契約上、明確にする必要があるのは以下の 5 項目であり、改定売買契約書の該当条項に記載した(P.19 軽種馬売買契約書(危険負担売主)及び、P.24 軽種馬売買契約書(危険負担買主))。
軽種馬取引に係る各種契約書について(民法改正版)
軽種馬取引に係る契約のポイント(副読本)
令和4年3月
公益社団法人日本軽種馬協会
はしがき
本協会では、地方競馬全国協会の補助を受け、より強い馬づくりに取り組む担い手経営のニーズに対応しうる指導者を👉成し、関係機関が一体となって軽種馬経営に対する指導を強化することにより、軽種馬経営の高度化と安定を図り、もって競馬の健全な発展に資することを目的とした軽種馬経営高度化指導研修事業を公益社団法人中央畜産会へ委託して実施している。
その一環として、平成 28 年3月に「軽種馬取引に係る各種契約書について」を発行し、さらに⺠法改正に対応するため「軽種馬取引に係る各種契約書について(⺠法改正版)」として令和3年2月に改定した。
軽種馬取引においては、契約成⽴から引き渡しに⻑期間を要する場合もあり、生産者とバイヤーの間でのトラブルが散見され、経営上の大きなリスクとなっていることから、適切な契約書による契約が望まれていたところである。
しかしながら、生産者が自ら契約書を作成することは、その専門性から容易ではなく、専門家の作成による契約書のひな型の利用とその理解が必要である。
本書は、契約書のひな型を含む⺠法改正版について、より多くの軽種馬営農指導者や軽種馬生産者、軽種馬購買者、軽種馬市場関係者で活用いただけるよう、契約のポイントについて重点的に解説し、実際にあった契約上のトラブルを例示したものである。
本書の作成にあたっては、⺠法改正版を執筆いただいた⾚坂⻄法律事務所 弁護士 鍋谷博敏氏に取りまとめていただいた。この場を借りて厚く御礼申し上げる。
この「軽種馬取引に係る契約のポイント」が軽種馬取引の現場で広く活用され、公正な取引を通じた軽種馬経営の安定と発展に寄与されることを願うものであ る。
令和4年3月
公益社団法人 日本軽種馬協会
目 次
第1 平成 28 年 3 月に改定した売買契約書の再改定(令和 3 年 2 月)・・・ 1
第2 再改定した売買契約書を利用するにあたって留意すべき事項・・・・ 2
Ⅰ 売買契約書の作成目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
Ⅱ 売買契約書作成にあたっての留意事項・・・・・・・・・・・・・ 4
Ⅲ 契約不適合責任・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
Ⅳ 危 険 負 担・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
Ⅴ 血統登録証明書について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
Ⅵ 紛争防止するため考慮すべきこと・・・・・・・・・・・・・・・18
Ⅳ 軽種馬取引に係る各種契約書の様式例・・・・・・・・・・・・・19
1 軽種馬売買契約書(危険負担売主)・・・・・・・・・・・・・ 21
2 軽種馬売買契約書(危険負担買主)・・・・・・・・・・・・・ 27
3 繁殖牝馬預託契約書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
4 代物弁済完結の意思表示と精算書(繁殖牝馬と産駒)・・・・・ 37
5 仔分(定率型)預託契約書・・・・・・・・・・・・・・・・・39
6 育成馬預託契約書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
7 代物弁済完結の意思表示と精算書(育成馬)・・・・・・・・・ 47
8 委 任 状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
(代理人が血統登録証明書受領の際提出するジャパン・スタッドブック・インターナショナルの定める様式の委任状)
第1 平成 28 年 3 月に改定した売買契約書(以下「旧売買契約書」という。)の再改定(令和 3 年 2 月)
1 改定の目的
改正民法が令和 2 年 4 月から施行されたのでこれに対応
2 改正の内容
改正のうち軽種馬の取引に関連する条項
⑴ | 瑕疵担保責任 | → | 契約不適合責任 |
⑵ | 危険負担 | → | 引渡前は売主 |
引渡後は買主 | |||
⑶ | 善管注意義務 | → | 引渡まで「契約その他の債権の発生原因及び取引 |
上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意」をもってその物を保存
ア 自己のものにおけるのと同一の注意義務セレクトセール
イ 善良な管理者の注意義務
日高のセリ、契約書 8 条 1 項ウ (故意又は)重大な過失
契約書 8 条 2 項 期限徒過後の注意義務を軽減
エ 売主の「責に帰すべき事由」で死亡した。(9 条 2 項)
「責に帰すべき事由」とは売主の故意又は重大な過失、善管注意義務に違反したことで死亡の結果を引き起こしたことを言う。
第2 再改定した売買契約書(以下「改定売買契約書」という。)を利用するにあたって留意すべき事項
Ⅰ 売買契約書の作成目的
軽種馬の売買においては、契約日から引き渡しまで長期間を要する場合があることなどの特殊性から、売主と買主の間でトラブルが発生しやすい。このことから、契約条件を明確にし、軽種馬取引における特殊性を任意規定と異なる合意を行うことで、軽種馬売買の安定化を図ることを売買契約書の作成目的としている。
1 契約条件の明確化
契約上、明確にする必要があるのは以下の 5 項目であり、改定売買契約書の該当条項に記載した(P.19 軽種馬売買契約書(危険負担売主)及び、P.24 軽種馬売買契約書(危険負担買主))。
① 売買対象馬の特定(1 条)
② 売買代金額(2 条)
③ 売買代金の支払い(3 条 1 項)
④ 引渡の時期および場所(5 条)
⑤ 血統登録証明書の交付(6 条)
2 任意規定と異なる合意
⑴ 民法 91 条
「法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。」
⑵ 法令中の公の秩序に関しない規定
これを任意規定とよび、民法の売買などの規定は任意規定である。 例えば、当事者が危険負担、契約不適合責任に関し合意していなければ
民法の規定がこれを補充することになる。合意していればこの合意に従うことになる。
⑶ 契約書上の任意規定と異なる合意
№ | 任 意 規 定 | 合 意 内 容 |
① | 所有権は売買契約時に移転(民法 176 条) | 所有権の移転は代金完済時(4 条) |
② | 法定利率(民法 419 条 1 項) 現時点では 3% | 遅延損害金は年 10%(3 条 2 項) |
③ | 引渡しするまで善管注意義務(過失)民法 400 条 | 引渡期日経過後の注意義務(8 条 2 項)は善管注意義務ではなく、故意又は重大 な過失があったときに責任を負う。 |
④ | 目的物が品質等に関して契約の内容に適合しないもの(民法 562 条 1 項)不適合を知ったときから 1 年(民法 566 条) | 契約不適合責任(10 条)不適合事由が限定 権利行使期間は契約の翌日から 10 日以内 |
⑤ | 催告のうえ解除(民法 541 条) | 契約の無催告解除(11 条 1 項) |
⑥ | 損害賠償の請求(民法 415 条) | 代金額の 50%の違約金(11 条 2 項) |
⑦ | 危険負担売主とする規定 引渡時に買主に移転(567 条 1 項) | 危険負担(危険負担買主とする契約書)契約締結時に買主に移転(12 条 1 項) |
管轄裁判所の合意(13 条)
民亊訴訟法には管轄についての定め(任意規定ではない)があるが、同法第 3 条の 7 は管轄権に関する合意があれば合意した裁判所に訴えを提起できるとしている。
⑷ 売買契約書中で任意規定と異なる合意を行う理由
① 売買の目的物は将来競走馬として使用されることが予定されている高価物である。この目的に適合しない事由、例えば競走馬として能力が欠如していることを契約不適合と主張されれば、将来紛争が多発し、取引の安定は損なわれる。
② 売買の目的物は生体なので、時間の経過で変化が生じる。契約後
早急に取引を安定させる必要がある。
Ⅱ 売買契約書作成にあたっての留意事項
1 売買契約書で空欄になっている部分を買主と協議をして補充
⑴ 売買代金の支払方法(3 条 1 項)
一回払いと合意したときは第 1 回金の部分の代金と日時のみを補充
三回払いと合意したときは、全ての欄を補充する。
振 込 口 座 の 表 示
金融機関名 支 店 名 口 座 № 口 座 名
第1回金 円也(消費税込み) 年 月 日
第2回金 円也(消費税込み) 年 月 日第3回金 円也(消費税込み) 年 月 日
⑵ 引渡日と引渡場所の合意を補充(5 条)
2 引渡の場所は乙の牧場(他の場所であるときはその場所を空欄に記載す
ること )とする。
当該馬を育成牧場に預託中であるときはその育成牧場の名称を補充する。
⑶ 引取期間経過後の飼養費(7 条2項)
当該馬の年令の育成預託料を参考に飼養費を合意し、補充する。
2 甲が前項の承諾を得ることなく引取期間を徒過したときは、甲は乙に対し、引取期間の翌日から引取り済みに至るまで、1日あたり 円
の飼養費と消費税を支払わなければならない。
2 危険負担につき、売主、買主いずれの負担とすべきかを決める。
後述する危険負担につき、売主負担、買主負担とする2種の売買契約書があるので、合意した内容の売買契約書を使用する。
危険負担売主:
第12条 乙が第5条に従い当該馬を甲に引き渡した時、危険は乙から甲に移転する。
2 甲が引渡期日に当該馬を引取らなかったとき、および第7条1項の承諾を受けたときには、第5条1項の引渡期日に、危険は乙から甲に移転する。
3 乙は、売買契約締結時に当該馬につき保険受取人を乙、保険金額を売買代金とする育成馬保険に加入する。
4 当該馬の引渡しまでに保険事由が発生し、乙が保険金を受領した場合、
甲からの既払金があるときはこれを直ちに返還する。
危険負担買主:
第12条 本売買契約締結により当該馬に関する危険負担は甲に移転する。
2 甲は、売買契約締結時に当該馬につき保険受取人を甲、保険金額を売買代金とする育成馬保険に加入する。
3 当該馬の引渡しまでに保険事由が発生し、甲が保険金を受領したときは、
甲は乙に対し、未払いの売買代金を直ちに支払う。
Ⅲ 契約不適合責任
旧 法 の 規 定 (570 条、566 条) | 新 法 の 規 定 (562 条 1 項、563 条 1 項、563 条 2 項 1 号、564条、565 条、566 条、415 条、541 条、542 条) |
1 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。 2 契約の解除又は損害賠償の請求 | 1 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し、又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。 2 買主が相当の期間を定めて履行の追完の催促をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代 金の減額を請求することができる。 3 相当の期間を定めて履行を催告し、履行が |
1 旧法の瑕疵担保責任と新法の契約不適合責任に関する規定は、下記記載のとおりである。
は、買主が事実を知った時から 1年以内にしなければならない。 | なければ契約の解除ができる。 4 履行が不能などの一定の事由があるときは、即時解除ができる。 5 引渡後、買主がその品質に関する不適合を知った時から1 年以内にその旨を通知しなかったときは、買主は売主に対し、契約不適合責任を追及できない。 |
2 契約不適合責任
新法では、瑕疵を「目的物が品質に関し契約の内容に適合しないもの」(これを「契約不適合事由」と称することにした。)とし、「隠れた」との要件と「買主が知らないとき」との要件を削除した。
この規定によれば、買主は契約不適合事由が隠れていなくても契約不適合責任を追及できるし、これを知っていても同じく契約不適合責任を追及できるが、これらの事実は買主側の過失として、過失相殺の際、損害額減額の事情となる。
改定売買契約書の条項では、契約不適合事由を限定し、これ以外の契約不適合事由および権利行使期間後の契約の解除はできないとして、追完、代金減額および損害賠償の請求もできないとした。
この条項は、紛争を回避し、取引を早期に安定させる合意として有効かつ重要である。
3 改定売買契約書
⑴ 旧売買契約書と改定売買契約書の対比
旧 売 買 契 約 書 | 改 定 売 買 契 約 書 |
1 甲は、本売買契約の際、当該馬に関し発 見できなかった下記瑕疵があることを本売買契約締結日の翌日から10 日以内に発見し、これを乙に書面で通知したときは、本売買契約を解除することができる。 記 ⑴ 悪癖(さく癖、旋回癖、ゆう癖、身喰い) ⑵ 目の異常(白内障、黒内障、緑内障)、月盲、一眼以上の失明 ⑶ 去勢 ⑷ 全身麻酔を伴う外科手術歴 | 1 甲は、当該馬に関し下記契約不適合事 由があることを本売買契約締結日の翌日から 10 日以内に発見し、これを乙に書面で通知したときは、本売買契約を解除することができる。 記 ⑴ 悪癖(さく癖、旋回癖、ゆう癖、身喰い) ⑵ 目の異常(白内障、黒内障、緑内障)、月盲、一眼以上の失明 ⑶ 去勢 ⑷ 全身麻酔を伴う外科手術歴 |
2 前項以外の瑕疵および上記期間後に書面で通知された瑕疵についは、本売買契約の解除原因とすることはできず、乙 は甲に対し、何らの責任を負わない。 | 2 前項以外の契約不適合事由および上記期間後に書面で通知された上記契約 不適合事由についは、本売買契約の解除原因とすることはできず、乙は甲に対し、追完、代金減額および損害賠償など 一切の責任を負わない。 |
㊟ セレクトセールでは、2020 年から不適合事由として「上気道疾患に対する外科手術歴」、「関節内骨関節疾患に対する外科手術歴」、「腱及び靭帯(支持靭帯)の切断もしくは切除手術歴」の 3 事由を追加している。
⑵ 改定した部分
1項 発見できなかった瑕疵→契約不適合事由
2項 瑕疵→契約不適合事由
何らの責任を負わない→追完、代金減額および損害賠償など
一切の責任を負わない。
4 担保責任軽減特約など
⑴ 権利行使期間短縮の合意
この合意をしながら、売主が限定された不適合事由を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは(民法 566 条但書)、前記の合意をしても権利行使期間短縮の効力が認められず、民法では権利行使ができることを知ってから 5 年間、引渡時から 10 年間、時効消滅するまで長期間買主による権利行使を受けることになる。
⑵ 契約書に記載された契約不適合事由についての免責特約
限定された契約不適合事由以外の契約不適合事実について、契約不適合責任を負わないとする免責特約については、売主がこれを知って買主に告げていなければ、新法に定める契約不適合責任を負うことになる(民法 572 条)。
これらの規定は、合意があったとして、不実な当事者に対してはその効力は認められないというものである。
売主である生産者は、契約にあたっては、不利な情報を開示するなど誠実な態度が求められている。
5 事 例事 例 1
①
1 歳 4 月に代金 700 万円で売買契約締結
②
契約時 300 万円、9 月末の引渡時に残金 400 万円
1 歳 8月
放牧中、左前肢裏側の蹄と球節の間を負傷、負傷時に目撃者はいなかったが、負傷の部位と程度から見て、獣医は自傷と推定
③ 買主は負傷した馬の引渡を受けることになるので、売主において契約
不適合責任によって負傷の治療をおこなうことを求めた。もし治療をおこなっても競馬に使用できない状況であれば契約の解除をおこなう、その場合は既払の 300 万円の支払いを求めると主張した。
④ 売買契約書中には契約不適合責任に関する条項はなかったが、「引き渡すまでに生じた疾病、事故が売主の責めに帰する事由によって発生した場合でなければ、売主はその責めを負わない」(9 条 2 項と同じ条項)
との条項があった。
何が問題となるか。
⑴ 事故による負傷が売主である生産者の責めに帰すべき事由によって生じたものといえるか。飼養にあたって売主に善管注意義務違反があったかが問題とされる。
⑵ 契約不適合責任に関し、契約書に規定がなかったときは民法の規定が適用される。
⑶ 事故に関する合意の評価
契約締結から引渡までに生じた事故に関する合意は、この事故が売主の責めに帰すべき事由によって発生したものでない限り、事故による責任を負わないとする合意であるから、この合意が民法の規定に優先適用され、契約不適合責任も負わないとの結論になる。
事例1で訴訟になった場合
1 特約条項がなく、契約不適合に関する民法の規定が適用された場合
⑴ 当初から競走能力を喪失する程の大きな負傷であることが判ったときは契約を解除し、300 万円の返還を求める。
⑵ 買主は治療可能な負傷であれば修補請求をする。
(売主の負担で治療をおこなう。)
⑶ 治療の結果、競走能力に影響が出ることが判ったとき影響の程度の大きさで、
① 競走能力に大きな影響があり、将来競走馬として能力が発揮できないときは、契約の解除をして支払った 300 万円の返還を求める。
② 競走能力に影響はあるが、能力を発揮できないとまでいえないときは、価値が減価したとして損害賠償の請求をおこなう。(減価額の算定が難しい。)
2 特約条項があった場合
⑴ 買主に対し、引渡期日に引渡場所(引渡場所を約定したときはその場所、約定がなかったときは買主指定の場所)で引渡す旨の通知(履行の提供)をおこなう。
⑵ 買主が受領を拒絶(又は売主の通知を無視)したときは
① 残代金 400 万円+治療費
② 引渡通知日の翌日から買主が引き取るまで 1 日あたり(1 歳馬の預託料を日割で算出)の預託料
の各支払いを求める。
事 例 2
①
1 歳 5 月に売買契約締結
8月に引渡、育成牧場に入厩
② 2 歳夏に入厩し出走したが、2 戦とも大差のシンガリ負けで、競走
馬として不適格の判断をされた。
③ 買主は、競馬に使う目的で購入したにもかかわらず、能力不足で
あることが判明したので、民法の契約不適合責任に基づき売買契約を解除するとして、既払の売買代金の返還を求めてきた。
<類似事例>
ゲート試験に合格せず、出走できなかった馬につき、旧法の瑕疵担保責任が問題となった事例がある。
<これに対する判決>
① 産駒が競走馬としての資質や適格性を有しているかなどは、売買契約時(引渡時)までに窺い知ることができる場合を除いて、一般 的に予測できない。
② 購入する馬主は、競走馬として成功する場合もあれば、そうでな い場合もあることを予め認識しうるものであり、通常の馬主の注意義務をもっておれば、認識できたものである。
③ 売買契約時(引渡時)までに競走馬として適格を欠くことを窺わせるような行動を示すなどして、売主が適格を欠くことを認識するか、認識すべきなどの特段の事情のある場合を除き、資質を欠いて いたり、その資質を発揮できなかった気性は瑕疵といえない。
Ⅳ 危 険 負 担
1 危険負担とは?
次のような事例で説明する。
1 歳馬を 800 万円で売却
契約日
5 月
引渡日
8 月
代 金
第 1 回金
400 万円
第 2 回金(残金)400 万円
当該馬が引渡前に不可抗力で死亡
このような場合に、売主は売買残代金 400 万円の請求ができるのか(買主が危険を負担)、それとも残代金 400 万円を請求できず受領済みの 400万円も返還しなければならないのか(売主が危険を負担)、これが危険負担といわれる問題である。
2 危険負担に関する任意規定
旧 法 の 規 定 | 新 法 の 規 定 |
特定物に関する売買では、売買の目的物が債務者(売主)の責めに帰することができない事由によって死亡したときは、その死亡は債権者(買主)の負担に帰する(旧 534 条 1 項) | 売主(債務者)が買主(債権者)に売買の目的物を引き渡した場合において、その後に当事者双方の責めに帰することができない事由によって死亡したときは、買主がその危険を負担する。 (新法 567 条) |
本事例では、旧法の規定では買主が危険を負担し、残金を支払わなければならない。
新法では引渡前であるから、買主は残金の支払いを免れ、既払の第1回金を売主に対し不当利得を理由に返還を求めることができる。
旧法の規定は危険負担買主であったが、買主の支配下にないのになぜ買主が責任を負うことになるのかとの批判があり、裁判実務では引渡によって危険は買主に移転するとされていた。
新法の規定はこの裁判実務の解釈に従って改正されたものである。
3 旧法時と新法時の契約書条項
旧売買契約書条項(危険負担買主)と改定売買契約書条項(2種の条項)は下記に記載したとおりである。
危険負担買主の契約書(旧売買契約書) | 危険負担売主の改定売買契約書 | 危険負担買主の改定売買契約書 | ||
1 | 危険負担 | 売買契約の締結で買主が危険を負担 | 引渡後に危険負担が売主から買主に移転(12 条 1 項) | 売買契約締結により危険負担が売主から買主に 移転(12 条 1 項) |
2 | 育成馬保険 | 買主による保険の加入は任意 | 売主が保険料を自ら負担して、保険契約者、被保険者として加入 (12 条 3 項) | 買主が保険料を自ら負担して、保険契約者、被保険者として加入 (12 条 2 項) |
3 | 保険金の支払いを受けた際の処理 | 保険に加入していれば、買主は代金支払いの損害を保険の保険金で補填。加入していなければ、代金を自費で支払わなければならない。 | 売主が代金の一部を受領しているときは、受領した保険金から代金の一部を買主に返還し、残額をもって売買代金の残金を補填する。 (12 条 4 項) | 買主は受領した保険金で未払の売買残代金を売主に支払う。 売買代金の一部を支払っているときは、保険金の残額をもって補填する。 (12 条 3 項) |
4 育成馬保険
⑴ 売買契約締結から引渡までの間、売買対象馬の死亡事故に対処するため、日高のセールでは日高軽種馬農業協同組合が保険契約者、被保険馬はセール売却馬、保険金額は売却価額、保険期間は落札時から市場終了日の翌日から起算した 10 日後とする損害保険(いわゆるブリッジ保険)に加入し、売買代金を保険金で補填する仕組をとっている。
日高のセールでは「売買成立時点」規約第 19 条、「落札時」契約書 6条に危険負担は買主に移転するとしているため、ブリッジ保険は買主を保護するためのものといえる。
庭先取引でも上記のような事故による損害を補填するため、育成馬保険
加入の必要性が生じる。そこで、育成馬保険の概要を説明する。
⑵ 育成馬保険ア 基本契約
(ア) 保険事由 偶然なケガ又は病気により死亡した場合と切迫
屠殺
(イ) 保険期間 生後 1 カ月から 2 歳 4月 30 日まで
原則は 1 年であるが、保険会社が認めた場合には
短縮が可能
(ウ) 中途解約 保険加入から 1 カ月が経過すれば保険契約を中途で解約できるので、双方の合意で引渡期日を早めたときは、売主が保険に加入しているときには中途解約することになる。
(エ) 保 険 料 1 年間で 3.2%~3.3%
(オ) そ の 他 損害保険の加入については、加入依頼、馬体審査、保険申込書の提出、保険料振込を行って保険責任開始となる。このため売買契約締結日と保険責任開始日とにズレが生じる可能性があるが、実務では加入依頼日に全ての手続を完了させることが可能とのことなので、契約当日に保険責任開始となるよう確認したうえで加入手続をとるよう注意すべきである。
イ オプション特約(競走能力喪失見舞金特約)
(ア) 保険事由 偶然な事故により特定の事由が生じ競走能力を喪失したことをJRA所属獣医師が証明し、保険会社が認定したとき。
(イ) 保 険 料 1 年間で 0.8%
ウ オプション特約(腰瘻特約)イの特約とのセットのみの引き受け (ア) 保険事由 保険期間中に腰瘻の発症により競走の用に供する
ことができないとき
(イ) 保 険 料 1 年間で 0.1%(イとウで 0.8%とする保険会社もあ
る)
⑶ 育成馬保険の活用方法
本件の事例に即し、育成馬保険の活用方法を説明する。
当歳
3 月
↓
4 月
↓ 1歳
3 月
産駒出生(種付料 200 万円)
産駒出生 1 カ月後から保険加入可能
産駒出生後 1 カ月で保険加入すれば保険期間の終期さらに加入を継続するかを決める。
↓
5 月
↓
8 月
↓ 2歳
4 月末
売買契約(代金 800 万円・第 1 回金 400 万円)
引渡(所有権移転・第 2 回 400 万円)
育成馬保険の終期期限(損保ジャパン)
三井住友海上では中央馬は入厩まで、地方馬は能検合格までが終期
ア 売買契約前に次のような育成馬保険に加入している場合
当歳 4 月に加入
保険期間は 1 歳 3 月まで(原則として 1 年間)
保険額 200 万円
① 1 歳 4 月に再加入して継続保険期間は 2 歳 3 月まで
② 1 歳 5 月の売買契約時に保険金額を 800 万円に増額し、残りの期間の保険料を支払う。
③ 引渡後に解約して未経過の期間の保険料の返還を受ける(結局、売買契約から引渡までの 3 カ月間の保険料を売主が負担)
④ 売買契約時、買主と協議し、引渡から満期までの保険料を買主が負担することにすれば育成馬保険を継続することも可能。この方法をとったときは、引渡後に被保険者を買主に変更する。
イ 売買契約時に売主が育成馬保険に新規加入する場合
① 契約時に保険金額 800 万円とする保険に加入する。
保険期間を引渡時までの 3 カ月とするか、1 年間とするかを決める。
② 1年間としたときは、引渡後に保険契約を解約して未経過の保険
料の返還を受ける。
③ 売買契約時、買主と協議して合意すれば、前記ア④の方法もとることができる。
ウ 買主が売買契約時に育成馬保険に新規加入する場合危険負担買主と約定した場合に買主が加入
この場合であっても、売主が引渡までの保険料負担を合意して、買主が売買契約時に育成馬保険に新規加入する場合も想定できる。
⑷ 保険についての課題
ア オプションも含め保険事由が 3 事由に限定されているので、競走能力喪失に至らないケガに対応できない。
イ 買主が保険に加入した場合、買主が受領した保険金で代金相当額を支払わない事態も考えられる。逆に売主が保険加入者の場合には自ら保険金を受け取るので、このような問題が生じない。
Ⅴ 血統登録証明書について
1 血統登録証明書の交付(規程 18 条1項 1 号)
血統登録証明書の交付を受ける者は下記の者である(規程実施基準1項)。
① 登録申込みをした者若しくはその承継者
② ジャパン・スタッド・ブック・インターナショナルの定める委任状
を提出した者(様式は別添のとおり)
2 売買契約の際の取扱い
庭先取引の売買契約では、血統登録証明書などの交付は次のようになる。
① 引渡時までに交付を受けている場合は、引渡時に血統登録証明書を買主に交付する。
② 登録の申込みは行っているが引渡時までに交付を受けていないときは、買主に対し委任状を交付し、売主に代って血統登録証明書の交付を受ける権限を与え、買主が交付を受ける。
③ 引渡時までに血統登録の申込みを行っていないときは、売主において 引渡期日までに申込みを行うことを約し、②の委任状を買主に交付する。
3 新たな条項の追加
血統登録証明書に関し、第6条を加えた。
4 事 例
① 馬主から受胎した繁殖牝馬の預託契約の依頼を受け、引渡を受け
た際、繁殖牝馬の繁殖登録証明書も預った。
産駒出産後、生産者が馬主の費用負担でこの産駒の血統登録申請をおこなう予定であった。(産駒の血統登録の申込は当歳の 11 月 30
日まで、やむを得ない場合は 1 歳の 12 月 31 日までにしなければならない。)
② 生産者が資金繰りのため金融業者から金を借りる際、預った繁殖
牝馬の繁殖証明書を担保として差し入れた。
③
馬主が 1 歳の夏に育成牧場へ入厩させようとしたら、産駒の血統
登録がなされていないことが判明した。
<類似事例>
1歳馬を購入し、残金を支払って馬の引渡を受けようとしたら、1歳馬の血統書を金融業者に担保として差し入れており、血統書を受け取れなかった。
困った生産者は、血統登録書を紛失したとして血統書の再交付を受け、これを馬主に交付した。これを知った金融業者が、血統書は紛失しておらず、自分のところにあると登録協会に申し出、登録協会は再発行した血統書の返還を馬主に求めてきた。
1 登録証明書の再交付登録規程 19 条
1 項 「登録証明書を汚し、又は失ったため」
2 項 再交付したときは公示。これにより旧証明書は再交付と同時にその効力を失う。
2 登録規程実施基準 12 条
「失ったため」の定義
① 誤って焼失又は廃棄したとき
② 郵送等の途中で所在不明になったとき
③ その他、所在が不明になり、現に所持する者が存在しないとき
Ⅵ 紛争防止するため考慮すべきこと
1 セリでの売却を最優先とする。
セリには業務規程があり、売主側の利益に配慮した売買契約が書面で締結される。
日高のセリでは引渡期間が 10 日後であり、その間の死亡についてはブリ
ッジ保険で代金が確保されている。
2 やむを得ず庭先取引で売却する場合
⑴ 売主側の利益に配慮した売買契約書を使用する。
代金、代金の支払時期などを記載した簡単な契約書では改正民法がそのまま適用される。
⑵ 売買契約締結後、引渡までの期間を出来る限り短くする。
当歳馬については、直ちに引渡可能な場合除き売却を避けた方がよい。
軽 種 馬 売 買 契 約 書
(危険負担売主)
買主 (以下甲という)と売主 (以下乙という)とは次のとおり軽種馬売買契約を締結し、その証として本書を2通作成し、各々1通宛所持する。
(売買軽種馬)
第 1 条 売買軽種馬は次のとおりとする。
馬 名 | 品種 | 性 | 毛色 | 生 年 月 日 | 血 統 |
サラ | 牡 牝 | 年 月 日 | 父 | ||
母 |
(売買代金)
第 2 条 乙は前条記載の軽種馬(以下当該馬という)を金 円
売買代金 円消費税額 円
で売却し、甲はこれを買い受けた。
(代金の支払)
第 3 条 甲は乙に対し、第2条記載の売買代金を次のとおり乙の下記金融機関の口座に振り込んで支払う。
振 込 口 座 の 表 示
金融機関名 支 店 名 口 座 № 口 座 名
第1回金 円也(消費税込み) 年 月 日第2回金 円也(消費税込み) 年 月 日第3回金 円也(消費税込み) 年 月 日
2 甲が前項に定める支払期日における売買代金の支払いを怠ったときは、甲は乙に対し、支払期日の翌日から完済に至るまで、年 10%の割合による遅延損害金を支払わなければならない。
(所有権の移転)
第 4 条 甲が売買代金を全額支払ったときに当該馬の所有権は、乙から甲に移転する。
(当該馬の引渡等)
第 5 条 乙は甲に対し、 年 月 日、売買残代金の支払いを受けるのと同時に、当該馬を甲に引渡す。
2 引渡の場所は乙の牧場(他の場所であるときはその場所を空欄に記載すること )とする。
(血統登録証明書の交付)
第 6 条 乙は、第5条に定める当該馬の引渡時に、甲に対し、当該馬の血統登録証明書を交付する。
2 乙が公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルに当該馬の血統登録の申込みをおこなっているが血統登録証明書の交付を受けていないときは、乙は、血統登録証明書を乙に代って交付を受ける権限を与える上記法人所定の委任状を当該馬の引渡期日に甲に対し交付し、甲において血統登録証明書の交付を受けるものとする。
3 乙が当該馬の血統登録の申込みをおこなっていないときは、乙は、引渡期日までにこの申込みをおこない、引渡期日に上記申込みをおこなった旨の上記法人の証明書と、第2項記載の委任状を甲に対し交付する。
(引渡期日の変更)
第 7 条 甲が第5条に定める期日に当該馬の引取ができないときは、この期日の
1週間前までに乙の承諾を得なければならない。
2 甲が前項の承諾を得ることなく引取期間を徒過したときは、甲は乙に対し、引取期間の翌日から引取り済みに至るまで、1日あたり 円の飼養費と消費税を支払わなければならない。
(乙の善管注意義務)
第 8 条 乙は、第5条記載の引渡期日まで、当該馬を善良な管理者の注意義務をもって飼養管理する。
2 乙は、第5条記載の引渡期日経過後は、当該馬に疾病又は事故が生じた場合、乙の引渡期日変更の同意如何にかかわらず、乙に故意又は重大な過失があったときに限りその責を負う。
(事故等の報告)
第 9 条 乙は、当該馬に疾病(含む法定伝染病)、事故等(悪癖を含む)が生じた場合は直ちに甲に報告し、獣医師の診断書の必要があるものは送付するものとする。
2 乙は、疾病または事故等がその責に帰する事由によって発生した場合でなければその責を負わない。
(契約不適合責任)
第10条 甲は、当該馬に関し下記契約不適合事由があることを本売買契約締結日の翌日から 10 日以内に発見し、これを乙に書面で通知したときは、本売買契約を解除することができる。
記
⑴ 悪癖(さく癖、旋回癖、ゆう癖、身喰い)
⑵ 目の異常(白内障、黒内障、緑内障)、月盲、一眼以上の失明
⑶ 去勢
⑷ 全身麻酔を伴う外科手術歴
2 前項以外の契約不適合事由および上記期間後に書面で通知された上記契約不適合事由については、本売買契約の解除原因とすることはできず、乙は甲に対し、追完、代金減額および損害賠償など一切の責任を負わない。
(契約の解除)
第11条 乙は、甲に下記事由が生じたときは、何らの催告を要せず直ちに本売買契約を解除することができる。
記
⑴ 甲が売買代金を第3条の期日までに支払わなかったとき。
⑵ 甲が第7条1項の手続をとることなく、第5条に定める引取をなさなかったとき。
⑶ その他甲が本契約に違反したとき。
⑷ 甲の支払い能力について問題が生じたとき。
2 前項により本売買契約が解除された場合には、甲は乙に対し、違約金として売買代金の 50%相当額を支払わなければならない。
乙が売買代金の一部を受領しているときは、これを上記違約金の一部または全部に充当することができる。
(危険負担等)
第12条 乙が第5条に従い当該馬を甲に引き渡した時、危険は乙から甲に移転する。
2 甲が引渡期日に当該馬を引取らなかったとき、および第7条1項の承諾を受けたときには、第5条1項の引渡期日に、危険は乙から甲に移転する。
3 乙は、売買契約締結時に当該馬につき保険受取人を乙、保険金額を売買代金とする育成馬保険に加入する。
4 当該馬の引渡しまでに保険事由が発生し、乙が保険金を受領した場合、甲からの既払金があるときはこれを直ちに返還する。
(管轄裁判所)
第13条 甲と乙は、本契約により生じる権利義務に関する訴訟については、札幌地方裁判所を管轄裁判所とすることに予め合意する。
(権利の譲渡禁止)
第14条 甲と乙は、本売買契約により発生した権利を第三者に譲渡してはならない。
(契約条項以外の協議)
第15条 本軽種馬売買契約に定めない事項については、その都度甲、乙協議のうえ円満に処理するものとする。
年 月 日
住 所 甲 買 主 氏 名 ㊞ TEL
住 所 乙 売 主 氏 名 ㊞ TEL
(立会人がいるときはこの表示を加える)
住 所 立会人 氏 名 ㊞ TEL
軽 種 馬 売 買 契 約 書
(危険負担買主)
買主 (以下甲という)と売主 (以下乙という)とは次のとおり軽種馬売買契約を締結し、その証として本書を2通作成し、各々1通宛所持する。
(売買軽種馬)
第 1 条 売買軽種馬は次のとおりとする。
馬 名 | 品種 | 性 | 毛色 | 生 年 月 日 | 血 統 |
サラ | 牡 牝 | 年 月 日 | 父 | ||
母 |
(売買代金)
第 2 条 乙は前条記載の軽種馬(以下当該馬という)を金 円
売買代金 円消費税額 円
で売却し、甲はこれを買い受けた。
(代金の支払)
第 3 条 甲は乙に対し、第2条記載の売買代金を次のとおり乙の下記金融機関の口座に振り込んで支払う。
振 込 口 座 の 表 示
金融機関名 支 店 名 口 座 № 口 座 名
第1回金 円也(消費税込み) 年 月 日第2回金 円也(消費税込み) 年 月 日第3回金 円也(消費税込み) 年 月 日
2 甲が前項に定める支払期日における売買代金の支払いを怠ったときは、甲は乙に対し、支払期日の翌日から完済に至るまで、年 10%の割合による遅延損害金を支払わなければならない。
(所有権の移転)
第 4 条 甲が売買代金を全額支払ったときに当該馬の所有権は、乙から甲に移転する。
(当該馬の引渡等)
第 5 条 乙は甲に対し、 年 月 日、売買残代金の支払いを受けるのと同時に、当該馬を甲に引渡す。
2 引渡の場所は乙の牧場(他の場所であるときはその場所を空欄に記載すること )とする。
(血統登録証明書の交付)
第 6 条 乙は、第5条に定める当該馬の引渡時に、甲に対し、当該馬の血統登録証明書を交付する。
2 乙が公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルに当該馬の血統登録の申込みをおこなっているが血統登録証明書の交付を受けていないときは、乙は、血統登録証明書を乙に代って交付を受ける権限を与える上記法人所定の委任状を当該馬の引渡期日に甲に対し交付し、甲において血統登録証明書の交付を受けるものとする。
3 乙が当該馬の血統登録の申込みをおこなっていないときは、乙は、引渡期日までにこの申込みをおこない、引渡期日に上記申込みをおこなった旨の上記法人の証明書と、第2項記載の委任状を甲に対し交付する。
(引渡期日の変更)
第 7 条 甲が第5条に定める期日に当該馬の引取ができないときは、この期日の
1週間前までに乙の承諾を得なければならない。
2 甲が前項の承諾を得ることなく引取期間を徒過したときは、甲は乙に対し、引取期間の翌日から引取り済みに至るまで、1日あたり 円の飼養費と消費税を支払わなければならない。
(乙の善管注意義務)
第 8 条 乙は、第5条記載の引渡期日まで、当該馬を善良な管理者の注意義務をもって飼養管理する。
2 乙は、第5条記載の引渡期日経過後は、当該馬に疾病又は事故が生じた場合、乙の引渡期日変更の同意如何にかかわらず、乙に故意又は重大な過失があったときに限りその責を負う。
(事故等の報告)
第 9 条 乙は、当該馬に疾病(含む法定伝染病)、事故等(悪癖を含む)が生じた場合は直ちに甲に報告し、獣医師の診断書の必要があるものは送付するものとする。
2 乙は、疾病または事故等がその責に帰する事由によって発生した場合でなければその責を負わない。
(契約不適合責任)
第10条 甲は、当該馬に関し下記契約不適合事由があることを本売買契約締結日の翌日から 10 日以内に発見し、これを乙に書面で通知したときは、本売買契約を解除することができる。
記
⑴ 悪癖(さく癖、旋回癖、ゆう癖、身喰い)
⑵ 目の異常(白内障、黒内障、緑内障)、月盲、一眼以上の失明
⑶ 去勢
⑷ 全身麻酔を伴う外科手術歴
2 前項以外の契約不適合事由および上記期間後に書面で通知された上記契約不適合事由については、本売買契約の解除原因とすることはできず、乙は甲に対し、追完、代金減額および損害賠償など一切の責任を負わない。
(契約の解除)
第11条 乙は、甲に下記事由が生じたときは、何らの催告を要せず直ちに本売買契約を解除することができる。
記
⑴ 甲が売買代金を第3条の期日までに支払わなかったとき。
⑵ 甲が第7条1項の手続をとることなく、第5条に定める引取をなさなかったとき。
⑶ その他甲が本契約に違反したとき。
⑷ 甲の支払い能力について問題が生じたとき。
2 前項により本売買契約が解除された場合には、甲は乙に対し、違約金として売買代金の 50%相当額を支払わなければならない。
乙が売買代金の一部を受領しているときは、これを上記違約金の一部または全部に充当することができる。
(危険負担等)
第12条 本売買契約締結により当該馬に関する危険負担は甲に移転する。
2 甲は、売買契約締結時に当該馬につき保険受取人を甲、保険金額を売買代金とする育成馬保険に加入する。
3 当該馬の引渡しまでに保険事由が発生し、甲が保険金を受領したときは、甲は乙に対し、未払いの売買代金を直ちに支払う。
(管轄裁判所)
第13条 甲と乙は、本契約により生じる権利義務に関する訴訟については、札幌地方裁判所を管轄裁判所とすることに予め合意する。
(権利の譲渡禁止)
第14条 甲と乙は、本売買契約により発生した権利を第三者に譲渡してはならない。
(契約条項以外の協議)
第15条 本軽種馬売買契約に定めない事項については、その都度甲、乙協議のうえ円満に処理するものとする。
年 月 日
住 所 甲 買 主 氏 名 ㊞ TEL
住 所 乙 売 主 氏 名 ㊞ TEL
(立会人がいるときはこの表示を加える)
住 所 立会人 氏 名 ㊞ TEL
繁 殖 牝 馬 預 託 契 約 書
繁殖牝馬所有者 (以下甲という)と受託者
(以下乙という)とは下記表示の繁殖牝馬(以下本件繁殖牝馬という)の預託契約を締結し、その証として本書を2通作成し、各々1通宛所持する。
繁 殖 牝 馬 の 表 示
馬 名 | 品種 | 毛色 | 生年月日 | 血 統 | 摘 要 |
サラ | 父 | ||||
母 |
(契約の目的)
第 1 条 甲は、本件繁殖牝馬を産駒生産目的のためその飼養管理を乙に委託し、乙はこれを受託する。
(預託期間)
第 2 条 預託期間は 年 月 日から、 年 月 日までとする。
2 期間満了1ケ月前までに甲、乙いずれから何ら申出なきときは、本契約は従前と同一の条件で更新されたものとする。
(預託期間内の解約)
第 3 条 甲又は乙は、やむを得ない事由がなければ預託期間内に本契約を解約できない。
2 やむを得ない事由があるときは、1ケ月の猶予期間をもって解約の申し入れをすることができる。
3 前項の場合、甲は、本件繁殖牝馬および産駒の1ケ月分の基本預託料を支払って、即時解約することができる。
(基本預託料等)
第 4 条 甲と乙は、本件繁殖牝馬および産駒の基本預託料(消費税別途)を下記記載のとおり合意し、甲は乙に対し、基本預託料と甲負担の削蹄費、駆虫費、予防接種料、治療費、血統登録料およびその他の甲と乙が合意した特別料金につき当月分を翌月末日限り下記乙の口座に振込んで支払う。
繁 殖 | 牝 馬 | 当 歳 | 1 | 歳 | |
基本預託 料 | 日額 (出産時の日額 | 円 日間は円) | 出産から離乳まで 日額 円 離乳後から 日額 円 | 1月から日額 月から日額 | 月まで 円 円 |
振 込 口 座 の 表 示
金融機関名 支 店 名 口 座 № 口 座 名
2 乙は甲に対し、当月分の基本預託料および特別料金の明細を記載した請求書を翌月 日までに送付する。
3 乙は、甲が繁殖牝馬および産駒の基本預託料等の支払いを怠りその額が円に達したときは、甲に対し代物弁済完結の意思表示を行い、
本件繁殖牝馬および産駒の所有権を取得することができる。
4 乙は、前項の代物弁済完結の意思表示により取得した本件繁殖牝馬および産駒を第三者に売却し、その代金から売却に要した費用、未払基本預託料等およびこれに対する各支払期日の翌日から売却の日まで年5分の割合による遅延損害金を控除し、残余があればこれを速やかに甲に返還する。
(本件繁殖牝馬の受渡等)
第 5 条 甲は本件繁殖牝馬繁殖登録証明書を、乙の牧場において引渡す。
2 甲と乙は、前項の引渡しの際、獣医師の立会をもって馬体検査を行う。馬体検査に要する費用は甲の負担とする。
3 乙は、甲に対する本件繁殖牝馬および産駒の引渡を乙の牧場で行う。
ただし、産駒については、乙の指定する場所においても引渡しをすることができる。
(産駒の引取期日)
第 6 条 甲は、本件繁殖牝馬の産駒を 歳の 月 日乙の牧場または乙の指定する場所において引き取らなければならない。
2 甲が前項の引取期日の延長を求めたときは、延長期間の預託料は第4条の定めに従う。
3 甲が前項の延長の申出をすることなく産駒を引取期日に引き取らないときは、甲は乙に対し、引取期日の翌日から引き取り済みに至るまで第4条記載の産駒の基本預託料金の倍額を違約金として支払う。
(乙の注意義務)
第 7 条 乙は、本件繁殖牝馬および産駒を善良な管理者の注意義務をもって飼養管理する。
2 乙は、第6条1項記載の引取期日経過後は、産駒に疾病または事故等(悪癖を含む)が生じた場合、乙に故意または重大な過失があったときに限りその責を負う。
(届出の義務)
第 8 条 産駒の血統登録および市場販売の各申込については、甲に報告のうえ乙が行う。
2 産駒の血統登録証は乙が保管し、産駒の引渡時に甲に対し交付する。
(事故等の報告)
第 9 条 乙は、本件繁殖牝馬および産駒に疾病(含む法定伝染病)、事故等(悪癖を含む)が生じた場合は直ちに甲に報告し、獣医師の診断書の必要があるものは送付する。
2 乙は、事故、疾病および悪癖がその責に帰する事由によって発生した場合でなければその責を負わない。
(生産者賞の取扱)
第10条 生産された産駒によって中央競馬あるいは公営競馬において生じる生産牧場賞は乙が取得し、日本中央競馬会の定める繁殖牝馬所有者賞は甲が取得する。
(損害保険)
第11条 甲は、本件繁殖牝馬および産駒の死亡等による損害を填補するため損害
保険に加入する。
(契約の解除)
第12条 甲、乙いずれかが本契約の条項に違背したときは、相手方は何らの催告を要せず直ちに本契約を解除することができる。
2 甲の債務不履行によって本契約が解除されたときは、甲は乙に対し、解除の日の翌日から本件繁殖牝馬および産駒引取の日まで、特別料金のほかそれぞれの基本預託料の倍額を違約金として支払う。
(管轄裁判所)
第13条 甲と乙は、本契約により生じる権利義務に関する訴訟については、札幌地方裁判所を管轄裁判所とすることに予め合意する。
年 月 日
住 所 甲 委託者 氏 名 ㊞ TEL
住 所 乙 受託者 氏 名 ㊞ TEL
代物弁済完結の意思表示
貴殿との間で繁殖牝馬 号父 、母 、生年月日 生)の預託契約を締結して、同号およびその産駒を飼養しておりましたが、貴殿は、約定の基本預託料等のお支払いを怠り、その額が金 円となりましたので、繁殖牝馬預託契約書第4条3項に従い、本書をもって代物弁済完結の意思表示をおこないます。
本書到達によって同号およびその産駒の所有権は当方に移転しますので、当方において同号およびその産駒を処分し、未払いの基本預託料等に充当させていただき、残余があれば返却致します。精算書は処分後送付致します。
年 月 日
(住所)
(氏名)
(住所)
殿
配達証明付内容証明郵便またはファックス( 送信記録が必要)で発送すること
精 算 の 御 通 知
年 月 日付け代物弁済完結の意思表示に基づき処分した
号および産駒の精算書を送付致します。
1 繁殖牝馬 号
⑴ 売 却 日 年 月 日
⑵ 売 買 代 金 金 円
⑶ 売買代金受領日 年 月 日(未払金充当日となります)
2 産 駒 号
⑴ 売 却 日 年 月 日
⑵ 売 買 代 金 金 円
⑶ 売買代金受領日 年 月 日(未払金充当日となります)
3 繁殖牝馬 号の精算書
⑴ 遅 延 損 害 金 金 円
⑵ 基 本 預 託 料 金 円
⑶ 特 別 料 金 金 円
⑷ 充当後の過不足金 金 円
4 産 駒 号の精算書
⑴ 遅 延 損 害 金 金 円
⑵ 基 本 預 託 料 金 円
⑶ 特 別 料 金 金 円
⑷ 充当後の過不足金 金 円以上、過不足金は金 円となります。
(1 この剰余金を送金しますので、送金先の金融機関口座をご連絡下さい。)
(2 不足額は金 円となりますので、この金額とこれに対する未払金充当の翌日から支払済みに至るまで年5分の割合による遅延損害金を直ちにお支払い下さい。)
年 月 日
(住所)
(氏名)
殿
仔分(定率型)預託契約書
繁殖牝馬所有者 (以下甲という)と受託者
(以下乙という)とは下記表示の繁殖牝馬(以下本件繁殖牝馬という)の仔分預託契約を締結し、その証として本書を2通作成し、各々1通宛所持する。
繁 殖 牝 馬 の 表 示
馬 名 | 品種 | 毛色 | 生年月日 | 血 統 | 摘 要 |
サラ | 父 | ||||
母 |
(契約の目的)
第 1 条 甲は、本件繁殖牝馬を仔分けによる産駒生産目的のためその飼養管理を乙に委託し、乙はこれを受託する。
(預託期間)
第 2 条 預託期間は 年 月 日から、 年 月 日までとする。
2 前項の期間満了1ケ月前までに甲、乙いずれから何ら申出なきときは、本契約は従前と同一の条件で更新されたものとする。
3 甲または乙は、やむを得ない事由がなければ預託期間内に本契約を解約できない。
4 やむを得ない事由があるときは、1ケ月の猶予期間をもって解約することができる。
(乙の注意義務)
第 3 条 乙は、本件繁殖牝馬および産駒について善良なる管理者の注意をもって飼養管理する。
(配合の決定)
第 4 条 本件繁殖牝馬に対する種牡馬の選定は、甲、乙協議のうえ行う。
2 種付料は甲の負担とする。
(産駒の所有権)
第 5 条 甲と乙は、産駒の所有権は第6条に定める割合による共有であることを確認する。
(産駒の分収率)
第 6 条 甲と乙は、産駒を第三者に販売し、その販売額から販売に要した費用を控除した残額を甲 50%、乙 50%の割合で分配することを合意する。
(産駒の販売)
第 7 条 甲と乙は、産駒の販売時期、販売方法(庭先または市場)および最低販売価格を協議し決定する。
2 前項の合意に従って、乙において産駒の販売を行う。
(届出の義務)
第 8 条 生産された産駒の血統登録、市場販売の各申込は乙が行う。
2 産駒の血統登録書は乙が保管する。
(報告義務)
第 9 条 乙は、本件繁殖牝馬または産駒に疾病または事故による損害が発生したときは、速やかに甲に報告し、獣医師の診断書の必要があるものは送付する。
ただし、軽微な疾病、傷害の場合には報告に及ばない。
(生産者賞の取扱)
第10条 生産された産駒によって中央競馬あるいは公営競馬において生じる生産牧場賞は乙が取得し、日本中央競馬会の定める繁殖牝馬所有者賞は甲が取得する。
ただし、第 14 条の特約により乙が本件繁殖牝馬の所有権を取得したときは、その旨の届出をおこなったうえで、繁殖牝馬所有者賞を乙が取得する。
(保険加入)
第11条 本件繁殖牝馬および産駒の死亡等による損害を填補するため、甲は損害保険に加入する。
(管轄裁判所)
第12条 甲と乙は、本契約により生じる権利義務に関する訴訟については、札幌地方裁判所を管轄裁判所とすることに予め合意する。
(契約事項以外の協議)
第13条 本契約に定めのない事項については、その都度甲、乙協議のうえ円満に処理する。
(特約事項・特約の合意があったときに記載)
第14条 甲は乙に対し、本件繁殖牝馬の所有権を 年 月無償で譲渡する。
年 月 日
住 所 甲 委託者 氏 名 ㊞ TEL
住 所 乙 受託者 氏 名 ㊞ TEL
👉 成 馬 預 託 契 約 書
育成馬所有者 (以下甲という)と受託者
(以下乙という)とは下記表示の育成馬(以下本件育成馬という)の預託契約を締結し、その証として本書を2通作成し、各々1通宛所持する。
育 成 馬 の 表 示
馬 名 | 品種 | 性 | 毛色 | 生年月日 | 血 統 | 摘 要 |
サラ | 父 | |||||
母 |
(契約の目的)
第 1 条 甲は、本件育成馬の飼養管理を乙に委託し、乙はこれを受託する。
(預託期間)
第 2 条 預託期間は 年 月 日から 1 ケ月間とする。
2 前項の預託期間満了までに甲または乙が更新拒絶の意思表示のないときは、同一の条件で更新されたものとする。
(預託期間内の解約)
第 3 条 甲または乙は、やむを得ない事由がなければ預託期間内に本契約を解約できない。
2 やむを得ない事由があるときは、10 日間の猶予期間をもって解約の申し入れをすることができる。
(基本預託料等)
第 4 条 甲と乙は、本件育成馬の基本預託料(消費税別途)を下記記載のとおり合意し、甲は乙に対し、基本預託料と甲負担の削蹄費、駆虫費、予防接種料、治療費、血統登録料およびその他の甲と乙が合意した特別料金につき当月分を翌月末日限り下記乙の口座に振込んで支払う。
当 | 歳 | 1 | 歳 | 2 | 歳 | |
基本預託料 | 月から日額 | 円 | 1月から日額 月から日額 月から 日額 | 月まで 円 月まで 円 月まで 円 | 1月から日額 月から日額 | 月まで 円 月まで 円 |
振 込 口 座 の 表 示
金融機関名 支 店 名 口 座 № 口 座 名
2 乙は甲に対し、当月分の基本預託料および特別料金の明細を記載した請求書を翌月 日までに送付する。
3 乙は、甲が基本預託料等の支払いを怠りその額が 円に達したときは、甲に対し代物弁済完結の意思表示を行い、本件育成馬の所有権を取得することができる。
4 乙は、前項の代物弁済完結の意思表示により取得した本件育成馬を第三者に売却し、その代金から売却に要した費用、未払基本預託料等およびこれに対する各支払期日の翌日から売却の日まで年5分の割合による遅延損害金を控除し、残余があればこれを速やかに甲に返還する。
(本件育成馬の受渡等)
第 5 条 本件育成馬の預託を受け入れるとき、および本契約終了により引き渡すときは乙の牧場で行う。
2 甲と乙は、前項の受け入れと引き渡しを両者立会いで行う。
(乙の注意義務)
第 6 条 乙は、本件育成馬を善良な管理者の注意義務をもって飼養管理する。
2 乙は、第10条の解除後に生じた疾病、事故等に関しては、乙に故意または重大な過失があったときに限りその責を負う。
(事故等の報告)
第 7 条 乙は、本件育成馬に疾病(含む法定伝染病)、事故等(悪癖を含む)が生じた場合は直ちに甲に報告し、獣医師の診断書の必要があるものは送付する。
2 乙は、疾病または事故等がその責に帰する事由によって発生した場合でなければその責を負わない。
(損害保険)
第 8 条 甲は、本件育成馬の死亡等による損害を填補するため、育成馬保険に加入する。
(育成施設の利用等)
第 9 条 甲の希望により、本件育成馬が乙の牧場以外の育成・調教施設を利用する場合は、輸送費を含めた諸費用は甲の負担とする。
2 育成・調教施設において生じた事故、疾病に対しては、それらが乙の責任に帰する事由によって発生した場合でなければ、乙はその責任を負わない。
(契約の解除)
第10条 甲、乙いずれかが本契約の条項に違背したときは、相手方は何らの催告を要せず直ちに本契約を解除することができる。
2 甲の債務不履行によって本契約が解除されたときは、甲は乙に対し、解除の日の翌日から本件育成馬引取の日まで、特別料金のほか基本預託料の倍額を違約金として支払う。
(管轄裁判所)
第11条 甲と乙は、本契約により生じる権利義務に関する訴訟については、札幌地方裁判所を管轄裁判所とすることに予め合意する。
年 月 日
住 所 甲 委託者 氏 名 ㊞ TEL
住 所 乙 受託者 氏 名 ㊞ TEL
代物弁済完結の意思表示
貴殿との間で育成馬 号父 、母 、生年月日 生)の預託契約を締結して、同号を飼養しておりましたが、貴殿は、約定の基本預託料等のお支払いを怠り、その額が金 円となりましたので、軽種馬育成馬預託契約書第4条3項に従い、本書をもって代物弁済完結の意思表示をおこないます。
本書到達によって同号の所有権は当方に移転しますので、当方において同号を処分し、未払いの基本預託料等に充当させていただき、残余があれば返却致します。精算書は処分後送付致します。
年 月 日
(住所)
(氏名)
(住所)
殿
配達証明付内容証明郵便またはファックス( 送信記録が必要)で発送すること
精 算 の 御 通 知
年 月 日付け代物弁済完結の意思表示に基づき処分した
号の精算書を送付致します。
1 育 成 馬 号
⑴ | 売 却 日 | 年 | 月 | 日 | |
⑵ | 売 買 代 金 | 金 | 円 | ||
⑶ | 売買代金受領日 | 年 | 月 | 日(未払金充当日となります) |
2 育 成 馬 号の精算書
⑴ | 遅 延 損 害 金 | 金 | 円 |
⑵ | 基 本 預 託 料 | 金 | 円 |
⑶ | 特 別 料 金 | 金 | 円 |
⑷ | 充当後の過不足金 | 金 | 円 |
以上、過不足金は金 円となります。
(1 この剰余金を送金しますので、送金先の金融機関口座をご連絡下さい。)
(2 不足額は 円となりますので、この金額とこれに対する未払金充当の翌日から支払済みに至るまで年5分の割合による遅延損害金を直ちにお支払い下さい。)
年 月 日
(住所)
(氏名)
殿
様式第15号
委 任 状
住所
私は、 を以て代理人と定め、
氏名
下記の馬の所有者として公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルへの以下の手続きに関する権限を委任します。
馬 名 | 品種 | 性 | 毛 色 | 生年月日 | 血 統 | 産 地 |
1.登録に関する申請
1.登録証明書の受領
但し、この権限は登録証明書の発行日より90日を超えた後は、その効力を失うものとします。
1.所有者が義務づけられている報告書の作成、提出
1.輸出に関する申請
年 月 日
住所
委任者
氏名 ㊞
備考:1)委任事項で必要のない箇所は、抹消して訂正印を押印してください。
2)代理人が事情により復代理人を選任することを委任する場合は、その旨を追って書きで記載のこと。
3)本財団の個人情報の取扱いについて、裏面の個人情報の利用目的をご確認ください。
様式第15号
個人情報の利用目的について
本財団は、本状に記載されている個人情報を、下表の利用目的の達成に必要な範囲で利用します。
対 象 者 | 利 用 目 的 |
軽種馬の登録関係 | ① 軽種馬の登録事業の実施のため(事務連絡、軽種馬の登録原簿への記載及び管理、登録証明書等の作成及び交付、記録の保存等) ②軽種馬の血統書の発行のため ③ 軽種馬の改良増殖に関する調査研究のため ④軽種馬統計等の発行のため ⑤ 軽種馬の登録情報を次に掲げる第三者(外国にある者を含む。)に提供するため ア 軽種馬の登録原簿の閲覧者 イ 軽種馬の所有者・管理者、生産牧場、(公社)日本軽種馬協会、日本中央競馬会、地方競馬全国協会、競馬関係の図書出版社、外国の血統登録機関等 ウ 一般の方(ホームページ等で提供) |
(注)
「個人情報」とは、特定の個人を識別できる情報(氏名、住所等)及び個人の属性に関するすべての情報をいい、個人情報を含む情報の集合物をコンピュータを用いて検索可能とした場合等に、その個人情報を「個人データ」といいます。
馬 名 | 品 種 | 性 | 毛 色 | 生年月日 | 血 統 | 産 地 |
私は、上記の馬について
住所
年 月 日
氏名 より
別紙委任状のとおり委任を受け受諾したので、登録証明書を送付願います。
なお、登録証明書の発行期日時に複数の受任者があるときは、登録証明書を委任者に交付しても異議苦情等の申し立てをいたしません。
年 月 日
住所
氏名 ㊞
公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル 理事長 殿