Ganymede Limited Series 2021-2
<資産証券化商品>
Ganymede Limited Series 2021-2
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
20-S-0134
2021 年 2 月 10 日
【新規】
債券格付 A+
■格付事由
本件は、単一債務者を参照体とするクレジットデフォルトスワップ(CDS)契約、金利スワップ契約(2つ合わせてスワップ契約)、日本国債を裏付けとするクレジットリンク債に対する格付である。
1.スキームの概要
(1) Ganymede Limited(Ganymede)は、シリーズ 2021-2(本債券)を発行し、日本国債を購入する。
(2) Ganymede は参照体にかかる CDS 契約ならびに金利スワップ契約をスワップカウンターパーティである Citigroup Global Markets Limited と締結する。CDS 契約は、Ganymede がプロテクションのセラーとなっており、参照体にクレジットイベントが発生した場合には、本債券はオークション等により決定される参照体の最終価格からスワップ解約費用等を差し引いた金額での償還となる。
(3) Ganymede はスワップ契約にもとづき年 2 回 Citigroup Global Markets Limited から受け取る金銭を原資に本債券の利息を支払う。
2.仕組み上の主たるリスクの所在
(1)参照体に関するクレジットイベントの定義
本債券にかかる CDS 契約は、“2014 ISDA Credit Derivatives Definitions”に準拠している。参照体のクレジットイベントの定義は、以下 3 種類である。
・Failure to Pay(支払不履行)
・Repudiation/Moratorium (履行拒否/支払猶予)
・Restructuring(リストラクチャリング)
(2) スワップカウンターパーティの信用リスク
Ganymede は、スワップカウンターパーティとの間でスワップ契約を締結しているため、本債券の約定どおりの利息支払、元本償還については、スワップカウンターパーティである Citigroup Global Markets Limitedの信用力に連動する。
(3)担保債の信用リスク
担保債にデフォルトが発生した場合、本債券の償還原資が毀損することとなるため、本債券の格付は担保債の信用力に連動する。
3.格付評価のポイント
(1) 損失、キャッシュ・フロー分析および感応度分析
① Ganymede は、本債券の利息についてはスワップ契約からの金銭を原資に、本債券の元本については担保債である日本国債の元本を原資に支払を行う。したがって、本債券について元本償還および利息支払が規定どおりに行われる確実性は、CDS 契約の参照体の信用力、スワップカウンターパーティの信用力、ならびに担保債の信用力のいずれか低いほうに収斂・連動するものと考えられる。
② 担保債、スワップ契約からの受取金と本債券の約定上のキャッシュフローのミスマッチは認められない。
③ CDS 契約の参照体の信用力、スワップカウンターパーティの信用力、ならびに担保債の信用力のうち、最も低い格付が変更となった場合には、本債券の格付も連動して変更される。
(2) その他の論点
SPC のバンクラプシー・リモート性は確保されている。
以上より、本債券の元本償還および利息支払が規定どおりに行われる確実性は、CDS 契約の参照体の信用力、スワップカウンターパーティの信用力、ならびに担保債の信用力の最も低いほうに収斂・連動するものと考えられ、本債券の格付を「A+」と評価した。
【スキーム図】
クレジットデフォルト
スワップ契約
本債券発行
金利スワップ契約
発行代わり金
担保債購入
日本国債 (担保債)
投資家
Citigroup Global Markets Limited(スワップカウンターパーティー)
Ganymede Limited (発行体)
(担当)xx xx・xx xx
■格付対象
【新規】
対象 | 発行金額 | 予定償還期日・償還期日* | クーポン・タイプ | 格付 |
Series 2021-2 | 20,000,000 米ドル | 2030 年 12 月 24 日 | 固定 | A+ |
* クレジット・イベント参照期間内にクレジット・イベント決議依頼がなされた場合などには、予定償還期日から延長される場合がある。
<発行の概要に関する情報>
発行日 | 2021 年 2 月 10 日 |
利払日 | 毎年 6 月 24 日、12 月 24 日 |
償還方法 | 満期一括償還(コール条項付き) |
流動性・信用補完措置 | なし |
<ストラクチャー、関係者に関する情報>
発行会社 | Ganymede Limited |
アレンジャー | Citigroup Global Markets Limited |
クレジットデフォルトスワップスワップカウンターパーティ | Citigroup Global Markets Limited |
金利スワップ スワップカウンターパーティ | Citigroup Global Markets Limited |
参照体所在国 | 未公表 |
参照体業種 | 未公表 |
参照体格x | x公表 |
<裏付資産に関する情報>
裏付資産の概要 | 日本国債、クレジットデフォルトスワップ契約、金利スワップ契約 |
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2021 年 2 月 9 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:xx xx
xx格付アナリスト:xx xx
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準については、JCR のホームページ(xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/)の「格付関連方法」に「信用格付の種類と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法(格付方法)の概要は、JCR のホームページ(xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/)の「格付関連情報」に、「クレジットリンク商品」(2012 年 12 月 3 日)の信用格付の方法として掲載している。回収金口座や倒産隔離など他の付随的な論点についても上記のページで格付方法を開示している。
5. 格付関係者:
(オリジネーター等) Citigroup Global Markets Limited
(アレンジャー) Citigroup Global Markets Limited
(SPC) Ganymede Limited
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。JCR は、格付付与にあたって必要と判断する情報の提供を発行者、オ
リジネーターまたはアレンジャーから受けているが、その全ては開示されていない。本件信用格付は、資産証券化商品の信用リスクに関する意見であって、価格変動リスク、流動性リスクその他のリスクについて述べるものではない。また、提供を受けたデータの信頼性について、JCR が保証するものではない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
格付対象商品に関する、アレンジャーから入手した関連契約書類
なお、JCR は格付申込者等から格付のために提供を受ける情報の正確性に関する表明保証を受けている。
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、いずれかの格付関係者による表明保証もしくは対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 資産証券化商品の情報開示にかかる働きかけ:
(1) 情報項目の整理と公表
JCR は、資産証券化商品の信用格付について、第三者が独立した立場で妥当性を検証できるよう、裏付資産の種類別に、第三者が当該信用格付の妥当性を評価するために重要と認められる情報の項目をあらかじめ整理してホームページ上で公表している。
(2) 情報開示にかかる働きかけの内容およびその結果の公表
JCR は、本資産証券化商品の格付関係者に対し、当該資産証券化商品に関する情報(上記の情報項目を含む。)の開示を働きかけた。
働きかけの結果、格付関係者が公表に同意した情報の項目について、JCR は、格付関係者の委任を受け、格付関係者に代わりここで当該情報を公表する(上記格付事由および格付対象を参照)。なお、公表に対して同意を得られていない情報の項目については、上記格付事由および格付対象の箇所で未公表と表示している。
10. 資産証券化商品についての損失、キャッシュフローおよび感応度の分析:
格付事由参照。
11. 資産証券化商品の記号について:
本件信用格付の対象となる事項は資産証券化商品の信用状態に関する評価である。本件信用格付は裏付けとなる資産のキャッシュフローに着眼した枠組みで付与された格付であって、資産証券化商品に関し(a)規定の利息が期
日どおりに支払われること、(b)元本が償還期日までに全額償還されること-の確実性に対するものであり、ゴーイングコンサーンとしての債務者の信用力を示す発行体格付とは異なる観点から付与されている。
12. JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であって、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として発行体より手数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データを含め、本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
予備格付:予備格付とは、格付対象の重要な発行条件が確定していない段階で予備的な評価として付与する格付です。発行条件が確定した場合には当該条件を確認し改めて格付を付与しますが、発行条件の内容等によっては、当該格付の水準は予備格付の水準と異なることがあります。
■NRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラスに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000