慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬に関する共同プロモーション契約の締結について
No.11-74 2011 年 11 月 18 日
エーザイ株式会社
慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬に関する共同プロモーション契約の締結について
エーザイ株式会社(本社:xxx、社長:xxxx、以下「エーザイ」)と、ノバルティス ファーマ株式会社(本社:xxx、社長:xxxx、以下「ノバルティス ファーマ」)は、このたび、ノバルティス ファーマが本年 9 月 20 日に発売した慢性閉塞性肺疾患(COPD: Chronic Obstructive Pulmonary Disease)治療薬「オンブレス®吸入用カプセル 150μg」(一般名:インダカテロールマレイン酸塩、以下
「オンブレス」)、ならびに COPD 治療薬として開発中の NVA237(一般名:臭化グリコピロニウム)と QVA149(一般名:インダカテロールマレイン酸塩/臭化グリコピロニウム)に関して、共同プロモーション契約を締結いたしました。
この共同プロモーション契約に基づき、「オンブレス」については 12 月1日より、ノバルティス ファーマは大学病院や基幹病院を中心に、エーザイは一般病院やかかりつけ医を中心にプロモーションを行うことになり、両社で情報提供活動の更なる充実をめざします。なお製造・販売はこれまで通りノバルティス ファーマが行います。また、NVA237 とQVA149 については、発売後に共同プロモーションを開始することになります。
今回の共同プロモーション契約は、初回投与時の速やかな効果発現および 24 時間効果が持続するという両方の特徴を兼ね備えた新しい長時間作用性気管支拡張剤である「オンブレス」と、それに続くCOPD 治療薬として第3 相臨床試験を実施中のNVA237 ならびに、これらの配合剤であるQVA149の製品価値の最大化を目指すノバルティス ファーマと、内科領域における製品ラインナップの更なる充実を目指すエーザイの意向が合致したことから実現したものです。
COPD は、たばこの煙などの有害物質を長期間にわたり吸入することで発症する肺の進行性慢性疾患です。主な症状は、咳、痰や動作時の呼吸困難などで、患者様の QOL が著しく低下するだけでなく、症状が徐々に進行して、やがて呼吸不全を起こす病気です。現在、国内の医療機関で COPDと診断された患者様は約 17 万 3 千人1)と報告されている一方、疫学研究から得られたデータからは 530 万人 2)と推定されており、未治療の COPD 患者様が多数存在することが示唆されています。当社は、日本において、ノバルティス ファーマとともに、より多くのCOPD 患者様に、一日でも早く新たな治療選択肢を提供したいと考えています。
両社は今回の共同プロモーションの合意により、COPD 治療領域におけるプレゼンスの強化をはかり、シナジー効果を発揮することで、COPD 患者様のアンメット・メディカル・ニーズの充足とベネフィットの向上に、より一層貢献してまいります。
以上
[参考資料として、オンブレス、NVA237 および QVA149 について添付しています]
参考資料
1. オンブレスについて
「オンブレス」はノバルティス(本社:スイス)が開発した薬剤で、現在 70 カ国以上で承認されており、日本で
は本年 9 月 20 日に発売されました。本剤は、吸入後 5 分から気管支拡張効果が発現し 3)4)、1 日 1 回の吸入で呼吸機能改善効果が 24 時間持続する 5)6)7)即効性と持続性の両方を兼ね備えた初めての長時間作用性吸入β2 刺激剤(LABA: Long-Acting β2 Agonist)です。
【製品概要】
製 品 名 | : オンブレス®吸入用カプセル 150μg(Onbrez® inhalation capsules 150μg) |
一 般 名 | : インダカテロールマレイン酸塩(Indacaterol maleate) |
効 能 ・ 効 果 | : 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症 状の緩解 |
用 法 ・ 用 量 | : 通常、成人には 1 回 1 カプセル(インダカテロールとして 150μg)を 1 日 1 回 本剤専用の吸入用器具を用いて吸入する。 |
承 認 日 | : 2011 年 7 月 1 日 |
薬価基準収載日 | : 2011 年 9 月 12 日 |
薬 価 | : 150μg 1 カプセル 139.60 円 |
発 売 x x 日 | : 2011 年 9 月 20 日 |
製 造 販 売 | : ノバルティス ファーマ株式会社 |
販 売 x x | : エーザイ株式会社 |
2. NVA237 および QVA149 について
NVA237 は、長時間作用性抗コリン剤(LAMA: Long-Acting Muscarinic Antagonist)で、現在、1 日 1 回吸入 COPD 治療薬として開発が進められており、日本では第 3 相臨床試験を実施中です。NVA237 は、ノバルティスが 2005 年 4 月にベクチュラ社およびその共同開発パートナーであるそーせいグループ株式会社から導入したもので、ノバルティスが全世界の独占的開発・販売権を有しています。
QVA149 は、LABA の「オンブレス」と LAMA の NVA237 との配合剤で、現在、1 日 1 回吸入 COPD 治療薬として開発が進められており、日本では第 3 相臨床試験を実施中です。
1)厚生労働省「2008 年 患者調査」
2)The Nippon COPD Epidemiology (NICE) Study – xxら, Respirology, 2004
3)Balint B, Xxxx H, Xxxx C, et al. Onset of action of indacaterol in patients with COPD: Comparison with salbutamol and salmeterol-fluticasone. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2010;5:311-318.
4)Xxxxxxxxxx C, Xxxxx-Xxxxxx D, Xxxxx J, et al. Indacaterol provides 24-hour bronchodilation in COPD: a placebo-controlled blinded comparison with tiotropium. Respir Res 2010;11(1):135.
5)Donohue JF, Xxxxxxx C, Xxxxxxx J, et al. Once-daily bronchodilators for chronic obstructive pulmonary disease: Indacaterol versus tiotropium. Am J Respir Crit Care Med 2010;182:155-162.
6)Xxxx R, Xxxxx KF, Xxxx R, et al. Efficacy of a new once-daily long-acting inhaled β2-agonist indacaterol versus twice-daily formoterol in COPD. Thorax 2010;65(6):473-9.
7)Xxxxxxxx O, Xxxx R, Xxxxxxxx S, et al. Once-daily indacaterol vs twice-daily salmeterol for COPD: a placebo-controlled comparison. Eur Respir J 2011;37:273-279.