Contract
資料3-2
(27.1.26)
民法(債権関係)部会資料 | 86-1 |
民法(債権関係)の改正に関する要綱案の原案(その2)
目 次
第 28 定型約款 1
1 定型約款の定義 1
2 定型約款による契約の内容の補充 1
3 定型約款の内容の表示 1
4 定型約款の変更 1
第 28 定型約款
1 定型約款の定義
定型約款の定義について、次のような規律を設けるものとする。
定型約款とは、定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)において、契約の内容を補充することを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。
2 定型約款による契約の内容の補充
定型約款による契約の内容の補充について、次のような規律を設けるものとする。
(1) 定型取引を行うことの合意(3において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
ア 定型約款によって契約の内容を補充することの合意をしたとき。
イ 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款によって契約の内容が補充される旨を相手方に表示していたとき。
(2) (1)の条項には、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、当該定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして民法第1条第2項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、含まないものとする。
3 定型約款の内容の表示
定型約款の内容の表示について、次のような規律を設けるものとする。
(1) 定型取引を行い、又は行おうとする定型約款準備者は、定型取引合意の前又は定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく、相当な方法で当該定型約款の内容を示さなければならない。ただし、定型約款準備者が既に相手方に対して定型約款を記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供していたときは、この限りでない。
(2) 定型約款準備者が定型取引合意の前において(1)の請求を拒んだときは、2の規定は、適用しない。ただし、一時的な通信障害が発生した場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
4 定型約款の変更
定型約款の変更について、次のような規律を設けるものとする。
(1) 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることによ
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り、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。ただし、定型約款にこの4の規定による定型約款の変更をすることができる旨が定められているときに限る。
ア 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。
イ 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、定型約款に変更に関する定めがある場合にはその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。
(2) 定型約款準備者は、(1)の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。
(3) (1)イの規定による定型約款の変更は、(2)の効力発生時期が到来するまでに(2)による周知をしなければ、その効力を生じない。
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