Contract
保証の復習問題の正誤と解説
01 保証契約は、連帯保証であっても通常保証であっても、要式契約であり、債権者と保証人は、主たる債務者が保証を断るとの意思を表明していても、保証契約を結ぶことができる。[超基本]
平成16(2004)年改正の446条2項・3項により保証契約は要式化されましたので、前段
は正しいです。また、462条2項は、主たる債務者の意思に反して保証契約を結べることを前提にしていますので、後段も正しいです。
02 民法の保証契約は、必ずしも金銭債務の保証に限られないが、主たる債務者自身にしか履行できない不代替的 な債務の保証は、主たる債務との同一性が欠けるため、無効である。[基本]
判例(最大判昭40・6・30民集19巻4号1143頁)・通説は、特定物の売買契約における売主の
ための保証人は、特に反対の意思表示のない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても、保証の責に任ずるとして、解除の遡及効の有無によって考え方を分けた古い考え方を改めました。この考え方によると、保証債務の内容は、保証契約の趣旨に照らして判断され、不代替的な債務の保証は、その不履行の場合に生じる金銭による代替的な損害賠償債務や契約解除による原状回復債務(とりわけ金銭の返還債務や価額償還債務)を保証する趣旨であると解されます。
03 保証債務は、主たる債務に付従し主たる債務と同じかより軽い内容でなければならないので、保証契約におい て、保証債務に独自の違約金を設定することはできない。[超基本]
付従性によって、保証債務が主たる債務と同じかそれより軽い(一部保証の場合)債務
となることは448条からも明らかですから、前段は正しいのです。しかし、後段は、447条2項により保証債務についてのみ独自の違約金を定めることが認められていますから、誤りです。別個債務性からそうではないと説明されています(xxxx編『注釈民法(11)』(有斐閣、1965年)231頁[xxxx])。付従性の例外と思われます。
04 債権者と保証人は、保証債務につき、さらに保証人や物上保証人を立てることができる。これらの保証や物上保証は、主たる債務に対してなされるものではないから、主たる債務に無効・取消し事由があっても影響を受け ない。[基本]
第1文は447条2項が間接的に認めているとも言えますので正しいのですが、主たる債務
が無効であれば保証債務も無効になり、保証債務の保証債務(=副保証債務)や約定担保権もまた付従性により無効となります。
05 Yが「資力は十分にあるので迷惑をかけることはない。安心して欲しい」と言うAを信頼して、AのXに対する債務の保証人となったところ、現実にはAに資力がなかった(現在もない)ことが判明した場合、Yは、保証契約の錯誤や(Aに違法な欺罔行為があったときに)詐欺を理由に取消しを主張して、保証債務の履行を拒むこ とができる。[基本]
このような場合の錯誤は、動機の錯誤であり、判例によれば、動機の表示と法律行為の
内容への取り込みを要件とするため、それが充たされず、原則として顧慮されません(表示されただけでは錯誤とならないというのは、主たる債務者が反社会勢力であると判明した場合も同様だとされます。最判平28・1・12民集70巻1号1頁)。また、Aの詐欺は、保証契約にとっては第三者の詐欺ですから、債権者がそのことを知っている場合、または知ることができた場合でないと取消しができません(96条2項)。動機が表示されて法律行為の内容になっている場合や債権者が悪意の場合もありえないわけではありませんが、非常に稀です。
06 主たる債務に条件がついていると、責任を負うか否かが保証契約締結時に保証人に明らかにならないから、保証人の保護の観点から、保証契約は無効である。[超基本]
保証人の将来の求償債権についての保証(求償保証)などは、まさに将来保証人が主た
る債務者に変わって弁済をするということを条件としていますが、完全に有効に成立しま
す。また、そもそも保証債務自体が、責任を現実に履行させられるか否か不確実なものですが、それによって保証人の地位が不安定になるとは考えられていませんし、129条も条件の成就未定の権利につき担保を設定することを認めています。
07 保証契約が有効に成立するためには、保証人が行為能力や資力を持つ者であることは不可欠ではない。しかし、債務者が保証人を立てる義務を負う場合において、保証契約締結後に債務者から依頼された保証人が行為能力を制限されたとき、債務者が代わりの保証人や相当な担保を提供できなければ、債権者は、主たる債務者との契約 を当然に解除することができる。[基本]
保証人が資力を失った場合には、主たる債務者には、代わりの保証人か他の担保を提供
する義務があり(450条2項・451条)、これもできないと、提供義務期限の利益を失なうほか
(137条3号)、債務不履行となって、債権者は契約の解除ができます。しかし、保証人が保証契約締結時に行為能力を有していれば、その後、行為能力を失っても保証契約は取り消せず、保証人に対する債権者の履行請求や強制執行は妨げられませんから、保証人の交代や立担保の義務自体が生じません。
08 YがAに依頼されてXとの間で保証契約を書面で締結したところ、Aが破産手続開始の決定を受けた場合には、連帯保証人でないYも、催告・検索の抗弁権を有しない。しかし、XがAの破産財団の配当加入の手続を行わないときには、Yは、将来の求償債権を届け出てAの破産財団からの配当を求めることができる。[やや難]
主たる債務者についての破産手続の開始で催告の抗弁権が失われることは、452条ただ
し書により明らかです。これに対して、検索の抗弁権については、条文上は明らかではありませんが、破産においては一般財産に対する個別執行が禁止されるため、やはり抗弁権は無意味です。委託を受けた保証人は、事後求償権を確保するため、XがAの破産財団の配当加入手続を行わないときには、事前求償権を行使できます(460条1号)。よって問題文は正しいことになります。
09 検索・催告の抗弁権は、保証契約によって排除することができ、この場合、保証人は連帯保証人となる。[基本]補充性に基づく抗弁権は保証人を保護するためのものであり、任意規定として特約で排 除できると解されています。しかし、これらの抗弁権を放棄したとしても、直ちに連帯保証の意思であるとは限りません。通常保証として、連帯保証のような絶対的効力は生じま
せんし、複数の保証人がいる場合には分別の利益(456条)も残ります。
10 YがAに依頼されてXとの間で保証契約を書面で締結したところ、主たる債務を生じたAX間の契約は、Xが富裕なAを強迫して無理に結ばせたものであると判明した。Xの支払請求に対して、Yは、AX間の契約を取り 消して、支払を免れることができる。[基本]
保証人Yは、主たる債務者Aの抗弁権を援用できますが、取消権者ではありませんので(120条2項)
自らは取消権を行使できません。もっとも、Aが取消権を行使するか否か態度未決定の間は、履行を拒絶することができます(改正された457条3項で従来の通説を反映)。
11 Yは、Aに依頼されてXとの間で1000万円、弁済期2008年1月31日、利息年5%の主たる債務について、保証契約を書面で締結した。Aから期限の猶予を乞われたXは、2月1日からの利息を年利10%とすることと引き換えに、3月31日まで弁済期を繰り下げる旨、Aと合意した。3月末になってもAが支払えない場合、Yは、改訂合意後の元 利合計額につき、保証債務の履行責任を負う。[基本]
弁済期の延期は一般的には保証人にも利益となりますが、弁済期の繰り下げに伴う利率
の値上げは不利益になりますので、YはYの同意なくAX間で決められた責任の拡張部分については負いません(改正で新設された448条2項)。
なお、無利息の債務や低利の債務については、弁済期の繰り下げは、当然保証人の利益となるでしょう。これに対して、高利の場合には、弁済期の繰り下げは、弁済期までの利息を増やすことになります。期限の利益を放棄し期限前に弁済することはできるとしても、債権者の被る不利益を補填しなければなりませんので、保証人の利益となるとは言いにくく、保証人は、改訂前の内容の保証債務を負うにすぎません。
12 主たる債務者に対する履行の請求や主たる債務者の債務の承認は、いずれも主たる債務の消滅時効の完成を猶予するか更新する。これに対して、保証人に対する保証債務の履行の請求や保証人が行う保証債務の承認は、通
常保証か連帯保証かを問わず、主たる債務の消滅時効の完成を猶予しないし更新しない。[基本]
....
.第.1.文.は.、.457条1項により、請求のみならず主たる債務者の債務の承認による主たる債務の消滅時効の更新も、保証人に対する関係で効力を生じますので、正しいです。改正民
法では連帯保証の場合にも、連帯債務に関する履行請求の絶対効は否定されました(旧434条の削除)。それゆえ、保証人の保証債務の承認(改正前から相対効)はもとより、保証人に対する履行請求も、主たる債務者には影響しません。
13 主たる債務の消滅時効の完成後に主たる債務者が時効の利益を放棄した場合には、保証人は、主たる債務の消 滅時効を援用して保証債務を免れることができない。[基本]
判例(大判大5・12・25民録22輯2494頁)によりますと、主たる債務者が行った時効利益の
放棄は、相対効しかなく、保証人に対しては効力を生じませんので正しいです。
この結論は、保証人自身が保証債務について時効の利益を放棄した場合も妥当すると思われます。この点については、たしかに直接判示する判例は見当たらないようですが、判例(最判昭62・9・3判時1316号91頁)は、物上保証人が被担保債務や物上保証の存在を承認しても時効中断の効果はないとしています。それゆえ、相対効しかない時効の利益の放棄については、主たる債務者に効果が及ばない結果、保証人は、主たる債務者自身の時効援用権を用いて、付従性を介し、保証債務を免れることになりましょう。そう解さないと、主たる債務者が債務を免れるのに、保証債務だけが存続して、複雑な権利関係が生じてしまうからです。
14 AはBに対する貸金債権についてYに保証させた。AがBに対する貸金債権をCに譲渡して、内容証明郵便で Bにのみ通知した。Aの債権者XがAのYに対する保証債権を差し押さえた場合、Yは、AからCへの債権譲渡 の事実を知っていてもXに支払えば免責される。[基本]
保証債務は主たる債務に対して付従・随伴しますので、保証債権も主たる債務について
の譲渡に第三者対抗要件が備わっていれば、譲受人Cに移転し、もはやAは無権利者です。 Xの差押えも無効です。したがって、Yは、Cに弁済すべきであり、Xに支払って免責されるのは、478条が適用される場合に限られます。問題文ではYは債権譲渡を知っているので同条は適用できません。
設例と離れて一般的に議論したとしても、Yは弁済する前に、主たる債務者Bに対して事前の通知をしなければならず、通常は、Bから、すでに債権はCに譲渡されているとの情報を得ることが可能ですから、事前の通知をしていないと、多くの場合には、過失があり、Xへの支払は有効にはなりません。もっとも、Bがそれ以前に行方不明で事前の通知をしても意味がなく、かつ、弁済前に譲渡について何も情報を得ていなかった場合は、ごく例外的に、478条による免責が得られる可能性があります。
15 主たる債務者の相続人の限定承認や主たる債務者の破産免責などによって、主たる債務者の責任が減免されても、保証人は約定通りの保証債務を履行しなければならない。[基本]
限定承認や破産免責(破産253条2項にはxxの規定があります)は、主たる債務者の責任
のみを縮減・否定するもので、保証債務自体は存続しますので、保証人には影響を及ぼしません。
16 主たる債務者が反対していても、保証契約は有効に締結でき、弁済した保証人は、主たる債務者に求償できる。しかし、この求償権の範囲は、主たる債務者の委託がある場合には委任契約、主たる債務者の委託はないがその意思に反しない場合には事務管理、主たる債務者の意思に反する場合には不当利得の法理に沿った規定によって、差異が設けられている。[超基本]
第1文は、462条2項が当然に前提としていますので、正しいです。第2文も、459条2項→000
x0項と462条の規律は、そのような性質を有すると解されていますので、正しいです。
17 XがYから委託されてYのAに対する3000万円の借入金返還債務につきAとの間で書面による保証契約を締結した。Yは、この借入れの後にAに対する反対債権1000万円を取得した。Xは、Yに事前の通知をせず、主たる債務全額を弁済し、事後の通知を行って3000万円と遅延損害金等をYに求償した。YがXに反対債権の取得を知らせていなかった場合には、Yは、Xの求償に対して1000万円分の減額を主張できない。[超基本]
事前の通知制度は、主たる債務者が有する抗弁権の行使機会を保障するものです。Yは
Aに対する反対債権による相殺をすれば1000万円の限度で債務を免れたはずです。勝手に弁済したXから3000万円全額を求償されては、Yは、相殺の機会を失い、その後にAが無資力となっていれば1000万円の回収ができなくなるとの危険を負ってしまいます。事前の通知制度は、このような抗弁(とりわけ相殺の抗弁)を行使する機会を保障する趣旨です。 Yが事前の通知を受けたのに、主張できた相殺の抗弁についてXに何も伝えなかったと すれば、Yは、Xの求償に対して相殺を対抗できなくなります。しかし、Xが事前の通知
を行わずに弁済すれば、YはXに相殺によって消滅した1000万円分の減額を主張できます。むしろ、XとしてはYに事前通知をした返事によって反対債権の存在を知り、Yが相殺権を行使するか否か不明確な間は、相殺によってYが債務を免れる限度である1000万円分について、Aの請求に対して債務の履行を拒むことができます(457条3項)。
18 主たる債務者は、委託した保証人に対しても債務の弁済を事前に通知する必要がある。また、相殺権を行使して債務を免れた主たる債務者は、その事後の通知を怠ると、委託した保証人が主たる債務者の相殺を知らずに弁済した場合、その保証人からの求償を拒めない。[超基本]
事前通知制度は、求償に際して、求償を受ける者が有していた抗弁権主張の可能性を保
障するためのものです。ところが、主たる債務者は、弁済しても、もちろん保証人に求償できるわけではありませんし、主たる債務者が保証人の抗弁権の存在を知っても、債権者からの請求に対してそれを援用できません。そのため、求償に対する抗弁の保障を内容とする事前通知義務は、主たる債務者には課されません。それゆえ第1文は誤りです。他方、463条2項の「債務の消滅行為」には相殺も含まれ、受託保証人の二重弁済を防ぐため、主たる債務者は、事後通知を行うべき旨を定めています。その違反によって善意の保証人が弁済をすれば、保証人の弁済の方が有効になり、主たる債務者に求償できます。
19 委託を受けた保証人が民法の定める事前求償権を行使してきた場合には、主たる債務者は支払を拒絶すること ができない。[超基本]
461条2項により、債務者は、供託、担保提供、保証人の免責確保(債権者と交渉して保証
債務を免除させるなどが考えられます)により、事前求償を拒絶することができます。
20 債務者から委託を受けた物上保証人には、委託を受けた保証人に関する規定が準用されるため、事前求償権が ある。[やや難]
物上保証人については、保証債務の事後求償権の規定を準用する351条がありますが、
事前求償権については定めていません。しかし、判例(最判平2・12・18民集44巻9号1686頁)は、物上保証人の事前求償権を否定しました。その要点は、①物上保証人の事前求償権の根拠となる条文がないこと、②物上保証の委託は、物権設定行為の委託に過ぎず、債務負担行為の委託ではないこと、③物上保証人の求償権は、求償の範囲はもとよりその存在すら予め確定できないこと、にあります。この判決に対して、学説には賛否両論があります。
21 主たる債務者の3000万円の債務につき、A・B・Cが一緒に通常の保証をした場合においては、債権者は、各保証人に1000万円ずつしか請求できないが、連帯保証や保証連帯の特約があれば各人に3000万円全額を請求できる。 A・B・Cが互いの存在を知らずに、xx、3000万円の通常の保証をした場合にも、債権者は3000万円全額を請 求できる。[超基本]
465条1項の規定は、各保証人が全額弁済責任を負うことを前提にしており、連帯保証や
保証連帯の特約は、そこにいう「各保証人が全額を弁済すべき旨の特約」に該当します。連帯の特約があれば、準用される432条の趣旨から全額弁済義務があると解されるのです。
第1文は正しいです。456条の規律には批判もありますが、「格別の行為により」とxxで定めており、第2文の場合にも、各通常共同保証人の債務は、1000万円になりますので(分別の利益)、誤りです。
22 主たる債務者の3000万円の債務につき、A・B・Cが連帯保証をした場合、1500万円を弁済したAは、直ちに主たる債務者に求償でき、主たる債務者の債務がなお1500万円残っていてもB・Cに対して500万円ずつ求償できる。共同保証人間に求償権が認められるのは、主たる債務者が無資力となるリスクをこれらの者の間にxxに配分し、いち早く弁済した者が不利益を受けないようにするためである。[超基本]
共同保証人間に求償権が認められる理由は、第2文の説明のとおりですが、その要件と
して、465条1項は、「その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済した」ことを必要としており、平等と推定されるAの負担部分1000万円を超える500万円についてのみ、B・ Cに250万円ずつ求償できるにすぎません。連帯債務者の一部弁済による求償の場合とは、扱いを異にしている点に注意してください。なお、Aの求償に応じて支払ったB・Cは、もちろん主たる債務者に再求償できます。
23 一定の範囲に属する不特定の債務を担保する根保証契約は、保証人が法人であれば、極度額を書面または電磁的記録(以下、書面等と略する)で定めていなくても、それのみを理由に無効になることはない。[やや難]
極度額を書面等で定めないと無効になるのは、個人が保証人になる場合(465条の2)、お
よび個人が求償保証人となる場合(465条の5。根保証でなくても無効)です。法人が保証人である場合には、極度額を書面等で定める必要はありません(465条の2第1項、465条の5第3項)。根保証でない求償保証が書面等の要件を欠いて無効になる場合も、無効になるのはあくまで個人保証であり、法人の根保証契約自体は有効です。
24 個人貸金等根保証契約において、元本の確定する期日が6年後と定められてもこの約定は無効であり、元本は、法の規定する確定事由が途中で生じる場合を除き、契約時から5年を経過した時に確定する。[超基本]
465条の3の第1項により、たしかに5年を超える元本確定期日の定めは無効になりますが、
同条2項で、契約締結時から3年で確定することになります。
25 期間の定めのない賃貸借契約において生じる賃借人の債務を保証する個人根保証契約も、極度額を定めていないと無効である。責任の存続期間を定めていない場合も無効である[基本]
賃借人の債務についての個人の保証は根保証の一種ですから、極度額を書面または電磁
的記録で定めないと無効になります(465条の2)。第1文は正しいです。しかし、第2文は二重の意味で誤りです。まず、個人貸金等根保証契約に当たらない賃借人の債務の個人根保証契約には、元本確定期日に関する規定は適用されません(465条の3は個人貸金等根保証契約についてのみ適用)。同条が適用される個人貸金等根保証契約についても、元本確定期日の定めがなかったり5年を超えて無効であっても、契約自体は有効で、3年間が保証債務の存続期間となります(同条2項)。
26 身元保証契約は、単純な保証ではなく、損害担保契約の趣旨をも含むと解される。身元保証法により、責任の存続期間が限定され、身元保証人には一定の場合に解約権が認められる。しかし、私的自治を尊重するため、裁 判所は、身元保証人の責任の範囲を限定することはできない。[超基本]
身元保証契約は「被用者ノ行為ニ因リ使用者ノ受ケタル損害ヲ賠償スルコトヲ約スル」
もので、被用者の故意・過失を問わないと考えられていますから、被用者自身の損害賠償債務に附従しない独立した債務を負う損害担保契約の性質を帯びると解されています。第1文はその通りです。身元保証法は、1条・2条で存続期間や更新を限定し、4条で身元保証人の解除権を定めています。さらに、5条で一切の事情を考慮した責任限定を規定しています。これらはいずれも6条で片面的強行規定とされています。いずれも身元保証法の規定通りで、最後の文が誤りです。