Contract
「PFI事業契約に関する民事調停の不成立についての説明会」議事録(要旨)
日 時:令和3年8月12日(木) 午後6時30分~午後7時30分場 所:きら市民交流センター 多目的ホール
出席者:xx市長、xx副市長、xxxx経営局長、xx資産経営局次長、xx資産経営課長、xx資産経営課主幹
参加者:39名
18時30分 説明会開始(司会:資産経営課主幹)
⑴市長あいさつ
この2年間、民事調停の場において見直し方針に基づく事業の実施と損害賠償額の確定を求めて、契約相手であるエリアプラン西尾(SPC)と協議を続けてきたが、調停が不成立となった。
合併後のxx市においては、公共施設の再配置を進めていく手法として民間のノウハウを活用する PFIを選択した。xx市方式と呼ばれるPFI事業については、他の地域のPFIでは見られないような特徴があり、そこに付随するいくつかの要素に問題があったと考えている。xx市方式のPFI事業は、施設運営に重点を置き、地元企業が主体となり企業を作るというところに狙いがあり、民間の創意工夫の余地をなるべく大きくしようとしたところに特徴がある。しかしながら、市からの要求水準が抽象的な表現であり代替提案を採用したため、企業側からの提案は市民の希望しないものであったのが事実である。
4年前の選挙では見直しを掲げ、その後はより市民ニーズに合ったPFI事業にするために、市民の方との懇談会やアンケートを実施し、市民のニーズをすくい上げてそれに沿った事業の実施ができるように、平成30年3月に見直し方針を策定し、SPCに対し見直し方針に沿った形での事業の実施を求めてきた。
きら市民交流センターのオープンや学校関係の改修など見直しの一定の成果はあったが、契約全体の変更については実現できなかった。
事業者との話し合いの中で、お互いの信頼関係が築けない状況となっている。見直し方針の中でxxxについては建替えとしているが、今のまま契約を続けていると取り掛かれるまでに何年かかるかわからない状況であり、当事者双方や市民のためにもならないので、これからは契約を解除する方向で協議をしていきたい。
事業者は解除を前提とするような協議に応じる意思がないようであるが、粘り強く呼びかけを行っていく。協議ができる状況でないと判断した場合は、合意ではなく市からの解除という選択肢も含めて考えていきたい。
⑵民事調停(特定事業契約に関する調停事件)の不成立についての説明(資産経営局長)
別添資料に基づき説明
⑶質疑応答 ※内容の一部を要約しています。市民
調停は当初から相手方との意見の相違が大きく、歩み寄りや譲歩はできない状態であったのではないか。お互いの弁護士が事前に話し合いをもって、解決できる見通しがあるのかどうかはわからなかったのか。
資産経営局長
調停を申し立てる前にSPCと何度も協議を重ねてきたが、第三者を入れた話し合いが必要だと判断した。第三者を入れることで少しでも話し合いが進むのではないかという考え方であった。調停に際しては、事前に弁護士同士で調整したということはない。
市民
解除ということは契約書に謳われているのか。相手に瑕疵がなければ市側から解除することはできないと思うが。
資産経営局長
解約条項については、契約書にはない。弁護士と調整中だが、まずは合意解除を目指したい。
市長
契約書上に任意解除の規定がないから解除できないというわけではなく、民法等の法律を根拠として解除ができるものだと考えている
市民
損害賠償請求は何件あるのか。
資産経営局長
裁判は5件であるが、損害賠償や増加費用請求などがある。
市民
調停では弁護士が関わっていないように思えたが、市では弁護士にどのような仕事を任せているのか。令和2年度に弁護士は何人いて、いくら支払ったのか。
資産経営局長
今回のPFI事業見直しに関しては4名の弁護士と契約しており、SPCとの協議や書類作成、裁判関係を任せている。金額については、タイムチャージで旧日弁連の基準報酬額の最低基準でお願いしている。
市民
弁護士から色々なアドバイスをもらい、方向付けはできなかったのか。PFI事業は国や県の補助はあるのか。
資産経営局長
PFI事業自体については国や県からの補助金はないが、例えば、現在行っているxxx中学校の改修の内トイレ改修部分については、文部科学省の補助がある。
市民
早く契約解除して、次の新しい西尾のために頑張っていただきたい。
市長
市としては民意に沿った事業の実施を求めてきたが、相手方に理解してもらえなかったと考えてい
る。このまま契約を続けていくことは、xx市の将来に禍根を残してしまうことになる。一回ここで清算することで、前を向いてこれからのxx市のまちづくりに取り組んでいく方が、長期で見れば必ずプラスになると考えている。スピード感を持って取り組んでいきたい。
市民
早くこの問題を整理し、相手と市が話し合いをする場に多くの市民が立ち会って、決着させて欲しい。若い人が住みたくなるxx市にして欲しい。
市民
なぜ契約をした当時に情報を精査し、わかりやすく整理できなかったのか、そこにお互いが言い争う原因があると思う。解約について、弁護士のxxxxxはあったのか。またメリットやデメリットを簡単に教えて欲しい。
市長
当事者間の話し合いが建設的に進むかによって、契約解除という選択がメリットにもデメリットにもなり得ると思う。見直し方針に沿った事業の実施を求めた時は、建設的な話し合いとなることを期待したが、難しい状況となった。そのような状況の中で契約を続けていくことは、余分な費用が発生する可能性がある。解除するメリットとしては、損害賠償が一定額掛かるが、一区切りをつけて新しいまちづくりに取り組めるということが大きい。
優秀な弁護士が親身になって力を貸していただいていると思っている。今回の契約解除を決断するにあたっても、法的な面を含め弁護団からアドバイスをいただいている。
(質疑終了)
市長あいさつの後、閉会。
以上