相手企業にFRR(先買権)
平成17年度 21世紀型産学官連携手法の構築に係るモデルプログラム
「新たな時代に対応した共同・受託研究契約のあり方」第1回研究会
【日 | 時】 | 平成17年7月15日(金) 13:30~16:30 |
【場 | 所】 | 電気通信大学共同研究センター 4階研修室 |
【議 題】 (司 会:知的財産本部副部長 x xx)
1.挨 拶
2.メンバー紹介
電気通信大学知的財産本部長 xxxx教授
3.電気通信大学共同研究・受託研究契約書雛形の説明
客員教授(弁理士)xx xx
4.電気通信大学における共同研究・受託研究契約交渉事例発表
客員教授(弁理士)xx xx
5.共同研究・受託研究契約交渉事例調査内容についての討議
6.今後の調査研究の進め方、スケジュールについての討議
(第2回、第3回研究会の開催日時及び場所等)
【配布資料】
・研究会出席予定メンバー一覧表
・「新たな時代に対応した共同・受託研究契約のあり方」説明資料
・ 電気通信大学の雛形(冊子)
以 上
21世紀型産学官連携手法の構築に係るモデルプログラム
新たな時代に対応した共同・受託研究契約のあり方
平成17年7月15日(金)第1回研究会資料
電気通信大学 知的財産本部
発表者 客員教授 弁理士 xx xx
説明内容
1.電気通信大学の共同研究契約雛形
2.新雛形を使用した契約交渉事例
3.共同研究契約ルート
1.電気通信大学の共同研究契約雛形
◼ 権利の帰属
◼ 大学単独権利の取扱い
◼ 共有権利の取扱い
権利の帰属
◼ 標準的な共同研究は双方が対等の貢献を行うという前提で考え、
標準契約書においては、まずはこれまでの雛形どおり、発明者主義を採用する。
◼ 次に、発明が生じた段階あるいは権利化の段階で、必要に応じて企業が権利の譲渡を受けるか、実施権の許諾を受ける選択肢を得る。
◼ 企業が共同研究の成果として、有効な特許の取得を期待して、多額の資金を負担するような特別の場合は、標準契約に拘束されない。
大学単独権利の取扱い
相手企業にFRR(先買権)
発明が発生した時点で、下記のいずれかを選択し、契約を締結
・譲渡
・独占実施権(期間設定)
・通常実施権(期間設定)
・保留
実施契約での対価
・独占実施契約の場合一時金+実施料
(一時金は実施料に充当できる。一時金は独占実施期間中、大学がライセンス活動できないことへの対価。相手企業から実施料が入れば実施料で補填という考え方)
・通常実施権契約の場合
実施料のみとし、一時金は不要。
共有権利の取扱い
考え方 排他権を行使する場合に限り不実施補償必要内容
共同発明が生じた場合、企業側は以下の選択をする。
①共有権利の大学側持分を企業に譲渡する。
②第三者へのライセンスに同意しない。
・不実施料支払いあり
・特許費用は企業側の負担
③第三者へのライセンスについては協議して決める。
・ライセンスに同意の場合、不実施料支払いなし
・同意しなかった場合、以後不実施料支払い必要
・特許費用は企業側の負担
④第三者へのライセンスに同意する。
・不実施料の支払いは不要
・特許費用は持分に応じて負担
電通大の標準契約書(まとめ)
◼ 権利の帰属・・・まずは発明者主義による
◼ 大学単独権利の取扱い・・・FFR(先買権)を与える
◼ 共有権利の取扱い・・・排他権を行使する場合に限り不実施補償が必要
共有権利の取扱い〔条文〕
(共有に係る知的財産権)
第18条 甲は、本共同研究の結果生じた発明等であって第14条第4項により甲が乙と共有することとなったときは、乙に対し、相当の期間を定めてその共有に係る知的財産権(著作権及びノウハウを除く。)の持分につき、次に掲げるものの一つを選択させるものとする。(C社)
一 共有持分の譲渡
二 第三者への実施権の付与の禁止三 第三者への実施権の付与の協議四 第三者への実施権の付与の同意
2 甲は、乙が前項一を選択したときは、別に定める持分譲渡契約を締結する。
共有権利の取扱い〔条文続き〕
第18条
3 甲は、乙が第1項二を選択したときは、第14条第4項記載の共同研究等契約に、甲が第三者に実施権を付与することができないことによる甲への補償及び乙が実施した場合の甲の持分に関する実施料の支払い等について定めなければならない。
なお、出願等費用は乙の負担とする。(C社)
4 甲は、乙が第1項三を選択し、協議した結果第1項二と同様の結果となったときは前項を準用する。(B社)
なお、協議の結果にかかわらず、出願等費用は乙の負担とする。(A社)
5 甲及び乙の共有に係る知的財産権を第三者に実施させた場合の実施料は、その許諾者の如何にかかわらず当該知的財産権に係る甲及び乙の持分に応じて、それぞれに配分するものとする。
2.新雛形を使用した契約交渉事例
A社要望
A社(電機関係製造業)
18条1項3号で、第三者への実施権の付与の協議を選択した場合、最初出願費用を乙が支払うのはよいが、第三者への実施に同意した場合、それまで支払った出願費用の内、甲の持分に相当する分を甲は乙に支払うとしたい。
本大学の対応
第三者への実施権の付与の協議を選択した場合、大学は自由にライセンス活動ができなくなるので、企業側に出願費用を負担してもらう趣旨であり、同意できない。
現状
A社同意
新雛形を使用した契約交渉事例
B社要望
B社(機械関係製造業)
18条1項3号で、第三者への実施権の付与の協議を選択した場合で、「協議の結 果、第1項2号と同様の結果となったとき(第三者への実施権の付与の禁止)は前 項を準用する」とあるので、協議の結果、第1項4号と同様の結果(第三者への実 xxの付与の同意)となったとき、「第4号選択の取扱いを準用とする」としてほしい。本大学の対応
第1項4号は最初に大学のライセンス活動を自由に認める場合であって、協議の
結果、第1項4号と同様の結果になることはない。
現状
B社同意
新雛形を使用した契約交渉事例
C社(電機関係製造業)
C社質問
1.18条3項で、乙から甲への補償額は乙が自己実施した場合としない場合で異なるのか?
2. 18条1項3号で、第三者への実施権の付与の協議を選択した場合で、乙の競合企業には実施権の付与を拒否したが、競合しない分野の企業には実施許諾を認めた場合、どのような取扱いになるのか?
3. 18条1項の「相当の期間」とは?
本大学の回答
1.この補償は、甲がライセンス活動できないことに対する補償で、乙の実施料とは別なので、異ならない。
2.一旦、実施権の付与を拒否した場合、18条1項2号の取扱いを準用するので、原則としては、以後の第三者企業への実施権許諾の可否によって、取扱いは変らない。ただし、実施許諾企業からの実施料収入が多い場合、乙の実施料率の低減等協議は可能である。
3. 「相当の期間」は、特許出願するまでの比較的短期間である。
現状
C社で検討x
x雛形を使用した契約交渉事例(受託研究)
D社要望
D社(通信関係非製造業)
1.大学単独権利の取扱いで、通常実施権の付与を希望した場合、実施料は無償としてほしい。
2.大学単独権利の取扱いで、独占実施権の付与を希望した場合、「出願等費用は乙負担」を削除してほしい。
本大学の対応
1.実施料は本受託研究の各種状況による。企業の負担額や研究室の意見によって、判断する。本件の場合は、契約条文としては、「甲は乙が通常実施権の付与を希望した場合、無償で実施させることができるものとする。」とした。
2.独占実施契約で、乙から甲への支払いが、出願等費用以上あるのなら、出願等費用は乙負担を削除してもよい。
現状
D社同意
受託契約雛形
(知的財産権の帰属)
第15条 本受託研究の結果生じた知的財産権は甲又は甲に属する研究担当者に帰属するものとする。
2 乙は、前項の知的財産権が甲に属する研究担当者に帰属した場合には、当該甲に属する研究担当者と協議の上、別途その取扱いを定めるものとする。
受託契約における大学単独権利の取扱い
第16x xは、本受託研究の結果生じた発明等であって前条の規定により甲に帰属したときは、乙に対し、相当の期間を定めてその知的財産権(著作権及びノウハウを除く。)につき、次の各号のいずれかを選択させるものとする。
x x的財産権の譲渡二 独占実施権の付与三 通常実施権の付与
四 設定登録時まで選択を保留
受託契約における大学単独権利の取扱い
2 甲は、乙が前項第1号を選択したときは、別に定める譲渡契約を締結する。
3 甲は、乙が第1項第2号を選択したときは、別に定める独占実施権付与の予約契約を締結する。前記契約には、甲が第三者に実施権を付与することができないことによる甲への補償等について定めなければならない。なお、知的財産権に関する出願等費用、特許料等(以下「出願等費用」という。)は乙の負担とする。
4 甲は、乙が第1項第3号を選択したときは、別に定める実施契約を締結する。
5 甲は、乙が第1項第3号又は第4号を選択したときでも、甲に単独帰属する知的財産権を第三者に譲渡又は実施権を付与するときは、乙にあらかじめ通知をし、乙が希望する場合乙と協議しなければならない。
3.共同研究契約ルート
企業事業部門
学長及び契約担当理事決裁
契約締結
事務局長
研究協力課
承認手続き依頼
共同研究申入れ条件協議
合意
先生
契約雛形提示協議
合意
企業契約担当部門
文部科学省 平成17年度 21世紀型産学官連携手法の構築に係るモデルプログラム
「新たな時代に対応した共同・受託研究契約のあり方」第1回研究会
【日時】 平成17年 7月15日(金)13:30~16:30
【場所】 電気通信大学共同研究センター4階研修室
【出席者】 各大学研究会メンバー(巻頭一覧参照)
【議事要約】
1.電気通信大学共同研究・受託研究契約書雛型の説明
電気通信大学知的財産本部 客員教授 xx xx
資料に沿って、電気通信大学の雛型の説明がされた。主要な点は次のとおり。
○権利の帰属については、まずは発明者主義による。
○大学単独権利の取扱としては相手企業にFRR(先買権)を与える。
○共有権利の取扱としては排他権を行使する場合に限り不実施補償を必要とする。
2.電気通信大学における共同研究・受託研究契約交渉事例発表
電気通信大学知的財産本部 客員教授 xx xx
上記雛型を使用した契約交渉事例の説明がされた。
平成17年4月以降に企業から申し出のあった共同研究についてはこの雛型を使用している。共同研究契約について30数社、委託契約が数社だが、この雛型どおりに契約が進んでいるのが80%以上である。それ以外は質問や要望はあったものの、実質的な変更はほとんどなく契約に至っている。
A社(電機関係製造業)
A社の要望:
18条第1項第3号で、第三者への実施権の付与の協議を選択した場合、最初出願費用を乙が支払うのはよいが、第三者への実施に同意した場合、それまで支払った出願費用の内、甲の持分に相当する分を甲は乙に支払うとしたい。
本学の対応:
第三者への実施権の付与の協議を選択した場合、大学は自由なライセンス活動ができなくなるので、企業側に出願費用を負担してもらう趣旨であり、同意できない。 現状:A社同意
B社(機械関係製造業)
B社の要望:
18条第1項第3号で、第三者への実施権の付与の協議を選択した場合で、「協議の結果、第1項第2号と同様の結果となったとき(第三者への実施権の付与の禁止)は
前項を準用する」とあるので、協議の結果、第1項第4号と同様の結果(第三者への実施権の付与の同意)となった時には、「第4号選択の取り扱いを準用とする」としてほしい。
本学の対応:
協議の結果実施権の付与を拒否した場合は実施権の付与の禁止を選択した場合(第
2号)を準用するのだから、協議の結果実施権の付与に同意した場合にも、実施権の付与の同意(第4号)を準用してほしいとの要望。第1項第4号は最初に大学側のライセンス活動を自由に認める場合であって、第3号(協議)を選択した時点で既に大学側のライセンス活動を制限しているため、第4号と同様の結果になることはないことを説明した。
現状:B社同意
C社(電機関係製造業)
C社の質問:
1.18条第3項で、乙から甲への補償額は乙が自己実施した場合としない場合で異なるのか?
2.18条第1項第3号で第三者への実施権の付与の協議を選択した場合で、乙の競合企業には実施権の付与を拒否したが、競合しない分野の企業には実施許諾を認めた場合、どのような取り扱いになるのか?
3.18条第1項の「相当の期間」とは?本学の回答
1.この場合の補償は、甲がライセンス活動できないことに対する補償であり、乙の実施料とは別なので、異ならない。
2.一旦実施権の付与を拒否した場合、18条第1項第2号の取扱を準用するので、原則としては、以後の第三者企業への実施権許諾の可否によって、取扱が変わることはない。ただし、実施許諾企業からの実施料収入が多い場合等については、乙の実施料率の低減等協議は可能である。
3.「相当の期間」は、特許出願するまでの比較的短期間である。現状:C社で検討中
D社(通信関係非製造業)
この案件は受託研究の場合で大学単独の権利。(参考資料:受託研究契約の雛型) D社の要望:
1.大学単独権利の取り扱いで、通常実施権の付与を希望した場合、実施料は無償としてほしい。
2.大学単独権利の取り扱いで、独占実施権の付与を希望した場合、「出願等費用は乙負担」を削除してほしい。
本学の対応:
1.実施料は当該受託研究の各種状況による。企業の負担額や研究室の意見によっ
て、判断する。本件の場合は、契約条文としては、「甲は乙が通常実施権の付与を希望した場合、無償で実施させることができるものとする。」とした。
2.独占実施契約で、乙から甲への支払いが、出願等費用以上となる場合には、「出願等費用は乙負担」を削除してもよい。
現状:D社同意。
3.共同研究・受託研究交渉事例調査内容についての討議
⚫ A大学において、共同研究契約の手続日数が大幅に短縮された事例及び、企業から大学に来られた先生方に共同研究に対する考え方を変えざるを得なかった事情についてお聞きしたい。
⚫ 当初、共同研究契約を決める際には、そこから生まれるであろう特許等の知的財産の取扱についてきちんと決めてからでないとスタートしなかった。しかし、それでは時間ばかりかかって、なかなか本来の目的である研究に着手することができなかった。そのため、発想を転換して、知的財産の取扱については生まれてから協議することとし、まずは研究を進めることとした。この研究推進を先にしようという考え方は企業に好評である。また、知的財産部同士で交渉するとお互いに譲らないため、異なる部門である研究推進部が担当することとし、知xxでは扱わないこととした。これには、知的財産で利益を上げることは事実上難しいので、知的財産を確保することによって研究費を獲得するよう方向転換したという背景もあった。現在では、次のような流れとなっている。
1.従来からの継続案件:各部局で契約書内容を検討して各部局契約窓口で雛型と照合して問題がなければ契約が締結されて研究開始。
2.新規及び部局横断案件:研究推進部でアレンジして研究内容・条件を打ち合わせして関係部局で契約内容を検討する。
3.その後必要に応じて研究推進部で雛型と照合して契約を締結し、研究開始。
これまでは入金後に研究開始が原則であったが、契約締結の翌日から開始できるよう改めた。支払日の確認と請求書の発行は企業内の稟議(企業内での事態の機関決定はなされている)の前にしている。
加えて、「・企業から大学に派遣されている研究者の発明も大学に帰属する。」としていた点について企業から猛反発を受けたため、研究契約書雛型の関連条項をすべて削除し、柔軟に対応するようにした。
また、「出願費用は企業負担とする」としていたものを、特に出願費用については企業負担に拘らず、場合によっては大学も負担することにし、第三者に実施許諾を認める場合は大学も持分比で負担するとした。それに伴って共同研究契約書の雛型も改めた。
この、契約交渉の担当者の変更と雛型の変更、そしてまずは研究をスタートするという考え方への変更により、手続きを大幅に迅速化することができた。
当方が研究推進部で相手方が研究担当であると、その段階でほぼ纏まる。最後の方で知
財や法務担当者が出てくることもあるが、早く研究をスタートさせたいという意思を伝えるとあまり難航しない。
⚫ 本学の場合、知財担当者が出てくると折角まとまりかけたものが最初に戻ってしまうことが多い。
⚫ 知財には条文の法務論争をするのではなく、早く研究をスタートしようという意思を伝える。早く研究成果を出して、発明の内容によって譲渡かライセンスかの選択をお願いしている。
⚫ 契約というのはあまり手の内を見せないで交渉していくものだと思っていたが、手の内を見せておいて交渉するのは本当に力があってそうしているのか。
⚫ 基本的には研究を早く開始しようということ。また、研究費等の額によって検討に費やす時間を考えている。
⚫ B大学では研究費の10%を知財費に充てるというルールは決めているのか。
⚫ 決めている。
⚫ 本学では間接経費という名前でなく産学連携推進経費として大学財務から措置されている。
⚫ C大学では、共同研究費の10%を知財に使う、ということだがそれは出願費用の他にどういうものがあるか。
⚫ 大きく分けて4つある。1は出願費用、2は知的財産本部の運営費、3は産学連携を推進する為の施設、設備費。4はコーディネーションとか契約をより効率的に推進するためのサービス費用。
⚫ 出願費用を研究費で賄うというのはかなり厳しいのではないか。
⚫ 出願費用は基本的には企業側負担とするということで、大学と企業はリインバースメントの関係が常識だと思う。
⚫ 本学はリインバースメント制度である。
⚫ D大学の場合は電機業界関係が多いと思うが、材料業界だと実施料はそれなりに支払うのが普通である。分野ごとに支払に関するルールを作るということではどうか。
⚫ 不実施補償がいつも問題になるが、単独発明のときの方法が文部科学省雛型でも 10 年間優先実施で正当な理由があれば更新が効くというのは大学にとって合理的になっている。電気通信大学から出る発明のほとんどが大学単独発明なので、これを一度評価してみる必要があると思う。
⚫ 実際には発明者の認定というのは非常に難しい。
⚫ 共同研究といいながら受託研究的なものが多い。それで単独発明が多い。
しかも発明者主義、それを先生方に周知して発明者の認定をきちんとしていけばさらに単独発明が多くなると思う。
⚫ 大学が推進する研究は共同研究で挙げた成果をその人の業績とするということが段々と強くなってきている。大学としても共同研究でやることを推奨しており、やはり共同研究から生まれる共同発明が多くなると考えている。
⚫ 第3者へのライセンスで排他権がなければ、不実施補償は必要ないということだが相手企業の実施による成果が大であるとき、大学には何の還元もないので学内の発明者には何のインセンティブもないというケースについてはどうか。
⚫ 先生方のインセンティブはライセンスによる金銭的なものより、相手企業との共同研究が増えて研究の幅が増えるというほうが大きいと考えている。
⚫ 自分の発想で研究ができて、自由に論文が書ければ良いという場合と、共同研究の成果を企業化するある程度のところまで完成するという2つがあると思う。先生が企業と共同で研究はするが十分議論することもなく研究が行われ、企業の実施の有無にかかわらず共同研究という名目でお金は先生に入ってくるが、企業に不満がたまり、最終的に日本の大学との共同研究は止めよう、ということになるのを心配している。実施された際のインセンティブは絶対に必要なのだという視点でことを進めている。
⚫ 実際の契約で、お金を支払わないというケースも出てくる。大学は発明者に対して補償する原資が無いため先生には何も支払われないが、共同研究先の研究者は報奨金を充分貰っているのは不xxであると言うと、企業が条文を入れても良いと言ってくるケースもある。
⚫ 基本的に共同研究をして共同発明が生まれ、それを企業が実施して利益が上がったという場合に大学の寄与に対してリターンというのはどういった形でするのかということを企業と協議する。基本的に大学の貢献を認める企業が大半である。実施料の支払について協議の余地もないのであれば大学の評価は一切されていないと考えざるを得ない、従って共同出願の案件であっても実施された場合にはお考え下さいということで、そこは譲れない。
以上