支える共同配送システムによる“恵那市内便”
・xx集配、全国貸切チャーター便、企業定期便により、主要営業エリアである恵那市を中心に全国への配送を実現
○顧客の依頼に対応できる体制
・軽バンから 13tウイング車まで多様な車両ラインナップによる対応
・物量や目的に応じた配送手段の選択(xx集配、全国貸切チャーター便、企業定期便)
○交通安全対策への取り組み
・公益社団法人全日本トラック協会の安全性優良事業の認定取得(G マーク認証)
<安全性優良事業所(G マーク)>
安全性優良事業所とは、安全に優れた運送事業所の証である。公益社団法人全日本トラック協会がトラック運送業者の交通安全対策などへの事業所単位での取り組みを評価し、一定の基準をクリアした事業者を認定する制度である。2023 年 3 月末現在、全国で 28,521 事業所
(全事業所の 32.8%)が安全性優良事業所に認定されている。
評価は 3 テーマ(①安全性に対する法令の遵守状況 ②事故や違反の状況 ③安全性に対する取組の積極性)30 項目以上の基準が設けられており、2~4 年ごとに更新審査があるため安全性の維持が必要となる。
同社では創業以来恵那市を事業の中心とすることで、地域内での効率的な配送を実現し環境負荷低減に貢献している。
さらに、2015 年のxxx発電設備の導入をきっかけに、省エネへの取り組みを開始している。具体的な取り組み内容は下記の通りである。
〇配送システムの効率化による環境負荷低減
・共同配送システムにより、営業エリア内の荷物配送は効率的かつ環境負荷低減を図った配送方法を確立
・エリア内の地理を知り尽くしたドライバーによる効率的な配送
○設備にもとづく環境負荷低減
・アドブルー搭載トラックの使用による窒素酸化物、PM2.5 の抑制
・関連会社でのアドブルー製造、販売による環境負荷軽減
<アドブルー>
アドブルーとは、ディーゼルエンジン車の排気ガスをきれいにするために必要な尿素水。ディーゼルエンジン車は主に軽油を燃料として走行し、排気ガスには地球環境に有害とされる窒素酸化物
(NOx)が含まれる。窒素酸化物は酸性雨や光化学スモッグの原因となり、酸性雨は川や湖、土壌を酸性にして生態系に悪影響を与え、森林が枯れる原因となる。また、窒素酸化物は大気中での化学反応により PM2.5 となることから、窒素酸化物の抑制は PM2.5 発生抑制となる。
ディーゼルエンジン車ではアドブルーがなくなるとエンジンが始動しない原因となるが、同社は関連会社にてアドブルーを製造することで、品薄状態の際にも安定した調達を可能としている。
〇xxx発電設備の導入
・2013 年 3 月よりxxx発電設備を倉庫屋根に設置
・現在は再生可能エネルギーの固定価格買取制度
(FIT 制度)を利用しているが、固定価格買取期間終了後は自家消費型への切替を検討
同社では一人ひとりの従業員がやりがいを持ち、いつまでも安心して働くことのできる職場づくりに取り組んでいる。
具体的な取り組み内容は下記の通りである。
○車両へのこだわりによる仕事へのやりがいの創出
・1 人 1 台専用トラックを配置し、愛着を持って車両に接する従業員の醸成
・トラック装飾費の会社負担によるモチベーション向上
・自社専用の大型洗車機導入による洗車負担の軽減および車両の適正管理
〇女性従業員が活躍できる場の整備
・女性従業員 6 名(運行管理者兼課長 1 名、ドライバー3 名、事務 2 名)が職種を限定せず活躍
・体力面や勤務時間を考慮した仕事内容の選定
・女性ドライバー専用車両の整備(ハイエース、軽バン)
【女性ドライバー専用車両】 | 同社のトラックは黒を基調としたデザインとなっているが、ワインレッドを基調としたデザインにより女性ドライバーの活躍を推進している。 デザインに加え、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置、バックカメラ、ドライブレコーダーなど安全機器類を取り付けている。さらに、カーナビゲーションや GPS による動態管理により、未経験者でも安心・安全に走行できる体制を整えてい る。 |
〇福利厚生の充実
・フォークリフトや大型免許等資格取得費の会社負担制度
・働きやすい職場認定制度への登録
・恵那市内のトレーニングジム施設の法人契約
・会社経費負担による年末日帰りバス旅行の開催
・クリスマスには従業員へのクリスマスケーキのプレゼント
・コロナ禍においては、中国から従業員向けにマスクを購入し支給
<働きやすい職場認定制度>
働きやすい職場認定制度とは、令和 2 年 8 月に国土交通省において自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の運転者不足に対応するための総合的取組みとして創設。職場環境改善に向けた取組みを「見える化」することで、求職者の運転者への就職を促進し、各事業者の人材確保の取組みを後押しすることを目的としている。
認定事業所には認証マークが付与され、運転者の労働条件や労働環境について一定の基準を満たしている「働きやすい職場」として認証された優良な事業者の証となる。令和 5 年 6 月 1 日
より 3 段階の認証が設けられている。
引用:一般社団法人xxxx協会 HP より
○徹底した安全対策
・出発前と帰社後に専用機器でおこなうアルコールチェック
・デジタルタコグラフ、ドライブレコーダー、バックカメラ、GPS 動態管理を全車に配置
・衝突被害軽減ブレーキや自動運転アシストなど車両入替に伴い導入
・2 泊 3 日の総合研修によるプロドライバーへの養成
・外部講師による安全講習の開催
・先輩社員による入社後 1 ヶ月間の OJT
・運行管理者による点呼の励行によるドライバーの体調確認(運行管理者 6 名在籍)
・トラックドライバー・コンテスト(主催:公益社団法人全日本トラック協会)への参加による運転技能、専門知識の向上
【トラックドライバー・コンテスト】
|
同社は従業員の運転技能、専門知識向上のため、トラックドライバー・コンテストに参加している。 令和元年度第 51 回大会、令和 4 年度第 54 回大会においては、同社運行管理者のxx課長が岐阜県トラック協会代表として全国大会に出場。 |
同社はふるさと恵那とともに歩んできた経緯から、地域貢献活動にも取り組んでいる。具体的な取り組み内容は下記の通りである。
・地元中学生の職場体験の開催
・地域のお祭りにおけるトラックの荷台部分を活用したステージの提供
【地元中学生の職場体験】 |
地元の中学生を対象に年 1 回職場体験を実施している。 計 3 日間の日程で 2~3 人を受け入れることで、運送業の仕事を経験できる場を提供している。 |
同社は地域密着型運送業として、主要営業エリアである岐阜xxx市、xxx市を中心としたxx集配(共同配送)を中心とした運送業を展開している。
同社運送事業においては、下記の 3 部門で構成されている。
【運送事業】
① xx集配(共同配送)部門
同社運送事業の主力部門であり、大手路線業者 9 社の貨物を集約し、恵那市内に配送する共同運送の役割を担っている。また、恵那市内の工場等から集荷し全国への出荷も担っている。
小型車から大型車まで、配送ニーズにあわせて使い分けることでの地域随一の機動力を誇り、 また地域内でのxxの事業活動のなかで培ってきた知名度、信用度の高さ、地域住民との関係性が同社xx集配部門を支える強みとなっている。 |
② 全国貸切チャーター便部門
顧客要望にあわせ、恵那市を発着点としてチャーター便にて貨物運送を行うサービスを提供している。荷物内容や作業にあわせ、小型車から 13 トン車までの大型車を使い分け、希望の日時に正確かつ安全に荷物を届ける体制に顧客より高い評価を得ている。前日の輸送依頼に対しても可能な限り対応しており、迅速な対応によりスムーズな物流を実現している。
【MATSUI EXPRESS】 |
会社創立 20 周年を祝して、同社オリジナルデザインによる看板者を製作。 同車両は 1 台のみであり、同社を代表する優れたドライバーが運転を任されている。 運送業者として“モノを依頼通りに運ぶ”ことは当然ながら、トラックへのこだわりも追求することで 従業員の働きがい創出および自社 PR を実現している。 |
③ 企業定期便部門
顧客専属便として、お客様の荷物を配送するサービスを提供している。物量に応じて使用する車両の選択や 1 日の出荷回数を調整し顧客ニーズを満たす配送を実現している。取り扱う荷物は紙製品(段ボール)や自動車部品、窯業原料など、幅広い分野の輸送を手掛けており、地域産業の物流を担っている。
各部門の業務を支えているのは、自社荷捌き場である。
運送事業の展開におけるサービス性向上、付加価値向上を目指し、同社では300坪の鉄筋常温倉庫を整備し、倉庫保管サービスも提供している。
同社倉庫では 24 時間体制の監視システム、セキュリティ体制に加え、万が一に備えた火災保険、荷物保険を完備し、顧客の大切な荷物を確実に預かる体制を整備している。 |
この倉庫保管サービスでは出荷前の一時預かり、ピッキング等のサービスを提供し、運送事業とのサービス一貫提供にて顧客に対する同社提供サービスの最大化を図っている。
【遺品整理・生前整理サービス事業】(新規事業)
地域密着型での運送事業を構築、展開してきた同社であるが、新規事業として地域一般顧客向けの「遺品整理・生前整理サービス」の展開を進めている。
遺品整理・生前整理では、依頼に応じて遺品等の物品の搬出、清掃、分別がおこなわれる。物品の仕分け、整理により、貴重品や写真などの遺品は遺族等の引き取りまで保管し返却、その他リサイクル・リユース品や廃棄品は専用業者へ引き渡される。
同社はxx地域密着型で経営してきた経営基盤から地域で信頼のある業者であり、安心して依頼できる強みとなる。また、本業である運送業のノウハウを活用し、モノを壊さず正しく運ぶという安心感が依頼者には得られる。
インパクトの特定のため、同社主力事業である「貨物運送事業」および新事業である「遺品整理・生前整理事業」についてバリューチェーン分析を実施した。
同社は一般貨物運送事業者として岐阜xxx市全域・xxx市一部を主要営業エリアとして、営業エリア内の配送業務を担っている。
同社の特徴として共同配送システムがあり、大手路線業者から荷物を引き取り、エリア内のいわゆる宅配事業を担っている。9 社から集まる荷物を同社の倉庫で一時保管し共同配送することで効率的な輸送を実現している。
営業エリア内の配送に留まらず、全国貸切チャーター便や企業定期便を配置し、企業間の配送も請け負うことで、地元企業の製品物流の安定化に貢献している。
今後は、運送業で培った“モノを運ぶ”というノウハウや地域への貢献を活かすべく、遺品整理・生前整理サービス事業への新規展開を計画している。
同社のバリューチェーン図(図は同社提供資料をもとに岐阜信用金庫にて作成)
(3)インパクトレーダーによるマッピング
先述のバリューチェーン分析の結果をもとに、インパクトマッピングを実施する。
同社の事業およびxx・xxの事業を国際産業標準分類(ISIC)上の業種カテゴリに適用させた上、UNEP FI が提供するインパクトレーダーを用いて「ポジティブインパクト」(以下 PI)と「ネガティブインパクト」(以下 NI)を想定する。
【運送事業】
同社の事業については「道路貨物運送業(ISIC:4923)」、「倉庫・保管業(ISIC:5210)」、
「 貨物運送取扱業( ISIC:5224 ) 」 を、 xxの事業については「 道路貨物運送業
(ISIC:4923)」をそれぞれ適用し、発生するインパクトの検証を行った。
xxの事業については、地域のxx集配が個人を対象とし、チャーター便、定期便は企業間輸送として多様な業種を対象としており、特定事業のみを対象としていないことから分析を省略している。
◎:主要カテゴリ ○:関連カテゴリ
xxの事業 | 同社の事業 | |||||||
① | ① | ② | ③ | |||||
国際産業標準分類 インパクトカテゴリ | 【4923】 道路貨物運送業 | 【4923】 道路貨物運送業 | 【5210】 倉庫・保管業 | 【5224】 貨物運送取扱業 | ||||
PI | NI | PI | NI | PI | NI | PI | NI | |
水 | ||||||||
食糧 | ||||||||
住居 | ||||||||
健康・衛生 | ◎ | ◎ | ||||||
教育 | ||||||||
雇用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
エネルギー | ||||||||
移動手段 | ○ | ○ | ||||||
情報 | ||||||||
文化・伝統 | ||||||||
人格と人の安全保障 | ||||||||
xx・xx | ||||||||
強固な制度・平和・安定 | ||||||||
水(質) | ||||||||
大気 | ◎ | ◎ | ○ | |||||
土壌 | ◎ | ◎ | ||||||
生物多様性と生態系サービス | ◎ | ◎ | ||||||
資源効❹・安全性 | ◎ | ◎ | ||||||
気候 | ◎ | ◎ | ○ | |||||
廃棄物 | ○ | ○ | ○ | |||||
包括的で健全な経済 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
経済収束 |
上表のうち、同社の事業②における「大気」については同社事業活動との関連性が希薄となるため、分析を省略。xxの事業については、「移動手段」「土壌」「健康・衛生」「大気」「気候」のみ分析対象とし、その他のカテゴリは同社が与える影響が希薄であることから分析を省略している。
同社の事業① 道路貨物運送業(ISIC:4923)
PI | 「雇用」「移動手段」「包括的で健全な経済」 |
NI | 「健康・衛生」「雇用」「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率・安全性」「気候」「廃棄物」 |
同社の事業③ 道路運送取扱業(ISIC:5224)
PI | 「雇用」「包括的で健全な経済」 |
NI | 「雇用」「廃棄物」 |
【社会面・環境面】
◆「健康・衛生」「大気」
貨物運送が大気汚染の主要な原因の 1 つとなり、人々の健康を損なうという NI が発現する。同社では全車デジタルタコグラフを導入済みであり、ドライバーの運転技術に対する客観的数値を把握することで燃費向上につなげ大気汚染を抑制している。さらに、ディーゼルエンジン車にアドブルーを適切に使用することで、窒素酸化物の排出を抑制し大気汚染を防ぐことで、NIを緩和している。
上記は SDG3「すべての人に健康と福祉を」、SDG11「住み続けられるまちづくりを」、SDG12
「つくる責任つかう責任」に該当する。
□「3.9:有害化学物質や大気・水質・土壌の汚染による死亡や疾病の数を大幅に減らす。」
□「11.6:2030 年までに、大気環境や、自治体などによる廃棄物の管理に特に注意することで、都市の一人あたりの環境上の悪影響を小さくする。」
□「12.4:2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクル全体を通して化学物質や廃棄物の環境に配慮した管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小限に抑えるため、大気、水、土壌への化学物質や廃棄物の放出を大幅に減らす。」
◆「雇用」
従業員の雇用の創出という PI と、労働形態によっては労働者の健康や安全性が脅かされるという NI が発現する。
同社では指定通りに荷物を運ぶことは当然ながら、トラックへのこだわりにより従業員の働きがいを創出している。1 人 1 台専用トラックの配置やトラック装飾費の会社負担の実施など、業務時間内の大半を共に過ごすトラックへのこだわりを重視することで働きがいを創出し PI を拡大している。また、小型車から大型車まで幅広い車種を揃えることで、保有する運転免許の種類に依存せず、かつ、仕事内容も車種によって異なるため、性別・年齢関係なく働けることで多様な働き方を支援し、女性やシニアなど幅広い世代が活躍できることで PI を拡大している。さらに、女性活躍の場を提供するために、女性ドライバー専用車を配置し PI を拡大している。
2024 年問題によりドライバーの労働時間が短くなる可能性があるため、荷主との交渉によりスムーズな荷受けの実施につなげることで長時間の待機時間減少に取り組み NI を緩和している。また、ドライブレコーダーやバックカメラ、GSP システム、衝突被害軽減ブレーキ、自動運転アシス トなど安全性を配慮した装備により NI を緩和している。
上記は SDG5「ジェンダー平等を実現しよう」、SDG8「働きがいも経済成長も」に該当する。
□「5.5:政治、経済、公共の場でのあらゆるレベルの意思決定において、完全で効果的な女性の参画と平等なリーダーシップの機会を確保する。」
□「8.5:2030 年までに、若者や障害者を含むすべての女性と男性にとって、完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事を実現し、同一労働同一賃金を達成する。」
□「8.8:移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある人々を含め、すべての労働者を対象に、労働基本権を保護し安全・安心な労働環境を促進する。」
◆「移動手段」
商業利用を主体とした移動手段(輸送手段)へのアクセス向上という PI が発現する。
同社では共同配送により、大手路線業者 9 社の荷物を集約し、営業エリア内へのxx配送を実現することでPI を拡大している。
上記は SDG9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に該当する。
【環境面】
◆「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率・安全性」「気候」
非効率な貨物運送は排気ガスを過剰に発生させ、また燃料についても過剰に利用するため環境汚染、資源効率の低下につながるという NI が発現する。また、トラックが走行することによる排気ガスの発生は、地球環境に有害とされる窒素酸化物を排出し、酸性雨等による土壌汚染や生態系への悪影響につながり NI が発現する。
同社では自社配送センターによる共同配送体制を確立することで、大手路線業者 9 社から荷物を集約し地域内の効率的な配送を実現することで、環境負荷低減に取り組んでいる。また、アドブルーの適正使用やエコドライブの励行等により環境汚染物質の発生を抑制し、大気汚染や土壌汚染、生態系への悪影響を軽減している。これらの取り組みにより NI を緩和してい る。
上記は SDG11「住み続けられるまちづくりを」、SDG12「つくる責任つかう責任」に該当する。
□「11.6:2030 年までに、大気環境や、自治体などによる廃棄物の管理に特に注意することで、都市の一人あたりの環境上の悪影響を小さくする。」
□「12.4:2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクル全体を通して化学物質や廃棄物の環境に配慮した管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小限に抑えるため、大気、水、土壌への化学物質や廃棄物の放出を大幅に減らす。」
◆「廃棄物」
貨物運送活動を継続していく中で発生する古い車両や設備は廃棄物の増加につながるという NI が発現する。
同社では、1 人 1 台専用トラックの配置により、愛着を持って長く使い続けられる体制を構築しつつ、老朽化した車両は環境負荷が高まることから適切な時期に買い替えを実施することで NI を緩和している。
上記は SDG12「つくる責任つかう責任」に該当する。
【経済面】
◆「包括的で健全な経済」
事業活動により地域経済を下支えするという PI が発現する。
同社では“物流を通じて地域に貢献”という経営理念のもと、岐阜県の恵那市内への配送や恵那市から全国への発送に対応し、荷主の依頼に応じた形で荷物を配送することで地域経済を支え、PI を拡大している。
上記はSDG9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、SDG11「住み続けられるまちづくりを」に該当する。
同社の事業② 倉庫・保管業(ISIC:5210)
PI | 「雇用」「包括的で健全な経済」 |
NI | 「気候」 |
「雇用」、「包括的で健全な経済」については同社の事業①と重複するため分析の記載を省略する。
【環境面】
◆「気候」
倉庫の冷却により温室効果ガスを排出することで地球温暖化につながるという NI が発現する。同社の事業は冷却とは関係ないものの、2013 年 3 月に倉庫屋根にxxx発電設備を設置することで温室効果ガスの削減に取り組んでいる。倉庫屋根には合計 275kW のxxxパネルが設置されており、現在は FIT 制度を利用しているが、今後自家消費型への切替も検討しており、NI を緩和している。
PI | 「移動手段」 |
NI | 「健康・衛生」「大気」「土壌」「気候」 |
上記は SDG13「気候変動に具体的な対策を」に該当する。xxの事業 道路貨物運送業(ISIC:4923)
【社会面・環境面】
◆「移動手段」「健康・衛生」「大気」「土壌」「気候」
道路貨物運送業において、商業利用を主体とした移動手段(輸送手段)へのアクセス向上という PI が発現する。
一方、非効率な貨物運送は排気ガスを過剰に発生させ、環境汚染につながるという NI が発現する。また、大気汚染が発生することで人々の健康を損なうという NI が発現する。
岐阜xxx市という山間部において、個別配送による荷物の配送は輸送手段としての利便性を低下につながる。また、複数の運送事業者が同じエリアを巡回することは、非効率な配送につながり環境負荷を高める要因となる。同社では共同配送体制の確立により、大手路線業者 9 社から荷物を集約し地域内の効率的な配送を実現している。共同配送体制はxxの事業の輸送手段へのアクセス向上や環境負荷の低減につながり、PI の拡大に貢献するとともに、NI の緩和に貢献している。
上記は SDG9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、SDG11「住み続けられるまちづくりを」、 SDG12「つくる責任つかう責任」に該当する。
□「11.6:2030 年までに、大気環境や、自治体などによる廃棄物の管理に特に注意することで、都市の一人あたりの環境上の悪影響を小さくする。」
□「12.4:2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクル全体を通して化学物質や廃棄物の環境に配慮した管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小限に抑えるため、大気、水、土壌への化学物質や廃棄物の放出を大幅に減らす。」
【遺品整理・生前整理サービス事業】
同社の事業については「非有害廃棄物収集業(ISIC:3811)」を、xxの事業については「その他の家庭用品卸売業(ISIC:4649)」、「非有害廃棄物処理・処分業(ISIC:3821)」をそれぞれ適用し、発生するインパクトの検証を行った。
◎:主要カテゴリ ○:関連カテゴリ
同社の事業 | xxの事業 | |||||
③ | ① | ② | ||||
国際産業標準分類 インパクトカテゴリ | 【3811】 非有害廃棄物収集業 | 【4649】 その他の家庭用品卸売業 | 【3821】 非有害廃棄物処理・処分業 | |||
PI | NI | PI | NI | PI | NI | |
水 | ○ | ○ | ||||
食糧 | ||||||
住居 | ||||||
xx・xx | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ||
教育 | ||||||
雇用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
エネルギー | ○ | |||||
移動手段 | ||||||
情報 | ||||||
文化・伝統 | ○ | |||||
人格と人の安全保障 | ||||||
xx・xx | ||||||
強固な制度・平和・安定 | ||||||
水(質) | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ||
大気 | ○ | ○ | ○ | |||
土壌 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ||
生物多様性と生態系サービス | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ||
資源効❹・安全性 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
気候 | ○ | ○ | ○ | |||
廃棄物 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | |
包括的で健全な経済 | ○ | ○ | ||||
経済収束 |
上表のうち、xxの事業については、一般個人を対象とし、特定事業のみを対象としていないことから分析を省略し、xxの事業については、同社事業活動が与える影響については軽微なものとなるため分析を省略している。
同社の事業③ 非有害廃棄物収集業(ISIC:3811)
PI | 「資源効率・安全性」「廃棄物」 |
NI | 「資源効率・安全性」「廃棄物」 |
同社の事業③は新規事業であり、想定されるインパクトを分析する。
本事業では「遺品整理・生前整理サービス事業」として地域住民から不用品を回収し、自社倉庫にて分別。分別品はリサイクル、リユース、廃棄などに整理され、専用業者へ引き渡される。
本事業では「資源効率・安全性」「廃棄物」のみ分析対象とし、他のインパクトカテゴリは与える影響が希薄であることから分析を省略する。
【環境面】
◆「資源効率・安全性」「廃棄物」
不用品のリサイクル・リユースにより資源効率の改善や廃棄物の削減に貢献するという PI が発現する。一方、事業活動を通じて、エネルギーの消費や設備の廃棄物が発生するという NI が発現する。
同社では、遺品整理・生前整理サービス事業により不用品の回収、分別、適切処分の一連を担うことで、不用品をすべて廃棄するのではなく、モノの価値に応じた処分(リサイクル、リユース、廃棄など)を実施して PI の拡大への貢献が見込まれる。
一方、事業活動によりエネルギーの消費や車両に係る廃棄物の発生が見込まれるが、運送業で培ったノウハウを活用することで、不用品の量に応じた車両手配や運行ルートの効率化、適切な車両整備等により NI の緩和が見込まれる。
上記は SDG11「住み続けられるまちづくりを」、SDG12「つくる責任つかう責任」に該当する。
□「11.6:2030 年までに、大気環境や、自治体などによる廃棄物の管理に特に注意することで、都市の一人あたりの環境上の悪影響を小さくする。」
□「12.5:2030 年までに、廃棄物の発生を、予防、削減(リデュース)、再生利用(リサイクル)や再利用(リユース)により大幅に減らす。」
下図は「バリューチェーン分析」「インパクトマッピング」の結果を踏まえて、同社のバリューチェーンが与えるインパクトを可視化したものである。
雇用創出
地域経済活性化 資源循環
SDG5 SDG8 SDG9 SDG11 SDG12
地域経済活性化
SDG9
ポジティブインパクト
xxの事業
同社の事業
xxの事業
大手路線業者
荷物一時預かり
地域内配送
地域一般個人
地域内製造
事業者等
荷物一時預かり
地域内・全国への配送
製造業
卸売業 等
地域内一般個人
遺品等
整理・回収
回収物
仕分・保管
業者販売
リユース品販売
健康負荷 労働負荷 環境負荷
SDG3 SDG8 SDG11 SDG12 SDG13
環境負荷
SDG11 SDG12
ネガティブインパクト
以上を踏まえて同社のインパクトを下記の 3 つに特定した。
【重要なインパクト】
「地域密着型の物流サービス提供による地域貢献」
「環境を配慮した事業展開の推進」
「従業員の働きやすさの追求」
① 地域密着型の物流サービス提供による地域貢献
・恵那市の物流を支える事業者:SDG9、11
同社は創業以来岐阜県恵那市を中心に事業展開している。共同配送の仕組みを確立した “恵那市内便”は地域の物流を支える重要な役割を担っており、地域住民、地域事業者にとってなくてはならない存在となっている。さらに、同業者である大手路線業者にとっても、効率的な輸送を実現する上で同社の物流が重要な役割となっている。
同社が主要営業エリアとしている岐阜県恵那市は、愛知県名古屋市の中心部からおよそ 60
㎞、岐阜県南東部に位置し山紫水明の豊かな自然に恵まれた地域である。人口は 47,982
人(令和 4 年)であり近年、人口減少傾向となっている。しかし、同社は創業以来、恵那市を中心に事業展開してきた経緯から今後も当地域の物流を担っていく方針であり、時代ニーズに合うサービスを展開することで、地域貢献を継続していく。
・遺品整理、生前整理サービス事業の新規展開:SDG11、12
同社はこれまで“運送業”として物流を支えることで、地域経済への貢献をしてきた。時代ニーズの変化を捉え、今後新たに遺品整理、生前整理サービス事業を展開していく。
運送業で培った“モノを運ぶ”ことに対する知識・ノウハウを新規事業に活用することで、地域への貢献に取り組んでいく。
これらの取り組みを通じて、地域密着企業として物流を通じた地域への貢献を強化していく。 これらのインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは「移動手段」「包括的で健全な経済」
「資源効率・安全性」「廃棄物」のカテゴリに該当し、社会的側面、経済的側面の PI を拡大し、環境的側面の NI を緩和すると考えられる。
② 環境を配慮した事業展開の推進
・物流を支える事業者としての環境負荷低減:SDG13
同社では 2013 年 3 月から太陽光発電設備を倉庫屋根に設置し、環境負荷低減に取り組んでいる。現在は再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT 制度)を利用しているが、固定価格買取期間終了後は自家消費型への切替を検討している。
今後、事業所およびトラック等から排出される CO2 排出量の測定に取り組み、CO2 排出量の見える化を実施していく方針である。さらに、パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標である SBT の取得を目指し、地域を支える事業者として脱炭素化への取り組みを強化していく。取り組みを実施していく中で、初年度登録から 10 年を超える車両は随時更新計画を検討し、燃費性能の高い車両へ更新することで環境負荷低減を図っていく。
これらの取り組みを通じて、物流業界における脱炭素化への貢献を強化していく。
これらのインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは「気候」のカテゴリに該当し、環境的側面の NI を緩和すると考えられる。
③ 従業員の働きやすさの追求
・各種認証への取り組み:SDG8
同社では 2019 年の「働きやすい職場認定制度」の取得など認証を取得することで、従業員の働きやすい職場環境を作り上げている。
運送業においては 2024 年問題における人手不足も予想されることから、同社においてもドライバーが働きやすい環境を整備することはより一層重要度が増してくる。
働きやすい職場認定制度の新制度での認証取得や健康経営優良認定法人の取得など、一定の基準を満たす職場環境の醸成に取り組んでいく。
・働きがいの創出:SDG5、8
同社では 1 人 1 台専用トラックを配置することで、単純に荷物を運ぶだけではなく、トラックに愛着を持って働く従業員が多く在籍している。地域の物流を支える事業者として同社の存在は重要であり、従業員の働きがいを創出することで新たな雇用創出に取り組んでいく。
さらに、女性従業員が事務、ドライバーなど職種関係なく活躍できる場を提供し続けることで、女性従業員の雇用創出に取り組んでいく。
これらの取り組みを通じて、働きやすい職場環境の醸成や働きがいの創出、女性従業員の採用を強化していく。
これらのインパクトは UNEP FI のインパクトレーダーでは「雇用」のカテゴリに該当し、社会的側面の PI を拡大すると考えられる。
① 日本におけるインパクトニーズ
同社売上の大半は日本国内におけるものであり、国内における SDG インデックス&ダッシュボードを参照し、そのインパクトニーズと同社のインパクトとの関係性を確認した。
本 PIF において特定したインパクトに対応する SDGs のゴールは、以下の 6 点である。
「 5:ジェンダーを平等に実現しよう」
「 8:働きがいも経済成長も」
「 9:産業と技術革新の基盤をつくろう」
「11:住み続けられるまちづくりを」
「12:つくる責任、つかう責任」
「13:気候変動に具体的な対策を」
国内における SDG ダッシュボード上では、「9」に関しては「達成に近づいている」とされているものの、「5」、「12」、「13」に関しては「大きな課題が残る」、「8」に関しては「重要な課題が残る」、
「11」に関しては「課題が残る」とされており、同社における地域密着型事業の継続による地域への貢献や多様な人材が活躍できる職場環境の整備、環境負荷低減の取り組みなどが、日本国内におけるインパクトニーズと一定の関係性があることを確認した。
(出典:SDSN)
② 岐阜県におけるインパクトニーズ
同社の事業活動は立地する岐阜県を中心に行われていることから、「岐阜県 SDGs 未来都市計画」を参照し、岐阜県内における SDGs 達成に向けての課題を確認した。
下記の通り、岐阜県では「<環境>美しい清流とそれを育む豊かな森の保全と活用」、「<経済>
「清流の国ぎふ」ブランドと変化に強い地域経済の確立」、「<社会>誰もが活躍し生きがいを感じられる地域社会の構築」を 2030 年のあるべき姿と設定し SDGs 達成に向けた課題を設定しており、同社の地域密着型事業の継続による地域への貢献や多様な人材が活躍できる職場環境の整備、環境負荷低減といった取り組みが、岐阜県におけるインパクトニーズと一定の関係性があることを確認した。
<.. image(グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション 自動的に生成された説明) removed ..>
(出典:岐阜県第 2 期 SDGs 未来都市計画の概要)
③ 岐阜信用金庫との親和性
◆「ぎふしん SDGs 宣言」
以下の 3 項目を SDGs 達成に向けた重点課題としている。
(1)持続可能な地域の経済成長のための活動
(2)持続可能な地域産業の基盤構築のための活動
(3)持続可能なまちづくりのための活動
◆親和性の確認
本件 PIF の取り組みに際し特定した同社のインパクトである「地域密着型の物流サービス提供による地域貢献」については、「ぎふしん SDGs 宣言」の(1)、(2)、(3)と、「環境を配慮した事業展開の推進」については「ぎふしん SDGs 宣言」の(1)、(2)、(3)と、「従業員の働きやすさの追求」については、「ぎふしん SDGs 宣言」の (3)と親和性があり、相互に協力しあうことで、「経済」「社会」「環境」の 3 つの側面に渡り、持続可能な開発に関する枠組みとして、良質な効果が発生するものと思われる。
以上から、本件 PIF の取組みは追加性のある PI 創出支援を行うものであり、その本源的目的との合致を確認したうえで SDGs 達成に向けた資金需要と資金供給とのギャップを埋めることを目指すものである。
特定したインパクトの発現状況を今後も継続的に測定可能なものとするため、先に特定したインパクトに対し、インパクトの種類、インパクトカテゴリ、関連する SDGs、内容・対応方針および目標と KPI を整理、設定する。
■地域密着型の物流サービス提供による地域貢献
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 社会的側面においてポジティブインパクトを拡大経済的側面においてポジティブインパクトを拡大環境的側面においてネガティブインパクトを緩和 |
インパクトカテゴリ | 「移動手段」「包括的で健全な経済」「資源効率・安全性」「廃棄物」 |
関連する SDGs |
|
内容・対応方針 | ・“恵那市内便”により地域住民、地域事業者の物流を維持・拡大する ・全国貸切チャーター便や企業定期便の利便性向上に努め、利用増加を図る ・新事業「遺品整理・生前整理サービス事業」の PR を進め、地域住民 向けに事業化を推進する |
目標とKPI | ・2033 年 4 月期において、全社売上高 7 億円以上を達成する。 ・2028 年 4 月期において、新事業である「遺品整理・生前整理サービス事業」売上高 60 百万円以上を達成する。 |
■環境を配慮した事業展開の推進
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 環境的側面においてネガティブインパクトを緩和 |
インパクトカテゴリ | 「気候」 |
関連する SDGs | |
内容・対応方針 | ・CO2 排出量の見える化システム利用を検討し、導入を進めていく。 ・SBT 認定申請を実施し、脱炭素化への取り組みを強化する。 ・環境負荷低減を図るため、小型車から EV 自動車の導入に取り組 み、実用化を進めていく。実用化が可能であれば、導入台数の増加を図っていく。 |
目標とKPI | ・2024 年 4 月期までに、自社 CO2 排出量の計測開始し、削減目標を設定する。 ・2025 年 4 月期までに SBT 認定取得し、その目標に基づいて削減を 進める。 |
■従業員の働きやすさの追求
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | 社会的側面においてポジティブインパクトを拡大 |
インパクトカテゴリ | 「雇用」 |
関連する SDGs |
|
内容・対応方針 | ・従業員の労働環境整備のための認証を取得し、働きやすさを追求する。 ・従業員 1 人 1 台専用車体制を維持し、働きがいの創出をすることで雇用創出につなげる。 ・女性が活躍しやすくするために、体力面や勤務時間を考慮した仕事の獲得や女性ドライバー専用車両の配備により、女性従業員が活躍 できる場を提供し続ける。 |
目標とKPI | ・2025 年 4 月期までに、健康経営認定優良法人の認証を取得し継続する。 ・2028 年 4 月期までに自動車運送事業者の「働きやすい職場認定制度」2 つ星認証マーク以上を取得し継続する。 ・2023 年 11 月現在の従業員数 32 名( 女性従業員比率 18.75%)を、2033 年 4 月期まで従業員 50 人以上を達成し、女性従業員比率 30%を達成する。 |
同社では、松井善行社長と松井稜氏を中心に自社業務の棚卸を行い、本 PIF におけるインパクトの特定、並びに KPI の設定を行った。
今後については、以下の体制を中心とした同社プロジェクトチームが柱となって SDGs の推進、本 PIF で設定した KPI の進捗管理を行っていく方針である。
【モニタリング体制】
統括責任者 | 代表取締役 | 松井善行 |
プロジェクトリーダー | 松井稜 |
本PIF で設定した KPI および進捗状況については、同社と岐阜信用金庫の担当者が定期的な場を設けて情報共有する。情報共有については、少なくとも年に 1 回実施することに加え、日々の情報交換や営業活動を通じて実施していく。
下記の通り融資返済期限と同一期間にて定める。
モニタリング期間 (返済期限) | 10 年間 (2034 年 3 月 25 日) |
【留意事項】
1.本評価書の内容は、岐阜信用金庫が現時点で入手可能な公開情報、株式会社松井急便から提供された情報や同社へのインタビューなどで収集した情報に基づいて、現時点での状況を評価したものであり、将来における実現可能性、ポジティブな成果等を保証するものではありません。
2.岐阜信用金庫が本評価に際して用いた情報は、岐阜信用金庫がその裁量により信頼できると判断したものではあるものの、これらの情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。岐阜信用金庫は、これらの情報の正確性、適時性、網羅性、完全性、および特定目的への適合性その他一切の事項について、明示・黙示を問わず、何ら表明または保証をするものではありません。
3.本評価書に関する一切の権利は岐阜信用金庫に帰属します。評価書の全部または一部を自己使用の目的を超えての使用(複製、改変、送信、頒布、譲渡、貸与、翻訳及び翻案等を含みます)、または使用する目的で保管することは禁止されています。