【香港発中国創新 IP 情報】
【香港発中国創新 IP 情報】
中国政府、産学連携における知的財産関連条項の契約書ひな形を発表
2021年10月22日
J E T R O 香 x x 務 所
2021 年 10 月 18 日、中国国家知識産権局、教育部、科技部が連名で、「産学研協力における知的財産関連条項手引き(試行)」(产学研合作协议知识产权相关条款制定指引(试行)1)を発表した(制定日は 10 月 8 日)。この手引きは、2020 年 12 月のパブリックコメントを経て制定されたものであり、中国において課題となっている大学・研究機関の知財活用を推進する政策の一環である。本稿では、本手引きの策定背景及び概要について紹介する(下線は筆者による強調)。
1.背景
本手引きの公式解説2によれば、中国における大学の特許の技術移転・活用が進まない原因として、契約上不明確な点があることによる隠れたリスクがあることを挙げている。例えば、過去 10 年間の大学の知財関連契約紛争における半数以上がこれに関連しており、主な原因として、特許3権の譲渡、職務発明の奨励、特許ライセンス、営業秘密などに関する条項の不明確性に起因する、としている。その事例として、北京のある大学における秘密保持契約に関する紛争や天津・湖北省の大学における職務発明と奨励に関する紛争を例示した。そして、この背景として、
①産学連携における知財関連契約の多くが単純なもので厳密に規定されておらず潜在リスクの想定が不足している
②産学連携の交渉において知財関連の権利・義務を軽視し、産学連携取引に関する知識が不十分で、契約締結前に知財権の帰属など重要な内容を議論していない
③多くの大学において知財技術移転の専門人材・経験・能力が不足している
の三点を挙げた。そして、本手引きは、知財に係る法的リスク・紛争の軽減・回避、及び大学等における法律・取引・交渉に関する認識向上を目的とした、産学連携にお ける知財契約プロセスにおける指導ガイドラインとなる、としている。
1 国家知识产权局办公室 教育部办公厅 科技部办公厅关于印发《产学研合作协议知识产权相关条款制定指引(试行)》的通知 2021 年 10 月 8 日 中国政府網
xxxx://xxx.xxx.xx/xxxxxxx/xxxxxxxxx/0000-00/00/xxxxxxx_0000000.xxx
2 《产学研合作协议知识产权相关条款制定指引(试行)》解读 2021 年 10 月 18 日 中国政府網
xxxxx://xxx.xxxxx.xxx.xx/xxx/0000/00/00/xxx_00_000000.xxxx
3 本稿では、特許、実用新案、意匠を意味する「専利」について、便宜的に「特許」と表現する。
2.概要
(1)全体構成
使用方法、共通条項の他、個別条項として、技術的成果に関する知財権(フォアグラウンド IP)の帰属に着目し、①大学・研究機関に知的財産権を帰属させる場合、②企業に知的財産権を帰属させる場合、③双方で全て共有、又は一部を共有し一部を各自に帰属させる場合、のそれぞれの条項から構成される。
(2)使用方法
各条項の概要の他、「海外関連の知財権譲渡・ライセンス」について、外国企業等 が対象となる場合には、準拠法、税、契約言語の有効性、秘密保持などへの留意、及び技術輸出入に関する関連規定(例えば、「知的財産権の外国への譲渡に関する業務弁法(試行)知识产权对外转让有关工作办法(试行)」(国弁発 [2018] 19 号))の遵守について言及されている。
(3)共通条項
まず、契約において定義すべき用語として、①契約、②プロジェクト、③バックグラウンド IP、➃技術的成果、⑤学術発表、⑥知的財産権、⑦秘密情報、Ⓑ地理的範囲、
⑨関連会社を列記して定義文案を例示している。
次に、守秘義務契約について、①対象となる秘密情報の確定、②秘密保持の対象人員、③守秘義務、➃適用除外について定めている。特徴的な点として、③外国で特許 を出願する際の中国の関連規定(秘密保持審査)の遵守、➃法律或いは関連する規制当局や上級管理部門から開示を求められた情報を適用除外とし、この場合には開示に先立ち速やかに開示内容等を相手方に書面で通知すべきこと、などを定めている。
(4)個別条項
①(フォアグラウンド IP を)大学・研究機関に知的財産権を帰属させる場合
共通事項として、バックグラウンド IP の帰属・使用、フォアグラウンド IP の帰属・使用、非侵害保証(保証を必須としない選択肢あり)の他、学術発表に関する条項を設けている。また、フォアグラウンド IP のライセンス・譲渡の条件については、さ らに以下の3つのシナリオを設定し、それぞれにおける具体的な条項を示している。
①-1:大学等が企業にライセンスせず、企業がライセンス・譲渡について交渉する権利を有する場合
①-2:大学等が企業に通常実施権を設定し、企業は専用実施権・独占的通常実施権設定や譲渡を交渉する権利を有する場合
②-3:大学等が企業に専用実施権・独占的通常実施権を設定する場合
②企業に知的財産権を帰属させる場合
①と同様の共通事項に加え、学術発表について特に詳細に規定する条項が設けられ、場合分けについても、学術発表に関連する以下の2つのシナリオを設定し、企業の同 意を求める場合の手続などを定める条項を設けている。
②-1:大学等による技術的成果の学術発表を認める場合
②-2:企業の同意なしに大学等による技術的成果の学術発表を不可とする場合
③双方で全て共有、又は一部を共有し一部を各自に帰属させる場合
①、②と同様の共通事項に加え、フォアグラウンド IP の帰属・使用について、以下の2つのシナリオを設定し、共有に係る知財権のライセンス・譲渡・放棄等におけ る当事者間の同意や優先交渉権、同意を求める場合の手続などを定める条項を設けている。特に、フォアグラウンド IP を大学側の研究者個人/チームに譲渡又は長期使用権の付与を行うことについて明文化した点は、中国の大学・研究機関の知財活用推進に関する研究者への事業化インセンティブ付与政策4に沿ったものである。
③-1:双方当事者がフォアグラウンド IP の全ての知財権を共有する場合
③-2:各当事者にフォアグラウンド IP の一部を所有させる場合
3.解説
中国における大学・研究機関の知財活用は、中国政府の調査報告書5においても特許の実施率が 10%前後と低いことが問題視されており、十四次五か年規画6や知識産権強国建設綱要(2021~2035)7など主要文書で必ず触れられる重要課題である。
今回の契約書ひな形は、拘束性があるものではなく、また複数の選択肢を有するものとなっているが、政府が発表したものとして今後の産学連携における契約書に広く適用されるものとなることが予想される。
(以上)文責:JETRO 香港 xxx
4 【香港発中国創新 IP 情報】中国政府、大学の特許品質向上及び移転活用促進に向けた方針を発表 2020 年 2
月 26 日 JETRO 香港事務所
xxxxx://xxx.xxxxx.xx.xx/xxx_xxxxxxx/0/xxxxx/xxxx/xx/xx/xxx/xxxx_xx00000000.xxx
5 【香港発中国創新 IP 情報】中国版「知的財産活動調査」2020 年版の概要紹介 2021 年 5 月 26 日 JETRO 香港事務所
xxxxx://xxx.xxxxx.xx.xx/xxx_xxxxxxx/0/xxxxx/xxxx/xx/xx/xxx/xxxx_xx00000000.xxx
6 中华人民共和国国民经济和社会发展第十四个五年规划和 2035 年远景目标纲要 2021 年 3 月 13 日 中国政府網
xxxx://xxx.xxx.xx/xxxxxx/0000-00/00/xxxxxxx_0000000.xxx
7 【中国・潮流】13 年ぶりの長期計画にみる知的財産強国への布石 新技術の知財保護・活用に注力しつつ、標準化を絡め世界への影響力拡大を図る 2021 年 10 月 21 日 JETRO 香港事務所 xxxxx://xxx.xxxxx.xx.xx/xxx/xxxxxxxxxxx/0000/000000000x0xxx0x.xxxx
(別紙:日本語仮訳)
附属書
産学研協力協定における知的財産権関連規定制定ガイドライン(試行)
2021年
目 次
個別条項 1: 大学又は研究機関に帰属させる知的財産権に関する条項 10
個別条項 2: 企業に帰属させる知的財産権に関する条項 18
個別条項 3: 双方が共有又は各自に帰属させる知的財産権に関する条項 23
ガイドラインの妥当性を高めるため、本ガイドラインでは、産学研連携協定の知的財産権に関わるコア条項のみを掲載しており、協定の当事者は実際の状況に応じて関連する条項を変更することができる。知的財産権に関わらない基本的な条項や、法律で明確に規定されている事項については、本ガイドラインでは規定していない。本ガイドラインにおける「甲方」とは企業側、「乙方」とは大学・研究機関側を指す。
I. 共通条項について
このガイドラインでは、共通用語の定義や解釈、守秘義務などを定めている。
定義と解釈は、本ガイドラインの中で最も重要な条項である。 定義を明確にすることで紛争を回避することができるが、具体的状況によって契約当事双方が増減させる必要がある。
本ガイドラインの守秘義務規定は、一般的な守秘義務の内容のみを対象としており、双方当事者が他の特別な守秘義務や特別な約束を必要とする場合は、契約を構成する 一部として別の《守秘義務契約》を締結することができる。また、双方は、秘密情報 を知っている関連会社の従業員や学生との間で個別に守秘義務契約を締結するよう 注意するとともに、プロジェクトの秘密性のレベルに応じて、守秘意識の向上や秘密 性に関する研修を実施することができる。
II.個別条項について
産学研連携の過程で形成された三種類の知的財産権のそれぞれの処置状況に応じて個別の条項を設けている。具体的に言うと、知的財産権の帰属と使用、学術発表についての内容が含まれる。
大学・研究機関側と企業側の協力関係において、知的財産権の帰属と使用は、知的財産権の処置の重要な要素である。また、成果の完成者(チーム)に当該技術的成果
の知的財産権の所有権又は長期使用権を付与する場合には、書面による契約を締結しなければならない。その契約にて、技術移転の収益分配の割合、技術移転の意思決定メカニズム、技術移転費用の分担、知的財産権の維持費用などについて合理的に定める
学術発表権は、大学・研究機関及びプロジェクトに関わる学生の重要な権利であり、企業は、大学・研究機関及び学生の学術発表権を保護することに注意を払い、大学・研究機関及び学生は、企業の営業秘密を守る義務を果たすべきである。
III.海外関連の知的財産権の譲渡・ライセンスについて
外国主体が対象となる場合、双方当事者は、法律の適用、税金、契約言語の有効性、秘密保持などに関する条項の締結を検討する必要がある。
技術の輸出入が関係する場合は、中国の関連法令の規定を遵守しなければならない。知的財産権の外国へのライセンス供与又は譲渡が伴う場合は、《知的財産権の外国へ の譲渡に関する業務弁法(試行)(知识产权对外转让有关工作办法(试行))》(国弁発 [2018] 19 号)及びその他の関連法令に基づいて執行される。
I. 定義と説明
1.1 契約
本契約中の全ての条項及び附属書類、並びに本契約に対するあらゆる修正又は補充のことである。
1.2 プロジェクト
本契約は、双方が共同して行う研究開発について約定するものである。
1.3 背景となる知的財産権 (以下、「バックグラウンド IP」)
当事者が、本契約の発効前又は発効後に、本契約に基づくプロジェクトの開発に使用するために提供する知的財産権のことである。双方は、提供されるバックグラウンド IP 及びその使用範囲を本契約の附属書類に詳細に記載するものとする。
1.4 技術的成果
このプロジェクトの実施過程中、及び最終的に取得した発明、発見、その他の科学的及び技術的成果のことである。これらには、技術資料、設計図面、プロセス方法、材料配合、コンピュータプログラム、技術情報、及びそれらの組み合わせ、また、サンプル、プロトタイプ、新製品、新材料、新しい生産ラインなどの表現形式が含まれるが、これらに限定されるものではない。
1.5 学術発表
学術研究を目的として、雑誌、新聞、書籍、電子図書館上で公開発表されたもの、又は教室、講座、セミナーなどの公開の場で発表されたものである。
1.6 知的財産権
以下の客体に関して、権利者の法律に基づく独占的権利である。
(1) 作品
(2) 発明専利(特許)、実用新型専利(実用新案)、外観設計専利(意匠)8
(3) 商標
(4) 地理的表示
(5) 営業秘密
(6) 集積回路配置設計
(7) 植物新品種
(8) その他、法律で定められた客体
1.7 秘密情報
当事者の秘密情報には、以下の場合、一般には入手できない情報が含まれる。
(1) 当事者が提供するバックグラウンド IP
(2) 当事者が知的財産権を有するあらゆる技術的成果
(3) 一方の当事者が他方の当事者に提供し、本プロジェクトで使用するための、又は本契約に基づいて秘密情報であると認定されたその他の情報
(4) その性質や開示内容から、秘密情報であると合理的に推定されるべきであるその他の情報
1.8 地理的範囲
双方当事者間で合意した地理的範囲:_____
8 訳注:中国語の「専利」は日本語における特許、実用新案、意匠を含む表現であるところ、この仮訳では原則として「専利」の表現のままとする。
1.9 関連会社
双方当事者によって直接又は間接的に支配されているか、双方当事者と相互支配の関係にあるか、又は双方当事者と共通の支配下にある企業のことである。ここでいう
「支配」とは、資本、投資関係、契約、その他の取り決めを通じて、企業の活動を効果的に支配する能力を意味する。双方当事者は、双方のプロフィールの中で、関連会社とその関係を開示する必要がある。(双方当事者は、関連企業の約定と開示について、《企業会計準則第 36 号――関係当事者の開示(企业会计准则第 36 号——关联方披露)》を参照することができる)。
II.守秘義務(本条は補足的な契約で補うことができる。 )
2.1 秘密の内容
双方は、本契約に基づく各自の秘密情報(営業秘密及び営業秘密以外の秘密情報を含む) を確定する。
甲方:_____________________乙方:_____________________
2.2 秘密保持人員
双方は、各方の本契約に基づいて守秘義務を負うべき人員として、以下の者を指定する。
甲方:_____________________乙方:_____________________
2.3 秘密保持の義務
2.3.1 本契約で別段の約定がなされた場合を除き、本契約のいずれの当事者も、相手側当事者の書面による同意なしに、プロジェクト期間中及びプロジェクト終了 後[XX]年の間、相手側当事者の秘密情報を第三者に開示したり、いかなる目的
にも相手側当事者の秘密情報を使用したりしないものとする。
2.3.2 秘密情報の一部又は全部で構成する技術的成果に関して、いずれの当事者も、いかなる国又は地域においても、専利又はその他の知的財産権を出願してはならないものとする。ただし、秘密情報の原権利者の書面による同意がある場合を除く。
2.3.3 本契約で別段の約定がなされた場合を除き、本契約のいずれの当事者も、相手側当事者の同意を得ることなく、相手側当事者の名称、xx、又は相手側当事者から提供された主要人員の氏名を、報道、広告、その他のプロモーション活動に使用することはできない。
2.3.4 本契約で別段の約定がなされた場合を除き、双方当事者は、本契約の履行を確実にするために、本プロジェクトを実施している甲方の関連企業の従業員又は乙方の学生に秘密情報を提供する必要がある場合、当該者との間で本契約と同様の内容の守秘義務契約を締結する必要がある。
2.3.5 本契約のいずれかの当事者が海外で専利(PCT 専利出願を含む)を出願する場合、中国の関連法令の秘密保持規定を遵守し、秘密審査を受けるものとする。
2.4 守秘義務の適用除外
2.4.1 いずれかの当事者が以下の場合に情報を開示しても、他の当事者に対する守秘義務に違反することはない。
(1) 本契約の守秘義務及びその他の秘密保持の承諾に違反しない状況下において、当該情報がすでに公開され、あるいは公衆に知られた場合。
(2) 当該情報が、一方の当事者が第三者から合法的な手段で独自に入手したものである場合。ただし、当該第三者が守秘義務に違反して情報を開示したことを、当該当事者が明らかに知っている場合を除く。
(3) 本双方当事者の一方が、相手方から秘密情報を入手する前にすでにその秘密情報を熟知しており、かつ、知り得た時点で相手方に対して守秘義務を負っていなかったことを書面で証明できる場合。
(4) 法律或いは関連する規制当局や上級管理部門から開示を求められた情報の場合。
2.4.2 第 2.4.1 条第 4 項に基づいて秘密情報が開示される場合、開示に先立って、開示当事者は可能な限り速やかに、要求される開示の内容、形式及び条件を相手方当事者に書面で通知するものとする。
個別条項 1: 大学又は研究機関に帰属させる知的財産権に関する条項
シナリオ 1-1: 大学又は研究機関が企業にライセンスを付与せず、企業がライセンス又は譲渡について交渉する権利を有する。
シナリオ 1-2:大学や研究機関が企業に通常ライセンスを付与し、企業が排他的/独占的なライセンスや譲渡を交渉する権利を持つ。
シナリオ 1-3:大学や研究機関が企業に独占/排他的なライセンスを供与する。
I. 知的財産権の帰属と使用
1.1 バックグラウンド IP の帰属と使用
1.1.1 本契約の履行は、当事者が元々所有していたバックグラウンド IP の帰属に影響を与えないものとし、その権利は元の権利者に帰属するものとする。
1.1.2 本契約の双方当事者は、本プロジェクトの研究開発を遂行する目的で、そのバックグラウンド IP を使用するための無償の通常ライセンスを相手側当事者に付与するものとする。いずれの当事者も、本契約に基づく本プロジェクトの研究開発を遂行する目的で、甲方の関連会社の従業員又は乙方の学生が使用する場合を除き、相手方のバックグラウンド IP を使用するためのサブライセンスを第三者に許諾してはならないものとする。
1.1.3 甲方が、本プロジェクトの研究開発の実施以外の目的で、乙方のバックグラウンド IP を使用する必要がある場合、双方当事者は、別途ライセンス契約を締結するものとする。
1.2 技術的成果の知的財産権の帰属と使用
1.2.1 技術的成果の知的財産権は、乙方が所有するものとする。乙方は、随時(プロジェクトの期間に限定されない)、以下の措置を取ることができる:技術的成果について、知的財産権の出願及び保護。これには、技術的成果に関する専利の出願、専利又は専利の有効性の維持、技術的成果の知的財産権への侵害容疑または実際侵害行為に対する合理的に必要な全ての措置を含む。甲方及びその従業員、並びに技術的成果の創造に関与する他の関連会社の従業員は、乙方が上述の措置を講じることができるよう、合理的な支援を提供するものとする。
1.2.2 プロジェクトに関与している、又は関与していた第三者(例えば学生、請負業者、その他プロジェクトの参加者として定義されていない者)がいる場合、関連する契約又は管理権限によって当該第三者を拘束できる当事者は、当該第三者が技術的成果に有する可能性のある全ての権利を既にその当事者が取得している(又は、将来的に適切であれば取得する)ことを保証しなければならな
い。
1.2.3 乙方が技術的成果の完成者(チーム)に対し、技術的成果の知的財産所有権又は長期的な使用権を付与する場合、乙方は技術的成果の完成者(チーム)との間で書面による合意書を締結し、合意が発効してから[XX]日以内に甲方に書面で通知するものとする。乙方は、技術的成果を使用する権利を付与された者(チーム)が本契約の規定を認識し、遵守することを保証するものとする。
1.2.4 甲方は、乙方(及び権限を付与された技術的成果を完成させた人物(チーム))が、同一又は類似の品目、同一又は類似の技術、及び知的財産権のライセンス供与又は譲渡に関して、甲方の競合他社と交渉したり、不合理な取引をしたりしないことを書面で要求する権利を有する。ただし、甲方がその競争関係を示す合理的な証拠を持つ必要がある。
1.2.5 乙方(及び技術的成果の所有権を譲渡された者(チーム))がその技術的成果の知的財産権を譲渡する場合、甲方は同じ条件でその技術的成果の知的財産権を優先的に譲渡される権利を有するものとする。
1.2.6 技術的成果の知的財産権のライセンスや譲渡の有無にかかわらず、乙方とそのスタッフ及び学生は、学術研究目的で技術的成果の知的財産権を使用する取消不能の権利を有するものとする。ただし、甲方の営業秘密が関係する場合は、甲方から事前に書面による同意を得る必要がある。
シナリオ 1-1 適用条項:大学または研究機関が企業にいかなるライセンスも付与せず、企業がライセンス又は譲渡を交渉する権利を有する。(ライセンス契約書又は譲渡契約書を付属書類として添付する。)
1.2.7 オプション期間:甲方は、プロジェクト期間中及びプロジェクト終了後[XX]月以内に、乙方に書面で通知することにより、技術的成果のライセンス(通常ライセンス、専用ライセンス、独占的ライセンス)の付与又は知的財産権の譲渡について交渉する権利を有する。
1.2.8 甲方がオプション期間中に、技術的成果の知的財産権のライセンス(通常ライセンス、専用ライセンス、独占的ライセンス)の付与又は譲渡について交渉することを乙方に書面で通知した場合、甲方は同時に、技術的成果の知的財産権の商業化に関する計画書を乙方に附属書として提供するものとする。(オプション:オプション期間が満了し、甲方が乙方に書面で交渉を通知しただけで、当該商業化計画書を提供しなかった場合、乙方に交渉を要求しなかったものとみなされる。)
1.2.9 協議期間: 乙方は、甲方から書面による通知を受け取った場合、通知を受け取った日から[XX]日以内に、技術的成果知的財産権に関するライセンス(通常のライセンス、専用ライセンス、独占的ライセンス)の付与又は譲渡に関して甲方と協議するものとする。
1.2.10 オプション期間又は協議期間中、乙方は技術的成果の知的財産権のライセン ス又は譲渡について第三者と交渉することができず、技術的成果の完成者(チ ーム)に技術的成果の知的財産所有権又は長期的な使用権を与えることができ ない。協議期間終了後の[XX]月の間、乙方(及び権利付与された技術的成果完 成者(チーム))は、技術的成果の知的財産権の第三者へのライセンス又は譲渡 について、甲方に提示された条件よりも有利な条件で交渉することはできない。
1.2.11 協議期間中に、技術的成果のいずれかに関して専利取得又はその他の保護措置を講じることを甲方が乙方に要求した場合、甲方は、甲方が要求した措置を講じるために乙方が負担した合理的な費用及び経費を乙方に補償するものとする。甲方がそのような費用を支払った技術的成果の知的財産権を、乙方が後に第三者にライセンス又は譲渡する場合、乙方はその費用を甲方に払い戻すものとする。
シナリオ 1-2 適用条項:大学または研究機関が企業に通常ライセンスを付与し、企業が専用ライセンス/独占的ライセンスや譲渡について交渉する権利を有する。(ライセンス契約書又は譲渡契約書を付属書類として添付する。)
1.2.7 乙方は、甲方が[地域]内で技術的成果の知的財産権を使用できるように、
[無償又は前払い]で一定期間又は無期限の通常実施権を甲方に付与することができる。甲方は、本契約に基づき、甲方の関連会社の従業員又は乙方の学生に、本プロジェクトの研究開発を行う目的としての使用を許可すること以外に、技術的成果の知的財産権を使用するためのサブライセンスを第三者に許諾しないものとする。
1.2.8 オプション期間:甲方は、プロジェクト期間中及びプロジェクト終了後[XX]ヶ月以内に、乙方に書面で通知することにより、技術的成果知的財産権の専用ライセンス/独占的ライセンスの付与又は譲渡について交渉する権利を有する。
1.2.9 甲方がオプション期間中に乙方に対し、技術的成果の知的財産権の専用ライセンス/独占的ライセンスの付与又は譲渡について交渉することを書面で通知した場合、甲方は交渉期間中に技術的成果の知的財産権の商業化に関する計画を附属書として乙方に提供しなければならない。(オプション:オプション期間満了時に、甲方が乙方に書面で交渉を通知するのみで、当該商業化の計画書を提供しない場合は、乙方に交渉を要求しなかったものとみなす。)
1.2.10 協議期間: 乙方は、甲方から書面による通知を受け取った場合、通知を受け取った日から[XX]日以内に、技術的成果に関する専用ライセンス/独占的ライセンスの付与又は知的財産権の譲渡に関して甲方と協議するものとする。
1.2.11 オプション期間又は協議期間中、乙方は技術的成果の知的財産権のライセンス又は譲渡について第三者と交渉することができず、技術的成果の完成者(チーム)に技術的成果の知的財産所有権又は長期使用権を付与することはできないものとする。協議期間終了後の[XX]ヶ月の間、乙方(及び権利が賦与された技術的成果完成者(チーム))は、技術的成果の知的財産権の第三者へのライセンス又は譲渡について、甲方に提示した条件よりも有利な条件で交渉することはできない。
1.2.12 協議期間中に、技術的成果のいずれかに関して専利取得又はその他の保護措置を講じることを甲方が要求した場合、甲方は、甲方が要求した措置を講じる
ために乙方が負担した合理的な費用及び経費を乙方に補償するものとする。甲 方がそのような費用を支払った技術的成果の知的財産権を、乙方が後に第三者 にライセンス又は譲渡する場合、乙方はその費用を甲方に払い戻すものとする。
シナリオ 1-3 適用条項:大学・研究機関が企業へ専用ライセンス/独占的ライセンスを付与する(専用ライセンス/独占的ライセンス契約書を付属書類として添付する。)
1.2.7 乙方は甲方に対し、[地域]内で技術的成果の知的財産権を使用するための(前 払いの)有償の専用ライセンス/独占的ライセンスを付与するものとする。
1.2.8 プロジェクト期間中に、技術的成果のいずれかに関して、専利出願又はその他の保護措置を講じることを甲方が要求した場合、甲方は、甲方の要求に応じてかかる措置を講じるために乙方が負担した合理的な費用及び経費を補償するものとする。甲方がかかる費用を負担した技術的成果の知的財産権を、乙方が後に第三者に譲渡する場合、乙方は甲方にかかる費用を払い戻すものとする。
1.2.9 (オプション)甲方は、第三者と書面による一般的なサブライセンス契約を有償で締結する権利を有するものとする。サブライセンス契約の条件及び条項は、甲方と乙方との間で締結されたライセンス契約と実質的に同様のものでなければならず、そうでない場合は法的効力を持たないものとする。乙方は、全てのサブライセンス契約において、第三受益者として指名されるものとし、当該サブライセンスは、本契約の終了に伴い、乙方の裁量により終了又は乙方に譲渡されるものとする。
1.3 技術的成果の知的財産権の向上
1.3.1 別段の合意がない限り、本契約の満了又は終了後、いずれの当事者も技術的成果の知的財産権を改良又は二次的開発する権利を有するものとし、一方の当事者が単独で行った改良又は二次的開発の成果は、改良当事者又は二次的開発当事者に帰属するものとする。改良や二次的開発のために相手方の営業秘密を使用する必要がある場合には、相手方の書面による同意を得て、改良や二次的開
発の成果を双方で共有するものとする。両者の連携による改善や二次開発の成果は、両者で共有するものとする。
1.3.2 (オプション) 一方の当事者は、技術的成果の知的財産権の改良又は二次的開発を独自で行った場合、他方の当事者に通知するものとし、他方の当事者は、同じ条件で優先的にライセンス又は譲渡を受ける権利を有するものとする。
1.4 権利を侵害しないことの保証
双方当事者が互いの知的財産権を使用する場合、相手方は、当事者に当該知的財産権が第三者の権利を侵害していないことを保証しなければならないものとする。
又は
双方当事者が互いの知的財産権を使用する場合、当該知的財産権が第三者の権利を侵害していないことについて、相手方から保証を得ることはできないが、双方当事者は、当該知的財産権の合法的な出所を証明する文書を相互に提供するものとする。
II.学術発表(シナリオ 2 適用条項)
2.1 本契約の守秘義務及び知的財産の規定に従い、本契約の当事者は双方とも、プロジェクトの技術的成果を公表する権利を有するものとする。契約のいずれかの当事者は、その発表した論文又は出版物に、技術的成果に対する他方の当事者の貢献度及びその資金提供状況を明示しなければならない。
2.2 公表を提案する当事者は、公表予定日の少なくとも[XX]日前に、相手方当事者に書面で公表予定の詳細を提出する。もう一方の当事者は、公表を提案する当事者に書面で秘密保持の通知をすることができる。
2.3 秘密保持通知を行った当事者は、秘密保持通知の中で、提案された公表を[XX]ヶ月間延期するよう要求する権利を有する。ただし、当該当事者が、提案された出版物の内容に関する専利又はその他の知的財産権の保護を求めるために当該要求が必要であるとの合理的な意見を有している場合に限る。
2.4 秘密保持の通知を行う当事者は、公表される内容の詳細を受け取ってから[XX]日以内に秘密保持の通知を行わなければならない。公表を提案する当事者がその期間内に秘密保持通知を受け取らなかった場合は、公表に同意したものとみなされる。但し、提案された公表が相手のバックグラウンド IP に関連し、且つその秘密情報である場合を除く。
シナリオ 2-1:大学や研究機関による技術的成果の学術発表を許可する。
シナリオ 2-2:大学や研究機関は、企業の同意なしに技術的成果を学術発表することはできない。
I. 知的財産権の帰属と使用
1.1 バックグラウンド IP の帰属と使用
1.1.1 本契約の履行は、当事者が元々所有していたバックグラウンド IP の所有権に影響を与えないものとし、その権利は元の権利者に帰属するものとする。
1.1.2 本契約の各当事者は、本プロジェクトの研究開発を遂行する目的で、そのバックグラウンド IP を使用するための無償の一般的ライセンスを相手側当事者に付与するものとする。いずれの当事者も、本契約に基づく本プロジェクトの研究開発を遂行する目的で、甲方の関連会社の従業員又は乙方の学生が使用する場合を除き、相手方のバックグラウンド IP を使用するためのサブライセンスを第三者に許諾してはならないものとする。
1.1.3 甲方が、本プロジェクトの研究開発の実施以外の目的で、乙方のバックグラウンド IP を使用する必要がある場合、当事者は、別途ライセンス契約を締結するものとする。
1.2 技術的成果の知的財産権の帰属と使用
1.2.1 技術的成果の知的財産権は、甲方が所有するものとする。甲方は、随時(プロジェクトの期間に限定されない)、技術的成果の知的財産権の出願及び保護のための措置を取ることができる。これには、技術的成果に関する専利の出願、専利又は専利の有効性の維持、及び技術的成果の知的財産権の侵害容疑又は実際の侵害に対するあらゆる合理的に必要な措置が含まれる。乙方及び技術的成果の作成に携わるその従業員及び学生は、甲方がそのような措置を講じる際に合理的な支援を行うものとする。
1.2.2 甲方は、乙方に対し、本プロジェクトの研究開発を実施する目的で、[地域]において技術的成果の知的財産権を使用する通常ライセンスを付与するものとする。乙方は、本契約に基づいて乙方の学生に使用させることを目的とした本プロジェクトの研究開発の実施以外に、技術的成果の知的財産権を使用するためのサブライセンスを第三者に付与してはならない。
1.2.3 プロジェクトに関与している、又は関与していた第三者(学生、請負業者、その他プロジェクトの参加者として定義されていない者など)がいる場合、関連する契約又は管理権限に基づいて当該第三者を拘束することができる当事者は、当該第三者が技術的成果に対して有する可能性のある全ての権利をその当事者が取得している(又は、将来的に適切であれば取得する)ことを保証しなければならない。
1.2.4 プロジェクトの実施過程において、技術的成果の知的財産権が譲渡されることが予想される場合、乙方は、本契約で合意された甲方に帰属することになる、乙方が所有する技術的成果の知的財産権を、甲方に直ちに譲渡するものとする。技術的成果の知的財産権の譲渡が期待できない場合、乙方は、甲方の要求に応じて、本契約により甲方に帰属することになる自己の所有する技術的成果の知的財産権を、その発生後直ちに甲方に譲渡するものとする。
1.2.5 (シナリオ 2-1 適用条項:学術発表の許可) 乙方とその従業員及び学生は、技術的成果の知的財産権のライセンスや譲渡の有無にかかわらず、取消不能の、技術的成果を学術発表のために使用する権利を有している。ただし、甲方の営業秘密が関係する場合は、甲方から事前に書面による同意を得る必要がある。(以下の技術的な結果を除く:【技術的な結果の詳細を挿入】)。
又は
1.2.5(シナリオ 2-2 項適用条項:同意のない学術発表の禁止)乙方のスタッフ、及び学生は、甲方の書面による同意なしに、技術的成果を学術発表として使用することはできない。
1.2.6 (オプション) 甲方は、甲方が技術的成果を開発していること、又は技術的成果を使用するために合理的な手段を講じていることを示すために、適宜要求される合理的な情報を乙方に提供するものとする。甲方がいずれかの方の当事者の技術的成果を開発していること、又はそれらを使用するために合理的な措置を講じていることを証明できない場合、甲方は、乙方の要求に応じて、それらの技術的成果の知的財産権を乙方に再譲渡するものとする。甲方が甲方の技術的
成果の使用を継続しないことを決定した場合、甲方は乙方にその旨を通知し、乙方が要求される場合には、当該技術的成果の知的財産権を乙方に再譲渡するものとする。
1.3 技術的成果の知的財産権の向上
1.3.1 別段の合意がない限り、本契約の満了又は終了後、いずれの当事者も技術的成果の知的財産権を改良又は二次的開発する権利を有するものとし、一方の当事者が単独で行った改良又は二次的開発の成果は、改良当事者又は二次的開発当事者に帰属するものとする。改良や二次的開発のために相手方の営業秘密を使用する必要がある場合は、相手方の書面による同意を得て、改良や二次的開発の成果を双方で共有するものとする。両者の連携による改善や二次展開の結果は、両者で共有するものとする。
1.3.2 (オプション) 一方の当事者が、技術的成果の知的財産権の改良又は二次的開発をした場合、対等な条件で優先的にライセンス又は譲渡される権利を他方の当事者に付与する。
1.4 権利を侵害しないことの保証
双方当事者が互いの知的財産権を使用する場合、相手方は、当該知的財産権が第三者の権利を侵害していないことを保証しなければならないものとする。
又は
双方当事者がお互いの知的財産権を使用する場合、その知的財産権が第三者の権利を侵害していないことの保証をお互いに得ることはできない。ただし、双方当事者は、知的財産権の合法的な出所を示す証拠を相互に提供しなければならない。
II.学術発表(シナリオ 2-1 適用条項)
2.1 本契約の守秘義務及び知的財産の規定に従い、本契約の当事者は双方とも、プロ
ジェクトの技術的成果を公表する権利を有するものとする。契約のいずれかの当事者は、その発表した論文又は出版物に、技術的成果に対する他方の当事者の貢献度及びその資金提供状況を明示しなければならない。
2.2 公表を提案する当事者は、公表予定日の少なくとも[XX]日前に、相手方当事者に書面で公表予定の詳細を提出する。もう一方の当事者は、公開を提案する当事者に書面で秘密保持の通知をすることができる。
2.3 秘密保持通知を行った当事者は、秘密保持通知の中で、提案された公表を[XX]ヶ月間延期するよう要求する権利を有する。ただし、当該当事者が、提案された出版物の内容に関する専利又はその他の知的財産権の保護を求めるために当該要請が必要であるとの合理的な意見を有している場合に限る。
2.4 秘密保持の通知を行う当事者は、公開される内容の詳細を受け取ってから[XX]日以内に秘密保持の通知を行わなければならない。公開を提案する当事者がその期間内に秘密保持通知を受け取らなかった場合は、公開に同意したものとみなされる。提案された公開が相手のバックグラウンド IP に関連し、且つその秘密情報である場合を除く。
個別条項 3: 双方が共有又は各自に帰属させる知的財産権に関する条項
シナリオ 3-1:各当事者は技術的成果の全ての知的財産権を共有する。 シナリオ 3-2:各当事者は、技術的成果の知的財産権の一部を所有する。
I. 知的財産権の帰属と使用
1.1 バックグラウンド IP の帰属と使用
1.1.1 本契約の履行は、当事者が元々所有していたバックグラウンド IP の所有権に影響を与えないものとし、その権利は元の権利者に帰属するものとする。
1.1.2 本契約の各当事者は、本プロジェクトの研究開発を遂行する目的で、バックグラウンド IP を使用する無償の一般ライセンスを相手側に付与するものとする。いずれの当事者も、本プロジェクトを遂行する目的で、甲方の関連会社の従業員や乙方の学生に使用させる目的を除き、相手方のバックグラウンド IP を第三者に使用させるためのサブライセンスを付与しないものとする。
1.1.3 甲方が、本プロジェクトの研究開発の実施以外の目的で、乙方のバックグラウンド IP を使用する必要がある場合、当事者は、別途ライセンス契約を締結するものとする。
1.2 技術的成果の知的財産権の帰属と使用
シナリオ 3-1 適用条項:各当事者は技術的成果に関する全ての知的財産権を共有する。
1.2.1 協力開発により完成した技術的成果の知的財産権は双方で共有し、その技術的成果の知的財産権を出願する権利も双方で共有するものとする。
1.2.2 いずれかの当事者が共有する知的財産権の出願権を譲渡する場合、他方の当事者は対等な条件で優先的に譲渡を受ける権利を有するものとする。当事者が共有する知的財産権の出願権を放棄した場合、他の当事者は単独に出願することができる。出願人が知的財産権を取得した場合、知的財産権を出願する権利を放棄した当事者は、無償で知的財産権を行使することができる。一方の当事者が知的財産権を出願することに同意しない場合、他方の当事者は知的財産権を出願することができない。
1.2.3 両当事者は、技術的成果に関する知的財産権の侵害の疑い又は実際の侵害に対して、随時(プロジェクトの期間に限定されない)合理的に必要なあらゆる手
段を講じることができ、他方の当事者は、そのような手段を講じる際に合理的な支援を行うものとする。
1.2.4 当事者双方は、相手方がプロジェクトの研究開発を実施する目的で、技術的成果の知的財産権を使用するライセンスを付与することを許可すべきであるが、他の第三者に技術的成果の知的財産権を使用するためのサブライセンスを許諾するものではない。
1.2.5 プロジェクトに関与している、又は関与していた第三者(学生、請負業者、その他プロジェクトの参加者として定義されていない者など)がいる場合、関連する契約又は管理権限に基づいて当該第三者を拘束することができる当事者は、当該第三者が技術的成果に対して有する可能性のある全ての権利をその当事者が取得している(又は、将来的に適切であれば取得する)ことを保証しなければならない。
1.2.6 いずれの当事者も、相手方の書面による同意なしに、共通の技術的成果の知的財産権を第三者に譲渡したり、ライセンスを供与したり、連携し共に使用したりすることはできない。
1.2.7 甲方の書面による同意なしに、乙方は、技術的成果の完成者(チーム)に対 して、技術的成果の知的財産の所有権又は長期使用権を付与してはならない。甲方が技術的成果の完成者(チーム)に技術的成果の知的財産の所有権又は 長期使用権を与えることに書面で同意した場合、合意した両当事者は、技術 的成果の完成者(チーム)との間で、技術移転所得分配の割合、技術移転意 思決定メカニズム、技術移転費用の分担、及び知的財産権の維持費用につい て合理的に合意する、三者間の書面による合意書に署名しなければならない。
1.2.8 乙方(及び知的財産権を付与された技術的成果の完成者(チーム))が、同意の上で共有部分の技術的成果の知的財産権を譲渡する場合、甲方は優先的に同じ条件で技術的成果の知的財産権を譲渡される権利を有するものとする。甲方は、乙方(及び知的財産権を付与された技術的成果の完成者(チーム))が、甲方の競合他社と、同一・類似項目、同一・類似技術、及び知的財産権のライセンス供与又は譲渡に関して、交渉又は取引を行わないことを、書面で要求す
る権利を有する。ただし、甲方が競争関係の合理的な証拠を持っている場合に限る。
1.2.9 乙方とそのスタッフ及び学生は、技術的成果の知的財産権のライセンスや譲渡の有無にかかわらず、取消不能の、学術研究目的で技術的成果の知的財産権を使用する権利を有するものとする。ただし、甲方の営業秘密が関係する場合は、甲方から事前に書面による同意を得る必要がある。
1.2.10 (オプション)オプション期間:甲方は、プロジェクト期間中及びプロジェクト終了後[XX]ヶ月以内に、乙方に書面で通知することにより、技術的成果の知的財産権の譲渡を交渉する権利を有する。
1.2.11 (オプション)協議期間: 乙方は、甲方から書面による通知を受領した場合、通知を受領した日から[XX]日以内に、技術的成果の知的財産権の譲渡について甲方と協議しなければならない。
1.2.12 (オプション)オプション期間又は協議期間中、乙方は、技術的成果の知的財産権のライセンス又は譲渡について第三者と交渉することはできない。協議期間終了後[XX]ヶ月の間、乙方は、技術的成果の知的財産権のライセンス又は譲渡について、甲方に提示した条件よりも有利な交渉条件を第三者に提示することはできない。
1.2.13(オプション) 協議期間中に、技術的成果のいずれかに関して専利出願又はその他の保護措置を講じることを甲方が要求した場合、甲方は、甲方が要求する措置を講じるために乙方が負担した合理的な費用及び経費を乙方に補償するものとする。甲方がそのような費用を支払った技術的成果の知的財産権を、乙方が後に第三者にライセンス又は譲渡する場合、乙方は甲方が支払ったそのような費用を甲方に払い戻すものとする。
シナリオ 3-2 適用条項:各当事者が技術的成果の知的財産権の一部を所有している場合
1.2.1 甲方のバックグラウンド IP xxの使用に直接関連する技術的成果の知的財産
権は甲方に、乙方のバックグラウンド IP xxの使用に直接関連する技術的成果の知的財産権は乙方に帰属するものとする。(又は、本契約の両当事者が合意した技術的成果の[特定の種類の]権利は甲方が所有するものとし、技術的成果の[特定の種類の]権利 は乙方が所有するものとする。)
1.2.2 両当事者は、技術的成果に含まれる知的財産権を出願し保護するための措置を随時(プロジェクトの期間に限定されない)講じることができる。これには、技術的成果に関する専利の出願、専利及び専利の有効性の維持、技術的成果知的財産権の侵害容疑又は実際の侵害に対して合理的に必要なあらゆる措置を講じることが含まれる。他方の当事者は、そのような措置を講じるにあたり、合理的な支援を行うものとする。
1.2.3 いずれかの当事者が、その技術的成果に関する知的財産権の出願もしくは保護、又はその技術的成果に関する知的財産権の侵害に対する合理的に必要な全て の措置を講じる必要がないと考える場合、当該当事者は、その権利を放棄する 前に、速やかに他方の当事者に通知するものとする。他方の当事者の権利を損 なうことなく、技術的成果の知的財産権を創出した当事者は、その知的財産権 を出願し保護するなど合理的な措置を講じることができることができる。これ には、専利の出願や、知的財産権の侵害の疑い又は実際の侵害に対して合理的 に必要な全ての措置を講じることが含まれる。
1.2.4 各当事者は、本プロジェクトの研究開発を遂行する目的で、[地域]において技術的成果の知的財産権を使用するための通常ライセンスを相手側に付与するものとする。いずれの当事者も、本契約に基づいて甲方の関連会社の従業員又は乙方の学生に対して本プロジェクトの研究開発を実施する目的以外に、他の第三者に対して、相手方当事者の技術的成果に含まれる知的財産権を使用するためのサブライセンスを付与してはならないものとする。
1.2.5 乙方が技術的成果の完成者(チーム)に対し、その技術的成果の知的財産権の所有権又は長期使用を許諾する場合、乙方は技術的成果の完成者(チーム)との間で書面による合意書を締結し、合意が発効してから[XX]日以内に甲方に書面で通知するものとする。乙方は、技術的成果を使用する権利を付与
された者(チーム)が本契約の規定を認識し、遵守することを保証するものとする。
1.2.6 プロジェクトに関与している、又は関与していた第三者(例えば、学生、請負業者、その他の人で、プロジェクトに定義された参加者ではない人)がいる場合、関連する契約書又は管理権限によってその第三者を拘束できる当事者は、その第三者が技術的成果に対して持つ可能性のある全ての権利をその当事者が取得した(又は、将来的に適切であれば、取得する)ことを保証しなければならない。
1.2.7 プロジェクトの実施過程において、技術的成果の知的財産権が譲渡されることが予想される場合、両当事者は、本契約で合意されたとおり、両当事者が各自所有する技術的成果の知的財産権のうち、他方の当事者に帰属するものを直ちに他方の当事者に譲渡しなければならないものとする。技術的成果の知的財産権の譲渡が期待できない場合、両当事者は、相手方の要求に応じて、本契約により相手方に帰属することとなる自己の所有する技術的成果の知的財産権を、その発生と同時に相手方に譲渡するものとする。
1.2.8 乙方(及び権利を付与された技術的成果の完成者(チーム))がその技術的成果の知的財産権を譲渡する場合、甲方は同じ条件でその技術的成果の知的財産権を優先的に譲渡される権利を有するものとする。甲方は、乙方(及び権利を付与された技術的成果の完成者(チーム))が、同一又は類似の品目、同一又は類似の技術、及び知的財産権のライセンス又は譲渡に関して、甲方の競合他社と交渉又は取引しないことを書面で要求する権利を有する。ただし、甲方が競合関係を示す合理的な証拠がある場合に限る。
1.2.9 乙方並びにその従業員及び学生は、技術的成果の知的財産権のライセンス又は譲渡の有無にかかわらず、取消不能の、乙方の技術的成果の知的財産権を学術研究目的で使用する権利を有するものとする。ただし、甲方の営業秘密が関係する場合は、甲方から事前に書面による同意を得る必要がある。
1.2.10(学術発表の許可) 乙方並びにその従業員及び学生は、技術的成果の知的財産権のライセンス及び譲渡の有無にかかわらず、取消不能の甲方の技術的成果
を学術発表のために使用する権利を有するものとする。ただし、甲方の営業秘密が関係する場合は、甲方から事前に書面による同意を得る必要がある。(以下の技術的な結果を除く:【技術的な結果の詳細を挿入】)。
又は
1.2.10 (同意なき学術発表の禁止) 乙方とそのスタッフ及び学生は、甲方の書面による同意なしに、甲方の技術的成果を学術発表のために使用してはならない。
1.2.11 オプション期間: 甲方は、プロジェクト期間中及びプロジェクト終了後 [XX]ヶ月以内に、乙方に書面で通知することにより、技術的成果に関するライセンスの付与又は知的財産権の譲渡について交渉する権利を有する。
1.2.12 協議期間: 乙方は、甲方から書面による通知を受領した場合、当該通知を受領した日から[XX]日以内に、技術的成果に関するライセンスの付与又は知的財産権の譲渡に関して甲方と協議するものとする。
1.2.13 オプション期間又は協議期間中、乙方は技術的成果の知的財産権を実施するためのライセンスの付与や技術的成果の知的財産権の譲渡について第三者と交渉することはできず、技術的成果の完成者(チーム)に技術的成果の知的財産権の所有権や長期的な使用権を付与することもできない。協議期間終了後の[XX]ヶ月の間、乙方(及び権利が賦与された技術的成果の完成者(チーム))は、技術的成果の知的財産権の第三者への許諾又は譲渡について、甲方に提示した条件よりも有利な条件で交渉してはならない。
1.2.14 協議期間中に、技術的成果のいずれかに関して専利出願又はその他の保護措置を講じることを甲方が乙方に要求した場合、甲方は、甲方の要求に応じて当該措置を講じるために乙方が負担した合理的な費用及び経費を乙方に補償するものとする。乙方がその後、甲方がそのような費用を支払った技術的成果の知的財産権を第三者にライセンス又は譲渡した場合、乙方は甲方が支払ったそのような費用を甲方に払い戻すものとする。
1.3 技術的成果の知的財産権の改良
1.3.1 別段の合意がない限り、本契約の満了又は終了後、いずれの当事者も技術的成果の知的財産権を改良又は二次的開発する権利を有するものとし、一方の当事者が単独で行った改良又は二次的開発の成果は、改良当事者又は二次的開発当事者に帰属するものとする。改良や二次的開発のために相手方の営業秘密を使用する必要がある場合には、相手方の書面による同意を得る必要があり、その改良や二次的開発の成果を双方で共有するものとする。両者の連携による改良や二次開発の結果は、両者で共有するものとする。
1.3.2 (オプション) 一方の当事者が、技術的成果の知的財産権の改良又は二次的開発を行った場合、優先的に対等な条件で実施許諾又は譲渡される権利を他方の当事者に付与する。
1.4 権利を侵害しないことの保証
双方当事者が互いの知的財産権を使用する場合、相手方は、当該知的財産権が第三者の権利を侵害していないことを保証しなければならないものとする。
又は
双方当事者がお互いの知的財産権を使用する場合、その知的財産権が第三者の権利を侵害していないことの保証をお互いに得ることはできない。ただし、双方当事者は、知的財産権の合法的な出所を示す証拠を相互に提供しなければならない。
II.学術発表(シナリオ 3-1、シナリオ 3-2 の学術発表の適用条項 )
2.1 本契約の守秘義務及び知的財産の規定に従い、本契約の両当事者は、プロジェク トの技術的成果を公表する権利を有するものとする。契約のいずれかの当事者は、その発表した論文又は出版物に、技術的成果に対する他方の当事者の貢献度及び その資金提供を明示しなければならない。
2.2 公表を提案する当事者は、公表予定日の少なくとも[XX]日前に、相手方当事者に書面で公表予定の詳細を提出する。もう一方の当事者は、公開を提案する当事者に書面で秘密保持の通知をすることができる。
2.3 秘密保持通知を行った当事者は、秘密保持通知の中で、提案された公表を[XX]ヵ月間延期するよう要求する権利を有する。ただし、当該当事者が、提案された出版物の内容に関する専利又はその他の知的財産権の保護を求めるために当該要請が必要であるとの合理的な意見を有している場合に限る。
2.4 秘密保持の通知を行う当事者は、公開される内容の詳細を受け取ってから[XX]日以内に秘密保持の通知を行わなければならない。公開を提案する当事者がその期間内に秘密保持通知を受け取らなかった場合は、公開に同意したものとみなされる。但し、提案された公開が相手のバックグラウンド IP に関連し、その秘密情報である場合を除く。
出所:国家知识产权局办公室 教育部办公厅 科技部办公厅关于印发《产学研合作协议知识产权相关条款制定指引(试行)》的通知 国知办发运字〔2021〕41 号 2021 年 10 月 8 日中国政府網
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