本概要は、研修受託をご検討中の機関の関係者含め、研修委託契約に関わる全ての関係者の皆様に、JICA で実施する研修員受入事業と研修委託契約について、その概要を理解いただくことを目的に作成しました。
研修員受入事業及び研修委託契約の概要
2022 年 3 月版
独立行政法人国際協力機構ガバナンス・平和構築部
目次
はじめに
本概要は、研修受託をご検討中の機関の関係者含め、研修委託契約に関わる全ての関係者の皆様に、JICA で実施する研修員受入事業と研修委託契約について、その概要を理解いただくことを目的に作成しました。
本概要を通じて、研修委託契約のいっそうの質の向上及び研修員受入事業のさらなる成果の確保につながることを期待します。
なお、委託契約に関する見積・契約管理・精算等の詳細は、「研修委託契約における見積書作成マニュアル」「研修委託契約における契約管理ガイドライン」「研修委託契約における経費精算報告書作成マニュアル」もご参照ください。
また、遠隔研修については、「遠隔研修に係る研修委託契約ガイドライン」をご参照ください。(以下 URL 参照)
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxxxx/xx_xxxxx/xxxxxxxxx.xxxx
第1章 研修員受入事業の概要
(1) 研修員受入事業の概観
研修員受入事業は、開発途上国の様々な課題解決を後押しする我が国の技術協力 事業の一つであり、国づくりの中核となる人材を育成することを目的としています。我が国の政府開発援助の最初の事業として 1954 年に開始されて以来、国内各層に 支えられて事業が発展し、今日では年間約1万人の開発途上国の国づくりを担うリ ーダー達がこの事業に参加しています。また、研修員受入事業は、開発途上国にお ける課題解決とともに、研修員の日本理解の促進及び研修に携わる日本側関係者と の交流を通じた国内各地域の国際化への貢献も念頭に実施されています。
研修は、本邦に研修員を招いて実施する本邦研修と、開発途上国で実施する在外研修とに分類されます1。本邦研修の主な研修形態としては、共通の分野課題別に複数の国の参加を得て実施される「課題別研修」と、特定国の開発課題を対象として実施する「国別研修」があります。課題別研修は、日本側で予め開発途上国側の課題に対応する研修計画を策定したうえで、開発途上国側に実施を提案するものです。個々の研修の対象国は、日本側からの提案に対して要請を行った開発途上国の中から選定されます。一方、国別研修は、開発途上国側の個別具体的な要請に基づき、いわば「オーダー・メイド」で研修計画を策定し実施するものです。また、開発途上国の将来を担う青年層を対象として、各分野における日本の技術や知見を理解する基礎的な内容の研修を行う「青年研修」があります。
(2) 各研修形態の概要
前述のとおり、JICA の研修員受入事業には様々な形態があります(【JICA 研修員受入事業の形態(図1)】参照)。それぞれの特徴は以下のとおりです。
ア.課題別研修
課題別研修は、年間約 300 案件強が計画・実施されており、これらは多岐にわたる分野を網羅しています。こうした規模で行う実践的な内容の研修員受入事業は、他に類例が少なく、我が国の国際協力の特徴を成しています。
課題別研修の実施期間は年度毎に案件の評価・見直しを行いますが、3年間を区切りとして、案件を継続・更新していくのか、あるいは廃止するのかについて見直します。必要性が認められる場合には更新することができます。新規に実施する案
1 新型コロナウイルス感染拡大の影響により来日しての研修が困難になったことに伴い、2020 年度から遠隔研修を導入。遠隔研修に係る研修委託契約については、「遠隔研修に係る研修委託契約 ガイドライン」参照。
件や更新する案件については、実施の前々年度に検討を行い、実施の妥当性が認められる案件については、実施の前年度に開発途上国側の要望有無を聴取した上で、実施の可否を決定します。
イ.国別研修
国別研修は、予め日本側から案件のラインアップを提示する課題別研修とは異なり、開発途上国側の個別具体的な要請に基づき実施されるオーダー・メイド型の研修で、分野は課題別研修同様多岐にわたります。
国別研修の多くは、JICA が開発途上国現地で実施する技術協力プロジェクトにおいて、技術移転の対象となる相手国行政官や技術者(カウンターパート)を対象として実施するもので、日本で実際に技術が活用されている現場を視察し理解を深めることを通じ、開発途上国の現場における技術移転を促進することを目的とした研修です。
ウ.青年研修
青年研修は、開発途上国の将来を担う青年層を対象に、日本における専門分野の経験、技術を理解する基礎的な研修を実施することにより、これら諸国の課題解決への取り組みに資する知識や意識を向上させることを目的としています。
青年研修の分野は、行政、教育、農業、社会福祉、経済、保健医療、環境及び情報通信など多岐にわたっており、基本的に各対象国における JICA の援助重点分野又は重点プログラムに基づいて設定されています。
エ.その他の形態
研修事業には、中南米地域の日系社会と日本の連携に主導的な役割を果たす者を対象とする「日系社会研修」、ODA 卒業国・地域からの要請に基づき実施するコストシェア技術協力としての研修、JICA が実施する有償資金協力(円借款)の形成又は効果発現を促進するための研修や、1 年以上主に大学の学位課程(修士・博士)に就学する「長期研修」等、上述の形態以外にも様々な形態があります。
また、課題別・国別・青年研修含め、これらは研修員が日本に来日して行う研修
(本邦研修)ですが、JICA では、相手国や日本以外の第三国で実施する「在外研修」も実施しています。
(3)Knowledge Co-Creation Program (KCCP)について
2015 年に「開発協力大綱」が制定され、その基本方針として、開発途上国と日本の双方向の学びについて、以下の言及があります。
『相手国の自主性、意思及び固有性を尊重しつつ、現場主義にのっとり、対話と
協働により相手国に合ったものを共に創り上げていく精神、さらには共に学び合い、開発途上国と日本が相互に成長し発展する双方向の関係を築いていく姿勢は、開発 途上国の自助努力を後押しし、将来における自律的発展を目指してきた日本の開発 協力の良き伝統である。』
この精神を込めるものとして、2015 年より、本邦における研修事業の英訳を Knowledge Co-Creation Program(KCCP)としており、研修プログラムの中で、研修員同士、また日本側関係者との議論・対話や振り返りを通じて、学び合いを深めることが期待されています。なお、Co-Creation(共創)は、2017 年 7 月に改訂した JICA のビジョンのうち、アクションの 1 つとして掲げられています。
在外研修 |
相手国(第二国(現地国内)研修)や日本以外の第三国(第三国研修)でそれぞれの国が必要とする 研修を行うもの。 |
2020 年度受入実績:1,695 人 |
【JICA 研修員受入事業の形態(図1)】
本邦研修 | 課題別研修 | ||
開発途上国から人材を日本に招き、それぞれの国が必要とする知識や技術に関する研修を行うも の。 | 日本側で予め開発途上国側の課題に対応する研修計画を策定したうえで、複数国からの参加を得 て実施するもの。 | ||
2020 年度受入実績:3,513 人 | 2020 年度受入実績:2,231 人 | ||
国別研修 | |||
開発途上国の国ごとの課題に対 応する内容を実施するもの。 | |||
2020 年度受入実績:558 人 | |||
青年研修 | |||
将来の国づくりを担う青年層の 人材を育成するもの。 | |||
2020 年度受入実績:139 人 | |||
その他 (長期研修、日系社会研修、有償資金協力に関連する研修) | |||
2020 年度受入実績:585 人 |
(1) 課題別研修
1) 計画策定方法
JICA では例年、冬から春にかけて次々年度に新たに開始する案件や内容を見直して更新する案件について検討します。その際には、その案件を日本で実施する意義があるか、分野課題の事業戦略と整合しているか等の観点から検討します。
この検討結果を受けて、課題別研修は、約 140 か国・地域(以下「国」とする。)からそれぞれの政府の意向を聴取し計画を決定しています。
「要望調査」と称するこの各国からの要望聴取のプロセスは次年度に実施する案件を決定するために行われるもので、在外公館と JICA 在外事務所を通じ毎年 7 月頃より行われ、各国からの回答内容の検討を経て、次年度の計画が決
定するのは要望調査が行われた年の 12 月頃となります(詳細は「3.受入業務(事務手続き)の流れ」参照)。
また、より効果的・効率的な受入れ実施のために以下の方針を原則としています。
◆ 開発途上国政府の要望に応える計画決定
要望があがった案件は、可能な限り先方の希望通りに実施できるよう計画を策定します。開発途上国側から要望がなかった案件や要望が少ない案件については実施されません。逆に想定よりも要望が多い場合には、同内容の案件を複数回実施し対応することもあります。
※このように、案件としては1案件でも、要望調査の結果等を受け、複数回 コースを実施する場合もありますので、案件単位で説明する場合には「案件」、個々の研修コース単位で説明する場合には「研修コース」、と以下表記して います。
2) JICA 在外事務所との協働体制構築
上述の計画段階での取り組みにより開発途上国の需要に応える努力を本邦側で行う一方、研修の成果が発現するには開発途上国側の研修への参加目的意識が明確であることが重要となります。
こういった研修対象組織・人選の改善や成果の確認等につき、在外事務所との連携を促進するための具体的方策として、以下を導入しています。
◆ アプリケーションフォーム
相手国政府から本邦研修へ参加要望を出す際に使用する正式な応募書類です。研修への参加要望は、研修員個人ではなく、組織として参加する意図を明確に記入する内容としています。また、組織と参加者本人の双方が、当該研修コースに参加することの目的を詳細に記入する内容としています。
◆ スクリーニングシート
先方政府から推薦された研修員候補者について、資格要件を満たしているか、候補者の所属組織が研修の分野や内容の観点から適切であるか等について各 JICA 在外事務所で確認を行うためのシートです。また、複数の候補者が推薦された場合には、JICA 在外事務所としての優先順位が付されており、 JICA 国内機関での研修員選考時の参考資料となります。
(2) 国別研修
国別研修の多くは、前述のとおり JICA が開発途上国で実施する技術協力プロジェクトの一つの投入として実施されるため、プロジェクトの進捗状況に応じ、必要な本邦研修が年間を通じて随時計画・実施されます。
他方、技術協力プロジェクトの投入としてではなく、国別研修単体として実施するものもありますが、これは(1)課題別研修1)計画策定方法のところで述べた
「要望調査」において相手国政府より要望が挙げられ、日本側で検討のうえ、計画・実施されることになります。
(3) 青年研修
青年研修は約 120 か国から各国政府の意向を聴取し年間計画を決定しています。青年研修の研修計画策定の流れは課題別研修と概ね同様となりますが、課題別研修と異なり研修案件は単年度で計画されています。
①
全体計画策定
②
在外要望調査
③
年間受入計画作成
④
⑤
の作成
ス 募
ク 集
リ ・
ー 応
⑥
受入決定
⑦
来日
ニ 募ン
グ
⑧
ブ 来リ 日ー 当フ 初ィ のン
グ等
⑨
技術研修
⑩
評価会
・閉講式
➃
帰国
⑫
反省会
GI
研修員受入に係る業務(委託契約関係の部分は除く)は、次のような流れで行われています。なお、以下⑥から⑫は、研修受託機関(以下「受託者」という)が関わる部分です。
① 全体計画策定(実施する前々年度の冬~前年度の 5 月)
開発途上国のニーズや JICA の事業戦略を基に各分野(保健医療、水資源・防災、平和構築、運輸交通など)の課題別研修ラインアップを検討し、全体計画を策定します。
② 在外要望調査(実施する前年度の 6 月~8 月頃)
対象国(約 140 か国)に対して、要望調査を行い、在外公館を通じて、開発途上国側の要望を確認します。
③ 年間受入計画作成(実施する前年度の 12 月頃決定)
要望調査の結果に基づき、次年度の各案件(複数回実施の場合は研修コース毎)の割当国、国別受入人数、その他詳細な受入計画を作成します。ただし、新年度早々に開始される研修コースについては最終決定に先立ち受入準備が進められます。
④ GI の作成(課題別研修、青年研修のみ)(研修開始の4か月前)
GI とは「General Information」の略で、課題別研修・青年研修(一部の国別研修)の募集要項のことです。GI には案件の目的、目標、期間、研修内容(カリキュラム)、応募方法、応募資格、連絡先、宿舎等などの説明が記載されています。 GI は電子データで作成しています。
⑤ 募集・応募・スクリーニング(研修開始の4~2か月前)
課題別研修・青年研修の GI は JICA の在外事務所又は在外公館を通じて、研修x xの4か月前(GI が相手国に早めに示されることで、より入念に相手国政府の選
考が行われることが期待できます。)には相手国政府に届くようにします。
GI 送付の対象となるのは、在外要望調査の結果を踏まえ研修コース毎に決定された割当国です。割当国では GI に基づき候補者の人選を行い、候補者が決定すると応募書類(アプリケーションフォーム)を作成し、現地の日本側に提出します。現地の日本側においてはスクリーニングを行い、候補者の適否を判断します。
⑥ 受入決定(研修開始の1か月前)
課題別研修・青年研修の場合には、GI の応募資格等に沿って応募書類(アプリケーションフォーム)の内容を確認し、JICA と受託者等とで選考を行ったうえで受け入れる研修員を選定します。
研修員の一般的な応募資格要件は以下の通りです。
(a) 自国の政府から所定の手続きに従って推薦を受けていること。
(b) 研修で使用する言語につき十分な語学力を有すること。
(c) 当該分野についてZ 年以上の経験を有すること。
(d) 大学卒業又は同等の資格・経験を有すること。
(e) 各研修コースで指定する専門分野に従事していること。
※ 【青年研修】「年齢は 20 歳以上 35 歳未満であること。」を加える。
上記は多くの案件で一般的に使用されている条件ですが、研修内容又は案件の目的によって適切な条件は異なります。応募者の範囲を絞るために、更に種々の条件を付加することもあります。また、本邦研修中に治療、投薬を必要とするような既往症がある場合、研修内容によっては留意が必要です。
⑦ 来日
受入決定後、研修員は来日前に JICA 在外事務所等において来日に伴う説明を受け、在外公館で我が国の査証(研修査証)を取得し、指定された日に、指定されたフライトで来日します。到着空港では、送迎を担う旅行会社が研修員を出迎え、宿舎まで送迎します。研修員は、通常、到着空港の最寄りの JICA 国内機関に宿泊しますが、民間のホテルに宿泊する場合もあります。
⑧ 来日当初のブリーフィング等
来日後、技術研修開始に先立ち、次のようなプログラムが実施されます(JICAが実施)。
◆ ブリーフィング(JICA システムへの登録手続き、説明(メディカルカード、
銀行カード、ミールカード、館内案内等)(全員必須)
日本での生活に必要な基本情報を提供するもので、具体的には銀行カード
(研修員は、JICA 名義の銀行カード貸し出しにより日本滞在中の生活費を引き出します)、メディカルカード(「第2章 研修員の地位、待遇など」>「3.医療保険等」参照)の使用方法、在留カードと住居地届出(「1.日本での法的地位」参照)、研修員の待遇、日本の交通事情などの説明を行います。この他、旅券、査証の有効期限などの確認も併せて行います。
◆ ジェネラル・オリエンテーション
日本の一般事情(政治・行政、経済等)を紹介するもので、主に課題別研修・青年研修参加者を対象に実施します(国別研修参加者も必要に応じ受講可能です)。
なお、研修コース・研修員によっては、このオリエンテーションを実施しない場合もあります。
以下に該当する研修員は、前述のプログラムの他に健康診断を行います。
技術研修前健康診断
★ 受入期間が一定の日数以上に亘る研修員受入期間 91 日以上
受入期間 181 日以上
★ 医療機関での実習を受ける研修員
病院等医療機関での実習が行われる研修員で受入期間が31 日以上の研修員については胸部レントゲン撮影検査(結核対策)が必要となります。それ以外にもワクチン接種等、受入医療機関でのガイドラインに従った対応をする場合があります。
★ その他研修の内容によっては、期間に拘らず健康診断を実施する場合があります
(新生児との接触が予測される案件、学校訪問等子どもとの接触が見込まれる案件など)。
一般健康診断(問診、身体所見、体重、身長、血圧、血液検査、血液生化学検査、血清学的検査、尿検査(検尿)、大便検査(検便)、胸部レントゲン撮影検査、心電図)
胸部レントゲン撮影検査(結核対策)
⑨ 技術研修
研修の講義や実習の開始前に、プログラム・オリエンテーション(技術研修の日程、目的、内容、注意事項などについて説明)を行います。同プログラムが終わると、具体的な研修が始まります。研修内容は一般に、講義、実習、視察、討論及びワークショップ等で構成されます。
⑩ 評価会・閉講式
評価会とは、研修の効果を確認し、また今後の研修改善の参考とするため、研修員から研修内容、その他について意見を聴取するものです。事前に研修員に対して所定の質問票の記入を求め、研修監理員(研修監理員については、次頁参照)が回収、集計、必要に応じて要約を行います。出席者は研修員の他、受託者、研修監理員及び JICA の研修担当者などです。
閉講式とは、研修を無事修了し JICA が別途定める発給基準を満たした研修員に対し、JICA より修了の証として「修了証書」を授与する式のことです。修了証書には、JICA 理事長名で当該研修員が研修を修了したことを証明する旨、記載がなされています。通常、式においては、JICA 国内機関代表、受託者代表、研修員代表がスピーチを行います。
➃ 帰国
研修員は、JICA が指定した日に、指定したフライトで帰国しなければならず、研修期間の短縮や滞在延長、帰路の立寄りは原則として認めていません。なお、在外補完研修を行う場合には、離日後、当該国へ立寄り、所定の補完研修を修了した後にそれぞれの国に帰国します。
⑫ 反省会
本邦研修終了後、反省会を開催し、研修の総括や次回以降の改善案(カリキュラム、運営方針など)等を協議します。出席者は、受託者、JICA の研修担当者などで、研修監理員が参加する場合もあります。
※ 【青年研修】必要に応じ、本邦研修終了後1か月以内を目途に反省会を開催し、研修の総括等を協議します。
研修コースの運営・実施方法は、大きく分けて①JICA が直営で行う場合、②研修分野での専門的な知見・経験とリソース又はネットワークを有する外部機関に国内機関が委託して行う場合の2通りあります。委託して行う場合の実施体制は下図のとおりで、JICA が、受託者・研修監理員とそれぞれ契約を締結し、3者が密接に連携しながら研修コースを運営・実施します。
(1) 研修監理員
JICA は研修監理員との委任契約により各研修コースに研修監理員を配置します。研修監理員は、JICA 研修に同行し、通訳・引率等の研修監理業務を実施します。
なお、研修員の人数が多い場合には、引率等の負荷を考慮し複数の研修監理員を配置する場合があります。
研修監理員の主な業務内容は以下のとおりです。
【研修監理員業務項目】
1. JICA 担当者との確認・連絡・調整
2. メッセージシート・研修日程・旅行日程表(登録言語)の翻訳・作成
3. 研修受託機関等との連絡調整・段取り確認とそれに基づく研修詳細計画書の更新
4. 講義・実習・見学・研修旅行時の引率・同行、通訳
5. 研修員の理解促進(※講師の説明に対する研修員の理解度を把握し、理解が不十分な場合は、講師に補足説明を求める等により研修員の理解を促進する業務)
6. 研修員への各種伝達及び研修関係者間の連絡・報告・調整
7. プログラム・オリエンテーションへの参加・通訳
8. 研修員に対する諸経費(交通費・拝観料・入場料等)の支給代行
9. 教材受領・配布、機材設置(パソコン等)
10. 宿舎変更に係る JICA への連絡
11. 銀行カード・授受簿の回収代行
12. 滞在費調整に係る支払い、返納代行
13. 評価会出席・通訳(評価会要旨作成を含む)
14. 開講・閉講式への参加・通訳
15. 研修員事故・傷病・トラブル(各種ハラスメント含む)時における初動対応及び報告(*)
16. テキストの翻訳・校閲(*)
17. 各種レポート(カントリー/ジョブ/インセプション/アクションプラン等)の回収・翻訳(*)
18. 研修用映像教材の台本翻訳・校閲
19. 研修用映像教材のナレーション収録・録音(外国語)
20. 各種打合せへの参加(*)
21. 質問票の配布・回収・集計・翻訳・要約(*)
22. 研修員等の送迎(*)
23. 各種イベントへの研修員の参加に係る調整・引率・通訳(*)
24. 健康診断引率・通訳(各種検査同行含む)(*)
25. 在留カードの交付に伴う住居地届出等に係る引率・通訳(*)
26. 各種手続き(査証申請・在留期間の更新)に係る引率・通訳(*)
27. 定期券購入に係る引率・通訳(*)
28. 病院同行・通訳(*)
29. ブリーフィング、ジェネラル・オリエンテーション実施場所への引率、通訳、登録言語によるブリーフィング説明代行(*)
30. アクションプランに係るワークショップにおける通訳・ モデレーター(*)
31. その他スポット通訳を要する業務(*)
(*)本業務は研修コースにおいて必ず発生するとは限らない業務です。
なお、留意点は次のとおりです。
⮚ 研修監理員の主な業務内容は上記のとおりですが、教材のコピー、講義に必要な資材の購入等については、研修監理員の業務に含まれません。
⮚ 研修監理員の通訳業務は、研修実施言語⇔日本語の翻訳、逐語通訳です(同時通訳(ウィスパリング含む)、日本語を介さない通訳(外国語から外国語
への通訳)は含まれません)。研修実施上同時通訳等が必要な場合には、JICA国内機関にご相談ください。
⮚ 研修監理員の業務は、講義での通訳等、高い集中力が求められるため、1日の研修プログラムが過度に長時間に及ぶことは想定していません。やむ
を得ず、長時間のプログラムを実施される場合は、複数名の研修監理員を配置することを検討しますので事前に JICA 国内機関にご相談ください。
⮚ 研修監理員へ研修用映像教材の作成業務を依頼する際、研修監理員による
文字起こしは依頼できませんので、ご注意ください。
⮚ 受託者が独自に行うアンケートの集計、翻訳業務は、研修監理員の業務に含まれません。
⮚ 受託者は研修監理員に対して、当初の予定にない配置日の業務や早朝・深夜に及ぶ業務を直接依頼することはできません。同様に突発的な翻訳・校閲作業等の業務を研修監理員に対して直接依頼することもできません。
研修監理員は JICA との委任契約に基づいて業務を行っているため、そのような場合は JICA にて配置の追加を検討しますので、事前に JICA 国内機関にご相談ください。
(2) 研修受託機関(受託者)
JICA との契約に基づき、研修実施に係る業務を実施していただきます。受託者の主な業務内容は第 3 章をご参照ください。
第2章 研修員の地位、待遇など
(1) 在留資格
研修員は、出入国管理及び難民認定法(昭和 26 年政令第 319 号)の規定に基づき、「研修」という在留資格(査証)が与えられます(ただし、1年以上本邦に滞在する長期研修の場合は、在留資格が「留学」となります)。
研修員は出発前に、我が国の在外公館で有効な旅券に査証(ビザ)を取得します。日本入国時に、在留資格と滞在期間が設定され、旅券に入国許可の証印が捺印されます。
なお、ここでいう「研修」とは「本邦の公私の機関に受け入れられて行う、技術・技能・又は知識の習得をする活動」と規定され、この法律により、研修員は収入を伴う事業を運営する活動、又は報酬を受ける活動を禁止されています。従って、研修員は、謝金、謝礼、賞金等一切の報酬を現金もしくは相当するもので受け取ることはできません。
(2) 在留管理制度
在留管理制度(2012 年 7 月 9 日施行)により、本邦に3か月を超えて滞在する中長期滞在者には入国時に在留カードが交付されます。交付された在留カードは常時携帯しなければなりません(不所持の場合、罪に問われることがあります。なお、
3か月以下の滞在の場合には、出入国管理及び難民認定法第 23 条に従い、旅券の 常時携帯義務があります)。同制度に従い、在留カードが交付された研修員は、住 居地を定めてから 14 日以内に、在留カードを持参のうえ、住居地の市区町村の窓 口でその住居地を届け出る必要があります。届出手続などは以下の表のとおりです。
【在留届出手続き等】
住居地届出 | |
条件 | 在留カードを交付され、日本に 3 月を超えて滞在する外国人の義務 |
届出先 | 市区町村役所 |
提出期限 | 住居地の決定又は変更から 14 日以内 |
申請者 | 本人 |
必要書類 | パスポート、在留カード |
申請料 | なし |
住所変更 | (転出)⇒在留カードとパスポートを持参して転出地の市区町村役所に申請し、転出証明書を受領 (転入)⇒在留カード、パスポートと転出証明書を持参して 転入地の市区町村役所に申請 |
JICA が研修員に支給する手当は、渡航費、交通費、宿泊費、生活費、空港使用料、研修旅費、通勤手当、支度料及び資料送付料等です。
JICA では研修員の待遇について、研修員の本国での職位により、準高級研修員及び一般研修員の2種類に分けています。各職位の定義は以下のとおりですが、準高級待遇については、必要に応じて JICA が検討のうえ、決定します。
職位 | 定義 |
準高級研修員 | 中央官庁の課長以上又はこれに相当する地位のもの |
一般研修員 | 上記に相当しない一般の研修員 |
詳細は以下 URL 参照。
技術研修員手当等支給基準:
(参照:xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxx/xxx/xxxxx/xxxxx000000000.xxx)
JICA では、下記内容にて、研修員に対する海外旅行保険に加入しています。その概要は以下のとおりです。
(1) 補償内容
本保険による補償内容は、下表のとおりです。治療・救援費用保険金には、重体に陥ったときの移送費、死亡時の親族の来日に要する経費などが含まれています。必要なときには JICA 国内機関にご照会ください。
担保種目 | 保険金額 | |
傷害死亡・後遺障害 | 500 万円 | |
疾病死亡 | 500 万円 | |
治療・救援費用保険金 | 3,000 万円(上限) | |
傷害治療費用 | ||
疾病治療費用 | ||
救援者費用等 | ||
携行品損害 | 10 万円(上限) | |
賠償責任 | 1 億円(上限) |
(2) メディカルカードについて
研修員が本邦滞在中、傷病により医療機関で診療を受けた場合、その費用は上述の保険で賄われ、原則として本人は負担する必要がありません(適用除外については(3)参照)。
来日時のブリーフィングにおいて、研修員全員に JICA が発行する「メディカルカード」を手渡し、医療機関を受診する場合、このメディカルカードを提示して受診するように研修員に対して説明しています。メディカルカードは、保険会社に診療費を直接請求するように医療機関に依頼する文書であり、医療機関がメディカルカードの使用を受け付けた場合は、研修員は窓口で診療費を支払う必要はありません(メディカルカードには診療費の請求方法や請求先詳細が記載されています)。なお、受診する医療機関によっては、メディカルカードを受け付けない場合があ ります。その場合は、研修員が診療費を立て替え、後に領収書を添えて保険会社に
請求することになります。
(3) 適用除外
メディカルカードでは、次のような内容の診療については補償の対象とならず、費用は本人負担となります。
(a) 故意又は重大な過失によるケガ、病気
(b) 来日前からの傷病の診療(既往症)
(c) 妊娠又は分娩にかかる医療処置及びこれに起因する疾病の診療
(d) 緊急な診療を要しない歯科疾病の療養
(e) 美容を目的とした整形及び歯の矯正
(f) 眼鏡の購入
上記のとおり、来日前に発症が確認されていた既往症や、本邦到着前に急に発症した場合については補償の対象外となります。ただし、治療の必要性・緊急性に応じ、JICA 国内機関にご報告、ご相談のうえ、研修員にはメディカルカードで治療を受けてもらい、保険会社から別途 JICA に請求がなされる形で、必要な治療を受けることができます。原則として、その後、JICA は研修員に対して治療費の支払いを求めることになります。
(4) その他の補償
前述の海外旅行保険では、医療費、死亡時の保障の他に、研修員が誤って他人に損害(ケガをさせたり、物を壊したり)を与えた場合の損害賠償が補償されます。ただし、研修実施中に発生した損害(例えば、実習用機器の破損等)は補償の対 象外となります。万が一、そのような損害が発生した場合は、JICA 国内機関にご相談ください。
第3章 研修委託契約とは
研修員は来日すると、通常、研修員の身分や待遇等に係るブリーフィング、日本の政治・経済等に係るジェネラル・オリエンテーション(実施しない場合もあります)及び研修の日程・目的等に係るプログラム・オリエンテーションを受講します。これらのブログラムが終わった後、各研修テーマについての研修が開始されます。プログラム・オリエンテーション以降を「技術研修」と呼び、技術研修の開始から終了(通常評価会の日)までを「技術研修期間」と呼びます。技術研修を JICA 国内機関が受託者に委託して実施する場合、JICA 国内機関と受託者との間で契約(以下「研修委託契約」という。)を締結します。
研修委託契約の概要は以下のとおりです。
(1) 受託者の選定
受託者は、各研修の目標を達成するため、課題分野における専門性、経験、実績、体制等を有する組織から、最も相応しいところを、原則として競争により選定します。
(2) 研修経費の積算方法
研修委託契約の実施にあたり必要な経費は、以下の 2 種類の方式で積算します。いずれの方式により契約するかは JICA 国内機関と受託者との間で協議のうえ、決定します。
◆ 研修実施経費積上方式(以下「積上方式」という。)
JICA が定める基準に基づいて、講義等の謝金、研修旅費、資材費、業務人件費等を概算で積算して契約金額とする契約方式で、研修実施後に経費精算報告が必要となります。
◆ 研修実施基準単価方式(以下「基準単価方式」という。)
研修1件ごと(研修員の人数に関わらず)の「日額単価」に技術研修期間(日数)を乗じて契約金額とする方式で、この場合、研修実施経費の積算及び研修実施後の精算手続きを大幅に簡略化することができます。
経費の費目構成、各方式における単価、また、見積書作成における留意事項などについては、「研修委託契約における見積書作成マニュアル」をご参照ください。
⮚ 大学法人等が受託者となる場合は、当該大学法人等が定める「外国人受託研修員規程」等に基づき、契約を締結することが可能です。
(3) 研修委託契約書の構成
∙ 契約書
∙ 契約約款
∙ 附属書Ⅰ「業務実施要領」
∙ 附属書Ⅰ別紙
・研修実施計画書
・研修日程表
∙ 附属書Ⅱ「経費内訳書」
・経費内訳書別紙(※積上方式のみ)
・業務従事者配置計画表(※積上方式のみ)
・資材・教材リスト(※積上方式のみ、JICA 指定の見積書様式を用いる場合は、資材・教材リストが見積書に含まれているため不要)
研修委託契約は、当該研修コースを所管する JICA 国内機関長と受託者の代表者との間で締結されます。研修委託契約書の構成は、以下のとおりです。
研修委託契約書・研修委託契約約款等は以下 URL 参照。
(参照:xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxxxx/xx_xxxxx/xxxxxxxxx.xxxx)
(4) 契約の履行期間
履行期間とは、契約締結日以降、契約を交わした両者が合意のうえで、契約に基づいて約束事を実行する期間、履行開始日から終了日までの期間を言います。研修委託契約では、技術研修期間(※)に事前準備及び事後整理期間として、それぞれ
1か月以内の期間を加えた期間を目安とします。また、1か月以内に業務を遂行することができない(選考会等が技術研修開始日の1か月以上前に行われる、経費支
払い処理の都合等)と判断される場合は、1か月を超える期間を設定することができます。ただし、年度末については履行期限を 3 月下旬までとする必要があります
(複数年度契約を除く)。いずれの場合も、事前に JICA 国内機関と協議のうえ、業務の実態に合わせて、履行期間の設定をしてください。
なお、履行期間開始前及び精算報告書の提出日以降に受託者が支出した場合は、 経費として認められませんので、履行期間は支払時期を十分考慮して設定してください。
※ 「技術研修期間」とは、受入期間(研修員の来日日から離日日まで)から到着後のブリーフィングなどの期間及び閉講式以降の滞在期間を除いた期間です。到着後のブリーフィング、ジェネラル・オリエンテーションと技術研修(プロ
グラム・オリエンテーション含む)を同日に実施する場合、その日は技術研修期間に含まれます。また、評価会と閉講式は同日に開催される場合が多く、その場合は閉講式も技術研修期間に含まれます。
来
ブリ
日 ー
日 ィ
フ
閉 離
講 日
式 日
ング等
技術研修期間
契約履行期間
評
技術研修 価
(プログラム・オリエンテーション含む) 会
受入期間
1か月が目安 1か月が目安
(5) 個人情報等について
受託に際して、JICA より入手した秘密情報及び個人情報については、研修委託契約約款第 26 条及び第 27 条に基づき、委託業務終了時に、当該媒体を返却し、又はこれに含まれる情報を復元できないよう消去もしくは当該媒体を破壊したうえで廃棄したことを情報廃棄報告書にて報告していただきます(業務完了報告書と共に提出する業務提出物となります。業務完了報告書、業務提出物については、「研
修委託契約における経費精算✲告書作成マニュアル参照)。ただし、契約履行期間終了後、研修員からの質問・相談に対応するために必要な個人情✲を引き続き保持する申し出をしていただくことは可能です。
JICA 個人情✲保護に関する実施細則:
(参照:xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxx/xxx/xxxxx/xxxxx000000000.xxx)
研修委託契約書に基づいて、本邦研修で受託者に行っていただく業務内容は次のとおりです。なお、業務内容は研修コースにより異なる場合がありますので、各国内機関と契約時に確認してください。
1. 研修日程調整及び研修詳細計画書の様式を用いた日程案の作成
2. 講師・見学先・実習先の選定
3. 講義依頼、講師派遣等依頼及び教材作成依頼文書の作成・発信
4. 教材の複製や翻訳についての適法利用の確認
5. 講師・見学先への連絡・確認
6. JICA、省庁、他関係先等との調整・確認
7. 講義室・会場等の手配
8. 使用資機材の手配(講義当日の諸準備含む)
9. テキストの選定と準備(翻訳・印刷業務含む)
10. 講師への参考資料(テキスト等)の送付
11. 講師からの原稿等の取付け、配付等の調整、教材利用許諾範囲の確認及び JICA への✲告
12. 講師・見学先への手配結果の✲告
13. 研修監理員との連絡調整
14. プログラム・オリエンテーションの実施
15. 研修員の技術レベルの把握
16. 研修員作成の技術レポート等の評価
17. 研修員からの技術的質問への回答
18. 研修旅行同行依頼文書の作成・発信
19. 評価会、技術討論会(各種レポート発表会含む)の準備、出席
20. 閉講式実施補佐
21. 研修監理員からの✲告聴取
22. 講義・見学謝金支払い、明細書送付を含む諸経費支払い手続き
23. 業務完了✲告書作成、経費精算✲告書作成
24. 関係機関への礼状の準備・発信、資材資料返却
受託者の業務は前述のとおりですが、研修受託の検討にあたり、計画策定・実施段階において、特にご留意いただきたい点は以下のとおりです。これ以外にも、個々の研修コース内容に応じ、JICA 国内機関より留意点を付加させていただく場合がありますので、ご了承願います。
(1) 研修の計画に関すること
研修委託契約の締結にあたり、案件の目標や目標達成のために必要な単元の構成などの基本的な枠組みを契約書附属書Ⅰ「業務実施要領」別紙「研修実施計画書」に規定させていただきます。そうした枠組みの範囲内で講義、視察、実習、演習などの具体的な研修項目を検討のうえ、講師や視察先等と調整いただき、詳細な日程などの計画を受託者にて作成いただきます。その際には先ず、案件目標の達成状況を確認するための指標や、案件目標を達成するステップとしての単元目標を設定し、そのうえで必要な研修項目を検討してください。
日本と開発途上国の状況は一般に大きく異なり、日本の経験を伝えることで研修員の気づきを触発し、応用を促すには、通常の講義・視察等を超えた「工夫」が必要です。JICA では、こうした効果的な研修のノウハウを蓄積していますので、JICA 国内機関と密に連携のうえ、計画を策定するようお願いします。
なお、JICA から提示させていただく基本的枠組みは、国との調整を経て確定されていることから、業務委託の段階で大きく変更することは困難ですので、この点を予めご了承のうえ、受託をご検討ください。
また、事前に JICA を通じて講義・訪問等の依頼を行う必要のある機関や研 修依頼の窓口部署が定められている機関(特に省庁関連)もあることから、日程策定にあたっては、JICA に確認したうえで、先方への打診等必要な手続きを行ってください。
(2) 研修の実施に関すること
1) 研修目的や成果の達成状況及び課題の確認の重要性
計画した研修を実施する段階では、研修員の理解度を把握し、目標達成に向け導いていただくことが大変重要となります。このためには、研修開始当初に目標を確認することや、中間段階の節目で達成状況を確認することをできるだけ行ってください。
また、研修員と講師・視察先は、互いの状況について予備知識を持ち合わせていないことが少なくありません。こうした場合には、両者の間に入り、研修員に対しては各講義・視察の狙いや単元目標との関連を説明するなどし、講師や視察先に対しては研修員側のニーズや疑問点を伝えるようにすることで、研
修の効果は大きく高まります。
2) 研修監理員との業務内容の調整・確認
研修には基本的に研修監理員が同行し(ただし、長期研修等、研修監理員が配置されない研修コースもあります)、研修員の引率や通訳、現場における補助業務等を行います。このため、研修員を引率する場所や集合時間、講義や実習の際に必要な業務等につき、常に研修監理員との間で調整・確認する必要があります。担当する研修監理員が決まり次第、JICA 国内機関より、研修監理員の氏名及び連絡先をお知らせしますので、受託者や協力機関から必要に応じて研修監理員にご連絡ください。また、研修監理員が講義や視察で通訳を行う場合は、内容に即した的確な通訳を行うことができるよう、事前に資料(翻訳前原稿を含む。)の提供をお願いします。
(3) 講師(実習指導者を含む)の確保に関すること
受託者は必要に応じ協力機関と協議のうえ、当該研修に適した講師を選定し、講義を依頼願います。上述3(1)のとおり、講義依頼にあたっては、事前に JICAを通じて調整が必要となる場合もありますので、必ず依頼前に JICA とこの点を確認するようお願いします。
また、講師は、研修効果を高めるうえでも可能な限り研修実施言語(英語含む)で講義ができる講師を選定願います。
(4) 講義(実習指導を含む)の実施に関すること
1) 講義場所(実習室)の確保
JICA 国内機関内のセミナールームを利用して講義・実習することが可能です。各セミナールームでは、パソコン、プロジェクター等の準備・設置も可能です。
(各国内機関により準備・設置可能な機材が異なります)。
ただし、JICA のセミナールーム利用にあたっては、USB メモリの使用制限等のルールもありますので、セミナールームや機材の使用を希望される場合は、事前に JICA 国内機関にご相談ください。
2) 教材の準備、翻訳・印刷
教材の準備にあたっては、受託者にて、教材の選定・要不要、妥当性についての確認を行い、講義・実習に最低限必要な分量に絞り込むようお願いします
(テキストの分量目安は、「研修委託契約における見積書作成マニュアル」の原稿謝金の項目も参照願います)。
また、受託者において翻訳・印刷業者を選定することが困難な場合には、JICA
国内機関にご相談願います。(相談の結果、JICA が契約する翻訳業者へ発注する場合には、原則として研修開始の3週間以上前の原稿送付が必要となります)。
(5) 研修教材の著作権処理に関すること
1) 講師等への研修依頼と利用許諾内容の確認
講師等が作成した研修教材について、その利用許諾内容を確認していただきます(当該講義のみでの利用、研修員帰国後の研修員所属機関等での利用、必要に応じて JICA 他事業での利用等)。
2) 講師等による教材作成時のコピーや翻訳についての適法利用確認
研修教材作成時の注意事項について、講師への説明をお願いします。例えば、教材の中で、引用の範囲を超えて第三者が著作権を有する著作物を転載、あるいはその現物を使用する際には、講師等が第三者に対して、利用目的と利用条件(範囲)に基づいて利用許諾を得る必要があることを、原稿依頼時に説明していただきます。
3) 教材ごとの著作権処理に係る JICA への✲告
ご確認いただいた教材ごとの利用条件を一覧にまとめ、業務提出物として研修教材一式共に JICA に提出していただきます。講師等から取付けた利用許諾書(原本)及び第三者著作物の利用がある場合はその原著作者からの利用許諾書(原本)は、受託者にて保管いただきます(保管年限は契約約款に定める)。原本のJICA への提出は不要です。
なお、著作xxの観点からすると、使用する全ての教材に対して確認処理を行うことが望ましいですが、運用上は JICA 負担により翻訳した教材及び原稿謝金を支払う教材を確認対象とします。また、一度取付けた利用許諾書は、課題別研修で3年間継続して実施する研修においては、翌年度以降、同一講義内容である限り再取付け不要です。
著作権処理に関する詳細、各種様式については、「研修事業における著作権 ガイドライン」を参照願います。
なお、遠隔研修における著作物の著作xxの権利処理については、「遠隔研 修に係る研修委託契約ガイドライン」をご参照ください。
(6) 関連施設視察(研修旅行を含む)の実施に関すること
1) 視察用教材の事前確認・準備
講義と同様、視察用教材(説明事項のレジュメ等)についても、視察先と調整のうえ、事前にご確認(教材の選定、要不要、参考資料の妥当性についての確認を含む。)・ご準備いただくようお願いします。
2) 視察先への同行
研修監理員が同行しますが、当日の視察先との連絡調整や、研修効果を適切に把握するために、受託者も同行するようお願いします。
(7) 評価会及び閉講式
通常、技術研修期間の最終日に、評価会を行います(研修期間が6か月以上など比較的長い場合には中間評価会を開催する場合もあります)。
また、評価会と同日に閉講式を行うことが一般的です。評価会及び閉講式は JICA主催で実施しますが、受託者も出席し、また、準備や実施にあたっての補佐も行っていただきます。
(8) 遠隔研修
遠隔研修においても、研修委託契約や同契約における見積・契約管理・精算等は、原則「研修員受入事業及び研修委託契約の概要」「研修委託契約における見積書作成マニュアル」「研修委託契約における契約管理ガイドライン」「研修委託契約における経費精算✲告書作成マニュアル」に沿った対応となりますが、運用の目安について「遠隔研修に係る研修委託契約ガイドライン」にて説明していますのでご確認ください。
■遠隔研修における研修委託契約ガイドライン: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxxxx/xx_xxxxx/xxxxxxxxx.xxxx