Contract
ガス受託製造約款
2019 年 3 月 31 日実施株式会社JERA
ガス受託製造約款 目次
Ⅰ.基本事項 1
1.約款の適用 1
2.この約款の届出および変更 1
3.用語の定義 1
4.引受条件 3
5.基本契約の契約期間 3
6.実施細目 4
Ⅱ.基地利用検討の申込み 4
7.対象基地 4
8.余力等の見通しに関する情報公開 4
9.基地利用検討の申込み 4
10.基地利用検討料 5
11.基地利用契約の申込みおよび締結 5
Ⅲ.配船関連 6
12.受入計画に係る配船調整 6
13.荷役諸規定の締結 6
14.配船会議 6
15.連絡体制 6
Ⅳ.LNG 受入・払出 7
16.指定事業者 7
17.LNG 船入出港 7
18.荷役諸規定 7
19.受入 7
20.ガスの製造量の計量 7
21.貯蔵管理 8
Ⅴ.利用料金・補償料金 8
22.基地利用料 8
23.補償料 9
24.支払義務および支払期限 10
25.振込先 11
26.遅収料金 11
27.設備負担金 11
Ⅵ.基地利用の制限等 11
28.基地利用の制限および停止 11
29.損害賠償の免責 12
Ⅶ.契約の継続および終了 12
30.契約の継続 12
31.契約の変更 12
32.基地利用契約の終了・解約・解除 12
33.基地利用契約の終了後の設備・LNG の扱い 13
34.損害賠償 13
35.権利譲渡等の禁止 13
Ⅷ.保安 14
36.危険負担 14
37.責任分界点 14
Ⅸ.申込み・問合せ窓口・その他 14
38.申込み・問合せ窓口 14
39.提供を受けた情報の取扱い 14
附則 15
1.実施期日 15
別表 16
Ⅰ.基本事項
1.約款の適用
(1)当社が,ガス事業法第89 条第1 項のガス受託製造を行う場合の料金その他の条件は,このガス受託製造約款(以下「この約款」といいます。)によります。
(2)この約款においてガス受託製造とは,当社が基地利用依頼者の委託を受け,基地利用依頼者のLNG を原料として,当社等のLNG 基地を用いた受入,貯蔵,気化,必要に応じて熱調を行い,ガスの製造をし,払出地点にてガスを払出すことをいいます。
(3)基地利用依頼者は,この約款の内容を基地利用契約の内容とすることに同意した上で,基地利用検討および基地利用契約を申し込んでいただきます。11(基地利用契約の申込みおよび締結)により基地利用契約が締結された場合は,この約款が基地利用契約の内容となり,その一部を構成するものとします。
2.この約款の届出および変更
(1)この約款は,ガス事業法第89 条第1 項の規定に基づき経済産業大臣に届け出たものです。
(2)当社は,ガス事業法の規定に基づき,経済産業大臣に届け出て,この約款を変更することがあります。この場合,料金その他の条件は,変更後のガス受託製造約款によります。
3.用語の定義
この約款において使用する用語の定義は,次のとおりとします。
(1)「LNG」とは,液化した天然ガスをいいます。
(2)「ガスの製造」とは,LNG の受入・貯蔵・気化(付臭を含みます。),およびガスの熱量調整・払出
(BOG の払出を含みます。)をいいます。
(3)「LNG 基地」とは,当社が,または当社が第三者と共同で,維持し,および運用する,ガスの製造に必要な一連の設備をいいます。
(4)「基地利用」とは,当社に対して,基地利用依頼者のLNG を原料としてLNG 基地を用いたガスの製造を委託することをいいます。
(5)「基地利用依頼者」とは,基地利用のために,この約款に基づき,当社と基地利用契約を締結する方
(基地利用検討の申込みおよび基地利用契約の申込みをする方を含みます。)をいいます。
(6)「基地利用検討」とは,基地利用依頼者が当社に対してガスの製造の委託を希望される場合に,当社が実施する基地利用の可否についての検討をいいます。
(7)「BOG」(ボイル・オフ・ガス)とは,基地利用依頼者のLNG において,ガスの製造の過程で,外部からの熱等により発生するガスをいい,基地利用依頼者に帰属します。
(8)「BOG の引取り」とは,基地利用依頼者のLNG から発生するBOG 相当のガスを消費することをいいます。
(9)「基地利用契約」とは,この約款に基づき,基地利用依頼者と当社が基地利用依頼者の基地利用に関して締結する契約(この約款もその一部を構成するものとします。)をいいます。
(10)「基本契約」とは,基地利用契約のうち,この約款に基づき,基地利用依頼者の基地利用に関する基本的事項を定める契約をいいます。
(11)「年次契約」とは,基地利用契約のうち,この約款および基本契約に基づき,基地利用依頼者の基地利用を行う上での細目的事項を定める1 年を単位とする各年度(以下「契約年度」といいます。)の契約をいいます。
(12)「受入地点」とは,LNG 船側のマニホールドとLNG 基地側のアンローディングアームを接続するフランジとし,当社が基地利用依頼者のLNG をLNG 基地に受け入れるLNG の受渡地点をいいます。
(13)「払出地点」とは,当社がガス受託製造により製造したガスを当社のガス配管から送出する際のガスの受渡地点をいいます。
(14)「年度」とは,契約当該年の4 月1 日から翌年3 月31 日までの連続した12 か月間をいいます。
(15)「四半期」とは,4 月1 日,7 月1 日,10 月1 日,1 月1 日から始まる連続した3 か月間をいいます。
(16)「算定期間」とは,原則として毎月1 日の0 時から当該月の末日の24 時までの期間をいいます。
(17)「LNG 貯蔵量取引」とは,基地利用依頼者と当社が基本契約および年次契約により合意する条件に従って行うLNG 基地のLNG 貯蔵設備内のLNG に係る取引をいいます。
(18)「余力の範囲」とは,定期整備および修繕工事等を考慮したLNG 基地の一連の設備の総能力から,当社が行う事業に支障を来さないために必要となる最大設備能力(当社の需要家の需要変動に対応するため,および当社の電気・ガスの安定供給を維持するために必要となる設備能力を含みます。)を控除したものをいいます。
(19)「荷役諸規定」とは,LNG 船の入出港に係る着離桟の基準および荷役作業の手順(各種マニュア ル,チェックリストを含みます。)その他荷役作業に従事する者が遵守するべき事項を定めた規定をいいます。
(20)「消防警戒船業務」とは,LNG 船の着桟から離桟までの間において,消火放水機能・曳船作業の機能を有する船舶により,周辺海域の巡視および警備を行う業務をいいます。
(21)「荷役作業」とは,LNG 船の着桟後に陸側で行われる,LNG 船からLNG 基地の貯蔵設備にLNG を移送する作業全般をいいます。
(22)「綱取り業務」とは,LNG 船を桟橋に着桟させるために係留ワイヤを陸側係留装置にかける業務,およびLNG 船を桟橋から離桟させるために係留ワイヤを陸側係留装置から外す業務をいいます。
(23)「曳船作業」とは,LNG 船を桟橋の岸壁に着離桟させるために,タグボートでLNG 船を押すこと,または引くことにより,LNG 船の操船を支援する作業をいいます。
(24)「検量」とは,LNG の受入量の算定および証明に関する業務をいいます。
(25)「消費税等相当額」とは,消費税法の規定により課される消費税および地方税法の規定により課される地方消費税に相当する金額をいいます。
(26)「ピーク時気化量」とは,年次契約で定める契約年度を通じた1時間あたりの気化量の最大値をいいます。
(27)「ピーク時熱調量」とは,年次契約で定める契約年度を通じた1時間あたりの熱量調整後のガス量の最大値をいいます。
4.引受条件
基地利用依頼者が基地利用契約の申込みを行う場合は,基地利用依頼者が,基地利用契約の契約期間を通して次の条件に承諾いただくことが必要となります。
(1)基地利用依頼者が当社と締結する基地利用契約は,1 つの基地利用の条件ごとに1 つの契約とすること。
(2)基地利用は,LNG 基地の余力の範囲内で行うこと。
(3)当社と誠実にLNG 船の配船協議を行った上で,LNG の年間受入・払出計画(およびその修正計画)に合意すること。LNG 船の入船日は当社と誠実に協議することとし,当社の求めに応じて入船日,入船するLNG 基地または年間受入・払出計画の変更について誠実に協議すること。
(4)LNG の年間受入・払出計画(およびその修正計画)に基づき,基地利用依頼者が,所定の量および品質のLNG を安定的に調達し,およびLNG 船の配船により受け渡し,かつ所定の量および品質のガスを安定的に引き取ること。
(5)基地利用依頼者から受け入れるLNG の品質(熱量,比重,組成,不純物含有率等)等が,当社が受け入れているLNG の品質等と適合性を有すること。
(6)1 つのLNG 船から受け入れられるLNG は,1 つの基地利用依頼者のものであること。
(7)ガスの製造に関する業務,保安・防災管理等に関する業務等およびLNG 基地の運営に必要な業務を当社が実施できること,または,当社の管理下にて当社の委託先または基地利用依頼者が実施できること。
(8)基地利用依頼者が使用するLNG 船について,LNG 基地の設備に適合し,LNG 基地への着離桟および荷役作業が安全かつ円滑に行われること。
(9)当社の保安上または当社の事業の遂行に必要な場合は,基地利用の制限および停止を含め,基地利用依頼者が当社の協力要請に迅速かつ確実に対応できること。
(10)基地利用依頼者が,基地利用依頼者に帰属するBOG の引取りを行うこと。
(11)基地利用にあたり,当社以外の第三者との調整(LNG 船の入出港に必要な手続,指定事業者(16
(指定事業者)に定義します。)への委託,必要な官庁申請等の手配等)を行う際には,当社の意見を踏まえ,基地利用依頼者が当該第三者と調整を行い,承諾等を得ることができること。
5.基本契約の契約期間
基本契約の契約期間は,原則として11(基地利用契約の申込みおよび締結)により基地利用契約が締結された日から3 年以内の当社と基地利用依頼者が合意した期間とします。
6.実施細目
この約款に定める事項の詳細およびこの約款に定めのない事項は,基地利用契約に定めるほか,その都度基地利用依頼者と当社との協議および合意によって定めます。
Ⅱ.基地利用検討の申込み
7.対象基地
この約款の適用範囲となるLNG 基地は次のとおりとします。
① | 南横浜火力発電所 | LNG 基地(但し,当該LNG 基地のうち当社が利用できる設備に限ります。) |
② | 袖ケ浦火力発電所 | LNG 基地(但し,当該LNG 基地のうち当社が利用できる設備に限ります。) |
③ | 東扇島火力発電所 | LNG 基地 |
④ | 富津火力発電所 | LNG 基地 |
8.余力等の見通しに関する情報公開
当社は,次の事項について,毎年度の7 月31 日までに当社ウェブサイト等に掲載します。なお,当社は,次の事項に変更があった場合は,掲載内容を更新します(但し,①および②に係る日々の変動に基づく変更はこの限りではありません。)。
この他の詳細な情報については,基地利用検討の申込みを受けた後,基地利用依頼者が当社と当社の満足する内容での守秘義務契約を締結した場合に提供します。
① LNG 基地のLNG 貯蔵設備におけるLNG の貯蔵余力の見通し
② LNG 基地のガス発生設備におけるガスの製造余力の見通し
③ LNG 基地に受け入れることができるLNG 船の種類および船型
④ LNG 基地に受け入れることができると見込まれるLNG の種類および品質
⑤ 配船計画の策定時期の見通し
9.基地利用検討の申込み
基地利用依頼者は,この約款の内容を承諾の上,原則として依頼する基地利用を開始する前年度の11月末までに,当社に対して,当社所定の書面により次の項目を明らかにして基地利用検討の申込みを行います。ただし,④,⑤については⑤の熱量を除き,情報の提供は基地利用依頼者の任意とし,申込み時点で⑤の熱量が確定していない場合には想定値を提出していただきます。
基地利用検討の申込みは,1 つの基地利用の条件ごとに1 つの検討として申込みをしていただきます。なお,4(引受条件)で示す条件を満たしているかどうかを確認するため,申込み受領後に明らかにしていただく事項を追加することがあります。
① 基地利用依頼者に関する情報(法人名,代表者名,本社所在地,担当者連絡先等)
② 利用を希望するLNG 基地
③ 基地利用開始・終了時期
④ 使用するLNG 船の仕様・主要項目(船名・船型・タンク形式・荷役設備・係留設備等,船陸整合確認に必要な情報)
⑤ LNG の産地およびLNG の品質(熱量,比重,組成,不純物含有率等)
⑥ 希望する年間受入・払出計画(1 回あたり受入量,受入ごとのLNG 品質等を含む,日別受入・貯蔵・払出計画)
⑦ 希望するLNG 貯蔵量(21(貯蔵管理)(3)に定義します。)の最大値(月別),ピーク時気化量・気化量およびピーク時熱調量・熱調量(月別,日別,時間別)
⑧ その他当社が基地利用検討を行う上で必要とする事項
10.基地利用検討料
当社は基地利用依頼者に対して,当社が行う基地利用検討に要する費用について,見積料その他検討に要する費用の実費相当額に消費税等相当額を加えた金額を基地利用検討料として申し受けます。
11.基地利用契約の申込みおよび締結
(1) 当社は,9(基地利用検討の申込み)に基づく申込みがあった場合には,守秘義務契約を締結した後、速やかに基地利用料の目安金額を通知します。
(2)当社は,9(基地利用検討の申込み)に基づく申込みがあった場合には,4(引受条件)について検討し,この約款に基づく基地利用が可能な場合には,基地利用検討結果および基地利用状況に応じた基地利用料の概算金額を,申込みがされた基地利用を開始する前年度の2 月末までに基地利用依頼者に書面により通知します。
(3)当社は,9(基地利用検討の申込み)に基づく申込みがあった場合には,4(引受条件)について検討し,この約款に基づく基地利用ができない場合には,その理由を付して,申込みがされた基地利用を開始する前年度の2 月末までに書面により通知します。
(4)当社は,基地利用の検討に(1)(2)に定める期間を超える期間が必要となることが明らかとなった場合には,基地利用依頼者と個別に協議の上,検討期間を定めるものとし,当該期間内に(1)または(2)に準じて検討および通知します。
(5)基地利用依頼者は,(1)または(3)による検討結果の通知後2 か月以内に,当社に対して基地利用契約の申込みをしていただきます。
(6)当社は,基地利用依頼者から基地利用契約の申込みをいただいた場合には,次の項目について基地利用依頼者と協議を行います。当社は,基地利用契約の申込みを承諾した場合,この約款に基づき,基本契約を締結します。また,基地利用依頼者と当社は協議の上,この約款および基本契約に基づき年次契約を締結します。
① 基地利用契約の契約期間に関する事項
② ガスの製造に関する詳細事項
③ LNG およびガスの計量に関する事項
④ 基地利用料,補償料および設備負担金等の支払いに関する事項
⑤ LNG 基地の設備の新設,変更または撤去等に関する事項
⑥ 危険負担に関する事項
⑦ 保安に関する事項
⑧ LNG 貯蔵量取引,LNG 貸借に関する事項
⑨ その他基地利用契約に定めるべき事項
Ⅲ.配船関連
12.受入計画に係る配船調整
(1)基地利用依頼者は,当該契約年度の前年度の11 月末日までに,当該契約年度の年間受入計画(日別)を当社に提出するものとします。
(2)基地利用依頼者は,当該月の3 か月前の10 日まで,当該月の2 か月前の10 日まで,および当該月の
前月の10 日までにそれぞれ当該月の月別受入計画(日別)を当社に提出するものとします(但し,当社は,契約期間の最初の年度における月別受入計画(日別)の提出時期については,基地利用検討の状況または基地利用依頼者との協議の状況に応じて,変更することがあります。)。
(3)年間受入計画および月別受入計画に係る配船調整に関しては,4(引受条件)のとおり,当社と基地利用依頼者にて,双方誠実に協議を行うものとします。また,当社が合理的に要求する場合,基地利用依頼者は,年間受入計画および月別受入計画の変更について,当社と誠実に協議を行うものとします。
13.荷役諸規定の締結
基地利用依頼者は売主または船舶運航会社との間で,LNG 基地にLNG 船が入出港するに際して荷役諸規定を締結の上,原則として入港日の2 か月前までに当社に開示するものとします。なお,荷役諸規定の締結にあたっては,当社の事前の書面による承諾を受けるものとします。
14.配船会議
基地利用依頼者と当社は,LNG 船の入港1 週間前と入港3 日前に配船会議を行い,LNG 船の入出港スケジュールに関して詳細な調整を行うものとします。気海象等により,LNG 船の入出港スケジュールが変更された場合の他船との着桟順位は,原則として変更しないものとします。当社は,気海象,LNG 船に起因する事由その他LNG 基地に起因しない事由,または電力需給変動に対応するためのやむを得ない着桟順位の変更等により,基地利用依頼者に滞船料が発生したとしても損害補填の義務を負わないものとします。
15.連絡体制
基地利用依頼者と当社はLNG の受払管理,保安管理を的確に行うための連絡体制を整備し,連絡体制を書面にとりまとめ双方保管するものとします。
Ⅳ.LNG 受入・払出
16.指定事業者
基地利用依頼者は,次の業務に関して,自己の責任と費用により,当社の指定する事業者(以下「指定事業者」といいます。なお,指定事業者のうち,④の業務を行う事業者を「検数事業者」といいま す。)に委託するものとします。
① 消防警戒船業務
② 綱取り業務
③ 曳船作業
④ 検量
⑤ その他必要な業務
17.LNG 船入出港
基地利用依頼者は,自己の責任と費用により,LNG 船の入出港に必要な手続,必要な官庁申請等の手配,ならびに,LNG の通関およびLNG の輸入に関して発生する納税等を行います。
18.荷役諸規定
基地利用依頼者は,荷役諸規定を遵守する義務を負うこととします。
19.受入
(1)当社は,当社が基地利用依頼者のLNG を受け入れる際に基地利用依頼者のLNG の成分分析を行い,分析結果を基地利用依頼者に提供するものとします。
(2)ガスの製造量(基地利用依頼者が当社に委託するガスの製造に係るLNG の受入量,貯蔵量および気化量ならびにガスの熱調量および払出量を総称していいます。以下同じです。)のうち,LNG の受入量については,LNG 船の貯蔵設備における計測器による計測結果および(1)の分析結果等に基づき,当社および検数事業者が合理的に算定を行った上で,検数事業者の発行する証明書に記載される数値とします。なお,検量の際には当社が立ち会うものとします。
(3)受入地点においてLNG 基地に受け入れた基地利用依頼者のLNG は,LNG ローリー車またはLNG 船への払出など,基地利用契約に定める方法以外の方法ではLNG 船その他基地利用依頼者の設備等には払出せないものとします。
20.ガスの製造量の計量
(1)ガスの製造量のうち,ガスの払出量の計量は,払出地点における当社が所有する計量器によって行 います。基地利用依頼者が当社に委託するガスの製造に係るLNG から発生したBOG 量の計量は,当社が所有する計量器によって行います(但し,計量ができない,または困難な場合のBOG 量は当社が合理的に算定するものとします。)。計量器の故障等によって正しく計量できなかった場合には,当社と基地利用依頼者の協議によって定めるものとします。
(2)当社は算定期間ごとに計量結果を速やかに基地利用依頼者に通知します。
(3)計量の詳細は基地利用依頼者と当社が締結する基本契約に定めるものとします。
21.貯蔵管理
(1)ガスの製造量およびBOG 量は熱量(MJ)を単位として計量・算定・管理されるものとします。計量の際,小数点第1 位以下の端数は切り捨てます。
(2)受入地点から払出地点の基地利用依頼者のLNG およびガスの貯蔵管理は当社が行うものとします。
(3)ガスの製造量のうちLNG の貯蔵量(以下「LNG 貯蔵量」といいます。)は,前日24 時時点における基地利用依頼者のLNG 貯蔵量に,当日0 時から24 時までの間に受け入れた基地利用依頼者のLNG の受入量を加え,払出地点で20(ガスの製造量の計量)に基づき計量される当日0 時から24 時までの間に払い出された基地利用依頼者のガスの払出量(基地利用依頼者のLNG から発生したBOG 量を含む)を差し引くことにより,毎日24 時時点のLNG 貯蔵量が計算されるものとします。
Ⅴ.利用料金・補償料金
22.基地利用料
基地利用の料金(以下「基地利用料」といいます。)は,受入設備,貯蔵設備,気化設備および熱量調整設備の利用料金に消費税相当額を加えた金額からなるものとし,算定期間内において,それぞれ次のとおり算定されます。基地利用料を算定する場合におけるガスの製造量は,熱量から重量(t)および体積流量(m3N)に換算された値を用いることとし,換算方法の詳細は基地利用契約において定めるものとします。
(1)受入設備利用料金
前月提出の月別受入計画(日別)(12(受入計画に係る配船調整)(2)に従って前月に当社に提出される月別受入計画(日別)をいい,以下「月別受入計画(前月)」といいます。)におけるLNG船受入ごとの受入量に,受入単価を掛けて算出される金額とします。
受入設備利用料金(円)=受入単価(円/t)×受入量(t)
(2)貯蔵設備利用料金
月別受入計画(前月)における貯蔵量に,貯蔵単価を掛けて算出される金額とします。貯蔵設備利用料金(円)=貯蔵単価(円/(t・日))×平均貯蔵量(t・日)
なお、基地利用依頼者の貯蔵量が最適となることを前提とした年間受入計画に基づき、平均貯蔵量を算定します。
(3)気化設備利用料金
年次契約において定めたピーク時気化量および月別受入計画(前月)における気化量に,それぞれピーク時気化量単価および気化量単価を掛けたものの合計で算出される金額とします。
気化設備利用料金(円)=ピーク時気化量単価(円/(t/h))×ピーク時気化量(t/h)
+気化量単価(円/t)×気化量(t)
(4)熱量調整設備利用料金
年次契約において定めたピーク時熱調量および月別受入計画(前月)における熱調量に,それぞれピーク時熱調量単価および熱調量単価を掛けたものの合計で算出される金額とします。但し,ガスの熱量調整に必要となるLPG の費用は基地利用料に含まれず,別途基地利用依頼者の負担とします。
熱量調整設備利用料金(円)=ピーク時熱調量単価(円/(m3N/h))×ピーク時熱調量(m3N/h)
+熱調量単価(円/m3N)×熱調量(m3N)
23.補償料
基地利用依頼者は当社に対して,基地利用契約に関して次の補償料を負担していただく場合があります。補償料の算定に用いる基本利用料金は,貯蔵単価(円/(t・日))×貯蔵量(t・日),ピーク時気化量単価(円/(t/h))×ピーク時気化量(t/h),およびピーク時熱調量単価(円/(m3N/h))×ピーク時熱調量 (m3N/h)の合計をいいます。
(1)年次契約中途解約補償料
年次契約が中途で解約または解除された場合には,次の算式によって算定される年次契約中途解約補償料を申し受けます。
(年次契約における契約量から算出される1 か月あたりの基本利用料金)×
(解約日の属する月の翌月から年次契約満了日の属する月までの残存月数)
(2)年次契約中途減少変更補償料
年次契約の有効期間中において,年次契約量を減少させるよう年次契約が変更された場合は,次の算式によって算定される年次契約中途減少変更補償料を申し受けます。
((減少変更前の年次契約量-減少変更後の年次契約量)から算出される1 か月あたりの基本利用料金)×(減少変更日の属する月の翌月から年次契約満了日の属する月までの残存月数)
(3)計画乖離補償料
①受入設備
月別受入計画(前月)で定めた受入量から,±10%を超えて乖離した場合,次の算式から算出した補償料を申し受けます。
計画を上回った場合 (実績(t)-計画(t))×受入単価(円/t)×150%計画を下回った場合 (計画(t)-実績(t))×受入単価(円/t)×50%
②貯蔵設備
月別受入計画(前月)で定めた貯蔵量から,±10%を超えて乖離した場合,次の算式から算出した補償料を申し受けます。
計画を上回った場合 (実績(t・日)-計画(t・日))×貯蔵単価(円/(t・日))×150%計画を下回った場合 (計画(t・日)-実績(t・日))×貯蔵単価(円/(t・日))×50%
③気化設備
月別受入計画(前月)で定めた気化設備の気化量から,±10%を超えて乖離した場合,次の算式から算出した補償料を申し受けます。
計画を上回った場合 (実績(t)-計画(t))×気化量単価(円/t)×150%計画を下回った場合 (計画(t)-実績(t))×気化量単価(円/t)×50%
また,年次契約において定めた気化設備のピーク時気化量を超過した場合,次の算式から算出した補償料を申し受けます。
計画を上回った場合 (実績(t/h)-計画(t/h))×ピーク時気化量単価(円/(t/h))×150%
④熱量調整設備
月別受入計画(前月)で定めた熱量調整設備の熱調量から,±10%を超えて乖離した場合,次の算式から算出した補償料を申し受けます。
計画を上回った場合 (実績(m3N)-計画(m3N))×熱調量単価(円/m3N)×150%計画を下回った場合 (計画(m3N)-実績(m3N))×熱調量単価(円/m3N)×50%
また,年次契約において定めた熱量調整設備のピーク時熱調量を超過した場合,次の算式から算出した補償料を申し受けます。
計画を上回った場合 (実績(m3N/h)-計画(m3N/h))×ピーク時熱調量単価(円
/(m3N/h))×150%
(4)その他
(1)ないし(3)に定める他,待船補償料,計画外の受入可否検討等,基地利用依頼者による基地利用に起因して費用が発生した場合には補償料を申し受けます。
24.支払義務および支払期限
(1)基地利用料の支払義務は,算定期間の翌月1 日に発生いたします。
(2)補償料の支払義務は,当該補償料を当社が請求した日に発生いたします。
(3)設備負担金の支払義務は,当該設備負担金を当社が請求した日に発生いたします。
(4)基地利用依頼者は当社に対して,算定期間の翌月末日(以下「基地利用料支払期限」といいます。)までに基地利用料を支払うものとします。
(5)基地利用依頼者は当社に対して,補償料の支払義務発生日の翌月末日(以下「補償料支払期限」といいます。)までに補償料を支払うものとします。
(6)基地利用依頼者は当社に対して,設備負担金の支払いに関する請求書の受領日から1 か月以内(以下
「設備負担金支払期限」といい,基地利用料支払期限,補償料支払期限その他基地利用契約に関する一切の金銭支払義務に係る支払の期限と総称して「支払期限」といいます。)に設備負担金を支払うものとします。
25.振込先
基地利用依頼者は当社が別途指定する振込先に支払期限までに振り込むものとします。なお,振込手数料は基地利用依頼者が負担するものとします。
26.遅収料金
基地利用依頼者が当社に料金等(基地利用料,補償料,設備負担金その他基地利用契約に関する一切の金銭支払義務をいいます。)を支払期限までに支払わない場合は,支払期限の翌日から支払日まで,料金等から消費税等相当額を差し引いた金額に対して年14.6%の遅延利息を付した金額を料金等に加算した金額を当社に支払うものとします。
27.設備負担金
(1)基地利用依頼者の基地利用により,当社がLNG 基地の設備の新設,変更または撤去等(以下「新設 等」といいます。)をする必要がある場合,当社は基地利用依頼者に対して新設等の費用に消費税等相当額を加えた金額を,設備負担金として申し受けます。
(2)上記により新設等する設備等については当社が施工および管理します。新設等した設備等に関する所有権,新設等した設備等に係る場所の利用xxの権利は,当社に帰属します。
(3)新設等した設備の保守点検および修繕に係る費用(以下「保守点検等費用」といいます。)は,別途協議の上,設備負担金とは別に申し受けます。但し,保守点検等費用が基地利用料に織り込まれた場合は,基地利用料として申し受けます。
Ⅵ.基地利用の制限等
28.基地利用の制限および停止
当社は次の事由のいずれかに該当する場合には,基地利用依頼者による基地利用を制限または停止をすることができるものとします。その際,当社は速やかにその旨を基地利用依頼者に通知します。但 し,緊急の場合はこの限りではありません。なお,次の事由において制限または停止をした場合であって,その理由となった事実が解消された場合は,制限または停止を解除します。
① 天災地変その他不可抗力が生じた場合
② LNG 基地の設備または当社の発電設備もしくは当社のお客様の設備等に支障が生じた場合または生じるおそれがある場合
③ LNG 基地の修理その他工事施工のため必要がある場合
④ 法令の規定,行政機関の要請(行政指導を含みます。)による場合
⑤ LNG 洩れ等による事故の発生のおそれがあると認めた場合
⑥ 保安上必要な場合
⑦ 電力・ガスの安定供給上必要な場合(当社,当社の関係会社(財務諸表等の用語,様式及び作成方法に関する規則第8 条第8 項に定義される意味を有します。)および当社のお客様への供給上必要な場合を含みます。)
⑧ 補償料の発生頻度が著しく,またその状態が改善される見込みがないと判断される場合
⑨ 料金等が支払期限までに支払われない場合
⑩ 基地利用依頼者が基地利用契約に違反した場合
⑪ その他,当社事業の的確な遂行に支障を与える事象が発生した場合または発生するおそれがあると認めた場合
29.損害賠償の免責
基地利用の制限もしくは停止または32(基地利用契約の終了・解約・解除)に定める基地利用契約の解約もしくは解除に伴い,基地利用依頼者または第三者が損害を受けた場合であっても,基地利用依頼者がその責任において対応することとし,当社はその賠償の責任を負わないものとします。また,基地利用依頼者による基地利用に起因して,基地利用依頼者に損害が生じた場合は,その損害が当社の故意または過失による場合を除き,当社は賠償の責任を負わないものとします。
Ⅶ.契約の継続および終了
30.契約の継続
基地利用依頼者が基地利用契約に基づく基地利用の継続を希望する場合は,当社に対して9(基地利用検討の申込み)に従って再度基地利用検討の申し込みを行うこととします。この場合,当社において再契約に支障がないときは,当社が可能であると判断した期間に限り,基本契約を再契約できるものとし,以後同様とします。
31.契約の変更
基地利用契約の契約期間中に契約の変更を基地利用依頼者または当社が希望する場合は,変更を希望する期日の3 か月前までに相手方と協議を行うものとします。なお,基地利用依頼者が希望され,基地の利用条件が変更される場合は,当社に対して再度基地利用の検討を申し込んでいただくことがあります。
32.基地利用契約の終了・解約・解除
基地利用依頼者が,基地利用契約を解約しようとする場合は,解約希望日の3 か月前までに書面による解約申込みを当社に行うこととします。基地利用依頼者が28(基地利用の制限および停止)に定める通知にもかかわらず,LNG の受入の制限または停止を行わなかった場合,当社はあらかじめ通知した上で,基地利用契約を解約することができるものとします。基地利用依頼者が次のいずれかに該当する場合,基地利用契約の契約期間中であっても当社はただちに基地利用契約を解除できるものとし
ます。なお,基地利用契約の終了または解約もしくは解除(以下「終了等」といいます。)の場合,基地利用依頼者は,基地利用契約の終了等の時点で当社に対して負担すべき料金等その他の債務があるときは,ただちに当該債務を弁済することとします。
① 破産手続,会社更生手続,民事再生手続,特別清算または特別調停等の法的整理手続き開始の申立てを受け,あるいは自ら申し立てた場合
② 滞納処分による差押えもしくは保全差押えがなされ,または,保全処分の申立てがなされた場合
③ 強制執行の申立てがなされた場合
④ 解散の決議がなされた場合
⑤ 営業の全部または重要な一部もしくはLNG 基地利用によりガスを供給する事業の譲渡・分割または廃止の決議がなされた場合
⑥ 自ら振り出し,引き受けまたは裏書きした手形もしくは小切手が不渡りとなった場合,支払が停止された場合,その他基地利用依頼者の業務の継続に重大な支障を及ぼすと認められる状態が発生した場合
⑦ 基地利用依頼者が基地利用契約に違反し,当社から違反状態の是正の通知がされてから相当期間内に違反状態が解消されない場合
⑧ 4(引受条件)に違反した場合
⑨ 基地利用契約に定める解除事由に該当する場合
⑩ その他基地利用依頼者の業務の継続に重大な支障を及ぼすと認められる状態が発生した場合
33.基地利用契約の終了後の設備・LNG の扱い
(1)基地利用契約の終了等の場合,当社が終了等の時点の状態でLNG 基地の設備を引き続き現状にて使用する旨を通知した場合を除き,基地利用依頼者には,原則としてLNG 基地の設備の原状回復のための費用全額を負担していただくとともに,誠実に協力をしていただきます。
(2)基地利用依頼者は基地利用契約が終了するまでに,自らのLNG 貯蔵量を当社の貯蔵設備から全て払い出すものとします。基地利用契約の終了等の時点において,基地利用依頼者のLNG 在庫が残る場合,この処理に係る事項は,当社に申し出た上で協議の上,決定するものとします。
34.損害賠償
基地利用依頼者による基地利用に伴い,または基地利用依頼者が故意または過失により基地利用契約に違反したことにより,当社に損害が生じた場合は,基地利用依頼者は当社に損害(機会損失費用を含みます。)の賠償を行うものとします。
35.権利譲渡等の禁止
基地利用依頼者は当社の事前の書面による承諾を得ることなく,基地利用契約の契約上の地位または基地利用契約に基づくLNG 基地の利用に関する権利・義務を第三者に譲渡,移転または担保の用に供することはできないものとします。
Ⅷ.保安
36.危険負担
基地利用に係るLNG およびガスに関する危険に関しては,受入地点から払出地点までのLNG およびガスに関する危険は当社が負担するものとします。基地利用依頼者のLNG を積載したLNG 船がLNG 基地に損害を与えた場合または基地利用依頼者のLNG 揚荷に起因してLNG 基地に損害を与えた場合は,基地利用依頼者は当社に対して損害を賠償するものとします。
37.責任分界点
別に合意する場合を除き,保安責任の分界点は受入地点および払出地点とします。
Ⅸ.申込み・問合せ窓口・その他
38.申込み・問合せ窓口
ガス受託製造に関する申込み・問合せの窓口は,次のとおりとします。 株式会社JERA 東日本支社 プラント運用センター 管理ユニット住 所 xxxxxxxxxx0 xx0 x0 x
TEL 03-6363-6051
39.提供を受けた情報の取扱い
当社は,基地利用依頼者から提供を受けた情報について,事前の承諾なく第三者に開示しないこととします。但し,当社は,基地利用依頼者から提供を受けた情報について,基地利用検討のために情報を提供する必要のある関係当事者(既に当社と基地利用契約を締結した者を含みます。)に,守秘義務契約(情報の目的外利用の禁止に関する条項を含むものとします。)を締結の上,開示できるものとします。また,当社は,基地利用依頼者から提供を受けた情報について,当該基地利用検討の目的以外には使用しません。
基地利用契約の締結に至った場合,当社は,契約締結から一定期間を経た後,基地利用依頼者の承諾を得た上で主な契約条件(取引数量,利用期間等)を公表することができることといたします。
基地利用依頼者は,当社から提供を受けた情報について,事前の承諾なく第三者に開示しないことといたします。また,当該基地利用または当該基地利用の準備目的以外には使用できません。本規定にかかわらず,当社は公的機関から法令等に基づいて要請があった場合,情報を開示する場合があります。
附則
1.実施期日
この約款は,2019 年3 月31 日から実施します。
別表
受入可能と見込まれるLNGの品質
熱量 | 41 ~ 46 MJ/m3N |
液密度 | 430 ~ 465 kg/m3 |
組成 | メタン 81 ~ 97 mol% エタン 0 ~ 17 mol% プロパン 0 ~ 3 mol% ブタン 0 ~ 2 mol% 硫化水素 0.00 g/m3N 全硫黄 0.00 g/m3N アンモニア 検出せず |
注)受け入れることができる LNG の品質は,個別の基地利用の条件や個別の貯蔵設備の運用実態によって異なるため,上記の数値は目安とし,その他の項目については個別に協議させていただきます。