独立行政法人国立がん研究センター(以下「センター」という。)において行われる臨床試験が薬事法(昭和 35 年法律第 145 号)第 2 条第 16 項に規定さ れている治験又は製造販売後臨床試験に関するもの(以下これらをまとめて「治験等」という。)である場合は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理原則、「医薬品の臨床試験の実施 の基準に関する省令」(平成 9 年 3 月 27 日厚生省令第 28 号)(以下「医薬品 GCP 省令」と
平成 22 年 4 月1日要領第 59 号
独立行政法人国立がん研究センター治験等に係わる標準業務手順書
第 1 版 平成 22 年 4 月 1 日
第 2 版 平成 22 年 8 月 1 日
第 3 版 平成 22 年 10 月 1 日
第 4 版 平成 23 年 4 月 1 日
第 5 版 平成 24 年 4 月 1 日
第 6 版 平成 24 年 7 月 1 日
第7版 平成 25 年 4 月 1 日
治 験 等 の x x
独立行政法人国立がん研究センター(以下「センター」という。)において行われる臨床試験が薬事法(昭和 35 年法律第 145 号)第 2 条第 16 項に規定されている治験又は製造販売後臨床試験に関するもの(以下これらをまとめて「治験等」という。)である場合は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理原則、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成 9 年 3 月 27 日厚生省令第 28 号)(以下「医薬品 GCP 省令」と
いう。)、「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成 17 年 3 月 23 日厚生労働省令第 36 号)(以下「医療機器 GCP 省令」という。)、「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成 16 年 12 月 20 日厚生労働省令第 171 号)(以下「医薬品 GPSP 省令」という。)、「医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成 17 年 3 月 23 日厚生労働省令第 38 号)(以下
「医療機器 GPSP 省令」という。)、「独立行政法人国立がん研究センター受託研究取扱規程」(以下「受託規程」という。)及び本手順を遵守して実施されなければならない。
第1章 目的と適用範囲
第1条 本手順書は、医薬品 GCP 省令、医療機器 GCP 省令、医薬品 GPSP 省令、医療機器 GPSP 省令及び関連通知に基づき、治験等の実施に必要な手続きと運営に関する手順を定めるものである。
2.本手順書は、医薬品又は医療機器の製造販売承認申請、承認事項一部変更承認申請、再審査申請又は再評価申請の際に提出すべき資料の収集のため、受託規程に基づき受託研究として申請される治験等に適用する。
3.製造販売後臨床試験に対しては、医薬品 GCP 省令第 56 条及び医療機器 GCP 省令第 76 条により両省令の各条を準用するのと同様に「治験」を「製造販売後臨床試験」と読み替えることにより、本手順書を適用する。
4.医療機器の治験に対しては、「医薬品」、「治験薬」、「有害事象/副作用」及び
「同一成分」とあるものを「医療機器」、「治験機器」、「不具合又は不具合による影響」及び「同一構造および原理」と読み替えることにより、本手順書を適用する。
5.本手順書にある「書式」、「参考書式」は、「新たな「治験の依頼等に係る統一書式」について」(平成 25 年 3 月 26 日医xx発 0326 第 1 号・薬食審査発 0326
第 1 号厚生労働省医政局研究開発振興課長・医薬食品局審査管理課長通知)で示されている「書式」、「参考書式」を適用し、用いるものとする。
第2章 用語の定義
第2条 本手順書において「治験責任医師」とは、当センターにおいて治験の実施に関して責任を有し、治験に係る業務を統括する医師又は歯科医師である。
2.本手順書において「治験分担医師」とは、センターにおいて治験を実施するチームに参加する個々の医師又は歯科医師で、治験責任医師によって指導・監督され、治験責任医師に代わって治験に係る重要な業務を分担し、その分担する業務に責任を有する者とする。実施する治験に関する臨床上の最終的な責任は治験責任医師が負うものとする。
3.本手順書において「治験協力者」とは、治験責任医師によって指導・監督され、専門的立場から治験責任医師及び治験分担医師の業務に協力する者である。
第3章 治験の依頼等の手順
(治験の依頼)
第3条 治験の依頼をしようとする者(以下「治験依頼者」という。)は、治験の依頼に先立ち、治験責任医師となるべき者(以下「治験責任医師予定者」という。)に依頼しようとする治験についての情報を提供するものとする。
2.治験依頼者及び治験責任医師予定者は、実施計画書の内容及び当該実施計画書を遵守することについて合意し、両者間での合意を文書で確認する。症例報告書の見本を作成する場合も同様とする。
3.治験依頼者と治験責任医師予定者との間で文書による合意が成立した後、治験依頼者は、「治験依頼書」(書式 3)及び審査に必要な添付資料を理事長に提出し、 治験を依頼するものとする。依頼書等の提出は、審査を希望する委員会が開催される予定日の 28 日前までに行うものとする。但し、事務的に取扱いが可能
と考えられる場合は、委員会開催予定日の 28 日前を過ぎても依頼を受け付けることができるものとする。
4.治験責任医師予定者は「履歴書(治験責任医師)」(書式1)及び「治験分担医師・治験協力者リスト」(書式2)を作成して理事長に提出するものとする。
(治験の依頼の審査)
第4条 理事長は、「治験依頼書」(書式 3)により治験の依頼があった場合は、「治験審査依頼書」(書式 4)及び提出された資料をもって「独立行政法人国立がん研究センター治験審査委員会」(以下「審査委員会」という。)に審査を依頼する。
2.審査の過程で修正が生じた場合は、治験依頼者及び治験責任医師は、修正後の当該資料を理事長に提出し、審査委員会は、修正事項を確認した上で審査を行う。
3.審査委員会は、治験依頼者及び治験責任医師から理事長あてに提出された「治験審査依頼書」(書式 4)及び提出された資料、審査委員会委員からの意見に対す
る治験依頼者又は治験責任医師からの回答等をもとに、治験を行うことの妥当性、倫理的配慮が図られているか等の審査を行う。
なお、審査委員長は審査委員会に治験責任医師等を出席させ、意見を聴くことができるものとする。
4.審査委員長は、理事長に審査委員会の審査結果を「治験審査結果通知書」(書式 5)をもって通知する。
5.審査委員会において、治験実施計画書、説明文書・同意文書及びその他の手続きについて何れかの修正を条件に治験の実施を承認する決定がなされ、第5条第
2項の規定に基づく通知が発出される前に、治験依頼者又は治験責任医師から修正する旨の回答があり、審査委員長がその修正内容が適切であることを確認した場合は、審査委員会での審議結果及び回答に基づき、「治験審査結果通知書」(書式 5)の審査結果欄には承認として結果を通知することとする。
(治験の受託の決定等)
第5条 審査委員会が治験の実施を承認する決定を下し、その旨を通知してきた場合、理事長は、これに基づく審査結果を「治験審査結果通知書」(書式 5)を利用し、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。ただし、審査委員会の意見と理事長の意見が異なる場合は、「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 1)により、その取扱いを通知するものとする。
2.審査委員会が治験実施計画書、説明文書・同意文書及びその他の手順について何らかの修正を条件に治験の実施を承認する決定を下し、その旨を通知してきた場合、理事長はこれに基づく審査結果を「治験審査結果通知書」(書式 5)を利用し、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。ただし、審査委員会の意見と理事長の意見が異なる場合は、「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 2)により、その取扱いを通知するものとする。
3.第 2 項の通知がなされ、その点につき治験依頼者又は治験責任医師が治験実施計画書等を修正する旨「治験実施計画書等修正報告書」(書式 6)及び該当する資料をもって報告された場合、理事長は必要に応じ治験審査委員会に修正内容の確認の依頼を行い、修正条件を満たしていることが確認できた時は「治験実施計画書等修正報告書」(書式 6)を用い、修正を確認したことを通知するものとする。
4.審査委員会が治験の実施を却下する決定を下し、その旨を通知してきた場合、理事長は治験の実施を了承することはできない。理事長は、治験の実施を了承できない旨の決定を、「治験審査結果通知書」(書式 5)を利用し、治験依頼者及び治験責任医師に通知するものとする。
5.審査委員会が既承認事項を取り消す決定を下し、その旨を通知してきた場合、理事長は治験の実施を了承することはできない。理事長は、既承認事項を取り消す旨の決定を、「治験審査結果通知書」(書式 5)を利用し、治験依頼者及び治験責任医師に通知するとともに必要な措置を講ずるものとする。
6.理事長は、治験責任医師から審査委員会の審査結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じなければならない。
7.理事長は「治験分担医師・治験協力者リスト」(書式 2)により治験分担医師・治験協力者を了承し、治験責任医師予定者に通知する。又、治験依頼者には「治験分担医師・治験協力者リスト」(書式 2)を提供する。
(治験の実施等)
第6条 治験責任医師は、治験実施計画書に基づき治験を実施する。
2.治験薬等の取扱いは、受託規程及び治験実施計画書の指示事項に従い、治験依頼者から提出された治験薬管理手順書等により行う。
3.治験終了後、治験責任医師は、「治験終了(中止・中断)報告書」(書式 17)を理事長に提出しなければならない。
4.理事長は、第 3 項の規定に基づき提出された「治験終了(中止・中断)報告書」
(書式 17)を審査委員会に通知する。
(治験の継続)
第7条 治験の期間が1年を超えるものは、1年に1回以上、審査委員会で治験の継続についての適否の判断を受けなければならない。
2.継続審査を受けるに際して、治験責任医師が「治験実施状況報告書」(書式 11)を理事長に提出する。
3.審査委員会における審査及び継続して治験を受託することの決定については、第 4 条及び第 5 条を準用する。
(治験実施の契約等)
第8条 理事長は、審査委員会の意見に基づいて治験の実施を了承した後、治験依頼者と治験の受託研究(治験)契約書(別添 1 又は 2)により契約を締結し、双方が記名又は署名し、捺印と日付を付するものとする。ただし、契約は契約担当者(築地キャンパスは理事長、柏キャンパスは東病院長)が行う。
2.第 5 条第 1 項及び第 3 項に基づき、理事長が治験実施計画書等の修正を条件に治験の実施を承認する旨の通知を行い、「治験実施計画書等修正報告書」(書式 6)により修正が適切に行われたことを確認し、通知した後でなければ契約を締結することはできない。
3.契約書に定められている通知及び報告の内容は次の各号のものとする。
(1) 治験依頼者は、次の情報を治験責任医師と理事長に通知する。
① 他施設で発生した重篤で予測できない副作用
② 重篤な副作用又は治験薬及び製造販売後医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が治験薬概要書から予測できないもの
③ 死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、副作用によるもの又は治験薬及び製造販売後医薬品の使用による感染症によるもの
④ 副作用又は治験薬及び製造販売後医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告
⑤ 治験の対象となる疾患に対し効能又は効果を有しないことを示す研究報
告
⑥ 副作用又は感染症によりがんその他の重大な疾病、障害又は死亡が発生するおそれがあることを示す研究報告
⑦ 当該被験薬と同一成分を含む製造販売後医薬品に係る製造販売の中止、回収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施
(2) 治験依頼者は、次のことを理事長に報告する(第 13 条第 1 項)。
① 治験を中止又は中断する際、その旨及び理由
② 治験の成績を製造販売承認申請に用いないことを決定した際、その旨及び理由
(3) 理事長は、次の審査委員会の意見を治験依頼者及び治験責任医師に通知する(第 5 条第 1 項から第 5 項(前条第 3 項で準用する場合を含む。)、前
条、第 9 条第 4 項、第 10 条第 4 項、第 11 条第 4 項、第 12 条第 4 項)
① 第 5 条に規定する治験実施の適否に対する意見
② 前条に規定する治験の期間が1年を越えるものは、治験の継続の審査における当該治験等の継続の適否に対する意見
③ 第 9 条に規定する重篤な有害事象等の報告があった場合の治験等の継続の適否に対する意見
④ 第 10 条に規定する治験実施計画書等の変更に伴う治験等の継続の適否に対する意見
⑤ 第 11 条に規定する緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書があった場合の治験等の継続の適否に対する意見
⑥ 第 12 条に規定する安全性情報等の報告があった場合の治験等の継続の適否に対する意見
⑦ その他理事長が必要と認めたことへの意見
(4) 理事長は、治験責任医師からの次の情報を審査委員会及び治験依頼者に通知する(第 14 条、医薬品 GCP 省令第 40 条第 3 項及び第 4 項、医療機器 GCP
省令第 60 条第 3 項及び第 4 項)。
① 治験を中止又は中断する際、その旨及び理由
② 治験を終了する際、その旨
(5) 治験責任医師は、重篤な有害事象を理事長及び治験依頼者に通知する(第 9 条、医薬品 GCP 省令第 48 条第 2 項、医療機器 GCP 省令第 68 条第 2 項)。
(重篤な有害事象等の報告)
第9条 治験等の実施期間中に発生した有害事象等について、医薬品の治験責任医師は重篤な有害事象の発生を「重篤な有害事象に関する報告書」(書式 12)又は「有害事象に関する報告書」(書式 13)により、医療機器の治験責任医師にあっては重篤な有害事象及び有害事象を引き起こす恐れのある不具合の発生を「重篤な有害事象及び不具合に関する報告書」(書式 14)により、医療機器の製造販売後臨床試験責任医師にあっては有害事象及び健康被害を引き起こす恐れのある不具合の発生を「有害事象及び不具合に関する報告書」(書式 15)により、理事長及び
治験依頼者又は製造販売後臨床試験依頼者に報告する。
2.理事長は、治験等の実施期間中に発生した有害事象等に関する報告が、前項の規定に基づく報告書によりなされた場合、「治験審査依頼書」(書式 4)により治験等の継続の適否について審査委員会の意見を求める。
3.審査委員会における審査については、第 4 条を準用する。
4.理事長は、審査委員会の決定を第 5 条に準じ、「治験審査結果通知書」(書式 5)を利用し、又は「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 1)により、治験依頼者及び治験責任医師にその結果又は取扱いを通知する。
(治験実施計画書等の変更)
第10条 治験等の実施期間中に治験実施計画書等の変更が生じた場合は、治験依頼者又は治験責任医師は、「治験に関する変更申請書」(書式 10)を理事長に提出する。
2.理事長は、治験実施計画書等の変更の申請が前項の規定に基づく申請書によりなされた場合、「治験審査依頼書」(書式 4)により治験実施計画書等の変更に伴う治験等の継続の適否について審査委員会の意見を求める。
3.審査委員会における審査については、第 4 条を準用する。
4.理事長は、審査委員会の決定を第 5 条に準じ、「治験審査結果通知書」(書式 5)の利用、又は「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 1)により、治験依頼者及び治験責任医師にその結果又は取扱いを通知する。
(治験実施計画書からの逸脱)
第11条 治験等の実施期間中に被験者の緊急の危険を回避するために治験実施計画書からの逸脱を行った場合は、治験責任医師は「緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書」(書式 8)を理事長及び治験依頼者に提出する。
2.理事長は、逸脱に関する報告が、前項の規定に基づく報告書によりなされた場合、「治験審査依頼書」(書式 4)により治験等の継続の適否について審査委員会の意見を求める。
3.審査委員会における審議については、第 4 条を準用する。
4.理事長は、審査委員会の決定を第 5 条に準じ、「治験審査結果通知書」(書式 5)の利用、又は「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 1)により、治験依頼者及び責任医師にその結果又は取扱いを通知する。
(安全性情報等)
第12条 治験依頼者は、被験者の安全に悪影響を及ぼし、当該治験の実施に影響を与え、又は治験の継続に関する審査委員会の承認を変更する可能性のある以下の情報を含む情報を入手した場合は、理事長及び治験責任医師に「安全性情報等に関する報告書」(書式 16)を提出するものとする。
(1)他施設で発生した重篤で予測できない副作用
(2) 重篤な副作用又は治験薬及び製造販売後医薬品の使用による感染症の発生
数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が治験薬概要書から予測できないもの
(3)死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、副作用によるもの又は治験薬及び製造販売後医薬品の使用による感染症によるもの
(4)副作用又は治験薬及び製造販売後医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告
(5)治験の対象となる疾患に対し効能又は効果を有しないことを示す研究報告
(6) 副作用又は感染症によりがんその他の重大な疾病、障害又は死亡が発生するおそれがあることを示す研究報告
(7) 当該被験薬と同一成分を含む製造販売後医薬品に係る製造販売の中止、回収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施
2.理事長は、安全性に関する情報の報告が、前項の規定に基づく報告書によりなされた場合、「治験審査依頼書」(書式 4)により治験等の継続の適否について審査委員会の意見を求める。
3.審査委員会における審査については、第 4 条を準用する。
4.理事長は、審査委員会の決定を第 5 条に準じ、「治験審査結果通知書」(書式 5)の利用、又は「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 1)により、治験依頼者及び治験責任医師にその結果又は取扱いを通知する
(開発の中止等)
第13条 治験依頼者が治験の中止又は中断、若しくは被験薬の開発中止を決定し、その旨を「開発の中止等に関する報告書」(書式 18)にて通知してきた場合は、理事長は、同報告書を用い、審査委員会及び治験責任医師に対しその報告内容を通知するものとする。なお、報告書には、中止又は中断についての理由の詳細が説明されていなければならない。
2.治験依頼者が治験等に係る製造販売承認を取得し、又は再審査・再評価結果の通知を入手した場合は、理事長は、同報告書を、審査委員会及び治験責任医師に対しその報告内容を通知するものとする。
3.第 1 項の規定に基づき開発を中断した旨報告されてきたものの治験を再開する場合は、再度、「治験依頼書」(書式 3)にて治験を依頼するものとする。
(治験責任医師からの治験の終了・中止・中断)
第14条 治験責任医師が治験の終了、中止又は中断を決定し、その旨を「治験終了
(中止・中断)報告書」(書式 17)にて理事長に報告した場合は、理事長は、同報告書を用い、審査委員会及び治験依頼者に対しその報告内容を通知するものとする。
2.第 1 項の規定に基づき治験を中断した旨報告されたものの治験を再開する場合は、再度、「治験依頼書」(書式 3)にて治験を依頼するものとする。
(直接の閲覧について)
第15条 理事長は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに審査委員会及び
国内外の規制当局による調査を受け入れるものとする。これらの場合には、モニター、監査担当者、審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じ、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供するものとする。
2.治験依頼者又は当該治験依頼者から委託を受けて治験業務を支援している者がモニタリング及び監査で原資料等の治験関連記録の直接閲覧を希望する場合は、
「直接閲覧実施連絡票」(参考書式 2)をもって治験事務局あての連絡票を作成し、目的とするモニタリング及び監査の対応部門(治験事務局、治験管理部門又は薬剤部等)に申し込むものとする。
3.理事長は、モニタリング受け入れ及び監査業務受け入れに関する標準手順書を定め、モニタリング及び監査を円滑に進めるものとする。
第4章 治験審査委員会
(治験審査委員会)
第16条 受託規程第 4 条第 1 項の規定に基づき審査委員会をもって、医薬品 GCP 省令第 27 条及び医療機器 GCP 省令第 46 条で定める治験審査委員会とする。
2.理事長は、審査委員会の委員を指名し、審査委員会と協議の上、審査委員会の運営の手続き及び記録の保存に関する業務手順を定める。
3.医薬品 GCP 省令第 28 条第 2 項、医療機器 GCP 省令第 47 項第 2 項に掲げる事項については、受託規程及び治験審査委員会業務手順書に定める手順に従って業務を行う。
4.理事長は、自らが設置した審査委員会の委員となることはできない。
第5章 治験事務局
(治験事務局の設置)
第17条 医薬品 GCP 省令第 28 条第 4 項、医療機器 GCP 省令第 47 条第 3 項の治験審査委員会の事務は、治験事務局が行う。また、治験事務局は中央病院治験管理室内
(以下、「築地キャンパス治験事務局」という)及び東病院治験管理室内(以下、「柏キャンパス治験事務局」という)に置く。
2.それぞれの治験事務局に治験事務局長を置き、治験事務局長は理事長の指名する者とする。治験事務局長はやむを得ない事情によりその業務ができないときのために、その業務を代理する者を指名することができる。
(治験事務局の業務)
第18条 理事長への提出、報告等は、治験事務局を窓口として行うものとする。
2.治験依頼者から、受託規程、治験審査委員会業務手順書、本手順書及び審査委員名簿の提示を求められた場合には、これに応じるものとする。
3.治験事務局の業務範囲は以下のとおり。
(1)審査委員会の委員に関する業務(審査委員名簿の作成を含む)
(2)治験依頼者に対する必要書類の交付と治験依頼手続きの説明
(3)審査委員会が審査の対象とする審査資料の受付
(4)治験責任医師予定者等からの研究申請に必要な書類の受付、審査委員会の
審査対象か否かの理事長への伺い、理事長が治験審査対象と認めた場合は、治験審査依頼書の作成及び発行、治験依頼者及び治験責任医師予定者へ治験分担医師・治験協力者リストの交付
(5)治験審査結果報告書に基づく理事長の治験に関する指示・決定通知書の作成と治験依頼者及び治験責任医師への通知書の交付
(6)治験契約に係わる手続き等の業務
(7)治験終了(中止・中断)報告書の受領及び治験終了(中止・中断)の通知
(8)記録の保存
(9)治験の実施に必要な手続き、関係部署への資料の配布
(10) 理事長に求められる治験依頼者等によるモニタリング及び監査等の受付
(治験事務局の業務に係るものに限る。)、治験依頼者から報告されるモニタリング及び監査等の結果報告書の供覧、治験に関する記録の閲覧の実施
(11) その他治験に関する業務の円滑化を図るために必要な事務及び支援
(12) 治験管理部門による会議等に委員として出席し、治験管理部門の円滑な運用を図ること。
第6章 治験管理部門
(治験管理部門)
第19条 治験の実施及び管理を行うために中央病院・東病院にそれぞれ治験管理部門(中央病院:治験管理室、東病院:治験管理室)を設置し、治験の円滑な遂行を図る。
第7章 治験の実施について
(治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者の遵守事項)
第20条 治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、受託規程及び第 3 章治験の依頼等の手順に従い治験等を行うこと。
(治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者の教育・訓練)
第21条 治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、以下のような教育・訓練を受けていなければならない。
(1) GCP省令等
(2) センターの治験に関連する規定及び手順書
(3) 治験実施計画書等
(治験責任医師の要件)
第22条 治験責任医師は、以下の要件を満たさなくてはならない。
(1)常勤医であること
(2)教育・訓練及び経験によって、治験を適正に実施しうることを証明する最新の履歴書(書式 1)及び医薬品 GCP 省令・医療機器 GCP 省令に規定する要件
を満たすことを証明したその他の資料を治験依頼者に提出しなければならない。
(3)治験依頼者と合意した治験実施計画書、最新の治験薬・治験機器概要書、製品情報及び治験依頼者が提供するその他の文書に記載されている治験薬・治験機器の適切な使用法に十分精通していなければならない。
(4)薬事法第 14 条第 3 項及び第 80 条の 2 に規定する基準及び医薬品 GCP 省令医療機器 GCP 省令、センターの治験に関連する規定及び手順書を熟知し、これを遵守しなければならない。
(5)治験依頼者によるモニタリング及び監査、審査委員会並びに国内外の規制当局による調査を受け入れなければならない。治験責任医師は、調査者の求めに応じて、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供しなければならない。
(6)登録期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能であることを過去の実績等により示すことができなければならない。
(7)期間内に治験を適正に実施し、終了するに足る時間を有していなければならない。
(8)治験を適正かつ安全に実施するため、治験の予定期間中に十分な数の治験分担医師及び治験協力者等の適格なスタッフを確保でき、また、適切な設備を利用できなければならない。
(9)治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合には、分担させる業務と分担させる者を記した「治験分担医師・治験協力者リスト」(書式 2)を作成し、予め理事長に提出し、その了承を得なければならない。
(10) 治験分担医師及び治験協力者等に、治験実施計画書、治験薬・治験機器及び各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督しなければならない。
(治験責任医師の責務)
第23条 治験責任医師は次の事項を行う。
(1)治験実施計画書の被験者の選択・除外基準の設定及び治験を実施する際の個々の被験者の選定に当たっては、人権保護の観点から及び治験の目的に応じ、健康状態、症状、年齢、性別、同意能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮し、治験に参加を求めることの適否を慎重に検討すること。
(2)同意能力を欠く者については、当該治験の目的上、被験者とすることがやむを得ない場合を除き、原則として被験者としないこと。
(3)社会的に弱い立場にある者を被験者とする場合には、特に慎重な配慮を払わなくてはならないこと。
(4)治験依頼者から提供される治験実施計画書案及び最新の治験薬概要書その他必要な資料及び情報に基づき治験依頼者と協議し、当該治験を実施することの倫理的及び科学的妥当性について十分検討した後、治験依頼者と合意す
ること。治験実施計画書が改訂される場合も同様である。
(5)治験実施の申請をする前に、治験依頼者の協力を得て、被験者から治験の参加に関する同意を得るために用いる説明同意文書を作成すること。
(6)治験実施前及び治験期間を通じて、審査委員会の審査の対象となる文書のうち、治験責任医師が提出すべき文書を最新のものにすること。当該文書が追加、更新又は改訂された場合は、そのすべてを速やかに理事長に提出すること。
(7)審査委員会が治験の実施又は継続を承認し、又は何らかの修正を条件に治験の実施又は継続を承認し、これに基づく理事長の指示及び決定が「治験審査結果通知書」(書式 5)の利用、又は治験に関する指示・決定通知書(参考書式 1)により、その結果又は取扱いが通知された場合は、その結果又は取扱いに従って治験を開始又は継続すること。同様に、審査委員会が実施中の治験に関して承認した事項を取消し(治験の中止又は中断を含む)、これに基づく理事長の決定が「治験審査結果通知書」(書式 5)を利用して通知された場合には、その決定に従うこと。
(8)審査委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づく理事長の指示及び決定が前号に基づき通知され、契約が締結されるまで被験者を治験に参加させてはならないこと。
(9)第 30 条で規定する場合を除いて、治験実施計画書を遵守して治験を実施すること。
(10) 治験薬・治験機器は、承認された治験実施計画書を遵守した方法のみで使用すること。
(11) 治験薬の正しい使用法を各被験者に説明又は指示し、当該治験薬にとって適切な間隔で、各被験者が説明された指示を正しく守っているか否かを確認すること。
(12) 実施中の治験において、治験期間が1年を超えるものは、第 7 条の規定に従い1年に1回以上、理事長に「治験実施状況報告書」(書式 11)を提出すること。
(13) 治験の実施に重大な影響を与え、又は被験者の危険を増大させるような治験のあらゆる変更について、治験依頼者及び理事長に速やかに「治験に関する変更申請書」(書式 10)を提出するとともに、変更の可否について「治験審査結果通知書」(書式 5)の利用、又は「治験に関する指示・決定通知書」
(参考書式 1)により、その結果又は取扱いの通知を受けること。
(14) 医薬品の治験実施中に重篤な有害事象が発生した場合は、直ちに「重篤な有害事象に関する報告書」(書式 12-1)に発生時点に記入可能な部分を記入し「第1報」として理事長及び治験依頼者に報告すること。その後、重篤で予測できない副作用を特定した上で再度速やかに理事長及び治験依頼者に
「重篤な有害事象に関する報告書」(書式 12-1 及び 12-2)で報告するとともに、治験の継続の可否について「治験審査結果通知書」(書式 5)の利用、又は「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 1)により、その結果又は取扱いの通知を受けること。
(15) 医薬品の製造販売後臨床試験、医療機器の治験、医療機器の製造販売後臨床試験の実施中に報告が必要とされている有害事象又は不具合が発生した場合は、前号に準じて報告書を提出するとともに、治験等の継続の可否についての結果又は取扱いの通知を受けること。なお、報告書の様式は、医薬品の製造販売後臨床試験の場合は「有害事象に関する報告書」(書式 13-1 及び 13-2)、医療機器の治験の場合は「重篤な有害事象及び不具合に関する報告書」(書式 14)、医療機器の製造販売後臨床試験の場合は「有害事象及び不具合に関する報告書」(書式 15)を用いること。
(16) 治験実施計画書の規定に従って正確な症例報告書を作成し、記名捺印又は署名し、治験依頼者に提出すること。 治験責任医師は、治験分担医師が作成した症例報告書を点検し、内容を確認した上で、これに記名捺印又は署名しなければならない。
(17) 治験終了後、速やかに理事長に「治験終了(中止・中断)報告書」(書式 17)を提出すること。なお、治験が中止又は中断された場合においても同様の手続きを行うこと。また、治験が何らかの理由で中止又は中断された場合には、被験者に速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療、事務処理、その他必要な措置を講じること。
(治験分担医師の要件)
第24条 治験分担医師は以下のいずれかの要件を満たさなくてはならない。
(1) 常勤医であること。
(2)がん専門修練医またはそれに準ずる医師又は歯科医師であること。
(3)上記のいずれかの条件を満たさないが、治験責任医師がそれと同等であると判断し、理事長がそれを了承した医師又は歯科医師
(治験分担医師の責務)
第25条 治験分担医師は次の事項を行う。
(1) 薬事法第 14 条第 3 項及び第 80 条の 2 に規定する基準及び医薬品 GCP 省令・医療機器 GCP 省令を熟知し、これを遵守すること。
(2) その分担業務を行うにあたり、治験責任医師から、治験薬、治験実施計画書及び各人の業務について十分な情報を入手し、その指導、監督に従わなければならないこと。
(3) 治験責任医師が審査委員会に出席できない場合、治験責任医師に代わって審査委員会に出席し、必要な説明及び質疑の応答を行うこと。
(4) 治験実施計画書の被験者の選択・除外基準の設定及び治験を実施する際の個々の被験者の選定に当たっては、人権保護の観点から及び治験の目的に応じ、健康状態、症状、年齢、性別、同意能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮し、治験に参加を求めることの適否を慎重に検討すること。
(5) 同意能力を欠く者については、当該治験の目的上、被験者とすることがやむを得ない場合を除き、原則として被験者としないこと。
(6) 社会的に弱い立場にある者を被験者とする場合には、特に慎重な配慮を払わなくてはならないこと。
(7) 審査委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づく理事長の指示及び決定が前号に基づき通知され、契約が締結されるまで被験者を治験に参加させてはならないこと。
(8) 第 30 条で規定する場合を除いて、治験実施計画書を遵守して治験を実施すること。
(9) 治験薬は、承認された治験実施計画書を遵守した方法のみで使用すること。
(10) 治験薬の正しい使用法を各被験者に説明又は指示し、当該治験薬にとって適切な間隔で、各被験者が説明された指示を正しく守っているか否かを確認すること。
(11) 有害事象を認めた場合には、直ちに治験責任医師にその旨を伝えると共に、被験者に伝えること。また、その有害事象が重篤と判断された場合、治験責任医師を通じ重篤な有害事象に関する報告書を提出すること。
(12) 治験実施計画書の規定に従って正確な症例報告書を作成し、記名捺印又は 署名し、治験責任医師の点検及び確認を得た上で治験依頼者に提出すること。
(13) 治験依頼者によるモニタリング及び監査、審査委員会並びに国内外の規制当局による調査を受け入れること。また、治験責任医師と協力して調査者の求めに応じて、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供すること。
(14) 治験が何らかの理由で中止又は中断された場合には、被験者に速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療、事務処理、その他必要な措置を講じること。
(治験協力者の要件)
第26条 治験を実施するにあたって、治験責任医師により当該治験の業務分担者としてリスト(書式2)に記載され、理事長が了承するものを治験協力者とする。
(治験協力者の責務)
第27条 治験協力者は次の事項を行う。
(1) 薬事法第 14 条第 3 項及び第 80 条の 2 に規定する基準及び医薬品 GCP 省令・医療機器 GCP 省令を熟知し、これを遵守すること。
(2) その分担業務を行うにあたり、治験責任医師より当該治験における治験実施計画書、治験薬・治験機器、分担する業務等について必要な情報を入手し、その指導、監督に従わなければならないこと。
(3) 以下の業務に従事すること。詳細については治験毎に責任医師と取り決める。
① 治験実施計画書の確認
② 治験審査委員会申請資料等の作成支援
③ 治験管理のための各資料、ツールの作成
④ 治験関連部署との調整、スタートアップミーティングの開催
⑤ 被験者xxxxxxx・xxxxxの補助
⑥ 被験者への説明補助
⑦ 治験スケジュール管理・調整
⑧ 被験者への対応(相談、有害事象の観察、服薬管理など)
⑨ 治験依頼者への対応(モニタリング、直接閲覧、監査、質疑事項の確認連絡など)
⑩ 分担する業務に従い、治験責任医師又は治験分担医師に必要な報告を行い、その内容を診療録へ記録する
⑪ 被験者への負担軽減費の支払い
⑫ 症例報告書の作成補助
⑬ 各文書作成補助
⑭ 文書管理
⑮ その他治験を円滑に実施するために必要な事項
(4) 治験責任医師又は治験分担医師が被験者の危険を緊急に回避する場合など、必要な臨床上の指示を行った場合には、その指示に従うものとする。
(5) 分担する業務の内容に従って、治験責任医師又は治験分担医師に必要な報告を行うものとする。又、行った報告の内容はできる限り記録することとする。
(6) 当該治験の終了、中止又は中断報告が理事長に提出され、治験審査委員会が確認したとき、当該治験における治験協力者としての責務を解除される。
(被験者の同意の取得)
第28条 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、被験者に対して説明文書を用いて十分に説明し、治験への参加について自由意思による同意を文書により得るものとする。
2.同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師及び被験者が記名捺印又は署名し、各自日付を記入するものとする。なお、治験協力者が補足的な説明を行った場合には、当該治験協力者も記名捺印又は署名し、日付を記入するものとする。
3.治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、第 1 項の規定に従って説明に用いた説明文書及び前項の規定に従って記名捺印又は署名と日付が記入された同意文書の写を被験者に渡さなければならない。また、被験者が治験に参加している間に、説明同意文書が改訂された場合は、その都度新たに第 1
項及び第 2 項に従って同意を取得し、説明に用いた説明文書及び記名捺印又は署名と日付を記入した同意文書の写を被験者に渡さなければならない。
4.治験責任医師及び治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加又は治験への参加の継続に関し、被験者に強制又は不当な影響を及ぼしてはならない。
5.説明文書及び説明に関して口頭で提供される情報には、被験者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、センター若しくは治験依頼者の法的責任を免除するかそれを疑わせる語句が含まれていてはならない。
6.口頭及び文書による説明には、被験者が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉が用いられていなければならない。
7.治験責任医師又は治験分担医師は、同意を得る前に、被験者が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えなければならない。その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足的説明者としての治験協力者は、すべての質問に対して被験者が満足するよう答えなければならない。
8.被験者の意思に影響を与える可能性のある新たな重要な情報が得られた場合には、治験責任医師は、速やかに当該情報に基づき説明文書・同意文書を改訂し、予め審査委員会の承認を得なければならない。また、治験責任医師又は治験分担医師は、すでに治験に参加している被験者に対しても当該情報を速やかに伝え、治験に継続して参加するか否かについて、被験者の意思を確認するとともに、説明文書・同意文書を用いて改めて説明し、治験への参加の継続について被験者から自由意思による同意を文書で得なければならない。
9.被験者の同意取得が困難な場合、非治療的治験を実施する場合、緊急状況下における救命的治験の場合及び被験者が説明同意文書等を読めない場合については、医薬品 GCP 省令第 50 条第 2 項及び第 3 項、第 52 条第 3 項及び第 4 項、第 55
条、医療機器 GCP 省令第 70 条第 2 項及び第 3 項、第 72 条第 3 項及び第 4 項及び
第 75 条を遵守する。
(被験者に対する医療)
第29条 治験責任医師は、治験に関する医療上すべての判断に責任を負うものとする。
2.理事長及び治験責任医師は、被験者の治験参加中及びその後を通じ、治験に関した臨床上問題となるすべての有害事象に対して、十分な医療が被験者に提供されることを保証するものとする。また、治験責任医師又は治験分担医師は、有害事象に対する医療が必要となったことを知った場合には、被験者にその旨を伝えなければならない。
3.治験責任医師又は治験分担医師は、被験者に他の主治医がいるか否かを確認し、被験者の同意のもとに、主治医に被験者の治験への参加について知らせなければならない。
4.被験者が治験の途中で参加を取り止めようとする場合、又は取り止めた場合には、被験者はその理由を明らかにする必要はないが、治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の権利を十分尊重した上で、その理由を確認するための適切な努力を払わなければならない。
(治験実施計画書からの逸脱等)
第30条 治験責任医師又は治験分担医師は、治験依頼者との事前の文書による合意及び審査委員会の事前の審査に基づく文書による承認を得ることなく、治験実施計画書からの逸脱又は変更を行ってはならない。ただし、被験者の緊急の危険を回避するためのものであるなど医療上やむを得ないものである場合又は治験の事務的事項(例えば、電話番号の変更)のみに関する変更である場合には、この限りではない。
2.治験責任医師又は治験分担医師は、承認された治験実施計画書から逸脱した行
為をすべて記録しなければならない。
3.治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の緊急の危険を回避する等医療上やむを得ない事情のために、治験依頼者との事前の文書による合意及び審査委員会の事前の承認なしに治験実施計画書からの逸脱を行うことができる。その際には、治験責任医師は、逸脱の内容及び理由を記した報告書「緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書」(書式 8)を、可能な限り早急に理事長と治験依頼者に報告し、理事長は、「治験審査依頼書」(書式 4)にて審査委員会に治験継続の適否について審査を依頼し、その結果を「治験審査結果通知書」(書式 5)の利用、又は「治験に関する指示・決定通知書」(参考書式 1)により、その結果又は取扱いを通知する。また、理事長は、治験依頼者の同意を「緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する通知書」(書式 9)で得るものとする。
第8章 治験薬の管理
(治験薬管理者の責務)
第31条 治験薬の管理責任は理事長が負うものとする。
2.理事長は、治験薬を保管・管理させるため中央病院と東病院の薬剤部長を治験薬の管理者(以下「治験薬管理者」という。)に定め、各病院内で実施されるすべての治験の治験薬を管理させるものとする。なお、治験薬管理者は病院長の承認を得て治験薬管理補助者を文書により指名し、治験薬の保管・管理を行わせることができる。
3.治験薬管理者は、治験依頼者が作成した治験薬の取扱い及び保管・管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書に従って、また、医薬品 GCP省令を遵守して適正に治験薬を保管、管理する。
(治験薬管理者の業務)
第32条 治験薬管理者は次の業務を行う。
(1)治験薬を受領し、治験薬受領書を発行する。
(2)治験薬の保管、管理及び払い出しを行う。
(3)治験薬管理表及び治験薬出納表を作成し、治験薬の使用状況及び治験進捗状況を把握する。
(4)被験者からの未使用治験薬の返却記録を作成する。
(5)未使用治験薬(被験者からの未使用返却治験薬、使用期限切れ治験薬及び欠陥品を含む)を治験依頼者に返却し、未使用治験薬返却書を発行する。
(6)その他、第 3 項の治験依頼者が作成した手順書に従う。
2.治験薬管理者は、治験実施計画書に規定された量の治験薬が被験者に投与されていることを確認する。
(救命治療の治験等における治験薬管理)
第33条 理事長は、原則として救命治療の治験等の場合、病棟等で治験責任医師の下に治験薬を管理させることができる。
第9章 治験機器の管理
(治験機器の管理)
第34条 治験機器の管理責任は理事長が負うものとする。
2.治験機器の管理については、当該治験期間中は治験責任医師の下において依頼者の保管・管理の手順書に従い、また医療機器 GCP 省令を遵守して適正に治験機器を保管・管理する。
3.治験終了後は、ただちに現状復帰するものとする。
第10章 記録の保存について
(記録の保存責任者)
第35条 理事長は、センターにおいて治験の記録として保存すべき治験に係る文書又は記録の保存責任者を指名するものとする。
2.前項に基づく保存責任者は文書・記録ごとに次のとおり定める。
(1)診療録、検査データ等及び署名済みの同意文書:病院長
(2)治験責任医師宛の通知書等:治験責任医師
(3)治験受託に関する文書等:治験事務局長
(4)治験薬に関する記録(治験薬管理表、治験薬出納表、被験者からの未服用薬返却記録、治験薬納品書、未使用治験薬受領書等):治験薬管理者
(5)治験機器に関する記録(治験機器管理表、治験機器出納表、治験機器納品書等):治験責任医師
3.理事長又は前項で指名された保存責任者は、センターにおいて保存すべき治験に係る文書又は記録が第 37 条第 1 項に定める期間中に紛失又は破棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるよう措置を講じるものとする。
(記録の保存期間)
第36条 理事長は、センターにおいて保存すべき治験に係る文書又は記録を(1)又は(2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存するものとする。ただし、治験依頼者がこれよりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験依頼者と協議するものとする。
また、製造販売後臨床試験の場合は、(3)の日までとする。
(1)当該治験薬に係る製造販売承認日(開発が中止された場合には開発中止が決定された日から 3 年が経過した日)
(2)治験の中止又は終了後 3 年が経過した日
(3)再審査又は再評価が終了した日から 5 年間経過した日。
ただし、平成 17 年 4 月 1 日以降に製造販売後臨床試験実施計画書の提出が行われた臨床試験にあっては、当該被験薬の再審査又は再評価が終了した日。
2.理事長は、前項の承認取得又は開発中止があった場合は、治験依頼者より「開発の中止等に関する報告書」(書式 18)により報告を受け、保存期間のもととなる基準日を確認するものとする。
附 則
この要領は、平成 22 年 4 月 1 日から施行する。
2 本手順書に該当しない事項が生じた場合は、治験事務局に相談するものとする。
3 治験に関する海外渡航を伴う用務に関する契約は、当該研究期間に積算し契約に盛り込むことが望ましいが、海外渡航に関する用務のみの契約も可能である。
附 則(第 2 版) (施行期日)
この要領は、平成 22 年 8 月 1 日から施行する。附 則(第 3 版)
(施行期日)
この要領は、平成 22 年 10 月 1 日から施行する。
附 則(平成 23 年要領第 5 号) (施行期日)
この要領は、平成 23 年 4 月 1 日から施行する。
附 則(平成 24 年要領第 4-2 号) (施行期日)
この要項は、平成 24 年 4 月 1 日から施行する。
附 則(平成 24 年要領第 9 号) (施行期日)
この要項は、平成 24 年 7 月 1 日から施行する。
附 則(平成 25 年要領第 9 号) (施行期日)
この要項は、平成 25 年 4 月 1 日から施行する。
別添1 受託研究(治験)医薬品契約書(2者契約) 別添2 受託研究(治験)医療機器契約書(2者契約)