ケタミンクリニックでの使用目的は、うつ病、強迫性障害、PTSD、双極性障害、不安障害、慢性疼痛などの治療です。
同意書
ケタミン注入療法のためのインフォームド・コンセント
ケタミン注射薬は、1970年に承認されて以来 手術室や救急外来で広く使用されて来ました。
現在は手術麻酔薬としてはあまり用いられていませんが、緩和医療などの場で鎮痛剤としてよく用いられています。
10年ほど前より、メンタル疾患に対しての顕著な効果が知られるようになりました。
ケタミンクリニックでの使用目的は、うつ病、強迫性障害、PTSD、双極性障害、不安障害、慢性疼痛などの治療です。
ただうつ病、強迫性障害、PTSD、双極性障害、不安障害、慢性疼痛の治療に対するケタミン使用は適応外使用であり、現在日本において保険診療承認もされていません。
1. ケタミン点滴の手順
⑴ ケタミンを投与するために、四肢(腕、手、足)に静脈内注射を開始します。
⑵ 点滴中は、心拍数、酸素飽和度を持続モニタリングします。
⑶ 必要に応じて血圧測定をします。
⑷ 医師の決定した投与量のケタミンをゆっくり持続注入します。
⑸ その注入反応に応じて、その後の注入投与量を調整していきます。
⑹ 反応に応じて点滴速度を調整します。
⑺ 点滴終了後は、しばらく安静にして頂きます。
⑻ 帰宅が問題ないと判断されれば、帰宅可能となります。
2. リスク/副作用
ケタミンのリスク、副作用は通常、投与量と注射の速さに依存します。うつ病、強迫性障害、PTSD、双極性障害、不安障害、慢性疼痛などの治
療目的のために使用される量は、効果を認める最低限の量となります。また効果と注入速度との関連もあるためそれを考慮しますが、副作用の
出ないように注入速度は調整されます。
副作用は多くの場合、一時的であることがほとんどで、自然に治まります。
ケタミン投与によって生じる意識変容は、通常、静脈注射後約30分続きますが、それ以上続くこともあります。
平衡感覚の障害、めまい、吐き気が出る場合がありますが、3 ~ 6 時間かけて徐々に治まります。
⑴ よくある副作用(発現率:1%より多いとされるもの)
⦁ 幻覚 鮮明な夢と悪夢
- 吐き気と嘔吐
- 唾液分泌の増加、 めまい、目の▇▇▇
- 点滴中の心拍数および血圧の上昇
- 運動能力の変化
これらの症状は、点滴を止めると通常は消失します。
⑵ まれな副作用(発現率:0.1%~1%未満)
- 発疹、複視、注射部位の痛みと赤み、眼圧の上昇、発作に似た腕のピクピクした動き
⑶ 極めてまれな副作用(発現率:0.1%未満)
- アレルギー反応、不規則または遅い心拍数、不整脈、低血圧
- アナフィラキシーショックなど死亡に至るまで重篤な副作用の可能性も否定できませんが、極めて稀です。
⑷ その他のリスク
- 針刺しによる一時的な不快感、感染症を引き起こす可能性があります。
- 他の薬とケタミンの相互作用のリスク。服用中の薬(処方薬、市販薬とも)、サプリメントその他これに類する物をすべて担当医師に開示してください。
- ケタミンは、うつ病、双極性障害、PTSD、不安、強迫性障害などのメンタル疾患、または慢性的な疼痛症候群に効果がない可能性もありま す。
3. 効能・効果
従来の抗うつ剤とは異なり、ケタミンはうつ病、双極性障害、PTSDの症状を急速に減少させることが確認されています。
また、様々な慢性疼痛症候群や、薬物やアルコールへの欲求を緩和することにも役立つことが示されています。
最初の一連の注入は、改善の期間を延長するために使用されます。
ケタミン注入療法は症状の改善を目的としていますが、その効果は保証されておらず、また、どのような人がどのように反応するかを予測することはできません。
これらの効果は長く続かない可能性があり、ほとんどの場合、さらに点滴が必要になります。
▇▇▇▇は、治療抵抗性うつ病の患者にとって唯一の選択肢ではありません。
電気けいれんショック療法(ECT)や経頭蓋磁気刺激療法(TMS)など、他の選択肢もあります。
4. 安全上の注意点
- 吐き気や嘔吐の危険性があるため、少なくとも4時間前から飲食を控えてください。(ただ2時間前までは、水やお茶は飲むことができます。)
常用薬はいつも通りに服用して下さい。(ただし、ラミクタール、ベンゾジアゼピン系、鎮静剤(麻薬性鎮痛剤を含む)は除きます。なお,服
用する常用薬は事前に担当医師に確認してください。)
- 点滴後24時間は、反射神経が鈍くなったり低下したりする可能性があるため、車の運転や危険な機器の操作、危険な活動には従事しないで下さ
い。
また、点滴後は可能な限り同伴者・付添人とともに帰宅することをお勧めします。
- 点滴前と点滴後24時間は、アルコール等の摂取を控えて下さい。
- 服用中の薬、特に麻薬性鎮痛剤、バルビツール酸系の薬については、必ず担当医師に報告してください。
- クリニックを出た後、何か問題があれば、すぐに当クリニックにご連絡下さい。
直接連絡が取れない場合は、近くの医院、もしくは救急外来に相談または受診を考えてください。
5.ケタミン療法の禁忌
ケタミン療法は、以下の状態・履歴がある者は受けることができません。
- 積極的な薬物乱用、リクリエーションドラッグ目的
- 統合失調症などの精神病性障害(幻覚、妄想、まとまりのない会話や行動など、現実検討を著しく障害する症状)
- 積極的な自殺計画
- 頭蓋内圧亢進の既往歴
- 妊娠中または授乳中の母親
- コントロールされていない高血圧
- 未治療の甲状腺機能亢進症
⦁ ケタミンに対する過敏症または陰性反応の既往歴
【ケタミンの乱用と身体的依存の可能性について】
ケタミンは、幻覚剤(「サイケデリック」)として分類される化学薬品のグループに属します。ケタミンは規制薬物であり、米国では1970年の規制薬物法の下でスケ
ジュールIIIの規則の対象になっており、日本では2007年より麻薬指定されていま す。単回または反復投与されるケタミン療法が、物質使用障害のリスクを増加させた
という証拠はありません。ケタミンがリクリエーションドラッグとして乱用された場合には低から中程度の身体依存の可能性がありますが,医学的に処方されたケタミン療法の場合には身体依存の可能性は低いものとなっています。
【自殺念慮に関する注意】
精神科の病気には、自殺念慮(自分の人生を終わらせようとする考え)のリスクがあります。▇▇▇▇投与期間前、期間中、もしくは将来のどの時点においても、自殺念慮が生じた場合は直ちに救急対応を受けてください。
6. 治療の開始、継続、中止等について
ケタミン治療が必要かどうかは医師が判断します。
希望しても受けられない可能性もあり、また医師の判断によりいかなる時期・状況であっても点滴を中止する可能性もあります。
患者側もいかなる時期・状況であってもケタミン注入を継続するか中止するかを決めることが▇▇▇▇。中止したい場合は直ちに医師に申し出てください。
私(担当医師)は、下記の患者にうつ病、強迫性障害、PTSD、双極性障害、不安障害、慢性疼痛などの治療としてのケタミン療法の性質、条件、リスク、複数ある治療方法の各内容と利害得失,予後等について上述の内容とともに詳細かつ注意深く説明しました。
説明医師 ▇▇ ▇
私(患者)は上記の担当医師からうつ病、強迫性障害、PTSD、双極性障害、不安障害、慢性疼痛などの治療としてのケタミン療法の性質、条件、リスク、複数ある治療方法の各内容と利害得失,予後等について上述の内容とともに詳細かつ注意深く説明を受けました。その上で、私はケタミン療法を希望いたします。
日付 令和 年 月 日
患者の署名
