第一生命保険株式会社(社長:渡邉光一郎)は、28.96%の株式を保有する関連会社 TOWER Australia Group Limited(以下「タワー社」)との間で、当社未保有のタワー社株式の全株取得に関する契約(Scheme Implementation Deed)を締結しました。
2010 年 12 月 28 日
各 位
会 社 名 第 一 生 命 保 険 株 式 会 社代表者名 代表取締役社長 xx xxx (コード番号:8750 東証第一部)
タワー社の完全子会社化に関する契約締結について
第一生命保険株式会社(社長:xxxxx)は、28.96%の株式を保有する関連会社 TOWER Australia Group Limited(以下「タワー社」)との間で、当社未保有のタワー社株式の全株取得に関する契約(Scheme Implementation Deed)を締結しました。
タワー社の独立取締役は、本件が同社株主の利益に資するとの第三者(Independent Expert)意見が得られることなどを条件として、全員が本件に賛同しており、当社による株式取得を同社株主に推奨することを表明しております。今後は、日本・オーストラリアの関連当局の認可やタワー社株主総会での承認等を前提に、当社によるタワー社の完全子会社化に向けたプロセスを進めてまいります。
1.背景
• 当社は、100 年以上にわたって蓄積してきた生命保険事業のノウハウを活用し、高成長が期待できるアジアを中心とした海外事業展開を進めてまいりました。具体的には、 2007 年のベトナムにおける現地生命保険会社の買収に続き、インド、タイ、オーストラリアへ進出し、更なる事業展開を目指しておりました。
• オーストラリアにおいては、2008 年にタワー社を関連会社化して以降、取締役 2 名の派遣や協働取組等を通じて同社との信頼関係を構築してきており、同国生命保険市場において高成長を続けるタワー社の競争優位性を高く評価しております。
• タワー社を完全子会社化し、同社の成長をこれまで以上にサポートするとともに、豪州市場への取組とコミットメントを強化いたします。また、同社の成長の果実を 100%享受することで、海外事業の一層の強化を実現することが出来ると考えております。
2.本件の概要
• スキーム・オブ・アレンジメント(Scheme of Arrangement)という友好的な買収手法を活用し、タワー社株主総会で投票議決権の 75%以上かつ出席投票株主の過半数の承認や、オーストラリアの裁判所による承認により、当社未保有のタワー社株式取得が実現します。なお、当該株式取得は日豪監督当局からの認可取得が前提となります。
• 当社未保有のタワー社株式(発行済株式総数の 71.04%)について、総額 1,193 百xxドル(約 996 億円)、1 株あたり 4.00 豪ドル(約 334 円)にて取得いたします。この株式取得金額は、本件発表直前の株価に対して 46.5%、過去 1 ヵ月のタワー社平均株価に対して 46.2%のプレミアムを加えた金額です。
• タワー社の経営陣等に付与されているストックオプション等の現金化対応として、70百xxドル(約 58 億円)程度の支払いを行う予定です。
※カッコ内の円貨金額は 1 豪ドル=83.55 円で換算しております。
3.戦略的目的
• オーストラリアの生命保険市場は好調な経済等を背景に安定した成長を続けており、特に保障性保険の分野は今後も更なる成長が期待されております。当社は、保障性保険に強みを持つタワー社を完全子会社化し、同社の豪州生命保険市場における競争優位性と当社の資本力を組み合わせることで、オーストラリアにおける事業基盤を飛躍的に強化することが出来ると考えております。
• タワー社を完全子会社とすることにより、第一生命グループの海外事業の収益規模は大幅に上昇し、事業ポートフォリオの国際的な地域分散が推進されます。また、国内市場より高い成長が期待できる海外市場の事業ウエイト上昇により、第一生命グループ全体の更なる利益成長を目指します。
• 多様なチャネルを活用したマーケティング力や保険引受システムなど、タワー社が有 する高い経営ノウハウを活用することで当社の海外事業全体のレベルアップを実現し、海外事業の収益拡大を図ります。
2008 年9 月期 | 2009 年9 月期 | 2010 年9 月期 | |
収入保険料 | 709 (592) | 738 (617) | 942 (787) |
当期利益 | 68 (57) | 46 (38) | 87 (73) |
総資産 | 3,416 (2,854) | 3,417 (2,855) | 3,672 (3,068) |
純資産 | 599 (500) | 680 (568) | 850 (710) |
4.タワー社の概要
会社名 | TOWER Australia Group Limited |
設立 | 1987 年 10 月 28 日 |
本社所在地 | オーストラリア ニューサウスウェールズ州 ミルソンズ・ポイント |
代表者 | xxxx・xxxx会長、xx・xxx社長 |
上場 | オーストラリア証券取引所 |
主要指標(連結) | (単位:百xxドル、カッコ内は億円) ※カッコ内の円貨金額は 1 豪ドル=83.55 円で換算しております。 |
5.今後のスケジュール(予定)
2 月 | ・豪州証券取引委員会へスキーム・ブックレット提出 (xxxx・xxxxxxとはタワー社株主が株主総会で賛否表明を行うに際して必要となる情報を記載した書類であり、タワー社が作成・提出する。) |
3 月 | ・タワー社株主へスキーム・ブックレット送付 |
4 月 | ・タワー社株主総会 ・裁判所承認 |
5 月 | ・当社によるタワー社株式取得 |
※日豪監督当局からの認可取得のタイミング等により、上記スケジュールは変更となる可能性があります。
6.今後の見通し
株式取得の完了は 2011 年 5 月を予定しており、2011 年 3 月期の連結業績に与える影響はありません。
以上
【参考】
タワー社の完全子会社化について
2010年12月28日
0
第一生命保険株式会社
本件の概要
第一生命保険株式会社(以下「当社」または「第一生命」)は、28.96%の株式を保有する関連会社 TOWER Australia Group Limited(以下「タワー社」)との間で、当社未保有のタワー社株式の全株取得に関する契約を締結
取引形態:
主な要件(1):
株式取得金額(2):取得資金:
完了時期:
スキーム・オブ・アレンジメント(被買収企業の協力が前提となる、豪州における友好的な買収で一般的に使用される手法)。タワー社の独立取締役は、本件が同社株主の利益に資するとの第三者(Independent Expert)意見が得られることなどを条件として、全員が本件に賛同しており、当社による株式取得を同社株主に推奨することを表明。
①タワー社株主総会における投票議決権の75%以上かつ出席投票株主の過半数の承認、②裁判所の承認
総額1,193百xxドル(約996億円(3)(4))、1株当たり4.00豪ドル当社が保有する手元資金を充当する予定
2011年5月(予定)
株式会社化後わずか9ヶ月で、M&Aによる成長機会の追求を具現化
(1) 金融庁およびオーストラリアの監督当局からの認可取得を前提とする
(2) 株式取得金額以外に、タワー社の経営陣等に付与されているストックオプション等の現金化対応として、70百xxドル(約58億円)程度の支払いを行う予定
(3) 本資料では、豪ドル・日本円の為替レートを、特に記載の無い限り、便宜上1豪ドル=83.55円で換算 1
(4) 実際の円貨金額は、取引実施時点の為替レートによって変動
本件に至る経緯(当社海外事業の沿革)
2007年1月
現地生保を買収、
第一生命ベトナムとして
営業開始(当社100%出資)
2009年2月
現地有力銀行2行との合弁生命保険会社スター・ユニオン・第一ライフ開業(当社 26%出資)
2008年7月
オーシャンライフと戦略的業務提携(当社24%出資)
マーケットシェア:
2007年度 5.0%
↓
2009年度 6.3% に拡大
2009年度の初年度収入保険料は全23社中14位
(当初計画を大幅超過達成)
2009年度の収入保険料は前年比で9%増加
2008年8月
タワー社と業務提携(当社
29.7%出資)。人材交流・
資本面での協働取組実施
2011年5月
タワー社を友好的手法で
100%子会社化(予定)
効率的・効果的な M&A:既進出市場の理解とターゲットとの良好な関係に基づき、買収執行や買収後の事業運営に係るリスクを最小化
タイ
インド
ベトナム
オーストラリア
本件の戦略的位置づけ
グループ全体の利益成長に貢献
<本件自体の意義>
<今後の海外戦略における意義>
-タワー社を海外事業の「プラットフォーム」としてアジア・パシフィック地域でプレゼンス拡大
-タワー社が有する高い経営ノウハウを活用し、国境をまたがるシナジーを追求
-グループ内での人材交流活発化、グローバル人材登用・経営参画への発展
本格的グローバル展開の加速
第一生命
タワー社
+
高成長の豪保障性市場における競争優位性
保障性商品開発・販売チャネルに関するノウハウ
第一生命グループ、タワー社の収益力
第一生命グループ (連結、2010年3月期実績) | タワー社 (2010年9月期実績) | |
純利益 | 556億円(タワー控除ベース: 546億円(1) ) | 87百xxドル (73億円) |
ROE | (2) 7.8% | (3) 11.4% |
EV(エンベディッド・バ リュー)新契約価値 | 1,189億円 | 168百xxドル (140億円) |
(1) 2010年3月期に計上した利益から、タワー社への持分28.6%から得た利益を控除したもの
(2) 修正純利益(純利益に危険準備金の法定超過繰入(税後)を加えたもの)を分子、( 純資産の部合計(連結)+危険準備金(税後)+価格変動準備金(税後)) の2年平均を分母として計算。なお、当社は2010年3月31日まで相互会社であったため、株式会社であったと仮定して計算
(3) 純利益を分子、純資産の2年平均を分母として計算 4
純利益に占める海外事業の比率は上昇(1)
・本件により、当社の来期EPSは330円程度上昇する見込み (2)
・純利益に占める海外事業の比率は上昇
9%
国内
91%
【純利益に占める海外事業の比率(3)】 海外
3%
国内
97%
海外
(1) 本ページ記載の数値は初期的な試算に基づくものであり、最終的な影響額は現時点で未確定
5
(2) 本件に係る想定支払額(ストックオプション等の現金化対応に係る支払いを含む)からタワー社純資産額(当社による予想)を控除したものをのれん代とみなし、20年で償却すると仮定した場合の試算額。最終的な影響額は様々な要因により異なる可能性あり
(3) xxxxは、 2010年3月期の当社グループ実績。右グラフは、①2011年3月期の当社グループ業績予想、②当社による2011年9月期のタワー社業績予想、③上記(2)と同
様の仮定に基づくのれん償却の試算額、を踏まえて算出。なお、完全子会社化後のタワー社損益は、実際には2012年3月期から当社グループ業績に反映する予定
取得価格の妥当性
• 取得価格(1株当たり4.00豪ドル)は、豪保険会社の主なM&A事例との比較およびタワー社の利益の質に照らして妥当な水準
本件のバリュエーション(1): P/EV 1.1倍(2)、PER 19.0倍
(参考)豪保険会社の主なM&A事例(2009年以降(3))
P/EV | PER |
1.1 ~ 1.4 | 11.8 ~ 24.1 |
2008年にマイナー出資した際と同等の価格水準(円換算ベース)で完全子会社化を実現
(1) ストックオプション等の現金化対応として支払う予定の70百xxドル(約58億円)程度を除くベース
(2) 分母は、タワー社生保EV(1,461百xxドル)
(3) 買収実施に係る公表を行った事例であり、買収が実現しなかったものを含む。具体的事例は以下の通り。①National Australia BankによるAviva Australia買収(公表時期: 2009年6月)、②ANZ Banking GroupによるING Australiaの51%株式取得(2009年9月)、③ National Australia BankによるAXA Asia Pacificのオーストラリアおよびニュージー
ランド事業に係る買収提案(2009年12月)、④AMPによるAXA Asia Pacificのオーストラリアおよびニュージーランド事業に係る買収提案(2010年11月) 6
タワー社の概要①
会社名: TOWER Australia Group Limited
設立日: 1987年10月28日
本社所在地: ニューサウスウェールズ州ミルソンズ・ポイント
上場: オーストラリア証券取引所
当社出資比率: 28.96%(直近時点)
収入保険料: 942百xxドル(787億円、2010年9月期)
税引後利益: 87百xxドル(73億円、2010年9月期)
EV: 1,461百xxドル(1,221億円、2010年9月期)
純資産: 850百xxドル(710億円、2010年9月期)
7
タワー社の概要②
オーストラリア生命保険市場(保障性商品)で強固なプレゼンス
■ 保有契約保険料(保障性商品)
(百xxドル)
NAB
CBA
ING TOWER AIA
AMP
AXA
SUN
WBC Metlife
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
根拠資料: Plan for Life 8
タワー社の概要③
・豪保障性商品市場は過去15年以上に亘り概ね10%以上で成長、今後も10%前後の成長予測(1)
・実質的に保障性商品に特化したタワー社は成長を加速。
【豪保障性商品市場の推移】
保険料収入
(百xxドル)
10,000
【タワー社の実績】
(百xxドル)
保有契約保険料
EV
(2)
基礎的利益(右軸)
1,600
100
8,000
6,000
4,000
1,400
80
1,200
1,000 60
800
600 40
2,000
0
1995 1997 1999
2001
2003
2005
2007
2009
400
200
0
06/9期
07/9期
08/9期
09/9期
20
0
10/9期
定期 所得保障 団体
根拠資料: Rice Warner、タワー社アニュアルレポート
9
(1) DEXX&R、Rice Warner予測。
(2) 割引率変動に伴う損益や非現金損失等の影響を除いた損益。
参考データ
タワー社株価(2008年8月~)
株価(1豪ドル・100円) 為替レート(豪ドル)
為替レート(右軸)
株価(豪ドル)(左軸)
株価(円ベース)(左軸)
5.0 100
4.5 90
4.0 80
3.5 70
3.0 60
2.5 50
2.0 40
1.5 30
1.0 20
2008/08 2008/11 2009/02 2009/05 2009/08 2009/11 2010/02 2010/05 2010/08 2010/11
タワー社株価EV倍率(2008年8月~)
株価(豪ドル) (倍)
EV倍率(右軸)
株価(左軸)
4.5 1.2
4.0 1.0
3.5 0.8
3.0 0.6
2.5 0.4
2.0 0.2
1.5
2008/08 2008/11 2009/02 2009/05 2009/08 2009/11 2010/02 2010/05 2010/08 2010/11
0.0
(1) EVについては、半期毎の開示ベースEVを日次で直線補完(2010年10月以降は横ばい)
免責事項
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