PFSの導入
令和2年度より新たに500億円を追加し、保険者努力支援制度の中に、「事業費」として交付する部分を設け、「事業費に連動」して配 分する部分と合わせて交付することにより、自治体における予防・健康づくりを抜本的に後押し
事業費部分(200億円(※))
都道府県の事業計画(市町村事業を含む)に対して、事業費を交付
※ 現行の国保ヘルスアップ事業を統合し事業総額は250億円
予防・健康づくりに関する評価指標を用いて、各都道府県に交付金を配分
事業費連動部分(300億円)
交付
提出
都道府県
交付
提出
市町村
【交付金のプロセス】
(当年度)
① 市町村は、市町村事業計画を作成し、都道府県に提出
<計画提出・交付の流れ>
② 都道府県は、市町村事業計画を踏まえた都道府県事業計画を作成し、国に交付申請
③ 国は、都道府県事業計画の内容を審査の上、交付決定し、都道府県に事業費を交付
④ 都道府県は、市町村に対し、市町村事業に係る事業費を交付
⑤ 都道府県、市町村において事業を実施
(翌年度)
⑥ 実績報告、国庫返還
市町村事業計画
都道府県事業計画
国
【交付金の配分方法】
○ 都道府県ごとに、以下の評価指標に基づいて採点
① 予防・健康づくりに関する評価 【150億円】
② 「重点事業」の取組状況 【100億円】
③ 「重点事業」の事業評価 【50億円】
○ 上記の①~③について、それぞれ、
都道府県ごとの「点数」×「合計被保険者数」=「総得点」を算出し、総得点で予算額を按分して配分 ※保険者努力支援交付金(既存分)と同様
【交付金のプロセス】
(前年度)
① 国において、評価指標を決定・提示
(当年度)
② (都道府県事業計画を踏まえつつ) 評価指標に基づいて採点
③ 国は、採点結果に基づいて交付決定し、都道府県に交付金を交付
④ 都道府県は、当年度の保険給付費に充当する形で予算執行
⇒ 結果として生じる剰余金については、翌年度以降の調整財源として活用
介護保険保険者努力支援交付金・保険者機能強化推進交付金
趣 旨
○ 平成29年地域包括ケア強化法において、高齢者の自立支援・重度化防止等に向けた保険者の取組や都道府県による保険者支援の取組が全国で実施されるよう、 PDCAサイクルによる取組を制度化
○ この一環として、自治体への財政的インセンティブとして、市町村や都道府県の様々な取組の達成状況を評価できるよう客観的な指標を設定し、市町村や都道府県の高齢者の自立支援、重度化防止等に関する取組を推進するための保険者機能強化推進交付金を創設
○ 令和2年度においては、公的保険制度における介護予防の位置付けを高めるため、保険者機能強化推進交付金に加え、介護保険保険者努力支援交付金(社会保障の充実分)を創設し、介護予防・健康づくり等に資する取組を重点的に評価することにより配分基準のメリハリ付けを強化
<市町村分> 1 配分 介護保険保険者努力支援交付金200億円のうち190億円程度 保険者機能強化推進交付金200億円のうち190億円程度 | <都道府県分> 1 配分 介護保険保険者努力支援交付金200億円のうち10億円程度 保険者機能強化推進交付金200億円のうち10億円程度 |
2 交付対象 市町村(特別区、広域連合及び一部事務組合を含む。) 3 活用方法 国、都道府県、市町村及び第2号保険料の法定負担割合に加えて、介護保険特別会計に充当 なお、交付金は、高齢者の市町村の自立支援・重度化防止等に向けた取組を支援し、一層推進することを趣旨としていることも踏まえ、各保険者は、交付金を活用し、地域支援事業、市町村特別給付、保 健福祉事業を充実し、高齢者の自立支援、重度化防止、介護予防等 | 2 交付対象 都道府県 3 活用方法 高齢者の自立支援・重度化防止等に向けて市町村を支援する各種事業(市町村に対する研修事業や、リハビリ専門職等の派遣事業等)の事業費に充当。 |
に必要な取組を進めていくことが重要。 |
各市町村が行う自立支援・重度化防止の取組及び都道府県が行う市町村に対する取組の支援に対し、それぞれ評価指標の達成状況(評価指標の総合得点)に応じて、交付金を交付する。
【主な指標】 ① PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化 ④ 介護予防の推進
② ケアマネジメントの質の向上 ⑤ 介護給付適正化事業の推進
③ 多職種連携による地域ケア会議の活性化 ⑥ 要介護状態の維持・改善の度合い
概 要
<参考>平成29年介護保険法改正による保険者機能の強化
データに基づく地域課題の
分析 取組内容・ 目標の計画への記載
国による分析支援
保険者機能の発揮・向上(取組内容)
・ リハビリ職等と連携して効果的な介護予防を実施
・ 保険者が、多職種が参加する地域ケア会議を活用しケアマネジメントを支援 等
都道府県が研修等を通じて市町村を支援
適切な指標による実績評価
・ 要介護状態の維持・改善度合い
・ 地域ケア会議の開催状況
等
インセンティブ
・ 結果の公表
・ 財政的インセンティブ付与
3
令和元年度までの厚生労働省の取組
背景:保健福祉分野で、「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」の枠組みを活用した社会的事業をモデル的に実施し、
評価指標、民間資金の獲得に向けた条件等について検証を行い、社会的事業の開発・普及を目指すモデル事業を実施
(H29~R1年度)
概要:以下の2つの類型に分けて、成果指標、成果に応じた報酬の在り方などについて、モデル事業を実施
①特定課題型(成果連動の財政支援の仕組みを導入するための課題抽出や手法を検討)
・・・保健福祉分野における特定の社会的課題の発生又は深刻化を予防するため、当該課題を有する個人に対し支援・介入を行う事業であって、その成果が個人レベルで生じた変化の集積として捉えられるもの。
※令和元年度は、フリースクール、糖尿病重症化予防、大腸がん検診の受診勧奨、引きこもりへのアウトリーチ支援、ショッピングリハビリの5事業を実施。
②地域課題型(ロジックモデル、成果指標などの有効な評価の枠組みの検討・開発)
・・・地域における様々なつながりを育み、住民の社会参加や地域で十分に活用されていない物的・人的資源の活用を促すため、個人や地域に対し支援・介入を行う事業であって、その成果が個人レベルで生じた変化の集積だけでなく、地域レベルで生じる変化にも波及するもの。
4
厚生労働省が各民間事業者と取り組んできた
「成果連動型民間委託契約方式(Pay For Success:PFS)モデル事業」の取り組み事例をご報告いたします。
自治体事業に更なる成果を求めたい…
費用対効果を高める工夫が欲しい…
試行錯誤しながら、柔軟に対処方法を 変更できる!
旧来のやりかたではなく、新しいやり方が試せる!
PFSの導入
PFSって
何??
行政課題の解決にむけて、
民間事業者を活用すること/新たな手法を活用すること/成果連動型民間委託契約方式を
活用すること等に興味がある方は是非ご覧ください!
厚生労働省 政策統括官(総合政策担当)付政策統括室 5
PFSって
何??
PFSは「Pay For Success」の略で、民間事業者との委託スキームの1つであり、 PFSアクションプラン(※)においては、以下のように定義されています。
・地方公共団体等が、民間事業者に委託等して実施させる事業のうち、
・その事業により解決を目指す行政課題に対応した成果指標が設定され、
・地方公共団体等が当該行政課題の解決のためにその事業を民間事業者に委託等した際に支払う額等が、 当該成果指標の改善状況に連動するもの
※ xxxxx://xxx0.xxx.xx.xx/xxx/xxxxxxxxxx.xxx
活用すると何が良い の?
・従来の委託スキームでは、業務委託契約において委託される業務の仕様が決まっており、業務を受託した民間事業者は当該仕様に則り業務を実施すれば成果にかかわらず、予め定めた委託料が支払われることとなります。一方、PFSによる事業では、地方公共団体等が民間事業者に業務委託する際に、その委託料等が、事業の成果指標の改善状況に連動すると いう契約を行います。また、その際、民間事業者に一定の裁量を持たせるような委託等の契約を行うため、事業の実施手法をより改善をしていこうというインセンティブが働くことになります。
・成果指標の改善状況に応じて、委託料等が支払われることとなるこのスキームは、下記のような時に活用するのが有効とされています。
どのような時に活用するの?
PFSの活用により期待される効果をより引き出せると考えられる場面として、以下のようなものがあります。
どうやったら活用できるの?
PFSは事業委託スキームの考え方の1つとなります。
③新たな課題の解決に 取り組みたい場合
行政では難しい民間事業者の柔軟な発想や手法を期待できる
②民間事業者の活用により 事業成果の改善が期待できる場合
PFSは支払額等と成果指標の改善状況を連動 させる仕組みであるため、民間事業者の事業意欲
の向上が期待できる
①事業の効果的・効率的な実施を求めたい場合
民間事業者に行政よりも新しい技術やノウハウの蓄積等を持つケースがあるため、効果的・効率的の事業実施観点からメリットがある
もしPFSをもっとよく知りたい、質問をしたい、という場合は下記をご参照ください。
・各事例の更なる詳細についてはPFSポータルサイトをご覧ください。 xxxxx://xxx0.xxx.xx.xx/xxx/xxxxx.xxxx
令和2年度内に内閣府において、PFSガイドラインを策定・公開予定
・PFS全般に関するお問い合わせについては下記をご参照ください。 xxxxx://xxxx.xxx.xx.xx/xxxxxx0/xxxxxxx-0000.xxxx
・後述するモデル事業については下記にお問い合わせください。
厚生労働省政策統括官(総合政策担当)付政策統括室 00-0000-0000(直通)
モデル事業の目的
【保健福祉分野における社会的事業の開発・普及】
保健福祉分野において、成果連動型民間委託契約の枠組みを活用して社会的事業を試行的に実施し、社会的事業の成果を測定する指標の設定、事業成果に基づく報酬の設定と行政や民間資金等の提供者との契約締結などの環境整備、行政による財政支援の成果指向型への改革等について、その課題や有効性の検証を実施。
○平成29年度から令和元年度までの3年間、以下のモデル事業を実施。
特定課題型事業・・・保健福祉分野における特定の社会的課題の発生又は深刻化を予防するための事業。
→例:糖尿病重症化予防、大腸がん検診の受診勧奨、ひきこもりのアウトリーチ支援 等
各事業の実施のプロセス
社会的事業の計画
実施
評価
支払
モデル事業の枠組み
・地方公共団体、中間支援組織、サービス提供者、第三者評価機関等によるコン ソーシアムを形成。 ・事業実施に当たって、ロ ジックモデル・成果指標・資金計画等を定めた事業計画を策定。 | ・コンソーシアムで合意された事業計画に基づき、社会的事業を実施。 ・事業の実施過程で、必要に 応じて事業の実施手法等に ついて検討し、改善を図る。 | ・事業実施後、社会的事業の成果について予め設定した成果指標を用いて第三者評価機関による評価を実施。 ※本モデル事業では、別途有識者委員会を設置し第三者評価の精査を行った。 | ・第三者評価の報告を踏まえ、支払条件に基づき委託費の 支払いを行う。 |
モデル事業一覧(主な取組み)
※複数年継続した事業者は最終年の取組を記載
事業 | No. | タイトル | 自治体 | 概要 |
特定課題型 | 1 | 薬剤師等の指導による糖尿病重症化予防 | xxx多摩市 | 糖尿病の重症化予防のために、薬剤師が通常の服薬指導のみならず、食事・運動等の生活習慣についての“コーチング”を行う、新たな保 健指導を実施 |
2 | ナッジ理論及びSMSを活用した大腸がん検診の受診勧奨 | 沖縄県浦添市 | 大腸がん検診受診対象者に受診勧奨を行い、大腸がん検診の受診者数増加を目指す | |
3 | 多剤投薬者等への服薬見直しの勧奨による健康増進と医療費適正化 | 大分県xx市、xx市、豊後xx市 | 健康増進及び医療費適正化を目指して、県及び県下3市において個別周知やチラシの配布により重複服薬の適正化を図る | |
4 | レセプトデータ等を活用した受診勧奨による糖尿病重症化予防 | 奈良県天理市 | 糖尿病の重症化リスクの高い者に対し、症状の程度に応じた受診勧奨策を実施 | |
5 | ショッピングリハビリ(総合事業)の提供による高齢者の身体・認知機能の維持改善 | 島根県雲南市 | 高齢者を対象に、介護予防及び地域の中での地理的・社会的孤立の 予防・解消を目指すため、ショッピングセンターにサロンを開設し、専用のショッピングカートを用いながらお買い物を通じたリハビリ テーションを実施する。ほかにも、健康体操の実施や様々な相談等 も行っている。 | |
6 | リハ専門職によるアセスメントを通じた要支援認定者の生活自立支援 | 熊本県xx市 | 介護給付費の適正化に向け、リハビリテーション専門職を配置し、福祉用具・住宅改修利用に関する助言や自立支援プログラムを提供 | |
7 | 包括的支援による養育里親の質・量の向上 | 大阪府 | 社会的養護を必要とする児童に対して家庭と同様の養育環境を整備するため、養育里親のリクルートからトレーニング終了後のサポートまでを包括的に実施し、里親登録数等の向上を図る | |
8 | フリースクール事業による不登校の子どもへの相談・通学指導を通じた自立支援 | 大阪府xx市 | 様々な課題を抱え、既存の学校の枠に入りきらない子どもに対し、他者と関わりが持てる「場」を提供することで、不登校や引きこもりなどの社会的孤立を防ぎ、将来の自立を支援 | |
9 | 引きこもり等の社会的孤立者へのアウトリーチによる就労に向けたステップアップ支援 | xx県xx市 | 引きこもり等の社会的孤立状態の方に対し、就労意欲の喚起、さらには就労による自立を促すためのxxxxxxのアウトリーチを実施 |